JP2001000965A - スカムスキマー - Google Patents

スカムスキマー

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JP2001000965A JP11175548A JP17554899A JP2001000965A JP 2001000965 A JP2001000965 A JP 2001000965A JP 11175548 A JP11175548 A JP 11175548A JP 17554899 A JP17554899 A JP 17554899A JP 2001000965 A JP2001000965 A JP 2001000965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塞止め位置と水没位置との間で往復動される
長尺の堰部材を備えたスカムスキマーにおいて、早期に
劣化するゴムなどの弾性部材を用いることなしに、塞止
め時における堰部材の水封性を確保し、かつ極めて軽い
作動力をもって堰部材の往復動を行なえるようにする。 【解決手段】 堰部材22に、その下端縁に沿って長尺
の圧接子23を一体に密着固定し、堰部材22および圧
接子23の自重により圧接子23の下端部を、樋部材1
5の汚水誘引口16に沿って延設されたシート部材26
の上面に圧接して、圧接子23とシート部材26との間
の境界面が水封される態様で、堰部材22を揺動自在に
シート部材26上に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水処理施設の最
初および最終沈澱池のような水の処理池等において、ス
カム(浮渣)となって水面に浮遊している腐敗した有機
物を、可動の堰部材を用いて水とともに樋部材内に誘引
して除去するスカムスキマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種のスカムスキマーは、例え
ば特開昭62−97691号および特開平8−1921
51号に開示されているように、水面に浮遊しているス
カムを水とともに誘引する汚水誘引口を備えて処理池内
に延設された長尺の樋部材と、この樋部材の汚水誘引口
に対向して延設され堰部材とを備えている。この堰部材
は、上縁部を水面上に突出させて上記汚水誘引口から樋
部材内への汚水の流入を阻止する塞止め位置と、上記上
縁部を水没させて上記汚水誘引口から樋部材内への汚水
の流入を許容する水没位置との間で移動し得るように構
成されている。
【0003】そして、上記堰部材には駆動部材が連結さ
れているとともに、この駆動部材に、チェーン等により
循環駆動されるストライカに係合することにより、堰部
材が塞止め位置から水没位置に傾動されるようになって
いる。
【0004】上記堰部材は、樋部材の汚水誘引口の両側
壁に下端部の両端を軸によって枢支されて、塞止め位置
から水没位置に傾動するように構成され、あるいは、ゴ
ム等の弾性部材を介して樋部材に接続されて、上記弾性
部材の屈曲によって塞止め位置から水没位置に傾動する
ように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のスカムスキマーが備えている可動の堰部材の支持構
造のうち、前者の、堰部材が軸によって枢支されている
ものは、下記のような問題を有している。
【0006】図15は、このような、堰部材が軸によっ
て揺動可能に支持された構造の一例を示すものであり、
水平方向に延びる長尺の板状体である堰部材1は、その
長手方向の両端側面の下方部に水平方向外方に突出した
軸2を備え、この軸2が、樋部材3の汚水誘引口4の両
側壁に形成された軸孔5に嵌挿されて、その外周面の下
端2aにおいて孔5の内周面の下端に軸支されている。
そして、軸2の外周面の上端と軸孔5の内周面の上端と
の間には、揺動に必要な僅かな隙間D1が形成されてい
る。
【0007】一方、樋部材3の揺動を可能にするために
は、汚水誘引口4の下端縁6と堰部材1の下端縁との間
には、製作上の誤差を勘案して多少の隙間D2を設けて
おかねばならない。もしこの隙間D2がゼロであると、
図16に示すように、汚水誘引口4の下端縁6が堰部材
1を突き上げ、堰部材1の円滑な枢動が阻害されるおそ
れがあるからである。そのため、従来は、上記隙間D2
からの水洩れを防止するためのゴム等の弾性部材からな
るシール手段を設けていた。
【0008】また、後者の、ゴム等の弾性部材を屈曲さ
せて堰部材の傾動を行なうものにおいても、この弾性部
材が汚水誘引口の下縁部と堰部材との間のシール手段を
形成しているものであり、いずれの構成にせよ、従来の
スカムスキマーでは、塞き止め時の水洩れを防止するた
めに、ゴム等からなるシール手段を必要とするものであ
った。
【0009】ところが、例えばゴムは、これが屋外に設
置された場合に、紫外線により自然劣化する性質を有
し、他の構成要素の金属等に比較して寿命が短い消耗品
であるから、早期に交換する必要が生じることになる。
【0010】さらに、上記ゴム材は一般に長尺の堰部材
の下縁に沿って延設されるものであるから、その交換
は、処理池の水を抜いて行なわなければならないため、
多大な経費と時間とを伴うという重大な欠点を有するあ
った。
【0011】上述の事情に鑑み、本発明は、早期に劣化
するゴムなどの弾性部材を用いることなしに、塞き止め
時の堰部材の水封性を確保することができ、かつ極めて
軽い作動力をもって堰部材の傾動を行なえるという優れ
た性能を長期に亘って維持することができるスカムスキ
マーを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、水面に浮遊し
ているスカムを水とともに誘引する汚水誘引口を備えて
処理池内に延設された長尺の樋部材と、この樋部材の汚
水誘引口に対向して配され、上縁部を水面上に突出させ
て上記汚水誘引口から樋部材内への汚水の流入を阻止す
る塞止め位置と上記上縁部を水没させて上記汚水誘引口
から樋部材内への汚水の流入を許容する水没位置との間
で移動可能に延設された長尺の堰部材と、この堰部材を
上記塞止め位置と上記水没位置との間で往復動させる堰
部材駆動手段とを備えたスカムスキマーの改良であっ
て、第1の発明は、請求項1に記載されているように、
上記樋部材に、この樋部材の汚水誘引口に沿って延びる
長尺のシート部材が固設され、上記堰部材に、長尺の圧
接子が堰部材の下端縁に沿って一体に密着固定され、上
記圧接子の下端部が、上記圧接子と上記シート部材との
間の境界面を水封する態様で堰部材および圧接子の自重
により上記シート部材の上面に圧接され、これによって
堰部材が、上記塞止め位置と上記水没位置との間で上記
圧接子を軸として揺動自在に上記シート部材上に支持さ
れていることを特徴とするものである。
【0013】上記圧接子は、当初から上記堰部材と一体
に形成されたものでも、別体に形成されて堰部材に後か
ら結合されたもであってもよい。また「密着固定」と
は、堰部材と圧接子とが、両者の結合部が水封された状
態で一体に固定されていることを意味する。
【0014】上記圧接子の少なくとも下端部の外周面
は、下方に凸の円弧状断面形状を有することが好まし
い。その場合、上記シート部材の上面は平坦であっても
よいが、上記圧接子を枢支する例えばV字状の断面形状
を有する溝を備えていることが好ましい。
【0015】また、上述とは反対に、上記シート部材の
上面が、上方に凸の円弧状断面形状を有し、圧接子がそ
の下面に、上記シート部材の上記上面に枢支される溝を
備えた構成とすることもできる。
【0016】さらに、上記堰部材駆動手段は、一端をリ
ンク部材を介して堰部材の上部に連結されかつ中間部を
枢支されて第1の位置と第2の位置との間で揺動可能な
駆動アームを備えていることが好ましい。この駆動アー
ムは、上記第1の位置において堰部材を塞止め位置に保
ち、上記第2の位置において堰部材を水没位置に保つよ
うに構成される。
【0017】上記駆動アームを揺動させるために、チェ
ーン等により循環駆動されるストライカが処理池に設け
られ、上記駆動アームが、その他端に対する上記ストラ
イカの係合に伴って上記第1の位置から上記第2の位置
に揺動され、かつ駆動アームの他端に取り付けられたカ
ウンターウエイトの作用によって、上記第2の位置から
上記第1の位置に揺動されるように構成することができ
る。
【0018】上記駆動アームは、水面よりも上方にほぼ
水平に延設されたものであっても、水面下にほぼ垂直に
延設されたもであってもよい。水平に延びる駆動アーム
は、カウンターウエイトの作用と駆動アームの一端に対
するストッパの当接とによって上記第1の位置を保つこ
とができ、また垂直に延びる駆動アームは、カウンター
ウエイトの作用によって上記第1の位置を保つことがで
きる。
【0019】第2の発明は、請求項9に記載されている
ように、上記堰部材に、内部を処理池内の水と連通させ
る連通手段を下部に形成した浮子を備え、上記堰部材駆
動手段が、上記浮子内に加圧ガス(例えば圧搾空気)を
供給してこの浮子内の水を上記連通手段を通じて前記処
理池に放出して浮子を浮上させることにより堰部材を上
記塞止め位置に移動させ、かつ浮子内のガス圧を減じて
浮子内に上記連通手段を通じて水を導入し浮子を沈下さ
せることにより堰部材を上記水没位置に移動させるよう
に構成された加圧ガス制御手段からなることを特徴とす
るものである。
【0020】この場合も、第1の発明と同様に、上記樋
部材に、この樋部材の汚水誘引口に沿って延びる長尺の
シート部材が固設され、上記堰部材に、長尺の圧接子が
堰部材の下端縁に沿って一体に密着固定され、上記圧接
子の下端部が、上記圧接子と上記シート部材との間の境
界面を水封する態様で堰部材および圧接子の自重により
上記シート部材の上面に圧接され、これによって前記堰
部材が、上記塞止め位置と上記水没位置との間で上記圧
接子を軸として揺動自在に上記シート部材上に支持され
ていることが好ましい。
【0021】また、上記圧接子の少なくとも下端部の外
周面は、下方に凸の円弧状断面形状を有することが好ま
しい。その場合、上記シート部材が、上記圧接子を枢支
する例えばV字状の断面形状を有する溝を備えているこ
とが好ましい。
【0022】さらに、上述とは反対に、上記シート部材
の上面が、上方に凸の円弧状断面形状を有し、圧接子が
その下面に、シート部材の上記上面に枢支される溝を備
えた構成とすることもできる。
【0023】
【発明の作用および効果】第1の発明によれば、長尺の
堰部材の下端縁に沿って一体に密着固定された長尺の圧
接子が、堰部材および上記圧接子の自重によって上記シ
ート部材の上面に圧接されて上記圧接子とシート部材と
の間の境界面を水封し、この状態で、上記堰部材が上記
シート部材上に揺動自在に支持されていることにより、
ゴム等により形成された寿命の短いシール部材を用いる
ことなしに、堰部材の長い下縁側を水封することができ
るから、部材の交換を行なう必要なしに長期に亘ってそ
の性能を維持することができる。
【0024】また、第2の発明によれば、機械的な駆動
手段が設置されていない処理池であっても、汚水処理施
設に必然的に設置される圧搾空気源を用いて、簡単な構
成で堰部材を駆動できるという利点を有するものであ
り、しかも、浮子内に残存するガス量を調節することが
可能であるために、堰部材の水没深さや水没時間を任意
に変更することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明によるスカムスキマーの第
1の実施の形態の全体構成を示す概略的側面図、図2は
その要部の正面図、図3は図2のA−A線に沿った断面
図、図4は図3の要部の拡大断面図、図5は図2のB−
B線に沿った断面図、図6は図5の要部の拡大断面図で
ある。
【0027】図1において、沈澱池等の処理池10内に
は、スプロケット11を固定した回転軸12が配設さ
れ、多数のスカム掻寄板(フライト)13を間隔をおい
て取り付けたエンドレスチェーン14がスプロケット1
1に巻き掛けられて循環駆動されることにより、水面上
を浮遊するスカムが樋部材15に向かって掻き寄せられ
るようになっている。スカム掻寄板13は、水面に沿っ
て図1の左方に移動してスカムを図1の左方に向かって
掻き寄せた後、斜めに水中に降下するように駆動され
る。水面近くには、図1の紙面と垂直な方向に、かつ図
2の左右方向に、水平方向に延びる円筒状の樋部材15
が処理池10のほぼ全幅に亘って配設されている。
【0028】樋部材15はの外周面には、図2および図
3に示すように、スカムを水とともに誘引する汚水誘引
口16が樋部材15の延長方向に沿って開口しており、
この汚水誘引口16の上縁16aは水面17上に露出
し、下縁16bは水中に没している。そして、図2から
明らかなように、樋部材15の両端にはフランジ18が
設けられ、このフランジ18は、池の側壁19に固定さ
れた連通樋20のフランジ21にボルト締めされてい
る。
【0029】樋部材15の汚水誘引口16に対向して設
けられる長尺板状の堰部材22は、図4から特に明らか
なように、この堰部材22の下縁に沿って溶接等によっ
て一体に密着して固着された棒状圧接子23と一体にな
っている。図4においては、この圧接子23が円形の断
面形状を有する円柱状丸棒からなっているが、少なくと
も下端部の外周面の断面形状が下方に凸の円弧状となっ
ていればよい。圧接子23は、最初から堰部材22と一
体に形成されたものでも、別体に形成されて後から堰部
材に溶接等によって結合されたもであってもよい。
【0030】圧接子23は、これと同じ長さを有するシ
ート部材26上に支持されている。このシート部材26
は、その上面に、一対の斜面24、24によって形成さ
れた長手方向に延びるV字状の断面形状を有する溝25
を備えており、圧接子23は、堰部材22と圧接子23
との自重によって(正確には水の浮力分だけ軽くな
る)、その円弧状の断面形状を有する下端部の外周面を
上記斜面24,24に当接させることにより、圧接子2
3とシート部材26との間の境界面を水封している。さ
らに、圧接子23の下端部の外周面または上記斜面2
4,24に例えば弗素樹脂コーティング等が施されてい
ることにより、圧接子23は滑らかに枢動し得る態様で
シート部材26上に支持されている。
【0031】このような構成によって、堰部材22は、
図3および図4に実線で示すような、堰部材22全体が
僅かに前方へ傾いた状態でその上縁部22aを水面17
上に突出させて水を塞止める塞止め位置と、図3および
図4に仮想線で示すように、さらに前方へ深く傾いて全
体を水没させ、スカムを伴った汚水が堰部材22を乗り
越えて汚水誘引口16を通じて樋部材15内へ流入する
のを許容する水没位置との間で、圧接子23を軸として
揺動可能に支持されている。上記シート部材26は、こ
れと同じ長さを有する支持板27上に固定され、支持板
27は、汚水誘引口16の下縁16bの下方において樋
部材15の外周面に固着された取付け板28と一体にな
っている。
【0032】堰部材22および圧接子23の長手方向両
端には、図5および図6に示すような形状を有し、堰部
材22と一体に揺動する側板30が固定されている。そ
して、この可動側板30と汚水誘引口16の両側部との
間の境界面を水封するために、図5および図6に仮想線
で示すような、側板30の外側面が摺接する内側面を備
えたシール板32が汚水誘引口16の両側部に設けられ
ている。シール板32は、図2に示すように、樋部材1
5の外周面に固定されたL字状の取付け具31に固定さ
れている。本実施の形態においては、上記シール板32
として、軸受材として用いられるオイルレスプレートを
採用している。
【0033】また、上記可動側板30は、図6に示すよ
うに、堰部材22が塞止め位置にあるときに水平となる
下端縁30aを備えており、この側板30の下方には、
側板30と同じ厚さを有し、かつシート部材26の上面
と同じ高さの水平な上端縁33aを備えた固定側板33
が支持板27および取付け板28と一体に設けられ、堰
部材22が塞止め位置にあるときに可動側板30の水平
な下端縁30aが、固定側板33の水平な上端縁33a
上に当接して、側板30の下端縁30aと側板33の上
端縁33aとの間の境界面34が水封されるように構成
されている。
【0034】堰部材22は、その長手方向の両端部近傍
の樋部材15側の面の上部に連結片35を備えている。
この連結片35にはピン孔35aが形成されており、図
3示すように、このピン孔35aに挿入されたピン36
によってリンク部材37の下端部に連結されている。リ
ンク部材37の上端部は、駆動アーム40の前方部40
aの前端に固定されたリンク取付け具38にピン39を
介して連結されている。
【0035】自重を軽くするために中空のパイプで形成
された駆動アーム40は、図1に示すように、樋部材1
5の延長方向に対してほぼ直交する方向に処理池10の
水面から離れてほぼ水平に延びている。この駆動アーム
40はその中央部付近を、池の側壁19から延びる取付
け具41に固定された支持台42にピン43によって枢
支されて、シーソー運動を行なうように構成され、ピン
43の位置から樋部材15側を前方部40a、反対側を
後方部40bと呼ぶ。この後方部40bの後端には、ピ
ン45によってガイドローラ44を先端に枢着したガイ
ドローラ取付け具46が固定されている。このガイドロ
ーラ取付け具46は、自重を重くするために中実の棒に
よって形成されて、カウンターウエイトとしての機能を
有し、これにより、駆動アーム40がピン43を支点と
して図1の時計方向に回動するように付勢されている。
【0036】一方、樋部材15にはストッパ取付け台4
8が固定され、この取付け台48に上下調節可能に垂設
さられたストッパ49の下端に、リンク取付け具38の
上面が当接することによって、駆動アーム40の時計方
向の枢動が規制されている。
【0037】エンドレスチェーン14に取り付けられた
多数のスカム掻寄板(フライト)13のうちの複数のス
カム掻寄板13には、駆動アーム40を作動させる手段
として、チェーン14の進行方向およびその反対方向の
端部にガイドローラ44に係合する傾斜面50a,50
bをそれぞれ備えたストライカ50が固定されている。
【0038】上述の説明から明らかなように、本実施の
形態においては、シート部材26と支持台42との間
に、圧接子23、堰部材22および連結片35が一体に
なった第1のリンクと、リンク部材37からなる第2の
リンクと、リンク取付け具38および駆動アーム40の
前方部40aからなる第3のリンクとを、圧接子23、
ピン36、ピン39およびピン43によって相関連結し
て変形四節リンクを形成し、この変形四節リンクを、堰
部材22を傾動させる駆動力の伝達手段として構成した
ものである。そして、駆動アーム40の後方部40bに
取り付けたガイドローラ取付け具46によるカウンター
ウエイトとしての作用と、上記ストッパ49とによっ
て、堰部材22が図3に実線で示す塞止め位置に静止状
態で保持されるようになっている。
【0039】そして、堰部材22が塞き止め位置にある
ときには、堰部材22の上縁部22aが水面上に突出
し、シート部材26の斜面24,24上に圧接子23が
圧接されていることによって、堰部材22の下部と汚水
誘引口16との間の境界面が水封され、かつ樋部材15
に固定されたシール板32の内側面に堰部材22の側板
30の外側面が摺接していることによって、堰部材22
の両側部と汚水誘引口16の両側部との間の境界面が水
封され、さらに、堰部材22の側板30の下端縁30a
が固定側板33の上端縁33aに当接していることによ
って、側板30,34の間の境界面34が水封されてい
るので、汚水誘引口16への汚水の流入が実質的に阻止
されることになる。
【0040】このように、堰部材22が塞止め位置に保
持されている状態で、チェーン14の駆動に伴ってスト
ライカ50の進行方向前側の傾斜面50aがガイドロー
ラ44に係合すると、ガイドローラ44が徐々に押し上
げられ、駆動アーム40がピン43の回りに図1の反時
計方向に回動されるから、リンク取付け具38が下降
し、堰部材22はリンク部材37に押されて圧接子23
を軸にして図3および図4に仮想線で示す水没位置に傾
動される。これに伴って、スカムが水とともに堰部材2
2を越えて樋部材15の汚水誘引口16から樋部材15
内に流下し、樋部材15内をスカム水51として流れ、
スカムが除去される。
【0041】次いで、ガイドローラ44がストライカ5
0の進行方向後側の傾斜面50b上に移ると、カウンタ
ーウエイトとしてのガイドローラ取付け具46の自重を
含む駆動アーム40の後方部40bの自重によって駆動
アーム40がピン43の回りに図1の時計方向に徐々に
回動するから、リンク取付け具38が上昇し、堰部材2
2はリンク部材37に引かれて図3に実線で示す塞止め
位置に復帰する。そして堰部材22は、次のストライカ
50がガイドローラ44に当接するまで、塞止め位置に
静止した状態に保持される。
【0042】以上の説明から明らかなように、本実施の
形態によれば、長尺の堰部材22に、この堰部材22の
下端縁に沿って一体に密着固定された長尺の圧接子23
が、堰部材22および圧接子23の自重によってシート
部材26の上面に圧接されて圧接子23とシート部材2
6との間の境界面を水封し、この状態で、堰部材22が
シート部材26上に圧接子23を軸として揺動自在に支
持されていることにより、ゴム等により形成された寿命
の短いシール部材を用いることなしに、堰部材2の長い
下縁側を水封することができるから、部材の交換を行な
う必要なしに長期に亘ってその性能を維持することがで
きる。
【0043】なお、本実施の形態においては、堰部材2
2の側板30の外側面画摺接するシール板32に、軸受
材として用いられるオイルレスプレートを使用している
が、このシール板32の設置場所は水面に近い位置であ
るから、処理池内の汚水を抜くことなく容易に交換が可
能である。したがって、シール板32として、定期的に
交換を必要とするゴム等の弾性部材を用いることも可能
になる。
【0044】ここで、堰部材22の下部の圧接子23と
シート部材26との間の境界面が水封された状態で、塞
止め位置と水没位置との間での堰部材22の揺動を可能
にする構造の種々の態様について図7〜図10に例示す
る。
【0045】図7(a),(b)に示すものは、シート
部材26の平坦な上面上に圧接子23が載置されてい
て、圧接子23の転動が全く規制されていない構成であ
る。この場合は、圧接子23とシート部材26との接触
面における接線と水平線とのなす角度θ(これを接触角
と呼ぶ)がゼロであるから、接触面における摩擦角φ
(φ=tan-1μ、 μは摩擦係数)よりも当然小さい。し
たがって、堰部材22が実線で示す塞止め位置から仮想
線で示す水没位置に傾動するのに伴って、圧接子23が
シート部材26の平坦な上面を転動してその軸線が水平
方向に移動する。
【0046】また、図7(c)に示すものは、シート部
材26が圧接子23の転動方向に分割された構成を有
し、転動初期においても接触角θが摩擦角φよりも小さ
い値を有しているため分割面を乗り越え、乗り越えた後
は、接触角θがゼロになって、圧接子23が転動する。
なお、図7(a)〜(c)に示す構成においては、シー
ト部材26における圧接子23の圧接面aが堰部材22
の傾動に伴ってbに移動する。
【0047】図8(a)〜(c)に示すものは、圧接子
23の転動を完全に規制したものであり、接触角θ1〜
θ3がすべて摩擦角φよりも大きいから、圧接子23は
転動できず、圧接面aで滑りを生じながら、その軸線の
回りで回動することになる。この場合は、圧接面aが2
か所以上形成されるから、圧接面aが1か所である図7
(a)〜(c)に示す構成よりも水封性が向上する。そ
して、この場合は、圧接面aが、実は圧接子23の転動
を規制する当接面にもなっている。
【0048】図9(a),(b)に示すものは、圧接子
23の所定の範囲の転動を、例えば転動初期には規制し
ないが転動の途中からその転動を規制した構成である。
例えば堰部材22を図9(a)の実線で示す位置から図
9(b)の仮想線で示す位置まで傾動させると、最初は
その軸線が水平移動し、凹状に形成したシート部材26
の斜面cに圧接子23が当接すると、その転動が規制さ
れ、図9(b)における圧接子23の軸線を中心にして
圧接子23が回動することになる。この場合は、圧接面
aと当接面cとが分離して形成され、接触角θ4は摩擦
角φよりも大きくなっている。
【0049】図10(a),(b)に示すものは、圧接
子23の転動形態は図9(a),(b)と同様である
が、圧接子23の転動を規制する手段が異なる。すなわ
ち、本例においては、円柱状圧接子23の長手方向両端
の中心に突起23aを突設するとともに、樋部材15側
に固定されたシール板32に、突起23aが挿入される
穴32aを、突起23aが軸支されないように突起23
aとの間に十分大きい隙間Gが形成される態様で設けた
ものである。
【0050】これにより、例えば堰部材22を実線で示
す図10(a)の位置から仮想線で示す図10(b)の
位置まで転動させると、圧接子23の軸線が水平移動
し、突起23aが穴32aの内周面にdにおいて当接し
て、転動が規制される。
【0051】この場合、当接面dにおける接触角θ5が
摩擦角φよりも大きくなっているために、圧接面bにお
ける接触角がゼロになっているにも拘らず、圧接面bで
は滑りを生じ、図10(b)における圧接子23の軸線
を中心にして圧接子23が回動することになる。
【0052】この場合、突起23aを円柱状のピン、穴
32aの形状を円形とするのが一般的であるが、図10
(c)に示すように、突起23aの断面形状を三角形と
してもよく、また穴32aの形状も四角形としてもよ
く、肝要なのは、当接面dにおける接触角θ5,θ6を
摩擦角φよりも大きく設定することである。
【0053】図10(a)〜(c)に示す構成は、堰部
材1を軸支して回動させる図15,図16に示した従来
技術と異なり、穴32aは突起23aを軸支することな
く、十分に大きい隙間G形成される状態で突起23aが
穴32a内に挿入されており、長尺円柱状の圧接子23
の外周面をシート部材26上に圧接して、常に水封状態
でこの外周面をシート部材26上で転動させたり、滑ら
せたりして回動して堰部材22を傾動させることができ
るものである。
【0054】なお、図7〜図10に示す構成とは反対
に、シート部材26の上面に、上方に凸の円弧状断面形
状を有する部分を形成し、これに対応して、圧接子23
の下面に、シート部材26の上面の上記上方に凸の円弧
状断面形状を有する部分に枢支される例えば逆V字状の
溝を形成した構成とすることも可能である。
【0055】また、図7〜図10に示す構成のうち、図
7(b)以外は、堰部材22および圧接子23を、それ
ぞれ比重が1よりも大きい材料で形成し、これを例えば
前述した変形四節リンクを介して揺動させるようになっ
ているが、図7(b)では、堰部材22のみを比重が1
よりも小さい材料で形成したり、あるいは、堰部材22
を中空として全体の比重を1よりも小さくし、圧接子2
3は比重が1よりも大きい材料で形成して、堰部材22
の浮力によって、堰部材22がその上端部を水面17か
ら突出させた塞止め位置を保つように構成したものであ
る。
【0056】この場合、堰部材22には、点aを支点と
する右回りのモーメントと、浮力による左回りの浮揚モ
ーメントと水圧とによる左回りモーメントとが作用する
ことになり、これらのモーメントをバランスさせること
により、堰部材22を塞き止め位置に静止させることが
できる。そして、水面17の水位変動によって、上述し
たモーメントバランスも変化することとなって、堰部材
22は水面17の水位変動に追随して変位し、塞止め位
置を保つことができる。
【0057】このように、浮力によって堰部材22を塞
止め位置に保つ構成であっても、例えば上述した第1の
実施の形態と同様に、変形四節リンクと相関連結して堰
部材22を塞止め位置に静止させてもよいが、例えば図
3に示した変形四節リンクのリンク部材37をリンク取
付け具38の孔に進退可能に枢着し、堰部材22の浮力
によってリンク部材37を図の上方に移動させ、このリ
ンク部材37を図の下方に移動させる際にのみ、リンク
取付け具38に形成したクラッチ爪を、リンク部材37
に連続して形成された溝の1か所に係合させることによ
って、リンク部材37の移動を規制すれば、水面17の
水位変動があっても、堰部材22が水面17から没する
深さを常に近似的に一定にすことができる。
【0058】堰部材の浮力を積極的に利用した実施の形
態は、第3の実施の形態として後述する。
【0059】次の図11は、本発明によるスカムスキマ
ーの第2の実施の形態の全体構成を図1に対応させて示
す概略的側面図で、図12は図3に対応する要部の断面
図である。
【0060】本実施の形態は、駆動アーム60が水面下
にほぼ垂直に延設され、この駆動アーム60の上端がリ
ンク部材57を介して堰部材22の上端に連結され、か
つ駆動アーム60が、その下端に取り付けられたカウン
ターウエイト63の作用のみによって、堰部材22を塞
止め位置に保持する構成を有し、堰部材22を傾動させ
る機構が異なること、および堰部材22の水没深さを変
えるべく2種類のストライカを備えていることを除いて
は、上述した第1の実施の形態と同様の構成を有するの
で、対応する部材には同一符号を付し、重複する説明は
省略する。
【0061】図12から特に明らかなように、堰部材2
2は、その長手方向の両端部近傍の樋部材15側とは反
対側の面の上部に連結片55を備えており、この連結片
55には、リンク部材57の一端がピン56によって連
結されている。樋部材15には、支持板27および取付
け板28の位置から斜め下方へ延びる駆動アーム支持台
58が突設され、この支持台58に、駆動アーム60が
その中間部から水平方向に延びるが軸61によって揺動
可能に枢支されている。
【0062】駆動アーム60は、その軸61の位置から
斜め上方へ延びる短い幅狭の上方部60aと、下方へ延
びる長い下方部60bとを備えてほぼく字状に構成さ
れ、かつ上方部60a,下方部60bおよび軸61が一
体となっている。この駆動アーム60の上方部60aの
上端には、上記リンク部材57の他端がピン59によっ
て連結されている。駆動アーム60の下方部60bの下
端には、ガイドローラ44がピン45を介して取り付け
られ、その上方に形成された孔62にカウンターウエイ
ト63がピン64によって係止されている。そして、ガ
イドローラ44にストライカ50が係合していない状態
では、駆動アーム60は上記カウンターウエイト63の
作用でその下方部60bが鉛直下方に延びる姿勢を保
ち、この状態で堰部材22が塞止め位置に保たれるよう
になっている。
【0063】このような構成により、駆動アーム60の
下方部60bは水の抵抗によって振れが規制され、堰部
材22を安定な静止状態に保持することができるように
なっている。そして、シート部材26と支持台58との
間に、圧接子23、堰部材22および連結片55が一体
になった第1のリンクと、リンク部材57からなる第2
のリンクと、駆動アーム60の上方部60aからなる第
3のリンクとが、圧接子23、ピン56、ピン59およ
び軸61により相関連結されていることによって、変形
四節リンクが形成されており、この変形四節リンクが、
堰部材22を傾動させる駆動力の伝達手段となってい
る。堰部材22と樋部材15との間の境界面の水封構造
は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0064】一方、スカム掻寄せ板(フライト)13に
固定されたストライカは、図1のストライカ50と同様
の寸法形状を有するストライカ50に加えて、異なる寸
法形状を有するストライカ66が他のフライト13に固
定されている。
【0065】すなわち、一方のストライカ50がガイド
ローラ44に対する係合面の長さ(堰部材22を水没さ
せる時間に関係する)をL1としているのに対し、他方
のストライカ66では、この長さをL1よりも短いL2
としている。また、ストライカ50では、ガイドローラ
44に対する係合面の高さ(堰部材22を水没させる水
面からの深さに関係する)をH1としているのに対し、
他方のストライカ66では、この高さをH1よりも低い
H2として、2種類のストライカ50,66を設けてい
る。
【0066】屋外に設置された処理池等においては、木
の葉等が水面に落下して浮遊する場合があり、スカムの
量も異なるので、それに対応して、適切な堰部材22の
水没深さと汚水の越流時間を組み合わせて設定すること
によって、適切な汚水の越流量を設定することができ
る。
【0067】本実施の形態では、以上の構成により、フ
ライト13の運行によってストライカ50または66が
ガイドローラ44に当接すると、駆動アーム60が軸6
1を中心に図の時計方向に回動され、堰部材22がリン
ク部材57に引かれて、圧接子23を軸にして図12に
仮想線で示す水没位置に傾動される。これに伴って、ス
カムが水とともに堰部材22を越えて樋部材15の汚水
誘引口16から樋部材15内に流下し、樋部材15内を
スカム水51として流れ、スカムが除去される。
【0068】さらに、フライト13の運行が続行され
て、ストライカ50または66とガイドローラ44との
係合が解除されると、カウンターウエイト53および駆
動アーム60の下方部60bの自重によって駆動アーム
60が軸61の回りに反時計方向に回動するから、堰部
材22はリンク部材57に押されて図12に実線で示す
塞止め位置に復帰する。そして堰部材22は、次のスト
ライカ50または66がガイドローラ44に当接するま
で、塞止め位置に静止してその位置を保持される。本実
施の形態によっても、前述した第1の実施の形態と同様
の効果を有すること明らかである。
【0069】なお、上述した本発明の第1および第2の
実施の形態においては、堰部材22を傾動させる駆動力
の伝達手段および堰部材22の静止手段として変形四節
リンクおよびカウンターウエイトを用いているが、本発
明はこれらに限定されるものではなく、その他の既知の
リンク機構や、カム、ギヤ、リンク等を組み合わせた機
構を用いてもよく、また、変形梃子リンクともなる堰部
材22を直接駆動する駆動手段を用いてもよい。
【0070】次に、本発明の第3の実施の形態について
図13および図14を参照して説明する。
【0071】図13は、本発明の第3の実施の形態にお
いて堰部材が塞止め位置にある状態を示す図3よび図1
2に対応する断面図、図14は堰部材が水没位置に傾動
した状態を示す断面図である。本実施の形態は、堰部材
が、内部を処理池10内の水と連通させる連通管73を
下部に形成した中空の浮子室70を備えた浮子71から
なり、この浮子室70内に対する加圧ガス、例えば圧搾
空気の給排により、浮子室70内の水の量を増減させ
て、浮子71の自重と浮力のバランスを変えることによ
って、堰部材を直接作動させるようにしたことを特徴と
するものである。
【0072】浮子71は、外郭をイ−ロ−ハ−ニ−ホで
示す長尺な薄板によって筒状に形成されているととも
に、樋部材15に面する辺イ−ホを下方に延長して帯状
の突出端部72を備え、この突出端部72の下端に円柱
状の圧接子23が固着されている。また、仮想線で示す
前述の実施の形態と同様のシール板32に摺接する仮想
線で示す側板30が樋部材15側とは反対側に幅広く延
長されて、ヘ−ト−チ−リで示す板部が一体に延設さ
れ、浮子71の長手方向の両端壁を形成している。
【0073】浮子71のハ−ニで示す底壁には、浮子室
70を処理池10内の水と連通させる連通管73が下方
に向かって突設され、さらに、両側板30の外側には、
外郭をヘ−ト−チ−ヌで示す所定の幅の薄板によって箱
状に形成された補助浮子74が、側板30を内側の端壁
として付設されている。そして、図13に示す塞止め位
置では、浮子71のイ−ロで示す上端部が水上に突出し
て、水を塞き止めている。さらに、図示は省略してある
が、側板30の下端縁30aのシール構造も前述の実施
の形態と同様である。
【0074】圧接子23は、前述の実施の形態と同様に
シート部材26のV字溝上に枢支されているが、圧接子
23の両端には、図10(a),(b)と同様に水平方
向に延びる突起23aが突設され、この突起23aが、
シール板32に形成された穴に遊嵌されている(軸支さ
れていない)。
【0075】浮子71のイ−ロで示す上壁には、この上
壁を上下方向に貫通して浮子室70内に突出するガス連
通管75が取り付けられている。このガス連通管75
は、浮子室70に対する加圧ガスの給排のために設けら
れているもので、その外周面にねじ溝75aを備え、浮
子71の上壁に固設したナット76に上下位置調整可能
に螺装され、調整後ロックナット77で固定される。ガ
ス連通管75の上端は伸縮導管78の下端に連結されて
いる。この伸縮導管78は、プラスチック等からなるパ
イプをコイル状に巻回して伸縮自在としたもので、その
上下端に締結用口金を79a,79bを備えている。
【0076】加圧ガス(圧搾空気が好ましい)の供給源
であるコンプレッサ80からは、配管81、ガス供給弁
82、配管83,84、伸縮導管78およびガス連通管
75を通じて浮子室70内に加圧ガスが供給される。ま
た、ガス供給弁82の二次配管83からは大気に連通す
る配管85が分岐され、この配管85に、大気開放弁8
6および絞り弁87が配設されている。
【0077】図13に示す塞止め状態においては、浮子
71,74、圧接子23、側板30等の自重および連通
管73を通じて浮子71内に導入された水90の重量に
よって圧接子23に加わる時計方向の回転モーメント
と、浮子71,74および水圧による反時計方向の回転
モーメントとをバランスさせて、堰部材である浮子71
がそのイ−ロで示す上端部を水上に突出させた塞止め位
置に静止するように構成されている。
【0078】すなわち、この構成では、大気開放弁86
を閉じ、ガス供給弁82を開くと、加圧ガスがガス連通
管75を通じて浮子室70内に供給され、浮子室70内
に充満すると、その圧力で、浮子室70内の水が連通管
73を通じて処理池10に放出される。そして、ガス供
給弁82を閉じると、浮子室70内に充満したガスは、
そのガス圧が処理池10の水圧とバランスするまで圧縮
され、ガスは浮子室70内に閉じ込められる。
【0079】次に、時間当たりのガス放出度合が極めて
少なくなるように絞り弁87で規制された状態で大気開
放弁86を開くと、浮子室70内のガスはそのガス圧に
よって大気に開放されて放出され、ガス圧が低下するか
ら、処理池10の水が連通管73を通じて浮子室70内
に導入される。そして、大気開放弁86を僅かな所定時
間開いた後に閉じると、水は図13に90で示す位置ま
で導入され、上述した浮力と自重とのバランスが図られ
て、堰部材である浮子71はその塞止め位置に静止した
状態で保持される。
【0080】なお、上述では、浮子室70内に僅かな水
を導入してバランスさせているが、浮子室70内にガス
のみを充満させてバランスさせるようにしてもよい。
【0081】次に、このように堰部材である浮子71が
その塞止め位置に保持された状態で、大気開放弁86を
開くと、浮子室70内に処理池10の水が導入されるか
ら、可動部分のモーメントバランスが崩れ、浮子71は
右方向に傾動し始める。そして、水が図14に91で示
す位置に達すると、水がガス連通管75の下端の孔75
aを塞ぎ、浮子室70の大気との連通が遮断されるか
ら、浮子室70内のガスは全てが大気中に放出されるこ
となく、浮子室70内に残存する。
【0082】この時点での、堰部材である浮子71と、
補助浮子74の位置が図14に示されており、浮子71
のイで示す部分はすでに水没しているが、浮子74のヘ
で示す部分は水面に突出した状態にある。この状態で、
浮子室70内への水の流入による浮力の減少量と、浮子
74の水没部分の増大による浮力の増大量とがバランス
して、浮子71のこれ以上の沈下が規制されて所定の水
没位置に静止状態で保持されることになり、スカムを含
んだ汚水が汚水誘引口16を通じて樋部材15内へ流入
して、スカムが除去される。
【0083】次に、大気開放弁86を閉じ、ガス供給弁
82を開いて、浮子室70内へ再度加圧ガスを供給し
て、堰部材である浮子71を図13に示す塞止め位置に
戻すが、ガス供給弁82と、大気開放弁86とは、所定
時間毎に相関して電気的に開閉するように制御されるこ
とが好ましい。
【0084】本実施例は上述のような構成と動作態様を
有するものであるが、堰部材である浮子71の沈下を規
制する手段は上述に限定されるものではなく、例えば図
示しないストッパに浮子71を当接させて浮子71の沈
下を規制してもよい。
【0085】なお、圧接子23の両端部に突起23aを
突設し、この突起23aを、シール板32に形成した穴
に嵌挿したのは、例えば浮子71の傾動速度等を調整す
る際に、絞り弁87の絞り具合を誤って、浮子71を急
激に沈下させてしまった場合等において、そのショック
で圧接子23がシート部材26上から離れて落下するの
を防止するためでもある。
【0086】また、本実施の形態では、浮子71自体に
よって堰部材が構成されているが、第1および第2の実
施の形態にける堰部材22に浮子71を付設した構成と
することもできる。さらに、補助浮子74を省略するこ
ともできる。
【0087】本実施の形態によれば、機械的な駆動手段
が設置されていない処理池であっても、処理施設に必然
的に設置される圧搾空気源を用いて、簡単な構成で堰部
材を塞止め位置と水没位置との間で往復動させることが
できるという利点を有するものであり、また浮子室70
内に残存するガス量を調節することが可能であるため
に、堰部材の水没深さや水没時間を任意に変更すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスカムスキマーの第1の実施の形
態の全体構成を示す概略的側面図
【図2】その要部の正面図
【図3】図2のA−A線に沿った断面図
【図4】図3の要部の拡大断面図
【図5】図2のB−B線に沿った断面図
【図6】図5の要部の拡大断面図
【図7】図4に示す圧接子を軸とした堰部材の揺動を可
能にする構造の変形を示す説明図
【図8】図4に示す圧接子を軸とした堰部材の揺動を可
能にする構造の変形を示す説明図
【図9】図4に示す圧接子を軸とした堰部材の揺動を可
能にする構造の変形を示す説明図
【図10】図4に示す圧接子を軸とした堰部材の揺動を
可能にする構造の変形を示す説明図
【図11】本発明によるスカムスキマーの第2の実施の
形態の全体構成を示す概略的側面図
【図12】その要部の拡大断面図
【図13】本発明によるスカムスキマーの第3の実施の
形態の全体構成をその堰部材が塞止め位置にある状態を
示す断面図
【図14】その堰部材が水没位置にある状態を示す断面
【図15】従来技術に係わる堰部材の枢支構造を示す断
面図
【図16】従来技術に係わる堰部材の枢支構造を示す断
面図
【符号の説明】
10 処理池 11 スプロケット 13 スカム掻寄せ板 14 エンドレスチェーン 15 樋部材 16 汚水誘引口 17 水面 22 堰部材 23 圧接子 25 V字溝 26 シート部材 30 側板 32 シール板 37,57 リンク部材 40,60 駆動アーム 44 ガイドローラ 49 ストッパ 50 ストライカ 70 浮子室 71 浮子(堰部材) 73 連通管(連通手段) 74 補助浮子 75 ガス連通管 78 伸縮導管 80 コンプレッサ 82 ガス供給弁 86 大気開放弁 87 絞り弁

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面に浮遊しているスカムを水とともに
    誘引する汚水誘引口を備えて処理池内に延設された長尺
    の樋部材と、該樋部材の前記汚水誘引口に対向して配さ
    れ、上縁部を水面上に突出させて前記汚水誘引口から前
    記樋部材内への汚水の流入を阻止する塞止め位置と前記
    上縁部を水没させて前記汚水誘引口から前記樋部材内へ
    の汚水の流入を許容する水没位置との間で移動可能に延
    設された長尺の堰部材と、該堰部材を前記塞止め位置と
    前記水没位置との間で往復動させる堰部材駆動手段とを
    備えたスカムスキマーにおいて、 前記樋部材に、該樋部材の前記汚水誘引口に沿って延び
    る長尺のシート部材が固設され、 前記堰部材に、長尺の圧接子が前記堰部材の下端縁に沿
    って一体に密着固定され、 前記圧接子の下端部が、前記圧接子と前記シート部材と
    の間の境界面を水封する態様で前記堰部材および前記圧
    接子の自重によって前記シート部材の上面に圧接され、
    これにより前記堰部材が、前記塞止め位置と前記水没位
    置との間で揺動自在に前記シート部材上に支持されてい
    ることを特徴とするスカムスキマー。
  2. 【請求項2】 前記圧接子の少なくとも下端部の外周面
    が、下方に凸の円弧状断面形状を有することを特徴とす
    る請求項1記載のスカムスキマー。
  3. 【請求項3】 前記シート部材がその上面に、前記圧接
    子を枢支する溝を備えていることを特徴とする請求項2
    記載のスカムスキマー。
  4. 【請求項4】 前記シート部材の上面が、上方に凸の円
    弧状断面形状を有し、前記圧接子がその下面に、前記シ
    ート部材の前記上面に枢支される溝を備えていることを
    特徴とする請求項1記載のスカムスキマー。
  5. 【請求項5】 前記堰部材駆動手段が、一端をリンク部
    材を介して前記堰部材の上部に連結されかつ中間部を枢
    支されて第1の位置と第2の位置との間で揺動可能な駆
    動アームを備え、該駆動アームが、前記第1の位置にお
    いて前記堰部材を前記塞止め位置に保ち、前記第2の位
    置において前記堰部材を前記水没位置に保つように構成
    されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1項記載のスカムスキマー。
  6. 【請求項6】 チェーン等により循環駆動されるストラ
    イカが前記処理池に設けられ、前記駆動アームが、その
    他端に対する前記ストライカの係合に伴って前記第1の
    位置から前記第2の位置に揺動され、かつ前記他端に取
    り付けられたカウンターウエイトの作用によって、前記
    第2の位置から前記第1の位置に揺動されることを特徴
    とする請求項5記載のスカムスキマー。
  7. 【請求項7】 前記駆動アームが水面よりも上方にほぼ
    水平に延設され、該駆動アームが、前記カウンターウエ
    イトの作用と該駆動アームの一端に対するストッパの当
    接とによって、前記第1の位置に保持されることを特徴
    とする請求項6記載のスカムスキマー。
  8. 【請求項8】 前記駆動アームが水面下にほぼ垂直に延
    設され、該駆動アームが、前記カウンターウエイトの作
    用によって、前記前記第1の位置に保持されることを特
    徴とする請求項6記載のスカムスキマー。
  9. 【請求項9】 水面に浮遊しているスカムを水とともに
    誘引する汚水誘引口を備えて処理池内に延設された長尺
    の樋部材と、該樋部材の前記汚水誘引口に対向して配さ
    れ、上縁部を水面上に突出させて前記汚水誘引口から前
    記樋部材内への汚水の流入を阻止する塞止め位置と前記
    上縁部を水没させて前記汚水誘引口から前記樋部材内へ
    の汚水の流入を許容する水没位置との間で移動可能に延
    設された長尺の堰部材と、該堰部材を前記塞止め位置と
    前記水没位置との間で往復動させる堰部材駆動手段とを
    備えたスカムスキマーにおいて、 前記堰部材が、内部を前記処理池内の水と連通させる連
    通手段を下部に形成した浮子を備え、 前記堰部材駆動手段が、前記浮子内に加圧ガスを供給し
    て該浮子内の水を前記連通手段を通じて処理池に放出し
    て該浮子を浮上させることにより前記堰部材を前記塞止
    め位置に移動させ、かつ前記浮子内のガス圧を減じて該
    浮子内に前記連通手段を通じて水を導入し該浮子を沈下
    させることにより前記堰部材を前記水没位置に移動させ
    るように構成された加圧ガス制御手段からなることを特
    徴とするスカムスキマー。
  10. 【請求項10】 前記堰部材が前記浮子自体によって構
    成されていることを特徴とする請求項9記載のスカムス
    キマー。
  11. 【請求項11】 前記堰部材に前記浮子が付設されてい
    ることを特徴とする請求項9記載のスカムスキマー。
  12. 【請求項12】 前記樋部材に、該樋部材の前記汚水誘
    引口に沿って延びる長尺のシート部材が固設され、 前記堰部材に、長尺の圧接子が前記堰部材の下端縁に沿
    って一体に密着固定され、 前記圧接子の下端部が、前記圧接子と前記シート部材と
    の間の境界面を水封する態様で前記堰部材および前記圧
    接子の自重によって前記シート部材の上面に圧接され、
    これにより前記堰部材が、前記塞止め位置と前記水没位
    置との間で揺動自在に前記シート部材上に支持されてい
    ることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項
    記載のスカムスキマー。
  13. 【請求項13】 前記圧接子の少なくとも下端部の外周
    面が、下方に凸の円弧状断面形状を有することを特徴と
    する請求項12記載のスカムスキマー。
  14. 【請求項14】 前記シート部材がその上面に、前記圧
    接子を枢支する溝を備えていることを特徴とする請求項
    13記載のスカムスキマー。
  15. 【請求項15】 前記シート部材の上面が、上方に凸の
    円弧状断面形状を有し、前記圧接子がその下面に、前記
    シート部材の前記上面に枢支される溝を備えていること
    を特徴とする請求項12記載のスカムスキマー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009291728A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Maezawa Ind Inc スカム除去装置
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