JP6445894B2 - 両頭平面研削用研削砥石および両頭平面研削方法 - Google Patents

両頭平面研削用研削砥石および両頭平面研削方法 Download PDF

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この発明は、両頭平面研削用研削砥石および両頭平面研削方法に関し、さらに詳細には、特に工作物を通し送りしながら工作物の両面を同時に平面研削するスルーフィード方式の両頭平面研削において、研削代が比較的大きな工作物の両面の研削に好適に採用される両頭平面研削技術に関する。
一般的な両頭平面研削、例えば、一対の研削砥石(砥石車)の回転主軸が水平に配置されてなる横軸型の両頭平面研削装置による両頭平面研削は、図9に示すように、対向配置されて回転する一対の研削砥石a、b間に、搬送ベルトの形態とされたキャリアcの保持ポケットd、d、…に保持された工作物(以下ワークと称する)W、W、…を通し送りしながら、両研削砥石a、bの平坦な円形状砥石面e、eにより各ワークWの表裏両面Wa、Wbを同時に平面研削する(スルー研削またはスルーフィード研削)(例えば特許文献1参照)。
ところで、このスルーフィード方式の両頭平面研削においては、上記両研削砥石a、bの砥石面e、eの径方向内側部位は、周速度が遅いため、その研削能力が低く、これがため、径方向内側部位で研削すると、研削精度が悪化したり、研削焼けが発生するなどの傾向が強い。
このような状況を防止するため、実際には、図10に示すように、研削砥石a、bのワーク入口部I側を狭く閉じて、あるいは、具体的には図示しないが、研削砥石a、bのワーク出口部O側を狭く閉じて、できるだけ研削砥石a、bの砥石面e、eの外径側部位を使って研削するようにしているのが一般である。
つまり、例えば前者の研削砥石a、bのワーク入口部I側を狭く閉じる場合、図10に示すように、左右一対の研削砥石a、bの平坦な砥石面e、eは、ワーク入口部I側で狭く、ワーク出口部O側で広くなるように互いに傾斜して配置されており、これにより、両研削砥石a、b間に送り込まれるワークWは、ワーク入口部I側からワーク出口部O側へ通過する間に、ワーク入口部I側の砥石面e、eの外径側部位により所定量だけ研削されることとなる。後者の研削砥石a、bのワーク出口部O側を狭く閉じる場合は、上記と逆に、ワーク出口部O側の砥石面e、eの外径側部位により所定量だけ研削されることとなる(図示省略)。
一方、研削砥石a、bの平坦な砥石面e、eは、研削の進行に伴って経時的に摩耗していき(図10において、研削摩耗部分fが(a)の摩耗のない研削初期位置から、徐々に(b)→(c)と内径側へ移動増大する。この場合、研削摩耗部分fの最内径側位置が研削仕上位置gとなる。)。
そして、この研削仕上位置gが砥石面e、eの内径側へ移動していき、最終的に所期の研削精度(目標研削精度)を得られない部位(図10(c)の位置)まで移動するとドレッシング時期となる。
特に、研削代の大きいワークWの場合は、研削砥石a、bの砥石摩耗が大きくなり、そのドレスインターバル(前のドレッシング時期から次のドレッシング時期までの時間)が非常に短くなってしまい、延いては研削砥石a、bの交換頻度が増えてしまい、作業者の工数負担が増大する。
しかも、研削代がさらに大きなワークWになると、1回のスルーフィード研削では所期の研削精度が得られないため、一つのワークWに対してスルーフィード研削を2回以上実施するという方法が一般にとられており、この場合は、研削砥石a、bの砥石摩耗の増大とドレスインターバルの短縮化がさらに顕著になり、しかも複数台の研削装置が必要になり、工程数増加によるサイクルタイムの増加、設備コストの上昇を招くという問題があった。
この点に関連して、具体的には図示しないが、例えば特許文献2〜4に開示されるように、一つの研削砥石の砥石面に粗研削領域と精研削領域等の複数種類の研削領域が区画形成されて、従来別々に行っていた粗研削と精研削等を1つの研削砥石で行うようにした研削技術が提案されている。
しかしながら、これらの研削砥石はいずれも、ワークWの送り動作を停止するとともに、ワークに対して相対的に切り込みを行うインフィード方式の平面研削に使用されるもので、ワークの両面をスルーフィード方式で同時に平面研削する両頭平面研削には適用できなかった。
特開平9−272050号公報 実開平2−51069号公報 実開平3−15067号公報 特開平3−202276号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、スルーフィード方式の両頭平面研削において、特に、大きな研削代を有するワークなど、その研削代が比較的大きなワークの両面の研削に好適に対応でき、砥石摩耗が抑えられて砥石寿命が延びるとともに、研削効率が良くて1回の研削加工により所期の研削精度(特に平行度と平面度)を得ることが可能な両頭平面研削用研削砥石を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記両頭平面研削砥石を用いた両頭平面研削方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の両頭平面研削用研削砥石は、ワークの両面をスルーフィード方式で同時に平面研削する両頭平面研削に用いられる研削砥石であって、円筒状の砥石層が同心状に複数積層形成されてなるディスク砥石の形態とされて、このディスク砥石の平坦な円形状砥石面が、外径側から順次連続して同心状に配された円環状の粗研削領域、精研削領域および工作物の研削精度に影響を及ぼさない、相対的に粒度が小さい砥粒と柔らかめの結合剤により構成されているガイド領域からなる複数の研削領域を備えてなることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記ディスク砥石が、上記粗研削領域を形成する単一の粗研削砥石層、上記精研削領域を形成する単一の精研削砥石層および上記ガイド領域を形成する単一のガイド砥石層からなる3つの砥石層を備えてなる。
(2)上記粗研削砥石層は、研削対象となるワークの粗研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされている。
(3)上記精研削砥石層は、研削対象となるワークの精研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされている。
(4)上記ガイド砥石層は、研削対象となるワークの研削精度に影響を及ぼさない大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされている。
(5)上記粗研削領域は、上記ワークの通し送りされる経路方向幅がワークの輪郭寸法よりも小さく設定されている。
(6)上記精研削領域は、上記ワークの通し送りされる経路方向幅が所定の仕上研削精度が得られる寸法に設定されている。
また、本発明の両頭平面研削方法は、平坦な砥石面を対向配置して回転する一対の研削砥石間にワークを通し送りしながらワークの両面を同時に平面研削するスルーフィード方式の両頭平面研削において、上記一対の研削砥石として、上述した研削砥石を使用することにより、上記一対の研削砥石の砥石面間にワークを通し送りして、上記粗研削領域、精研削領域およびガイド領域により粗研削から仕上研削までの一連の研削工程を1回の通し送りで完了するように構成したことを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記一対の研削砥石は、上記平坦な円形状砥石面が研削対象となるワークの研削代に対応した所定の傾斜角度をもってワーク入口部側で狭くなるように配置されている。
(2)上記一対の研削砥石は、上記平坦な円形状砥石面が研削対象となるワークの研削代に対応した所定の傾斜角度をもってワーク入口部側で狭くなるように配置されるとともに、上記粗研削領域が互いに平行な砥石面となるように設定されている。
本発明の両頭平面研削用の研削砥石は、ワークの両面をスルーフィード方式で同時に平面研削する両頭平面研削に用いられる研削砥石であって、円筒状の砥石層が同心状に複数積層形成されてなるディスク砥石の形態とされて、このディスク砥石の平坦な円形状砥石面が、外径側から順次連続して同心状に配された円環状の粗研削領域、精研削領域および工作物の研削精度に影響を及ぼさない、相対的に粒度が小さい砥粒と柔らかめの結合剤により構成されているガイド領域からなる複数の研削領域を備えてなるから、以下に列挙するような特有の効果が得られ、特に、大きな研削代を有するワークなど、その研削代が比較的大きなワークの両面の研削に好適に対応でき、砥石摩耗が抑えられて砥石寿命が延びるとともに、研削効率が良くて、1枚の研削砥石の中で行われる1回の研削加工により所期の研削精度(特に平行度と平面度)を得ることが可能な両頭平面研削用の研削砥石を提供することができる。
(1)円形状砥石面の最外径部に粗研削領域が設けられていることにより、研削代の大きいワークにも対応できる。本発明者らの行った実地研削試験により、従来の両頭平面研削に比較して、本発明の研削砥石を用いた両頭平面研削は、1.5〜2倍の研削代を研削できることが判明している。
すなわち、研削代の大きなワークでも、上記最外径部の粗研削領域により研削代の多くが研削される。このように、精研削領域による精研削の前段階で研削代の大半が研削される結果、続く精研削時に目標(所期)の研削精度(特に平行度・平面度)を確実に得ることができる。
これにより、従来1回のスルーフィード研削では所期の研削精度が得られなかった研削代の大きなワークWでも、一回のスルーフィード研削により確実に目標の研削精度を得ることができる。
(2)上記と同様に、上記最外径部の粗研削領域によりワークの大きな研削代の大半が加工除去される結果、ワーク一つ当たりの加工時間(研削サイクル)が短くなり、これは特に多量生産品であるワークの両面研削において顕著であり、大幅なコストダウンも可能となる。
(3)円形状砥石面の最外径部に粗研削領域が設けられていることにより、最も砥石摩耗の激しい研削加工初期の摩耗が少なく抑えられて、結果として砥石全体の摩耗が少なくなり、延いては、ドレッシングの必要時期が遅れる結果ドレスインターバルが長くなり、砥石寿命が延びて、刃具コストの低減につながる。
(4)円形状砥石面の最内径部に、ワークを機械後方へ案内するガイド領域が設けられていることにより、ガイド装置が不要となり、段取性が改善する。
また、ガイド領域は、回転周速度の遅い円形状砥石面の最内径部に設けられ、研削対象となるワークの研削精度に影響を及ぼさない大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなることにより、精研削を終了したワークの目標の研削精度を維持する。
本発明に係る実施形態1である両頭平面研削装置の研削砥石を示し、図1(a)は円形状砥石面と通し送りされるワークの経路との関係を示す正面図、図1(b)は側面断面図である。 同研削砥石の砥石面と通し送りされるワークと関係を拡大して示す正面図で、図2(a)は砥石面の粗研削領域とワークとの関係を示し、図2(b)は砥石面の精研削領域とワークとの関係を示し、図2(c)は砥石面のガイド領域との関係を示す。 同両頭平面研削装置の概略構成を示す斜視図である。 同両頭平面研削装置の研削砥石と通し送りされるワークとの概略配置構成を示す側面断面図である。 本発明に係る実施形態2である両頭平面研削装置の研削砥石と通し送りされるワークとの概略配置構成を示す側面断面図である。 本発明に係る実施形態3である両頭平面研削装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明に係る実施形態4である両頭平面研削装置を示し、図7(a)は概略構成を示す斜視図、図7(b)は円形状砥石面と通し送りされるワークの経路との関係を示す正面図である。 本発明に係る実施形態1における研削砥石と通し送りされるワークとの概略配置構成の変形例を示す図4に対応した側面断面図である。 従来の両頭平面研削装置の図3に対応する概略構成を示す斜視図である。 同両頭平面研削装置の研削砥石と通し送りされるワークとの概略配置構成を示す側面図で、図10(a)は研削砥石の使用初期の状態、図10(b)は研削砥石の使用中期の状態、図10(c)は研削砥石の使用後期の状態をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係る両頭平面研削装置が図1〜図4に示されており、この研削装置は、具体的には、一対の研削砥石(または砥石車)1、2の回転主軸5、6が水平に配置されてなる横軸型であって、ワーク(図示の実施形態においては円板状ワーク)Wの表裏両面Wa、Wbをスルーフィード方式で同時に平面研削する両頭平面研削に適した構成とされている。
上記両頭平面研削装置は、図3に示すように、上記一対の研削砥石1、2、ワーク送り装置3および制御装置(制御手段)4を主要部として構成されている。
上記一対の研削砥石1、2は同一構造を有するディスク砥石の形態とされて、その砥石面1a、2aが平坦な円形状砥石面とされている。
具体的には、研削砥石1、2は、図1に示すように、上記円形状砥石面1a、2aを形成する円盤状の砥石部7が同一径の円形基板8に一体的に組立て結合されてなり、この組立体としての研削砥石1、2が、上記円形基板8を介して上記回転主軸5、6の先端部に取外し交換可能に取り付けられる。
これら一対の研削砥石1、2は、図4に示すように、その砥石面1a、2aがワーク入口部I側で狭くなるように、微小な傾斜角度θをもって対向配置されている。なお、図4は、対向配置される研削砥石1、2の傾斜角度を説明することに主眼をおいて模式的に描いたものであり、実際の傾斜角度θは図示のように目視にて確認できるほど大きく明確ではない。
このように砥石面1a、2aが傾斜角度θをもって対向配置されるのは、砥石面1a、2aの内径側部位(内周側部位)は周速が遅くて研削能力が低いため、研削精度が悪化し、または焼けが発生することから、砥石面1a、2aがワーク入口部I側で狭くなるように対向配置して、周速が早く研削能力の高い砥石面1a、2aでワークWを研削するためである。
上記砥石面1a、2aの傾斜角度θは、研削対象となるワークWの研削代の大きさに対応するとともに、ワークWの表裏両仕上面Wa、Wbに要求される所期の研削精度(目標研削精度:平行度、平面度等)あるいは研削効率等を考慮して最適値に設定される。
上記研削砥石1、2の砥石面1a、2aを形成する砥石部7は、いわゆる一般砥石と言われるもので、アルミナや炭化ケイ素等の砥粒がビトリファイドボンドやレジンボンド等の結合剤(ボンド)により結合されてなる。
上記砥石部7の具体的構造は、図1および図4に示すように、複数(図示の実施形態においては3つ)の円筒状の砥石層10、11、12が同心状に積層形成されてディスク砥石が形成されるとともに、その側部表面が上記円形状の砥石面1a、2aを形成している。
これら砥石面1a、2aは、図1(a)に示すように、外径側(外周側)から順次連続して同心状に配された円環状の研削領域A、B、Cからなる区画された複数(図示の実施形態においては3つ)の研削領域を備えるとともに、その中心部に、ドレッシング用の抜き穴Dが形成されている。
図示の実施形態における上記区画形成された3つの研削領域A、B、Cは、円形状の砥石面1a、2aの外径側(外周側)から内径側(内周側)へ順に、砥粒の粒度が大きく(粒径が小さく)なるように設定されて、それぞれ粗研削工程を実行する粗研削領域、精研削工程を実行する精研削領域およびワークを機械後方へ案内するガイド領域を構成している。
これら粗研削領域A、精研削領域Bおよびガイド領域Cの具体的構成は、研削対象となるワークWの材質・形状寸法、および通し送りされるワークWの経路つまり研削ルートR等に対応して設定される。
粗研削領域Aを形成する粗研削砥石層10は、研削対象となるワークWの粗研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされており、換言すれば、相対的に大きい砥粒と硬めの結合剤(ボンド)により構成されている。
好適には、全研削砥石層10〜12において、粗研削砥石層10は、相対的に最も大きな粒度の砥粒が最も硬めのボンドにより結合されてなり、図示の実施形態においては、粒度#60の砥粒が用いられている。
また、粗研削砥石層10の径方向寸法は、図2(a)に示すように、上記粗研削領域AにおけるワークWの通し送りされる経路方向幅、つまりワークWの研削ルートRに沿った幅LaがワークWの輪郭形状寸法(図示の実施形態においては、円板状のワークWの径寸法)よりも小さくなるように設定されている。
ここに、上記ワークWの研削ルートRは、図1(a)に一点鎖線で示すように、円形状の砥石面1a、2aの一直径線上に設定され、図示の実施形態においては水平な一直径線上に設定されている(後述)。
上記粗研削領域Aの経路方向幅LaがワークWの輪郭形状寸法よりも小さく設定されているのは、この経路方向幅LaがワークWの輪郭形状寸法よりも大きいと、粗研削領域Aによる研削つまり粗研削工程のみでワークWが目標の仕上寸法になってしまい、目標の仕上面粗さが得られないからである。なお、経路方向幅LaがワークWの輪郭形状寸法よりも過度に小さいと、続く精研削領域Bに研削負担がかかり過ぎて、やはり目標の研削精度が得られなくなる。
ちなみに、粗研削領域A(粗研削砥石層10)が、最終的に上記目標の研削精度が得られなくなるところまで摩耗すると、ドレッシング開始時期となる。
本実施形態のように、砥石面1a、2aの最外径部に粗研削領域Aが設けられることにより、研削代の大きなワークWについても有効に対応することができ、研削砥石1、2の砥石摩耗が最小限に抑えられて、砥石寿命を可及的に延ばすことができる。
精研削領域Bを形成する精研削砥石層11は、研削対象となるワークWの精研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされており、換言すれば、仕上げ研削用として、目標研削精度が得られる砥石スペック、つまり目標研削精度が得られる粒度の砥粒と結合剤(ボンド)により構成されている。
好適には、全研削砥石層10〜12において、精研削砥石層11は、相対的に中間的な粒度の砥粒が中間的な硬さのボンドにより結合されてなり、図示の実施形態においては、粒度#80の砥粒が用いられている。
また、精研削砥石層11の径方向寸法は、図2(b)に示すように、上記精研削領域BにおけるワークWの通し送りされる経路方向幅、つまりワークWの研削ルートRに沿った幅Lbが目標研削精度の得られる大きさに設定される。図示の実施形態においては、この研削ルートRに沿った幅Lbは、ワークWの輪郭形状寸法(図示の実施形態においては、円板状のワークWの径寸法)よりも大きく設定されている。
上記精研削領域Bの経路方向幅Lbが目標研削精度の得られる大きさに設定されているのは、砥石面1a、2aの内径側に行くに従ってその周速が小さくなり研削能力も低下していくことから、精研削領域Bの経路方向幅Lbが大き過ぎた場合は、研削能力の低い個所で精研削が行われてしまい、目標の仕上面粗さが得られず、また研削焼けが発生するからであり、逆に、経路方向幅Lbが小さすぎた場合は、目標の研削精度に達する前に研削が終了してしまい、やはり目標の研削精度(特に平行度・平面度)が得られなくなるからである。
ガイド領域Cを形成するガイド砥石層12は、ワークWの研削精度に影響を及ぼさない大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされており、換言すれば、相対的に粒度が小さい砥粒と柔らかめの結合剤(ボンド)により構成されている。
好適には、全研削砥石層10〜12において、ガイド砥石層12は、相対的に最も小さな粒度の砥粒が最も柔らかめのボンドにより結合されてなり、図示の実施形態においては、粒度#120の砥粒が用いられている。
ドレッシング用の抜き穴Dは、砥石面1a、2aをドレッシングする際に、ドレッサが砥石面1a、2aの中心部を通らない場合に生じる凸形状のドレッシングむらを防止するためのものである。この抜き穴Dの大きさ(径寸法)としては、通し送りされるワークWが落ちない程度に設定され、図示の実施形態においては円板状のワークWの径寸法よりも小さく設定される。
なお、上記区画形成された3つの研削領域A、B、C(研削砥石層10、11、12)の具体的な構成(砥粒の種類、粒度、ボンドの種類、硬さ等)は、研削対象となる特定のワークWを実際にスルー研削する実験を通じて選択設定されることとなる。
一例として、ボンドの硬さは、図示の実施形態においては、研削対象となったワークWの材質、形状寸法等の仕様により、粗研削領域A(粗研削砥石層10)>精研削領域B(精研削砥石層11)>ガイド領域C(ガイド砥石層12)となるように設定されているが、研削対象となるワークWの仕様が変われば、その仕様に対応して、例えば、粗研削領域A(粗研削砥石層10)≦精研削領域B(精研削砥石層11)=ガイド領域C(ガイド砥石層12)といった構成も採用され得る。
また、上記区画形成された3つの研削領域A、B、C(研削砥石層10、11、12)は、基本的には左右一対の研削砥石1、2において共通の構成とされるが、研削対象となるワークWの材質・形状寸法・研削代等によっては、左右の研削砥石1、2における研削領域A、B、C(研削砥石層10、11、12)の構成を異なる仕様とすることも可能である。
左右一対の研削砥石1、2の回転主軸5、6はそれぞれ、具体的には図示しないが、回転駆動手段、例えば、歯車機構等の動力伝達機構を介して、回転駆動源である主軸モータに連係されるとともに、切込み手段、例えば往復シリンダ等の切込装置に連係されている。そして、これら両研削砥石1、2は、それぞれ独立して、回転駆動と往復動作が可能とされている。
ワーク送り装置3は、ワークWを保持して、これを上記一対の研削砥石1、2間に送込み動作するもので、具体的には、ワークWを上記研削砥石1、2間に直線状に送り込む直線型スルー方式のものである。
このワーク送り装置3は、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間に直線状に通過して配置された案内手段20と、この案内手段20に沿ってワークW、W、…を送り動作させる送り駆動部(図示省略)とを主要部として構成されている。
上記案内手段20は、ワークW、W、…を保持して直線状に案内移動させる上下一対の案内板21、21の形態とされ、これら案内板21、21は、図3に示すように、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間を通過するとともに、上下に所定間隔をもって垂直起立状に平行して配されている。
図示の案内板21は、ステンレス鋼等の金属あるいはプラスチック等の樹脂を構成材料とする薄肉帯状体からなり、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間の隙間寸法よりも小さい厚さ寸法を有する。
上下一対の案内板21、21は、その間に形成される直線状案内空間22が、図示のごとく、ワークW、W、…を直線状に摺動案内するように配置されている。これに関連して、具体的には図示しないが、上記両研削砥石1、2の前後方向外部における上記直線状案内空間の両側には、この直線状案内空間22を摺動案内されるワークW、W、…を両側から支持する支持板が設けられている。
そして、ワーク供給部P1でワーク供給装置(図示省略)により上下一対の直線状案内板21、21間の直線状案内空間22に供給されるワークWは、上記送り駆動部の駆動により、上記直線状案内空間22を図3の矢符方向へ所定速度をもって直進案内されて、順次連続して左右一対の研削砥石1、2間にワーク入口部Iからワーク出口部Oへ直線状に通し送りされて、表裏両面Wa、Wbを同時に平面研削された後、ワーク回収部P2でワーク回収装置(図示省略)により回収される。
この場合に、ワークWが研削砥石1、2の砥石面1a、2a上を通し送りされる経路つまり研削ルートRは、図1(a)に一点鎖線で示すように、円形状の砥石面1a、2aの一直径線上(図示の実施形態においては水平な一直径線上)に設定されている。
制御装置4は、上記研削砥石1、2の回転駆動手段および切込み手段、ワーク送り装置3の送り駆動部、上記ワーク供給装置およびワーク回収装置の駆動部、ならびに図示しないドレッシング装置の駆動部を相互に連動して自動制御するもので、具体的には、CPU、RAM、ROMおよびI/Oポート等からなるマイクロコンピュータで構成されている。
この制御装置4は、上記各構成手段等に電気的に接続されて、以下に述べる両頭平面研削方法およびドレッシングを自動で実行するように、上記各構成手段を駆動制御する。
しかして、以上のように構成された両頭平面研削装置によるワークWのスルー研削は、ワーク供給部P1において、ワーク供給装置により、ワークW、W、…が順次、ワーク送り装置3の直線状案内空間22に対して投入供給されると、これらワークW、W、…は、上記送り駆動部の送り動作により、回転駆動手段によって回転する左右一対の研削砥石1、2間をワーク入口部Iからワーク出口部Oまで通し送りされながら、その表裏両面Wa、Wbを順次連続して同時に平面研削された後、ワーク回収部P2において、上記ワーク送り装置3の直線状案内空間22から落下排出されて、ワーク回収装置により回収される。
この場合、左右一対の研削砥石1、2間をワーク入口部Iからワーク出口部Oまで通し送りされる一つのワークWに着目すると、このワークWは、研削砥石1、2のワーク入口部Iから、図1(a)に示すように砥石面1a、2aの一直径線上を進み(一点鎖線R参照)、ワーク出口部Oへ通し送りされる。
その際、砥石面1a、2aの粗研削領域A、精研削領域Bおよびガイド領域Cにより粗研削から仕上研削までの一連の研削工程がこの1回の通し送りで完了する。
具体的には、まず、上記粗研削領域AでワークWの表裏両面Wa、Wbの研削代の大半が研削加工されて除去され(粗研削工程)(図2(a)参照)、続いて、上記精研削領域BでワークWの表裏両面Wa、Wbの所定の目標値(最終仕上げ寸法)まで精研削され(精研削工程)(図2(b)参照)、その後ガイド領域Cにより案内されて(図2(c)参照)、ワーク出口部Oから出ることとなる。
また、連続して行われるワークW、W、W…に対する継続的な研削加工により、左右研削砥石1、2の砥石面1a、2aの性状が経時的に悪化するなどすると、これら砥石面1a、2aの性状に応じて、定期的にないしは適宜のドレスインターバルをもって、ドレッシング装置によるドレッシングが随時実行され、その形状が修正されて、所定のプロフィールが回復維持される。
以上詳述したように、本実施形態のスルーフィード方式の両頭平面研削装置によれば、研削砥石1、2が円筒状の3つの粗研削砥石層10、精研削砥石層11およびガイド砥石層12が同心状に積層形成されてなるディスク砥石の形態とされて、このディスク砥石1、2の砥石部7の平坦な円形状砥石面1a、2aが、外径側から順次連続して同心状に配された円環状の粗研削領域A、精研削領域Bおよびガイド領域Cからなる3つの研削領域を備えてなるから、以下に列挙するような特有の効果が得られ、特に、大きな研削代を有するワークWなど、その研削代が比較的大きなワークWの両面の研削に好適に対応でき、砥石摩耗が抑えられて砥石寿命が延びるとともに、研削効率が良くて、1枚の研削砥石1、2の中で行われる1回の研削加工により所期の研削精度(特に平行度と平面度)を得ることができる。
(a)3つの研削領域を備えてなる円形状砥石面1a、2aにおいて、その最外径部に粗研削加工を行う粗研削領域Aが設けられていることにより、研削代の大きいワークWにも有効に対応できる。本発明者らの行った実地研削試験により、従来の両頭平面研削に比較して、本実施形態の研削砥石1、2を用いた両頭平面研削は、1.5〜2倍の研削代を研削できることが判明している。
すなわち、研削代の大きなワークWでも、上記最外径部の粗研削領域Aにより研削代の多くが研削される。このように、精研削領域Bによる精研削の前段階で研削代の大半が研削される結果、続く精研削時に目標(所期)の研削精度(特に平行度・平面度)を確実に得ることができる。
これにより、従来1回のスルーフィード研削では所期の研削精度が得られなかった研削代の大きなワークWでも、一回のスルーフィード研削により確実に目標の研削精度を得ることができる。
(b)上記と同様に、上記最外径部の粗研削領域Aによりワークの大きな研削代の大半が加工除去される結果、ワーク一つ当たりの加工時間(研削サイクル)が短くなり、これは特に多量生産品であるワークの両面研削において顕著であり、大幅なコストダウンも可能となる。
(c)円形状砥石面1a、2aの最外径部に粗研削領域Aが設けられていることにより、最も砥石摩耗の激しい研削加工初期の摩耗が少なく抑えられて、結果として砥石1、2全体の摩耗が少なくなり、延いては、ドレッシングの必要時期が遅れる結果ドレスインターバルが長くなり、砥石寿命が延びて、刃具コストの低減につながる。
(d)円形状砥石面1a、2aの最内径部に、ワークWを機械後方へ案内するガイド領域Cが設けられていることにより、ガイド装置が不要となり、段取性が改善する。
また、ガイド領域Cは、回転周速度の遅い円形状砥石面1a、2aの最内径部に設けられているいところ、研削対象となるワークWの研削精度に影響を及ぼさない大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなることにより、精研削を終了したワークWの目標の研削精度を維持する。
実施形態2
本実施形態は図5に示されており、一対の研削砥石1、2の配置構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の両頭平面研削装置において、一対の研削砥石1、2の平坦な円形状砥石面1a、2aが所定の傾斜角度θをもってワーク入口部I側で狭くなるように対向配置されている点は実施形態1と同様であるが、図5に示すように、上記砥石面1a、2aの粗研削領域A、Aが互いに平行な砥石面31a、32aとなるように設定されている。なお、図5は、実施形態1の図4と同様、対向配置される研削砥石1、2の傾斜角度を説明することに主眼をおいて模式的に描いたものであり、実際の傾斜角度は図示のように目視にて確認できるほど大きく明確ではない。
このような構成とされるのは、ワークWの表裏両面Wa、Wbの研削精度は上記砥石面1a、2aのできるだけ外径側で研削することが向上につながるところ、粗研削領域A、Aが砥石面1a、2aの最外径部を形成するからである。
なお、上記粗研削領域Aを形成する砥石面31a、32aは、実施形態1の研削砥石1、2の配置構成において、ドレッシングによりワーク入口部I側で平行となるように形成される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図6に示されており、両頭平面研削装置のワーク送り装置の基本構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のワーク送り装置33は、実施形態1のワーク送り装置3と同様に、ワークWを上記研削砥石1、2間に直線状に送り込む直線型スルー方式のものであるが、その具体的構成が異なる。
このワーク送り装置33は、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間を直線状に通過可能に配置された直進型キャリア40と、この直進型キャリア40を送り駆動する送り駆動部(送り駆動手段)(図示省略)とを主要部として構成されている。
直進型キャリア40は、ワークWを保持し直線状に搬送する搬送ベルトの形態とされ、図6に示すように、この搬送ベルト40が上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間を通過するように垂直起立状に配されている。
図示の搬送ベルト40は、弾性を有する帯状金属あるいはプラスチック等の樹脂を構成材料とする薄肉帯状体が所定長さの環状に接続形成されてなる無端ベルトであり、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間の隙間寸法よりも小さい厚さ寸法を有するとともに、ワークWを保持する複数の保持ポケット41、41、…が所定の等間隔をもって貫設されている。
この搬送ベルト40は、具体的には図示しないが、駆動ローラおよび複数の支持ローラを介して回転走行可能に懸架支持されるとともに、図6に示すように、その一部が上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間を直線状に通過するように配されている。また、上記駆動ローラが上記送り駆動部に駆動連結されている。
この送り駆動部は、具体的には図示しないが、サーボモータ等の回転駆動源を備えており、この回転駆動源は、制御装置4に電気的に接続されている。
そして、上記送り駆動部の駆動により、搬送ベルト40が図6の矢符方向へ所定速度をもって直進走行して、ワーク供給部P1でワーク供給装置(図示省略)により搬送ベルト40の保持ポケット41、41、…に供給されるワークW、W、…が、順次連続して左右一対の研削砥石1、2間にワーク入口部Iからワーク出口部Oへ直線状に通し送りされて、表裏両面Wa、Wbを同時に平面研削された後、ワーク回収部P2でワーク回収装置(図示省略)により回収される。
この場合に、ワークWが研削砥石1、2の砥石面1a、2a上を通し送りされる経路つまり研削ルートRは、実施形態1と同様、図1(a)に一点鎖線で示すように、円形状の砥石面1a、2aの一直径線上に設定されている。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態4
本実施形態は図7に示されており、両頭平面研削装置の基本構成が改変されたものである。
すなわち、本実施形態に係る両頭平面研削装置は、上下一対の研削砥石1、2の回転主軸5、6が垂直に配置されてなる立軸型とされている。
本実施形態においては、ワークWを保持して上記上下研削砥石1、2間に送込み動作するワーク送り装置43が、ワークWを上記研削砥石1、2間に旋回状に送り込む旋回型スルー方式のもので、その主要構成部である旋回型キャリア50は、その中心周りに回転して、ワークWを保持し旋回状に搬送するキャリア円板の形態とされている。
このキャリア円板50は、図7に示すように、その外周部が上記上下両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間を旋回して通過するように水平状に配されている。
図示のキャリア円板50は、ステンレス鋼等の金属あるいはプラスチック等の樹脂を構成材料とする薄肉円板からなり、上記両研削砥石1、2の砥石面1a、2a間の隙間寸法よりも小さい厚さ寸法を有するとともに、砥石面1a、2a間を通過するキャリア円板50の外周部には、ワークWを保持する複数の保持ポケット51、51、…が周方向へ所定の配置関係をもって上下に貫設されている。
また、具体的には図示しないが、キャリア円板50の下側には、キャリア円板50の下面を摺動案内するガイド部が設けられ、ワーク供給部P1で供給されたワークW、W、…が、キャリア円板50に保持された状態で、上下研削砥石1、2間を経てワーク回収部P2まで円滑に案内搬送されるように構成されている。
これに関連して、上記キャリア円板50の保持ポケット51、51、…の具体的構成としては、ワークWが保持された状態において、ワークWが上下方向へ移動しないようなクランプ構造または機構(図示省略)が設けられる。
このような構成とされるのは、本実施形態のような立軸型両頭平面研削装置においては、キャリア円板50の保持ポケット51に保持されたワークWが上下研削砥石1、2間を通し送りされる間は、下側研削砥石2がワークWの案内手段としても作用する形となって、ワークWの下面Wbが常に下側研削砥石2の砥石面2aと接触することになるので、そのままでは研削精度(特に面粗度)に影響が生じてしまうからである。本実施形態においては、このような影響を防止するため、ワークWが上下方向へ移動しないような上記クランプ構造または機構が設けられている。
上記キャリア円板50の回転主軸であるキャリア軸(図示省略)は、垂直状態で回転支持されるとともに、上記送り駆動部に駆動連結されている。この送り駆動部は、具体的には図示しないが、サーボモータ等の回転駆動源を備えており、この回転駆動源は、後述する制御装置4に電気的に接続されている。
そして、上記送り駆動部の駆動により、キャリア円板50が図7(a)の矢符方向へ所定速度をもって回転して、ワーク供給部P1でワーク供給装置(図示省略)によりキャリア円板50の保持ポケット51、51、…に供給されるワークW、W、…が、順次連続して上下一対の研削砥石1、2間にワーク入口部Iからワーク出口部Oへ旋回状に通し送りされて、表裏両面Wa、Wbを同時に平面研削された後、ワーク回収部P2でワーク回収装置(図示省略)により回収される。
したがって、本実施形態におけるワークWの研削ルートRは、キャリア円板50の回転中心を旋回中心とする旋回円であり、図7(b)に一点鎖線で示すように、円形状の砥石面1a、2aの中心付近を通過するように設定されている。
これに関連して、粗研削砥石層10の径方向寸法は、図7(b)に示すように、上記砥石面1a、2a上の研削領域AにおけるワークWの研削ルートRに沿った幅LaがワークWの輪郭形状寸法(図示の実施形態においては、円板状のワークWの径寸法)よりも小さくなるように設定されている。
また、精研削砥石層11の径方向寸法は、同じく図7(b)に示すように、上記精研削領域BにおけるワークWの研削ルートRに沿った幅Lbが目標研削精度の得られる大きさに設定される。図示の実施形態においては、この研削ルートRに沿った幅Lbは、ワークWの輪郭形状寸法(図示の実施形態においては、円板状のワークWの径寸法)よりも若干大きく設定されている。
なお、上記区画形成された3つの研削領域A、B、C(研削砥石層10、11、12)の具体的な構成(砥粒の種類、粒度、ボンドの種類、硬さ等)は、研削対象となる特定のワークWを実際にスルー研削する実験を通じて選択設定されることとなる。
また、上記上下一対の研削砥石1、2の配置構成は、実施形態1(図4)および実施形態2(図5)のいずれかが目的に応じて選択採用される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1〜実施形態4はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
例えば、図示の実施形態においては、砥石部7が、粗研削領域Aを形成する単一の粗研削砥石層10、精研削領域Bを形成する単一の精研削砥石層11およびガイド領域Cを形成する単一のガイド砥石層12からなる3つの砥石層を備えてなるが、これら砥石層11、12、13の配設数は目的に応じて適宜増加され、例えば、粗研削領域Aを形成する粗研削砥石層10が複数層とされたり、あるいは精研削領域Bを形成する精研削砥石層11が複数層とされる。
また、実施形態1のワーク送り装置3および実施形態4のワーク送り装置43の具体的構造は図示のものに限定されず、同様な作用を有する他の公知の構成も目的に応じて適宜採用可能である。
さらに、実施形態1において、図8に示すように、一対の研削砥石1、2の平坦な円形状砥石面1a、2aが研削対象となるワークWの研削代に対応した所定の間隔をもって平行に配置されても良く、このような構成とされることにより、実施形態2のような上記砥石面1a、2aのワーク入口部I側最外径部の粗研削領域A、Aのみならず、それに続く内径側の精研削領域B、Bさらにはガイド領域C、Cまで平行な平面に設定されることとなる。
W ワーク(工作物)
Wa ワークの表面
Wb ワークの裏面
A 粗研削領域
B 精研削領域
C ガイド領域
D 抜き穴
R 研削ルート
La 粗研削領域におけるワークの通し送りされる経路方向幅
Lb 精研削領域におけるワークの通し送りされる経路方向幅
I ワーク入口部
O ワーク出口部
θ 一対の研削砥石の傾斜角度
1、2 研削砥石
1a、2a 砥石面
3 ワーク送り装置
4 制御装置(制御手段)
5、6 回転主軸
7 砥石部
10 粗研削砥石層
11 精研削砥石層
12 ガイド砥石層
20 案内手段
21 案内板
22 直線状案内空間
31a、32a 砥石面
33 ワーク送り装置

Claims (9)

  1. 工作物の両面をスルーフィード方式で同時に平面研削する両頭平面研削に用いられる研削砥石であって、
    円筒状の砥石層が同心状に複数積層形成されてなるディスク砥石の形態とされて、
    このディスク砥石の平坦な円形状砥石面が、外径側から順次連続して同心状に配された円環状の粗研削領域、精研削領域および工作物の研削精度に影響を及ぼさない、相対的に粒度が小さい砥粒と柔らかめの結合剤により構成されているガイド領域からなる複数の研削領域を備えてなる
    ことを特徴とする両頭平面研削用研削砥石。
  2. 前記ディスク砥石が、前記粗研削領域を形成する単一の粗研削砥石層、前記精研削領域を形成する単一の精研削砥石層および前記ガイド領域を形成する単一のガイド砥石層からなる3つの砥石層を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の両頭平面研削用研削砥石。
  3. 前記粗研削砥石層は、研削対象となる工作物の粗研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載の両頭平面研削用研削砥石。
  4. 前記精研削砥石層は、研削対象となる工作物の精研削に適した大きさの砥粒と硬さの結合剤とからなる砥石層とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載の両頭平面研削用研削砥石。
  5. 前記粗研削領域は、前記工作物の通し送りされる経路方向幅が工作物の輪郭寸法よりも小さく設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の両頭平面研削用研削砥石。
  6. 前記精研削領域は、前記工作物の通し送りされる経路方向幅が所定の仕上研削精度が得られる寸法に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の両頭平面研削用研削砥石。
  7. 平坦な砥石面を対向配置して回転する一対の研削砥石間に工作物を通し送りしながら工作物の両面を同時に平面研削するスルーフィード方式の両頭平面研削において、
    前記一対の研削砥石として、請求項1〜4のいずれか一つに記載の研削砥石を使用することにより、前記一対の研削砥石の砥石面間に工作物を通し送りして、前記粗研削領域、精研削領域およびガイド領域により粗研削から仕上研削までの一連の研削工程を1回の通し送りで完了するように構成した
    ことを特徴とする両頭平面研削方法。
  8. 前記一対の研削砥石は、前記平坦な円形状砥石面が研削対象となる工作物の研削代に対応した所定の傾斜角度をもって工作物入口部側で狭くなるように配置されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の両頭平面研削方法。
  9. 前記一対の研削砥石は、前記平坦な円形状砥石面が研削対象となる工作物の研削代に対応した所定の傾斜角度をもって工作物入口部側で狭くなるように配置されるとともに、前記粗研削領域が互いに平行な砥石面となるように設定されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の両頭平面研削方法。
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