【発明の詳細な説明】
トリアゾール抗真菌化合物を含む経口組成物発明の背景
本発明は、新規なトリアゾール抗真菌化合物のための増大したまたは向上した
バイオアベイラビリティーを有する組成物に関する。
国際特許公開番号W095/17407(1995年6月29日公開)は、新規クラスのテトラ
ヒドロフラン/トリアゾール抗真菌化合物を教示する。1つの特定の化合物、(2R
-シス)-4-[4-[4-[4-[-5-(2,4-ジフルオロフエニル)-テトラヒドロ-5-(1H-1,2,4-
トリアゾール-1-イルメチル)フラン-3-イル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニ
ル]フエニル]2,4-ジヒドロ-2-[(S)-1-エチル-2(S)-ヒドロキシプロピル]-3H-1,
2,4-トリアゾール-3-オン(「抗真菌化合物」)は、懸濁液中で、日和見真菌類
(例えば、Aspergillis、Candida、Cryptococcus、および他の日和見真菌類)に
対する強力な抗真菌活性を有することが見い出された。しかし、粉末または顆粒
のような固形組成物は、低減した抗真菌活性および/またはバイオアベイラビリ
ティーを有することが見い出され、これはおそらくこの化合物の極度に低い水溶
性のためである。この抗真菌化合物を、抗真菌性および/またはバイオアベイラ
ビリティーが増大するかまたは向上した薬学的組成物中に提供することが所望さ
れる。発明の要旨
本発明は、以下を含む薬学的組成物に関する:
i)複数のビーズ;ここで該ビーズは、以下でコーティングされる
ii)以下の式の抗真菌剤:
;および
iii)該抗真菌化合物が該ビーズに接着することを可能にするバインダー。
本薬学的組成物はまた、iv)界面活性剤、v)可塑剤、vi)脱泡剤および着色剤な
どの他の賦形剤を含み得る。本薬学的組成物はまた、任意の他の適切な送達系ま
たは投与形態(例えば、カプセル、錠剤、またはビーズ)中に再構成のために処
方され得る。
驚くべきことに、かつ予期せぬことに、適切なバインダーを用いた抗真菌化合
物によるビーズのコーティングが、抗真菌化合物のバイオアベイラビリティーを
懸濁液よりも増大させ得るかまたは懸濁液と等価であることが見出された。これ
らの結果は、本当に驚くべきことであり、かつ予期されぬことである。なぜなら
、公知の参考文献(例えば、Peter G.Welling,Pharmacokinetics,Processes
and Mathematics,American Chemical Society,Washington DC,ACS Monograp
h 185,1986,page 57)は、溶液および懸濁液は、一般的に、カプセルまたは錠
剤よりも十分なバイオアベイラビリティーを生じることを教示するからである。
J.G.Nairn,Remington's Pharmaceutical Sciences,18th Edition,1990,Ma
ck Publishing Co.,Chapter 83,page 1519はまた、以下のことを教示する:薬
物がこれらの溶解状態で吸収されるので、経口投与形態の吸収速度は以下の順で
減少することが頻繁に見い出される:水溶液>水性懸濁液>カプセルまたは錠剤
。
本発明は、有効な抗真菌活性および/またはバイオアベイラビリティーを有す
る固形または「乾燥」送達系または投与形態(例えば、カプセル、錠剤または緩
いビーズ(loose beads))に簡便に処方され得る薬学的組成物中に抗真菌化合物を
提供し得る利点を有する。実施態様の詳細な説明
1995年6月29日発行のWO95/17407は、以下の式を有する抗真
菌化合物を開示している。上記式において、R1は、1または2のヒドロキシ部分により置換された直鎖ま
たは分岐鎖(C3〜C8)アルキル基、そのエステルおよびエーテル、またはそ
の薬学的に受容可能な塩である。WO95/17407の実施例24および32
に教示されている上記基のうち特に好適な化合物は、抗真菌化合物、(-)-(2R-ci
s)-4-[4-[4-[4-[[-5-(2,4-ジフルオロフエニル)-テトラヒドロ-5-(1H-1,2,4-ト
リアゾール-1-イルメチル)フラン-3-イル]メトキシ]フェニル]-1-ピペラジニル
]フエニル]-2,-4-ジヒドロ-2-[(S)-1-エチル-2(S)-ヒドロキシプロピル]-3H-1,2
,4−トリアゾール-3-オン(「抗真菌化合物」)、式:C37H42F2H8O4、分
子量:700.8、m.p.164〜165℃、[a]D25−29℃±3℃(c=1
.0,CHCl3)である。その構造を以下に示す:
抗真菌化合物のミクロンサイズの粒子は、抗真菌化合物の生成の間の最終工程
か従来の結晶化工程後における従来のミクロン化技術の使用かのいずれかによっ
て得られ得る。
ミクロン化技術が用いられる場合、抗真菌化合物は、従来の技術、例えば、ボ
ールミル、超音波手段、または好適にはPlastomer Products,Newton,Pennsylv
ania 18940から得られるトロスト流体エネルギーミルなどの流体エネルギ一摩擦
ミルを用いることにより、所望の粒子サイズ範囲にミクロン化され得る。流体エ
ネルギー摩擦ミルを用いる場合、所望の粒子サイズは、ミルへの抗真菌化合物(
antifungal)の供給速度を変化させることにより得られ得る。
ミクロン化された抗真菌粒子の約99%は、長さ100ミクロン以下であり、
その95%は90ミクロン以下である。好適には、ミクロン化された粒子の約9
9%が50ミクロン以下であり、その約95%が40ミクロン以下である。より
好適には、ミクロン化された粒子の99%が20ミクロン以下であり、その95
%が10ミクロン以下である。
抗真菌化合物は、組成物中に、目的の生物または菌類を制御するのに有効な量
で用いられる。このような量は、組成物の約2重量%〜約50重量%の範囲であ
り得、より好適には6重量%〜約40重量%であり得、最も好適には約5重量%
〜約33重量%であり得る。特定の投与形態、例えばカプセル、錠剤などにおけ
る組成物の量は、投与形態当たり約10〜約300ミリグラム(mg)の抗真菌
化合物の範囲であり得、好適には約50〜約200mgの範囲の抗真菌化合物で
あり得る。
本発明の組成物は、バインダーおよび必要に応じて1種以上の成分(例えば界
面活性剤、可塑剤、脱泡剤、および/または着色剤)を含む適切な溶媒系に抗真
菌化合物を溶解または懸濁することならびに該溶液または懸濁液を不活性なビー
ズにコーティングすることにより調製され得る。
本発明の薬学組成物は、構成のための、カプセル、錠剤、または緩いビーズな
どの適切な投与形態に処方され得る。例えば、上記の組成物は、適切なクッショ
ニング剤(cushioning agent)(例えば、微結晶性セルロース、および必要に応じ
て崩壊剤、潤滑剤、滑剤(glident)など)を用いた錠剤形態に圧縮され得る。
以下の用語は、本発明の薬学組成物、処方物に用いられ得る成分、および生物
活性またはバイオアベイラビリティーの評価方法を説明するために用いられる。
ビーズまたはシーズ(seeds)は、離散的(discrete)な粒子であり、好まし
くは、球形の粒子またはスフェア(sphere)である。これらは、固形基材(その上
に抗真菌化合物がコーティングされ、組成物または投与形態の主要部分を構成す
る)としての役割を果たす。ビーズは、糖類(例えば、ラクトース、スクロース
、マンニトール、およびソルビトール)から作製され得る。他のビーズは、小麦
、トウモロコシ コメ(corn rice)およびジャガイモ由来の澱粉ならびにセル
ロース(例えば、微結晶性セルロース)由来であり得る。糖ビーズ(非パレイル
(non-pareil)シーズ)の入手源(source)は、Crompton and Knowles Ingredien
t Technology Corporation(Mahawah、New Jersey)の商品名Nu-pareil PGとして
知られている。微結晶性セルロースビーズの入手源(source)は、FMC Corporat
ion(Phliadelphia、Pennsylvania)の商品名Celphereとして知られている。異
なるメッシュサイズのビーズが採用され得る。例えば、18/20メッシュ、25/30メ
ッシュ、および40/50メッシュなどである。このようなメッシュサイズは、その
直径が約1.0ミリメートル(mm)から約0.297mmの範囲であり得る粒子またはビーズ
サイズをいう。好ましくは、ビーズサイズまたは直径は、比較的狭い範囲内であ
る。例えば、約1.0〜0.84mm(18/20メッシュ)の間、約0.71
〜0.59mm(25/30メッシュ)の間、または約0.42〜0.297m
m(40/50メッシュ)の間などである。ビーズは、「不活性」(ビーズそれ
自身は抗真菌効果をほとんど持たないかもしくはまったく持たないことを意味す
る)であるべきである。組成物中のビーズの量は、組成物の合計の約50〜約9
0重量%の範囲であり得、好ましくは、約60〜約80%であり得、より好まし
くは約65〜約75重量%であり得る。
バインダー−抗真菌化合物および他の成分をビーズ上に結合あるいは「接着(g
lue)」して、ビーズをコーティングすることを可能にする物質を指す。適切なバ
インダーは、ショ糖などの糖類;小麦、トウモロコシ コメおよびジャガイモ由
来の澱粉類:アカシヤ、ゼラチン、およびトラガカントなどの天然ゴム;アルギ
ン酸、アルギン酸ナトリウム、およびアルギン酸アンモニウムカルシウム(ammon
ium calcium alginate)などの海草の誘導体;メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース性材料
(cellulosic material);ポリビニルピロリドン(ポビドン、Povidones);タン
パク質加水分解物;メタクリル酸およびその塩;およびマグネシウムアルミニウ
ムシリケートなどの無機化合物を含む。バインダーとして有用な市販の処方物は
、Coloron Corporation(West Point、Pennsylvania)の商品名Opadry powders
として知られている。Opadry powdersは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
を、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール)および界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート−80(polysorbate-80))とともに含み得る。組成物中のバインダ
ーの量は、組成物の約1%〜約10重量%の範囲であり得、好ましくは約2〜約
8重量%、さらにより好ましくは約3〜約6重量%の範囲であり得る。
崩壊剤(disintegrant)−組成物の分離(分解)および医薬の放出を助けるため
に組成物に添加される材料を指す。適切な崩壊剤は、澱粉類;カルボキシメチル
ナトリウムスターチなどの「冷水溶解性」変性澱粉類;イナゴマメ、カラヤ、グ
アール、トラガカントおよび寒天などの天然および合成ゴム(gum);メチルセル
ロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;
クロスカルメロースナトリウム(sodium croscarmellose)などの微結晶セルロー
スおよび架橋化微結晶セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムなど
のアルギネート;ベントナイトなどの粘土;および発泡性混合物(effervescent
mixture)を含む。組成物中の崩壊剤の量は、組成物の約2〜約15重量%、より
好ましくは約4〜約10重量%の範囲であり得る。
界面活性剤とは、2つの混合できない相間の界面張力を減少させ得る(これは
、1つは事実上親水性であり、他は疎水性である、2つの局在する領域を含む分
子に起因する)化合物を指す。
非イオン性界面活性剤とは、正味のイオン電荷を欠失し、水性媒体中で測定可
能な程度に解離しない界面活性剤を指す。非イオン性界面活性剤の特性は、主に
、分子内の親水性および疎水性基の割合に依存する。親水性基は、オキシエチレ
ン基(−OCH2CH2−)およびヒドロキシ基を含む。脂肪酸などの疎水性分子
におけるこれらの基の数を変化させることによって、グリセリルモノステアレー
トなどの疎水性が強く水に不溶性の化合物からマクロゴール(macrogol)などの
親水性が強く水溶性の化合物までの範囲にわたる物質が得られる。これらの2つ
の極端なタイプの間には、親水性および疎水性基の割合が、より均等にバランス
がとれているものがある。例えば、マクロゴールエステル類およびエーテル類、
ならびにソルビタン誘導体である。適切な非イオン性界面活性剤は、Marti
ndale,The Extra Pharmacopoeia、28版、198
2年、The Pharmaceutical Press、London、Gr
eatBritain、370から379頁において見いだされ得る。このよう
な非イオン性界面活性剤には、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブ
ロックコポリマー、脂肪酸のグリコールおよびグリセリルエステル類、ならびに
その誘導体、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル類(マクロゴールエステル類
)、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル類およびその誘導体(マクロゴールエ
ーテル類)、ポリビニルアルコール類、ならびにソルビタンエステル類が含まれ
る。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドおよびプロピレン
オキシドのブロックコポリマーである。
一般に「ポロキサマー」と呼ばれるエチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドの適切なブロックコポリマーは、以下の化学構造式で示されるものを含む。
ここで、aは、約10から約110、好ましくは約12から101、より好まし
くは約12から80までの範囲の整数である。
bは、約20から約60、より好ましくは約20から約56、さらに約20か
ら27までの範囲の整数である。最も好ましくは、aは80であり、bは27で
ある、これは、BASF Corporation、Mount Olive、N
としても公知である。この界面活性剤は、平均分子量8400で、20℃で固体
であり、77℃で1000cpsの粘度(ブルックフィールド(Brookfield))を
有する。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの他の適切なブロックコポ
リマーには、ポロキサマー237(ここで、aは64およびbは37である)と
しても公知のPluronicF87、ならびにポロキサマ−407(ここで、
aは101およびbは56である)としても公知のPluronicF127が
含まれる。
適切な脂肪酸のグリコールおよびグリセリルエステル類、ならびにその誘導体
としては、グリセリルモノオレエートおよび同様の水溶性誘導体が挙げられる。
適切な脂肪酸のポリオキシエチレンエステル類(マクロゴールエステル類)と
しては、ポリオキシエチレンひまし油および水素化ひまし油誘導体が挙げられる
。
適切な脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル類およびその誘導体(マクロゴー
ルエーテル類)としては、Cetomacrogel1000、ラウロマクロゴ
ール類(一連の異なる鎖長を有するマクロゴールのラウリルエーテル類)、例え
ば、Laureth4、Laureth9およびラウロマクロゴール400が挙
げられる。
適切なソルビタンエステル類(ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ま
たはラウリン酸などの脂肪酸とソルビンタン内の1つまたはそれ以上のヒドロキ
シル基とのエステル類)としては、例えば、ポリソルベート20,ポリソルベー
ト40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリ
ソルベート85、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソル
ビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレ
エート(Sesquioleate)、ソルビタントリオレエート、およびソルビタントリス
テアレートが挙げられる。
組成物中の界面活性剤の量は、組成物全体の約0.5重量%から約25重量%
、より好ましくは約5重量%から約15重量%の範囲であり得る。
アニオン性界面活性剤−正味負のイオン価を有し、そしてかなりの程度で水性
媒体中で解離する界面活性剤を指す。必要に応じて、本組成物は、例えばラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤をさらに有していてもよく、その
量は、組成物全体の約1〜約10重量%の範囲であり得、より好ましくは約3〜
約8重量%であり得る。
可塑剤−バインダーをフレキシブルにする物質を指す。適切な可塑剤は、プロ
ピレングリコール、グリセリン、ジエチルフタレート、セバシン酸ジブチル、ク
エン酸トリエチル、水素化グリセライド、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ンオキサイド、トリアセチンなどが挙げられる。組成物中の可塑剤の量は、約1
〜2から約5重量%までの範囲であり得る。
脱泡剤(消泡剤としても知られる)は、処理中に妨害となり得る、機械的な攪
拌または気体、窒素性の物質または他の物質による発泡を減少させるのに使用さ
れる物質である。例としては、以下の金属性塩が挙げられる:例えば、塩化ナト
リウム;C6〜C12アルコール(例えば、オクタノール);スルホン化オイル
;シリコーンエーテル(例えばシメチコン);有機ホスフェートなど。組成物中
の脱泡剤の量は、約0.05〜5%までの範囲であり得、好ましくは約0.1〜
2%である。
グライデント(glident)−固化を防ぎ、粒化物の流動特性を改善することによ
り、流動を滑らかかつ均一にする材料。適切なグライデントは、二酸化ケイ素お
よびタルクを含む。組成物中のグライデントの量は、全組成物の約0.1重量%
〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であり得る。
潤滑剤−投与形態に添加される物質であって、圧縮された後の錠剤、顆粒など
を、摩擦または摩耗の減少により型またはダイから離型することを可能にする物
質を指す。適切な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、またはステアリン酸カリウムなどの金属ステアレート;ステアリン酸;高融
点ワックス;および塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オ
レイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、およびd'1-ロイシンなどの水溶
性潤滑剤を含む。潤滑剤は顆粒の表面上および顆粒間および錠剤の部分に存在し
なければならないため、通常は圧縮前の最後の工程に添加される。組成物中の潤
滑剤の量は、組成物の約0.2重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2
重量%の範囲であり得る。
着色剤−組成物または投与形態に色を与える賦形剤。そのような賦形剤は、食
品級の色素および粘土または酸化アルミニウムなどの適切な吸着剤上に吸着され
た食品級の色素を含み得る。着色剤の量は、組成物の約0.1重量%〜約5重量
%、好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲であり得る。
投与形態−送達系に処方される抗真菌化合物を含む組成物、すなわち錠剤、カ
プセル、経口投与用ゲル、構成用粉末、または不活性成分と組み合わせた懸濁物
。
カプセル−活性抗真菌化合物を含む組成物を保持または収容する、メチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンまたは澱粉により形成され
る特定の容器または封入体を意味する。ハードシェルカプセルは、典型的には、
比較的高いゲル強度骨とポークスキンゼラチンとの混合物により形成される。カ
プセル自体が少量の色素、不透明化剤、可塑剤および防腐剤を含み得る。
錠剤−活性成分(抗真菌化合物)を適切な希釈剤と共に含む圧縮または成形さ
れた固体投与形態を意味する。錠剤は、コーティングされた活性ビーズを含む混
合物の湿式顆粒化、乾式顆粒化、圧密化または圧縮によって得られる混合物また
は顆粒化物(granulation)の圧縮により調製され得る。
構成用のビーズとは、水、ジュース、またはソース(例えば、アップルソース
)中に懸濁され得る、緩く(loose)、コーティングされたビーズを指す。
バイオアベイラビリティー−基準あるいはコントロールに比較した、活性薬物
成分または治療部分が投薬された投与形態から全身循環に吸収される割合および
程度を指す。
Cmax値は、血漿血清(plasma serum)中で測定された抗真菌化合物の最大濃度
(すなわち「ピーク」)を指す。
AUC(0〜72時間)値は、指定された時間にわたる抗真菌剤についての血漿/
血
清濃度−時間曲線の下の面積を指す。
従来の錠剤調製方法は公知である。そのような方法は、圧密により生成された
粒子の直接的な圧縮および圧縮などの乾式法、または湿式法、または他の特別な
手順を含む。
以下の実施例は、抗真菌化合物を含有する本発明の組成物を示すが、これらの
実施例は、請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例1.カプセル中のコーティングされたビーズ 成分 g/バッチ 重量%基準
抗真菌化合物、微粉化 135 20.3
Opadry YS-l-7006 30 4.5
シメチコン 1.42 0.2
精製水、アメリカ薬局方 700mL −
(エバポレート)
Non-Pareilシーズ(25/30メッシュ) 500 75
666.42 100%実施例2.カプセル中のコーティングされたビーズ 成分 mg /バッチ 重量%基準
抗真菌化合物、微粉化 75 11.0
Opadry YS-l-7006 30 4.4
Pluronic F68界面活性剤 75 11.0
シメチコン 0.7 0.1
精製水、アメリカ薬局方 500mL
(エバポレート)
Non-Pareilシーズ(25/30メッシュ) 500 73.5
680.7 100%実施例1、2、および5におけるカプセル中のコーティングされたビーズの調製
Opadry YS-1-7006、Pluronic F68、またはラウリル硫酸ナトリウムを水中に溶
解する。攪拌しながらシメチコンを添加する。均一な懸濁液が形成されるまでゆ
っくり攪拌しながら、抗真菌化合物を添加する。25メッシュの手ふるい(hand sc
reen)を通して懸濁液をスクリーニングする。流動床コーターを用いて、懸濁液
をnon-pareilシーズにスプレーする。コーティングされたビーズを一晩乾燥し、
そしてコーティングされたビーズをアッセイして、抗真菌化合物の量を決定する
。コーティングされたビーズを、適切なサイズのカプセルに充填し、必要な充填
重量にする。比較例3における水性懸濁液の調製
4mLの蒸留水に59.8mgのPluronic F68を含有する懸濁液を調製する。上記溶液
に抗真菌化合物を200mg添加して混ぜ、均質な懸濁液を得る。比較例4におけるカプセル中の粉末混合物の調製 成分 mg /カプセル 重量%ベース
抗真菌化合物、微粉化 100.0 28.6
ラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤 22.5 6.4
微結晶セルロース 178.0 50.9
グリコール酸ナトリウムデンプン 45.0 12.8
(sodium starch glycolate)
ステアリン酸マグネシウム 4.5 1.3
350 100
抗真菌化合物、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、微結晶セルロースお
よびグリコール酸ナトリウムデンプンをブレンダ一中で10分間混ぜる。ステアリ
ン酸マグネシウムを添加して、5分間混合し、均一な粉末を形成する。適切な大
きさのカプセルに粉末を充填し、必要な充填重量にする。
バイオアベイラビリティに関するテスト
イヌに、200mgの用量の抗真菌化合物を、2カプセルを用いてまたは懸濁液で
投与する。選択された時間に血清のサンプルを収集し、紫外線検出器を備えた高
圧液体クロマトグラフを用いて、HPLC/UV検出手順により分析する。以下の表に
おいて、CmaxおよびAUC(0〜72時間)値は、抗真菌化合物のバイオアベイラビ
リティの指標である。AUC値が大きいほど、72時間の間に血漿血清に蓄積された
抗真菌化合物の総量が多い。 上記結果は、実施例1および2のカプセルが、比較例3の水性懸濁液、特に比
較例4のカプセル中の粉末化混合物よりも、増強されたバイオアベイラビリティ
を示すことを示す。実施例5.カプセル中のコーティングされたビーズ 成分 g/バッチ 重量%基準
抗真菌化合物、微粉化 75.0 11.80
Opadry YS-l-7006 30.0 4.72
ラウリル硫酸ナトリウム 30.0 4.72
シメチコン 1.0 0.16
精製水、アメリカ薬局方 500mL −
(エバポレート)
Non-Pareilシーズ(25/30メッシュ) 500 78.60
636.0 100%
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,
CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,K
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,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,
SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U
A,UZ,VN,YU
(72)発明者 リー,ピン アイ.
アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19087,
ラドナー,パイントリー ロード 312