JP2000505176A - 容量性調整素子の制御方法および制御装置 - Google Patents
容量性調整素子の制御方法および制御装置Info
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Abstract
(57)【要約】
例えば内燃機関の燃料噴射弁に対する容量性調整素子のストロークdsを大きな温度領域で一定に保つために調整素子が充電される。この充電は、調整素子に所定のエネルギーを供給することにより行われる。すなわちコンデンサを所定のように放電することにより行われる。択一的に、調整素子に供給される電流と、調整素子で降下する電圧とを乗算し、積を積分し、積分値を所定の目標値と比較する。充電過程は、積分値が目標値に達するかまたは上回ると終了する。
Description
【発明の詳細な説明】
容量性調整素子の制御方法および制御装置
本発明は、容量性調整素子、例えば内燃機関の圧電駆動される燃料噴射弁の制
御方法および制御装置に関する。
圧電調整素子は、多数の圧電セラミック層からなり、いわゆる“スタック”を
形成する。スタックは、電圧の印加時にその寸法、例えばその長さSをストロー
クdsだけ変化するか、または機械的圧力または機械的張引の際に電圧を形成す
る。
電気的にコンデンサのような特性を有する圧電調整素子の種々の制御方法が公
知である。これらの方法では圧電調整素子に印加される電圧が監視される。充電
を終了するための基準として公知のすべての方法では、調整素子ストロークds
に達したことを測定する面倒な手段が設けられていなければ、圧電調整素子で所
定の電圧に達することを利用する。これについての例はドイツ特許願19328
72.1号明細書に記載されている。
この種の圧電スタックの電気特性は、それが曝される温度と共に変化する。温
度が上昇すると、そのキャパシタンスが増大し、ストロークも増大する。自動車
適用分野に対しては約−40℃から+150℃の温度
領域を考慮すべきであり、その際の変化は係数2までが観察される。
圧電調整素子をすべての駆動点で例えば、温度が低いときには所要のストロー
クdsをもたらす同じ電圧に充電すれば、温度が高くなると必要よりも明らかに
大きなストロークが生じてしまう。このことは、燃料圧が一定の燃料噴射弁では
過度に大きな燃料楼を意味する。またはその反対もあり得る。温度が高い場合に
は圧電スタックのキャパシタンスも大きくなるから、必要であるよりも格段に大
きな電荷とエネルギー(E=1/2・C−U2)を消費する。
US5387834から、マトリクスプリンタの圧電素子に対する制御回路が
公知である。この制御回路では、温度センサが圧電素子の温度を検知する。圧電
素子の制御は、温度に依存してテーブルに記憶された充電時間に基づいて行われ
る。
本発明の課題は、容量性調整素子の制御を、温度センサを使用しないで、調整
素子が駆動される全温度領域でできるだけ一定のストロークが達成されるように
することである。本発明はまた、この方法を実施するための装置を提供すること
も課題とする。
この課題は、本発明の請求項1に記載の構成によって解決される。
研究によって、容量性調整素子に供給されるエネルギーは、印加される電圧よ
りもストロークdsに対す
る非常に正確な尺度であることが示された。また一定のエネルギーによる充電は
所要の温度領域にわたって格段に一定のストロークをもたらすことがわかった。
ストロークは、温度が一定の場合は印加される電圧に対してほぼ線形に変化する
。温度が変化すると、電圧が同じであればストロークも変化する。これに対して
ストロークはもたらされるエネルギーの二乗に比例する(ds≒e2)。しかし
温度には依存しない。
圧電スタックを大量生産する際には、個々の圧電層の層厚が正確には同じでは
ない。例えば一定の長さsのスタックを製造することはできるが、層の数は異な
る。故障した燃料弁を他のものと置換するときにはこのような異なるスタックが
使用されることがある。このような異なるスタックに一定の電圧を充電すると、
温度が同じ場合でもストロークdsが異なってしまう。従って本発明の制御方法
の別の利点は、一定のエネルギーによる制御の際に、このような異なるスタック
を使用しても、温度が所定の場合だけでなく上に述べた全温度領域にわたってほ
ぼ同じ一定のストロークdsが得られることである。
容量性調整素子に所定のエネルギーを供給することは種々の手段によって行う
ことができる。例えば、相応の充電されたコンデンサの充放電によって、または
エネルギー源から取り出されるエネルギーないし調整素子に供給されるエネルギ
ーの測定によって行うこと
ができる。
圧電素子を走査する燃料噴射弁を充電するための2つの実施例を、以下図面に
基づいて詳細に説明する。
図1は、第1実施例の回路図、
図2は、図1の回路の動作を示すフローチャート、
図3は、第2の実施例の概略的回路図、
図4は、第3の実施例の概略的回路図、
図5は、図3および図4の回路の動作を示すフローチャートである。
図1は、詳細には図示しない、内燃機関の個々の燃料噴射弁を、圧電調整素子
Pを介して制御するための基本回路図である。この制御は通常はマイクロプロセ
ッサ制御される制御回路によって行われる。
エネルギー源のプラス極+Vとマイナス極GNDとの間には、一方向にだけ電
流を流通するエネルギースイッチX1とコンデンサCの電子制御直列回路が接続
されている。
以下の説明で、スイッチX1からX4について述べるときは、少なくとも半導
体からなる電子スイッチ、例えばサイリスタスイッチであり、制御回路STによ
り制御される。このスイッチは一方向にだけ電流を通過させる。
エネルギースイッチが電流導通状態X1=1であるとき、コンデンサCはエネ
ルギー源から充電される。
コンデンサCに並列に、エネルギースイッチX1と
接続された発振コイルLと充電停止スイッチX3とからなる直列回路が接続され
ている。その機能については後で説明する。
充電停止スイッチX3に対して並列に、発振コイルLからの方向で電流を通流
する充電スイッチX2および発振コイルへの方向で電流を通流する放電スイッチ
X4からなる並列回路と、ダイオードDを有する調整素子Pの並列回路とからな
る直列回路が配置されている。ダイオードDは充電スイッチX2の方向にだけ電
流を流す。
スイッチX1からX4は、マイクロプロセッサ制御される制御回路によって、
外部制御信号stに依存して制御される。
制御回路STには、コンデンサ電圧Ucに対する上側目標値Ucmaxと下側
目標値Ucminが記憶されている。これらの目標値は、コンデンサCまたは調
整素子Pを充電すべきか否かに依存して比較回路Kの入力側に供給され、比較回
路の他方の入力側にはコンデンサ電圧Ucが印加される。比較回路Kの出力信号
は制御回路STに別の入力信号として供給される。
図2に示されたフローチャートに基づいて、装置の駆動方法を図1の回路の実
施例で説明する。コンデンサCが完全に電圧Uc=Ucmaxに充電されている
開始状態(状態I)から出発する。この状態では、スイッチX1からX4すべて
が非道通状態であり、発振
コイルLには電流が流れていない。
外部制御信号st=2(状態II)の開始と共に充電スイッチX2が点弧する
(通電状態に制御される)。これによりコンデンサCは、発振コイルLを介して
コンデンサとして作用する調整素子Pへ放電を開始し、調整素子は充電される(
状態III)。このことは圧電調整素子の長さ変化として作用する。調整素子に
印加される電圧は上昇する。
電圧が比較回路Kに印加される目標値Ucminを下回ると(状態IV)と直
ちに、充電過程は終了し、充電スイッチX2は非導通となりX2=0、充電停止
スイッチX3が導通する(X3=1,状態V)。発振回路LCは、発振コイルL
が無電流状態になるまでさらに発振する。
コンデンサCが電圧Ucmax−Ucminまで放電することは、所定のエネ
ルギー量の取り出しに相応する。ただし、コンデンサ容量の変化は温度にほとん
ど無視できる程度にしか依存しないことが前提である。
調整素子Pの充電状態は、制御信号stが印加されている限り一定に維持され
る。これが消失すると(st=0,状態VI)、調整素子は放電しなければなら
ない。このために充電停止スイッチX3が非導通に制御されるX3=0、そして
放電スイッチが導通されるX4=1(状態VII)。次に調整素子Pは発振コイ
ルLを介してコンデンサCに放電する。調整素子がダイオードDの閾値電圧まで
放電すると、ダイオードが電流を受け取り、発振回路LCはさらに発振コイルが
無電流状態になるまで発振する。スイッチX4は非導通になる。
コンデンサCを後充電するために(状態IX)、目標値Ucmaxが比較回路
Kに印加され、コンデンサ電圧Ucがこの閾値を上回るまでエネルギースイッチ
X1は開放される。これにより調整素子Pの充電サイクルは終了する。
図3は、図示しない内燃機関の燃料噴射弁の圧電調整素子Pを制御するための
第2実施例を示す。これも同じように通常はマイクロプロセッサ制御される制御
回路STによって制御される。
エネルギー源Vのプラス極+Vとマイナス極GNDとの間に、制御回路STに
より制御される電子スイッチT1と、電流制限素子、例えば抵抗R(またはコイ
ル)と、燃料噴射弁の圧電調整素子Pからなる直列回路が接続される。圧電調整
素子Pは長さSを有する。圧電調子素子Pと抵抗Rからなる直列回路に並列に別
の電子スイッチT2が配置されている。
電子トランジスタスイッチT1とT2は制御回路っSTによって制御される。
この制御回路は、噴射時間に対する外部制御信号stを例えば機関制御器(ここ
にも制御回路を組み込むことができる)から受け取る
。さらに接続されたスイッチT1が導通しているときには、圧電調整素子Pに流
れる電流i(抵抗Rによって制限される)と圧電調整素子Pで降下する電圧uが
測定され、制御回路STに別の入力量として供給される。
制御回路STには、破線で囲んだ乗算素子X、積分器IおよびコンパレータK
が直列に順次配置されている。ここで乗算素子Xの出力側は積分器Iの入力側と
、その出力側はコンパレータKの入力側と接続されている。コンパレータKの他
方の入力側には、所望のエネルギー出力に対する目標値Gが供給される。
図5に示されたフローチャートに基づいて、図3の回路の駆動方法を説明する
。このフローチャートは下で説明する図4の回路にも適用することができる。初
期状態(状態0)から出発し、この初期状態ではスイッチT1とT2は非導通状
態である。T1=0は非導通状態を意味し、T1=1は導通状態を意味する。同
じことがT2に対しても当てはまる。信号stとkに対しては、“1”は存在を
意味し、“0”は非存在を意味する。
0から1へ変化する(状態I)制御信号stの開始と共に、スイッチT1は導
通状態へ制御される。これにより、抵抗Rにより制限された電流iが電圧源のプ
ラス極+VからスイッチT1と圧電調整素子Pを介してマイナス極GNDへ流れ
始める。圧電調整素子Pに
は電圧uが形成される:圧電調整素子はストロークdsだけ膨張し、長さs+d
sになり、噴射弁を開放する(状態II)。これにより燃料が噴射される。制御
信号stの上昇エッジst’によって同時に積分器Iが放電される。従って各噴
射過程の開始時にはその出力信号はe=0である。・
制御回路STに供給される測定量iとuは乗算素子Xで相互に乗算され、その
出力側に表れる積Pは続いて同時に放電された積分器Iで積分される。積分器I
の出力信号eは、圧電調整素子Pに供給されるエネルギーe=∫ uidtに比例し
、コンパレータKに供給され、ここで目標値Gと比較される。この目標値に達す
るかまたは上回ると直ちにコンパレータはデジタル出力信号k=1を出力する(
状態III)。このコンパレータ出力信号k=1によって、制御回路STはスイ
ッチT1を非導通に制御し(状態IV)、これにより圧電調整素子Pの充電過程
は終了する。
調整素子は所望のストロークdsに達し(ds≒e2)、燃料噴射弁は所望の
開口度を有し、これによって燃料圧力が一定であれば噴射される燃料量は調整素
子の開口持続時間に比例する。燃料噴射弁は、もたらされたエネルギーeに配属
されたストロークdsを以て、制御信号stが消失するまでst=0(状態V)
、開口する。
制御信号がst=0になると、制御回路STにより
スイッチT2は導通制御され(状態VI)、これにより圧電調整素子は抵抗Rを
介して放電し、燃料噴射弁は閉鎖する。これにより噴射過程は終了する。次の噴
射過程もすべて同じように実行される。
図4は、本発明の回路の簡単な実施例を示し、ここでは図3に対して次の点で
異なっている。すなわち圧電調整素子Pの電流経路に定電流源Qが挿入接続され
ており、この定電流源により圧電調整素子Pは定電流i=constにより充電
される。電流強度が既知であることにより電流測定を省略することができ、ひい
ては面倒な乗算u*iを実行する必要がなく、乗算素子Xも必要ない。制御信号
stの他に、制御回路STのただ1つの入力量uは積分器Iに供給される。その
出力信号eは供給されるエネルギーに比例する。回路のさらなる機能は図1の回
路に相応する。抵抗ないし電流制限素子はここでは単に放電電流を制限するため
に必要であり、従って圧電調整素子PとスイッチT2との間に配置される。
エネルギーの検出は、図1および図2に示す実施例のように、圧電調整素子に
もたらされるエネルギーに基づいても、電流源から取り出されるエネルギーに基
づいても行うことができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1998年11月13日(1998.11.13)
【補正内容】
明細書
容量性調整素子の制御方法および制御装置
本発明は、容量性調整素子、例えば内燃機関の圧電駆動される燃料噴射弁の制
御方法および制御装置に関する。
圧電調整素子は、多数の圧電セラミック層からなり、いわゆる“スタック”を
形成する。スタックは、電圧の印加時にその寸法、例えばその長さSをストロー
クdsだけ変化するか、または機械的圧力または機械的張引の際に電圧を形成す
る。
電気的にコンデンサのような特性を有する圧電調整素子の種々の制御方法が公
知である。これらの方法では圧電調整素子に印加される電圧が監視される。充電
を終了するための基準として公知のすべての方法では、調整素子ストロークds
に達したことを測定する面倒な手段が設けられていなければ、圧電調整素子で所
定の電圧に達することを利用する。これについての例はドイツ特許願19328
72.1号明細書に記載されている。
この種の圧電スタックの電気特性は、それが曝される温度と共に変化する。温
度が上昇すると、そのキャパシタンスが増大し、ストロークも増大する。自動車
適用分野に対しては約−40℃から+150℃の温度
領域を考慮すべきであり、その際の変化は係数2までが観察される。
圧電調整素子をすべての駆動点で例えば、温度が低いときには所要のストロー
クdsをもたらす同じ電圧に充電すれば、温度が高くなると必要よりも明らかに
大きなストロークが生じてしまう。このことは、燃料圧が一定の燃料噴射弁では
過度に大きな燃料楼を意味する。またはその反対もあり得る。温度が高い場合に
は圧電スタックのキャパシタンスも大きくなるから、必要であるよりも格段に大
きな電荷とエネルギー(E=1/2・C−U2)を消費する。
US5387834から、マトリクスプリンタの圧電素子に対する制御回路が
公知である。この制御回路では、温度センサが圧電素子の温度を検知する。圧電
素子の制御は、温度に依存してテーブルに記憶された充電時間に基づいて行われ
る。
US5543679から、燃料弁を駆動するための圧電素子に対する制御回路
が公知である。ここでは、コンデンサから一定の電荷が取り出され、伝送器を介
して圧電素子に供給される。温度、湿度、構成部材公差、老化等の変化による回
路のすべての変化はここでは考慮されない。
日本特許抄録、Vol018 No.188(E-1532),31.3月1994&JP-A 05344755には、燃料
弁を駆動するための圧電素子に対する制御回路が開示されている。ここでは圧電
素子が、制御された第1の電圧で一定の電荷量に充電され、圧電素子の容量検出
を介して、放電時に測定された電圧から制御された第2の負の電圧に再び完全に
放電される。
本発明の課題は、温度センサを使用しない、容量性調整素子の制御方法を次の
ように構成することである。すなわち、調整素子が駆動される全温度領域で、で
きるだけ一定のストロークdsが達成されるように構成することである。本発明
はまた、この方法を実施するための装置を提供することを課題とする。
この課題は本発明により、請求項1および2に記載の構成によって解決される
。相応する装置は請求項3および4に記載されている。
研究によって、容量性調整素子に供給されるエネルギーは、印加される電圧よ
りもストロークdsに対する非常に正確な尺度であることが示された。また一定
のエネルギーによる充電は所要の温度領域にわたって格段に一定のストロークを
もたらすことがわかった。ストロークは、温度が一定の場合は印加される電圧に
対してほぼ線形に変化する。温度が変化すると、電圧が同じであればストローク
も変化する。これに対してストロークはもたらされるエネルギーの二乗に比例す
る(ds≒e2)。しかし温度には依存しない。
圧電スタックを大量生産する際には、個々の圧電層の層厚が正確には同じでは
ない。例えば一定の長さs
のスタックを製造することはできるが、層の数は異なる。故障した燃料弁を他の
ものと置換するときにはこのような異なるスタックが使用されることがある。こ
のような異なるスタックに一定の電圧を充電すると、温度が同じ場合でもストロ
ークdsが異なってしまう。
本発明の制御方法の利点は、一定のエネルギーによる調整素子の充電の際にこ
のような異なるスタックを使用しても、温度が一定の場合だけでなく上に述べた
全温度領域にわたってほぼ一定のストロークdsが達成されることである。
本発明の制御方法のさらなる利点は、調整素子に供給されるエネルギー(供給
源またはコンデンサから取り出される電荷ではなく)を検出することより、温度
、湿度、構成部材公差、老化等の変化による回路のすべての変化をエネルギーの
測定ないし調量の際に考慮されることである。
内燃機関の燃料噴射弁を操作するための容量性調整素子(圧電素子)を制御す
るための2つの実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施例の概略的回路図、
図2は、第2の実施例の概略的回路図、
図3は、図1および図2の回路の動作のフローチャートである。
図1は、図示しない内燃機関の燃料噴射弁の圧電調
整素子Pを制御するための第1実施例を示す。この制御は、通常はマイクロプロ
セッサ制御される制御回路STによって制御される。
エネルギー源Vのプラス極+Vとマイナス極GNDとの間に、制御回路STに
より制御される電子スイッチT1と、電流制限素子、例えば抵抗R(またはコイ
ル)と、燃料噴射弁の圧電調整素子Pからなる直列回路が接続される。圧電調整
素子Pは長さsを有する。圧電調子素子Pと抵抗Rからなる直列回路に並列に別
の電子スイッチT2が配置されている。
電子トランジスタスイッチT1とT2は制御回路っSTによって制御される。
この制御回路は、噴射時間に対する外部制御信号stを例えば機関制御器(ここ
にも制御回路を組み込むことができる)から受け取る。さらに接続されたスイッ
チT1が導通しているときには、圧電調整素子Pに流れる電流i(抵抗Rによっ
て制限される)と圧電調整素子Pで降下する電圧uが測定され、制御回路STに
別の入力量として供給される。
制御回路STには、破線で囲んだ乗算素子X、積分器IおよびコンパレータK
が直列に順次配置されている。ここで乗算素子Xの出力側は積分器Iの入力側と
、その出力側はコンパレータKの入力側と接続されている。コンパレータKの他
方の入力側には、所望のエネルギー出力に対する目標値Gが供給される。
図3に示されたフローチャートに基づいて、図1の回路の駆動方法を説明する
。このフローチャートは下で説明する図2の回路にも適用することができる。初
期状態(状態0)から出発し、この初期状態ではスイッチT1とT2は非導通状
態である。T1=0は非導通状態を意味し、T1=1は導通状態を意味する。同
じことがT2に対しても当てはまる。信号stとkに対しては、“1”は存在を
意味し、“0”は非存在を意味する。
0から1へ変化する(状態I)制御信号stの開始と共に、スイッチT1は導
通状態へ制御される。これにより、抵抗Rにより制限された電流iが電圧源のプ
ラス極+VからスイッチT1と圧電調整素子Pを介してマイナス極GNDへ流れ
始める。圧電調整素子Pには電圧uが形成される:圧電調整素子はストロークd
sだけ膨張し、長さs+dsになり、噴射弁を開放する(状態II)。これによ
り燃料が噴射される。制御信号stの上昇エッジst’によって同時に積分器I
が放電される。従って各噴射過程の開始時にはその出力信号はe=0である。
制御回路STに供給される測定量iとuは乗算素子Xで相互に乗算され、その
出力側に表れる積Pは続いて同時に放電された積分器Iで積分される。積分器I
の出力信号eは、圧電調整素子Pに供給されるエネルギーe=∫ uidtに比例し
、コンパレータKに供給され
、ここで目標値Gと比較される。この目標値に達するかまたは上回ると直ちにコ
ンパレータはデジタル出力信号k=1を出力する(状態III)。このコンパレ
ータ出力信号k=1によって、制御回路STはスイッチT1を非導通に制御し(
状態IV)、これにより圧電調整素子Pの充電過程は終了する。
調整素子は所望のストロークdsに達し、燃料噴射弁は所望の開口度を有し、
これによって燃料圧力が一定であれば噴射される燃料量は調整素子の開口持続時
間に比例する。燃料噴射弁は、もたらされたエネルギーeに配属されたストロー
クdsを以て、制御信号stが消失するまでst=0(状態V)、開口している
。
制御信号がst=0になると、制御回路STによりスイッチT2は導通制御さ
れ(状態VI)、これにより圧電調整素子は抵抗Rを介して放電し、燃料噴射弁
は閉鎖する。これにより噴射過程は終了する。次の噴射過程もすべて同じように
実行される。
図2は、本発明の回路の簡単な実施例を示し、ここでは図1に対して次の点で
異なっている。すなわち圧電調整素子Pの電流経路に定電流源Qが挿入接続され
ており、この定電流源により圧電調整素子Pは定電流i=constにより充電
される。電流強度が既知であることにより電流測定を省略することができ、ひい
ては面倒な乗算u*iを実行する必要がなく、乗算素
子Xも必要ない。制御信号stの他に、制御回路STのただ1つの入力量uは積
分器Iに供給される。その出力信号eは供給されるエネルギーに比例する。回路
のさらなる機能は図1の回路に相応する。抵抗ないし電流制限素子はここでは単
に放電電流を制限するために必要であり、従って圧電調整素子PとスイッチT2
との間に配置される。
請求の範囲
1. 例えば内燃機関の、圧電駆動される燃料噴射弁である容量性調整素子(P
)を所定の調整素子ストローク(ds)に配属された所定のエネルギー(e)に
より制御する方法において、
エネルギー源から調整素子(P)への充電過程中に、調整素子(P)に流れ
る電流(i)と、調整素子(P)にて取り出される電圧(u)とを相互に乗算し
、
電流(i)と電圧(u)との積(p=ui)を時間について積分し(e=∫
uidt)、
積分値(e)が所定の目標値(G)に達するかまたは上回ると充電過程を終
了する、
ことを特徴とする方法。
2. 例えば内燃機関の、圧電駆動される燃料噴射弁である容量性調整素子(P
)を所定の調整素子ストローク(ds)に配属された所定のエネルギー(e)に
より制御する方法において、
調整素子(P)を所定の一定の電流(i=const)により充電し、
調整素子(P)にて取り出される電圧(u)を充電過程の間、時間について
積分し(e=∫ udt)、
積分値(e)が所定の目標値(G)に達するかまたは上回ると充電過程を終
了する、
ことを特徴とする方法。
3. 電圧源(V)のプラス極(+V)とマイナス極(GND)との間に配置さ
れた直列回路を有し、
該直列回路は、調整素子(P)、電流制限素子(R)および電子スイッチ(
T1)からなる形式の、請求項1記載の方法を実施するための装置において、
制御回路(ST)が設けられており、
該制御回路には入力量として、制御過程の開始、持続時間および終了に対する
制御信号(st)、および調整素子(P)に供給される電流(i)と調整素子(
P)にて取り出される電圧(u)の測定量が供給され、
制御回路はスイッチ(T1)を制御信号(st)の開始により導通制御し、
制御回路(ST)は、乗算素子(X)と、積分器(I)と、コンパレータ(K
)とを有し、
前記乗算素子は、測定量、電流(i)と電圧(u)を相互に乗算し、
前記積分器(I)は、前記積(p=ui)を積分し(e=∫ uidt)、
前記コンパレータ(K)は、積分値(e)を所定の目標値(G)と比較し、
前記制御回路は、積分値(e)が目標値(G)に達するかまたは上回るとスイ
ッチ(T1)を非導通
制御する、
ことを特徴とする装置。
4. 電圧源(V)のプラス極(+V)とマイナス極(GND)との間に配置さ
れた直列回路を有し、
該直列回路は、調整素子(P)および電子スイッチ(T1)からなる形式の
、請求項2記載の方法を実施するための装置において、
調整素子(P)の充電電流回路に定電流源(Q)が設けられており、
制御回路(ST)が設けられており、
該制御回路には入力量として、制御過程の開始、持続時間および終了に対す
る制御信号(st)と、調整素子(P)にて取り出される電圧(u)の測定量と
が供給され、
制御回路はスイッチ(T1)を制御信号(st)の開始によって導通制御し
、
制御回路(ST)は、積分器(I)と、コンパレータ(K)を有し、
前記積分器(I)は測定量(u)を積分し(e=∫ udt)、
前記比較器は積分値(e)を所定の目標値(G)と比較し、
前記制御回路は、積分値(e)が目標値(G)に達するかまたは上回るとス
イッチ(T1)を非導通制御する、
ことを特徴とする装置。
5. 積分器(I)は各制御信号(st)の上昇エッジ(st’)により放電す
る、請求項3または4記載の装置。
【図1】【図2】
【図3】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 例えば内燃機関の、圧電駆動される燃料噴射弁である容量性調整素子(P )を、所定の調整素子ストローク(ds)に配属された所定のエネルギー量(e )により制御する方法において、 調整素子(P)を、エネルギー源(V)から所定の上側電圧目標値(Ucm ax)に充電されたコンデンサ(C)によって、当該コンデンサ(C)が所定の 下側電圧目標値(Ucmin)に放電するまで、充電する、 ことを特徴とする方法。 2. 例えば内燃機関の、圧電駆動される燃料噴射弁である容量性調整素子(P )を、所定の調整素子ストローク(ds)に配属されたエネルギー量(e)によ り充電する方法において、 エネルギー源(e)からの調整素子(P)の充電過程中に、調整素子(P) へ流れる電流(i)と、調整素子(P)で取り出される電圧(u)とを相互に乗 算し、 電流(i)と電圧(u)との積(p=ui)を時間について積分し(e=∫ uidt)、 積分値(e)が所定の目標値(G)に達するか、または上回ると充電過程を 終了する、 ことを特徴とする方法。 3. 例えば内燃機関の、圧電駆動される燃料噴射弁である容量性調整素子(P )を、所定の調整素子ストローク(ds)に配属されたエネルギー量(e)によ り制御する方法において、 調整素子(P)を所定の定電流(i=const)により充電し、 調整素子(P)にて充電過程中に取り出される電圧(u)を時間について積 分し(e=∫ udt)、 積分値(e)が所定の目標値(G)に達するかまたは上回ると充電過程を終 了する、 ことを特徴とする方法。 4. 請求項1に記載の方法を実施するための装置において、 エネルギー源のプラス極(+V)とマイナス極(GND)との間にコンデン サ(C)が配置されており、 該コンデンサはエネルギー源からエネルギースイッチ(X1)を介して充電 され、 該コンデンサ(C)に対して並列に、エネルギースイッチ(X1)と接続さ れた発振コイルおよび充填停止スイッチ(X3)からなる直列回路が配置されて おり、 充電停止スイッチ(X3)に対して並列に、発振コイル(L)に向かって電 流を導通する放電スイッチ(X4)および発振コイル(L)からの電流を導 通する充電スイッチ(X2)からなる並列回路と、ダイオード(D)を有する調 整素子の並列回路とからなる直列回路が配置されており、該ダイオードはマイナ ス極(GND)からの電流を導通し、 比較回路(K)が設けられており、該比較回路にはコンデンサ(C)の電圧( Uc)と、上側または下側目標値(Ucmax、Ucmin)が供給され、 制御回路(ST)が設けられており、 該制御回路には上側および下側電圧目標値(Ucmax、Ucmin)が記 憶されており、 該制御回路には、比較回路(K)の出力信号(k)と外部制御信号(st) が供給され、 スイッチ(X1〜X4)を図2のプログラムに従って制御する、 ことを特徴とする装置。 5. 請求項2記載の方法を実施するための装置であって、電圧源(V)のプラ ス極(+V)とマイナス極(GND)との間に配置された直列回路を有し、 該直列回路は、調整素子(P)、電流制限素子(R)および電子スイッチ( T1)からなる、形式の装置において、 制御回路(ST)が設けられており、 該制御回路には入力量として、制御過程の開始、持続時間および終了に対す る制御信号(st)と、 調整素子(P)に供給される電流(i)および調整素子(P)から取り出される 電圧(u)の測定量が供給され、 該制御回路はスイッチ(T1)を制御信号(st)の開始により導通制御し 、 前記制御回路(ST)は、乗算素子(X)と、積分器(I)と、コンパレー タ(K)とを有し、 前記乗算素子では、測定量、電流(i)と電圧(u)が相互に乗算され、 前記積分器(I)は積(p=ui)を積分し(e∫ uidt)、 前記コンパレータ(K)は積分値(e)を所定の目標値(G)と比較し、 前記制御回路(ST)は、積分値(e)が目標値(G)に達するかまたは上 回るとスイッチ(T1)を非導通制御する、 ことを特徴とする装置。 6. 請求項3記載の方法を実施するための装置であって、電圧源(V)のプラ ス極(+V)とマイナス極(GND)との間に配置された直列回路を有し、 該直列回路は、調整素子(P)および電子スイッチ(T1)からなる、形式 の装置において、 調整素子(P)の充電電流回路に定電流源(Q)が設けられており、 制御回路(ST)が設けられており、 該制御回路には入力量として、制御過程の開始、持続時間、終了に対する制 御信号(st)と、調整素子(P)で取り出される電圧(u)の測定量が供給さ れ、 該制御回路はスイッチ(T1)を制御信号(st)の開始により導通制御し 、 該制御回路はさらに積分器(I)とコンパレータ(K)を有し、 前記積分器は測定量(u)を積分し(e=∫ udt)、 前記コンパレータ(K)は当該積分値(e)を所定の目標値(G)と比較し 、 前記制御回路は、積分値(e)が目標値(G)に達するかまたは上回るとき にスイッチ(T1)を非導通制御する、 ことを特徴とする装置。 7. 積分器(I)は制御信号(st)の各上昇エッジ(st’)により放電す る、請求項5または6記載の装置。
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