JP2010183126A - 音響再生装置および音響再生システム - Google Patents

音響再生装置および音響再生システム Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生する。
【解決手段】使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7として得る加算部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響再生装置および音響再生システムに関し、特に、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を再生可能な音響再生装置および音響再生システムに関する。
近年、携帯電話装置や携帯型ディジタル再生装置の進歩がめざましい。そして、これらの機器を使用して、音楽の再生だけでなく、映画やテレビ番組などの動画を再生することも行われている。
この種の携帯機器に内蔵されるスピーカは、取り付け場所や取り付け位置の制限あるいは意匠の制約により、口径が20mm以下のものが使用されることがある。このような小口径のスピーカの最低共振周波数は、振動面積や構造の制約により、500Hz〜1kHz程度である。したがって、100Hz付近の低域信号(低音)を再生することができない。
こういった小口径のスピーカを使用して音楽に含まれる低音部分を再生するには、一般的には、ラウドネス補償回路やトーンコントロール回路を用いて、低域部分を強調することが一般的に行われている。
ただし、このように単純に低域部分を強調すると、小口径スピーカの能力を超える大振幅の低域信号を再生しなければならず、歪みが増大するという問題が発生する。
そこで、低域信号そのままの周波数ではなく、この低域信号の高調波成分を作り出して、この高調波信号を再生することで、低音感を表す手法が存在しており、以下の特許文献1や特許文献2などに提案されている。
なお、この特許文献1の手法は、低域信号を乗算して2乗倍の周波数の高調波信号を生成するものである。
また、特許文献2の手法は、低域信号を全波整流することで2倍の周波数の信号を生成するものである。
また、これ以外に、2つの信号を同時に聴いた場合に、その周波数差(うなり)を低音として感じる音響心理現象や、等間隔の周波数の複数の信号を聴いた場合に存在していない基本音を感じるミッシングファンダメンタルという音響心理現象などが知られている。
特開2001-245339号公報 特開平5−328481号公報
以上のラウドネス補償回路やトーンコントロール回路を用いて、低域部分を強調する手法では、増幅度に限度があって十分な低音の音量感を得にくい、スピーカの最低共振周波数以下の信号を増幅した場合には歪みが増大して不自然な音になる、といった問題が生じる。
また、以上の特許文献1や2に記載の各種の処理をディジタル処理として実行する場合、高速に積和演算を行えるDSP等のハードウェアが利用される。
DSP等の演算システムで音声信号を処理した場合、演算システムの量子化ビット数により入力信号が量子化される。たとえば、入力信号が−1Vから+1Vの範囲の入力信号を16ビットの量子化ビット数で処理する場合、−1Vから+1Vの範囲の入力信号を−32768から+32767の範囲の数値に対応付けられて処理される。
実際のDSP内部の処理ではこの−32768から+32767の範囲の数値を使って乗算を行うと、演算システムが処理できる数値の範囲が−32768から+32767の範囲であるためにすぐに桁が溢れて計算できなくなる問題がある。
そのため、DSP内部では−32768から+32767の範囲を−1から+1までの数値に対応付けて計算を行うことで、どんなに乗算を繰り返しても計算結果が−1から+1の範囲を超えることが無くなり、桁溢れが起きなくなる。従って、DSP等で乗算を行う場合にはこの手法が一般的に用いられる。
ここで、以上の特許文献1の手法をディジタル信号処理を用いて実現する場合、低域信号を3乗して第三次高調波を得ることを想定すると、乗算器の入力・出力の関係は、以下に示す数式のようになる。
Figure 2010183126
以上の三角関数の計算による数式の入出力を図示すると、図13のようになり、入力信号が小さくなると、出力信号のレベルは3乗されるために極めて小さくなり、SN比が余り良くない状態になる。
この場合、必要なレベルの低域信号を得るためには、乗算器の出力に得られた第三次高調波を増幅する必要があるが、その際にノイズも増幅されてしまうという問題が発生する。
また、以上の特許文献1や2に記載の手法では、低域信号を逓倍し、第二次高調波や第三次高調波を発生させるものであり、100Hzの低音を200Hzや300Hzの低域信号で擬似的に再現するものである。
したがって、最低共振周波数が500Hz〜1kHz程度の小口径のスピーカーを用いる機器では、100Hzの低域信号から、最低共振周波数以上の周波数となる第五次〜第十次高調波を生成する必要がある。この場合、信号生成の処理における上述したノイズの問題により、より一層ノイズが増大して、実用的な信号が得られない問題があるので、再生したい低域信号と再生可能な周波数帯域とが離れている場合には、高調波による再現には無理が生じる。
一方、各周波数における知覚レベルは音圧(音量)により変化することが知られており、図14に示す等感曲線(ロビンソン・ダッドソン曲線)として知られている。
この図から分かることは、音圧が小さくなるに従って、より低い低音を感じにくくなることである。したがって、100Hzの低域信号を逓倍して200Hzの低域信号を生成する場合に、音圧が大きい(大音量)時と音圧が小さい(小音量)時とで高調波の信号レベルを変化させる必要があることを意味している。
しかしながら、上述した特許文献、あるいは、他の文献においても、ロビンソン・ダッドソン曲線まで配慮して低音再生を実現しようとするものは存在していない。すなわち、従来の各種手法では、聴感上自然な低音再生は困難であった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能な音響再生装置および音響再生システムを提供することを目的とする。
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7として得る加算部を備えたことを特徴とする音響再生装置である。
(2)請求項2記載の発明は、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7を前記入力信号S1に加算して疑似低域信号含有出力信号S8を得る加算部と、前記疑似低域信号含有信号S8を増幅して前記スピーカを駆動する増幅部を備えたことを特徴とする音響再生装置である。
(3)請求項3記載の発明は、前記正弦波信号S3の周波数f3は、前記フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響再生装置である。
(4)請求項4記載の発明は、前記第一乗算部と前記第二乗算部とはディジタル処理を実行するディジタル処理部であり、入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の音響再生装置である。
(5)請求項5記載の発明は、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7として得る加算部と、前記入力信号S1と前記疑似低域信号S7、あるいは、前記入力信号S1と前記疑似低域信号S7とを加算した疑似低域信号含有出力信号S8を音響再生装置に対して送信する送信部を備えたことを特徴とする音響再生システムである。
(6)請求項6記載の発明は、前記正弦波信号S3の周波数f3は、前記フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されている、ことを特徴とする請求項5に記載の音響再生システムである。
(7)請求項7記載の発明は、前記第一乗算部と前記第二乗算部とはディジタル処理を実行するディジタル処理部であり、入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の音響再生システムである。
(8)なお、以上の(3)と(6)とにおいて、前記正弦波信号S3の周波数f3は、前記フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されている、ことが望ましい。
(9)なお、以上の装置またはシステムにおいて、所定周波数の正弦波信号を生成する正弦波信号源を備えることが望ましい。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の音響再生装置の発明では、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1からフィルタ部で抽出し、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を第一乗算部により生成し、低域信号S2と変換信号S4とから周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を第二乗算部により生成し、変換信号S4と変換信号S5とを加算して周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7を加算部により生成する。
これにより、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。
この結果、スピーカの再生可能な周波数帯域において中心周波数f3・周波数間隔f2で等間隔の信号が含まれる疑似低域信号S7から、聴取者にとってはミッシングファンダメンタルにより基本音f2が感じられるようになる。
このため、単純に低域部分をそのままの周波数で強調した場合の歪みが増大する現象は発生しない。また、再生したい低域信号と再生可能な周波数帯域とが離れている場合であっても、逓倍によって低域信号の高調波を生成した場合と異なり、無理なく低域信号を再現することが可能になる。したがって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
また、ロビンソン・ダッドソン曲線の等感曲線により低域よりも中域のほうが同じ音圧で再生しても数dB〜数十dB程度は知覚されやすいため、実際の低域よりも低い音圧で低域信号を再生しても十分に知覚されるため、装置の消費電力を抑えることが可能になる。
(2)請求項2記載の音響再生装置の発明では、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1からフィルタ部で抽出し、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を第一乗算部により生成し、低域信号S2と変換信号S4とから周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を第二乗算部により生成し、変換信号S4と変換信号S5とを加算して周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7を生成すると共に該疑似低域信号S7と入力信号S1とを加算して疑似低域信号含有出力信号S8を加算部により生成し、疑似低域信号含有信号S8を増幅部により増幅してスピーカを駆動する。
これにより、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。そして、この疑似低域信号S7を含む疑似低域信号含有信号S8がスピーカにより再生される。
この結果、スピーカの再生可能な周波数帯域において中心周波数f3・周波数間隔f2で等間隔の信号が含まれる疑似低域信号S7から、聴取者にとってはミッシングファンダメンタルにより基本音f2が感じられるようになる。
このため、単純に低域部分をそのままの周波数で強調した場合の歪みが増大する現象は発生しない。また、再生したい低域信号と再生可能な周波数帯域とが離れている場合であっても、逓倍によって低域信号の高調波を生成した場合と異なり、無理なく低域信号を再現することが可能になる。したがって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
また、ロビンソン・ダッドソン曲線の等感曲線により低域よりも中域のほうが同じ音圧で再生しても数dB〜数十dB程度は知覚されやすいため、実際の低域よりも低い音圧で低域信号を再生しても十分に知覚されるため、装置の消費電力を抑えることが可能になる。
(3)請求項3記載の音響再生装置の発明では、正弦波信号S3の周波数f3は、フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されているため、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域の範囲内において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。したがって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
(4)請求項4記載の音響再生装置の発明では、第一乗算部と第二乗算部とは、入力信号を±1の範囲内に正規化してディジタル乗算処理することにより周波数変換を行うものであり、この乗算処理には一定の信号レベルの正弦波信号S3が含まれるため、従来の低域信号自身で乗算処理を行う場合と比較して入出力の信号レベルが安定する。このため、SN比が悪化することがなく、良好な低域信号が得られるため、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
(5)請求項5記載の音響再生システムの発明では、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1からフィルタ部で抽出し、周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を第一乗算部により生成し、低域信号S2と変換信号S4とから周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を第二乗算部により生成し、変換信号S4と変換信号S5とを加算して周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7を加算部により生成し、疑似低域信号S7あるいは疑似低域信号含有信号S8を送信部により音響再生装置に送信する。
これにより、音響再生装置で使用されるスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。
この結果、スピーカの再生可能な周波数帯域において中心周波数f3・周波数間隔f2で等間隔の信号が含まれる疑似低域信号S7から、聴取者にとってはミッシングファンダメンタルにより基本音f2が感じられるようになる。
このため、単純に低域部分をそのままの周波数で強調した場合の歪みが増大する現象は発生しない。また、再生したい低域信号と再生可能な周波数帯域とが離れている場合であっても、逓倍によって低域信号の高調波を生成した場合と異なり、無理なく低域信号を再現することが可能になる。したがって、音響再生装置のスピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
また、ロビンソン・ダッドソン曲線の等感曲線により低域よりも中域のほうが同じ音圧で再生しても数dB〜数十dB程度は知覚されやすいため、実際の低域よりも低い音圧で低域信号を再生しても十分に知覚されるため、システムの消費電力を抑えることが可能になる。
(6)請求項6記載の音響再生システムの発明では、正弦波信号S3の周波数f3は、フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されているため、音響再生装置で使用されるスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域の範囲内において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。したがって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
(7)請求項7記載の音響再生システムの発明では、第一乗算部と第二乗算部とは、入力信号を±1の範囲内に正規化してディジタル乗算処理することにより周波数変換を行うものであり、この乗算処理には一定の信号レベルの正弦波信号S3が含まれるため、従来の低域信号自身で乗算処理を行う場合と比較して入出力の信号レベルが安定する。このため、SN比が悪化することがなく、良好な低域信号が得られるため、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
本発明の第一実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第一実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第一実施形態の音響再生装置の特性を示す特性図である。 本発明の第一実施形態の音響再生装置の特性を示す特性図である。 本発明の第一実施形態の音響再生装置の特性を示す特性図である。 本発明の第一実施形態の音響再生装置の特性を示す特性図である。 本発明の第二実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第三実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第四実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第五実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 本発明の第六実施形態の音響再生装置の構成を示す構成図である。 音響再生の特性を示す特性図である。 従来の音響再生の特性を示す特性図である。 音響再生の聴感上の等感特性を示す特性図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〈第一実施形態〉
図1は本発明の第一実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。
ここで、各信号にはS1〜S8の符号を付し、各信号S1〜S8の周波数をf1〜f8とする。
フィルタ部110はローパスフィルタ(LPF)あるいはバンドパスフィルタ(BPF)で構成されており、使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源(図示せず)から供給される入力信号S1(周波数f1)から抽出する。
正弦波信号源120は正弦波信号S3(周波数f3)を生成し、後述する第一乗算部130に供給する。なお、音響再生装置100をディジタル信号処理で実現する場合には、正弦波を発生させる手法として、IIRフィルタを利用する手法、正弦波を多項式で近似して逐次計算する手法がある。更に簡単な手法としては、予め計算された正弦波の値をメモリ内に格納しておいて読み出す手法があり、演算時間の短縮や遅いDSPを使用できるという利点もある。
なお、以上の構成において、正弦波信号S3の周波数f3は、フィルタ部110を通過する上限周波数f2maxあるいは遮断周波数fLPFの2倍以上12倍以下であって、かつ、スピーカ190で再生可能な周波数帯域に設定されている、ことが望ましい。f3をこの範囲に選択することで、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
第一乗算部130は、周波数f3の正弦波信号S3と、フィルタ部110から出力される周波数f2の低域信号S2とから、周波数f4=f3±f2の変換信号S4を、乗算などを用いた周波数変換によって得る。なお、この第一乗算部130は、ディジタル信号処理で実現する場合には、乗算器を用いることができる。
また、第一乗算部130は、ディジタル処理を実行するディジタル処理部である場合には、いずれかの入力端子からの入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、ことが望ましい。
第二乗算部140は、フィルタ部110から出力される周波数f2の低域信号S2と、第一乗算部130の周波数変換で生成される周波数f4=f3±f2の変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む周波数f5の変換信号S5を、乗算などを用いた周波数変換によって得る。なお、この第二乗算部140は、ディジタル信号処理で実現する場合には、乗算器を用いることができる。
また、第二乗算部140は、ディジタル処理を実行するディジタル処理部である場合には、いずれかの入力端子からの入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、ことが望ましい。
フィルタ部150はハイパスフィルタ(HPF)あるいは直流遮断フィルタなどで構成されており、以上の周波数変換の信号処理によって、変換信号S5中に周波数が0Hz(直流成分)となった信号が含まれる場合の直流成分を除去して変換信号S6(変換信号S5から直流成分を除去した変換信号)を生成するフィルタである。
ここで、フィルタ部110を通過する上限の周波数はf2max(あるいはfLPF)であり、f4=f3±f2、f5=(f3、f3±2f2)であるため、周波数変換後における最も低い周波数f5minは、f5min=f3−2f2maxである。
ここで、周波数f3は、フィルタ部110を通過する上限周波数f2maxあるいは遮断周波数fLPFの2倍である場合には、f5min=0となり、直流成分が発生してしまうので、上述したフィルタ部150が必要になる。
このように、f3=2f2max、すなわち、f3=2f2LPFの場合には、ハイパスフィルタで構成されたフィルタ部150の遮断周波数fHPFは、
fHPF≦fLPF、
と設定して直流成分を除去することが望ましい。
また、音響再生装置の回路全体で直流成分あるいは超低域信号が出力されない構成になっている場合、あるいは、以上の周波数f3をf2maxあるいはfLPFの2倍より大きく設定して直流成分が発生しない場合には、フィルタ部150を省略することも可能である。
加算部180は変換信号S4と変換信号S6(フィルタ部150を用いない場合は変換信号S5)とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号(S7)を生成し、この疑似低域信号(S7)と入力信号S1とを加算して疑似低域信号含有出力信号S8を生成する。
なお、この図1では、S1,S4,S6を加算部180で一度に加算する構成を示しているが、後述する図2に示すようにS4とS6とを加算して疑似低域信号S7を生成してから、この疑似低域信号S7に入力信号S1を加算して疑似低域信号含有出力信号S8を生成してもよい。
増幅部180は疑似低域信号含有出力信号S8を増幅する低周波増幅部(オーディオアンプ)である。
スピーカ190は増幅部180で増幅された疑似低域信号含有信号S8により駆動され、音響再生を行う電器音響変換素子である。なお、このスピーカ190は、以上のように周波数変換された疑似低域信号によって低域信号の再生を行うため、最低共振周波数以下に周波数f2が存在するような特性を有する。
すなわち、スピーカ190としては、振動面積や構造の制約により、再生したい低域信号S2を最低共振周波数の関係で再生できない各種の小口径のスピーカである。
あるいは、スピーカ190としては、小口径のものに限定されず、振動面積やエンクロージャを含めた各種構造の制約により、再生したい重低音の低域信号S2を最低共振周波数の関係で再生できない各種のスピーカである。
変換信号S4と変換信号S6(フィルタ部150を用いない場合は変換信号S5)とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号を生成し、この疑似低域信号と入力信号S1とを加算して疑似低域信号含有出力信号S8を生成する。
なお、以上の図1の音響再生装置100は、低域信号S2を周波数変換してスピーカ190で再生可能な周波数帯域の疑似低域信号を生成し、この疑似低域信号と入力信号S1とを加算して疑似低域信号含有出力信号S8でスピーカ190から音響再生する構成であった。
一方、図2の音響再生装置100では、低域信号S2を周波数変換してスピーカ190で再生可能な周波数帯域の疑似低域信号7を生成し、この疑似低音信号S7のみでスピーカ190から音響再生する構成である。すなわち、本来であれば、再生できない低域信号S2を疑似低域信号として音響再生する、一種のサブウーハーである。
ここで、以上の各信号S1〜S8の周波数をf1〜f8とした場合の周波数の関係を図示すると、図3のようになる。
ここでは、
疑似低域信号S7については、
f7
=f3±(0,1,2)f2
=f3−2f2,f2−f2,f3,f2+f2,f3+2f2
となる。
すなわち、以上の音響再生装置100の信号処理により、使用するスピーカ190の最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2は、スピーカの再生可能な周波数帯域において、正弦波信号S3の周波数f3を中心として周波数間隔f2(±f2、±2f2)毎に信号成分を含む疑似低域信号S7に周波数変換される。
この結果、スピーカ190の再生可能な周波数帯域において中心周波数f3・周波数間隔f2で等間隔の信号が含まれる疑似低域信号S7から、聴取者にとってはミッシングファンダメンタルにより基本音f2が感じられる(知覚できる)ようになる。すなわち、スピーカ190の最低共振周波数以下であって実際には再生されていない周波数f2の信号S2が存在しているように、聴取者に知覚される。
このため、単純に低域部分をそのままの周波数で強調した場合のスピーカ190での再生時の歪みが増大する現象は発生しない。また、再生したい低域信号と再生可能な周波数帯域とが離れている場合であっても、逓倍によって低域信号の高調波を生成した場合と異なり、無理なく低域信号を再現することが可能になる。したがって、スピーカの最低共振周波数以下の音響情報を聴感上自然な状態で再生可能になる。
なお、以上のような疑似低域信号S7の各成分の振幅レベルを計算すると、以下の数式のようになる。
まず、変換信号S4については、以下の数式で示される。
Figure 2010183126
また、変換信号S5については、以下の数式で示される。
Figure 2010183126
この結果、正弦波信号S3の振幅Bは一定であり、低域信号S2の振幅Aが変化するものであるため、変換信号S4(周波数f4=f3±f2)については、A/2に比例することになる。このため、変換信号S4のレベルは、図4に示すごとく、低域信号S2の−6dBとなる。
また、正弦波信号S3の振幅Bは一定であり、低域信号S2の振幅Aが変化するものであるため、変換信号S5に含まれるf3±2f2については、図4に示すごとく、(1/4)A2に比例することになる。同様に、疑似低域信号S7に含まれる正弦波信号S3は、図4に示すごとく、(1/2)A2に比例することになる。
このため、低域信号S2のレベル(図4横軸)が十分に大きい場合には、図5に示すごとく、疑似低域信号S7に含まれる各成分(S4(f4)とS5(f5))が近いレベルになるため、各成分の間隔がf2となって、周波数f2の低域信号S2が存在しているように聴取者に知覚される。
一方、低域信号S2のレベル(図4横軸)が十分に小さい場合には、図6に示すごとく、疑似低域信号S7に含まれる各成分のうち、S4に比較してS5が著しく小さいレベルになるため、主な成分の間隔が2f2となって、低域信号S2の2倍の高調波成分が主に存在しており、低域信号S2の基本波成分がかすかに存在しているように聴取者に知覚される。
なお、図5と図6との変化は、以上の数式に従い、図4のように変化するため、低域信号S2のレベルに応じて、知覚される低域の状態も徐々に変化する。この変化は、上述した等感曲線(ロビンソン・ダッドソン曲線)に近いものとなり、各周波数における知覚レベルが音圧(音量)により変化する状態になっている。
〈第二実施形態〉
図7は本発明の第二実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。ここでは、第一実施形態の図1と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
この第二実施形態では、上述した第一実施形態の音響再生装置100をステレオ再生対応に構成した状態を示している。なお、正弦波信号S3は共通に使用することができるため、正弦波信号源120を共通で使用する。それ以外の回路部は左(L)と右(R)とで同様の構成を用いて2chとする。
この場合、低域信号S2について各チャンネルで独立して処理をして疑似低音信号S7L,S7Rを生成しているため、低域再生においても広がり感や音像定位を優れた状態に保つことが可能になる。
なお、更にチャンネル数の多いマルチチャンネルの場合であっても、同様にして正弦波信号S3を共通に使用することが可能である。
〈第三実施形態〉
図8は本発明の第三実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。ここでは、第一実施形態の図1、第二実施形態の図7と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
この第三実施形態では、上述した第二実施形態のステレオ対応の2chの音響再生装置100を、サラウンド対応に構成した状態を示している。なお、正弦波信号S3は共通に使用することができるため、正弦波信号源120を共通で使用する。それ以外の回路部は左(L)と右(R)とで同様の構成を用いて2chとする。
そして、疑似低域信号含有信号S8Lと疑似低域信号含有信号S8Rとにサラウンド回路101によってサラウンド処理を施してから、それぞれ増幅器180L,180Rで増幅し、スピーカ190L,190Rにより音響再生を行う。
この場合も、低域信号S2について各チャンネルで独立して処理をして疑似低音信号S7L,S7Rを生成しているため、低域再生においても広がり感や音像定位を優れた状態に保つことが可能になる。
また、各チャンネルで独立して処理をして生成した疑似低音信号S7L,S7Rを用いてサラウンド処理を実行しているため、低域再生においても広がり感や音像定位を優れた状態に保ちつつサラウンド効果を発生させることが可能になる。
なお、更にチャンネル数の多いマルチチャンネルの場合であっても、同様にして正弦波信号S3を共通に使用すると共に、サラウンド回路101によってサラウンド処理を実行することが可能である。
〈第四実施形態〉
図9は本発明の第四実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。ここでは、第一実施形態の図1と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
この第四実施形態では、上述した第一実施形態より信号処理の演算量を抑えたい場合に有効であり、低域信号についてモノラル処理としている。
すなわち、左入力信号S1Lと右入力信号S1Rとを加算部105で合成したモノラル入力信号S1’を生成し、この入力信号S1’から低域信号S2’を生成する。そして、以上の第一実施形態と同様な処理により、疑似低域信号S7’を生成する。
そして、この疑似低音信号S7’を加算部160Lで左入力信号S1Lに加算し、増幅部180Lで増幅し、スピーカ190Lから疑似低域信号含有信号S8Lを再生する。
また、この疑似低音信号S7’を加算部160Rで右入力信号S1Rに加算し、増幅部180Rで増幅し、スピーカ190Rから疑似低域信号含有信号S8Rを再生する。
この場合は、各チャンネルで共通した疑似低音信号S7’を用いているため、処理能力の低いDSPを使用でき、また、消費電力を低減できるという利点がある。
〈第五実施形態〉
図10は本発明の第五実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。ここでは、第四実施形態の図9と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
この第五実施形態では、上述した第四実施形態と同様に、信号処理の演算量を抑えたい場合に有効であり、低域信号についてモノラル処理としている。さらに、この構成において、正弦波信号S3の周波数f3は、フィルタ部110を通過する上限周波数f2maxあるいは遮断周波数fLPFの12倍以下であって、かつ、スピーカ190で再生可能な周波数帯域に設定する。
これにより、フィルタ部150を省略することが可能になり、音響再生装置100をディジタル信号処理で実現する場合には、上述した第四実施形態よりも信号処理の演算量を抑えることができ、さらに処理能力の低いDSPを使用でき、また、消費電力を低減できるという利点がある。
〈第六実施形態〉
図11は本発明の第六実施形態の音響再生装置100の構成を模式的に示す説明図である。ここでは、第一実施形態の図1と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
以上の各実施形態では、スピーカ190が再生できない最低共振周波数(図12のスピーカインピーダンス特性を参照)以下の低域信号も増幅器180で増幅してスピーカ190に印加していた。ここで、図12に示すスピーカインピーダンス特性によれば、最低共振周波数においてインピーダンスがピークに達し、それ以下の低域ではインピーダンスがボイスコイルの直流抵抗に近くなる。この場合、実際には能率が低くて音としては出力されないような低域信号であっても、ボイスコイルのインピーダンス分で電力が消費される。
そこで、図11に示すように、入力信号S1に含まれる低域信号を、ハイパスフィルタなどで構成されたフィルタ部103により除去する。この場合、フィルタ部103の遮断周波数を、低域信号S2を抽出するフィルタ部110の上限遮断周波数近傍もしくは以上に設定する。これにより、スピーカ190が再生困難な低域信号成分を除去し、スピーカ190が再生可能な周波数帯域で低域信号を擬似的に再現する。
この場合、ロビンソン・ダッドソン曲線の等感曲線により低域よりも中域のほうが同じ音圧で再生しても数dB〜数十dB程度は知覚されやすいため、実際の低域よりも低い音圧で低域信号を再生しても十分に知覚される。従って、擬似的に再現される低域信号を聴取者が知覚できる状態にするには、本来の低域信号よりも小レベルで再生すればよいため、増幅器180の消費電力を抑えることが可能になる。すなわち、聴取者に知覚できる低域の再生を行いつつ、装置やシステム全体の消費電力を抑えることが可能になる。
なお、このフィルタ部103を用いた第六実施形態については、上述した各実施形態に対して適用することができる。
〈その他の実施形態(1)〉
以上の実施形態では、音響再生装置100として増幅部180とスピーカ190とを備えた状態を示したが、これに限定されるものではない。
すなわち、任意のスピーカを自由に接続できるように、増幅部180までを音響再生装置100として構成してもよい。
また、任意の増幅部と任意のスピーカとを自由に接続できるように、加算部160までを音響再生装置100として構成してもよい。
〈その他の実施形態(2)〉
以上の実施形態では、音響再生装置100として増幅部180とスピーカ190とを備えた状態を示したが、これに限定されるものではない。
すなわち、増幅部180とスピーカ190との代わりに、各種の送信装置(図示せず)を接続し、小口径のスピーカを有するものの本実施形態の音響再生装置100を有しない受信装置に対して、疑似低域信号を含む音声信号を送信する音響送信装置あるいは音響再生システムも、本発明の一実施形態である。
〈その他の実施形態(3)〉
以上の実施形態では、小口径のスピーカを用いた場合であって周波数変換によって低域信号を知覚できることを説明してきたが、小口径のスピーカに限定されるものではない。
たとえば、ブックシェルフ型のスピーカ装置において、20Hz程度の重低音を再生したい場合に、20Hz間隔の疑似低域信号S7を用いることで、聴取者にとってはミッシングファンダメンタルにより20Hz程度の重低音が基本音として感じられる(知覚できる)ようになる。
すなわち、この場合も、スピーカ190の最低共振周波数以下であって実際には再生されていない周波数f2の信号S2が存在しているように、聴取者に知覚される。
また、カーオーディオのようにタイヤからのロードノイズによって低域信号が聴取者に知覚されにくい場合であっても、周波数変換された疑似低域信号S7を用いることで、聴取者に知覚されやすい低域再生が可能になる。
また、聴取する場所の周囲の騒音などによって本来の低域信号が聴取者に知覚されにくい場合には、騒音の周波数と離れた周波数に周波数変換された疑似低域信号S7を用いることで、聴取者に知覚されやすい低域再生が可能になる。この場合には、周囲騒音を計測して、変換する周波数を自動的に決定する制御部を備えるようにして構成してもよい。
100 音響再生装置
110 フィルタ部
120 正弦波信号源
130 第一乗算部
140 第二乗算部
150 フィルタ部
160 加算部
180 増幅部
190 スピーカ

Claims (7)

  1. 使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、
    周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、
    前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、
    前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7として得る加算部を備えたことを特徴とする音響再生装置。
  2. 使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、
    周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、
    前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、
    前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7を前記入力信号S1に加算して疑似低域信号含有出力信号S8を得る加算部と、
    前記疑似低域信号含有信号S8を増幅して前記スピーカを駆動する増幅部を備えたことを特徴とする音響再生装置。
  3. 前記正弦波信号S3の周波数f3は、
    前記フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響再生装置。
  4. 前記第一乗算部と前記第二乗算部とはディジタル処理を実行するディジタル処理部であり、入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の音響再生装置。
  5. 使用するスピーカの最低共振周波数以下の周波数f2の低域信号S2を信号源から供給される入力信号S1から抽出するフィルタ部と、
    周波数f3の正弦波信号S3と該低域信号S2とから、周波数f3±f2の変換信号S4を得る第一乗算部と、
    前記低域信号S2と前記変換信号S4とから、周波数f3の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む変換信号S5を得る第二乗算部と、
    前記変換信号S4と前記変換信号S5とを加算し、周波数f3の成分と周波数f3±f2の成分と周波数f3±2f2の成分とを含む疑似低域信号S7として得る加算部と、
    前記入力信号S1と前記疑似低域信号S7、あるいは、前記入力信号S1と前記疑似低域信号S7とを加算した疑似低域信号含有出力信号S8を音響再生装置に対して送信する送信部を備えたことを特徴とする音響再生システム。
  6. 前記正弦波信号S3の周波数f3は、
    前記フィルタ部を通過する上限周波数f2maxの2倍以上12倍以下であって、前記スピーカで再生可能な周波数帯域に設定されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の音響再生システム。
  7. 前記第一乗算部と前記第二乗算部とはディジタル処理を実行するディジタル処理部であり、入力信号を±1の範囲内に正規化して乗算処理することにより周波数変換を行う、
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の音響再生システム。
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