【発明の詳細な説明】
中間処理ウールの再洗
発明の技術分野
本発明は、中間処理ウールの再洗、更に詳しくは、スライバ形態のプリコーム
ウールの洗浄方法の改良に関する。
技術背景
1960年代以前には、大抵のウールコーミング機において、カーディングの
後段でウールの洗浄が必ず行われていた。幾つかのコーマーではカーディング後
にリウォッシュされる一方、その他のものでは、上記処理をコーミング後まで遅
延させるのが好ましいとされた。この処理はバックウォッシング(再洗)といわ
れ、上記ウールは基本的に3段階の精錬工程に付された。代表的に、それぞれラ
イン密度30〜40g/mを有する24本スライバは約10m/分の速度で第1
精練槽に供給される。この第1精錬槽は、一般に、約35〜45℃の温水を用い
た約5%の洗剤水溶液を収容する。次いで、上記スライバは、第1精錬槽におけ
ると同様に温水及び洗剤を含んだ、すなわち、温リンス液槽として作用する第2
槽に送られる。次に、上記スライバは温リンス液槽である、第3槽に送られる。
ある機械においては、上記スライバは更にもう1つのリンス液槽に送られる。各
精錬リンス槽にはガイドロール及び絞りロールが装着されて精錬及びリンス処理
が補助される。上記スライバはリンス液槽を離れた後、乾燥機を通過し、その後
ギルボックスに入る。
上記再洗の目的は、精錬及びカーディング処理後に依然として残留する不純物
を除去することにあり、それにより色彩、したがって当該トップの商品価値を改
善することにある。上記再洗のその他の利点は、トップの収率及び平均ファイバ
長を幾分改善することである。
1960年代のウール精錬処理時には、普通の洗剤よりも合成洗剤が使用され
た。合成洗剤は、最初の精錬段階における洗浄効果の大きいことが見出され、し
たがって、相対的に再洗の価値が低減した。この要因は再洗操作が高価であるこ
とと重なって、再洗の実施はほとんど回避されることとなった。しかしながら、
再洗は、依然として染色処理後のリンス処理に使用され、又、スライバ防縮加工
法におけるスライバに樹脂を塗布するための前処理として使用されている。
最近の10年間には、精錬処理における生産速度(すなわち、kg/時)が増
大した。この生産速度が増大した結果、精錬ウールの委託販売品における未精錬
率が高まった。このような傾向となっているにも拘わらず、本発明がなされるま
で、最近の高速紡績処理に使用されるウールスライバの再洗価値は未だ再評価さ
れていない。再洗は基本的に可成り高価に付くため、再び再洗処理を導入するこ
とは依然躊躇されている。従来形式の再洗機は高価であり、大きな操作領域を必
要とし、操作が厄介で高エネルギーを要し、運転効率が比較的低かった。
上述したように、従来の再洗操作は更に他の精錬処理に相当するものである。
本発明によれば、カーディング処理によりウールにおける未精錬残留物の接着性
を改善するとともに梳毛材からこれらの残留不純物を除去するのには従来の再洗
処理は不必要なものであるために役に立たないと考えられている。これらの残留
不純物は、初期には、スライバのウールファイバの外表面に位置して該構造と全
く粗く接着し、従来から行われているようにスライバを浸漬する、したがって、
強力な乾燥処理を必要とすることなく、これらの不純物は除去可能であることが
見出された。したがって、再洗は従来よりも低コストでコーミング処理の前に行
い、妥当なコストでトップの生産を可能とするとともにロールラップ頻度、紡糸
切れ、巻き取り失敗の低減化を可能とする。これら種々の利点は毛紡績に実質的
に利益をもたらす。特に、極細毛紡績、したがって精錬が厄介なものには格別に
有利なものである。
再洗工程をスタンドアロン機としてよりも近代設備の一部分として再導入しよ
うとする場合、現在当面の最近式カーディング及びギリング機の送出速度は60
〜150m/分と想定しなければならない。
発明の概要
本発明の1つの局面では、ファイバアッセンブリのカーディング処理に引き続
き、好ましくは、ウールスライバのカーディング処理の直後に走行ファイバアッ
センブリを再洗するにあたり:
上記ファイバアッセンブリに1つ又はそれ以上の流体流を向かわせて該ファイ
バアッセンブリから不純物を取り除き;及び、その後、必要であれば、
上記ファイバアッセンブリを乾燥処理に付し、該ファイバアッセンブリに保留
された流体の所定量を除去するようにした、ファイバアッセンブリの再洗方法が
提供される。
また、本発明のもう1つの局面では、ファイバアッセンブリのカーディング処
理に引き続き、好ましくは、ウールスライバのカーディング処理の直後に走行フ
ァイバアッセンブリを再洗する装置であって、上記ファイバアッセンブリに1つ
又はそれ以上の流体流を振り向ける手段を含み、該手段により上記ファイバアッ
センブリから不純物を取り除くようにした、ファイバアッセンブリの再洗装置が
提供される。
上記装置は、更に、上記ファイバアッセンブリを乾燥処理して該ファイバアッ
センブリに保留された流体の所定量を除去する手段を含むようにされる。
本発明の更に別の局面では、ファイバアッセンブリのカーディング処理に引き
続き、該ファイバアッセンブリを60m/分又はそれ以上の速度で走行させなが
ら該ファイバアッセンブリを単一の洗浄液槽に5秒間又はそれ以下の一時休止期
間(ドエル)をもって通過させるようにした、ファイバアッセンブリの再洗方法
が提供される。
上記再洗方法及び装置は、好ましくは、紡毛機、例えば、梳毛機に一体的に組
み込み、他の工程、例えば、カーディングとギリング間の走行時にファイバアッ
センブリに再洗処理を施すようにする。
上記乾燥工程は、ファイバアッセンブリに水又は空気ジェットを吹き付けて該
流体を蒸発又は叩き出すことを含むようにすることができる。
上記洗浄されたスライバは乾燥処理する前にその他のリンス処理に付すること
ができる。
好ましくは、再洗中、ファイバアッセンブリ全体を調整して当該再洗処理時に
スライバのファイバが乱されないようにする。これは、例えば、スライバを、該
スライバの平均ファイバ長と同等又はそれ以下の距離間隔をあけた位置で把持す
ることにより行われる。この接点間隔範囲は、代表的に、40〜60mmとされ
る。
ファイバアッセンブリは、流体の向流に付される前に、例えば、パッドにより
予備加湿処理に付することができる。これら流体向流は先頭の流体ジェット及び
後続のリンス液ジェットとすることができる。
好ましくは、ファイバアッセンブリが流体流中に滞在する時間を、最大限、数
秒間、例えば、1又は2秒間に限定することにより、該ファイバアッセンブリの
含浸を最小限のものとするか又はその飽和を回避し、その湿潤度は、不純物を除
去するのに十分なレベルに保持する一方、乾燥処理に所要のエネルギーを最小限
のものとする。
上記本発明の方法及び装置は多条スライバ送り、更に詳しくは、櫛毛機に入る
前の多条スライバ送りに適用すると有利なものとすることができる。
利用する流体は、好ましくは、水の液体、最も好ましくは、周囲温度以上に温
められ、洗浄剤を含む水液体とか、それに代る、蒸気、ペースト、溶剤又は気泡
剤である。
上記再洗処理は、好ましくは、高速カーディング又はコーミング処理に、例え
ば、60〜120m/分の送出速度をもって組み込む。
その他、力、例えば、吸引力を加えて上記アッセンブリのファイバ間に洗浄、
リンス及び/又は乾燥液を浸透させるようにすると有利である。
図面の簡単な説明
本発明の種々の実施例を、次の添付図面とともに説明する:
図1は、本発明の第1実施例の概略側面図であり;
図2は、本発明の第2実施例の概略側面図であり;
図3は、本発明の第3実施例の概略側面図であり;
図4は、本発明の第4実施例の概略側面図であり;
図5は、上記図4に示す第4実施例の変形例の概略側面図であり;及び
図6は、本発明の更に別の実施例であって、液槽内に吸引ドラムを利用した実
施例の断面図である。
本発明の実施例
説明の簡略化のため、本発明の種々の実施例は1条の梳毛スライバを単独で洗
浄するものとする。しかしながら、これらの実施例を変形して多条スライバ送り
用のものとすることが可能であると理解しなければならず、実際上、一般的に、
多条送りが使用される。
図1は、複数対の対向逆回転ローラ12a、12bが間隔をあけて配置され、
これらのローラ対12のニップ11を連続的に通過させるようにした1条のスラ
イバ10を示す。これらのニップ11は距離Rの間隔をあけて配置される。この
距離Rは、好ましくは、スライバ10におけるファイバの平均長より短くされる
。スライバ10は、1つ又は複数の温水及び洗浄液ジェット16を吹き付けられ
る前に、予備湿潤ステーション14、例えば、パッドで予備加湿される。次いで
、スライバ10は1つ又は複数のリンス液ジェット18を通過させられる。
上記スライバの残留不純物は原始的に各ファイバの外露出面に散漫に付着され
、カーディング処理によりその位置にしっかりと接着されることが見出された。
多くの適用例においては、精練槽に普通の方法でスライバを浸漬させる必要性が
なく、好ましい実施例において、最初の温洗浄水ジェット及び後続のリンス液ジ
ェットにより不純物を叩き出すことで十分であることが分かった。更に、浸漬す
ることがないから、液体流の流量を適当な大きさにすることにより、ファイバの
含浸量が低減され、乾燥するに要するエネルギーは最小限の量とされる。乾燥処
理が要求されない場合には、別個に、オンライン乾燥機19が必要となる。代表
的に、空気ジェットは十分なものである。
スライバ10は、乾燥機においてカットリング処理、即ち、折り畳むことが好
ましい。
図2は、図1に示す装置の変形例を図解したものであり、この変形例において
、スライバ110は、一連の対向逆回転ローラ対12a、12b対のニップを通
過するのではなく、それぞれ間隔をあけて配置された一連のローラ112a、1
12b、112cの周囲を通り抜ける。スライバ110は温水及び洗浄剤のジェ
ット116により予備湿潤され、次いでリンス処理される。
図3は、代表的に温水及び洗剤から成る洗浄液をスライバ210に圧入してフ
ァイバ間への浸透を改善した、別の変形例を示す。スライバ210には、ウール
の物理的性質の理由から、洗浄液を圧入することが必要がある。図3に示すよう
に、スライバ210は、図1の装置におけると同様に、複数対の対向ローラ21
2a、212bから成る一連のローラ対212のニップ211を通過するように
なって
いる。一方、スライバ210に温水及び洗浄液ジェット216が吹き付けられる
点において、吸引力215が印加されてスライバ210から現実に不純物を含ん
でいる温水及び洗浄液を引き出し、このようにしてスライバにおける全てのファ
イバを洗浄する。
図4は、図3に示す装置に代わる、もう1つの変形例を示し、この変形例にお
いて、ウールスライバ310はガイドロール320及び吸引ドラム322間を通
過し、該吸引ドラム322を渡り、次いで該吸引ドラム322ともう1つのガイ
ドロール324間を通過する。スライバ310が吸引ドラム322を通過すると
き、洗浄剤がスライバ310にジェット316を介して吹き付けられる。
図5は、2つの吸引ドラム422を組み込んだ装置を示す。多段吸引ドラム4
22は多段洗浄ステージ及び/又はリンスステージの使用を可能とし、即ち、連
続洗浄及びリンスステージを簡素化することができる。更に、その他に、各吸引
ドラムに(図示しない)ガイドロールを含ませることができる。
図2〜図5には乾燥機が含まれないが、所要場所に適当に設置される。
上記全ての実施例は予備湿潤工程を含んでいるが、これは必ずしも必須とする
ものでもない。逆に、装置によっては、積極的に予備湿潤工程が必要とされる。
例えば、スライバは、予備湿潤の目的で単一の洗浄液槽を引き出される。
図1及び図3の実施例における最後、即ち、出口ニップ(及び図1におけるほ
ぼ中央ニップ)は加圧ニップとし、図2、図4又は図5の実施例には1つ又は複
数の加圧下流及び/又は出口ニップを含ませることが望まれる。これらは容易に
下流部でスライバにおける液含有量を理想的なものにする。
本発明の実施例において、再洗装置は1条スライバがカードを退出し又は櫛毛
機に供給される際に該スライバを再洗するように設計されたものである。また、
上記装置は櫛毛機に送られるスライバを洗浄するのに使用することができる。こ
れらの装置において、スライバは湿潤され、洗浄され、大抵はリンスされ、適当
な湿潤度に乾燥され、したがって、スライバは順次遅れもなく処理される、即ち
、当該処理工程が現存の処理装置又は設備に組み込まれることとなる。
更に、図6に示す装置において、1つの温水及び洗浄液槽530で一連の吸引
ドラム522a、522b、522cの周部及び下部を通過させることにより洗
浄液の適用が行われる。この浴は、普通の多重槽精錬又は再洗装置から成る1段
式ステーションと同様の形態をもって槽532内に保持される。第1吸引ドラム
522aは相補的逆回転ローラ534と共働して送出ニップ511aを形成する
。最終吸引ドラム522c及び隣接する出口ローラ536、537により1対の
出口加圧ニップ511b、511cが組み立てられる。ローラ534からの取り
入れ口部538で流出液が集められ、過剰液は、濾過及び再生のためにニップ5
11b、511cから540で集められる。
更に別の洗浄剤及び温水の噴霧ジェット516が吸引ドラム522cの下流で
湿潤スライバに適用することができる。また、上記吸引ドラムは、処理結果を劣
化させることなく、中実ディップローラ又は単一の大径吸引ドラム若しくは中実
ディップローラで置換することができる。
図6の実施例による再洗処理は、従来形式のものと比べて、単に1つの槽が使
用され、浴における休止時間が従来の2〜4個槽再洗方式のものにおける各槽で
の休止時間よりも短い、例えば、好ましくは5秒又はそれ以下、より好ましくは
従来方式のものにおける休止時間の1/3以下とされる点で全く相異する。この
相異は、スライバの搬送速度が、従来形式の再洗装置における15〜20m/分
と比べて、図6の実施例における、例えば、60m/分又はそれ以上の速さとさ
れることに起因するものである。
洗浄剤は単なる水液体か又は水性洗剤を水、水蒸気、洗剤ペースト、気泡剤若
しくはその他適当な洗浄剤と混合したものとされる。上記洗浄剤は、洗浄効果を
高めるために、代表的に、これらの温度を上昇させて使用する。
洗浄ジェットとして、温水に代えて蒸気を使用することもできる。
本発明の実施例の装置及方法は、毛紡績用ウールの準備に要する処理時間を実
質的に延滞させることなく、従来の再洗装置及び方法における全ての利点を発揮
するようにしたものである。従来の再洗装置及び方法は、2〜4個型精錬槽のそ
れぞれにおいて、スライバのドエル及び浸漬に8〜15秒間も掛かっていたが、
本発明の実施例によれば、スライバの再洗が理想的に1〜2秒間で行うことがで
きる。例えば、真空力を用いて洗浄液の圧入を行うようにすれば、スライバへの
浸透及び全ての又は殆どのファイバへの洗浄液の接触を改善することができる。
本発明の各実施例は、各ファイバ表面から不純物を洗浄し、好ましくは、該ファ
イバが洗浄液で飽和状態とならないようにしたものである。これにより、洗浄時
間及び乾燥時間を短縮するとともに乾燥エネルギーを節約する。したがって、本
発明の各実施例においては、現存の高速(例えば、120m/分)のカーディン
グ及びコーミング処理ステージに、生産速度を低下させることなく組み込むこと
ができる。
本発明の方法は、他にも、スライバの湿分含有量を所望範囲のものに調節する
のに利用することができる。これは、スライバの処理速度に対し液体流の流量及
び種々の乾燥パラメータを設定して所望の湿潤度となるようにすることができる
。また、その他、従来の再洗目的、例えば、染色後のリンス処理とか、ウールの
防縮加工処理における樹脂の塗布の前処理用に使用することができる。
上述した本発明の実施例は単に具体例としてのみ記載されたものであり、本発
明の範囲内で種々に変形することができる。
本明細書において、語“コンプライジス(comprises)”又はその文
法的変化語が使用されたが、この語は“インクルージス(includes)”
と同義であり、専ら、その他の要素又は特徴を意味するものとして使用したもの
ではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年5月14日(1998.5.14)
【補正内容】
法におけるスライバに樹脂を塗布するための前処理として使用されている。
最近の10年間には、精錬処理における生産速度(すなわち、kg/時)が増
大した。この生産速度が増大した結果、精錬ウールの委託販売品における朱精錬
率が高まった。このような傾向となっているにも拘わらず、本発明がなされるま
で、最近の高速紡績処理に使用されるウールスライバの再洗価値は未だ再評価さ
れていない。再洗は基本的に可成り高価に付くため、再び再洗処理を導入するこ
とは依然躊躇されている。従来形式の再洗機は高価であり、大きな操作領域を必
要とし、操作が厄介で高エネルギーを要し、運転効率が比較的低かった。
上述したように、従来の再洗操作は更に他の精錬処理に相当するものである。
本発明によれば、カーディング処理によりウールにおける未精錬残留物の接着性
を改善するとともに梳毛材からこれらの残留不純物を除去するのには従来の再洗
処理は不必要なものであるために役に立たないと考えられている。これらの残留
不純物は、初期には、スライバのウールファイバの外表面に位置して該構造と全
く粗く接着し、従来から行われているようにスライバを浸漬する、したがって、
強力な乾燥処理を必要とすることなく、これらの不純物は除去可能であることが
見出された。したがって、再洗は従来よりも低コストでコーミング処理の前に行
い、妥当なコストでトップの生産を可能とするとともにロールラップ頻度、紡糸
切れ、巻き取り失敗の低減化を可能とする。これら種々の利点は毛紡績に実質的
に利益をもたらす。特に、極細毛紡績、したがって精錬が厄介なものには格別に
有利なものである。
再洗工程をスタンドアロン機としてよりも近代設備の一部分として再導入しよ
うとする場合、現在当面の最近式カーディング及びギリング機の送出速度は60
〜150m/分と想定しなければならない。
発明の概要
本発明の1つの局面では、60m/分又はそれ以上の速度で走行するファイバ
アッセンブリを処理するにあたり:
上記ファイバアッセンブリを精錬処理に付して該ファイバアッセンブリから残
留不純物の一部分を除去し;
上記精錬されたファイバアッセンブリをカーディング処理して該ファイバアッ
センブリの残留不純物の接着性を低減させるとともに該残留不純物が実質的に上
記ファイバアッセンブリの各ファイバの外表面に分散するようにし:及び
上記カーディング処理後、上記ファイバアッセンブリに1つ又は複数の流体流
を振り向けて該ファイバアッセンブリを再洗処理することにより該アッセンブリ
から残留不純物を除去するようにした、ファイバアッセンブリの再洗方法が提供
される。
また、本発明のもう1つの局面では、60m/分又はそれ以上の速度で走行す
るファイバアッセンブリを処理する装置であって:
上記ファイバアッセンブリを精錬処理に付して該ファイバアッセンブリから残
留不純物の一部分を除去する、精錬手段;
上記精錬されたファイバアッセンブリをカーディング処理して該アッセンブリ
の残留不純物の接着性を低減させるとともに該残留不純物が実質的に上記アッセ
ンブリの各ファイバの外表面に分散させる、カーディング手段:及び
上記カーディング処理後、上記ファイバアッセンブリに1つ又は複数の流体流
を振り向けて該アッセンブリから残留不純物を除去するようにした、再洗手段を
含む、ファイバアッセンブリの再洗装置が提供される。
上記装置は、更に、上記ファイバアッセンブリを乾燥処理して該ファイバアッ
センブリの再洗後、該アッセンブリに保留された流体の所定量を除去する手段を
含むようにされる。
本発明の更に別の局面では、ファイバアッセンブリのカーディング処理に引き
続き、該ファイバアッセンブリを60m/分又はそれ以上の速度で走行させなが
ら該ファイバアッセンブリを単一の洗浄液槽に5秒間又はそれ以下の一時休止期
間(ドエル)をもって通過させるようにした、ファイバアッセンブリの再洗方法
が提供される。
上記再洗方法及び装置は、好ましくは、紡毛機、例えば、梳毛機に一体的に組
み込み、他の工程、例えば、カーディングとギリング間の走行時にファイバアッ
センブリに再洗処理を施すようにする。
上記乾燥工程は、ファイバアッセンブリに水又は空気ジェットを吹き付けて該
流体を蒸発又は叩き出すことを含むようにすることができる。
上記洗浄されたスライバは乾燥処理する前にその他のリンス処理に付すること
ができる。
好ましくは、再洗中、ファイバアッセンブリ全体を調整して当該再洗処理時に
スライバのファイバが乱されないようにする。これは、例えば、スライバを、該
スライバの平均ファイバ長と同等又はそれ以下の距離間隔をあけた位置で把持す
ることにより行われる。この接点間隔範囲は、代表的に、40〜60mmとされ
る。
ファイバアッセンブリは、流体の向流に付される前に、例えば、パッドにより
請求の範囲
1.60m/分又はそれ以上の速度で走行するファイバアッセンブリを処理する
にあたり:
上記ファイバアッセンブリを精錬処理に付して該ファイバアッセンブリから残
留不純物の一部分を除去し;
上記精錬されたファイバアッセンブリをカーディング処理して該ファイバアッ
センブリの残留不純物の接着性を低減させるとともに該残留不純物が実質的に上
記ファイバアッセンブリの各ファイバの外表面に分散するようにし:及び
上記カーディング処理後、上記ファイバアッセンブリに1つ又は複数の流体流
を振り向けて該ファイバアッセンブリを再洗処理することにより該アッセンブリ
から残留不純物を除去するようにした、ファイバアッセンブリの再洗方法。
2.更に、ファイバアッセンブリを乾燥工程に付して再洗処理後、該ファイバア
ッセンブリに保持された所定量の流体部分を十分に除去するようにした、請求項
1に記載の方法。
3.乾燥処理がファイバアッセンブリに空気ジェットを吹き付けて該ファイバア
ッセンブリから液体を蒸発又は叩き出すことを含む、請求項2に記載の方法。
4.洗浄したファイバアッセンブリが乾燥処理する前に更に他のリンス処理に付
される、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の方法。
5.上記再洗処理中、ファイバアッセンブリ全体を調整して処理時にスライバの
各ファイバが混乱しないようにした、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の方
法。
6.スライバが該スライバの平均ファイバ長と同等又はそれ以下の距離間隔をあ
けた位置で把持されて調整されるようにした、請求項5に記載の方法。
7.ファイバアッセンブリが1つ又は複数の流体流を浴びせられる前に予備湿潤
される、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の方法。
8.流体流が先頭の液体ジェット及びその後方のリンス液ジェットを含む、請求
項1〜請求項7のいずれかに記載の方法。
9.湿潤度が残留不純物を除去するに十分な大きさに維持される一方、乾燥工程
における所要エネルギーを最小限なものとした、請求項1〜請求項8のいずれか
に記載の方法。
10.紡毛工程に組み込んだ、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の方法。
11.カーディングステージとギリングステージ間でファイバアッセンブリに再
洗を施すようにした、請求項10に記載の方法。
12.ファイバアッセンブリの送出速度が60〜120m/分とされる、請求項
10又は請求項11に記載の方法。
13.他に、力、例えば、吸引力を加えてファイバアッセンブリのファイバ間へ
の洗浄、リンス及び/又は乾燥液の浸透を改善した、請求項10又は請求項12
に記載の方法。
14.ファイバアッセンブリをカーディング処理の直後に60m/分又はそれ以
上の速度で走行させるとともに単一の洗浄液槽を5秒間又はそれ以下の休止期間
をもって通過させて該ファイバアッセンブリを再洗する方法。
15.ファイバアッセンブリがカーディング処理の直後のウールスライバである
、請求項14に記載の方法。
16.再洗処理中、ファイバアッセンブリの全ファイバを調整保持してスライバ
の全ファイバが実質的に混乱しないようにした、請求項14又は請求項15に記
載の方法。
17.紡毛工程に組み込んだ、請求項14、請求項15又は請求項16に記載の
方法。
18.カーディングステージとギリングステージ間でファイバアッセンブリに再
洗を施すようにした、請求項17に記載の方法。
19.ファイバアッセンブリの送出速度が60〜120m/分とされる、請求項
14又は請求項18に記載の方法。
20.更に、力、例えば、吸引力を加えてファイバアッセンブリのファイバ間へ
の洗浄、リンス及び/又は乾燥液の浸透を改善した、請求項12〜請求項16の
いずれかに記載の方法。
21.60m/分又はそれ以上の速度で走行するファイバアッセンブリを処理す
る装置であって:
上記ファイバアッセンブリを精錬処理に付して該ファイバアッセンブリから残
留不純物の一部分を除去する、精錬手段;
上記精錬されたファイバアッセンブリをカーディング処理して該アッセンブリ
の残留不純物の接着性を低減させるとともに該残留不純物が実質的に上記アッセ
ンブリの各ファイバの外表面に分散させる、カーディング手段:及び
上記カーディング処理後、上記ファイバアッセンブリに1つ又は複数の流体流
を振り向けて該アッセンブリから残留不純物を除去するようにした、再洗手段を
含む、ファイバアッセンブリの再洗装置。
22.更に、ファイバアッセンブリに残留した所定量の液分を除去するのに十分
に乾燥処理をする乾燥処理手段を含む、請求項21に記載の装置。
23.乾燥処理手段がファイバアッセンブリに空気ジェットを吹き付けて液体を
蒸発又は叩き出す手段を含む、請求項22に記載の装置。
24.紡毛ラインに組み込んだ、請求項21、請求項22又は請求項23に記載
の装置。
25.再洗手段がカーディングステージの直後の下流部に配置され、ファイバア
ッセンブリがウールスライバとされる、請求項24に記載の装置。
26.更に、乾燥処理手段の前段にファイバアッセンブリをリンスする手段を含
む、請求項21〜請求項25のいずれかに記載の装置。
27.再洗処理中、ファイバアッセンブリを調整保持する手段を配置し、スライ
バの各ファイバが実質的に混乱しないようにした、請求項21〜請求項26のい
ずれかに記載の装置。
28.流体流が先頭の液体ジェット及び後続のリンス液ジェットを含む、請求項
21〜請求項27のいずれかに記載の装置。
29.更に、ファイバアッセンブリに力、例えば、吸引力を加える手段を含み、
該ファイバアッセンブリのファイバ間への洗浄、リンス及び/又は乾燥液の浸透
を改善するようにした、請求項21〜請求項28のいずれかに記載の装置。
30.更に、流体流吹き付け手段の下流部にファイバアッセンブリと係合する加
圧ニップ手段を含む、請求項21〜請求項29のいずれかに記載の装置。
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
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