JP2001001241A - ガラス基板の研削方法 - Google Patents

ガラス基板の研削方法

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JP2001001241A
JP2001001241A JP11173855A JP17385599A JP2001001241A JP 2001001241 A JP2001001241 A JP 2001001241A JP 11173855 A JP11173855 A JP 11173855A JP 17385599 A JP17385599 A JP 17385599A JP 2001001241 A JP2001001241 A JP 2001001241A
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Japan
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grinding
glass substrate
grinding wheels
wheels
glass
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JP11173855A
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English (en)
Inventor
Koichi Suzuki
弘一 鈴木
Yoichiro Shimizu
陽一郎 清水
Gizaburo Kondo
儀三郎 近藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高能率で、且つ平坦度や厚みの均一性などを
満足するガラス基板の研削方法を提供する。 【解決手段】 ベルト状キャリア4により保持されたガ
ラス基板3を回転する一対の研削砥石1,2の間を通過
させて、ガラス基板3の両面を同時に研削するガラス基
板の研削方法において、一対の研削砥石1,2を、その
研削面を平行にして同一の軸心で回転するよう配置し、
ガラス基板3を研削砥石1,2の間に一定時間留まらせ
ると共に、研削砥石1,2を互いに前進させることによ
るガラス基板3の研削中に、ベルト状キャリア4を前進
・後退の往復運動させることによりガラス基板3を一対
の研削砥石1,2の間で往復動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板を所望
の厚みに研削するもので、特に磁気記録媒体用のガラス
基板に敵したガラス基板の研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板等の薄板状小片を研削する装置
としては、特開昭52−1590号公報に開示されたも
のが知られている。この装置は、帯状の金属からなるベ
ルト(キャリア)にポケット(孔)を設け、このポケッ
トにガラス板をはめ込み、ベルトを張った状態で一対の
回転研削砥石の間に通し、ガラス板の両面を同時に研削
するようにしたものである。また、ガラス板を研削する
際にガラス板自身を回転させ、研削の平面度を向上させ
たものが、特開平6−210560号公報に開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
研削方法においては、ガラス板等の薄板状小片を研削す
る場合に、砥石の入口側では、被加工物の厚み以上に砥
石間距離を設定し、砥石の出口側では、目標とする被加
工物の所望の厚みに対応した砥石間距離に設定してい
る。このように砥石間距離が徐々に小さくなる中を、キ
ャリアにより保持された被加工物であるガラス板が、砥
石の入口より出口へと搬送されるに従い、ガラス板も砥
石間距離に応じた厚みに研削されていくため、一対の砥
石はその研削面を互いに平行にして配置されるのではな
く、被加工物の研削すべき厚み(取代)に応じた傾きを
持って配置されることになる。
【0004】このため、被加工物であるガラス板は研削
の間、各々の瞬間に各々の砥石の面に沿うことになり、
面の平坦性や厚みの均一性などに問題があった。また、
被加工物の取り出し時において、砥石が回転状態で、且
つ砥石に接触したまま被加工物がキャリアにより搬送さ
れて取り出されることから、研削装置の振動に起因する
ガラス板の振動、あるいはキャリアの走行位置の僅かな
中心からのずれなどに起因するガラス板の砥石間中心位
置からのずれなどから、ガラス板が砥石の一方に周期的
に強く接触する事態が発生し、ガラス板の平坦性や厚み
の均一性などが損なわれる問題があった。
【0005】そこで、より肉厚のガラス板(素板)か
ら、例えば1mm程度またはそれ以下の厚さの磁気記録
媒体用のガラス基板にするために、ガラス板の厚みを短
時間で所望の厚みとし、且つ平坦度に優れ、厚みを均一
にすることが実用上重要であり、そのための研削加工方
法の提案が望まれていた。
【0006】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、高能率で、且つ平坦度や厚みの均一性などを満
足するガラス基板の研削方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請
求項1のガラス基板の研削方法は、搬送手段により保持
されたガラス基板を回転する一対の研削砥石の間を通過
させて、前記ガラス基板の両面を同時に研削するガラス
基板の研削方法において、前記一対の研削砥石を、その
研削面を平行にして同一の軸心で回転するよう配置し、
前記ガラス基板を前記研削砥石の間に一定時間留まらせ
ると共に、前記研削砥石を互いに前進させることにより
前記ガラス基板の両面を研削するものである。
【0008】請求項2のガラス基板の研削方法は、請求
項1記載のガラス基板の研削方法において、前記研削砥
石を互いに前進させることによる前記ガラス基板の研削
中に、前記搬送手段を往復運動させることにより前記ガ
ラス基板を前記一対の研削砥石の間で往復動させるもの
である。
【0009】請求項3のガラス基板の研削方法は、請求
項1または請求項2記載のガラス基板の研削方法によ
り、前記ガラス基板を所定の厚みに研削した後、前記一
対の研削砥石を後退させると同時に、引離し手段により
前記ガラス基板を前記研削砥石から離脱させるものであ
る。
【0010】請求項4のガラス基板の研削方法は、請求
項3記載のガラス基板の研削方法において、前記引離し
手段が、研削液を前記研削砥石の回転軸から前記研削砥
石に形成した貫通孔と溝を通して前記ガラス基板と前記
研削砥石の間に供給し、前記ガラス基板と前記研削砥石
の間に研削液による静圧をかけると共に、前記搬送手段
の移動に伴い、前記ガラス基板を前記研削砥石から離脱
させるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
ガラス基板の研削方法を実施する研削装置の概略平面
図、図2は同じく要部拡大図、図3は研削砥石とベルト
状キャリアとの位置関係を示す説明図、図4は研削砥石
の平面図、図5は研削砥石の断面図、図6は研削砥石と
円盤状キャリアとの位置関係を示す説明図である。
【0012】ガラス基板の研削装置は、図1に示すよう
に、同一の軸心を持つ回転軸1a,2aで回転する一対
の研削砥石1,2と、研削砥石1,2の間を被加工物で
ある円盤状のガラス基板3を搬送するベルト状キャリア
4と、加工前のガラス基板3をベルト状キャリア4に保
持させるロード機構5と、加工後のガラス基板3をベル
ト状キャリア4から取り出すアンロード機構6を備えて
いる。
【0013】研削砥石1,2は、図2に示すように、そ
の研削面1b,2bを互いに平行にしてベルト状キャリ
ア4の両面に直交して近接するように配置され、互いに
反対方向に原動機などを備えた回転駆動装置(不図示)
により、所定の回転数で回転できるようにしている。
【0014】また、研削砥石1,2は、原動機などを備
えた並進駆動装置(不図示)により、回転軸1a,2a
方向に所定速度で前進・後退でき、しかも所定の精度で
研削代を設定できるよう構成されている。加工前の研削
砥石1,2の間隔(原位置)は、加工されるガラス基板
3の厚みにより調整される。
【0015】ベルト状キャリア4は、図1に示すよう
に、ステンレス等の帯状金属材で無端状に形成され、そ
の幅方向が上下方向になるように配設されてロール7,
8の回転により走行する。そして、ガラス基板3を搬送
する場合に、ベルト状キャリア4が所望の位置で停止し
たり、所望の速度で走行できるようロール7,8は、原
動機や制御装置などを備えた駆動装置(不図示)により
制御される。
【0016】また、ベルト状キャリア4は、前記駆動装
置によるロール7,8の正逆転駆動により、所定位置を
中心にして所定の振幅、所定の周期で、前進・後退の往
復運動ができる。なお、矢印はガラス基板3が搬送され
る時の走行方向を示している。
【0017】更に、ベルト状キャリア4には、図3に示
すように、その幅方向中央部で、且つ長さ方向に所定の
間隔Aを保ってガラス基板3の外形よりも若干大きいポ
ケット9が複数形成されている。なお、ガラス基板3を
ポケット9に嵌合した時に、ガラス基板3の両面が、夫
々ベルト状キャリア4の両面から研削代分を超えて突出
するように、ガラス基板3の厚みはベルト状キャリア4
の厚みより大きくしている。
【0018】ここで、研削砥石1と研削砥石2は、同一
形状なので研削砥石1について説明する。研削砥石1
は、図4及び図5に示すように、砥石合金部11と砥石
層12からなり、円盤状に形成されている。砥石層12
は、研削砥石1の外周縁部から中心に向ってガラス基板
3の外径と同じ程度の幅で環状に砥石合金部11に配設
され、研削面1bを構成している。
【0019】砥石層12の表面には、円周方向に2本の
環状溝13と、放射方向に12本の直状溝14が設けら
れている。また、砥石合金部11には、図5に示すよう
に、研削液が供給される中心孔15と、中心孔15から
砥石層12の環状溝13と直状溝14に研削液を送る貫
通孔16が設けられている。なお、中心孔15は、回転
軸1aに形成されている。
【0020】ロード機構5は、搬入位置Lに位置決めさ
れるポケット9に対向して複数枚が重ねられた加工前の
ガラス基板3を順次ベルト状キャリア4のポケット9に
嵌合する。また、アンロード機構6は、搬出位置Uに位
置決めされる加工後のガラス基板3をベルト状キャリア
4のポケット9から取り出す。
【0021】ガラス基板3を所望の厚さに加工するに
は、図3に示すように、先ずロール7,8を駆動させて
ベルト状キャリア4に設けたポケット9を搬入位置Lに
配置されたロード機構5に対向するよう位置決めする。
そして、ロード機構5が2枚のガラス基板3を、夫々搬
入位置Lに位置決めされた2つのポケット9に嵌合す
る。
【0022】次いで、ベルト状キャリア4をポケット9
の間隔Aの2倍の距離(2A)だけ走行させて、2つの
ポケット9に嵌合した2枚のガラス基板3を、研削砥石
1,2の回転中心を対称に設けた研削面1b,2bと対
向する加工位置X,Yに位置決めする。
【0023】従って、この一対の研削砥石1,2では、
同時に2枚のガラス基板3を加工できる。この時、研削
砥石1と研削砥石2の間隔は、ベルト状キャリア4で搬
送されるガラス基板3の厚みよりも、0.05mm〜
0.1mm程度大きく設定されている。
【0024】次いで、ベルト状キャリア4が、加工位置
X,Yを中心にして所定の振幅、所定の周期で前進・後
退の往復運動するように、ロール7,8を正逆転駆動さ
せる。これと同時に、研削砥石1,2を夫々所定の回転
数で回転させると共に、研削砥石1と研削砥石2の間隔
がガラス基板3の厚みになるよう研削砥石1,2を夫々
回転軸1a,2a方向に所定速度で前進させ、所望の厚
みになるまでガラス基板3の両面を研削する。
【0025】ここで、ベルト状キャリア4の前進・後退
の往復運動の振幅と周期、及び研削砥石1,2の回転数
と前進速度は、ガラス基板3の加工前後のサイズ(厚
み)、形状、研削砥石1,2の番手などに応じて決定さ
れる。従って、ガラス基板3が研削砥石1,2の間に留
まる時間は、ガラス基板3が所望の厚みまで研削される
のに要する研削時間で、5秒〜30秒程度である。
【0026】また、ベルト状キャリア4の前進・後退の
往復運動の周期(回数)は、10〜100回/分が好ま
しい。10回/分未満では、砥石の局所磨耗抑制の効果
が少なく、100回/分を超えると、装置を実現するた
めに特殊な機材が必要となり、装置の構造が複雑となっ
て好ましくない。
【0027】また、例えば直径455mmの研削砥石
1,2により、直径65mmで厚み0.7〜1.1mm
程度のガラス基板3の両面を、合計で0.1〜0.5m
mだけ研削して磁気記録媒体用のガラス基板3を得るた
めには、研削砥石1,2の回転数を500〜1000r
pm程度に設定すれば、研削時間を5秒〜30秒にする
ことができる。
【0028】このように、ベルト状キャリア4に前進・
後退の往復運動をさせながら回転する研削砥石1,2を
前進させて、ガラス基板3の両面を研削するので、研削
砥石1,2が局所的に磨耗することが抑制されて砥石寿
命の向上が図れると共に、砥石の磨耗による表面の平坦
形状の崩れが抑制されてガラス基板3の平坦度の向上、
厚みの均一性の向上が図れる。
【0029】所望の厚みまでガラス基板3が研削される
と、ベルト状キャリア4は前進・後退を停止し、研削砥
石1,2は夫々ガラス基板3の面から、0.05mm〜
0.1mm程度離れるよう後退する。同時に、回転する
研削砥石1,2の中心孔15から研削液が、貫通孔1
6、環状溝13、直状溝14を通してガラス基板3と研
削砥石1,2の間に供給されているため、ガラス基板3
と研削砥石1,2の間に研削液による静圧がかかる。
【0030】ここで、研削後に研削砥石1,2を後退さ
せる量は、その後退に要する時間が研削加工全体のサイ
クルタイムの増加に影響するため、小さければ小さいほ
どよいが、余り小さいと研削砥石1,2と加工後のガラ
ス基板3の接触が起こり易くなるため、上記のように
0.05mm〜0.1mm程度であることが好ましい。
0.05mm未満であると、接触し易いし、一方0.1
mmを超えると、研削砥石1,2の移動のための時間が
掛かり、サイクルタイムが増加するからである。
【0031】そして、ガラス基板3と研削砥石1,2の
間に供給された研削液による静圧により、2枚のガラス
基板3は、夫々研削砥石1,2に接触することなく、研
削砥石1,2から離脱し、ベルト状キャリア4の前進走
行により、ポケット9の間隔Aの2倍の距離(2A)だ
け移動して搬出位置Uに位置決めされる。
【0032】次いで、2枚のガラス基板3は、アンロー
ド機構6により、ポケット9から取り出される。以上
で、ガラス基板3の研削作業の1サイクルが終了する。
【0033】研削砥石1,2の材質、番手や砥粒種など
は、ガラス基板3の厚みや要求される加工品質により選
択されるが、本発明で用いることができる砥石として
は、ダイアモンド砥粒のメタルボンド砥石(例えば、商
品名が大阪ダイアモンド工業社製SD200−50−M
T40、SD600−50−MT40、三菱マテリアル
社製MD200−50−ML517)やレジノボンド砥
石(例えば、商品名が三菱マテリアル社製ASD200
−R50BJ20、ASD−400−R50−TC3
0)などがある。
【0034】砥石の番手、集中度、ボンド硬さは、ガラ
ス基板の種類、必要な面粗さなどにより選択される。精
密研削が必要な場合には、#2000、#3000の番
手の粗さの砥石を用いることも可能である。
【0035】また、本発明に適用できるガラス板として
は、特にその組成に限定されるものではなく、ソーダ石
灰シリカ系ガラス、ホウ珪酸系ガラス、アルミノ珪酸系
ガラス、アルミノホウ酸系ガラス、無アルカリ低膨張ガ
ラス、高歪点高膨張珪酸ガラス、結晶化ガラスなどが挙
げられる。
【0036】同時に研削されるガラス基板3は、図3に
示すように、2枚であるが、ガラス基板3と研削砥石
1,2のサイズに応じて、上下左右に並列に、例えば4
枚セットすることもできる。また、ガラス基板3の搬送
手段として、上記したベルト状キャリア4ではなく、図
6に示すように、円盤状キャリア20を採用することも
できる。
【0037】円盤状キャリア20は、ステンレス等の板
状金属材で円形に形成され、その両面が研削砥石1,2
の研削面1b,2bと平行になるように配設され、その
中心には、研削砥石1,2の回転軸1a,2aと同方向
に回転軸21が設けられている。そして、ガラス基板3
を搬送する場合に、円盤状キャリア20が所望の位置で
停止したり、所望の回転速度で回転できるよう円盤状キ
ャリア20は、原動機や制御装置などを備えた回転駆動
装置(不図示)により制御される。
【0038】また、円盤状キャリア20は、前記回転駆
動装置による正逆転駆動により、所定位置を中心にして
所定の振幅、所定の周期で、往復運動ができる。なお、
矢印はガラス基板3が搬送される時の走行方向を示して
いる。
【0039】また、円盤状キャリア20の周縁部には、
所定の間隔(直線距離)Aを保ってガラス基板3の外形
よりも若干大きいポケット22が6つ形成されている。
ポケット22をいくつ設けるかは、円盤状キャリア20
の大きさにより決定され、任意である。なお、ガラス基
板3をポケット22に嵌合した時に、ガラス基板3の両
面が、夫々円盤状キャリア20の両面から研削代分を超
えて突出するように、ガラス基板3の厚みは円盤状キャ
リア20の厚みより大きくしている。
【0040】なお、搬入位置Lには加工前のガラス基板
3を円盤状キャリア20のポケット22に保持させるロ
ード機構5が配置され、搬出位置Uには加工後のガラス
基板3を円盤状キャリア20のポケット22から取り出
すアンロード機構6が配置されているのは、図3に示す
構成と同様である。なお、研削砥石1,2についても図
3に示す構成と同様である。
【0041】ガラス基板3を所望の厚さに加工するに
は、図6に示すように、先ず円盤状キャリア20を回転
させて円盤状キャリア20に設けたポケット22を搬入
位置Lに配置されたロード機構5に対向するよう位置決
めする。そして、ロード機構5が2枚のガラス基板3
を、夫々搬入位置Lに位置決めされた2つのポケット2
2に嵌合する。
【0042】次いで、6つのポケット22の中心を直線
で結ぶと正六角形となるので、円盤状キャリア20を1
20°だけ回転させて、2つのポケット22に嵌合した
2枚のガラス基板3を、研削砥石1,2の回転中心を対
称に設けた研削面1b,2bと対向する加工位置X,Y
に位置決めする。
【0043】従って、この一対の研削砥石1,2では、
同時に2枚のガラス基板3を加工できる。この時、研削
砥石1と研削砥石2の間隔は、円盤状キャリア20で搬
送されるガラス基板3の厚みよりも、0.05mm〜
0.1mm程度大きく設定されている。
【0044】次いで、円盤状キャリア20が、加工位置
X,Yを中心にして所定の振幅、所定の周期で回動する
ように、原動機を正逆転駆動させる。これと同時に、研
削砥石1,2を夫々所定の回転数で回転させると共に、
研削砥石1と研削砥石2の間隔がガラス基板3の厚みに
なるよう研削砥石1,2を夫々回転軸1a,2a方向に
所定速度で前進させ、所望の厚みになるまでガラス基板
3の両面を研削する。
【0045】このように、円盤状キャリア20を回動さ
せながら回転する研削砥石1,2を前進させて、ガラス
基板3の両面を研削するので、研削砥石1,2が局所的
に磨耗することが抑制されて砥石寿命の向上が図れると
共に、砥石形状の崩れが抑制されてガラス基板3の平坦
度の向上、厚みの均一性の向上が図れる。
【0046】所望の厚みまでガラス基板3が研削される
と、円盤状キャリア20は回動を停止し、研削砥石1,
2は夫々ガラス基板3の面から、0.05mm〜0.1
mm程度離れるよう後退する。同時に、回転する研削砥
石1,2の中心孔15から研削液が、貫通孔16、環状
溝13、直状溝14を通してガラス基板3と研削砥石
1,2の間に供給され、ガラス基板3と研削砥石1,2
の間に研削液による静圧がかかる。
【0047】そして、ガラス基板3と研削砥石1,2の
間に供給された研削液による静圧により、2枚のガラス
基板3は、夫々研削砥石1,2に接触することなく、研
削砥石1,2から離れ、円盤状キャリア20が矢印方向
に120°だけ回転するので搬出位置Uに位置決めされ
る。
【0048】次いで、2枚のガラス基板3は、アンロー
ド機構6により、ポケット22から取り出される。以上
で、ガラス基板3の研削作業の1サイクルが終了する。
なお、円盤状キャリア20を採用した場合の他の作用効
果は、図3に示す場合と同様である。
【0049】次に、実施例について説明する。使用した
ガラス基板3は、加工前の厚み0.9mm、直径65m
m、内径20mmのソーダ石灰ガラスで、取代は両面合
計で0.2mmとした。
【0050】実施例では、ガラス基板3の研削砥石1,
2への搬入時における研削砥石1,2の間隔は、1.0
mmとし、研削砥石1,2の送り速度(前進速度)は、
砥石の番手に合せて1〜20μm/秒とした。また、下
記に示す表1には、各実施例の条件である研削砥石1,
2の配置(平行/傾斜)、アンロード時の研削砥石1,
2の間隔、研削時のガラス基板3の前進・後退の有無、
使用した研削砥石1,2の番手、研削砥石1,2の送り
速度(前進速度)を示す。なお、本実施例では、研削砥
石1,2の送り速度(前進速度)は、2段階とした。#
200砥石の場合には、1段目24μm/秒で4秒間、
2段目1μm/秒で4秒間とし、#800砥石の場合に
は、1段目12μm/秒で8秒間、2段目1μm/秒で
4秒間とし、#2000砥石の場合には、1段目6μm
/秒で16秒間、2段目1μm/秒で4秒間とした。
【0051】各番手の研削砥石1,2の外径は455m
m、内径は320mmとし、研削砥石1,2の回転数
は、600rpmとした(各実施例とも同一)。また、
ガラス基板3は、研削砥石1,2の中心から387.5
mmの位置を中心(加工位置X,Yの中心)として振幅
20mmで、周期60回/分で前進・後退させた。
【0052】
【表1】
【0053】評価項目は、表1に示すように、平坦度、
厚み差、砥石の磨耗とし、各々について評価を行った。
平坦度については、表面粗さ計(フラットネステスタに
より光学干渉縞の本数を測定して計算)を用い、平坦度
が5μm以下のガラス基板3が、90%以上であれば、
○とし、60%〜90%未満であれば、△とし、60%
未満であれば、×とした。
【0054】厚み差については、加工後のガラス基板3
の厚みをガラス基板3内の24点(内径エッジ部、中央
部、外径エッジ部における45°間隔の各点)につい
て、マイクロメータで測定し、厚み差が2μm以内のガ
ラス基板3が、90%以上であれば、○とし、60%〜
90%未満であれば、△とし、60%未満であれば、×
とした。なお、実施例1〜実施例13については、研削
枚数を100枚とした。
【0055】砥石の磨耗の状態を比較するため、実施例
14では同一条件で研削枚数を2000枚とし、研削
後、研削砥石1,2を定盤の上に研削面1b,2bを上
にして静置し、研削砥石1,2の中心を通る直線上に沿
って研削面1b,2bの平坦度を高さゲージで測定し
た。高さの最大値と最小値の差が50μm以下であれ
ば、○とし、それを超えれば、×とした。
【0056】次に、比較例について説明する。比較例と
して、下記の表2に示す条件にて研削テストを実施し
た。両砥石の外径(455mm)、回転数(600rp
m)は、実施例と同一とした。両砥石の傾け角は、取代
(0.2mm)に合わせ、ガラス基板3が搬入される側
で1.0mmの砥石間隔、ガラス基板3が搬出される側
で0.7mmの砥石間隔とした。ガラス基板3の送り速
度は、単位時間当たりの加工枚数が同一になるよう設定
した。使用したガラス基板3は、実施例と同様に、加工
前の厚み0.9mm、直径65mm、内径20mmのソ
ーダ石灰ガラスで、取代は0.2mmとした。
【0057】
【表2】
【0058】評価項目は、実施例と同じ平坦度、厚み
差、砥石の磨耗とし、実施例と同様な方法で、各々につ
いて評価を行った。
【0059】表1に示す実施例1〜実施例14から、一
対の研削砥石1,2を平行に配置してガラス基板3の両
面を加工する本発明に係る研削方法においては、平坦
度、厚み差とも所定の品質を満たすことがわかる。一
方、表2に示す比較例1〜比較例6から、一対の研削砥
石を傾斜を付けて配置しガラス基板3の両面を加工する
従来の研削方法では、いかなる種類の砥石を使用して
も、平坦度と厚み差の両方の品質を満足させることはで
きなかった。
【0060】また、実施例14と比較例7の結果より、
ガラス基板3を前進・後退の往復動をさせた場合には、
砥石に局所的な磨耗が認められず、平坦度、厚み差に優
れたガラス基板3が得られた。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
によれば、ガラス基板の厚みを減らす粗研削と、ガラス
基板の研削面の凹凸を小さくする精密研削の2種類の加
工を、全体として短時間で行うことができ、比較的肉厚
が厚いガラス基板であっても、薄いガラス基板に能率よ
く加工することができる。また、一対の研削砥石を平行
に配置し、ガラス基板を研削砥石の間に一定時間留まら
せると共に、研削砥石を互いに前進させてガラス基板の
両面を研削するので、平坦度に優れたガラス基板を得る
ことができる。
【0062】請求項2に係る発明によれば、搬送手段を
往復運動させてガラス基板を一対の研削砥石の間で往復
動させるので、砥石面に局所的な磨耗が生ぜず、砥石の
長寿命化が図れると共に、平坦度、厚み差に優れたガラ
ス基板が得られる。
【0063】請求項3に係る発明によれば、研削後、一
対の研削砥石を後退させると同時に、引離し手段により
ガラス基板を研削砥石から積極的に離脱させるので、研
削後におけるガラス基板と研削砥石との接触を回避する
ことができ、厚みの均一性を確保することができる。
【0064】請求項4に係る発明によれば、引離し手段
として、ガラス基板と研削砥石の間に生ずる研削液によ
る静圧を利用するので、新たに引離し手段を設けること
なく、研削後におけるガラス基板と研削砥石との接触を
回避することができ、厚みの均一性を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス基板の研削方法を実施する
研削装置の概略平面図
【図2】研削装置の要部拡大図
【図3】研削砥石とベルト状キャリアとの位置関係を示
す説明図
【図4】研削砥石の平面図
【図5】研削砥石の断面図
【図6】研削砥石と円盤状キャリアとの位置関係を示す
説明図
【符号の説明】
1,2…研削砥石、1a,2a…研削砥石の回転軸、1
b,2b…研削砥石の研削面、3…ガラス基板、4…ベ
ルト状キャリア、5…ロード機構、6…アンロード機
構、9,22…ポケット、13…環状溝、14…直状
溝、15…中心孔、16…貫通孔、20…円盤状キャリ
ア、A…ポケットの間隔、L…搬入位置、U…搬出位
置、X,Y…加工位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 陽一郎 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 近藤 儀三郎 大阪府大阪市西区北堀江2丁目2番25号 西部自動機器株式会社内 Fターム(参考) 3C043 BC04 BC06 CC04 3C049 AA04 AA09 AB03 AB08 AC04 CA06 CB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段により保持されたガラス基板を
    回転する一対の研削砥石の間を通過させて、前記ガラス
    基板の両面を同時に研削するガラス基板の研削方法にお
    いて、前記一対の研削砥石を、その研削面を平行にして
    同一の軸心で回転するよう配置し、前記ガラス基板を前
    記研削砥石の間に一定時間留まらせると共に、前記研削
    砥石を互いに前進させることにより前記ガラス基板の両
    面を研削することを特徴とするガラス基板の研削方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガラス基板の研削方法に
    おいて、前記研削砥石を互いに前進させることによる前
    記ガラス基板の研削中に、前記搬送手段を往復運動させ
    ることにより前記ガラス基板を前記一対の研削砥石の間
    で往復動させることを特徴とするガラス基板の研削方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のガラス基
    板の研削方法により、前記ガラス基板を所定の厚みに研
    削した後、前記一対の研削砥石を後退させると同時に、
    引離し手段により前記ガラス基板を前記研削砥石から離
    脱させることを特徴とするガラス基板の研削方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のガラス基板の研削方法に
    おいて、前記引離し手段が、研削液を前記研削砥石の回
    転軸から前記研削砥石に形成した貫通孔と溝を通して前
    記ガラス基板と前記研削砥石の間に供給し、前記ガラス
    基板と前記研削砥石の間に研削液による静圧をかけると
    共に、前記搬送手段の移動に伴い、前記ガラス基板を前
    記研削砥石から離脱させることを特徴とするガラス基板
    の研削方法。
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