JP2001002501A - 切り花の保存処理方法 - Google Patents

切り花の保存処理方法

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JP2001002501A JP11168686A JP16868699A JP2001002501A JP 2001002501 A JP2001002501 A JP 2001002501A JP 11168686 A JP11168686 A JP 11168686A JP 16868699 A JP16868699 A JP 16868699A JP 2001002501 A JP2001002501 A JP 2001002501A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バラ等の切り花を、生花と同様な外観を保持し
たまま長期間に渡る装飾を可能とする処理方法のうち、
切り花の細胞組織内の水、即ち組織水を脱水した後、ポ
リエチレングリコールを浸透して、組織水をポリエチレ
ングリコールによって置換し、この際、必要に応じて染
色を行う従来の技術では、染色むらが起こったり、花弁
の外側表面がべとつく現象が生じる場合があり、この場
合には、商品価値を著しく低下させていた。また、商品
価値として、必ずしも生花では得られない格別なる装飾
効果を得ることが難しかった。 【解決手段】そこで本発明では、このような課題を解決
するために、浸透溶液及び/または脱水用の溶媒に色素
を添加して染色を行う方法において、色素は、自然光及
び通常の照明光による色と、紫外線による色とが異なる
ものとした切り花の保存処理方法を提案するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切り花の保存処理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、バラ等の切り花を、生花と同様
な外観を保持したまま長期間に渡る装飾を可能とする処
理方法が、例えば特許出願公表平4−505766号公
報において提案されている。この処理方法は、切り花の
細胞組織内の水、即ち組織水を脱水した後、ポリエチレ
ングリコールを浸透して、組織水をポリエチレングリコ
ールによって置換し、必要に応じて染色を行うものであ
り、概ね、図3に示すように、脱水行程、浸透行程、及
び乾燥行程を順次経て切り花の処理を行うものである。
【0003】脱水行程は、底部に分子篩を適量敷き詰
め、水よりも比重の小さな溶媒、例えばアセトン等の無
水有機溶媒を充填した容器内に切り花を固定して行う。
この行程では、切り花の組織中の水、即ち組織水は次第
に溶媒に溶出すると同時に溶媒が組織内に移行するの
で、切り花の組織は、その機械的構造が維持されたま
ま、組織水が次第に溶媒に置換されて脱水される。
【0004】浸透行程は、浸透させるべきポリエチレン
グリコールを、アセトン及びセロソロブに溶解した浸透
溶液を充填した容器内に切り花を固定して行い、この
際、ポリエチレングリコールは、分子量の異なるものを
適宜配合して使用する。この際、浸透溶液中に、例えば
アクリル繊維用の織物染料のような染料を混合すること
により、色素がポリエチレングリコールと共に切り花の
組織内に浸透して染色が行われる。
【0005】浸透行程が所定時間経過後、浸透溶液を排
出した後、次の乾燥行程において乾燥を行って、切り花
の製品となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、以下に示すような課題がある。 a.まず、従来技術においては、切り花の種類によって
は、染色が均一に行われず、染色のむらが生じる場合が
あり、この場合には、切り花の商品価値を著しく下げて
しまう。本発明者が鋭意実験して考察した結果、染色の
むらが起こる原因は浸透溶液の花弁細胞組織への浸透
が、花弁の部分によって不均一なためとの知見を得た。
即ち、脱水行程において細胞組織内の水がアセトン等の
無水有機溶媒で置換された後、浸透行程では、その溶媒
がポリエチレングリコールを含む浸透溶液で置換される
のであるが、それらの置換速度は細胞組織毎に異なって
いる。そのため、浸透行程が所定時間経過した時点にお
いて、置換速度が速い細胞組織では、すぐに溶媒が浸透
溶液で置換されて、その中に添加されている色素で染色
されるが、置換速度が遅い細胞組織では、溶媒と置換さ
れた浸透溶液の割合が低いため、色が薄くなる。
【0007】b.また従来技術においては、脱水行程に
関して次のような課題がある。即ち、上述したように、
脱水行程において切り花から溶媒に溶出した水分は、溶
媒の比重よりも大きいため、アセトンの比重は溶出した
水分により次第に上昇する傾向にある。分子篩が新しい
うちは、溶出した水分の大部分は分子篩に吸着されるた
め、水分含有量に対応する比重が大幅に上昇することは
なく、溶媒による脱水作用が持続する。しかしながら脱
水行程が進行し、溶出した水分の総量が分子篩の水分吸
着能力を超えると、吸着されずに残る水分により、溶媒
の比重は急激に上昇し、溶媒の脱水能力は急速に失われ
てしまう。従来は、このような脱水能力の監視を行って
いないため、溶媒の脱水能力が失われているにもかかわ
らずそのまま脱水行程を進行させてしまう場合があり、
効率的な脱水処理が困難である。
【0008】c.次に、従来の技術では、浸透行程後の
切り花を、そのまま乾燥行程において乾燥させるので、
次のような課題がある。即ち、浸透溶液の成分中、アセ
トンとセロソルブは揮発性であるため、乾燥行程におい
て大気中に拡散するが、高分子物質であるポリエチレン
グリコールは、そのまま花弁の外側表面に付着状態で残
る。このように花弁の外側表面に付着状態で残ったポリ
エチレングリコールは、ある湿度以上の場合、大気中の
水分を吸収して、触るとべとつくようになるので、この
ような現象がおこると切り花の商品価値を著しく下げて
しまう。しかしながら、従来は、このような点に対して
の対策がなされていない。本発明は以上のような課題を
解決することを目的とすると共に、他の大きな目的とし
て、切り花に、生花では得られない付加価値を与えるこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明では、まず請求項1に示すように、切り花
の組織水を溶媒を用いて脱水した後、ポリエチレングリ
コールを含む浸透溶液に浸積して、組織水をポリエチレ
ングリコールによって置換し、この際、浸透溶液に色素
を添加して染色を行う切り花の保存処理方法において、
色素は、自然光及び通常の照明光による色と、紫外線に
よる色とが異なるものとした切り花の保存処理方法を提
案するものである。
【0010】次に本発明では、請求項2に記載のとお
り、上記の構成において、色素は、浸透溶液に添加する
他、脱水のための溶媒にも添加することとした切り花の
保存処理方法を提案するものである。
【0011】そして本発明では、請求項3に記載のとお
り、上記の構成において、色素は、それ自体の性質とし
て、自然光及び通常の照明光による色と、紫外線による
色とが異なるものとすることを提案するもので、このよ
うな色素は、例えば、請求項4に記載のとおり、着色
料、即ち食用色素から選択することができる。
【0012】また本発明では、請求項5に記載のとお
り、上記の構成において、色素は、蛍光物質を混合した
色素とすることを提案するものである。
【0013】また本発明では請求項6に記載のとおり、
上記構成において、脱水行程は、底部に分子篩を適量敷
き詰め、水よりも比重の小さな溶媒を充填した容器内に
切り花を固定して行うものとし、この行程においては、
溶媒の比重の測定により、脱水の進行による脱水能力を
監視して、分子篩の交換時点を検出するものとした切り
花の保存処理方法を提案する。
【0014】また本発明では請求項7に記載のとおり、
以上の各構成において、浸透行程で組織水がポリエチレ
ングリコールによって置換された切り花を、ポリエチレ
ングリコールを含まない溶媒により洗浄する洗浄行程を
設けることを提案する。
【0015】また本発明では、請求項8に記載のとお
り、以上の構成において、脱水行程の溶媒はアセトンと
し、また請求項9に記載のとおり、以上の構成におい
て、浸透行程と洗浄行程における溶媒は、アセトンとセ
ロソルブの混合溶媒とすることを提案する。
【0016】本発明では、本発明により製造した切り花
を、夜間においてはブラックライト等で照らすことによ
り、紫外線のもとで発色させることができる。従って昼
と夜とで花弁の色彩を異ならせることができ、生花では
得られない装飾効果を得ることができる。
【0017】請求項2記載の発明では、脱水行程におい
て水と置換された細胞組織内の溶媒に色素が添加されて
いるため、浸透行程において色素を添加して染色を行う
際、浸透溶液との置換速度が遅く、溶媒と置換された浸
透溶液の割合が低い花弁の部分であっても、色素の濃度
は変わらないため、染色むらを避けることができる。
【0018】請求項6記載の発明では、溶媒の比重の測
定により、溶媒の脱水能力を監視することができ、比重
が急速に上昇する時点を検出して、その時点で分子篩を
新しいものと交換することにより、溶媒の脱水能力を回
復させ、継続使用を可能とする。一方、交換した分子篩
は、乾燥させることにより再利用することができる。
【0019】請求項7記載の発明では、浸透行程後に花
弁の外側表面に付着状態で残留したポリエチレングリコ
ールを、溶媒によって洗い落とすことができ、花弁の外
側表面の余剰なポリエチレングリコールを取り除くこと
により、乾燥行程後のべとつきの発生を防止することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明における切り花の保存処理方法の行程
の流れを示す流れ図であり、この処理方法では、脱水行
程と、浸透行程と、洗浄行程と、乾燥行程とを有し、脱
水行程と浸透行程において染色のための色素を添加する
ものとしている。まず脱水行程では、上記従来技術と同
様に、適当な大きさ、即ち、同時に処理する切り花の量
に対応した大きさの脱水用容器の底部に、花弁から溶出
する水分を吸着するための分子篩(商品名 ゼオライ
ト)を2cm程度の厚さで敷き詰め、この脱水用容器内に
切り花を固定し、脱水用の溶媒として、水よりも比重の
小さな溶媒、この例では100%アセトンを充填して処
理を進行させた。この際、本発明では、所望の染色のた
めの色素を溶媒に添加した。色素は、自然光及び通常の
照明光により発色する色と、紫外線により発色する色と
が異なるもので、その色素と、その濃度は後述する浸透
行程におけるものと同様としており、後述する。以上の
状態における脱水行程を室温(20〜30℃)にて進行
させ、最低で24時間処理した。脱水行程を48時間以
上に延長しても特に有益な点は見いだせなかった。以上
の脱水行程を進行させる間、溶媒の比重を常に比重計に
より測定して監視した。ある実験において、脱水行程を
進行させると、溶媒であるアセトンの比重は、100%ア
セトンの0.78からゆっくりと増加するが、0.82を越えた
時点から急速に上昇し、比重0.85となると脱水の効果は
殆ど認められなかった。このことから、この実験の条件
では、溶媒の比重が0.82になった時点の前後において、
溶出した水分総量が分子篩の水分吸着能力を越えた時点
であると推定できる。従って、この時点で分子篩を新し
いものと交換すれば、溶媒の脱水能力を回復させて継続
使用を可能とし、従って無駄な時間を生じることなく、
脱水行程を進行することができる。そして交換した分子
篩は、乾燥させることにより再利用することができる。
【0021】以上の脱水行程においては、切り花の細胞
組織中の水、即ち組織水は次第にアセトンに溶出すると
同時に、アセトンが、溶解している色素と共に組織内に
移行するので、切り花の組織は、その機械的構造が維持
されたまま、組織水が次第にアセトンに置換されて脱水
される。そして組織水と置換された切り花の組織内のア
セトンには所定濃度の色素が添加されているため、細胞
の組織は色素により染色された状態となる。
【0022】次いで浸透行程では、浸透させるべきポリ
エチレングリコールを、アセトン及びセロソロブに溶解
した浸透溶液を、切り花を固定した浸透用容器に充填し
て行った。浸透溶液は、分子量の異なるポリエチレング
リコール(例えばPEG1000とPEG400)を適宜、例
えば下記の割合で混合し、これをアセトン:セロソルブ
=1:1等の溶媒に溶解して作り、これに脱水行程にお
いて溶媒に添加したものと同じ色素を、所定の濃度とな
るように添加した。 浸透溶液の例 PEG1000 500 g PEG400 100 ml アセトン:セロソルブ=1:1の溶媒を加えて全量を1
リットルとする。 以上の割合の浸透溶液は15℃以下では固まってしまうの
で、湯煎にかけるか、又はインキュベータに入れる等に
より、固化温度以上、例えば25〜35℃程度の処理温度に
維持して、24時間ほど処理することにより、最適な浸
透効果が得られた。理論的には、浸透処理を高温で行う
ことにより処理時間の短縮が期待できるが、実際の実験
結果では50℃で12時間の処理を行ったものよりも、室
温(20〜30℃)で24時間処理したものの方がポリエチ
レングリコールの浸透は均一であった。
【0023】脱水行程及び浸透行程において添加した色
素の例 例1. 色素名:食用黄色4号 タートラジン(tartra
zine) 色 自然光及び通常照明光:黄色 紫外線 :オレンジ色 濃度 :1(g/l) 尚、この色素は固体(粉末)であり、濃度は、脱水用の
溶媒及び浸透溶液に対する濃度である。 例2. 色素名:食用赤色104号 アシッドレッド92
(acid red 92) 色 自然光及び通常照明光:赤色 紫外線 :緑黄色 例3. 色素名:食用赤色106号 アシッドレッド52
(acid red 52) 色 自然光及び通常照明光:帯青赤色 紫外線 :淡黄色 以上の例1〜例3は着色料、即ち食用色素を適用したも
ので、この他、食用色素中、アシッドグリーン25(acid
green 25)や、アシッドブルー80(acid blue 80)等
を適用することもでき、これらの濃度も適宜に設定する
ことができる。以上の色素は、切り花を原色に染色する
場合に夫々単独で用いるが、中間色に染色する場合に
は、これらの色素を適宜混合すれば良い。
【0024】以上に上げた色素は、それ自体の性質とし
て、自然光及び通常の照明光による色と、紫外線による
色とが異なるもので、このような色素は、上述したとお
り着色料から選択することができるであるが、本発明に
おいては、このような性質を有しない色素に蛍光物質を
混合した色素を適用することができる。例えばメチルレ
ッド(methyl red)(色:朱赤)等の通常の色素に、蛍
光染料等に用いられるフルオレセインやローダミン等の
蛍光物質を混合して、上述した色素として適用すること
ができる。
【0025】以上の浸透行程においては、脱水行程にお
いて組織水と置換された細胞組織内のアセトンが、ポリ
エチレングリコールを含む浸透溶液で置換されるのであ
るが、その速度は細胞組織毎に異なっている。即ち、置
換速度が速い細胞組織ではアセトンがすぐに浸透溶液に
置換されるが、置換速度が遅い細胞組織では十分な時間
が経過しないとアセトンが浸透溶液に置換されずに細胞
組織内に残留してしまう。このため、浸透溶液にのみ色
素を添加し、浸透行程においてのみ染色を行う従来の技
術では、浸透行程の処理時間を、全ての細胞組織につい
てアセトンが浸透溶液に置換されるまでの十分に長い時
間としないと、置換速度が遅い細胞組織では、残留する
アセトンの分に対応して、細胞組織内に移行する色素の
量が減るため、この細胞組織の色素の濃度が低く、従っ
て色が薄くなり、これが染色むらとなっていた。換言す
ると、従来の技術において染色のむらが起こる原因は浸
透溶液の細胞組織への浸透が部分によって不均一なた
め、即ち、切り花の花弁の部位によって浸透するポリエ
チレングリコールの量に差があるということでもある。
これに対して、本発明では、脱水用のアセトンにも色素
を添加しているため、組織水と置換された細胞組織内の
アセトン自体にも色素が含まれていることになり、置換
速度が遅い細胞組織においてアセトンが残留しても、細
胞組織内の色素の濃度が変わらないため、染色むらを避
けることができる。但し、脱水行程での色素添加を行う
本発明は、染色むらを避けることはできるが、細胞組織
の部位による置換速度を速くするものではないから、浸
透行程における処理時間は、ポリエチレングリコールの
浸透量の不均一による切り花の歪みや部分的な乾燥し過
ぎ等の不具合の発生の可能性と、染色を行う切り花の生
産性との兼ね合いで決定する必要がある。即ち、一般的
には、染色むらがある製品と、ポリエチレングリコール
浸透量が、ある程度不均一ではあるが染色は均一にされ
ている製品を比較した場合、染色むらのある製品の方の
評価は著しく低くなるため、ポリエチレングリコールの
ある程度の不均一さによる影響が実用上無害の場合に
は、本発明を適用すると、浸透行程における処理時間を
延すことなく染色むらを避けることができるため生産性
を低下させないという利点がある。尚、脱水行程におけ
る色素の濃度は、浸透行程における色素の濃度と同じ
か、またやや低い濃度とすることが好適である。
【0026】次に洗浄行程では、浸透行程を経た切り花
を、浸透行程の溶媒と同様に、アセトン:セロソルブ=
1:1の溶媒中に所定時間、例えば2〜8時間の間、浸
積して、洗浄を行った。この場合、切り花を、必要以上
長い時間溶媒中に浸積すると、浸積行程において花弁の
細胞の組織内に浸透したポリエチレングリコール自体も
流出してしまうため、時間管理が必要となる。この時間
管理は、切り花の種類や大きさ等を条件として予めの実
験により得られるデータをもとに浸積時間を設定すれば
良い。
【0027】洗浄行程の後は、上述した従来の技術に記
載されるような適宜の乾燥行程を経て切り花を乾燥させ
ることにより、生花と同様な外観を保持したまま長期間
に渡る装飾を可能とする切り花の製品を得ることができ
る。
【0028】次に図2は本発明における切り花の保存処
理方法の行程の流れの他の実施の形態を示す流れ図であ
り、この処理方法の流れは、図1に示す処理方法の流れ
と同様に脱水行程と、浸透行程と、洗浄行程と、乾燥行
程とを有するのであるが、この処理方法では、脱水行程
では脱水用の溶媒には色素を添加しない。その他の行程
は、図1の示す処理方法と同様である。この処理方法
は、浸透溶液の細胞組織への浸透性が部分によって不均
一性が小さい切り花への適用に適している。図1の処理
方法においては、染色する色素毎に脱水用容器が必要と
なるのに対して、図2の処理方法においては、脱水用容
器は、浸透行程において染色する色素に影響されないの
で、共通の脱水用容器を用いることができるという利点
がある。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるので、次の
ような効果がある。 a.本発明を適用して製造した切り花を、夜間において
はブラックライト等で照らすことにより、紫外線のもと
で発色させることができ、従って昼と夜とで花弁の色彩
を異ならせることができ、生花では得られない格別なる
装飾効果を得ることができる。 b.請求項2の発明では、浸透行程における処理時間を
延長することなく、染色むらを避けることができ、生産
性を低下させることがない。 c.請求項6の発明では、脱水行程において、溶媒の脱
水能力が失われているにもかかわらずそのまま脱水行程
を進行させてしまうことがなくなり、従って、無駄な時
間を生じることなく脱水行程を進行させて、効率的な脱
水処理が可能となる。 d.請求項7の発明では、浸透行程後に花弁の外側表面
に付着状態で残留したポリエチレングリコールを溶媒に
よって洗い落とすことができ、花弁の外側表面の余剰な
ポリエチレングリコールを取り除くことにより、乾燥行
程後のべとつきの発生を防止することができ、製品の商
品価値を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における切り花の保存処理方法の行程
の流れの実施の形態を示す流れ図である。
【図2】 本発明における切り花の保存処理方法の行程
の流れの他の実施の形態を示す流れ図である。
【図3】 従来における切り花の保存処理方法の行程の
流れ図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切り花の組織水を溶媒を用いて脱水した
    後、ポリエチレングリコールを含む浸透溶液に浸積し
    て、組織水をポリエチレングリコールによって置換し、
    この際、浸透溶液に色素を添加して染色を行う切り花の
    保存処理方法において、色素は、自然光及び通常の照明
    光による色と、紫外線による色とが異なるものとしたこ
    とを特徴とする切り花の保存処理方法
  2. 【請求項2】 色素は、浸透溶液に添加する他、脱水の
    ための溶媒にも添加することを特徴とする請求項1記載
    の切り花の保存処理方法
  3. 【請求項3】 色素は、それ自体の性質として、自然光
    及び通常の照明光による色と、紫外線による色とが異な
    るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の切
    り花の保存処理方法
  4. 【請求項4】 色素は、着色料から選択したものである
    ことを特徴とする請求項3記載の切り花の保存処理方法
  5. 【請求項5】 色素は、蛍光物質を混合した色素とする
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の切り花の保存処
    理方法
  6. 【請求項6】 脱水は、底部に分子篩を適量敷き詰め、
    水よりも比重の小さな溶媒を充填した容器内に切り花を
    固定して行うものとし、この行程においては、溶媒の比
    重の測定により、脱水の進行による脱水能力を監視し
    て、分子篩の交換時点を検出することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の切り花の保存処理方法
  7. 【請求項7】 浸透行程において組織水がポリエチレン
    グリコールによって置換された切り花を、ポリエチレン
    グリコールを含まない溶媒により洗浄する洗浄行程を設
    けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の切り花の保存処理方法
  8. 【請求項8】 脱水行程における溶媒はアセトンである
    ことを特徴とする請求項1〜7までのいずれか1項に記
    載の切り花の保存処理方法
  9. 【請求項9】 浸透行程と洗浄行程における溶媒は、ア
    セトンとセロソルブの混合溶媒としたことを特徴とする
    請求項1〜8までのいずれか1項に記載の切り花の保存
    処理方法
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JP2008007465A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Saburo Muraki 切り花の加工方法及びその方法により加工された切り花

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