JP2000516214A - 化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進 - Google Patents

化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進

Info

Publication number
JP2000516214A
JP2000516214A JP10508075A JP50807598A JP2000516214A JP 2000516214 A JP2000516214 A JP 2000516214A JP 10508075 A JP10508075 A JP 10508075A JP 50807598 A JP50807598 A JP 50807598A JP 2000516214 A JP2000516214 A JP 2000516214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epithelial tissue
cmt
activity
collagen
tetracycline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10508075A
Other languages
English (en)
Inventor
ヌンガヴァラム エス ラママーティー
ローン エム ゴーループ
トーマス エフ マクナマラ
Original Assignee
ザ リサーチ ファウンデーション オブ ステイト ユニヴァーシティ オブ ニューヨーク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ リサーチ ファウンデーション オブ ステイト ユニヴァーシティ オブ ニューヨーク filed Critical ザ リサーチ ファウンデーション オブ ステイト ユニヴァーシティ オブ ニューヨーク
Publication of JP2000516214A publication Critical patent/JP2000516214A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/42Use of materials characterised by their function or physical properties
    • A61L15/44Medicaments
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/65Tetracyclines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2300/00Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
    • A61L2300/40Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
    • A61L2300/404Biocides, antimicrobial agents, antiseptic agents
    • A61L2300/406Antibiotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2300/00Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
    • A61L2300/40Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
    • A61L2300/41Anti-inflammatory agents, e.g. NSAIDs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2300/00Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
    • A61L2300/40Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
    • A61L2300/412Tissue-regenerating or healing or proliferative agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 急性外傷に対する上皮組織(例えば皮膚、粘膜)の治癒応答を改良する方法を開示する。その方法には、実質的に抗菌活性を有さないテトラサイクリン化合物を用いて、上皮組織の急性創傷治癒能力を改良することが含まれる。具体的には、その方法は、固体における創傷治癒に関連する、治癒上皮組織上のコラーゲン堆積の速度を増加させることを包含される。その方法では、テトラサイクリン化合物により、上皮組織におけるタンパク分解活性を低減させ、一般に、膠原溶解活性及び/又はゼラチン分解活性を低減させる。コラゲナーゼ及びゼラチナーゼ活性が、本発明の方法により低減されることが示された。好ましくは、その方法を用いて、創傷治癒能力に障害を有するヒト又は動物被験体の該能力を改良する。また、非抗菌性テトラサイクリンは、好ましくは、創傷の部位に局所投与する。

Description

【発明の詳細な説明】 化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進 発明の背景 本発明は、創傷治癒を促進するためにテトラサイクリンを用いる方法に関する ものである。具体的には、本発明は、急性の(acute)又は非慢性的創傷の治癒に 障害がある被験体においてそのような治癒を強化するための、化学的に修飾され たテトラサイクリンを使用する方法に関するものである。 創傷治癒の医学的重要性は、誇張されるべきでない。微生物的又は他の物理的 薬剤又は化学的薬剤により外傷、手術及び創傷を克服することを可能にする際、 治癒能力はヒトを中心とするものとされる。伝統的に、創傷治癒を妨げる主なも のは、バクテリア又は他の微生物による感染であると理解されている。このため 、感染に対する化学的及び物理的障壁が考えられ、実施されている。化学的障壁 には、Listerらにより開発された一般的な防腐剤及び方法が含まれる。微生物の 化学的阻害は、局所適用可能であり、また、ヒト及び動物に対して種々の全身的 ルートで投与可能な抗生物質の出現により新しい時代に突入した。対照的に物理 的障壁は、微生物源を攻撃せず、それらの創傷への物理的アクセスを制御し、創 傷を感染から防ぎ、創傷の再発生(re-injury)から保護する。抗生物質を外傷用 医薬材料(wounddressing)に導入することなどによる化学的及び物理的障壁の併 用もされている。 抗生物質の特に有用な分類の1つは、テトラサイクリンである。テトラサイク リン、スポロサイクリン(sporocycline)などのそのような化合物は、幅広い種類 のバクテリアに対する有用性を有する広域抗生物質である。親化合物、テトラサ イクリンは、以下の一般構造式を有する。 多環核(multiple ring nucleus)のナンバリングシステム(numbering system) は以下のとおりである。 テトラサイクリン、並びに5-OH(テトラマイシン)及び7-Cl(オーレオマイシ ン)誘導体が、現存し、そのすべてが周知の抗生物質である。天然のテトラサイ クリンは、その構造のいくらかの要素が保持されるが、それらの抗生物質特性を 損失することなく修飾することができる。基本テトラサイクリン構造に対して行 っても又は行わなくてもよい修飾は、Mitscher(1978)により論評されている。Hi tscherによれば、テトラサイクリン環構造の5〜9位での修飾が、抗生物質特性 の完全な消失を引き起こすことなしになされ得る。しかしながら、環構造の基本 構造についての変更、即ち1〜4又は10〜12位の置換基の置換により、一般には 、抗菌活性(antibacterial activity)を実質的にほとんど有さないか又は本質的 に有さない合成テトラサイクリンが導かれる。例えば、4-デジメチルアミノテト ラサイクリンは、通常、非抗菌性テトラサイクリンであるとされている。 テトラサイクリン抗生物質の使用は、一般には、感染の治療に効果的であるが 、不本意な副作用を生じ得る。例えば、抗生物質テトラサイクリンの長期投与に より、腸内細菌叢などのヘルシーフローラ(healthy flora)を低減し又は取り除 くことができ、また、抗生物質抵抗性の生物体の生産、又は酵母及び菌類の過成 長が導かれ得る。 抗菌性テトラサイクリンは、経腸的に又は非経口的に投与することができ、ま た、細菌成長の阻害剤として局所的にも適用できる。そのような化合物、及び他 の抗生物質は、包帯などの物理的障壁と関連して使用されている。 Bergらの米国特許第4,841,962号には、外傷用医薬材料における、抗生物質及 び他のタイプの化学的薬剤の使用が記載されている。例えば、Bergらは、テトラ サイクリンを、創傷部位での放出のための、材料に接着されたコラーゲンマトリ ックス中に導入することを開示する。しかしながら、Bergらの文献には、抗生物 質の使用以外のためのテトラサイクリンの使用について記載も示唆もされていな い。また、創傷治癒における膠原分解の予防について開示するところがない。 外傷用材料中に導入される抗菌剤の他の例も、例えば、ヨウ素を含むコラーゲ ンゼラチン材料を記載したBentleyらの米国特許第5,081,106号から、また、安定 化塩素化合物を含むコラーゲン材料を記載するChvapilらの米国特許第5,227,168 号から知られている。 Ksanderらの米国特許第4,950,483号には、抗生物質又は他の生理活性剤(FGF 又はTGF-β等)を含んでいてもよい、コラーゲン原繊維から形成された移植可能 な創傷治癒マトリックスの使用が説明されている。Ksanderらは、マトリックス 自体が組織修復を促進するのに有用であることを示唆している。また、Chuらの 米国特許第5,024,841号及び第5,110,604号も参照されたい。他の米国特許明細書 (例えばMichaeliの米国特許第4,837,024号)には、コラーゲンを創傷に移植し て治癒を促進するための方法及び製品が開示されている。 創傷における細菌感染の予防も重要であるが、最もきれいな(cleanest)創傷で さえ、無傷の新組織を形成するための再形成がなされない場合には傷を残すので 、損傷組織の修復が本質的なものである。皮膚の創傷を修復させるのに包含され る方法は、有名な複雑なものである(1993年のClarkの文献を参照されたい)。い くらか異なるが一部重複する工程が含まれ、炎症、新しい組織形成、及び内在性 の結合組織細胞外マトリックス(ECM)の再モデリング(renlodeling)が含まれる 。新しい組織形成の工程は、バクテリアの侵入に対する皮膚の保護障壁を急速に 回復(reestablish)させるための再上皮化(reepithelialization)及び肉芽組織 の形成の工程、並びに組織の深くで生じかつ開始及び終了に時間のかかる多面的 工程(multi-facetedprocess)が含まれる。 コラーゲンは、皮膚中においてのみならず、骨、滑膜、眼、鍵、軟骨及び歯肉 などの他の組織においても、結合組織マトリックスの主要成分である。急性創傷 治癒の間のコラーゲン堆積及び蓄積は、肉芽組織形成の発生により開始され、マ トリックス再モデリングの広範な相にわたり継続される。しかしながら、創傷修 復工程における早期のコラーゲン除去は、創傷の創傷清拭(debridement)に本質 的なものであり、また、表皮の適切な再形成(reconstruction)のお膳立てをする の に本質的なものである。コラーゲン分解は、創傷が発生した直後に生成される、 哺乳類のコラゲナーゼ、良好に特徴付けされたマトリックスメタロプロテイナー ゼを介するものである(1995年の井上らの文献を参照されたい)。従って、膠原溶 解活性は、急性創傷修復の通常の特徴であると考えられる。確かに、一見すると 、普通でない高レベルのコラーゲン分解が、皮膚傷害から回復する組織の再モデ リング及び創傷清拭において有益であり得ることが明らかだろう。しかしながら 、コラゲナーゼの生成が過度となり得ると認められる。 近年、構造的に抗生物質テトラサイクリンに関連するが、化学的修飾によりそ れらの抗生物質活性が実質的に又は完全に消失した、新しいクラスの化合物が定 義された。化学的に修飾されたテトラサイクリン(CMT)として知られるこれら の化合物は、インビボでの過度の膠原溶解活性の抑制などの多くの興味深い特性 を有することが見出された(例えば、1991年のGolubらの文献;1996年のRyanらの 文献を参照されたい)。 慢性的創傷の治癒に役立つCMTの使用の示唆は、McNamaraらの米国特許第4,704 ,383号になされている。その中において、テトラサイクリンを、褥瘡性潰瘍、糖 尿病性潰瘍、及び表皮水泡症などの潰瘍性病変の治療の際に、皮膚に局所適用す ることができることが記載されている。そのような適用は、過度のコラゲナーゼ 活性が見出された条件においてそのような過度の活性の阻害剤としてのテトラサ イクリンの作用に関連する。McNamaraらの文献において記載された慢性潰瘍は、 過度の膠原溶解活性に帰因する、即ち該活性によるものの典型的なものである。 そのような潰瘍は、自然には、通常の治癒速度程度でなく、また、全く治癒され ないことも多い。明らかに、そのような条件下での長期間の抗生物質の使用によ っては、微生物阻害が重要な概念であるが、潰瘍化組織が修復される内在性の( 宿主の代謝の)メカニズムの促進が図られないとの観点で、治癒自体が不可能で ある。更に、過度の膠原溶解活性による創傷の治療において明らかに有用である が、McNamaraらの特許明細書からは、CMTが、他の原因により誘導される、急性 創傷において有用であるか否かは不明である。また、この文献には、膠原溶解活 性の阻害が、他のタイプの創傷において有益であり得るとの示唆もされていない 。 Scottらの米国特許第5,196,196号には、組織の再モデリング又は破壊の際に 包含される酵素(セリンプロテアーゼ)の活性を制御する手段としての、外傷用 医薬材料における、結合組織細胞から選択されたプロテアーゼ阻害薬の使用が開 示されている。しかしながら、そのような阻害剤には、それらの確認のためのリ コンビナント技術(recombinant technique)、及びそれらの生成のための複雑な 生物工学的工程が要求され、その製造費用が高い。 上記の観点から、現行の当該技術分野において、急性外傷の治癒を促進するた めの使用方法には、多くの制限がある。例えば、現行の当該技術分野においては 、裂傷、擦過傷、及び切開傷などの急性外傷の治癒に包含される生理学的工程を 促進するための十分な手段が提供されない。 従って、本発明の目的の1つは、急性の又は非慢性的創傷の治癒を促進する方 法を提供することにより、医学のプラクティスにおける上記制限を克服すること である。 発明の概要 これらの及ひ他の目的が、皮膚及び他の上皮又は粘膜組織における創傷治癒を 促進するための方法を提供する本発明により達成され得ることを見出した。その 方法には、皮膚又は他の上皮組織に急性外傷のある哺乳類被験体に、テトラサイ クリン化合物を、実質的に抗菌活性を有さないが該被験体の創傷治癒を改良する のに効果的な量で投与することが含まれる。 本発明の方法においては、テトラサイクリン化合物が、実質的に、全身的吸収 されないものであるのが好ましい。好ましいテトラサイクリン化合物には、例え ば、CMT-2(テトラシリノニトリル(tetracylinonitrile))及びCMT-6(4−ヒドロキ シ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン)がある。好ましい方法には、テトラサ イクリン化合物を上皮又は粘膜組織に局所的に投与することが含まれる。また、 その方法には、更にテトラサイクリンを投与すること、及び抗炎症量の非ステロ イド系抗炎症剤を投与することが含まれる。 好ましいケースにおいて、哺乳類は、上皮組織における障害性創傷治癒能力を 有し、その方法により、哺乳類の該創傷治癒能力が改良されて、集合体(populat ion)において通常であるとされるレベルまで又はそれより高いレベルのものとな る。このケースにおいて、傷害性創傷治癒は、典型的には、被験体の皮膚又はそ の他の上皮組織における上昇タンパク分解作用により特徴付けられる。上昇タン パク分解作用は、上昇膠原溶解活性若しくは上昇ゼラチン溶解活性(gelatinolyt icactivity)又はその両方により生じ得る。 他の態様では、本発明は、急性外傷を受けた皮膚の結合組織又は他の上皮組織 においてコラーゲンを上昇させるための方法を含む。この態様においては、その 方法は、皮膚又は他の上皮組織に、テトラサイクリン化合物を、実質的に抗菌活 性がないが、上皮組織のコラーゲン含量を上昇させて、外傷により消失した結合 組織のコラーゲンをもとに戻すのに十分な量で導入することを包含する。その方 法を用いて、組織中のコラーゲン濃度が異常に低い被験者の皮膚又は他の上皮組 織におけるコラーゲン濃度を上昇させることができる。 更に、本発明により、皮膚又は他の上皮組織に対する急性外傷の治癒を促進す るための外傷用医薬材料を提供する。外傷用医薬材料には、支持ベース、及び実 質的に抗菌活性を有さないが上皮組織における治癒を促進させるのに十分な量の テトラサイクリン化合物が含まれる。また、外傷用医薬材料は、上皮組織におけ る炎症を抑制するのに十分な量の非ステロイド系抗炎症剤を含んでいてもよい。 本発明のこれらの及び他の利点は、本件明細書の詳細な記載及び実施例から明 らかであろう。詳細な説明及び実施例は本発明の理解の助けとなるが、本発明の 範囲を制限することを意図するものではない。 図の簡単な記載 本発明の好ましい実施態様は、説明及び記載のために選択したものであり、い かなる場合においても本発明の範囲を制限するものではない。本発明の好ましい 実施態様が図により示され、その中において:図1は、基質として[3H-メチル] コラーゲンを用いて評価された創傷治癒における、コラゲナーゼ活性についての テトラサイクリン(CMT-6)処理の効果を示すPAGEゲルのコンピュータスキャンで あり;また、図2は、基質として[3H-メチル]コラーゲンを用いて評価された創 傷治癒における、コラゲナーゼ活性についてのテトラサイクリン(CMT-2)処理の 効果を示すPAGEゲルのフルオログラムである。 好ましい実施態様の詳細な記載 本発明は、上皮組織における急性外傷の治癒の促進に関するものである。本発 明の方法は、テトラサイクリン化合物を投与して、皮膚及び他の上皮組織に対す る急性外傷の治癒を回復又は改良することを含む。テトラサイクリン化合物は、 好ましくは、一般に微生物抵抗能力がほとんどないか又は全くない、化学的に修 飾されたテトラサイクリンである。しかしながら、本発明により、典型的に抗菌 性のテトラサイクリンの抗菌性の低い投与が提供され得る。 本発明の方法は、哺乳類の急性外傷の治癒の促進用に適用される。急性外傷は 、典型的には、外傷性損傷により生じる障害などのように突然発症する。本発明 の治療を受け得るクラスの損傷としては、一次治癒する急性外傷、及び二次治癒 する急性外傷がある。従って、その方法は、肉芽形成の介入(intervention)のな い創傷治癒により特徴付けられ、一次治癒する創傷の治癒を改良するのに有用で ある。そのような創傷は外科的切開により代表される。また、その方法は、二次 治癒する創傷、即ち、治癒が肉芽形成により特徴付けられる創傷の治癒を助ける のに有用である。二次治癒創傷の例は、裂傷、穿刺及び擦過傷などである。また 、本発明に従って治療可能な急性外傷は、“非慢性的”創傷として表され得る。 “慢性的”であるとして分類される、又は長期的及び/又は自然発生的又は非 外傷性由来の創傷は、本発明の範囲外である。例えば、本発明は、褥瘡性潰瘍( 床ずれ)、糖尿病性潰瘍、表皮水泡症、及び無菌角膜漬瘍などの潰瘍性病変又は 腐食の治療を包含しない。 その方法により、切開された、裂けた、穿孔された、又は擦過された皮膚(真 皮(cutis))の治癒が処理被験体において促進される。上皮性の、真皮性の、及 び内在性の皮下組織は、そのような急性の皮膚又は粘膜損傷に包含され得、治癒 は、これらの組織タイプのいずれか又は全てにおいて本発明により改良され得る 。また、その方法を用いて、上皮層が損傷を受け、内在的な支持又は結合組織に 損傷を受けた又は受けていないいずれかの組織など、他の上皮組織における治癒 を改良することができる。用語“上皮組織”は、本件明細書において、一般には 、皮膚、及び上皮を有する又はそれと関連する他の組織(従来は後者の用語とし て使用されていた)を意味するものとして使用する。用語“上皮組織”の意味に 含まれ、従って、本発明の処理に適する他の組織としては、口腔及び他の体腔内 の粘膜組織があるが、これらに限定される訳ではない。機能的に、その方法は、 膠原 溶解活性の抑制が治癒に有益である急性外傷を受けた体組織を治療するのに有用 である。 本発明で処理可能な条件は、哺乳類被験体に生じる。哺乳類には、ヒト、犬及 び猫などのペット動物、ラット及びマウスなどの実験動物、並びに馬及び牛など の家畜が含まれる。 本発明の方法の利点は、その使用を行ない、治癒工程間の肉芽形成の量を低減 することにより、治癒する皮膚の完全性(integrity)が改良されることである。 肉芽形成は、炎症細胞が存在することが多い、ほとんど毛細管及び線維芽細胞か らなる組織の小さな球形の集団の形成により特徴付けられる。従って、瘢痕に関 する皮膚の美観が損なわれた又はゆがみがより少ないものに伴う、過度な瘢痕組 織を低減することができる。 その方法は、実質的に抗菌活性を有さないが、上皮組織における急性外傷の治 癒を改良するのに効果的である量で、テトラサイクリン化合物を投与することを 包含する。テトラサイクリン化合物は、化学的に修飾されてその抗菌特性が低減 又は除去されたものであるのが好ましい。テトラサイクリンの抗菌特性を低減す る方法は、Mitscher(1978)の文献に開示されている。Mitscherにより指摘されて いるように、1、2、3、4、10、又は12a位のテトラサイクリンの修飾により 、抗菌活性の消失が誘導される。そのような化学的に修飾されたテトラサイクリ ンの使用が本発明においては好ましく、なぜなら、それらは、抗菌テトラサイク リンより高い濃度で使用することができるが、そのような抗菌化合物を抗菌量(a ntimicrobial or antibacterial amount)で使用した場合に生ずることが多い有 益な細菌の無差別殺傷及び耐性菌の出現などの数種の不利な点が回避されるから である。 好ましい化学的に修飾されたテトラサイクリンは、環構造の4位のジメチルア ミノ基が取り除かれたものである。そのような化学的に修飾されたテトラサイク リンには、例えば、4-デジメチルアミノテトラサイクリン(CMT-1)、4-デジメチ ルアミノ-5-オキシテトラサイクリン、4-デジメチルアミノ-7−クロロテトラサ イクリン(CMT-4)、4-ヒドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン(CMT-6) 、5a,6-アンヒドロ-4-ヒドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン、6-デ メチル-6- デオキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン(CMT-3)、4-デジメチルアミノ-1 2a-デオキシテトラサイクリン(CMT-7)、及び6-α-デオキシ-5-ヒドロキシ-4-デ ジメチルアミノテトラサイクリン(CMT-8)がある。また、ニトリルを生成するた めに第2炭素位が修飾されたテトラサイクリン(例えばテトラサイクリノニトリ ル(tetracyclinonitrile)が、非抗菌性の、抗メタロプロテイナーゼ剤として有 用である。 抗菌活性が低減されるように修飾されたテトラサイクリンの更なる例としては 、6-α-ベンジルチオメチレンテトラサイクリン、テトラサイクリンのモノ-N- アルキル化アミド、6-フルオロ-6-デメチルテトラサイクリン、又は11α-クロロ テトラサイクリンがある。 特に好ましいCMTは、4-ヒドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン(本 件明細書においてCMT-6と記載する)であり、それは、創傷の治癒の際にコラー ゲン含量を有意に改良することが見出されている。他に特に好ましいCMTは、テ トラサイクリンニトリル(CMT-2)であり、それは治癒の促進により効果的である と思われる。確かに、CMT-2及びCMT-6は、摂取されたときに実質的に血流に吸収 されず、また、一般に、それらの体内分布が制限されている。そのような実質的 に局所的な分布を示すCMT-2、CMT-6及び他のCMTは、タンパク分解活性の広範な 全身的抑制を示さず、損傷部位での膠原溶解活性を抑制する局所効果のために好 ましい。例えば、これらの非吸収性CMTの局所適用は、口内損傷の際に望ましい ものであろうが、それは、CMTが飲み込まれたときにも有意な程度で吸収されな いからである。 また、本発明は、抗菌活性を有するテトラサイクリン化合物を使用してもよい 。しかしながら、そのような化合物は、実質的に抗菌作用を有さないが、上皮組 織における急性外傷の治癒を改良するのに効果的な量で使用される。このタイプ の好ましい化合物としては、テトラサイクリン、ドキシサイクリン(doxycycline )、デメクロサイクリン(demeclocycline)、及びミノサイクリンがある。 本発明の方法に有用なテトラサイクリン化合物は、用量依存的手段においてそ れらの有益な効果を示すと思われる。従って、広範な制限内で、テトラサイクリ ン化合物の多量投与が、少量での投与より高い程度に創傷治癒を改良することが 観察されている。更に、効果は、毒性が観察される濃度より低い濃度での投与に も観察された。 本発明に使用するテトラサイクリン化合物の量は、抗膠原溶解性については効 果的であるが、抗菌性については効果的でない量である。テトラサイクリン化合 物の量は、それが膠原溶解活性を有意に低減するのなら、抗膠原溶解性に効果的 である。テトラサイクリン化合物は、細菌の成長を有意に防止しない場合には、 抗菌性が効果的でない。 被験体に対する最大投与量は、望ましくない又は過度の副作用を引き起こさな い、最も高い投与量である。例えば、テトラサイクリン化合物は、約0.1〜約30m g/kg/日、及び好ましくは約1〜約18mg/kg/日の量で投与することができる。本 発明では、副作用には、臨床的に有意な抗菌活性、及び中毒作用が含まれる。例 えば、約50mg/kg/日より多くの投与により、ヒトを含む大抵の哺乳類に副作用が 生じるであろう。いずれにしても、現場の者は、当該分野における技術及び知識 により導かれ、本発明は、制限なしに、所定の現象を達成するのに有効な投与量 を含む。 従って、ビヒクル中において約25%(w/w)までの量のテトラサイクリン化合物 の局所適用が、効能(indication)に依存して適切なものである。より好ましくは 、約0.1〜10%の量のテトラサイクリン化合物の適用が、本発明に従って、治癒 を促進するのに効果的であると思われる。これらの量は、治療される被験体の有 意な毒性を示すものではないと思われる。 テトラサイクリン化合物の組み合わせ又は調整された、局所又は全身的投与が 本発明の下に考慮される。例えば、CMT-2又はCMT-6などの非吸収性テトラサイク リン化合物は、局所的に投与できるが、CMT-1、CMT-3、CMT-7又はCMT-8などの、 被験体において実質的な吸収能力及び効果的な全身的分布能力を有するテトラサ イクリン化合物は全身的に投与される。 また、テトラサイクリン化合物は、急性外傷を受ける組織における炎症を抑制 することができる薬剤と共に投与することができる。共投与(co-administration )可能な好ましい抗炎症剤は、非ステロイド系の抗炎症剤(NSAID)である。NSAID は、そのような化合物の種々の群から選択することができる。そのようなクラス には、 例えば、アセチルサリチル酸及びジフルニサルなどのサリチレート、インドメタ シン、スリンダク、トルメチン、ジクロフェナク及びエトドラクなどの酢酸、フ ルルビプロフェン、ナプロキセン及びケトプロフェンなどのプロピオン酸、メク ロフェナメート(meclofenamate)などのフェナメート、並びにピロキシカムなど のオキシカムが含まれる。一般に、NSAIDの量は、障害を受けた(affected)組織 において炎症を抑制するのに十分な量である。抗炎症剤の量は、使用されるNSAI D、他の要因に依存するであろうし、また、現場の技術者により容易に決定され 得る。 本発明の方法に有用な好ましい製薬組成物は、適切な製薬担体(ビヒクル)中 のテトラサイクリン化合物又は当業者に知られた賦形剤の組み合わせを含む。デ リバリーに特に好ましい手段には、局所適用がある。従って、好ましくは、担体 が、局所的使用に適するものとする。そのような局所的使用に適すると思われる 組成物には、ゲル、軟膏(salve)、ローション、外用薬(ointment)などが含まれ る。非抗菌量のテトラサイクリン化合物を、支持ベース又はマトリックスなどを 用いて導入して、創傷に直接適用可能な前パックされた(pre-packeaged)外科用 又は火傷用材料又は包帯を提供することができる。そのような材料は、抗菌クリ ームなどの製薬的に許容可能な物質を促進するための適用と共に又はそれなしに 使用することができる。時効性又は制御デリバリー性投与を、例えば、線維材料 に共形成された(co-formed)生体適合性ポリマーと共にテトラサイクリン化合物 を適用することにより行ない得る。確かに、再吸収性コラーゲンマトリックスは 、薬剤の時効性デリバリーに適するものであり(例えば、Ciocaの米国特許第4,44 0,680号;Stembergerの米国特許第4,407,787号;及びMiyataの米国特許第4,294,2 41号を参照されたい)、また、使用により、本発明に従って、テトラサイクリン 化合物をデリバリーすることができるものである。任意に、非テトラサイクリン 抗菌化合物を、創傷部位の微生物成長を抑制するための担体及び非抗菌量のテト ラサイクリン化合物を共に含めてもよい。あるいはまた、製薬担体を伴うテトラ サイクリン化合物のデリバリー手段は、被験体に経口投与するのに適するカプセ ル、圧縮タブレット、ピル、溶液、サスペンションの形態であってもよい。意図 される組成物には、経口的に、局所的に、注射により、又は他の手段により投与 するのに適する担体と共に配合されるものが含まれる。 本発明の方法により、上皮組織を治癒する際のコラーゲン蓄積速度が高められ る。従って、本発明により、哺乳類マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、 特にコラゲナーゼ、及びゼラチナーゼを抑制し、それにより、治癒組織における コラーゲン分解速度を低減することにより、急性外傷の治癒速度が高められる。 (コラーゲン含量の上昇速度が、部分的に、上昇コラーゲン合成及び/又は分泌 に影響することがありうる。)テトラサイクリン化合物は、好中球コラゲナーゼ 及び線維芽コラゲナーゼを抑制すると思われる。例えば、Changら(1996)の文献 には、糖尿病が、(サイトカイン刺激性の)線維芽細胞により生成されるであろう 、皮膚中の白血球タイプのコラゲナーゼ及びゼラチナーゼの量の上昇と関連する ことが示されている。従って、本発明の方法は、炎症時の分解損傷組織が生じる 、創傷治癒の早期段階で通常は活性的な酵素、好中球白血球コラゲナーゼ、組織 の再モデリングにおいて通常は活性的な線維芽コラゲナーゼを抑制することによ り、急性外傷の治癒を効果的に高めると思われる。その方法は、特に、好中球型 コラゲナーゼの抑制に適用可能である。 また、好中球コラゲナーゼ及び線維芽コラゲナーゼは、異なる時間に損傷部位 に発生するので、例えば、2又はそれ以上の特定作用のテトラサイクリン化合物 を連続して含ませ、治癒工程の早期の好中球コラケナーゼ抑制をし、後に線維芽 コラケナーゼ抑制をする、時間的措置を提供することも本発明の範囲内である。 あるいはまた、個体における単一タイプのコラゲナーゼ活性の発現の乱れがある ときは、その単一活性を抑制するのに関連する措置の適用を支持することができ る。 その方法は、特に、治癒工程に障害がある被験体に適用することができる。例 えば、コラゲナーゼ濃度が急性外傷に応答して上昇するが、それらが通常のよう には低下しない場合に、損傷は、治癒するのに非常に時間がかかる慢性的なもの となり得る。本発明の方法を用いて、コラゲナーゼ活性のレベルを低下させるこ とについての皮膚の欠陥を克服し、それにより、コラーゲン堆積の上昇及びそれ と同時の通常時の治癒、並びに慢性病変の誘発の防止を可能にすることができる 。 従って、本発明による、化学的に修飾されたテトラサイクリンを用いる方法は 、創傷治癒する急性の又は慢性の障害を有するヒト、特には糖尿病の患者に対し て 有用である。創傷治癒は、制御に乏しい真性糖尿病の多くの合併症の1つについ てのものであることが知られる。数種の糖尿病により引き起こされるコラーゲン 代謝の異常が確認されており、それには、ストレプトゾトシン糖尿病の歯肉及び 皮膚における、病理学的に過度のコラゲナーゼ及びゼラチナーゼが含まれる(Ram amurthyら1983;Changら1996)。本件明細書において、そのような異常が、効果的 に抑制されることが示され、そのような状況下の患者における急性創傷の治癒の 回復が導かれる。 以下の実施例は、更に本発明を理解する助けとなるように記載するものである 。使用した特定の材料及び条件は、本発明の更なる説明を意図するためのもので あって、本発明の範囲を制限するためのものではない。 実施例1 成熟雄のSDラット(体重約350g)を以下の実験グループに分けた。 グループI(n=4ラット):ビヒクルのみで処理した非糖尿病のコントロール (NDCグループ); グループII(n=3ラット):ビヒクルのみで処理した非コントロールの糖尿病 (Dグループ);及び グループIII(n=3ラット):CMT-6を局所処理した糖尿病(鉱油ベースのワセ リンビヒクル中の1%サスペンション) 実験の最初(T=0)に、適当な数のラットに、ストレプトゾトシン(STZ)(70mg/kg )を、尾の静脈(tail vein)に静脈注射することにより投与し、Yuら(1993)により 確立された方法に従って、糖尿病及び高血糖症を生じさせた。STZ注入から21日 後、全てのラットに麻酔をし、6つの環状全層創傷(circular full-thickness w ound)を、6mm直径のバイオプシーパンチを用いて、各ラットの背面皮膚につけ た(創傷は、二次的治癒可能であった)。創傷をつけたその日の最初に、ワセリン ビヒクル単独、又はCMT-6を含むもののいずれかを、7日間、1日に1回施した 。 7日間の最後に、創傷を、外科的に切り裂き、組織学的及び生化学的の双方に おいて検査した。前者の分析については、皮膚バイオプシーを10%の中性緩衝ホ ルマリンに貯蔵し、その後、切断し、メンソントリクロームにより、コラーゲン 線維(皮膚の結合組織の主要構造体)を青色に染色した。後者の検査については 、 皮膚バイオプシーを、37℃で乾燥し、重量を計り、その後、6MのHCl中で加水分 解して(106℃、24時間、シールされた試験管中)、コラーゲンタンパクを分解し て、そのアミノ酸とし、次いで、Stegmann(1958)の方法に従って、コラーゲンの アミノ酸“マーカー”であるヒドロキシプロリンと比色分析した。 3グループ全てのラットにおいて、上皮が、創傷をつけた7日後までに、治癒 真皮(healing dermis)を越えて完全に再形成されたようにみえた。これらのアッ セイの結果を、表1に概要する。トリクロム染色は、量的に表され、皮膚サンプ ル中のヒドロキシプロリン含量は、μg/mg乾燥組織として表される(±平均値の 標準誤差)。 コラーゲン含量を表すために記載したように染色された、治癒皮膚のサンプル を、(顕微鏡写真により確認される)顕微鏡分析に付した。通常ラット(グループ 1)の治癒皮膚の顕微鏡写真には、コラーゲンの密集染色が示されていた。対照 的に、末処理の糖尿病ラット(グループII)からの治癒皮膚の顕微鏡写真には、 ただ、非常に明るいコラーケン染色が示されており、これは、これらの動物の治 癒障害を説明するものである。最後に、記載したように1%のCMT-6で処理した 糖尿病ラット(グループIII)からの治癒皮膚の顕微鏡写真には、未処理糖尿病 ラットでみられたものより有意に上昇した、皮膚中のコラーゲン含量が示されて いた。 表1 実験グループ 7日でのコラーゲン含量 表1に示すように、ラットを糖尿病にすることで、治癒創傷のコラーゲン含量 が通常のコントロールのものより低減された。この結果は、ヒドロキシプロリン 含量の31%低下をベースとするものであり、また、NDCグループと比較した際の コラーゲン線維のトリクロムブルー染色における低減をベースとするものである 。それにもかかわらず、グルーIIIのラット(糖尿病+CMT-6)は、ヒドロキシプ ロ リン測定をベースとする未処理糖尿病より25%上昇した治癒皮膚のコラーゲン含 量を示し、それは、組織学的観察をベースとするコラーゲンのトリクロム染色の 上昇と一致していた。 実施例2 2種の濃度のCMT-6を鉱油ベースのワセリンビヒクルに懸濁させた(即ち、1 %及び3%のCMT-6のサスペンションを試験した)以外は、実施例1に記載した と同様の実験を行った。このケースにおいて、21匹の成熟雄ラットを4つの実験 グループに分けた。 グループI(n=4ラット):ビヒクルのみを日ごとに局所適用することにより処 理した、非糖尿病のコントロール(NDC); グループII(n=5ラット):ビヒクルのみを上述のように処理した、非コントロ ールの糖尿病(D); グループIII(n=6ラット):ワセリン中の1%CMT-6を日ごとに処理した、非コン トロールの糖尿病; グループIV(n=6ラット):ワセリン中の3%CMT-6を日ごとに処理した、非コン トロールの糖尿病 実施例1のように、7日のプロトコール後、ラットを麻酔し、皮膚のバイオプ シーを切除し、加水分解し、ヒドロキシプロリン含量について比色的に分析した 。この分析の結果を表2に示すが、その中において、ヒドロキシプロリン含量は 、乾燥組織のヒドロキシプロリンμg/mgとして表した(±S.E.M.)。 表2 この実験において、糖尿病を誘導することにより、グループIIのラットにおけ る治癒皮膚のコラーゲン含量が、コントロール(グループI)より24%低くなっ た(表2)。しかしながら、1%CMT-6(グループIII)及び3%CMT-6(グループIV) の局所適用により糖尿病ラットを処理すると、それぞれ、未処理糖尿病(グルー プII)より創傷コラーゲン含量が42%、74%上昇した。このことは、明らかに、 創傷治癒についての投与応答を示す。 実施例3 この実験においては、成熟雄ラットを4つの異なる実験グループに分けた(グ ループあたりn=4〜6ラット)。 グループI:ビヒクルのみで処理した糖尿病; グループII:1%CMT-6で処理した糖尿病; グループIII:3%CMT-6で処理した糖尿病; グループIV:1%CMT-2で処理した糖尿病 上述の開発された創傷プロトコールを用いた。創傷後7日目に、及びビヒクル のみ又はCMT-6又はCMT-2のいずれかの局所適用(日ごと)の後に、創傷を外科的 に切りだし、コロゲナーゼ活性を、Golubら(1985)の方法に従って測定した。 簡潔には、コラゲナーゼ活性を以下のように測定した:各皮膚バイオプシーの 重量を計り、抽出し、抽出物を硫酸アンモニウム沈澱法により部分精製した。皮 膚抽出物のアリコートを、その後、22℃で[3H-メチル]コラーゲンを用いてイン キュベートし、反応生成物を、SDS-PAGE/フルオログラフィーにより分離した。 フルオログラムを、その後、レーザーデンシトメーターによりスキャンして、コ ラゲナーゼ活性について評価した。(このアッセイは、酢酸アミノフエニル水銀( APMA)の不存在下で行い、活性的な、非潜在的(not latent)コラゲナーゼについ て、Golubら(1994)に記載されたように評価した。) 図1は、グループI〜IIIからの糖尿病ラットからの皮膚抽出物についてのイ ンキュベーション後の[3H-メチル]コラーゲンの電気泳動パターンを示す。レー ン2〜4:t=0;レーン5〜7:偽薬(ビヒクルのみ);レーン8〜10:1%CMT -6;及びレーン11〜13:3%CMT-6。レーン1は、皮膚抽出物なしのコラーゲンの コントロールサンプルであり、α、β及びγコラーゲン成分を含む未分解コラー ゲンのパターンを示す。糖尿病ラットの皮膚におけるt=0でのコラーゲン活性 の高さ(αAフラグメント)(レーン2〜4)、糖尿病の偽薬処理(ビヒクル処理) 皮膚における更に高いコラーゲン活性(レーン5〜7)に注意されたい。CMT-6 での処理は、(i)α、β及びγコラーゲン成分の低減された損失、及び(ii ) αAコラゲナーゼ介在分解生成物の低減された形成により示されるように、過度 なコラーゲン活性が低減される。CMT-6の投与による効果が明らかである(レーン 8〜13)。 図2は、偽薬(ビヒクル処理)糖尿病ラットからの(レーン1〜2)及び1% CMT-2処理糖尿病ラットからの(レーン3〜5)皮膚抽出物についてのインキュ ベーション後の[3H-メチル]コラーゲンの電気泳動パターンを示す。上記図1に 示されているように、高レベルのコラゲナーゼ活性が偽薬処理皮膚において見ら れ、一方、CMT-2による最も劇的なコラゲナーゼ活性の低減が明らかである。 皮膚抽出物による放射標識された[3H-メチル]コラーゲンの分解から、哺乳類 コラゲナーゼにより特徴的に生じるコラーゲンの高分子グラグメント(α1 A及び α2 A)が明らかとなった。この分析の結果を表3に記載する。 表3 フルオログラムのデンシトメトリースキャン(図1及び2、表3)により、47 %の[3H-メチル]コラーゲン基質が、ビヒクル処理糖尿病ラットからの皮膚サン プルにより分解されることが示された。1%又は3%CMT-6、又は1%CMT-2での 糖尿病ラット処理の全てにより、実質的に、この高コラゲナーゼ活性が低減され た。具体的には、1%CMT-6により糖尿病ラットのコラゲナーゼ活性が83%低減 され、3%CMT-6により87%低減され、1%CMT-2により活性が100%低減された 。(この実験における糖尿病グループにより示された47%レベルの分解と比較し て、別の実験(データは示していない)では、7日目の非糖尿病コントロールラ ットの皮膚は、約19%のコラーゲン分解を示し、3%CMT-6の局所適用により、N DCラットの皮膚における膠原溶解活性は有意に(p>0.05)低減されなかった。) 実施例4 上記実験の他に、通常の及びSTZ-糖尿病ラットにおけるコラゲナーゼ及びゼラ チナーゼ活性についてのCMT-6効果の研究をした。24匹のラットを6つの実験グ ループに分けた。 I:ワセリンビヒクルのみで処理した通常(n=4ラット) II:3%CMT-6で処理した通常(n=3ラット) III:未処理糖尿病(n=6ラット)(t=0) IV:ビヒクルのみで処理した糖尿病(n=4ラット)(t=7日) V:1%CMT-6で処理した糖尿病(n=4ラット) VI:3%CMT-6で処理した糖尿病(n=3ラット) 創傷をつけた日に試験したグループIIIのラットを除くラットを、上記プロト コールに従って試験した。組織バイオプシーを半分に分割し、半分を用いてコラ ゲナーゼ及びゼラチナーゼを抽出し、残りの半分を用いてコラーゲン含量のアッ セイを行った。コラーゲン含量及びコラゲナーゼ活性を、上記プロトコールを用 いてアッセイした。ゼラチナーゼ活性を、基質として変性コラーゲン(ゼラチン )を用いてアッセイした。放射標識した[3H-メチル]ゼラチン基質を、抽出酵素 を用いて37℃で4時間インキュベートした。対象でないゼラチンを、非標識ゼラ チン及び45%TCAの添加により沈澱させた。遠心分離後、ゼラチン分解生成物を 含む上清を、液体シンチレーションスペクトロメータにおいてカウントした。 2つのMMP(コラゲナーゼ及びゼラチナーゼ)を、APMAの活性化のない状態で 、及びAMPAでの酵素抽出物のインキュベーションを伴う状態での双方で評価した 。活性化のない状態での結果を、以下の表4に記載する。コラゲナーゼ活性は、 コラーゲン分解速度、即ちコラーゲン分解ng/時間/タンパクmg(±S.E.M.)とし て表す。ゼラチナーゼ活性は、ゼラチン分解速度、即ちゼラチン分解μg/時間/ タンパクmg(±S.E.M.)として表す。 表4 表4に示されているとおり、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼの両方のレベルが 、 ビヒクル処理糖尿病創傷組織において上昇した。抽出物中のMMPの本質的に全て (90〜95%)が活性的なものであり、AMPA活性可能又は潜在的なものはほとんど なかった。フルオログラムのスキャンにより、48%のコラーゲンが糖尿病ラット の組織により分解されたことが明らかとなった。また、t=0で、糖尿病ラット の皮膚組織は、活性コラゲナーゼ及び活性ゼラチナーゼを含んでいた。1%又は 3%CMT-6で処理した創傷においては、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼレベルが 、投与により低減された。通常ラットの皮膚は、t=0でコラゲナーゼ活性を示 さなかった。しかしながら、非糖尿病ラットの皮膚の創傷では、上昇コラゲナー ゼ活性(17%分解コラーゲン)が誘発され、3%CMT-6で創傷を処理することに より、活性ゼラチナーゼが有意に(p<0.05)低減されたが、低減されたコラゲ ナーゼの程度は有意なものでなかった。 以上、本発明の好ましい実施態様であると思われるものを記載してきたが、当 業者であれば、他の及び更なる態様が、本発明の精神を逸脱することなく可能で あることが理解されるであろうし、また、そのような更なる改良及び変更の全て は、本件明細書に記載の本発明の範囲内に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マクナマラ トーマス エフ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11777 ポート ジェファーソン ピーオーボッ クス 44

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.創傷治癒を促進する方法であって、上皮組織に急性外傷を有する哺乳類に対 して、テトラサイクリン化合物を、実質的に抗菌活性を有さないが、被験体の 創傷治癒を改良するのに効果的な量で投与することを含む該方法。 2.被験体が、創傷治癒能力に障害を有する請求項1記載の方法。 3.前記テトラサイクリン化合物が、実質的に全身吸収されない請求項1記載の 方法。 4.前記投与が、前記テトラサイクリン化合物を前記上皮組織に局所的に投与す ることを含む請求項1記載の方法。 5.テトラサイクリン化合物がCMT-2又はCMT-6である請求項1記載の方法。 6.障害性創傷治癒が、哺乳類の上皮組織における上昇タンパク分解活性により 特徴付けられる請求項1記載の方法。 7.上昇タンパク分解活性が、上昇膠原溶解活性又は上昇ゼラチン溶解活性を含 む請求項6記載の方法。 8.前記上皮組織が皮膚である請求項1記載の方法。 9.請求項1記載の方法であって、 a)前記咄乳類において全身分布する能力を実質的に有さない第1テトラサイ クリン化合物を局所適用すること、及び b)前記哺乳類において実質的に全身分布する能力を有する第2テトラサイク リン化合物を全身投与すること を含む該方法。 10.前記テトラサイクリン化台物を投与し、かつ、抗炎症量の非ステロイド系抗 炎症剤を投与することを含む請求項1記載の方法。 11.急性創傷を受けた上皮組織中のコラーゲンを増加させる方法であって、該上 皮組織に対し、テトラサイクリン化合物を、実質的に抗菌活性を有さないが、 該上皮組織中のコラーゲン含量を増加させるのに十分な量で導入することを含 む該方法。 12.テトラサイクリン化合物が、実質的に全身吸収されない請求項11記載の方法 。 13.テトラサイクリン化合物がCMT-2又はCMT-6である請求項11記載の方法。 14.上皮組織が、異常に低いコラーゲン濃度を有する被験体の上皮組織である請 求項11記載の方法。 15.上昇コラーゲン含量が、上皮組織中の膠原溶解活性の低下と関連する請求項 11記載の方法。 16.上皮組織が皮膚である請求項11記載の方法。 17.更に、前記上皮組織に対して、抗炎症量の非ステロイド系抗炎症剤を導入す ることを含む請求項11記載の方法。 18.上皮組織の急性外傷の治癒を改良するための外傷用医薬材料であって、 支持ベース、及び 実質的に抗菌活性を有さないが、上皮組織における治癒を改良するのに十分な 量のテトラサイクリン化合物 を含む該材料。 19.テトラサイクリン化合物が、実質的に全身吸収されない請求項18記載の外傷 用医薬材料。 20.テトラサイクリン化合物がCMT-2又はCMT-6である請求項18記載の外傷用医 薬材料。 21.上皮組織が、上皮の外傷に対する応答に一般に障害を有する被験体の上皮で ある請求項18記載の外傷用医薬材料。 22.上皮組織が皮膚である請求項18記載の外傷用医薬材料。 23.更に、上皮組織における炎症を抑制するのに十分な量の非ステロイド系抗炎 症剤を含む請求項18記載の外傷用医薬材料。
JP10508075A 1996-08-01 1997-08-01 化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進 Pending JP2000516214A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/691,135 1996-08-01
US08/691,135 US5827840A (en) 1996-08-01 1996-08-01 Promotion of wound healing by chemically-modified tetracyclines
PCT/US1997/013534 WO1998005340A1 (en) 1996-08-01 1997-08-01 Promotion of wound healing by chemically-modified tetracyclines

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000516214A true JP2000516214A (ja) 2000-12-05

Family

ID=24775298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10508075A Pending JP2000516214A (ja) 1996-08-01 1997-08-01 化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進

Country Status (11)

Country Link
US (1) US5827840A (ja)
EP (1) EP0923378B1 (ja)
JP (1) JP2000516214A (ja)
KR (1) KR100494206B1 (ja)
AT (1) ATE309804T1 (ja)
AU (1) AU3823497A (ja)
CA (1) CA2261805C (ja)
DE (1) DE69734661T2 (ja)
DK (1) DK0923378T3 (ja)
ES (1) ES2255107T3 (ja)
WO (1) WO1998005340A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525955A (ja) * 2001-04-05 2004-08-26 コッラジェネックス ファーマシューチカルス インコーポレイテッド テトラサイクリン化合物およびテトラサイクリン誘導体の制御された伝達

Families Citing this family (44)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6015804A (en) * 1998-09-11 2000-01-18 The Research Foundation Of State University Of New York Method of using tetracycline compounds to enhance interleukin-10 production
US7300667B1 (en) 1999-05-27 2007-11-27 Euro-Celtique, S.A. Preparations for the application of anti-inflammatory, especially antiseptic agents and/or agents promoting the healing of wounds, to the lower respiratory tract
IL146132A0 (en) 1999-05-27 2002-07-25 Euro Celtique Sa Preparations for the application of anti-infective and/or anti-inflammatory agents to external or internal parts of the human or animal body in functional and cosmetic tissue remodelling and repair treatments
EP1829546A1 (en) * 1999-09-14 2007-09-05 Mucosal Therapeutics LLC Formulations containing tetracyclines for treating or preventing mucositis
AU779450B2 (en) * 1999-09-14 2005-01-27 Orapharma, Inc. Formulations for treating or preventing mucositis
US6946118B1 (en) * 1999-09-14 2005-09-20 Orapharma, Inc. Formulations for treating or preventing mucositis
NZ522733A (en) * 2000-06-02 2004-05-28 Yu Liu Non-antibacterial tetracycline as anti-fungal agents
NZ528197A (en) * 2001-04-05 2007-04-27 Collagenex Pharm Inc Use of a tetracycline compound of treating acne
US7211267B2 (en) * 2001-04-05 2007-05-01 Collagenex Pharmaceuticals, Inc. Methods of treating acne
EP2332546A1 (en) 2001-07-13 2011-06-15 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Tetracyclines for the treatment of stroke
US20060194773A1 (en) * 2001-07-13 2006-08-31 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Tetracyline compounds having target therapeutic activities
WO2003094954A1 (en) * 2001-09-25 2003-11-20 Quick Med Technologies, Inc. Composition and method for minimizing or avoiding adverse effects of vesicants
WO2003053447A1 (en) * 2001-12-20 2003-07-03 Hanauske-Abel Hartmut M Treatment for averting or delaying premature delivery
EP2311796A1 (en) 2002-01-08 2011-04-20 Paratek Pharmaceuticals, Inc. 4-dedimethylamino tetracycline compounds
AU2003220123B2 (en) 2002-03-08 2009-05-07 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Amino-methyl substituted tetracycline compounds
WO2003079984A2 (en) 2002-03-21 2003-10-02 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Substituted tetracycline compounds
AU2003230935B2 (en) * 2002-04-16 2008-08-07 Collagenex Pharmaceuticals, Inc. Methods of simultaneously treating ocular rosacea and acne rosacea
US8192749B2 (en) 2003-04-16 2012-06-05 Galderma Laboratories Inc. Methods of simultaneously treating ocular rosacea and acne rosacea
WO2003092629A2 (en) * 2002-05-06 2003-11-13 Collagenex Pharmaceuticals, Inc. Methods of simultaneously treating mucositis and fungal infection
WO2004006850A2 (en) 2002-07-12 2004-01-22 Paratek Pharmaceuticals, Inc 3, 10, AND 12a SUBSTITUTED TETRACYCLINE COMPOUNDS
AU2003256496A1 (en) * 2002-07-12 2004-02-02 The Research Foundation Of State University Of New York Method for reducing c-rective protein levels with non-antibacterial tetracycline formulations
US20080139512A1 (en) * 2002-09-25 2008-06-12 Quick-Med Technologies, Inc. Method for minimizing or avoiding adverse effects of vesicants
DK1615622T3 (da) 2003-04-07 2012-10-15 Supernus Pharmaceuticals Inc Doxycyclinpræparater til indgivelse én gang dagligt
CN101786991A (zh) 2003-07-09 2010-07-28 帕拉特克药品公司 取代的四环素化合物
JP4738333B2 (ja) 2003-07-09 2011-08-03 パラテック ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 9−アミノメチルテトラサイクリン化合物のプロドラッグ
CA2544599A1 (en) * 2003-11-06 2005-05-26 Maria Emanuel Ryan Methods of treating eczema
JP5010284B2 (ja) 2004-01-15 2012-08-29 パラテック ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド テトラサイクリン化合物の芳香族a環誘導体
EP2284150A3 (en) 2004-10-25 2011-09-21 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Substituted tetracycline compounds
AU2005299294B2 (en) 2004-10-25 2012-06-07 Paratek Pharmaceuticals, Inc. 4-aminotetracyclines and methods of use thereof
US20060252731A1 (en) * 2005-05-06 2006-11-09 Pfeiffer David F Methods of treating recurrent aphthous stomatitis
WO2007014154A2 (en) * 2005-07-21 2007-02-01 Paratek Pharmaceuticals, Inc. 10-substituted tetracyclines and methods of use thereof
ES2463457T3 (es) 2006-12-21 2014-05-28 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Derivados de la tetraciclina para el tratamiento de infecciones bacterianas, virales y parasitarias
PT2120963T (pt) * 2006-12-21 2018-12-17 Paratek Pharm Innc Compostos tetraciclina substituídos para tratamento de distúrbios inflamatórios da pele
CA2688662A1 (en) 2007-04-27 2008-11-06 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Methods for synthesizing and purifying aminoalkyl tetracycline compounds
ES2386926T3 (es) * 2007-07-06 2012-09-06 Paratek Pharmaceuticals, Inc. Métodos para sintetizar minociclina9-sustituida
TW202332671A (zh) * 2008-05-23 2023-08-16 美商Prtk Spv2公司 四環素化合物之甲苯磺酸鹽及同素異形體
RS54485B1 (en) 2008-08-08 2016-06-30 Tetraphase Pharmaceuticals, Inc. C7-FLUORO SUBSTITUTED TETRACYCLINE UNITS
US9315451B2 (en) 2009-05-08 2016-04-19 Tetraphase Pharmaceuticals, Inc. Tetracycline compounds
DK2470500T3 (en) 2009-08-28 2018-01-08 Tetraphase Pharmaceuticals Inc tetracycline
PL2552890T3 (pl) 2010-03-31 2017-07-31 Tetraphase Pharmaceuticals, Inc. Policykliczne związki tetracyklinowe
CA2883238C (en) 2012-08-31 2021-11-23 Tetraphase Pharmaceuticals, Inc. Tetracycline compounds
CN104307031B (zh) * 2014-11-10 2015-12-30 刘维峰 一种皮肤外用修复材料的制备方法及用途
CN110582486B (zh) 2016-10-19 2024-01-12 四相制药公司 艾若威四环素的结晶形式
WO2020097450A1 (en) 2018-11-09 2020-05-14 Tetraphase Pharmaceuticals, Inc. Polymorphic forms of a compound and uses thereof

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1767900U (de) * 1958-03-27 1958-06-04 Herbert Dipl Ing Fritzsche Hand- oder taschenleuchte mit blinker.
US3823212A (en) * 1968-11-27 1974-07-09 Freudenberg C Fa Process for the production of collagen fiber fabrics in the form of felt-like membranes or sponge-like layers
US4016877A (en) * 1976-02-23 1977-04-12 Avicon, Inc. Fibrous collagen derived web having hemostatic and wound sealing properties
US4294241A (en) * 1977-06-09 1981-10-13 Teruo Miyata Collagen skin dressing
US4130555A (en) * 1977-09-06 1978-12-19 Nippi Incorporated Peptide mixtures derived from collagenous material or gelatin
US4412947A (en) * 1979-09-12 1983-11-01 Seton Company Collagen sponge
US4440680A (en) * 1980-09-24 1984-04-03 Seton Company Macromolecular biologically active collagen articles
DE3037513C2 (de) * 1980-10-03 1983-05-05 Steffan, Wolfgang, 8425 Neustadt Kollagene Wundauflage
US4578067A (en) * 1982-04-12 1986-03-25 Alcon (Puerto Rico) Inc. Hemostatic-adhesive, collagen dressing for severed biological surfaces
US4935412A (en) * 1983-12-29 1990-06-19 The Research Foundation Of State University Of New York Non-antibacterial tetracycline compositions possessing anti-collagenolytic properties and methods of preparing and using same
US4925833A (en) * 1983-12-29 1990-05-15 The Research Foundation Of State University Of New York Use of tetracycline to enhance bone protein synthesis and/or treatment of osteoporosis
US4704383A (en) * 1983-12-29 1987-11-03 The Research Foundation Of State University Of New York Non-antibacterial tetracycline compositions possessing anti-collagenolytic properties and methods of preparing and using same
US4666897A (en) * 1983-12-29 1987-05-19 Research Foundation Of State University Inhibition of mammalian collagenolytic enzymes by tetracyclines
US4837024A (en) * 1984-02-24 1989-06-06 The Regents Of The University Of California Compositions, articles and mehtod for improving wound healing
US4837285A (en) * 1984-03-27 1989-06-06 Medimatrix Collagen matrix beads for soft tissue repair
IT1181737B (it) * 1985-11-26 1987-09-30 Pierfrancesco Morganti Supproto di collagene biologicamente attivo per uso cosmetico e farmaceutico e metodo per prepararlo
US5196196A (en) * 1986-06-03 1993-03-23 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Use of protease nexin-I in wound dressings
US4813942A (en) * 1987-03-17 1989-03-21 Bioderm, Inc. Three step wound treatment method and dressing therefor
US4969912A (en) * 1988-02-18 1990-11-13 Kelman Charles D Human collagen processing and autoimplant use
US5024841A (en) * 1988-06-30 1991-06-18 Collagen Corporation Collagen wound healing matrices and process for their production
US4950483A (en) * 1988-06-30 1990-08-21 Collagen Corporation Collagen wound healing matrices and process for their production
US5110604A (en) * 1988-06-30 1992-05-05 Collagen Corporation Processes for producing collagen matrixes and methods of using same
GB8827305D0 (en) * 1988-11-23 1988-12-29 British Bio Technology Compounds
US5227168A (en) * 1989-11-21 1993-07-13 Bruce Barber Method of treating a wound
US5308839A (en) * 1989-12-04 1994-05-03 The Research Foundation Of State University Of New York Composition comprising non-steroidal anti-inflammatory agent tenidap and effectively non-antibacterial tetracycline
JP3016587B2 (ja) * 1989-12-04 2000-03-06 ザ・リサーチ・ファンデーション・オブ・ステート・ユニバーシティ・オブ・ニューヨーク 非ステロイド抗炎症剤及びテトラサイクリンの配合
GB9000846D0 (en) * 1990-01-15 1990-03-14 Beecham Group Plc Novel compounds
US5008283A (en) * 1990-03-19 1991-04-16 Pfizer Inc. Use of tenidap to inhibit activation of collagenase and to inhibit the activity of myeloperoxidase
GB9008065D0 (en) * 1990-04-10 1990-06-06 Beecham Group Plc Novel compounds
US5081106A (en) * 1990-07-16 1992-01-14 The Oregon Health Sciences University Wound dressing protocol utilizing collagen gelatin formed with iodine
US5156601A (en) * 1991-03-20 1992-10-20 Hydromer, Inc. Tacky, hydrophilic gel dressings and products therefrom
US5229380A (en) * 1991-06-28 1993-07-20 Harris Richard Y Method for treating helicobacter pylori gastritis
US5258371A (en) * 1992-05-29 1993-11-02 Kuraray Co., Ltd. Method to reduce connective tissue destruction
CA2103189C (en) * 1992-11-17 2005-05-03 Lorne M. Golub Tetracyclines including non-antimicrobial chemically-modified tetracyclines inhibit excessive collagen crosslinking during diabetes

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525955A (ja) * 2001-04-05 2004-08-26 コッラジェネックス ファーマシューチカルス インコーポレイテッド テトラサイクリン化合物およびテトラサイクリン誘導体の制御された伝達
JP2010047617A (ja) * 2001-04-05 2010-03-04 Collagenex Pharmaceuticals Inc テトラサイクリン誘導体の伝達用組成物
JP2011157396A (ja) * 2001-04-05 2011-08-18 Collagenex Pharmaceuticals Inc テトラサイクリン誘導体の伝達用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
DE69734661T2 (de) 2006-08-10
DE69734661D1 (de) 2005-12-22
ATE309804T1 (de) 2005-12-15
EP0923378B1 (en) 2005-11-16
KR100494206B1 (ko) 2005-06-13
WO1998005340A1 (en) 1998-02-12
DK0923378T3 (da) 2006-04-03
CA2261805C (en) 2008-11-04
ES2255107T3 (es) 2006-06-16
KR20000029753A (ko) 2000-05-25
EP0923378A4 (en) 2000-11-15
US5827840A (en) 1998-10-27
AU3823497A (en) 1998-02-25
EP0923378A1 (en) 1999-06-23
CA2261805A1 (en) 1998-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000516214A (ja) 化学的に修飾されたテトラサイクリンによる創傷治癒の促進
US11826332B2 (en) Antimicrobial compositions and uses thereof
JP3016587B2 (ja) 非ステロイド抗炎症剤及びテトラサイクリンの配合
JP2676080B2 (ja) 非抗バクテリア性テトラサイクリン組成物
US5308839A (en) Composition comprising non-steroidal anti-inflammatory agent tenidap and effectively non-antibacterial tetracycline
US5552162A (en) Method for improvement of scar size and appearance
US4276284A (en) Prevention of collagenase induced disease by treatment with collagenase inhibitors
KR20010075220A (ko) 비스포스포네이트와 테트라시클린의 배합물
CA2339667A1 (en) Method of using tetracycline compounds to enhance interleukin-10 production
AU5877698A (en) Treatment and prevention of adhesions
PT1383508E (pt) Doxiciclina destinada ao tratamento da acne
EP3445389B1 (en) Formulations for debridement of chronic wounds
IL294659A (en) Methods and preparations of il2 skewed mutants
US20100260823A1 (en) Preparation with marine collagen for protease inhibition
EP0297860B1 (en) Method and therapeutic compositions for the prevention of fibrin deposition or adhesions
DE202012013301U1 (de) Behandlung bakterieller Infektion
Ramamurthy et al. Topically applied CMT-2 enhances wound healing in streptozotocin diabetic rat skin
EP0470431A2 (en) Use of fosfomycin pharmaceutically acceptable salts as a topical cicatrizer
US11938173B2 (en) Use of Clostridium histolyticum protease mixture in promoting wound healing
EP3849514A1 (en) A composition for use in the prevention and/or treatment of epistaxis
JP2908375B2 (ja) 非抗バクテリア性テトラサイクリン組成物
RU2732224C2 (ru) Раноочищающая композиция для лечения ран
US20190192552A1 (en) Pharmaceutical compositions and methods for treating keloids, hypertrophic scars and wounds, and for providing improved skin care