JP2000507102A - フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 - Google Patents

フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸

Info

Publication number
JP2000507102A
JP2000507102A JP9533722A JP53372297A JP2000507102A JP 2000507102 A JP2000507102 A JP 2000507102A JP 9533722 A JP9533722 A JP 9533722A JP 53372297 A JP53372297 A JP 53372297A JP 2000507102 A JP2000507102 A JP 2000507102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid sequence
polypeptide
nucleic acid
seq
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9533722A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4125375B2 (ja
Inventor
エム. バーカ,ランディ
ダブリュー. レイ,マイケル
ブイ. クロック,アラン
Original Assignee
ノボ ノルディスク バイオテック,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノボ ノルディスク バイオテック,インコーポレイティド filed Critical ノボ ノルディスク バイオテック,インコーポレイティド
Publication of JP2000507102A publication Critical patent/JP2000507102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4125375B2 publication Critical patent/JP4125375B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y301/00Hydrolases acting on ester bonds (3.1)
    • C12Y301/03Phosphoric monoester hydrolases (3.1.3)
    • C12Y301/030083-Phytase (3.1.3.8)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23KFODDER
    • A23K20/00Accessory food factors for animal feeding-stuffs
    • A23K20/10Organic substances
    • A23K20/189Enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L11/00Pulses, i.e. fruits of leguminous plants, for production of food; Products from legumes; Preparation or treatment thereof
    • A23L11/30Removing undesirable substances, e.g. bitter substances
    • A23L11/33Removing undesirable substances, e.g. bitter substances using enzymes; Enzymatic transformation of pulses or legumes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/30Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing carbohydrate syrups; containing sugars; containing sugar alcohols, e.g. xylitol; containing starch hydrolysates, e.g. dextrin
    • A23L29/35Degradation products of starch, e.g. hydrolysates, dextrins; Enzymatically modified starches
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L5/00Preparation or treatment of foods or foodstuffs, in general; Food or foodstuffs obtained thereby; Materials therefor
    • A23L5/20Removal of unwanted matter, e.g. deodorisation or detoxification
    • A23L5/25Removal of unwanted matter, e.g. deodorisation or detoxification using enzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y301/00Hydrolases acting on ester bonds (3.1)
    • C12Y301/03Phosphoric monoester hydrolases (3.1.3)
    • C12Y301/030264-Phytase (3.1.3.26), i.e. 6-phytase

Abstract

(57)【要約】 本発明はサーモマイセス・ラヌギノスス(Thermomyces lanuginosus)からのフィターゼ活性を有する単離されたポリペプチド及び該ポリペプチドをコードする単離された核酸配列に関する。本発明は、該核酸配列を含む核酸構成物、ベクター、及び宿主細胞並びに前記ポリペプチドを生産するための方法にも関する。本発明は、更に、複合食品及びフィチン酸レベルを減少させる方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 発明の背景 発明の分野 本発明は、フィターゼ活性を有する単離されたポリペプチド及びそのポリペプ チドをコードする単離された核酸配列に関する。本発明は、その核酸配列を含む 核酸構成物、ベクター、及び宿主細胞、並びにそのポリペプチドを生産するため の方法にも関する。本発明は、更に、そのポリペプチドを含む組成物及びその使 用の方法に関する。 関連技術の記載 フィターゼ(ミオ−イノシトールヘキサキスホスフェートホスホヒドロラーゼ 、EC 3.1.3.8)は、フィテート(ミオ−イノシトールヘキサキスホスフェート) の、(1)ミオ−イノシトール、(2)そのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、 及びペンタ−ホスフェート並びに(3)無機リン酸塩への加水分解を触媒する。 以後、略して、上述の化合物は時々、各々IP6,I,IP1,IP2,IP3,IP4, IP5及びPと呼ぶ。これは、フィターゼの機能により、IP6が無機リン酸塩並び に1又は複数の構成物IP5,IP4,IP3,IP2,IP1及びIに分解される。ある いは、位置p,q,r,…に結合した全部でnのリン酸基を有するmyo−イノシ トールは(Ins(p,q,r,…)Pn)と呼ぶ。 2つの異なる型のフィターゼ:いわゆる3−フィターゼ(myo−イノシトール ヘキサキスホスフェート3−ホスホヒドロラーゼ、EC 3.1.3.8)及びいわゆる6−フィターゼ(myo−イノシトールヘキサキスホスフェ ート6−ホスホヒドロラーゼ、EC 3.1.3.26)が知られている。3−フィターゼは 最初に3倍のエステル結合を加水分解し、他方6−フィターゼは最初に6位のエ ステル結合を加水分解する。(1,2,4,5,6−IP5であるか1,2,3, 4,5−IP5であるかにかかわらず)結果として生ずるIP5基質の残りのエステ ル結合は、実質的に異なる比率で加水分解される。また、全ておいて加水分解さ れるなら、構成物IP4,IP3,IP2及びIP1の加水分解の比率は可変性であるよ うである。 フィターゼを生産する微生物は、バクテリア、例えばバチルス・サブチリス(B acillus subtilis )(Paver and Jagannathan,1982,Journal of Bacteriology 1 51:1102-1108)及びジードモナス(Pseudomonas)(Cosgrove,1970,Australian J ournal of Biological Sciences 23:1207-1220);イースト、例えばサッカロマ イセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)(Navini and Marcakis,1984 .Lebensmittei Wissenschaft und Technologie 17:24-26);及びアスペルギル ス(Aspergillus)属の真菌、例えばアスペルギルス・テルレウス(Aspergillus terreus )(Yamadaら、1986,Agricultural Biological Chemistry 322:1275-1282 )を含む。 Piddingtonら(1993,Gene 133:55-62)によるアスペルギルス・ニゲル(Asperg illus niger )変種アワモリ(awamori)及びvan Hartingsveldtら(1993,Gene 1 27:87-94;EP 420 358)によるアスペルギルス・ニゲル(フィクウム(ficuum))から のフィターゼ遺伝子のクローニング及び発現が開示されている。 フィチン酸は、動物の飼料の主要な構成物である、穀物、マメ類、脂肪種子、 例えば大豆内の一次的貯蔵形態である。しかしながら、単胃動物のための動物の 飼料内のフィチン酸の存在は、フィチン 酸のリン酸成分がミネラルをキレート化し、おそらくタンパク質がそれらを栄養 的に利用できなくするので不要である。更に、フィチン酸のリンは単胃動物の胃 腸管を通過して代謝されない、リンは全ての生物の成長のための本質的要素であ るので、家畜の飼料には無機リン酸塩を補給しなければならない。これにより、 当該技術は単胃動物の飼料におけるフィターゼの使用を開示する。 更に、フィチン酸は単胃動物によって代謝されないのでそれは肥料内に排出さ れる。家畜生産の増加から生する生産された肥料の量は世界的に大きく増加して いる。肥料の処分は、特に水の中の、リン酸塩の蓄積のため、世界じゅうの様々 の場所で環境問題を引きおこしている。これにより、肥料中のフィテートの量を 減らすためのフィターゼの使用も当該技術は開示する。 商業的に大量に生産することができる改良された特性を有する新規フィターゼ について、当該技術において必要性がある。 本発明の目的は、新しいクラスのフィターゼ、即ち3,6−フィターゼ、即ち ホスホエステルの両方の結合を攻撃するフィターゼを提供することである。 発明の概要 本発明は、 (a)3,6−フィターゼ活性を有するポリペプチド; (b)配列番号:2に記載されるアミノ酸配列と少くとも60%の同一性を有す るアミノ酸配列を有するポリペプチド; (c)(i)配列番号:1に記載される核酸配列又は(ii)その相補鎖と、中スト リンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコード されるポリペプチド; (d)(b)又は(c)の対立遺伝子形態;及び (e)(b),(c)、又は(d)のフラグメント からなる群から選択されるフィターゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関 する。 本発明は、前記ポリペプチドをコードする単離された核酸配列並びに該核酸配 列を含む核酸構成物、ベクター、及び宿主細胞、並びに前記ポリペプチドを生産 するための方法にも関する。本発明は、複合飼料及びフィテートレベルを削減す る方法に更に関する。 図面の簡単な説明 図1は、サーモマイセス・ラヌギノスス(Thermomyces lanuginosus)CBS 586 .94ゲノムDNAの、フィターゼ遺伝子プローブとのサザンハイブリダイゼーション 分析からのオートラジオグラムを示す。 図2は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼのゲノムDNA配 列及び予想されるアミノ酸配列(各々配列番号:1及び配列番号:2)を示す。 図3は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94及びアスペルギルス・ニゲ ル(フィクウム)NRRL 3135からのフィターゼについてアミノ酸配列のアライン メント(配列番号:3)を示す。 図4は、pDM181の制限地図を示す。 図5は、pMWR48の制限地図を示す。 図6は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94及びアスペルギルス・ニゲ ル(フィクウム)NRRL 3135フィターゼの熱安定性の比較を示す。 図7は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94及びアスペルギルス・ニゲ ル(フィクウム)NRRL 3135フィターゼのpH−活性プロフィールを示す。 図8は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94及びアスペルギルス・ニゲ ル(フィクウム)NRRL 3135フィターゼの温度一活性プロフィールを示す。 図9は、アスペルギルス・ニゲル(フィクウム)フィターゼの産物プロフィー ルを示す、NMRスペクトルの積み重ねたプロット(24時間まで)を示す。 図10は、サーモマイセス・ラヌギノススフィターゼの産物プロフィールを示す NMRスペクトルの積み重ねたプロット(24時間まで)を示す。 図11は、アスペルギルス・ニゲル(フィクウム)フィターゼの産物プロフィー ルを示す4.5時間までのNMRスペクトルの積み重ねたプロットを示す。 図12は、サーモマイセス・ラヌギノススフィターゼの産物プロフィールを示す 4.5時間までのNMRスペクトルの積み重ねたプロットを示す。 図13は、20分後の、アスペルギルス・ニゲル(フィクウム)フィターゼ及びサ ーモマイセス・ラヌギノススフィターゼの産物プロフィールを示すNMRスペクト ルを示す。 発明の詳細な記載 フィターゼ活性を有するポリペプチド 第1の実施形態において、本発明は、3,6−フィターゼ活性を有するポリペ プチドに関する。これにより、本発明のこの態様のポリペプチドは、フィチン酸 の6−及び3−位について高い初期アフィニティーを示すフィターゼの新規クラ スに属する。換言すれば、それは3−フィターゼでも6−フィターゼでもないが 、いずれの周知のフィターゼについて今まで報告されているものよりも小さい位 置特異性である。好ましくは、これらのポリペプチドは3位及び6位についてよ り大きい初期アフィニティーを有する。更に、これらのポリペプチドは、真菌株 、より好ましは糸状菌株から得られる。最も好ましい実施形態において、そのポ リペプチドはサーモマイセス、より好ましくはサーモマイセス・ラヌギノスス、 そして最も好ましくはその株CBS 586.94から得られる。 第2の実施形態において、本発明は、そのポリペプチドのフィターゼ活性を質 的に保持する、少くとも約60%、好ましくは少くとも約70%、より好ましくは少 くとも約80%、更により好ましくは少くとも約90%、最も好ましくは少くとも95 %、そして更に最も好ましくは少くとも約97%の、配列番号:2に記載されるア ミノ酸配列との同一性の程度を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド(以後 “相同ポリペプチド”)に関する。好ましい実施形態においてその相同ポリペプ チドは、配列番号:2に記載されるアミノ酸配列と5アミノ酸、好ましくは4ア ミノ酸、より好ましくは3アミノ酸、更により好ましくは2アミノ酸、そして最 も好ましくは1アミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を有する。本発明の目的のため に、2つのアミノ酸の間の同一性の程度は、同一性テーブル、10のギャップペナ ルティー、及び10のギャップ長ペナルティーでのClustal法(Higgins,1989,CAB IOS 5:151〜153)により決定される。 その相同性ポリペプチドのアミノ酸配列は、1もしくは複数のアミノ酸残基の 挿入もしくは欠失及び/又は異なるアミノ酸残基による1もしくは複数のアミノ 酸残基の置換により、配列番号:2に記載されるアミノ酸配列と異なる。好まし くは、アミノ酸変換は、少しの性質の変換、即ちタンパク質のホールディング及 び/又は活性に大きな影響を与えない保存性アミノ酸置換;少量の欠失、典型的 には1〜約30アミノ酸の欠失;少量のアミノ−もしくはカルボキシ ル末端の伸長、例えばアミノ末端のメチオニン残基の伸長;約20〜25残基までの 小さなリンカーペプチド;又は実効電荷もしくは他の機能、例えばポリヒスチジ ン域、抗原エピトープもしくは結合ドメインを変化させることにより精製を容易 にする小さな伸長である。 保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(例えばアルギニン、リシン及びヒスチジ ン)、酸性アミノ酸(例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸 (例えばグルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えばロイシン、イ ソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプト ファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(例えばグリシン、アラニン、セリ ン、トレオニン及びメチオニン)の群の中にある。比活性を一般的に変えないア ミノ酸置換は当該技術で周知であり、例えばH.Neurath及びR.L.Hill(1979,In ,The Proteins,Academic Press,New York)に記載される。最も一般的におこ る変換は、Ala/Ser,Val/Ile,Asp/Glu,Thr/Ser,Ala/Gly,Ala/Thr,Ser/Asn ,Ala/Val,Ser/Gly,Tyr/Phe,Ala/Pro,Lys/Arg,Asp/Asn,Leu/Ile,Leu/Val ,Ala/Glu、及びAsp/Gly並びにこれらの逆である。 好ましい実施形態において、本発明は、配列番号:2に記載されるアミノ酸配 列を有するフィターゼ活性を有する単離されたポリペプチド、並びにフィターゼ 活性を保持するその対立遺伝子形態及びフラグメントに関する。好ましくは、フ ラグメントは、少くとも400アミノ酸残基、より好ましくは少くとも425アミノ酸 残基、そして最も好ましくは少くとも475アミノ酸残基を含む。 第3の実施形態において、本発明は、配列番号:1に記載される核酸配列と高 、中、又は低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチ ドプローブと同じ条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコー ドされるフィターゼ活性を 有する単離されたポリペプチド、又はその相補鎖(J.Sambrook,E.F.Fritsch、及 びT.Maniatus,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition, Cold Spring Harbor,New York)、並びにその対立遺伝子形態及びフラグメント に関する。ハイブリダイゼーションは、類似している核酸配列が、標準的サザン ブロッティング手順の後、低〜高ストリンジェンシー条件(例えば5×SSPE、0. 3% SDS、200mg/mlのせん断して変性したサケ精子DNA、及び高、中及び低スト リンジェンシーについて各々50,35又は25%のホルムアミド中での42℃でのプレ ハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション)下において、配列番号: 1に示される核酸配列の一部をコードするポリペプチドに相当するオリゴヌクレ オチドプローブとハイブリダイズすることを示す。 配列番号:2に記載されるアミノ酸配列又はその部分的アミノ酸配列は、オリ ゴヌクレオチドプローブをデザインするのに用いることができ、又は本発明のポ リペプチドをコードする核酸配列、例えば配列番号1に記載される核酸配列、又 はそのサブ配列は、当該技術で公知である方法に従って異なる属又は種の株から 、フィターゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定及びクローン化 するのに用いることができる。特に、このようなプローブは、本明細書に記載さ れる対応する遺伝子を同定及び単離するために、標準的サザンブロッティング手 順の後の、関心の属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのため に用いることができる。このようなプローブは、その全体の配列よりかなり短く てよいが、少くとも15、好ましくは少くとも25、そしてより好ましくは少くとも 40ヌクレオチドの長さであるべきである。より長いプローブを用いることもでき るDNA及びRNAの両方のプローブを用いることができる。プローブは、典型的には 、対応する遺伝子を検出するために、 (例えば32P,3H,35S、ビオチン、又はアビジンで)標識される。 これにより、このような他の生物から調製されたゲノム、cDNA又は組合わせの 化学的ライブラリーは、上述のプローブとハイブリダイズするDNA及びフィター ゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすること ができる。このような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロースもしくはポ リアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技術により分離することができる 。そのライブラリーからのDNAは分離したDNAは、ニトロセルロース又は他の適切 な担体材料に移し、それ上に固定化することができる。配列番号:1と相同性の あるクローン又はDNAを同定するために、担体材料はサザン・ブロットに用いら れる。ここで、サザン・ブロットにおいては、担体材料は、好ましくは50℃以下 、より好ましくは55℃以下、更により好ましくは60℃以下、そして最も好ましく は65℃以下で2×SSC、0.2% SDSを用いて各々30分、3回、最終的に洗浄される 。オリゴヌクレオチドプローブがこれらの条件下でハイブリダイズする分子は、 X線フィルムを用いて検出することができる。 好ましい実施形態において、本発明の単離したポリペプチドは、配列番号:1 に記載される核酸配列又はその相補鎖、並びにその対立遺伝子形態及びフラグメ ントと、中ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチド プローブと、同じ条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコー ドされる。より好ましい実施形態において、本発明の単離されたポリペプチドは 、配列番号:1に記載される核酸配列又はその相補鎖、並びにその対立遺伝子形 態及びフラグメントと、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするオリ ゴヌクレオチドプローブと、同じ条件下 でハイブリダイズすることができる。核酸配列によりコードされる。 本発明は、サーモマイセス・ラヌギノスス(Thermomyces lanuginosusk)CBS 586.94に対してネイティブであるポリペプチドに対して免疫化学的同一性又は部 分的な免疫化学的同一性を有するポリペプチドにも関する。この実施形態におい て、本発明のポリペプチドは、そのポリペプチドのエピトープに対して免疫反応 性があるか又はそれに結合する抗体を生産するのに用いられる。サーモマイセス ・ラヌギノススCBS 586.94に対してネイティブであるポリペプチドと免疫学的同 一性を有するポリペプチドは、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94に対し てネイティブであるポリペプチドに対する抗体を含む抗血清が、特定の免疫化学 的技術を用いて、沈殿物の全体的様式、同一の沈殿形態、及び/又は同一の電気 泳動移動度のような同一の様式で、他のポリペプチドと反応することを意味する 。免疫化学的同一性の更なる説明は、Axelsen,Bock、及びKr Quantitative Immunoelectrophoresis,Blackwell Scientific Publications,1 973,Chapter 10)に記載される。部分的免疫学的同一性は、サーモマイセス・ ラヌギノススCBS 586.94に対してネイティブであるポリペプチドに対する抗体を 含む抗血清が、特定の免疫化学的技術を用いて、沈殿の部分的な様式、部分的に 同一な沈殿形態、及び/又は部分的に同一な電気泳動移動度のような部分的に同 一な様式で他のポリペプチドと反応することを意味する。部分的免疫学的同一性 の更なる説明は、Bock及びAxelsen(N.H.Axelsen,J oelectrophoresis,Blackwell Scientific Publications,1973,Chapter 11)に 記載される。免疫化学的特性は、公知のオクタロニー 二重免疫拡散手順による免疫学的交差反応同一性テストにより決定される。特に 、本発明のポリペプチドに対する抗血清は、Harboe及 al of Quantitative Immunoelectrophoresis,Blackwell Scientific Publicati ons,1973,Chapter 23)又はJohnstone及びThorpe(Immunochemisery in Practi ce,Blackwell Scientific Publications,1982(より詳しくはページ27−31) により記載される手順に従って、ウサギ(又は他のげっ歯動物)を免疫化するこ とにより生ずる。 配列番号:1に記載される核酸配列又はその相補鎖とハイブリダイズするオリ ゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズすることができる核酸配列並びにその 対立遺伝子及びフラグメントによりコードされるポリペプチド、相同ポリペプチ ド並びに同一又は部分的に同一の免疫学的特性を有するポリペプチドは、いずれ かの属の微生物から得ることができる。好ましくは、それらはバクテリア源から 得られる。他の好ましい実施形態において、これらのポリペプチドは真菌源から 得られる。このようなポリペプチドのためのソースは公共の寄託機関で利用でき るサーモマイセス属及びその種の株である。更に、これらのポリペプチドは、上 述のプローブを用いて自然(例えば土壌、コンポスト、水等)から単離された微 生物を含む他のソースから同定し、得ることができる。自然の環境から微生物を 単離するための技術は当該技術で公知である。次に、核酸配列は、他の微生物、 特に真菌、例えばアスペルギルス(Aspergillus)種の株、特にアスペルギルス ・アクレアトウス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Asp ergillus awamori )、アスペルギルス・ホエチドウス(Aspergillus foetidus) 、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギル ス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニゲル(Asperg illus niger )もしくはアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)の株 、トリコデルマ種(Trichoderma sp.)の株、特にトリコデルマ・ハルジアヌム(T richoderma harzianum )、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii) 、トリコデルマ・ロンギブラキアトウム(Trichoderma longibrachiatum)、ト リコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)もしくはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride )の株又はフサリウム種(Fusarium sp.)、特にフサリウム ・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロオクウエルレンス(Fus arium crookwellense )、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum )、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・サンブ シヌム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・スルクレウム(Fusarium sulphu reum )もしくはフサリウム・ベネアトウム(Fusarium venenatum)の株又はヒュ ミコラ種(Humicola sp.)の株、又はアウレオバシジウム(Aureobasidium sp.) 、クリプトコッカス種(Cryptococcus sp.)、フィリバシジウム種(Filibasidi um sp. )マグナポルテ種(Magnaporthe sp.)、マイセリホフトーラ種(Mycelioph thora sp. )、ネオカルリマスチックス(Neocallimastix sp.)、パエシロマイ セス種(Paecilomyces sp.)、プリオマイセス種(Piromyces sp.)、タラロマイ セス種(Talaromyces sp.)、サーモアスクス種(Thermoascus sp.)、チエラビア種 (Thielavia sp.)、もしくはスキゾフィルム種(Schizophyllum sp.)の種のcDNAラ イブラリーを同様にスクリーニングすることにより得ることができる。ポリペプ チドをコードする核酸配列をプローブで検出した後、その配列は、当業者に周知 である技術を利用することにより単離し、又はクローン化することができる(Sa mbrookら、1989、前掲)。 本発明のポリペプチドは、好ましくはサーモマイセスの種、例えばこれらに限 られないが、サーモマイセス・イバダネンシス(Thermomyces ibadanensis)、 サーモマイセス・ラヌギノスス(Thermomyces lanuginosus)、サーモマイセス ・ステルラトウス(Thermomyces stellatus)、及びサーモマイセス・ベルルコ スス(Thermomyces verrucosas)から得られる。これらの種の株は、いくつかの 培養コレクション、例えばAmerican Type Culture Collection(ATCC),Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSM),Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)、及びAgricultural Research Service Patent Cu lture Collection,Northern Regional Research Center(NRRL)で公共的に直 ちにアクセスできる。 より好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、サーモマイセス・ ラヌギノススから、そして最も好ましくはサーモマイセス・ラヌギノススCBS 58 6.94又はその変異株から得られ、例えば配列番号:2に記載されるアミノ酸配列 を有するポリペプチドである。 本発明のポリペプチドは、更に、S.C.Jong,J.M.Birmingham、及びG.Ma(ATCC Names of Industrial Fungi,American Type Culture Collection,Rockville, Maryland,1994)又はM.B.Ellis(Dematiaceous Hyphomycetes,Commonwealth Myc ological Institute,Surrey,England,1971)により記載されるようなサーモマ イセスの異名である他の真菌から得ることができる。例えば、サーモマイセス・ ラヌギノススの異名は、アクレモニエラ・サーモフィラ(Acremoniella thermop hila )、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lannginosa)、モノトスポラ・ラ ヌギノサ(Monotospora lanuginosa)、及びセペドニウム・ラヌギノスム(Sepe donium lanuginosum )を 含む。本発明は、サーモマイセスのテレオモルフである真菌から得られるフィタ ーゼも包含する。サーモマイセス属はdematiaceous hyphomycete真菌の群の陸生 メンバーである。コロニーは、不規則に広がり、綿様で、又はビロード状で、そ して灰色、緑がかった灰色、バフ色、暗く黒がかった茶色、又は黒である。菌条 体は部分的に表面状で部分的に沈んでいる。分生子柄はミクロネマチック又は半 マクロネマチックで、単一のネマチックで、非分枝又は不規則に枝分れした直線 的又は曲がった無色又は茶色で、なめらかである。分生子形成細胞は単芽球で、 一体化し、そして終端性又は分かれており、有限で、円柱状又は壺形態である。 分生子は単生で、乾燥し、頂生植物状で、単純で、球形からサブ球形又は角ばっ てローブ状で、青白色から暗黒がかった茶色で、なめらか又はいぼ状でO−中隔 を有する。フィアライド状態は知られていない。 本発明の目的のため、所定のソースに関連して本明細書で用いられる用語“か ら得られる”とは、ポリペプチドが、ソース、又はソースからの遺伝子が挿入さ れている細胞により生産されることを意味する。 本明細書で定義される場合、“単離された”ポリペプチドは、本質的に他の非 フィターゼポリペプチドのないポリペプチド、例えばSDS-PAGEで測定して、少く とも約20%純粋、好ましくは少くとも約40%純粋、より好ましくは約60%純粋、 更により好ましくは約80%純粋、最も好ましくは約90%純粋、そして更に最も好 ましくは約95%純粋であるポリペプチドである。 本発明のポリペプチドは、高温で高い活性を有することを特徴とする。より詳 しくは、これらのポリペプチドは65℃近くで最大フィターゼ活性を有し、そして 75℃においてでさえ部分的な活性を有する。対照的に、アスペルギルス・ニゲル フィターゼは65℃において 本質的に不活性である。 核酸の配列 本発明は、本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列にも関する 。好ましい実施形態において、その核酸配列は、サーモマイセス、例えばサーモ マイセス・ラヌギノススから得られるポリペプチドをコードし、より好ましい実 施形態において、その核酸配列は、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94か ら得られ、例えば配列番号:1に記載される核酸配列である。より好ましい実施 形態において、その核酸配列は、大腸菌NRRL B-21527に含まれるプラスミドpMWR 46内に含まれる配列である。本発明は、遺伝子コードの縮重により配列番号:1 と異なる配列番号:2に記載されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコード する核酸配列も含む。本発明は、フィターゼ活性を保持する配列番号:2のフラ グメントをコードする配列番号:1のサブ配列にも関する。好ましくは、サブ配 列は、少くとも1200ヌクレオチド、より好ましくは少くとも1275ヌクレオチド、 そして最も好ましくは少くとも1425ヌクレオチドを含む。 上述の通り、その核酸配列は、M.B.Ellis,1971、前掲又はJongら、1994、前 掲により定義されるようなサーモマイセスの異名又はテレオモルフである微生物 から得ることができる。 ポリペプチドをコードする核酸配列を単離又はクローン化するのに用いられる 技術は当該技術で周知であり、ゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそ れらの組合せを含む。これらのゲノムDNAからの本発明の核酸配列のクローニン グは、例えば公知のポリメラーゼ鎖反応(PCR)又は共有する構造物特徴でクロー ン化されたDNAフラグメントを検出するための発現ライブラリーの抗体スクリー ニングを用いることにより、行うことができる。例えばInnisら( 1990,PCR:A Guide to Methods and Application,Academic Press,New York) を参照のこと。他の核酸増幅手順、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結化活性化 転写(LAT)及び核酸配列ベースの増幅(NASBA)を用いることができる。核酸配列は 、そのポリペプチドを生産するサーモマイセスの株、又は他のもしくは関連する 生物からクローン化することができ、そしてこれにより、例えば、その核酸配列 のポリペプチドコード化領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。 本明細書に用いられる用語“単離された”核酸配列とは、他の核酸配列を本質 的に含まない核酸配列、例えばアガロースゲル電気泳動により測定して、少くと も約20%純粋、好ましは少くとも約40%純粋、より好ましくは約60%純粋、更に より好ましくは約80%純粋、最も好ましくは約90%純粋、そして更に最も好まし くは約95%純粋である核酸配列をいう。例えば、単離された核酸配列は、再生産 されるであろう異なる部位に、その天然の位置からの核酸配列を再配置するため に遺伝子工学において用いられる標準的クローニング手順により得ることができ る。そのクローニング手順は、そのポリペプチドをコードする核酸配列を含む要 求される核酸フラグメントの切出し及び単離、ベクター分子内へのそのフラグメ ントの挿入、及び核酸配列の多重コピー又はクローンが複製されるであろう宿主 細胞内への組換へベクターの組込みを含み得る。その核酸配列は、ゲノム、cDNA ,RNA、半合成、合成源、又はそれらの組合せのものであり得る。 本発明は、活性ポリペプチドをコードする、少くとも約60%、好ましくは少く とも約70%、より好ましくは少くとも約80%、更により好ましくは少くとも約90 %、最も好ましくは少くとも約95%、そして更に最も好ましくは少くとも約97% の、配列番号:1に記載の 核酸配列との同一性の程度を有する核酸配列にも関する。本発明の目的のため、 2つの核酸配列の間の同一性の程度は、同一性テーブル、10のギャップペナルテ ィー、及び10のギャップ長でClustal法(Higgins,1989,CABIOS 5:151-153)に より決定される。 そのポリペプチドをコードする核酸配列の改変は、そのポリペプチドに実質的 に類似したポリペプチドの合成のために必要であり得る。ポリペプチドに“実質 的に類似”とは、ポリペプチドの非天然形態をいう。これらのポリペプチドは、 そのネイティブ源から単離されたポリペプチドといくつかの工学的方法において 異なり得る。例えば、部位特異的変異誘発を用いて、変異体が比活性、熱安定性 、pH至適性等において異なるポリペプチドの変異体を合成することに関心がある 。配列番号:1の一部をコードするポリペプチド、例えばそのサブ配列に基づい て、及び/又はその核酸配列によりコードされるポリペプチドの他のアミノ酸配 列を生じさせないが、その酵素の生産を意図する宿主生物のコドン利用に相当す る置換の導入により、又は異なるアミノ酸配列を生じさせ得るヌクレオチド置換 の導入により、作製することができる。ヌクレオチド置換の一般的記載について は、例えばFordら(1991,Protein Expression and Purification 2:95-107)を参 照のこと。 これらの置換は、その分子の機能に重大な領域の外側で行うことができ、なお 活性ポリペプチドを生じ得ることは当業者に明らかであろう。本発明の単離され た核酸配列によりコードされるポリペプチドの活性に本質的であり、それゆえ好 ましくは置換にかけられないアミノ酸残基は、当該技術で周知である手順、例え ば部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニング変異誘発に従って同定すること ができる(例えばCunningham及びWells,1989,Science 244:1081-1085を参照の こと)。後者の技術において、変異は、分子内の各 々の正電荷の残基において導入され、結果として生じた変異分子は、分子の活性 に重大であるアミノ酸残基を同定するためフィターゼ活性についてテストされる 。基質−酵素相互作用の部位は、核磁気共鳴分析、結晶学又はホトアフィニティ ーラベリングのような技術により決定される三次元構造の分析によっても決定す ることができる(例えば、de Vosら(1992,Science 255,306-312);Smithら(199 2,Journal of Molecular Biology 224:899-904);Wlodaverら(1992,FEBS Lett er 309,59-64)を参照のこと)。 本発明のポリペプチドは、他のポリペプチドがポリペプチド又はそのフラグメ ントのN末端又はC末端において融合した、融合ポリペプチド又は開裂性融合ポ リペプチドも含む。融合ポリペプチドは、他のポリペプチドをコードする核酸配 列(又はその一部)を、本発明の核酸配列(又はその一部)に融合させることに よって生産される。融合ポリペプチドを生産するための技術は当該技術において 周知であり、それらが枠内にあり、その融合ポリペプチドの発現が同じプロモー ター及びターミネーターの制御下にあるように、ポリペプチドをコードするコー ド化配列を連結することを含む。 本発明は、配列番号:1に記載の核酸配列又はその相補鎖と中ストリンジェン シー条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブと同じ条件下でハ イブリダイズすることができる核酸配列によりコードされるフィターゼ活性を有 する単離されたポリペプチドにも関する(Sambrookら、1989、前掲)。ハイブリ ダイゼーションは、類似している核酸配列が、標準条件下で配列番号:1に示さ れる核酸配列の部分をコードするポリペプチドに相当するオリゴヌクレオチドプ ローブとハイブリダイズすることを示す。 先に開示したように、配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はその部分的アミ ノ酸配列は、オリゴヌクレオチドプローブをデザイン するのに用いることができ、又は本発明のポリペプチドをコードする核酸配列、 例えば配列番号:1に記載の核酸配列、又はそのサブ配列も、いずれかの属又は 種の相同遺伝子を単離するため、プローブとして用いることができる。 核酸構成物 本発明は、調節配列に適合する条件下で適切な宿主細胞内でコード化配列の発 現を指示することができる1又は複数の調節配列に作用的に結合した本発明の核 酸配列を含む核酸構成物にも関する。 “核酸構成物”とは、天然の遺伝子から単離され、又はさもなければ天然に存 在しないであろう様式で組み合わされ、並置された核酸のセグメントを含むよう に改変されている一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸分子として定義される。核 酸構成物という用語は、その核酸構成物が本発明のコード化配列の発現のために 要求される全ての調節配列を含む場合、発現カセットという用語と類義語である 。本明細書に定義される用語“コード化配列”とは、上述の調節配列の制御下に おかれた場合に、mRNAに転写され、本発明のポリペプチドに翻訳される配列であ る。コード化配列の境界は、一般に、5’末端におけ翻訳開始コドンATG及び3 ’末端における翻訳終止コドンにより決定される。コード化配列は、これらに限 られないが、DNA,cDNA、及び組換え核酸配列を含み得る。 本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列は、そのポリペプチド の発現を供するための種々の方法において操作され得る。ベクターへの挿入の前 のポリペプチドをコードする核酸配列の操作が、発現ベクターによっては要求さ れ又は必要とされ得る。クローニング技術を利用する核酸配列を改変するための 技術は当該技術において公知である。 用語“調節配列”とは、核酸配列のコード化配列の発現のために 必要であり又はそのために有利である全ての構成物を含むように本明細書で定義 される。各々の調節配列はそのポリペプチドをコードする核酸配列に対してネイ ティブであっても外来性であってもよい。このような調節配列は、これらに限ら れないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、 シグナル配列、及び転写ターミネーターを含む。最小限、調節配列は、プロモー ター、並びに転写及び翻訳停止シグナルを含む。調節配列にはポリペプチドをコ ードする核酸配列のコード化領域と共に、調節配列の連結を容易にする特定の制 限部位を導入する目的のためのリンカーが供され得る。 調節配列は、核酸配列の発現のために宿主細胞により認識される核酸配列であ る適切なプロモーター配列であり得る。プロモーター配列、ポリペプチドの発現 を媒介する転写制御配列を含む。プロモーターは、変異され、トランケートされ 、及びハイブリッドのプロモーターを含む選択された宿主細胞内で転写活性を示 すいずれかの核酸配列であり得、そして宿主細胞に対して同種又は異種のいずれ かである細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができ る。 本発明の核酸構成物の転写を、特にバクテリア宿主細胞内で促進するための適 切なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトマイセス・コエリコ ロル(Streptomyces coelicolor)アガロース遺伝子(dagA)、バチルス・サブ チリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リ ケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチ ルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニ ックアミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacill us amyloliquefaciens )α−アミラーゼ 遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)ペニシ リナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilisxylA及 びxylB遺伝子、並びに原核生物β−ラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroffら、19 78,Proceedings of the National Academy of Science USA 75:3727-3731)並 びにtacプロモーター(DeBoerら、1983,Proceedings of the National Academy of Science USA 80:21-25)から得られるプロモーターである。更なるプロモー ターは、“Useful proteins from recombinant bacteria”(Scientific America n,1980,242:74-94)及びSambrookら(1989、前掲)を参照のこと。 糸状菌宿主細胞内で本発明の核酸構成物の転写を促進するための適切なプロモ ーターの例は、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)TAKAアミラー ゼ、リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロティナー ゼ、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)中性α−アミラーゼ、アス ペルギルス・ニゲル酸安定α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニゲルもしくはア スペルギルス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイ(Rh izomucor miehei )リパーゼ、アスペルギルス・オリザエアルカリプロテアーゼ 、アスペルギルス・オリザエトリホスリン酸イソメラーゼ、アスペルギルス・ニ ジュランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ、フサリウム・オキシス ポルム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼ(引用により本明細書 に組み込まれる米国特許第4,288,627号に記載)から得られるプロモーター、並 びにそれらの変異され、トランケートされ、及びハイブリッドのプロモーターで ある。糸状菌宿主細胞に用いるための特に好ましいプロモーターは、TAKAアミラ ーゼ、NA2-tpi(アスペルギルス・ニゲル中性α−アミラーゼ及びアスペルギルス ・オリザエト リホスリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッ ド)、及びglaAプロモーターである。 イースト宿主において、役立つプロモーターは、サッカロマイセス・セレビシ アエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO-1)遺伝子、サッカロマイセ ス・セレビシアエガラクトキナーゼ遺伝子(GAL1)、サッカロマイセス・セレビ シアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロ ゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)、及びサッカロマイセス・セレビシアエ3−ホスホ グリセレートキナーゼ遺伝子から得られる。イースト宿主細胞のための他の役立 つプロモーターはRomanosら(1992,Yeast 8:423-488)に記載される。哺乳動物 宿主細胞において、役立つプロモーターは、Simian Virus 40(SV40)、ラウス肉 腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス及びウシパピローマウイルス(BPV)からのプロ モーターのようなウイルスプロモーターを含む。 調節配列は、転写を終了させるために宿主細胞により認識される配列である適 切な転写ターミネーター配列でもあり得る。そのターミネーター配列は、ポリペ プチドをコードする核酸配列の3’末端に作用的に結合される。選択された宿主 細胞内で機能的であるいずれかのターミネーターを本発明に用いることができる 。 糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギルス・オリザ エTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼ、アスペルギルス ・ニジュランスアントラニレートシンターゼ、アスペルギルス・ニゲルα−グル コシダーゼ、及びフサリウム・オキシスポルムトリプシン様プロテアーゼをコー ドする遺伝子から得られる。 イースト宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロマイセス・セ レビシアエエノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシ アエシトクロムC(CYC1)、又はサッカロマイセス・セレビシアエグリセルアル デヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から得られる。 イースト宿主細胞のための他の役立つターミネーターは、Romanosら(1992、前 掲)に記載される、哺乳動物宿主細胞についてのターミネーター配列は、当該技 術で公知である。 調節配列は、宿主細胞による翻訳に重要であるmRNAの非翻訳領域である適切な リーダー配列でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配 列の5’末端に作用的に結合される。選択された宿主細胞内で機能的であるいず れかのリーダー配列を本発明に用いることができる。 糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリザエTAKA アミラーゼ及びアスペルギルス・オリザエトリホスホスフェートイソメラーゼを コードする遺伝子から得られる。 イースト宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロマイセス・セレビシア エエノラーゼ(ENO-1)遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエ3−ホスホグリ セレートキナーゼ遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエα−因子及びサッカ ロマイセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド− 3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)から得られる。 調節配列は、核酸配列の3’末端に作用的に結合し、転写された時、転写され たmRNAにポリアデノシン残基を加えるためのシグナルとして宿主細胞により認識 される配列であるポリアデニル化配列でもあり得る。選択された宿主細胞内で機 能するいずれかのポリアデニル化配列を本発明に用いることができる。 糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルスTAKA アミラーゼ、アスペルギルス・ニゲルグルコアミラ ーゼ、アスペルギルス・ニジュランスアントラニレートシンターゼ、及びアスペ ルギルス・ニゲルα−グルコシダーゼから得られる。 イースト宿主細胞のための役立つポリアデニル化配列は、Guo及びSherman(199 5,Molecular Cellular Biology 15:5983-5990)に記載される。哺乳動物宿主細 胞についてのポリアデニル化配列は、当該技術で公知である。 調節配列は、細胞の分泌経路に、発現されたポリペプチドを導くことができる ポリペプチドのアミノ末端に連結したアミノ酸配列をコードするシグナルペプチ ドコード化領域でもあり得る。核酸配列のコード化配列の5’端は、分泌される ポリペプチドをコードするコード化領域のセグメントに翻訳読み枠内に天然に連 結しているシグナルペプチドコード化領域を本来的に含み得る。あるいは、コー ド化配列の5’端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード化配列の部分 に対して外来性であるシグナルペプチドコード化領域を含み得る。コード化領域 が通常に、シグナルペプチドコード化領域を含まない場合、外来シグナルペプチ ドコード化領域が必要とされ得る。あるいは、コード化配列に通常関連する天然 のシグナルペプチドコード化領域に対してフィターゼの分泌を増強させるために 、外来シグナルペプチドコード化領域は、天然のシグナルペプチドコード化領域 を簡単に置換し得る。シグナルペプチドコード化領域は、アスペルギルス種から のグルコアミラーゼもしくはアミラーゼ遺伝子、リゾムコール種からのリパーゼ もしくはプロティナーゼ遺伝子、サッカロマイセス・セレビシアエからのα−因 子のための遺伝子、バチルス種からのアミラーゼもしくはプロテアーゼ遺伝子、 又はウシプレプロキモシン遺伝子から得ることができる。しかしながら、選択さ れた宿主細胞の分泌経路に、発現されたフィターゼを導くことができるいずれか のシグナルペプチドコード化領域を本発 明に用いることができる。 バクテリア宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード化領域は、バチル スNCIB 11837からのマルトジェニックアミラーゼ遺伝子、バチルス・ステアロサ ーモフィルスα−アミラーゼ遺伝子、バチルス・リケニホルミスサブチリシン遺 伝子、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ遺伝子、バチルス・ステアロ サーモフィルス中性プロテアーゼ遺伝子(nprTnprSnprM)、及びバチルス・ サブチリスPrsA遺伝子から得られるシグナルペプチドコード化領域である。更な るシグナルペプチドはSimonen及びPalva(1993,Microbiological Reviews 57:1 09-137)に記載される。 糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード化領域は、アスペルギ ルス・オリザエTAKAアミラーゼ遺伝子、アスペルギルス・ニゲル中性アミラーゼ 遺伝子、リゾムコル・ミエヘイアスパラギン酸プロティナーゼ遺伝子、ヒュミコ ラ・ラヌギノサセルラーゼ遺伝子、又はリゾムコル・ミエヘイリパーゼ遺伝子か らのシグナルペプチドコード化領域である。 イースト宿主細胞のための役立つシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セ レビシアエα−因子及びサッカロマイセス・セレビシアエインベルターゼのため の遺伝子から得られる。他の役立つシグナルペプチドコード化領域は、Romanos ら(1992、前掲)に記載される。 調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置したアミノ酸配列をコードする プロペプチドコード化領域でもあり得る。結果として生ずるポリペプチドはプロ 酵素又はプロポリペプチド(又は特定の場合、チモーゲン)として知られている 。プロポリペプチドは一般に不活性であり、プロポリペプチドからのプロペプチ ドの触媒的又は自己触媒的開裂により成熟活性ポリペプチドに変換することがで きる。プロペプチドコード化領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアー ゼ遺伝子(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ遺伝子(nprT)、サ ッカロマイセス・セレビシアエα−因子遺伝子、又はマイセリオフドラ・サーモ フィララッカーゼ遺伝子(W0 95/33836)から得ることができる。 本発明の核酸構成物は、ポリペプチドの発現に有利である1又は複数の因子、 例えばアクティベーター(例えばトランス作用因子)、シャペロン、及びプロセ ッシングプロテアーゼをコードする1又は複数の核酸配列も含み得る。選択され た宿主細胞内で機能的であるいずれかの因子を本発明に用いることができる。1 又は複数のこれらの因子をコードする核酸は、ポリペプチドをコードする核酸配 列と必ずしも縦に並ぶ必要はない。 アクティベーターは、ポリペプチドをコードする核酸配列の転写を活性化する タンパク質である(Kudlaら、1990,EMBO Journal 9:1355-1364;Jarai及びBuxton ,1994,Current Genetics 26:2238−244;Verdier,1990,Yeast 6:271-297)。 アクティベーターをコードする核酸配列は、バチルス・ステアロサーモフィルス NprA(nprA)、サッカロマイセス・セレビシアエヘムアクティベータータンパク質 1(hap1)、サッカロマイセス・セレビシアエガラクトース代謝タンパク質4( gal4)、及びアスペルギルス・ニジュランスアンモニア制御タンパク質(areA) をコードする遺伝子から得ることができる。更なる例について、Verdier(1990、 前掲)及びMackenzieら(1993,Journal of General Microbiology 139:2295-230 7)を参照のこと。 シャペロンは、ホールディング特性において他のポリペプチドを助けるタンパ ク質である(Hartlら.,1994,TIBS 19:20-25;Bergeronら.,1994,TIBS 19:124 -128;Demolderら.,1994,Journal of Biotechnology 32:179-189;Craig,1993,Science 260:1902-1903;Gethin g及びSambrook,1992,Nature 355:33-45;Puig及びGilbert,1994,Journal of Biological Chemistry 269:7764-7771;Wang及びTsou,1993,The FASEB Journ al 7:1515-11157;Robinsonら.,1994,Bio/Technology 1:381-384)。シャペロ ンをコードする核酸配列は、バチルス・サブチリスGroEタンパク質、アスペルギ ルス・オリザエタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、サッカロマイセス・セレ ビシアエカルネキシン、サッカロマイセス・セレビシアエBiP/GRP78、及びサッ カロマイセス・セレビシアエHsp70をコードする遺伝子から得ることができる。 更なる例について、Gething及びSambrook(1992、前掲)及びHartlら(1994、前 掲)を参照のこと。 プロセッシングプロテアーゼは、成熟した生化学的に活性なポリペプチドを形 成するようにプロペプチドを開裂するプロテアーゼである(Enderlin及びOgrydz iak,1994,Yeast 10:67-79;Fullerら.,1989,Proceedings of the National A cademy of Sciences USA 86:1434-1438;Juliusら.,1984,Cell 37:1075-1089;J uliusら.,1983,Cell 32:839-852)。プロセッシングプロテアーゼをコードする 核酸配列は、サッカロマイセス・セレビシアエジペプチジルアミノペプチダーゼ 、サッカロマイセス・セレビシアエKex2、及びヤルロビア・リポリチカ(Yarrow ia lipolytica )二塩基プロセッシングエンドプロテアーゼ(xpr6)から得るこ とができる。 宿主細胞の増殖に関するポリペプチドの発現の制御を許容する制御配列を加え ることも要求され得る。制御システムの例は、制御化合物の存在を含む化学的又 は物理的刺激に応じて遺伝子の発現を行い又はそれを止めるものである。原核生 物系における制御システムは、lactac、及びtrpオペレーターシステムを含む であろう。 イーストにおいては、ADH2システム又はGAL1システムを用いることができる。糸 状菌においてはTAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギルス・ニゲルグル コアミラーゼプロモーター、及びアスペルギルス・オリザエグルコアミラーゼプ ロモーターを、制御配列として用いることができる。他の制御配列の例は、遺伝 子増幅を許容するものである。真核生物系において、これらは、メトトレキセー トの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属で増幅さ れるメタロチオネイン遺伝子を含む。これらの場合、ポリペプチドをコードする 核酸配列は制御配列に作用的に結合されるであろう。 発現ベクター 本発明は、本発明の核酸配列、プロモーター、並びに転写及び翻訳停止シグナ ルを含む組換え発現ベクターにも関する。上述の種々の核酸及び調節配列を一緒 に連結して、その部位においてポリペプチドをコードする核酸配列の挿入又は置 換を許容するための1又は複数の便利な制限部位を含み得る組換え発現ベクター を生産することができる。あるいは、本発明の核酸配列は、その核酸配列又はそ の配列を含む核酸構成物を発現のための適切なベクターに挿入することにより、 発現することができる。発現ベクターを作り出すことにおいて、コード化配列は 、そのコード化配列が発現及びおそらく分泌のための適切な調節配列に作用的に 結合されるようにベクター内に位置する。 組換え発現ベクターは、便利には組換えDNA手順にかけ、核酸配列の発現をも たらすことができるいずれかのベクター(例えばプラスミド又はウイルス)であ り得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞とのベ クターの適合性によるであろう。ベクターは、直鎖又は閉環プラスミドであり得 る。ベクター は、自己複製ベクター、即ちその複製が染色体の複製と独立している染色体外存 在物として存在するベクター、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロソー ム、又は人工染色体であり得る。ベクターは、自己複製を確実にするためのいず れかの手段を含み得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞内に導入した時、ゲノ ム内に組み込まれ、組み込まれている染色体と一緒に複製されるものであり得る 。ベクターシステムは、宿主細胞のゲノム内に導入されるべき全てのDNAを一緒 に含む、単一ベクターもしくはプラスミドもしくは2もしくはそれ超のベクター もしくはプラスミド、又はトランスポゾンであり得る。 本発明のベクターは、好ましくは、形質転換された細胞の選択を容易にする1 又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、その産物が殺生物剤又はウイ ルス耐性、重金属に対する耐性、及び栄養要求体からの栄養摂取を供する遺伝子 である。バクテリアの選択マーカーの例は、バチルス・サブチリスもしくはバチ ルス・ソケニホルミスからのdal遺伝子、又はアンピシリン、カナマイシン、ク ロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性のような抗生物質耐性を与え るマーカーである。頻繁に用いられる哺乳動物マーカーはジヒドロ葉酸レダクタ ーゼ遺伝子である。イースト宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2,HIS3, LEU2,LYS2,MET3,TRP1、及びURA3である。糸状菌宿主細胞に用いるための選択 マーカーは、これらに限られないが、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニ チンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルト ランスフェラーゼ)、hygB(ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−ホスフェートデカルボキシラ ーゼ)、sC(スルフェートアデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニレ ートシンター ゼ)、及びグルホシネート耐性マーカー、並びに他の種からの等価物を含む群か ら選択することができる。アスペルギルス細胞に用いるのに好ましいのは、アス ペルギルス・ニジュランス又はアスペルギルス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子 並びにストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus) のbar遺伝子である。更に、例えば選択マーカーが別個のベクター上にあるWO 91 /17243に記載されるように、同時形質転換によって選択を行うことができる。 本発明のベクターは、好ましくは、宿主細胞ゲノム内へのベクターの安定な組 込み又は細胞のゲノムと独立した細胞内でのベクターの複製を許容する要素を含 む。 本発明のベクターは、宿主細胞内に導入した時に宿主細胞ゲノム内に組み込ま れ得る。組込みのために、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列、又 は相同的もしくは非相同的組換えによるゲノム内へのベクターの安定な一体化の ためのベクターのいずれかの他の要素に依存し得る。あるいは、ベクターは、宿 主細胞のゲノム内への相同的組換えにより組込みを行うための更なる核酸配列を 含み得る。その更なる核酸配列は、ベクターが、染色体内の正確な位置で宿主細 胞ゲノム内に組み込まれることを可能にする。正確な位置での組込みの可能性を 増加させるために、組込み要素は、好ましくは、相同的組換えの可能性を増強す るために対応する標的配列と高い相同性の十分な数の核酸、例えば100〜1,500塩 基対、好ましくは400〜1,500塩基対、そして最も好ましくは800〜1,500塩基対を 含む。組込み要素は、宿主細胞のゲノム内の標的細胞と相同性のあるいずれかの 配列であり得る。更に、組込み要素は、非コード化又はコード化核酸配列であり 得る。他方、ベクターは非相同的組換えにより宿主細胞のゲノム内に組み込むこ とができる。これら の核酸配列は宿主細胞のゲノム内の標的配列と相同性のあるいずれかの配列であ り得、更に非コード化又はコード化配列であり得る。 自己複製のためにベクターは、そのベクターが問題の宿主細胞内で自分で複製 するのを可能にする複製の源を更に含み得る。複製のバクテリア源の例は、大腸 菌内で複製を許容するpBR322,pUC19,PACYC177、及びpACYC184、並びにバチル ス内で複製を許容するpUB110,pE194,pTA1060及びpAMβ1である。イースト宿主 細胞内で用いるための複製の源の例は、複製の2ミクロン源、ARS1,ARS4,ARS1 及びCEN3の組合せ、並びにARS4及びCEN6の組合せである。複製の源は、宿主細胞 内でその機能発生を温度センシティブにする変異を有するものであり得る(例え ばEhrlich,1978,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433)。 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の1超の複製は、核酸配列の発現 を増幅するために宿主細胞内に挿入することができる。核酸配列の安定な増幅は 、その配列の少くとも1の更なる複製を、宿主細胞ゲノム内に当該技術で公知で ある方法を用いて組み込み、そして形質転換について選択することにより得るこ とができる。 本発明の組換え発現ベクターを作製するために上述の要素を連結するのに用い られる手順は当業者に公知である(例えばSambrookら、1989、前掲を参照のこと )。 宿主細胞 本発明は、ポリペプチドの組換え生産に有利に用いられる本発明の核酸配列を 含む組換え宿主細胞にも関する。用語“宿主細胞”には、複製の間におこる変異 により親細胞と同一でない親細胞のいずれの子孫も含む。 その細胞は、好ましくは、本発明の核酸配列を含むベクターで形質転換し、次 に宿主染色体内へのベクターの組込みが行われる。“ 形質転換”とは、ベクターが染色体組込み体として又は自己複製性染色体外ベク ターとして維持されるように、本発明の核酸配列を含むベクターを宿主細胞内に 導入することを意味する。組込みは、一般に、核酸配列が細胞内により安定に維 持されるようであるので有利であると考えられる。ベクターの宿主染色体への組 込みは、上述の相同的又は非相同的組換えによりおこり得る。 宿主細胞の選択は、かなりの程度、ペプチドをコードする遺伝子及びそのソー スに依存する。宿主細胞は、単細胞、例えば原核生物、又は非単細胞微生物、例 えば真核生物であり得る。役立つ単細胞の細胞は、バクテリア細胞、例えばグラ ム陽性バクテリア、例えばこれらに限られないが、バチルス細胞、例えばバチル ス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエフ ァシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus b revis )、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・コア キュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウトウス(Bacillus lautus )、バチルス・レントウス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(B acillus lic heniformis )、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium) 、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチ ルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、及びバチルス・ツリンギエンシス.(B acillus thuringiensis );又はストレプトマイセス(Streptomyces)細胞、例え ばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)もしくはストレ プトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)、又はグラム陰性バクテリア 、例えば大腸菌及びシュードモナス(Pseudomonas)種である。好ましい実施形 態において、バクテリア宿主細胞は、バチルス・レントウス、バチルス・リケニ ホルミス、バチルス・ステアロサーモ フィルス又はバチルス・サブチリス細胞である。バクテリア宿主細胞の形質転換 は、例えば、プロトプラスト形質転換(例えばChang及びCohen,1979,Molecula r General Genetics 168:111-115を参照のこと)により、コンピテント細胞(例 えば、Young及びSpiziz in,1961,Journal of Bacteriology 81:823-829、又は Dubnau及びDavidoff-Abelson,1971,Journal of Molecular Biology 56:209-22 1を参照のこと)を用いることにより、エレクトロポレーション(例えば、Shige kawa 及びDower,1988,Biotechniques 6:742-751を参照のことにより)、又はコ ンジュゲーション(例えばKoehler及びThorne,1987,Journal of Bacteriology 169:5771-5278を参照のこと)により行うことができる。 宿主細胞は、真核生物細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞又は真 菌細胞であり得る。役立つ哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO) 細胞、HeLa細胞、ベイビーハムスター腎臓(BHK)細胞、COS細胞、又は例えばAmer ican Type Culture Collectionから利用できるいずれかの数の他の不朽化細胞を 含む。 好ましい実施形態において、宿主細胞は真菌細胞である。本明細書に用いられ る“真菌”には、(Hawksworthら(In,Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambr idge,UK)により定義される)アスコマイコタ(Ascomycota)、バシジオマイコ タ(Basidiomycota)、キトリジオマイコタ(Chytridiomycota)、及びザイゴマ イコタ(Zygomycota)門並びに(Hawksworthら、1995、前掲、ページ171に言及 される)オオマイコタ(Oomycota)及び全ての栄養胞子性真菌(Hawksworthら、 1995、前掲)を含む。アスコマイコタの代表的な群は、例えばニューロスポラ(Neurospora )、ユーペニシリウム(Eupenicillium)(=ペニシリウム(Penicillium ))、エメリ セラ(Emericella)(=アスペルギルス(Aspergillus))、ユーロチウム(Eurotium)( =アスペルギルス(Aspergillus))、及び以下に列記される真性イーストを含む。 バシジオマイコタの例は、キノコ、サビ菌、黒穂病菌を含む。キトリジオマイコ タの代表的群は、例えばアルロマイセス(Allomyces)、ブラストクラジエラ(Bla stocladiella )、コエロモマイセス(Coelomomyces)、及び水生真菌を含む。オ オマイコタの代表的群は、例えばサプロレグニオマイセス(Saprolegniomycetou s)水生真菌(ミズカビ)、例えばアキリア(Achlya)を含む。栄養胞子性真菌 の例は、アスペルギルス、ペニシリウム(Penicillium)、カンジダ(Candida) 、及びアルテルナリア(Alternaria)を含む。ザイゴマイコタの代表的群は、例 えばリゾプス(Rhizopus)及びムコル(Mucor)を含む。 好ましい実施形態において、真菌宿主細胞はイースト細胞である。本明細書に 用いる“イースト”には、子嚢胞子酵母(Endomycetales)、担子胞子酵母、及び 真菌インパーフェクチ(Fungi Imperfecti)(Blastomycetes)に属する酵母を含む 。子嚢胞子酵母はスペルモフトラセアエ(Spermophthoraceae)及びサッカロマイ セタセアエ(Saccharomycetaceae)科に分けられる。後者は4つの亜科、スキゾ サッカロマイコイデアエ(Schizosaccharomycoidae)(例えばスキゾサッカロマイ セス(Schizosaccharomyces)属)、ナドソニオイデアエ(Nadsonioideae)、リポ マイコイデアエ(Lipomycoideae)、及びサッカロマイコイデアエ(Saccharomycoid eae)(例えばピキア(Pichia)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)及びサッ カロマイセス(Saccharomyces)属)に分けられる。担子胞子酵母、ロイコスポリ シウム(Leucosporidim)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、スポリジオ ボルス(Sporidiobolus)、フィロバシジウム(Filobasidium)及びフィロバシ ジエラ(Filobasidiella)属を含 む。真菌インパーフェクチに属するイーストは2つの科、スポロボロマイセタセ アエ(Sporobolomycetaceae)(例えばソロボロマイセス(Sorobolomyces)及びブ ルレラ(Bullera)及びクリプトコッカセアエ(Cryptococcaceae)(例えばカンジ ダ属)に分けられる。イーストの分類はその特徴において変化し得るので、本発 明の目的のため、イーストは、Biology and Activities of Yeast(Skinner,F.A .,Passmore,S.M.,and Davenport,R.R.,eds,Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1980)に記載されるように定義される。イーストの生物学及びイ ースト遺伝子の操作は当該技術で公知である(例えば、Biochemistry and Genet ics of Yeast,Bacil,M.,Horecker,B.J.,及びStopani,A.O.M.,editors,2 nd edition,1987:The Yeasts,Rose,A.H.,and Harrison,J.S.,editors,2n d edition,1987;及びThe Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces,St rathern et al.,editors,1981を参照のこと)。 より好ましい実施形態において、イースト宿主細胞はカンジダ、クルイベロマ イセス、サッカロマイセス、スキゾサッカロマイセス、ピキア、又はヤルロビア (Yarrowia)の種の細胞である。 最も好ましい実施形態において、イースト宿主細胞は、サッカロマイセス・カ ールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergenisi)、サッカロマイセス・セ レビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ジアスタチクス (Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ(Saccharom yces douglasii )、サッカロマイセス・クルベリ(Saccharomyces kluyveri)、 サッカロマイセス.ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロマ イセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。他の最も好ま しい実施形態において、イースト宿主 細胞はクルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactrs)細胞である。他 の最も好ましい実施形態において、イースト宿主細胞は、サルロピア・リポリチ カ(Yarrowia lipolytica)細胞である。 好ましい実施形態において、真菌宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”に は、下位区分ユーマイコタ(Eumycota)及びオオマイコタ(Oomycota)(Hawkswort hら、1995、前掲による定義)に分けられる。糸状菌は、キチン、セルロース、グ ルカン、キトサン、マンナン、及び他の複合ポリサッカライドから構成される菌 糸壁を特徴とする。生長は、菌糸の伸長により、炭素代謝は偏性好気性である。 対照的に、サッカロマイセス・セレビシアエのようなイーストによる生長は、単 細胞葉状体の発芽により、炭素代謝は発酵による。より好ましい実施形態におい て、糸状菌宿主細胞は、これらに限られないが、アクレモニウム(Acremonium) 、アスペルギルス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、ヒュミコラ(Hum icola )、ムコル(Mucor)、マイセリオフトラ(Myceliophthora)、ニューロス ポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、チエラビア(Thielavia) 、トリポクラジウム(Tolypocladium)、及びトリコデルマ(Trichoderma)の種 の細胞である。 更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はアスペルギルス細胞で ある。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はアクレモニウ ム細胞である。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はフサ リウム細胞である。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は ヒュミコラ細胞である。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細 胞はムコル細胞である。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細 胞はマイセリオフトラ細胞である。他の更により好ま しい実施形態において、糸状菌宿主細胞はニューロスポラ細胞である。他の更に より好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はペニシリウム細胞である。他 の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はチエラビア細胞である 。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はトリポクラジウム 細胞である。他の更により好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はトリコ デルマ細胞である。 最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモ リ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ホエチドウス(Aspergillus foe tidus )、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペル ギルス・ニゲル又はアスペルギルス・オリザエ細胞である。他の最も好ましい実 施形態において、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerea lis )、フサリウム・クロックウエルレンセ(Fusarium crookwellense)、フサ リウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・オキシスポル ム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・サンブシヌム(Fusarium sambucinum )、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、又はフサリウム・ベ ネナトウム(Fusarium venenatum)細胞である。他の最も好ましい実施形態にお いて、糸状菌宿主細胞はヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)又は ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)細胞である。他の最も好まし い実施形態において、糸状菌宿主細胞はムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)細胞 である。他の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞はマイセリオフト ラ・サーモフィルム(Myceliophthora thermophilum)細胞である。他の最も好 ましい実施形態において、糸状菌宿主細胞は、ニューロスポラ・クラッサ(Neur ospora crassa )細胞である。他の最も好ましい実 施形態において、糸状菌宿主細胞はペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicilliu m purpurogenum )細胞である。他の最も好ましい実施形態において、糸状菌宿主 細胞は、チェラビア・テルレストリス(Thielavia terrestris)である。他の最 も好ましい実施形態において、トリコデルマ細胞は、トリコデルマ・ハルジアヌ ム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンジイ(Trichoderma konin gii )、トリコデルマ・ロンギブラキアトウム(Trichoderma longibrachiatum) 、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride )細胞である。 真菌細胞は、プロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換及びそれ自体周 知の方法における細胞壁の再生に関する方法により形質転換することができる。 アスペルギルス宿主細胞の形質転換のための適切な手順は、EP 238023及びYelto nら(1984,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81:1470-14 74)に記載される。フサリウム種を形質転換する適切な方法は、Malardierら(19 89,Gene 78:147-156)又は同時係属の米国通し番号08/269,449に記載される 。イーストは、Becker及びGuarente(In Abelson,J.N.and Simon,M.I.,edito rs,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Methods in Enzymology ,Volume 194,pp 182-187,Academic Press,Inc.,New York);Itoら(1983,Jo urnal of Bacteriology 153:163);及びHinnenら(1978,Proceedings of the Na tional Academy of Sciences USA 75:1920)により記載される手順を用いて形質 転換することができる。哺乳動物細胞は、Graham及びVan der Eb(1978,Virolo gy 52:546)のリン酸カルシウム沈殿法を用いて直接的取込みにより形質転換す ることができる。 生産の方法 本発明は、(a)サーモマイセス株を培養してポリペプチドを含む上清を生産 し;そして(b)そのポリペプチトを回収することを含む本発明のポリペプチド を生産する方法にも関する。 本発明は、(a)ポリペプチドの発現に資する条件下で宿主細胞を培養し;そ して(b)そのポリペプチドを回収することを含む本発明のポリペプチドを生産 するための方法にも関する。 両方の方法において、細胞は、当該技術で周知の方法を用いてポリペプチドの 生産のために適した栄養培地内で培養される。例えば、細胞は、振とうフラスコ 培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、フェド−バッチ、又は固状発酵を 含む)により、研究室又は工業発酵槽内で培養することができ、適切な培地中で ポリペプチドが発現され及び/又は単離されるのを許容する条件下で行うことが できる。培養は、当該技術で周知である手順を用いて、炭素及び窒素源並びに無 機塩を含む適切な栄養培地中で行われる(例えばバクテリア及びイーストについ ての文献:Bennett,J.W.及びLaSure,L.,editors,More Gene Manipulations in Fungi,Academic Press,CA,1991を参照のこと)。適切な培養は市販の供 給元から利用でき、又は公開された組成に従って調製することができる(例えば American Type Culture Collectionのカタログ)。ポリペプチドが栄養培地内に 分泌されるなら、ポリペプチドはその培地から直接回収することができる。ポリ ペプチドが分泌されないなら、それは細胞ライゼートから回収される。 ポリペプチドは、そのポリペプチドに特異的である当該技術で周知である方法 を用いて検出することができる。これらの検出方法は、特定の抗体の使用、酵素 産物の形成、又は酵素基質の消滅を含み得る。例えば、ポリペプチドの活性を決 定するために酵素アッセイを用いることができる。フィターゼ活性を決定するた めの手順は当 該技術で周知であり例えばフィチン酸から遊離された無機リン酸塩のアッセイを 含む。 結果として生ずるポリペプチドは、当該技術で周知である方法により回収する ことができる。例えば、ポリペプチドは、これらに限られないが、遠心、ろ過、 抽出、噴霧乾燥、エバポレーション、又は沈殿を含む慣用的な手順により栄養培 地から回収することができる。次にその回収されたポリペプチドは、種々のクロ マトグラフィー手順、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマト グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等により更に精製することがで きる。 本発明のポリペプチドは、当該技術で周知である種々の手順、例えばこれらに 限られないが、クロマトグラフィー(例えばイオン交換、アフィニティー、疎水 、クロマトフォーカシング、及びサイズ排除)、電気泳動法(例えば調製用等電 点電気泳動(IEF)、溶解度の差(例えば硫酸アンモニウム沈殿)、又は抽出によ り精製することができる(例えば、Protein Purification,J.-C.Janson and La rs Ryden,editors,VCH Publishers,New York,1989を参照のこと)。 ポリペプチド組成物 なお更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドが豊富化されたポ リペプチド組成物に関する。本文脈において、用語“豊富”とは、ポリペプチド 組成物のフィターゼ活性が、便利には本発明のポリペプチドの添加により、例え ば1.1の濃縮率で増加されることを示すことを意図する。 ポリペプチド組成物は、主要酵素構成物として本発明のポリペプチドを含むも の、例えば単一構成物ポリペプチド組成物であり得る。あるいは、本組成物は、 多重の酵素活性、例えばアミノペプチダ ーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、 セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランス フェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ 、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコ シダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、イソベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マ ンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチノ分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィダー ゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、又 はキシラナーゼを含み得る。更なる酵素は、アスペルギルス属、好ましくはアス ペルギルス・アクレアトウス、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・ニ ゲル、もしくはアスペルギルス・オリザエ、又はトリコデルマ、ヒュミコラ、好 ましくはヒュミコラ・インソレンス、又はフサリウム、好ましくはフサリウム・ セレアリス、フサリウム・クロックウエルレンセ、フサリウム・グラミネアルム 、フサリウム・オキシスポルム、フサリウム・サンブシヌム、フサリウム・スル フレウム、もしくはフサリウム・ベネナトリウムに属する微生物により生産され 得る。 ポリペプチド組成物は当該技術で周知の方法に従って調製することができ、液 体又は乾燥組成物の形態であり得る。組成物内に含まれるポリペプチドは、当該 技術で周知の方法に従って安定化することができる。 本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用の例を以下に示す。本発明のポリ ペプチド組成物の投与量及び組成物が用いられる他の条件は、当該技術で周知の 方法に基づいて決定することができる。 使用 本発明は、広くは、フィテート又はフィチン酸からの無機リン酸塩の遊離を触 媒するための本発明のポリペプチドの使用にも関する 。 より詳しくは、ポリペプチドは、そのフィターゼが消化性を改善し、成長を促 進し、並びに食物及び飼料利用性又はその転化効率を改善するヒト食物もしくは 動物食物組成物に、又はこれら調製物のための添加物として用いることができる 。 “飼料組成物”及び“食物組成物”は、各々動物及びヒトにより、食べられ、 取り入れられ、消化されることを意図し又はそれに適したいずれかの天然又は人 工の食物、食事等又はこれら食物の構成物を意味する。 “食物又は飼料添加物”は、食物又は飼料に加えることを意図し、又はそれに 適した本質的に純粋な化合物又は多重構成組成物である。それは、通常、1又は 複数の化合物、例えばビタミン、ミネラル又は飼料増強酵素並びに適切な担体及 び/又は賦形剤を含み、それは通常、動物の飼料に加えられるのに適した形態で 供される。 本発明は、それゆえ本発明のポリペプチドを含む飼料及び食物組成物並びに添 加物にも関する。 食物又は飼料内の本ポリペプチドの有効量は、約10〜20,000;好ましくは約10 〜15,000、より好ましくは約10〜10,000、特に約100〜5,000、特に約100〜約2,0 00U/kg食物又は飼料である。 本発明は、有効量の本発明のポリペプチドを含む飼料を動物に与えることを含 む動物肥料内のフィテート(フィチン酸塩)レベルを減少させるための方法にも 関する。 また、食物又は飼料調製物又は添加物の調製の間の本発明のポリペプチドの使 用は本発明の範囲内である。即ち、ポリペプチドは、その製造の間にのみフィタ ーゼ活性を発揮し、最終食物又は飼料製品内で活性でない。この態様は、例えば ベーキングに関連する。 本発明は、デンプンを液化するための方法におけるポリペプチド の使用であって、(a)液化する前又はそれと同時に請求項1のポリペプチドで 処理し;(b)そのデンプンにα−アミラーゼを加え;そして(c)デンプンを 液化するのに有効な時間及び温度において、ステップ(b)のデンプンを反応さ せることを含む使用にも関する。 本発明は、この酵素を発現又は生産するように、本発明のポリペプチドをコー ドするDNA配列で形質転換されているトランスジェニック植物並びに植物種子及 び植物細胞のような植物の一部にも関する。本発明は、特に飼料及び食物又は添 加物としてのこれら植物及び植物の一部の組成物及び使用にも関する。 トランスジェニック植物は、双子葉植物又は単子葉植物、略してdicot又はmon ocotであり得る。潜在的な食物又は飼料構成物であり、フィチン酸を含む植物に 主に関心がある。飼料構成物の正常なフィチン酸レベルは0.1〜100g/kg、又は より通常は0.5〜50g/kg、最も通常は0.5〜20g/kgである。単子葉植物の例は 草、例えばmeadow grass(blue grass,Poa)、飼草、例えばフェスツカ(festuca) 、ロリウム(lolium)、温帯性の草、例えばアグロスチス(Agrostis)及び穀類 、例えばコムギ、オート、ライムギ、オオムギ、コメ、モロコシ及びトウモロコ シ(コーン)である。 双子葉植物の例は、マメ類、例えばルビナス、エンドウ、マメ及び大豆、並び にアブラナ科(Brassicaceae科)、例えばカリフラワー、脂肪種子ナタネ及び密 接に関連したモデル生物アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)で ある。 これらのトランスジェニック植物、枯物の一部及び植物細胞は、それら自体の フィチン酸を分解することができ、従って、これらの酵素をこれら植物を含む食 物又は飼料に加えるための必要性が緩和される。好ましくは、植物及び植物の一 部、例えば種子は粉砕又は 製粉され、おそらく、酵素分解の速度を実際の使用に適合させる観点で、食物も しくは飼料に添加する前又は使用例えば取り込み前に浸漬される。 必要に応じて、植物生産ポリペプチドは、植物からも回収することができる。 特定の場合、植物からの回収は、潜在的な後のペレット化過程において熱に安定 な形成を安全にする観点において好ましい。 植物の一部の例は、幹、カルス、葉、根、果実、種子、塊茎等である。しかし 、いずれの植物組織もこの定義に含まれる。 本発明は、これら植物の子孫、植物の一部及び植物細胞にも関する。 当業者は、問題の植物内への挿入のためのDNA発現構成物をいかに作製するか 、特に組織特異的方法で酵素が排出されるか否かを知っているであろう。この評 価に関連性があるのは植物の発現区画内のフィターゼの安定性(pH安定性、内在 性プロテアーゼによる分解性等)である。必要に応じてプロモーター及びターミ ネーター配列、並びにシグナル又はトランジット配列のような適切な調節配列を 選択することもできよう(Tagueら、1998,Plant Phys.86:506)。 植物、植物の一部及び植物細胞に、いずれかの周知の方法を用いてDNA構成物 を形質転換することができる。これらの方法の例は、本発明のフィターゼをコー ドする遺伝子を含むように遺伝子的に処理されたアグロバクテリウム属のバクテ リア種のようなウイルス又はバクテリアベクターによる形質転換である。更に、 植物細胞又は植物組織内にフィターゼDNAを直接導入する方法、例えばマイクロ インジェクション及びエレクトロポレーション(Gasserら、Science 244:1293;Po trykus,1990,Bio/Techn.8:535;Shimamotoら、1989,Nature 338:274)は当該 技術で周知である。 形質転換の後、その形質転換体は、当業者に周知であるいずれかの方法を用い てスクリーニングされ、次にそれらは完全な植物に再生される。 これらの植物、植物の一部及び植物細胞並びにそれらの子孫は、それらの遺伝 子の一部としてフィターゼコード化DNAを有する。 アグロバクテリウム・ツメファシエンス媒介遺伝子転移はトランスジェニック 双子葉植物について選択する方法である(報告についてHooykas & Schilperoort ,1992,Plant Mol.Biol.19:15〜38を参照のこと)。宿主範囲の制限のため、 A.ツメファシエンスの助けで単子葉植物を形質転換することは一般に可能でな い。ここで、他の方法を用いなければならない。トランスジェニック単子葉植物 を作り出すための選択の方法は、胚のカルス又は発達中の胚の粒子ボンバードメ ント(形質転換DNAでコートされた微小金又はタングステン粒子)である(Chris tou,1992,Plant J. 2:275-281;Shimamoto,1994,Curr.Opin Biotechnol.5:1 58〜162;Vasilら.,1992,Bio /Technology 10:667-674)。 また、遊離DNAのこれらの植物へのデリバリーのための他のシステム、例えば ウイルスベクター(Joshi & Joshi,1991.FEBS Lett.281:1-8)、ポリエチレ ングリコール又はエレクトロポレーションでのプロトプラスト形質転換(報告に ついて、Potyrkus,1991,Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.42:205-22 5を参照のこと)、DNAの葉肉プロトプラストへのマイクロインジェクション(Cro sswayら、1986,Mol.Gen.Cenet.202:79-85)、及びDNAの、穀類植物の若い花の 若木へのマイクロインジェクション(de la Penaら、1987,Nature 325:274-276) が好ましい方法である。 一般に、本発明のフィターゼをコードするcDNA又は遺伝子は、標的稙物内で活 性な適切なプロモーター及び適切なターミネーター( 転写の停止)からなる発現カセット(例えばPietrzakら、1986,Nucleic Acids Res.14:5857-5868)内に位置する。このカセット(もちろん、以下の通り適切 な選択マーカーを含むもの)は粒子ボンバードメントにより電子葉植物の場合に 植物自体に形質転換できるであろう。双子葉植物の場合、発現カセットはT-DNA ボーダー及び適切な選択マーカーを供する適切なベクター内に最初におかれ、次 にアグロバクテリウム・ツメファシエンスに形質転換される。双子葉植物は標準 的プロトコル(例えばAkamaら、1992,Plant Cell Reports 12:7-11)に従ってT-D NAにより隣接した発現カセット及び選択マーカーを有するアグロバクテリウムに より形質転換されよう。アグロバクテリウムの植物細胞へのT-DNAの転移は現在 報告されている(Zupan & Zambryski,1995,Plant Physiol.107:1041-1047) 。アグロバクテリウムによる植物形質転換のためのベクターは市販されているか 、又はこれらのベクターを作製する多くの研究室から得ることができる(例えば Deblaereら、1985,Nucleic Acids.Res.13:4777-4788;報告について、Kleeら 、1987;Annu.Rev.Plant Physiol.38:467-486を参照のこと)。 利用できる植物プロモーター:操作下の過程により、器官−及び/又は細胞− 特異的発現並びに適切な発達的及び環境的制御が必要とされ得る。例えば、トウ モロコシ内乳等内ではフィターゼcDNAを発現させることが要求される。最も一般 的に用いられるプロモーターは、構成的35S-CaMVプロモーター(Franckら、1980 ,Cell 21:285-294)である。発現は完全な植物全体を通して多少等しいであろ う。このプロモーターは除草剤及び病原体耐性植物を作り出すのに上手く用いら れている(報告について、Stitt & Sonnewald,1995,Annu.Rev.Plant Physiol.P lant Mol.Biol.46:341-368を参照のこと)。器官特異的プロモーターは、種子、 ポテト塊茎、及び果実の ような貯蔵シンク組織について(Edwards & Coruzzi,1990,Annu.Rev.Genet.2 4:275-303)、及び分裂組織のような代謝シンク組織について(Itoら、1994,Pla nt.Mol.Biol.24:863-878)報告されている。 本発明は、食物又は飼料調製物又は添加物の調製の間の本発明のフィターゼの 使用にも関する。即ちフィターゼは、その製造の間にのみそのフィターゼ活性を 発揮し、最終食物又は飼料製品内では活性できない。この実施形態は、生地(ド ー)作製及びベーキングに適用される。 本発明は、以下の実施例により更に記載されるが、これらは本発明の範囲を限 定するものとして解釈されるべきでない。 実施例 実施例1:サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94ゲノム DNA抽出 サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94を、32℃及び250rpmで24時間、0.5 %イースト抽出液−2%グルコース(YEG)培地25ml中で増殖させた。次にMiraclo th(Calbiochem,La Jolla,CA)を通してのろ過により菌糸体を収集し、25mlの 10mM Tris−1mM EDTA(TE)緩衝液で1回、洗った。その菌糸体から過剰な緩衝液 を吸い取り、次にそれを液体窒素中で凍結した。その凍結した菌糸体を電気コー ヒー粉砕機で細かい粉末に粉砕し、その粉末を、使い捨てプラスチック遠心管内 の20mlのTE緩衝液及び5mlの20%w/vドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に加えた 。その混合物を静かに数回、逆さにして確実に混合し、等量のフェノール:クロ ロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1v/v/v)で2回、抽出した。 最終濃度0.3Mを供するように酢酸ナトリウム(3M溶液)を加え、2.5 容量の氷冷エタノールで核酸を沈殿させた。そのチューブを15,000×gで30分、 遠心し、そのペレットを30分、空気乾燥させた後、0.5mlのTE緩衝液中に再懸濁 した。DNaseを含まないリボヌクレアーゼAを100μg/mlの濃度まで加え、その 混合物を30分、37℃でインキュベートした。次にプロテインキナーゼK(200μg /ml)を加え、その混合物を37℃で更なる時間、インキュベートした。最後に、 その混合物をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1v /v/v)で2回、抽出した後、酢酸ナトリウム及びエタノールでそのDNAを沈 殿させた。そのDNAペレットを真空下で乾燥させ、TE緩衝液中に再度懸濁し、4 ℃に保存した。 実施例2:ゲノムDNAのハイブリダイゼーション分析 実施例1に記載されるように調製した全細胞DNAサンプルを、サザンハイブリ ダイゼーション(Maniatisら、1982,Molecular Cloning,A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York)により分析した 。約5μgのDNAサンプルをBam H I又はPst Iで消化し、1%アガロースゲル 上で大きさにより分画した。そのゲルを短波長UV光下で写真にとり、0.5M NaOH −1.5M NaCl中に15分、次に1M Tris-HCl pH8−1.5M NaCl中に15分、浸漬し た。そのゲル内のDNAを、Davisら(1980,Advanced Bacterial Genetics,A Manu al for Genetic Engineering,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor ,New York)に従って、20×SSPE(3M塩化ナトリウム−0.2Mリン酸二塩基ナト リウム−0.02M EDTA二ナトリウム)中のキャピラリーブロッティングによりNYt ranTMハイブリダイゼーション膜(Schleicher & Schuell,Keene,NH)上に移した 。その膜を真空下で80℃で2時間、焼き、静かに撹拌しながら45℃で次のハイブ リダイゼーション緩衝液:5×SSPE、25%ホルムアミド(v/v)、0.3%SDS、 及び200μ g/ml変性及びせん断サケ精巣DNA中に2時間、浸漬した。フィターゼ特異的プ ローブフラグメント(約1.6kb)をα〔32P〕dCTP(Amersham,Arlington Heights ,IL)でのニックトランスレーションにより放射能標識し、緩衝液1ml当り約1 ×106cpmの活性でハイブリダイゼーション緩衝液に加えた。その混合物を振とう 水浴中45℃で一晩、その膜と共にインキュベートした。インキュベーションの後 、その膜を45℃で0.1%SDSを含む1.0×SSPEで1回、洗い、次に同じ温度で1.0× SSPE(SDSなし)で2回洗った。その膜を15分間、ペーパータオル上で乾燥させ、 次にSaran-WrapTMで包み、補力スクリーン(Kodak,Rochester,NY)で−70℃で 一晩、X線フィルムに露出した。 サザンブロッティングは、そのプローブが、図1に示すようにサーモマイセス ・ラヌギノススCBS 586.94からのフィターゼ遺伝子を同定及びクローン化するた めにプローブとして用いることができることを示す。 実施例3:DNAライブラリー及びフィターゼクローンの同定 ゲノムDNAライブラリーを、組換えバクテリオファージ、及び個々のpzL1−フ ィターゼクローンの切出しのための大腸菌DH10Bzip(Life Technologies,Gaithe rsburg,MD)のプレーティング及び精製のための宿主としての大腸菌Y1090ZL細胞 (Life Technologies,Gaithersburg,MD)と共にバクテリオファージクロー ニ ングベクターλZipLox(Lite Technologies,Gaithersburg,MD)を用いて作製し た。全細胞DNAをTsp 5091で部分的に消化し、1%アガロースゲル上でサイズ分 画した。サイズ範囲3−7kbに移動するDNAフラグメントを切り出し、Prep-a-Ge ne試薬(BioRad Laboratories,Hercules,CA)を用いてそのゲルから溶出したそ の溶出したDNAフラグメントをEco RIで開裂(脱リン酸化したλZipLoxベクター アーム( Life Technologies,Gaithersburg,MD)に連結し、そしてその連結混合物を市販 のパッケージング抽出液(Stratagene,La Jolla,CA)を用いてパッキングした 。そのパッケージ化されたDNAライブラーをプレートし、大腸菌Y1090ZL細胞(Lif e Technologies,Gaithersburg,MD)中で増幅した。そのライブラリーからの約3 0,000のプラークを、実施例2に記載される放射能標識フィターゼプローブでの プラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。そのプローブに強 くハイブリダイズする1つの陽性クローンを取り、大腸菌Y1090ZL細胞内で2回 、精製した。次にフィターゼクローン6)としてλZipLoxから切り出し、大腸菌DH5α(pMWR46)を作り出した。 実施例4:サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子のDNA スクリーニング 実施例3に記載されるpZL1−フィターゼクローン大腸菌DH5α(pMWR46)の制 限地図作製を、標準的方法(Maniatisら、1982、前掲)を用いて行った。フィタ ーゼクローンのDNA配列決定を、染料−ターミネーター化学でのプライマーウォ ーキング技術(Gieseckeら、1992,Journal of Virol.Methods 38:47-60)を用 いて、Applied Biosystems Model 373A Automated DNA Sequencer(Applied Bio systems,Inc.,Foster City,CA)で行った。lac−正及びlac−逆プライマーに 加えて、製造元の説明に従って、Applied Biosystems Model 394 DNA/RNA Synt hesizer(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)で特定のオリゴヌクレ オチド配列決定プライマーを合成した。 実施例5:サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子の特性 クローン化されたサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子 (大腸菌DH5α−pMWR46)の部分のDNA配列決定は、アスペルギルス・ニゲル(フ ィクウム)NRRL 3135フィターゼ遺伝子と相同性のあるオープンリーディングフレ ーム(配列番号:1)(図2)を証明した(図3)。 サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子内のイントロン及 びエキソンの位置を、その予想されるアミノ酸配列の、対応するアスペルギルス ・ニゲル(フィクウム)NRRL 3135フィターゼ遺伝子産物の予想されるアミノ酸配 列へのアライメントに基づいて割り当てた。この比較に基づいて、サーモマイセ ス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子は、1つの小さなイントロン(56 bp)により介在された2つのエキソン(47及び1377bp)から構成される。そのイ ントロンの大きさ及び組成は、他の真菌遺伝子のもの(Gurrら、1987,In Kingho rn,J.R.(ed.),Gene Structure in Eukaryotic Microbes,pp 93-139,IRL Pre ss,Oxford)と、全てがコンセンサススプライスドナー及びアクセプター配列並 びに各々の介在配列の3’端近くのコンセンサスラリアット配列(PuCTPuAC)を 含む点で一致する。 サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94遺伝子産物の予想されるアミノ酸配 列を図2(配列番号:2)に示す。von Heijne(1984,Journal of Molecular Bi ology 173:243-251)の規則に基づいて、サーモマイセス・ラヌギノスス遺伝子産 物の最初の22アミノ酸は、発生しようとするポリペプチドを小胞体内に導く分泌 シグナルペプチドを含むようである。成熟フィターゼは452アミノ酸から構成さ れる酸性タンパク質(予想される導電点=5.4)(MW=51kDa)である。その予想さ れるアミノ酸配列は、他の周知の真菌フィターゼが共有する活性部位モチーフRH GXRXP(配列番号:2)を含む(Ullah 及びDischinger,1993,Biochem.Biophys.Res.Commun.192:754-759)。 成熟サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼの予想されるアミノ 酸配列は、図3に示すように、アスペルギルス・ニゲル(フィクウム)NRRL 3135 からのフィターゼと約47.5%同一性を有する(配列番号:3)。 実施例6:他の真菌からのゲノムDNAを用いるクロスハイブリダイゼーション 研究 クローン化したサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子を 、種々の真菌属からのゲノムDNAサンプルでのサザンハイブリダイゼーション実 験におけるプローブとして用いた。サザンブロットを、低ストリンジェンシー( 25%ホルムアミド、5×SSPE、0.3% SDS、42℃)及び中ストリンジェンシー(3 5%ホルムアミド、5×SSPE、0.3% SDS、42℃)の条件下でプローブした。ゲノ ムDNAサンプルを実施例1に概説されるプロトコルを用いて、次の種:コリナス クス・サーモフィルス(ATCC 22066)、フサリウム・グラミネアルム(ATCC 203 34)、ヒュミコラ・グリセア変性サーモイデア(ATCC 16453)、ニューロスポラ ・クラッサ(FGSC 987)、ボトリティス・シネレア(ATCC 11542)、クルブラリ ア・ベルルクロサ(CBS 147.63)、リゾクトニア・ソラニ(IMI 358730)、トリ コデルマ・ハルジアヌム(CBS 819.68)、アブシジア・スポロホラーバリアビリ ス(ATCC 36019)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(CBS 117.65)、及びペニ シリウム・ジベルスム(CBS 320.48)から単離した。各々のDNAサンプル(約5 μg)をBam H Iで消化した後、1%アガロースゲル上で電気泳動を行った。そ のDNAをZeta-Probeナイロン膜(BioRad Laboratories,Hercules,CA)にブロット し、phy1遺伝子を含むニックトランスレートしたDNAプロー ブでプローブした。そのブロットを42℃で2×SSPE±0.1%SDSで洗った。 サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94からのフィターゼ遺伝子をいくつか の他の真菌種中の有望なフィターゼ遺伝子配列とクロスハイブリダイズさせた( 表1)。低ストリンジェンシーの条件下において、コリナスクス・サーモフィル ス、フサリウム・グラミネアルム、ヒュミコラ・グリセア変性サーモイデア、ニ ューロスポラ・クラッサ、及びもちろんサーモマイセス・ラヌギノサからのDNA において強いハイブリダイゼーションシグナルが現れた。ボトリティス・シネレ ア、クルブラリア・ベルルクロサ、リゾクトニア・ソラニ及びトリコデルマ・ハ ルジアヌムにおいてはもっと弱いシグナルが検出された。アブシジア・スポロホ ラーバリアビリス、マイセリオフトラ・サーモフィラ、又はペニシリウム・ジベ ルスムにおいてはハイブリダイゼーションは検出されなかった。中ストリンジェ ンシーを用いて、コリナスクス・サーモフィルス、フサリウム・グラミネアルム 、及びサーモマイセス・ラヌギノサでのみ強いハイブリダイゼーションシグナル が見られた。ヒュミコラ・グリセア変性サーモイデア及びニューロスポラ・クラ ッサからのDNAで弱いハイブリダイゼーションが観察された。これらのデータは 、サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子は、他の糸状菌か らのフィターゼ遺伝子をクローン化するためにプローブとして用いることができ ることを示す。 表1.クローン化したサーモマイセス・ラヌギノススフィターゼ遺伝子でプロ ーブした種々の真菌からのゲノムDNAサンプルのハイブリダイゼーション。+ + + は強い陽性ハイブリダイゼーションシグナルを示し、+は弱いシグナルを示し、 そして−はハイブリダイゼーションが検出されないことを示す。 実施例7:フィターゼ発現ベクターpMWR48の作製 次の2つの合成オリゴヌクレオチドプライマー: を、フサリウム宿主内でのサブクローニング及び発現のためのプラスミドpMWR46 (大腸菌DH5α−pMWR46)からのサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィ ターゼ遺伝子コード化配列をPCR増幅するためにデザインした。センスプライマ ーを最初の枠内ATGにデザインし、14bp下流に広げた。アンチセンスプライマー を翻訳停止コドンの14bp上流の領域にデザインし、終止コドンまで広げた。 その遺伝子フラグメントのpDM181(図4)で示される発現ベクターへのサブク ローニングを容易にするために、Swa I及びPac I制限酵素部位を各々フィター ゼ遺伝子の5’及び3’端に導入した、ベクターpDM181は、調節配列としてフサ リウム・オキシスポルムトリプシン様プロテアーゼプロモーター及びターミネー ター(WO 96/00787)を含んでいる。そのプラスミドは、真菌の形質転換の選択マ ーカーとしてbar遺伝子も含んでいる(de Blockら、1987,EMBO Journal 6:2513- 2518)。 上述のプライマー各々100ピコモルを、52ngのpEJG13、1×Pwo緩衝液(Boehrin ger Mannheim,Indianapolis,IN)、各々1mMのdATP,dTTP,dGTP及びdCTP、並 びに2.5ユニットのPwo I(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を含むPCR 反応に用いた。増幅条件は、94℃で2分、50℃で30秒、及び72℃で1分の1サイ クル;各々94℃で15秒、50℃で30秒、及び72℃で1分の9サイクル;各々94℃で 15秒、55℃で30秒、及び72℃で1分+各々の追加サイクルについて20秒の15サイ クル;94℃で15秒、55℃で30秒、及び72℃で7分の1サイクル;並びに4℃での 浸漬サイクルである。この増幅された2866bp DNAフラグメントをゲル電気泳動に より精製し、制限エンドヌクレアーゼSwa I及びPac Iで(製造元により特定さ れる条件を用いて)切断した。その切断したフラグメントを、先にSwa I及びPa c Iで切断されているpDM181(図4)にクローン化し、フィタ ーゼ遺伝子の転写がフサリウム・オキシスポルムトリプシン様プロテアーゼプロ モーターの制限下である発現プラスミドpMWR48(図5)を作り出した。プラスミ ドpMWR48を大腸菌DH5α細胞に形質転換した。pMWR48プラスミドを含む大腸菌形 質転換体を単離し、Sambrookら(1989、前掲)に記載される手順に従ってプラス ミドDNAを調製した。 実施例8:フサリウムCC1-3の形質転換及び形質転換体の分析 フサリウム株A315(ATCC 20334)の高度に枝分れした形態の変異体であるフサ リウム株CC1-3(Wiebeら、1992,Mycological Research 96:555-562;Wiebeら、1 991,Mycological Research 95:1284-1288;Wiebeら、1991,Mycological Resear ch 96: 555-562)を、フォーゲルの(Vogel's)塩(Vogel,1964,Am.Nature 98:4 35-446)、25mM NaNO3、及び1.5%グルコースを含む液体培地中で、28℃及び150 rpmで4日間、増殖させた。4層のチーズクロス及び最後に1層のMiraclothを通 すろ過により分生子を精製した。その分生子懸濁液を遠心により収集した。1% イースト抽出液、2%バクトトリプトン、及び2%グルコースから構成される50 mlのYPG培地に約108の分生子を接種し、24℃及び150rpmで14時間、インキュベー トした。結果として生じた菌糸を滅菌0.4μmフィルター上にとり、滅菌蒸留水 及び1.0MMgSO4で連続的に洗った。その菌糸を10mlのNOVOZYM 234TM溶液に再度 懸濁し(1.0M MgSO4中2〜10mg/ml)、34℃で15〜30分、80rpmで撹拌しながら消 化した。その結果生じたプロトプラスト懸濁液から、4層のチーズクロス及びMi raclothを通す連続的ろ過により未消化の菌糸材料を除去した。そのプロトプラ スト溶液に1Mソルビトール20mlを組み合わせた。混合した後、そのプロトプラ ストを遠心によりペレット化し、20mlの1Mソルビトール中及び20mlのSTC(0.8 Mソルビトール、0.05M Tris pH8 .0、0.05M CaCl2)中での再懸濁及び遠心により連続的に洗った。その洗ったプ ロトプラストを4部のSTC及び1部のSPTC(0.8Mソルビトール、40% PEG 4000、 0.05M Tris pH8.0、0.05M CaCl2)中に、5×107/mlの濃度で再度懸濁した。1 00μlのプロトプラストをポリプロピレンチューブ(17×100mm)中5μgのpMWR4 8に加え、混合し、30分、インキュベートした。1mlのSPTCをプロトプラスト懸 濁液中に静かに混合し、室温で20分、インキュベートを続けた。1×フォーゲル 塩、25mM NaNO3、0.8Mスクロース及び1%低融解性アガロース(Sigma Chemica l Company,St.Louis,MO)からなる12.5mlの(40℃に冷やした)溶解液をプロ トプラストと混合し、次に空の100mmペトリ皿上にプレートした。10〜14日間、 室温でインキュベーションを続けた。24時間の室温でのインキュベーションの後 、12.5mlの同じ培地+ml当り10mgのバスタ(basta)(Hoechst Schering,Rodovre ,Denmark)をそのペトリ皿上に重層した。使用前に、バスタを、フェノール:ク ロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)で2回、クロロホルム:イソ アミルアルコール(24:1)で1回、抽出した。2週間後、17の形質転換体が出 現した。各々の形質転換体の端からの菌糸体フラグメントを、フォーゲル塩/BA STA培地を含む24ウエルプレートの個々のウエルに移した。その培地は1l当り2 5gのスクロース、25gのoble寒天、20mlの50×フォーゲル塩(Vogel,1964、前 掲)、25mM NaNO3、及び10gのバスタを含んでいる。そのプレートをプラスチッ クバッグ内に密閉して水分を維持し、室温で約1週間、インキュベートした。 実施例9:サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼ遺伝子の発現 実施例8に記載される17のフサリウムCC1-3形質転換体の各々からの菌糸体フ ラグメントを、1l当り50gのマルトデキストリン、 2.0gのMgSO4・7H2O、2.0gのKHP2O4、4.0gのクエン酸、8.0gのイースト抽 出液、2.0gの尿素、及び0.5mlの微量金属溶液を含む20mlのM400Da培地に接種し 、30℃及び150rpmで7日間、インキュベートした。その培地を5N NaOHでpH6.0 に調節した。微量金属溶液は、リッター当り14.3gのZnSO4・7H2O、2.5gのuSO4 ・5H2O、0.5gのNiCl2・6H2O、13.8gのFeSO4・7H2O、8.5gのMnSO4・H2O及び3 .0gのクエン酸を含んでいる。対照として形質転換していない宿主でも行った。 1mlの培養物上清を4,5、及び7日目に収集し、4℃で保存した。フィターゼ 活性を以下の通り決定した。 サンプルを0.2Mクエン酸pH5.5緩衝液に希釈し、その希釈サンプル1mlを2つ のテストチューブの各々に加えた。15%トリクロロ酢酸(TCA)2ミリリッターを 1方のチューブに加え、他方のチューブは5分間、40℃でプレインキュベートし た。次に0.2Mクエン酸pH5.5緩衝液中1%フィチン酸基質溶液1ミリリッターを 両方のチューブに加えた。TCAを欠如するサンプルを30分、40℃でインイキュベ ートした。インキュベーション期間の終りに2mlのTCAを加え、そのサンプルを 冷やした。次に100マイクロリッターの量の各々のサンプルを水で1mlに希釈し 、50℃で5分、プレインキュベートした。6N硫酸:水:2.5%モリブデン酸ア ンモニウム:10%アスコルビン酸を1:2:1:1で含む試薬1ミリリッターを 各々のサンプルに加え、そのサンプルを色の進展のため、更に15分、インキュベ ートした。結果として生じた色をMolecular Devices Thermomax Microplate Rea der(Molecular Devices Sunnyvale,CA)で690nmで測定した。 最も高いフィターゼ活性を生産する一次形質転換体からの胞子を、リッター当 り12.1gのNaNO4、50gのコハク酸、及び20mlの50× フォーゲル塩を含む培地20ml(pH6.0に調節)に菌糸体を接種し、2〜3日、振 とうしながら30℃でインキュベートすることにより作り出した。150mlの胞子培 養物を1×フォーゲル塩、25mM NaNO3、2.5%スクロース、2% Noble寒天及び 5mg/ml BASTAを含むマイクロマニュピュレータープレート上に広げ、マイクロ マニピュレーターを用いて単一胞子をそのプレートの透明な領域に移すことによ り単一胞子を単離した。室温での3日の成長の後、その発芽した胞子を5mg/ml BASTAを含む個々のフォーゲルプレートに移した。 pMWR48の17の一次形質転換体のうち14からの培養上清は、フィターゼ活性につ いてアッセイした時、陽性であった。形質転換体#3及び#5で示す2つの一次 形質転換体を、フィターゼ活性に基づく単一胞子単離について選択した。9の単 一胞子を得た。25mlのM400Da培地+5mg/mlのBASTAを含む振とうフラスコに、 各々の単一胞子単離物からの菌糸体チャンクを重複して接種し、30℃でインキュ ベートした。その培養培地の1mlアリコートを、接種後4,5、及び7日目に収 集し、フィターゼ活性についてアッセイした。フィターゼアッセイの結果は、両 方の一次形質転換体が活性を示すことを証明した。 実施例10:サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼの生産 実施例9に記載される一次フサリウム形質転換体#5を、リッター当り20gの 大豆、20gのグルコース、10gのイースト抽出液、2gのMgSO4・7H2O、2gのK H2PO4、2gのクエン酸、3gのK2SO4、2gのCaCl2-2H2O、及び0.5mlの微量金 属溶液から構成されるpH6.25の培地中に30℃で7日間、2つの2l発酵槽中で培 養し、リッター当り300gのグルコース、20gの(NH4)2HPO4及び1gのクエン酸 から構成される培地を供した。発酵のために2.5%の接種物を用 いた。その接種物を、リッター当り62.5gのNutriose、2gのMgSO4・7H2ON、10 gのKH2PO4、2gのK2SO4、2gのクエン酸、10gのイースト抽出液、2gの尿 素、0.5gのCaCl2及び0.5mlの微量金属溶液pH6.0から構成される48〜72時間振と うフラスコ培養物であった。 全培養物ブイヨンを、ゴムバンドで4lビーカーの頂上に取り付けた二重層の Miraclothを用いてろ過した。そのろ液を回収し、次に−20℃で凍結した。 実施例11:組換えサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼの精製 実施例9に記載される凍結した無細胞ブイヨン(1700ml)を解凍し、10,000× gでの遠心により澄ませ、Amicon SIYI0フィルター(Amicon,Beverly,MA)を備 えたAmicon中空ファイバーろ過ユニットで350mlの容量に濃縮した。そのサンプ ルをpH7に調節し、2mSの導電率まで希釈し、20mM Tris-Cl pH7緩衝液で予め平 衡化した75mlベッド容量Pharmacia Q-Sepharose Big Beadsカラム(Pharmacia B iotech,Uppsala,Sweden)上に室温において充填した。そのカラムを、流れ出 るA280がベースライン近くまで減少するまで、平衡緩衝液を用いて、分当り5m lの流速で溶出した。次にそのカラムを分当り5mlの流速で同じ緩衝液中0−0.6 M NaClの600ml勾配で溶出した。フィターゼ酵素活性を、Molecular Devices Th ermomax Microplate Readerを用いて、200μlの反応容量で405nm及び30℃で0.2 Mクエン酸ナトリウムpH5.5緩衝液中で10mMのp−ニトロフェニルホスフェート の加水分解速度を測定することにより決定した。その結合した酵素活性は、約0. 2M NaClに相当する画分において溶出した。 その活性画分をプールし、Amicon PM-10膜(Amicon,Beverly,MA )での限外ろ過により25mlの容量に濃縮し、0.9mSの導電率に希釈し、そして20mM MOPS pH7緩衝液で予め平衡化したPharmacia MonoQ HR 10/16カラム(Pharmac ia Biotech,Uppsala,Sweden)上に分当り4mlで充填した。そのカラムを80ml の平衡緩衝液、次に同じ緩衝液中0〜0.5MのNaClの400mlの勾配で溶出した。上 述のp−ニトロフェニルホスフェートアッセイを用いて酵素活性を画分内に検出 した。その活性画分も製造元の説明(Novex,San Diego,CA)に従ってNovox 10 〜27%勾配SDS−ポリアクリルアミドゲルで分析し、電気泳動により実質的に精 製されたと判断されたなら、その画分をプールした。 そのプールした画分を限外ろ過によりAmicon PM-10膜で濃縮し、20mM MES pH5 .5緩衝液に交換した。そのサンプル導電率は1.1mSであった。このサンプルの3 分の1を分当り1mlで、20mM MES pH5.5緩衝液で予め平衡化したPharmacia Mono SHR 5/5カラム(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)上に充填した。その カラムを5mlの平衡緩衝液で、次に同緩衝液中0〜0.6M塩化ナトリウムの25ml 直線勾配で溶出した。その活性画分を微量汚染物を含むものを除去するための電 気泳動分析後にプールした。 その精製した組換えサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼは、 約60,000ダルトンの分子量を有する単一構成物でのSDS−ポリアクリルアミドゲ ル電気泳動分析により均一であることが明らかになった。 実施例12:精製した組換えサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィター ゼの物理化学的特徴 全てのキャラクタリゼーションを、実施例11に記載される精製した組換えサー モマイセス・ラヌギノススCBS 586.94フィターゼで スペギルス・ニゲル(フィクウム)の標準に注目して比較も行った。 等電点。サーモマイセス・フィターゼの等電点(pI)をアスペルギルス・ニゲ ルフィターゼと決定した。製造元の説明に従って、Novex pH3〜7 IEFゲル(N ovex,San Diego,CA)で等電点電気泳動(IEF)を行った。Pharmacia(Pharmaci a,Uppsala,Sweden)及びBioRad(BioRad Laboratories,Hercules,CA)の両方か らのIEF標準を用いてゲルを較正した。 IEFは、サーモマイセスフィターゼは4.7〜5.2の範囲のpIで多重構成物を含 んでおり、アスペルギルス・ニゲルフィターゼは4.8〜5.0のpIを有することが観 察された。 アミノ末端配列分析。精製した組換えサーモマイセスフィターゼを、液相TFA デリバリー及びPTH−アミノ酸分離のためのオンラインHPLCと共に、製造元の説 明に従って、Applied Biosystems Model 476A Sequencer(Applied Biosystems I nc.,Foster City,CA)でアミノ末端タンパク質配列分析にかけた。サンプルをB iobreneTMコートしたTFAガラスファイバーフィルター(Applied Biosystems,Inc .,Foster City,CA)上にスポットし、直接配列決定した。 精製したフィターゼのアミノ末端配列分析は3つの構成物を示した。主な構成 物(約60%)は、一次翻訳産物内の位置34のkey2開裂部位に相当するH2N-His-Pr o-Asn-Val-Asp-Ile-Ala-Arg-His-Trp-Gly-Gln-Tyr-Ser-Pro-Phe-Phe-Ser-Leu-Al a(配列番号:2)である。少量の配列(約30%)H2N-Gly-Glu-Asp-Glu-Pro-Phe-V al-Arg-Val-Leu-Val-Asn-Asp-Arg-Val-Val-Pro-Leu-His-Gly(配列番号:2)及び (約10%)H2N-Ser-Glu-Glu-Glu-Glu-Glu-Gly-Glu-Asp-Glu-Pro-Phe-Val-Arg-Va l-Leu-Val-Asn-Asp-Arg(配列番号:2)は、一次翻訳産物中の位置428及び435に おけるタンパク質のCOOH末端近くの 内部開裂部位に相当する。 酵素速度研究。サーモマイセスフィターゼ及びアスペルギルス・ニゲルフィタ ーゼで酵素速度研究を行った。その研究は、コーンフィチン酸(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)から遊離した無機リン酸塩のアッセイにより行った。0.5 %w/wフィチン酸中37℃及びpH5.5で30分、標準的酵素反応を行った。その反 応を、等量の15%w/wトリクロロ酢酸の添加により止めた。冷やした後、生じ た混合物100μlを1.0mlのガラス蒸留水に希釈した。そのサンプルを5分間、50 ℃でインキュベートした色試薬(1.0ml)を加え、50℃インキュベーションを15分 、続けた。200μlアリコートの吸光度をMolecular Devices Thermomax Micropl ate Readerで690nmにおいて測定した。色試薬は、6N硫酸:水:2.5%(w/v )ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物:10%アスコルベート(水性)を1 :2:1:1の比で含み、1日ごとに新しく調製する。定量は、10mMリン酸一塩 基ナトリウム標準で作られた標準線に基づく。1ユニット(U)は、37℃及びpH 5.5で1分当りに遊離した無機リン酸塩のμmoleとして定義される。 定常状態速度測定を、基質滴定ににり行った。Km測定の目的のため、フィテ ート濃度を2.16,1.08,0.541,0.216,0.108、及び0.0758mMとした。産物阻害 を評価する目的のため、1mMリン酸一塩基ナトリウムの存在又は欠如下で1.08, 0.541,0.216及び0.108mMの濃度を用いた。 定常状態の速度測定は、サーモマイセスフィターゼはフィテートに対して約11 0μmの見掛けKmを有し、アスペルギルス・ニゲルフィターゼは200μmの見掛 けKmを有することを証明した。おそらくアスペルギルスフィターゼについての 2mMを超える濃度での阻害の文献報告と一致する、2.16mMの基質濃度における過 剰な基質阻 害を少し示した(Ullah,1988,Preparative Biochemistry 18:443-458)。1mMホ スフェートでの定常状態速度測定は、この産物での阻害のいずれの型の阻害かを 示すのに失敗したホスフェートについてのKiは我々の実験において検出できな い3mMを超えなければならない。対照的に、Ullah(Ullah,1988、前掲)は、ホ スフェートが1.9mMのKiでアスペルギルフィターゼの競合阻害剤であることを報 告している。 熱安定性測定。サーモマイセスフィターゼの熱安定性をアスペルギルス・ニゲ ルフィターゼと比較した。サーモマイセスフィターゼ及びアスペルギルス・ニゲ ルフィターゼのサンプルを0.2Mクエン酸ナトリウムpH5.5緩衝液中1ml当り100 Uで溶かした。各々の酵素溶液のアリコート(100μl)を、次の温度:37,45 ,50,55,60,65,70及び75℃において水浴中で20分、インキュベートした。温 度処理の後、そのサンプルを、活性アッセイを行うまで0℃で保存した。各々の サンプルを、0.01%w/w Tween 20を含む0.2Mクエン酸ナトリウムpH5.5緩衝 液に1:80で希釈し、上述の標準活性アッセイを行った。 酵素熱安定性プロフィールの比較(図6)は、2つの酵素間の安定性の差が小 さいことを示唆する。しかしながら、いずれの酵素も高温インキュベーションに より十分に活性化されず、残存活性プロファイルは部分的な可逆的熱変性と一致 する(Ullah and Mullaney,1996,Biochem,Biophys.Res.Comm.227:311〜317) 。 pH −活性測定。サーモマイセスフィターゼのpH−活性プロファイルをアスペル ギルス・ニゲルフィターゼと比較した。pH2〜7の間の緩衝域とするために、3 つの構成物の0.125Mグリシン−酢酸−クエン酸緩衝液を用いた。その緩衝液構 成物を構成物当り42mMの最終濃度で組み合わせ、1%w/wまで固体としてフィ チン酸を加え た。この混合物を濃縮HClでpH7に調節し、10mlアリコートをとった。これを、 その後毎0.5pH増加ごとに、pH2まで行った。 ml当り20Uの酵素保存流を、20mM MES緩衝液pH5.5中に調製した。所定のpHに おける緩衝液中の基質(850マイクロリッター)を100マイクロリッターの水及び5 0マイクロリッターの酵素保存液と組み合わせ、37℃で30分、インキュベートし た。次にその酵素反応を1mlの15% TCAで止め、標準的な方法で定量した。 サーモマイセス及びアスペルギルスフィターゼのpH−活性プロフィール比較は 、pHプロファイル中の2つの酵素間の実質的な類似性を示した(図7)。しかし ながら、サーモマイセスフィターゼは中性pHでも活性であるが、アスペルギルス 酵素はそうでない。初期の文献報告(例えばSandbergら、1996,J.Nutr.126:47 6-480)は、アスペルギルスフィターゼが2つの至適pHを有することを示唆する 。これらの報告は文献で公知であるアスペルギルス酸ホスファターゼを微量含む 不純物のある材料に基づいている可能性がある(Zyla,1993,World.J.Microbio l.Biotechnol.9:117-119)。 温度−活性測定。サーモマイセスフィターゼの温度−活性プロフィールをアス ペルギルス・ニゲルフィターゼと比較した。ml当り12.5Uの酵素保存液を、0.2 Mクエン酸ナトリウムpH5.5緩衝液中に調製した。1%フィチン酸基質250マイク ロリッターを1.7mlエッペンドルフチューブに加え、次に0.2Mクエン酸ナトリウ ムpH5.5緩衝液240マイクロリッターを加えた。この溶液をボルテキシングして、 指定温度で水浴に入れた。水浴中での20分の平衡化の後、そのエッペンドルフチ ューブをボルテキシングし、フィターゼ溶液10マイクロリッターを加えた。その サンプルをボルテキシングし、更に30分、水浴中でインキュベートした。水浴中 で30分放置した後、その反応を1mlの15% TCAで止め、上述のアッセイ法により 定量し た。 温度の関数としての酵素活性の測定は、2つの酵素間に大きな差を示した(図 8)。サーモマイセスフィターゼは65℃近くで最大酵素活性を示し、75℃でさえ 部分的活性を有するが、アスペルギルス・ニゲルフィターゼは65℃で本質的に不 活性である。 フィテート加水分解。サーモマイセス及びアスペルギルス・ニゲルフィターゼ がフィチン酸を加水分解する能力の比較を行った。各々のフィターゼ(ml当り0. 5Uの酵素活性)を、10時間、pH5.5及び37℃において、0.5%又は0.1%のいずれ かのフィチン酸とインキュベートした。その結果は、アスペルギルス・ニゲル及 びサーモマイセスフィターゼが、0.5%又は0.1%のフィチン酸濃度のいずれかで 、10時間後に、同じ量(70%)の全ての理論的に利用できるリンを遊離したこと を示した。 実施例13:1H NMR分光法によるフィチン酸のフィターゼ触媒加水分解の時間分 解産物プロファイリング サーモマイセスフィターゼにより及び市販のアスペルギルス・ニ 加水分解を、24時間の間の産物混合物をプロファイリングする1H NMRにより研究 した(27mMフィテート、1FYT/ml、pH5.5、及び27℃)。 以下、Ins(p,q,r,…)Pnは、位置p,q,r,…に結合した全部でnのリン 酸基を有するmyo−イノシトールをいう。 その技術は、フィチン酸への酵素による攻撃の開始点についての特定の情報、 及び最終産物の同一性についての情報を提供する。他方、中間産物混合物の比較 を反映するピークの展開パターンは、個々の酵素間の類似性及び差違の同定に適 した質的基準、フィングープリントを供する。 NMRスペクトルを、5mm選択的逆プローブヘッドを備えたBruker DRX400装置 で300°K(27℃)で記録した。4つのダミースキャンの後に6つのスキャンを 、8Kのデータ点によりカバーした2003Hz(5ppm)の掃引幅を用いて蓄積した。 残存HOD共鳴の減衰を、3秒プレ飽和期間により行った。スペクトルはHODシグナ ル(δ4.70)に引用した。 NMR分析のフィチン酸サンプルを以下のように調製した:フィチン酸(100mg 、フィチン酸二カリウム塩、Sigma P-5681)を脱イオン水(4.0ml)に溶かし、NaOH 水溶液(4N)を加えることによりpHを5.5に調節した。脱イオン水を加え(5m l)、各々20mgのフィチン酸に相当する1ml部をスクリューキャップバイアルに 移し、その溶媒をエバポレートした(真空遠心)。その乾燥サンプルを酸化ジュ ーテリウム(2ml、Merck 99.5% D)に溶かし、乾燥するまで再びエバポレート した(使用するまで−18℃で保存)。 NMR分析のため、20mgのフィチン酸サンプルを酸化ジューテリウム(1.0ml、M erck 99.95% D)に溶かした。その溶液をNMRチューブに移し、1H NMRスペクトル を、酵素添加直後(t=0)、次に5,10,15,20,25,30,45,60,75,90, 105,120,135,150,165,180,195,210分(=3.5時間)、4.5,5.5,6.5,7. 5,8.5,9.5,11.5,13.5,15.5,17.5,19.5,21.5、及び23.5時間後に記録し た。NMRチューブ内のpHを測定した。酵素がその触媒活性を保存するなら、基質 の一部(6mgのフィチン酸)をプローブに加えた場合、更なるスペクトルを48及 び120時間(5日)後に得た。 公開されているNMRデータ(Scholz,P.;Bergmann,G.,及びMayr,G.W.:Met hods in Inositide Research(Ed.Irvine,R.F.),pp.65-82,Raven Press,Ltd. ,New York(1990))と組み合わせた、フィチン酸の部分的消化により得たイノシ トールリン酸混合物の 2D NMR分析により、Ins(1,2,3,4,5,6)P6(PA),Ins(1,2,4,5,6)P5,Ins( 1,2,3,4,5)P5,Ins(1,2,5,6)P4,Ins(1,2,6)P3,Ins(1,2)P2、及びIns (2)Pに寄与する1H NMRシグナルを同定し、その反応の間のこれらの種の相対的定 量化を行った。 反応時間の24時間をカバーするアスペルギルスフィターゼ及びサーモマイセス フィターゼについての生成物プロフィールの積み重ねたプロットを各々図9及び 10に供する。 δ3.25(t)のシグナルはIns(1,2)P2におけるH−5を示し、δ3.18(t)のシグ ナルはIns(2)PにおけるH−5を示す。Ins(1,2)P2は、アスペルギルスフィター ゼで反応時間の約4時間後、サーモマイセスフィターゼで反応時間の約2時間後 に増加を開始する。Ins(2)Pは、アスペルギルスフィターゼで反応の約10時間後 、サーモマイセスフィターゼで反応の約5時間後に観察された。反応の24時間後 に、Ins(1,2)P2の量又はレベルに両方のフィターゼについて極めて低くなり、I ns(2)Pの量は24時間後に両方のフィターゼについて最大である。 従って、反応時間の24時間後に観察されたプロフィールは、両方のフィターゼ がPAをIns(2)Pに分解することを証明する。十分に脱リン酸化された種のイノシ トール(Ins)は全く観察されなかった。 両方の酵素について、24時間における反応混合物は、Ins(2)Pに加えて、小量 のIns(1,2)P2を含んでいた。長い反応時間(数日)では、残存Ins(1,2)P2は消 滅したが、十分に脱リン酸化された種であるイノシトール(Ins)は全く観察され なかった。その観察結果は、室温で5日間、それを保持した後、NMRチューブに 添加されたフィチン酸の新しい部分を消化するそれらの能力により証明されるよ うに、酵素は長期間、それらの触媒活性を保持するので、その酵素の不可逆的阻 害/変性により説明されない。 図11及び12は、最初の4.5時間の間に展開するプロフィールをより詳細に示す 。図13は、Ins(1,2,4,5,6)P5中のH−3(Aで示す)はδ3.66(dd)のシグ ナルを示し、Ins(1,2,3,4,5)P5におけるH−6(B)はδ3.87(t)のシグナ ルを示し、そしてIns(1,2,5,6)P4におけるH−3(C)はδ3.56(dd)のシ グナルを示すことを示す。化合物Aは加水分解されている位置3のホスフェート に相当し、Bは位置6、Cは位置3及び4に相当する。 図11は、化合物Aがアスペルギルスフィターゼを用いて主な一次産物(t=5 分)であり、化合物Bは出現しないことを示す。化合物Cは20〜25分後に出現す る。 他方、図12(サーモマイセスフィターゼ)は、化合物A及び化合物Bが極めて 初期に、即ち最初の15分以内に、おそらく化合物BよりAの方が多く生産される ことを示す。 δ4.82(dt,H−2),4.38(q,H−4/H−6),4.13(q,H−5)及 び4.11(dt,H1/H3)のシグナルは基質であるフィチン酸に帰する。図11及 び12は、これらのピークがアスペルギルスフィターゼよりサーモマイセスフィタ ーゼでより迅速に(即ち1時間以内に)減少することを示す。 生物材料の寄託 以下の株は、ブダペスト条約に従って、Agricultural Research Service Pate nt Culture Collection(NRRL)(Northern Regional Research Laboratory,1815 University Street,Peoria,Illinois61604,USA)に寄託した。 株 受託番号 寄託日 大腸菌DH5α(pMWR46) NRRL B-21527 1996年2月23日 その株は、その培養物へのアクセスが、37 C.F.R.§1.14及び35 U.S.C.§122 下でCommissioner of Patents and Trademarksによ り決定されるものに、本特許出願の係属中に利用できるであろうことを確実にす る条件下で寄託されている。その寄託物は各々の寄託された株の実質的に純粋な 培養物を示す。その寄託物は本願の対応出願又はその子出願が出願された国の外 国の特許法により必要に応じて利用できる。しかしながら、寄託物の利用性は、 政府により認可された特許権を逸脱して本発明を実施する許可を構成しないこと が理解されるはずである。 本明細書に記載され、クレームされる本発明は、本明細書に開示される特定の 実施形態により範囲を限定されない。なぜならこれらの実施形態は本発明のいく つかの態様を詳説することを意図するからである。いずれかの等価な実施形態が 本発明の範囲内であることを意図する。実際本明細書に示され、記載されるもの に加えて種々の改良が先の記載から当業者に明らかになるであろう。これらの改 良も添付の請求の範囲内にあることを意図する。 種々の引用文献が本明細書に言及されるが、その開示内容はそれら全体が引用 により組み込まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/16 C12N 9/16 B C12P 19/14 C12P 19/14 Z //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:645) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG ,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,HU, IL,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR,L T,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,UZ, VN (72)発明者 クロック,アラン ブイ. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95620, ディクソン,コーリアー ドライブ 725

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)3,6−フィターゼ活性を有するポリペプチド; (b)配列番号:2に記載されるアミノ酸配列と少くとも60%の同一性を有す るアミノ酸配列を有するポリペプチド; (c)(i)配列番号:1に記載される核酸配列又は(ii)その相補鎖と中ストリ ンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコードさ れるポリペプチド; (d)(b)又は(c)の対立遺伝子形態;及び (e)(b),(c)、又は(d)のフラグメント の群から選択されるフィターゼ活性を有する単離されたポリペプチド。 2.3,6−フィターゼ活性を有する請求項1に記載のポリペプチド。 3.フィチン酸の3位を優先する請求項2に記載のポリペプチド。 4.真菌から得られる請求項2に記載のポリペプチド。 5.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントと少くとも60% の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。 6.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントと4少くとも70 %の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項5に記載のポリペプチド。 7.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントと少くとも80% の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項6に記載のポリペプチド。 8.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントと 少くとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項7に記載のポリペプ チド。 9.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントと少くとも95% の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項8に記載のポリペプチド。 10.配列番号:2に記載のアミノ酸配列又はそのフラグメントである請求項1 に記載のポリペプチド。 11.配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有する請求項10に記載のポリペプチ ド。 12.サーモマイセスの株又はその異名もしくはテレオモルフから得られる請求 項5に記載のポリペプチド。 13.サーモマイセス・ラヌギノススの株又はその異名もしくはテレオモルフか ら得られる請求項12に記載のポリペプチド。 14.サーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94又はその変異株から得られる請 求項13に記載のポリペプチド。 15.(i)配列番号;1に記載の核酸配列もしくは(ii)その相補鎖と中スト リンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列又はそのフラ グメントによりコードされる請求項1に記載のポリペプチド。 16.(i)配列番号:1に記載の核酸配列もしくは(ii)その相補鎖と高スト リンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列又はそのフラ グメントによりコードされる請求項15に記載のポリペプチド。 17.(i)配列番号:1に記載の核酸配列又は(ii)その相補鎖と中ストリン ジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコードされ る請求項15に記載のポリペプチド。 18.サーモマイセスの株又はその異名もしくはテレオモルフから 得られる請求項15に記載のポリペプチド。 19.サーモマイセス・ラヌギノススの株又はその異名もしくはテレオモルフか ら得られる請求項18に記載のポリペプチド。 20.大腸菌NRRL B-21527内に含まれるプラスミドpMWR46内に含まれる核酸配列 によりコードされる請求項1に記載のポリペプチド。 21.請求項1に記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離された核 酸配列。 22.前記核酸配列がサーモマイセス株から得られるポリペプチドをコードする ことを特徴とする請求項21に記載の核酸配列。 23.前記核酸配列がサーモマイセス・ラヌギノスス又はその異名もしくはテレ オモルフから得られるポリペプチドをコードすることを特徴とする請求項22に記 載の核酸配列。 24.前記核酸配列がサーモマイセス・ラヌギノススCBS 586.94又はその変異株 から得られるポリペプチドをコードすることを特徴とする請求項23に記載.の核 酸配列。 25.配列番号:2に記載のアミノ酸と少くとも60%の同一性を有するアミノ酸 配列を有するポリペプチドをコードする請求項21に記載の核酸配列。 26.(a)配列番号:1に記載の核酸配列もしくは(b)その相補鎖と中スト リンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる請求項21に記載の核酸 配列又はその対立遺伝子形態もしくはフラグメント。 27.(a)配列番号:1に記載の核酸配列もしくは(b)その相補鎖と高スト リンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる請求項26に記載の核酸 配列。 28.前記核酸配列が、大腸菌NRRL B-21527内に含まれるプラスミドpMWR46内に 含まれることを特徴とする請求項21に記載の核酸配列 。 29.前記核酸配列が配列番号:1に記載されることを特徴とする請求項21に記 載の核酸配列。 30.適切な発現宿主内で前記ポリペプチドの発現を誘導することができる1又 は複数の調節配列に作用可能に連結された請求項21に記載の核酸配列を含む核酸 構成物。 31.請求項30に記載の核酸構成物、プロモーター、並びに転写及び翻訳停止シ グナルを含む組換え発現ベクター。 32.選択マーカーを更に含む請求項31に記載のベクター。 33.請求項30に記載の核酸構成物を含む組換え宿主細胞。 34.前記核酸構成物がベクター内に含まれることを特徴とする請求項33に記載 の細胞。 35.前記核酸構成物が前記宿主細胞のゲノム内に組み込まれることを特徴とす る請求項33に記載の細胞。 36.前記宿主細胞がバクテリア又は真菌細胞であることを特徴とする請求項33 に記載の細胞。 37.前記バクテリア細胞がバチルス、シュードモナス、又はストレプトマイセ ス細胞であることを特徴とする請求項36に記載の細胞。 38.前記真菌細胞が糸状菌又はイースト細胞であることを特徴とする請求項36 に記載の細胞。 39.前記糸状菌細胞が、アクレモニウム、アスペルギルス、フサリウム、ヒュ ミコラ、ムコル、マイセリオフトラ、ニューロスポラ、ベニシリウム、チエラビ ア、トリポクラジウム、又はトリコデルマの種の細胞であることを特徴とする請 求項38に記載の細胞。 40.前記イースト細胞が、カンジダ、クルイベロマイセス、ピキア、サッカロ マイセス、スキゾサッカロマイセス又はヤルロビアの 種の細胞であることを特徴とする請求項38に記載の細胞。 41.請求項1に記載のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)サ ーモマイセス株を培養して前記ポリペプチドを含む上清を生産するステップと、 (b)該ポリペプチドを回収するステップと、を含む方法。 42.請求項1に記載のポリペプチドを生産するための方法であって、(a)該 ポリペプチドの発現に資する条件下で該ポリペプチドをコードする核酸配列を含 む核酸構成物を含む宿主細胞を培養するステップと、(b)前記ポリペプチドを 回収するステップと、を含む方法。 43.請求項1に記載のポリペプチド及び1又は複数の飼料又は食品添加物又は 構成物を含む飼料又は食物組成物。 44.有効量の請求項43に記載の飼料又は食物組成物を動物に与えることを含む 動物肥料中のフィチン酸レベルを減少させるための方法。 45.デンプンを液化するための方法であって、 (a)液化する前又はそれと同時に、請求項1に記載のポリペプチドで前記デ ンプンを処理するステップと、 (b)該デンプンにα−アミラーゼを添加するステップと、 (c)該デンプンを液化するのに有効な時間及び温度でステップb)のデンプ ンを反応させるステップと、 を含む方法。 46.フィチン酸から無機リン酸塩を遊離させるための請求項1に記載のポリペ プチドの使用。 47.食物又は飼料調製物又は添加物の調製の間の請求項1に記載のポリペプチ ドの使用。 48.食物又は飼料利用性を改善するための請求項1に記載のポリ ペプチドの使用。
JP53372297A 1996-03-18 1997-03-18 フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 Expired - Fee Related JP4125375B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US61723596A 1996-03-18 1996-03-18
US08/617,235 1996-03-18
PCT/US1997/004559 WO1997035017A1 (en) 1996-03-18 1997-03-18 Polypeptides having phytase activity and nucleic acids encoding same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000507102A true JP2000507102A (ja) 2000-06-13
JP4125375B2 JP4125375B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=24472813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53372297A Expired - Fee Related JP4125375B2 (ja) 1996-03-18 1997-03-18 フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸

Country Status (11)

Country Link
US (2) US5866118A (ja)
EP (1) EP0904383B1 (ja)
JP (1) JP4125375B2 (ja)
CN (1) CN1214081A (ja)
AT (1) ATE384798T1 (ja)
AU (2) AU2077197A (ja)
BR (1) BR9708209A (ja)
CA (1) CA2248980A1 (ja)
DE (1) DE69738483T2 (ja)
ES (1) ES2301177T3 (ja)
WO (2) WO1997035016A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517573A (ja) * 2007-02-07 2010-05-27 ダニスコ・ユーエス・インク、ジェネンコー・ディビジョン アルファ‐アミラーゼを有するフィターゼを用いるデンプン加水分解

Families Citing this family (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7033627B2 (en) * 1990-03-23 2006-04-25 Syngenta Mogen B.V. Production of enzymes in seeds and their use
AU2077197A (en) * 1996-03-18 1997-10-10 Novo Nordisk Biotech, Inc. Polypeptides having phytase activity and nucleic acids encoding same
US6720014B1 (en) * 1997-08-13 2004-04-13 Diversa Corporation Phytase-containing foodstuffs and methods of making and using them
US20040091968A1 (en) * 1997-08-13 2004-05-13 Short Jay M. Recombinant phytases and methods of making and using them
US6183740B1 (en) * 1997-08-13 2001-02-06 Diversa Corporation Recombinant bacterial phytases and uses thereof
US7078035B2 (en) * 1997-08-13 2006-07-18 Diversa Corporation Phytases, nucleic acids encoding them and methods for making and using them
US7432097B2 (en) * 1997-08-13 2008-10-07 Verenium Corporation Phytases, nucleic acids encoding them and methods of making and using them
AU2003270969B2 (en) * 1998-03-23 2006-08-03 Novozymes A/S Phytase Variants
US6514495B1 (en) 1998-03-23 2003-02-04 Novozymes A/S Phytase varinats
KR20010042063A (ko) * 1998-03-23 2001-05-25 피아 스타르 사료 제제 및 식물 발현에 있어서의 열안정성 피타제
JP2002507412A (ja) * 1998-03-23 2002-03-12 ノボザイムス アクティーゼルスカブ フィターゼ変異体
AU2003203147B2 (en) * 1998-03-23 2008-05-29 Novozymes A/S Phytase variants
AU748986B2 (en) * 1998-04-01 2002-06-13 Dsm N.V. Application of phytase in feed having low content of phytate
US6451572B1 (en) * 1998-06-25 2002-09-17 Cornell Research Foundation, Inc. Overexpression of phytase genes in yeast systems
CA2356642A1 (en) * 1999-01-22 2000-07-27 Novozymes A/S Improved phytases
US6720174B1 (en) 1999-01-28 2004-04-13 Novozymes A/S Phytases
US6372007B1 (en) * 1999-01-29 2002-04-16 Rafael Munoz Organic compost
CN100347303C (zh) 1999-03-31 2007-11-07 康乃尔研究基金会有限公司 具有改良的肌醇六磷酸酶活性的磷酸酶
US6303766B1 (en) 1999-05-14 2001-10-16 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Soybean phytase and nucleic acid encoding the same
EP1210413B1 (en) * 1999-08-13 2009-12-02 The University of Manchester Phytase enzymes, nucleic acids encoding phytase enzymes and vectors and host cells incorporating same
NL1013105C2 (nl) 1999-09-21 2001-03-22 Dsm Nv Vlamdovend mengsel.
US6841370B1 (en) 1999-11-18 2005-01-11 Cornell Research Foundation, Inc. Site-directed mutagenesis of Escherichia coli phytase
EP1297018B1 (en) * 2000-06-23 2006-04-26 Novozymes A/S Steeping process
DE10126970A1 (de) * 2001-06-01 2002-12-05 Krueger Gmbh & Co Kg Phytasehaltige Zusammensetzung
JP4347694B2 (ja) * 2001-10-16 2009-10-21 レイベン バイオテクノロジーズ,インコーポレイティド 癌関連抗原cd46に結合する抗体およびその使用方法
CN100475051C (zh) 2001-10-31 2009-04-08 菲特克斯有限责任公司 含有肌醇六磷酸酶的动物食物和方法
TWI326708B (en) * 2001-11-21 2010-07-01 Univ Hong Kong Recombinant bacillus phytases and uses thereof
FR2833272B1 (fr) * 2001-12-10 2004-02-27 Aventis Animal Nutrition Sa Nouvelles phytases et procede de production de ces phytases
US7238378B2 (en) 2002-02-08 2007-07-03 Novozymes A/S Phytase variants
EP1546316B1 (en) * 2002-08-12 2010-12-01 Danisco US Inc. Mutant e. coli appa phytase enzymes and natural variants thereof, nucleic acids encoding such phytase enzymes, vectors and host cells incorporating same and methods of making and using same
US7309505B2 (en) 2002-09-13 2007-12-18 Cornell Research Foundation, Inc. Using mutations to improve Aspergillus phytases
CA2505633A1 (en) * 2002-11-13 2004-05-27 Raven Biotechnologies, Inc. Antigen pipa and antibodies that bind thereto
US20060008876A1 (en) 2004-07-07 2006-01-12 Shami A S E ME-5, ME-2, and EPP2: human protein antigens reactive with autoantibodies present in the serum of women suffering from endometriosis
DK2258209T3 (da) 2004-09-27 2015-08-31 Novozymes As Phytasegranuler i dyrefoder
US7919297B2 (en) 2006-02-21 2011-04-05 Cornell Research Foundation, Inc. Mutants of Aspergillus niger PhyA phytase and Aspergillus fumigatus phytase
US8540984B2 (en) 2006-08-03 2013-09-24 Cornell Research Foundation, Inc. Phytases with improved thermal stability
WO2008017659A1 (en) 2006-08-07 2008-02-14 Novozymes A/S Enzyme granules for animal feed
CN101500430B (zh) 2006-08-07 2014-02-19 诺维信公司 用于动物饲料的酶团粒
US8143046B2 (en) 2007-02-07 2012-03-27 Danisco Us Inc., Genencor Division Variant Buttiauxella sp. phytases having altered properties
US20080220498A1 (en) * 2007-03-06 2008-09-11 Cervin Marguerite A Variant Buttiauxella sp. phytases having altered properties
US20080299622A1 (en) * 2007-02-07 2008-12-04 Paulson Bradley A Starch Hydrolysis Using Phytase with an Alpha Amylase
US8093016B2 (en) * 2007-05-21 2012-01-10 Danisco Us Inc. Use of an aspartic protease (NS24) signal sequence for heterologous protein expression
DK2283124T3 (en) 2008-04-18 2016-09-05 Danisco Us Inc BUTTIAUXELLA SP. PHYTASE VARIANTS
BRPI1011160A8 (pt) 2009-05-21 2018-01-02 Verenium Corp Fitases, preparação de proteína que as compreende, e seus usos
US10980249B2 (en) 2014-06-27 2021-04-20 Dsm Ip Assets B.V. Method for improving the nutritional value of animal feed
EP4149279A1 (en) 2020-05-15 2023-03-22 DSM IP Assets B.V. A method for improving the nutritional value of animal feed
CA3208643A1 (en) 2021-01-18 2022-07-21 Conserv Bioscience Limited Coronavirus immunogenic compositions, methods and uses thereof

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ289014B6 (cs) * 1989-09-27 2001-10-17 Dsm N. V. Vyčiątěná a izolovaná sekvence DNA kódující fungální fytázu, konstrukt pro expresi, vektory a transformované hostitelské buňky a způsob produkce fytázy
UA27702C2 (uk) * 1989-09-27 2000-10-16 Гіст-Брокейдс Н.В. Фрагмент геномної днк, що кодує фітазу aspergillus niger,фрагмент кднк, що кодує фітазу aspergillus niger, рекомбінантна плазмідна днк для експресії фітази в aspergillus (варіанти), штам aspergillus-продуцент фітази aspergillus (варіанти), спосіб одержання фітази, рекомбінанта фітаза aspergillus niger
DE69535097T2 (de) * 1994-04-25 2006-12-28 Dsm Ip Assets B.V. Polypeptide mit phytase Wirkung
KR19980702782A (ko) * 1995-03-09 1998-08-05 혼 마가렛 에이. 녹말 액화 방법
AU2077197A (en) * 1996-03-18 1997-10-10 Novo Nordisk Biotech, Inc. Polypeptides having phytase activity and nucleic acids encoding same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517573A (ja) * 2007-02-07 2010-05-27 ダニスコ・ユーエス・インク、ジェネンコー・ディビジョン アルファ‐アミラーゼを有するフィターゼを用いるデンプン加水分解

Also Published As

Publication number Publication date
AU2539197A (en) 1997-10-10
ES2301177T3 (es) 2008-06-16
ATE384798T1 (de) 2008-02-15
WO1997035016A1 (en) 1997-09-25
AU717284B2 (en) 2000-03-23
DE69738483T2 (de) 2008-12-11
AU2077197A (en) 1997-10-10
CA2248980A1 (en) 1997-09-25
EP0904383B1 (en) 2008-01-23
JP4125375B2 (ja) 2008-07-30
BR9708209A (pt) 1999-07-27
EP0904383A1 (en) 1999-03-31
US5866118A (en) 1999-02-02
CN1214081A (zh) 1999-04-14
DE69738483D1 (de) 2008-03-13
US6221644B1 (en) 2001-04-24
WO1997035017A1 (en) 1997-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000507102A (ja) フィターゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸
US10006016B2 (en) Polypeptides having xylanase activity and polynucleotides thereof
CA2209617C (en) Animal feed additives comprising xylanase
CA2422748C (en) Talaromyces xylanases
AU2006239643B2 (en) Arabinofuranosidases
CN101909461B (zh) 具有乙酰木聚糖酯酶活性的多肽和编码该多肽的多核苷酸
US6682922B2 (en) Polypeptides having phospholipase activity and nucleic acids encoding same
AU2000277798A1 (en) Talaromyces xylanases
JP6522010B2 (ja) タンパク質
JP2001506503A (ja) フィターゼポリペプチド
RU2291901C2 (ru) Полипептид и композиция, обладающие активностью ксиланазы, применение полипептида, полинуклеотид, кодирующий полипептид, вектор экспрессии, содержащий полинуклеотид, способ получения полинуклеотида, способ обработки растительного или ксилансодержащего материала
US20050273880A1 (en) Polypeptides having oxaloacetate hydrolase activity and nucleic acids encoding same
US20030032165A1 (en) Aspartic acid proteases and nucleic acids encoding same
WO2001096536A2 (en) Aspartic acid proteases and nucleic acids encoding same
WO2005014790A2 (en) Polypeptides having oxaloecetate hydrolase activity and polynucleotides encoding same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040303

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees