JP2000515132A - 安定な非中毒性処方物中の非経口パクリタキセル - Google Patents

安定な非中毒性処方物中の非経口パクリタキセル

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Abstract

(57)【要約】 タキサンアナログ、好ましくはパクリタキセルの安定かつ有効な処方物が開示される。処方物は、使用前に水性脂質乳濁液中に希釈されるこの薬物のジメチルアセトアミドおよびポリエチレングリコール溶液を含む。処方物は、タキサン感受性腫瘍に対する非経口薬物として有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 安定な非中毒性処方物中の非経口パクリタキセル 本発明は、ポリオキシエチル化ヒマシ油またはエチルアルコールの副作用への 患者の曝露を伴わない、悪性疾患の処置および抑制のために有用であるタキサン (taxane)アナログの処方物に関する。 発明の背景 パクリタキセルは、最近10年間に臨床試験に入った、最も有望な化学療法剤の 1つである。これは、卵巣ガンおよび乳ガンに対する強い活性が示されており、 そして現在、数種の異なる悪性疾患に対して第II相〜第III相の臨床試験を行っ ている。利用可能な結果は、薬物がリンパ腫および異なる種類の白血病に対して もかなりの価値のものであり得ることを示す。その限られた出発物質は北米原産 のイチイの木(pacific yew tree)の樹皮を利用しているので、薬物の供給は、 厄介な抽出方法に起因して制限されている。この欠点は、このイチイの木の針状 葉ならびに樹皮からパクリタキセルを抽出する技術の最近の開発により、ある程 度、緩和されている。豊富に供給される、天然に利用可能な前駆体物質からのタ キソール(taxol)の半合成生産のための技術がまた、開発されている。パクリ タキセルは現在、非経口投与のために利用可能であるが、ヒトでの使用のために 承認された処方物は、Bristol-Myers Squibbから利用可能な1つの処方物(TaxolTM )しかない。この処方物は、50%(v/v)アルコール、ならびに88倍過剰のポリ 油は、重篤な副作用を誘導する可能性を有する。利用可能なパクリタキセル処方 物の急性および共通の臨床的副作用は、重篤である:列挙すると、致死的な結果 となる危険性がある、呼吸困難、低血圧、血管性水腫、全身性蕁麻疹、および最 「可塑剤」、すなわち、注入物(lnfusate)中への使い捨て用の注入袋およびiv チューブセットの製造において使用される化学物質の漏出を促進する。そして、 これらの化学物質に曝露した患者の(長期の)危険性は未知である。現在用いら れる薬物調製物からの重篤な急性の副作用のこの経験は、ジフェンヒドラミン、 H2−アンタゴニスト、およびさらにコルチコステロイドの前投薬を要求してい る。 それゆえ、別の溶媒系に基づくタキサンの処方物の必要性がある。これは、危 険な副作用を緩和し、そしてパクリタキセルおよび関連するタキサン化合物を用 いる従来の用量治療および高用量化学療法の両方のために、より穏やかな薬物供 給を提供する。 発明の要旨 本発明は、共溶解性(cosolvency)の原理に基づいて、再処方された薬物を非 およびエチルアルコールの使用を排除する、代替的な薬学的に受容可能な溶媒ビ ヒクルを提供することにより、従来技術におけるこれらの欠陥を克服することを 探求する。これらの処方物は、脈管内投与の後に、薬物の薬物動態/薬力学を潜 在的に調節し、そしておそらくまた、副作用のスペクトルを変更する。なぜなら 、例えば、現在使用されるパクリタキセル養生法は、平均サイズの成体患者にお い 本発明はまた、プロトタイプ物質としてパクリタキセルを利用する、非経口使 用のためにタキサンアナログを可溶化するための組成物および手順の知見として の広範な局面において記載され得る。本知見の1例として、タキサンアナログ( 例えば、パクリタキセル)を一次ビヒクルとしての有機溶媒(すなわち、ジメチ ルアセトアミド(DMA)またはジメチルスルホキシド(DMSO))に溶解し、次い でその後の水性溶媒中での(最終)希釈のために、二次溶媒(例えば、ポリエチ レングリコール400(PEG))で溶液中の薬物を安定化する。好ましい最終溶媒は 、水性脂質乳濁液(例えば、乳濁化大豆油(Kabi-Pharmacia Inc.,Stockholm, SwedenからのIntralipidTM))である。本明細書中に記載される例は約400の平 均分子量を有するポリエチレングリコールを利用するが、PEGの分子量は約300〜 約10,000で変化し得ることが理解される。さらに、有用であると意図される 他の共溶媒は、例えば、種々のアミドのような溶媒を含むがこれらに限定されな い。これらの例は、2-ピロリジノン、1-メチル-2-ピロリジノン、およびさらな る硫黄含有化合物(例えば、スルホラン、テトラメチレンスルホン、およびテト ラメチレンスルホキシド)である。これらの薬剤は、全て、タキサン化合物の可 溶化のための使用が可能であるはずの双極性非プロトン性溶媒の例であるが、こ れらは薬学的溶媒としての以前に確立され記録された使用をほとんどまたは全く 有さない。 好ましい脂質溶媒は、特定の利点を提供する。なぜなら、プロトタイプタキサ ンアナログとしてのパクリタキセルは高度に親油性であり、そして沈澱または分 解に起因した薬物活性の喪失を伴わずに24時間を超える注入の治療的価値が系統 的および便宜的に調査され得るように、水性希釈剤中の薬剤を安定化するために 、水性脂質乳濁液の使用が意図される。IntraliPidが容易に利用可能であり、そ して日常的な非経口栄養支持物として承認されている。当該分野で公知である他 の脂質乳濁液が、ヒトにおいて非中毒性であり、そして低アレルギー誘発性であ る さらに、パクリタキセルは、感光性であり、そして最終溶媒としての水性脂質 乳濁液の使用は、薬物は注入されるが、光に対する防御を提供する。 本発明による1つのパクリタキセル処方物は、室温で数ヶ月間、25mg/mlで安 定であることが実証される。最終的な使用処方物は、1〜5mg/mlで少なくとも 7日間安定であり、そして市販の処方物を参照溶液として用いて2つのヒト白血 病細胞株に対してアッセイした場合、完全な細胞傷害活性を保持する。さらに、 ビヒクル処方物自体は、溶血アッセイにおいてアッセイした場合、非中毒性であ る。別の処方物は、明らかに細胞破壊濃度のパクリタキセルが、3mg/kg体重の 注射後に、齧歯類モデルにおいて、何時間も維持されることを実証するために用 いられている。それゆえ、本明細書中に記載される処方物は、ヒトおよび家畜に おける悪性疾患の脈管内注入治療のための現在利用可能なパクリタキセル調製物 に対して、薬学的に受容可能な代替物を提供する。この代替物は、現在利用可能 な臨床調製物よりもかなり副作用が少ないという潜在的な利点がある。本発明の 調製物で処置可能な悪性疾患は、ヒトの卵巣ガン、乳ガン、悪性リンパ腫、肺ガ ン、またはカポージ肉腫を含む。他の(親油性)のタキサンアナログの可溶化の ためのこれらの新規な溶媒系の使用を推定して、これらの非常に活性な抗ガン剤 の臨床試験を容易にすることが可能であるはずである。 本発明の利点は、以下を含む: 1.ヒトおよび家畜における悪性疾患の処置のために利用し得る、親油性タキサ ンアナログの薬学的に安定かつ非経口的に受容可能な新規な処方物。得られる処 方物は、共溶解性の薬学的原理に基づく。これは、薬学産業で通常利用され、そ してFDAにより承認される; 2.最終溶媒としての、臨床的に受容可能な水性の非経口注入液と混合され得る 新規な処方物; 3.標的としてヒト悪性細胞株を利用して組織培養において評価した場合、完全 な細胞傷害活性を保持する新規な処方物:および 4.ラットモデルにおけるこの処方物の静脈内投与の後に、以前に利用可能な処 方物で得られた薬物動態と匹敵する薬物動態で、脈管内投与に受容可能である処 方物。 アルコールの使用を回避し、その結果、薬物が物理的および化学的に安定なまま であり、そして非溶解薬物および/または溶媒ビヒクルからの過度の中毒性を伴 わずに、臨床的に有意な肺瘍殺傷効果を示すために有効であることが意図される 薬物用量で脈管内に投与され得る、複合した薬学的に受容可能な液体ビヒクル中 でのタキサンアナログ(例えば、パクリタキセル)の可溶化のための組成物およ び方法を提供する。 共溶解性の原理に従って、好ましい処方物は、無水N,N-ジメチルアセトアミド (DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびポリエチレングリコール-400 (PEG)の組合せを、二次/最終水性溶媒に混和できる一次(ストック)溶媒と して利用する。この例は、通常生理食塩水、水中の5%デキストロース、および 最後に、水性大豆脂質乳濁液(IntralipidTM)である。これらの溶媒は、タキサ ンアナログ(例えば、パクリタキセル)が適切に可溶化され、そして単独または 他の薬物との組合せにおいて、ヒトの投与のために安全であるビヒクルの例であ る。 記載されたビヒクルは、パクリタキセルを0.1mg/mlから25mg/mlより多くの範 囲の濃度で溶解するために利用され得る。この範囲は、これらの薬物に感受性の 悪性疾患を処置するためにインビボで活性な細胞傷害濃度を得るために必要な投 薬量の投与をカバーすることを意図する。それゆえ、本発明は、患者をCremopho な作用への曝露を伴わないで悪性疾患を治療するための臨床的実施への、パクリ タキセルおよび他のタキサンアナログの導入を可能にする。 より広い意味では、本発明は、ほとんど水溶性でないタキサンアナログ(例え ば、パクリタキセル)を脈管内に投与する方法を記載する。この実施熊様は、薬 物の乏しい腸吸収を回避し、ならびにこの薬剤の現在利用可能な唯一の処方物で 遭遇している、ポリオキシエチル化ヒマシ油およびエチルアルコールの重篤な全 身性の有害な作用を避ける。新規な処方物の著しい安定性は、現在利用可能な処 方物が臨床的に受容可能な注入液における長期の安定性を欠くのとは対照的に、 長期の非経口注入を可能にし、従って、これらの薬物の治療的潜在能力を増強す ることが予想される。 本出願において使用される略語 ATCC;American Tissue Culture Collection,Rockville,MD DMA;無水N,N-ジメチルアセトアミド DMF;ジメチルホルムアミド FDA;Federal Food and Drug Administration HPLC;高速液体クロマトグラフィー HL-60;ヒト骨髄性白血病細胞株 IMDM;Iscoveの改変Dulbecco培地(GIBCO,Grand Island,New York,NY) IntralipidTM;大豆油から製造され、そして非経口栄養のためにKabi-Pharmac ia,Inc.,Stockholm,Swedenにより市販される水性脂質乳濁液の商品名 KBM-7/B5;ヒト骨髄性白血病細胞株 MeOH;メタノール MTT;3,[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]2,5-ジフェニルテトラゾリウム-ブ ロミド NCI;National Cancer Institute NH4-アセテート;酢酸アンモニウム NS;通常生理食塩水(150mM NaCl) PBS;リン酸緩衝化生理食塩水(Dulbeccoの処方、pH7.4) PEG;ポリエチレングリコール-400 PG;プロピレングリコール PTFE;ポリテトラフルオロエチレン(フィルター)、TeflonTM RT;室温(22℃) Sep Pak Vacl cc tC2TM;Waters Inc.,Milford,MAからの使い捨て用の抽出 カラム SDS;ドデシル硫酸ナトリウム 図面の簡単な説明 図1。25mg/mlの濃度でのDMA:PEG(1:3、v/v)ストック処方物中での室温(RT 、22℃)および4℃でのパクリタキセルの安定性。4℃での安定性は、現在(4. 5ヶ月)まで、RTで保存されたサンプルについて記録された安定性と重なる。 図2。25mg/mlの濃度でのDMA:PEG(1:3、v/v)ストック処方物中での4℃、室 温(RT、22℃)、40℃、および60℃でのパクリタキセルの加速安定性試験。4℃ およびRTでのサンプルについて得られた安定性曲線は、60日間の観察期間全体に わたって100%重なった。 図3。DMA:PEG(1:3、v/v)の最終使用処方物中に、次いで、Intralipidで1m g/mlおよび5mg/mlまでさらに希釈された、RTでのパクリタキセルの安定性。2 つの異なるロットの可溶化パクリタキセルを調製し、そして平行に試験した。 図4。安定性試験において使用されたHPLCアッセイについての、パクリタキセ ル濃度の曲線下面積(AUC)に対する標準曲線。類似の標準曲線を、薬理学試 験について作製した。 図5A〜図5Bは、Waters μBondapak Phenylカラムを用いた図5Aにおける安定性 試験においてHPLCアッセイから得られたクロマトグラムの例である。注射された サンプル容積(10μg/ml)は図5Bにおいては20μlであり、そして図5Cにおい てはC8 symmetryTMカラムを用い、注入された容積は20μl(図5B;1μg/ml 、および図5Cにおいて;10μg/ml)であった。HPLC条件は、実施例1の下で記 載された通りであった。 図6。DMA:PEG:Intralipidの、それぞれ、パクリタキセルなし(□)および あり(■)での最終使用処方物の溶血潜在能力。 図7。60分間の薬物露出後に試験管内腫瘍細胞感受性試験(clonogenic asssa y)で評価した、2つのヒト細胞株KBM-7/B5およびHL-60に対する、DMA:PEG:In tralipid使用処方物中でのパクリタキセルの細胞傷害活性。陽性コントロールと して、市販の調製物中のパクリタキセルを供した。詳細については、本文の実施 例2を参照のこと。 図8。HPLCの前に、実施例3(23〜24頁)に記載されるようにSepPakカートリ ッジで抽出された血漿サンプルのクロマトグラム;a)ブランクの血漿、b)新規な 処方物中でパクリタキセルで10μg/mlまでスパイクした血漿、およびc)薬理学 試験からの信頼性のあるクロマトグラム。ここで、ラットに、3mg/kgの薬物を 注射した。この血液サンプルを、注射の5分後に得た。 図9。雄性Sprague-Dawleyラットにおいて3mg/kgで注射したパクリタキセル (-Δ-新規処方物、DMA:PEG:Intralipid)の、血漿濃度の時間に対するパター ン。陽性コントロールとして、ラットに市販の調製物を注射した(□)。 例示的な実施態様の説明 本発明は、ほとんど水溶性でないタキサンアナログの非経口または脈管内投与 のための処方物であって、アルコールおよびポリオキシエチル化ヒマシ油の両方 を欠き、そしてこれらの薬剤に対して感受性である悪性腫瘍の制御を改善するた めに有用である処方物を提供する。例示的な処方物は、ヒトの悪性疾患について の当該分野で受け入れられているモデル(例えば、ヒト白血病細胞株KBM-7/B5お よびHL-60)に適用した場合に有効であることが本明細書中に示される。このタ キサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル(docetaxel))の、つま り、非経口抗ガン剤としての使用は、医療の実施において以前に実証されており 、そしてこれらはインビトロならびに臨床設定において、充分に実証された細胞 傷害特性を有する(Rowinskyら,1990;Nicoletiら,1993;Rose,1993;Verweijら ,1994;Rowinskyら,1993;Brownら,1991;Holmesら,1991;Seidmanら,1995;Che vallierら,1994)。 非経口投与は、全身性悪性疾患の治療としてのタキサンアナログの好ましいア プローチである。不幸にも、これらの薬物のほとんどは、脈管内投与に適合する ほとんどの生理学的に受容可能な水性溶媒において非常に低い溶解度を有する。 市販のパクリタキセル処方物についての溶媒系は、深刻な副作用の可能性をもた らす、エチルアルコールおよびポリオキシエチル化ヒマシ油の組合せに基づく。 この「標準的な」ビヒクルにおけるパクリタキセルは、一次アナフィラキシー様 の性質の急性の副作用を有することが証明されており、ジフェンヒドラミン、ヒ スタミンH2アンタゴニスト、およびさらにコルチコステロイドの大量の前投薬 される処方物は、共溶解性の原理(SpiegelおよびNoseworthy,1963;Yalkowsky およびRoseman,1981)に基づいており、パクリタキセルのようなタキサンアナ ログをそれらの細胞傷害特性に影響を及ぼさずに可溶化する能力を実証する。 好ましい溶媒は、利用される提案された濃度および総用量での実験動物および ヒトにおける投与のために実質的に非中毒性であり、そして安全であると証明さ れる。実際に、DMAは、ヒトに投与される種々の薬理学的に活性な薬剤の可溶化 のために以前に用いられている(U.S.Department of Health and Human Servic es,1984;Weissら,1962;Kim,1988)。PEGの非経口投与は、サルモデルにおい て詳細に研究されており(Lockardら,1979)、そしてPEGはまた臨床的に、リン パ性白血病およびリンパ腫の処置においてL-Asparaginaseの(共有結合した)キ ャリアとして用いられている(Keatingら,1993)。DMSOは、臨床医学において 大量に使用されており、高用量の化学療法および造血性幹細胞移植の前の骨髄お よび末梢血前駆細胞の凍結保存のための凍結防止剤として最も広範に利用され る(DavisおよびRowley,1990;Gorin,1992)。これらの希釈剤の使用による深 刻な臨床的に有害な作用は体験されていない。通常生理食塩水(NS)、水中のデ キストロース(5〜70%)、および水性脂質乳濁液の臨床使用は、液体および電 解質バランスを正すため、ならびに非経口栄養物を供給するための、充分に確立 された日常的な手段である。通常生理食塩水および水中のデキストランは、種々 の薬物を非経口使用のために希釈するのに大量に使用されている。水性脂質乳濁 液は薬学的希釈剤としての広範な使用を未だに見出していないが、この使用は示 唆されている(Fortnerら,1975)。齧歯類モデルにおいて得られたデータは、 提案された安定なタキサン処方物が、全身性悪性疾患の非経口処置を可能にし、 100%の生物学的利用能を提供することを実証する。パクリタキセルの短いiv注 入の後、血漿濃度は、ヒト悪性細胞株に対する細胞傷害活性のインビトロ試験に より確立されたように、抗新生物性の範囲に明らかに到達し、そしてその範囲に 長時間とどまる。特に、本明細書中に開示されるパクリタキセル使用処方物は、 RTで1週間を越えて化学的に安定であり、取扱いが簡単であり、そして信頼でき かつ容易に制御される投与を、薬物の100%生物学的利用能で提供する。 要約すると、本知見により、長期間のパクリタキセルの投与を可能にすること によって、特定の悪性疾患(例えば、卵巣ガン、乳ガン、および免疫無防備状態 の患者におけるカポージ肉腫)の処置において使用される方法および処方物の改 善が提供される。これらの方法および処方物は、親油性薬剤の調製におけるアル コールおよび/またはポリオキシル化ヒマシ油の使用に関連する副作用の危険性 を排除するというさらなる利点を提供する。 以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を実証するために含まれる。以下 の実施例に開示される技術は、本発明の実施において良好に作用すると本発明者 らにより見出された技術を代表し、従ってその実施のための好ましい態様を構成 すると考えられ得ることが、当業者には認識されるはずである。しかし、当業者 は、本開示を考慮して、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、開示された特 定の実施態様に多くの変更を行い得、そして依然として同様または類似の結果を 得うることを認識するべきである。 実施例1 非経口投与に受容可能なタキサンアナログ処方物 所望の溶解度の計算 パクリタキセルの適切な溶解度の範囲は、有意な抗腫瘍効力をヒトで有するこ とが知られている用量からの推定により計算されている。これらの研究は全て、 FDAに承認された現在唯一の非経口処方物である、エチルアルコール/Cremophor 代表的には、135〜250mg/m2体表面の範囲の用量を投薬する(Verweijら,1994;R owinskyら,1993;Brownら,1991;Holmesら,1991;Seidmanら,1995;TAXOL 知られていない。しかし、長期の注入態様では、薬物の神経性副作用が短期間( 3時間)の注入で経験される副作用ほど著しくないことは明らかである。それゆ え、パクリタキセルの臨床的に最も最適な投与態様は、おそらく24時間より長い 時間にわたる長期の注入であると仮定され、便利な取扱いを可能にするように、 RTで少なくとも36〜48時間の所望の安定性を有する使用処方物を必要とする。こ のような用量が1mg/ml〜5mg/mlの濃度で溶解される場合、少なくとも10mg/ml 〜25mg/mlのストック処方物は、注入物中の薬物の物理的または化学的分解に起 因する注入液の反復交換を必要とせず、必要とされる長期の時間間隔にわたって 容易に注入され得るように、かなり広範囲の使用濃度の希釈で適切な取扱いを可 能にするために好ましい。 生理学的に受容可能な溶媒における増強された溶解度 パクリタキセルの溶解度を、数種の個々のビヒクルにおいて決定した。粉末( 精製薬物の2つの異なるアリコートを、Xechem Inc.New Brunswick,New Jerse yから得た)としての既知量の薬物を、それぞれの溶媒中で、RT(22℃)にて1 時間にわたって平衡化した。次いで、アリコートを取り出し、そしてHPLCの前に 所定の時間で、MeOH中に希釈した。これらの特定のビヒクルにおけるパクリタキ セル溶解度に基づいて、次いで、共溶解性の原理(SpiegelおよびNoseworthy, 1963;YalkowskyおよびRoseman,1981)に従って異なる溶媒を混合することによ り、(安定な)溶解度を増強することを試みた。臨床的に適切な安定なストック 処方物に到達するために、異なる溶媒系を、上記の必要な溶解度の見積もりに比 較して評価した。次いで、このストック処方物を、「最終溶媒」で希釈して、非 経口的に注入され得る、1〜5mg/mlの完全に安定な臨床的作業処方物を得る。 最終溶媒を、通常に利用されている非経口注入液(NS、水中の5%デキストロー ス、または非経口で受容可能な水性脂質乳濁液(例えば、Intralipid))の1つ から選択した。これらの全ては容易に利用可能であり、そして非経口投与のため に承認されている。 HPLCアッセイ 溶液(タンパク質含有混合液および無タンパク質混合液の両方)中の低濃度の パクリタキセルの最も正確かつ敏感な検出系は、227nmでのuvスペクトルで操作 する検出器の吸光度検出を利用する、HPLCアッセイである。227nmという値は、 パクリタキセル分子の固有吸収極大に基づいて選択した。この一般的なアプロー チは、何人かの研究者により以前に記載されている(Rizzoら,1990;Willeyら, 1993;Sharmaら,1994;Eisemanら,1994)。 LDC 4000多溶媒送達系(multi-solvent delivery system)TMおよびWaterシス テム717plus AutoinjectorTMを備えた液体クロマトグラフィー系を用いた。吸光 度検出器は、LDCモデルCI 4100完全コンピューター化インテグレーターと連動し たLDC 3100変動波長検出器であった。用いたカラムは、最初はWaters μBondaPa kTMフェニルカラム(3.9×300mm)であり、そして後にはWaters CiSymmetryTMカ ラム(3.9×150mm)(Millipore Corp.,Marlborough,MA)を用いた。イソクラ ティック(isocratic)移動相系は、NH4-アセテート(20mM、pH5.0)/アセトニ トリル/MeOH(50:40:10の容積比)から成っていた。全ての化学物質は、他に 示さない限り、HPLCグレードであった。流速は1.0ml/分であり、そして記録計の チャート速度は5mm/分であった。分析系を(Rizzoら,1990;Willeyら,1993;S harmaら,1994;Eisemenら,1994;未公開方法:Xechem Inc.,Newark,New Jerse yの好意,および未公開方法,T.Madden博士,Department of Pediatrics,U T MD Anderson Cancer Centerの好意)から確立した。 クロマトグラムにおける内在性血漿(タンパク質)ピークの出現は、薬理学試 験におけるHPLC溶出との干渉を生じた。それゆえ、抽出/精製工程を、使い捨て 用のSep Pak Vac 1cc tC2抽出カラム(Waters Corporation Inc.,Milford,MA )を用いて追加した。これらの使い捨て用の抽出カラムを、500μlのMeOH:水 (85:15、v/v)を移動相として、1mlのMeOHおよび1mlの水で条件付けした。 次いで、溶出液を、上記のようにHPLCにより分析した。 パクリタキセル溶解度 数種のストラテジーを、ヒトの投与に適合する、水混和性で生理学的に受容可 能なビヒクル中にパクリタキセルを可溶化するために評価した。調べた候補溶媒 は、水性溶媒NS、水中の5%デキストロース、および水性大豆脂質乳濁液(Intr alipid)に加えて、DMA、DMSO、PEG、およびPGを含んでいた。DMAおよびDMSOは 、最良の第1の溶媒であり、一方パクリタキセルは、予想されたように、ほとん どの水性溶媒に不溶性であった(表1)。DMAおよびDMSOでのみ、10mg/mlを越え る溶解度に到達した。実際に、これらの溶媒の両方は、100mg/mlを越えるパクリ タキセル濃度を得、そしてこの薬物は溶液中でRTにて4時間にわたって安定なま まであった。しかし、パクリタキセルはDMAおよびDMSOに少なくとも100mg/mlま で溶解し得るが、この薬物は約12時間以内に溶媒中で分解し始めた。DMSOはおそ らくタキサンと化学的に反応し得るという懸念に起因して、ほとんどの研究は、 共溶解性アプローチを用いて、DMA中に溶解したパクリタキセルをどのようにし て安定化するかということに取り組んでいた(SpiegelおよびNoseworthy,1963; YalkowskyおよびRoseman,1981)。数種の共溶媒の組合せを研究した;PEGの添 加は、25mg/mlの安定な溶液を可能にし(図1および図2)、そしてこのストッ ク溶液を1mg/mlまたは5mg/mlまで水性脂質乳濁液でさらに希釈した場合、得ら れる「使用処方物」は、RTで少なくとも7日間安定であった(図3を参照のこと )。 HPLCアッセイ HPLCアッセイからの信頼性のあるパクリタキセルクロマトグラムの1例を図4 および図5に示す。このパネルにおいて、水性DMA/PEG/脂質「使用」溶媒中の薬 物を用いる安定性試験から薬物を分析した。μBondapakフェニルカラムを利用す る上記の条件下での保持時間は、約17〜18分であった。別のアプローチを比較し た後に、μBondapakフェニルカラムを、同一の回収率および感度データを与える が、より良好な分解能およびほんの10.3〜11.3分の範囲の保持時間を有するC8S ymmetryカラムと交換した。アッセイは無タンパク質溶液(すなわち、処方物実 行可能性試験および処方物安定性試験において利用される種々の溶媒系)におい て10ng/ml〜50.0μg/mlの直線状であった。このアッセイは、一貫して高い回収 率、正確度、および約5ng/mlのより低い感度限界を得た。この技術は、標準化 され、そして変更を加えずに全ての安定性試験のために使用された。薬理学試験 のために、クロマトグラムにおける内在性血漿タンパク質ピークの出現は、抽出 /精製工程の追加を必要とした。この抽出を、Waters Sep Pak Vac1cc tC2抽出 カラムで達成した。血漿分析の結果については、実施例3を参照のこと。 実施例2 インビトロでの安定性および他の特性、好ましい処方物 溶解度試験 粉末としての過剰なパクリタキセルを、DMA、DMSO、PEG、およびPGにRTで添加 した。各混合物を暗い環境におき、そして可溶化の証拠について1時間まで肉眼 でチェックした。1mlのサンプルを種々の間隔で採取し、そしてシリンジアセン ブリー(Whatman Inc.,Clifton,NJ)に取り付けた0.45μm PTFETMメンブレン キセル濃度をHPLCにより決定した。 種々のパクリタキセル処方物の安定度 種々の非経口処方物の物理的および化学的安定性を試験するために、3セット の試験を行った: (a)パクリタキセルを100mg/mlの濃度でDMAのみ(「一次ストック溶液」)の中 に溶解し、そして4℃、22℃、40℃、および60℃でインキュベートした。可溶化 の直後に採取したサンプル中および徐々に時間間隔を48時間まで増加させた後に 採取したサンプル中のパクリタキセル濃度を、HPLCにより決定した。 (b)DMA-パクリタキセル混合物を、PEG(1:3、v/v,DMA/PEG)または脂質乳濁 液(1:10または1:100、v:v、DMA:Intralipid)で希釈して10〜25mg/mlの範囲の 薬物ストック濃度を得た。 (c)DMA-パクリタキセル混合物を、通常生理食塩水または水中の5%デキスト ロース中に希釈して、1mg/mlおよび5mg/mlの薬物濃度を得た。 種々の処方物を、それぞれの溶媒系における分解の初期速度に依存して、混合 の直後、次いで1時間毎に8時間、次いで時間間隔を徐々に増加させながら10日 間より長く、HPLCにより分析した。 薬物の溶解度は、異なる一次溶媒の間で著しく異なった。DMAおよびDMSOのみ が、100mg/mlを越える溶解度を提供し、そして上記のように、一次溶媒としての 長期の試験のためにはDMAが好ましかった。 最終使用処方物におけるDMA濃度を低下させるため、および薬物の貯蔵寿命を 改善するために、PEGを共溶媒として研究した。PEGの使用は、25mg/ml程度の高 い薬物「ストック」濃度でさえも、薬物の沈澱または迅速な化学的分解を伴わず に、水性ビヒクル中でその後の希釈を可能にすることを予想させた。さらに、完 全溶媒系におけるDMA濃度全体が低いことは、より高濃度のDMAまたはDMSOが一次 可溶化工程に使用された場合よりも低い、最終使用処方物の溶血潜在能力を得る ことを予想させた。 浸透圧測定 浸透圧を、マイクロオスモメーターモデル3moplusオスモメーター(Advanced Instruments Inc.,Needham Heights,MA)で測定した。器具を、500〜2000mOs m/kgの範囲にわたって、AdvansTM固有較正スタンダード(Advanced Instruments Inc.)を用いて較正した。試験溶液を、試験キットからの使い捨て用のキュベ ットに入れ、そして浸透圧の読み取り値をmOsm/kgの単位で平衡化した後に記録 した。3連の測定を、各ビヒクル(パクリタキセルなし)について実施し、そし て6回の測定を、パクリタキセルの添加ありで行なった。 両側t検定を用いて、パクリタキセルの添加ありおよびなしでの種々のビヒク ル処方物の浸透圧の差を評価した(MannおよびWhitney,1947)。2群の平均値 の間の差は、P≦0.05で有意差ありと判断された。 インビトロでの溶血試験 Parthasarathyらの手順を用いて、いくつかの選択された調製物の溶血潜在能 力を調べ、そして最も最適な処方物のLD50値を、記載された(Parthasarathyら ,1994)通りに作製した。ヘパリン処理血液を、等容積のAlsever溶液と混合し た。この混合液をPBS中で2回洗浄し、次いで10%(v/v)赤血球/PBS溶液を調 製し、そしてパクリタキセルの添加ありまたはなしの漸増量の完全溶媒系と混合 した。次いで、これらの混合物を、37℃にて4時間インキュベートした。インキ ュベーションの最後に、Eppendorf微量遠心管中で10,000×gで細胞をペレット 化し、そして上清中のヘモグロビンの放出(すなわち、溶血)を分光光度計で55 0nmで決定した。最大溶解を、低張ショックにより完全に溶解してある赤血球の 参照溶液に対して測定した。「最適な」完全な処方物の溶血潜在能力を、記載さ れた(Parthasarathyら,1994)ように評価し、そしてデータを、健常細胞画分 対ln(総容積パーセント)としてプロットした。総容積パーセントを、血液で希 釈した後の混合物中のビヒクルの容積パーセントとして定義した。このことを、 非経口投与後の血流中のそれぞれの薬物処方物の希釈をシミュレーションするた めに行なった。健常な赤血球を、パクリタキセルありまたはなしの溶媒ビヒクル との混合後にそれらのヘモグロビンを細胞内に保持し得る赤血球として定義した (Parthasarathyら,1994)。 パクリタキセルのインビトロ細胞傷害性 パクリタキセルありおよびなしの選択された溶媒系の細胞傷害性潜在能力を、 2つのヒト骨髄性白血病細胞株HL-60(Gallagherら,1979)およびKBM-7/B5(Ande rssonら,1987;Anderssonら,1995)に対して、以前に公開された細胞傷害性ア ッセイである「MTT」アッセイ(Hansenら,1989;Anderssonら,1995)を用いて 、および試験管内腫瘍細胞感受性試験(Anderssonら,1994)を用いて決定し た。10%ウシ胎児血清を補充したIscoveの改変Dulbecco培地(IMDM)中のHL-60ま たはKBM-7/B5細胞を、37℃にて60分間インキュベートした。24時間後、25μlMT T溶液(5mg/ml)(Sigma Chemicals,St.Louis,MO)を各サンプルに添加し、 続いてさらに37℃にて2時間インキュベートし、100μlの抽出緩衝液を添加し た[抽出緩衝液:DMFおよび脱イオン水(1:1)の溶液中に37℃で飽和するまで溶解 した20%(w/v)SDS;(pH4.7)]。37℃にて一晩のインキュベーション後に、光 学密度を、較正ブランクとしての抽出緩衝液に対してTiter-TechTM96ウェルマル チスキャナー(96-well multi-scanner)TMを用いて570nmで測定した。細胞傷害 性を、上記のように溶媒±パクリタキセルに曝露したサンプルと、PBS単独で平 行にインキュベートした細胞のバックグラウンド反応性との間の比色の差違とし て決定した。全ての決定を、3連で行った。あるいは、60分間のインキュベーシ ョン後、細胞を氷冷PBS(pH7.4)中で洗浄し、そして20%ウシ胎児血清および粘 性支持体としての0.3%寒天を有するIMDM中に再懸濁した。37℃にて7日間のイ ンキュベーション後、>50細胞のクローンを倒立位相差顕微鏡の下で計数し、そ して生存曲線を記載された(Anderssonら,1994)ように構築した。 平衡溶解度決定 >100mg/mlのパクリタキセルの最大平衡溶解度を、RTにて1時間以内に、DMA およびDMSOにおいて達成した。それぞれ、PEG-400、PG、NS、IntraliPid、およ び5%デキストロースを利用する溶解度試行は、有意な濃度の可溶化薬物を全く 生じなかった(表1)。それゆえ、後者は、一次溶媒としての試験についてさら には考慮しなかった。DMAおよびDMSOの両方において、パクリタキセルは、RTに て少なくとも4時間は完全に安定であったが、DMSOの硫黄基がRTでの長期の曝露 に際してタキサン構造と反応性であり得ることが予想される。それゆえ、無水DM Aは、一次溶媒として好ましい。DMA中で>100mg/mlのパクリタキセル溶解度に到 達した場合、薬物は、RTにて一晩の保存の後にゆっくりと分解し始めた。薬剤を 安定化するために、いくつかの共溶媒を調べた。PEGをDMAと組み合わせて使用し た場合、4℃およびRTでの実際の生存安定性試験は4.5ヶ月を越える期間にわた って、識別可能な分解を生じなかった(図1)。 種々の処方物の安定性試験 異なる溶媒処方物中の可溶化パクリタキセルの温度依存性安定性を、以下の通 りに試験した:薬物を、DMA中に100mg/mlで、そしてPEG(1:3、v/v)の添加後、 25mg/mlの最終パクリタキセル濃度まで溶解した。異なるアリコートを、4℃、2 2℃、40℃、および60℃にて保存した(図2)。可溶化の直後および50日間を越 えるまで種々の間隔で、異なるサンプルからのアリコートをHPLCにより分析した 。4℃、RT、および40℃にて保存した薬物サンプルは、観察の最初の60日間にわ たって有意な分解を全く示さなかった。60℃では、観察の最初の6時間において 約10〜15%の喪失が存在し、その後、6週間を越える期間にわたってさらなる分 解は存在しないようであった。この知見は、薬物がまた、このストック処方物中 で上昇した温度において安定であることを示唆する。 次いで、NSまたは水中の5%デキストロースを最終溶媒として用いた場合、有 意な分解が4〜6時間以内で生じた。対照的に、水性脂質乳濁液を最終的な溶媒 ビヒクルとして用いた場合、得られた溶液は1mg/mlおよび5mg/mlで、4℃およ びRTにて1週間にわたって安定であった(図3を参照のこと)。 浸透圧 薬理学的に活性な薬剤の非経口処方物が、血液に対して等張であることが望ま しい。高張性送達系は、薬物/溶媒が(中央)静脈カテーテルを通して注入され 、そして大きな血液容積中に徐々に希釈される場合、利用され得る。現在の処方 物の1つの浸透圧を表2に示す。パクリタキセルありまたはなしの一次DMA/PEG- ストック調製物(formula)は、非常に高張であった;その浸透圧は、ヒトの血 液についての280〜295m0sm/Kgと比較して、4,000mOsm/kgを越えると評価された 。対照的に、IntraliPidを有するDMA/PEG/パクリタキセルの混合物は、等張に近 かった。この完全ビヒクルの浸透圧は、1mg/ml(<5%)のパクリタキセルの添 加によって、認め得る程には変化しなかった。 溶血 図6に示すように、使用処方物は、完全ビヒクルをパクリタキセルの添加あり またはなしのいずれかで用いた場合、溶血を誘導する低い能力を示した。パクリ タキセル依存性溶解は、50μg/mlまでおよびそれを越える薬物濃度について、 バックグラウンドよりも上であるとかろうじて知覚され得た。タキサン特異的溶 血は、異なる試験間で高度に再現性であった。パクリタキセルありおよびなしで 完全な使用ビヒクルを用いる異なる試験からの詳細を、図6にまとめる。DMA/PE G/IntraliPidTM処方物は、非常に低い溶血潜在能力を有していた。 パクリタキセルのインビトロ細胞傷害性 HL-60およびKBM-7/B7骨髄細胞を、漸増薬物濃度の添加ありまたはなしで、漸 増容積比でDMA/PEG/Intralipidの最終使用ビヒクル中のパクリタキセルに、およ パクリタキセルに曝露した。これらの溶媒系のいずれも、MTTでのこれらの試験 または試験管内腫瘍細胞感受性試験において用いた細胞株に対して、単独では検 出可能な中毒性を全く有さなかった。パクリタキセルをそれぞれの溶媒系に添加 した場合、濃度依存性細胞傷害性が、両方の処方物について観察された(試験管 内腫瘍細胞感受性試験で得られたデータについては図7を参照のこと;類似の確 証的なデータが、MTTアッセイで得られた)。薬物は、標準的な処方物と比較し て少なくとも等価な細胞傷害性潜在能力を、調べた新規な処方物において保持し たようである。 実施例3 血漿中での定量的パクリタキセル分析およびivパクリタキセルの薬理学 血漿中のパクリタキセルの定量的抽出 ラット血漿(500μl)を、(最終容積の<3%で)種々の量のパクリタキセル と混合して、(5mg/mlの薬物濃度のDMA/PEG/Intralipid中のパクリタキセルス トック使用溶液から)0.05〜3.0μg/mlの薬物濃度を得た。薬物を、上記のよう に血漿サンプルから抽出した。500μlの血漿を、1ml MeOHで、次いで1ml水で 予め条件付けしたSep Pak Vac1cc to tC2カートリッジ上にロードした。続いて 、サンプルを1mlの水で洗浄し、続いて1ml MeOH:水(1:3、v/v)で洗浄し、次 いで500μlMeOH:水(85:15、v/v)で溶出した。溶出液を、上記のようにHPLC 分析に供し、そしてパクリタキセルを分光光度計により227nmで検出した。10μ g/mlの薬物濃度までスパイクしたラット血漿からのパクリタキセルの回収率は 、87±3%であると計算された。アッセイは、10ng/ml〜50μg/mlの間では直線 状であり、検出限界は5ng/mlであった。 ラットにおける非経ロパクリタキセル インビボでの試験のために、250〜300gの体重の雄性Sprague-Dawleyラットを 用いた。これらは、Harlan-Sprague-Dawley地方交配施設(local breeding faci lity),Houston,Texasから購入した。動物を、MD Anderson Cancer Centerへ の輸送の後に最小3〜4日間、環境の変化に適応させた。全ての動物を、薬理学 的試験の前およびその間、市販の飼料および水道水に自由に接近させた。3mg/k gの用量を、薬理学的前投薬の非存在下で致死的なアナフィラキシー様反応を伴 大用量として決定した。5mg/kg体重および10mg/kg体重の試行注射により、Crem が、開示された処方物が用いられた場合はそうならなかった。 インビボ薬理学試験のために、パクリタキセルを、25mg/mlのストック薬物濃 度までDMA/PEG中に処方し、次いでIntraliPidで希釈したので、用量(3.0mg/kg )が尾静脈を通しての注射により、0.5mlの最大容積でiv投与され得た。市販の て、薬理学的前投薬を、本試験の動物には用いなかった。このことは、薬物代謝 /除去を変更し得、そして(より後の部分の)血漿濃度曲線に影響を与え得る、 ミクロソーム肝臓酵素の誘導の可能な影響を回避した。同じ理由のため、全ての 動物に麻酔をせず、そして薬物注射の間、単に物理的に拘束した。注射した使用 処方物の薬物濃度は、使用前にHPLCにより確認された。パクリタキセル血漿濃度 の決定のために、薬物注入の前(ブランク血漿のため)および注射の5分〜24時 間後の選択された時点で、軽いCO2麻酔下で心臓穿刺を通してヘパリン処理チュ ーブ中に0.5〜1.0mlの血液サンプルを採血した。血液を1,000×gで10分間遠心 分離し、そして血漿を分離し、そして上記のように抽出しそしてHPLCによりアッ セイするまでは、−80℃で保存した。 血漿中のパクリタキセルおよびiv薬物薬理学 Sep Pak Vac1cc tC2カラムを用いてのMeOHでの血漿からの薬物抽出は、内在 性血漿成分からの干渉を回避するため、および最大量の薬物を回収するために必 須であった。ブランク血漿、パクリタキセルスパイク血漿からの信頼性のあるク ロマトグラム、および現在の薬物動態試験からの血漿サンプルの抽出後に得られ たクロマトグラムの1例を、図8に示す。この系におけるパクリタキセル保持時 間は、10.3〜11.3分であった。上記の技術でのパクリタキセルの回収率は、ラッ ト血漿がインビトロで10μg/mlの薬物でスパイクされた場合、87±3%であっ た。アッセイは、血漿サンプルからの薬物抽出後に、10ng/ml〜50μg/mlの範囲 で直線状であった。限界感度は、200μlがクロマトグラムに注射された場合は 約5ng/mlであった。この感度は、より大きな部分の2ml注射ループの系を利用 し、そしてまた500μlの溶出液を小容積中にエバポレート/再構成することに より改善され得ることが予想される。標準曲線は、薬理学試験については10ng/m l〜1,000ng/mlの濃度範囲で作製され、そして血漿パクリタキセル濃度とピークA UC値との間に良好な相関が得られた。 データは、新規なパクリタキセル処方物が、3mg/kg体重の市販の調製物の同 一用量の注射の後に得られた血漿濃度と少なくとも等価な血漿濃度を与えること を例示する(図9)。 全体として考慮して、本実施例は、パクリタキセルをプロトタイプ化合物とし て用いて、薬学的に受容可能な、安定なタキサンアナログ処方物の首尾良い設計 を実証する。最適の溶媒系は、醤歯類モデルにおいて示したように、良好な寛容 性および無視できる急性溶媒系中毒性で、脈管内投与に生理学的に適合性である 。ラットにおける調製物の1つの脈管内注射(200mg/m-2体表面積と同様に3.0mg /kg)は、パクリタキセルの細胞傷害性濃度に達し、そして何時間にもわたって そ の濃度で維持された血漿濃度を生じた。この試験のために、使用処方物のために IntraliPidを「最終」溶媒として有する、DMAとPEGとの1:3混合物の処方物を使 用したことに留意すべきである。 好ましい最終使用処方物、DMA/PE/Intralipidで得られたデータは、結論的に 、細胞傷害活性の予測可能な達成および溶媒ビヒクルからの低いかまたは無視で きる正常器官中毒性の合理的な見込みで、悪性疾患の臨床治療においてこの非経 口タキサン(パクリタキセル)処方物を導入することの実現可能性を実証する。 特 には関連付けられ得る、生命を危険にさらす深刻な過敏性反応の可能性は、ここ で完全に回避され得る。これらの新規な溶媒系は、溶媒系中毒性の危険性を劇的 に低減するだけでなく、タキサンアナログ(例えば、パクリタキセル)に関連す る臨床的に有害な作用を有機溶媒が増強し得る危険性を最小にし、そして便利な 取扱いおよび長期の投与スケジュールの正確な評価を可能にすることが予想され る。 要旨 脈管内投与のための親油性タキサンアナログ(例えば、パクリタキセル)の安 定で薬学的に受容可能な処方物のための新規なビヒクルが発明された。敏感かつ 特異的なHPLCアッセイを開発し、これが、10〜50ng/ml程度の低いパクリタキセ ル濃度の再現可能な定量を可能にした。平行して、その脈管内投与の後に得られ た血漿サンプルからパクリタキセルを再現可能に回収するための抽出技術を開発 した。その後、新規に処方された非経口の適合可能なビヒクルの安定性試験を、 溶血潜在能力の試験およびインビトロでの細胞傷害活性のために最良の処方物を 選択するために開始した。続いて、安定な新規の処方物の1つを、ラットにおい て3.0mg/kg体重で非経口的に注入した。示した結果から、ラットモデルにおける 新規な調製物のiv注射の後に高い薬物濃度が得られ得ることが明らかである。さ らに、この調製物は、細胞傷害性の範囲にあることが明らかである、血漿薬物濃 度および血漿濃度対時間曲線の下の面積を生じた。タキサン(例えば、パクリタ キセル)を含有する、これらの最も安定な低中毒性のビヒクルを、転移性ガンの 非経口処置について試験することが現在可能であるはずである。最終的に、悪性 疾患に対するパクリタキセルおよび他のタキサンアナログの効力の臨床試験が実 施される。 a不溶性は、ここで、室温にて60分間後の<0.1mg/mlの溶解度と定義する a、独立した観察数b 、この実験値は、おそらくアーティファクトである;オスモメトリーは、凍結 点下降を使用し、これは生理学的条件下での有機溶媒の物理的特性を正確に反映 しないかもしれないc 、処方物は、本文中に記載されたDMA:PEG:Intralipid使用処方物であったd 、処方物は、上記の使用処方物であった、パクリタキセル濃度1.0mg/ml 本発明の組成物および方法は、好ましい実施熊様に関して記載されているが、 本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載され る組成物、方法、ならびに方法の工程または一連の工程に変更が適用され得るこ とは当業者には明らかである。当業者に明らかなこのような類似の置換および改 変の全ては、添付の請求の範囲に規定されるように本発明の精神、範囲、および 概念の範囲内であると判断される。参考文献 以下の参考文献は、これらが、本明細書中に示される詳細を補足する例示的手 順の詳細または他の詳細を提供する程度に、特に本明細書中に参考として援用さ れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.タキサンアナログ、ジメチルアセトアミド(DMA)、ポリエチレングリコー ル(PEG)、および水性脂質乳濁液を含む、非経口投与のための薬学的組成物。 2.前記タキサンアナログがパクリタキセルである、請求項1に記載の薬学的組 成物。 3.前記タキサンアナログが約1mg/ml〜約5mg/mlの濃度である、請求項1に記 載の薬学的組成物。 4.前記水性脂質乳濁液が大豆油乳濁液である、請求項1に記載の薬学的組成物 。 5.前記PEGが約400の分子量を有する、請求項1に記載の薬学的組成物。 6.DMAおよびPEGを約1:3(v/v)の比で含むとさらに規定される、請求項1に記 載の薬学的組成物。 7.脈管内投与のためのパクリタキセル組成物を調製する方法であって、以下の 工程: パクリタキセルをDMA中に約100mg/mlまでの濃度で溶解する工程; パクリタキセル溶液にポリエチレングリコール(PEG)をDMA:PEGの比で約1:3 (v/v)で添加して、約25mg/mlパクリタキセルまでの濃度を有するパクリタキセ ルストック処方物を達成する工程;および 水性脂質乳濁液を添加して、約1mg/ml〜約5mg/mlのパクリタキセル濃度を達 成する工程、 を包含する、方法。 8.請求項7に記載の方法により調製される薬学的組成物。 9.パクリタキセル感受性腫瘍を処置する方法であって、以下の工程: 約1.3(v/v)のDMA:PEG比でジメチルアセトアミド(DMA)およびポリエチレ ングリコール(PEG)を溶解し、そして約1mg/ml〜5mg/mlの最終パクリタキセ ル濃度を達成するように最終的に水性脂質乳濁液中に溶解されたパクリタキセル 含有薬学的組成物を得る工程;および 該腫瘍を該薬学的組成物と接触させる工程、 を包含する、方法。 10.前記腫瘍が被験体の中にあり、そして前記薬学的組成物が非経口的に投与 される、請求項9に記載の方法。 11.前記被験体が、ヒトの卵巣ガン患者、乳ガン患者、悪性リンパ腫患者、肺 ガン患者、またはカポージ肉腫患者である、請求項10に記載の方法。 12.前記薬学的組成物が、約135mg/m2体表面〜約250mg/m2体表面の投薬量でに 投与される、請求項9に記載の方法。 13.約25mg/mlパクリタキセルおよび1:3のv/v比のジメチルアセトアミド:ポ リエチレングリコールを含む、パクリタキセルストック処方物。 14.前記ポリエチレングリコールが、約400の分子量を有する、請求項13に 記載のパクリタキセルストック処方物。
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