JP2001000010A - 植物の種子処理剤及び種子処理方法 - Google Patents
植物の種子処理剤及び種子処理方法Info
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Abstract
酸エステル、N-アシル-5-アミノレブリン酸、N-アシル-
5-アミノレブリン酸エステル及びそれらの塩から選ばれ
る1種又は2種以上の化合物を有効成分とする植物の種
子処理剤、並びに当該処理剤を植物種子に接触させる植
物の種子処理方法。 【効果】 この種子処理剤で植物の種子を処理すること
により、通常の種子はもとより経年種子、難発芽性種子
の発芽率を向上させ、また耐塩性あるいは耐冷性を向上
させることができる。これらの結果、種子や苗の歩留ま
りが改善され、作物生産のコストを低減することができ
る。
Description
び種子処理方法に関し、より詳しくは5-アミノレブリン
酸類を有効成分とする種子処理剤、並びに当該種子処理
剤を用いた発芽率、耐塩性、耐冷性を向上させる植物の
種子処理方法に関する。
ノレブリン酸類は植物の光合成を促進し、生長や耐塩性
を向上させる物質として知られており(特許第2613136
号公報,特許第2896963号公報)、通常植物に茎葉処理
したり根部から吸収させたりして用いられている。しか
し、5-アミノレブリン酸類の発芽前の種子に対する作用
は、必ずしも明らかでなかった。
ニーズは大きく、例えば種子の発芽率や発芽勢は、種子
及び苗の歩留まり、作物の生育、収穫量等に大きく反映
されるため、従来、いろいろな角度からの改善手段が検
討されてきた。薬剤や物理的な処理で種皮に傷を付け、
発芽率を高めるいわゆるプライミング処理は通常採用さ
れている手法であるが、効果が十分でなく、幾つかの改
善法が提案されている。公知の例を挙げるならば、水分
に関しては、水性ゲル被覆種子を高浸透圧水溶液に浸漬
して脱水させることにより、発芽率と長期保存安定性を
向上させる方法(特開平09-023710号公報)など、酸素
濃度に関しては、オゾン水や酸素供給剤を使用する方法
(特開平09-233911号公報,特開平05-211808号公報)な
ど、そのほかジベレリン等の植物ホルモンを用いる方法
(特開平10-229708号公報,特開平08-009711号公報)な
どが提案されている。しかしながら、これらの方法によ
る処理の効果も未だ十分でなく、また、その実施に当た
って特別な設備が必要であったり、大量に使用する場合
に薬剤の操作が難しかった。
施肥などによる塩害が世界的な問題になっている。塩害
の克服には、排水の改善、土壌の水洗、客土等の土木工
事が主な解決法とされているが、コストや資源的な要因
により適用範囲は限られている。
播きを推進する動きがあるが、従来の苗代にて育苗し田
植えをする栽培法に比べ、春先の低温期の播種となるた
め、植物の耐冷性の向上が課題になっている。
服するための種子処理剤及び種子処理方法の開発が切に
求められていた。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、5-アミノレブリン酸
類により未発芽の植物種子を処理すれば、驚くべきこと
に、種子発芽率、耐塩性、耐冷性等を向上させることが
できることを見出した。すなわち、前述のように5-アミ
ノレブリン酸類が生理的に活動している植物体に対し様
々な生理活性を示すことは知られていたが、生理的に休
眠状態にある種子を処理することによって種子の発芽率
のみならず発芽後の植物体に対しても生理活性を示すこ
とは、必ずしも明らかでなかった。本発明は、以上のよ
うな知見に基づき完成されたものである。
5-アミノレブリン酸エステル、N-アシル-5-アミノレブ
リン酸、N-アシル-5-アミノレブリン酸エステル及びそ
れらの塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物を有効
成分とする植物の種子処理剤、並びに植物種子を当該処
理剤と接触させることを特徴とする植物の種子処理方法
を提供するものである。
成分である5-アミノレブリン酸、5-アミノレブリン酸エ
ステル、N-アシル-5-アミノレブリン酸、N-アシル-5-ア
ミノレブリン酸エステル及びそれらの塩は、公知の化合
物である。
えば置換基を有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖の又
は環状構造を有する炭素数1〜24のアルキルエステルが
挙げられる。このアルキル基が有してもよい置換基とし
ては、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、フェニル基
等が挙げられる。このような置換基を有していてもよい
アルキル基の好ましい例としては、例えばメチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、
n-オクチル基、n-ノニル基、n-ドデシル基、n-ヘキサデ
シル基、ベンジル基、フォネチル基、3-フェニルプロピ
ル基、ヒドロキシエチル基、エトキシエチル基等を挙げ
ることができる。
-アミノレブリン酸のアミノ基が、例えば炭素数1〜24
のアルカノイル基、芳香族アシル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基等のアシル基でアシル化された化合物が挙げ
られる。好ましいアシル基の具体例としては、例えばア
セチル基、n-プロパノイル基、n-ブタノイル基、n-ペン
タノイル基、n-ヘキサノイル基、n-ノナノイル基、ベン
ジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
しては、上記のエステル基とアシル基と同じ基を有する
ものが例示される。好ましくはメチルエステル基とホル
ミル基、メチルエステル基とアセチル基、メチルエステ
ル基とn-プロパノイル基、メチルエステル基とn-ブタノ
イル基、エチルエステル基とホルミル基、エチルエステ
ル基とアセチル基、エチルエステル基とn-プロパノイル
基、エチルエステル基とn-ブタノイル基の組合わせが挙
げられる。
しては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸
塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸
塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、
乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸
塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレ
イン酸塩、リンゴ酸塩等の酸付加塩、及びナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩、アンモニウ
ム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。なお、
これらの塩は使用時において水溶液又は粉体として用い
られ、その作用は5-アミノレブリン酸の場合と同一であ
る。
はそれらの塩は、水和物又は溶媒和物を形成していても
よく、またいずれかを単独で、又は2種以上を適宜組合
わせて用いることができる。
成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの方法
によっても製造することができる。また前記5-アミノレ
ブリン酸の誘導体又はその塩は、例えば特開平4-9360号
公報等に記載された公知の化学合成法によって製造する
ことができる。微生物又は酵素による生産物や化学合成
法による粗精製物は、植物に対して有害な物質を含まな
い限り、分離精製することなくそのまま用いることがで
きる。
ン酸、その誘導体又はそれらの塩以外に、必要に応じ、
他の植物生長調節剤、糖類、アミノ酸、有機酸、ビタミ
ン、ミネラル等を配合することができる。
ては、例えば、エピブラシノライド等のブラシノライド
類、塩化コリン、硝酸コリン等のコリン剤、インドール
酪酸剤、インドール酢酸剤、エチクロゼート剤、1-ナフ
チルアセトアミド剤、イソプロチオラン剤、ニコチン酸
アミド剤、ヒドロキシイソキサゾール剤、過酸化カルシ
ウム剤、ベンジルアミノプリン剤、メタスルホカルブ
剤、オキシエチレンドコサノール剤、エテホン剤、クロ
キンホナック剤、ジベレリン剤、ストレプトマイシン
剤、ダミノジット剤、ベンジルアミノプリン剤、4-CPA
剤、アンシミドール剤、イナベンフィド剤、ウニコナゾ
ール剤、クロルメコート剤、ジケブラック剤、ダミノジ
ット剤、メフルイジド剤、炭酸カルシウム剤、ピペロニ
ルブトキシド剤等を挙げることができる。なお、ここで
いう「〜剤」とは、「〜を含む薬剤」を意味する。
ース、キシリトール、ソルビトール、ガラクトース、キ
シロース、マンノース、アラビノース、マジュロース、
リボース、ラムノース、フラクトース、マルトース、ラ
クトース、マルトトリオース等が挙げられる。
グルタミン、ヒスチジン、チロシン、グリシン、アルギ
ニン、アラニン、トリプトファン、メチオニン、バリ
ン、プロリン、ロイシン、リジン、イソロイシン等を挙
げることができる。
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、フタル酸、安息
香酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、
コハク酸、グリコール酸、グルタミン酸、アスパラギン
酸、マレイン酸、カプロン酸、カプリル酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ピルビン酸、α−ケ
トグルタル酸、レブリン酸等を挙げることができる。
ミド、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB5、ビタ
ミンC、ビタミンB13、ビタミンB1、ビタミンB3、ビ
タミンB2、ビタミンK3、ビタミンA、ビタミンD2、
ビタミンD3、ビタミンK1、α−トコフェロール、β−
トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロ
ール、p−ヒドロキシ安息香酸、ビオチン、葉酸、ニコ
チン酸、パントテン酸、α−リポニック酸等を挙げるこ
とができる。
ム、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、鉄、モリブデン、マ
グネシウム等を挙げることができる。
剤、粒剤、液剤等が挙げられ、これらは溶剤、分散媒、
増量剤等を適宜用い、常法に従って製造することができ
る。そのほか、コーティング基材に混合し種子コーティ
ング剤として用いることもできる。
等の物理処理法や、酸化剤、酸、アルカリ等による化学
薬剤処理との組み合わせで効果をより高めることもでき
る。
に吸水させて使用する場合は、たとえば、種子全体を溶
液に浸漬する方法や、ろ紙、スポンジなどの吸収体に浸
透させその上で吸収させるなどの方法がある。また、苗
床に播種したあとに土壌処理用(土壌処理剤)として灌
水施用してもよい。この場合の5-アミノレブリン酸、そ
の誘導体又はそれらの塩の濃度は、5-アミノレブリン酸
換算で、0.01〜1000ppm(wt/wt)、特に0.1〜100ppm(wt/w
t)が好ましい。
る場合の5-アミノレブリン酸又はその塩及びその誘導体
の処理量は、5-アミノレブリン酸換算で、種子1kg当た
り0.01〜1000mg、特に0.1〜100mgが好ましい。
限定されないが、例えばイネ、大麦、小麦、ヒエ、トウ
モロコシ、アワ等の穀物類;カボチャ、カブ、キャベ
ツ、ダイコン、ハクサイ、ホウレンソウ、ピーマン、ト
マト、春菊等の野菜類;ミカン、リンゴ、カキ、ウメ、
ナシ、ブドウ、モモ等の果樹類;キク、ガーベラ、パン
ジー、ラン、シャクヤク、チューリップ、オダマキ、シ
クラメン等の花卉類;サツキ、クヌギ、スギ、ヒノキ、
ナラ、ブナ等の樹木類;アズキ、インゲン、大豆、ラッ
カセイ、ソラマメ、エンドウ等の豆類;コウライシバ、
ベントグラス、ノシバ等の芝類;ジャガイモ、サツマイ
モ、サトイモ、ヤマイモ、タロイモ等のイモ類;ネギ、
タマネギ、ラッキョウ等のネギ類;アルファルファ、ク
ローバー、レンゲ等の牧草類等、ワタ、麻、ケナフ等の
繊維用植物、タバコ、ケシ等が挙げられる。
剤、耐塩性向上剤、耐冷性向上剤等として使用すること
ができる。
として使用する場合、通常の種子はもとより経年種子、
難発芽性種子の発芽率向上により、種子、苗の歩留まり
を改善することができる。
として使用する場合、本発明の種子処理剤はそれぞれの
植物種が持つ耐塩性を向上させるものであるので、耐塩
性の高い種、品種に適用した場合に、より高い耐塩性向
上効果を得ることができる。
使用する場合、本発明の種子処理剤はそれぞれの植物種
が持つ耐冷性を向上させるものであるので、耐冷性の高
い種、品種に適用した場合に、より高い耐冷性向上効果
を得ることができる。
下での発芽率向上、塩性土壌条件下での耐冷性向上、発
芽時及び発芽後の耐塩性・耐冷性向上等、複数の効果が
同時に得られることも期待できる。
要な前駆体であるが、通常種子の中に5-アミノレブリン
酸として蓄積、貯蔵されておらず、グルタミン酸、デン
プン等の種子内成分から生合成により誘導されるといわ
れている。経年種子、塩性土壌条件、低温条件等ではこ
の生合成活性が低下し5-アミノレブリン酸の供給が不十
分となり、5-アミノレブリン酸を前駆体とするヘム等に
代表される重要な生理活性物質の供給が不足するのでは
ないかと推定されている。
表面の水との親和性を高め種子の吸水を促進する効果
や、吸水により取り込まれた5-アミノレブリン酸、その
誘導体又はそれらの塩が、葉緑素やヘムの成分として有
効に利用されることによるものと推定される。
が、これらは単に例示の目的で掲げられるものであっ
て、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
20℃保存:サカタのタネ社製)の発芽率に及ぼす5-アミ
ノレブリン酸の影響をみるため、農水省農産園芸局種苗
課「野菜種子発芽試験法」に準じ発芽試験を実施した。
すなわち、φ90mm滅菌浅型シャーレにφ70mmのろ紙(N
o.2)を敷き、3mlの被検液を加え、ほうれん草種子100
粒を撒き昼夜22℃遮光条件下栽培した。被検液は0、0.
1、1、10、50、及び100ppm(wt/wt)の5-アミノレブリン
酸塩酸塩水溶液を用いた。8日後の発芽率を表1に示し
た。
ン酸塩酸塩処理によりホウレンソウ種子の発芽率が向上
した。
JA経済連)の発芽率に及ぼす5-アミノレブリン酸の影響
をみるため、実施例1と同様の方法で発芽試験を実施し
た。8日後の発芽率を表2に示した。
ン酸塩酸塩処理により玉葱種子の発芽率が向上した。
社製)の発芽率に及ぼす5-アミノレブリン酸の影響をみ
るため、実施例1と同様の方法で発芽試験を実施した。
8日後の発芽率を表3に示した。
ン酸塩酸塩処理により葱種子の発芽率が向上した。
タのタネ社製)の発芽率に及ぼす5-アミノレブリン酸の
影響をみるため、実施例1と同様の方法で発芽試験を実
施した。8日後の発芽率を表4に示した。
ン酸塩酸塩処理により春菊種子の発芽率が向上した。
社製)の発芽率に及ぼす5-アミノレブリン酸の影響をみ
るため発芽試験を実施した。すなわち、φ55mm滅菌浅型
シャーレにろ紙(NRK ROTO 40TYPE No.704×40m/m)を
敷き、純水又は10ppm(wt/wt)の5-アミノレブリン酸水溶
液1mlを加え、オダマキ種子25粒を撒き昼夜15℃遮光条
件下17時間浸漬した。その後培土を満たしたバットに播
種、温室内で通常に管理した。播種後の日数と発芽率を
表5に示した。
ン酸処理によりオダマキ種子の発芽率が向上し、また同
じ発芽率に達するまでの日数が短縮した。また、発芽も
揃っていることがわかる。このことから、経年種子でな
くても難発芽性で発芽までに日数のかかる種子について
も5-アミノレブリン酸処理が効果的であることがわか
る。
1ミニドレッシーミックス:サカタのタネ社製)を用
い、被検液の容量を2mlとした以外は実施例5と同様に
実施した。播種後の日数と発芽率を表6に示した。
ン酸処理によりシクラメン種子の発芽率が向上し、また
同じ発芽率に達するまでの日数が短縮した。また、発芽
も揃っていることがわかる。このことから、経年種子で
なくても難発芽性で発芽までに日数のかかる種子につい
ても5-アミノレブリン酸処理が効果的であることがわか
る。
社製)100粒を各被検液に5時間浸漬しその後培養土を
満たしたバットに播種し15℃の恒温器で暗条件下1週間
栽培した。被検液は純水並びに1及び10ppm(wt/wt)の5-
アミノレブリン酸水溶液を用いた。1週間後の発芽率を
表7に示す。
ン酸処理はトウモロコシ種子の発芽率向上に有効であっ
た。
吸収させ、実施例7と同様の種子を50粒おき、そのまま
巻いて輪ゴム止めし、15℃の恒温槽に暗条件下1週間置
き、1週間後に発芽した種の数を調べた(ロール法)。
被検液は純水並びに1及び10ppm(wt/wt)の5-アミノレブ
リン酸水溶液を用いた。1週間後の発芽率を表8に示
す。
5-アミノレブリン酸処理は発芽率向上に効果があること
がわかる。
し、直ちに培養土を満たしたバットに播種した。バット
を人工気象室(日中22℃,夜間18℃)で1週間管理し
た。被検液は純水並びに1及び10ppm(wt/wt)の5-アミノ
レブリン酸水溶液を用いた。1週間後の発芽率を調べ
た。
よっても発芽率が向上することがわかる。
トに播種し、500gの培土を覆土し、純水又は10ppm(wt/w
t)の5-アミノレブリン酸水溶液100mlを潅水処理した。
その後、人工気象室(日中22℃,夜間18℃)で11日間管
理し、その後8日間温室で通常の管理を行った。播種後
19日目に発芽率と発芽勢を調べた。なお、実験は各区2
反復とした。結果を表10に示す。
る効果があることがわかる。また、発芽率だけでなく発
芽後の発芽勢向上にも効果があることがわかる。発芽し
た1本当たりの発芽勢も向上していることから、発芽勢
の向上は発芽率向上のみでなく発芽した芽に対する効果
との相乗効果であることがわかる。
wt)の5-アミノレブリン酸水溶液に一昼夜浸漬した後、
ペーパータオルにて水切りし、風乾した。1週間後、こ
の種子を常法に従いスポルタック1000倍液で一昼夜種子
消毒し、催芽処理を行い、常法に従って調製した1/5000
a水田ポットに100粒/m2の割合で1cmの深度で播種し
た。このポットをインキュベーター内に置き、落水条件
下、気温10℃、12時間暗条件、12時間明条件(5,000lu
x)で1週間栽培し、低温下における出芽率を測定し
た。この結果を表11に示す。
ン酸処理によりイネ種子の発芽耐冷性が向上した。
に耐冷性試験を実施し、出芽率を測定した。この結果を
表12に示す。
ン酸処理によりイネ種子の発芽耐冷性が向上した。これ
らの結果から5-アミノレブリン酸の種子処理は冷害が問
題になる早春の水田湛水直播きに有効であると推察でき
る。
は実施例11と同様に耐冷性試験を実施し、栽培20日後の
出芽率、出芽した苗の草丈、葉数、地上部乾物重を測定
した。この結果を表13に示す。
ン酸処理は低温条件下においてイネ種子の発芽率のみな
らず、発芽後の生育にもプラスの効果を示しており、総
合的な耐冷性の向上に有効である。
0、300、1000及び3000ppm(wt/wt)の5-アミノレブリン酸
水溶液を、霧吹きにて種子重量1kg当たりそれぞれ20ml
噴霧し、風乾した。この5-アミノレブリン酸を処理した
種子を、塩化ナトリウムを土壌重量比当たり0、0.05、
0.1、0.2及び0.4%添加して十分に混和した土壌を充填
した小型コンテナ(2700cm3)に各条件6粒播種し、温
室中で通常の栽培を行った。播種後10日、20日及び30日
の時点での生育の状況を観察し、塩濃度0%(無処理)
を0、完全枯死を5とした相対評価を行った。同時に、
各時点での生育している本数とその生体についての葉
齢、草丈の平均、播種30日目の地上部生重量、地下部生
重量及び根長を測定した。この測定結果を表14に示す。
ン酸の種子処理により、塩害の程度を示す指数は改善
し、塩条件下の発芽率の向上や初期生育の促進が見ら
れ、耐塩性向上効果が示された。
いる以外は実施例14と同様に耐塩性試験を実施し、実施
例14と同様の測定を行った。この測定結果を表15に示
す。
ン酸の種子処理により、塩害の程度を示す指数は改善
し、塩条件下の発芽率の向上や初期生育の促進が見ら
れ、耐塩性向上効果が示された。
莢)を用いる以外は実施例14と同様に耐塩性試験を実施
し、実施例14と同様の測定を行った。この測定結果を表
16に示す。
ン酸の種子処理により、塩害の程度を示す指数は改善
し、塩条件下の発芽率の向上や初期生育の促進が見ら
れ、耐塩性向上効果が示された。なお、ソラマメは耐塩
性が弱く5-アミノレブリン酸を処理した種子であっても
0.4%土壌塩分試験区では全く生育していない。
いる以外は実施例14と同様に耐塩性試験を実施し、30日
目の地下部生重量、根長の測定以外は実施例14と同様の
測定を行った。測定結果を表17に示す。
ン酸の種子処理により、塩害の程度を示す指数は改善
し、塩条件下の発芽率の向上や初期生育の促進が見ら
れ、耐塩性向上効果が示された。
れらの塩で植物の種子を処理することにより、通常の種
子はもとより経年種子、難発芽性種子の発芽率を向上さ
せ、また耐塩性あるいは耐冷性を向上させることができ
る。これらの結果、種子や苗の歩留まりが改善され、作
物生産のコストを低減することが可能になる。
Claims (8)
- 【請求項1】 5-アミノレブリン酸、5-アミノレブリン
酸エステル、N-アシル-5-アミノレブリン酸、N-アシル-
5-アミノレブリン酸エステル及びそれらの塩から選ばれ
る1種又は2種以上の化合物を有効成分とする植物の種
子処理剤。 - 【請求項2】 植物種子の発芽率向上剤である請求項1
記載の種子処理剤。 - 【請求項3】 植物の耐塩性向上剤である請求項1記載
の種子処理剤。 - 【請求項4】 植物の耐冷性向上剤である請求項1記載
の種子処理剤。 - 【請求項5】 請求項1記載の種子処理剤を植物種子に
接触させることを特徴とする植物の種子処理方法。 - 【請求項6】 植物種子の発芽率向上処理方法である請
求項5記載の種子処理方法。 - 【請求項7】 植物の耐塩性向上処理方法である請求項
5記載の種子処理方法。 - 【請求項8】 植物の耐冷性向上処理方法である請求項
5記載の種子処理方法。
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