JP2001002648A - N−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩 - Google Patents

N−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩

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JP2001002648A
JP2001002648A JP11170371A JP17037199A JP2001002648A JP 2001002648 A JP2001002648 A JP 2001002648A JP 11170371 A JP11170371 A JP 11170371A JP 17037199 A JP17037199 A JP 17037199A JP 2001002648 A JP2001002648 A JP 2001002648A
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tetrahydroxy
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JP11170371A
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Koichi Kasai
浩一 葛西
Kiyoshi Okada
清 岡田
Shinobu Saito
しのぶ 斉藤
Shoichi Tokutake
昌一 徳武
Kouichirou Tobe
光一朗 戸邉
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは、置換基を有することもあるアルキル基又
は単糖基を示す)で表されるN−置換アゼパン誘導体及
びそれらの塩。 【効果】以上のようにして得られた前記一般式(I)で
表されるN−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩は、新
規な化合物であり、実験例で記載したように種々のグリ
コシダーゼに対する阻害活性を有している。グリコシダ
ーゼに阻害活性を有するということは、生体における細
胞内外のグリコシル化及び/又は脱グリコシル化に影響
することであり、例えば、O−及びN−プロテインの生
物合成に影響を及ぼし、例えば、粘液性物質の組成の改
質、キチン代謝への影響、殺菌・殺カビ及び/又は制菌
作用、免疫調整作用、悪性腫瘍細胞の転移抑制作用等の
性質を有することに関して、高い可能性を示す。また、
グリコシダーゼ阻害活性は、消化管内においてα−アミ
ラーゼ又はα−グルコシダーゼ等の炭水化物分解酵素を
阻害することであり、グルコース等の吸収速度を低下さ
せる。N−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩は、糖尿
病治療薬として用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリコシダーゼ阻
害活性を有するN−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩
に関する。
【0002】
【従来の技術】ノジリマイシン、デオキシノジリマイシ
ン、カスタノスペルミン、スウェイソニン等で代表され
るアザ糖(糖型アルカロイド、N−ヘテロ糖とも呼ばれ
る)は、各種グリコシダーゼ阻害活性を有し、細胞表面
の糖タンパク質の合成に影響を与えるため、HIV等の
ウイルス感染、ガン転移、免疫不全等の治療の領域にお
いて有用性が期待されている。一方これらアザ糖は、直
接的に消化酵素(グリコシダーゼ類)を阻害することに
よって糖質吸収の遅延効果をもたらし、これに基づいて
食後の過血糖症が軽減されるため、糖尿病や肥満の治療
薬の分野においても、有用性が確認されつつある。
[「Sci.Progress Oxford」、第7
4巻、第245ページ(1990年)等] しかしながら既存のアザ糖のほとんどは微生物の代謝産
物等、天然素材を起源としており、又いくつかそれらの
誘導体の合成に関する研究もなされてはきたが、基本骨
格的にはポリヒドロキシピペリジン(6員環アミン)
類、ポリヒドロキシピロリジン(5員環アミン)類、又
はこれらを主骨格とした縮合環構造を有するものに限ら
れていた。本発明N−置換アゼパン誘導体及びそれらの
塩は、糖尿病治療薬として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N−置換ア
ゼパン誘導体及びそれらの塩を提供することを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
前記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、新規
なポリヒドロキシアゼパン(7員環アミン)類が顕著な
グリコシダーゼ阻害活性を有することを見い出し、この
知見に基づいて本発明を完成させた。すなわち本発明
は、一般式(I)
【化2】 (式中、Rは、置換基を有することもあるアルキル基又
は単糖残基を示す)で表されるN−置換アゼパン誘導体
及びそれらの塩である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の前記一般式(I)で表されるN−置換アゼパン
誘導体及びそれらの塩において、Rは、置換基を有する
こともあるアルキル基又は単糖残基を示し、さらに好ま
しくは、水酸基で置換されることもある炭素数1〜9の
アルキル基又は6−デオキシ−6−ピラノシル基を意味
し、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘキシルメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、6−デオキシ−6−グルコシ
ル基、6−デオキシ−6−ガラクトシル基、6−デオキ
シ−6−マンノシル基等が挙げられる。
【0006】又、本発明の前記一般式(I)で表される
N−置換アゼパン誘導体の塩としては、例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、りん酸等の無機酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機スルホ
ン酸、又はギ酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸等
の有機カルボン酸による酸付加塩等が挙げられる。本発
明の前記一般式(I)で表されるN−置換アゼパン誘導
体及びそれらの塩を製造するには、如何なる方法を用い
てもく、例えば、次の方法を用いればよい。グルコー
ス、ガラクトース、マンノース等のピラノースを原料に
用い、先ず公知の方法で6位の1級ヒドロキシル基を、
例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基又はナフタレ
ンスルホニルオキシ基に変換し、これに極性溶媒中で、
アジ化ナトリウム等を作用させて、6−デオキシ−6−
アジドピラノースとし、次いで、パラジウム−炭素等を
用いて、還元的アミノアルキル化反応を行い、テトラヒ
ドロキシアゼパン誘導体を得る。次いで、このテトラヒ
ドロキシアゼパン誘導体にハロゲン化アルキルを作用さ
せてN−アルキル化反応を行えば、前記一般式(I)で
表されるN−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩を得る
ことができる。
【0007】前記一般式(I)で表されるN−置換アゼ
パン誘導体及びそれらの塩を得るための、製造方法を以
下に説明する。先ず出発物質であるピラノースの例とし
ては、例えば、市販のD−グルコピラノース、D−ガラ
クトピラノース、D−マンノピラノース等が挙げられ
る。次いで、ピラノースの6位1級水酸基をアリールス
ルホニル化するのであるが、例えば、p−トルエンスル
ホニル化の場合、先ずピラノースをピリジン等の溶媒に
溶解し、このピラノースに対して1〜3倍モル量のp−
トルエンスルホニルクロライドを添加し、通常−10〜
15℃の範囲の温度で、4〜48時間程度反応させれ
ば、6位ヒドロキシル基のp−トルエンスルホニル化が
完了する。必要により常法に従って精製し、6−O−p
−トルエンスルホニルピラノースが得られる。他のアリ
ールスルホニル化を行う場合も、同様にアリールスルホ
ニルクロライド又はアリールスルホニルブロマイド、無
水アリールスルホニル等を作用させて行う。またアリー
ルスルホニル化に続いて、必要によりピラノースの残る
フリーの水酸基に常法により、アセチル基、ベンゾイル
基、ベンジル基、メトキシメチル基、イソプロピリデン
基等の保護基を導入してもよい。
【0008】このようにして得られた6−O−アリール
スルホニルピラノースを、極性溶媒中に溶解し、2〜5
0倍モル量のアジ化ナトリウムを添加して、通常50〜
100℃の範囲の温度で2〜12時間程度反応させる
と、アリールスルホニルオキシ基がアジド基に置換さ
れ、必要により常法に従って精製すれば、6−アジド−
6−デオキシピラノースが得られる。置換反応に用いる
極性溶媒としては、例えば、水、アセトン、1,4−ジ
オキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらは単
独で又は2種以上を混合して用いても良い。必要により
行われる6−アジド−6−デオキシピラノースの精製法
としてはカラムクロマトグラフィー法、晶析法等が挙げ
られる。又上記で述べたように、必要によりピラノース
の残るフリーの水酸基に保護基が導入されている場合
は、アジド化に続いて、常法による脱保護反応を行う。
なおベンジル基等のように、還元条件で脱保護されるも
ので、以下に述べる還元反応において同時に除去できる
場合は、必ずしもここで脱保護する必要はない。
【0009】このようにして得られた6−アジド−6−
デオキシピラノースを溶媒中に溶解し、市販のパラジウ
ム−炭素(5〜10%含有)の存在下、ギ酸アンモニウ
ムを添加して還元を行うと、アジド基のアミノ基への還
元とピラノースのホルミル基への還元的アミノ化反応が
連続的に進行し、テトラヒドロキシアゼパン誘導体が生
成する。ここで用いられる溶媒は、接触還元反応を阻害
するものでなければ如何なるものを用いてもよいが、通
常、水又はメタノールもしくはエタノール等の低級アル
コールが用いられる。添加されるパラジウム−炭素は、
原料物質の6−アジド−6−デオキシピラノースに対し
て重量比で5〜50%であり、反応は通常10〜100
℃の温度で、3〜50時間行われる。還元触媒及び/又
は還元剤としては、パラジウム−炭素/ギ酸アンモニウ
ム以外にパラジウム−炭素/ギ酸、パラジウム−炭素/
水素、プラチナ−炭素/水素、ラネーニッケル/水素、
水素化ホウ素ナトリウム等を用いることも可能である。
反応終了後必要によりカラムクロマトグラフィー法、晶
析法等を用いて精製すれば、テトラヒドロキシアゼパン
誘導体が得られる。
【0010】このようにして得られたテトラヒドロキシ
アゼパン誘導体を極性溶媒中に溶解し、1〜10倍モル
量のハロゲン化アルキル及び必要により塩基を添加し
て、通常10〜100℃の範囲の温度で1〜24時間程
度反応させると、環状アミノ基がアルキル化されて、前
記一般式(I)で表されるN−置換アゼパン誘導体が生
成する。反応に用いるハロゲン化アルキルとしては、例
えば、ヨードメタン、ブロモエタン、1−ブロモブタ
ン、ヨードシクロヘキサン、ブロモメチルシクロヘキサ
ン、2−ヨードエタノール、3−ブロモプロパノール、
6−デオキシ−6−ヨード−グルコース、6−デオキシ
−6−ブロモ−ガラクトース、6−デオキシ−6−ヨー
ド−マンノース等が挙げられる。反応に用いる極性溶媒
としては、例えば、アセトン、1,4−ジオキサン、ア
セトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられ、これらは単独で又は2種
以上を混合して用いても良い。又必要により反応に用い
られる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、トリエチルアミン等が挙げられる。反応終了後
必要により活性炭、イオン交換樹脂、シリカゲル、OD
S等を用いて精製すれば、前記一般式(I)で表される
N−置換アゼパン誘導体及びそれらの塩を得ることがで
きる。本発明の前記一般式(I)で表されるN−置換ア
ゼパン誘導体及びそれらの塩における水酸基の立体配置
は、出発原料として用いたピラノースの水酸基の立体配
置によって限定され、例えば、D−グルコピラノースを
出発原料として用いれば、(3R,4R,5R,6S)
−テトラヒドロキシ体となる。
【0011】
【実施例】以下、参考例、実施例及び実験例により本発
明を更に具体的に説明する。なお、各実施例中の高速液
体クロマトグラフィーは、カラムとして東ソー(株)製
TSKgel Amide-80カラム (4.6mmID×250mm)、溶離液と
してアセトニトリル/25mMギ酸アンモニウム−アンモ
ニアバッファー(pH8.5)=6:4(v/v)の混液、流速と
して1.0ml/min、検出器として示差屈折計(RI)を使用
し、各例中にはリテンションタイム(tR)を示す。又、
各実施例中の比旋光度は25℃においてナトリウムのD線
で測定した値である。 <参考例1> (3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピンの合成 市販のD-グルコース100g(555mmol)をピリジン1000ml
に溶解し、撹拌しながら氷冷下にトシルクロライド117g
(611mmol)をピリジン500mlに溶解した溶液を1時間か
けて滴加した後、5℃で20時間反応させた。得られた反
応液に水100mlを加え、減圧下濃縮乾固した後、残渣を
水1000mlに溶解し、クロロホルム500mlで2回洗浄後、水
層を減圧下濃縮乾固して、粗製の6-O-トシル-D-グルコ
ースを得た。次いで、粗製の6-O-トシル-D-グルコース
をジメチルホルムアミド500mlに溶解し、アジ化ナトリ
ウム50g(769mmol )を加え、80℃で4時間反応させた。
得られた反応液を減圧下濃縮乾固して、粗製の6-アジド
-6-デオキシ-D-グルコースを得た。次いで、粗製の6-ア
ジド-6-デオキシ-D-グルコースを水1000mlに溶解し、10
%パラジウム−炭素20g及びギ酸アンモニウム100gを加
え、室温で1時間撹拌しながら反応させた。次いで、ギ
酸アンモニウム100gを追加し、60℃で6時間反応を行っ
た。得られた反応液中の パラジウム−炭素を濾別し、
濾液を減圧下濃縮乾固して得た残渣を活性炭カラムクロ
マトグラフィーに供して、水で溶出した目的物が含まれ
る区分を濃縮後、得られた残渣を陰イオン交換樹脂(DO
WEX 1-X4、OH-)カラムクロマトグラフィーに供して精
製を行い、水で 溶出した目的物が含まれる区分を凍結
乾燥して、(3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-テト
ラヒドロキシ-1H-アゼピン32.5g(199mmol、収率36%)
を得た。 13C核磁気共鳴スペクトル(50MHz、DMSO-d
6)δ:52.4,52.7,74.4,76.6,77.3,78.0。
【0012】<参考例2> (3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンの合成 市販の1,2,3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラ
ノース25g(96mmol)をピリジン250mlに溶解し、撹拌し
ながら氷冷下にトシルクロライド20g(105mmol)をピリ
ジン125mlに溶解した溶液を1時間かけて滴加した後、5
℃で20時間反応させた。得られた反応液に水25mlを加
え、減圧下濃縮乾固した後、残渣をクロロホルム500ml
に溶解し、水500mlで2回洗浄、有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、濾別した後、濾液を減圧下濃縮乾固して、
粗製の6-O-トシル-1,2,3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-
ガラクトピラノースを得た。次いで、粗製の6-O-トシル
-1,2,3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノー
スをジメ チルホルムアミド500mlに溶解し、アジ化ナト
リウム10g(154mmol)を加え、120℃で5時間反応させ
た。得られた反応液を減圧下濃縮乾固した後、残渣をク
ロロホルム500mlに溶 解し、水500mlで2回洗浄、有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾別した後、濾液を減圧
下濃縮乾固して、粗製の6-アジド-6-デオキシ-1,2,3,4-
ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノースを得た。
次いで、粗製の6-アジド-6-デオキシ-1,2,3,4-ジ-O-イ
ソプロピリデン-D-ガラクトピラノースをトリフルオロ
酢酸−水混液(容量比9:1)250mlに溶解し、室温で2時
間反応させた。得られた反応液を減圧下濃縮乾固して、
粗製の6-アジド-6-デオキシ-D-ガラクトピラノースを得
た。次いで、粗製の6-アジド-6-デオキシ-D-ガラクトピ
ラノースを水250mlに溶解し、10%パラジウム−炭素5g
及びギ酸アンモニウム25gを加え、室温で1時間撹拌しな
がら反応させた。次いで、ギ酸アンモニウム25gを追加
し、60℃で5 時間反応を行った。得られた反応液中のパ
ラジウム−炭素を濾別し、濾液を減圧下濃縮乾固して得
た残渣を活性炭カラムクロマトグラフィーに供して、水
で溶出した目的物が含まれる区分を濃縮後、得られた残
渣を陰イオン交換樹脂(DOWEX 1-X4、OH -)カラムクロ
マ トグラフィーに供して精製を行い、水で溶出した目
的物が含まれる区分を凍結乾燥して、(3R,4S,5R,6S)-ヘ
キサヒドロ-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピン5.4
g(33mmol、収 率34%)を得た。 13C核磁気共鳴スペ
クトル(50MHz、DMSO-d6)δ:50.2,68.7,73.5。
【0013】<参考例3> (3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒド
ロ-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンの合成 市販のD-マンノース100g(555mmol)をピリジン1000ml
に溶解し、撹拌しながら氷冷下にトシルクロライド117g
(611mmol)をピリジン500mlに溶解した溶液を1時間か
けて滴加した後、5℃で20時間反応させた。得られた反
応液に水100mlを加え、減圧下濃縮乾固した後、残渣を
水1000mlに溶解し、クロロホルム500mlで2回洗浄後、水
層を減圧下濃縮乾固して、粗製の6-O-トシル-D-マノー
スを得た。次いで、粗製の6-O-トシル-D-マノースをジ
メチルホルムアミド500mlに溶解し、アジ化ナトリウム5
0g(769mmol)を加え、80℃で4時間反応させた。得られ
た反応液を減圧下濃縮乾固して、粗製の6-アジド-6-デ
オキシ-D-マンノースを得た。次いで、粗製の6-アジド-
6-デオキシ-D-マンノースを水1000mlに溶解し、10%パ
ラジウム−炭素20g及びギ酸アンモニウム100gを加え、
室温で1時間撹拌しながら反応させた。次いで、ギ酸ア
ンモニウム100gを追加し、60℃で6時間反応を行った。
得られた反応液中のパラジウム−炭素を濾別し、濾液を
減圧下濃縮乾固して得た残渣を活性炭カラムクロマトグ
ラフィーに供して、水で溶出した目的物が含まれる区分
を濃縮後、得られた残渣を陰イオン交換樹脂(DOWEX 1-
X4、OH-)カラムクロマトグラフィーに供して精製を行
い、水で溶出した目的物が含まれる区分を凍結乾燥し
て、(3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-テトラヒド
ロキシ-1H-アゼピン27.8g(170mmol、収率31%)を得
た。 13C 核磁気共鳴スペクトル(50MHz、DMSO-d6)
δ:50.3,70.1,73.1。
【0014】<実施例1> (3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(2-ヒドロキシエチル)-3,4,5,6-テトラヒドロキ
シ-1H-アゼピン[本発明化合物(1)] 参考例1で得た(3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン2.0g(12.3mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、2-ヨードエタノール2.
9ml(37.2mmol)及び炭酸カリウム1.7g(12.3mmol)を
加え、室温で2時間反応させた。得られた反応液に水20m
l及び1N塩酸15mlを加え、活性炭カラムクロマトグラフ
ィーに供し、水で溶出した目的物が含まれる区分を濃縮
して、得られた残渣を陰イオン交換樹脂(DOWEX 1-X4、
OH-)カラムクロマトグラフィーに供して精製を行い、
水で溶出した目的物が含まれる区分を凍結乾燥して、(3
R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-1-N-(2-ヒドロキシエチル)-
3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを1.58g(7.62m
mol、収率62%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3336,1642,1462,140
8,1345 cm-1 比旋光度[α]:-15.7°(c 0.148、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:57.
27,58.37,58.86,60.29,69.03,73.72,75.83,75.9
8. 高速液体クロマトグラフィー:5.4 min. 元素分析:C817NO5として、理論値(%):C,4
6.37;H,8.27;N,6.76.実測値(%):C,46.3
4;H,8.38;N,6.71.
【0015】<実施例2> (3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(2-ヒドロキシエチル)-3,4,5,6-テトラヒドロキ
シ-1H-アゼピン[本発明化合物(2)] 参考例2で得た(3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.0g(6.1mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、2-ヨードエタノール1.
4ml(18.3mmol)を加え、室温で20時間反応させた。得
られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、活性炭カラ
ムクロマトグラフィーに供し、エタノール−水混液(容
量比0%→50%グラジェント)で溶出し、目的物が含ま
れる区分を濃縮して、得られた残渣を陰イオン交換樹脂
(DOWEX 1-X4、OH-)カラムクロマトグラフィーに供し
て精製を行い、水で溶出した目的物が含まれる区分を凍
結乾燥して、(3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒドロ-1-N-(2-ヒド
ロキシエチル)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピン
を0.67g(3.23mmol、収率53%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3317,1647,1463,141
2,1329 cm-1 比旋光度[α]:-0.8°(c 0.159、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:59.
03,60.02,60.87,70.04,74.37. 高速液体クロマトグラフィー:5.5 min. 元素分析:C817NO5として、理論値(%):C,4
6.37;H,8.27;N,6.76.実測値(%):C,46.2
6;H,8.35;N,6.64.
【0016】<実施例3> (3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(2-ヒドロキシエチル)-3,4,5,6-テトラヒドロキ
シ-1H-アゼピン[本発明化合物(3)] 参考例3で得た(3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.75g(10.7mmol)をジ
メチルスルホキシド10mlに溶解し、2-ヨードエタノール
1.7ml(21.5mmol)を加え、40℃で20時間反応させた。
得られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、活性炭カ
ラムクロマトグラフィーに供し、エタノール−水混液
(容量比0%→20%グラジェント)で溶出し、目的物が
含まれる区分を濃縮して、得られた残渣を陰イオン交換
樹脂(DOWEX 1-X4、OH-)カラムクロマトグラフィーに
供して精製を行い、水で溶出した目的区分を凍結乾燥し
て、(3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-1-N-(2-ヒドロキシエ
チル)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを1.21g
(5.84mmol、収率55%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3347,1643,1464,140
8,1281 cm-1 比旋光度[α]:-25.5°(c 0.179、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:56.
68,58.68,60.43,68.22,73.27. 高速液体クロマトグラフィー:6.8 min. 元素分析:C817NO5として、理論値(%):C,4
6.37;H,8.27;N,6.76.実測値(%):C,46.4
3;H,8.23;N,6.72.
【0017】<実施例4> (3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,4,5,6-テトラヒドロ
キシ-1H-アゼピン[本発明化合物(4)] 参考例3で得た(3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.08g(6.6mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、3-ブロモプロパノール
1.2ml(13.2mmol)を加え、室温で6時間反応させた。得
られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、活性炭カラ
ムクロマトグラフィーに供し、エタノール−水混液(容
量比0%→20%グラジェント)で溶出し、目的物が含ま
れる区分を濃縮して、得られた残渣を陰イオン交換樹脂
(DOWEX 1-X4、OH-)カラムクロマトグラフィーに供し
て精製を行い、水で溶出した目的区分を凍結乾燥して、
(3R,4S,5R,6S)-ヘキサヒドロ-1-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを1.01g
(4.56mmol、収率69%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3346,1657,1467,140
7,1283 cm-1 比旋光度[α]:-16.6°(c 0.122、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:30.
30,55.76,56.72,59.34,67.93,73.41. 高速液体クロマトグラフィー:9.0 min. 元素分析:C919NO5として、理論値(%):C,4
8.86;H,8.66;N,6.33.実測値(%):C,48.6
6;H,8.69;N,6.37.
【0018】<実施例5> (3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-1-N-シクルヘキシルメチル-3,4,5,6-テトラヒドロキ
シ-1H-アゼピン[本発明化合物(5)] 参考例1で得た(3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.0g(6.1mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、ブロモメチルシクロヘ
キサン1.7ml(12.3mmol)を加え、60℃で6時間反応させ
た。得られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、活性
炭カラムクロマトグラフィーに供し、エタノール−水混
液(容量比0%→50%グラジェント)で溶出し、目的物
が含まれる区分を濃縮して、得られた残渣を陰イオン交
換樹脂(DOWEX 1-X4、OH-)カラムクロマトグラフィー
に供して精製を行い、水で溶出した目的区分を凍結乾燥
して、(3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-1-N-シクルヘキシ
ルメチル-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを0.9
6g(3.70mmol、収率61%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3339,3217,1451,141
1,1358,1324,1285cm-1 比旋光度[α]:-17.0°(c 0.104、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:25.
56,26.38,31.03,31.06,35.73,57.65,58.79,65.2
5,69.17,73.69,75.58,76.12. 高速液体クロマトグラフィー:4.3 min. 元素分析:C1325NO4として、理論値(%):C,6
0.21;H,9.72;N,5.40.実測値(%):C,60.1
7;H,9.83;N,5.43.
【0019】<実施例6> (3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(6-デオキシ-D-グルコース-6-イル)-3,4,5,6-テ
トラヒドロキシ-1H-アゼピン[本発明化合物(6)] 参考例1で得た(3R,4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.0g(6.1mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、6-デオキシ-6-ヨード-
グルコース3.6g(12.4mmol)を加え、60℃で4時間反応
させた。得られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、
活性炭カラムクロマトグラフィーに供して精製を行い、
エタノール−水混液(容量比0%→20%グラジェント)
で溶出し、目的物が含まれる区分を凍結乾燥して、(3R,
4R,5R,6S)-ヘキサヒドロ-1-N-(6-デオキシ-D-グルコー
ス-6-イル)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを
0.85g(2.61mmol、収率43%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3318,1629,1457,141
2,1261 cm-1 比旋光度[α]:-33.0°(c 0.122、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:56.
46,64.03,64.09,65.02,66.17,69.21,70.06,72.0
7,73.28,76.04,77.63,99.12. 高速液体クロマトグラフィー:15.6 min. 元素分析:C1223NO9として、理論値(%):C,4
4.30;H,7.13;N,4.31.実測値(%):C,44.2
2;H,7.17;N,4.27.
【0020】<実施例7> (3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒド
ロ-1-N-(6-デオキシ-D-グルコース-6-イル)-3,4,5,6-テ
トラヒドロキシ-1H-アゼピン[本発明化合物(7)] 参考例3で得た(3R,4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-3,4,5,6-
テトラヒドロキシ-1H-アゼピン1.0g(6.1mmol)をジメ
チルスルホキシド10mlに溶解し、6-デオキシ-6-ヨード-
グルコース3.6g(12.4mmol)を加え、60℃で6時間反応
させた。得られた反応液に水20ml及び2N塩酸を加え、
活性炭カラムクロマトグラフィーに供して精製を行い、
エタノール−水混液(容量比0%→20%グラジェント)
で溶出し、目的物が含まれる区分を凍結乾燥して、(3R,
4R,5R,6R)-ヘキサヒドロ-1-N-(6-デオキシ-D-グルコー
ス-6-イル)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-1H-アゼピンを
1.06g(3.26mmol、収率53%)得た。 赤外吸収スペクトル(KBr):3287,1612,1462,140
9,1245 cm-1 比旋光度[α]:-30.1°(c 0.151、H2O)13 C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、DMSO-d6)δ:56.
71,63.57,63.66,63.70,64.30,66.15,69.94,72.0
1,72.93,73.12,77.76,100.30. 高速液体クロマトグラフィー:15.2 min. 元素分析:C1223NO9として、理論値(%):C,4
4.30;H,7.13;N,4.31.実測値(%):C,44.3
3;H,7.07;N,4.24.
【0021】 <実験例1> α−グルコシダーゼ阻害活性の測定 10mMの4−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド
の0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)溶液1.0mlに、試験化合
物の水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、α−
グルコシダーゼ(0.025U/ml、Bacillus stearothermop
ilus由来)の0.2%BSAを含有する0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.8)溶液0.5mlを加えて、さらに37℃で15分間加温
して反応させた後、0.2M炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加
えて反応を停止させた。この液の400nmにおける吸光 度
Aを測定し、同時に対照として試験化合物の代わりに水
のみを用いて吸光度Bを測定し、活性阻害率(%)を
(B−A)/B×100により算出した。この方法によ
り50%の活性阻害を示す物質の量をIC50とすると、本発
明の各化合物のIC50の値は、本発明化合物(1)では2.
3mg/ml、本発明化合物(3)では6mg/ml、本発明化合物
(4)では15mg/ml、本発明化合物(5)では10mg/ml、
本発明化合物(6)では1.8mg/mlであった。
【0022】 <実験例2> β−グルコシダーゼ阻害活性の測定 10mMの4−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシド
の0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)溶液1.0mlに、試験化合物
の水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、β-グ
ルコシダーゼ(0.025U/ml、Caldocellum saccharolyti
um由来)の0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)溶液0.5mlを加え
て、さらに37℃で15分間加温して反応させた後、0.2M
炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加えて反応を停止させた。
この液の400nmにおける吸光度を測定し、実験例1と同
様にIC50の値を求めると、本発明化合物(5)では6mg/
ml、本発明化合物(6)では10mg/ml 、本発明化合物
(7)では2mg/mlであった。
【0023】 <実験例3> α−ガラクトシダーゼ阻害活性の測定 10mMの4−ニトロフェニル−α−D−ガラクトピラノシ
ドの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)溶液1.0mlに、試験化
合物の水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、α
−ガラクトシダーゼ(0.025U/ml、green coffee beans
由来)の0.2%BSAを含有する0.1Mリン 酸緩衝液(p
H6.5)溶液0.5mlを加えて、さらに37℃で15分間加温し
て反応させた後、0.2 M炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加
えて反応を停止させた。この液の400nmにおける吸光度
を測定し、実験例1と同様にIC50の値を求めると、本発
明化合物(1)では5mg/ml、本発明化合物(3)では2.
4mg/ml、本発明化合物(4)では2.3mg/ml、本発明化合
物(5)では4mg/ml、本発明化合物(7)では20mg/ml
であった。
【0024】 <実験例4>β−ガラクトシダーゼ阻害活性の測定 5mMの4−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド
の0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)溶液1.0mlに、試験化合物
の水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、β−ガ
ラクトシダーゼ(0.025U/ml、Aspergillus niger由
来)の0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)溶液0.5ml を加えて、
さらに37℃で15分間加温して反応させた後、0.2M炭酸
ナトリウム溶液2.0mlを加えて反応を停止させた。この
液の400nmにおける吸光度を測定し、実験例1と同様にI
C50の 値を求めると、本発明化合物(2)では4mg/ml、
本発明化合物(5)では10mg/mlであった。
【0025】 <実験例5>α−マンノシダーゼ阻害活性の測定 5mMの4−ニトロフェニル−α−D−マンノピラノシドの
0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)溶液1.0mlに、試験化合物の
水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、α−マン
ノシダーゼ(0.025U/ml、jack beans由来)の0.1M酢
酸緩衝液(pH4.5)溶液0.5mlを加えて、さらに37℃で15
分間加温して反応させた後、0.2M炭酸ナトリウム溶液
2.0mlを加えて反応を停止させた。この液の400nmにおけ
る吸光度を測定し、実験例1と同様にIC50の値を求める
と、本発明化合物(1)では2.1mg/ml、本発明化合物
(3)では20mg/ml、本発明化合 物(5)では1.3mg/m
l、本発明化合物(6)では15mg/mlであった。
【0026】 <実験例6>β−マンノシダーゼ阻害活性の測定 5mMの4−ニトロフェニル−β−D−マンノピラノシドの
0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)溶液1.0mlに、試験化合物の
水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、β−マン
ノシダーゼ(0.025U/ml、snail acetone powder由来)
の0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)溶液0.5mlを加えて、さら
に37℃で15分間加温して反応させた後、0.2M炭酸ナト
リウム溶液2.0mlを加えて反応を停止させた。この液の4
00nmにおける吸光度を測定し、実験例1と同様にIC50
の値を求めると、本発明化合物(2)では10mg/mlであ
った。
【0027】 <実験例7>α−フコシダーゼ阻害活性の測定 10mMの4−ニトロフェニル−α−L−フコピラノシドの
0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)溶液1.0mlに、試験化合物の
水溶液0.5mlを加え、37℃で5分間予備加温し、α−フコ
シダーゼ(0.025U/ml、bovine kidney由来)の0.1M酢
酸緩衝液(pH5.5)溶液0.5mlを加えて、さらに37℃で15
分間加温して反応させた後、0.2M炭酸ナトリウム溶液
2.0mlを加えて反応を停止させた。この液の400nmにおけ
る吸光度を測定し、実験例1と同様にIC50の値を求める
と、本発明化合物(1)では0.05mg/ml、本発明化合物
(2)では1.2mg/ml、本発明化合物(3)では0.14mg/m
l、本発明化合物(4)では0.16mg/ml、本発明化合物
(5)では0.025mg/ml、本発明化合物(6)では2.6mg/
ml、本発明化合物(7)では7mg/mlであった。
【0028】
【発明の効果】以上のようにして得られた前記一般式
(I)で表されるN−置換アゼパン誘導体及びそれらの
塩は、新規な化合物であり、実験例で記載したように種
々のグリコシダーゼに対する阻害活性を有している。グ
リコシダーゼに阻害活性を有するということは、生体に
おける細胞内外のグリコシル化及び/又は脱グリコシル
化に影響することであり、例えば、O−及びN−プロテ
インの生物合成に影響を及ぼし、例えば、粘液性物質の
組成の改質、キチン代謝への影響、殺菌・殺カビ及び/
又は制菌作用、免疫調整作用、悪性腫瘍細胞の転移抑制
作用等の性質を有することに関して、高い可能性を示
す。また、グリコシダーゼ阻害活性は、消化管内におい
てα−アミラーゼ又はα−グルコシダーゼ等の炭水化物
分解酵素を阻害することであり、グルコース等の吸収速
度を低下させる。N−置換アゼパン誘導体及びそれらの
塩は、糖尿病治療薬として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07M 7:00 (72)発明者 徳武 昌一 千葉県野田市野田339番地キッコーマン株 式会社内 (72)発明者 戸邉 光一朗 千葉県野田市野田339番地キッコーマン株 式会社内 Fターム(参考) 4C057 CC03 DD02 LL03 4C086 AA02 AA03 BC31 EA11 NA14 ZC20 ZC35

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは、置換基を有することもあるアルキル基又
    は単糖残基を示す)で表されるN−置換アゼパン誘導体
    及びそれらの塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008508309A (ja) * 2004-07-30 2008-03-21 アボット・ラボラトリーズ ピリドンカルボン酸抗菌薬の調製
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