JPH07167326A - 殊に自動車のヒーター用、換気用又はエアコン用のバルブ及びこれと類似のもののための電気式の調節駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に自動車のヒーター用、換気用又はエアコ
ン用のバルブ及びこれと類似のもののための電気式の調
節駆動装置の、２つのケーシング部分（ケーシングシェ
ル３とケーシングカバー２）から成るケーシングであっ
て、これら２つのケーシング部分のうちの一方にキー４
が形成され、他方に溝５が形成されており、この溝内に
シール材料７が充填されている形式のものを改良して、
伝動機能若しくは伝動効率を損なうことなしに、簡単か
つ確実に組み立てることができると同時に、ケーシング
のシール性を得るようにする。 【構成】内側の溝縁部１１が、外側の溝縁部１２よりも
高く構成されており、キー４が溝内側面１９に当接して
おらず、キー４が、シール材料７内に侵入する際にこの
シール材料７の大部分を外側に押しやるようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に自動車のヒーター
用、換気用又はエアコン用のバルブ及びこれと類似のも
ののための電気式の調節駆動装置のケーシングに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】自動車に使用される調節駆動装置は、組
み込み箇所に応じて多かれ少なかれ、湿気、塩分を含む
霧又はこれと類似の天候の影響を受けるので、一般的に
はプラスチック製のケーシング内に収容されている。

【０００３】このような形式のケーシングは、一般に２
つの部分より構成されていて、ケーシングシェルとケー
シングカバーとを有している。こられの２つのケーシン
グ部分は、互いに向き合う縁部に沿ってそれぞれ１つの
互いに合わせられた成形部を有している。これら２つの
ケーシング部分は、ねじ又は係止部材及び又は錠止部材
によって互いに結合されている。これらのねじ又は係止
部材及び又は錠止部材は、一般的に縁部成形部の外側で
ケーシングの外側に配置されており、これによって、必
要な場合自由にアクセスできるようになっている。

【０００４】公知のケーシング（ドイツ連邦共和国特許
出願公開第４０２１２６６９号明細書）においては、第
１のケーシング半部の縁部成形部には環状に延びる溝が
形成されていて、第２のケーシング半部の縁部成形部に
環状に延びるキーが設けられており、このキー内に、少
なくとも初めは液状であるシール材料が、他方のケーシ
ング部分が組み立てられる前に、取り付けられる。

【０００５】ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０２１
６６９号明細書に記載されているように、キーと溝と
は、場合によってはシール材料なしでも良好にシールを
行なうことができるように、互いに合わせられている。
射出成形部分は、見過ごすことができないよう程度の寸
法公差を有しているので、このようなケーシングにおい
ては、２つのケーシング半部の間の規定された対応配置
関係は得られない。２つのケーシング半部の間で規定し
た対応配置関係を与えると、これらのケーシング半部内
に配置された伝動装置が、軸間隔の誤差又は軸角度の誤
差に基づいて最適な効率が得られなくなる。しかも、キ
ーと溝との間にはほとんどギャップが存在しないので、
シール材料の一部が、外方へ及び内方への押しやられ
て、これが同様に伝動装置若しくは伝動装置効率に不都
合な影響を与える。このような不都合な影響は、シール
材料を溝内に挿入する際に、このシール材料を注意深
く、均一に調量して、ひいてはコストの高い形式で行な
うことによってのみ避けることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、請求項１の上位概念に記載した形式の、特に自動車
用の電気式の調節駆動装置のためのケーシングを改良し
て、伝動機能若しくは伝動効率を損なうことなしに、簡
単かつ確実に組み立てることができると同時に、ケーシ
ングのシール性を得ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題は本発明によれ
ば、ケーシング半部内に形成された溝が、この溝内に係
合するキーよりも幅広くしかも深く構成されていて、液
状のシール材料を収容するために必要であるよりも高い
縁部を有しており、しかも溝の内側の縁部は外側の縁部
よりも高く構成されているので、余剰のシール材料が伝
動装置内に達することがないようになっていることによ
って解決された。

【０００８】キーは、シール材料が伝動装置ケーシング
の内部に向かってではなく、外方に向かって十分遠くに
押しやられるように成形されている。これは、キーの先
端が先細りして形成されていることによって達成される
が、この場合、ケーシング内部に向けられた、キーの側
は、向き合う溝壁部に対して平行に又はほぼ平行に延び
ている。本発明の特に有利な構成によれば、キーは内側
にややずらして配置されているので、シール材料の大部
分はキーの外側に存在することになる。

【０００９】射出成形において一般的な公差を補償し
て、確実なものにするために、２つのケーシング部分は
所定の位置を占め、幾つかの箇所だけで接触し合うよう
になっており、このために、２つのケーシング部分の位
置を互いに規定する、互いに合致し合う支持箇所が設け
られている。

【００１０】請求項１０に記載したキー及び溝縁部の特
別な構成によれば、溝の縁部に切欠が設けられていて、
この切欠内に差込みピン若しくはフレキシブルな導線が
挿入されることによって、同時に、電気接続部の必要な
シールが得られる。液状のシール材料を溝内に挿入する
ことによって、差込みピン若しくはフレキシブルな導線
は気密に取り囲まれる。これは、導線のための切欠が溝
底部まで達していないことによって得られるので、溝底
部と導線との間に、導線を液密シールによって完全に取
り囲むために十分な中間室が確実に得られる。環状に延
びるキーはこの過程を補助し、これによって場合によっ
ては残る中空室がシール材料によって充填される。

【００１１】

【実施例】以下に図面に示した実施例について本発明の
構成を具体的に説明する。

【００１２】図１〜図４に示したケーシング１は、ケー
シングシェル３とケーシングカバー２との２つの部分よ
り構成されている。ケーシングカバー２とケーシングシ
ェル３とは、環状に延びる側壁２０，３０を有してい
る。これらの側壁２０，３０は、同じ高さを有していて
もよいし、異なる高さを有していてもよい。また、“ケ
ーシングカバー”及び“ケーシングシェル”とは、縁部
（側壁）の高さとは無関係である。つまり、ケーシング
シェル３の側壁３０は、ケーシングカバー２の側壁２０
よりも低く構成されていてもよいし、その逆でものよ
い。

【００１３】ケーシング１は電動モータ２６を有してお
り、この電動モータ２６は、減速ギヤ２７を介して被駆
動軸を駆動する（図示せず）。

【００１４】図１の（ａ）及び（ｂ）には、２つのケー
シング部分、つまりケーシングカバー２，ケーシングシ
ェル３の互いに向き合う縁部に成形部が設けられてい
る。一方のケーシング部分（この実施例ではケーシング
カバー２）にはキー４が設けられていて、他方のケーシ
ング部分（この実施例ではケーシングシェル３）には溝
５が設けられている。キー４は、有利には接触し合うこ
となしに若しくはキー４が溝５内で横たわることなし
に、溝５内に突入している。

【００１５】図１の実施例に示されているように、２つ
のケーシング部分（２，３）は、所定の支持箇所２４
ａ，２４ｂ，２４ｃ及び２４ｅだけで接触し合ってい
て、これによって２つのケーシング部分（２，３）の配
置位置を規定することができ、ケーシングカバー２及び
ケーシングシェル３内に伝動装置（ギヤ）のための所定
の組み込み条件が得られる。この伝動装置の軸は、ケー
シングカバー２及びケーシングシェル３内に軸受けされ
ている。

【００１６】前記支持箇所に基づいてキー４と溝５とは
通常の場合には互いに接触せず、これによって射出成形
部分において一般的な寸法公差が補償される。互いに向
き合うケーシング部分（２，３）の内側縁部１６，２９
も接触することはない。これらの内側縁部１６，２９の
間に存在するギャップ２３は、場合によっては余剰のシ
ール材料７を外方へ逃がすことを可能にする。

【００１７】支持箇所の数は、使用状態に応じて自由に
選択することができるが、少なくとも３箇所設けるとよ
い。図示の実施例では５箇所の支持箇所が設けられてい
る。溝５の内側面１７，１８，１９とキー４との間には
ギャップ（このギャップの幅は、シール材料７の流動特
性とは無関係に選定される）が設けられている。シール
材料７はこの中間室を完全に満たすので、気密なケーシ
ング接続が形成される。

【００１８】シール材料７の量は、溝５の幅及び高さ、
キー横断面、並びに溝底部１９とキー４との間の間隔に
よって導き出される。この場合に溝横断面及びひいては
シール材料の量は、キー横断面が同一である場合に、コ
ストの理由により、可能な限り少なくしかしながらシー
ル性を得るためには十分であるように選定される。シー
ル材料７の挿入は自動的に行われ、吐出ノズルからのシ
ェル材料７の一様な流れは常に保証されるとは限らない
ので（特にこの過程の開始時及び終了時）、ケーシング
シェル３の内側の溝縁部１１は、外側の溝縁部１２より
も高く構成されている。これによってキー４をシール材
料７内に侵入する際に、このシール材料７は伝動装置ケ
ーシング内に押しやられるのではなく、外方へ押しやら
れる。

【００１９】シール材料７を有利には外方に押しやるた
めに、キー外側１０は斜めに形成されている。本発明の
特に有利な実施例によれば、キー４の位置はやや内側に
ずらして配置されており、これによって、シール材料７
の余剰の部分は、最初から、外側の溝縁部１２とキー４
との間の範囲に存在することになる。

【００２０】図２の（ａ）及び（ｂ）には、差込みピン
の範囲におけるシール成形部が示されている。差込みピ
ン６を受容するために、溝縁部１１，１２には切欠９ａ
及び９ｂが設けられており、これらの切欠９ａ，９ｂ
は、溝底部１９にまで達しておらず、これによって差込
みピン６を組み込む際に差込みピン６の下側と溝底部１
９との間に、シール材料が確実に流れ込むのを保証する
ために十分幅の広いギャップが形成される。ケーシング
カバー２の溝４内には、差込みピン６のための切欠８が
設けられている。差込みピンの代わりにフレキシブルな
導線を使用してもよい。

【００２１】図４に示されているように、２つのケーシ
ング部分２及び３は、組み立て後に、係止突起１５と係
止孔１４とから成る幾つかの係止部材１３によって保持
される。図示の実施例では、係止突起１５はケーシング
シェル３に一体成形されていて、係止孔１４はケーシン
グカバー２に一体成形されているが、逆でもよい。係止
孔１４はその高さの大部分に亙って自由に構成されてい
るので、２つのケーシング部分を組み立てる際に、傾斜
面状に上昇する、係止突起１５の後ろ側を越えて滑動し
て、係止突起１５の係止面２１にスナップ係合する。

【００２２】このような係止機構が、強い負荷がかかる
使用時に外れないように保証するために、安全機構が設
けられており、この安全機構は、係止された係止孔１４
が再びその固定部から外れるのを阻止する。このため
に、係止孔１４の変位経路の範囲に固定された部材、例
えばねじ（図示せず）を使用することができるが、図示
の実施例では、このような手段は避けられる。何故なら
ば、シール材料７を使用すれば、２つのケーシング部分
は互いに確実に十分に結合されるからである。図３に示
されているように、ケーシング１はほぼ正方形に構成さ
れているが、所定の使用例或いは伝動装置ガイド及び又
はモータ導出ガイドのために、不規則に成形されている
か又は円形に構成されていてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、組み立てた状態での２つのケーシン
グ部分の断面図、（ｂ）は図１の（ａ）のケーシングシ
ール部分の範囲の拡大図である。

【図２】（ａ）は差込み接続部の範囲における２つのケ
ーシング部分の断面図、（ｂ）は図２の（ａ）の差込み
ピン周囲のシールの範囲の拡大図である。

【図３】調節駆動装置の平面図である。

【図４】調節駆動装置の正面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング、 ２ ケーシングカバー、 ３ ケー
シングシェル、 ４キー、 ５ 溝、 ６ 差込み／フ
レキシブル導線、 ７ シール材料、 ８キーの切欠、
９ａ，９ｂ 溝壁部の切欠、 １０ キー外側、 １
１ 内側の溝縁部、 １２ 外側の溝縁部、 １３ 係
止部材、 １４ 係止孔、 １５係止突起、 １６ 内
側縁部、 １７，１８，１９ 溝内側面、 ２０ 側
壁、２１ 係止面、 ２２ キー先端、 ２３ ギャッ
プ、 ２４ａ，２４ｂ，２４ｃ，２４ｄ，２４ｅ 支持
箇所、 ２５ 面取り部、 ２６ 電動モータ、２７
減速ギヤ、 ２８ キー内側、 ２９ 内側縁部、 ３
０ 側壁

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 殊に自動車のヒーター用、換気用又はエ
   アコン用のバルブ及びこれと類似のもののための電気式
   の調節駆動装置のケーシングであって、該ケーシングが
   ２つの部分より構成されていて、ケーシングシェルとケ
   ーシングカバーとから成っていて、これらのケーシング
   シェルとケーシングカバーとが側壁を有していて、これ
   らの側壁の互いに向き合う縁部が互いに係合し合う成形
   部を備えており、ケーシングシェルに環状に延びる溝が
   形成され、ケーシングカバーに環状に延びるキーが形成
   されているか、若しくはケーシングシェルに環状に延び
   るキーが形成され、ケーシングカバーに環状に延びる溝
   が形成されていて、これらのキー及び溝がそれぞれ縁部
   成形部として構成されており、さらにこれらの溝内に、
   少なくとも初めは流動性であるシール材料が設けられて
   いる形式のものにおいて、 ａ）内側の溝縁部（１１）が、外側の溝縁部（１２）よ
   りも高く構成されており、 ｂ）キー（４）が溝内側面（１９）に当接しておらず、 ｃ）キー（４）が、シール材料（７）内に侵入する際に
   このシール材料（７）の大部分を外側に押しやるように
   なっている、 ことを特徴とする、殊に自動車のヒーター用、換気用又
   はエアコン用のバルブ及びこれと類似のもののための電
   気式の調節駆動装置のケーシング。
2. 【請求項２】 キー（４）の先端部が先細りに構成され
   ている、請求項１記載のケーシング。
3. 【請求項３】 キー（４）の先端部（２２）が丸みを付
   けて構成されている、請求項２記載のケーシング。
4. 【請求項４】 キー（４）の先端部（２２）が、外側の
   溝縁部（１２）に対してよりも、内側の溝縁部（１１）
   に対して空間的に近く配置されている、請求項２又は３
   記載のケーシング。
5. 【請求項５】 キー（４）の、キー外側（１０）がキー
   内側（２８）よりも大きく傾斜して構成されている、請
   求項２又は３記載のケーシング。
6. 【請求項６】 キー内側（２８）が、ケーシングカバー
   の側壁（２０）に対して平行又はほぼ平行に延びてい
   る、請求項２又は３記載のケーシング。
7. 【請求項７】 キー内側（２８）が、側壁（２０）の内
   側と同じ平面内に配置されている、請求項６記載のケー
   シング。
8. 【請求項８】 内側の溝縁部（１１）が溝側で面取り部
   （２５）を有している、請求項１記載のケーシング。
9. 【請求項９】 ２つのケーシング部分、つまりケーシン
   グカバー（２）とケーシングシェル（３）とが、所定の
   支持箇所（２４ａ，２４ｂ；２４ｃ；２４ｄ；２４ｅ）
   で互いに当接しており、これによって、互いに向き合う
   ２つの縁部が、シール材料（７）を介してのみ互いに接
   続されている、請求項１記載のケーシング。
10. 【請求項１０】 ２つのケーシング部分（２；３）の成
    形部（４；１１；１２）の縁部に切欠（８；９ａ；９
    ｂ）が設けられていて、この切欠を通って、電圧供給及
    び／又は制御のための接続部がガイドされるようになっ
    ている、請求項１記載のケーシング。
11. 【請求項１１】 前記切欠（９ａ；９ｂ）が、溝縁部
    （１１；１２）内で溝底部（１９）まで達していない、
    請求項１及び１０記載のケーシング。
12. 【請求項１２】 キー（４）の切欠（８）が、キーの突
    起部まで達していない、請求項１及び１０記載のケーシ
    ング。
13. 【請求項１３】 切欠（８；９ａ；９ｂ）内に差し込み
    ピンが挿入されている、請求項１から１２までのいずれ
    か１項記載のケーシング。
14. 【請求項１４】 切欠（８；９ａ；９ｂ）内にフレキシ
    ブルな導線が挿入されている、請求項１記載のケーシン
    グ。