JP3548744B2 - 切花の保存方法 - Google Patents
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特に、アセトンは、水分と混合しにくくて分離した状態でアセトン溶液に存在するため、脱水使用が進行するごと、この分離した水分を除去させる手段が必要となり、前記処理方法にあっては、アセトン溶液を収容した容器の底部に所定厚にゼオライトを敷き詰め、このゼオライトに切り花から脱水した水分を吸着させなければならなかった。
予備置換工程において、生花のうちの花部を、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに浸漬させ、この花部中に存在する組織水や空気の一部または全部を取り除いた後、
ポリエチレングリコールと、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールとを混合して得た浸漬溶液に、生花のうちの花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させる切花の保存方法にある。
更に、ポリエチレングリコール1000とポリエチレングリコール400とを、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールとを混合して得た浸漬溶液に、前記生花のうちの花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させる切花の保存方法にある。
予備置換工程において、生花のうちの花部を、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに浸漬させ、この花部中に存在する組織水や空気の一部または全部を取り除いた後、
ポリエチレングリコール1000とポリエチレングリコール400とを、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールと色素とを混合して得た浸漬溶液に、前記花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させることを特徴とする切花の保存方法。
また、花部中に存在する組織水や空気をポリエチレングリコールに置換する工程の予備段階でアルコール類を用いることにより、前記組織水は前記アルコール類によく溶け込んで、かつ、アルコール類の濃度が薄くなっても反復して多数回使用することができる。
図1においては、切花の保存方法の第一の実施例を採用した切花保存装置Aを示すもので、ポリエチレングリコール1と、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコール2(無水アルコール)とを混合して得た浸漬溶液3に、生花のうちの花部4を浸漬(浸透吸収工程b)させて、この花部4中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコール1と置換するものである。
これにより、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のアルコール2によって、花部4中に存在する組織水や空気を該浸漬溶液3中に排出させると共に、この排出された組織水や空気分と、ポリエチレングリコール1とが花部4中へ滲入される置換作用が行われる。
この花部4へのポリエチレングリコール1の浸漬が終了した後は、容器5より花部4を取り出して、自然乾燥を行い、花部4の表面に付いているポリエチレングリコール1やアルコール2を取り除く。
この色素9による染色工程に、浸透剤やバインダーを適宜添加ことによって、一般的な染色の仕上がりはもとより、今までできなかった白いバラの染色等が格段と綺麗になる。
また、この強制乾焼工程cを入れると、花部4の仕上がりの濡れ色感が消え、綺麗に仕上がる。
また、前記した強制乾焼工程cにおいて、花部4に透き通るような湿潤感が残る場合にこの冷凍工程dが有効で、冷凍庫に4時間以上入れて凍らせてから、自然解凍した後、強制乾燥工程cを行うと、花部4に前記湿潤感が消え、その色合いも落ち着き、綺麗に仕上がる。
この漂白工程eにあっては、使用する過酸化水素系の漂白剤は、なるべく濃い状態で使うと良い。
この洗浄工程fは、蓋体付きの容器12内へメタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコール2を花部4の略全体が浸るように収容して、このアルコール2中に、5分〜10分程度浸漬させることで、花部4の表面に付着した余分なポリエチレングリコール1などが洗い流される。なお、この浸漬時間は、花部4の種類や大きさ等の条件によって適宜選定される。
これらの工程は、大形乾操機やドライフリージング機等の特殊機を使わなくても、家庭に有る機器で簡単に、今まで満足の出来なかった長期保存花のでき栄えが、誰でも綺麗にできる大きな特徴を有する。
また、既に有ったアイビーやイネ科植物等の葉物の保存技術と合わせると、色々なフラワーアレンジメントが楽しめるようになったことも利点である。
すなわち、この予備置換工程gは、その上部の開口部に蓋体13を着脱自在に設けた容器14内へ、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコール(無水アルコール)2を花部4の略全体が浸かるように収容し、該アルコール2中に花部4を浸漬させることで、花部4中に存在する組織水や空気の一部または全部が取り除かれ、該水分は、アルコール2中に溶け込んで混合状態となる。
また、浸漬溶液3中には、花部4に色彩を施す色素9を添加することもあるもので、該色素9は、粉末状または液状に加工されたものが好ましく、慣用のものが用いられる。
この洗浄工程fは、蓋体付きの容器12内へメタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコール2を花部4の略全体が浸るように収容して、このアルコール2中に、5分〜10分程度浸漬させることで、花部4の表面に付着した余分なポリエチレングリコール1などが洗い流される。なお、この浸漬時間は、花部4の種類や大きさ等の条件によって適宜選定される。
また、図7(c)に示すように、第一の洗浄工程fの後、漂白工程eを行い、更に、第二の洗浄工程fを行って、強制乾燥工程cを行い花部4を仕上げることもある。
なお、この冷凍工程dは、図7(a)に示すように、あらかじめ、第一の前記強制乾燥工程cを行った後、所定の冷凍工程dを経て、更に、第二の強制乾燥工程cを行うこともあるもので、花部4の種類や形態・性状などに応じて適宜選定する。
すなわち、この副予備置換工程hは、図6および図7(b)に示すように、水などの希釈液15によりアルコール2の濃度を、例えば、30%〜50%程度に調整した溶液16を蓋体付き容器17に花部4の略全体が浸かるように収容し、この溶液16中へ、花部4を1時間〜2時間ほど浸け、あらかじめ置換処理を慣らしておく方法である。この方法により、今までできなかった花部4における花弁の柔らかい、例えば、デルフイニウム、ひまわり、ブルースカイフラワー、カサブランカ等の色々な花も、保存処理のための細工ができるようになる。
前記したアルコール2の濃度は、保存処理する花部4の種類や性状等に応じて適宜変更することができるもので、前記した濃度割合に限定されない。
すなわち、水溶性のアルコール2(アルコールの濃度を適宜調整したもの)を使用することで、今までできなかったバラ以外の花(スイトピー,スミレ,デンファレ,ガーベラ,胡蝶蘭,カトレア等)の40〜80種類ほどが、前記処理によって長期保存を行うことが可能となった。
予備置換工程において、赤いバラを無水メタノールに5時間浸けた。その後、ポリエチレングリコール1000を500g、ポリエチレングリコール400を100cc、メタノール400cc、カチオン系のピンクの染料(色素)からなる浸漬溶液中に24時間浸漬して浸透吸収工程を行った。その後、再び無水メタノールに10分浸して洗浄工程を行った後、自然乾燥した。
上記のバラは自然な外観を残したまま、ピンクに染まり、その後1年ほどそのままの形で新鮮さを保持した。
予備置換工程において、白いバラを無水エタノールに6時間浸けた。その後、ポリエチレングリコール1000を500g、ポリエチレングリコール400を100cc、セロソルブ100cc、エタノール350cc、白色顔料(色素)からなる浸漬溶液中に48時間浸漬して浸透吸収工程を行った。その後、再び無水アルコールに5分間浸して洗浄工程を行った後、過酸化水素系の漂白剤(過酸化水素10%)に5分間浸漬して漂白工程を行った。
その後、再び無水エタノールに10分浸して洗浄工程を行った後、食器乾燥機で30分強制乾燥させた強制乾燥工程を行った。
上記のバラは白い顔料に染まり、その後1年以上そのままの形で新鮮さを保持した
予備置換工程において、黄色のバラを無水イソプロパノールに4時間浸けた。その後、ポリエチレングリコール1000を500g、ポリエチレングリコール400を100cc、イソプロパノール400cc、カチオン系のブルーの染料(色素)からなる浸漬溶液中に48時間浸漬して浸透吸収工程を行った。その後再び無水イソプロパノールに10分浸して洗浄工程を行った後、電子レンジの「弱モード」で3分強制乾燥させた強制乾燥工程を行った。その後、冷凍庫で8時間凍らせた冷凍工程を行った後、自然解凍し、食器乾燥機で20分間強制乾燥させた強制乾燥工程を行った。
上記のバラは湿潤感もなく、綺麗なブルーに染まり、その後1年以上そのままの形で新鮮さを保持した。
副予備置換工程において、ブルーのデルフイニウムを濃度50%のエタノールに4時間浸けた。その後、無水アルコールに移し、3時間浸漬して予備置換工程を行った。その後、ポリエチレングリコール1000を500g、ポリエチレングリコール400を100cc、エタノール400cc、カチオン系のブルーの染料(色素)からなる浸漬溶液中に24時間浸漬して浸透吸収工程を行った。その後、再び無水エタノールに5分浸けて洗浄工程を行った後、自然乾燥させた。 上記のデルフイニウムは、綺麗なブルーに染まり、1年以上そのままの形で新鮮さを保持した。
予備置換工程において、赤いバラを無水メタノールに5時間浸けた。その後、ポリエチレングリコール200をcc、ポリエチレングリコール300を300cc、メタノール400cc、カチオン系のピンクの染料(色素)からなる浸漬溶液中に24時間浸漬して浸透吸収工程を行った。その後、再び無水メタノールに10分浸して洗浄工程を行った後、自然乾燥した。
上記のバラは自然な外観を残したまま、ピンクに染まり、その後1年ほどそのままの形で新鮮さを保持した。
Claims (3)
- 予備置換工程において、生花のうちの花部を、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに浸漬させ、この花部中に存在する組織水や空気の一部または全部を取り除いた後、
ポリエチレングリコールと、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールとを混合して得た浸漬溶液に、生花のうちの花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させることを特徴とする切花の保存方法。 - 予備置換工程において、生花のうちの花部を、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに浸漬させ、この花部中に存在する組織水や空気の一部または全部を取り除いた後、
更に、ポリエチレングリコール1000とポリエチレングリコール400とを、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールとを混合して得た浸漬溶液に、前記生花のうちの花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させることを特徴とする切花の保存方法。 - 副予備置換工程において、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールを希釈液により濃度調整した溶液中に、生花のうちの花部を浸漬させて、この花部中に存在する組織水や空気の一部を取り除いた後、
予備置換工程において、生花のうちの花部を、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールに浸漬させ、この花部中に存在する組織水や空気の一部または全部を取り除いた後、
ポリエチレングリコール1000とポリエチレングリコール400とを、メタノール,エタノール,ブタノール,イソプロパノール,セロソルブ等のうちの少なくとも一種からなるアルコールと色素とを混合して得た浸漬溶液に、前記花部を浸漬させ、
前記花部中に存在する組織水や空気を前記ポリエチレングリコールと置換させることを特徴とする切花の保存方法。
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