JP2000505349A - 飲料びんの洗浄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 びん洗浄プラントにおいてびんを洗浄する方法であって、活性酸素を含む洗浄剤によってびんを処理することからなる方法が開示されている。この方法は、十分かつ満足しうるかび類の除去を確実にする。

Description

【発明の詳細な説明】 飲料びんの洗浄方法 本発明は、びんを、より具体的にはプラスチックびんをびん洗浄機において洗 浄するための方法に関する。 既知の方法においては、回収可能な飲料用のびんは、８５℃程度の高温に加熱 された添加剤含有の水酸化ナトリウムを用いてびん洗浄機において洗浄される。 特に夏においては、回収可能なびんは、消費者から空で戻ってきたときに大量の 微生物を含んでいる。このようなびんは、微生物の増殖に好都合な温度に数日間 または数週間さらされることが多い。このようにして酵母が増殖し、あらゆる残 留飲料を発酵する機会を持ち、一方、かび類はびん中に「叢」を形成する。 かびの大部分を除去するために、びんを水ですすぎ(予備洗浄)、次いで５０〜 ８５℃に加熱した約１.５％の苛性ソーダを入れた液体浴中で洗浄する。しかし 、この洗浄操作は、全ての微生物およびかび類を除去するのには十分ではない。 このため、錯化剤、例えばＥＤＴＡ(エチレンジアミン四酢酸)および／またはＮ ＴＡ(ニトリロ三酢酸)を液体浴に添加して、ガラスびんの場合にかび類を十分に 除去しうることが周知である。 しかし、例えばＰＥＴ(ポリエチレンテレフタレート)からなる再充填可能なプ ラスチックびんの洗浄においては、上記のような錯化剤が添加された液体浴の使 用は成功しない。洗浄サイクルの後に、許容できない死滅酵母細胞およびかび類 の残留物がＰＥＴびんの表面に残留する。 従って、本発明が指向する課題は、びん洗浄機におけるガラスびんの洗浄にお いて、特に、好ましくはポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(ＰＥＮ) またはとりわけＰＥＴからなるプラスチックびんの洗浄において、微生物および かび類の十分かつ満足しうる除去を達成すること、特にプラスチック表面からの かび叢の完全な分離を達成することであった。 本発明によれば、この課題は、利用可能な酸素を含む洗浄配合物をびんに作用 させることを特徴とする、冒頭に記した方法によって解決される。驚くべきこと に、利用可能な酸素を洗浄配合物に添加すると、わずか数分の後に優れた洗浄結 果が得られることがわかった。「利用可能な酸素」とは、酸素担持体から反応性 (原子)形態で放出されうる酸素を意味する。利用可能な酸素担持体の例は、過ホ ウ酸塩、過炭酸塩、特に過酸化水素である。 本発明は、かび類および微生物の破壊による殺菌を指向するものではなく、こ れら特定の汚染物質の機械的な分離および除去を指向するものであることを特記 する。 利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、種々の方法でびんに適用または導入する ことができる。噴霧管をこの目的に使用するのが好ましい。１つの態様において は、利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、特に予備洗浄段階においてびん上およ び／またはびん中に噴霧する。洗浄活性な利用可能酸素と噴霧機構の最適組み合 わせがこのようにして達成される。 洗浄配合物の組成を選択する際に、通常は０.５〜５％、より具体的には１〜 ４％の苛性ソーダを含有する洗浄配合物に対して、０.００１〜２％、好ましく は０.００５〜１.５％、より好ましくは０.１〜１％の利用可能な酸素を含有さ せるのが有利であることがわかった。 本洗浄配合物は、微生物(特にかび叢)の分離を容易化または改善する界面活性 剤、即ち陰イオン、陽イオンおよび／または非イオン界面活性剤、例えば糖界面 活性剤をさらに含有することもできる。別の有利な態様においては、本洗浄配合 物は、錯化剤、例えばポリアクリレート、トリポリホスフェート、有機ホスホネ ート；キレート化カルボキシレート、例えばシトレート、マレエート、グルコネ ート、ＥＤＴＡおよび／またはＮＴＡ、およびテルペンおよび／または溶剤、例 えばアルコールまたはジメチルスルホキシドを含有する。これら追加の成分は、 独立して、または組み合わせて洗浄配合物中に存在していてよい。これら追加の 成分は、利用可能な酸素の洗浄機能を改善する。 本発明は、利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、噴霧管によってびんにまたは びん中に適用することに限定されない。びんを洗浄配合物と接触させる他の方法 を使用することもできる。即ち、本発明の他の態様においては、利用可能な酸素 を含む洗浄配合物をびん洗浄機の液体浴に加える。より具体的には、びん洗浄機 の液体供給ライン中に洗浄配合物を連続導入することによって加える。 この場合にも、液体浴中の利用可能な酸素の濃度は、０.００１〜２％である べきであり、好ましくは０.００５〜１.５％、より好ましくは０.１〜１％であ る。 洗浄配合物の温度は、４０〜９０℃の範囲内であるべきであり、好ましくは５ ０〜８０℃の範囲内である。これらの好ましい温度範囲は、利用可能な酸素を含 む洗浄配合物を上記の噴霧法によって使用するときにも当てはまる。 別の好ましい態様においては、利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、０.５〜 １０分間、好ましくは１〜８分間、より好ましくは２〜７分間、びんに作用させ る。これらの暴露時間は、利用可能な酸素を含む洗浄配合物を液体浴に使用する 場合およびこれを噴霧によって使用する場合の両方に当てはまる。 利用可能な酸素を安定化するために、洗浄配合物は１またはそれ以上の錯化剤 、例えばリン酸、トリポリホスフェートおよび／または二リン酸ナトリウムを含 有するのが好ましい。 最新のびん洗浄機は、噴霧と浸漬の組み合わせを用いる。びんをいわゆるバス ケット中に入れ、いくつかの処理ゾーンを経て輸送し、これらゾーンにおいて一 定時間処理する。噴霧区画において、下方に向いて開口部を有するびんを集中噴 霧ジェットで処理する。 浸漬区画においては、びんを液体浸漬浴中に完全に浸漬し、液体処理ゾーンを 経て輸送する。利用可能な酸素を含む洗浄配合物による噴霧は、１つの液体ゾー ンのみにおいて、例えば液体Ｉ噴霧において、またはいくつかの液体ゾーンにお いて、例えば液体Ｉ、液体II、液体III噴霧において行うことができる。液体浴 はＮａＯＨおよび洗浄添加剤を含有するのが普通である。さらに、ここに記載し た利用可能な酸素を含む洗浄配合物を加える。ラベル残留物、汚れ、接着剤成分 などの不純物も存在する。 洗浄添加剤は酸性溶液であることが多く、これはアルカリ性洗浄液に添加した 後に対応する塩を形成し、次いでこれが洗浄活性効果を発揮する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＲ，ＣＡ，Ｊ Ｐ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．びん洗浄機においてびん、特にプラスチックびんを洗浄するための方法で あって、利用可能な酸素を含む洗浄配合物をびんに作用させることを特徴とする 方法。 ２．利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、特に予備洗浄段階においてびん上お よび／またはびん中に噴霧することを特徴とする請求項１に記載の方法。 ３．洗浄配合物が、０.００１〜２％、好ましくは０.００５〜１.５％、より 好ましくは０.１〜１％の利用可能な酸素を含有することを特徴とする前記請求 項のいずれかに記載の方法。 ４．利用可能な酸素が、利用可能な酸素担持体としての過ホウ酸塩、過炭酸塩 、または過酸化水素によって供給されることを特徴とする前記請求項のいずれか に記載の方法。 ５．洗浄液が界面活性剤をさらに含有することを特徴とする前記請求項のいず れかに記載の方法。 ６．洗浄液が錯化剤をさらに含有することを特徴とする前記請求項のいずれか に記載の方法。 ７．洗浄液がテルペンをさらに含有することを特徴とする前記請求項のいずれ かに記載の方法。 ８．洗浄液が溶剤をさらに含有することを特徴とする前記請求項のいずれかに 記載の方法。 ９．利用可能な酸素をびん洗浄機の液体浴に、より具体的にはびん洗浄機の液 体供給ライン中への利用可能な酸素の連続導入によって加えることを特徴とする 前記請求項のいずれかに記載の方法。 １０．液体浴中の利用可能な酸素の濃度が、０.００１〜２％、好ましくは０. ００５〜１.５％、より好ましくは０.１〜１％であることを特徴とする前記請求 項のいずれかに記載の方法。 １１．洗浄液の温度が、４０〜９０℃の範囲内、好ましくは５０〜８０℃の範 囲内であることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。 １２．利用可能な酸素を含む洗浄配合物を、０.５〜１０分間、好ましくは１ 〜８分間、より好ましくは２〜７分間、びんに作用させることを特徴とする前記 請求項のいずれかに記載の方法。 １３．洗浄配合物が、利用可能な酸素の担持体を安定化するために１またはそ れ以上の錯化剤を含有することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法 。 １４．びんから、より具体的にはＰＥＴびん、ポリカーボネートびん、ＰＥＮ びんおよび／またはガラスびんからかび残留物を除去するための前記請求項のい ずれかに記載の方法。