JP2000505869A - 防水性のプラスチック部材、特にプラスチックケーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 防水性のプラスチック部材、特にプラスチックケーシングであって、プラスチック部材の部材内部（１２）と部材周囲（１３）との間における空気交換を行うための通気孔（１１）が設けられており、部材内部（１２）への水の侵入を阻止するために、通気孔（１１）を覆っているガス透過性のダイヤフラム（１４）が設けられており、該ダイヤフラム（１４）が、通気孔（１１）の開口に前置されたポット形の切欠き（１５）内に位置していて、該切欠き（１５）の底部（１５１）にシールリング（１７）と一緒に縁部側で緊締されている形式のものにおいて、付加的な組立て手段を省いて組立てを簡単にするために、シールリング（１７）及びダイヤフラム縁部が、切欠き（１５）の底部（１５１）から軸方向間隔をおいて配置されたセグメント舌状片（１８）によって上から係合されており、該セグメント舌状片（１８）がアンダカット（１９）を形成しながら半径方向で切欠き（１５）の円筒壁（１５２）から突出しているようにした。

Description

【発明の詳細な説明】 防水性のプラスチック部材、 特にプラスチックケーシング 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の防水性のプラスチック部材、特にプ ラスチックケーシングに関する。 自動車の車体における開口のためのカバーエレメント、つまり窓ガラス、スラ イドルーフ又はこれに類したもののようなカバーエレメントを移動させるための 電気式の駆動装置のための駆動装置ケーシングとして構成された公知のプラスチ ック部材（国際公開第８８／０９４２２号パンフレット）では、ポット状のケー シング切欠き内に位置しているダイヤフラムは、皿形のばねエレメントによって 保持されており、このばねエレメントはケーシング切欠きの円筒壁にいわゆるス ピードナット固定装置（Speednut-Sicherung）の形式で爪によって固定されてい る。ダイヤフラム縁部とばねエレメントとの間には、Ｏリングとして形成された シール部材が挿入されており、このシール部材はばねエレメントによってダイヤ フラムと一緒に、ケーシング切欠きの底部の前に支承されたリング状の支持肩部 に対して緊締される。 発明の利点 請求項１の特徴部分に記載のように構成された本発明による防水性のプラスチ ック部材には、次のような利点がある。すなわち本発明によるプラスチック部材 では、ダイヤフラムはシールリングと共に簡単にセグメント舌状片のアンダカッ ト内に押し込まれ、そこでケーシング切欠きの円筒壁に対して確実にシールされ て保持される。これによってばねエレメントは不要になり、ひいてはコストが低 下する。 請求項２以下には、請求項１記載の防水性のプラスチック部材の別の有利な構 成が開示されている。 本発明の有利な構成によれば、セグメント舌状片が互いに等しい回転角だけず らされて、ケーシング切欠きの円筒形の内壁の内周部にわたって配置されており 、かつプラスチック部材の射出成形による製造時に一緒に成形されるようになっ ている。この場合さらに有利な構成では、セグメント舌状片とポット形のケーシ ング切欠きの底部との間における自由空間である、セグメント舌状片のアンダカ ットは、２部分から成る内側成形プランジャの内側のプランジャ部分を回転させ ながら離型することによって形成されており、内側成形プランジャの、内側のプ ランジャ部分を同心的に取り囲む外側のプランジャ部分は、あらかじめ内側のプ ランジャ部分から軸方向に引出し可能である。このような処置によって、プラス チック部材をただ１つの射 出成形工程において完全に製造することができ、しかも付加的な切削加工による 処理工程を必要としない。 図面 次に図面につき本発明の有利な実施例を説明する。 第１図は、ケーシングとして形成されたプラスチック部材の一部を示す縦断面 図である。 第２図は、第１図の矢印ＩＩの方向からケーシング切欠きを見た図である。 第３図は、第１図に示された範囲ＩＩＩを拡大して示す図である。 第４図は、プラスチックケーシングを射出成形するための２部分から成る内側 成形プランジャの一部を示す縦断面図である。 第５図は、第４図の矢印Ｖの方向から内側成形プランジャを見た図である。 実施例の記載 一般的な防水性のプラスチック部材のための１例として第１図に一部を縦断面 図で示されたプラスチックケーシング１０は、ケーシング内部１２とケーシング 周囲１３との間における空気交換のための通気孔１１を有しており、この通気孔 １１は、ケーシング内部１２への水の侵入を阻止するためにガス透過性のダイヤ フラム１４によって覆われている。通気孔１１に対して同軸的にケーシング壁１ ０１には外側から、階段状に段付けされたポット形の切欠き１５が設けられてお り、この切欠き１５の底部１５１において通気孔１１が開口している。切欠き１ ５の底部１５１には、通気孔１１の開口に対して同心的なリングウェブ１６が形 成されており、このリングウェブ１６は底部１５１の外周から半径方向間隔ａを 有している（第３図）。切欠き１５の底部１５１から軸方向に突出しているこの リングウェブ１６には、ダイヤフラム１４が載設されており、かつ縁部側におい てダイヤフラム１４に載設されたシールリング１７を用いて、切欠き１５の円筒 壁１５２に対して防水性にシールされている。択一的な実施の態様ではシールリ ング１７はダイヤフラム１４に一体成形されていてもよい。シールリング１７を 備えたダイヤフラム１４の固定は、セグメント舌状片１８によって行われ、この セグメント舌状片１８は切欠き１５の底部１５１から軸方向間隔をおいて、アン ダカット１９を形成しながら、半径方向に切欠き１５の円筒壁１５２から突出し ており、そしてシールリング１７に上から係合している。切欠き１５の底部１５ １からのセグメント舌状片１８の軸方向間隔は、該軸方向間隔がダイヤフラム１ ４とシールリング１７との軸方向厚さの総和にほぼ相当するように、選択されて いるので、ダイヤフラム１４及びシールリング１７は、リングウェブ１６とセグ メント舌状片１８との間に押し込まれて、そこで確実に不動に位置することがで きる。第２図に示されているように、セグメント舌状 片１８は相互の等しい円周角もしくは回転角だけずらされて、切欠き１５の円筒 壁１５２の全周にわたって配置されている。 セグメント舌状片１８は、射出成形品として形成されたプラスチックケーシン グ１０の製造時に、通気孔１１を同時に成形する際に一緒に形成される。ケーシ ング１０のプラスチック射出時に、通気孔１１を形成するためには、第４図に示 されているような２部分から成る内側成形プランジャ（Innenformstempel）２０ が必要である。この２部分から成る内側成形プランジャ２０は、内側のプランジ ャ部分２１と、該プランジャ部分２１を同軸的に取り囲む外側のプランジャ部分 ２２とを有している。内側のプランジャ部分２１はその一方の端面に、半径方向 外側に向かって延びるリングセグメント２３を有しており、これらのリングセグ メント２３の、プランジャ軸線に対して横方向に延びる平面における寸法は、切 欠き１５における半径方向のセグメント舌状片１８の寸法に相当しており、かつ 互いにセグメント舌状片１８と同じ回転角をおいて、プランジャ部分２１の全周 にわたって分配配置されており、しかもリングセグメント２３の軸方向高さは、 セグメント舌状片１８のアンダカット面１８１と切欠き１５の底部１５１との間 の間隔、つまりアンダカット１９の軸方向深さに相当している。外側のプランジ ャ部分２２の外周輪郭は、ポット形の切欠き１５の階 段状に段付けされた円筒壁１５２に相当しており、また外側のプランジャ部分２ ２は、射出成形工程時にセグメント舌状片１８を形成するために、セグメント舌 状片１８及び該セグメント舌状片１８と軸方向で整合する内側のプランジャ部分 ２１におけるリングセグメント２３と寸法の等しい切欠き２４を、端面側に有し ている。外側のプランジャ部分２２の端面から内方に形成されたこれらの切欠き ２４の間には、爪２５が残り、これらの爪２５は内側のプランジャ部分２１にお けるリングセグメント２３の間に形状結合的に突入して、リングセグメント２３ と軸方向で整合して終わっている。 上に述べた２部分から成る内側成形プランジャ２０は、切欠き１５を成形する ために、通気孔１１を形成するための同軸的な別の内側成形プランジャと一緒に 射出成形型内に入れられる。プラスチック材料、つまり、内側のプランジャ部分 ２１におけるリングセグメント２３と該リングセグメントに対して軸方向で整合 した外側のプランジャ部分２２における切欠き２４との間に残っている中空室内 に流入し、これによってセグメント舌状片１８を形成するプラスチック材料を充 填し、このプラスチック材料が硬化した後で、離型が行われるが、この場合まず 初めに外側のプランジャ部分２２が軸方向で内側のプランジャ部分２１から引き 出され、次いで内側のプランジャ部分２１の離型はま ず初め、リングセグメント２３の間隔角度に相当する回転角だけ内側のプランジ ャ部分２１を回転させ、次にこの内側のプランジャ部分２１を軸方向で引き出す ことによって行われる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 防水性のプラスチック部材、特にプラスチックケーシングであって、プラス チック部材の部材内部（１２）と部材周囲（１３）との間における空気交換を行 うための通気孔（１１）が設けられており、該通気孔（１１）を通しての部材内 部（１２）への水の侵入を阻止するために、該通気孔（１１）を覆っているガス 透過性のダイヤフラム（１４）が設けられており、該ダイヤフラム（１４）が、 通気孔（１１）の開口に前置されたポット形の切欠き（１５）内に位置していて 、該切欠き（１５）の底部（１５１）にシールリング（１７）と一緒に縁部側で 緊締されている形式のものにおいて、シールリング（１７）及びダイヤフラム縁 部が、切欠き（１５）の底部（１５１）から軸方向間隔をおいて配置されたセグ メント舌状片（１８）によって上から係合されており、該セグメント舌状片（１ ８）がアンダカット（１９）を形成しながら半径方向で切欠き（１５）の円筒壁 （１５２）から突出していることを特徴とする、防水性のプラスチック部材、特 にプラスチックケーシング。 2. セグメント舌状片（１８）のアンダカット面（１８１）の軸方向間隔がほぼ 、ダイヤフラム縁部及びシールリング（１７）の軸方向厚さの総和に相当し ている、請求項１記載のプラスチック部材。 3. シールリング（１７）がダイヤフラム縁部に一体的に成形されている、請求 項１又は２記載のプラスチック部材。 4. セグメント舌状片（１８）が互いに等しい回転角だけずらされて、切欠き（ １５）の円筒壁（１５２）の内周部にわたって配置されており、かつプラスチッ ク部材の射出成形による製造時に一緒に成形される、請求項１から３までのいず れか１項記載のプラスチック部材。 5. セグメント舌状片（１８）のアンダカット（１９）が、２部分から成る内側 成形プランジャ（２０）の内側のプランジャ部分（２１）を回転させながら離型 することによって形成されており、内側成形プランジャ（２０）の、内側のプラ ンジャ部分（２１）を同心的に取り囲む外側のプランジャ部分（２２）が、あら かじめ内側のプランジャ部分（２１）から軸方向に引出し可能である、請求項４ 記載のプラスチック部材。