JPH11123642A - ガラス板の研削方法およびそれに用いる研削装置 - Google Patents

ガラス板の研削方法およびそれに用いる研削装置

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JPH11123642A
JPH11123642A JP29209997A JP29209997A JPH11123642A JP H11123642 A JPH11123642 A JP H11123642A JP 29209997 A JP29209997 A JP 29209997A JP 29209997 A JP29209997 A JP 29209997A JP H11123642 A JPH11123642 A JP H11123642A
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JP
Japan
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grinding
glass plate
glass
rough
abrasive grains
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JP29209997A
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English (en)
Inventor
Koichi Suzuki
弘一 鈴木
Takeshi Yamane
剛 山根
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Gizaburo Kondo
儀三郎 近藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス板の厚みを減らすことと研削面の凹凸
を小さくすることの両加工を短時間で行う。 【解決手段】 ベルト3はステンレス等の帯状金属から
なり、その幅方向が上下方向になるようにしてエンドレ
スにロール1、2により矢印方向に走行させられる。ベ
ルト3の幅方向中央部に設けられたポケット5にガラス
板4がはめ込まれ、そのガラス板4を回転軸12、12
を回転中心とする回転砥石11、11の間を通過させて
粗研削を行い、その後回転軸14、14を回転中心とす
る回転砥石13、13の間を通過させることにより精密
研削を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス板をより厚
みの薄いガラス基板に研削加工する方法およびそれに適
した両頭平面研削装置に関し、とりわけ磁気記録媒体用
のガラス基板を得るのに適したガラス板の研削方法およ
びその研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板等の薄板小片を研削する装置と
しては、特開昭52−1590号公報に開示されたもの
が知られている。この装置は、帯状の金属からなるベル
トにポケット(孔)を開け、このポケットに薄板状小片
をはめ込み、このベルトを張った状態で一対の回転研削
砥石間に通し、ガラス板小片の両面を同時に研削するよ
うにしたものがある。また、ガラス板を研削する際にガ
ラス板自身を回転させ、研削の平面度を向上させたもの
が特開平6−210560号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の両頭
研削装置によると、枚葉式であるため被加工物の入れ込
み、取り出し時に研削砥石の回転を止め加工を中断する
必要がなく、また、固定砥粒を用いる研削であるため、
遊離砥粒を用いる研削に比較し、研磨剤を分散させたス
ラリーが排出されない等の利点があり、これにより水平
に設置された定盤の上に載置した被加工物を上下面から
回転する定盤を圧接させて遊離砥粒を供給し研削する、
被加工物の入れ込み時および取り出し時に上下定盤を停
止し加工を中断しなければならないバッチ単位で加工す
る両面ラップ盤を用いる研磨装置に比べて、研削に要す
る時間を短縮できるとともに、スラリーの処理が不要で
あるという利点を有するが、一種類の回転研削砥石を用
いているため、短時間に、研削厚み量を大きくかつ研削
仕上がり面を平滑状態に近づけるという課題は十分に達
成されるものではなかった。
【0004】研削厚み量を大きくするには番手が小さい
(低番手)研削砥石を用いることにより達成されるが、
その場合得られるガラス板の仕上がり面は粗いものとな
り、また、研削の仕上がり面を平滑に近づけるために大
きい番手の砥石を用いると、所定のガラス厚みに研削す
るのに長時間を要してしまい、研削加工能率が実用上十
分でないという課題があった。
【0005】より厚肉のガラス板(素板)から、たとえ
ば1mm厚程度またはそれ以下の厚さの磁気記録媒体用
のガラス基板とするために、ガラス表面欠陥が生じない
研削加工をしようとする場合、ガラス板の所定量の厚み
を短時間に落とし、かつ、ある程度以下の凹凸に制御さ
れた表面特性を確保することが実用上重要であり、その
ための研削加工方法およびその装置の出現が望まれてい
た。
【0006】本発明の目的は、大きな研削厚み量を確保
しつつ、所定以下の表面粗さを有し、かつ、表面欠陥が
ないガラス基板とするための加工能率が優れたガラス板
の研削方法およびその研削装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、上記の
技術的課題を解決するためになされたものであって、ベ
ルトに形成したポケットにガラス板をはめ込み、このベ
ルトを同一軸心を回転中心として回転する一対の研削砥
石間を通すことで、前記ガラス板の両面を同時に研削す
るガラス板の研削方法であって、前記研削を粗研削とそ
れに続く精密研削の多段の研削で行うガラス板の研削方
法である。
【0008】請求項1においては、ガラス板の研削は、
回転する一対の研削砥石間を多段に通し、前段の粗研削
を、後段の精密研削よりも研削厚み量を同じか大きくな
るようにダイヤモンド砥石の砥粒、一対の同一の軸中心
を回転中心とする砥石の間隔および砥石の回転数等が調
整される。
【0009】粗研削は、ガラス板の両面を同時に研削
し、所定の研削厚み量を確保することを主目的にして行
い、後段の精密研削は目的とする用途に要求されるガラ
ス基板とほぼ同じ厚みまで研削され、さらに表面の凹凸
を減じて平滑な表面に近づけることを主たる目的として
研削される。このとき、ガラス板の粗研削工程における
所定量の研削厚み量の確保と、精密研削工程における所
定量の表面粗さの確保をほぼ同じ時間で加工できるよう
にバランスさせるのが好ましい。
【0010】研削砥石の番手が小さい(低番手)すなわ
ち砥粒の大きさが粗いと研削速度は大きく、短時間で大
きな肉厚を削り落とすことができるが、塑性流動的な挙
動をほとんど示さないシリカ成分を主成分とするガラス
板では、粗研削工程で低番手の砥石を用い、被加工物の
送り速度を速くし、研削厚み量を厚くすると、ガラス板
表面に深いクラックが多数発生したり、著しい場合には
ガラス板が破損するという知見を本発明者は実験により
見出し、このクラックは引き続き行うガラス表面の凹凸
をより小さくすることを主たる目的とする精密研削によ
っても除去することができないことを見出した。 請求
項1は、以上のように所定の厚みにガラス板の両面を同
時に短時間で研削して、上記の微小クラックの表面欠陥
のないガラス基板とするために、粗研削および精密研削
を2段またはそれ以上で行うことを特徴とする。
【0011】請求項2は、請求項1において前記粗研削
の砥石を#100〜#600のダイヤモンド砥粒を備え
た砥石とし、前記精密研削の砥石を#325〜#200
0のダイヤモンド砥粒を備えた砥石とし、かつ、粗研削
の研削厚み量を精密研削のそれ以上としたことを特徴と
する。
【0012】粗研削のダイヤモンド砥粒を#100より
粗くすると、ガラス板表面に発生する微小クラックの深
さが深くなり、引き続き実施する精密研削によりこのク
ラックを取り除くことが困難になるので好ましくなく、
#600より細かくすると所定の研削厚み量を短時間で
確保することが困難になるので好ましくない。
【0013】精密研削に用いるダイヤモンド砥粒は、#
325より粗くすると本発明に続いて通常行われるたと
えば公知の酸化セリウム研磨砥粒を用いた最終研磨(ポ
リッシング)において、所定の高品位な表面粗さを得る
ために長時間の研磨が必要となるので好ましくない。ま
た、#2000より細かくすることは、本発明に続いて
通常行われるたとえば公知の酸化セリウム研磨砥粒を用
いた最終研磨(ポリッシング)の研磨時間は短くなるも
のの、本発明の精密研削に要する時間が長くなり、研
削、研磨の全体の時間がながくなるので好ましくない。
【0014】請求項3は、請求項2において、粗研削の
砥石を#170〜#600のダイヤモンド砥粒を備えた
メタルボンド砥石とし、精密研削の砥石を#600〜#
2000のダイヤモンド砥粒を備えたメタルボンド砥石
または#325〜#1500のダイヤモンド砥粒を備え
たレジノイドボンド砥石としたことを特徴とする。
【0015】請求項4は、請求項2において、粗研削の
砥石を#100〜#325のダイヤモンド砥粒を備えた
レジノイドボンド砥石とし、前記精密研削の砥石を#6
00〜#2000のダイヤモンド砥粒を備えたメタルボ
ンド砥石または#325〜#1500のダイヤモンド砥
粒を備えたレジノイドボンド砥石としたことを特徴とし
ている。
【0016】本発明に用いる砥石は、所定の粗さを有す
るダイヤモンド砥粒がベース材に埋め込まれたものが好
んで用いられるが、ガラス板の研削厚み量およびガラス
表面のクラックの発生状況は、砥粒が埋め込まれている
ベース材の材質により依存することを本発明者は見出し
た。請求項3および4は、それぞれ粗研削砥石にメタル
ボンド砥石およびレジノイドボンド砥石を用いたとき
の、粗研削砥石の砥粒と精密研削砥石の砥粒の好ましい
組み合わせを限定したものである。
【0017】請求項5は、請求項3および請求項4の2
段の研削の前段に、#140〜#400のダイヤモンド
砥粒を備えたメタルボンド砥石または#80〜#200
のダイヤモンド砥粒を備えたレジノイドボンド砥石によ
る前研削を行い、この前研削の研削厚み量を粗研削のそ
れ以上としたことを特徴としている。通常、前研削砥石
と粗研削砥石に同じボンド剤の砥石を用いるときは、前
研削の砥石の番手は粗研削の砥石の番手と同じかそれよ
り低番手のものを用いる。
【0018】粗研削の工程により生じるガラス表面の微
小クラックは、より多くの研削厚み量を短時間で除去す
るときに発生しやすいので、短時間に所定量のガラスの
研削厚み量を確保し、かつ、そのガラス表面にクラック
が生ずることなく平滑な状態に近づけるためには、上記
のように研削の段数を多くするのが好ましい。また、砥
石番手としては、粗研削の番手と同じか、低番手とする
ことがより後段での微小クラック深さを小さくするため
に好ましい。
【0019】本発明においては、ガラス板の両面合計の
研削代を0.02〜1mmとする範囲がとりわけ高能率
にガラス表面にクラックを生じることなく研削できる点
で好ましい。
【0020】本発明に適用できるガラス板は、特にその
組成に限定されるものではない。適用できるガラスとし
て、ソーダ石灰シリカ系ガラス、ホウ珪酸系ガラス、ア
ルミノ珪酸系ガラス、アルミノホウ珪酸系ガラス、無ア
ルカリ低膨張ガラス、高歪み点高膨張珪酸ガラス、結晶
化ガラスなどが例示できる。本発明は硬度が大きいガラ
ス板に対しても加工能率よく研削でき、結晶化ガラスに
対しても能率よく加工できる。
【0021】上記の技術的課題を解決するためになされ
た本発明の第2は、ベルトに形成したポケットにガラス
板をはめ込み、このベルトを同一軸心を回転中心として
回転する対向配置された一対の研削砥石間を通すこと
で、前記ガラス板の両面を同時に研削するガラス板用両
頭平面研削装置であって、前記一対の研削砥石は、前記
ベルトの走向方向を基準として上流側から下流側へ離間
して複数配置され、上流側の研削砥石の研削面は粗研削
面とされ、下流側の研削砥石の研削面は精密研削面とさ
れたことを特徴とする。
【0022】請求項8は、離間して設けられる一対の回
転研削砥石間に、ベルトのポケットにはめ込まれたガラ
ス板表面に付着した粗研削工程により付着したガラス粉
や砥粒等を除去することを特徴としている。請求項9
は、ベルトの走行方向の最下流に設けられた一対の回転
研削砥石の下流側に設けた洗浄機構により、ガラス板に
付着したガラス粉や砥粒を最終的に除去することを特徴
としている。
【0023】本発明の第1は、一対の回転研削砥石を複
数基備え、粗研削と精密研削とを連続的に行うようにし
た一台の両頭平面研削装置を用いて実施できることはも
ちろん、一対の回転研削砥石を1基備えた両頭平面研削
装置を複数台設置して、粗研削とそれに続く精密研削と
を並行して実施することもできる。一対の回転研削砥石
をベルトの上流側から下流側に複数基備えた一台の両頭
平面研削装置を用いて研削加工をするのが、加工能率が
高くガラス板の加工単位量当たりのランニングコストが
低下するのでより好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる両頭平面
研削装置の一実施例の全体平面図、図2はその一部拡大
図である。
【0025】ベルト3はステンレス等の帯状金属からな
り、その幅方向が上下方向になるようにしてエンドレス
にロール1、2により矢印方向に走行させられる。ベル
ト3の幅方向中央部に設けられたポケット5にガラス板
4がはめ込まれ、そのガラス板4を回転軸12、12を
回転中心とする回転砥石11、11の間を通過させて粗
研削を行い、その後回転軸14、14を回転中心とする
回転砥石13、13の間を通過させることにより精密研
削を行う。
【0026】本発明に用いることができる粗研削の砥石
としては、ダイアモンド砥粒のメタルボンド砥石(商品
名 大阪ダイヤモンド工業社製SD200−50−MT
40、三菱マテリアル社製MD200−50−ML51
7)や、レジノイドボンド砥石(商品名 三菱マテリア
ル社製ASD200−R50BJ20)を用いることが
できる。また、本発明の精密研削砥石としては、ダイア
モンド砥粒のレジノイドボンド砥石(商品名 三菱マテ
リアル社製 ASD−400−R50−TC30)やメ
タルボンド砥石(商品名 大阪ダイヤモンド工業社製S
D600−50−MT40)を用いることができる。
【0027】回転研削砥石11、11と回転研削砥石1
3、13の間および回転研削砥石13、13の直後に、
ガラス板4の表面に付着した微粒のガラス粉および砥粒
を除去するために、第1の洗浄機構7、第2の洗浄機構
6をそれぞれ設置した。回転研削砥石11、11のベル
トの走行方向基準で上流側直前でガラス板4をベルト3
のポケット5にはめ込むための機構が設けられた。
【0028】図2の拡大図で示されるように、自動挿入
装置8(図示されない)により複数枚が重ねられたガラ
ス板4が、その外形より若干大きいサイズのポケット5
内にガイド部材9、10により位置決めされながら順次
挿入されて掛合される。ここで、ガラス板4の厚みは、
ベルト3の厚みより大きいものとする。
【0029】回転研削砥石11、11は、ベルト3の表
裏両面に直交近接するように配置され、互いに反対方向
に図示されない原動機により回転され、その間隔はガラ
ス板4の厚みにより調整され固定される。回転研削砥石
13、13についても同様である。ガラス板4を両面か
ら同時に研削する回転砥石は、ガラス板4の厚みに応じ
て、また粗研削および精密研削の仕上がり状態により、
その材質、番手が選ばれる。
【0030】洗浄装置6、洗浄装置7は、加圧された水
流をガラス板4に両側から吹き付ける等の手段が採用さ
れ得る。洗浄装置6とロール1との間に設けられた自動
取り外し装置(図示されない)により、ガラス板4がポ
ケット5から取り外される。
【0031】回転する一対の研削砥石間を通過するガラ
ス板は、通常10〜50枚程度/分とされ、ベルトの走
行速度は、用いるガラス板の厚みと得ようとするガラス
基板の厚みの差(研削厚み量)および研削後の必要とす
る表面凹凸の状態により設定される。
【0032】たとえば、厚みが0.7〜1.1mm程度
のガラス板を研削して両面合計の研削厚み量を0.1〜
0.5mmとして直径65mmの磁気記録媒体用のガラ
ス基板とするには、直径455mmの回転研削砥石を5
00〜1000rpm程度で回転させ、ベルトの走行ス
ピードを約100〜300cm/分とする。
【0033】2段の研削においては、粗研削における研
削厚み量は、全体の研削厚み量(取代)の50〜95%
とするのが、研削速度のバランスを確保し、かつガラス
表面のクラック等の表面欠陥を生じさせることなく全体
として短時間で研削を完了する上で好ましく、60〜8
0%とするのがさらに好ましい。
【0034】3段で研削をする場合は、全体の研削厚み
量の配分を前研削を40〜80%、粗研削を20〜40
%、精密研削を5〜30%とするのが好ましい。1.1
mm厚のガラス板から0.7mm厚のガラス基板とする
とき(0.4mmの研削厚み量)は、2段研削の場合、
粗研削で0.24mm以上とし、3段研削では前研削で
0.16〜0.32mm、粗研削で0.08〜0.16
mmとし、精密研削で0.12mm以下とするのが好ま
しい。
【0035】以下に実施例で説明する。 実施例1〜6 最初に2段研削の実施例について述べる。2段研削を実
施するための両頭平面研削装置の粗研削砥石と精密研削
砥石を以下の(表1)に示すように組み合わせた。各砥
石の直径は455mmとし、回転数は600rpmとし
た。また、ガラス板の送り速度は、30mm/秒とし
た。実際の加工にあたっては、被加工物であるガラス板
として厚み0.9mmのソーダ石灰ガラスを用いた。研
削は0.9mmから0.2mmを研削し、0.7mmを
最終厚みとした。研削厚み量は粗研削で0.14mm、
精密研削で0.06mmとした。研削加工は、それそれ
の条件についてガラス板10枚について行った。
【0036】平坦度、表面粗さ、加工能率について得ら
れたガラス板を調べた結果を(表1)に示す。平坦度に
ついては表面粗さ計を用い、ガラス板10枚のすべてに
ついて平坦度が10μm以下の場合に○印で、1枚でも
大きい値のものがあるときに×印で表示した。また、表
面粗さについては表面粗さ計で表面粗さRaを測定し、
ガラス板10枚のすべてについて表面粗さが0.5μm
以下であれば○印で示し、1枚でもそれより大きい値の
ものがあるときは×印で示した。加工能率については、
粗研削、精密研削とも送り速度30mm/秒で、ガラス
板10枚のすべてについて微小クラックが発生せず研削
できた場合を○印で示し、1枚でもクラックが認められ
た場合を×印で示した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例7〜11 次に3段研削の実施例について述べる。前研削用の砥石
を実施例1で用いた両頭平面研削装置にセットし、前研
削を実施した後、粗研削と精密研削を連続して実施でき
るようにした。各砥石の直径、回転数、ガラス板の送り
速度は実施例1と同じにした。研削加工にあたっては、
被加工物であるガラス板として厚み1.1mmのソーダ
石灰ガラスを用いた。研削は1.1mmから0.4mm
を研削(実施例1の2倍の研削量)し、0.7mmを最
終の厚みとした。各段での研削厚み量は、前研削で0.
24mm、粗研削で0.12mm、精密研削で0.04
mmとした。種々の砥石の組み合わせによる研削結果を
以下の(表2)に示す。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1〜16 比較例として以下の(表3)に示した条件で研削加工を
実施した。各砥石の直径、回転数、送り速度は実施例1
と同じにした。また、研削加工にあたっては、1段研削
(比較例1〜4)および2段研削(比較例5〜10)の
場合、被加工物であるガラス板として厚み0.9mmの
ソーダ石灰ガラスを用いた。研削は、0.9mmから
0.2mmを研削し、0.7mmを最終厚みとした。研
削厚み量は、粗研削で0.14mm、精密研削で0.0
6mmとした。
【0041】3段研削(比較例11〜16)の場合、被
加工物であるガラス板として厚み1.1mmのソーダ石
灰ガラスを用いた。研削は1.1mmから0.4mmを
研削し0.7mmを最終厚みとした。各段での研削厚み
量は、前研削で0.24mm、粗研削で0.12mm、
精密研削で0.04mmとした。研削結果を(表3)に
示す。
【0042】
【表3】
【0043】(表1)に示した実施例1〜6からわかる
ように、本発明の2段研削を実施した場合には、平坦
度、表面粗さ、加工能率とも所定の品質、能率を満たす
ものであることがわかる。一方、表3に示した1段研削
の比較例1〜4では、表面粗さと加工能率の両者を満足
させることができない。また、1段研削した比較例1〜
2の場合には得られたガラス板の表面粗さが粗くなり、
一方精密研削を主目的とする砥石を用いた1段研削した
比較例3〜4の場合には、加工能率を満足させることが
できないことがわかる。
【0044】また、(表3)に示した2段研削の比較例
5〜8では、精密研削に用いる砥石が粗くても細かくて
も、表面粗さと加工能率の両者を同時に満足させること
とができなかったことがわかる。また、1段目の粗研削
に細かい砥石を使用した比較例9〜10では、加工能率
を満足することができなかった。
【0045】また、本発明の(表2)に示した3段研削
の実施例7〜12では、0.4mm厚の研削厚み量を、
ガラス移動速度を30mm/秒の高速度でも平坦度、表
面粗さ、加工能率とも所定の品質、能率を満たすもので
あることがわかる。一方、表3に示した3段研削の比較
例11〜12および比較例14〜15では、前研削砥石
が細かい場合と粗い場合の研削結果が示されているが、
それぞれ加工能率が満足されなかったり、表面粗さが満
足されなかった。
【0046】また、比較例13、16に示すように、前
研削、粗研削が本発明が提案する範囲にあっても精密研
削の砥石が細かい場合には加工能率が満足されなかっ
た。
【0047】さらに、本発明においては、回転研削砥石
を通過直後の水で濡れたガラス板表面を加圧水流により
洗浄したので、砥粒やガラス粉がよく除去され、表面が
清浄なガラス基板を得ることができた。本発明の効果を
実施例と比較例で説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではない。
【0048】以上、本発明によれば、微小クラックを生
じさせることなく所定の表面粗さと加工能率を同時に満
足できる研削方法及びそれに適した両頭平面研削装置が
得られる。
【0049】
【発明の効果】請求項1によれば、ガラス板の表裏両面
の研削を、粗研削とそれに続く精密研削の多段で行うの
で、ガラス板の厚みを減らすことと研削面の凹凸を小さ
くすることの両加工を、全体として短時間で行うことが
でき、研削厚み量を大きくする必要がある比較的肉厚が
厚いガラス板を用いても、薄いガラス基板を能率よく加
工することができる。
【0050】請求項2によれば、さらに粗研削に要する
時間と精密研削に要する時間とをほぼ同じにすることが
でき、各研削工程の加工能率のバランスを保つことがで
き、全体として加工能率が向上する。
【0051】請求項3および請求項4によれば、さらに
粗研削および精密研削のダイヤモンド砥石の砥粒および
ベース材を限定したので、大きな研削厚み量の研削加工
を行っても、ガラス表面にクラックを生じさせることな
く、表面凹凸が小さいガラス基板を加工能率よく得るこ
とができる。
【0052】請求項5によれば、前段に所定のダイヤモ
ンド砥粒と所定のベース材からなる砥石を前研削として
行うようにしたので、より大きな研削厚み量の加工とガ
ラス表面凹凸の微細化を、ガラス表面にクラックを生じ
させることがなく、高能率に加工することができる。
【0053】請求項7によれば、粗研削と精密研削の少
なくとも2基の研削砥石を有する構成としたので、1基
のみの研削砥石を有する両頭平面研削装置を並設し、そ
の間を搬送装置で連結する必要がなく、また粗研削と精
密研削を連続して同時に行えるので、ガラス板の研削加
工のランニングコストを低減することができる。
【0054】請求項8および9によれば、研削により付
着したガラス板表面の砥粒やガラス粉が、付着直後のガ
ラス板表面が乾かない状態で洗い落とされるので、清浄
力が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施にかかる両頭平面研削装置の概略
平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
1、2…ロール、3…キャリア、4…ガラス板(被加工
物)、5…ポケット、6、7…ガラス板洗浄機構、8…
ガラス板はめ込み装置、9、10…ガイド部材、11、
13…回転研削砥石、12、14…回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 剛 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 田中 俊明 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 近藤 儀三郎 大阪府大阪市西区立売堀1丁目3番11号 西部自動機器株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルトに形成したポケットにガラス板を
    はめ込み、このベルトを同一軸心を回転中心として回転
    する一対の研削砥石間を通すことで、前記ガラス板の両
    面を同時に研削するガラス板の研削方法において、前記
    研削を粗研削とそれに続く精密研削の多段の研削で行う
    ガラス板の研削方法。
  2. 【請求項2】 前記粗研削の砥石を#100〜#600
    のダイヤモンド砥粒を備えた砥石とし、前記精密研削の
    砥石を#325〜#2000のダイヤモンド砥粒を備え
    た砥石とし、かつ、粗研削の研削厚み量を精密研削のそ
    れ以上とした請求項1に記載のガラス板の研削方法。
  3. 【請求項3】 前記粗研削の砥石を#170〜#600
    のダイヤモンド砥粒を備えたメタルボンド砥石とし、前
    記精密研削の砥石を#600〜#2000のダイヤモン
    ド砥粒を備えたメタルボンド砥石または#325〜#1
    500のダイヤモンド砥粒を備えたレジノイドボンド砥
    石とした請求項2に記載のガラス板の研削方法。
  4. 【請求項4】 前記粗研削の砥石を#100〜#325
    のダイヤモンド砥粒を備えたレジノイドボンド砥石と
    し、前記精密研削の砥石を#600〜#2000のダイ
    ヤモンド砥粒を備えたメタルボンド砥石または#325
    〜#1500のダイヤモンド砥粒を備えたレジノイドボ
    ンド砥石とした請求項2に記載のガラス板の研削方法。
  5. 【請求項5】 前記粗研削の前段に、#140〜#40
    0のダイヤモンド砥粒を備えたメタルボンド砥石または
    #80〜#200のダイヤモンド砥粒を備えたレジノイ
    ドボンド砥石による前研削を行い、前記前研削の研削厚
    み量を前記粗研削のそれ以上とした請求項3または4に
    記載のガラス板の研削方法。
  6. 【請求項6】 ガラス板の両面合計の研削厚み量を20
    〜1000μmとする請求項1〜5のいずれかの項に記
    載のガラス板の研削方法。
  7. 【請求項7】 ベルトに形成したポケットにガラス板を
    はめ込み、このベルトを同一軸心を回転中心として回転
    する対向配置された一対の研削砥石間を通すことで、前
    記ガラス板の両面を同時に研削するガラス板用両頭平面
    研削装置において、前記一対の回転研削砥石は、前記ベ
    ルトの走向方向を基準として上流側から下流側へ離間し
    て複数配置され、上流側の回転研削砥石の研削面は粗研
    削面とされ、下流側の回転研削砥石の研削面は精密研削
    面とされたガラス板用両頭平面研削装置。
  8. 【請求項8】 離間して配置された一対の回転研削砥石
    間に、ガラス板を洗浄する機構が配置された請求項7に
    記載のガラス板用両頭平面研削装置。
  9. 【請求項9】 最下流に配置された一対の回転研削砥石
    の下流側に、ガラス板を洗浄する機構が配置された請求
    項7または8に記載のガラス板用両頭平面研削装置。
JP29209997A 1997-10-24 1997-10-24 ガラス板の研削方法およびそれに用いる研削装置 Pending JPH11123642A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023710A (ja) * 2001-03-02 2008-02-07 Igc-Superpower Llc Htsテープの製造方法及び連続機械研磨システム
CN103447906A (zh) * 2013-09-04 2013-12-18 南昌欧菲光学技术有限公司 玻璃弯曲校正装置及其使用方法
CN111975512A (zh) * 2020-08-06 2020-11-24 赵洪楠 一种复合板材生产用板材预处理装置
CN115592528A (zh) * 2022-11-30 2023-01-13 常熟奥盛汽车模具有限公司(Cn) 用于汽车零部件加工的表面抛光设备

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