JP2000504581A - エキソン11内のプロトオンコジーンretの欠失の典型的ヌクレオチド配列 - Google Patents

エキソン11内のプロトオンコジーンretの欠失の典型的ヌクレオチド配列

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サルストロム,ヤン
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Abstract

(57)【要約】 正常細胞における配列は位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とするプロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列が開示される.患者から採取された組織または体液サンプルに見出される変化したヌクレオチド配列に由来する情報は腫瘍のタイプおよび特徴の決定に使用できる.このヌクレオチド配列またはそれに由来する情報は癌の診断用試薬の製造ならびに癌の予防

Description

【発明の詳細な説明】 エキソン11内のプロトオンコジーンRETの欠失の 典型的ヌクレオチド配列 本発明は,新規なヌクレオチド配列およびその使用方法に関する.さらに詳し くは,本発明は哺乳動物における癌の診断および処置,分析のための試薬および キットの製造ならびに処置および/または予防のための医薬組成物に使用できる 新規なヌクレオチド配列に関する. 発明の背景 遺伝子の変化は,新生物の発生を伴い,したがって癌の初期診断のマーカーと して機能できる場合がある.癌の処置すべてにおいて,治療方法とは無関係に, 癌組織および細胞を同定する能力がとくに重要である.癌細胞に特異的に結合す る物質の必要性も明らかである.さらに,上記変化の中和またはそれに対する拮 抗の可能性が癌の将来の予防および処置の鍵となる.様々なタイプの癌に伴う特 異的な変化を同定するために長年にわたり研究が行われてきた.各タイプの癌の 背後にある特異的な変化(単数または複数)の知識のみが,診断,予防および/ または処置における選択的方法の使用を可能にする. 従来技術 RETプロトオンコジーンは,最近リガンドが,グリア細胞系由来の神経栄養 因子(GDNF)として同定された膜貫通受容体チロシンキナーゼをコードする (Durbecら,1996; Trupp ら,1996) .常染色体優性遺伝する4種の遺伝疾患: 家族性髄様癌(FMIC)(Farndonら,1986;Jackson & Norman,1989; Lairmore & Wells,1993);患者は甲状腺髄様癌(MTC)および褐色細胞腫を 発症する多発性内分泌腺腫症2A型(MEN2A,Sipple,1961);骨格異常と 胃腸管神経節性神経腫が接合したこれらの2種の腫瘍を示すMEN2B(Carney ら,1976 ;Schimke ら,1968),および腸の不動を生じる腸神経叢神経の先天性 欠落を示すヒルシュスプルング病がRET遺伝子の突然変異に関係づけられてい る.FMTCでは,RETプロトオンコジーンのエキソン10,11,13,1 4および16に生殖細胞系の点突然変異が見出されている(Bolinoら,1995;Do nis-Kellerら,1993;Eng ら,1995;Schuffenecker ら,1994). エキソン10および11における点突然変異はMEN2Aと関連することが報 告されている一方,MEN2Bおよび小比率の散発性MTCにはエキソン16に おける特異的なミスセンス突然変異が見出されている(Donis-Kellerら,1993; Eng ら,1995 ;Hofstra ら,1994;Mulliganら,1993).さらに,コドン63 0または634におけるシステインを除去する6塩基の欠失が散発性MTCの別 個の2症例に報告されている(S.Dou & H.Donis-Keller,未発表結果;Kimuraら ,1995). 発明の簡単な説明 本発明者らは,特異的な欠失が神経堤起源の細胞における癌を指示すること, そしてRETエキソン11における特異的な従来知られていなかった9塩基対の 欠失が,神経堤起源の細胞における癌たとえば多発性内分泌腺腫症(MEN)2 Aおよび2B型,褐色細胞腫,腸神経節性神経腫,副甲状腺過形成,神経節性神 経腫ならびに甲状腺髄様癌(MTC)を指示することを見出した.本発明者らは ,この欠失の単離および同定に成功し,甲状腺髄様癌の特異的なマーカーとして のその関連を示した.本発明の範囲は,請求の範囲ならびに添付の図面を参照し た説明および実施例から自明の通りである. 図面の簡単な説明 図1は,散発性甲状腺髄様癌の症例15例(1〜15),正常組織1例(16 )ならびに正常リンパ球DNA4例(17〜20)のRETエキソン11の非放 射性PCR−SSCP分析の結果を示す. 図2は,自動シクエンサー上 GeneScan により分析した散発性甲状腺髄様癌の 症例15例(1〜15),正常組織1例(16)ならびに正常リンパ球4例(1 7〜20)からの蛍光RETプロトオンコジーンPCR産物の電気泳動像を示す . 図3は,PCR産物のDNA配列決定によって決定した正常エキソン11お よび突然変異体部分配列を示す. 図4Aは,9bpの複合欠失を直接囲むDNA環境を示す. 図4Bは,欠失した塩基(星印)を囲む不完全パリンドロームによって形成さ れる推定ヘアピンループを示す. 発明および好ましい実施態様の説明 本発明者らはRETエキソン11における9塩基対の欠失が神経堤起源の細胞に おける癌,たとえば多発性内分泌腺腫症(MEN)2Aおよび2B型,褐色細胞 腫,腸神経節性神経腫,副甲状腺過形成,神経節性神経腫および,とくにMTC を指示することを示した.この欠失は3つのコドン(Leu633−Cys634−A rg635)の喪失,ならびに2つのコドンの置換(Glu632→SerおよびTh r636→Ser)を生じ,ポリメラーゼチェーン反応に基づいて特徴的な一本鎖 DNAコンフォメーション多型(PCR−SSCP)パターンを生成する(Alem i ら,1997).さらにこの同じ複合欠失は,PCR−SSCP,蛍光フラグメン トサイズ分析,およびDNA配列決定により明らかにされたように,散発性MT Cの15例中14例に存在することが示された. 3つの異なるアプローチ(SSCP,フラグメント分析および直接PCR配列 決定)を合わせることによって,9塩基対欠失(塩基1825および1830-7,コドン 632-636,塩基番号は Takahashiら,1988による)の同一性が決定され,それは 驚くべきことに,検討した散発性MTC腫瘍の事実上すべて(15例中14)に 存在することが見出されたのである.表1から明らかなように,方法の感度はわ ずかに異なるが,それらは若干異なるタイプの情報を与えることによって互いに 他を補足する.PCR−SSCPでは与えられた配列中の遺伝子変化の完全なス ペクトルを検出できるが,突然変異の本質に関しては情報を与えない. Genescan 分析はフラグメントの正確なサイズに関して重要な情報を与え,この 場合,突然変異エキソン11PCR産物がすべての陽性腫瘍における正常対立遺 伝子より9bp短いことが証明される.最後に,DNA配列決定では突然変異の 限定的な性質を与え,これは4例の無関係の症例の腫瘍において同一であった. 本発明者らは,この欠失が細胞の病的および/または細胞学的挙動に影響し, たとえば細胞の悪性度を増大させるものと予想した.これにより,上記欠失は, 癌の背後にある1つの原因因子および/または増強因子と考えることができる. 予備的な結果もまた,この欠失に由来するプライマーはリンパ腫を有する患者か らのDNAに結合親和性を有することを示している.この欠失の主たる重要性は それが遺伝子療法戦略,たとえばPNAをベースとした遮断法またはアンチセン 法の重要な標的となることである. 表1.PCR−SSCP,Gene Scan および配列決定の結果 a)sMTC=散発性甲状腺髄様癌,NT=正常甲状腺,NL=正常リンパ球. b)+9 bp欠失の存在を示唆する結果を示す. c)-正常所見を示す. この付近の欠失の同一の複合性はそれらの存在が無作為な過程で導かれたもの ではないことを示唆している.これが,本発明者らにその原因となった囚子を探 索するため,欠失に隣接するDNA配列を調べさせることを促すことになった. 細菌システムにおいて逆方向反復配列(パリンドローム)が優先して自然に欠失 することが証明され(Albertini ら,1982; Brunier ら,1988; DasGuta ら,19 87; Galas,1978; Schaaper ら,1986),一方,直列反復配列は,多数のウイル スシステムにおいて欠失の存在に関連づけられてきた(Singer & Westly,1988) .LDL受容体遺伝子内の複合ヌクレオチド欠失−置換の領域の周辺の数個の逆 方向反復配列は,Yamakawa-Kobayashiらによって,家族性高コレステロール血症 に関連することが発見されている(Yamakawa-Kobayashiら,1993).この複合突 然変異の発生機構として,彼らは,これらの逆方向反復配列が複製時にへアピン −ループ構造を形成し,この構造内で欠失現象が起こることを提案している. 遺伝性および散発性のヒト疾患に関連する小さな欠失の局部的なDNA配列環 境(1〜20bp)における数種の因子は,短い直列反復配列(2〜8bp), 逆方向反復配列,対称エレメント(たとえば,Cの喪失が中心のGの周囲に対称 な配列を残すAGTGCTGA)および特定のコンセンサス配列(TGA/GA /GG/TA/C)の存在を包含して,欠失に関連することが示されている (Krawczak & Cooper,1991). これらの因子の多くが,図4Aに示すように,9bp RET複合欠失の近傍 にも存在する.8bp欠失自体はパリンドロームであり,生理的条件下に比較的 高い熱力学的安定性(ΔG=−13.4kcal/mol)を有するヘアピン− ループを産生できる大きな不完全パリンドロームの一部である(図4B).8b p欠失の最初の塩基も6bp直列反復配列(CTGTGC)の一部であり,4個 の塩基は6塩基コンセンサス配列(TGCCGC)にフィットする.位置182 5における単一塩基対欠失は2つの中間直列反復配列(CGA CGA)の後者 内にあり,欠失した場合,7bpの対称エレメント(CGACAGC,図4)を 残す. では何故,両欠失が,このように大きな比率の腫瘍に見られるのであろうか? これらの2つの欠失のいずれも単独ではフレームシフトを伴う突然変異を生じ, そのためRETタンパク質機能の喪失を伴い,新生物表現型を生じない.しかし ながら,同一の対立遺伝子内に両者が起こると,突然変異は再びインフレームと なり,突然変異mRNAおよびタンパク質の形成が可能になる.Cys634コド ンにおける非保存的点突然変異はRETチロシンキナーゼの構成的活性化を生じ ,Cys634−突然変異構造を有する線維芽細胞のトランスフェクションはトラ ンスフォームされた表現型を与えることが証明されている(Santoro ら,1995) .したがって,欠失によるこのシステインコドンの喪失もまた,構成的活性化お よび新生物,現在検討中の可能性を生じることはあり得ることと思われる. 以前の研究で数種のRET突然変異は散発性MTCと関連することが証明され たが,大部分の症例で異常は見出されていなかった(Takahashi,1995).最も 共通して見られる突然変異は,それぞれ低率の症例におけるコドン918,88 3または768の変化である(Donis-Keller,1995; Lloyd,1995).しかしな がら,2つの報告にはコドン630または634を含む6bpの欠失がそれぞれ 単一の散発性MTC症例で記載されている(Donis-Keller,1995; Kimuraら,1 995). 本発明のヌクレオチド配列またはその部分は癌および前癌細胞の存在の診断に DNA−プライマーおよび核酸プローブとして有用である.このようなプローブ は適当な慣用のマーカーと組合わせてたとえば術後のモニタリングおよび転移の 追跡に適用できる.新しい配列に基づくDNA−プライマーおよび核酸プローブ はまた遺伝子スクリーニングのキットおよび方法に容易に適用できる. 核酸配列はまた,診断テストにおける標準もしくは試薬としておよび/または ワクチン成分として有用なポリペプチドの製造を可能にする.この配列またはそ のエピトープに向けられた抗体,モノクローナルおよび精製ポリクローナル抗体 の両者はまた,診断テストにまたは受動免疫のための治療剤として有用である. 本発明の配列を用いて製造される上記診断テストの利用は,癌および前癌細胞の 早期および高感度の検出を可能にする. 本発明の他の実施態様は,本発明の配列の使用,精製タンパク質の使用または 欠失を示す全細胞の使用によるポリペプチドの発現工程の一つを包含するワクチ ン組成物の製造である.ワクチン組成物は血液系の悪性腫瘍,たとえばリンパ腫 および白血病の処置に特異的な可能性を有する.開示されたような本発明に基づ くワクチン組成物の製造は本出願の時点で利用可能な定常的実験および慣用技術 の適用を要するのみである. とくに重要な実施態様は,アンチセンスDNA法またはPNAベースの遮断法 を用いて上記領域またはそのエピトープを遮断または永久置換するための,本発 明のヌクレオチド配列またはその部分に由来する情報の使用である. さらに他の実施態様は,癌の治療のための,プローブをベースとした放射性ま たは化学療法用医薬の製造である. 実施例 MTCの典型的な形態学的特徴を示す,ホルマリン固定,パラフィン包埋腫瘍 (15例)を病理部門の記録から収集し,患者の臨床記録を縦覧して散発性腫瘍 を選択した.腫瘍細胞をC−細胞マーカー,クロモグレインAおよびカルシトニ ン(Boehringer Mannheim)により定常的な免疫組織学的手法で染色した.これ らのブロックからの対応切片を用いてDNAを抽出した. 各腫瘍組織ブロックの10−μm厚の切片からゲノムDNAを単離した.切片 をキシレンで脱パラフィンし無水エタノールで洗浄した.乾燥サンプルを200 μlの消化緩衝液(50mM KCl,10mM Tris−HCl pH8. 3)中50℃で一夜500μg/mlのプロティナーゼKで処理し,ついで10 分間煮沸して酵素を不活性化した.正常な甲状腺組織,他の甲状腺腫瘍および正 常血中リンパ球から抽出したDNAを対照として用いた. RETプロト−オンコジーンのエキソン11の増幅のためのオリゴヌクレオチ ドプライマーは既報のデータ(Donis-Keller,1993)から選択した.PCRフラ グメントは0.2mM dNTP,0.5μMの各プライマー,1.5mMMg2+ ,50mM KCl,10mM Tris−HCl pH8.3,0.5単位 のTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含有する混合物30μl中5 μlのゲノム腫瘍もしくは対照DNAから増幅した.最初の変性を95℃におい て1分間,アニーリングを65℃で1分間,伸長を72℃で1分間行ったのち, 最後の伸長を72℃で10分間実施した.増幅産物に期待されるサイズは1 92bpである. 実施例11.1.PCR−SSCP分析 PCR産物のアリコート1μlを変性溶液(ホルムアミド中0.05%ブロモ フエノールブルー,0.05%キシレンシアノール)中で95℃に5分間加熱し ,ついで氷上で急速に冷却した.変性サンプル1μlを Phast Gelシステム電気 泳動装置(Pharmacia LKB Biotechnology,Uppsala,Sweden)を用い,非変性条 件下,予め調製された4〜15%勾配ポリアクリルアミドゲル上で分離した.こ の装置はプレラン100Vh,ついで50Vh,16℃にプログラムされた.ゲ ルは,製造業者(Pharmacia LKB Biotechnology)の説明書に従い銀染色した. エキソン11に前述の9bp複合欠失を示すPCR−SSCPパターンは散発 性MTC症例15例中14例に見出された.非放射性PCR−SSCP分析の代 表的な結果を図1に示す.腫瘍サンプル(レーン1〜6,8〜15)は1例の患 者の正常甲状腺組織および正常リンパ球細胞(それぞれレーン16およびレーン 17〜20)と比較して著しく異なるヘテロ接合SSCPパターンを示した. 1.2.Genescan によるPCR産物の蛍光フラグメントサイズ分析 自動化蛍光フラグメント分析用に,エキソン11PCR産物を順方向プライマ ーは5’末端を6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフル オレセンスで標識した上述のプライマー対を用いて発生させた.PCR産物を蒸 留水で1:4に希釈し,0.5μlを,12μlのホルムアミド,および0.5 μlのモルキュラーサイズ標準(GS350,Applied Biosystems Inc.)の混合物に 添加した.サンプルを90℃で2分間変性し,氷の上に置いたのち,ABI 373AD NAシーケンサー(Applied Biosystems Inc.)中尿素含有6%ポリアクリルア ミドゲル上に負荷した.電気泳動は14時間実施し,DNA鎖の塩基長をサイズ マーカーと比較して帰属させるGene Scan 672 ソフトウエアパッケージ (Applied Biosystems Inc.)を用いて蛍光シグナルを分析した.この方法の分 解能は製造業者により2塩基と報告されている. この新規アプローチの有用性は20種のDNAサンプル(15例のMTC腫瘍 と5例の対照)のアンプリコンを用いて評価した.Genescan 分析のクロマトグ ラムを図2に示す.正常甲状腺組織に由来する産物は192bpの正常な対立遺 伝子に相当する蛍光の1個の鋭いピークを示し(図2,例16),一方,15例 の散発性MTC症例中14例からのアンプリコンは正常なl92bpのピークお よび9bp短い183bpフラグメントの両者を生じた(図2,1〜14および 表1).MTCの1例および正常なリンパ球対照は正常なフラグメントパターン を示した(図2の症例7および17〜20). 実施例2:ヌクレオチドの配列決定 増幅したエキソン11DNAを1%アガロースゲル上で電気泳動分離し,つい で切り出した約192bpのバンドからのイオン交換単離により精製した (Jetsorb,Genomed Inc.N.C,).精製されたDNAを100μlの蒸留水で希 釈し,8μlを鋳型として使用した.蛍光ベースのジデオキシターミネーターサ イクル配列決定は,製造業者のプロトコールに従いTaqポリメラーゼベースの キット(Applied Biosystems Inc.FosterCity),ならびに自動型DNAシーケ ンサー(373型,Applied Biosystems Inc.)を用いて実施した.PCR産物の センスおよびアンチセンス両鎖の配列を決定した. Genescan の結果を確認するため,本発明者らはついで無作為に選択した4例 および1例の正常な甲状腺対照からのPCR産物の配列を決定した.エキソン1 1PCR産物のセンスおよびアンチセンス鎖の配列決定はCysに富む細胞外ド メイン内の位置1825および1830−7に9個の塩基の欠失が明らかにされ た(図3).この変化は,MEN2Aにミスセンス突然変異を示すことが報告さ れている 634のCysを含めてコドン633〜635(Leu−Cys−Arg )の喪失を生じる(Mulliganら,1993).さらにコドン632のGluおよびコ ドン636のThrはいずれもSerに変化する(図3).正常な対立遺伝子の配 列は,欠失領域に始まりそのフラグメントの末端まで続く不一致の背景クロマト グラムの9個の塩基として認められる.患者の正常な組織にはエキソン11の欠 失は見出されなかった. 以上,本発明を,現時点で本発明者らの知る限りの最良の様式を構成するその 好ましい実施態様に関連して説明したが,本技術分野の通常の熟練者には自明の ように,以下の請求の範囲に記載する本発明の範囲から逸脱することなく様々な 改変および修飾が可能であることを理解すべきである.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 C12Q 1/68 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN, (72)発明者 ヴィランデル,エリック スウェーデン国 エス―756 46 ウプサ ラ,ムルケルベーゲン 31

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 正常細胞における配列が位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する 位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配 列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とする プロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列. 2. ヒト生体から採取されたサンプル中の「請求項1」に記載のヌクレオチド 配列の存在または不存在を決定し,その配列の存在を癌の指示とするヒト癌の診 断方法. 3. ヒト生体から採取されたサンプル中の「請求項1」に記載のヌクレオチド 配列の存在または不存在を決定し,その配列の存在を神経堤起源の細胞における 癌の指示とするヒト癌の診断方法. 4. ヒト生体から採取されたサンプル中の「請求項1」に記載のヌクレオチド 配列の存在または不存在を決定し,その配列の存在を前癌状態の指示とするヒト 癌の診断方法. 5. ヒト生体から採取されたサンプル中の「請求項1」に記載のヌクレオチド 配列の存在または不存在を決定し,その配列の存在を神経堤起源の細胞における 前癌状態の指示とするヒト癌の診断方法. 6. 「請求項1」に記載のヌクレオチド配列に由来する情報を存在する腫瘍の タイプに関する指示の提供に使用することを特徴とするヒト癌の診断方法. 7. サンプルを,DNA増幅,RNA増幅,DNAライゲーション,PCR, DNA配列決定,RNA配列決定,核酸ハイブリダイゼーション電気泳動または これらの組合わせからなる群より選択される処置に付すことを特徴とするヒト癌 の診断方法. 8. 正常細胞における配列が位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する 位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配 列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とする プロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列またはそれから 得られる情報の医薬の製造のための使用. 9. 正常細胞における配列が位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する 位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配 列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とする プロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列またはそれから 得られる情報の癌の遺伝子療法用医薬の製造のための使用. 10.正常細胞における配列は位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する 位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配 列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とする プロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列まはたはそれか ら得られる情報の,アンチセンスDNA法,PNAベースの遮断法,リボザイム をベースとする方法,抗体もしくはペプチドに基づく遮断方法およびこれらの任 意の組合わせの1種を包含する癌の遺伝子療法用医薬の製造のための使用. 11.正常細胞における配列は位置1845および隣接ヌクレオチドを包含する 位置1810および隣接ヌクレオチドによって定義される領域において以下の配 列: を有する配列が上記領域において以下の配列: (式中,*の記号は欠失ヌクレオチドを意味する)を包含することを特徴とする プロトオンコジーンRETに含まれる変化したヌクレオチド配列またはそれから 得られる情報の上記配列またはその同族配列の決定用試薬の製造のための使用. 12. 上記ヌクレオチド配列に相当するmRNAに由来する情報を使用すること を特徴とする「請求項8〜11」のいずれかに記載の使用. 13. 上記ヌクレオチド配列に相当するアミノ酸配列に由来する情報を使用する ことを特徴とする「請求項8〜11」のいずれかに記載の使用. 14. 「請求項1」に記載の配列に基づくDNAオリゴヌクレオチドを使用する 再発および/または転移の術後モニタリング方法. 15. 「請求項1」に記載の配列に基づくDNAプローブおよび/または核酸プ ライマーを使用するRETプロトオンコジーン中の欠失によって生じる癌の素因 または存在の遺伝子スクリーニング方法. 16. 「請求項1」に記載の配列に由来する情報を使用して調製されるワクチン 組成物を用いる悪性腫瘍の処置方法. 17. 「請求項1」に記載の配列に基づくDNAプローブおよび/または核酸オ リゴヌクレオチドを使用する癌の処置用のプローブベースの化学療法のための方 法.
JP9529282A 1996-02-15 1997-02-14 エキソン11内のプロトオンコジーンretの欠失の典型的ヌクレオチド配列 Pending JP2000504581A (ja)

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