JP2000505653A - ホスファチジルイノシトール 3―キナーゼp110デルタ触媒サブユニット - Google Patents

ホスファチジルイノシトール 3―キナーゼp110デルタ触媒サブユニット

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Abstract

(57)【要約】 本発明は一般に、p110δと命名された脂質キナーゼの新規触媒サブユニットに関する。p110δをコードするポリヌクレオチド及び組換えp110δポリペプチドが、p110δに対する抗体、p110δの阻害剤を同定するためのアッセイ等と共に提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 ホスファチジルイノシトール 3−キナーゼP110デルタ 触媒サブユニット 本願は、1996年11月25日に出願せる米国特許出願第08/777,405号の一部継続出 願である。 発明の分野 本発明は一般に、新規脂質キナーゼの同定及び単離に関し、さらに詳細には、 ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼに関連する新規触媒サブユニット(本 明細書中、p110δと称する)の発見に関するものである。 発明の背景 ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ(PI 3-キナーゼ)は、元はホスファ チジルイノシトール(PI)及びPIのリン酸化誘導体をイノシトール環の3'-水酸 基にてリン酸化する、ウイルスのオンコタンパク質及び成長因子受容体チロシン キナーゼに関連する活性として同定された[Panayotouら、Trends in Cell Biol.、2巻、358〜360頁(1992)]。PI 3-キナーゼの最初の精製及び分子ク ローニングによって、これがp85及びp110サブユニットからなるヘテロダイマー であることが明らかになった[Otsuら、Cell、65巻、91〜104頁(1992);Hilesら 、Cell、70巻、419〜429頁(1992)]。 p85サブユニットは、そのSH2ドメインと、標的タンパク質のリン酸化されたチ ロシン残基(適切な配列コンテクストに存在と)との相互作用によって、原形質 膜にPI 3-キナーゼを局在化 させるように作用する[Ramehら、Cell、83巻、821〜830頁 (1995)]。p85の2つのイソフォーム、すなわち、偏在的に発現されているp85α と、脳及びリンパ様組織に主に認められるp85βとが同定されている[Voliniaら 、Oncogene、7巻、789〜793頁(1992)]。 p110サブユニットは、PI 3-キナーゼの触媒ドメインを含んでおり、そしてこ れまでに3種のイソフォーム(α、β及びγ)が同定されている。p110α及びβ は、p85に会合しているが、Gタンパク質βγサブユニットにより活性化されるp 110γはそうではない[Stoyanovら、Science、269巻、690〜693頁(1995)]。p11 0γのクローニングによって、この酵素のファミリー内のさらなる複雑性が明ら かになった。p110γは、p110α及びβに密接に関連している(触媒ドメインで45 〜48%の同一性)が、標的となるサブユニットとしてp85を使用しておらず、そ れに代わってp110γは、そのアミノ末端付近にプレックストリン (pleckstrin)相同ドメインと命名されているさらなるドメインを含んでいる。 このドメインは、ヘテロトリマーGタンパク質のβγサブユニットとの相互作用 を許容し、その活性を調節するのは、かかる相互作用であると考えられている[ Stoyanovら、1995]。かように、PI 3-キナーゼはそのアミノ酸の同一性または その活性によって規定されている。漸増傾向にあるこの遺伝子ファミリーのさら なるメンバーに含まれるのが、関連性が低い方の脂質及びタンパク質キナーゼ( Vps34、Scaccharo-myces cerevisiaeのTOR1及びTOR2(さらに哺乳動物のこれら の相同体であるFRAP及びmTORなど)を含む)、毛細血管拡張性運動失調症遺伝子 産物、ならびにDNA依存性タンパク質キナーゼの触媒サブユニットなどである。 [概説として、Hunterら、Cell、83巻、1〜4頁(1995)を参照されたい。] ホスファチジルイノシトール(3,4,5)トリホスフェート(PIP3)(PI 3-キナー ゼ活性化の主産物)のレベルは、様々なアゴニストで細胞を処理した場合に増大 する。従って、PI 3-キナーゼ活性化は、細胞成長、分化及びアポトーシスを包 含する一連の細胞応答に関わるものと考えられている[Parkerら、 Current Biology、5巻、577〜579頁(1995);Yaoら、Science、267巻、2003〜20 05頁(1995)]。PI 3-キナーゼ活性化の後に産生されたリン酸化脂質の下流にあ る標的は、あまり明らかにされていない。試験管内では、タンパク質キナーゼC (PKC)のイソフォームのいくつかがPIP3によって直接的に活性化され、そしてP KC関連タンパク質キナーゼPKBが、未解明の機構を通じてPI 3-キナーゼにより活 性化されることが示されている [Burgerning及びCoffer、Nature、376巻、599〜602頁(1995)]。 PI 3-キナーゼは、白血球活性化の多くの局面にも関与していると考えられる 。p85が関与するPI 3-キナーゼ活性は、抗原に対する応答に際してのT細胞の活 性化のための重要な共刺激分子である、CD28の細胞質ドメインに物理的に関係し ていることが示されている[Pagesら、Nature、369巻、327〜329頁(1994);Rudd 、Immunity、4巻、527〜534頁(1996)]。CD28を介したT細胞の活性化は、抗原 による活性化に対する閾値を低下させ、そして増殖性応答の程度や期間を増大さ せる。これらの効果はT細胞成長因子インターロイキン2(IL-2)を含む、数多 くの遺伝子の転写の増大につながるものである[Fraserら、 Science、251巻、313〜316頁(1992)]。CD28を、PI 3-キナーゼと相互作用でき なくなるように変異させると、IL-2生産は開始されなくなるが、これはT細胞活 性化におけるPI 3-キナーゼに対する重要な役割を示唆している[Pagesら、1994 ]。PI 3-キナーゼ阻害剤(ウォートマニン(wortmannin))を用いた研究 に基づき、PI 3-キナーゼ(1または複数)が、Gタンパク質結合受容体を介す る白血球シグナル伝達の特定の局面にも必要であることが証明されている[Thel enら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA.、91巻、4960〜4964頁(1994)]。 しかして、当該技術分野において、PI 3-キナーゼの効果の有益なモジュレー ションをもたらすための手段を提供するような、PI 3-キナーゼの性質、機能及 び分布に関するさらなる見識が希求され続けている。 発明の要約 本発明は、これまでには知られていなかった、p110δと命名された、PI 3-キ ナーゼファミリーの触媒性メンバーをコードする、新規の精製及び単離されたポ リヌクレオチド(すなわち、DNA及びRNA、双方ともセンス及びアンチセンス鎖) を提供する。p110δは、白血球に主として発現されており、従って、免疫系にお けるPI 3-キナーゼによって媒介されるシグナル伝達において役割を果たしてい るようである。本発明の好ましいDNA配列は、ゲノミック及びcDNA配列、ならび に全体的または部分的に化学合成されたDNA配列が包含される。配列番号:1で 示される p110δをコードするDNA配列及び標準的なストリンジェント条件下でその非コー ド鎖とハイブリダイズする(または遺伝コードの縮重(redundancy)がなければ ハイブリダイズするであろう)DNA配列が、本発明によって企図される。ストリ ンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、以下の通りである:3X SSC 、20mM NaPO4 pH6.8で65℃にてハイブリダイゼーションを行い、0.2X SSCで65℃ にて洗浄。ハイブリダイズすべき配列の鎖長及びGCヌクレオチド塩基含量に基づ き、これらの条件の変更が想起されることが、当業者には理解されるものである 。 当該技術分野における定則標準が、的確なハイブリダイゼーション条件を決定す るために適切である。Sambrookら、 Molecular Cloningの9.47〜9.51、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(1989)を参照されたい。 ストリンジェント条件下で本発明のDNA配列を用いて行うDNA/DNAハイブリダイゼ ーション法により、p110δの対立変異体;ヒト以外の種のp110δと相同な酵素; 及びp110δが関与している細胞系路の1以上の酵素活性、またはその経路のメン バーもしくはレギュレーターと相互作用する能力を保有する、他の構造関連タン パク質をコードするDNAの単離が可能となることが期待される。 さらに本発明によって企図されるのは、本発明のDNA配列の生物学的複製物( すなわち、生体内または試験管内で作製され、単離されたDNA配列のコピー)で ある。p110δ配列を組み込んだプラスミド及びウイルスDNAベクター、特にp110 δをコードするDNAが内在性または外来性発現制御DNA配列及び転写ターミネータ ーに作動可能に連結されたベクターなどの、自己複製する組換え構築体もまた提 供される。当業者であれば、ベクターの様々な成分[例えば、プロモーター、選 択可能マーカー、複製起点、多重クローニング部位等]、ベクターの操作方法、 ならびに宿主細胞(原核性または真核性)を形質転換またはトランスフェクトす る上での、及び本発明のp110δを発現する上でのベクターの使用について理解し ているはずである。 本発明の他の特徴によれば、原核性または真核性の宿主細胞が、p110δの発現 を許容するように本発明のDNA配列を用いて安定に形質転換またはトランスフェ クトされる。p110δまたは、p110δとその結合パートナーを共に発現している本 発明の宿主 細胞は、種々の有用な目的に役立つものである。かかる細胞は、p110δと特異的 な免疫反応性を有する抗体物質の開発のための免疫源の貴重な供給源となる。本 発明の宿主細胞は、細胞が適切な培養培地中で生育され、そしてその細胞または 細胞が生育された培地から例えば免疫アフィニティー精製によって所望のポリペ プチド産物が単離される、p110δの大規模な製造のための方法においても有用で ある。 本明細書においてp110δは、キナーゼ触媒活性を有するポリペプチドである。 1つの特徴において、本発明はp110δポリペプチドを提供する。p110δポリペプ チドの触媒ドメイン(配列番号:2のアミノ酸残基第723〜1044位)は、p110β の触媒ドメインと72%を越える同一性を呈する。好ましくは、本発明のポリペプ チドは、p110βの触媒ドメインと75%以上の同一性を呈する。さらに好ましくは 、ポリペプチドは配列番号:2に示されるアミノ酸残基を含んでなる。 本発明のさらに別の特徴によれば、p110δのポリペプチド断片または類似体が 提供される。p110δの断片は、p110δと結合パートナー(例えば、p85、Ras、及 び成長因子受容体)との結合をモジュレートするのに有用である。類似体とは、 その類似体と結合パートナーとの結合親和性を増大または低減するために、アミ ノ酸残基の付加、置換(保存的置換を含む)または欠失がなされたポリペプチド である。p110δのこれらの類似体は、p110δと結合パートナーとの間の相互作用 をモジュレートする(すなわち、阻止、阻害または刺激する)ために有用であり 得る。 本発明のポリペプチドは、脂質可溶性部分との接合などによって、細胞内への 通過を容易にするように修飾してもよい。例えば、p110δ(またはその断片もし くは類似体)は、ミリスチ ン酸に接合するとよい。ペプチドは、Elichholtzら、J.Biol.Chem.、268巻、198 2〜1986頁(1993)(引用することにより本明細書に組み入れる)に報告されたよ うな標準技術によって、ミリストイル化してもよい。あるいは、ペプチドを細胞 膜と融合してペプチドを細胞内に輸送しうるリポソームにパッケージングしても よい。リポソーム内へのペプチドの被包も、米国特許第4,766,046号、5,169,637 号、5,180,713号、5,185,154号、 5,204,112号及び5,252,263号、ならびにPCT特許出願第92/ 02244号(それぞれ、引用することにより本明細書に組み入れることとする)に 概略記載されるような標準技術によって実施するとよい。 本発明の他の特徴によれば、p110δに対して特異的な免疫反応性を有する抗体 物質(例えば、モノクローナル及びポリクローナル抗体、抗体断片、単鎖抗体、 キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体など)ならびに他の結合タンパク質(前 記アッセイにて同定されたものなど)が提供される。抗体物質は、単離された天 然のp110δまたは組換えp110δを使用して、標準技術により調製することができ る。本発明の特に例証的なモノクローナル抗体は、1996年10月8日に、メリーラ ンド州20852、 Rockville、Parklawn Drive 12301に在するAmerican Type Culture Collection(ATCC)に寄託し、受託番号HB12200を譲受したハイブリド ーマ細胞系208Fによって生産されるモノクローナル抗体である。抗体物質は、p1 10δとその結合パートナーとの間の結合をモジュレートする(すなわち、阻止、 阻害または刺激する)上で有用である。抗体物質は、p110δの精製のためにも有 用であり、また既知の免疫学的手法により、生物学的試料中のp110δを検出及び 定量するためにも有用である。加えて、本発明の抗体物質を生産する、細胞系( 例えばハイブリド ーマ)または組換え発現構築体で形質転換された細胞系が企図される。 別の特徴において、p110δのキナーゼ活性を阻害または活性化するモジュレー ターを同定する方法が企図される。好ましい方法において、潜在性を有するモジ ュレーター化合物の存在下及び非存在下にp110δのキナーゼ活性を定量して比較 する。被検化合物の存在下に観察されるキナーゼ活性の減少は、その被検化合物 が阻害剤であることを示唆する。被検化合物の存在下に観察されるキナーゼ活性 の増大は、その被検化合物が活性化剤であることを示唆する。 別の特徴において、本発明は、p110δと結合パートナー(例えば、p85、Ras、 及び成長因子受容体)との結合に影響を及ぼし、それによりp110δの特異的細胞 下有効濃度を増加または減少させるモジュレーターを同定する方法を提供する。 この方法において、p110δおよびその結合パートナーが、結合のために好適な条 件下で、モジュレーターと推定される物質の存在下及び非存在下にインキュベー トされる。モジュレーターと推定される化合物の存在下と非存在下において観察 される結合を比較する。観察される結合が低下している場合は、その化合物が結 合を阻害することが示唆される。観察される結合が増加している場合は、その化 合物が結合を高めることが示唆される。これらのモジュレーターは、特定の細胞 下部位へのp110δの局在化に影響を及ぼすのに有用である。 本発明によって企図されるモジュレーターには、例えば、 p110δのポリペプチド、ポリペプチド断片、ならびに他の有機化学化合物及び無 機化学化合物が包含される。 さらに本発明は、生物学試料中のp110δの存在を検出する方法を提供する。こ の方法は、試験される生物学的試料に、p110 δ特異抗体を曝す工程を含む。生物学的試料中のp110δへの p110δ特異抗体の結合は、周知の手段によって検出される。例えば、抗p110δ抗 体を特異的に認識する、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)に接合された 二次抗体を用いて、抗p110δ抗体を検出する。HRPによって触媒される陽性の発 色反応が、生物学的試料中にp110δが存在することを示唆する。 本発明のさらに別の特徴によって、生物学的試料中の、p110δをコードするポ リヌクレオチドの存在を検出するための診断試薬が提供される。診断試薬は、配 列番号:2で示されるp110δのアミノ酸残基の一部またはすべてをコードする、 検出可能に標識付けされたポリヌクレオチドである。生物学的試料中のポリヌク レオチドの存在は、p110δをコードするポリヌクレオチドへの診断試薬のハイブ リダイゼーションによって判定される。生物学的試料の例には、染色体及び染色 体DNAが包含される。診断試薬は、周知の標識によって検出可能に標識されてお り、この標識には、放射活性、酵素活性または、アビジン/ビオチンなどの他の リガンド、及び検出可能なシグナルを提供することができる蛍光タグが含まれる 。 本発明によって提供されるDNA配列情報によって、相同組換えまたは「ノック アウト」戦略[Capecchi、Science、244巻、 1288〜1292頁(1989)]による、機能を有するp110δを発現しない、またはp110δ の変異類似体を発現する哺乳動物の開発も可能になる。かかる本発明の哺乳動物 は、破壊されたp110δ遺伝子またはp110δ遺伝子の破壊された相同体を含む。本 発明の哺乳動物を製造するために利用される一般的な戦略には、破壊されるべき 内在性遺伝子に相同なDNA配列を含む標的用構築体を調製することが含まれる。 次いで、その標的用構築体は、胎児幹細胞(ES細胞)へと導入され、この細胞に おいて内在性遺伝子 またはその相同体に入り込んで破壊が成し遂げられるのである。所望される破壊 が成し遂げられた細胞を選択した後、その選択されたES細胞は、胚盤胞段階で胎 児に移植される。哺乳動物の例としては、ウサギ及び齧歯類種が挙げられる。 本発明のポリヌクレオチドはまた、異常な細胞型におけるp110δの不適切な且 つ/または過剰な発現の検出にとって潜在的に有用な、染色体位置の特定にも有 用であることが期待される。 本発明によってさらに可能となるのは、通常はp110δを発現している細胞によ るp110δの発現の制御に関連するアンチセンスポリヌクレオチドの獲得である。 本発明の例示的な実施態様を含む、以下の発明の詳細な説明より、本発明のさ らに多くの特徴や利点が明らかになるはずである。 図面の簡単な説明 図1は、p110δの予測される触媒ドメインと、PI 3-キナーゼファミリーの他 のメンバーの対応するドメインとのアラインメントを表す。アラインメントは、 Geneworks(Intelligenetics,Inc.、Mountain View、カリホルニア州)を使用し て実施した。 図2は、p110δの予測されるRas調節領域と、PI 3-キナーゼファミリーの他の メンバーの対応する領域とのアラインメントを表す。Rasとの相互作用に必須の 保存されたリジンは、コンセンサスラインの下の#の印で示す。 発明の詳細な説明 本発明を以下の実施例によって例証する。実施例1には、 p110δをコードするcDNAのクローニング及び特徴付けを記載す る。p110δは、p110δcDNAの全長にわたる3つの別々のcDNAクローンを組み合わ せることによって得られた。実施例2には、組換えp110δの発現及びキナーゼ活 性を記載する。実施例3には、マウスゲノミックp110δクローンの単離を記載す る。実施例4には、p110δのバキュロウイルスでの発現を記載する。実施例5に は、組換えp110δが、トランスフェクトされた哺乳類細胞においてp85と会合す る能力について評価する。様々なヒト組織におけるp110δの発現を、実施例6に 開示する。実施例7には、p110δに対して特異性を有するモノクローナル抗体を 示す。実施例8には、p110δの染色体位置の特定についての実験を記載する。実 施例9には、p110δと成長因子受容体との会合に関する実験を記載する。実施例 10には、p110δ遺伝子を破壊するように設計されたトランスジェニック動物の用 途を述べる。 実施例1 既知PI 3-キナーゼの触媒ドメインにおいて保存された配列に基づくPCR反応で 使用するために、縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。センスプライ マーは、GDDLRQD(配列番号:4)の配列をコードするGCAGACGGATCCGGNGAYGAYHK NAGRCARGA (配列番号:3)であり、そしてアンチセンスプライマーは、 アミノ酸配列HIDFGH(配列番号:6)をコードする GCAGACGAATTCRWRNCCRAARTCNRYRTG(配列番号:5)であった。 BamHI及びEcoRI制限酵素切断部位に下線を付している。PCR反応液は、100μlの 最終容量で、10ngのPCR鋳型[10ng/mlのホルボールミリステート及び250ng/mlの カルシウムイオノフォア (Sigma)を用いて18時間活性化した、ヒト末梢血単核細胞 (PBMC)]、10μg/mlのオリゴヌクレオチドプライマー、50 mM KCl、10mM Tris塩酸(pH8.4)、1.5mM MgCl2、200mM dNTP、及び1UのTaqポリメラーゼからなるものであった。反応は、94℃で1分間 変性、60℃で2分間アニーリング及び72℃で1分間伸長の3サイクルを用いて実 施した。次に同様の方法において、56℃のアニーリング温度で3サイクル、52℃ のアニーリング温度で3サイクル、そして50℃のアニーリング温度で30サイクル を繰り返した。増幅された産物をゲルで精製し、 BamHI及びEcoRIで消化して、配列決定のため、ベクター pBSSKII+(Stratagene、La Jolla、カリホルニア州)にサブクローニングした。 配列決定用の全てのDNAは、Wizard Miniprep DNA Purification System(Promeg a、Madison、ウイスコンシン州)を使用して調製した。Applied Biosystems Mod e1373自動化シーケンサーで配列決定を行った。データバンクの検索は、BLASTプ ログラムを使用して行い、そしてタンパク質及びDNAのアラインメントは、Genew orksプログラム(Intelligenetics Inc.、Mountain View、カリホルニア州)を用いて行った。1つのクローンは、p 110δとの類似性を示す、133アミノ酸の読み取り枠をコードする399bpのインサ ートを含んでいた。このクローンは、p110δと命名されたPI 3-キナーゼの新規 の触媒サブユニットのクローンの一部であった。 p110δをコードするcDNAを同定するために、その399bpのPCR産物の配列に基づ いて特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。正方向のプライマーは 、CATGCTGACCCTGCAGATGAT (配列番号:7)であり、逆方向のプライマーは、 AACAGCTGCCCACTCTCTCGG(配列番号:8)であった。これらのプライマーを使用 して、PMA及びイオノマイシンで刺激したヒトPBMC(前記のとおり)から、哺乳 類発現ベクターpRc-CMVにおけるcDNAライブラリーをスクリーニングした。最初 に100,000クロ ーンのプールについて連続的にPCR反応を行い、続いてPBMC #249と命名された単一クローンが、ランダムプライミングによって標識付けされ たPCR産物をプローブとして用いたコロニーハイブリダイゼーションにより単離 されるまで、先に使用されたプールより小さなプールについてPCRを行った。こ のcDNAは全長のものではなかった。従って、さらに長いcDNAクローンを同定する ために、同様のアプローチを用いてヒトマクロファージからのcDNAライブラリー (やはりベクターpRcCMVのもの)をスクリーニングした。これによって1302bpま でcDNA配列が仲長した、さらなるcDNAクローン(M#928)を単離することができ た。 5'RACE PCR(Clontech、Palo Alto、カリホルニア州)によって、p110δをコ ードするcDNAの残る5'端が得られた。2つのアンチセンス遺伝子特異的なオリ ゴヌクレオチドプライマーを、RACE PCR反応のため、cDNA M#928の5'端に基づい て設計した。第一のRACEプライマーは、GGGCCACATGTAGAGGCAGCGTTCCC(配列番号 :9)であり、ネステッド(nested)RACEプライマーは、GGCCCAGGCAATGGGGCAGT CCGCC(配列番号:10)であった。 Human Leukocytes and the Advantage Core PCR Reactionキット(Clontech、Pal o Alto、カリホルニア州)のMarathon-ready cDNA鋳型を使用し、製造元のプロト コルに従ってMarathon- Race反応を準備した。タッチダウンPCR運転条件を、Marathon-Race PCR-次反応 の特異性を向上させるために以下のように改変した:すなわち、94℃での変性2 分間、続いて、94℃での変性30秒間ならびに72℃でのアニーリング及び伸長3 分間を5サイクル;94℃での変性30秒間ならびに70℃でのアニーリング及び伸 長3分間を5サイクル;そして94℃での変性30秒間ならびに68℃でのアニーリ ング及び伸長3分間を25サイクル。 増幅された産物は、前記のサイクルのパラメータを使用した ネステッドPCRにおける鋳型として使用した。再度増幅された産物は、次いでp11 0δに対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用し、サザンブロッティ ングによって分析した。プローブ(各々100ng)を32P-γATPで端部標識付けし、 そして標準条件下にハイブリダイゼーション及び洗浄を行った(Frish及びSambr ook)。2つのプローブの配列は、 GATGCGGAACGGCTGCTCCAGGG(配列番号:11)及び CCAGGGACCACAGGGACACAGAG(配列番号:12)であった。 このようにして同定された特異的5'RACE PCR産物は、ゲルで精製し、そしてTA ベクターPCRII(Invitrogen、San Diego、カリホルニア州)に、製造元の指示書 に従ってサブクローニングした。3種の別々のクローンを配列決定し、5'端の配 列が正しいか否かを確かめた。 p110δに対する全長のcDNAを、クローン#249、M#928及び5'RACE PCR産物から 統合した。5'RACE PCR産物は、5'プライマーAGTTACGGATCCGGCACCATG(GACTACAAGG ACGACGATGACAAG)CCCCCTGGGGTGGACTGCCC(配列番号:13)及び3'プライマーCCA CATGTAGAGGCAGCGTTCC(配列番号:14)を用いたPCRにおける鋳型として使用し た。5'プライマーには、BamHI酵素部位(下線部)と、M2抗FLAGモノクローナル 抗体(Kodak Scientlfic Imaging Systems、New Haven、コネチカット州)によって認識される FLAGペプチド配列DYKDDDDK(配列番号:15)をコードする配列(括弧内)とを 含む。この結果得られるPCR産物は、BamHI及びAflIIで消化され、そしてクロー ンM#928由来のAflII/PvuI断片及びクローン#249由来のPvuII/XbaI断片と共に哺 乳類発現ベターpcDNA3(Invitrogen、San Diego、カリホルニア州)の BamHI/XbaI酵素部位へと連結した。FLAGでタグ付けされた合成p110δ cDNAを含 むベクターは、pCDNA3:p110δFLAGと命名され た。FLAGでタグ付けされたp110δにおいて、PLAGタグは開始のメチオニンの直後 に位置していた。 p110δをコードする全長の合成cDNAを、配列番号:1に示す。p110δの配列は 、およそ114KDのタンパク質をコードすることが予測される3135ヌクレオチドの 読み取り枠を含んでいる。加えて、5'に197bp及び3'に1894bpの非翻訳配列があ る。予測される開始のメチオニン近傍の配列は、至適な翻訳開始のために必要と される配列[Kozak,M.、J.Cell Biol.、115巻、887〜 992頁(1991)]と良好に一致しており、また5'非翻訳配列中の終止コドンの存在 は、p110δの完全なコード領域の単離体に一致している。 p110δの推定されるアミノ酸配列(配列番号:2)の、他のPI 3-キナーゼと の比較によって、p110δがp110βと最も密接に関連していることが明らかである 。p110βと同様に、p110δの触媒ドメインはタンパク質のC末端に認められ、配 列番号:2の第723〜1044位のアミノ酸残基内に存在していると考えられる。PI 3-キナーゼファミリーの予測されるカルボキシ末端触媒ドメインのアラインメン ト(配列番号:2の第723〜1044位までのp110δ残基を含む)を、図1に示す。 表1には、PI 3-キナーゼファミリーの他のメンバーとのp110δの同一性を示す 。この領域でp110δはp110βと72%の同一性を有するが、p110α(49%)及びp1 10γ(45%)との同一性はそれよりも低い。表1にはさらに、cpk/p170及び酵母 Vps34タンパク質との同一性がそれぞれ34及び32%であることも示されている。 系統樹分析によって、p110βとp110δとは、PI 3-キナーゼファミリーの相違 する亜分岐を形成していることが明らかになった。遠位に関連するATM遺伝子及 びDNA依存性タンパク質キナーゼの触媒サブユニットを、比較のために組み入れ た。 PI 3-キナーゼは、Ras経路における重要な中間体であることが立証されている [Huら、1993;Rodriguez-Vicianaら、EMBO Journal、15巻、2442〜2451頁(1996 )]。PI 3-キナーゼの構成的に活性なフォームは、c-fos遺伝子の転写を増強し 、タンパク質キナーゼRafを活性化し、そして卵母細胞の成熟を増強させること が示されている[Huら、1995]。これらの系におけるPI 3-キナーゼの効果は、R asの優性で負のフォームを共発現することによって阻止されえ、PI 3-キナーゼ がRasの上流で作用していることが示唆されている。さらなる研究によって、Ras はin vitroでPI 3-キナーゼと物理的に相互作用し、そのキナーゼ活性を刺激す ることができることが示されている[Rodriguez-Vicianaら、1996]。しかしてP I 3-キナーゼは、Ras依存性のシ グナル伝達のエフェクターとして作用できるか、またはRasとの相互作用によっ て直接的に活性化されうるのかのいずれかである。Ras調節ドメインと称されるp 110サブユニットのアミノ末端の特定領域が、この相互作用を担っている[Rodri guez- Vicianaら、1996]。他のp110サブユニットとp110δの配列の比較によって、Ras との物理的な会合に必須であることが示されているリジン残基(Rodriguez-Vici anaら、1996)を含め、p110δにもこの領域が保存されていることが示唆される 。従って、 p110δもまたRas経路に関与しているらしいと考えられる。図2には、配列番号 :2のp110δの残基第141から310位までを含む、4つのp110サブユニットのRas 結合部位のアラインメントを示す。 実施例2 DEAEデキストランを使用してCOS細胞へpCDNA3:p110δFLAGをトランスフェクト することにより、FLAGでタグ付けされたp110δを発現させた。トランスフェクト 後3日目に、M2モノクローナル抗体(Kodak Scientific Imaging Systems)を用 いて製造元のプロトコルに従い、免疫沈降及びウェスタンブロッティングによっ てp110δの発現を定量した。PI 3-キナーゼ活性は、以前報告されたとおりに定 量した[Huら、Mol.Cell.Bjol.、13巻、7677〜7688頁(1993)]。 p110δのPI 3-キナーゼ活性を定量するため、5μlの免疫沈降されたp110δを 1μlのPI/EGTAと混合して室温にて10分間インキュベートし[PI/EGTAは、CHC l3中10mg/mlのPI(Sigma)であり、減圧下に乾燥され、様々な濃度のPI 3-キナ ーゼ阻害剤ウォートマニンの存在下または非存在下に20mg/mlでDMSOに再懸濁し 、そして5mM EGTAにて1:10に希釈したものである]、そして1μlの10X HM緩 衝液(200mM HEPES、pH7.2、50mM MnCl2)、 0.5μlのγ32P-ATP(10mCi/ml-300Ci/mmol)、1μlの 100μM ATP、及び1.5μlのH2Oへ添加して、30℃にて15分間インキュベートし た。1M HClを100μl添加することによって反応を停止した。200μlのCHCl3/MeOH (1:1)を用いて1分間ボルテックスし、次いで室温にて2分間、16,000xgで遠 心分離することによって脂質を抽出した。さらに80μlの1M HCl/MeOH(1:1)を 用い1分間ボルテックスし、次いで室温にて2分間、16,000xgで遠心分離するこ とによって脂質を抽出した。脂質を減圧下に乾燥させ、10μlのCHCl3/MeOH(1: 1)に再度懸濁させて1%K2C2O4を含む水を予め含浸させておいた、乾燥シリカ ゲル60クロマトグラフィープレート(VWR)の底部から2cmのところにスポットし た。マーカーとして250μgの粗ホスフォイノシチド(Sigma)をスポットした。C HCl3/MeOH/NH4OH(9:7:2)にて2時間、クロマトグラフィーによって分離し、 乾燥させて粗標準物を目視化するために5分間、ヨウ素蒸気のタンクに入れた。 標準物質の位置に鉛筆で印を付け、そしてプレートをオートラジオグラフィーに 付した。 キナーゼアッセイでリン酸化脂質が生産された。主たる産物はホスファチジル イノシトールホスフェート(PIP)であった。さらに、これらのリン酸化脂質の 生産はウォートマニンにより用量依存的に阻害され(100nMのウォートマニンで およそ50%の活性が阻害された)、p110δが機能を有するPI 3-キナーゼである ことを立証するものであった。 実施例3 p110δをコードするマウスゲノミッククローンを、以下の通りに単離した。マ ウス129SvEvラムダゲノミックライブラリー(Stratagene、La Jolla、カリホル ニア州)を、Random Primed DNA labelling Kit(Boehringer Mannheim)を用いてランダムプライミ ングを行うことにより高比活性(1x109dpm/ug DNA)に標識付けした、p110δ に対するヒトcDNAクローンの断片(配列番号:2のアミノ酸第739〜1044位に対 応)を使用してスクリーニングした。ハイブリダイゼーションは、50%ホルムア ミド、5X SSC、5X Denhardt's、0.05Mリン酸ナトリウム、及び100μg/mlサケ精 子DNAを含む緩衝液中で、42℃にて16時間実施した。フィルターは0.2X SSC/0. 1% SDSで、50℃にて洗浄した。単一クローンを単離した。精製したファージDNA をNotIで消化し、配列決定のためにインサートをベクターpBSSKII+(Stratagene 、La Jolla、カリホルニア州)へとサブクローニングした。このクローンは、お よそ16kbであり、p110δの触媒領域全体を含んでいた。 実施例4 組換えp110δは、バキュロウイルス発現系を使用してSF9昆虫細胞にて発現さ せてもよい。 実施例1で論じたごとく、FLAGでタグ付けされたp110δをコードする配列は、 本発明のキナーゼの発現に有用である。昆虫細胞での発現に際してはFLAGタグを 認識するモノクローナル抗体(Eastman Kodak、Rochester、ニューヨーク)を使 用し、 FLAG-PIK-関連キナーゼ融合タンパク質を大量に精製する。感染された昆虫細胞 は、溶解用緩衝液(25mM 2-グリセロホスフェート、50mMリン酸ナトリウム、pH7 .2、0.5% Triton-X100、2mM EDTA、2mM EGTA、25mMフッ化ナトリウム、100μM バナジウム酸ナトリウム、1mM PMSF、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチ ン、1mMベンズアミド、及び2mM DTT)中で48時間インキュベートして溶解さ せる。発現されたFLAG融合タン パク質は、抗FLAG抗体M2アフィニティー樹脂(Eastman Kodak)を含むカラムに かけて精製する。カラムは、カラム容量の20倍の溶解用緩衝液、次いでカラム容 量の5倍の0.5M塩化リチウム、50mMトリスpH7.6、1mM DTTで洗浄し、その後0.1M グリシンpH3.0で溶出して直後に中和するか、またはFLAGペプチドを用いた競合 溶出のいずれかによって溶出する。4つのヒスチジンでタグを付けたタンパク質 、Ni-NTAアガロース(Qiagen)を、タンパク質の精製のために使用する。 バキュロウイルス発現系におけるp85及びp110δの発現のためのプラスミドは 、以下の通りに調製した。 実施例5に記載するプラスミドpcDNA3:p85DNAを、BamHI及びEcoRIで消化し、 そしてFLAGタグと共にp85の全コード領域を含む2.5kbのFLAG-p85のバンドをゲル で精製して、pFastbac Dual(Gibco、BRL)のBamHI-EcoRI酵素部位に挿入した。連結反応混液を大腸菌X L-1ブルー(Stratagene)に形質転換させ、アンピシリンを含有するプレートに 播種した。pFastbac-Dual- p85プラスミドを担持するクローンを精製した。 pFastbac-Dual-p85プラスミドを、大腸菌DH10 Bac細胞へ形質転換し、そして カナマイシン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、X-gal及びIPTGを含有する プレートで白色コロニーを選択した。1つの白色コロニーを、再度精製するため に同様のプレートに再度画線培養した。組換えp85-bacmid DNAを、このクロー ンから精製した。 FLAGタグと共にp110δの全コード領域を含むプラスミド pcDNA3:p110δを、BamHI及びXbaIで消化し、ゲルで精製して、ベクターに存在す るヒスチジンタグのコード配列と共にFLAGでタグ付けされたp110δのコード領域 が枠内になるように、 pFastbac HTb(Gibco BRL)のBamHI-XbaI酵素部位に挿入した。 次いで連結反応用混液を大腸菌XL-1ブルー(Stratagene)へと形質転換した。pF ast-bac Htb p110δを担持するクローンを単離してプラスミドDNAを単離し、そ してプラスミドDNAを精製した。p110δ-bacmid DNAは、p85-bacmidについて記載 したごとくに大腸菌DH10 bac細胞を形質転換することによって調製した。 ウイルスのストックを調製するために、Gibco BRLによるプロトコルに従って 、p85-bacmid及びp110δ-bacmid DNAを別々にSF-9細胞にトランスフェクトした 。トランスフェクトから48時間後に、SF9細胞のペレットと、トランスフェク トされた細胞によって生産されたバキュロウイルスとを採収した。ウイルスは、 10% FBS、ペニシリン−ストレプトマイシン、及びゲンタマイシンを含有するGr ace完全培地で、4℃にて保存した。このウイルス調製物を、タイターの高い(P2 )ウイルスストックを作製するために使用した。P2ウイルスストックを用いて、 SF9細胞の50ml培養物を感染させた。感染から48時間後に細胞を集め、溶解さ せることなく細胞をペレット化するために低速で遠心分離を行った。溶解の前に 24時間、−20℃にて細胞ペレットを保存した。細胞は、5mlの溶解用緩衝液(5 0mMトリス、 pH8.0、500mM NaCl、1%NP40、100μm PMSF)で溶解させた。p85及びp110δの発 現は、プローブとしてM2抗体抗FLAGを使用したイムノブロットによって確認した 。SF-9がトランスフェクトされた細胞は、抗FLAG抗体と免疫反応性を有するおよ そ85kDa及び110kDaのタンパク質を生産していた。 P2ウイルスストックは、SF9細胞の2リットル培養物を共感染させるために使用 した。感染後48時間で細胞を集め、溶解させることなく細胞をペレット化する ために低速で遠心分離を行って、−20℃にて保存した。この培養物からの150ml の細胞ペレットは、7.5mlの溶解用緩衝液(50mM NaPO4、pH7.2、0.5 %NP-40、10mMイミダゾール、25mM NaF、100μm Na3VO4、 0.5mM AEBSF、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチンA)で溶解させて、氷 上で15分間インキュベートした。次いで溶解液を10,000xgにて30分間遠心分 離した。上清を取り出したが、破壊された核に起因する溶解物中のDNAはすべて2 0ゲージの針を通して吸引することによって剪断された。次に0.8ミクロンフィル ター、その後0.2ミクロンフィルターを通して濾過することにより、微粒子体を 取り出した。この清澄化された溶解液を、5mMβ−メルカプトエタノール及び0. 4M NaClを含むように調整した。かかる清澄溶解液を付する前に、1mlのNi-NTA- アガロースカラム(Qiagen)を緩衝液A(0.4M NaCl、5mM β-メルカプトエタ ノール、0.1% Triton X-100、50mM NaPO4、 10mMイミダゾール、25mM NaF、100μM Na3VO4、0.5mM AEBSF、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチンA)で平衡化した。試料を0. 25ml/分の流速で付して5mlの緩衝液Aで洗浄し、次いで10mlの緩衝液A中、50か ら500mMイミダゾールの濃度勾配で溶出した。実施例5 p85と会合するp110δの能力をウェスタンブロット分析によって評価した。p11 0δでCOS細胞を一過性にトランスフェクトし (実施例2を参照のこと)、そして内在性p85との会合を共免疫沈降によって判 定した。対照として、FLAGでタグ付けされた p85DNA及び空のベクターでもトランスフェクションを行った。p85サブユニット をコードするcDNAは、Marathon-race PCRによってヒト白血球cDNAから単離した 。p85のcDNA配列は、otsuら、Cell、65巻、91〜104頁(1992)に記載された通りで あった。p85cDNAは、本明細書中でp110δについて記載したプロトコルと同 様にして、FLAGタグ付けタンパク質(pcDNA3:p85)として発現させるために修飾 した。 COS細胞は、3mlの緩衝液R(1% Triton X-100、150mM NaCl、10mMトリス、pH7.5、1mM EGTA、0.5% NP-40、0.2mM Na3VO4、0.2mM PMSF 、1Xアプロチニン、1Xロイペプチン、1XペプスタチンA)にて溶解した。4℃に て10分間経過後、27Gの針に数回通すことにより溶解液を剪断した。4℃にて1 0分間、16,000xgで遠心分離を行うことにより溶解液を清澄化し、そして1μg の抗p110β(Santa Cruz Laboratories、Santa Cruz、カリホルニア州)、10μg の抗FLAG-M2(Eastman Kodak)、または1μgの抗p85(Santa Cruz Laboratorie s)のいずれかで4℃にて2時間免疫沈降させた。免疫複合体は、60μlのプロテ インGセファロース(Pharmacia)に4℃にて30分間結合させ、次いで300μlの 緩衝液Rで3回洗浄し、そして25μlのPAN (100mM NaCl、10mM PIPES、pH7.0、20μg/mlアプロチニン)に再懸濁させた。 各免疫沈降物5μlを8%SDS-PAGE(Novex)によって分離し、Immobilon-P(Milli pore)に転写して、5%脱脂粉乳を含むTBS中で室温にて1時間ブロッキングを行 い、そして1μg/mlの抗p85ウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz Laboratorie s)の次にヤギ抗ウサギIgG HRP接合二次抗体 (Boehringer)か、または10μg/mlの抗FLAG-M2モノクローナル抗体の次にヤギ 抗マウスIgG HRP接合二次抗体(Boehringer)のいずれかを使用して、ウェスタ ンブロッティングによって検出した。 ウェスタンによって、抗-FLAG-M2抗体は、FLAGでタグ付けされたp85及びFLAG でタグ付けされたp110δを含む免疫複合体を認識することが示された。実施例6 広範囲の生物学的システムにおけるPI 3-キナーゼの活性化は幅広く研究され てきているが、特定のp110イソフォームの細胞型特異性発現に関して知られてい ることは少ない。ヒト心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、膵臓、 胸腺、前立腺、精巣、子宮、小腸、結腸、及びPMBCでのp110δの発現を、ノザン ブロット分析によって調べた。 32Pで標識付けしたcDNAプローブは、以前報告されたとおりに[Godiskaら、J. Neuroimmun.、58巻、167〜176頁(1995)]、 p110δをコードするプラスミドDNAの鋳型10ngを用いてPCRにより調製した。正方 向のプライマーは、CTGCCATGTTGCTCTTGTTGA(配列番号:16)であり、逆方向 のプライマーは、 GAGTTCGACATCAACATC(配列番号:17)であつた。反応混液は、94℃で4分間加 熱し、次いで94℃での変性1分間、55℃でのアニーリング1分間及び72℃での伸 長2分間の15サイクルを行った。 反応混液をセファデックスG50カラム(Boehringer Mannheim Biochemicals)に通すことによって、取り込まれなかったヌクレオチ ドを除去した。製造元の指示に従って、ストリンジェント条件下にMultiple Tis sueNothernブロット (Clontech、Palo Alto、カリホルニア州)をプローブ探針して洗浄した。オート ラジオグラフは、増感スクリーンを用い−80℃で1〜4日間露光した。 ノザンブロット分析によって、およそ5.4kb(合成物cDNAのサイズに一致する )の単一の転写物が明らかになった。発現の最高レベルは、末梢血単核細胞(PB MC)ならびに脾臓及び胸腺にて認められた。オートラジオグラフをさらに長期間 露光すると、p110δの発現は精巣、子宮、結腸、及び小腸にも検出され たが、前立腺、心臓、脳、及び肝臓を含む、実験を行った他の組織では認められ なかった。これに対し、p110βは脳、心臓、腎臓及び肝臓にて高レベルで発現さ れており、膵臓などのリンパ様組織では容易には検出できない。p110βは、形質 転換されたJurkatT細胞系にて高レベルに発現されている(Huら、 1993)。p110αイソフォームの発現についてはあまり報告されていない。 p110イソフォームは、それらの好ましい基質特異性に関して相違することが示 されている[Stephensら、Current Biology、4巻、203〜214頁(1994)]。共通の p85アダプタータンパク質との相互作用に対するp110イソフォームの潜在性に鑑 みると、特定のアゴニストに応答して作製されるリン酸化脂質の特性は、キナー ゼ酵素活性の、相違するイソフォームの細胞/組織特異的な発現によって少なく とも部分的に調節されているのかもしれない。 実施例7 グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)[Pharmacia、 Alameda、カリホルニア州]との融合タンパク質として発現された、p110δのカ ルボキシ末端部分(配列番号:2のアミノ酸第740〜1044位)に対して、モノク ローナル抗体を作製した。5匹のBalb/cマウス(Charles River Biotechnical S ervices,Inc.、Wilmington、マサチューセッツ州、IACUC #901103)を、30μgの 抗原を含む完全フロインドアジュバント[CFA](Sigma)で皮下に免疫付与し、 第22日目に30μgの抗原を含む不完全フロインドアジュバント(IFA)(Sigma )の第二回の免疫を与えた。30μgの抗原を含むIFAによる第三回の免疫を、第4 4日目に与えた。第55日目に後眼窩を介した採血によって免疫血清を集 め、p110δとの反応性を調べるためにウェスタンブロッティングによる試験を行 った。全てのマウスが免疫源に対する反応性を示し、30μgの抗原を含むIFAで第 66日目に第4回の免疫付与を施した。第76日目に後眼窩を介した採血によっ て免疫血清を集め、その反応性を調べるためにウェスタンブロッティングによる 試験を行ったところ、#2321のマウスが最高レベルの免疫反応性を示したので、 融合用に選択した。第367及び368日目に#2321マウスに50μgの抗原を含む PBSを腹腔内注射し、第371日目に融合を行った。 脾臓を無菌的に摘出し、2mM L-グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、100 単位/mlペニシリン、及び100μg/mlストレプトマイシンを添加した無血清のRPM I1640(RPMI)(Gibco、カナダ)の中に浸漬した2枚のガラス顕微鏡スライドの 磨りガラス状の(frosted)端部の間でその脾臓を擦り潰すことによって、単一 細胞の懸濁液を形成させた。細胞懸濁液を、70メッシュの Nitex細胞濾過器(Becton Dickinson、Parsippany)ニュージャージー州)を通 して濾過し、そして、200gで5分間遠心分離することによって2度洗浄し、その ペレットを20mlの無血清RPMIに再懸濁した。3匹の未処置Balb/cマウスから摘出 した胸腺細胞を同様に調製した。 2x108細胞数の脾臓細胞を、4x107細胞数のNS-1細胞 (11%の胎児ウシ血清(FBS)を含むRPMI中にて融合の前に対数増殖期に3日間保 持したもの)と合わせ、遠心分離してその上清は吸引した。チューブのタッピン グにより細胞ペレットを変位させ、37℃のPEG1500(75mM Hepes、pH8.0中、50% 、 Boehringer Mannheim)2mlを、1分間にわたってがき混ぜながら加え、続いて、 14mlの無血清RPMIを7分間かけて加えた。さらに16mlのRPMIを添加し、200gで10 分間細胞を遠心分離した。 上清を廃棄した後、ペレットは、15%FBS、100μMヒポキサンチンナトリウム、0 .4μMアミノプテリン、16μMチミジン (HAT)(Gibco)、25単位/ml IL-6(Boehringer Mannheim)及び 1.5x106細胞数の胸腺細胞/mlを含む、200mlのRPMI中に再懸濁した。懸濁液を96 ウェルの平底組織培養プレート(Corning、英国)に、ウェル当たり200μl分配 した。融合後第2、4及び6日目に、18Gの針(Becton Dickinson)を用いて各 ウェルから100μlの培地を吸い取り、そして10U/mlのIL-6を含有し胸腺は含んで いない播種用培地をウェル当たり100μl添加することによって、細胞に栄養を供 給した。 細胞の増殖が60〜80%の周密度に達したら(第6〜8日)、各ウェルから培養 上清を採り、ELISAによってp110δに対する反応性についてスクリーニングした 。Immulon4プレート (Dynatech、Cambridge、マサチューセッツ州)を、50mM炭酸塩緩衝液(pH9.6) 中にウェル当たり100ngのp110δ:GSTまたはGSTを含む溶液、ウェル当たり50μl で、4℃にて被覆した。プレートを、0.05%Tween20を含むPBS(PBST)で3回洗 浄し、次いで、0.5%サカナ・ヒフ・ゼラチンで37℃にて30分間ブロッキング した。プレートを前記と同様に洗浄し、50μlの培養上清を添加した。37℃にて 30分間インキュベートした後、PBSTで1:10,000に希釈したセイヨウワサビペ ルオキシダーゼ接合ヤギ抗マウスIgG(fc)(Jackson Immuno Research、West Gro veペンシルバニア州)を50μl添加した。プレートを37℃で30分間インキュベ ートし、PBSTで4回洗浄し、そして100mMクエン酸塩、pH4.5中、1mg/mlのTMB(S igma)及び0.15ml/mlの30%H2O2からなる基質100μlを添加した。呈色反応は、1 5%H2SO4を50μl加えて3分後に停止させた。プレートリーダー(Dynatech)で、 A450を読み取った。 36のウェルが、p110δに対してGSTを凌ぐ反応性を示した。次いで、これら のウェルからの上清を、ウェスタンブロッティングによって組換えp110δへの反 応性についてスクリーニングした。10のウェル(208A、208B、208C、208D、20 8E、208F、208G、208H、208T、及び208J)が、ウェスタンブロットによる反応性 を示し、これらを限界希釈によってクローニングした。 選択されたウェルを、7〜10日後にELISAによって試験した。 10のすべての細胞系に活性が維持されていた。これらの細胞系によって生産さ れるモノクローナル抗体を、ELISAアッセイによってアイソタイプ判定した。208 A、208C、208D、208E、208G、208H、208Iは、IgG2aであり、208JはIgG1であって 208Bは IgG2bであった。ハイブリドーマ細胞系208F(ATCC HB 12200)によって生産され る、例証的なモノクローナル抗体は、p110δに高い反応性を示し、ウェスタン分 析によってPBMC中の110kDタンパク質を認識した。その110kDタンパク質の分子量 は、 p110δの分子量に一致していた。実施例8 3'リン酸化ホスフォイノシチドのレベルの上昇が、ウイルスのオンコタンパク 質で形質転換された細胞において検出されている。この観察によって、PI 3-キ ナーゼが発ガンにおいて役割を果たしていることが示唆される。p110δの染色体 位置の特定により、発ガンにおけるPI 3-キナーゼの役割についての見識が提供 される。ガン性細胞のp110δの染色体位置の特定に関する研究から、p110δの不 適切な及び/または過剰の発現が同定されるかもしれない。 例えば、90〜95%の慢性骨髄性白血病に、チロシンキナーゼc-ablの、第9染 色体から第22染色体上のベル(ber)遺伝子 への移動を導く相互染色体転座が認められる。この結果生じるc-ablチロシンキ ナーゼ活性の不適切な発現が、細胞の形質転換及び腫瘍形成にとって重大なもの となる。p110δの染色体位置特定は、プローブとしてp110δに対する完全なcDNA を用いた蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)によって判定される。こ のようにして、腫瘍形成(例えば、白血病誘発)の際に観察される染色体転座に おけるp110δの役割が同定される。 実施例9 PI 3-キナーゼ活性は、数多くの成長因子受容体と相互作用することが報告さ れている。加えて、PI 3-キナーゼ活性は、細胞活性化に引き続いて増大するこ とが観察されている。実施例5で開示されたp110δに対する抗体は、p110δと相 互作用する受容体の特性をウェスタンブロッティング及び免疫沈降によって調べ るために利用される。これらの抗体は、PI 3-キナーゼ酵素活性の調節及び細胞 活性化の際の細胞での局在性(の調節)を解明するのにも有用である。免疫系に おけるp110δの高レベルの発現に鑑みると、免疫活性化に関わる成長因子受容体 がp110δに会合するか、またはp110δにより調節されているらしいと考えられる 。これらの受容体には、T細胞受容体CD28及びCD2、ならびにIL-1及びIL-4など のサイトカイン受容体、そしてCSF-1 Rなどのチロシンキナーゼ結合受容体が包 含される。 実施例10 p110δのin vivoでの機能的役割を調べるために、哺乳動物の生殖細胞系にお いて、相同組換えによってp110δ遺伝子を不活性化する。相同組換えによって内 在性遺伝子が不活性化されている動物は、「ノックアウト」動物としても知られ ている。哺 乳動物の例としては、ウサギ及びマウスなどの齧歯類が挙げられる。「ノックア ウト」動物は、実施例3のp110δゲノミッククローンを用いた相同組換え法によ って調製することができる。 「ノックアウト」動物によって、免疫応答及び増殖性応答におけるp110δの役 割の判定が可能となる。免疫応答及び増殖性応答におけるp110δの役割は、これ らの動物における免疫系の発生の分析(相違する発生段階にある細胞集団のFACS 分析によって判定)や、in vivo(注射された抗原に対する抗体応答、ウイルス 及び/または注射された腫瘍細胞系に対する細胞毒性的T細胞応答、ならびに同 種(異系)移植片を拒絶する能力によって判定)とin vitro(同種(異系)抗原 に対する応答におけるリンパ球の増殖、有糸分裂促進物質/超抗原によりポリク ローナル活性化、及びサイトカイン同化(elaborate)能によって判定)の双方 での、これら動物の成熟リンパ様集団のエフェクター機能の特徴付けによって判 定される。 本発明を特定の実施態様により説明してきたが、当業者には様々な変更や改良 が想起されるはずであることが理解される。従って、添付の特許請求の範囲にお ける限定しか、本発明の範囲には課されるべきでない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 9/12 9/12 C12P 21/08 15/02 C12Q 1/48 Z C12P 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/48 33/50 T G01N 33/15 P 33/50 33/53 D 33/566 33/53 33/577 B 33/566 C12N 5/00 B 33/577 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ホルツマン,ダグラス,エー. アメリカ合衆国 02139 マサチューセッ ツ キャンブリッジ フェアモント スト リート ナンバー1 76

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.p110δをコードする、精製及び単離されたポリヌクレオチド。 2.前記ポリヌクレオチドがDNAである請求の範囲第1項記載のポリヌクレオ チド。 3.前記ポリヌクレオチドが、ゲノミックDNA、cDNA及び化学合成されたDNAよ りなる群から選択される請求の範囲第1項記載のポリヌクレオチド。 4.配列番号:1で示されるDNAを含む請求の範囲第2項記載のポリヌクレオ チド。 5.前記ポリヌクレオチドがRNAである請求の範囲第1項記載のポリヌクレオ チド。 6.請求の範囲第2項記載のDNAを含むベクター。 7.前記DNAが、発現制御DNA配列と作動可能に連結される請求の範囲第6項記 載のベクター。 8.請求の範囲第2項記載のDNAを用いて、安定に形質転換またはトランスフ ェクトされた宿主細胞。 9.脂質キナーゼをコードするポリヌクレオチドであって、 配列番号:1のポリヌクレオチドとストリンジェントなハイブ リダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド。 10.p110δを生産する方法であって、以下の工程すなわち、好適な普通培地に て請求の範囲第8項記載の宿主細胞を生育し、そして該細胞またはその生育培地 から、発現されたポリペプチドを単離する工程を含む方法。 11.配列番号:2のp110δアミノ酸配列を含む、精製及び単離されたポリペプ チド。 12.p110δに特異的な免疫反応性を有する抗体物質。 13.前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第12項記載の抗体物質 。 14.請求の範囲第13項記載のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ 細胞系。 15.ハイブリドーマ細胞系208F(HB12200)。 16.請求の範囲第15項記載のハイブリドーマ細胞系によって生産されるモノ クローナル抗体。 17.前記抗体物質がヒト化抗体である請求の範囲第12項記載の抗体物質。 18.p110δのモジュレーターである化合物を同定する方法で あって、以下の工程すなわち、 a)化合物の非存在下及び存在下に、p110δのキナーゼ活性を定量し、 b)工程(a)で観察されるキナーゼ活性を比較し、ならびに c)該化合物の存在下と非存在下とでキナーゼ活性の差が観察される場合に、 p110δのモジュレーターとして化合物を同定する工程を含む方法。 19.請求の範囲第18項記載の方法によって同定される、 p110δキナーゼ活性のモジュレーター。 20.生物学的試料中のp110δの存在を判定する方法であって、以下の工程すな わち、 a)生物学的試料にp110δ特異抗体を曝し、及び b)生物学的試料中のp110δへの、p110δ特異抗体の結合を検出する工程を含 む方法。 21.配列番号:2で示されるp110δアミノ酸配列の一部またはすべてをコード する、検出可能に標識付けされたポリヌクレオチドを含む診断試薬。 22.p110δと結合パートナーとの間の結合のモジュレーターである化合物の同 定方法であって、以下の工程すなわち、 a)化合物の非存在下及び存在下に、p110δと結合パートナーとの間の結合の レベルを定量し、 b)工程(a)で観察される結合のレベルを比較し、ならびに c)該化合物の存在下と非存在下とで結合の差が観察される場合に、p110δと 結合パートナーとの間の結合のモジュレーターとして化合物を同定する工程を含 む方法。 23.前記結合パートナーがp85である、請求の範囲第22項記載の方法。 24.前記結合パートナーがRasである、請求の範囲第22項記載の方法。 25.前記結合パートナーが成長因子受容体である、請求の範囲第22項記載の 方法。 26.請求の範囲第22項記載の方法によって同定される、 p110δ結合のモジュレーター。
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