JP2000514652A - 産生能力の高いカプシド化系 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、導入遺伝子を有する感染性欠損ウイルスの産生のためのパッケージング真核細胞において、特に選択培地の存在下でその成長に必須の細胞機能が欠損しており、該機能は、− パッケージング細胞のトランス補完機能を有するベクターと共に、又は− 導入遺伝子を有するベクターと共に、該細胞内に導入された外因性配列の発現によって回復でき、しかも前記外因性配列を有する細胞の選択培地内での選択を可能にすることを特徴とするパッケージング真核細胞に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
産生能力の高いカプシド化系
本発明の目的は、遺伝予治療においてヒトに利用できる高力価の組換えレトロ
ウイルスを産生する、カプシド化系(パッケージング系)と呼ばれる新しい細胞
系にある。
組換えレトロウイルスによる遺伝子導入は現在、治験の枠内のみならず実験的
研究作業のためにも広く利用されている。
これらの異なる状況下で利用されるレトロウイルスベクターは通常《パッケー
ジング》又はパッケージング又はトランス補完(transcomplementation)系と呼
ばれる系により産生され、これら3つの用語は同じ意味をもつ:これらの系は、
構造タンパク質及びそれらの感染力に必要な酵素を含有するレトロウイルス粒子
の製造に必要な異なるタンパク質の構成性発現を可能にする遺伝子構成体を用い
て形質導入された細胞である。カプシド化系の目的は、トランス補完により、「
ヘルパー」機能、特に、感染性欠損ウイルスの利用によって、その発現が探究さ
れている導入遺伝子を有するゲノムベクターが有していないgag、pol及びenv
タンパク質をコードする遺伝子を提供することにある。配列ψが備わって
いないこれらの「ヘルパー」機能は、それらを含有しかつそのRNA転写物がカ
プシド化配列ψの欠失の結果ウイルス粒子内にカプシド化されていない単数又は
複数のプラスミドのトランスフェクションの後、トランス補完細胞の中で安定し
た形で発現される。これらのカプシド化細胞が次に導入遺伝子を有するベクター
によるトランスフェクションを受けた時点で、パッケージング細胞により産生さ
れたウイルスタンパク質gagは、その後環境内で塩析されるウイルス粒子の中
で、導入遺伝子を有するレトロウイルスベクターをカプシド化することができる
。(概説についてはMiller AD Gene Ther,1990 1:5-14を参照のこと)。
この一般的原理に基づき、異なるタイプのパッケージング系が実現され、今日
広く利用されている。しかしながら、これらの系は、特に特定の導入遺伝子のた
めのその利用又は特定の方法に応じて最適化できるものでは全くない。特に、導
入遺伝子又はその誘導された発現産物が望ましくない効果(不適切な発現又は不
適切な挿入により)を誘発する場合、患者に投与された形質導入を受けた細胞を
消滅させる手段は全く存在しない。必要な場合に破壊され得るパッケージング細
胞を確保することが重要である理由となるもう1つの側面は、組換えがパッケー
ジング系に基づく感染性ウイルスの形成を導き得るということがわかっている故
に、厳密に安全上の問題である。
パッケージング系を中で実現できる出発細胞の選択は、期待される特性及びそ
の潜在的な臨床的利用から見て極めて重要である。今までのところ、臨床的に用
いられる細胞系の大部分はすべてマウス由来の線維芽細胞つまりNIH−3T3
細胞から誘導されている。これらの細胞の利点は、十分に特徴づけされているこ
と、形質転換を受けていないこと(in vivoで再度注入された場合に腫瘍をひきお
こさない)、多世代にわたり飼育され、その体内ひいては潜在的に利用される細
胞の中に伝染性の感染性作用因子の存在を疑わせる可能性を残す特定の病気(例
えば神経変性タイプの病気)を呈していないことがわかっている動物に由来する
ものであることにある。そのうえ、マウスの細胞の使用は、感染病理学において
頻繁に観察される種の制限の結果、未知の伝達性感染作用因子による汚染の場合
に補足的な安全性を提供する。しかしながら、マウスの細胞がもつ欠点の1つは
、これらの細胞によって産生されるウイルス及びこれらの細胞自体がほとんどの
場合ヒトの補体によって急速に中和されるということに起因するものである。こ
の欠点を補正する単純な手段は、ヒトの細胞又はヒトの補体に対する耐性をもつ
その他の種の細胞からパッケージング細胞を産生することにある。
しかしながら、ヒトの細胞の場合、それは往々にして形質転換されており、し
たがって、腫瘍の潜在性をもつ。そのうえ、当然のことながら細胞の由来そして
、人間に感染し得る発生源のわかっていない感染性作用因子によるその汚染の可
能性は、詳しくわかっていない。
サルの細胞は、補体によって破壊されないウイルス粒子を作るその特性のため
、ヒトの細胞と同様に利用できるが、これらの細胞は実際、感染作用物質の存在
の可能性に関してヒトの細胞と同じ欠陥を有している。
これは、ヒトの補体及び/又は血清に対するより大きな耐性を付与する遺伝子
が中に導入されたマウスの細胞であってもよい。
これらの遺伝子は特に、CD46、CD55、C1阻害物質(C1INH)、タ
ンパク質H、可溶性CR1、特に特許FR9508901号に記述されたような多量体形態
であってもよい。
本発明の目的は、上述の問題のうちの単数又は複数のものを少なくとも一部分
補正し、
− 高い力価で組換えレトロウイルスを産生でき、
− 充分に寛容され得、
− その安全性に関して許容可能な状態にとどまりながら、補体に対し耐性を
もつことができ、
− その発現において3ヶ月以上の安定性をもち、良好な実用製造条件下で容
易に産生でき、
− 導入遺伝子を有するベクターを取込んだ血液細胞の正の選択を可能にする
選択遺伝子を確保でき、
− 必要に応じて細胞を破壊できる安全系を確保できる、
新しいカブシド化系の調製手段を提供することにある。
これらの異なる前提条件を達成するためには、一方では、出発細胞系の選択、
ならびに感染性欠損組換えレトロウイルス粒子の獲得に必要な構成要素の各々の
選択、特にパッケージング細胞をレトロウイルスのgag、pol及びenvタ
ンパク質を産生するものにすることのできるベクターの選択を最適化することが
必要である。
臨床的用途のウイルス及び細胞の産生のための優れた実用製造条件(GMP)
下で実現される大量培養でのこれらの細胞の産生に関しては、短い分割時間で、
場合によっては懸濁状態で高い密度で発生する、完全に周知の成長特性をもつ細
胞を得ることが必要である。
最後に、利用される細胞から、異なる好都合な導入遺伝子を発現する安定した
トランスフェクタントを選択できることが必要である。現在、好都合な遺伝子を
含む唯一のベクター及びいわゆる選択遺伝子、又は2つの分離されたベクターに
よるパッケージング細胞の形質導入が利用されている。形質導入された細胞のそ
の後の培養の際には、一般に、好都合な導入遺伝子を失うことがないよう、選択
性を維持することが必要である。しかしながら、この選択性の存在下でさえ、異
なるタイプの改変の結果、治療用遺伝子の発現が失われる可能性があるというこ
とも知られている。このことは特に、導入遺伝子が選択的利点を失なった稀な細
胞に対しそれを付与することになる一定の傷害性をもつ場合に言えることである
。したがって、この基準に基づくその選択を可能にする或る種の酵素が欠損した
細胞の利用可能性は、特に治療用の遺伝子がその欠損を補完する場合、1つの補
足的利点となる。換言すると、有毒物質(一般に抗生物質)に対する耐性をもつ
遺伝子の代わりに細胞の遺伝的欠損を補足する遺伝子を選択遺伝子として利用す
ることには、有毒物質のない状態で前記細胞を培養する可能性を含めた数多くの
利点がある。そのうえ、この遺伝子が同じく好都合な遺伝子であるならば、それ
が選択上の不利点を付与する場合でも、選択の間にこれを失なう可能性はない。
この遺伝子は同様に、いわゆる「安全性」遺伝子又は「自殺遺伝子」であっても
よく、これは外因性物質の存在下でのこの遺伝子の発現産物が、細胞の特異的破
壊を導くことを意味している。
したがって本発明は導入遺伝子を有する感染性欠損ウイルスの産生のためのパ
ッケージング真核細胞において、特に選択培地の存在下でその成長に必須の細胞
機能が欠損しており、この機能は、
− パッケージング細胞のトランス捕完機能を有するベクターと共に、又は
− 導入遺伝子を含むベクターと共に、該細胞内に導入された外因性配列の発現
によって回復でき、しかも、細胞内にこのように導入された外因性配列の発現が
前記配列を有する細胞の選択培地内での選択を可能にすることを特徴とするパッ
ケージング真核細胞を目的とする。
本発明によるパッケージング真核細胞は、
− 1mlあたり105以上の粒子の割合でウイルス粒子を産生することができる
;
− それ自体補体に対する耐性をもつか、又は補体に対する耐性をもつウイルス
粒子を産生する;
− 30時間未満の分割時間をもつ;
− 非選択性培地内で少なくとも3ヶ月の安定性をもつ;
− 内因性レトロウイルスが備わっていない;という特性のうちの1つ又は複数
のものを確認するものであることを特徴とする
本発明はまた、それ自体適切なベクターにより含まれる好都合な遺伝子が、欠
損組換えウイルスを産生することのできるパッケージング系の選択遺伝子として
利用される、治療用遺伝子を有する感染性欠損ウイルスを産生するパッケージン
グ系にも関する。
これを基礎として、複数のタイプの細胞を利用することができる:すなわち
NIH−3T3 TK-細胞、
a) 臨床で利用される組換えレトロウイルスを産生するパッケージング細胞
として現在広く利用されているマウスのNIH−3T3細胞(Takahara et al.J
ournal of Virology(1992年6月)66(6)3725-32)。
b) NIH−3T3 TK-細胞を含むTK-系についてはすでに記述されて
きている(F,Wagner et al.,EMBO Journal(1985),第4巻No.3,663〜666ペー
ジ);これらの細胞は、HATのような選択培地内で培養された場合、死滅する
可能性がある。これらの細胞は、例えばHSV1−TKウイルスに由来するもの
のようなチミジンキナーゼ機能については相補的であるものの、このとき選択培
地内で発生し得る。したがってこのような系は、HSV1−TK遺伝子を選択遺
伝子として利用する可能性を提供する。HSV1のチミジンキナーゼ又はその機
能的誘導体の1つをコードする遺伝子は同様に、ガンシクロビル又はアシクロビ
ルを細胞傷害性に転換させるプロドラッグとしての導入遺伝子として広く利用さ
れ、したがって例えばガン細胞といった細胞の選択的破壊に応用される(例えばW
O95/22617参照)。
さらに一般的には、TK-細胞は、例えばベロ細胞といったパッケージング細
胞として利用できるすべての細胞の突然変異によって誘導され得る。
したがって、発現ベクターに含まれる治療用遺伝子がチミジンキナーゼのため
に欠損パッケージング細胞内に導入された場合、導入遺伝子を有するベクターを
組込んだパッケージング細胞の選択は、治療用遺伝子自体について行われ、した
がって欠損組換えウイルスの培養の生産性は増大し、組換えベクターを組込まな
かったパッケージング細胞は必然的結果として選択培地内でとり除かれる。
より一般的には、本発明は、導入遺伝子が欠損した細胞機能を回復することが
できる、その成長に不可欠な細胞機能が欠損したパッケージング細胞に関する。
導入遺伝子を有する組換え感染性欠損ベクターが、補体ならびに血液又は間質
液中のウイルス又は細胞を潜在的に破壊するその他の因子に対し耐性をもつこと
が重要である。そのために、本発明の細胞系は好都合にも、それ自体補体に対す
る耐性を持ち、したがって好ましくはヒト又はサルの細胞、より特定的には、旧
世界(アジア、ヨーロッパ、北アフリカ)のサルの細胞又は改変されたヒトの細
胞に由来するものであってよい。
ヒト又はサルの細胞の場合、由来がはっきりしている、すなわち由来がわから
ず人間に感染し得る感染性作用因子を有していない細胞を確保することが重要で
ある。143 BTK-系は、既知のヒト由来の系である(Manservigi R et al.
Virology内(1988年11月)167(1)284-8);これは短かい分割時間すなわち約1
8時間の分割時間をもち、補体に対する耐性をもつウイルス粒子を産生する。し
たがってこれは、本発明のパッケージング細胞として好都合に利用可能である。
ベロ細胞は同様に、特にワクチンの生産のために広く用いられている。これは、
同様に補体による中和に対する耐性をもつウイルス粒子を産生するサルの細胞で
ある。これらの系の培養条件は完全に公知であり、チミジンキナーゼが欠損して
いる系は従来の技術によって得ることができ、また、本発明の系の特徴をもつパ
ッケージング系としてパッケージングの構成を可能にするベクターによる形質転
換の後に好都合に利用できる。
レトロウイルスのパッケージング細胞系の機能は、導入遺伝子を有する組換え
ベクターが、欠損したトランス補完機能を提供することにあり、これらの機能は
、基本的に、タンパク質gag、pol及びenvをコードする遺伝子である。
これらの機能は、複製に対する応答能のある組換え型粒子を生成する可能性をき
わめて低下させるように、1つ又は好ましくは全く異なる少なくとも2つのプラ
スミドからパッケージング細胞内で安定した形で発現させられる。既存のパッケ
ージング系は、マウス又は鳥のレトロウイルスタンパク質から作られており、Mi
ller AD,Hum Gene Ther,1990 1:5-14内で記述されている。
マウスのレトロウイルスのgag及びpol遺伝子は、通常、オープンリーデ
ィングフレームのシフトによりgag前駆体又はgag/pol前駆体を発生さ
せ
るのと同じRNAによって合成される。このプロセスは、モロニー型のレトロウ
イルス粒子において充分に最適化されており、本発明のパッケージング細胞を作
るための構成体は、ψの欠失を除いてgag/polのLTR構造に触れること
がない。gag/pol遺伝子ならびにLTRの選択は、産生される組換え欠損
ウイルス粒子の率を高くするという目標に応じて行われることになり、したがっ
てこれらのgag/pol遺伝子の可能なかぎり最大の発現が求められる。
本発明の一実施態様に従うと、カプシド化細胞は、それが
− たとえばフレンドウイルスFB29のLTRといったそれ自体優れた転写効
率を特徴とするLTRを有するベクター(WO96/17071を参照のこと);
− その機能の構造及び発現が最適化されるかぎりにおいて、モロニーウイルス
、又はフレンドウイルス又はその他すべてのレトロウイルスに由来するgag/pol
領域;
c) 定量的選択すなわち、選択圧力を増大すると実験的に合成される転写物の
数が増大するような選択遺伝子;
を含むことを特徴とする。
定量型の選択遺伝子がgag及びpolをコードするプラスミドと同じプラス
ミド上にある場合、選択遺伝子をコードする転写物の数の増加は、gag及びp ol
をコードする転写物の数と同じ要領で増大する。最適化は、選択遺伝子の翻
訳がgag/polの翻訳より小さくなるようにした場合、さらに改善されるこ
とになる。
このため、選択遺伝子は、polの停止コドンから約100塩基対のところに
位置づけられるか、又は正常なもしくは突然変異を受けたIRES配列(内部リ
ボソーム進入部位:Internal Ribosomal Entry Site)の制御下に置かれ、した
がって翻訳の開始がgag及びpol遺伝子よりも効率が悪くなるようになって
いる。突然変異は、主要なATGを削除することからなるものであってよく、こ
のとき開始は、既存の又は突然変異によって生成された比較的性能の低いATG
上で行われる。
IRES配列は、ポリシストロンRNA転写物の翻訳を制御するためレトロウ
イルス構成体の中で利用される配列である。IRES配列は、開始コドン内で直
接翻訳を開始させることができる。したがってこのような配列を内含することに
より、同一のプロモーターから複数の遺伝子を発現することが可能となる。
選択遺伝子をpol停止コドンから約100塩基のところに位置づけるという
もう1つの代替案は同様に、gag/pol遺伝子の翻訳に比べて選択遺伝子の
翻訳を減衰させることも可能にする。
選択遺伝子は同様に、env遺伝子を有するベクターがgag/polを有す
るベクターと全く異なるものである場合に、このenv遺伝子を有するベクター
の上に位置づけされてもよい;要するに、パッケージング細胞を構成する2つの
ベクターは両方共選択遺伝子を有することができる。
選択遺伝子は例えば、BSRタイプの遺伝子、つまりブラスチシジンS耐性遺
伝子又はゼオマイシン耐性遺伝子であってよい。ブラスチシジン耐性遺伝子は、
特にExperimental Cell Research(1991),197:229-233の中でIZUMI M et alによ
って記述された動物細胞のための選択遺伝子である。この遺伝子は、優れた収率
でヒトのモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを産生するための選択マーカー
として特に利用されたため、特に効率が良いと思われる。(Journal of Immunolo
gical methods,1994,177;17-22)
本発明のパッケージング系の構成に特に適したベクターの一例が図1aの中に
示されている。
パッケージング細胞の構成のために利用できる第2のベクターは、レトロウイ
ルスエンベロープをコードする遺伝子を有する。レトロウイルスエンベロープを
コードする遺伝子の大部分は、細胞に対して一定レベルの傷害を有する可能性が
ある。ところが、組換え欠損レトロウイルス粒子が充分な感染力をもつためには
、合成される充分な量のエンベロープタンパク質を有することが必要である。
例えば両種指向性(enphotrope)であるようなエンベロープから誘導されたペプ
チドをコードするenv配列は、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MoM
uLV)の4070aのエンベロープであり得る。ただし、レトロウイルスの出
芽時点で細胞膜内に組込まれる可能性のあるエンベロープタンパク質をコードす
るあらゆる遺伝子型が利用可能である:envタンパク質の選択は、組換え欠損
レトロウイルスによるトランスフェクションが望まれる標的細胞のレセ
プターの性質によって導かれ得る。パッケージング細胞の構成プラスミドが有す
るenv遺伝子は、ウイルス又は非ウイルス転写調節配列に依存している。つま
りこれは、予備選択によって細胞に大量のエンベロープを強制的に合成させるよ
うな、遺伝子構成体の枠内のサイトメガロウイルス(CMV)のプロモーターの
ような強力なプロモーターであると考えられる。「強力なプロモーター」という
のは、RNAポリメラーゼ固定部位、ならびに調節タンパク質の固定部位を有し
かつこのようなプロモーターの制御下にある配列の高い率での転写を可能にする
あらゆる核酸配列のことである。
同様にここで問題となるのは、その後ウイルス粒子の収集の際に一時的に誘発
され得ることになるエンベロープの欠如又は低い発現を可能にするような誘導プ
ロモーターでもあり得る。「誘導プロモーター」というのは、所定の分子により
意のままに活性化できるプロモーター配列のことである。このタイプのプロモー
ターは、所定の遺伝子の発現を要求に応じて開始させたい場合にその都度に利用
される。
本発明のパッケージング細胞の構成において利用可能な誘導プロモーターの例
としては、Mol.and Gen.Genetics(1977 9月)157(3);301-11の中でBujard
et alによって記述されているテトラサイクリンによる誘導プロモーター又は、
プロモーターRAR−β(Japanese Journal of Genetics(1993年6月)68(3
)175-84)といったような条件付き誘導プロモーターがある;「条件付きプロモ
ーター」は、例えば厳密に膵臓の因子に対し感受性をもつインシュリンのプロモ
ーターといったように、所定の組織によって特異的に産生されるものの必ずしも
同定されていない単数又は複数のトランス調節因子によって活性化されるプロモ
ーター配列で構成されている。
これらの構成体は、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)の407
0A型の従来のあらゆるenv遺伝子又は、特にRD114タイプの補体に対す
る耐性のようなその特定の特性に応じて利用可能なエンベロープに対し応用でき
る。HTLV1タイプのエンベロープ又は泡沫状ウイルスのようなレンチウイル
スの誘導体も同様に利用できる。
パッケージング細胞により産生された組換え欠損ウイルスによるトランスフェ
クションを受ける可能性のある標的細胞に対して特定の親和性をもつエンベロー
プ遺伝子は、例えば、ヒト造血細胞に対して特定の親和性をもつスプマウイルス
のエンベロープ配列のように、好都合に利用可能である。
最後に、以上で記述したような誘導系の枠内では、このときVSV−Gタイプ
のエンベロープを利用することが可能となるだろう。
env遺伝子を有するベクターは、3’において、SV40ウイルスに由来す
るようなポリアデニル化配列を有している。env遺伝子を有するベクターの一
例が、図1bに示されており、この図中、ZeoRはゼオマイシン耐性遺伝子で
ある。
パッケージング細胞を構成できるようにする2つのベクターは、当然のことな
がら、カプシド化配列を備えていない。
その異なる実施態様と合わせて、上述したような組換えパッケージング細胞は
、治療用に選ばれたヌクレオチド配列(導入遺伝子)の標的細胞のゲノム内部で
の発現及び/又は組込みのため組換えレトロウイルススベクターによるトランス
フェクションを受けることができる。この導入遺伝子は、標的細胞内の欠損機能
をコードし、かつその中にこの機能を回復させることが望まれている配列、又は
標的細胞内に補足的及び/又は調節用機能を導入するための配列、あるいは制限
的な意味なく、ガンシクロビル又はアシクロビルを細胞を破壊する有毒薬物に転
換するHSV1ウイルスのチミジンキナーゼの遺伝子、又は5フルオロウラシル
前駆体を活性薬物に転換するシトシンデアミナーゼの遺伝子の場合のように、プ
ロドラッグを活性化させることを可能にする配列であり得る。最後に、これは、
腫瘍細胞の操作又は免疫系自体の細胞の操作により免疫系を誘発するか又は刺激
することができる導入遺伝子であってもよいし、又は反対に、例えば移植片拒絶
の場合や自己免疫疾患の場合において免疫応答を特異的に阻害することのできる
導入遺伝子であってもよい。
導入遺伝子を有するレトロウイルスベクターの一般的構造は、単数又は複数の
好都合な遺伝子又は導入遺伝子をとり囲む2つのLTRの存在を必要とし、本発
明のパッケージング細胞によりコードされる構造タンパク質をもつシュードレト
ロウイルス粒子の中の転写物のカプシド化を可能にする領域を有する。
利用されるLTRに関しては、上述のようにその高い発現率を理由としてフレ
ンドウイルスから誘導されたLTR、あるいはなかんづく腫瘍細胞がそうである
ほとんど又は全く分化していない細胞中で発現されるそのより大きな能力を理由
として、Mov菌株から誘導され特許出願EP第0674716号の中で記述されたLT
R(Jaenish参照)などのモロニー菌株から誘導されたLTRが好まれる。
本発明は同様に、標的細胞の中でのその発現が探求されている非相同遺伝子を
有する組換えベクターにおいて、
− 1つのプロモーターの制御下にある治療用遺伝子X;
− その発現がパッケージング細胞内の欠損機能を補完するヌクレオチド配列Y
;
− カプシド化配列ψ;
− 場合によっては、外因性物質の存在下でのその発現がトランスフェクション
又は感染を受けた細胞の破壊を導く安全遺伝子Z;
を有することを特徴とする組換えレトロウイルスベクターにも関する。
治療用導入遺伝子が、例えばHSV1−TK又はその機能的誘導体のうちの1
つをコードするような自殺遺伝子である場合、配列X及びY又はY及びZは、唯
一の同じ遺伝子しか形成せず、このようなベクターの利用は、このベクターによ
るトランスフェクションを受けた前記パッケージング細胞を選択することを可能
にする。
優れたウイルス力価は、パッケージング細胞によって産生されたカプシド化可
能な転写物の数により左右される。
本発明は同様に、
a)少なくとも、
− 治療用遺伝子X;
− gal、pol及びenv遺伝子を有するベクターによるパッケージング細
胞の構成後もこの欠損が存続する場合に、その発現がパッケージング細胞の欠損
機能を補完するヌクレオチド配列Y;
− カプシド化配列ψ;
− 場合によっては、外因性物質の存在下でのその発現がトランスフェクション
又は感染を受けた細胞の破壊を導く安全遺伝子Z;
を有する組換えベタクーによる前記細胞の感染又はトランスフェクション;
b)パッケージング細胞が所定の機能を欠損しており、導入遺伝子を有するベク
ターがこの欠損を補足する場合の、選択培地内での前記細胞の選択;
を含む、上述のとおりの細胞の中での高力価の組換え感染性欠損ウイルスの獲得
方法にも関する。
パッケージング系にチミジンキナーゼが欠損している場合、導入遺伝子を有す
るベクターは、HSV1のチミジンキナーゼ遺伝子又はその機能的誘導体の存在
下で選択を可能にするジシストロンベクターとなる。HSV1−TK遺伝子の驚
くべき特性は、高い発現率が細胞に対する傷害をひき起こし、多数の転写物の獲
得を妨げているということにある。遺伝子のこの傷害の場合、産生能力のある細
胞の選択は、遺伝子の発現が弱く、したがって感染性力価がきわめて低いクロー
ンの獲得を導く。したがって、上述のパッケージング細胞を感染又はトランスフ
ェクションすることのできる本発明のベクターは、導入遺伝子のカプシド化可能
な転写物の産生が、HSV1−TKタンパク質の産生と比べて高くなるような形
で構成されることになる。したがって、一方では導入遺伝子を有し、他方ではH
SV1−TK又はその誘導体の1つを有するジシストロンベクターによるトラン
スフェクションを受けたパッケージング細胞TK-は、遺伝子が活発に翻訳され
た場合HSV1−TKの有毒活性に起因する対抗選択を回避しながら、高力価の
ウイルス粒子を産生できると同時に、HAT選択培地内で選択可能でもある。し
たがって、こうして、HSV1−TK単独又は好都合な遺伝子とHSV1−TK
をコードする欠損レトロウイルスを産生し、高い力価を有するパッケージング細
胞の実現が可能となる。
一方では導入遺伝子X他方ではYの転写物の産生におけるこの差異は、例えば
HSV1−TKといったパッケージング細胞の欠損機能をその発現が補完するヌ
クレオチド配列Yが導入遺伝子の停止コドンから約100塩基対のところに位置
づけされているか、又は上述のような正常な又は突然変異を受けたIRES型配
列の制御下におかれ、したがって配列Yの翻訳の開始が配列Xの翻訳より効率が
悪いものとなるようになっている、組換えベクターの構成によって実現される。
導入遺伝子自体がパッケージング細胞の選択を可能にする遺伝子である場合、
つまりX及びYが唯一の同じ遺伝子(例えばHSV1−TK)である場合、好都
合な遺伝子はそれ自体選択遺伝子として利用される。反対に遺伝子X及び遺伝子
Yが異なる場合、遺伝子Yは同様に安全遺伝子Zの機能も果たすことができる。
これは、該当する場合この遺伝子Yが、プロドラッグを有毒薬物に転換する物質
で患者を治療することにより治療用遺伝子でトランスフェクションを受けた細胞
を破壊できるようにするからである。
配列Y、場合によっては配列Zが、HSVI−TKをコードする場合、本発明
の組換えベクターの実施例は、図2に表わされている。
この図において、表示された2つのベクターは、遺伝子Xの停止コドンからの
一定の距離によって又はIRES配列の導入によって遺伝子HSV1−TK(配
列Y及びZが統合したもの)のより小さな発現を可能にする2つの実施態様の間
の差異を示している。gag*で表わされた配列は、パッケージング配列がカプ
シド化に必要な遺伝子領域のみならず、gagタンパク質の再構成を可能にしな
いもののカプシド化の効率を高めることのできる突然変異したgag遺伝子の部
分を含むことができるということを意味している。
HSV1−TKの特性は、この概念と相容れるものである。実際、負のTK細
胞が誘導された細胞クローンをHAT選択培地の存在下で選択できるためには、
きわめて少量のTKで充分である。同様にしてガンシクロビルに対する優れた感
受性を得るためには、非常にわずかなTK発現で充分である。
或る種の場合には、3つの遺伝子X、Y及びZは、同時に導入遺伝子、選択遺
伝子及び安全遺伝子の役目を果たす遺伝子HSV1−TKの場合のように、唯一
の遺伝子しか表わさないことがある。このような構成体は、例えば、ガン細胞を
除去したい場合にサイトカインをコードする遺伝子のような第2の治療用遺伝子
をベクター内に付加できるという利点を呈する。
TK遺伝子が治療用遺伝子自体である場合、本発明のもう1つの実施態様は、
遺伝子Yが例えば上述のBSR遺伝子のようなもう1つの選択マーカーをコード
する遺伝子又は例えばサイトカイン遺伝子のような治療用のもう1つの遺伝子で
あり得ることを特徴とすることができる。
遺伝子Yの最適化された発現のためには、この遺伝子Yを、それ自体レトロウ
イルスベクターのLTRによる「読み過し(read through)」によって減衰され得
る弱い内部プロモーターの制御下におくことができる。この条件下で、ベクター
のLTR3’は同様に、この「読み過し」が組換えウイルス粒子による標的細胞
の感染後の発現を妨げることがないような形でアンプリファイアの欠失を含有す
ることができる。
一般に、高力価の組換え欠損ウイルスの獲得方法は、それが欠如するとパッケ
ージング細胞に対する負の選択圧力が誘発されるようなあらゆる導入遺伝子に関
わるものである;このように、この導入遺伝子をコードする遺伝子が欠失した細
胞は、このとき選択ベクターの役割を同時に果たすレトロウイルスベクターによ
って「助けられる」ことになる。好都合な遺伝子の発現がそれを対抗選択する傾
向をもつ場合でさえ、組換えレトロウイルスを有しそれを産生するパッケージン
グ細胞のみが、正の選択を受けることになるため、上述のことはしたがって、そ
の過剰発現が細胞のための負の選択圧力を誘発するような細胞遺伝子全てにあて
はまるだろう。
本発明は、遺伝子治療用薬剤に必要とされる安全面及び効力面の長所すなわち
補体に対する耐性及び必要に応じてin situで破壊される可能性を有するこのよ
うな遺伝子治療用薬剤の調製における、上述のパッケージング細胞及びベクター
の利用に関する。
本発明は、造血幹細胞、リンパ細胞又はガン細胞のような免疫系の標的細胞の
形質転換における、前述のとおりの好都合な遺伝子を有する組換えベクター及び
本発明によるパッケージング細胞の利用に関する。
本発明は同様に、パッケージング細胞によって産生される遺伝子治療用遺伝子
を有する感染性欠損レトロウイルスの標的細胞の共存培養方法における、上述の
通りのパッケージング細胞の利用にも関する。なおここで、前記パッケージング
細胞は、このようにして薬剤に転換された前記標的細胞の利用の前に絶対に破壊
されなくてはならない。実際には、例えば標的細胞がリンパ系の細胞又は造血幹
細胞である場合のように、或る種の適応に標的細胞及びパッケージング細胞のin vitroでのこの共存培養が必要となることが知られている。パッケージング細胞
は、このように転換された標的細胞の再導入の前に必ず除去されなくてはならな
い。パッケージング細胞が例えば選択遺伝子のようなHSV1−TK遺伝子を有
する場合、ガンシクロビル及びアシクロビルの存在下でHATを含有する培地の
利用は、前記パッケージング細胞によって産生されたレトロウイルスによるトラ
ンスフェクションを受けた唯一の標的細胞に好都合なように、HSV1−TK遺
伝子を有する細胞ひいては、パッケージング細胞を選択的に破壊することを可能
にすることができる。
共存培養の場合におけるもう1つの実施態様も、HSV1−TK遺伝子を本来
有していないパッケージング細胞を用いて実現でき、適切な細胞濃度を維持しな
がらHAT選択培地の存在下で細胞混合物を選択することによって、同様に標的
細胞を変性させることなくパッケージング細胞を消滅させることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.導入遺伝子を有する感染性欠損ウイルスの産生のためのパッケージング真核 細胞において、特に選択培地の存在下でその成長に必須の細胞機能が欠損してお り、かかる機能は、 − パッケージング細胞のトランス補完機能を有するベクターと共に、又は − 導入遺伝子を有するベクターと共に、 該細胞内に導入された外因性配列の発現によって回復でき、しかもこの発現が 前記外因性配列を有する細胞の選択培地内での選択を可能にすることを特徴とす るパッケージング真核細胞。 2.− 1mlあたり105以上の粒子の割合でウイルス粒子を産生することがで きる; − 補体に対する耐性をもつか又は補体に対する耐性をもつウイルス粒子を産 生する; − 30時間未満の分割時間をもつ; − 非選択性培地内で少なくとも3ヶ月の安定性をもつ; − 内因性レトロウイルスが備わっていない; という特性のうちの1つ又は複数のものを確認するものであることを特徴とす る請求項1に記載の真核細胞。 3.ヒト又はサルの細胞に由来することを特徴とする請求項1又は2に記載の細 胞。 4.導入遺伝子自体が欠損細胞機能を回復できることを特徴とする請求項1〜3 のいずれか1項に記載の細胞。 5.導入遺伝子は、チミジンキナーゼ又はその機能的誘導体をコードする遺伝子 であることを特徴とする請求項4に記載の細胞。 6.系143BTK-又はベロ細胞3T3−TK-に由来する請求項3〜5のいず れか1項に記載の細胞。 7.− 最初のものについては、LTRタイプのプロモーター、ポリアデニル化 配列、場合によってはgag及びpolの転写調節シグナルの制御下にあるga l/pol遺伝子; − 第2のものについては、好都合にはpCMVタイプの強力なプロモーター 又は誘導プロモーターの中から選ばれることになるプロモーター、ポリアデニル 化配列の制御下にあるエンベロープタンパク質をコードする遺伝子; − 第1又は第2のベクター上に位置づけされ得るパッケージング系の形での 細胞の確立のための少なくとも1つの選択遺伝子; を有し、しかもカプシド化配列を持たない少なくとも2つのレトロウイルスベ クターでのトランスフェクションによって改変される請求項1〜6のいずれか1 項に記載の細胞。 8.選択遺伝子が第1のベクター上にあり、特にブラスチシジンS(BSR遺伝 子)又はゼオマイシン(ZeoR遺伝子)に対して耐性をもつ遺伝子であり得ること を特徴とする請求項7に記載のパッケージング細胞。 9.選択遺伝子が、polの停止コドンから約100塩基対のところにあるか、 又は正常な又は突然変異を受けたIRESタイプの配列の制御下にあり、そのた め選択遺伝子の翻訳の開始が遺伝子gag及びpolのものより効率の悪いもの となっていることを特徴とする請求項7又は8に記載のパッケージング細胞。 10.遺伝子gag及びpolを制御するプロモーターがフレンドB29ウイル スのLTRであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のパッケ ージング細胞。 11.第2のベクターが同様に、第1のベクター上にあるものとは異なる選択遺 伝子も含有しており、前記選択遺伝子はpolの停止コドンから約100塩基対 のところにあるか、又はIRES型配列の制御下にあり、そのため選択遺伝子の 翻訳の開始が遺伝子gag及びpolのものより効率の悪いものとなっているこ とを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のパッケージング細胞。 12.配列ψを有する標的細胞内でその発現が探求されている異種遺伝子を有す る組換えレトロウイルスベクターにおいて、 − その発現がパッケージング細胞内で欠損機能を補完しているようなヌクレ オチド配列Y; − 場合によっては、外因性物質の存在下でのその発現がトランスフェクショ ン又は感染を受けた細胞の破壊を導く安全遺伝子Z; を含むことを特徴とする組換えレトロウイルスベクター。 13.X及びY、又はY及びZ、又はY及びZが、単一の同じ遺伝子しか表わし ていないこと、及び、前記ベクターが好都合な導入遺伝子Xを含有するパッケー ジング細胞の選択を可能にすることを特徴とする請求項12に記載のベクター。 14.a)少なくとも、 − 1つのプロモーターの制御下にある治療用遺伝子X; − その発現がパッケージング細胞内で欠損機能を補完するヌクレオチチド配 列Y; − カプシド化配列ψ; − 場合によっては、外因性物質の存在下でのその発現がトランスフェクショ ン又は感染を受けた細胞の破壊を導く安全遺伝子Z,を有する組換えベクターに よる前記細胞の感染又はトランスフェクション; b)配列Yが発現されない場合、細胞の死をひき起こす物質を含む培地内での前 記細胞の選択; を含む請求項1〜13のいずれか1項に記載のパッケージング細胞内の高力価の 組換えウイルスの獲得方法。 15.配列YがXの停止コドンから約100塩基対のところにあるか、又はIR ES型配列の制御下にあり、したがって配列Yの翻訳の開始が配列Xのものより 効率の悪いものとなっていることを特徴とする請求項14に記載の方法。 16.配列Y及びZが同一である請求項14及び15のいずれか1項に記載の方 法。 17.治療用遺伝子Xと配列Yが同一である請求項14又は16のいずれか1項 に記載の方法。 18.細胞は、例えば143 B TK-系由来の細胞のようなチミジンキナーゼ が欠損した細胞であり、配列YはHSV1−TKのチミジンキナーゼ又はその機 能的誘導体のうちの1つの遺伝子の配列であり、このとき細胞はHAT培地内で 選択され、必要な場合にはガンシクロビル又はアシクロビルの存在下で破壊され 得ることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。 19.前記パッケージング細胞により産生される遺伝子治療で好都合な遺伝子を 有する感染性欠損レトロウイルスの標的細胞の共存培養方法における請求項1〜 11のいずれか1項に記載のパッケージング細胞の利用において、パッケージン グ細胞がこのようにして医薬に転換された標的細胞の利用の前に破壊されなくて はならないパッケージング細胞の使用。 20.標的細胞は、造血幹細胞又はリンパ細胞といった免疫系の細胞である請求 項19に記載の使用。 21.遺伝子治療用薬剤の調製における請求項1〜11のいずれか1項に記載の パッケージング細胞の使用。
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