JP2000505277A - バス強調用装置とその方法 - Google Patents

バス強調用装置とその方法

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Abstract

(57)【要約】 音信号の疑似的な低周波の心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を聴取者に伝えるための装置は、該音信号から高い周波数の信号と関心のある低周波範囲上に伸びる低周波信号(エルエフ信号)とを得ることが出来る周波数ユニットを備えている。調波発生器は該周波数発生器に接続されており、そして関心のある該低周波範囲内の各基本周波数に対して調波の列を有する残留調波信号を発生することが出来る。各基本周波数に関して発生される該調波列は該基本周波数の調波の第1のセットの中からの少なくとも2つの連続する調波を含む調波の第1グループを含んでいる。該調波発生器に接続されたラウドネス発生器は該低周波信号の該ラウドネスを整合するように該残留調波信号の該ラウドネスをもたらすことが出来る。合計ユニットは心理音響学的代替え信号を得るように該残留調波信号と該高い周波数の信号とを合計することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】 バス強調用装置とその方法 発明の属する技術分野 本発明は心理音響学の一般分野に於けるものでありそして聴取者により感知さ れる音質の強調に関する。本発明は聴取者が感ずるように電気音響的変換器によ り作られる音のバス(bass)部分の質を強調する分野の中に特定して焦点を当て られている。 用語集 下記は或るものは従来からあり他のものは新造された(新造された用語はアン ダーラインを付す)用語の用語集であるが、 「電気音響的変換器」−電気信号を可聴音に変換する装置。電気音響的変換器 には高品質ステレオスピーカ卓上スピーカそしてイヤフォンの様な全ての種類の 商業的に入手可能な装置を含む; 「ピッチ」−本文でのピッチは音が音楽の尺度で並べられる意味での聴覚のそ の属性として定義される。参考文献1、288ページ参照。 「ラウドネス」−これは音が静粛からラウドまで伸びる尺度で並べられる意味 での聴覚の強さの属性である。参考文献1、287ページ参照。 「音圧レベル」−デシベル(dB)での音のレベル−これは物理的尺度である 。 「ラウドネスレベル」−音の、フオンでのラウドネスレベルは聴取者によりラ ウドネスで等価であると判定される周波数1kHzの純粋な楽音のデシベルでの 音圧レベル(SPL)であり−これは感覚の尺度である。 「フオン」−ラウドネスレベルの単位; 「タンバー」−聴取者が2つの音は同じように出され同じラウドネスでありそ してピッチは同じでないと判定出来る意味での聴覚の属性である。より簡単には 音質に関連されている。 「エスピーエルダイナミックス」−そのエスピーエルのデシベルで表した音の ダイナミックス;本発明の本文では、ダイナミックスは”変化の範囲”を表す。 「ラウドネスダイナミックス」−フオンでのそのラウドネスの意味での音のダ イナミックス;即ちフオンでの変化範囲。 「下方伸長器」−典型的には幾らかの一定伸長比で、その入力のダイナミック スを下方へ伸長する装置; 「上方伸長器」−典型的には幾らかの一定圧縮比で、その入力のダイナミック スを上方へ圧縮する装置−即ち下方伸長器の反対のもの; 「エスピーエル対フオン伸長比’R(f)’」−それによりデシベルでのエス ピーエルダイナミックスが対応するフオンでのラウドネスレベルダイナミックス に伸長される比率。図2からも分かるエスピーエル対フオン伸長比の重要な属性 は、良い近似で、約0−80フオンの範囲で(そしてその何れの副範囲でも)、 この比率は一方で本質的にラウドネス又はエスピーエルから独立していながら、 周波数に支配的に左右されることである(等ラウドネス線の密度は0−80フオ ンの範囲ではほぼ一定である)。従って、該エスピーエル対フオン伸長比R(f )は本質的に周波数に左右されると見なされる。これは感覚的尺度である; 「残留伸長比」−それにより’残留調波信号’(下記定義参照)が’低周波数 信号’に対して伸長されるべき伸長比は’残留伸長比’と呼 称される。下記で述べるように、自然残留伸長比と変型残留伸長比とが本発明文 中使用される。 「心理音響学的」−心理音響学は聴取者が音を感ずる主体的仕方に関する。こ の感覚は本質的に知られているように、鼓膜の特性、感知した音のそれぞれの周 波数で支配される脳のニューロンの興奮の度合いそしてその他の要素の様な多く の心理学的要素によって決まる。本発明に関連する心理音響学的感覚の3つの主 な属性はラウドネス、ピッチ及びタンバーである。 心理音響学の分野は広く文献で解説されて来ておりそしてそれは事実それ事態 によっては本発明の分野を構成はしないが、この分野の詳細な説明は参考文献1 に見ることが出来る。 「低周波数での心理音響学的感覚(エルエフピーエス)」−音信号の低い周波 数範囲から生ずる心理音響学的感覚であり、本質的には何ら生理的及び電気音響 的限界が支配することはないと仮定している。 「擬似的低周波心理音響学的感覚(疑似的エルエフピーエス)」−元の音信号 の低周波範囲以外の周波数から生ずる心理音響学的感覚でありそしてそれは該低 周波の心理音響学的感覚に似せようと試みる。 残留ピッチ効果{又欠損した基本波の現象(phenomenonof the missing funda mental)とも引用される}−一般的に残留ピッチ効果は、それが低いピッチの感 覚が音の基本(低い)周波数の調波と組み合わされ一方基本周波数自体を取り除 くことにより達成される心理音響学的効果である。 該信号内に組み合わされる該調波は本発明文では残留調波信号と引用されそし てその最終信号は本発明の本文では心理音響学的代替え信号(ピーエイ信号)と して引用される。 換言すれば、該残留ピッチ効果は音響的な低周波を物理的に伝送する必要なし に聴取者に低いピッチの心理音響学的感覚を伝える。 又該”欠損した基本波の現象”として引用される残留ピッチ効果は該バス(b ass)周波数の範囲、即ち200Hzの高い範囲に関連して例えられる。かく して、指定された参考文献1の刊行物で該著者は欠損した基本波の現象を説明し ており、即ち、”例として、毎秒200回起こる短い衝撃(クリック)から成る 音を考えなさい。この音は鋭いタンバーで200Hzの純粋楽音のピッチに非常 に近い低いピッチを有する。それは200,400,600,800...Hz 等の調波周波数を含むことを示す。しかしながら、該200Hz成分を取り除く (電子的に)ことが可能であり、該ピッチは変化せぬことがわかる;該唯の結果 は該楽音のタンバーに於ける僅かな変化である”。 この効果の詳細な説明は、例えば参考文献1の第IV章にある。 「バス周波数範囲」−実質的に20−300Hzの周波数範囲。 「関心のある低周波範囲」−該擬似エルエフピーエスに属する周波数範囲。該 指定範囲は全部に前記バス(Bass)周波数範囲に含まれたり又は前記バス( Bass)周波数範囲(或いはその部分)と部分的に重なったりするかもしれな い。該関心のある低周波範囲は1つ、又はもし望ならば2つ以上の別個の副次的 範囲に亘り伸びているかも知れず、個別の周波数を含んでいる。関心のある前記 低周波範囲内の各周波数は基本周波数と見なされる。 「関心のある低周波音信号(エルエフ信号)」−関心のある低周波範囲に入る 音信号のその部分。 「周波数応答の擬似的伸長」−該擬似エルエフピーエス (Pseudo-LFPS)の主観的効果。 「残留調波信号{アールエイチ信号(RHSignal)}」−基本周波数を含まない 基本周波数の調波の列(sequence)。本発明によれば該調波の列は下記に述べら れるような制限を受ける。 「心理音響学的代替え信号{ピーエイ信号(PASignal)}」−該聴取者に擬似 エルエフピーエスを伝える本発明による合成信号。 「ラウドネス整合属性」−2つの信号がそれにより同じラウドネスダイナミッ クスを有すると判定される属性。好ましいがしかし必ずしもそれに限らぬが本発 明の該ラウドネス整合手順は同じラウドネスレベルを達成する。かくして、もし 該ラウドネスダイナミックスが保持されるならば該ラウドネス整合属性は充され る。一方でラウドネスレベルには影響するがデシベルでの一定利得を適用するよ うな他の公知の手順は該ラウドネス整合属性には必ずしも影響しない。 「ラウドネス整合手順」−前記第1及び第2音信号の該ラウドネス整合属性を 実質的に達成するために第1信号に適用される手順。該ラウドネス整合手順を実 現する1つの制限のない可能な仕方は該エスピーエル対フオン伸長比アール(エ フ){R(f)}を使用することによる。従って、これは聴取レベルの情報なし に達成されても良い。 「絶対ラウドネス整合属性」−それにより該音信号が同じラウドネスダイナミ ックスとラウドネスレベルを有すると判定される属性。 「絶対ラウドネス整合手順」−該絶対ラウドネス整合属性を実質的に達成する ために2つの音信号の1つに適用される手順。この手順は該ラウドネスレベルの 情報を必要とする。 参考文献 下記説明で、場合により、引用されている、刊行物のリストに対する参考文献 は下記のようである。 1)ブライアン シー ジェイ ムーア(Brian C.J.Moore)、”聞くことの 心理学への入門(An introduction to the psychology of hearing)”.198 2。 2)ジョン アール.ピアス(John R.Pierce)、”音楽的音の科学(The Sc ience of Musical Sound)”。1992. 3)ピーシーマガジン(PC Magazine)、1996年1月。159−199頁 ”スピーカー:音と激情(Speaker:The Sound and the Fury)”。 発明の背景技術 音、例えば、音楽はバス(bass)の周波数範囲に亘って伸びるバス成分をも含 む広い範囲の周波数から通常成り立っている。該バス成分は音楽では重要な役割 を演ずる。かくして、例えば、ピアノの鍵盤は200Hzより低い周波数に割り 当てられたその音符の4分の1より多い広い周波数範囲をカバーしている。映画 、ビデオクリップ(video clips)、マルチメデイア{”エムエム(MM)”}ゲ ームその他で使用される様々な”音効果”は100Hzより低い周波数を含んで おり;典型的例は自動車、ヘリコプター、モーターサイクルエンジン、火砲の着 火、爆弾の爆発等である。(又参考文献2の18−19頁、図2−4参照) 示されたように、バスは音の中で重要な役割を演ずるが、音響的に低周波を再 生(即ち、電気音響的変換器を通して)することには固有の困難がありそして従 って、聴取者(即ち、低周波心理音響学的感覚)によって検出される合成低周波 (low-frequencies)は電気音響的変換器の物理 的限界と心理音響学的理由とにより悪い影響を受ける。 例えば、ピアノの音を考えてみると良い。この音はそれぞれ低周波と高周波の 心理音響学的感覚の高まりを与える低及び高周波を含んでいる。 電気音響的変換器を通してこの様な音の録音を再生することは低周波に関連す る物理的及び心理音響学的制限のために該低周波の心理音響学的感覚を劣化させ る。 該物理的及び心理音響学的制限に関しては、前者は低い周波数範囲での電気音 響変換器の固有の低効率性にある。該指摘される低効率は該低周波の音響的波長 に比して、該変換器の比較的小さい寸法から生ずる。かくして、20−300H zの範囲の低周波の音波の波長はそれぞれ10乃至1メートルの間にある。該電 気音響的変換器の物理的寸法は、通常、該低周波の範囲の波長よりずっと短くそ して幾つかの場合には該電気音響的変換器の寸法は該低周波の波長の約100分 の1になる。この物理的欠点は該低周波数範囲での該電気音響的変換器の効率が 高い周波数範囲でのその効率に比較して著しく低いことになり、それにより低周 波の心理音響学的感覚{エルエフピーエス(LFPS)}を劣化させる。 更に該エルエフピーエスを劣化させる他の側面は心理音響学の分野にある。該 心理音響学の分野で良く知られているように、約300Hzより下の(及び約5 000Hzより上の)周波数は耳の生理学では非線形の仕方で取り扱われる。そ の結果、複雑な楽音の音(即ち広い範囲の周波数を含んでいる)では、低周波、 中間の周波数及び高い周波数の範囲の間のバランスは全体の音のレベルの関数と して変化する。かくして、音楽の全体音圧レベルを下げると、該中間及び高い周 波数範囲のラウドネスレベルは対応して減衰されるのに低い周波数範囲のラウド ネスは異 なる、より高い倍率で減衰される。従って、聴取者は該低周波の心理音響学的感 覚(エルエフピーエス)のラウドネス属性を感じる仕方を制御することは難しい 。(参考文献1の2.3章46頁参照) 従来技術は、即ち低周波数範囲の信号を取り扱うことにより該物理的及び心理 音響学的制限を補償することによって、エルエフピーエスの劣化を対処すること を企てている。 ここに説明したように物理的及び心理音響学的要素による該エルエフピーエス の劣化は商業的に入手可能な電気音響的変換器やそして特にいわゆる卓上型マル チメデイアスピーカーで表われる。 卓上型マルチメデイアスピーカーは通常従来型パーソナルコンピューター(ピ ーシー)に接続されそして寸法が小さいことに特徴がある(卓上で専用に割り当 てれる限られた物理的空間のために)。卓上型マルチメデイアスピーカーは比較 的低い全体のラウドネスレベルで動作するよう通常設計されそして、他のものの 中で、競争的価格設定の制限のために、従来の家庭用ステレオスピーカーに比較 して、一般的に中程度か又は低い品質である。後者の特性はエムエムスピーカー の低い効率を引き起こしている。図1(文献3から引用)はそれぞれ良質の8つ の商業的に入手可能なエムエムスピーカーの8つの周波数応答曲線を示している 。明らかに分かるように全てのスピーカーは約150Hzの下でその効率の著し い劣化を示している。 該指摘された限界にも拘わらず、該ピーシー環境でのマルチメデイア応用の益 々増大する普及度のために、卓上型エムエムスピーカーの広まりは近年上昇して いる。一方での該マルチメデイアスピーカーの広範な普及と他方での音信号の低 周波成分に関するその比較的低い性能とは開 発者をして該電気音響的変換器の低周波の効率を改善しそれにより音信号の擬似 的伸長を達成することを力付けている。 ここで指摘されるような該物理的及び心理音響学的限界に対処しようと企てる 他の利用可能な従来技術が存在するがこれらの解決策の簡単な説明を下記に示す 。 かくして、該電気音響的変換器の物理的制限に対処する1つの可能な方法はそ れが電気音響的変換器に与えられる前に該音信号の低周波成分を簡単に(固定利 得又は動的に制御された利得により)高めることである。この解決法は中間の及 び低い品質の卓上型マルチメデイアスピーカーでは事実上無用とされるが、そこ では低い周波数範囲での効率は中間乃至高い周波数での同じ電気音響的変換器の 相当する効率に比して100分の1(−40デシベル)より下に低下するかも知 れないからである(図1参照)。かくして、該信号の低い周波数範囲を増幅する ことによる効率の差を補償する企ては該電気音響的を焼損させたり全体の音レベ ルを非実用的に低くするかも知れない非常に高レベルのエネルギーを必要とさせ る。後者の解決策の欠点は膝上型マルチメデイアコンピューターが関係する場合 に更に悪化されるが、それはエネルギーを高めることにより低い電気音響的変換 器効率を補償する能力は電力消費を増大するからである。電力消費の増大はその 限られたバッテリー容量のために勿論膝上型では望まれない。 種々の中間的品質のマルチメデイアスピーカーシステムはいわゆるサブウーフ アー(sub-woofer)を使用している。後者は通常従来型マルチメデイアスピーカ ーに接続される分離された装置でありそして低い周波数を発生するよう最適化さ れた独特な電気音響的変換器を使用している。 該サブウーフアーは通常それ自身の電力増幅器で駆動されそして従って膝上型ピ ーシーを駆動するバッテリーの寿命長さを大幅に短縮するかも知れない。更に、 サブウーフアーは比較的に大きな寸法であり、そして通常高い値札を付けている 。かくして、サブウーフアーシステムの価格は成る場合には従来の電気音響的変 換器の価格の10倍程に高くなるかも知れない。 従来技術で、上記の従来技術とは異なり該低い周波数の信号を直接取り扱わな いものの簡単な説明を次に示すが、むしろそれらは擬似エルエフピーエスを生ず る代わりの技術を提案している。 1)ガーナー他(Garner st al.)米国特許第4、514、596号。 2)デローザ他(De-Rosa et al.)米国特許第2、315、248号、第2、3 15、249号。 3)ホリングワス(Hollingworth)米国特許第2、379、714号。 4)マッキー他(Mackie et al.)米国特許第4、698、842号(この後” 刊行物”と引用される)。 上記引用事項は或る水準の擬似エルエフピーエスを達成しているが、それらは 一般的に該低周波の心理音響学的感覚に近づくに到っておらず、それはそれらが 重要な属性、即ちラウドネス、ピッチそしてタンバーの全てを適切に扱っていな いからである。 事実これらの刊行物の何れもタンバー属性の整合及びラウドネス属性の整合を 処理していない。 引用された刊行物と同様に、本発明も又擬似エルエフピーエスを発生すること により該エルエフピーエスの劣化に対処もしているが、しかしながら、該指定さ れた引用から離れて、他のものの中でも、該本質的に 知られている残留ピッチ効果及び”等ラウドネス線”を利用することにより該指 摘された属性を適切に処理している。 該等ラウドネス線は図2に描かれておりそして詳細は参考文献1(2.3章4 5頁)で説明されている。指定された文献で説明されているが: ”かくして何れの楽音でもそのラウドネスレベルはそれに対しラウドネスが同 じに聞こえるような1000Hzの楽音の強さのレベル(デシベルでのエスピー エル)である。幾つかの典型的結果を図2に示す。このグラフは20フオンから 120フオンまでのラウドネスのレベルに対する等ラウドネス線を示しそして絶 対敷居値{エムエーエフ(MAF)}曲線も含んでいる。該等ラウドネス線は該敷 居値曲線と同様な形をしているが、しかし高いラウドネスレベルではより平坦に なる傾向がある。これはラウドネスの伸びる割合が異なる周波数の楽音で異なる ことを意味する。” 従って、本発明の目的は聴取者に擬似的な低周波の心理音響学的感覚を伝える ことに関する限り効率の低い電気音響的変換器に関連する指摘される欠点を解消 させるか又は実質的に除くことである。 発明の概要 一般的には本質的に知られているピッチ残留及び等ラウドネス線を説明したが 、本発明の内容に於けるその利用を下記で説明する。 次に、ピッチ残留効果に関連していわゆる調波の第1次及び第2次グループの 利用を明らかにする所の、良く知られた”耳の臨界バンド分解能”の簡単な説明 を行う。 耳の臨界バンド分解能の内容はこの様に本発明の範囲を越えるものであるが、 指示された現象での詳細な説明は参考文献1の3.2章75頁 で見ることが出来る。 調波の第1のグループ、即ち基本周波数の最初の約10乃至12調波はその各 調波が耳の別個のいわゆる臨界バンドに入り、それにより該耳は何れの2つの連 続する調波の間も分解出来るようにする特徴がある。従来技術で公知のように、 耳の該臨界バンド分解能はFを基本周波数とすると約F/10である。この中で 調波の第2グループは調波の第1グループの上の調波例えば第15次や第16次 調波と定義される。前記第2グループの何れの2つの連続する調波の間の周波数 差はF/10より小さいので、それらが同じ臨界バンドに入りそして耳がその2 つを分離出来ないことが容易に起こる。 調波の列を有する残留調波信号{アールエイチ信号(RH-signal)}は関心の ある低周波範囲内の各基本周波数に関して発生される。 各基本周波数に関して発生される前記調波の列は好ましくは次の基準に合うべ きである:それは、基本周波数の調波の第1のセットの中から少なくとも2つの 連続する調波を含む第1のグループの調波を含んでいるべきである。 前記調波列は又第2グループの調波の中からの調波を含んでいるかも知れない 。しかしながら、前記第2グループの中からの調波のエネルギーは前記第1のグ ループの調波のエネルギーより、著しく、少なくとも12dB程も低いことが好 ましい。 第2グループの調波に関する後者の基準は、もしより高い調波が高レベルのエ ネルギーを有するとした場合検出される刺激的”バズ音”に対して、聴取者に検 出される該アールエイチ信号のタンバーは深い音の質を有することを保証するで あらう。もし第2グループの調波が使用され ない場合はこのタンバーは更に強い理由で達成される。 本発明に関連して”調波”は純粋な調波(即ち、与えられた基本周波数Fの純 粋第N次調波はN*Fの周波数を意味する)のみならず、近似的な調波{即ち、 与えられた基本周波数Fの近似第N次調波はN・F・(約5%の精度付き)の周 波数を意味する}も含むことを注意すべきである;かくして限定しない例によれ ば、750Hz、740Hz、760Hzは各、本発明に関連して、基本周波数 150Hzの第5次調波とみなされるが、ここで750Hzは純粋第5次調波で あり、740Hz、760Hzは各近似第5次調波を構成している。同様に、図 2の曲線は精密同調の改訂を受けるかも知れない。本発明は図2で描かれている ようにその現在の状態ではその曲線により限定されない。 今度は擬似エルエフピーエスのラウドネス属性に戻ると、該アールエイチ信号 及び関心のある低周波の音信号がラウドネス整合属性を有することが望まれる。 説明されるように、”ラウドネス整合手順”は又該アールエイチ信号及び該低周 波数信号が実質的にラウドネス整合属性を有する状況も包含している。ここで2 つの異なる場合が考えられる。第1の場合は該ラウドネスレベルの場合である( 即ち、聴取者により検出されるような)。この場合では、該ラウドネス整合属性 はラウドネス整合手順を適用することにより達成される。第2の場合は該ラウド ネスレベルが絶対ラウドネス整合手順を適用することにより達成される場合であ る。 ラウドネスレベルを測定出来るラウドネス分析計を使用するラウドネス整合手 順を使用することにより該ラウドネス整合属性を達成することは可能である。 ラウドネス分析計を実現するための良く確立された手順が公の文書(その幾つ かを下記で説明する)に見られる。この分野は広く研究されそして改良された方 法が常に示されている。 実際は、ラウドネス分析方法の選別は好ましくは、特定の応用のための、必要 な音響的忠実性に対するコストと複雑性の制限によって行われべきである。 従って、本発明は聴取者に音信号の擬似低周波の心理音響学的感覚{擬似エル エフピーエス(Pseudo-LFPS)}を伝えるための下記を含む方法を提供する: (i)少なくとも音信号の低周波信号{エルエフ信号(LF signal)}を供給す るが、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びている; (ii)関心のある低周波範囲内の各基本周波数に対し、調波列を有する残留調波 信号を発生する; 前記調波列は、各基本周波数に関して発生されて該基本周波数の調波の主要な グループの中から少なくとも2つの連続する調波を含む第1グループの調波を含 んでいる; (iii)前記残留調波信号と前記エルエフ信号とのラウドネス整合属性を実質的 に達成するために前記残留調波信号にラウドネス整合を適用する。 前記エルエフ信号の供給は例えば次の過程を適用することによりもたらされる : 該音信号から少なくとも該低周波信号(エルエフ信号)を得る。 実施例の方法によるが、前記方法は更に (iv)少なくとも前記残留調波信号を使用する心理音響学的代替え信号と前記音 信号又は前記音信号の部分とを発生する 過程を含んでいる。 前記部分は例えばその高い周波数のエイチエフ信号部分(High frequency HF signal portion)、該エルエフ信号及び該エイチエフ信号と初めに重畳する該音 信号の部分、又は何れかの他の組み合わせであっても良い。 本発明は更に聴取者に音信号の擬似低周波心理音響学的感覚{擬似エルエフピ ーエス(Pseudo-LFPS)}を伝えるための下記を含む方法を提供する: (i)少なくとも音信号の低周波信号{エルエフ信号(LF signal)}を供給する が、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びている (ii)関心のある低周波範囲内の各基本周波数に対し、調波の列を有する残留調 波信号を発生する; 前記調波列は、各基本周波数に関して発生されて該基本周波数の第1セットの 調波の中から少なくとも2つの連続する調波を含む第1グループの調波を含んで いる (iii)前記エルエフ信号上の前記残留調波信号のラウドネス整合属性を下記の ように実質的に達成するために前記残留調波信号にラウドネス整合を適用する Eh = Ef・RR’(ff,N)+K ここで: ff = 前記エルエフ信号内の基本周波数 Ef = 前記エルエフ信号内の前記基本周波数のデシベルでのエ ネルギー Eh = ffに関するアールエイチ信号のデシベルでのエネルギー RR’(ff,N)= RR(f,N)+-50%、後記する式により、ffとその第N次調波 の間の該変型された残留伸長比 N = 前記基本周波数の第N次調波、fcの上の主要な調波であ る fc = 前記エルエフ信号の臨界周波数 下記の特定的に説明されるように、該装置を実現することは何れかの特定のハ ードウエア又はソフトウエアを実現することによっては拘束されない。かくして 、何ら制限されない仕方で該ラウドネス発生器と調波発生器は通常のハードウエ アモジュールとして実現される。 次に本発明のラウドネス整合手順を説明するが、それは従来のラウドネス分析 器の使用を取り除きそして代わりに耳の一定ラウドネス曲線の下方伸長器の解釈 を使用している。 該(公知の)一定ラウドネス曲線を調べることにより約20ー700Hzの範 囲の与えられた周波数に対し、エスピーエルからフオンへの耳の伝達関数はそこ では該伸長比が周波数の関数である’下方伸長器’のそれと同じ様であることが 分かる。 かくして、該入力での該エスピーエルがXデシベル下げられるならば該出力で のラウドネスはR*Xフオン下げられるが、ここでR>1は周波数に左右される伸長比 である。該用語集で特定したように、専門語’R(f)’は該エスピーエル対フオ ンの伸長比である。 20と80との間の該’一定ラウドネス’曲線(通常の聴取条件の実際的ラウ ドネス範囲より以上をカバーするが)を調べることにより、下記の観察が得られ る: 40Hzで約18デシベルのエスピーエルの範囲は60フオンの範囲 に伸長される、即ちR(40)〜3.23、同様にR(80)に対し〜2.1、 そしてR(120)に対し〜1.74となる。 更に、20−80フオンのラウドネスレベル範囲と、そして20−700Hz の周波数範囲との中でR(f)は絶対ラウドネス、(又は対応するエスピーエル)に ほぼ無関係である。 線形の実験的近似により、20−80フオンの範囲でそして20−700Hz の間で周波数’f’Hzの関数としての該エスピーエル対フオンの伸長比’R(f) ’の良い近似は, で提供される。 一般に、20及び700Hzの間で’f’がより高くなるにつれてR(f)は小さ くなる。前記事項を見ると、如何にして該ラウドネス整合手順がエスピーエル対 フオンの残留伸長比の用語で提供出来るかが説明されている。 かくして、’残留調波信号’を創る時、周波数の低い範囲(f1,f2)に存在す る’低周波信号’が得られる。該低周波信号は次いでR(f1),,R(f2)の間の比を有 する耳により’エスピーエル対フオンの伸長’を受ける。そこから発生する該’ 残留調波信号’はもう1つの(より高い)周波数バンド(f3,f4)に存在する− それは次いで他の(より低い)比R(f3),,R(f4)を有する’エスピーエル対フオン の伸長’を受けるであらう。 かくして、耳でのラウドネスダイナミックス(フオンでの)を保存するために 、エスピーエルの用語での該’残留調波信号’の動的範囲は該’低周波信号’の それに対して伸長されるべきである。ここでの該伸長 比はR(f1)/R(f3)とR(f2)/R(f4)との間のどこかにあるべきである。それにより該 ’残留調波信号’が’低周波信号’に対して伸長されるべきであるこの’追加的 ’伸長比は’残留伸長比’と呼称される。例によるより詳細な説明は次の様であ る: より良い理解のために、40−120Hzの範囲の低周波信号を置き換えるた めに、120Hzより上の周波数を有する’心理音響学的代替え信号’を創る制 限のない例を考える。 40−120Hz間の何れの基本周波数に対しても、該残留調波信号は120H zより上の周波数を有するその最初の例えば3つの調波を含んでいる。 この例では、60と120Hzとの間の周波数に対して該第2乃至第4調波は この条件を充たしている。そして40Hzと60Hzの間の周波数に対しては第 3乃至第5調波がこの条件を充たしている。 基本波と、そしてその第1の関連する調波の間の該結果的’残留伸長比’は次 のようである: R(n・ff)でR(ff)を割ることにより結果的にRR(f,n)を計算した。第1の主な調 波が第2調波である全ての場合該’残留伸長比’は約1.34の定数で近接して 近似される(特定の基本波周波数に関係なく)。第1の主な残留調波が第3高調 波である場合に対しては、約1.74の定数により近接して近似される。 この結果のまっすぐな結論は該’残留調波信号’内の支配的な調波が第2高調 波であり、そして両信号の周波数が20と700Hzの間にある場合には、ラウ ドネス整合を達成するために−全体の信号として−該残留調波信号のダイナミッ クスは低周波信号のそれに比して約1.34の一定比で伸長されることが充分で あるということである。かくして、望ましいラウドネスダイナミックスを代わっ てもたらすそのエスピーエルダイナミックスに影響するように該音響信号(デジ タルの形ででもアナログの形ででも)の残留調波信号は取り扱われる。本発明は 本質的に臨界周波数より上の周波数範囲で、即ち該電気音響的変換器の忠実度が 許容出来る場合に、電気的エネルギーの音響エネルギーへの変換に関わる何らか の固有の不完全性を処理することを追求していないことは注意されるべきである 。 もし該近似定数が1.74である該’残留調波信号’の支配的調波が第3高調 波である場合ならば同じ結果は真っ直ぐである。後者の観察は次のアルゴリズム 的表現により一般化される: 最初に該残留伸長比RR(f,n)に対する表現は基本波周波数とその第n次高調波 の間で解かれる(そこでは両者は20−700Hzの範囲内にある): 上記に述べたように: R(f)に対する該陽に表現したものを置換した結果は: この結果は該残留伸長比が該基本周波数と該調波の次数との両者に依ることを 示している。 周波数の範囲上でRR(f,n)の値を近似ことにより更に簡略化が達成可能である 。かくして、RR(f,n)の上記式を実験的に調べることにより、制限のない例に於 いて、n〈6の与えられた調波次数nに対し、そして約10%の誤差までで、1オ クターブ(fr...2・fr)の周波数範囲の残留伸長比は1つの値−即ちRR(・fr,n) により近似出来るが、・fr、が対数尺度で1オクターブの中心周波数であるを考 えると;かくしてRR’(f,n)=RR(・fr,n)±10%であるが、ここでRR’(・fr,n)は −基本波がfrの±1/2オクターブであり、そして2基本波と調波が20−700 Hzの範囲にある時に該基本波と第n高調波の間の近似残留伸長比である。ここ で、f−fr<f<2・frで或るような基本周波数 n−調波次数、n<6である。 fc=120であり、そしてn<6である実際の例では、n・fr≧fcを充たすためにfr は24Hzと同じ位低く出来るので、この近似は実際の場合に非常に有用である 可能性がある。 周波数範囲当たりの1つのRR値とnの選択を介して望ましい程度の近似を充た すために、同様に種々の周波数範囲と対応する調波次数を得ることが出来る。 図4の回路と関連して詳細に説明する更に有用な結果は1セットのパラメータ ーに対して、図4の回路は該残留伸長比RR(f,n)をn<4の条件で10%内に近似し 、そしてかくして該周波数応答をfc/3まで或いはfc/4にまでさえも擬似近似する よう動作出来ることである。 式RR(f,n)により計算された残留伸長比、以下これを”自然残留伸長比”と呼 ぶが、これを使用することは擬似エルエフピーエスに従うピーエイ信号となる望 ましいラウドネス整合をもたらす。しかしながら、多くの実用的な場合では、一 般的名場合で説明されるように、計算されたRR(f,n)に対し±50%の範囲内の 比を使用する理由がある。用語RR’(f,n)を以後”変型残留伸長比”と呼称しそ してそれにより本質的なラウドネス整合を得る。 RR’(f,n)=RR(f,n)±50% 残留調波信号を扱った後、下記の方程式を適用する: Eh = RR(ff,n)Ef+K ここで: ff =エルエフ信号からの基本周波数 Ef =該エルエフ信号内のffのエネルギー(デシベルで) Eh =ffに関するアールエイチ信号のエネルギー(デシベルで) RR(ff,n)=残留伸長比 K(f) = 周波数に依るデシベルでの利得。1つの実施例では、(すべてのf に対して)Kは−定。 該ラウドネス整合手順を適用した後、該絶対ラウドネス整合手順を達成するた めにオプションで更に周波数依存の利得を適用することが出来る。線形システム の場合には該利得は次のように計算される。 該電気信号が到達出来るフルスケールの負及び正の値として±1を 定義する。 フルスケール(±1)の振幅を有する正弦波に対応するエスピーエ ルレベルを決定する。その様に決定されたエスピーエルはここでは エスピーエルエフエス(エフ){ASPLfs(f)}と引用する。(該シ ステムの線形の範囲ではこのエスピーエルは周波数から独立である べきである)。 等ラウドネス線から次の値を決定する fcより上の何れの周波数に対して,’f,N=2。 Pfs(f/N)−周波数’f/N’及びSPLfs(f/N)を有する正弦波のフオンでのラ ウドネス MSPL(f,N)=周波数fでPfs(f/N)フオンのラウドネスを発生するに必 要なエスピーエルのデシベルでの値−それは絶対的に釣り合ったラ ウドネスを発生する該エスピーエルである。 K(f,N)=SPLfs(f)-MSPL(f,N) K(f,N)はN(支配的調波の次数)に依存するので、もし擬似伸長がfc/3又はf c/4まで厳密に正しい必要がある場合は、(fc/2:fc)(fc/3:fc/2)(fc/4:fc/3)等の 各範囲に対する該調波の発生は別々である必要がある。 実際に、K(f,N)は一定の利得、又は全てのNに対する1つのフイルターを用 いて近似できる。 先の説明を基礎の上に、ピーエイ信号発生器の完成のための異なる方 法が例えば図4の回路で図解されるように提供されう。 ”残留伸長比”の方法及び示された近似法の使用で次の利点へ導かれる: 非常に少ないバンド(例えばfc/3まで周波数応答を擬似的に伸ばす例では2つ )を解析すれば良く、そして該基本バンドとその調波の間の簡単な関係、即ち一 定残留伸長比が得られるべきであり、かくしてエルエフ信号及びアールエイチ信 号の詳細な周波数/エネルギー解析を避ける。 更に、図4の回路での’残留伸長比’手法を使用することは該解析を簡略化す るが、それは図4の循環的な性質のために2つ(fc/3に対しての前部)の代わり に唯1つのバンドを解析すれば充分だからである。 望ましい程度の近似を充たすために、RR(f,n)は該解析の周波数バンド用の 設計基準として役立つている。 本発明の底にある概念を説明したが本発明の提供する技術を使用する主な利点 を今度は説明する: 本発明の技術の使用により、聴取者への疑似低周波の心理音響学的感覚は、従 来技術の解決策が処理出来ないか又は部分的にしか対処出来なかった次ぎの支配 的制約下でも著しく向上出来るのであり、即ち: 小寸法の電気音響的変換器を通しての再生; 限定された電力消費;及び/又は 低コストの電気音響的変換器、などである。 この様な装置の幾つかの制限せぬ例には: 物理的寸法と競争可能な価格設定とが制約を設けている卓上型マルチメディ アスピーカー。 寸法と電力消費が制約を設けている携帯式膝上型マルチメディアコ ンピューター。 寸法とコストが制約を設けているエアフオンなどがある。 本発明の技術を利用することにより、高品質のスピーカーシステムでも非常に 低い周波数範囲でのその低効率を回避することから利益を得ることが出来る。本 発明の提供する技術は次ぎの1つ以上の段階で該音信号を取り扱うために利用出 来る利点をゆうしているが、それは音響製作及び放送再生過程である。かくして 、該音信号は、オーディオの個々のトラック又はその最終のオーディオのミック ス用にも、該オーディオ製作過程の部品として扱っても良い。代わりに、又加え て、該音信号は放送段階の部品(ラジオ周波数、ケーブルネットワーク、及びイ ンターネットでの放送を含めるがこれらに限定されず)として及び/又は消費者 の場所での再生段階の部品として、例えば、オーディオプレーヤー、増幅器、又 は電気音響的変換器の部品として扱っても良い。 更に、(オプション的には)元の基本周波数(それは関心のある低周波範囲に 存在しているのだが)を完全に取り除くことも出来るので、従って該提案された 技術を数回縦属して(in cascade)適用することに障害がない。該過程のこの特 徴は該オーディオ信号の準備する段階と再生段階の間の異なる段階で連続して該 技術を適用するよな場合に固有の両立性として役立つ。 これは、一方で、オーディオコンテント(content)製作者又は放送者に対し て、該絶対再生レベルのみならずその低周波での音の質がそれを再生して来た特 定の電気音響的システムに依存度のより低いオーディオ信号を供給出来るように するが、他方では、オーディオ再生システムに対してより良い価格/性能の妥協 を可能にする。 例えば、120Hzを越える周波数について許容された効率を示す種々の低 価格のエムエムスピーカーは本提供の技術により40Hzの様な低さまで疑似伸 長周波数応答を有することが出来る。 特殊な応用に依っては、関心のある低周波信号の完全な或いは減衰された強さ は心理音響学代替え信号に合計されても良い。 幾つかの場合では関心のある低周波信号の存在は合成された疑似伸長を改善す るかも知れない。 関心のある低周波を含めるかそしてどの程度含めるかを決定するための1つの 、限定するものでない、考慮事項は該電気音響的変換器の効率に依る。 かくして、好ましくは(必ずしもそうでないが)、考慮する該電気音響的が該 バス周波数範囲の与えられた範囲で非常に低い効率を呈する場合は、前記与えら れた範囲に入る関心のある該低周波信号は該電気音響的変換器の不相応な負荷を 避けるために濾過して外されるべきである。 もし、他方で、考慮する該電気音響的変換器が該バス低周波範囲の与えられた 範囲でその平均効率に近い効率を呈する場合は、好ましくは(必ずしもそうでな いが)関心のある該低周波信号の完全な又は減衰された強さが該心理音響学的代 替え信号に合計される。 低効率を呈する該電気音響的変換器のその周波数範囲にそれ自身が存在する基 本周波数のそれら高調破に関しても同じ様な考慮が払われるべきである。 その最も広い側面では、本発明は次ぎのものを備えた音信号の疑似低周波心理 音響学的感覚を聴取者に送るための方法を提供するのであり; ()少なくとも音信号の低周波信号(エルエフ信号)を供給するが、 該エルエフ信号は関心のある低周波範囲に亘り伸長する; ()前記の少なくともエルエフ信号の調波を発生するが、それは該調波が前記 の少なくともエルエフ信号により達成されるよう意図されたと実質的に同じラウ ドネスレベルをもたらすためである。 オーディオ信号は通常最終ユーザーの聴取条件、以下基準聴取条件とするが( 周囲雑音及び/又は音再生システムの質及び/又は聴取ラウドネスレベルを含む が、それに限定されないが)、を或る程度、斟酌することにより意図された感覚 を達成するように用意される。 本発明の方法とシステムは何時でも該最終ユーザー聴取条件が前記基準聴取条 件に比して(特に該エルエフ部分に関して)劣る、例えば該ユーザーが劣ったオ ーディオ再生システムを有している時に適用可能である。 本発明によると該オーディオ信号は、特定的にラウドネス、ピッチ、タンバー 属性に関して、意図された感覚を実質的に達成するように取り扱われる。 図面の簡単な説明 より良く理解するために、例として使うためだけにであるが、次ぎの付随する 図面を参照して本発明を説明するが: 図1はそれぞれ8つの良質の商業的に入手可能なエムエムスピーカーの8つの 周波数応答曲線を示す。 図2は等ラウドネス線のグラフ図である。 図3aは本発明の1実施例の心理音響学的な代替え信号発生器を図解するブロ ック略図である。 図3bは本発明の1実施例の図3で図解された発生器の部分を形成するラウド ネス分析器、制御ロジック及び制御応用モジュールのブロック図である。 図3cは本発明の1実施例のピーエイ信号発生器のブロック図である。 図3d−3gは音信号又はその部分を利用することによりピーエイ信号を発生 する4つのそれぞれの実施例を図解している。 図4は本発明のもう1つの実施例の心理音響学的代替え信号発生器を図解する ブロック略図である。 図5は図4の実施例に使用された上方への圧縮器のロジックの1つの可能な実 現法である。 図6は図4の実施例に使用された圧縮器のロジックのもう1つの可能な実現法 である。 図7は図4の実施例で使用された1つの可能なエフビー高域フィルタの周波数 応答グラフを示す。 図8は図4で描かれたブロック図で使用された1つの可能な出力用高域フィル タの周波数応答グラフを示す。そして 図9は図5及び6の上方への圧縮器のロジックの中で実現される望ましい圧縮 の法則への合理的近似の例をグラフ的に示す。 特定の実施例の説明 ラウドネス分析器を利用する動的整合手順を図解するブロック略図を示す図3 aを今注意してみる。 かくして、例えば、アラン ブイ.オッペンハイム/ロナルド ダブリュー. シャフター(Alan V.Oppenheim/Ronald W.Schafter)のデジタル信号処理(Digita l Signal Processing)(第5章)に説明されているような、本質的 に公知のフィルタ技術を使用することにより、入力信号は、好ましくは、重畳し ない低域通過(31)及び高域通過(32)の範囲に分けられる。 該入力’低周波信号’から該残留ピッチ効果により該’残留調波信号’、即ち 該第1のグループの調波の中からの少なくとも2つの連続する調波が発生される 。もし望むならば、該第2のグループの調波からの調波も含まれても良いが、し かしながら、前に述べたように、そのエネルギーは該第1のグループのそれより も著しく低い。従来技術で調波発生の種々の技術が知られている。非独占的な典 型的手法は全又は半波整流、ハード/ソフトクリップ法、非線形利得曲線、該信 号の2乗(又はより高い次数の多項)を取る、そして該信号の非線形操作などで ある。整流とクリップ法は高い次数まで調波を創るが、精密な制御がより難しく なる。 今図3に戻ると、該’残留調波信号’のみでなく該入力の’低周波信号’(そ れぞれ支持部品及び35)のラウドネスが分析されるが、精密なラウドネス分析 には耳に与えられたオーディオ信号全体の情報が必要であり、かくして一般的に は、該’高周波信号’の情報も該ラウドネス分析器に必要であることを注意する 必要がある。 この目的には公知のラウドネスメーターを使用しても良い。後者は’周波数に 重み付けされた信号’のエネルギーを簡単に測定する。マスク効果及び’臨界バ ンド’周波数分析をも考慮することにより、この評価の精度を改善する更に複雑 な方法が提案される。 ラウドネス分析用に’ラウドネスメーター’は実施するのに非常に簡単である が、他の方法は、適用可能であるが、実施するのに非常に複雑である。この様な 複雑な方法は 1.該オーディオ信号を耳の臨界バンドに整合する周波数バンドに分割する。 2.時間の関数として、各バンドのエネルギーを測定する。 3.各周波数バンドに対して、該バンドの残余内のエネルギーによりそれに課さ れるマスク用曲線の重畳として(時間に依存する)マスク用敷居を得る。 4.各周波数バンドの該(時間に依存する)ラウドネスを前記マスク用敷居の上 にあり、そのエネルギーレベルで、その周波数バンドに於ける耳の感度により重 み付けされた計算をする。 5.上の4で計算された或る周波数範囲の(又は全てのバンドの)全てのバンド の(時間に依存する)ラウドネスを合計することでその周波数範囲のラウドネス (又は全体のラウドネス)が与えられる。勿論他のラウドネス解析技術を使用し ても良い。 図3aに戻ると、該ラウドネス整合手順(該’低周波信号’に関しての)で扱 われる’残留調波信号’に制御ロジック(36)が適用されるg、精密な制御ロ ジックには耳に与えられたオーディオ信号全体の情報が必要とされ、かくして’ 高周波信号’もここで必要とされることに注意すべきである。 該’ラウドネス分析器’が実際精密であるとして、そしてラウドネスレベルの 動的な変動を斟酌して、図3aの概念的ブロック図は’心理音響学的な代替え信 号’用に望ましい該’ラウドネス整合’を実行出来る。図3aに描かれた該種々 のモジュールの詳細な説明は図3bも参照して下記に示す。 この回路の目標は該エルエフ信号のラウドネスを該ピーエイ信号の それに整合することである。この目的に対して該アールエイチ信号(それは未だ 該エルエフ信号へのラウドネス整合ではない)を創った後に、下記過程が実行さ れる: (a)エルエフ0(LF0)乃至エルエフN(LFN)と称される対応したエヌ+1 (M+1)個の信号を得るために該エルエフ信号を周波数バンドに分割しそしてそ れぞれエネルギー検出モジュール3020乃至302N内の各信号のエネルルギー を検出する; (b)アールエイチ0(RH0)乃至アールエイチエム(RHM)と称される対応し たエム+1個の信号を得るために該アールエイチ信号を周波数バンド301に分 割しそしてそれぞれのエネルギー検出モジュール3040乃至304Mで各信号のエネル ギーを検出する; (c)モジュール3040乃至304Nから得られた該アールエイチ信号分析の各周波 数バンドに対して、それぞれのモジュール3050乃至305M内でその調波がこのバン ドのエネルギーの大部分に対応する基本周波数バンド(モジュール3020乃至302N から)を決定する。この過程の関連するロジックは又該アールエイチ信号が如何 に発生されたかに依存する。かくして、例えば、もしアールエイチ信号が第2及 び第3調波だけを含んでいれば、該アールエイチ信号バンドの各々のエネルギー は該バンドの周波数より2分の1倍か3分の1倍低い周波数の基本バンドから成 ったものでなければならない。この場合該アールエイチ信号バンドの幾つかに関 して1つのエルエフ信号バンドの第2調波でありそしてもう1つの第3調波でも ある曖昧さに関する可能性がある。かかる場合、大部分のエネルギーを含んでい る基本バンドを選択する。 (d)モジュール3040乃至304M及び3020乃至302Nの間の対応を決定 したので、モジュール3060乃至306Mは耳の感度曲線に依って対応するモジュール 間で該ラウドネスを整合させるために必要な利得を計算するよう適合される。換 言すれば、該周波数(横座標)と該エスピーエル(縦座標)に依って該基本周波 数バンドと組み合わされている該ラウドネスを図2グラフの中で確認し;該対応 するモジュール3040乃至304Mで同じラウドネスを創るに必要な該エスピーエルエ ネルギーを決定し;そして該3040乃至304Mのエネルギーを前記必要エスピーエル エネルギーまで持って来るに必要な利得を決定する; (e)エム個のラウドネス整合済み信号を得るためにそれぞれの乗算器3070乃 至307Mの中で利得差を適用する;そして (f)ピーエイ信号を得るために該エム個のラウドネス整合済み信号を合計す る。 ピーエイ信号発生器のもう1つの変型品を図3cに示す。この回路は該アール エイチ信号発生とラウドネス整合とを各周波数バンド内で行う。この例は又周波 数のバンドに対する該近似残留伸長比RR(f,n)に対して得られた結果を使用する 。この目的に向かって全入力信号から該エルエフ信号を分離した後、次の過程を 実行する; (a)LF0乃至LFMと呼称されるM+1個の信号を得るために該エルエフ信号を 周波数バンド310に分ける。 (b)対応するモジュール3100乃至310M内でLF0乃至LFMに間するM+1個のア ールエイチ信号RH0乃至RHMを発生する。該調波発生方法は前に知られているので 、それぞれ信号LF0乃至LFMとRH0乃至RHMとの間のエネルギー関係はは一般に知ら れている; (c)該LF0乃至LFM信号の各々の該エネルギー3110乃至311Mを検出 する(代わりに該検出は該RH0乃至RHM信号に関しなすことも出来る); (d)該RH0乃至RHM信号に適用されるべきそれぞれの利得3120乃至312Mを計算 する。この計算は各それぞれのバンドに対するLF0乃至LFM及びRH0乃至RHM信号エ ネルギーの間の関係、そして該近似残留伸長比、RR(f,n)に関する演繹的な情報 に基づいている。この利得は該最終結果が該RH0乃至RHM信号のラウドネスを該対 応する各バンドの残留伸長比を通して該対応するLF0乃至LFM信号に整合させるよ うに計算されるべきである; (e)M個のラウドネスを整合された信号RH0乃至RHMを得るためにそれぞれの 積算器3130乃至313M内で該利得を適用する; (f)該ピーエイ信号を得るために該m個のラウドネスを整合された信号FH0 乃至FHMを合計する。 今図3d乃至gを見ると、心理音響学信号の発生のために音信号又はその部分 を使用する多くの可能な変型品から4つを図解するブロック図が示されている。 かくして、図3dに示すように、回路3100はモジュール3103内の高周波 フィルタとモジュール3104内の低周波フィルタに向けられる入力音信号31 02を含んでいる。該低周波信号3103はモジュール3105内の該残留調波 信号に向けられそして該最終高周波信号/低周波信号及び残留モニター信号はそ れぞれの増幅器3106,3107及び3108に供給されるが、各増幅器はブロック310 9内で最終出力信号3110を発生するために、もし望むならば、別個の利得値 を有している。 もう1つの限定しない例が図3eに示されているが、そこでは該低周 波信号だけが該入力音信号から抜き出されている。しかしながら、この特別な実 施例では、それぞれのモジュールで各々がフィルタされた別個のLF範囲から成っ ている(呼称されているLF1乃至LFnの唯2つが3202及び3204で示されて いる)。次いで該低周波信号はモジュール3206及び3208内の残留調波に 向けられそして該結果は該出力3212を発生するために合計用モジュール32 01内で該入力音信号と共に合計される。 今図3fに示すもう1つの限定しない例を見ると、モジュール3302内で発 生される該低周波信号はモジュール3304の該残留調波に向けられそして次い で該未処理の元の音信号がモジュール3306内で該残留調波信号に合計される 。示されたこの実施例により、該元の低周波信号は捨てられる。もし望むならば 、後者は次いで3308を通して高域フィルタ処理を受ける。 今図3gを見ると、もう1つの限定しない例が示されているがそれはモジュー ル3408の該高周波信号は純粋な高周波信号をフィルタ処理しないがこの特別 の実施例では、該音信号の該部分が低域棚上げフィルタにより得られるという事 実以外は前の一つと似ている。 当業者は上記4つの例が該出力信号を発生する手順の間に該音信号又はその部 分を利用する広範な可能性を図解していることは容易に評価するであらう。 図4は本発明のもう1つの実施例の心理音響学代替え信号発生器を図解してい るブロック略図を図解している。図4は今までの従来のラウドネス分析器と比較 して簡略化されている。該理由はそれが該調波発生過程と該ラウドネス整合を1 つの簡単な回路内に組み合わせていることで あるが、該回路はフィルタ、加算器、積算器、上方への圧縮器の様な基本的部品 から成っている。該後者の手順は調波発生とラウドネス整合の過程に何等特定の 要求を課していないことを図解している。 全周波数範囲とその第n次調波に適用される近似残留伸長比を得ることにより 、そして更に該しめされた回路がその整合中に該調波を再帰的に発生するために 、複雑なエネルギー/周波数解析は必要でない。事実、示されるように、1つの 上方への圧縮比、そして2,3の簡単なフィルタで第2次、第3次又は第4次調 波が該支配的の調波である場合にラウドネス整合用の(±10%より狭い範囲内 の)良い近似を提供する。 当業者には良く知られているように、ここに説明した該デジタル回路は同じ結 果を達成するための多くの可能な変化した物(アナログ、デジタル又はそれらの 組み合わせ)の1つに過ぎない。 図4の回路は有力として関心のある低周波信号、エルエフ信号(41)を受け そして心理音響学的代替え信号、ピーエイ信号(42)を発生する。 該エルエフ信号は低周波f1..f2の範囲に亘り伸びそして該ピーエイ信号はもう 1つの周波数f3の上へ伸びる。典型的には、しかし必ずしもそうでないが、f3=f 2である。f3が該範囲に入る多くの応用ではf1<f2<f3も又適用可能である。 120Hzより下で非効率的な低廉なスピーカーを向上させる特定の例では、 該特定の周波数はf1=40Hz,f2=120Hz,f3=120Hzに設定される。かくして、この特 定の例によれば、40乃至120Hzの間に主として存在する該エルエフ信号は 大抵約120Hzに存在するピーエイ信号により置き換えられる。 回路の一般的説明 前に説明したようにピーエイ信号は該エルエフ信号内の該周波数の調波を含む アールエイチ信号であるべきであり、そして該エルエフ信号に関して起因する該 ラウドネス整合に従うべきである。 示されるように、この回路は調波発生の過程とラウドネス整合との両者を1つ の非線形の帰納的過程として集積する。 該非線形の帰納的過程は図4の回路内の’フィードバックループ’(43)と して実施される。 一般的に言って、該フィードバックループ内の該信号は該入力(44)によっ て帰納的に掛け算され、かくして各該ループ通過に於いて高調波を発生する。該 ループのフィードバックの利得は3つの部分から構成される: 周波数に左右される利得は該フィードバック高域フィルタ(45)により適 用される。 一定(<1)利得は該フィルタに続く該減衰器(46)で適用される。 該’圧縮器制御ロジック’により制御される動的な利得。この動的な利得は 位置(49)で検出される該発生器最終出力信号のエネルギー包絡線に左右され る。 最後に出力高域フィルタ(50)はどの周波数が該発生器の出力で許されるか を制御する。この特定の例ではこれは120Hzより高い周波数である。該圧縮 器が該出力高域フィルタの後で該信号により駆動されていることに注意すべきで ある。 該帰納的フィードバックループの詳細な説明:(入力から’時計回りに’進む) 乗算器(44)、ここで該エルエフ信号(41)(基本周波数を含んでいる )は該(遅延した)(51)フィードバック信号により掛け算される。かくして 該乗算の前に該フィードバック信号内の何れかの第N次調波から第(N+1)次 の調波を発生する。 この乗算も又各調波と組み合わされるダイナミックレンジを固有的に伸張する 効果を有する。後で説明するように、この伸張は望ましい残留伸張比をもたらす ために利得(47)内に補償される。 該乗算(44)のもう1つの副作用は’内部変調’と直流分の発生である。あ とで説明するように、周波数f1より下に入るこの様な成分は該フィルタフィード バッック高域フィルタ(45)により減衰される。 ミクサ(加算器)(52)−は該エルエフ信号を該フィードバックに注入し そして該フィードバックループを通して次の循環で成功裏に高調波を帰納的に発 生するために該フィードバックループ内で該基本波を充分な強さに維持すること を狙う。この加算器の後から該フィードバックの出力は該回路の残り部分へ渡さ れる。 高域フィルタ(45)−カットオフ周波数=f1を有するフィードバック高域 フィルタ。このフィルタは該フィードバック利得の周波数依存の部分を充たし、 f1より下の周波数(そして直流成分)が拡大するのを防止する。考慮する特定の 例ではオクターブ当たり12デシベルの勾配を有するフィルタ{第2次のバトワ ス(Butteworth)の様な}が満足すべき結果を提供することが分かった。図7は このフィルタをグラフ式に示す。 利得(46)−高調波、特に第2グループに属するそれらを減衰させる割合 を制御する。 乗算器(47)−該圧縮器(48)からの制御信号を供給される。この乗算 器は該フィードバックの利得の’動的な’部分を充たす。我々が各調波と組み合 わされたダイナミックレンジをを実際的に制御するのはこの点である。換言すれ ば望ましい残留伸張比を高める。前に説明したように、各調波はその基本波に対 し該’残留伸張比’だけ下方へ伸張されることが望ましい。一般に、該乗算器( 44)の効果は誇張された調波当たりの下方伸張比となりーこれは上方への圧縮 を適用することにより乗算器(47)により補償される。該フィードバック回路 (43)が帰納的過程として実現されるので、該制御信号に印加される該適当な 上方への圧縮比の誘導は自明なことではない、それで下記に説明する。 該制御信号はそれが主に該フィードバックループのエネルギー包絡線、即ちダ イナミックレンジに影響するように本質的に公知のスムーズ化を経ることに注意 すべきであるが、その周波数内容への影響は無視出来る程である。 1サンプル遅延(51)−がデジタルドメイン充足のために必要であるが、 それは該デジタルドメインでのフィードバックループは少なくとも1サンプル遅 延を要するからである。該エルエフ信号の周波数は該サンプル速度より著しく低 く、この1サンプル遅延の影響は無視出来ることに注意すべきである。 該フィードバック部分(43)の要素を説明したが、回路の残りの要素を今度 は説明する。 出力高域フィルタ(50)−加算機(52)を経た後、該フィード バックループからの出力は該出力高域フィルタに供給される。この32はf3(こ の特定の例では120Hz)より下の周波数要素を拒絶し該上方圧縮器ロジック (Upwards-Compressor Logic)、及び該出力乗算器(53)の両者を供給する。 下記で説明するように、このフィルタの影響は該上方圧縮器ロジックの適切な動 作に非常に重要であるが、しかし又−この特定の例では−次ぎのスピーカーの不 要な負荷を避けるのに役立っている。この特別な例では、−40デシベル停止バ ンドリプルを有する第4次の楕円フィルタが満足すべきものであった。図8はこ のフィルタをグラフ的に示す。 乗算器(53)−ここで該圧縮器からの制御信号は該発生器の出力に印加さ れる。 上方圧縮器(48)−この回路は、もしその入力に(乗算器により)印加さ れると該入力信号の該エネルギー包絡線ダイナミックレンジ、(デシベルで表し て)を典型的にはr<1.0である比’r’で圧縮することになる制御信号を計算す る。該制御信号は該フィードバック利得とそして該発生器の最終出力との両者に 印加されることに注意すべきである。該上方圧縮器への入力は高域フィルタ(5 0)から供給されるので、f3より上の該アールエイチ信号が測定され、該フィー ドバックループ信号内にあるより低い周波数を含んではいない。 原理てきに該制御信号は: C(t)=(E(t)(r+1) ここでE(t)は入力信号の(時間変化する)エネルギー包絡線である。 従って該信号C(t)・入力は包絡線E(t)rを有する。 該デジタル又はアナログのドメインで圧縮器を用意するには種々の方 法があり、該方法は当業者には一般に公知である。 図5は上方圧縮器の概念的実施法を示す。 かくして本質的に公知の包絡線検出器(下記参照)を有する該入力の包絡線’ E(t)’が検出される。 該乗算係数信号は次ぎの様に計算されるが、即ちもし該入力が’C(t)’を掛け られるとその変型された包絡線は元の包絡線(デシベルで表した)のダイナミッ クレンジ’r’倍したものを有する。 かくしてC(t)=(E(t)(r-1))そしてE(t)・C(t)=E(t)rである デシベルは振幅の対数を付け加えることを含むので下記方程式が」得られる: log(E(t)・C(t))=log(E(t)r)=r・log(e(t)) 従って、比rでダイナミックレンジ(デシベルでの)を伸長することは該エネ ルギー包絡線をr乗して引き上げることと等価である。該’C(t)’信号を発生し たのでそれによりスムーズな、ゆっくり変化する関数を得るためにそれは本質的 に公知のスムーズ化を受けるが、それがもう1つの信号を掛けられた時周波数内 容へのその影響は無視出来る。 図6に、特定のデジタルのドメインの充足法が示されている。 当業者には公知のように、デジタルドメインでの上方圧縮器を充足するには種 々の可能な方法がある。 次ぎに示すのはこの特定の例に適合する簡単な充足の例である。 この例では信号’C(n)’の計算は入力In(n)の有理関数により関数’X(r-1)’ への近似を通して行われるが、すなわち; この後者の充足法は一度に幾つかの目標をもたらすが: すなわち包絡線検出、過剰利得防護そして最初のスムーズ化である。 包絡線検出−簡単な包絡線検出器はスムーズ化ネットワークが後に続く全波 整流により充足されることが多い。該有理関数は’In(n)’の偶数乗だけを含む ので、該入力を最初に整流する必要は無い。 過剰利得防護−r<1に対する該関数X(r-1)はXが0.0に近いと非常に大き い値を持つことが出来る。次のスムーズ化段階がゼロでない応答時間を有するの でゼロからゼロでない値までの該信号の急速な立ち上がりは非常に高い利得に曝 されねばならない。より高い値の信号へのこの高利得の印加を防止するために、 次のスムーズ化段階の着手する応答時間は急速である必要がある。しかしながら これは余りに高い周波数内容を有する制御信号となり、そして制御信号は該包絡 線だけでなく、それにより制御される他の信号の周波数内容にも影響する。考慮 された近似される関数では、0.0に近い利得はb0/a0により制限された。 初期スムーズ化−r<1に対する関数X(r-1)は0の付近に不連続がある。この不 連続は又該信号’C(n)’に高周波数を導入する。これは次ぎの段階で過剰なスム ーズ化により対処出来るが−それは上記で説明したように最初の着手用の急速応 答の必要性と軋轢を生ずる(該関数X(r-1)をそれがあるように使ったと仮定し て)。該提案された近似関数は完全に連続であり、そのためより高くない周波数 を有する制御信号を発生し、そして次のスムーズ化段階はドラスチックなもので ある必要がない。 該関数X(r-1)のグラフ表示と我々の近似が図9に示されている。 r=0.7649の場合に対し、そして b0=0.02355287194791 b1=3.085399555809164e+002 b2=4.325457101218826e+003 a0=0.00510207976355 a1=1.401935898337816e+002 a2=4.493821917758144e+003 該発生回路の構造を詳細に説明して来たが、今度はその動作を説明し、そして 特に該調波が展開される仕方、そして如何にそのダイナミックレンジが、勿論、 該残留伸長比RRを参照して制御されるかを説明する。 該入力は2つの時間に依存する部分として表されるが、すなわち In(n)=E(n)・F(n) ここでE(n)はエネルギー包絡線、そしてF(n)は該周波数内容である。E(n)はF( n)よりゆっくり変化する。 かくして、乗算器(44)内での該入力のそれ自身との掛け算の結果は下記で ある: In・In=E2・F2 E2はEに対しr=2の比で伸長されたダイナミックレンジを有する。 そしてF2はFの第2次高調波、フィードバックループの高域フィルタでフィル タして外される直流及び低周波成分、そして無視出来る高周波数内部変調での発 生成分を含んでいる。 該回路が最初に1サンプル遅延は0を含み、そして制御信号は1.0であるよ う賦活されていると仮定すると、該フィードバックループ信号はそれぞれのミク サ(52)出力で利得(47)を発生するが出力(4 2)を今度は説明する。 該上方圧縮器はその入力で該’主’成分に主に影響されることも注意さべきで ある。かくして、−12デシベルより低いそして該’主’成分より下の成分は該 圧縮器の制御信号に少ししか貢献しない。 この説明と更に該圧縮器は該出力高域フィルタ(50)から供給されることを 考えると、その周波数が該出力高域フィルタのカットオフ周波数より上である第 1高調波は、一旦存在すると、ピーエイ信号の主成分となり、そしてかくして該 制御信号の取得での主な要素である。 2つの場合が考えられるが:1つの場合は該主成分が該入力信号からの幾つか の周波数の第2調波である場合であり、もう1つの場合はそれが第3調波の場合 である。我々の特定の例では、もし該入力の主成分が60Hzの上の周波数であ る(従ってその第2調波は120Hzの上になる)ならば第1の場合に関係しそ して第2の場合は40と60Hzの間の周波数(そこではその第2調波は120 Hzの下であるが第3調波は120Hzを越える)に対するものである。 簡単化のため、次の説明ではg=1とする(gは該固定のフィードバックループ の利得である)。 第2調波が主な調波である定常状態では、それはミクサ(52)の後では該第 2調波の該伸長比であるxの或る値に対して下記の形を取る: Ex・F2+E・F 出力高域フィルタの後では、Ex・F2は主成分であり、そして従って該圧縮器制 御信号は下記となる: CS=Ex・(r-1) 従ってCSを掛けた後は、該1サンプル遅延に於いて我々は下記を得 る: CS・(Ex・F2+E・F)=(Ex・r・F2)+(Ex・(r-1)+1・F) 下記該乗算器(44)での該基本成分(Ex・(r-1)+1・F)は今度は第2調波であり 、すなわち: (Ex=Ex・(r-1)+I+1・F2); 定常状態の解は次ぎのようになる: Ex=Ex・(r-1)+I+1; x=x(r-1)+2; 今、もし該ミクサ(52)の後の第2調波(すなわちEx・F2)が主要項であれば 、CS(49)に依る乗算の後下記の最終出力が得られる: Ex・r・F2; そこでx・rが出力に於ける第2調波の伸長比であり、そしてこれは上記(表 1)で詳細に説明したように該第2調波用残留伸長比約1.34に等しく設定さ れるべきである。 x・r=1.34;そして に対して 我々は: ;r=0.802を得る。 今、第3調波が主要調波であり、すなわち第1調波が120Hzを越える第2 の場合に戻ると、我々は 上記(表1)詳細に説明したように第3調波に対する残留伸長比はt次ぎのよ うにあるべきである:x・r=1.74。 第2調波の場合及び第3調波の場合に対する圧縮比’r’の解は非常に近接し ている。もし我々が第3調波の方程式に対しr=0.802を使用す かくして、第2又は第3調波が主要調波である両方の場合に約0.8の1つの 一定の上方圧縮比が正しい残留伸長比と成り得る。 上記の近似解析では、上方圧縮による該制御信号の取得への該主要調波以外の ものの影響は無視した。実際には該他の−主要調波以外の−調波が該圧縮器によ り検出される包絡線に幾らか貢献しそして常に高調波があるのでその貢献は該主 要調波のそれ自信によるものに比して該圧縮器への入力で該包絡線を伸長するこ とになる。主観的聴取では0.75乃至0.8付近の値が良い結果を生ずること が示されている。 上記解析ではgは値1を割り当てた。該主要調波に対しては利得の一定変化で あり、該発生器の外部に対して補償出来る。 より高い調波に対しては該調波の減衰比を制御することを示すことが出来る− それはより高い調波は該フィードバックループを通してのより 多い循環を通して発生されるからである。そのため実際’g’はより高い(f3の 上の第1調波より)調波がそれで減衰される比を制御することでピーエイ信号の 感じられるタンバーを制御する方法として役立つ。 ’g’はフィードバックループの部分であるので、調波が減衰される割合は簡 単にgNではなく、該フィードバックループ内で再帰的に印加される’上方圧縮’ によって馴らされる。従って第2グループの調波に入る調波を適切に減衰させる ためにgは1より小さい値に設定されるべきである。約g=0.3の値が充分である と分かった。 図4乃至8の関する説明はラウドネス整合を実現するための残留伸長比手法に 基づいてピーエイ信号発生器を実現するための実施例の多くの可能な変型品の1 つを図解した。勿論同じ目的を得るための他のハードウエア/ソフトウエアも適 用可能である。 本発明は又図3a、3b、3cで略図的に図解された他のラウドネス整合技術 を含んでいる。 図4乃至9に関する説明は精密なラウドネス整合(すなわち、第2調波が主要 な場合は約1.34、第3調波が主要な場合は約1.74に該残留伸長比を選択 する)を例示したが、これは決して必要条件を構成するものではないことは注意 されるべきである。換言すれば、幾つかの応用では実質的に該ラウドネス整合属 性を達成することでも充分である。従って、そして下記でより詳細に説明するよ うに、上記比の約±50%の範囲に入る伸長比(すなわち変型残留伸長比)も許 容される。 かくして上記説明で、関心のある低周波信号と心理音響学的代替え信号との間 の該ラウドネス整合属性を達成するための原理と方法を説明した。 それにより該ピーエイ信号のダイナミックレンジが該エルエフ信号に対し伸長 されるべき近似された比を提示した。この近似残留伸長比”自然”比として引用 される。次ぎに何故、実際に、比の範囲(すなわち該’自然’比付近の変型され た比)が有用なそして望ましい結果を提供出来るを説明する。 音のダイナミックレンジの意図的圧縮は次ぎの様なおくの実用的状態で望まし い: 1.該音を運ぶメデイアが次ぎの様にダイナミックレンジに於いて 技術的に限定されている: 1.1ラジオ又はTV伝送; 1.2限定されたダイナミックレンジを有するテープカセット; 1.3 8ビットファイル式のマルチメディア等; 2.音が比較的高い背景雑音の或る環境で再生される(べき)時で、 その場合低いレベルの信号がマスクされる、例えば: 2.1自動車の中; 2.2商店街の中; 2.3加工機械のある環境;又は 3.特定的にバス音(低周波)に関して或る種のポップミュージ ックでは主観的’効果’として時々ダイナミックレンジの圧縮が望 まれる。 本発明の関連で、上記全ての例に対して、ピーエイ信号発生過程の部分として 該ピーエイ信号の圧縮を行うことが出来るが−それは該エルエフ信号とピーエイ 信号の間の異なる(自然とは別の)伸長比を印加することによるのみである。 上記例では1.2の様な圧縮比を望むことが出来て、そしてかくして一般に、 RR(f,n)±50%の範囲に入る残留伸長比が本発明に含まれる。 次ぎの請求項で請求項の過程を呼称するため使用されるアルフアベット文字は 説明の便宜のためだけに含まれており、該過程の何等特別の動作順序を必ずしも 意味しいない。 本発明は或る程度の特殊性を以て説明されているが、種々の変型や変更も次ぎ の請求項に定義された本発明の範囲と精神を離れること無くなされるかも知れな いことは理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.音信号の疑似低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を聴取者 に伝えるための方法に於いて、 (I)音信号の少なくとも低周波信号(エルエフ信号)を供給する過程を具備 しており、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びており、 (II)該方法は又、該関心のある低周波範囲内の各基本周波数に対して、調波 列を有する残留調波信号を発生する過程を具備しており、 前記調波列は、各基本周波数に関して発生されており、該基本周波数の調波の 第1のグループの中からの少なくとも2つの連続する調波を含んでいる調波の第 1グループを備えており、 (III)該方法は更に、前記残留調波信号と前記エルエフ信号とのラウドネス 整合属性を実質的に達成するように前記残留調波信号にラウドネス整合を適用す る過程を具備することを特徴とする音信号の疑似エルエフピーエスを聴取者に伝 えるための方法。 2.請求項1の方法が更に、 該音信号から少なくとも該低周波信号(エルエフ信号)を得る過程を具備する ことを特徴とする方法。 3.請求項1の方法が更に、 (IV)少なくとも前記残留調波信号と前記音信号又は前記音信号の部分を使用 する心理音響学的代替え信号を発生する過程を具備することを特徴とする方法。 4.請求項3の方法に於いて、前記音信号の前記部分は実質的に前記音信号上 の高い周波数の信号であることを特徴とする方法。 5.請求項1の方法が更に、 さもなければ該心理音響学的代替え信号内に存在する直流(DC)成分を取り除 く過程を具備することを特徴とする方法。 6.請求項1の方法が更に、 (V)前記心理音響学的代替え信号を得るように前記低周波範囲の信号又はそ の部分を合計する過程を具備することを特徴とする方法。 7.請求項1の方法に於いて、前記基本周波数の少なくとも1つに関して発生 された該調波列が更に、前記基本周波数の第1セットの調波に比較して著しく低 いエネルギーを有する第2グループの調波を備えることを特徴とする方法。 8.請求項1の方法に於いて、前記低周波信号は全てバス周波数範囲に含まれ ることを特徴とする方法。 9.請求項1の方法に於いて、前記低周波は前記バス周波数範囲と部分的に重 畳することを特徴とする方法。 10.聴取者に疑似エルエフピーエスを伝えるように音信号をオーディオ製作 過程の部品として扱う方法が請求項1の(I)乃至(IV)の過程を具備すること を特徴とする方法。 11.聴取者に疑似エルエフピーエスを伝えるように音信号を音信号放送過程 の部品として扱う方法が請求項1の(I)乃至(IV)の過程を具備することを特 徴とする方法。 12.聴取者に疑似エルエフピーエスを伝えるように音信号を音信号再生過程 の部品として扱う方法が請求項1の(I)乃至(IV)の過程を具備することを特 徴とする方法。 13.請求項12の方法に於いて、前記再生過程が次ぎの部品、すな わち増幅器及び電気音響的変換器の少なくとも1つと組み合わされていることを 特徴とする方法。 14.請求項1の方法に於いて、前記過程(III)で規定された前記ラウドネ ス整合過程が絶対ラウドネス整合であることを特徴とする方法。 15.音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を聴 取者に伝えるための方法に於いて、 (I)音信号の少なくとも低周波信号(エルエフ信号)を供給する過程を具備 しており、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びており、 (II)該方法は又、該関心のある低周波範囲内の各基本周波数に対して、調波 列を有する残留調波信号を発生する過程を具備しており、 前記調波列は、各基本周波数に関して発生されており、該基本周波数の調波の 第1セットの中からの少なくとも2つの連続する調波を含む調波の第1グループ を備えており、 (III)前記エルエフ信号上の前記残留調波信号の該ラウドネス整合属性を実 質的に達成するようにラウドネス整合を前記残留調波信号に適用するが、それは Eh = Ef・RR’(ff,N)+K ここで: ff =前記エルエフ信号内の基本周波数 Ef =前記エルエフ信号内の前記基本周波数のエネルギー (デシベル値での) RR’(ff,N) =RR(f,N)±50%、前に説明した該式によるffとその第N 次調波の間の変型残留伸長比 N =前記基本周波数の第N次調波、fcの上の該主要調波で ある fc =前記エルエフ信号の臨界周波数 となるようにすることを特徴とする音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑 似エルエフピーエス)を聴取者に伝えるための方法。 16.音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を聴 取者に伝えるための装置に於いて、 音信号の少なくとも低周波信号(エルエフ信号)を供給出来る周波数ユニット を具備しており、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びており、 該装置は又前記音信号の少なくとも低周波信号に応答する調波発生器を具備し ており、該発生器は該関心のある低周波範囲内の各基本周波数に対して、調波の 列を有する残留調波信号を発生することが出来るようになっており、 前記調波の列は、各基本周波数に関して発生され、該基本周波数の調波の第1 のセットの中からの少なくとも2つの連続する調波を有する調波の第1グループ を備えており、 該装置は更に前記調波発生器と接続されたラウドネス整合器を具備しており、 該整合器は前記エルエフ信号上の前記残留調波信号の該ラウドネス整合属性を実 質的に達成するように前記残留調波信号にラウドネス整合を適用することが出来 ることを特徴とする音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピー エス)を聴取者に伝えるための装置。 17.請求項16の装置が更に、少なくとも前記残留調波信号と前記 音信号又は前記音信号の部分とを使用する心理音響学的代替え信号を発生するた めの発生器を備えることを特徴とする装置。 18.請求項17の装置に於いて、前記音信号の前記部分は実質的に前記音信 号の該高い周波数の信号であることを特徴とする装置。 19.請求項16の装置が更に、 さもなければ該心理音響学的代替え信号内に存在する直流(ディーシー)成分 を取り除くための直流(ディーシー)除去器を備えることを特徴とする装置。 20.請求項16の装置が更に、前記心理音響学的代替え信号を得るように前 記低周波範囲の信号又はその部分を合計するための第2の合計用ユニットを備え ることを特徴とする装置。 21.請求項16の装置に於いて、前記基本周波数の少なくとも1つに関して 発生される調波列が、更に前記基本周波数の第1のセットの調波と比較して著し く低いエネルギーを有する調波の第2グループを含むことを特徴とする装置。 22.請求項16の装置に於いて、前記低周波信号は全部バスの周波数範囲に 含まれることを特徴とする装置。 23.請求項16の装置に於いて、前記低周波信号は部分的に前記バスの周波 数範囲に重畳することを特徴とする装置。 24.オーディオ製作システムで使用するために、聴取者に疑似エルエフピー エスを伝えるための請求項16の装置。 25.音信号放送システムで使用するために、聴取者に疑似エルエフピーエス を伝えるための請求項16の装置。 26.音信号再生システムで使用するために、聴取者に疑似エルエフ ピーエスを伝えるための請求項16の装置。 27.音信号再生システムの増幅器で使用するために、聴取者に疑似エルエフ ピーエスを伝えるための請求項16の装置。 28.音信号再生システムの電気音響的変換器で使用するために、聴取者に疑 似エルエフピーエスを伝えるための請求項16の装置。 29.請求項16の装置に於いて、前記ラウドネス整合が絶対的ラウドネス整 合であることを特徴とする装置。 30.音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を聴 取者に伝えるための方法に於いて、 (I)音信号の少なくとも低周波信号(エルエフ信号)を供給する過程を具備 しており、該エルエフ信号は関心のある低周波範囲上に伸びており、 (II)該方法は又前記少なくともエルエフ信号の調波を発生する過程を具備し ており、それは該調波が前記少なくともエルエフ信号により達成されるよう意図 されたと同じラウドネスレベルを実質的にもたらすようにするためであることを 特徴とする音信号の疑似的低周波心理音響学的感覚(疑似エルエフピーエス)を 聴取者に伝えるための方法。 31.請求項30の方法に於いて、前記調波は該エルエフ信号の調波の第1の グループの中から選択された少なくとも2つの連続する調波を含むことを特徴と する方法。
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