JP4347694B2 - 癌関連抗原cd46に結合する抗体およびその使用方法 - Google Patents

癌関連抗原cd46に結合する抗体およびその使用方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2001年10月16日に出願された、米国仮出願番号60/329,644号の利益を主張する。この出願は、その全体が参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、癌生物学および免疫療法の分野である。より具体的には、本発明は様々なヒト癌に存在する、CD46(膜補因子タンパク質)に結合する抗体の発見、およびそのような癌を診断および/または治療する方法に関する。
(発明の背景)
免疫療法、または治療目的のための抗体の使用が、近年癌を治療するために使用されている。受動免疫療法は、癌治療におけるモノクローナル抗体の使用を含む。例えば、Cancer:Principles and Practice of Oncology、第6版(2001)第20章495−508頁を参照のこと。これらの抗体は、腫瘍細胞の成長または生存の直接的阻害、および身体の免疫系のナチュラル細胞破壊活性を動員する能力の両方による、内在する治療的生物学的活性を有し得る。これらの薬剤を、単独で、または照射または化学療法剤と組み合せて施し得る。リンパ腫および乳癌の治療のために認可された、それぞれ、Rituxan(登録商標)およびHerceptin(登録商標)は、このような療法の2つの例である。あるいは、抗体を使用して抗体結合体を作成し得、ここで抗体は毒性薬剤に連結され、そして腫瘍へ特異的に結合することによってその薬剤を腫瘍へ向ける。Mylotarg(登録商標)は、白血病の治療のために使用される、認可された抗体結合物の例である。癌細胞に結合し、そして診断および治療への潜在的な用途を有するモノクローナル抗体が、刊行物に開示されている。例えば、特に標的タンパク質の分子量を開示する、以下の特許出願を参照のこと:米国特許第6,054,561号(200KD c−erbB−2(Her2)、および大きさが40−200KDの他の未知抗原)および米国特許第5,656,444号(50KDおよび55KD、腫瘍胎児性タンパク質)。臨床試験中および/または固形腫瘍の治療に認可された抗体の例としては、以下が挙げられる:Herceptin(抗原:180kD、HER2/neu)、Panorex(抗原:40−50kD、Ep−CAM)、HMFG1(抗原>200kD、HMWムチン)、C225(抗原:150kDおよび170kD、EGF受容体)、Campath(抗原:21−28kD、CD52)、およびRituxan(抗原:35kD、CD20)。
別の型の免疫療法は、能動免疫療法、またはワクチン接種であり、ここで特定の癌に存在する抗原が、患者において免疫応答を引き起こす、すなわち患者がそれ自身の癌に対する抗体を活発に産生するよう誘導する。能動免疫は、受動免疫療法または免疫毒素ほど多くは使用されていない。
理想的な診断的および/または治療的抗体は、多数の癌に存在するが、あらゆる成人組織に存在しないか、または低レベルでのみ存在する抗原に特異的である。癌と特異的に関連する新規抗原の発見、特徴付け、および単離は、多くの方法で有用である。まず、抗原を使用して、その抗原に対するモノクローナル抗体を作製し得る。抗体は、理想的には癌細胞に対する生物学的活性を有し、そして外来性抗原に対する免疫系の反応を動員し得る。抗体を、治療薬として単独で、または現在の治療と組み合せて投与し得るか、または毒性薬剤と連結した免疫結合体を調製するために使用し得る。単独で投与した場合に同じ特異性を有するが生物学的活性を有さない抗体も、放射性同位体、毒素、または化学療法剤または化学療法剤を含むリポソームとの免疫結合物を調製するために使用し得て有用であり、結合した形式は、抗体が毒素を、抗原を含む細胞へ向けることによって生物学的に活性である。
理想的な診断的および/または治療的抗体に必要な1つの局面は、様々な癌に関連する抗原の発見および特徴付けである。非癌細胞に限られた発現を有し、多くの型の癌に発現する(例えば「汎癌(pan−cancer)」抗原)抗原は、少数しか存在しない。そのような抗原の単離および精製は、抗原を標的化する抗体(例えば診断的または治療的)の作成に有用である。1つの特定の型の癌にのみ関連する抗原に対する抗体と対照的に、「汎癌(pan−cancer)」抗原に結合する抗体は、異なる組織において見出される様々な癌を標的化し得る。その抗原は、薬剤の発見(例えば低分子)、ならびに細胞調節、成長、および分化のさらなる特徴付けのためにも有用である。
CD46(膜補因子タンパク質またはMCPとしても知られる)に対する抗体が報告されている。例えば、Sparrowら、Hum.Immunol.7:1(1983);Hsiら、Am.J.Reprod.Immunol.Microbiol.18:21(1988);Choら、Clin.Exp.Immunol.83:257(1991);Seyaら、J.Immunol.145:238(1990)を参照のこと。CD46の発現は、乳癌(Thorseinssonら、APMIS 106:869−78(1998);Hofmanら、Breast Cancer Res.Treat.32:213−9(1994));結腸/結腸直腸癌(Andrewら、Cancer Res.50:5225−30(1990);Koretzら、Br.J.Cancer 68:926−31(1993);Juhlら、J.Surg.Oncol.64:222−30(1997);Bjorgeら、Cancer Immunol.Immunother.42:185−92(1996));肺癌(Varsanoら、Clin.Exp.Immunol.113:173−82(1998);Varsanoら、Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.19:522−9(1998));卵巣癌(Bjorgeら、Int.J.Cancer 70:14−25(1997));腎臓癌(Blokら、Lab.Invest.80:335−44(2000);Gorterら、Lab.Invest.74:1039−49(1996));膵臓癌(Juhlら、J.Surg.Oncol.64:222−30(1997));および前立腺癌(Jarvisら、J.Allergy Clin.Immunol.99(No.1、Part2):S215(1997);Liuら、Cancer Res.60:3429−3434(2000))のような、特定の型の癌で報告されている。PCT WO02/18948;PCT WO01/88537も参照のこと。
本明細書中で開示される全ての参考文献、刊行物、および特許出願は、本明細書中にその全体が参考として援用される。
(本発明の要旨)
本明細書中で開示される発明は、様々なヒト癌に存在する、抗原CD46(膜補因子タンパク質としても知られる)に対する抗体に関連する。よって、1つの局面において、本発明は、本明細書中以下で「Ag−PA7」またはCD46として知られる抗原に選択的に結合する抗体またはポリペプチド(それは抗体であり得る、またはそうでないかもしれない)であり、ここでCD46は4−20%Tris−グリシンSDS−PAGE(すなわち変性勾配)ゲルにおいて、約55kDa+/−10%である。
別の局面において、本発明は、宿主細胞(ATCC No.PTA−3706)によって産生される抗体mPA7である。mPA7が結合するCD46上のエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。
別の局面において、本発明は、mPA7が選択的に結合するのと同じ、CD46上のエピトープに選択的に結合する抗体またはポリペプチド(それは抗体であり得る、またはそうでないかもしれない)である。その抗体またはポリペプチドが結合するCD46上のエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。
別の局面において、本発明は、抗体mPA7の断片または領域を含む抗体である。1つの実施態様において、その断片は抗体mPA7の軽鎖である。別の実施態様において、その断片は抗体mPA7の重鎖である。さらに別の実施態様において、その断片は抗体mPA7の軽鎖および/または重鎖由来の、1つまたはそれ以上の可変領域を含む。さらに別の実施態様において、その断片は抗体mPA7の軽鎖および/または重鎖由来の、1つまたはそれ以上の相補性決定領域(CDR)を含む。
別の局面において、本発明は以下のもののいずれかを含むポリペプチド(それは抗体であり得る、またはそうでないかもしれない)を提供する:抗体mPA7の、a)1つまたはそれ以上のCDR;b)軽鎖由来の3つのCDR;c)重鎖由来の3つのCDR;d)軽鎖由来の3つのCDRおよび重鎖由来の3つのCDR;e)軽鎖可変領域;f)重鎖可変領域。
別の局面において、本発明は、mPA7由来のヒト化抗体である。ある実施態様において、ヒト化抗体は、抗体mPA7の1つまたはそれ以上のCDRを含む。別の局面において、本発明は、抗体mPA7と同じエピトープに結合するヒト化抗体を提供する。ヒト化抗体が結合するエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。一般的に、本発明のヒト化抗体は、抗体mPA7のCDRと同じおよび/またはそれ由来の、1つまたはそれ以上の(1、2、3、4、5、6)CDRを含む。別の局面において、本発明は、抗体mPA7と同じCD46上のエピトープに結合するヒト抗体を提供する。ヒト抗体が結合するエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。
別の局面において、本発明は、抗体mPA7の重鎖および軽鎖の可変領域由来の可変領域、およびヒト抗体の重鎖および軽鎖の定常領域由来の定常領域を含む、キメラ抗体である。
さらに別の局面において、本発明は、モノクローナル抗体mPA7を産生する宿主細胞(ATCC No.PTA−3706)またはその子孫である。
別の局面において、本発明は、ATCC No.PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫によって産生される抗体mPA7をコードする単離ポリヌクレオチドである。別の局面において、本発明は、任意の抗体(抗体断片を含む)および本明細書中で記載した任意の他のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
別の局面において、本発明は、本明細書中で記載した任意の抗体またはポリペプチドと結合した、CD46の複合体である。ある実施態様において、CD46は、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌細胞に存在する。1つの実施態様において、本発明は、本明細書中で記載した任意の抗体またはポリペプチドと結合した、前立腺癌細胞上のCD46の複合体である。ある実施態様において、本発明は、抗体mPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合する抗体と結合した、CD46の複合体である。このエピトープはジスルフィド結合依存性である。1つの実施態様において、抗体mPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合する任意の抗体が、治療薬(毒素のような)に連結される。
別の局面において、本発明は、本明細書中で記載した任意の抗体またはポリペプチドと結合した、CD46を発現する癌細胞の複合体である。ある実施態様において、癌細胞は、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌細胞である。ある実施態様において、抗体はmPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合する任意の抗体である。このエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。ある実施態様において、抗体mPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合する任意の抗体が、治療薬(毒素のような)に連結する。
別の局面において、本発明は、本明細書中で任意の記載した抗体またはポリペプチドと結合した、mPA7が選択的に結合するエピトープの複合体である。ある実施態様において、そのエピトープは、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌細胞上にある。ある実施態様において、その抗体は、mPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合する任意の抗体である。このエピトープは、ジスルフィド結合依存性である。ある実施態様において、抗体mPA7または抗体mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合するあらゆる抗体を、治療薬(毒素のような)に連結する。
別の局面において、本発明は、本明細書中で記載したポリペプチド(抗体mPA7のようなあらゆる抗体を含む)またはポリヌクレオチドのいずれかを含む医薬品組成物である(例えば、抗体mPA7、治療薬と連結した抗体mPA7、抗体mPA7の断片を含む抗体、抗体mPA7のヒト化抗体、抗体mPA7の可変領域由来の可変領域およびヒト抗体の定常領域由来の定常領域を含むキメラ抗体、または抗体mPA7の1つまたはそれ以上の性質を有するヒト抗体、および薬剤学的に許容できる賦形剤を含む医薬品組成物)。
さらに別の局面において、本発明は、以下の工程を含む、非癌細胞よりも癌細胞により高い親和性を有するモノクローナル抗体を産生する方法である:(a)インタクトなヒト胎児膵臓上皮前駆(hPED)細胞で宿主哺乳類を免疫する;(b)その哺乳類からリンパ球を得る;(c)リンパ球を骨髄腫細胞系統と融合してハイブリドーマを産生する;(d)モノクローナル抗体を産生するのに十分な条件下でハイブリドーマを培養する;(e)hPED細胞に選択的に結合する抗体を選択する;(f)工程(e)で得られた抗体から、非癌細胞よりも癌細胞に高い親和性で結合する抗体を選択する。その方法は、癌細胞または癌細胞系統に結合するが、非癌細胞または細胞系統に結合しない抗体を選択する工程をさらに含み得る。
別の局面において、本発明は、宿主細胞(ATCC No.PTA−3706)またはその子孫を、抗体mPA7の産生を可能にする条件下で培養すること、および抗体mPA7を精製することを含む、抗体mPA7を産生する方法である。
別の局面において、本発明は、適当な細胞において抗体をコードする(1本の軽鎖または重鎖として別々に発現し得るか、または軽鎖および重鎖の両方を1つのベクターから発現する)1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを発現することによって、一般的には続いて関心のある抗体またはポリペプチドを回収および/または単離することによって、本明細書中で記載した任意の抗体(またはポリペプチド)を産生する方法を提供する。
別の局面において、本発明は、本明細書中で記載した抗体mPA7または任意のCD46結合部分(様々な抗体および抗体誘導体を含むがこれに限らないポリペプチド)を用いて、個体由来の細胞上にCD46を検出することによって、個体において癌を診断する方法である。ある実施態様において、癌は、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、および腎臓癌である。ある実施態様において、その方法は細胞由来のCD46のレベルを検出することである。CD46の存在は、CD46およびCD46結合部分の間の複合体を検出することによって検出される。本明細書中で使用される「検出」という用語は、コントロールを参照するまたはしない、定性的および/または定量的検出(レベルを測定する)を含む。
別の局面において、本発明は、抗体mPA7、または治療薬と結合した抗体mPA7、抗体mPA7の断片または領域を含む抗体、ヒト化抗体(一般的に、抗体mPA7の1つまたはそれ以上のCDRを含むが必ずしもその必要はない)、抗体mPA7の可変領域由来の可変領域およびヒト抗体の定常領域由来の定常領域を含むキメラ抗体、または抗体mPA7の1つまたはそれ以上の性質を有するヒト抗体を含むがこれに限らない、本明細書中で記載した任意の抗体(ポリペプチドを含む)またはポリヌクレオチド実施態様を含む組成物を、癌細胞の成長を抑制するのに十分有効な量投与することによって、癌を治療する方法である。ある実施態様において、癌は乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌である。
別の局面において、本発明は、抗体mPA7、または治療薬と結合した抗体mPA7、抗体mPA7の断片または領域を含む抗体、ヒト化抗体(一般的に、抗体mPA7の1つまたはそれ以上のCDRを含むが必ずしもその必要はない)、抗体mPA7の可変領域由来の可変領域およびヒト抗体の定常領域由来の定常領域を含むキメラ抗体、または抗体mPA7の1つまたはそれ以上の性質を有するヒト抗体を含むがこれに限らない、本明細書中で記載した任意の抗体(ポリペプチドを含む)またはポリヌクレオチド実施態様を含む組成物を、癌細胞の成長を抑制するのに十分に有効な量を個体に投与することによって、個体において癌細胞の成長および/または増殖を阻害する方法である。ある実施態様において、癌は乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌である。
別の局面において、本発明は、抗体mPA7、または治療薬と結合した抗体mPA7、抗体mPA7の断片または領域を含む抗体、ヒト化抗体(一般的に、抗体mPA7の1つまたはそれ以上のCDRを含むが必ずしもその必要はない)、抗体mPA7の可変領域由来の可変領域およびヒト抗体の定常領域由来の定常領域を含むキメラ抗体、または抗体mPA7の1つまたはそれ以上の性質を有するヒト抗体を含むがこれに限らない、本明細書中で記載した任意の抗体(ポリペプチドを含む)またはポリヌクレオチド実施態様を含む組成物を、癌細胞の成長を抑制するのに十分有効な量を投与することによって、癌を有する個体において転移の発現を遅らせる方法である。ある実施態様において、癌は乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌である。
別の局面において、本発明は、個体に有効な量の、本明細書中で記載した、治療薬(毒素または放射活性分子のような)に連結したCD46結合抗体または任意のCD46結合部分(抗体または抗体誘導体を含むがこれに限らないポリペプチド)を投与することによって、治療薬(毒素または放射活性分子のような)を個体において癌細胞に伝達する方法である。CD46結合部分は、抗体mPA7、抗体mPA7の断片または領域を含む抗体、またはヒト化抗体(一般的に、抗体mPA7の1つまたはそれ以上のCDRを含むが必ずしもその必要はない)、抗体mPA7の可変領域由来の可変領域およびヒト抗体の定常領域由来の定常領域を含むキメラ抗体、または抗体mPA7の1つまたはそれ以上の性質を有するヒト抗体を含むがこれに限らない。ある実施態様において、癌細胞は乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌由来である。別の実施態様において、治療薬(毒素または放射活性分子のような)は、癌細胞内に送達される(内在化される)。別の実施態様において、治療薬は前立腺、卵巣、乳房、または結腸癌細胞内に送達される。よって、本発明は、治療薬がそれらの癌細胞内に送達されるように、前立腺、卵巣、乳房、または結腸癌細胞の成長および/または増殖を阻害する方法を提供する。別の実施態様において、治療薬はサポリン(saporin)である。
別の局面において、本発明は、本明細書中で記載した1つまたはそれ以上の組成物のいずれかを含むキットを提供する。これらのキットは、一般的に適当なパッケージング中で、および適当な説明書と共に提供され、本明細書中で記載したあらゆる方法に有用である。
(発明の詳細な説明)
本明細書中で開示される本発明は、抗原CD46に結合する抗体およびポリペプチド、およびCD46に結合するこれらの抗体およびポリペプチドを作成および使用する方法を提供する。CD46は、様々なヒト癌に存在し、そしてその発現が増加することが示された。ジスルフィド結合依存性であるCD46エピトープに優先的に結合する抗体mPA7は、インビトロおよびインビボモデルにおいて前立腺癌細胞の成長を抑制することが見出され、そして癌細胞内に治療薬を内在化する能力を示した。
(一般的な技術)
本発明の実施は、他に示さなければ、当該分野の技術の範囲内である、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の伝統的な技術を採用する。そのような技術は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版(Sambrookら、1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Methods in Molecular Biology、Humana Press;Cell Biology: A Laboratory Notebook(J.E.Cellis編、1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney編、1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.MatherおよびP.E.Roberts、1988)Plenum Press;Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures(A.Doyle、J.B.Griffiths、およびD.G.Newell編、1993−8)J.Wiley and Sons;Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);Handbook of Experimental Immunology(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.MillerおよびM.P.Calos編、1987);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction(Mullisら編、1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons、1999);Immunobiology(C.A.JanewayおよびP.Travers、1997);Antibodies(P.Finch、1997);Antibodies: a practical approach(D.Catty編、IRL Press、1988−1989);Monoclonal antibodies: a practical approach(P.ShepherdおよびC.Dean編、Oxford University Press、2000);Using antibodies: a laboratory manual(E.HarlowおよびD.Lane、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999);The Antibodies(M.ZanettiおよびJ.D.Capra編、Harwood Academic Publishers、1995);およびCancer: Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVitaら編、J.B.Lippincott Company、1993)のような文献において完全に説明される。
(定義)
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する、少なくとも1つの抗原認識部位によって、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチド等のような標的に特異的に結合し得る免疫グロブリン分子である。本明細書中で使用される場合、その用語は、そのままのポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その断片(Fab、Fab’、F(ab’)、Fvのような)、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、および必要な特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子のあらゆる他の修飾された構成も含む。
「モノクローナル抗体」は、均一な抗体集団を指し、ここでモノクローナル抗体は、抗原の優先的結合に関与するアミノ酸(天然に存在するおよび天然に存在しない)から成る。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原性部位に対して向けられる。「モノクローナル抗体」という用語は、そのままのモノクローナル抗体および全長モノクローナル抗体だけでなく、その断片(Fab、Fab’、F(ab’)、Fvのような)、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化モノクローナル抗体、キメラモノクローナル抗体、および必要な特異性の抗原認識部位および抗原に結合する能力を含む免疫グロブリン分子のあらゆる他の修飾された構成も含む。抗体の供給源またはそれが作成された様式(例えばハイブリドーマ、ファージセレクション、組換え発現、トランスジェニック動物等によって)に関して制限することを意図しない。
「ヒト化」抗体は、実質的に非ヒト種からの免疫グロブリン由来の抗原結合部位を有し、そして分子の残りの免疫グロブリン構造はヒト免疫グロブリンの構造および/または配列に基づく分子を指す。抗原結合部位は、定常ドメインに融合した完全な可変ドメインか、または可変ドメインの適当なフレームワーク領域に移植された相補性決定領域(CDR)のみを含み得る。抗原結合部位は、野生型または1つまたはそれ以上のアミノ酸置換によって修飾され得る、例えばヒト免疫グロブリンにより近く類似するように修飾され得る。ヒト化抗体のある形式は、全てのCDR配列を保存する(例えば、マウス抗体由来の6つのCDRを全て含む、ヒト化マウス抗体)。ヒト化抗体の別の形式は、もとの抗体に関して変化した、1つまたはそれ以上のCDR(1、2、3、4、5、6)を有し、それはまた、mPA7からの1つまたはそれ以上のCDR「由来の」1つまたはそれ以上のCDRと呼ばれる。
「キメラ抗体」は、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列それぞれの一部が、特定の種由来の抗体における対応する配列と相同的であるか、または特定の種類に属し、一方鎖の残りの部分は別の対応する配列と相同的である抗体を指す。典型的には、これらのキメラ抗体において、軽鎖および重鎖両方の可変領域は、1種の哺乳類由来の抗体の可変領域を模倣し、一方定常部分は別の種由来の抗体における配列と相同的である。そのようなキメラ形式の1つの明らかな利点は、例えば、例えばヒト細胞調製物由来の定常領域と組み合せて、非ヒト宿主有機体から容易に入手可能なハイブリドーマまたはB細胞を用いて、可変領域を現在公知の供給源から簡便に得ることができることである。可変領域は調製の容易さという利点を有し、そして特異性はその供給源によって影響されないが、定常領域はヒトであり、非ヒト供給源由来の定常領域よりも、抗体が注射された場合にヒト患者から免疫応答を誘発する可能性が低い。しかし、その定義はこの特定の例に制限されない。
抗体またはポリペプチドに対して「特異的に結合する」または「優先的に結合する」(本明細書中で交換可能に使用される)エピトープは、当該分野においてよく理解された用語であり、そしてそのような特異的または優先的結合を決定する方法も、当該分野で周知である。分子が、特定の細胞または物質と、別の細胞または物質とよりも、より頻繁に、より迅速に、より長い時間および/またはより高い親和性で反応または結合する場合、それは「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体が、他の物質に結合するよりも、より高い親和性で、アビディティで、より容易に、および/またはより長い時間結合するなら、それは標的に「特異的に結合」または「優先的に結合」する。例えば、CD46エピトープに特異的にまたは優先的に結合する抗体は、それが他のCD46エピトープまたは非CD46エピトープに結合するよりも、より高い親和性で、アビディティで、より容易に、および/またはより長い時間このCD46エピトープに結合する抗体である。この定義を読むことによって、例えば、1番目の標的に特異的にまたは優先的に結合する抗体(または部分またはエピトープ)は、2番目の標的に特異的にまたは優先的に結合し得る、またはしないかもしれないことも理解される。そうであるので、「特異的結合」または「優先的結合」は、独占的な結合を(それを含み得るが)必要とするわけではない。一般的に、結合に対する言及は優先的結合を意味するが、必ずしもそうではない。
本明細書中で使用される場合、「mPA7」、「抗体mPA7」および「モノクローナル抗体mPA7」という用語は、ATCC No.PTA−3706の託番号(2001年10月3日にアメリカンタイプカルチャーコレクションにおいて受託)を有する宿主細胞またはその子孫によって産生された免疫グロブリンを指して交換可能に使用される。mPA7の産生および特徴付けは、実施例で記載する。CD46に結合する能力;ジスルフィド結合依存性であるCD46エピトープに優先的に結合する能力;前立腺癌細胞のようなCD46を発現する癌細胞の成長を阻害する能力;CD46を発現する癌細胞を有する個体において転移の発現を遅らせる能力;毒素または放射活性化合物のような治療薬を、CD46を発現する癌細胞に伝達する能力;前立腺、卵巣、乳房、または結腸癌細胞のような、CD46を発現する癌細胞内に治療薬を伝達する能力;血管内皮細胞(静脈内皮細胞のような)の成長および/または増殖を阻害する能力;CD46を発現する増殖中の血管内皮細胞(静脈内皮細胞のような)内に治療薬を伝達する能力;血管新生を阻害する能力を含むがこれに限らない、異なる生物学的機能がmPA7に関連する。本明細書中で議論されるように、本発明のポリペプチド(抗体を含む)は、いずれか1つまたはそれ以上のこれらの特徴を有し得る。
「mPA7と等価な抗体」または「mPA7と等価なポリペプチド」は、mPA7と関連する1つまたはそれ以上の生物学的機能を有する抗体またはポリペプチドを指す。
「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書中で交換可能に使用されて、あらゆる長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは直線状または分岐し得、それは修飾アミノ酸を含み得、そしてこれは、非アミノ酸によって中断され得る。その用語はまた、自然にまたは介入によって、例えばジスルフィド結合形成、糖鎖付加、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識構成成分との結合のような、あらゆる他の操作または修飾によって修飾されたアミノ酸ポリマーを含む。例えば、1つまたはそれ以上のアミノ酸アナログ(例えば非天然アミノ酸等を含む)および当該分野で公知の他の修飾を含むポリペプチドもその定義に含まれる。本発明のポリペプチドは抗体に基づくので、そのポリペプチドは一本鎖または結合した鎖として存在し得ることが理解される。
抗体の「可変領域」は、単独または組み合せて、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。
抗体の「定常領域」は、単独または組み合せて、抗体軽鎖の定常領域または抗体重鎖の定常領域を指す。
本明細書中で使用される場合、「実質的に純粋」は、少なくとも50%の純度(すなわち混入物を含まない)、より好ましくは少なくとも90%の純度、より好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも98%の純度、より好ましくは少なくとも99%の純度である物質を指す。
「宿主細胞」は、ポリヌクレオチド挿入物を組み込むためのベクターのレシピエントであり得る、またはそうであった個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、そしてその子孫は、天然、偶然の、または故意の変異に起因して、必ずしももとの親細胞と完全に同一でないかもしれない(形態学において、またはゲノムDNA全量において)。宿主細胞は、インビボで本発明のポリヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞を含む。
「有効な量」の薬剤、化合物、または医薬品組成物は、腫瘍サイズの減少、癌細胞成長の遅延、疾患によって生ずる1つまたはそれ以上の症状の減少、疾患に罹患している人々の生活の質の向上、疾患を治療するために必要な他の医薬品の投与量の減少、標的化および/または内在化によるような別の医薬品の効果の増強、疾患の進行の遅延、および/または患者の生存の延長のような、臨床的結果を含む、有利なまたは望ましい結果を得るために十分な量である。有効な量を、1回またはそれ以上の投与で投与し得る。本発明の目的のために、有効な量の薬剤、化合物、または医薬品組成物は、直接的または間接的のいずれかで、新生物細胞の増殖を抑制する(または破壊する)、および/または新生物細胞の転移の発現、または成長を抑制および/または遅延するのに十分な量である。癌臨床の文脈において理解されるように、有効な量の薬剤、化合物、または医薬品組成物は、別の薬剤、化合物、または医薬品組成物と組み合せて達成されても達成されなくてもよい。従って、「有効な量」を、1つまたはそれ以上の治療薬を投与する文脈において考慮し得、そしてもし1つまたはそれ以上の他の薬剤と組み合せて、望ましい結果を達成し得る、または達成するなら、単一の薬剤は有効な量で与えられると考え得る。
本明細書中で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、臨床的結果を含み、そして好ましくはそうである、有益なまたは望ましい結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益なまたは望ましい臨床的結果は、1つまたはそれ以上の以下のものを含むがこれに限らない:新生物細胞の増殖を抑制する(または破壊する)、癌において見出される新生物細胞の転移を抑制する、腫瘍サイズを減少させる、疾患によって生ずる症状を減少させる、疾患に罹患している人々の生活の質を向上させる、疾患を治療するために必要な他の医薬品の投与量を減少させる、疾患の進行を遅らせる、および/または患者の生存を延長する。
本明細書中で使用される場合、「転移の発現を遅らせる」は、転移の発現を延期する(defer)、妨げる、遅くする、遅らせる、安定化させる、および/または延期する(postpone)ことを意味する。この遅延は、その癌の病歴および/または治療される個体によって、様々な時間の長さであり得る。当業者に明らかであるように、十分なまたは有意な遅延は、事実上、予防を含み得、ここでその個体は転移を発現しない。
「生物学的試料」は、個体から得られた様々な試料の型を含み、そして診断またはモニタリングアッセイにおいて使用し得る。その定義は、血液および生物学的起源の他の液体試料、生検標本もしくは組織培養またはそれ由来の細胞、およびその子孫のような固体組織試料を含む。その定義はまた、試薬による処理、可溶化、またはタンパク質もしくはポリヌクレオチドのようなある成分について濃縮、または薄片に切る目的のために半固体または固体マトリックス中への包埋のような、その獲得の後いずれかの方法で操作された試料も含む。「生物学的試料」という用語は、臨床的試料を含み、そして培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、生物学的液体、および組織試料も含む。
「個体」は、脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトである。哺乳類は、農場動物、スポーツ動物、ペット(ネコ、イヌ、ウマのような)、霊長類、マウスおよびラットを含むがこれに限らない。
「毒素」または「細胞毒素」は、細胞に有害な反応を引き起こすあらゆる物質を指す。例えば、癌細胞に向けられた毒素は、癌細胞に対して有害な(adverse)、時々有害(deleterious)な効果を有する。
本明細書中で使用される場合、「薬剤」は、生物学的、医薬品、または化学的化合物を指す。制限しない例は、単純なまたは複雑な有機分子または無機分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体誘導体、または抗体断片を含む。様々な化合物、例えば低分子およびオリゴマー(例えばオリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチド)、ならびに様々なコア構造に基づいた合成有機化合物を合成し得る。それに加えて、植物または動物抽出物等のような、様々な天然の供給源が、スクリーニングのための化合物を提供し得る。
本明細書中で使用される場合、「治療薬」は、抗腫瘍薬、毒素または細胞毒素、細胞毒薬剤、および放射活性薬剤を含む、治療(ここでは一般的に癌の文脈において)に有用なあらゆる薬剤を意味する。
「活性免疫応答」は、アジュバントありまたは無しで、静脈内、筋肉内、皮下または他の投与方式による、宿主哺乳類に対する抗原またはその抗原をコードするDNAベクターの投与に応答した、インビボにおけるその抗原に対する抗体の発現、および進行中のその産生を指す。活性免疫応答はまた、細胞性免疫応答のような、免疫応答の別の局面も含み得る。
(組成物および組成物の作製方法)
本発明は、CD46(膜補助因子タンパク質、またはMCPとしても知られる)に結合する抗体、ポリペプチドおよびタンパク質、ならびにCD46に結合する抗体、ポリペプチドおよびタンパク質をコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む、医薬品組成物を含む組成物を含む。本明細書中で使用される場合、組成物は、CD46に結合する1つまたはそれ以上の抗体、ポリペプチドおよび/またはタンパク質、ならびに/あるいはCD46に結合する1つまたはそれ以上の抗体、ポリペプチドおよびタンパク質をコードする配列を含む1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドを含む。これらの組成物はさらに、当該分野で周知の、緩衝液を含む薬剤学的に受容可能な賦形剤のような適当な賦形剤を含み得る。
本発明の抗体、ポリペプチドおよびタンパク質はさらに、以下の基準のいずれか(1つまたはそれ以上の)によって同定および特徴付けされる:(a)CD46に結合する能力;(b)ジスルフィド結合依存性である、mPA7が選択的に結合するCD46エピトープに選択的に結合する能力;(c)胸部、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓癌細胞のような癌細胞上のCD46に結合する能力;(d)前立腺、肺、胸部、卵巣、膵臓、結腸、または腎臓癌細胞のような、CD46を発現する癌細胞の成長および/または増殖を阻害する能力;(e)CD46を発現する癌細胞を有する個体において転移の発現を遅らせる能力;(f)毒素または放射活性化合物のような治療薬を、CD46を発現する癌細胞へ伝達する能力;(g)前立腺、卵巣、胸部、または結腸の癌細胞のような、CD46を発現する癌細胞中へ治療薬を伝達する能力;(h)血管内皮細胞(静脈内皮細胞のような)の成長および/または増殖を阻害する能力;(i)CD46を発現する増殖している血管内皮細胞(静脈内皮細胞のような)中へ治療薬を伝達する能力;(j)血管新生を阻害する能力。
いくつかの実施態様において、本発明の抗体は、ATCC番号PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫によって産生される抗体mPA7である。本発明はまた、mPA7の様々な処方および等価な抗体またはポリペプチド断片(例えばFab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fc、等)、キメラ抗体、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、および必要な特異性の抗原(Ag−PA7;CD46)認識部位を含む、mPA7のあらゆる他の修飾された構成も含む。本発明はまた、mPA7の1つまたはそれ以上の生物学的特徴を示すヒト抗体も提供する。mPA7の等価な抗体(ヒト化抗体およびヒト抗体を含む)、mPA7のポリペプチド断片、およびこれらの断片のいずれかを含むポリペプチドは、上記で記載した10個の基準のいずれか(1つまたはそれ以上の)によって同定および特徴付けされる。
いくつかの実施態様において、本発明のCD46に結合する抗体、ポリペプチドおよびタンパク質は、抗体mPA7が選択的に結合するのと同じCD46のエピトープに選択的に結合する抗体、ポリペプチドおよびタンパク質である。
よって、本発明は、以下のもののいずれかを含む、以下のもののいずれか(または医薬品組成物を含む組成物)を提供する:(a)ATCC番号PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫によって産生される抗体mPA7;(b)抗体mPA7のヒト化形態;(c)抗体mPA7の1つまたはそれ以上の軽鎖および/または重鎖可変領域を含む抗体;(d)抗体mPA7の重鎖および軽鎖の可変領域に相同的なまたはそれ由来の可変領域、ならびにヒト抗体の重鎖および軽鎖の定常領域に相同的なまたはそれ由来の定常領域を含むキメラ抗体;(e)mPA7の1つまたはそれ以上の軽鎖および/または重鎖CDR(少なくとも1、2、3、4、5、または6)を含む抗体;(f)mPA7の重鎖および/または軽鎖を含む抗体;(g)mPA7に等価なヒト抗体。抗体のヒト化形態は、mPA7、またはATCC番号PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞によって産生される抗体と同一のCDRを有し得る、または有さないかもしれない。CDR領域の決定は、当該分野の技術の範囲内である。いくつかの実施態様において、本発明は、mPA7、またはATCC番号PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞によって産生される抗体の、少なくとも1つのCDR、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つのCDRと実質的に相同的な(または、いくつかの実施態様において、mPA7の6つのCDR全てと実質的に相同的な、またはmPA7由来の)、少なくとも1つのCDRを含む抗体を提供する。他の実施態様は、mPA7の少なくとも2、3、4、5、または6つのCDRと実質的に相同的な、あるいはmPA7、またはATCC番号PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞によって産生される抗体由来の、少なくとも2、3、4、5、または6つのCDRを有する抗体を含む。本発明の目的のために、結合特異性および/または全体の活性(それは癌細胞の成長および/または増殖の抑制、癌細胞におけるアポトーシス細胞死の誘導、転移の発現の遅延、および/または軽減するための治療のためであり得る)は、一般的に保持されるが、活性の程度はmPA7と比較して変化し得る(より高くまたは低くあり得る)ことが理解される。本発明はまた、これらの抗体のいずれかを作製する方法も提供する。抗体の作製方法は、当該分野で公知であり、そして本明細書中で記載される。
本発明はまた、mPA7のような本発明の抗体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。いくつかの実施態様において、そのポリペプチドは抗体mPA7の1つまたはそれ以上の軽鎖および/または重鎖可変領域を含む。いくつかの実施態様において、そのポリペプチドは、mPA7の1つまたはそれ以上の軽鎖および/または重鎖CDRを含む。いくつかの実施態様において、そのポリペプチドはmPA7の軽鎖および/または重鎖の3つのCDRを含む。いくつかの実施態様において、そのポリペプチドは、以下のもののいずれかを有するmPA7のアミノ酸配列を含む:mPA7配列の少なくとも5つの連続するアミノ酸、少なくとも8つの連続するアミノ酸、少なくとも約10個の連続するアミノ酸、少なくとも約15個の連続するアミノ酸、少なくとも約20個の連続するアミノ酸、少なくとも約25個の連続するアミノ酸、少なくとも約30個の連続するアミノ酸、ここで少なくとも3つのアミノ酸はmPA7の可変領域由来である。1つの実施態様において、可変領域は、mPA7の軽鎖由来である。別の実施態様において、可変領域は、mPA7の重鎖由来である。別の実施態様において、5つ(またはそれ以上)の連続するアミノ酸は、mPA7の相補性決定領域(CDR)由来である。
抗体は、ポリクローナル(例えば、均一でない)またはモノクローナルであり得る。モノクローナル抗体の作製方法は、当該分野で公知である。採用し得る1つの方法は、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495−497(1975)の方法またはその改変である。一般的に、マウスまたはラットを免疫のために使用するが、他の動物も使用し得る。免疫源は、一次細胞、培養細胞系統、癌細胞、核酸、組織、またはペプチドであり得るが、これに限らない。1つの実施態様において、ヒト胎児膵臓上皮細胞(hPED)を使用する。ヒト膵臓上皮前駆細胞(下に「hPED」として知られる)の単離および培養方法は、実施例の節に詳述される。免疫源のために使用される細胞、例えばhPED細胞を、それを免疫源として使用する前に、ある期間(少なくとも24時間)培養し得る。細胞(例えばhPED細胞)を、それ自身で、またはRibiのような非変性アジュバントと組み合せて、免疫源として使用し得る。一般的に、細胞(例えばhPED細胞)を、免疫源として使用する場合に、インタクトで、そして好ましくは生存能力があるままに保たなければならない。インタクトな細胞は、破壊された細胞よりも、抗原がよりよく検出されることを可能にし得る。変性されているかまたはきついアジュバント、例えばフロイントアジュバントの使用は、hPED細胞を破壊し得、従ってすすめられない。別の実施態様において、全長CD46またはCD46のあらゆる断片、またはCD46発現癌細胞を免疫源として使用する。免疫源を、隔週、または毎週のような周期的な間隔で、複数回投与し得るか、または動物における(例えば組織組換え体における)生存能力を維持するような方法で投与し得る。
抗体応答をモニターするために、少量の生物学的試料(例えば血液)を動物から得て、そして免疫源に対する抗体力価について試験し得る。脾臓および/またはいくつかの大きなリンパ節を除去し、そして単一細胞に分離し得る。もし望ましいなら、細胞懸濁液を抗原でコートしたプレートまたはウェルへ加えることによって、(非特異的な接着細胞を除去した後に)脾臓細胞をスクリーニングし得る。抗原に特異的な膜結合免疫グロブリンを発現するB細胞は、プレートに結合し、そして懸濁液の残りと共に洗い流されない。得られたB細胞、または全ての分離脾臓細胞を、次いで骨髄腫細胞(例えばX63−Ag8.653およびSalk Institute、Cell Distribution Center、San Diego、CAからのもの)と融合し得る。ポリエチレングリコール(PEG)を使用して、脾臓またはリンパ球と骨髄腫細胞を融合させてハイブリドーマを形成し得る。次いでハイブリドーマを選択培地(例えば、ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン培地、さもなければ「HAT培地」として知られる)で培養する。得られたハイブリドーマを次いで制限希釈によってプレートし、そしてFACSまたは免疫組織化学(IHCスクリーニング)を用いて、免疫源(例えば、hPED細胞の表面、癌細胞系統の表面、胎児卵巣切片、CD46等)に特異的に結合する抗体の産生についてアッセイする。選択されたモノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを次いでインビトロ(例えば組織培養ボトルまたは中空線維反応器において)またはインビボ(例えばマウスの腹水として)のいずれかで培養する。実施例が、Ag−PA7(CD46)に結合する抗体mPA7を得る、スクリーニングする、そして特徴付けするために利用される方法をさらに詳述する。抗体mPA7を産生する状況下でハイブリドーマを培養する方法、および抗体を精製する方法は、当該分野で公知であり、そして実施例2および3でさらに詳述される。
上記で記載したモノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを、抗体mPA7が選択的に結合するCD46上のエピトープに選択的に結合する抗体の産生について選択し得る。そのような抗体を選択する方法は、当該分野で公知である。例えば、結合競合アッセイを使用して、抗体がmPA7と同じエピトープに結合するかどうか決定し得る。CD46への結合に対する、抗体のmPA7との競合は、その抗体が、mPA7が結合するエピトープへ選択的に結合することを示す。結合競合アッセイは、当該分野で周知である。抗体が、mPA7が選択的に結合するエピトープに選択的に結合することの別の徴候は、その抗体が結合するエピトープがまたジスルフィド結合依存性であることである。抗体mPA7が選択的に結合するCD46上のエピトープに選択的に結合するポリペプチドをまた、同様の方法を用いて試験および同定し得る。
細胞融合技術の別の選択肢として、EBV不死化B細胞を用いて、本発明のモノクローナル抗体を産生し得る。ハイブリドーマを、もし望ましいなら増殖およびサブクローニングし、そして上清を伝統的なアッセイ手順(例えばFACS、IHC、ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ等)によって、抗免疫源活性についてアッセイする。
別の選択肢において、抗体を組換え的に作製し得る。組換え抗体を作製する方法は、当該分野で周知である。モノクローナル抗体mPA7およびあらゆる他の等価な抗体を、配列決定し、そしてインビトロで組換え的に産生し得る。1つの実施態様において、mPA7を配列決定し、そしてポリヌクレオチド配列を次いで発現または増殖のためにベクターにクローニングする。目的の抗体をコードする配列を、宿主細胞中のベクターに維持し得、そして宿主細胞を次いで増殖およびさらなる使用のために凍結し得る。別の選択肢において、抗体を、ファージディスプレイ技術によって組換え的に作製し得る。例えば、米国特許第5,565,332;5,580,717;5,733,743;6,265,150号、およびWinterら、Annu.Rev.Immunol.(1994)12:433−455を参照のこと。
別の選択肢において、抗体mPA7または目的のあらゆる他の抗体もしくはタンパク質を、当業者に周知である、エドマン分解による配列決定に供し得る。質量分析またはエドマン分解から産生されたペプチド情報を使用して、目的のタンパク質をクローニングするために使用するプローブまたはプライマーを設計し得る。
目的のタンパク質をクローニングする代替方法は、目的の抗体またはタンパク質を発現する細胞について、CD46を用いた「パンニング」によるものである。「パンニング」手順は、目的の抗体またはタンパク質を発現する組織または細胞からcDNAライブラリーを得て、2番目の細胞型においてcDNAを過剰発現し、そしてCD46への特異的結合についてのこの2番目の細胞型のトランスフェクト細胞をスクリーニングすることによって行なわれる。「パンニング」による、細胞表面タンパク質をコードする哺乳類遺伝子のクローニングで使用される方法の詳細な記載は、当該分野で見出し得る。例えば、Aruffo,A.およびSeed,B.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84、8573−8577(1987)およびStephan,J.ら、Endocrinology 140:5841−5854(1999)を参照のこと。
当該分野における標準的な方法によって、特定の細胞型からのmRNAを逆転写することによって、cDNAを得ることができる。具体的には、Sambrookら、前出において述べられた手順によって様々な細胞溶解酵素または化学的溶液を用いてmRNAを単離し得るか、あるいは製造会社(例えばQiagen、Invitrogen、Promega)によって提供された付随する指示に従って、市販の核酸結合樹脂によって抽出し得る。合成cDNAを次いで発現ベクターに導入し、2番目の型の細胞において目的の抗体またはタンパク質を産生する。発現ベクターは、エピソームとして、または染色体DNAの一体化した一部分としてのいずれかで、宿主細胞において複製可能でなければならないことを意味する。適当な発現ベクターは、プラスミド、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、およびコスミドを含むウイルスベクターを含むがこれに限らない。
目的のポリヌクレオチドを含むベクターを、エレクトロポレーション、塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストランまたは他の物質を採用するトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;および感染(例えばベクターがワクシニアウイルスのような感染性因子の場合)を含む、多くの適当な手段のいずれかによって、宿主細胞に導入し得る。導入ベクターまたはポリヌクレオチドの選択は、しばしば宿主細胞の特徴に依存する。
異種DNAを過剰発現し得るあらゆる宿主細胞を、目的の抗体、ポリペプチドまたはタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的のために使用し得る。哺乳類宿主細胞の制限しない例は、COS、HeLa、およびCHO細胞を含むがこれに限らない。好ましくは、宿主細胞は、もし存在するなら、宿主細胞において対応する内因性の目的の抗体またはタンパク質のものより、約5倍高い、より好ましくは10倍高い、さらにより好ましくは20倍高いレベルでcDNAを発現する。CD46への特異的結合についての宿主細胞のスクリーニングは、イムノアッセイまたはFACSによって行なわれる。目的の抗体またはタンパク質を過剰発現する細胞を同定し得る。
本発明は、mPA7のような本発明の抗体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドを、当該分野で公知の手順によって作製し得る。そのポリペプチドを、抗体のタンパク質分解または他の分解によって、上記のような組換え方法によって(すなわち単一または融合ポリペプチド)、あるいは化学的合成によって産生し得る。抗体のポリペプチド、特に約50アミノ酸までの短いポリペプチドは、化学的合成によって簡便に作製される。化学的合成の方法は、当該分野で公知であり、そして市販されている。例えば、mPA7ポリペプチドを、固相法を採用する自動化ポリペプチド合成機によって産生し得る。
本発明はまた、mPA7のような本発明の抗体の、単鎖可変領域断片(「scFv」)を含む。単鎖可変領域断片を、短い連結ペプチドを用いて、軽鎖および/または重鎖可変領域を連結することによって作成する。Birdら(1988)Science 242:423−426。連結ペプチドの1つの例は、(GGGGS)(配列番号第1番)であり、これは、1つの可変領域のカルボキシ末端および他方の可変領域のアミノ末端間の約3.5nmを架橋する。他の配列のリンカーが設計され、そして使用されている。Birdら(1988)。リンカーを次に、薬剤の結合または固体支持体への結合のような、さらなる機能のために修飾し得る。単鎖異型を、組換え的または合成的のいずれかで産生し得る。scFVの合成的産生のために、自動化合成機を使用し得る。scFvの組換え産生のために、scFvをコードするポリヌクレオチドを含む適切なプラスミドを、適切な宿主細胞、酵母、植物、昆虫もしくは哺乳類細胞のような真核細胞、またはE.coliのような原核細胞のいずれかに導入し得る。関心のあるscFvをコードするポリヌクレオチドを、ポリヌクレオチドのライゲーションのような日常的な操作によって作成し得る。できたscFvを、当該分野で公知の標準的なタンパク質精製技術を用いて単離し得る。
本発明は、その性質に有意な影響を与えないmPA7の機能的に等価な抗体およびポリペプチド、ならびに増強されたまたは減少した活性を有する変異体を含む、抗体mPA7のような抗体への修飾を含む。ポリペプチドの修飾は、当該分野において日常的な実施であり、そして本明細書中で詳細に記載する必要はない。修飾ポリペプチドの例は、アミノ酸残基の保存的置換を有するポリペプチド、機能的活性を有意に有害に変化させないアミノ酸の1つまたはそれ以上の欠失または付加、または化学的アナログの使用を含む。お互いに保存的に置換し得るアミノ酸残基は、グリシン/アラニン;バリン/イソロイシン/ロイシン;アスパラギン/グルタミン;アスパラギン酸/グルタミン酸;セリン/スレオニン;リジン/アルギニン;およびフェニルアラニン/チロシンを含むがこれに限らない。これらのポリペプチドはまた、糖鎖付加した、および糖鎖付加していないポリペプチド、ならびに例えば異なる糖による糖鎖付加、アセチル化、およびリン酸化のような、他の翻訳後修飾を有するポリペプチドを含む。好ましくは、アミノ酸置換は保存的である、すなわち置換アミノ酸はもとのアミノ酸と同様の化学的性質を有する。そのような保存的置換は、当該分野で公知であり、そして例が上記で提供される。アミノ酸修飾は、1つまたはそれ以上のアミノ酸の変化または修飾から、可変領域のような領域の完全な再設計までの範囲であり得る。可変領域における変化は、結合親和性および/または特異性を変化させ得る。修飾の他の方法は、酵素的手段、酸化的置換およびキレート化を含むがこれに限らない、当該分野で公知の結合技術の使用を含む。例えば、修飾を、ラジオイムノアッセイのための放射活性部分の結合のような、イムノアッセイのための標識の結合のために使用し得る。修飾mPA7ポリペプチドを、当該分野で確立された手順を用いて作成し、そして当該分野で公知の標準的なアッセイを用いてスクリーニングし得、それらのいくつかを下記および実施例で記載する。
本発明はまた、mPA7のような本発明の抗体由来の、1つまたはそれ以上の断片または領域を含む融合タンパク質を含む。1つの実施態様において、軽鎖可変領域の少なくとも10個の連続するアミノ酸および重鎖可変領域の少なくとも10個のアミノ酸を含む融合ポリペプチドが提供される。別の実施態様において、融合ポリペプチドは、異種由来免疫グロブリン定常領域を含む。別の実施態様において、融合ポリペプチドはmPA7の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含む。本発明の目的のために、mPA7融合タンパク質は、1つまたはそれ以上のmPA7ポリペプチド、および天然分子においては結合していない別のアミノ酸配列、例えば異種由来配列または別の領域由来の同種配列を含む。mPA7ポリペプチドを、当該分野で公知の方法によって、例えば合成的にまたは組換え的に作成し得る。
別の実施態様において、重鎖および/または軽鎖が融合タンパク質である、mPA7キメラが提供される。ある実施態様において、鎖の定常ドメインは1つの特定の種および/または種類由来であり、そして可変ドメインは異なる種および/または種類由来である。例えば、キメラ抗体(ある実施態様において)は、定常領域はヒト起源由来であり、そして可変領域はmPA7と相同的またはそれ由来(すなわちマウス)であるものである。(ある実施態様において)CDR領域がmPA7アミノ酸配列を含み、一方フレームワーク領域はヒト配列由来である、ヒト化可変領域を有する抗体も、本発明において具体化される。ヒト化抗体の他の形式が、当該分野で公知であり、そして本明細書中で記載される。キメラの機能的断片もまた具体化される。例は、ヒトヒンジ領域、ヒトの最初の定常領域、ヒトκ軽鎖または重鎖定常領域、ならびにmPA7由来の軽鎖および/または重鎖の可変領域を含む、ヒト化Fab断片である。ヒト化mPA7 Fab断片を次に、Fabダイマーを形成するために作成し得る。典型的には、本発明のmPA7融合タンパク質およびmPA7キメラを、本明細書中で記載した組換え方法を用いて、それらをコードするポリヌクレオチドを発現するものを調製することによって作成するが、それらを例えば化学的合成を含む、当該分野で公知の他の手段によっても調製し得る。例えば、米国特許第5,807,715号;同第4,816,567号;および同第6,331,415号を参照のこと。
本発明はまた、ヒト化抗体を含む。mPA7または他の等価な抗体のような抗体のポリヌクレオチド配列を、遺伝的操作のために使用して、「ヒト化」抗体を産生し得るか、または抗体の親和性または他の特徴を改良し得る。抗体のヒト化における一般的な原理は、抗体の抗原結合部分の基本的な配列を保持し、一方で非ヒトの抗体の残りをヒト抗体配列と交換することを含む。モノクローナル抗体をヒト化するために、4つの一般的な工程が存在する。これらは、(1)開始抗体軽鎖および重鎖可変ドメインのヌクレオチド配列および予想アミノ酸配列を決定する工程、(2)ヒト化抗体を設計する工程、すなわちヒト化過程の間にどの抗体フレームワーク領域を使用するか決定する工程、(3)実際のヒト化方法論/技術、および(4)ヒト化抗体のトランスフェクションおよび発現、である。例えば、抗体が臨床試験およびヒトにおける治療において使用されるなら、免疫応答を避けるために、定常領域を、ヒト定常領域により似せるために遺伝子操作し得る。例えば、米国特許第5,997,867号および同第5,866,692号を参照のこと。
ヒト定常ドメインに融合した、げっ歯類V領域およびその関連する相補性決定領域(CDR)を有するキメラ抗体を含む、非ヒト免疫グロブリン由来の抗原結合部位を含む、多くの「ヒト化」抗体分子が記載されている。例えば、Winterら、Nature 349:293−299(1991);Lobuglioら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:4220−4224(1989);Shawら、J.Immunol.138:4534−4538(1987);およびBrownら、Cancer Res.47:3577−3583(1987)を参照のこと。他の参考文献が、適切なヒト抗体定常ドメインとの融合の前に、ヒト支持フレームワーク領域(FR)に移植されたげっ歯類CDRを記載する。例えば、Riechmannら、Nature 332:323−327(1988);Verhoeyenら、Science 239:1534−1536(1988);およびJonesら、Nature 321:522−525(1986)を参照のこと。別の参考文献が、組換え的に化粧張りした(veneered)げっ歯類フレームワーク領域によって支持されたげっ歯類CDRを記載する。例えば、欧州特許公開第519,596号を参照のこと。これらの「ヒト化」分子を、ヒトレシピエントにおいてそれら部分の治療的適用の期間および有効性を制限する、げっ歯類抗ヒト抗体分子に対する望ましくない免疫学的反応を最小限にするために設計し得る。抗体をヒト化する利用され得る他の方法が、Daughertyら、Nucl.Acids Res.19:2471−2476(1991)によって、および米国特許第6,180,377号;同第6,054,297号;同第5,997,867号;同第5,866,692号;同第6,210,671号;同第6,350,861号、およびPCT WO01/27160において開示される。
さらに別の選択肢において、特定のヒト免疫グロブリンタンパク質を発現するように遺伝子操作された、市販で入手可能なマウスを用いることによって、完全なヒト抗体を得ることができる。より望ましい(例えば、完全なヒト抗体)またはより強い免疫応答を産生するよう設計されたトランスジェニック動物も、ヒト化抗体またはヒト抗体を産生するために使用し得る。そのような技術の例は、Abgenix,Inc.(Fremont、CA)のXenomouseTMおよびMedarex,Inc.(Princeton、NJ)のHuMAb−Mouse(登録商標)およびTC MouseTMである。
本発明はまた、放射活性分子、毒素(例えばカリーチアマイシン)、または化学療法分子のような治療薬と、あるいは化学療法化合物を含むリポソームまたは他の小胞に結合した(例えば連結した)、mPA7またはmPA7と等価な抗体もしくはポリペプチドを含む組成物を提供する。その組成物は、個体に投与された場合に、これらの薬剤を、抗体またはポリペプチドによって認識されるCD46を発現する癌細胞に標的化し得、そして従って、例えば癌細胞を除去、そして/または癌細胞の増殖および/もしくは成長を抑制し得る。単純さのために、これらの方法は、本明細書中で記載されたCD46結合実施態様のいずれにも適用されるという理解で、mPA7または抗体へ一般的に言及がなされる。これらの結合は、一般的に本明細書中で記載されたようなこれらの成分の連結を指す。その連結(これは一般的に、これらの成分を、少なくとも投与の間、最も近い関係に固定することである)は、下記で記載するような多数の方法で達成し得る。
本発明の放射活性分子は、癌細胞を破壊するのに有効なあらゆる放射性同位体を含む。例は、コバルト−60およびX線を含むがこれに限らない。さらに、典型的には放射性同位体の混合物を表す、ウラン、ラジウム、およびトリウムのような、天然に存在する放射活性元素が、放射活性分子の適切な例である。
本発明の毒素は、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトザントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシンおよびそのアナログもしくはホモログを含むがこれらに限らない。本発明の抗体は、それらが結合する癌細胞内に内在化され得、そして従って、治療的適用のために、例えばその有害な活性のために内在化される必要がある毒素を細胞内に伝達するのに、特に有用である。そのような毒素の例は、サポリン(saporin)、カリーチアマイシン、アウリスタチン(auristatin)、およびメイタンシノイド(maytansinoid)を含むがこれに限らない。
本発明の抗体またはポリペプチドを、放射活性分子、毒素、または他の治療薬に、あるいは治療薬を含むリポソームまたは他の小胞に、共有結合的にまたは非共有結合的に、直接的にまたは間接的に、結合(連結)し得る。抗体がその標的CD46に結合し得る限り、抗体のあらゆる位置において、その抗体を放射活性分子、毒素、または治療的分子と連結し得る。
毒素または治療薬を、直接的または間接的(例えばリンカー基によって、またはあるいは、米国特許第5,552,391号で記載されたようなプラットホーム分子のような、適切な結合部位を有する連結分子によって)のいずれかで、適切なモノクローナル抗体に結合(例えば共有結合)し得る。本発明の毒素および治療薬を、当該分野で公知の方法を用いて、特定の標的化タンパク質に直接的に結合し得る。例えば、それぞれがもう1つと反応し得る置換基を有している場合、薬剤と抗体との間の直接反応が可能である。例えば、1つにおけるアミノ基またはメルカプト基のような求核性基は、もう1つにおける無水物または酸ハロゲン化物のようなカルボニルを含む基、または良好な脱離基(例えばハロゲン化物)を含むアルキル基と反応することが可能であり得る。
抗体またはポリペプチドはまた、マイクロキャリアによって治療薬と連結し得る。マイクロキャリアは、水に不溶性であり、そして大きさが約150、120または100μmより小さく、より通常には約50〜60μmより小さく、好ましくは約10、5、2.5、2または1.5μmより小さい、生物分解性の、または非生物分解性の粒子を指す。マイクロキャリアは、約1μmより小さい、好ましくは約500nmより小さいサイズを有するマイクロキャリアである、「ナノキャリア」を含む。そのような粒子は当該分野で公知である。固相マイクロキャリアは、生体適合性の天然に存在するポリマー、合成ポリマーまたは合成コポリマーから形成された粒子であり得、それはアガロースまたは架橋アガロース、および当該分野で公知の他の生物分解性材料から形成されたマイクロキャリアを含み得る、または除外し得る。生物分解性の固相マイクロキャリアを、哺乳類の生理学的条件下で分解性(例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)およびそのコポリマー)または侵食性(例えば、3,9−ジエチリデン−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(DETOSU)のようなポリ(オルトエステル)、セバシン酸のポリ(無水物)のようなポリ(無水物))であるポリマーから形成し得る。マイクロキャリアはまた、その液相マイクロキャリアが生物分解性なら、リポソーム、抗原無しのiscom(免疫刺激複合体であり、これはコレステロール、およびリン脂質、アジュバント活性サポニンの安定な複合体である)、水中油型または油中水型エマルションで見出される小滴またはミセルのような液相(例えば油または脂質に基づく)であり得る。生物分解性液相マイクロキャリアは、典型的には生物分解性油を含み、それらの多くは当該分野で公知であり、スクアレンおよび植物油を含む。マイクロキャリアは典型的には形が球形であるが、球形からはずれたマイクロキャリアも許容可能である(例えば、楕円、棒状等)。その不溶性の性質(水に関して)のために、マイクロキャリアは、水および水に基づく(水性)溶液からろ過可能である。
本発明の抗体またはポリペプチド結合物は、毒性薬剤または治療薬と結合し得る基および抗体と結合し得る基を両方含む、二官能性リンカーを含み得る。リンカーは、結合能力の干渉を避けるために、薬剤から抗体まで間隔をおくスペーサーとして機能し得る。リンカーは、切断可能または切断不可能であり得る。リンカーはまた、薬剤または抗体上の置換基の化学的反応性を増加させるために、そして従って結合効率を増加させるために作用し得る。化学的反応性の増加はまた、そうでなければ可能でない、薬剤、または薬剤上の官能基の使用を促進し得る。二官能性リンカーを、当該分野で公知の手段によって抗体に結合し得る。例えば、N−ヒドロキシスクシインイミドエステルのような、活性なエステル部分を含むリンカーを、アミド結合による抗体のリジン残基への結合に使用し得る。別の例において、求核性アミン残基またはヒドラジン残基を含むリンカーを、抗体炭水化物残基の解糖的酸化によって産生されるアルデヒド基に結合し得る。これらの直接的な結合方法に加えて、リンカーを、アミノデキストランのような中間のキャリアによって、抗体に間接的に結合し得る。これらの実施態様において、修飾された結合は、リジン、炭水化物、または中間のキャリアのいずれかを介する。1つの実施態様において、リンカーは、タンパク質の遊離チオール残基に、部位選択的に結合する。タンパク質のチオール基への選択的結合に適切な部分は、当該分野で周知である。例は、ジスルフィド化合物、α−ハロカルボニルおよびα−ハロカルボキシル化合物、およびマレイミドを含む。求核性アミン官能基が、α−ハロカルボニルまたはカルボキシル基として同じ分子に存在する場合、アミンの分子内アルキル化によって環状化が起こる可能性が存在する。この問題を防止する方法は、当業者に周知であり、例えば望ましくない環状化を立体化学的に不利にする、アリル基またはトランスアルケンのような柔軟性を欠く基によって、アミンおよびα−ハロ官能基を分離させた分子の調製による。例えば、ジスルフィド部分によるメイタンシノイドと抗体との結合物の調製に関して、米国特許第6,441,163号を参照のこと。
抗体−薬剤結合物の調製に使用し得る切断可能なリンカーの1つは、受容体により媒介されるエンドサイトーシスの間に出会うエンドソームおよびリソソームのような、異なる細胞内区画の酸性環境を利用する、シス−アコニット酸に基づく酸不安定なリンカーである。例えば、ダウノルビシンの高分子キャリアとの結合物の調製に関して、Shenら、Biochem.Biophys.Res.Commun.102:1048−1054(1981);ダウノルビシンの抗黒色腫抗体への結合物の調製に関して、Yangら、J.Natl.Canc.Inst.80:1154−1159(1988);ダウノルビシンの抗T細胞抗体との結合物を調製するのと同様の様式における酸不安定なリンカーの使用に関して、Dillmanら、Cancer Res.48:6097−6102(1988);ペプチドスペーサーアームによるダウノルビシンの抗体への連結に関して、Trouetら、Proc.Natl.Acad.Sci.79:626−629(1982)を参照のこと。
本発明の抗体(またはポリペプチド)を、当該分野で公知のあらゆる方法によって、放射活性分子に結合(連結)し得る。抗体の放射性標識方法の議論に関して、「Cancer Therapy with Monoclonal AntibodiesT」、D.M.Goldenberg編(CRC Press、Boca Raton、1995)を参照のこと。
本発明の抗体(またはポリペプチド)を、蛍光分子、放射活性分子、または当該分野で公知のあらゆる他の標識のような標識化薬剤(あるいは「標識」と呼ばれる)と連結し得る。標識は当該分野で公知であり、それは一般的に(直接的または間接的のいずれかで)シグナルを提供する。
CD46を発現する癌細胞の成長を阻害する能力、CD46を発現する癌を有する個体において転移の発生を遅らせる能力、CD46を発現する癌細胞内に治療薬を送達する能力を含む、CD46を発現する癌細胞に、毒素または放射活性化合物のような治療薬を送達する能力のような、本発明の抗体、ポリペプチドおよびタンパク質の能力を、当該分野で公知の方法を用いて試験し得、それらのいくつかは実施例で記載される。
本発明はまた、抗体mPA7またはmPA7と等価な抗体(それは、本開示が明らかにするように、本明細書中で記載された全ての抗体を含む)またはポリペプチドおよび治療薬を含む組成物(医薬品組成物を含む)を提供する。
(モノクローナル抗体をスクリーニングする方法)
Ag−PA7(CD46)に結合するモノクローナル抗体をスクリーニングするために、いくつかの方法を使用し得る。採用し得る1つの方法は、免疫組織化学(IHC)である。標準的な免疫組織化学的技術は、当業者に公知である。例えば、Animal Cell Culture Methods(J.P.MatherおよびD.Barnes編、Academic Press、第57巻、第18および19章、314−350頁、1998)を参照のこと。生物学的試料(例えば組織)を、生検、解剖、または検死から得ることができる。Ag−PA7(CD46)が癌細胞にのみ存在するかどうかを確かめるために、mPA7を使用して、癌に罹患した個体由来の他の非癌組織または癌を有さない個体由来の組織をコントロールとして使用しながら、癌を有する個体由来の組織におけるAg−PA7(CD46)の存在を検出し得る。その組織を、凍結中の損傷を予防する固体または半固体物質(例えばアガロースゲルまたはOCT)に包埋し、そして次いで染色のために薄片にし得る。異なる臓器および異なる進行度の癌を使用して、モノクローナル抗体をスクリーニングし得る。スクリーニング目的のために使用し得る組織の例は、卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓、皮膚、甲状腺、脳、心臓、肝臓、胃、神経、血管、骨、上部消化管、および膵臓を含むがこれに限らない。スクリーニング目的のために使用し得る、異なる癌の型の例は、癌腫、腺癌、肉腫、腺肉腫、リンパ腫、および白血病を含むがこれに限らない。
さらに別の選択肢において、SK−Ov−3(ATCC#HTB77)、LnCap(ATCC#CRL−1740)、COLO205(ATCC#CCL222)、A549(ATCC#CCL185)、PANC−1(ATCC#CRL1469)、SK−BR−3(ATCC#HTB30)、SK−MES−1(ATCC#HTB58)、HT−29(HTB−38)、SW480(ATCC#CCL228)、AsPC−1(ATCC#CRL1682)、Capan−1(ATCC#HTB79)、CFPAC−1(ATCC#CRL1918)、HPAF−II(ATCC#CRL−1997)、HS−700T(ATCC#HTB147)、Du−145(ATCC#HTB−81)、CaLu−1(ATCC#HTB−54)、786−O(ATCC#CRL−1932)、CaKi−2(ATCC#HTB−47)、A498(ATCC#HTB−44)、BT474(ATCC#HTB−20)、およびPC−3(ATCC#CRL1435)のような癌細胞系統、およびそのそれぞれの組織由来の正常細胞を使用して、癌組織に特異的なモノクローナル抗体をスクリーニングし得る。卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓、皮膚、甲状腺、大動脈平滑筋、および内皮細胞を含むがこれに限らない、異なる臓器からの正常組織由来の、初代、または低い継代の細胞培養物を、ネガティブコントロールとして使用し得る。癌細胞または非癌細胞を、ガラススライドまたはカバーグラス上に、またはプラスチック表面上に増殖させ得るか、またはWO01/43869において記載されたようにCellArrayTM中で調製し、そして組織に関して上記で記載したように、IHCを用いて抗体の結合に関してスクリーニングし得る。あるいは、細胞を、非タンパク質分解手段を用いて増殖表面から除去し、そして遠心してペレットにし得、それを次いで上記で記載したようにIHC分析のための組織として包埋及び処理する。別の選択肢において、一次抗体、蛍光分子に結合した2次「リポーター」抗体とインキュベートし、そして次いで蛍光標示式細胞分類(FACS)の機械を用いて分析することによって、単一の細胞をスクリーニングし得る。
いくつかの異なる検出システムを、組織切片に対する抗体の結合を検出するために利用し得る。典型的には免疫組織化学は、一次抗体の組織への結合を含み、そして次いで一次抗体の種に対して反応性の2次抗体を産生し、そして検出可能なマーカー(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、HRP、またはジアミノベンジジン、DAB)に結合する。使用し得る1つの代替方法は、ポリクローナル鏡像相補的抗体(polyclonal mirror image complementary antibodies)すなわちpolyMICAである。D.C.ManghamおよびP.G.Isaacson(Histopathology(1999)35(2):129−33)によって記載された、polyMICA(ポリクローナル鏡像相補的抗体)技術を使用して、正常組織および癌組織に対する1次抗体(例えばmPA7)の結合を試験し得る。いくつかの種類のpolyMICATM検出キットが、The Binding Site Limited(P.O.Box 4073 Birmingham B29 6AT England)から市販で入手可能である。製品番号HK004.Dは、DAB色素原を使用するpolyMICATM検出キットである。製品番号HK004.Aは、AEC色素原を使用するpolyMICATM検出キットである。あるいは、1次抗体を、検出可能なマーカーで直接標識し得る。
適切な抗体を選択するためのIHCスクリーニングにおける最初の工程は、1つまたはそれ以上の免疫源(例えば細胞または組織試料)に対する、マウスにおいて産生された1次抗体(例えばmPA7)の結合である。1つの実施形態において、組織試料は、異なる臓器由来の凍結組織の切片である。細胞または組織試料は、癌性または非癌性のいずれかであり得る。
凍結組織を、固定ありまたはなしで、調製、薄片にし得、そしてIHCを当業者に公知の多くの方法のいずれかによって行なう。例えば、Stephanら、Dev.Biol.212:264−277(1999)、およびStephanら、Endocrinology 140:5841−54(1999)を参照のこと。
ヒト細胞と交差反応性であり、そして癌細胞または組織に結合するが正常細胞または組織には同じ程度に結合しないモノクローナル抗体を選択する。1つまたはそれ以上の癌の型に発現する抗原に結合するが、正常細胞には結合しないモノクローナル抗体もまた選択する。mPA7は、多くの異なる癌に存在する抗原に結合するが、正常組織には限られた結合しか有さない抗体の例である。Budapest Treatyによって、mPA7を産生するハイブリドーマを、PTA−3706の特許寄託指定で、2001年9月18日に、American Type Culture Collection(ATCC) 10801 University Blvd.、ManassasVA 20110−2209に寄託した。
抗体をさらに特徴付けるために、エピトープマッピングを使用し得る。市販のサービス(例えばPepscan Systems、P.O.Box 2098、8203 AB Lelystad、The Netherlands)を使用して、mPA7のような抗体が結合する抗原のエピトープを決定し得る。
(Ag−PA7、CD46を同定および特徴付けする方法)
mPA7の抗原を同定するためにいくつかの方法を採用し得、そのいくつかは実施例で記載される。1つの方法は、アフィニティー精製のための抗体の利用である。細胞溶解物/抽出物または組織ホモジネート/抽出物を、抗体mPA7を固体支持体に結合させた、アフィニティー樹脂に適用し得る。抽出する試料を、正常または癌組織、癌または別の疾患状態を有する個体由来の生物学的試料、市販の供給源(例えばAmerican Type Culture CollectionまたはATCC、Manassas、VA)、または細胞系統を含むがこれらに限らない、多くの供給源から得ることができる。アフィニティー精製のために使用される抗体を、下記で詳細に議論する様々な方法で得ることができる。一旦、抗原が支持体に結合したら、抗原を異なる試薬を用いて溶出し得る。これらの試薬としては、低pH試薬および化学的変性剤(例えば尿素またはグアニジンHCl)が挙げられるがこれらに限らない。例えば、Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、第2巻、1991、8.2.1−8.2.9)を参照のこと。この方法を、実施例5でさらに詳述する。
当該分野で公知の標準的な配列決定方法(例えばエドマン分解)を用いた配列決定のために、精製抗原を使用し得る。ペプチド配列が得られたら、次いでそのペプチド配列から縮重プライマーまたはプローブを作製し得る。プローブを次いで、研究中のタンパク質をコードするDNAを含む挿入を含む細菌を同定するために、cDNAライブラリーにハイブリダイズし得る。例えば、Sambrookら、またはAusubelら、上記を参照のこと。抗体mPA7の抗原は、CD46(膜補因子タンパク質、MCP)であると決定された。CD46の配列は、米国特許第5,514,787号、同第5,846,715号、同第5,552,381号、同第5,703,046号、同第6,218,520号で開示される。
mPA7が結合する抗原を同定および特徴付けするために使用された別の方法は、ウェスタンブロッティング技術の使用である。Ag−PA7は、1つの局面において、様々なヒト癌由来の細胞溶解物およびモノクローナル抗体mPA7を用いたウェスタンブロッティングによって同定され、この抗体を産生するハイブリドーマを、American Type Culture Collection(ATCC) 10801 University Blvd.、Manassas VA 20110−2209に、2001年の9月18日、PTA−3706の特許寄託指定で寄託した。当業者に公知であるように、ウェスタンブロッティングは、細胞溶解物および/または細胞画分を、変性または非変性ゲルに流す工程、タンパク質をニトロセルロース紙に移す工程、そして次いでブロットを抗体(例えばmPA7)でプローブして、どのタンパク質に抗体が結合するか調べる工程を含み得る。この手順を、実施例4でさらに詳述する。抗原を、実施例5で記載するように、さらなる特徴付けのために精製した。
mPA7が結合する抗原を特徴付けするために使用し得る別の方法は、質量分析である。いくつかの型の質量分析を行ない得る。1つのアプローチにおいて、タンパク質のトリプシン消化物の質量を、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−MS)によって測定し、そして得られたペプチド質量のリストを、配列データベース検索においてタンパク質の「指紋」として使用する。マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)において、ペプチドを、大過剰の光吸収マトリックスと共に共結晶化する。パルスレーザービームによる結晶の照射は、マトリックスおよび埋め込まれたペプチド分子の迅速な昇華およびインタクトなガス相イオンの生成を生じる。ペプチドに関しては、プロトン化された、単独に荷電した分子イオンが通常形成される。質量/荷電比(m/z)を、必要に応じて、遅延−抽出および/または反射を採用して、高質量精度(high mass accuracy)飛行時間型分析において測定する。酸化、システインのアクリルアミド化、および誤切断のような一般的な改変および2次的な情報(見かけの等電点および/または分子量)の使用を考慮した後、MALDIスペクトルにおけるペプチド質量を適合させるペプチドの質量分析によって、回収した配列を分析する。MALDI−TOF−MSによる同定についてまだあいまいさが存在する場合、その結果を質量分析ペプチド配列決定によって検証し得る。これらおよび公知のタンパク質を同定するために質量分析を用いる他の手順が、Use of Mass Spectrometry to Study Signaling Pathways(A.Pandey、J.S.Andersen、およびM.Mann;2000)において概説される。
本発明のモノクローナル抗体によって認識される表面抗原を、最初に上記で記載したいずれかの方法によって単離し、あるいは、当業者に公知のあらゆる方法によって単離し得る。抗体mPA7が結合したタンパク質のバンドを、最初にプロテアーゼで精製タンパク質を消化することによって特徴付けし、それはペプチドの混合物を生ずる。次いでペプチドをMALDI質量分析によって分析し、そしてその質量分析パターンを他のタンパク質のパターンと比較した。実施例6でさらに記載するように、この方式において、mPA7の抗原、Ag−PA7は、CD46であると決定された。
使用し得る別の質量分析方法は、ナノエレクトロスプレータンデム型質量分析である。この方法において、ペプチド分子の溶液が、高い電位に維持された針を通過する。針の末端において、溶液は、ペプチド分子を含む小さい、高度に荷電した小滴の細かい霧に分散される。これらの小さい小滴は、迅速に蒸発し、複数の荷電した分子イオンのガス相への放出を引き起こす。一旦、ペプチドがガス相になったら、それらは開口部を通って質量分析計に運ばれ、そこでそれらは分離され、そしてその質量/荷電(m/z)比によって検出される。ナノエレクトロスプレーは、エレクトロスプレーの精密化バージョンを指し、ここで非常に細い針が、1分あたりナノリットルの範囲の流速で試料を分散する。これは小滴の直径を非常に減少し、そしてペプチドの検出の感受性を増強する。エレクトロスプレーは、MALDI−TOF−MSよりも、塩の存在に対してより感受性である傾向がある。従って、当業者に公知の方法によって、試料を最初に脱塩する。エレクトロスプレーイオン供給源は、ペプチド配列決定を可能にする質量分析計(最も一般的なものは、三重四極(triple quadrupole)、イオントラップ(ion trap)、または四極(quadrupole)飛行時間型質量分析計である)と適合性である。低レベルのタンパク質同定において、ペプチドシグナルは多くの場合、化学的バックグラウンドまたは混入物由来のシグナルによって混乱する。高分解能の装置(例えば四極(quadrupole)飛行時間型装置)は、化学的バックグラウンドからペプチドを分離するのを補助する。あるいは、三重四極装置において、前駆体イオンスキャンが、非ペプチド混入物の存在下でペプチドの選択的検出を可能にする。
Ag−PA7を、細胞内でのその位置によってさらに特徴付けし得る。理論に拘束されることなく、Ag−PA7(CD46)は、少なくとも細胞の表面に発現する細胞関連抗原である。モノクローナル抗体mPA7を産生する方法は、インタクトな細胞を免疫源として使用することを含んでいたので、産生されたモノクローナル抗体は、細胞表面の抗原決定基に対する可能性が高かった。しかし、そのような細胞表面タンパク質はまた、細胞表面に存在することに加えて、細胞内に存在し得る、または細胞表面から分泌または放出され得る。抗原が細胞表面または内部に存在するか、または細胞から放出されるかは、細胞の型によって異なり得、またはあるいは、細胞周期の異なる段階、異なる発達段階、または病的でない(すなわち正常な)細胞と比較して病的な細胞におけることに依存し得る。
抗原のさらなる特徴付けは、異なる組織または細胞における発現パターン、細胞および/または組織におけるコピー数を決定することによって、およびそれに結合する抗体によって達成し得る。1つの局面において、発現パターンを、生物学的試料を用いた免疫組織化学的技術を使用して決定した。抗原の発現パターンを、癌を有するまたは有さない、またはあるいは別の疾患状態の個体において評価し得る。抗原のコピー数を、標準的なScatchard分析を用いることによって決定し得る。Ag−PA7の発現パターンの決定を、実施例8−11でさらに詳細に記載した。
(Ag−PA7、CD46の使用方法)
一旦、抗原(例えばAg−PA7)が同定および特徴付けされたら、その抗原についての情報(例えば配列)を、様々な目的のために使用し得る。抗体mPA7の抗原は、CD46であると決定された。CD46の配列は、米国特許第5,846,715号、同第5,514,787号、同第5,552,381号、同第5,703,046号、および同第6,218,520号において開示された。1つの局面において、Ag−PA7(CD46)の配列を、それに結合する抗体を作製するために使用し得る。例えば、Ag−PA7(CD46)配列を、発現ベクターにクローニングし、そして適当な宿主細胞に発現させて、動物への注入および続くハイブリドーマ産生のための免疫源を作製し得る。抗体の作製方法は以下で記載する。別の局面において、抗体mPA7の配列を使用して、抗体を組換え的に作製し得る。組換え抗体の作製方法は、当該分野で周知である。例えば、Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら編、1991)および米国特許第5,665,570号;同第5,677,425号;同第5,760,185号;同第5,773,247号;および同第5,929,212号を参照のこと。さらに別の局面において、Ag−PA7(CD46)を使用して、本明細書中で記載したような抗体を作製し得、そしてAg−PA7に結合する抗体を、新規で潜在的な生物学的に機能的なエピトープを発見するために、エピトープマッピングおよび/または他の抗体との交差競合のために使用し得る。
Ag−PA7(CD46)の別の使用は、タンパク質、ペプチド、または低分子リガンドの可能性のあるレセプターとして、薬物スクリーニング目的についてである。薬物、化合物、タンパク質、低分子、および医薬品組成物を、Ag−PA7単独に、または抗体mPA7および本明細書中で記載されたあらゆる他のCD46結合部分と組み合せて結合する能力、およびそのような結合によって生じるあらゆる効果または増強された効果に関して試験し得る。Ag−PA7を基質に結合し、そして効果をモニターし得る。そのような効果は、細胞内経路調節、アポトーシス、細胞活性化、細胞代謝、または細胞アネルギーの変化を含み得るがこれらに限らない。Ag−PA7の結合は、その生物学的役割(例えば、調節タンパク質、成長、分化、または発達に関連するタンパク質等)を解明し得る。
Ag−PA7(CD46)の別の使用は、Ag−PA7に対する抗体の精製についてである。1つの実施形態において、哺乳類をあらゆる免疫源(例えば癌細胞)で免疫し得、そしてそれらの脾臓細胞を除去し、そしてハイブリドーマを作製するために使用し得る。ハイブリドーマ上清を、Ag−PA7が固定化されたアフィニティーカラムに通し得る。
タンパク質または核酸としてのAg−PA7(CD46)を、ワクチン接種の目的(例えば活性免疫)に使用し得る。ある場合において、Ag−PA7をアジュバントと共にワクチン接種のために投与し得る。他の場合において、アジュバントは使用せず、そしてAg−PA7をニートで投与する。投与経路はワクチン接種によって異なるが、標準的なワクチン接種の経路は、注射および経口摂取である。例えば、米国特許第6,221,644号;同第6,117,653号;同第6,110,724号;および同第5,932,225号を参照のこと。
Ag−PA7(CD46)のさらに別の使用は、ハイスループットスクリーニングのためにAg−PA7またはその一部を使用することである。例えば、Ag−PA7のDNA配列を固体または半固体基板に固定化し得、そして個体のパネル由来の生物学的試料から単離したDNAを使用して、ハイブリダイゼーションが起こるかどうか決定し得る。1つの実施形態において、核酸の相補鎖を使用してハイブリダイゼーションを最適化する。このアプローチは、癌細胞またはAg−PA7を発現する他の細胞に関して個体をスクリーニングするのに有用であり得る。
(mPA7、mPA7と等価な抗体またはCD46に結合するポリペプチドを用いて癌を診断する方法)
モノクローナル抗体mPA7および等価な抗体または本明細書中で開示された方法によって作製されたCD46に結合するmPA7のポリペプチド誘導体を、診断目的のために、卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓、皮膚、甲状腺、脳、心臓、肝臓、胃、神経、血管、骨、上部消化管、および膵臓を含むがこれらに限らない、様々な組織における癌細胞の存在または非存在を同定または検出するために使用し得る。単純さのために、これらの方法は、本明細書中で記載されたCD46結合実施形態のいずれにも適用されるという理解で、一般的にmPA7または抗体に言及する。検出は、一般的に細胞を抗体またはCD46に結合する本明細書中で記載したポリペプチドと接触させること、およびAg−PA7(CD46)とAg−PA7(CD46)に特異的に結合する抗体(例えばmPA7、mPA7のヒト化抗体、ヒト抗体またはあらゆる他のCD46結合部分)との間の複合体形成を含む。そのような複合体の形成は、インビトロまたはインビボであり得る。理論に拘束されることなく、モノクローナル抗体mPA7は、Ag−PA7(CD46)の細胞外ドメインによってAg−PA7(CD46)に結合し得る。
ある実施形態において、細胞由来のCD46を検出することによって、前立腺癌細胞の存在または非存在を検出する方法が提供される。前立腺癌細胞由来のCD46を、CD46 mRNAの検出、およびCD46タンパク質の検出を含むがこれらに限らない、あらゆる方法を用いて検出し得る。本明細書中で記載したもののような、あらゆるCD46結合部分を使用し得る(例えば、mPA7、mPA7と同じエピトープに結合するもののような、mPA7と等価な抗体)。本明細書中で使用される場合、検出は定性的および/または定量的検出を含み得、そして癌細胞におけるCD46発現の増加したレベルに関して、測定したレベルを正常前立腺細胞と比較する工程を含み得る。
診断のために抗体を使用する1つの方法は、抗体を標識部分(例えば蛍光剤、放射活性または放射線不透過性の薬剤)に連結し、抗体を患者に投与し、そしてX線または他の画像化機械を使用して抗原を発現する癌細胞の表面における標識抗体の局在化を視覚化することによる、インビボ腫瘍画像化である。標識部分は当該分野で公知である。
他の方法において、癌細胞を除去し、そして組織を当該分野で周知の方法(例えば、凍結化合物への包埋、固定化ありまたはなしでの凍結および薄片作製;抗原回復および対比染色の様々な方法ありまたは無しでの固定およびパラフィン包埋)によって免疫組織化学のために調製する。モノクローナル抗体も、発達の異なる段階における新生物を同定するために使用し得る。抗体をまた、どの患者の腫瘍が抗原をその表面に前もって決定したレベルで発現しているか、そして従ってその抗原に特異的な抗体を用いた免疫療法の候補であるか決定するために使用し得る。
抗原を認識する抗体(またはポリペプチド)をまた、生きているまたは死につつある癌細胞から、血液、唾液、尿、肺液(pulmonary fluid)、または腹水を含むがこれらに限らない体液へ放出または分泌された抗原を検出する、診断的イムノアッセイを作製するために使用し得る。実施例でさらに詳細に議論するように、mPA7は、卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓、および膵臓を含むがこれらに限らない組織由来の、異なる段階における様々な型の癌に結合し得る。診断的目的のためにmPA7を用いる方法は、どの腫瘍が所定の治療に反応する可能性が高いか、患者の予後、腫瘍のサブタイプまたは転移疾患の起源、および疾患の進行または治療に対する反応を決定するために、あらゆる形式の抗癌治療(例えば、化学療法または放射線療法)の前および後両方に有用である。
(治療的目的のためにmPA7、mPA7と等価な抗体、またはポリペプチドを使用する方法)
モノクローナル抗体mPA7および本明細書中で開示された方法によって作製された等価な抗体(および本発明の他のポリペプチド実施形態)を、卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓または膵臓の癌を含むがこれらに限らない、癌を有する個体において治療目的のために使用し得る。ある実施形態において、その癌は前立腺である(ただし、その前立腺癌は、抗体またはポリペプチドに結合する)。これらの治療方法はまた、上記で記載した連結した実施形態にも適用される。単純さのために、これらの方法は、連結した実施形態を含む本明細書中で記載したヒト化抗体およびヒト抗体を含むがこれらに限らない、本明細書中で記載したあらゆるCD46結合実施形態に適用されるという理解で、一般的にmPA7または抗体に言及する。mPA7による治療は、上記のように、インビトロおよび/またはインビボの両方で、mPA7およびAg−PA7(CD46)の複合体の形成を含み得る。1つの実施形態において、モノクローナル抗体mPA7は、癌細胞(例えば前立腺癌細胞)に結合し、そして成長および/または増殖を抑制し得る。別の実施形態において、モノクローナル抗体mPA7は、癌細胞に結合し、そしてアポトーシス細胞死を誘導し得る。別の実施形態において、モノクローナル抗体mPA7は、癌細胞に結合し、そして転移の発生を遅らせ得る。別の実施形態において、モノクローナル抗体mPA7は、癌細胞に結合し、そしてmPA7に連結した治療剤(毒素、または放射活性化合物のような)を癌細胞へ伝達し得る。ある実施形態に関して、治療剤(例えば、毒素)は細胞内に導入される(すなわち、内在化される)。これらの方法に特に適当な薬剤は、細胞内で活性な薬剤を含む。そのような薬剤の例としては、サポリン(saporin)、カリーチアマイシン、アウリスタチン(auristatin)、およびメイタンシノイド(maytansinoid)が挙げられるがこれらに限らない。ある実施形態において、これらの薬剤はmPA7に連結され、そして前立腺、卵巣、乳房、または結腸の癌細胞に内在化される。一般的に、これらの実施形態において、有効量(治療剤を標的癌細胞におよび/またはその中に送達するのに十分な量)が個体に投与される。さらに別の実施形態において、癌を有する個体に、mPA7を用いた緩和治療を与える。癌患者の緩和治療は、癌の進行に直接影響を与えずに、疾患の有害な症状、または疾患のために与えられた他の治療によって生じる医原性の症状を治療または軽減することを含む。これは、痛みの緩和、栄養的な維持、性的な問題、心理学的苦痛、うつ、疲労、精神障害、嘔気、嘔吐等の治療を含む。
本発明はまた、CD46に結合する抗体または他の実施形態を用いて、前立腺、肺、乳房、卵巣、膵臓、腎臓の癌細胞の成長および/または増殖を阻害する方法を提供する。CD46に結合する抗体が記載されている。例えば、PCT WO02/18948;Sparrowら、Hum.Immunol.7:1(1983);Seyaら、J.Exp.Med.163:837(1986);Hisら、Am.J.Reprod.Immunol.Microbiol.18:21(1988)を参照のこと。癌細胞の成長および/または増殖の阻害における、抗体の活性を試験する方法は、当該分野で公知であり、そして実施例12および13で詳細に記載する。
本発明はまた、mPA7抗体またはmPA7が優先的に結合する同じエピトープに優先的に結合する抗体を用いた、癌細胞(例えば、前立腺、肺、乳房、結腸、卵巣、膵臓、腎臓の癌細胞)の成長および/または増殖を阻害する方法を提供する。
本発明はまた、mPA7またはmPA7と等価な抗体または本明細書中で記載されたポリペプチドを用いた、CD46を発現する血管内皮細胞(例えば、静脈内皮細胞)の成長および/または増殖を阻害する方法を提供する。実施例14を参照のこと。本発明はまた、mPA7またはmPA7と等価な抗体または本明細書中で記載されたポリペプチドを用いた、血管新生を阻害する方法を提供する。これらの方法(成長および/または増殖および/または血管新生の阻害)のある実施形態において、抗体は治療剤に連結する。その治療剤は、サポリン(saporin)、カリーチアマイシン、アウリスタチン(auristatin)、またはメイタンシノイド(maytansinoid)を含むがこれらに限らない、本明細書中で記載したあらゆる治療剤であり得る。
さらに別の実施形態において、mPA7または本明細書中で記載したあらゆるCD46実施形態は、CD46を発現する癌細胞に結合し、そしてAg−PA7(CD46)を発現する癌細胞に対して活性免疫応答を誘導し得る。ある場合において、活性免疫応答は、癌細胞の死を引き起こし得る(例えば、mPA7の癌細胞への結合がアポトーシス細胞死を誘導する)、または癌細胞の成長を阻害し得る(例えば、細胞周期の進行を阻害する)。別の場合において、mPA7または本明細書中で記載したあらゆるCD46抗体は、癌細胞に結合し得、そして抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)が、mPA7が結合する癌細胞を排除し得る。よって、本発明は、本明細書中で記載したあらゆる組成物を投与することを含む、免疫応答を刺激する方法を提供する。
ある場合において、mPA7の結合はまた、細胞性および体液性免疫応答をどちらも活性化し得、そしてより多くのナチュラルキラー細胞を回復するか、またはサイトカイン(例えばIL−2、IFN−γ、IL−12、TNF−α、TNF−β等)の産生を増加させ、それは個体の免疫系をさらに活性化して癌細胞を破壊する。さらに別の実施形態において、mPA7は、癌細胞に結合し得、そしてマクロファージまたは他の食細胞が、癌細胞にオプソニン作用を与え得る。
ある実施形態において、本発明は、本明細書中で記載したあらゆる組成物を投与することを含む、受動免疫を与える方法を提供する。
本発明は、本明細書中で記載したあらゆる組成物(結合物を含む)を、CD46を発現する癌細胞のような、CD46を発現する細胞に送達する方法を提供する。これらの方法は、本明細書中で記載した組成物(結合物を含む)を個体へ投与することを伴う。ある実施形態において、例えば結合物を標的細胞内へ導入する方法が提供される。さらに別の実施形態において、mPA7を治療薬(放射活性分子、毒素、例えばサポリン(saporin)、カリーチアマイシン、オーリスタチン(auristatin)、またはメイタンシノド(maytansinoid)または他の化学療法分子のような)に、または化学療法化合物を含むリポソームまたは他の小胞に結合し、そして抗体によって認識される抗原を含む癌細胞にこれらの化合物を標的化し、そして従って癌細胞を除去するために個体に投与し得る。さらに別の実施形態において、転移の発現を遅らせるために、その抗原を発現する癌の外科的除去の際に、アジュバント治療としてその抗体を採用し得る。腫瘍の大きさを減少させるために、そして従って手術を可能にするまたは単純化する、手術中に組織を残す、および/または生じる傷を減少させるために、その抗原を発現する腫瘍を有する患者において、手術の前にその抗体を投与し得る(ネオアジュバント治療)。
キメラ抗体、一本鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、および必要な特異性の抗原Ag−PA7(CD46)認識部位を含むmPA7のあらゆる他の修飾された構成のような、mPA7および等価な抗体または断片(例えばFab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fc等)の様々な処方を、投与のために使用し得る。ある実施形態において、mPA7抗体およびそのmPA7の様々な処方を、そのままで投与し得る。他の実施形態において、mPA7またはそのmPA7の様々な処方(本明細書中で記載したあらゆる組成物実施形態を含む)および薬剤学的に許容できる賦形剤を投与し、そして様々な処方であり得る。薬剤学的に許容できる賦形剤は、当該分野で公知であり、そして薬理学的に有効な物質の投与を促進する比較的不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形または堅さ(consistency)を与え得る、または希釈剤として作用し得る。適当な賦形剤は、安定化剤、湿潤および乳化剤、容量オスモル濃度を変化させる塩、カプセル封入剤、緩衝液、および皮膚透過増強剤を含むがこれらに限らない。賦形剤および非経口および非経口でない(nonparenteral)薬剤送達のための処方が、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing(2000)において述べられる。
一般的に、これらの薬剤は注射(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内等)による投与のために処方されるが、他の投与形式(例えば経口、粘膜等)も使用し得る。よって、mPA7抗体およびそれと等価なものを、好ましくは生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液等のような薬剤学的に許容できる担体と組み合せる。特定の投与レジメ、すなわち、投与量、タイミングおよび反復は、特定の個体およびその個体の医療歴に依存する。一般的に、以下の投与量のいずれかを使用し得る:少なくとも約50mg/kg体重;少なくとも約10mg/kg体重;少なくとも約3mg/kg体重;少なくとも約1mg/kg体重;少なくとも約750μg/kg体重;少なくとも約500μg/kg体重;少なくとも約250μg/kg体重;少なくとも約100μg/kg体重;少なくとも約50μg/kg体重;少なくとも約10μg/kg体重;少なくとも約1μg/kg体重、またはより多くの投与量が投与される。半減期のような、経験的な考察が、一般的に投与量の決定に寄与する。ヒト化抗体、または完全なヒト抗体のような、ヒト免疫系と適合性の抗体を、抗体の半減期を延長するために、および宿主の免疫系によって抗体が攻撃されるのを防ぐために使用し得る。
ある個体において、1回以上の投与が必要であり得る。投与の頻度を、治療の進行にかけて決定および調整し得、そして癌細胞の数の抑制、癌細胞の抑制の維持、癌細胞の成長および/または増殖の抑制、または転移の発現の遅延に基づく。癌細胞の存在を、当業者に公知の、または本明細書中で議論された多くの方法のいずれか(例えば、生検または生物学的試料の免疫組織化学またはフローサイトメトリーによる検出)によって同定し得る。ある場合において、mPA7抗体の持続連続放出処方が適当であり得る。持続放出を達成する様々な処方および装置が当該分野で公知である。
1つの実施形態において、mPA7抗体の投与量を、1回またはそれ以上の投与を受けた個体において経験的に決定し得る。個体にmPA7の増加する投与量を与える。mPA7または他の等価な抗体の効果を評価するために、特定の癌疾患状態のマーカーをモニターし得る。これらのマーカーは、触診または視覚的観察による腫瘍サイズの直接的測定;X線または他の画像化技術による腫瘍サイズの間接的測定;直接的腫瘍生検および腫瘍試料の顕微鏡検査によって評価されるような改善;間接的な腫瘍マーカー(例えば、前立腺癌に関してはPSA)の測定、痛みまたは麻痺の減少;言語、視覚、呼吸または腫瘍に関連する他の制約の改善;食欲の増加;または受け入れられた試験によって測定された生活の質の増加または生存の延長を含む。投与量は、その個体、癌の型、癌の段階、癌がその個体の他の位置に転移し始めたかどうか、および使用される過去および現在の治療に依存して変化することが、当業者に明らかである。
他の処方は、リポソームのようなキャリアを含むがこれに限らない、当該分野で公知の適当な送達形式を含む。例えば、Mahatoら(1997)Pharm.Res.14:853−859を参照のこと。リポソーム調製物は、サイトフェクチン(cytofectins)、多重膜ベシクル、および単膜ベシクルを含むがこれに限らない。
ある実施形態において、1つより多くの抗体が存在し得る。その抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであり得る。そのような組成物は、癌腫、腺癌、肉腫、または腺肉腫に対して反応性の、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つの異なる抗体を含み得る。mPA7抗体を、卵巣、乳房、肺、前立腺、結腸、腎臓、皮膚、甲状腺、骨、上部消化管、および膵臓を含むがこれに限らない臓器における癌腫、腺癌、肉腫、または腺肉腫に対して反応性の、1つまたはそれ以上の抗体と混合し得る。抗体の混合物は、それらは当該分野において多くの場合に意味されるように、個体のより広い範囲の集団を治療するのに特に有用であり得る。
疾患の評価を、画像化方法および適当なマーカーのモニタリングのような、当該分野で標準的な方法を用いて行なう。
(Ag−PA7(CD46)に結合する、本発明の抗体およびポリペプチドを含むキット)
本発明はまた、診断および/または治療において使用するために、CD46に結合する、抗体または本明細書中で記載した組成物のいずれかを含むキットを提供する。よって、キットは、CD46に選択的に結合し得る、および/またはCD46と複合体を形成し得る抗体を含む(例えば、乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓の癌細胞を検出するのに有用である)。ある実施形態において、そのキットは抗体mPA7またはmPA7が選択的に結合するのと同じエピトープに選択的に結合する抗体を含む。ある実施形態において、そのキットは、治療薬または標識薬剤に連結した、抗体mPA7またはmPA7が選択的に結合するのと同じエピトープに選択的に結合する抗体を含む。これらのキットはさらに、抗体または本明細書中で記載したあらゆる抗体またはポリペプチド実施形態を、治療薬または標識薬剤に連結するための、指示および/または試薬を含み得る。ある局面において、抗体(例えばモノクローナル、ポリクローナル、ヒト、ヒト化等)のCD46への結合を、個体において癌を診断するために使用する、例えば癌細胞の存在または欠如を検出するためのキット、および乳房、結腸、肺、卵巣、膵臓、前立腺、または腎臓の癌細胞の存在または欠如を検出するキットである。他の局面において、そのキットを、例えば癌を有する、または癌の家族歴を有する個体を治療するために使用し得る。癌を有する個体を治療するキットは、前立腺癌のような癌細胞の成長および/または増殖を阻害するためのキット、癌細胞に治療薬を送達するためのキット、前立腺、卵巣、乳房、または結腸の癌細胞のような癌細胞内に治療薬を送達するキットを含むがこれに限らない。本発明のキットは、適当なパッケージング内にあり、そして任意で、緩衝液のようなさらなる成分、および捕獲試薬、展開試薬、標識、反応表面、検出の手段、コントロール試料、および説明的情報のような、Ag−PA7(CD46)への結合を決定するための指示を提供し得る。その指示は、本明細書中で記載したそれらのアッセイを含むがこれに限らない、抗原の結合のあらゆる測定に関するものであり得る。他の実施形態において、その指示は、前立腺癌のような癌細胞の成長および/または増殖を阻害すること、癌細胞に治療薬を送達すること、前立腺、卵巣、乳房、または結腸の癌細胞のような癌細胞内に治療薬を送達することに関する指示を含む、本明細書中で記載したあらゆる方法に関するものであり得る。ある実施形態において、上記で記載した試薬を、時間をかけて同じ個体における、または複数の個体における測定を可能にするような、複数の測定を行い得るように供給する。標識抗ヒト抗体のような、抗体の結合を検出するあらゆる適当な手段を採用し得(およびキット中で提供し得る)、ここでその標識は酵素、蛍光団、化学発光物質、放射性同位元素または補酵素であり得る。一般的に、使用される標識は酵素である。
以下の実施例を、本発明を制限するためでなく、説明するために提供する。
実施例
(実施例1 免疫源としてのヒト膵臓上皮前駆(hPED)細胞の調製)
胎児膵臓(妊娠14−22週齢)を、酵素的分解の前に、立体顕微鏡下で顕微解剖によって機械的にばらばらにした。酵素処理は、部分的に分解した組織を、1mg/mlのコラゲナーゼ−4、1mg/mlのダイズトリプシン阻害剤、1mg/mlのヒアルロニダーゼ、および50μg/mlのDNAアーゼを含むCaフリーおよびMgフリーのPBSに、摂氏37℃で15分間置くことからなっていた。
細胞凝集物を、5%(容量によって)のBSA勾配の上に重ね、そして1100rpmで6分間、遠心によって洗浄した。まだ凝集した形式のペレット化した細胞を、以下の因子を含むCMRL1066栄養培地からなる増殖培地中に再懸濁した:
Figure 0004347694
再懸濁した細胞凝集物を、24穴皿のフィブロネクチンでコートしたウェル(6−12)にアリコートに分け、そして加湿5%COインキュベーターにおいて摂氏37℃で72時間インキュベートした。72時間後、上皮細胞凝集物を、F12/DMEMプラス上記の因子中で、フィブロネクチンでコートした皿に移した。凝集物は接着し、そして接着した単層を形成した。凝集物および接着した単層をどちらも、継代5回まで、モノクローナル抗体を産生するために免疫源として使用した。
(実施例2 hPEDに対するモノクローナル抗体の産生)
非変性アジュバント(Ribi、R730、Corixa、Hamilton MT)をリン酸緩衝化生理食塩水中で4mlに再水和した。100μlのこの再水和アジュバントを、次いで400μlのハンクスの平衡塩類溶液で希釈し、そしてこれを続いて免疫に使用する細胞ペレットと静かに混合した。マウスあたり約10のhPED細胞を、Balb/cマウスに、1週間に1度足蹠に注射した。毎週の注射の6週間後に、各免疫動物の尾から1滴の血液を取り、FACS分析を用いてhPEDに対する抗体の力価を試験した。力価が少なくとも1:2000に達した時、マウスをCO室内で屠殺し頸部脱臼した。ハイブリドーマ調製のために、リンパ節を回収した。
最も高い力価を有するマウス由来のリンパ球を、35%ポリエチレングリコール4000を用いて、マウス骨髄腫系統X63−Ag8.653と融合した。融合の後10日目に、ハイブリドーマ上清を、蛍光標示式細胞分取(FACS)によって、hPED特異的モノクローナル抗体の存在に関してスクリーニングした。各ハイブリドーマ由来のならし培地を、PC3、Colo−205、LnCap、またはPanc−1細胞の組み合せたアリコートと30分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞試料を洗浄し、0.1mlの希釈剤に再懸濁し、そして1μg/mlのヤギ抗マウスIgGのFITC結合F(ab’)2断片と4℃で30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、0.5mlのFACS希釈剤に再懸濁し、そしてFACScan細胞分析器(Becton Dickinson;San Jose、CA)を用いて分析した。ハイブリドーマクローンを、FACSによって評価したように、1つまたはそれ以上の細胞系統の表面への結合に基づいて、さらなる増殖、クローニング、および特徴付けのために選択した。Ag−PA7と呼ばれる抗原、およびAg−PA7.1と呼ばれるその抗原上のエピトープに結合する、mPA7と呼ばれるモノクローナル抗体を作製するハイブリドーマを選択した。
(実施例3 抗原供給源に対する抗体のパネルのスクリーニング)
hPED細胞を、0.5mMのEDTAの存在下で組織培養フラスコから分離し、1400rpmで5分間遠心し、そして1%のBSAおよび2mMのEDTAを含むPBS(FACS希釈剤)に再懸濁した。細胞を計測し、そして10細胞/mlに調整した。細胞の約0.1mlを、100μlのハイブリドーマ上清または100μlのFACS希釈剤中1μgの精製モノクローナル抗体と、37℃で30分間インキュベートした。モノクローナル抗体を、プロテインGアフィニティークロマトグラフィーを用いて組織培養上清から精製した。抗体精製過程に以下の材料を使用した:ハイブリドーマ組織培養上清、Immunopure(G)IgG結合緩衝液(Pierce#21011、Rockford、IL)、Immunopure IgG 溶出緩衝液(Pierce#21009)、濃縮HCl(pHの調整のため)、Corning 1リットルPES(ポリエーテルスルホン)、0.22μmのフィルター(Corning#431098、Corning、NY)、Amersham Pharmacia GradiFrac System(Amersham Pharmacia、Piscataway、NJ)、Protein−G Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Pharmacia#17−0618−02)、3MのKSCN/50mMのTris pH7.8であるStripping buffer、およびPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)3M Tris pH9.0。
mPA7抗体を精製するために、上清の容量を測定し、そして同じ容量の結合緩衝液を上清に加えた。混合物を、室温で平衡化させた。上清を、0.22μmのフィルターを通すことによって透明にした。上清を、GradiFracシステム(Pharmacia Biotech)を用いて、プロテインGカラムにかけた。カラムを、5−10カラム容量の結合緩衝液で洗浄した。モノクローナル抗体を、溶出緩衝液によって溶出し、そして2mlの画分を回収した。その画分のOD280の測定値を得て、そしてモノクローナル抗体を含む画分をプールした。溶出されたモノクローナル抗体画分を、1/20容量の3M Trisを加えることによって中和した。試料を、1×PBS中4℃で透析した(交換あたり少なくとも3時間、3回緩衝液を交換した)。精製モノクローナル抗体を、滅菌ろ過し(0.2μM)、そして2〜8℃で保存した。
ハイブリドーマ上清からmPA7モノクローナル抗体を精製した後、それをhPED細胞への結合に関して再試験した。細胞試料を上記の実施例6において記載したように調製し、そして精製抗体と様々な濃度でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を洗浄し、0.1mlの希釈剤に再懸濁し、そして1μgのヤギ抗マウスIgGのFITC結合F(ab’)2断片と4℃で30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、0.5mlのFACS希釈剤に再懸濁し、そしてFACScan細胞分取器(Becton Dickinson;San Jose、CA)を用いて分析した。FACScanヒストグラムにおける右へのシフトは、精製抗体がまだhPED細胞に結合していることを示した。
(実施例4 抗原Ag−PA7の同定および特徴付け)
LnCap細胞系統(ATCCから市販で入手可能)の約25μlのパックセル容積(packed cell volume)の細胞ペレットを、最初に細胞を水中で0.5mlに希釈すること、続いて3回凍結および解凍することによって溶解した。その溶液を14,000rpmで遠心した。細胞膜断片を含む、できたペレットを、50μlのSDS試料緩衝液(Invitrogen、Carlsbad、CA)に再懸濁した。その試料を80℃で5分間加熱し、そして次いで14,000rpmで2分間遠心してあらゆる不溶性の物質を除去した。Ag−PA7を発現し、そして精製に使用し得る他の細胞系統は、HPAF、Colo−205およびPanc−1、または表3に示すようなmPA7に結合する他の細胞系統を含む。
その試料を、製造会社に指示に従って、4から20%のTris−Glycine SDSポリアクリルアミド勾配ゲル(Invitrogen;Carlsbad、CA)を用いてウェスタンブロットによって分析した。10μlの膜試料を、ポリアクリルアミドゲルの1つのレーンにアプライした。別の10μlの試料を、最初に80℃で2分間加熱して2μLのジチオトレイトール(100mM)を加えることによって還元し、そして次いで別のレーンにかけた。前染色した分子量マーカーSeeBlue Plus2(Invitrogen;Carlsbad、CA)を用いてゲルにおける分子量を評価した。ゲルタンパク質を、14.4g/lのグリシン、3g/lのTris Base、10%のメタノール、および0.05%のSDSの転移緩衝液を用いて、ニトロセルロース膜に転移させた。その膜を固定し、抗体mPA7で(0.5μg/mlの濃度で)プローブし、そして製造会社の指示によって、Invitrogen WesternBreeze Chromogenic Kit−AntiMouseを用いて展開した。膵臓腫瘍細胞膜試料の還元試料において、約55kDa±10%に移動する顕著なバンドが観察された。
(実施例5 抗原Ag−PA7の単離)
精製抗体mPA7を、Centricon YM30濃縮器(Millipore カタログ番号4208番)を用いて、約1mg/mlに濃縮した。約1mgのmPA7を、製造会社の指示によって、0.35グラムの臭化シアン活性化Sepharose 4B樹脂(Amersham Pharmacia Biotech カタログ番号17−0430−01番)に共有結合的に結合させた。新規に増殖させたHPAF、Colo−205、LnCap、またはPanc−1細胞(約2×10細胞)を、スピナーフラスコ(spinner flask)から回収した。細胞を遠心してペレット化し、次いで100μlのプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma、カタログ番号第P8340番)を含む全体で15mLの脱イオン水(dH2O)に再懸濁した。
細胞懸濁液を、−80℃で凍結し、次いで解凍した。この過程を、細胞を破壊するために5回繰り返した。細胞膜を、エッペンドルフ微量遠心機で、14,000rpmで15分間、4℃で遠心することによって回収した。
細胞膜ペレットを、2%のEmpigen BB 界面活性剤(Calbiochem、カタログ番号324690番)、および50μlのSigmaプロテアーゼ阻害剤カクテル、pH7.0を含む、2mlのハンクスの平衡塩類溶液(HBSS、GibcoBRL、カタログ番号14175−079番)に再懸濁した。細胞膜調製物を次いで4℃で一晩、回転器(rotator)に置いた。
細胞膜調製物を、1%のEmpigen BBの最終濃度までHBSSで希釈した。不溶性の細胞破片を、エッペンドルフ微量遠心機で、14,000rpmで15分間、4℃で遠心することによって除去した。可溶性膜タンパク質を含む上清を回収し、そしてアフィニティー精製で使用するまで、−80℃で保存した。
細胞膜抽出物を解凍し、次いで前に調製したmPA7アフィニティーゲルと混合し、そして4℃で2時間回転させた。インキュベーション後、アフィニティーゲルを以下のように徹底的に洗浄した:血清−および添加剤−フリーのHBSS+1.0%のEmpigen BBで5回→血清−および添加剤−フリーのHBSS+0.5%のEmpigen BBで3回→血清−および添加剤−フリーのHBSS+0.25%のEmpigen BBで3回→血清−および添加剤−フリーのHBSS+0.125%のEmpigen BBで2回→血清−および添加剤−フリーのHBSS単独で2回→dHO中0.5MのNaClで1回→PBSで1回。
各洗浄は、1.5mlであった0.5MのNaCl洗浄を除いて、5.0mLからなっていた。次いで抗原をアフィニティーゲルから1.5mlのdH2O中2%の酢酸で2分間溶出した。0.5MのNaCl洗浄および酸溶出抗原を保持し、そして中温で約2.5時間SpeedVac(Savant カタログ番号ISS110番)を用いて、各試料の容量を約100μlに減少させた。
試料を次いで沈殿させ、そして400μlのメタノールおよび100μlのクロロホルムを加えることによって抽出した。試料をボルテックスし、次いで300μlのdH2Oを加えて、そして静かに混合した。試料をエッペンドルフ微量遠心機において、14,000rpmで4分間、室温で遠心した。タンパク質は液相の界面に局在するので、上の層のほとんどを廃棄した。400μlのメタノールを試料の残りに加え、そして静かに混合した。試料を再び14,000rpmで4分間、室温で遠心した。上清を廃棄し、そしてSpeedVacを使用して試料を完全に乾燥させた。
乾燥試料を、電気泳動の準備のために、28μlの1×LDS試料緩衝液(Invitrogen、カタログ番号NP007番)を加えることによって再構成した。試料を75℃で10分間加熱し、次いで微量遠心機において遠心し、そしてボルテックスして混合した。各試料の25μlを、続く抗原同定のために、成形済みNuPAGE4−12%勾配ゲル(Invitrogen、カタログ番号NP0322番)の単一のレーンにかけた。ウェスタンブロット分析のために、2μlを別のレーンにかけた。アフィニティー樹脂とのインキュベーション前および後の細胞膜タンパク質抽出物の試料と同様に、適当な分子量標準もゲルに含んだ。電気泳動を、製造会社の指示によって行った。ゲルを10%の酢酸を含む50%のメタノール中で30分間固定し、次いでColloidal Blue染色(Invitrogen、カタログ番号第LC6025番)を用いて、製造会社の指示に従って染色した。ゲルの非固定部分を、再び製造会社の指示に従って、ウェスタンブロッティングのためにニトロセルロースシート(Invitrogen、カタログ番号第LC2000番)に転移させた。ブロットを次いでmPA7でプローブし、そして抗原認識を確認するために、ウェスタンブロッティングキット(Invitrogen、カタログ番号第WB7103番)を用いて展開した。
NuPAGEゲルからの染色されたタンパク質のバンドを、清潔な外科用メス刃を用いて摘出し、そして清潔なエッペンドルフチューブに置いた。摘出したバンドを、質量分析によるタンパク質同定に使用するまで、−20℃で保存した。
(実施例6 MALDI質量分析を用いた、mPA7が結合する抗原の特徴付け)
mPA7が結合する抗原を、実施例5で記載したように単離し、そしてMALDI質量分析にかけた。イムノアフィニティーカラムの溶出物を、SDS−PAGEによって分離し、そしてバンドを摘出および抽出した。ゲル切片を、典型的には「ゲルにおいて」消化した(Gharahdaghi,F.、Weinberg,C.R.、Meagher,D.A.、Imai,B.S.およびMische,S.M.(1999)Electrophoresis 20、601−605)。抽出したペプチドを、Kratos、AXIMA CRFにおいてマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−Tof)によって分析した。ペプチド質量を100ppm内で決定し、そしてカーブドフィールドリフレクトロン(curved field reflectron)を有するタイムイオンゲート(time ion gate)を、ペプチドの単離およびポスト−ソース−ディケイ(post−source−decay)(PSD)による断片化のために採用した。Protein Prospector Programs(Clauser,K.R.、Baker,P.R.、およびBurlingame,A.L.、Analytical Chemistry 71、2871−(1999)MSFitおよびMSTag)によって検索を行なった。抗原はCD46であると同定された。
(実施例7 mPA7に結合するCD46上のエピトープの特徴付け)
mPA7が結合するCD46上のエピトープがジスルフィド結合依存性であるかどうかを試験するために、免疫沈降およびウェスタンブロッティング技術を使用した。ヒト結腸癌細胞系統、HT−29(ATCC#HTB−38)を、溶解緩衝液(HBSS+2%のTritonX−100、2mMのPMSF、0.1%のアジ化ナトリウム、および溶解緩衝液5mlあたり1錠のEDTAフリー完全ミニプロテアーゼカクテルを含む(EDTAフリー完全ミニプロテアーゼカクテルはRoche Molecular Biochemicalsから得た;全ての他の化学物質は、Sigma Chemicalsから得た))中、氷上で5分間インキュベートすることによって溶解した。細胞を溶解緩衝液中でこすって、そして溶解物を回収した。溶解物を、24,000×gで1時間、4℃で遠心することによって透明にした。透明になった溶解物を、最初に5μlのマウスIgG/BSA結合(1mg/ml)CNBr 4MBセファロースビーズ(Amersham Pharmacia)で、4℃で2時間、予備清澄化(pre−cleared)した。マウスIgG/BSAビーズを除去し、そして予備清澄化溶解物を次いで10μgのmPA7と4℃で2時間インキュベートした。抗原およびmPA7複合体を、10μlのプロテインGセファロースビーズとインキュベートした。ビーズを次いで個々に1mlの溶解緩衝液で3回洗浄し、続いて1mlのHBSS+で3回洗浄した。洗浄したビーズを、20mMのジチオトレイトール(DTT)の存在下または非存在下で、30μlのSDS−PAGE試料緩衝液を加え、そして99℃で5分間沸騰させることによって溶出した。試料を、4−20%Tris−Glycine Novex勾配ゲル(Invitrogen)で分離し、0.2μmのニトロセルロース(Invitrogen)に転移させ、そして5μg/ブロットのmPA7でウェスタンブロットした。mPA7によるウェスタンブロッティングのために、ニトロセルロースを、固定化緩衝液で1時間固定化した。ニトロセルロースを次いで、固定化緩衝液に希釈した1mlの5μg/mlのmPA7を含む、熱密閉プラスチックパウチ中でインキュベートした。ニトロセルロースを、10mlの1μg/mlHRP結合ロバ抗マウスIgG(重鎖および軽鎖特異的、ウシ、ニワトリ、ヤギ、モルモット、ゴールデンハムスター、ウマ、ヒト、ウサギ、ヒツジの血清タンパク質に対して交差吸収される)と室温で1時間インキュベーションする前に、PBSTで3回洗浄した。ニトロセルロースを、最終的にPBSTで3回洗浄し、そしてDAB基質を用いた色素展開によって視覚化した。
図4に示すように、mPA7は非還元(NR)CD46(DTTの非存在下)のみに結合するが、還元(R)CD46(DTTの存在下)には結合せず、mPA7が結合するエピトープはジスルフィド結合依存性であることを示す。
(実施例8 免疫組織化学的方法)
癌患者由来の凍結組織試料を、OCT化合物に包埋して、そしてドライアイスによってイソペンタン中で急速冷凍した。凍結切片を、Leica 3050CMミクロトームで、5μmの厚さに切断し、そしてベクタバウンド(vectabound)でコートしたスライドに解凍−固定した。切片を−20℃でエタノールを用いて固定し、そして室温で一晩空気乾燥させた。固定した切片を、使用まで−80℃で保存した。免疫組織化学のために、組織切片を回収し、そして最初に固定化緩衝液(PBS、5%の正常ヤギ血清、0.1%のTween20)中、室温で30分インキュベートし、そして次いで固定化緩衝液で希釈したmPA7およびコントロールモノクローナル抗体(1μg/ml)と120分間インキュベートした。切片を次いで固定化緩衝液で3回洗浄した。結合したモノクローナル抗体を、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液pH5.05および0.003%過酸化水素(Sigma、カタログ番号H1009番)中で、ヤギ抗マウスIgG+IgM(H+L)F(ab’)−ペルオキシダーゼ結合物およびペルオキシダーゼ基質ジアミノベンジジン(1mg/ml、Sigma カタログ番号D5637番)によって検出した。染色したスライドを、ヘマトキシリンで対比染色し、そしてNikon顕微鏡下で検査した。凍結手術組織を用いたいくつかの実験の結果のまとめを、下記の表1に示す。mPA7に結合する腫瘍の割合を列挙し、そして結合した数/試験した全体の数をカッコ内に示す。
Figure 0004347694
(実施例9 CellArrayTMからの免疫組織学的結果)
モノクローナル抗体mPA7を使用して、異なる型の組織由来の様々な細胞株との反応性を試験した。異なる確立した細胞株からの細胞を、プロテアーゼを使用せずに増殖表面から除去し、詰め、そしてOCT化合物に包埋した。細胞を凍結し、そして切片にし、次いで標準的なIHCプロトコールを用いて染色した。CellArrayTM技術が、WO01/43869において記載されている。CellArray結合実験からの結果を、表3にまとめる。各細胞株を、反応性(+)または非反応性(−)として記録する。
Figure 0004347694
(実施例10 mPA7の正常組織への結合)
外科的切除によって得られた正常組織(ヒト)を、実施例8のように凍結および固定した。凍結切片を、Leica 3050CMミクロトームで5μmの厚さに切断し、そしてベクタバウンドでコートしたスライドに解凍−固定した。切片を、−20℃でエタノールによって固定し、そして室温で一晩空気乾燥させた。PolyMICATM Detectionキットを用いて、mPA7の正常組織への結合を決定した。1次抗体mPA7を、1μg/mlの最終濃度で使用した。正常組織のmPA7による染色の結果を、表4に示す。
Figure 0004347694
(実施例11 ヒト肺癌の染色)
図1は、ヒト肺癌のmPA7染色の写真を示す。腫瘍試料を包埋し、そして凍結切片を調製し、エタノール固定し、そしてIHCを凍結切片に関して記載したように行なった。管腔上皮の先端表面における染色(茶色)は、mPA7の腫瘍への結合を示した。形態の同定を助けるために、mPA7を結合しない隣接する正常組織を、ヘマトキシリンで対比染色し、そして薄い青色になった。
(実施例12 前立腺癌細胞株に対するmPA7の効果)
抗癌抗体の望ましい性質は、腫瘍細胞の成長を阻害する能力である。そのような評価の1つの方法論は、抗体への曝露時の、インビトロにおける細胞の成長の減少である。単層として増殖させた場合にインビトロで細胞数を減少させる抗体の能力を、様々な量の精製試験抗体またはコントロール抗体の存在下または非存在下で増殖させた細胞単層を使用して評価し得、そして細胞数の変化を、クリスタルバイオレットを用いて評価する。クリスタルバイオレットは、非特異的タンパク質染色であり、従って相対的細胞数と関連する。
関心のある細胞を、96穴プレートで、10%の胎児ウシ血清を補充したF12/DMEM(1:1)増殖培地にまき、そして増殖させた。2つのヒト前立腺癌由来細胞株を、96穴皿の2連のウェルに以下の濃度でまいた:LnCap(1×10細胞/ウェル)およびPC3(5×10細胞/ウェル)。まいた24時間後に、示した抗体を、図2のx軸に示す最終濃度まで加えた。細胞を、5%のCO/空気で加湿インキュベーターにおいて、摂氏37℃で5日間インキュベートした。実験の最後に、培地を除去し、そしてクリスタルバイオレット溶液(メタノールおよびホルムアルデヒド中0.5%wt/vol)を加え、そしてプレートを室温で20分間インキュベートした。この手順は、細胞を同時に固定および染色する。クリスタルバイオレット溶液を、プレートをはたくことによって除去した。次いでプレートを、水を充満させることによって3回洗浄した。プレートが完全に乾いた後、プレートリーダーで540nmにおいて測定した。あるいは、色素を50/50の0.1Mクエン酸ナトリウム(pH4.2)およびエタノール、200μl/ウェル中で可溶化し得る。プレートを次いでプラスチックフィルムで密閉し、そして色素が溶解するまで振とうする。1.5μg/mlから50μg/mlの間の濃度におけるmPA7の追加が、LN−CaP細胞の成長を90%まで阻害した。mPA7に結合しないPC3細胞の成長には影響がみられなかった。
(実施例13 前立腺癌に対するmPA7の効果)
ヒト前立腺癌のマウスモデルを使用して、ヒト前立腺癌に対するmPA7の効力を評価した。LN−CaP(ヒト前立腺癌細胞)およびWI38(ヒト線維芽細胞)を、細胞培養から得た。各細胞型の1×10細胞を、コラーゲンゲルにキャスト(cast)し、それを次いでCD1ヌードマウス(Charles River、Hollister、CA)の腎臓被膜下に移植した。10日間増殖させた後、治療およびコントロールグループの各動物の宿主腎臓を、腫瘍の成長を観察および記録するために露出させた。次いで動物に最初の抗体治療またはPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)賦形剤を投与した。治療グループにおいて、100μlのPBS中、4回用量のmPA7抗体(100μg/宿主の体重g/用量)を、3日の間隔で腹腔内に投与した。コントロールグループには、同じ間隔で100μlのPBSを注射した。宿主を、最終投薬量を投与した2日後に屠殺した。腫瘍サイズを記録し、そして腫瘍を組織学のために10%の中性ホルマリン中で固定した。図3は、固定およびパラフィンに包埋し、次いで5μmの切片に切断し、そしてヘマトキシリンおよびエオジンで染色した、LN−Cap腫瘍の写真を示す。上のパネルは、PBSコントロールグループ由来の未治療前立腺癌組織を示し、そして下のパネルは、上記で開示した方法に従ってmPA7で治療した前立腺癌組織を示す。mPA7で治療したLN−Cap腫瘍は、かなりの壊死および溶血を示し、残った少数の腫瘍細胞は異常およびアポトーシス的に見える。WI−38細胞は、mPA7治療によって影響を受けなかった。続く実験において、mPA7の用量を50μg/g体重の4回用量、50μg/g体重の3回用量、または5μg/g体重の3回用量に減少した場合でも、LN−Cap腫瘍に対する同様の効果が見られた。
続く実験において、PC3前立腺癌細胞株由来の腫瘍を、LN−Cap細胞株に関して記載したように増殖させた。mPA7に結合しないPC3腫瘍は、mPA7の5または50μg/g体重の3回用量による治療によって影響を受けなかった。これらのデータは、mPA7は、mPA7抗体に結合する細胞由来の腫瘍のインビボ異種移植片に対して活性であるが、mPA7に結合しない腫瘍または正常細胞に対して影響を有さないことを示す。
(実施例14 mPA7および毒素結合抗マウスIgGの内在化)
Mab−ZAP(Advanced Targeting Systems、San Diego、CA)は、タンパク質合成を阻害する毒素であるサポリンに結合した抗マウスIgGである。この毒素は細胞膜に対して非透過性である。モノクローナル抗体が、内在化する細胞表面抗原に結合するなら、毒素結合物が、結合したモノクローナル(抗体)に結合し、そして内在化し、最終的には細胞を殺し得る。毒性活性を示すための内在化に依存するので、Mab−ZAPは、当該表面抗原が、細胞毒性効果を発現するために内在化に依存するあらゆる毒素の適当な標的として役立つかどうかを評価するために役立ち得る。そうであるので、Mab−ZAPは、マイタンシノイド(maytansinoid)およびカリーチアマイシンのような、そのような内在化依存性毒素のモデルとして役立つ。
腫瘍細胞によるmPA7およびサポリン結合抗マウスIgGの内在化、およびサポリンの内在化後に腫瘍細胞を殺す効果を試験するために、ヒト前立腺腫瘍細胞、LNCaP(ATCC#CRL−1740)を、ストックフラスコから10mMのEDTAによって除去し、そして遠心した。細胞を適当な培地中で50,000/mlで再懸濁し、そして96穴プレートにウェルあたり100μlをまいた。抗体mPA7を、適当なウェルに10×濃縮物としてすぐに加え、10μg/mlの最終濃度にした。室温で15分後、Mab−ZAP(カタログ番号IT−04番、Advanced Targeting Systems、San Diego、CA)を、適当なウェルに10×濃縮物として加え、0.001pMから10pMの最終濃度にした。4日間増殖させた後、MTT(ストック5mg/ml PBS、ウェル中で1:10希釈)を37℃で4時間加えた。次いで培地を全てのウェルから除去し、そして100μl/ウェルのDMSOを加えた。プレートを静かに回転させ、青色のMTT沈殿物を可溶化し、そしてプレートをプレートリーダーで540nmにおいて読み取った。
図5に示すように、Mab−ZAPを100pMより多く加えた場合に、mPA7の非存在下における染色と比較して、mPA7の存在下でLNCaPのMTT染色が減少し、ヒト前立腺腫瘍細胞LNCaPの成長が、mPA7およびMab−ZAPの存在下で阻害されたこと、ならびにmPA7および毒素結合抗マウスIgGがLNCaP内に内在化されたことを示す。Mab−ZAPを10pMで使用した場合、mPA7およびMab−ZAPの結合によって、MTT染色が50%を超えて減少し、これは、LNCaPの成長の50%を超える阻害に対応した。
ヒト前立腺癌細胞、22RV1(ATCC CRL−2505);ヒト卵巣癌細胞、SK−OV−3(ATCC#HTB77);ヒト乳癌細胞、SK−BR−3(ATCC#HTB30);ヒト結腸癌細胞、COLO205(ATCC#CCL222)において、同様の試験を行なった。試験した上記の癌細胞全てにおいて、mPA7およびMab−ZAPは内在化され、そしてこれらの細胞の成長を阻害した。
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(Bio Whittaker/Clonetics カタログ番号第C2519A)においても同様の試験を行なった。HUVEC細胞を、コンフルエントでない状態で培養した場合、すなわち細胞が分裂および成長することが可能な場合、mPA7およびMab−ZAPは内在化され、そしてこれらの細胞の成長を阻害した。しかし、HUVEC細胞をコンフルエントな状態で培養した場合、すなわち細胞が一般的には分裂していない場合、mPA7およびMab−ZAPは内在化されないか、または使用した条件下でこれらの細胞に対して毒性でなかった。この結果は、非分裂HUVEC(それはヒトにおける正常な状態と同様である)に対する、治療薬に連結したmPA7の結合は、これらの細胞に対して毒性ではないことを示唆する。この結果はまた、治療薬に連結したmPA7を、抗血管新生薬剤として使用し得ることも示唆する。
本明細書中で記載した実施例および実施態様は、説明的目的のみのためであること、およびその観点からの様々な改変または変化が当業者に示唆され、そして本出願の意図および範囲内に含まれることが理解される。本明細書中で引用した全ての出版物、特許および特許出願は、個々の出版物、特許または特許出願の各々が、特におよび個々に参考文献に組み込まれると示されたように同じ程度まで、本明細書によって全ての目的のためにその全体として参考として援用される。
図1は、mPA7染色ヒト肺癌を示す写真である。 図2は、mPA7による、単層におけるLnCaP前立腺癌細胞増殖の阻害を示すグラフである。 図3Aは、無胸腺(nu/nu)マウスにおいて増殖させた、LnCaP細胞系統由来ヒト前立腺腫瘍異種移植片に対するmPA7の効果を示す写真である。 図3Bは、無胸腺(nu/nu)マウスにおいて増殖させた、LnCaP細胞系統由来ヒト前立腺腫瘍異種移植片に対するmPA7の効果を示す写真である。 図4は、mPA7が結合するエピトープは、ジスルフィド結合依存性であることを示すグラフである。 図5は、ヒト前立腺腫瘍細胞LNCaPに対するmPA7およびMab−ZAP(saporinとの抗IgG結合物)の効果を示すグラフである。

Claims (40)

  1. ATCC PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫により産生され
    る抗体mPA7。
  2. 請求項1に記載の抗体mPA7の軽鎖および重鎖の可変領域由来の可変領域、ならびにヒト抗体の軽鎖および重鎖の定常領域由来の定常領域を含み、該抗体は、該抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有するかまたは保持するものである、キメラ抗体。
  3. 請求項1に記載の抗体mPA7のヒト化抗体であって、該抗体は、該抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有するものである、抗体。
  4. 前記抗体が、治療剤に連結される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 宿主細胞株(ATCC No.PTA−3706)またはその子孫。
  6. CD46およびATCC No.PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫により産生されCD46に結合される抗体mPA7を含む複合体。
  7. CD46およびATCC No.PTA−3706の寄託番号を有する宿主細胞またはその子孫により産生されCD46に結合される抗体mPA7を含む複合体であって、ここで該CD46が癌細胞上にある、複合体。
  8. 前記癌細胞が、乳房組織由来である、請求項に記載の複合体。
  9. 前記癌細胞が、結腸組織由来である。請求項に記載の複合体。
  10. 前記癌細胞が、肺組織由来である、請求項に記載の複合体。
  11. 前記癌細胞が、卵巣組織由来である、請求項に記載の複合体。
  12. 前記癌細胞が、膵臓組織由来である、請求項に記載の複合体。
  13. 前記癌細胞が、前立腺組織由来である、請求項に記載の複合体。
  14. 前記癌細胞が、腎臓組織由来である、請求項に記載の複合体。
  15. 前記抗体mPA7が、治療剤に結合される、請求項に記載の複合体。
  16. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体および薬学的に受容可能な賦形剤を含有する、癌細胞の増殖を阻害するための組成物。
  17. 請求項1、2および3のいずれか1項に記載の抗体を含有する、癌細胞を検出するためのキット。
  18. 請求項1、2および3のいずれか1項に記載の抗体を含有する、癌細胞の増殖を阻害するためのキット。
  19. 前記抗体が、治療剤に結合されている、請求項18に記載のキット。
  20. 個体における癌細胞の存在または非存在を検出するインビトロの方法であって、該個体由来の細胞と、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の抗体を接触させる工程、および該癌細胞由来のCD46の複合体を、存在する場合に、検出する工程、を包含する、方法。
  21. 検出される前記癌細胞が、乳房組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  22. 検出される前記癌細胞が、結腸組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  23. 検出される前記癌細胞が、肺組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  24. 検出される前記癌細胞が、卵巣組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  25. 検出される前記癌細胞が、膵臓組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  26. 検出される前記癌細胞が、前立腺組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  27. 検出される前記癌細胞が、腎臓組織由来である、請求項20に記載のインビトロの方法。
  28. 癌細胞を有する個体における治療処置のための医薬の製造における、請求項16に記載の組成物の、使用。
  29. 前記抗体が、治療剤に結合される、請求項28に記載の組成物の、使用。
  30. 前記癌細胞が、前立腺組織由来である、請求項28に記載の組成物の、使用。
  31. 前記癌細胞が、卵巣組織由来である、請求項28に記載の組成物の、使用。
  32. 前記癌細胞が、乳房組織由来である、請求項28に記載の組成物の、使用。
  33. 前記癌細胞が、結腸組織由来である、請求項28に記載の組成物の、使用。
  34. 請求項1に記載のmPA7抗体のフラグメントであって、該フラグメントは、抗体mPA7の重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域を含み、該フラグメントは、抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有する、フラグメント。
  35. 請求項1に記載のmPA7抗体のフラグメントであって、該フラグメントは、抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有するかまたは保持する、フラグメント。
  36. 請求項1に記載の抗体の軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含む単鎖Fvであって、該単鎖Fvは、前記抗体mPACD46に対する結合特異性を有する、単鎖Fv。
  37. 請求項2に記載のキメラ抗体のフラグメントであって、該フラグメントは、前記抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有する、フラグメント。
  38. 請求項3に記載のヒト化抗体のフラグメントであって、該フラグメントは、前記抗体mPA7のCD46に対する結合特異性を有する、フラグメント。
  39. 抗体mPA7を生成する方法であって、請求項に記載の宿主細胞株を、抗体mPA7の生成を可能とする条件下で培養する工程、および該抗体を精製することにより抗体mPA7を生成する工程を包含する、方法。
  40. 請求項2または3に記載の抗体を生成する方法であって、該抗体をコードする一つ以上のポリヌクレオチドを発現させる工程、および該抗体を精製する工程を包含する、方法。
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