JP2000511846A - 改良したシールを備えた制動制御弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも１つの孔と、この孔内で摺動し、内部に入口及び出口圧力室を画成し且つタペットによって駆動される流体ピストン（１２）とを包含し、これらの圧力室がピストンに支持された弾性環状シール（１４）によって互いに密封され、ピストン内の通路に設置された逆止弁を介して互いに選択的に連通するようにした制動制御弁に関する。本発明によると、シールは略矩形断面をなし、ピストンに形成された同じ形状の溝（１２０）内に遊隙なしで嵌装され、且つ入口室内に存在する圧力にさらされる内方凹部を呈していて、入口圧力と共に変化する力でシールを孔に対して押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】 改良したシールを備えた制動制御弁 本発明は、流体圧力源と自動車の後輪ブレーキ回路との間に介装されるもので あって、少なくとも１つの孔を設けたハウジングと、この孔内で摺動し内部に第 １圧力室及び第２圧力室を画成する流体ピストンとを包含し、前記第１及び第２ 圧力室が、ピストンを囲繞する弾性環状シールによって互いに密封され、ピスト ン内の通路に設置された逆止弁を介して互いに選択的に連通することができ、且 つ使用時に圧力源及びブレーキ回路にそれぞれ接続され、タペットが、第２圧力 室内に比較的低い圧力が存在するときに逆止弁を開放するような方向に逆止弁に 作用し、ピストンが、第２圧力室内の圧力の増大の影響のもとで逆止弁を閉止で きるような方向に孔内を軸線方向に摺動するようにした制動制御弁に関する。 制動制御弁は、例えば特許文献ＵＳ ４ ６１５ ５６６、ＵＳ ４ ６２４ ５０ ７及びＥＰ ０ ２２３６４１に記載されているような先行技術においてよく知ら れており、変化された制動圧力を制御弁の出口及び自動車の後輪ブレーキに供給 できるようにし、この制動圧力は、制御弁の入口及び車両の前輪ブレーキに共に 供給される制動圧力に関連するが、設定された閾値よりも高い値では前輪制動圧 力よりも低い。 このような制御弁の設計において遭遇する１つの問題は、入口圧力に対する出 口圧力の所望の変化を得ることが困難であること、より詳細には、出口圧力と入 口圧力との関係が出口圧力の変化における多少の局部的欠陥に一致する異常又は “フラット”を含むのを回避することが困難であることにある。 これに関連して、本発明は、この種の異常から解放され、この異常の原因を確 認しこれを除去する二重の効能を備えている制御弁を提供することを目的として いる。 この目的のため、本発明の制動制御弁は、本質的に、環状シールが、ピストン に形成された溝内に軸線方向の遊隙なしで嵌装されており、前記溝が、第１圧力 室側の円形リング形状の第１当接面と、第２圧力室側の円形リング形状の第２当 接面と、第１及び第２当接面を接続する円筒形の底面とを備えていて、この溝が 矩形断面を呈し、環状シールが、シールと孔との間の接触をなす少なくとも部分 的に円筒形の外周部と、第２当接面に面し且つこれによりシールが第２当接面上 に平らに横たわる円形リング形状の環状区域と、少なくとも第１当接面及び円筒 形の底面に対向して設けた凹部とを備えており、前記凹部が第１圧力室に連通し て、この第１圧力室内に存在する圧力がシールを孔に対して押圧することによっ てこのシールを変形させることを特徴としている。 もくろみ得る最も簡易な実施例によると、シールは中間平面に対して対称であ り、溝の第１及び第２当接面は異なる外径を有し、環状区域は、第１当接面の外 径よりも大きいが第２当接面の外径よりも小さい内径を呈する。 本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して行う下 記説明から明らかとなるであろう。 図１は、本発明による制動制御弁の全体断面図である。 図２は、図１の制動制御弁のピストンを示す拡大図である。 図３は、図２の丸で囲んだ部分の拡大詳細図である。 図４は、ピストンシールの平面図である。 図５は、図４の線５−５に沿うピストンシールの断面図である。 図１に示されているように、本発明は、マスターシリンダ２のような流体圧力 源と自動車の後輪ブレーキ回路３との間に介装されて、流体圧力源の出口圧力の 低い値ではこの出口圧力に等しい圧力を、また流体圧力源の出口圧力の高い値で はこの出口圧力よりも低い圧力を後輪ブレーキ回路３に供給するように設計され ている制動制御弁１に関する。 制御弁は、通常の態様で、少なくとも１つの孔１１を設けたハウジング１０と 、この孔内で摺動し内部に第１及び第２圧力室１３ａ及び１３ｂを画成する流体 ピストン１２とを包含し、これらの圧力室は、ピストン１２を囲繞する弾性環状 シール１４によって互いに密封され、ピストン内の通路に設置された逆止弁１５ を介して互いに選択的に連通することができる。 図１に示した実施例では、制御弁は実際には２つの孔１１及び１１ａを備えて おり、孔１１ａ内に配置された構成要素は、孔１１内に配置されたものと位置及 び構造に関して全く同じである。 作動において、第１及び第２圧力室１３ａ，１３ｂは圧力源２及びブレーキ回 路３にそれぞれ接続される。 ハウジング１０に当接するタペット１６は、第２圧力室１３ｂ内に比較的低い 圧力が存在するときに逆止弁を開放するような方向に逆止弁１５に作用しており 、ピストン１２は、第２圧力室１３ｂ内の圧力の増大の影響のもとで逆止弁を閉 止できるような方向に孔１１内を軸線方向に摺動する。 このため、従来の設計によると、ピストン１２は、例えば、第２圧力室１３ｂ とは反対側の第１圧力室１３ａに、孔１１により画定された圧力表面積よりも小 さい孔１１０により画定された圧力表面積を呈する差動ピストンである。 図１に示されているように、逆止弁１５は、タペット１６とピストン内の通路 に形成した各々の弁座との両方に向かう方向にスプリングによって押圧された複 数のボールを包含していてよい。 本発明によると、環状シール１４は、ピストン１２に形成された溝１２０内に 軸線方向の遊隙なしで嵌装されており、この溝は、第１室１３ａ側の円形リング 形状の第１当接面１２１と、第２圧力室１３ｂ側の同様に円形リング形状の第２ 当接面１２２と、第１及び第２当接面を接続する円筒形の底面１２３とを備えて いて、従って溝は矩形断面を呈する。 さらに、シール１４は、シールと孔１１との間の接触をなす少なくとも部分的 に円筒形の外周部１４１と、第２当接面１２２に面して配置され且つこれにより シールが第２当接面上に平らに横たわる円形リング形状の環状区域１４２と、少 なくとも第１当接面１２１及び円筒形の底面１２３に面して配設された半径方向 間隙１４３及び流路１４４，１４５のような凹部とを備えており、これらの凹部 は第１圧力室１３ａに連通して、この第１圧力室内に存在する圧力がシール１４ を孔１１に対して押圧することによってこのシールを変形させることができる。 本発明の最も簡易な実施例によると、シール１４は中間平面Ｍに対して対称で ある。 この場合、溝の第１及び第２当接面１２１，１２２は好適には異なる外径Ｒ１ ，Ｒ２のものであり、環状区域１４２，１４２’は、第１当接面１２１の外径Ｒ １ よりも大きいが第２当接面１２２の外径Ｒ２よりも小さい内径Ｒ３を呈する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コルテス ガスチェ エステベ フランス国 ドランシ エフ―93700 リ ュ ド スターリングラード 126 セー ／オー ボッシュ システム ド フラナ ージュ (72)発明者 サクリスタン フェルナンド フランス国 ドランシ エフ―93700 リ ュ ド スターリングラード 126 セー ／オー ボッシュ システム ド フラナ ージュ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体圧力源（２）と自動車の後輪ブレーキ回路（３）との間に介装されるも のであって、少なくとも１つの孔（１１）を設けたハウジング（１０）と、この 孔内で摺動し内部に第１圧力室（１３ａ）及び第２圧力室（１３ｂ）を画成する 流体ピストン（１２）とを包含し、前記第１及び第２圧力室が、ピストンを囲繞 する弾性環状シール（１４）によって互いに密封され、ピストン内の通路に設置 された逆止弁（１５）を介して互いに選択的に連通することができ、且つ使用時 に圧力源及びブレーキ回路にそれぞれ接続され、タペット（１６）が、第２圧力 室内に比較的低い圧力が存在するときに逆止弁を開放するような方向に逆止弁に 作用し、ピストンが、第２圧力室内の圧力の増大の影響のもとで逆止弁を閉止で きるような方向に孔内を軸線方向に摺動するようにした制動制御弁において、環 状シール（１４）が、ピストン（１２）に形成された溝（１２０）内に軸線方向 の遊隙なしで嵌装されており、前記溝が、第１圧力室（１３ａ）側の円形リング 形状の第１当接面（１２１）と、第２圧力室（１３ｂ）側の円形リング形状の第 ２当接面（１２２）と、第１及び第２当接面を接続する円筒形の底面（１２３） とを備えていて、この溝が矩形断面を呈し、環状シール（１４）が、シールと孔 （１１）との間の接触をなす少なくとも部分的に円筒形の外周部（１４１）と、 第２当接面（１２２）に面し且つこれによりシールが第２当接面上に平らに横た わる円形リング形状の環状区域（１４２）と、少なくとも第１当接面（１２１） 及び円筒形の底面（１２３）に対向して設けた凹部（１４３，１４４，１４５） とを備えており、前記凹部が第１圧力室（１３ａ）に連通して、この第１圧力室 内に存在する圧力がシールを孔（１１）に対して押圧することによってこのシー ルを変形させることを特徴とする制動制御弁。 ２ 請求項１記載の制動制御弁において、シール（１４）が中間平面（Ｍ）に対 して対称であり、溝（１２０）の第１及び第２当接面（１２１，１２２）が異な る外径（Ｒ１，Ｒ２）を有し、環状区域（１４２，１４２’）が、第１当接面の 外径（Ｒ１）よりも大きいが第２当接面の外径（Ｒ２）よりも小さい内径（Ｒ３ ）を呈することを特徴とする制動制御弁。