JP2001001771A - トラクタの燃料タンク配置構造 - Google Patents

トラクタの燃料タンク配置構造

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JP2001001771A JP16968399A JP16968399A JP2001001771A JP 2001001771 A JP2001001771 A JP 2001001771A JP 16968399 A JP16968399 A JP 16968399A JP 16968399 A JP16968399 A JP 16968399A JP 2001001771 A JP2001001771 A JP 2001001771A
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斉 青山
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボンネットの小型化や空調装置配置に有利な
燃料タンクの車体後部配置を採るに当たり、他の機械装
置類との干渉を避けながらタンク容量が十分取れ、か
つ、極力後方バランスとなり難いように前に寄せる。 【解決手段】 左右の後輪フェンダ31の左右間でミッ
ションケースMの上方に運転座席32を配置し、運転座
席32とミッションケースMとの間に配置されて、運転
座席側部分とミッションケース側部分とを仕切るシート
フロア33を、運転座席32の着座部32Aの底面32
a及び背凭れ部32Bの背面32bに沿う側面視略L字
形状として設ける。シートフロア33の下に、側面視に
おいてシートフロア33の裏面に沿う略L字形状の面を
有した燃料タンクTを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタの燃料タ
ンク配置構造に係り、詳しくは、幅広で大径の後輪、並
びにミッションケース、作業装置昇降用のリンク機構や
各種操作機構等が配置されて輻輳する車体後部に、相当
量の容量を有した燃料タンクを配置できるようにする技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタの燃料タンクは、特開平10−
325373号公報に示されるように、車体前部のボン
ネット後部における操縦ハンドル直前の箇所に配置して
あるものが多いが、実開昭58−156018号公報に
示されたもののように、左右の後輪間で運転座席後とな
る車体後端部に配置されたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の構造では、
燃料タンクをエンジン近くに配置できて、燃料ホースや
燃料ポンプ等の関連機器を集約配置できる効率の良さ
や、重量物になる燃料タンクが前後輪間に配置されて重
量バランスの点で好ましいという利点があり、一般的に
はこの構造が多用されている。しかしながら、この前者
の構造では、燃料タンクが比較的高い位置にあるため、
前方見通しを良くするべくボンネット高さを低める点で
は不利である。
【0004】そこで、ボンネット高さを低めるとか、燃
料タンクに代えて冷風装置を配置するといった点では前
記後者の構造が有利と思われるが、燃料タンクが概ね後
車軸中心よりも後に存在しているため、昇降リンク機構
を介して車体後方に重量物である作業装置が付設された
状態での後方バランスが助長され易い点では改善の余地
がある。
【0005】本発明の目的は、ボンネットのコンパクト
化を図るとか、ボンネット内に冷風装置を装備する等の
構成に有利な燃料タンクの車体後部配置レイアウトを採
るに当たり、他の機械装置類との干渉を避けながらタン
ク容量が十分取れ、かつ、極力後方バランスとなり難い
ように前寄せ配置できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の構成〕第1
発明は、トラクタの燃料タンク配置構造において、一対
の後輪フェンダの左右間でミッションケースの上方に運
転座席を配置し、運転座席とミッションケースとの間に
配置されて、運転座席側部分とミッションケース側部分
とを仕切るシートフロアを、運転座席の着座部の底面及
び背凭れ部の背面に沿う側面視略L字形状に形成して設
け、シートフロアの下に、側面視においてシートフロア
の裏面に沿う略L字形状の面を有した燃料タンクを配置
してあることを特徴とする。
【0007】〔請求項1の構成による作用〕請求項1の
構成によれば、車体後部に配置される燃料タンクを、側
面視で運転座席形状に沿う略L字形状の面を有した形状
にして、その前部が運転座席の下側に廻り込むまで前方
に延出したので、前記後者の従来技術のものに比べて、
タンク容量の増大化と重心位置の前寄り化の各点で改善
されるようになる。燃料タンク側部分(ミッションケー
ス側部分)と運転座席側部分とはシートフロアで仕切ら
れているので、ミッションケースから輻射されるギヤ音
や摺動音、或いは給油時に零れた燃料が運転座席部分に
及ばないように遮断され、居住環境の改善を図ることが
可能である。
【0008】〔請求項1の構成による効果〕請求項1〜
8に記載のトラクタでは、車体後端部に配置される燃料
タンクを、運転座席とミッションケースとを仕切るシー
トフロアの下方に廻り込ませたので、騒音や燃料臭気が
運転部に及び難くなって作業環境を改善できるようにし
ながら、タンク容量の確保と後方バランス改善が図れる
合理的な燃料タンク配置構造が実現できた。
【0009】〔請求項2の構成〕第2発明は、第1発明
において、燃料タンクの横側面は、後輪フェンダの内側
面に連結される、又は後輪フェンダの側面となる状態に
構成されていることを特徴とする。
【0010】〔請求項2の構成による作用〕請求項2の
構成によれば、燃料タンクの横側面と後輪フェンダとを
連結すれば、それらがお互いに補強部材となって両者の
支持強度が共に向上するとともに、タンク横側面が後輪
フェンダ側面を兼ねるようにすれば、その分タンクの左
右幅が増やせて、タンク容量を増大させることが可能で
ある。
【0011】〔請求項2の構成による効果〕請求項2に
記載のトラクタでは、燃料タンクと後輪フェンダとの連
係構成により、特別な補強をすることなく燃料タンクと
後輪フェンダ双方の支持強度が向上するとか、後輪フェ
ンダ機能を維持しながらタンク容量をさらに増大させる
といった利点を備えた燃料タンク配置構造が得られた。
【0012】〔請求項3の構成〕第3発明は、第1又は
第2発明において、運転座席の左又は右側に操作レバー
を配置し、運転座席に対する操作レバー存在側の反対側
に燃料タンクを配備してあることを特徴とする。
【0013】〔請求項3の構成による作用〕請求項3の
構成によれば、次のような作用がある。変速レバー等の
操作レバーが配置される箇所には、操作レバーとミッシ
ョンケースとの間に亘る連動ロッドやワイヤー、或いは
変速操作軸等の連動機器類が輻輳することになり、その
ための空間部分が必要である。故に、運転座席に対する
操作レバーの配置されない側に燃料タンクを配置すれ
ば、そこには前述した連動機器類が存在せず、従って、
無理なくタンク容量を大きくすることが可能になる。
【0014】〔請求項3の構成による効果〕請求項3に
記載のトラクタでは、操作レバー類と燃料タンクとを運
転座席の左右に振り分けて配置することにより、操作レ
バー及び燃料タンクの夫々を互いの干渉無く機能的に配
置できながら、燃料タンク容量の拡大が容易となる燃料
タンク配置構造が得られた。
【0015】〔請求項4の構成〕第4発明は、第1〜第
3発明において、燃料タンクの左右両横側面のうちの車
体左右中心側の横側面が、後方に行くほどに車体左右方
向で外方に寄る形状に形成されていることを特徴とす
る。
【0016】〔請求項4の構成による作用〕請求項4の
構成によれば、次のような作用がある。車体の後端部に
は、作業装置昇降用のリンク機構が設けてあり、ミッシ
ョンケース後端部の上側に、前部支点で揺動昇降する左
右一対のリフトアームを配備することが多いから、燃料
タンクとしては、リフトアームの動きに干渉しないよう
にすることが必要である。故に、車体左右中心側のタン
ク横側面を後方ほどに外方に寄る形状とすれば、タンク
後部ではタンク幅が狭くなって昇降リンク機構との干渉
が避けられるとともに、タンク前部ではタンク幅を広く
して容量拡大を図ることができる。
【0017】〔請求項4の構成による効果〕請求項4に
記載のトラクタでは、車体後部の機能形状に合致したタ
ンク形状とすることにより、作業装置の昇降機能の妨げ
となることなくタンク容量を増大することができ、か
つ、燃料が充填されたときのタンク重心位置の前寄り化
も可能となる燃料タンク配置構造が得られた。
【0018】〔請求項5の構成〕第5発明は、第1〜第
4発明において、燃料タンクを、後車軸の前後に跨がる
状態で配置してあることを特徴とする。
【0019】〔請求項5の構成による作用〕請求項5及
び6の構成によれば、燃料が充填された重い燃料タンク
の重量をほぼ後輪に作用させることができ、後輪中心よ
りも後方に荷重が作用する場合に比べて後方重量バラン
スを改善することができる。重量バランスの点では、後
輪中心よりも前側に燃料タンクを配置すれば良いのであ
るが、それでは運転座席下方の狭い空間を用いた極小容
量のタンクになって非現実的であるから、後車軸の前後
に跨がるようにすれば、燃料タンクをできるだけ前に寄
せることと、タンク容量の確保とを両立することが可能
である。
【0020】〔請求項5の構成による効果〕請求項5及
び6に記載のトラクタでは、後車軸の前後に燃料タンク
を跨がらせて配置することにより、車体後部に燃料タン
クを配置しながら、タンク容量の確保と後方バランスの
改善とが図れる燃料タンク配置構造が得られた。
【0021】〔請求項6の構成〕第6発明は、第5発明
において、燃料が満充填された状態における燃料タンク
の重心が、後車軸の軸心よりも前側に存在するように構
成してあることを特徴とする。
【0022】〔請求項6の構成による作用〕請求項6の
構成によれば、燃料が満充填された重い燃料タンクの重
量が前後輪間に作用するようになり、後方バランスがよ
り改善されるようになった。
【0023】〔請求項6の構成による効果〕請求項6に
記載のトラクタでは、車体後部に燃料タンクを配置しな
がら、後方バランスをさらに改善することができる燃料
タンク配置構造が得られた。
【0024】〔請求項7の構成〕第7発明は、第1〜第
6発明において、燃料タンクの給油口を、燃料タンクの
後端部に設けてあることを特徴とする。
【0025】〔請求項7の構成による作用〕請求項7の
構成によれば、側面視で略L字形状を呈する燃料タンク
の後部に給油口を設けるから、最も高い位置に給油口が
配置できるようになり、無理なく燃料補給できるととも
に、給油口がタンク頂部よりも低い位置に存在する場合
に比べて、燃料タンク内部にデッドスペースが存在せ
ず、所期したタンク容量が確保できるようになった。
【0026】〔請求項7の構成による効果〕請求項7に
記載のトラクタでは、給油口を燃料タンク後端部に設け
ることにより、タンク内スペースを無駄なく利用でき
て、タンク容量増大に寄与する燃料タンク配置構造が得
られた。
【0027】〔請求項8の構成〕第8発明は、第1〜第
7発明において、機体後部に搭載されるミッションケー
スの後端部上部に、リフトアーム昇降用の油圧シリンダ
を立設し、立設された油圧シリンダに、油圧シリンダに
作動油を給排する昇降弁を含む油圧装置用の各種弁を一
体形成してあることを特徴とする。
【0028】〔請求項8の構成による作用〕請求項8の
構成によれば、ハウス用等の低床型トラクタを構成する
に好都合なものとなる。すなわち、トラクタの運転座席
は、特開平10−325373号公報の図1に示される
ように、ミッションケース後部におけるリフトアーム昇
降用の油圧シリンダ部分の上に配置されるのが一般的で
ある。これに対して本請求項のものでは、リフトアーム
昇降用油圧シリンダを立設したので、その前に運転座席
を配置すれば、横臥配置された油圧シリンダに要する高
さ分は運転座席の位置を低くすることができ、乗員の頭
部位置を低くすることができる。
【0029】そして、この場合でも燃料タンクは運転座
席の下方からその後部に亘る形状に構成されているの
で、タンク後部の位置を十分高くすることにより、運転
座席位置を低くしても、必要となるタンク容量を確保す
ることが可能である。
【0030】〔請求項8の構成による効果〕請求項8に
記載のトラクタでは、トラクタとしての最大高さ設定値
を従来機種に比べて低くすることができ、ハウス用や果
樹園等に好適な低床型トラクタの実現に寄与できる燃料
タンク配置構造が得られた。
【0031】〔請求項9の構成〕第9発明は、第1〜第
8発明において、運転座席が配備された運転部を覆うキ
ャビンを設け、車体前部のボンネット後端部に、前記キ
ャビン内に作用する冷房装置を配置してあることを特徴
とする。
【0032】〔請求項9の構成による作用〕請求項9の
構成によれば、運転座席部分とミッションケース部分と
を仕切るシートフロアが存在しているので、キャビン付
きトラクタを構成するために、新たにシートフロアを設
けなくて済むとともに、従来では燃料タンクの配置され
ていたボンネット後部のスペースを利用して冷房装置を
設けたので、比較的大きなスペースを要する冷房装置
を、その関連機器がキャビン内に大きく張り出ることな
く車体に組み込むことが可能である。
【0033】〔請求項9の構成による効果〕請求項9に
記載のトラクタでは、シートフロアをキャビンの構成部
材として利用できるとともに、従来の燃料タンク位置を
利用して、キャビン内空間に大きく張り出すことなく冷
房装置を搭載できるようになり、合理的にキャビンを設
けるに寄与する燃料タンク配置構造が得られた。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1にキャビン付きの低床型ト
ラクタが示され、1は前輪、2は後輪、3はキャビン、
4は運転部、5はボンネット、6は耕耘ロータリー、7
は昇降リンク機構、Mはミッションケース、21はエン
ジンである。車体前部のエンジン21のクラッチハウジ
ング部分21cと車体後部のミッションケースM前端部
とは、箱状の連結フレーム29で連結一体化されてお
り、所謂モノボディ構造の車体フレームとしてある。
【0035】図2〜図5に示すように、リンク機構7は
3点リンク機構であり、車体Bの後部に、耕耘ロータリ
ー連結用の左右一対のロアーリンク8を連結するととも
に、ロアーリンク8の後端に装着した耕耘ロータリー6
のロアーリンク8との枢支連結点周りでの揺動を規制す
るためのトップリンク9を連結し、前記左右のロアーリ
ンク8のそれぞれの対応するものにリフトロッド10を
介して連結する左右一対のリフトアーム11を上下揺動
自在に連結して構成されている。
【0036】ロアーリンク8の車体Bへの連結手段は、
ロアーリンク8を車体Bに対して上下揺動並びに左右揺
動自在に連結する球継手12であり、ロアーリンク8の
後端への耕耘ロータリー6の連結手段は、耕耘ロータリ
ー6をロアーリンク8に対して上下揺動並びに左右揺動
自在に連結する球継手13である。
【0037】トップリンク9の車体Bへの連結手段は、
トップリンク9を車体Bに対して上下揺動並びに左右揺
動自在に連結する球継手14であり、トップリンク9へ
の耕耘ロータリー6の連結手段は、耕耘ロータリー6を
トップリンク9に対して上下揺動並びに左右揺動自在に
連結する球継手15である。
【0038】リフトロッド10のリフトアーム11への
連結手段は、リフトロッド10をリフトアーム11に対
して上下揺動並びに左右揺動自在に連結する球継手16
であり、リフトロッド10のロアーリンク8への連結手
段は、リフトロッド10をロアーリンク8に対して上下
揺動並びに左右揺動自在に支軸17を介して連結する手
段である。尚、ロアーリンク8は、リフトアーム11の
先端よりも左右外方に位置しており、そのため、リフト
アーム11に左右外方に突出する支軸11aを突出させ
て球継手16を装着することにより、球継手16がロア
ーリンク8の直上方に位置するように、つまり、左右の
リフトロッド10が互いに平行に位置するようにしてあ
る。
【0039】左右のロアーリンク8は、耕耘ロータリー
6の取付け部の左右間隔を車体Bへの取付け部の左右間
隔と等しくすることにより、互いに平行に位置するよう
に配置されている。つまり、左右のロアーリンク8と車
体Bと耕耘ロータリー6とからなるリンク機構は、平行
四連リンク機構に構成されている。
【0040】その結果、リンク機構7は、リフトアーム
11を上下に揺動させてロアーリンク8を上下に揺動さ
せることにより、トップリンク9で耕耘ロータリー6の
左右向き軸芯周りの姿勢を規制する状態で耕耘ロータリ
ー6を昇降し、左右のロアーリンク8を左右に一体に揺
動させることにより、トップリンク9及びリフトロッド
10を左右に揺動させつつ耕耘ロータリー6を左右に平
行移動させるように構成されている。
【0041】そして、車体Bには、左右のリフトアーム
11を一体上下揺動駆動する単動型油圧式のリフトシリ
ンダ18を設けてあり、車体Bと一方のロアーリンク8
との間には、複動型油圧式のシフトシリンダ19を介装
してある。他方のリフトロッド10は、伸縮並びに固定
自在で伸縮することにより、他方のリフトアーム11に
対して他方のロアーリンク8を上下に揺動させることで
左右のロアーリンク8を上下に相対揺動させて耕耘ロー
タリー6を車体Bに対してローリングさせる複動型油圧
式のローリングシリンダ20に構成されている。つま
り、シフトシリンダ19とローリングシリンダ20とは
左右に振り分け配置されており、車体Bの対地ローリン
グ量に応じて耕耘ロータリー6を車体Bに対してローリ
ングさせることにより、耕耘ロータリー6の対地ローリ
ング姿勢を一定に維持できる。
【0042】図5(イ),(ロ)に示すように、リフト
ロッド10とローリングシリンダ20との長さが同じで
平行に位置していれば、ロアーリンク8を左右に揺動さ
せての耕耘ロータリー6の左右移動にかかわらず、耕耘
ロータリー6の対地ローリング姿勢を一定に維持でき
る。が、図6(イ),(ロ)に示すように、車体Bの対
地ローリングにかかわらず耕耘ロータリー6の対地ロー
リング姿勢を一定に維持するためにリフトロッド10と
ローリングシリンダ20との長さが相違する場合には、
ロアーリンク8を左右に揺動させて耕耘ロータリー6を
左右移動させたとき、耕耘ロータリー6が長さの差に応
じて車体Bに対してローリングし、耕耘ロータリー6の
対地ローリング姿勢が変化する。
【0043】図7に示すように、各シリンダ18,1
9,20に対する油圧回路は、エンジン21で駆動され
る油圧ポンプ22による圧油を分流するフロープライオ
リティーバルブ23、このフロープライオリティーバル
ブ23からの余剰流をリフトシリンダ18に供給する余
剰流油路L1、フロープライオリティーバルブ23から
の制御流をシフトシリンダ19及びローリングシリンダ
20に供給する制御流油路L2等を設けて構成されてい
る。
【0044】余剰流油路L1に、上昇用電磁パイロット
バルブUPVのパイロット圧で操作されてリフトシリン
ダ18を伸長させる圧油供給状態に切換わる上昇バルブ
UVと、下降用電磁パイロットバルブDPVのパイロッ
ト圧で操作されてリフトシリンダ18の短縮を許容する
排油状態に切換わる下降バルブDVとを備えた昇降制御
バルブ26を介装してある。制御流油路L2に、シフト
シリンダ19を伸縮並びに固定する電磁式のシフト制御
バルブ24と、ローリングシリンダ20を伸縮並びに固
定する電磁式のローリング制御バルブ25とを直列接続
する状態で介装してある。
【0045】そして、シフト制御バルブ24とローリン
グ制御バルブ25とを接続する油路に作用するリリーフ
弁49と、シフトシリンダ19に作用するチェック弁5
0とを設けてあり、ローリング制御バルブ25の保護
と、シフトシリンダ19やシフト制御バルブ24からの
油の漏れを防止するようにしてある。
【0046】図2、図3に示すように、シフト制御バル
ブ24及びローリング制御バルブ25並びにリフトシリ
ンダ18に対するリフト制御バルブ26は、シフト制御
バルブ24とリフト制御バルブ26とがシフトシリンダ
19と左右同じ側に、かつ、ローリング制御バルブ25
がローリングシリンダ20と左右同じ側にそれぞれ位置
する状態に配置してリフトシリンダ18のシリンダケー
ス18Aに取り付けられている。
【0047】図2〜図5に示すように、作業機には、左
右一対のロアーリンク8を左右一方側に揺動付勢する付
勢手段を設けてある。付勢手段は、左右他方のロアーリ
ンク8と車体Bとの間に、伸長作動付勢されたガススプ
リング28を設けて構成されている。
【0048】図12の(イ),(ロ)に示すように、支
柱などの障害物Cが存在するハウス内際を耕耘する際、
車体Bを障害物Cに当たらない走行経路上に位置させた
状態で耕耘ロータリー6がハウス内際を移動するように
耕耘ロータリー6を車体Bに対して左右に移動位置さ
せ、この状態で耕耘作業を行い、耕耘ロータリー6が支
柱Cに達する前に、耕耘ロータリー6を障害物Cに当た
らない位置まで左右移動させ、障害物Cを通過後、耕耘
ロータリー6をハウス内際側に左右移動させることによ
り、車体Bを操向させることなく、ハウス内際の障害物
Cを避けた箇所を耕耘することができるのである。そし
て、図6の(イ),(ロ),(ハ)に示すように、耕耘
ロータリー6の左右移動に拘わらず、耕耘ロータリー6
の対地ローリング姿勢が設定姿勢に維持され、良好な耕
耘を行えるのである。
【0049】次に、燃料タンクT及びその取付構造につ
いて説明する。図8〜図11に示すように、左右の後輪
フェンダ30,31の左右間でミッションケースMの上
方に運転座席32を配置し、運転座席32とミッション
ケースMとの間に配置されて、運転座席側部分とミッシ
ョンケースM側部分とを仕切るシートフロア33を、運
転座席32の着座部32Aの底面32a及び背凭れ部3
2Bの背面32bに沿う側面視略L字形状に形成して設
けてある。
【0050】そして、シートフロア33の下に、側面視
においてシートフロア33の裏面に沿う略L字形状の面
mを有した左右に薄い偏平な燃料タンクTを、その右側
面34が右後輪フェンダ31の内側面31aに沿う状態
で配置してある。
【0051】燃料タンクTは、大別して、運転座席32
の下方に位置するタンク下部Taと、運転座席32の後
方に位置するタンク上部Tbとから構成されており、側
面視において、タンク下部Taの上面35(=面m)が
着座部32Aの底面32aに沿い、タンク上部Tbの前
面36(=面m)が背凭れ部32Bの背面32bに沿っ
ている。燃料タンクTは、ミッションケースM、及びこ
れの後端部に立設されたリフトシリンダ18、リフトア
ーム11及びその移動軌跡、シートフロア33、右後輪
フェンダ31等の機械装置類との干渉を避けながら極力
タンク容量を大きくするため、複雑に入り込んだ形状を
している。
【0052】つまり、タンク下部Taの上部とタンク上
部Tbの前部に架けて、シートフロア33とミッション
ケースM並びにリフトシリンダ18との上下間に入り込
むように左方に突出した側方膨出部37aや、タンク上
部Tbの後部において、リフトアーム11との干渉を避
けるべく右方に削られた側状凹入部37b等が形成され
ている。その結果、燃料タンクTの左右両横側面34,
37のうちの車体左右中心側の左横側面37は、概略、
後方に行くほどに車体左右方向で外方に寄る形状に形成
されている。又、側面視において燃料タンクTは、後車
軸38の前後に跨がる状態で配置されている。燃料が満
充填された状態では、燃料タンクTの重心が、後車軸3
8軸心Pよりも前側に存在するよう構成すれば好都合で
ある
【0053】燃料タンクTは、左右の板金製タンク部材
39,40を溶接一体化して成る左右合わせ構造であ
り、その溶着箇所であるフランジ部41を、右後輪フェ
ンダ31の内側面31aに固定された後2箇所の取付け
ステー42、及びシートフロア33に固定された3箇所
の取付けステー43の計5箇所にボルト止めしてある。
シートフロア33は、左右の後輪フェンダ30,31の
内側に固着された左板フランジ部(図示せず)と右板フ
ランジ部31fとに亘って架設して状態でボルト止めさ
れている。つまり、シートフロア33と右後輪フェンダ
31と燃料タンクTとが、互いに補強部材となるように
一体化されており、これら三者の支持強度を相互に高め
るようにしてある。
【0054】燃料タンクTには、タンク下部Taの前下
に形成された下方膨出部44に配備された燃料送出口4
5と、タンク上部Tbの後部上端に備えた燃料供給口4
6の前方に配備された燃料還元口47、及び、タンク内
の燃料残量を検出する残量計48が備えてある。残量計
48は、タンク上部Tbの下部に、後方からの着脱操作
が自在に装備されたポテンショメータ48aと、その揺
動アーム48b先端に取付けられたフロート48c等か
ら成る一般的なものであり、フロート48cはタンク下
部Taの上部からタンク上部Tbの上下中間位置に亘っ
て揺動移動するように設定してある。燃料供給口46に
はキャップ46aが装備されている。
【0055】運転座席32の左側には、主変速レバー6
1と副変速レバー62等の操作レバーRを配置してあ
り、燃料タンクTは運転座席32の右側に配備されてい
る。この燃料タンクTと操作レバーRの左右振り分け配
置により、操作レバーRの連動機構63を運転座席32
の左下方位置に無理なく配置することと、燃料タンクT
の容量確保との両立を図ってある。
【0056】図13に示すように、ボンネット5内にお
けるラジエータ51の前面側に配備される冷媒用のコン
デンサ52、エンジン21で駆動される冷媒圧縮用のコ
ンプレッサー53等で成る室外機Aaと、キャビン3の
主に操縦パネル54内に配置される室内機Abとで、キ
ャビン3内を冷暖房及び除湿可能な空調装置(冷房装置
の一例)Aを構成してある。
【0057】室内機Abは、ボンネット5内部の後端部
上部に配置される外気導入部55と、ここで取入れられ
た外気を吸引して吹出す送風機56と、冷却用のエバポ
レータ57、暖房用の熱交換器58、吹出し口59等か
ら構成されている。外気導入部55以外のものはケーシ
ング60にて覆われた状態で、フロントパネル54内に
配置されている。
【0058】〔別実施形態〕燃料タンクTの右側面を平
面状に形成することで、右後輪フェンダ31の縦壁部分
を兼ねるようにし、右後輪フェンダ31の軽量化やコス
トダウンを図るようにした構造でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図
【図2】トラクタ後部の背面図
【図3】リンク機構の構造を示す側面図
【図4】リンク機構の平面図
【図5】リンク機構のオフセット作動状態を示す作用図
【図6】リンク機構のローリング状態を示す作用図
【図7】リンク機構用の油圧回路図
【図8】燃料タンク部分を示す側面図
【図9】燃料タンク部分を示す背面図
【図10】燃料タンク部分を示す平面図
【図11】燃料タンク単品の斜視図
【図12】ハウス内での耕耘作業を示す作用図
【図13】冷房装置を示す要部の側面図
【符号の説明】
3 キャビン 4 運転部 5 ボンネット 18 昇降シリンダ 24,25 各種バルブ 26 昇降弁 30 左後輪フェンダ 31 右後輪フェンダ 31a 内側面 32 運転座席 32A 着座部 32a 底面 32B 背凭れ部 32b 背面 33 シートフロア 34 フェンダ横側面 37 車体中心側のフェンダ横側面 38 後車軸 46 給油口 A 冷房装置 M ミッションケース P 後車軸軸心 R 操作レバー T 燃料タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 克己 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 2D015 CA00 3D038 CA12 CB06 CC00 CD02 CD04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の後輪フェンダの左右間でミッショ
    ンケースの上方に運転座席を配置し、該運転座席と前記
    ミッションケースとの間に配置されて、運転座席側部分
    とミッションケース側部分とを仕切るシートフロアを、
    前記運転座席の着座部の底面及び背凭れ部の背面に沿う
    側面視略L字形状に形成して設け、 前記シートフロアの下に、側面視において該シートフロ
    アの裏面に沿う略L字形状の面を有した燃料タンクを配
    置してあるトラクタの燃料タンク配置構造。
  2. 【請求項2】 前記燃料タンクの横側面は、前記後輪フ
    ェンダの内側面に連結される、又は後輪フェンダの側面
    となる状態に構成されている請求項1に記載のトラクタ
    の燃料タンク配置構造。
  3. 【請求項3】 前記運転座席の左又は右側に操作レバー
    を配置し、前記運転座席に対する該操作レバー存在側の
    反対側に前記燃料タンクを配備してある請求項1又は2
    に記載のトラクタの燃料タンク配置構造。
  4. 【請求項4】 前記燃料タンクの左右両横側面のうちの
    車体左右中心側の横側面が、後方に行くほどに車体左右
    方向で外方に寄る形状に形成されている請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のトラクタの燃料タンク配置構造。
  5. 【請求項5】 前記燃料タンクを、後車軸の前後に跨が
    る状態で配置してある請求項1〜4のいずれか1項に記
    載のトラクタの燃料タンク配置構造。
  6. 【請求項6】 燃料が満充填された状態における前記燃
    料タンクの重心が、前記後車軸の軸心よりも前側に存在
    するように構成してある請求項5に記載のトラクタの燃
    料タンク配置構造。
  7. 【請求項7】 前記燃料タンクの給油口を、該燃料タン
    クの後端部に設けてある請求項1〜6のいずれか1項に
    記載のトラクタの燃料タンク配置構造。
  8. 【請求項8】 機体後部に搭載されるミッションケース
    の後端部上部に、リフトアーム昇降用の油圧シリンダを
    立設し、該立設された油圧シリンダに、前記油圧シリン
    ダに作動油を給排する昇降弁を含む油圧装置用の各種弁
    を一体形成してある請求項1〜7のいずれか1項に記載
    のトラクタの燃料タンク配置構造。
  9. 【請求項9】 前記運転座席が配備された運転部を覆う
    キャビンを設け、車体前部のボンネット後端部に、前記
    キャビン内に作用する冷房装置を配置してある請求項1
    〜8のいずれか1項に記載のトラクタの燃料タンク配置
    構造。
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