JP2000509802A - 熱可塑性エラストマから作られる転動ブーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自在継ぎ手の外方継ぎ手部材に固定されるような大径を備えた第１カラーを有しかつ自在継ぎ手の内方継ぎ手部材において軸に固定されるような小径を備えた第２カラーを有し、そしてこれらのカラーを接続する半トロイダルブーツ壁を有している、自在継ぎ手密封用転動ブーツにおいて、前記転動ブーツが射出成形または吹き込み成形品であり、前記転動ブーツが熱可塑性エラストマからなっており、そして前記エラストマが１５〜８５％の間の範囲にある程度まで不可逆的に架橋される。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 熱可塑性エラストマから作られる転動ブーツ 技術分野 本発明は、自在継ぎ手の外方継ぎ手部材に固定されるような大径を有する第１ カラーを有しかつ自在継ぎ手の内方継ぎ手部材において軸に固定されるような小 径を有する第２カラーを有し、そしてこれらのカラーを接続する半トロイダルブ ーツ壁を有している、自在継ぎ手密封用転動ブーツに関する。 従来技術 とくに高速継ぎ手に関して、転動ブーツは包旋状ブーツが好ましく、これらの 包旋状ブーツは、また、これらが高い遠心力の作用に余り感応せず、かつそれら が継ぎ手のグリース充填の影響下で寸法的に安定であるため、知られている。こ の型の転動ブーツはドイツ連邦共和国特許第１９５４４９１１Ａ１号から知られ ている。熱可塑性エラストマの包旋状ブーツはドイツ連邦共和国特許第４０３７ ４８２Ａ１号に記載されている。 高速で、また、大きな連接角度を許容する、革新的な継ぎ手設計において、ゴ ムから作られた以前に使用された転動ブーツは不適切であることが認められた。 継ぎ手内部の熱の発生のため、十分な使用寿命の値はもはや転動ブーツに得られ ない。ゴムはグリース充填のグリースに対して十分に弾力がなく、しかもグリー スとの接触は高充填レベルのため回避できない。 発明の開示 それゆえ、本発明の目的は、通常の負荷の範囲において継ぎ手の使用寿命全体 の間中高速においても同様に、極端な負荷、すなわち非常に大きな連接角度に耐 える転動ブーツを提供することにある。 本発明による解決は、以下の特徴の組み合わせ、すなわち、 −転動ブーツが射出成形または吹き込み成形品であり、 −前記転動ブーツが熱可塑性エラストマからなっており、そして −前記エラストマが１５〜８５％の間の範囲にある程度まで不可逆的に架橋さ れることからなっている。 高速および大きな連接角度においても所定の寸法的安定性を達成するために、 射出成形または吹き込み成形に熱可塑性エラストマを使用しかつ続いて、１５〜 ８５％の間の範囲にある程度まで熱可塑性エラストマを不可逆的に架橋すること が必須である。化学的過程である、分子を架橋することにより、エラストマはそ の熱可塑性の特性を失う。架橋されない熱可塑性エラストマに比して、不可逆的 架橋は転動ブーツの一時的に高い運転温度において望ましくない変形に対して有 効な保護を提供する。本発明による転動ブーツは、かくして、続いて起こる損傷 および故障なしに、材料の温度が増加されるとしても、−どのような損傷をもこ うむることなく−増加された負荷、すなわち大きい連接角度においての高速に従 わされ得る。材料は疲労に対してより高い耐久力を受容する。吹き込み成形から 射出成形に変化するとき、転動ブーツは、より高い精度で、とくに正確に観察さ れる壁厚さにより製造されることができ、その結果バランスずれの影響は実質上 減少される。これは目途とされる高速に鑑みてとくに重要である。 本発明による架橋は化学的または熱的過程によって、またはとくに、射出成形 部品をβまたはγ放射線を照射することによって達成され得る。高いエネルギの 放射線の影響による架橋ポリマまたはゴムの処理はそれ自体、例えば、ジー・シ ュライエル、コンシュトルイエン・ミット・クンシュトシュトッフェン（プラス チツクによる設計）、ミュンヒェン、１９７２年から知られている。 所定の強度特性を有しかつ所定のごとく架橋され得る好適な熱可塑性エラスト マはエステルを基礎にしたエラストマである。 とくに好適な架橋範囲として、一方で、転動ブーツの柔軟性がまだ十分に高く かつ、他方で、機械的な負荷支持能力および温度抵抗に関する特性がかなり改善 されることができる。 本発明の転動ブーツおよびこれを製造するための適宜な方法は参照がそれによ りなされる従属の請求の範囲に記載されている。 図面の簡単な説明 以下で、本発明による転動ブーツを図面を参照して説明する。 発明を実施するための最良の形態 長手方向断面図は差し込み軸２および転動ブーツ３を備えた４脚継ぎ手１を示 している。転動ブーツは、通常の方法において、ビーズ形状でありかつ保持リン グ５によって、環状部材６に対して締め付けられる外方カラー４からなっている 。環状部材６は、順次、４脚継ぎ手１の外方継ぎ手部材７に締め付けられる。こ の外方継ぎ手部材７は第１取着部材に取着されるようなフランジ８からなってい る。 転動ブーツの第２のカラー９が軸１に対して緊張帯片１０によって固定されて いる。前記軸１は継ぎ手１の内方継ぎ手部材１１に差し込まれている。第１カラ ー４および第２カラー９は、かくして軸端部において継ぎ手を密封する実質上均 一な厚さのブーツ壁１２によって互いに接続されている。転動ブーツの形状は従 来技術による転動ブーツの形状に実質上対応している。示された転動ブーツの実 施例は射出成形部品として製造される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．自在継ぎ手の外方継ぎ手部材に固定されるような大径を備えた第１カラー を有しかつ自在継ぎ手の内方継ぎ手部材において軸に固定されるような小径を備 えた第２カラーを有し、そしてこれらのカラーを接続する半トロイダルブーツ壁 を有している、自在継ぎ手密封用転動ブーツにおいて、 前記転動ブーツが射出成形または吹き込み成形品であり、 前記転動ブーツが熱可塑性エラストマからなっており、そして 前記エラストマが１５〜８５％の間の範囲にある程度まで不可逆的に架橋され ることを特徴とする自在継ぎ手密封用転動ブーツ。 ２．前記エラストマがエステルに基礎を置いたものであることを特徴とする請 求項１に記載の自在継ぎ手密封用転動ブーツ。 ３．前記エラストマが４５〜６５％の間の範囲にある程度まで架橋されること を特徴とする請求項１または２に記載の自在継ぎ手密封用転動ブーツ。 ４．前記転動ブーツが射出成形または吹き込み成形によって架橋されてない熱 可塑性エラストマによって形成されそして続いて起こる処理により、前記エラス トマが１５〜８５％の間の範囲にある程度まで不可逆的に架橋されることを特徴 とする請求項１ないし３のいずれか１項に記載の自在継ぎ手密封用転動ブーツ。 ５．前記架橋がβまたはγ放射線によって達成されることを特徴とする請求の 範囲第４項に記載の自在継ぎ手密封用転動ブーツ。