JP2003528630A - ヒト遺伝子および発現産物 - Google Patents

ヒト遺伝子および発現産物

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JP2003528630A
JP2003528630A JP2001571712A JP2001571712A JP2003528630A JP 2003528630 A JP2003528630 A JP 2003528630A JP 2001571712 A JP2001571712 A JP 2001571712A JP 2001571712 A JP2001571712 A JP 2001571712A JP 2003528630 A JP2003528630 A JP 2003528630A
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ルイス ティー. ウィリアムズ,
ジャイメ エスコベド,
マイケル エイ. イニス,
パブロ ドミンゲス ガルシア,
ジュリー サダス−クリンガー,
クリストフ ラインハルト,
ジジュン ヒー,
フィリッポ ランダッゾ,
ギウリア シー. ケネディー,
デイビッド エイ. ポット,
アルタフ カッサム,
ジョージ ラムソン,
ラドーエ ジャマナック,
ラドミール クベンジャコフ,
マーク ディクソン,
スネザナ ジャマナック,
イヴァン ラバット,
デナ レシュコウィッツ,
デイビッド キタ,
ベロニカ ガルシア,
リー ウィリアム ジョーンズ,
ビルギット シュタッヒェ−クライン,
Original Assignee
カイロン コーポレイション
ハイセク インコーポレイテッド
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    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
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    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチドおよびそれらの改変体、それらにコードされるポリペプチドおよびそれらの改変体に関し、これらのポリヌクレオチドオに対応する遺伝子に関し、そしてこの遺伝子によって発現されるタンパク質に関する。本発明はまた、このような新規なヒトポリヌクレオチド、それらの対応する遺伝子または遺伝子産物を含み、プローブ、アンチセンスヌクレオチド、および抗体を含む、診断剤および治療剤に関する。本発明のポリヌクレオチドは、少なくとも配列番号1〜316の1つの配列情報を含むポリヌクレオチドに対応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ヒト起源のポリヌクレオチドおよびコードされる遺伝子産物に関す
る。
【0002】 (発明の背景) 新規なポリヌクレオチド(特に、発現遺伝子産物をコードするポリヌクレオチ
ド)の同定は、薬物発見、診断技術、ならびに癌などの複合疾患の進行および特
性の理解の促進に重要である。疾患状態または段階、発育段階、種々の環境因子
への曝露、起源の組織、組織が単離された種などの異なる供給源から単離された
異なる細胞型で発現される遺伝子の同定は、これらの種々の差に関連する表現型
の原因である遺伝因子を同定するのに重要である。
【0003】 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドにコード
されるポリペプチド、ならびにこれらの新規なポリヌクレオチドに対応する遺伝
子およびタンパク質を提供する。
【0004】 (発明の要旨) 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチドおよびそれらの改変体、それらにコー
ドされるポリペプチドおよびそれらの改変体に関し、これらのポリヌクレオチド
オに対応する遺伝子に関し、そしてこの遺伝子によって発現されるタンパク質に
関する。本発明はまた、このような新規なヒトポリヌクレオチド、それらの対応
する遺伝子または遺伝子産物を含み、プローブ、アンチセンスヌクレオチド、お
よび抗体を含む、診断剤および治療剤に関する。本発明のポリヌクレオチドは、
少なくとも配列番号1〜316の1つの配列情報を含むポリヌクレオチドに対応
する。
【0005】 本発明の種々の局面および実施形態は、本明細書中に提供される記載を読めば
、当業者にとって容易に明らかである。
【0006】 (発明の詳細な説明) 本発明は、開示されたヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに、全長cD
NA、mRNAゲノム配列に、ならびにこれらの配列およびそれらの変性改変体
に対応する遺伝子に、ならびに本発明のポリヌクレオチドによってコードされる
ポリペプチドおよびポリペプチド改変体に関する。以下の詳細な記載は、本発明
によって含まれるこのポリヌクレオチド組成物、全長遺伝子産物をコードするc
DNAまたはゲノムDNAを得る方法、これらのポリヌクレオチドおよび遺伝子
の発現、このポリヌクレオチドおよび遺伝子の構造的モチーフの同定、本発明の
ポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされる遺伝子産物の機能の同
定、提供されるポリヌクレオチドのプローブとして、ならびにマッピングにおけ
る、および組織プロファイリングにおける使用、対応するポリペプチドおよび抗
体を惹起する他の遺伝子産物の使用、ならびに治療目的および診断目的のための
ポリヌクレオチドおよびそれらにコードされる遺伝子産物の使用を記載する。
【0007】 (ポリヌクレオチド組成物) ポリヌクレオチド組成物に関する本発明の範囲としては、配列番号1〜316
のいずれか1つに示される配列を有するポリヌクレオチド;ストリンジェントな
条件下(特に高いストリンジェンシーの条件)でのハイブリダイゼーションによ
って本明細書中に記載される生物学的材料または他の生物学的供給源(特にヒト
供給源)から得られるポリヌクレオチド;提供されるポリヌクレオチドに対応す
る遺伝子;提供されるポリヌクレオチドの改変体、およびそれらの対応する遺伝
子、特にコードされる遺伝子産物の生物学的活性(例えば、遺伝子産物のタンパ
ク質ファミリーへの割り当ておよび/または遺伝子産物中に存在する機能的ドメ
インの同定の結果として、提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子産物に
帰する生物学的活性)を維持するこれらの改変体が挙げられるが必ずしもそれら
に限定されない。本発明の範囲の近くおよび範囲内に意図される他の核酸組成物
は、明細書の開示が提供される場合、当業者の一人にとって容易に明らかである
。本明細書中で使用される場合、この組成物の核酸に関する「ポリヌクレオチド
」および「核酸」は、特に示されない限り、核酸の長さまたは構造に限定するこ
とは意図されない。
【0008】 本発明は、ヒト組織、特にヒト結腸組織、乳房組織、および/または肺組織に
おいて発現されるポリヌクレオチドに特徴を有する。特定の目的の本発明の新規
な核酸組成物は、配列番号1〜316のいずれか1つに示される配列またはそれ
らの同定配列(identifying sequence)を含む。「同定配
列」は、少なくとも約10nt長〜約20nt長、通常は少なくとも約50nt
長〜約100nt長の残基の連続する(contigous)配列であり、この
連続する配列は、ポリヌクレオチド配列を唯一に同定する(例えば、約20nt
より多い任意の連続する配列に90%未満、通常は約80%〜約85%未満の配
列相同性を示す)。従って、本発明の新規な核酸組成物は、配列番号1〜316
のいずれか1つ由来の連続するヌクレオチドの同定配列を含む全長cDNAまた
はmRNAを含む。
【0009】 本発明のポリヌクレオチドはまた、配列類似性または配列同一性を有するポリ
ヌクレオチドを含む。配列類似性を有する核酸は、低いストリンジェンシーな条
件下(例えば、50℃および10×SSC(0.9M生理食塩水/0.09Mク
エン酸ナトリウム))でハイブリダイゼーションによって検出され、そして1×
SSC中で55℃での洗浄に供する場合、結合されたままである。配列同一性は
、ストリンジェントな条件下(例えば、50℃以上、および0.1×SSC(9
M生理食塩水/0.9Mクエン酸ナトリウム))でのハイブリダイゼーションに
よって決定され得る。ハイブリダイゼーション方法および条件は、当該分野で周
知である(米国特許第5,707,829号を参照のこと)。提供されるポリヌ
クレオチド配列に実質的に同一な核酸(例えば、対立遺伝子改変体、遺伝子の遺
伝子変更されたバージョンなど)は、提供されるポリヌクレオチド配列(配列番
号1〜316)に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で結合す
る。プローブ、特に、DNA配列の標識されたプローブを使用することで、相同
体または関連遺伝子を単離し得る。相同体遺伝子の供給源は、任意の種(例えば
、霊長類種、特に、ヒト;げっ歯類、例えば、ラットおよびマウス;イヌ、ネコ
、ウシ、ヒツジ、ウマ、酵母、線虫など)であり得る。
【0010】 好ましくは、ハイブリダイゼーションは、配列番号1〜316の少なくとも1
つの少なくとも15個の連続するヌクレオチド(nt)を使用して実施される。
つまり、開示される配列番号の1つの少なくとも15個の連続するntがプロー
ブとして使用される場合、このプローブは、好ましくは相補配列を含む核酸とハ
イブリダイズし、選択されるプローブに特有にハイブリダイズする核酸の同定お
よび想起を可能にする。1つより多くの配列番号由来のプローブは、このプロー
ブが由来するcDNAが1つのmRNAに対応する場合、同じ核酸とハイブリダ
イズし得る。15ntより多くのプローブ(例えば、約18nt〜約100nt
のプローブ)が、使用され得るが、15ntは、唯一同定に十分な配列を示す。
【0011】 本発明のポリヌクレオチドはまた、ヌクレオチド配列の天然に存在する改変体
(例えば、変性改変体、対立遺伝子改変体など)を含む。本発明のポリヌクレオ
チドの改変体は、推定改変体と本明細書中で開示される核酸配列とのハイブリダ
イゼーションによって、好ましくは、ストリンジェントな条件下でのハイブリダ
イゼーションによって同定される。例えば、適切な洗浄条件を使用することによ
って、本発明のポリヌクレオチドの改変体は、対立遺伝子改変体が選択されるポ
リヌクレオチドプローブと比較してせいぜい約25〜30%の塩基対(bp)ミ
スマッチを示す場合、同定され得る。一般的に、対立遺伝子改変体は、15〜2
5%のbpミスマッチを含み、そして5〜15%、または2〜5%、または1〜
2%のbpミスマッチおよびたった一個のbpミスマッチの少なさでさえ含み得
る。
【0012】 本発明はまた、配列番号1〜316のポリヌクレオチドに対応する相同体を含
む。ここで、相同遺伝子の供給源は、任意の哺乳動物種(例えば、霊長類種、特
に、ヒト;げっ歯類、例えば、ラット;イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、酵母
、線虫など)であり得る。哺乳動物種間(例えば、ヒトとマウス)の相同体は、
一般的に実質的な配列類似性(例えば、ヌクレオチド配列間に少なくとも75%
の配列同一性、通常は少なくとも90%の配列同一性、より通常は少なくとも9
5%の配列同一性)を有する。配列同一性は、参考配列に基づいて計算される。
この参考配列は、より大きな配列のサブセット(例えば、保存モチーフ、コード
領域、隣接する領域など)であり得る。参照配列は、通常は少なくとも18個の
連続するnt長であり、より通常は少なくとも約30nt長であり、そして、比
較されている完全配列まで伸長し得る。配列解析のためのアルゴリズム(例えば
、Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)2
5:3389−3402に記載されるギャップBLAST)は、当該分野で公知
である。
【0013】 一般的に、本発明の改変体は、少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約
75%、より好ましくは少なくとも約85%より大きな配列相同性を有し、そし
て、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)において実
行されるようなSmith−Watermanの相同性サーチアルゴリズムによ
って決定される場合、少なくとも約90%以上より大きく有り得る。本発明の目
的について、同一性パーセントを計算する好ましい方法は、以下を使用するSm
ith−Watermanアルゴリズムである。全体のDNA配列同一性は、以
下のサーチパラメータ: gap open penalty、12;およびgap extension
penalty、1、 と共にアフィンギャップサーチを使用するMPSRCHプログラム(Oxfor
d Molecular)において実行されるようなSmith−Waterm
an相同性サーチアルゴリズムによって決定される場合、65%より大きくなけ
ればならない。
【0014】 本核酸は、cDNAまたはゲノムDNA、ならびにそれらのフラグメント、特
に、生物学的に活性な遺伝子産物をコードする、および/または本明細書に開示
される方法に有効なフラグメント(例えば、診断において、目的の示差的な発現
遺伝子の唯一の識別子として)であり得る。本明細書で使用される場合、用語「
cDNA」は、ネイティブ成熟mRNA種に見出された配列エレメントの配置を
共有する全ての核酸を含むことが意図される。ここで配列エレメントは、エキソ
ンならびに3’および5’非コード領域である。通常、mRNA種は、介在する
イントロンと共に隣接するエキソンを有する。このイントロンが存在する場合、
核RNAスプライシングによって除去されて、本発明のポリペプチドをコードす
る連続するオープンリーディングフレームを作製する。
【0015】 目的のゲノム配列は、開始コドンと終止コドンとの間に存在する核酸を含む。
この核酸は、列挙される配列において規定され、通常、ネイティブ染色体に存在
する全てのイントロンを含む。さらに、成熟mRNAに見出された3’および5
’非翻訳領域を含み得る。さらに、特異的な転写および翻訳調節配列(例えば、
プロモーター、エンハンサーなど)を含み得、この特異的な転写および翻訳調節
配列は、転写領域の5’末端および3’末端のいずれかで隣接するゲノムDNA
の約1kbであるがおそらくそれより多く含む。ゲノムDNAは、100kbp
またはそれより小さいフラグメントとして単離され、実質的に隣接する染色体配
列を有し得ない。コード領域、3’および5’のいずれか、またはイントロンに
時々見出される内部調節配列に隣接するゲノムDNAは、適切な組織発現、段階
特異的発現または疾患状態特異的発現に必要な配列を含む。
【0016】 本発明の核酸組成物は、本ポリペプチドの全てまたは一部をコードし得る。2
本鎖フラグメントまたは1本鎖フラグメントは、慣習的な方法に従ってオリゴヌ
クレオチドを化学的に合成することによって、制限酵素消化によって、PCR増
幅などによって、DNA配列から得られ得る。本発明の単離されたポリヌクレオ
チドおよび本発明のポリヌクレオチドフラグメントは、配列番号1〜316に示
されるようなポリヌクレオチド配列から選択される少なくとも約10、約15、
約20、約35、約50、約100、約150〜約200、約250〜約300
、または約350個連続するntを含む。たいてい、フラグメントは、少なくと
も15nt長、通常は少なくとも18nt長または25nt長、および少なくと
も約50個連続するnt長以上である。好ましい実施形態において、ポリヌクレ
オチド分子は、配列番号1〜316に示されるポリヌクレオチドからなる群より
選択される少なくとも12ntの連続する配列を含む。
【0017】 本発明のポリヌクレオチドに特異的なプローブは、配列番号1〜316におい
て開示されるポリヌクレオチド配列を使用して作製され得る。プローブは、好ま
しくは、配列番号1〜316のうちの対応する連続する配列の少なくとも約12
、15、16、18、20、22、24、または25ntフラグメントであり、
そして2、1、0.5、0.1、または0.05kb長未満であり得る。プロー
ブは化学的に合成され得るか、または制限酵素を使用してより長いポリヌクレオ
チドから作製され得る。プローブは、例えば、放射性タグ、ビオチン化タグ、ま
たは蛍光タグで標識され得る。好ましくは、プローブは、配列番号1〜316の
うちの1つのポリヌクレオチドの同定化配列に基づいて設計される。より好まし
くは、プローブは、配列への低い複雑性をマスクするためのマスキングプログラ
ム(例えば、XBLAST)の適用後にマスクされないままである本ポリヌクレ
オチドのうちの1つの連続する配列に基づいて設計される(すなわち、マスキン
グプログラムによって生成されるマスクした配列のポリ−nストレッチの外側の
ポリヌクレオチドによって示されるような、マスクされない領域が選択される)
【0018】 本ポリヌクレオチドは、一般的にインタクトな染色体以外として、実質的な純
度において単離され、そして得られる。通常、ポリヌクレオチドは、DNAまた
はRNAのいずれかとして、他の天然に存在する核酸配列を実質的に含まないよ
うに得られ、一般に少なくとも約50%、通常少なくとも約90%の純度であり
、そして代表的に「組換え」であり、例えば、天然に存在する染色体において通
常会合されない1つ以上のヌクレオチドによって隣接される。
【0019】 本発明のポリヌクレオチドは、直線状の分子として、または環状分子内に提供
され得、そして自律的に複製する分子(ベクター)内に、または複製配列を伴わ
ない分子内に提供され得る。ポリヌクレオチドの発現は、それら自身によって、
または当該分野において公知の他の調節配列によって調節され得る。本発明のポ
リヌクレオチドは、当該分野において利用可能な種々の技術(例えば、トランス
フェリンポリカチオン媒介性DNA移入、裸の核酸またはカプセル化された核酸
でのトランスフェクション、リポソーム媒介性のDNA移入、DNAコート化ラ
テックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレクトロ
ポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介性のトランスフェクションなど
)を使用して適切な宿主細胞に導入され得る。
【0020】 本発明の核酸組成物は、例えば、ポリペプチドを生成するために、生物学的サ
ンプル(例えば、ヒト細胞の抽出物)中の本発明のmRNAの検出のためのプロ
ーブとして、ポリヌクレオチドのさらなるコピーを作製するために、リボザイム
またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するために、および1本鎖DNA
プローブとしてかまたは3本鎖を形成するオリゴヌクレオチドとして、使用され
得る。本明細書中に記載されるプローブは、例えば、サンプル中の配列番号1〜
316において示されるようなポリヌクレオチド配列またはそれらの改変体の存
在または非存在を決定するために使用され得る。これらの使用および他の使用は
、以下により詳細に記載される (全長のcDNA、遺伝子、およびプロモーター領域を得るためのポリヌクレ
オチドの使用) 開示されるポリヌクレオチドを含有する全長cDNA分子は、以下のように得
られる。配列番号1〜316のうちの1つの配列、または少なくとも12、15
、18、または20ntを含有するそれらの部分を有するポリヌクレオチドは、
米国特許第5,654,173号において記載されるようなプローブ設計法、ク
ローニング法、およびクローン選択技術を使用して、cDNAライブラリーのハ
イブリダイズするメンバーを検出するために、ハイブリダイゼーションプローブ
として使用される。cDNAのライブラリーは、正常組識もしくは腫瘍組識のよ
うな選択された組識から、または例えば、薬学的な薬剤で処置された哺乳動物の
組識から作製される。好ましくは、組識は、本発明のポリヌクレオチドが単離さ
れた組識と同じである。なぜなら、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドお
よびcDNAの両方が発現される遺伝子を示すからである。最も好ましくは、c
DNAライブラリーは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料か
ら作製される。ライブラリー構築のための細胞型の選択は、本発明のポリヌクレ
オチドに対応する遺伝子によってコードされるタンパク質の同定が知られる後に
なされ得る。このことは、組識および細胞型が関連する遺伝子を発現するようで
あることを示し、従って、cDNAを作製するためのmRNAについての適切な
供給源を示す。提供されるポリヌクレオチドがcDNAライブラリーから単離さ
れる場合、ライブラリーはヒト結腸細胞、より好ましくはヒト結腸癌細胞のmR
NA、さらにより好ましくは非常に転移性の結腸細胞Km 12L4−Aから調
製される。
【0021】 核酸配列ライブラリーを生成およびプローブするための技術が、例えば、Sa
mbrookら、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual、第2版、(1989)Cold Spring Harb
or Press、Cold Spring Harbor、NYにおいて記載
される。cDNAは、配列番号1〜316からの配列に基づくプライマーを使用
することによって調製され得る。1つの実施態様において、cDNAライブラリ
ーは、ポリアデニル化mRNAのみから作製され得る。従って、ポリ−Tプライ
マーが、mRNAからcDNAを調製するために使用され得る。
【0022】 提供されるポリヌクレオチドよりも大きく、かつ好ましくはネイティブなメッ
セージの完全なコード配列を含むライブラリーのメンバーが得られる。cDNA
全体が得られたことを確認するために、RNA保護実験が以下のように行われる
。mRNAへの全長cDNAのハイブリダイゼーションは、RNアーゼ分解から
RNAを保護する。cDNAが全長でない場合、ハイブリダイズしないmRNA
の部分はRNアーゼ分解に供される。これは、当該分野において公知であるよう
に、ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動移動度の変化によってか、または
放出されるモノリボヌクレオチドの検出によってアッセイされる。Sambro
okら、Molecular Cloning:A Laboratory M
anual、第2版、(1989)Cold Spring Harbor P
ress、Cold Spring Harbor、NY。親cDNAの末端に
対して5’のさらなる配列を得るために、5’RACE(PCR Protoc
ols:A Guide to Methods and Applicati
ons、(1990)Academic Press、Inc.)が行われ得る
【0023】 ゲノムDNAは、全長cDNAの単離に類似の様式において、提供されるポリ
ヌクレオチドを使用して単離される。簡潔には、提供されるポリヌクレオチド、
またはその部分は、ゲノムDNAのライブラリーに対するプローブとして使用さ
れる。好ましくは、ライブラリーは、本発明のポリヌクレオチドを作製するため
に使用された細胞型から得られるが、必ずしもそうである必要はない。最も好ま
しくは、ゲノムDNAは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料
から得られる。このようなライブラリーは、Sambrookら、9.4〜9.
30において詳細に記載されるように、P1またはYACのような、ゲノムの大
きなセグメントを保有するために適切なベクター中にあり得る。さらに、ゲノム
配列は、ヒトBACライブラリーから単離され得、これは例えば、Resear
ch Genetics、Inc.Huntsville、Alabama、U
SAから市販されている。さらなる5’配列または3’配列を得るために、Sa
mbrookらにおいて記載されるように染色体ウォーキングが行われ、これに
よってゲノムDNAの近接かつ重複するフラグメントが単離される。これらは、
制限消化酵素およびDNAリガーゼを使用して、当該分野において公知であるよ
うに、マッピングされ、そしてともに継ぎ合わされる。
【0024】 本発明のポリヌクレオチド配列を使用して、対応する全長遺伝子が、cDNA
ライブラリーを構築およびプローブするための古典的な方法およびPCR法の両
方を使用して単離され得る。いずれかの方法を使用して、ノーザンブロットが好
ましくは、どの細胞株が最も高いレベルで目的の遺伝子を発現するかを決定する
ために、多くの細胞型に対して行われる。cDNAライブラリーを構築する古典
的な方法は、Sambrookら(前出)において教示される。これらの方法を
使用して、cDNAがmRNAから生成され得、そしてウイルスベクターまたは
発現ベクター中に挿入される。代表的に、ポリ(A)テイルを含有するmRNA
ライブラリーは、ポリ(T)プライマーを用いて生成され得る。同様に、cDN
Aライブラリーは、本発明の配列をプライマーとして使用して生成され得る。
【0025】 PCR法が、所望のインサートを含有するcDNAライブラリーのメンバーを
増幅するために使用される。この場合において、所望のインサートは、本発明の
ポリヌクレオチドに対応する全長のcDNA由来の配列を含む。このようなPC
R法としては、遺伝子捕獲法およびRACE法が挙げられる。遺伝子捕獲は、ベ
クター中に多数のcDNAライブラリーを挿入することを必要とする。次いで、
ベクターが1本鎖の分子を生成するように変性される。次に、ビオチン化オリゴ
のような基質結合化プローブが、目的のcDNAインサートを捕獲するために使
用される。ビオチン化プローブは、アビジン結合化固体基質に連結され得る。P
CR法は、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。全長遺伝子に対
応する配列を捕獲するために、標識化プローブ配列は、本発明のポリヌクレオチ
ド配列に基づく。ランダムプライマーまたはライブラリーベクターに特異的なプ
ライマーが、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。このような遺
伝子捕獲技術は、Gruberら、WO 95/04745およびGruber
ら、米国特許第5,500,356号において記載される。キットは、例えば、
Life Technologies,Gaithersburg、Maryl
and、USAから遺伝子捕獲実験を行うように市販されている。
【0026】 「cDNA末端の迅速な増幅」(すなわちRACE)は、多くの異なるRNA
からcDNAを増幅するPCR法である。cDNAは、オリゴヌクレオチドリン
カーに連結され、そして2つのプライマーを使用するPCRによって増幅される
。一方のプライマーは、本発明のポリヌクレオチドからの配列に基づき、これに
ついて全長の配列が望ましく、そして第2のプライマーは、このcDNAを増幅
するためにオリゴヌクレオチドリンカーにハイブリダイズする配列を含む。この
方法の記載は、WO 97/19110において報告される。RACEの好まし
い実施態様において、共通のプライマーが、cDNA末端に連結される任意のア
ダプター配列にアニールするように設計される(ApteおよびSiebert
、Biotechniques(1993)15:890−893:Edwar
dsら、Nuc. Acids Res.(1991)19:5227−523
2)。単一の遺伝子特異的RACEプライマーが共通のプライマーと対合される
場合、単一の遺伝子特異的プライマーと共通のプライマーとの間の配列の優先的
な増幅が生じる。RACEにおいて使用するために改変された市販のcDNAプ
ールが利用可能である。
【0027】 別のPCRベースの方法は、cDNA配列の特定の知識を必要とすることなく
、アンカー末端を伴う全長のcDNAライブラリーを作製する。この方法は、ロ
ック−ドッキング(locking−docking)プライマー(I〜VI)
を使用し、ここでは1つのプライマーの、ポリTV(I−III)は、第1鎖の
合成を生じる真核生物mRNAのポリAテイルに対して固定し、そして第2のプ
ライマーのポリGH(IV〜VI)は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフ
ェラーゼ(TdT)によって付加されるポリCテイルに固定する(例えば、WO
96/40998を参照のこと)。
【0028】 遺伝子のプロモーター領域は、一般にRNAポリメラーゼIIに対する開始部
位に対して5’に位置される。数百のプロモーター領域は、変異に感受性である
、「TATA」ボックス(例えば、TATTAまたはTATAAの配列)を含む
。プロモーター領域は、遺伝子のコード領域からのプライマーを使用して5’R
ACEを行うことによって得られ得る。あるいは、cDNAは、ゲノム配列につ
いてのプローブとして使用され得、そしてコード領域に対して5’の領域は、「
ウォーキングアップ」によって同定される。遺伝子が高度に発現されるか、また
は示差的に発現される場合、遺伝子由来のプロモーターは、異種遺伝子について
の調節構築物において有用であり得る。
【0029】 一旦全長のcDNAまたは遺伝子が得られると、改変体をコードするDNAは
、部位特異的変異誘発によって調製され得る(Sambrookら、15.3〜
15.63において詳細に記載される)。置換えられるコドンまたはヌクレオチ
ドの選択は、変化したタンパク質構造および/または機能を達成するためのアミ
ノ酸における任意の変化に対して、本明細書中の開示に基づき得る。
【0030】 生物学的材料からDNAまたはRNAを得る代替の方法として、本発明の1つ
以上のポリヌクレオチドの配列を有するヌクレオチドを含有する核酸が合成され
得る。従って、本発明は、15nt(配列番号1〜316のうちの1つの少なく
とも15の連続するntに対応する)から核酸分子の1つ以上の生物学的操作(
複製および発現を含む)に適切な最大の長さにまでにわたる長さの核酸分子を含
む。本発明は、(a)完全な遺伝子のサイズを有し、および配列番号1〜316
のうちの少なくとも1つを含む核酸;(b)融合タンパク質の発現を許容するよ
うに作動可能に連結される、少なくとも1つのさらなる遺伝子もまた含む(a)
の核酸;(c)(a)または(b)を含有する発現ベクター;(d)(a)また
は(b)を含有するプラスミド;ならびに(e)(a)または(b)を含有する
組換えウイルス粒子を含むが、これらに制限されない。一旦本明細書中に開示さ
れるポリヌクレオチドが提供されると、(a)〜(e)の構築および調製は、十
分に当業者の範囲内である。
【0031】 配列番号1〜316のうちの少なくともいずれか1つの少なくとも15の連続
するntを含有する核酸の配列、好ましくは配列番号1〜316のうちの少なく
ともいずれか1つの配列全体は、制限されず、そしてA、T、G、および/もし
くはC(DNAについて)、ならびにA、U、G、および/もしくはC(RNA
について)、またはそれらの改変された塩基(イノシンおよびシュードウラシル
を含む)の任意の配列であり得る。配列の選択は、所望の機能に依存し、そして
所望のコード領域、所望のイントロン様領域、および所望の調節領域によって検
出され得る。配列番号1〜316のうちのいずれか1つの配列全体が核酸内にあ
る場合、得られる核酸は、本明細書中で、配列番号1〜316のうちのいずれか
1つの配列を含むポリヌクレオチドといわれる。
【0032】 (全長cDNAまたは全長遺伝子によりコードされるポリペプチドの発現) 提供されるポリヌクレオチド(例えば、配列番号1〜316の1つの配列を有
するポリヌクレオチド)、対応するcDNA、または全長の遺伝子は、部分的な
または完全な遺伝子産物を発現するために使用される。配列番号1〜316の配
列を有するポリヌクレオチドの構築物はまた、合成的に生じ得る。あるいは、オ
リゴデオキシリボヌクレオチドの多数のメンバー由来の遺伝子およびプラスミド
全体の単段階アセンブリは、例えば、Stemmerら、Gene(Amste
rdam)(1995)164(1):49−53によって記載される。本方法
において、アセンブリPCR(オリゴデオキシリボヌクレオチド(オリゴ)の多
数のメンバー由来の長いDNA配列の合成)が記載される。この方法は、DNA
シャッフリング(Stemmer,Nature(1994)370:389−
391)に由来し、そしてDNAリガーゼに依存しないが、代わりにアセンブリ
プロセスの間により長いDNAフラグメントをますます構築するためのDNAポ
リメラーゼに依存する。
【0033】 適切なポリヌクレオチド構築物は、例えばSambrookら、Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual,第2版、
(1989)Cold Spring Harbor Press,Cold
Spring Harbor,NYに記載されるような標準的組換えDNA技術
を用いて、および United States Dept.of HHS,
National Institute of Health(NIH)Gui
delines for Recombinant DNA Research
に記載される現行の規則の下で、精製される。本発明のポリヌクレオチドにより
コードされる遺伝子産物は、いずれかの発現系(例えば、細菌、酵母、昆虫、両
生類および哺乳動物系を含む)において発現される。ベクター、宿主細胞、およ
びそれらにおいて発現を得るための方法は、当該分野で周知である。適切なベク
ターおよび宿主細胞は、米国特許第5,654,173号に記載される。
【0034】 本明細書に提供されるポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子は、
一般に、ベクター中にこの分子を配置することによって増殖される。ウイルスお
よび非ウイルスベクター(プラスミドを含む)が使用される。プラスミドの選択
は、増殖が所望される細胞の型および増殖の目的に依存する。特定のベクターは
、大量の所望のDNA配列を増幅および作製するために有用である。他のベクタ
ーは、培養中の細胞における発現に適切である。さらなる他のベクターは、動物
全体またはヒトの細胞における転移および発現に適切である。適切なベクターの
選択は、十分に当該分野の技術の範囲内である。多くのこのようなベクターは、
市販されている。所望の配列を含むベクターの調製のための方法は、当該分野で
周知である。
【0035】 配列番号1〜316に記載のポリヌクレオチドまたはそれらの対応する全長ポ
リヌクレオチドは、所望の発現特性を得るために適切なように、調節配列に連結
される。これらは、プロモーター(センス鎖の5’末端またはアンチセンス鎖の
3’末端のいずれかで付着される)、エンハンサー、ターミネーター、オペレー
ター、リプレッサー、およびインデューサーを含み得る。プロモーターは、調節
され得るか、または構成性であり得る。いくつかの状況では、条件的活性プロモ
ーター(例えば、組織特異的または発生期特異的プロモーター)を使用すること
が望ましいとされ得る。これらは、ベクターへの連結のために上述した技術を使
用して、所望のヌクレオチド配列に連結される。当該分野で公知の任意の技術が
用いられ得る。
【0036】 上記の宿主細胞のいずれか、または他の適切な宿主細胞もしくは生物が、本発
明のポリヌクレオチドまたは核酸を複製し、かつ/または発現させるために用い
られる場合、得られた複製された核酸、RNA、発現されたタンパク質またはポ
リペプチドは、宿主細胞または生物の産物として、本発明の範囲内にある。この
産物は、当該分野で公知の任意の適切な手段によって回収される。
【0037】 選択されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子がいったん同定されると、その
発現は、その遺伝子がネイティブである細胞において調節され得る。例えば、細
胞の内因性遺伝子は、米国特許第5,641,670号に開示されるように外因
性調節配列によって調節され得る。
【0038】 (公的に入手可能なデータベースに対してスクリーニングされる、新規遺伝子
の機能的および構造的モチーフの同定) 提供されたポリヌクレオチド、cDNA、または完全遺伝子のヌクレオチド配
列の翻訳物を、個々の既知配列と整列し得る。個々の配列との類似性が、本発明
のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの活性を決定するために
使用され得る。また、1つより多い個々の配列との類似性を呈示する配列は、個
々の配列のいずれか、または両方に特徴的な活性を呈示し得る。
【0039】 最も近い隣接物のポリヌクレオチド配列の全長配列およびフラグメントは、提
供されたポリヌクレオチドに対応する全長配列を同定し、そして単離するための
プローブおよびプライマーとして使用され得る。最も近い隣接物は、提供された
ポリヌクレオチドに対応する全長配列のためのライブラリーを構築するために使
用され得る組織または細胞型を示し得る。
【0040】 代表的には、選択されたポリヌクレオチドは、個々の配列との最良の整列を決
定するために、6つ全てのフレームで翻訳される。配列表において本明細書中に
開示された配列は、5’から3’への方向であり、そして3つのフレームでの翻
訳で十分であり得る(実施例に記載のような少数の特定の例外はあるが)。これ
らのアミノ酸配列を、一般に、「問い合わせ(query)配列」と称し、これ
は、個々の配列と整列される。個々の配列を有するデータベースは、「Comp
uter Methods for Macromolecular Sequ
ence Analysis」 Methods in Enzymology
(1996)266、Doolittle、Academic Press,I
nc.a division of Harcourt Brace & Co
.,San Diego、California、USAに記載されている。デ
ータベースは、GenBank、EMBL、およびDNA Database
of Japan(DDBJ)を包含する。
【0041】 問い合わせ配列および個々の配列は、上記の方法およびコンピュータープログ
ラムを用いて整列され得、そしてBLAST2.0(National Cen
ter for Biotechnology Information(これ
は、National Library of Medicine and t
he National Institutes of Healthに支持さ
れる)によって支持されるサイトにおいてワールドワイドウェブで利用可能)を
含む。Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997
)25:3389−3402もまた参照のこと。別の整列アルゴリズムは、Fa
sta(Genetics Computing Group(GCG)パッケ
ージで利用可能、Madison、Wisconsin、USA、Oxford
Molecular Group、Inc.の完全所有子会社)である。整列
のための他の技術は、Doolittle、前出に記載される。好ましくは、配
列中のギャップを可能にする整列プログラムが、配列を整列させるために利用さ
れる。Smith−Watermanは、配列整列中のギャップを可能にするア
ルゴリズムの1つの型である。Meth.Mol.Biol.(1997)70
:173−187を参照のこと。また、NeedlemanおよびWunsch
整列法を用いるGAPプログラムが、配列を整列させるために利用され得る。代
替的検索ストラテジーは、MPSRCHソフトウェアを使用する。これは、MA
SPARコンピューターで実行する。MPSRCHは、大規模並行コンピュータ
ーにおいて配列をスコア付けするためにSmith−Watermanアルゴリ
ズムを使用する。このアプローチは、遠いと関連付けられた適合である配列を同
定する能力を改善し、そして小さなギャップおよびヌクレオチド配列誤差に特に
寛容である。提供されたポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列は
、タンパク質データベースおよびDNAデータベースの両方を検索するために使
用され得る。DNA配列データベースまたはタンパク質配列データベース(特許
データベース(例えば、GeneSeq)を含む)のいずれかにより、本出願の
出願日当時に公になった全ての配列は、本明細書中に参考として援用される。本
出願の出願日当時にこれらのデータベースに寄託されたが、本出願の出願日以降
ずっと公にならなかった配列もまた、参考として援用される。
【0042】 個々の配列および問い合わせ配列の整列の結果は、高類似性、弱類似性、およ
び類似性なしの3つのカテゴリーに分けられ得る。高類似性から弱類似性までの
範囲の個々の整列結果は、ポリペプチド活性および/または構造を決定するため
の基礎を提供する。個々の結果をカテゴライズするためのパラメーターは、以下
を含む:最も強い整列が見出される整列領域長の百分率、配列同一性パーセント
、およびp値。整列領域長の百分率は、最も強い整列の領域(例えば、整列した
問い合わせ配列の対応する領域の残基と同一である残基の最も多くの数を含む個
々の配列の連続的な領域)において見出された個々の配列の残基数を計数するこ
とによって算定される。この数を、問い合わせ配列の全残基長で割って、百分率
を算定する。例えば、20アミノ酸残基の問い合わせ配列を、個々の配列の20
アミノ酸領域と整列し得る。個々の配列は、問い合わせ配列のアミノ酸残基5、
9〜15、および17〜19に同一であり得る。従って、最も強い整列の領域は
、残基9〜19に伸長する領域である11アミノ酸ストレッチである。整列領域
長の百分率は、以下の通りである:11(最も強い整列の領域の長さ)を20(
問い合わせ配列の長さ)で割ったもの、すなわち55%。
【0043】 配列同一性パーセントは、問い合わせ配列と個々の配列との間のアミノ酸適合
の数を計数し、そして適合の総数を最も強い整列の領域において見出された個々
の配列の残基数で割ることによって算定される。従って、上記の例における同一
性パーセントは、10適合を11アミノ酸で割ったもの、すなわち約90.9%
である。
【0044】 p値は、整列が偶然に生じた確率である。単整列については、p値は、Kar
linら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1990)87:226
4およびKarlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1993
)90に従って算定され得る。同じ問い合わせ配列を用いる多重整列のp値は、
Altschulら、Nat.Genet.(1994)6:119に記載の発
見的アプローチを用いて算定され得る。BLASTプログラムのような整列プロ
グラムがp値を算定し得る(Altschulら、Nucleic Acids
Res.(1997)25:3389−3402もまた参照のこと)。
【0045】 同一性または類似性を決定することについて考慮する別の要因は、類似性また
は同一性の位置選定である。強い局地的な整列は、たとえ整列の長さが短かった
としても、類似性を示し得る。問い合わせ配列の長さ全体にわたって分散された
配列の同一性もまた、問い合わせ配列とプロフィール配列との間で類似性を示し
得る。配列が整列する領域の境界は、Doolittle、前出;BLAST2
.0(例えば、Altschulら、Nucleic Acids Res.(
1997)25:3389−3402を参照のこと)もしくはFASTプログラ
ムに従って;または配列同一性が最も高い領域を決定することによって、決定さ
れ得る。
【0046】 (高類似性) 一般に、高類似性であるとみなされる整列結果では、整列領域
長のパーセントは、問い合わせ配列の全長の、代表的には、少なくとも約55%
;より代表的には、少なくとも約58%;ずっとより代表的には、問い合わせ配
列の全残基長の少なくとも約60%である。通常、整列領域の長さのパーセント
は、約62%程度の多さ;より通常には、約64%程度の多さ;ずっとより通常
には、約66%程度の多さであり得る。さらに、高類似性について、整列の領域
は、代表的には、少なくとも約75%の配列同一性;より代表的には、少なくと
も約78%;よりずっと代表的には、少なくとも約80%の配列同一性を示す。
通常、配列同一性パーセントは、約82%程度の多さ;より通常には、約84%
程度の多さ;ずっとより通常には、約86%程度の多さであり得る。
【0047】 p値は、これらの方法と併用して使用される。高類似性が見出された場合、p
値が約10−2以下であり;より通常には、約10−3以下であり;ずっとより
通常には、約10−4以下である場合、問い合わせ配列は、プロフィール配列と
高い類似性を有するとみなされる。より代表的には、問い合わせ配列が、類似性
が高いとみなされるには、p値は、約10−5を超えず;より代表的には、約1
−10以下であり;ずっとより代表的には、約10−15以下である。
【0048】 (弱い類似性)一般に、整列結果が弱い類似性であると考慮される場合、整列
領域の長さの最小のパーセントも整列の最小の長さも存在しない。弱い配列類似
性をより充分に示すことは、整列の領域が代表的に、少なくとも約15アミノ酸
残基長;より代表的に、少なくとも約20;さらにより代表的に;少なくとも約
25アミノ酸長である場合に考慮される。通常、整列領域の長さは、約30程度
のアミノ酸残基;より通常、約40程度;さらにより通常、約60程度のアミノ
酸残基であり得る。さらに、弱い類似性について、整列の領域は、代表的に、少
なくとも約35%の配列同一性;より代表的に、少なくとも約40%;さらによ
り代表的に;少なくとも約45%の配列同一性を示す。通常、配列同一性のパー
セントは、約50%程度;より通常、約55%程度;さらにより通常、約60%
程度であり得る。
【0049】 低い類似性が見出される場合、問合せ配列は、p値が通常、約10−2未満で
あるかまたはこれに等しい場合;より通常には;約10−3未満であるかまたは
これに等しい場合;さらにより通常には;約10−4未満であるかまたはこれに
等しい場合に、プロフィール配列と弱い配列類似性を有すると考慮される。より
代表的には、弱い類似性であることが考慮される問合せ配列について、p値は、
約10−5を超えず:より通常には;約10−10を超えないかまたはこれに等
しく;さらにより通常には;約10−15を超えないかまたはこれに等しい。
【0050】 (配列同一性単独によって決定される類似性)配列同一性のみが、個々の配列
に対する問合せ配列の類似性を決定するために使用され得、そしてその配列の活
性を示し得る。このような整列は、好ましくは配列を整列するためにギャップを
許容する。代表的に、問合せ配列は、問合せ配列全体にわたる配列同一性が、少
なくとも約15%;より代表的に、少なくとも約20%;さらにより代表的に、
少なくとも約25%;さらにより代表的に、少なくとも約50%である場合、プ
ロフィール配列に関連する。類似性の尺度として、配列同一性単独は、問合せ配
列が通常、少なくとも80残基長;より通常、90残基;さらにより通常、少な
くとも95アミノ酸残基長である場合に最も有用である。より代表的に、類似性
は、問合せ配列が好ましくは100残基長;より好ましくは、120残基長;さ
らにより好ましくは、150アミノ酸残基長である場合に、配列同一性単独に基
づいて結論され得る。
【0051】 (プロフィール配列および複数の整列された配列との整列)提供されるポリヌ
クレオチドの翻訳物は、タンパク質ファミリーまたは共通のモチーフのいずれか
を規定するアミノ酸プロフィールを用いて整列され得る。また、提供されるポリ
ヌクレオチドの翻訳物は、タンパク質ファミリーまたはモチーフのメンバーのポ
リぺプチド配列を含有する複数の配列整列(MSA)に対して整列され得る。プ
ロフィール配列またはMSAとの類似性または同一性は、提供されるポリヌクレ
オチドまたは対応するcDNAもしくは遺伝子によってコードされる遺伝子産物
(例えば、ポリぺプチド)の活性を決定するために使用され得る。例えば、ケモ
カインプロフィールまたはMSAと同一性および類似性を示す配列は、ケモカイ
ン活性を示し得る。
【0052】 プロフィールは、(1)ファミリーに属するメンバーのアミノ酸配列の整列で
あるMSAを作製し、そして(2)整列の統計学的表示を構築することによって
、手動で設計され得る。このような方法は、例えば、Birneyら、Nucl
.Acid Res.(1996)24(14):2730−2739において
記載される。いくつかのタンパク質ファミリーおよびモチーフのMSAは、公的
に利用可能である。thw Washington University S
chool of Medicineのthe Genome Sequenc
ing Centerは、547個の異なるファミリーおよびモチーフのMSA
を含む、ウェブセット(Pfam)を提供する。これらのMSAはまた、Son
nhammerら、Proteins(1997)28:405−420におい
て記載される。ワールドワイドウェブにおける他の供給源としては、the E
uropean Molecular Biology Laboratori
es(Heidelberg,Germany)によって支持されるサイトが挙
げられる。これらのMSAの簡潔な記載は、Pascarellaら、Prot
.Eng.(1996)9(3):249−251において報告される。MSA
からのプロフィールを構築するための技術は、Sonnhammerら、前出;
Birneyら、前出:および「高分子配列分析のためのコンピュータ法」、M
ethod in Enzymology(1996)266、Doolitt
le,Academic Press、Inc.San Diego、Cali
fornia、USAにおいて記載される。
【0053】 問合せ配列とタンパク質ファミリーもしくはモチーフとの間の類似性は、(a
)プロフィールに対して問合せ配列を比較することによって、および/または(
b)ファミリーもしくはモチーフのメンバーと問合せ配列とを整列することによ
って、決定され得る。代表的に、Searchwiseのようなプログラムが、
プロフィールとしてもまた知られる複数の整列の統計学的表示に対して問合せ配
列を比較するために使用される(Birneyら、前出を参照のこと)。配列お
よびプロフィールを比較するための他の技術は、Sonnhammerら、前出
およびDoolittle、前出において記載される。
【0054】 次に、Fengら、J.Mol.Evol.(1987)25:351および
Higginsら、CABIOS(1989)5:151によって記載される方
法が、問合せ配列と、MSAとしてもまた知られるファミリーまたはモチーフの
メンバーとを整列するために使用され得る。配列整列は、任意の多様なソフトウ
ェアツールを使用して作製され得る。例としては、PileUPが挙げられ、こ
れは、複数の配列整列を作製し、そしてFengら、J.Mol.Evol.(
1987)25:351において記載される。別の方法のGAPは、Needl
emanら、J.Mol.Biol.(1970)48:443の整列法を使用
する。GAPは、配列の全体の整列に最も良好に適合される。第3の方法のBe
stFitは、Smithら、Adv.Appl.Math.(1981)2:
482の局所的な相同性アルゴリズムを使用して適合の数を最大にするようにギ
ャップを挿入することによって機能する。一般に、問合せ配列とプロフィールま
たはMSAとの間に類似性が存在するか否かを決定するために以下の因子が使用
される:(1)問合せ配列において見出される保存された残基の数、(2)問合
せ配列において見出される保存された残基のパーセント、(3)フレームシフト
の数、および(4)保存された残基間のスペーシング。
【0055】 配列の翻訳および整列の両方を行ういくつかの整列プログラムが、最も良好な
整列を生成するようにヌクレオチド配列を翻訳する場合、任意の数のフレームシ
フトを作製し得る。整列を作製するために必要とされるフレームシフトが少ない
ほど、問合せ配列とプロフィールまたはMSAとの間の類似性または同一性は強
い。例えば、フレームシフトなしから生じる弱い類似性は、2つのフレームシフ
トから生じる強力な類似性よりも、問合せ配列の活性または構造の良好な指示で
あり得る。好ましくは、3つ以下のフレームシフトが、整列において見出され;
より好ましくは2つ以下のフレームシフト;さらにより好ましくは、1つ以下の
フレームシフト;さらにより好ましくはフレームシフトなしが、問合せ配列とプ
ロフィールまたはMSAとの整列において見出される。
【0056】 保存された残基は、ファミリーまたはモチーフのメンバーの全てまたはいくつ
かにおいて特定の位置で見出されるアミノ酸配列である。あるいは、位置は、ア
ミノ酸のあるクラスのみがファミリーメンバーの全てまたはいくつかにおいて特
定の位置で見出される場合、保存されていると考えられる。例えば、N末端の位
置は、リジン、アルギニン、またはヒスチジンのような正に荷電されたアミノ酸
を含み得る。
【0057】 代表的に、ポリぺプチドの残基は、アミノ酸または単一のアミノ酸のクラスが
、全てのクラスメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくと
も約50%;さらにより代表的にメンバーのうちの少なくとも約60%において
、特定の位置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは
単一のアミノ酸がファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約7
0%;より通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;
さらにより通常、少なくとも約95%において見出される場合、保存されている
【0058】 残基は、3つの非関連のアミノ酸;より通常、2つの非関連のアミノ酸が、メ
ンバーのうちのいくつかまたは全てにおいて特定の位置で見出される場合、保存
されていると考えられる。これらの残基は、非関連のアミノ酸が、全てのクラス
のメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくとも約50%;
さらにより代表的に、メンバーのうちの少なくとも約60%において、特定の位
置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは単一のアミ
ノ酸が、ファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約70%;よ
り通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;さらによ
り通常、少なくと約95%において見出される場合、保存されている。
【0059】 問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうちの少なくと
も約25%;より通常、少なくとも約30%;さらにより通常;少なくとも40
%を含む場合、問合せ配列はプロフィールまたはMSAに対して類似性を有する
。代表的に、問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうち
の少なくとも約45%;より代表的に、少なくとも約50%;さらにより代表的
に;少なくとも約55%を含む場合、問合せ配列はプロフィール配列またはMS
Aにより強い類似性を有する。
【0060】 (分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの同定) 本発明の分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの両方は、特に重要
である。例えば、分泌性ポリぺプチドのレベルは、都合のよい体液(例えば、血
液、血漿、血清、ならびに尿、前立腺液および精液のような他の体液)において
アッセイされ得る。膜結合性ポリぺプチドは、ワクチン抗原を構築するためにま
たは免疫応答を誘発するために有用である。このような抗原は、膜結合性ポリぺ
プチドの細胞外領域の全てまたは部分を含む。分泌性ポリぺプチドおよび膜結合
性ポリぺプチドの両方は、連続する疎水性アミノ酸のフラグメントを含むので、
疎水性を予測するアルゴリズムが、このようなポリぺプチドを同定するために使
用され得る。
【0061】 シグナル配列は通常、細胞の表面にポリぺプチドを指向するために、分泌性ポ
リぺプチド遺伝子および膜結合性ポリぺプチド遺伝子の両方によってコードされ
る。シグナル配列は通常、疎水性残基のストレッチを含む。このようなシグナル
配列は、らせん構造に折畳まれ得る。膜結合性のポリぺプチドは代表的に、膜を
横切り得る疎水性アミノ酸のストレッチを保有する少なくとも1つの膜貫通領域
を含む。いくつかの膜貫通領域はまた、らせん構造を示す。ポリぺプチド内の疎
水性フラグメントは、コンピュータアルゴリズムを使用することによって同定さ
れ得る。このようなアルゴリズムとしては、HoppおよびWoods、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA(1981)78:3824−382
8;KyteおよびDoolittle、J.Mol.Biol.(1982)
157:105−132;およびRAOARアルゴリズム、Degli Esp
ostiら、Eur.J.Biochem.(1990)190:207−21
9が挙げられる。
【0062】 分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドを同定する別の方法は、全部
の6フレームにおいて本発明のポリヌクレオチドを翻訳し、そして少なくとも8
個の連続する疎水性アミノ酸が存在するか否かを決定することである。少なくと
も8個の;より代表的には、10個の;さらにより代表的には、12個の連続す
る疎水性アミノ酸を有するこれらの翻訳されたポリぺプチドは、推定の分泌性ポ
リぺプチドまたは膜結合性ポリぺプチドのいずれかであることが考慮される。疎
水性アミノ酸としては、アラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイ
シン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプ
トファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。
【0063】 (全長遺伝子発現産物の機能の同定) リボザイム、アンチセンス構築物、およびドミナントネガティブ変異体が、本
明細書中で提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現産物の機能を決
定するために使用され得る。これらの方法および組成物は特に、提供される新規
なポリヌクレオチドが公知の機能の遺伝子をコードする配列に有意なおよび実質
的な相同性を示さない場合、有用である。アンチセンス分子およびリボザイムは
、合成ポリヌクレオチドから構築され得る。代表的に、オリゴヌクレオチド合成
のホスホルアミダイト法が使用される。Beaucageら、Tet.Lett
.(1981)22:1859および米国特許第4,668,777号を参照の
こと。合成のための自動化装置が、この化学薬品を使用してオリゴヌクレオチド
を合成するために利用可能である。このような装置の例としては、Applie
d Biosystems a division of Perkin El
mer Corp.、Foster City、California,USA
によるBiosearch 8600.392および394型;ならびにPer
ceptive Biosystems、Framingham、Massac
husetts、USAによるExpediteが挙げられる。合成RNA、リ
ン酸アナログオリゴヌクレオチド、および化学的に誘導体化されたオリゴヌクレ
オチドがまた生成され得、そして他の分子に共有結合的に付着され得る。RNA
オリゴヌクレオチドが、例えば、RNAホスホルアミダイトを使用して合成され
得る。この方法は、Applied Biosystems、392および39
4型、Foster City、California USAのような自動化
合成器において行われ得る。
【0064】 ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドもまた、アンチセンス構築のために合
成され得る。硫黄化試薬(例えば、アセトニトリル中のテトラエチルチウラム(
thiraum)ジスルフィド(TETD)が、室温で15分間以内でヌクレオ
チド間のシアノエチル亜リン酸エステルをホスホロチオエートトリエステルに変
換するために使用され得る。TETDは、インドール試薬を置換えるが、標準的
なホスホルアミダイト化学に使用される全ての他の試薬は同じままである。この
ような合成法は、例えば、Applied Biosystems、Model
392およびModel 394を使用して自動化され得る。
【0065】 200ヌクレオチド、より代表的に、100ヌクレオチド、より代表的に50
ヌクレオチド;さらにより代表的に30〜40ヌクレオチドまでのオリゴヌクレ
オチドが合成され得る。これらの合成フラグメントは、より大きなフラグメント
を構築するために一緒にアニールされ得、そして連結され得る。例えば、Sam
brookら、前出を参照のこと。トランス切断化触媒RNA(リボザイム)は
、エンドヌクレアーゼ活性を保有するRNA分子である。リボザイムは、特定の
標的に対して特異的に設計され、そして標的メッセージは特異的なヌクレオチド
配列を含まなければならない。これらは、細胞性RNAの背景において、任意の
RNA種を部位特異的に切断するように操作される。切断事象は、mRNAを不
安定にし、そしてタンパク質発現を妨げる。重要なことに、リボザイムは、イン
ビトロまたはインビボの状況における未知の機能を、表現型効果を検出すること
によって決定する目的のため、未知の機能の遺伝子の発現を阻害するために使用
され得る。1つの一般に使用されるリボザイムモチーフはハンマーヘッドであり
、これについての基質配列要件は極わずかである。ハンマーヘッドリボザイムの
設計、ならびにリボザイムの治療学的使用は、Usmanら、Current
Opin.Struct.Biol.(1996)6:527において開示され
る。リボザイム(ヘパリン構造のリボザイムフラグメントを含む)の生成のため
の方法、リボザイム特異性を増加する方法などは、当該分野において公知である
【0066】 リボザイムのハイブリダイズ領域は、HornおよびUrdea、Nucle
ic Acids Res.(1989)17:6959において記載されるよ
うに改変され得るか、または分岐化構造として調製され得る。リボザイムの基本
的な構造はまた、当業者によく知られる方法において化学的に変化され得、そし
て化学的に合成されたリボザイムは、モノマー単位によって改変される合成オリ
ゴヌクレオチド誘導体として投与され得る。治療学的状況において、リボザイム
のリポソーム媒介性の送達は、Birikhら、Eur.J.Biochem(
1997)245:1において記載されるように、細胞取込みを改善する。
【0067】 アンチセンス核酸は、RNAに特異的に結合するように設計され、RNA−D
NAハイブリッドまたはRNA−RNAハイブリッドの形成を生じ、DNAの複
製、逆転写、またはメッセンジャーRNAの翻訳の停止を伴う。選択されたポリ
ヌクレオチド配列に基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、対応する遺伝子の
発現を妨げ得る。アンチセンスポリヌクレオチドは代表的に、転写された鎖とし
てアンチセンス鎖を含むアンチセンス構築物からの発現によって細胞内に作製さ
れる。開示されるポリヌクレオチドに基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、
アンチセンスポリヌクレオチドに相補的な配列を含むmRNAを結合し、および
/またはその翻訳を妨げる。コントロール細胞およびアンチセンス構築物で処理
された細胞の発現産物は、そのアンチセンス構築物が基づくポリヌクレオチドに
対応する遺伝子のタンパク質産物を検出するために比較される。このタンパク質
は、慣用的な生化学的方法を使用して単離され、そして同定される。
【0068】 広範な背景文献およびアンチセンス治療における臨床学的経験を考慮して、当
業者は、さらなる潜在的な治療薬として本発明の選択されたポリヌクレオチドを
使用し得る。ポリヌクレオチドの選択は、癌性細胞のゲノムの「ホットスポット
」領域への結合について、先ずそれらを試験することによって狭められ得る。ポ
リヌクレオチドが「ホットスポット」に結合するとして同定される場合、対応す
る癌細胞においてポリヌクレオチドをアンチセンス化合物として試験することが
当然である。
【0069】 本明細書中に開示されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の機能を同定する
ための代替の方法として、ドミナントネガティブな変異が、ホモマルチマーとし
て活性である対応するタンパク質について容易に作製され得る。変異体ポリぺプ
チドは、野生型ポリぺプチド(他方の対立遺伝子から作製される)と相互作用し
、そして非機能的なマルチマーを形成する。従って、変異は、基質結合ドメイン
、触媒ドメイン、または細胞性局在化ドメインにおいてである。好ましくは、変
異体ポリぺプチドは過剰産生される。このような効果を有する点変異が作製され
る。さらに、タンパク質の末端に対して種々の長さの異なるポリぺプチドの融合
は、ドミナントネガティブな変異体を生じ得る。一般的なストラテジーが、ドミ
ナントネガティブな変異体を作製するために利用可能である(例えば、Hers
kowitz、Nature(1987)329:219を参照のこと)。この
ような技術は、機能喪失の変異を作製するために使用され得、これはタンパク質
の機能を決定するために有用である。
【0070】 (ポリぺプチドおよびその改変体) 本発明のポリぺプチドは、開示されるポリヌクレオチド、および開示されるポ
リヌクレオチドに対して、遺伝子コードの縮重に起因して、配列において同一で
ない核酸によってコードされるポリぺプチドを含む。従って、本発明は、配列番
号1〜316のいずれかの配列を有するポリヌクレオチドまたはその改変体によ
ってコードされるポリぺプチドを本発明の範囲内に含む。
【0071】 一般に、本明細書中で使用される場合、用語「ポリぺプチド」は、示されるポ
リヌクレオチドによってコードされる全長のポリぺプチド、示されるポリヌクレ
オチドによって示される遺伝子によってコードされるポリぺプチドの両方、およ
びそれらの部分またはフラグメントをいう。「ポリぺプチド」はまた、天然に存
在するタンパク質の改変体を含み、ここではこのような改変体は、天然に存在す
るタンパク質に相同であるかまたは実質的に類似し、そして天然に存在するタン
パク質と同じまたは異なる種(例えば、ヒト、マウス、または示されるポリぺプ
チドを天然に発現するいくつかの他の種、通常は、哺乳動物種)の起源であり得
る。一般に、改変体ポリぺプチドは、上記のパラメーターを使用してBLAST
2.0によって測定されるように、本発明の差示的に発現されるポリぺプチド
と、少なくとも約80%、通常は少なくとも約90%、およびより通常少なくと
も約98%の配列同一性を有する配列を有する。改変体ポリぺプチドは、天然に
グリコシル化されるか、または非天然にグリコシル化される(すなわち、ポリぺ
プチドは、対応する天然に存在するタンパク質において見出されるグリコシル化
パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する)。
【0072】 本発明はまた、開示されたポリぺプチドのホモログ(またはそれらのフラグメ
ント)を含み、ここでこのホモログは、他の種(すなわち、他の動物または植物
種)から単離され、このようなホモログは通常、哺乳動物種(例えば、マウス、
ラットのようなげっ歯類;家畜(例えば、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ);およびヒ
トである。「ホモログ」によって、上述で同定されるように特定の示差的に発現
されるタンパク質に対して少なくとも約35%、通常は少なくとも約40%、お
よびより通常は少なくとも約60%のアミノ酸配列同一性を有するポリぺプチド
が意味され、ここでは配列同一性は、前出に記載されるパラメーターを用いるB
LAST 2.0アルゴリズムを使用して決定される。
【0073】 一般に、本発明のポリぺプチドは、天然に存在しない環境(例えば、それらの
天然に存在する環境から分離された)において提供され、。特定の実施形態にお
いて、本発明のタンパク質は、コントロールと比較して、そのタンパク質につい
て富化された組成物中に存在する。それ自体、精製されたポリぺプチドが提供さ
れ、ここでは精製されたとは、タンパク質が非示差的に発現されたポリぺプチド
が実質的にない組成物中に存在することを意味し、ここで実質的にないとは、そ
の組成物の90%未満、通常は60%未満、およびより通常は50%未満が、非
示差的発現されるポリぺプチドから構成されることを意味する。
【0074】 また本発明の範囲内にあるのは、改変体であり;ポリぺプチドの改変体は、変
異体、フラグメント、および融合物を含む。変異体は、アミノ酸の置換、付加、
または欠失を含む。アミノ酸の置換は、保存的なアミノ酸の置換、または非必須
アミノ酸を排除するための(例えば、グリコシル化部位、リン酸化部位、もしく
はアセチル化部位を変化するため)置換、または機能について必須ではない1つ
以上のシステイン残基の置換または欠失によって誤った折畳みを最小にするため
の置換であり得る。保存的なアミノ酸の置換は、全体的な電荷、疎水性/親水性
、および/または置換されるアミノ酸の立体的なバルクを保存する置換である。
改変体は、タンパク質の特定の領域(例えば、機能的ドメインおよび/または、
ポリぺプチドがタンパク質ファミリーのメンバーである場合、コンセンサス配列
と関連する領域)の増強された生物学的活性を、保持するかまたは有するように
設計され得る。改変体の生成のためのアミノ酸変化の選択は、アミノ酸の接近可
能性(内部対外部)(例えば、Goら、Int.J.Peptide Prot
ein Res.(1980)15:211を参照のこと)、改変体ポリぺプチ
ドの熱安定性(例えば、Querolら、Prot.Eng.(1996)9:
265を参照のこと)、所望のグリコシル化部位(例えば、OlsenおよびT
homsen、J.Gen.Microbiol.(1991)137:579
を参照のこと)、所望のジスルフィド架橋(例えば、Clarkeら、Bioc
hemistry(1993)32:4322;およびWakarchukら、
Protein Eng.(1994)7:1379を参照のこと)、所望の金
属結合部位(例えば、Tomaら、Biochemistry(1991)30
:97、およびHaezerbrouckら、Protein Eng.(19
93)6:643を参照のこと)、ならびにプロリンループ内での所望の置換(
例えば、Masulら、Appl.Env.Microbiol.(1994)
60:3579を参照のこと)に基づき得る。システイン涸渇されたムテインは
、米国特許第4,959,314号において記載されるように生成され得る。
【0075】 改変体はまた、本明細書中に開示されるポリぺプチドのフラグメント、特に生
物学的に活性なフラグメントおよび/または機能的ドメインに対応するフラグメ
ントを含む。目的のフラグメントは、代表的に、少なくとも約10アミノ酸長か
ら少なくとも約15アミノ酸長、通常少なくとも約50アミノ酸長であり、およ
び300アミノ酸長以上であり得るが、通常約1000アミノ酸長を超えず、こ
こではフラグメントは、任意の配列番号1〜316のいずれかの配列を有するポ
リヌクレオチドまたはそれらのホモログによってコードされるポリぺプチドに同
一であるアミノ酸のストレッチを有する。本明細書中に記載されるタンパク質改
変体は、本発明の範囲内であるポリヌクレオチドによってコードされる。遺伝子
コードは、対応する改変体を構築するために適切なコドンを選択するために使用
され得る。
【0076】 (コンピュータに関連する実施形態) 一般に、ポリヌクレオチドのライブラリーは、配列情報のコレクションであり
、その情報は、生化学的形態において(例えば、ポリヌクレオチド分子のコレク
ションとして)、または電気的形態において(例えば、コンピュータ読み出し可
能な形態で記憶されているポリヌクレオチド配列のコレクションとして、コンピ
ュータシステム中のものとして、および/またはコンピュータプログラムの部分
として)のいずれかで提供される。ポリヌクレオチドの配列情報は、例えば、遺
伝子発見のための資源として、選択された細胞型において発現される配列の表示
として(例えば、細胞型のマーカー)、および/または所与の疾患もしくは疾患
状態のマーカーとして、多様な方法において使用され得る。一般に、疾患マーカ
ーは、正常細胞(例えば、疾患によって実質的に影響されない同じまたは類似の
型の細胞)に比べて上昇されたまたは減少されたレベルのいずれかで、疾患によ
って影響される全ての細胞に存在する遺伝子産物の表示である。例えば、ライブ
ラリーにおけるポリヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチドによってコードされ
るmRNA、ポリぺプチド、または他の遺伝子産物を示すポリヌクレオチドであ
り得、正常な(すなわち、実質的に疾患のない)乳房細胞に比べて、癌によって
影響される乳腺細胞(breast ductal cell)において過剰発
現されるかまたは抑制発現されるかのいずれかである。
【0077】 ライブラリーのヌクレオチド配列情報は、任意の適切な形態(例えば、電気的
形態または生化学的形態)において具現化され得る。例えば、電気的形態におい
て具現化される配列情報のライブラリーは、例えば、i)癌細胞と正常細胞との
間で;ii)癌細胞と形成異常細胞との間で;iii)癌細胞と癌以外の疾患ま
たは状態によって影響される細胞との間で;iv)転移性の癌細胞と正常細胞お
よび/もしくは非転移性の癌細胞との間で;v)悪性癌細胞と非悪性の癌細胞(
もしくは正常細胞)との間で、ならびに/またはvi)正常細胞と比較した形成
異常細胞で、示差的発現される(例えば、過剰発現されるまたは抑制発現される
)遺伝子の代表的なヌクレオチド配列を含む、アクセス可能なコンピュータデー
タファイル(または生化学的形態において、核酸分子のコレクション)を含む。
種々の疾患または疾患の段階によって影響される細胞の他の組み合わせおよび比
較は、当業者に容易に明らかである。ライブラリーの生化学的実施形態は、ライ
ブラリー中に遺伝子の配列を有する核酸のコレクションを含み、ここでは核酸は
、以下により詳細に記載されるように、ライブラリー中の遺伝子全体またはその
フラグメントに対応し得る。
【0078】 本発明のポリヌクレオチドライブラリーは、一般に、複数のポリヌクレオチド
配列の配列情報を含み、ここでは少なくとも1つのポリヌクレオチドは、配列番
号1〜316のいずれかの配列を有する。複数とは、少なくとも2つ、通常少な
くとも3つが意味され、そして配列番号1〜316の全てまでを含み得る。ライ
ブラリー中のポリヌクレオチドの長さおよび数は、例えば、ライブラリーがオリ
ゴヌクレオチドアレイ、cDNAアレイ、配列情報のコンピュータデータベース
などであるかどうかで、ライブラリーの性質とともに変化する。
【0079】 そのライブラリーが、電子ライブラリーである場合、その核酸配列情報は、多
様な媒体において存在し得る。「媒体」は、分離された核酸分子以外の、本発明
の配列情報を包含する製品をいう。そのような製品は、配列が核酸において存在
するように、その配列に間接的に適用できない手段によって実施され得る形態に
おいて、ゲノム配列、またはゲノム配列の部分集合を提供する。例えば、本発明
のヌクレオチド配列(例えば、配列番号1−316のいずれかのポリヌクレオチ
ドの核酸配列)を、コンピューター読み取り可能な媒体(例えば、直接的にコン
ピュータによって読まれ得、および利用され得る任意の媒体)に記録し得る。そ
のような媒体としては:フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク記憶
媒体、および磁気テープのような磁気記憶媒体;CD−ROMのような光学記憶
媒体;RAMおよびROMのような電気記憶媒体;ならびに磁気/光学記憶媒体
のようなこれらの分類の混成物が挙げられるが、これらに限定されない。当業者
は、どのように現在公知のいずれかのコンピューター読み取り可能な媒体が使用
されて、現在の配列情報の記録を包含する製品を創造しうるかを容易に理解し得
る。「記録された」は、当該分野で公知のように、任意のそのような方法を使用
し、コンピューター読み取り可能な媒体に情報を保存するためのプロセスをいう
。任意の便利なデータ記憶構造は、その保存情報を利用するために使用される手
段に基づき、選択され得る。多様なデータ処理装置プログラム、または処理形成
は、記憶(例えば、文字処理テキストファイル、データベース形式など)のため
に使用され得る。配列情報に加えて、本発明のライブラリーの電子版は、他のコ
ンピューター読み取り可能な情報、および/または他の型のコンピューター読み
取り可能なのファイル(例えば、例として検索プログラムソフトウェアなどを包
含するが、これらに限定されない検索可能なファイル、実行可能なファイルなど
)とともにこれらと関連して提供され得る。
【0080】 コンピューター読み取り可能な形態においてヌクレオチド配列を提供すること
によって、その情報は、多様な目的のために利用され得る。配列情報を利用する
ためのコンピューターソフトウェアは、公に入手可能である。例えば、サイベー
スシステムのギャップ化BRAST(Altschul et al.Nucl
eic Acids Res.(1997)25:3389−3402)検索ア
ルゴリズム、およびBLAZE(Brutlag et al.Comp.Ch
em.(1993)17:203)検索アルゴリズムは、他の生物からのオープ
ンリーディングフレーム(ORF)に相同性を含むゲノムの中のORFを同定す
るために使用され得る。
【0081】 本明細書中で使用される「コンピューターベースシステム」は、本発明のヌク
レオチド配列情報を解析するために使用されるハードウェア手段、ソフトウェア
手段、およびデータ記憶手段をいう。本発明のコンピューターベースシステムの
最小のハードウェアは、中央演算処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、お
よびデータ記憶手段を含む。当業者は、現在入手可能なコンピューターベースシ
ステムの任意の1つが、本発明における使用に関して適切であることを容易に理
解し得る。データ記憶手段は、上記に記載された本発明の配列情報の記録を含む
任意の製品、またはそのような製品を利用し得るメモリアクセス手段を含み得る
【0082】 「検索手段」は、コンピューターベースシステムで実行される、保存された配
列情報を用いて、標的配列、または標的構造モチーフ、またはサンプル中のポリ
ヌクレオチドの発現レベルを比較する1以上のプログラムをいう。検索手段は、
特定の標的配列、または特定の標的モチーフと適合するゲノムのフラグメントま
たは領域を同定するために使用され得る。多様な公知のアルゴリズムが一般的に
知られ、そして市販されている(例えば、MacPattern(EMBL)、
BLASTNおよびBLASTX(NCBI))。「標的配列」は、6以上の連
続するヌクレオチドまたは2以上のアミノ酸、好ましくは、約10から100ア
ミノ酸、または約30から300ntの任意のポリヌクレオチド、またはアミノ
酸配列であり得る。多様な比較手段は、データ記憶手段を用いてサンプルからの
配列情報の比較を成し遂げるために(例えば、標的配列、標的モチーフ、または
相対的な発現レベルを解析するため)の使用され得る。当業者は、公に入手可能
な相同性検索プログラムの任意の1つが、標的配列および標的モチーフの比較を
成し遂げる本発明のコンピューターベースシステムのための検索手段として使用
され得ることは、容易に認識され得る。サンプルにおける、またコントロールに
おける発現レベルを解析するためのコンピュータープログラムもまた、当該分野
で公知である。
【0083】 「標的構造モチーフ」または「標的モチーフ」は、任意の合理的に選択される
配列、または配列の組合わせをいい、「標的構造モチーフ」または「標的モチー
フ」において、配列は、標的モチーフの折りたたみ、または制御部位もしくは活
性部位のコンセンサス配列を形成させる3次元配置に基づいて選択され得る。当
該分野で公知の多様な標的モチーフがある。タンパク質標的モチーフは、酵素活
性部位、およびシグナル配列を含むが、これらに限定されない。核酸標的モチー
フは、ヘアピン構造、プロモーター配列、および転写因子のための結合部位のよ
うな他の発現エレメントを含むが、これらに限定されない。
【0084】 入力手段および出力手段のための多様な構造的な形式は、本発明のコンピュー
ターベースシステムにおいて情報を入力、または出力するために使用され得る。
出力手段の形式の1つは、異なるポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを順位
づける。そのような提示は、遺伝子発現プロファイルを決定するための相対的な
発現レベルの順位づけを当業者に提供する。
【0085】 上記で議論されるように、本発明の「ライブラリー」はまた、配列番号1−3
16のポリヌクレオチド(例えば、提供されるポリヌクレオチドを表示する核酸
の収集)の生化学的なライブラリーを含む。生化学的なライブラリーは、多様な
形式(例えば、cDNAの溶解物、固体支持体の表面と安定して会合したプロー
ブ核酸のパターン(つまりアレイ)など)を取り得る。特に興味深いものは、核
酸アレイであり、それにおいて配列番号1−316のうちの1以上がアレイ上に
表示される。アレイが、その基材の一方の上に少なくとも2つの異なる核酸標的
を伴う少なくとも1つの基材を有する物品を意味されることによって、異なる核
酸の数は、かなり高く、代表的に少なくとも10ntであり、普段は少なくとも
20nt、およびしばしば少なくとも25ntであり得る。多様な異なるアレイ
の形式が、開発され、そして当業者に公知である。本発明のアレイは、上記に列
挙される例示的な特許文献において開示されるように、遺伝子発現解析、薬物ス
クリーニング、変異解析などを含む多様な適用における使用を見出す。
【0086】 上記の核酸ライブラリーに加えて、ポリペプチドのアナログライブラリーはま
た提供され、ここでライブラリーのポリペプチドは、配列番号1−316によっ
て登録されるポリペプチドの少なくとも1部分を示す。
【0087】 (有用性) (マッピング、および組織プロファイリングにおけるポリヌクレオチドプロー
ブの使用) ポリヌクレオチドプローブは、概して、配列表において示されるようなポリヌ
クレオチドの少なくとも12の連結するntを含み、ポリヌクレオチドの染色体
マッピング、および転写レベルの検出のような多様な目的のために使用される。
開示されたポリヌクレオチド配列の好ましい領域についてのさらなる開示は、実
施例において見出される。本明細書中に開示されるポリヌクレオチドに対して特
異的にハイブリダイズするプローブは、他の無関係な配列を提供したバックグラ
ウンドのハイブリダイゼーションより、少なくとも5倍、10倍、20倍高い検
出シグナルを提供すべきである。
【0088】 (発現レベルの検出) ヌクレオチドプローブは、提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発
現を検出するために使用される。ノザンブロットにおいて、mRNAを、電気泳
動的に分離し、そしてプローブと接続させる。プローブは、特定のサイズのmR
NA種にハイブリダイズするように検出される。ハイブリダイゼーションの量は
、(例えば特定の条件下で)発現の相対的な量を決定するために定量化される。
プローブは、発現を検出するための細胞にインサイチュ(in situ)ハイ
ブリダイゼーションするために使用され得る。プローブはまた、ハイブリダイズ
した配列の診断検出のためにインビボで使用される。他の型の検出可能な標識は
、発光団、蛍光、および酵素のような標識が使用され得る。プローブは、代表的
には、放射活性同位元素で標識される。ヌクレオチドハイブリダイゼーションア
ッセイの他の例は、WO92/02526および米国特許第5,124,246
号において記載される。
【0089】 あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)は、少量の標的核酸を検出する
ための別の方法である(例えば、Mullis et al.,Meth.En
zymol.(1987)155:335;米国特許第4,683,195号;
および米国特許第4,683,202号を参照のこと)。標的核酸とハイブリダ
イズする2つのプライマーポリヌクレオチド(ヌクレオチド)は、反応を開始す
るために使用される。そのプライマーは、配列表のポリヌクレオチドの中の配列
、または配列表のポリヌクレオチドに対する3’配列もしくはは5’配列を含み
得る。あるいは、プライマーが、これらのポリヌクレオチドに対して3’側およ
び5’側ならば、プライマーは、ポリヌクレオチド、または相補体に対してハイ
ブリダイズする必要はない。耐熱性のポリメラーゼを用いた標的の増幅の後、そ
の増幅された標的核酸は、当該分野で公知の方法(例えば、サザンブロット)に
よって検出され得る。mRNAまたはcDNAはまた、Sambrook et
al.,「Molecular Cloning:A Laboratory
Manual」(New York,Cold Spring Harbor
Laboratory,1989)(例えば、PCR増幅は除く)に記載され
る伝統的なブロッティング技術(例えば、サザンブロット、ノーザンブロットな
ど)によって検出され得る。一般的に、ポリメラーゼ酵素を使用するmRNAか
ら生成されるmRNA、またはcDNAは、ゲル電気泳動を使用して精製、およ
び分離され得、そしてニトロセルロースのような固体支持体に転写され得る。そ
の固体支持体は、標識されたプローブに曝され、任意のハイブリダイズしないプ
ローブを取り除くために洗浄され、そして標識されたプローブを含む二重鎖が検
出される。
【0090】 (マッピング) 本発明のポリヌクレオチドは、対応する遺伝子が存在する染色体を同定するた
めに使用され得る。そのようなマッピングは、公知の機能を有する他の遺伝子に
対して近いことによりポリヌクレオチド関連遺伝子の機能を同定することにおい
て有用であり得る。特定の症候群、または疾患を同一の染色体にマップする場合
、機能はまた、ポリヌクレオチド関連遺伝子に割り当てられ得る。例えば、また
は核酸配列異常の同定、または定量におけるポリヌクレオチドプローブの使用は
、米国特許第5,783,387において記載される。例示的なマッピング方法
は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)であり、その方法は
、DNA配列の相対的なコピーの数における変化の全ゲノムの評価を可能にする
比較ゲノムハイブリダイゼーションを促進する(例えば、Valdes et
al.,Methods in Molecular Biology(199
7)68:1を参照のこと)。ポリヌクレオチドはまた、例えば、放射線ハイブ
リッド、または染色体特異的ハイブリッドパネルを使用する特定の染色体に対し
てマッピングされ得る。Leach et al.,Advances in
Genetics,(1995)33:63〜99;Walter et al
.,Nature Genetics(1994)7:22;Walter a
nd Goodfellow,Trends in Genetics(199
2)9:352を参考のこと。放射線ハイブリッドマッピングのためのパネルは
、Research Genetics,Inc.,Huntsville,A
labama,USAから入手可能である。多様なパネルを使用するマーカーの
ためのデータベースは、Stanford Human Genome Cen
ter(Stanford University)、およびWhitehea
d Institute for Biomedical Reseach/M
IT Center for Genome Researchによって支持さ
れるサイトでワールドワイドウェブを介して入手可能である。系統学的プログラ
ムRHMAPは、1つの位数(order)対別の位数の相対的な尤度の測定を
用いて、放射能ハイブリダイゼーションからのデータに基づくマップを構築する
ために使用され得る。RHMAPは、Center for Statisti
cal Genetics at the University of Mi
chigan School of Public Healthによって支持
されるサイトでワールドワイドウェブを介して入手可能である。さらに、市販の
プログラムは、癌のような疾患に一般に関連する染色体の領域を同定するために
利用可能である。
【0091】 (組織型分類またはプロファイリング) 提供されるポリヌクレオチドに対応する特異的なmRNAの発現は、異なる細
胞の型において変化し得、そして組織特異的であり得る。異なる細胞の型におけ
るmRNAのレベルのこの多様性は、組織の型を決定するための核酸プローブア
ッセイに利用され得る。例えば、PCR、分枝DNAプローブアッセイ、または
配列において列挙されたポリヌクレオチドに対して実質的に同一、または相補的
な核酸プローブを利用するブロッテイング技術は、対応するcDNA、またはm
RNAの存在または非存在を決定し得る。
【0092】 組織型分類は、器官または組織の特定のマーカーの発現を同定することによっ
て、転移病変の発達器官または発達組織の供給源を同定するために使用され得る
。ポリヌクレオチドが、特異的な組織の型においてのみ発現され、そして転移病
変が、そのポリヌクレオチドを発現することが見出されると、病変の発達供給源
は、同定される。特定のポリヌクレオチドの発現は、対応するmRNA、または
タンパク質生成物のどちらかの検出によってアッセイされ得る。いずれの法医学
の科学者において容易に明らかであるように、本明細書中において開示される配
列は、ヒトでない組織からヒト組織を区別することにおいて有用である。特に、
これらの配列は、例えば、鳥類の組織、爬虫類の組織、および両生類の組織から
ヒト組織を区別するために有用である。
【0093】 (多型の使用) 本発明のポリヌクレオチドは、法医学的分析、遺伝学的分析
、マッピング、および診断的適用において使用され得、ここでは遺伝子の対応す
る領域は、ヒト集団における多型である。遺伝子における多型を検出するための
任意の手段が使用され得、これらとしては、タンパク質多型改変体の電気泳動、
制限酵素切断に対する示差的な感受性、および対立遺伝子特異的プローブへのハ
イブリダイゼーションが挙げられるが、これらに制限されない。
【0094】 (抗体産生) 本発明のポリヌクレオチド、および対応するmRNA、cDNA、または完全
な遺伝子の発現産物が調製され得、そして実験的な、診断的な、および治療学的
な目的のために抗体を惹起するために使用され得る。対応する遺伝子が割り当て
られていないポリヌクレオチドについて、これは対応する遺伝子を同定するため
のさらなる方法を提供する。ポリヌクレオチドまたは関連のcDNAは、上記の
ように発現され、そして抗体が調製される。これらの抗体は、ポリヌクレオチド
によってコードされるポリぺプチド上のエピトープに特異的であり、そして細胞
もしくは組織調製物において、またはインビトロ発現系の無細胞抽出物において
、対応するネイティブなタンパク質を沈澱し得るか、またはこれに結合し得る。
【0095】 選択された抗原に特異的に結合する抗体の産生のための方法は、当該分野にお
いて周知である。抗体を惹起するための免疫原は、本発明のポリヌクレオチドに
よってコードされるポリぺプチドをアジュバントともに混合することによって、
および/またはより大きな免疫原性タンパク質との融合タンパク質を作製するこ
とによって調製され得る。ポリぺプチドはまた、他のより大きな免疫原性タンパ
ク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)に共有結合的に連結され得
る。免疫原は典型的に、抗体を生成するために、皮内、皮下、または筋内で、実
験動物(例えば、ウサギ、ヒツジ、およびマウス)に投与される。モノクローナ
ル抗体は、脾細胞を単離し、骨髄腫細胞を融合してハイブリドーマを形成するこ
とによって作製され得る。あるいは、選択されたポリヌクレオチドが、例えば、
筋内注射によって直接的に投与され、そしてインビボで発現される。発現される
タンパク質は、種々のタンパク質特異的免疫応答(抗体の産生を含む)を生成し
、これは、タンパク質の投与に匹敵する。
【0096】 選択されたポリヌクレオチドによってコードされるポリぺプチドに特異的なポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製は、当該分野において公知の
標準的な方法を使用して作製される。抗体は、配列表において開示されるポリヌ
クレオチドによってコードされるポリぺプチドに存在するエピトープに特異的に
結合する。典型的に、少なくとも6、8、10、または12の連続するアミノ酸
が、エピトープを形成するために必要とされる。連続しないアミノ酸を含むエピ
トープは、より長いポリぺプチド(例えば、少なくとも15、25、または50
アミノ酸)を必要とし得る。提供されたポリぺプチドによってコードされるヒト
ポリぺプチドに特異的に結合する抗体は、ウェスタンブロットまたは他の免疫化
学的アッセイにおいて使用される場合、他のタンパク質を用いて提供される検出
シグナルよりも少なくとも5、10、または20倍高い検出シグナルを提供する
べきである。好ましくは、本発明のポリぺプチドに特異的な抗体は、免疫化学ア
ッセイにおいて、検出可能なレベルで他のタンパク質に結合せず、そして特定の
ポリぺプチドを溶液から免疫沈降し得る。
【0097】 本発明はまた、本発明のポリぺプチドに特異的な天然に存在する抗体を意図す
る。例えば、ヒト集団中の本発明のポリぺプチドに対する血清抗体は、当該分野
において周知の方法によって、例えば、対応する選択されたポリぺプチドまたは
融合タンパク質が結合されるカラムに抗血清を通すことによって、精製され得る
。次いで結合された抗体は、例えば、高塩濃度を有する緩衝液を使用して、カラ
ムから溶出され得る。
【0098】 上述で考察される抗体に加えて、本発明はまた、当該分野において周知の方法
に従う、遺伝子操作された抗体、抗体誘導体(例えば、単鎖抗体、抗体フラグメ
ント(例えば、Fabなど))を意図する。
【0099】 (診断のためのポリヌクレオチドまたはアレイ) ポリヌクレオチドアレイは、サンプル中の非常に多くのポリヌクレオチド配列
をアッセイし得る高処理量の技術を提供する。この技術は、診断として、および
示差的発現を試験するための道具として、例えば、コードされたタンパク質の機
能を決定するために使用され得る。アレイは、結合されたプローブを有する二次
元マトリクスまたはアレイにおいて、基材(例えば、ガラス、ニトロセルロース
など)上にポリヌクレオチドプローブをスポットすることによって作製され得る
。これらのプローブは、共有結合または非特異的な相互作用(例えば、疎水性相
互作用)のいずれかによって基材に結合され得る。ポリヌクレオチドのサンプル
は、検出可能に標識され得(例えば、放射性標識または蛍光標識を使用して)、
次いでこれらのプローブにハイブリダイズされ得る。二本鎖ポリヌクレオチドは
、プローブポリヌクレオチドに結合する標識されたサンプルポリヌクレオチドを
含み、一旦、サンプルの未結合の部分が洗浄して除かれると検出され得る。アレ
イを構築するための技術、およびこれらのアレイを使用する方法は、EP799
897;WO97/29212;WO97/27317;EP785 280
;WO97/02357:米国特許第5,593,839号;米国特許第5,5
78,832号;EP728 520;米国特許第5,599,695号;EP
721 016;米国特許第5,556,752号;WO95/22058;お
よび米国特許第5,631,734号において記載される。アレイは、例えば、
遺伝子の示差的発現を試験するために使用され得、そして遺伝子機能を決定する
ために使用され得る。例えば、アレイは、試験細胞とコントロール細胞との(例
えば、癌細胞と正常細胞との)間のポリヌクレオチドの示差的発現を検出するた
めに使用され得る。例えば、癌細胞における特定のメッセージの高い発現は、対
応する正常細胞において観察されず、癌特異的遺伝子産物を示し得る。アレイの
例示的な使用はさらに、例えば、Pappalaradoら、Sem.Radi
ation Oncol.(1998)8:217;およびRamsay Na
ture Biotechnol.(1998)16:40において記載される
【0100】 (診断における示差的な発現) 本発明のポリヌクレオチドはまた、例えば、ヒトにおける異常な組織または罹
患した組織を同定するための方法として、2つの細胞間の発現レベルにおける差
異を検出するために使用され得る。タンパク質ファミリーのプロフィールに対応
するポリヌクレオチドについて、組織の選択は、推定の生化学的機能に従って選
択され得る。一般に、特異的なポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現は、ヒ
トの、罹患したことが疑われる第1の組織と、第2の正常な組織との間で比較さ
れる。異常であることまたは罹患したことが疑われる組織は、ヒトの異なる組織
型に由来し得るが、好ましくはこれは、同じ組織型に由来し;例えば、腸ポリー
プまたは他の異常な増殖は、正常な腸組織と比較されるべきである。正常な組織
は、試験サンプルの組織と同じ組織、または患者の任意の正常な組織、特に目的
のポリヌクレオチド関連遺伝子を発現する組織(例えば、脳、胸腺、精巣、心臓
、前立腺、胎盤、脾臓、小腸、骨格筋、膵臓、および結腸の粘膜内層)であり得
る。例えば、分子量、アミノ酸配列もしくはヌクレオチド配列、または相対的量
において比較される2つの組織におけるポリヌクレオチド関連遺伝子、mRNA
、またはタンパク質の間の差異は、罹患したことが疑われるヒトの組織における
、遺伝子、またはこの遺伝子を調節する遺伝子における変化を示す。示差的発現
の検出および癌の診断におけるその使用の例は、米国特許第5,688,641
号および同第5,677,125号において記載される。
【0101】 ヒトにおける疾患に対する遺伝的素因はまた、胎児組織における本発明のポリ
ヌクレオチドに対応するmRNAまたはタンパク質の発現レベルと、正常な胎児
組織における関連するレベルとを比較することによって検出され得る。この目的
のために使用される胎児組織としては、羊水、絨毛膜絨毛、血液、およびインビ
トロで受精した胚の割球が挙げられるが、これらに限定されない。匹敵する正常
なポリヌクレオチド関連遺伝子は、任意の組織から得られる。mRNAまたはタ
ンパク質は、ポリヌクレオチド関連遺伝子が発現されるヒトの正常な組織から得
られる。胎児ポリヌクレオチド関連遺伝子もしくはmRNAの同じ産物のヌクレ
オチド配列または大きさにおける変化、または分子量、アミノ酸配列、もしくは
胎児タンパク質の相対的な量における変化のような差異は、胎児のポリヌクレオ
チド関連遺伝子における生殖系列の変異を示し得、これは、疾患に対する遺伝的
素因を示す。一般に、示差的発現に基づく本発明の診断、予後、および他の方法
は、疾患(例えば、乳癌、肺癌、結腸癌、および/またはこれらの転移形態)を
有することが疑われる、または疾患に罹患しやすい患者から得られる試験サンプ
ル中の、遺伝子産物、特に示差発現される遺伝子産物のレベルまたは量の検出、
ならびに正常細胞(例えば、癌に実質的に罹患していない細胞)および/または
他のコントロール細胞において見出されるレベルと検出されたレベルとの比較(
例えば、異形成症に罹患した細胞から癌細胞を区別するための)を包含する。さ
らに、疾患の重篤度は、示差発現される遺伝子産物の検出されたレベルと、疾患
の種々の程度の重篤度と相関する示差的な遺伝子産物のレベルを示すサンプル中
で検出されるレベルとを比較することによって評価され得る。本明細書中での用
語「診断」の使用は、「予後の」あるいは「予後」を排除することを必ずしも意
味せず、むしろ便宜のために使用されることに留意すべきである。
【0102】 用語「示差発現される遺伝子」は一般に、例えば、遺伝子産物(例えば、ポリ
ぺプチド)をコードするオープンリーディングフレーム、ならびに/またはこの
ような遺伝子のイントロン、および発現の調節に関与する隣接の5’および3’
非コードヌクレオチド配列(コード領域を超えて約20kbまでであるがいずれ
かの方向においておそらくそれ以上)を含み得るポリヌクレオチドを包含するこ
とが、意図される。この遺伝子は、染色体外での維持のために、または宿主ゲノ
ムへの組み込みのために、適切なベクターに導入され得る。一般に、少なくとも
約25%、通常少なくとも約50%〜70%、より通常には少なくとも約90%
以上の発現レベルにおける減少と相関する発現レベルにおける差異は、示差発現
される目的の遺伝子(すなわち、コントロールサンプルと比較して試験サンプル
中で発現が低いかまたはダウンレギュレートされる遺伝子)を示す。さらに、コ
ントロールサンプルと比較して、少なくとも約25%、通常少なくとも約50%
〜75%、より通常には少なくとも約90%の発現の増加と相関する発現レベル
における差異は、少なくとも約1と1/2倍、通常少なくとも約2倍〜約10倍
であり得、そして約100倍〜約1000倍の増加であり得、このことは、示差
発現される目的の遺伝子(すなわち、過剰発現されるまたはアップレギュレート
される遺伝子)を示す。
【0103】 本明細書中で使用されるように「示差発現されるポリヌクレオチド」は、示差
発現される遺伝子を示す配列を含む核酸分子(RNAまたはDNA)を意味し、
例えば、示差発現されるポリヌクレオチドは、サンプル中の示差発現されるポリ
ヌクレオチドの検出が、サンプル中の示差発現される遺伝子の存在と相関するよ
うに、示差発現される遺伝子を独特に同定する配列(例えば、遺伝子産物をコー
ドするオープンリーディングフレーム)を含む。「示差発現されるポリヌクレオ
チド」はまた、開示されたポリヌクレオチドのフラグメント(例えば、生物学的
活性を保持するフラグメント)、および開示されたポリヌクレオチドに相同な、
実質的に類似の、または実質的に同一の(例えば、約90%の配列同一性を有す
る)核酸を包含することが意味される。
【0104】 本明細書中で使用される場合、「診断」は、一般に、疾患または障害に対する
被験体の罹患しやすさの決定、被験体が疾患または障害に現在罹患しているか否
かに関する決定、および疾患または障害に罹患した被験体の予後に関する決定(
例えば、転移前のもしくは転移性の癌の状態、癌の段階、または治療に対する癌
の応答性の同定)を含む。本発明は特に、乳癌(例えば、インサイチュ癌腫(例
えば、インサイチュ腺管癌)、エストロゲンレセプター(ER)−ポジティブ乳
癌、ER−ネガティブ乳癌、または乳癌の他の形態および/もしくは段階)、肺
癌(小細胞癌腫、非小細胞癌腫、中皮腫、および肺癌の他の形態および/もしく
は段階)、ならびに結腸癌(例えば、腺腫様ポリープ、結腸直腸癌腫、および結
腸癌の他の形態および/もしくは段階)に関する被験体の診断を含む。
【0105】 本明細書を通じて使用される場合、「サンプル」または「生化学的サンプル」
は一般に、生物学的液体または組織のサンプル、特に組織から、特に診断適用が
設計される疾患(例えば、腺管性腺癌(ductal adenocarcin
oma))と相関する細胞の型から得られるサンプルなどをいうことを意味する
。「サンプル」はまた、このようなサンプルの誘導体および画分(例えば、細胞
溶解物)を含むことが意味される。サンプルが固形組織である場合、組織の細胞
が解離され得るか、または組織切片が分析され得る。
【0106】 診断または予後において有用な本発明の方法は代表的に、遺伝子産物の発現に
おいて任意の相対的な差異を決定するための、目的のサンプル中の選択される示
差発現される遺伝子産物の量と、コントロールのその量との比較を包含し、ここ
ではその差異は、定性的におよび/または定量的に測定され得る。定量は、例え
ば、サンプル中に検出される発現産物のレベルと、標準曲線に存在する産物の量
とを比較することによって達成され得る。比較は;コンピューター処理の補助を
伴うかまたは伴わないデンシトメトリーのような技術を使用することによって;
試験サンプルから単離されたmRNAのcDNAクローンの代表的なライブラリ
ーを調製し、ライブラリー中のクローンを配列決定して同じ遺伝子産物に対応す
るcDNAクローンの数を決定し、そしてコントロールサンプル中の同じ遺伝子
産物のクローンの数に対して、同じ遺伝子産物に対応するクローンの数を分析す
ることによって;またはアレイを使用して、選択された配列もしくは配列のセッ
トへのハイブリダイゼーションの相対的なレベルを検出し、そしてハイブリダイ
ゼーションパターンをコントロールのハイブリダイゼーションパターンと比較す
ることによって、視覚的になされ得る。次いで、発現における差異は、異常な発
現パターンの存在または非存在と相関される。サンプル中の核酸の量を決定する
ための種々の異なる方法は、当業者に公知である(例えば、WO97/2731
7を参照のこと)。
【0107】 一般に、本発明の診断アッセイは、配列番号1〜316の配列に対応するポリ
ヌクレオチド配列の遺伝子産物(例えば、mRNA、またはポリぺプチド)の検
出を包含する。サンプルが得られる患者は、明らかに健常であり得るか、疾患(
例えば、家族病歴または特定の環境因子への曝露によって決定される)に罹患し
やすくあり得るか、または本発明の遺伝子産物の変化された発現と相関する状態
を有するとして既に同定され得る。
【0108】 診断は、配列番号1〜316において示される配列を有する、少なくとも1つ
の、好ましくは少なくとも2つ以上の、少なくとも3つ以上の、または少なくと
も4つ以上のポリヌクレオチドによってコードされる遺伝子産物の検出される遺
伝子産物の発現レベルに基づいて決定され得、そして配列番号1〜316の全て
、ならびに/またはさらなる診断マーカーおよび/もしくは参照配列として作用
し得るさらなる配列に対応する遺伝子の発現の検出を包含し得る。診断方法が、
癌の存在または癌に対する患者の罹患しやすさを検出するために設計される場合
、アッセイは好ましくは、癌において示差発現されるポリヌクレオチドに対応す
る遺伝子によってコードされる遺伝子産物の検出を包含する。このような示差発
現されるポリヌクレオチドの例は、以下の実施例において記載される。提供され
るポリヌクレオチドおよび本明細書中に提供されるそれらの相対的な発現レベル
に関する情報を考慮すれば、診断および予後において、このようなポリヌクレオ
チドおよびそれらの発現レベルの検出を使用するアッセイは、当業者に容易に明
らかである。
【0109】 任意の種々の検出可能な標識は、本発明の診断方法の種々の実施態様と関連し
て使用され得る。適切な選択可能な標識としては、蛍光色素(例えば、フルオレ
セインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、フィコ
エリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオロセイン(6−FAM
)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオロ
セイン、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシ−2’,
4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオロセイン(HEX)、5−カルボキシ
フルオロセイン(5−FAM)、またはN,N,N’,N’,−テトラメチル−
6−カルボキシローダミン(TAMRA))、放射性標識(例えば、32P、 S、Hなど)などが挙げられる。検出可能な標識は、2段階系(例えば、ビ
オチン−アビジン、ハプテン−抗ハプテン抗体など)を含み得る。
【0110】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに特異的な試薬(例えば、抗体
およびヌクレオチドプローブ)は、生物学的サンプル中の発現産物の存在を検出
するためのキットにおいて供給され得る。キットはまた、緩衝液または標識化成
分、および生物学的サンプル中の発現産物を検出および定量するための試薬を使
用するための説明書を含み得る。本発明の診断方法の例示的な実施態様は、以下
により詳細に記載される。
【0111】 (診断におけるポリぺプチド検出) 1つの実施態様において、試験サンプル
は、示差発現されるポリぺプチドのレベルについてアッセイされる。診断は、試
験サンプル中の示差発現されるポリぺプチドの非存在もしくは存在、または変化
した量を測定するための任意の多くの方法を使用して達成され得る。例えば、検
出は、標識化抗体での細胞または組織学的切片の染色を利用し得、従来の方法に
従って行われ得る。細胞は、細胞質分子を染色するために透過性にされ得る。一
般に、本発明の示差発現されるポリぺプチドを特異的に結合する抗体がサンプル
に添加され、そしてエピトープへの結合を可能にするのに十分な時間の間、通常
少なくとも約10分間、インキュベートされる。抗体は、直接的な検出のために
検出可能に標識され得るか(例えば、放射性同位体、酵素、蛍光体、化学発光体
などを使用して)、または結合を検出するための第2段階の抗体または試薬と共
同して使用され得る(例えば、ビオチンと西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビ
ジン、蛍光化合物(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッドなど
)に結合体化した二次抗体)。抗体結合の非存在または存在は、種々の方法によ
って決定され得、解離された細胞のフローサイトメトリー、検鏡、ラジオグラフ
ィー、シンチレーションカウンティングなどが挙げられる。示差発現されるポリ
ぺプチドのレベルまたは量の定性的または定量的な検出の任意の適切な代替の方
法が、使用され得る(例えば、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降、ラ
ジオイムノアッセイなど)。
【0112】 (mRNA検出) 本発明の診断方法はまた、もしくはあるいは、本発明の示
差発現されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされるmRNA
の検出を包含する。特定のmRNAを検出するための当該分野において公知の任
意の適切な定性的または定量的な方法が、使用され得る。mRNAは、例えば、
組織切片におけるインサイチュハイブリダイゼーションによって、逆転写酵素P
CRによって、またはポリA+mRNAを含むノーザンブロットにおいて、検出
され得る。当業者は容易に、2つのサンプル間のmRNA転写物の大きさまたは
量における差異を検出するために、これらの方法を使用し得る。サンプル中のm
RNA発現レベルはまた、サンプルからの発現される配列タグ(EST)のライ
ブラリーの作製によって決定され得、ここではESTライブラリーは、サンプル
中に存在する配列の代表である(Adamsら(1991)Science 2
52:1651)。ライブラリー内のESTの相対的な表示の列挙は、開始サン
プル内の遺伝子転写物の相対的な表示を近似するために使用され得る。次いで、
試験サンプルのEST分析の結果は、参照サンプルのEST分析と比較されて、
選択されるポリヌクレオチド、特に本明細書中に記載される1つ以上の示差発現
される遺伝子に対応するポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを決定し得る。
あるいは、試験サンプル中の遺伝子発現は、遺伝子発現の連続分析(SAGE)
方法論(例えば、Velculescuら、Science(1995)270
:484)またはディファレンシャルディスプレイ(DD)方法論(例えば、米
国特許第5,776,683号;および米国特許第5,807,680号を参照
のこと)を使用して行われ得る。
【0113】 あるいは、遺伝子発現は、ハイブリダイゼーション分析を使用して分析され得
る。オリゴヌクレオチドまたはcDNAは、特異的な配列組成のDNAまたはR
NA、および定性的または定量的に決定された公知の捕獲配列にハイブリダイズ
するRNAまたはcDNAの量を選択的に同定または捕獲するために、サンプル
中の細胞性メッセージのプール内の特定のメッセージの相対的な表示についての
情報を提供するために、使用され得る。ハイブリダイゼーション分析は、例えば
、高密度形式を有するアレイベースの技術(濾過、顕微鏡スライド、もしくはマ
イクロチップを含む)、または分光学的分析(例えば、質量分析)を用いる溶液
ベースの技術を使用することによって、数百〜数千の遺伝子の相対的な発現の同
時のスクリーニングを可能にするように設計され得る。本発明の診断方法におけ
るアレイの1つの例示的な使用は、以下により詳細に記載される。
【0114】 (診断適用における単一遺伝子の使用) 本発明の診断方法は、単一の示差発
現される遺伝子の発現に集中し得る。例えば、診断方法は、示差発現される遺伝
子、または疾患と関連したこのような遺伝子の多型(例えば、コード領域または
制御領域における多型)を検出する工程を包含し得る。疾患関連性の多型は、遺
伝子の欠失または短縮、発現レベルを変化するおよび/またはコードされるタン
パク質の活性に影響する変異などを含み得る。
【0115】 多くの方法が、特異的な配列(例えば、疾患関連性の多型)の存在について核
酸を分析するために利用可能である。大量のDNAが利用可能である場合、ゲノ
ムDNAが直接的に使用される。あるいは、目的の領域は、適切なベクターにク
ローン化され、そして分析のために十分な量で増殖される。示差発現される遺伝
子を発現する細胞は、mRNAの供給源として使用され得、これは直接的にアッ
セイされ得るか、分析のためにcDNAに逆転写され得る。核酸は、分析のため
に十分な量を提供するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような従来の
技術によって増幅され得、そして検出可能な標識が、検出を容易にするために増
幅反応(例えば、検出可能に標識されるプライマーまたは検出可能に標識される
オリゴヌクレオチドを使用する)に含まれ得る。あるいは、多型を検出する手段
としてオリゴヌクレオチドライゲーションを利用する種々の方法がまた、当該分
野において公知である。例えば、Rileyら、Nucl. Acids Re
s.(1990)18:2887;およびDelahuntyら、Am.J.H
um.Genet.(1996)58:1239を参照のこと。
【0116】 増幅されたまたはクローン化されたサンプル核酸は、当該分野において公知の
多くの方法のうちの1つによって分析され得る。核酸は、ジデオキシ法または他
の方法によって配列決定され得、塩基の配列は、選択される配列と、例えば、野
生型配列と比較され得る。多型配列または改変体配列でのハイブリダイゼーショ
ンはまた、サンプル中のその存在を決定するために使用され得る(例えば、サザ
ンブロット、ドットブロットなどによる)。米国特許第5,445,934号に
おいて、またはWO95/35505において記載されるように、固体支持体に
固定化されるオリゴヌクレオチドプローブのアレイに対する、多型配列または改
変体配列、およびコントロール配列のハイブリダイゼーションパターンはまた、
疾患と相関する多型配列または改変体配列を同定する手段として使用され得る。
ゲルマトリクスにおける1本鎖高次構造多型(single strand c
onformational polymorphism)(SSCP)分析、
変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、およびヘテロ2本鎖分析は、電気泳動移動
度における変化としてDNA配列の改変によって作製される高次構造変化を検出
するために使用される。あるいは、多型が制限エンドヌクレアーゼについての認
識部位を作製または破壊する場合、サンプルは、エンドヌクレアーゼで消化され
、そして産物の大きさが、フラグメントが消化されたか否かを決定するために分
画される。分画は、ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動、特にアクリルア
ミドゲルまたはアガロースゲルによって、行われる。
【0117】 遺伝子における変異についてのスクリーニングは、タンパク質の機能的なまた
は抗原性特性に基づき得る。タンパク質短縮アッセイは、タンパク質の生物学的
活性に影響し得る欠失を検出するにおいて有用である。タンパク質における多型
を検出するために設計される種々の免疫アッセイが、スクリーニングにおいて使
用され得る。多くの種々の遺伝子変異が、特定の疾患表現型を導いた場合、機能
的なタンパク質アッセイが、有効なスクリーニングツールであることを証明した
。コードされるタンパク質の活性は、野生型タンパク質との比較によって決定さ
れ得る。
【0118】 (アレイを使用する診断におけるパターン適合化) 別の実施態様において、
本発明の診断および/または予後の方法は、試験発現パターン(TEP)を生成
するための試験サンプル中の遺伝子の選択されるセットの発現の検出を包含する
。TEPは、参照発現パターン(REP)と比較され、参照発現パターンは、参
照サンプル(例えば、ポジティブコントロールサンプルまたはネガティブコント
ロールサンプル)中の遺伝子の選択されるセットの発現の検出によって生成され
る。遺伝子の選択されるセットは、本発明の遺伝子のうちの少なくとも1つを含
み、これらの遺伝子は、配列番号1〜316のポリヌクレオチド配列に対応する
。特に目的のものは、試験サンプルがスクリーニングされる疾患において示差発
現される遺伝子を含む遺伝子の選択されるセットである。
【0119】 示差的遺伝子発現分析および診断/予後の状況において本明細書中で使用され
る場合、「参照配列」または「参照ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドの
選択されるセットをいい、選択されるセットは、本明細書中に記載される示差発
現されるポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つ以上を含む。複数の参照配列
(好ましくはポジティブコントロール配列およびネガティブコントロール配列を
含む)は、参照配列として含まれ得る。さらに適切な参照配列は、GenBan
k、Unigene、および他のヌクレオチド配列データベースにおいて見出さ
れる(例えば、発現される配列タグ(EST)、部分的な、および全長の配列を
含む)。
【0120】 「参照アレイ」は、サンプルとのハイブリダイゼーションにおける使用のため
の参照配列を有するアレイを意味し、ここでは参照配列は、本明細書中に記載さ
れる示差発現されるポリヌクレオチドの全て、それらのうちの少なくとも1つ、
またはそれらのうちの任意のサブセットを含む。通常このようなアレイは、少な
くとも3つの異なる参照配列を含み、そして提供される示差発現される配列のい
ずれか1つまたは全てを含み得る。目的のアレイはさらに、他の遺伝子配列、特
に疾患または障害(例えば、癌、異形成、または他の関連のもしくは無関連の疾
患、障害、または状態)をスクリーニングするための目的の他の配列の配列(多
型を含む)を含み得る。アレイにおけるオリゴヌクレオチド配列は通常、少なく
とも12ヌクレオチド長であり、そしておおよそ提供される配列の長さであり得
るか、または100ヌクレオチド〜200ヌクレオチド長以上のフラグメントを
作製するために隣接領域に伸長され得る。参照アレイは、当該分野において公知
の任意の適切な方法に従って生成され得る。例えば、オリゴヌクレオチドの大き
なアレイを生成する方法は、光指向性合成技術を使用する米国特許第5,134
,854号および米国特許第5,445,934号において記載される。コンピ
ューター制御系を使用して、モノマーの異種アレイが、多くの反応部位での同時
のカップリングを介してポリマーの異種アレイへと変換される。あるいは、マイ
クロアレイは、例えば、PCT公開出願第WO95/35505号において記載
されるように、固体基材上への予め合成されたオリゴヌクレオチドの沈着によっ
て作製される。
【0121】 本明細書中で使用される場合に「参照発現パターン」あるいは「REP」は、
遺伝子の、特に、選択される細胞型(例えば、正常細胞、癌細胞、環境刺激に曝
露された細胞など)と相関する、示差発現される遺伝子の選択されるセットの相
対的な発現レベルをいう。「試験発現パターン」あるいは「TEP」は、試験サ
ンプル(例えば、mRNAが単離される、未知のまたは疾患状態が疑われる細胞
)中の、遺伝子、特に、示差発現される遺伝子の選択されるセットの相対的な発
現レベルをいう。
【0122】 REPは、当該分野において周知の方法に従う種々の方法において作製され得
る。例えば、REPは、ポリヌクレオチドの選択されるセット(特に、示差発現
されるポリヌクレオチドの選択されるセット)を有するアレイに、コントロール
サンプルをハイブリダイズさせ、アレイからのハイブリダイゼーションデータを
獲得し、そしてREPとTEPとの容易な比較を可能にするフォーマットでデー
タを保存することによって作製され得る。あるいは、コントロールサンプル中の
全ての発現される配列は、例えば、コントロールサンプルからmRNAを単離し
、mRNAをcDNAに変換し、そしてcDNAを配列決定することによって、
単離および配列決定され得る。得られる配列情報は、サンプル中の発現される配
列の同一性および相対的な数をおよそまたは正確に反映する。次いで、配列情報
は、REPとTEPとの容易な比較を可能にするフォーマット(例えば、コンピ
ューター読み出し可能フォーマット)で保存され得る。REPは、データ保存の
前または後に正規化され得、および/またはほとんど目的でなく、かつ分析を複
雑にし得る発現される遺伝子の配列を選択的に除去するために処理され得る(例
えば、ハウスキーピング遺伝子と関連する配列のいくつかまたは全ては、REP
データから排除され得る)。
【0123】 TEPは、例えば、ポリヌクレオチドの選択されるセット、特に示差発現され
るポリヌクレオチドの選択されるセットを有するアレイに、試験サンプルをハイ
ブリダイズさせ、アレイからのハイブリダイゼーションデータを獲得し、そして
TEPとREPとの容易な比較を可能にするフォーマットでこれらのデータを保
存することによってRFPと同様の様式で作製され得る。比較において使用され
るREPおよびTEPは、同時に作製され得るか、またはTEPは、以前に作製
され、そして保存されたREPと比較され得る。
【0124】 本発明の1つの実施形態において、TEPとREPとの比較は、試験サンプル
と参照アレイとをハイブリダイズさせる工程を包含し、ここでは参照アレイは、
サンプルとのハイブリダイゼーションにおける使用のために1つ以上の参照配列
を有する。参照配列は、本明細書中に記載の示差発現されるポリヌクレオチドの
全て、それらのうちの少なくとも1つ、またはそれらのうちの任意のサブセット
を含む。試験サンプルについてのハイブリダイゼーションデータが獲得され、デ
ータは正規化され、そして生成されたTEPは、示差発現されるポリヌクレオチ
ドの同じまたは類似の選択されるセットを有するアレイを使用して作製されたR
EPと比較される。2つのサンプル間で示差発現される配列に対応するプローブ
は、サンプルのうちの一方について、他方にくらべて減少されるかまたは増加さ
れるハイブリダイゼーション効率を示す。
【0125】 サンプルと参照アレイとのハイブリダイゼーションからのデータの回収のため
の方法は、当該分野において周知である。例えば、参照サンプルおよび試験サン
プルのポリヌクレオチドは、検出可能な蛍光標識を使用して作製され得、サンプ
ルにおけるポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、例えば、顕微鏡およ
び基材に光を当てるための光源を使用して、検出可能な標識の存在についてマイ
クロアレイをスキャンすることによって検出され得る。光子計数器は、基材から
の蛍光を検出し、一方、x−y平行移動(translation)ステージは
基材の位置を変化させる。本発明の方法において使用され得る共焦点検出デバイ
スは、米国特許第5,631,734号において記載される。走査型レーザー顕
微鏡は、Shalonら、Genome Res.(1996)6:639にお
いて記載される。適切な励起線を使用するスキャンは、使用される各蛍光団につ
いて行われる。次いで、スキャンから作製されるデジタル画像が、その後の分析
のために組合わされる。任意の特定のアレイエレメントについて、1つのサンプ
ル(例えば、試験サンプル)からの蛍光シグナルの比率は、別のサンプル(例え
ば、参照サンプル)からの蛍光シグナルと比較され、そして相対的なシグナル強
度が決定される。
【0126】 アレイへのハイブリダイゼーションから回収されるデータを分析するための方
法は、当該分野において周知である。例えば、ハイブリダイゼーションの検出が
蛍光標識を含む場合、データ分析は、回収されたデータからの基材の位置の関数
として蛍光強度を決定する工程、アウトライアー(すなわち、予め決定された統
計学的分布から逸脱するデータ)を除く工程、および残りのデータから標的の相
対的な結合親和性を算定する工程を包含し得る。得られるデータは、標的とプロ
ーブとの間の結合親和性に従って強度が各領域において変化する画像として、表
示され得る。
【0127】 一般に、試験サンプルは、試験サンプルから作製されるTEPを、参照サンプ
ルから(例えば、癌、癌の特定の状態、異形成と相関するサンプル、癌以外の疾
患に罹患したサンプル、正常サンプルなどから)作製される1つ以上のREPと
比較することによって、疾患状態または非疾患状態と相関する遺伝子発現プロフ
ィールに対応する遺伝子発現プロフィールを有すると分類される。TEPとRE
Pとの間の適合、または実質的な適合についての基準は、参照配列の同じまたは
実質的に同じセットの発現、および実質的に同じレベル(例えば、サンプルの正
規化後に選択された参照配列と相関するシグナルについて、サンプル間で有意差
がない、または所定の参照配列についてのシグナル強度における、少なくとも約
25%〜約40%を超えない差異)でのこれらの参照遺伝子の発現を含む。一般
に、TEPとREPとの間のパターン適合は、本発明の示差発現される遺伝子の
うちの少なくとも1つの、それらのうちの全ての、またはそれらのうちの任意の
サブセットの、発現における適合、好ましくは定性的または定量的な発現レベル
における適合を含む。
【0128】 パターン適合化は、手動で行われ得るか、またはコンピュータープログラムを
使用して行われ得る。基質マトリクス(例えば、アレイ)の調製、このようなマ
トリクスとともに使用するオリゴヌクレオチドの設計、プローブの標識化、ハイ
ブリダイゼーション条件、ハイブリダイズされたマトリクスのスキャニング、お
よび生成されるパターンの分析(比較分析を含む)のための方法は、例えば米国
特許第5,800,992号において記載される。
【0129】 (癌の診断、予後、および管理) 本発明のポリヌクレオチドおよびそれらの遺伝子産物は、発癌経路に沿う最も
初期の変化を検出する遺伝子マーカーまたは生化学的マーカー(例えば、血液も
しくは組織中の)として、ならびに/または種々の治療および予防的介入の効力
をモニターするために、特に重要である。例えば、あるポリヌクレオチドの発現
のレベルは、より貧弱な予後の指標であり得、それゆえ、患者に対してより攻撃
的な化学療法または放射線療法を保証し、逆もまた同じである。患者における処
置の応答および結果に関連して新規な代理の腫瘍特異的特徴との相関は、腫瘍の
分子プロフィールに基づいて作製される治療の設計を許容する予後の指標を規定
し得る。これらの治療は、抗体標的化および遺伝子治療を包含する。あるポリヌ
クレオチドの発現を決定すること、ならびに患者のプロフィールを正常な組織お
よび疾患の改変体における公知の発現と比較することは、処置の特異性に関して
、および患者の苦痛のないレベルに関しての両方で、患者についての最も良好な
可能な処置の決定を可能にする。ポリヌクレオチド発現のような代理の腫瘍マー
カーはまた、より良好な分類のために、従って、癌の異なる形態および疾患状態
を診断および処置するために、使用され得る。本発明のポリヌクレオチドの発現
レベルの同定から得られ得る腫瘍学において広範に使用される2つの分類は、癌
障害の病期分類、および癌組織の性質の悪性度分類である。
【0130】 本発明のポリヌクレオチドは、潜在的に悪性の事象を、それらがひどい形態学
的レベルで検出可能である前に、分子レベルで検出するために、癌を有するかま
たは癌に感受性の患者をモニターするために有用であり得る。さらに、癌の1つ
の型について重要であるとして同定される本発明のポリヌクレオチドはまた、例
えば、ポリヌクレオチドが種々の癌の型にわたって示差発現される場合に、他の
型の癌の発生または発生の危険性についての関連性を有し得る。従って、例えば
、転移性の結腸癌について臨床学的関連性を有するポリヌクレオチドの発現はま
た、胃癌または子宮内膜癌について臨床学的関連性を有し得る。
【0131】 (病期分類)病期分類は、患者において癌の状態がどのくらい進行されたかを
記載するために、医師によって使用されるプロセスである。病期分類は、予後を
決定するにおいて、処置を計画するにおいて、およびこのような処置の結果を評
価するにおいて、医師を補助する。病期分類の系は、癌の種類とともに変化する
が、一般に以下の「TNM」系を含む:腫瘍の型は、Tによって示され;癌がリ
ンパ節の近くに転移したか否かは、Nによって示され;および癌が身体のより遠
位の部分に転移したか否かは、Mによって示される。一般に、癌が、いずれのリ
ンパ節にも広がることなく原発性病変の領域においてのみ検出可能である場合、
これは病期Iと呼ばれる。腫瘍が最も近接のリンパ節にのみ広がった場合、これ
は病期IIと呼ばれる。病期IIIにおいて、癌は一般に、原発性病変の部位に
ほとんど近位のリンパ節に広がっている。身体の遠位の部分(例えば、肝臓、骨
、脳、または他の部位)に広がった癌は、病期IVであり、最も進行した病期で
ある。
【0132】 本発明のポリヌクレオチドは、癌の攻撃性(例えば、転移可能性)、および身
体の異なる領域における存在についてのマーカーを同定することによって、病期
分類プロセスの微調律を容易にし得る。従って、高い転移可能性の癌を示すポリ
ヌクレオチドを有する病期IIの癌は、境界の病期II腫瘍を病期III腫瘍へ
変化するために使用され得、より攻撃性の治療を正当化する。逆に、より低い転
移可能性の癌を示すポリヌクレオチドの存在は、腫瘍のより保存的な病期分類を
可能にする。
【0133】 (癌の悪性度分類)悪性度とは、腫瘍がその同じ型の正常な組織にどのくらい
近く似ているかを記載するために使用される用語である。腫瘍の顕微鏡的な見か
けは、細胞形態学、細胞組織化、および分化の他のマーカーのようなパラメータ
ーに基づいて腫瘍の悪性度を同定するために使用される。一般的な法則として、
腫瘍の悪性度は、その増殖の速度または攻撃性に対応し、未分化のまたは高い悪
性度の腫瘍は、十分に分化されたまたは低い悪性度の腫瘍よりも攻撃性である。
以下の指針は一般に、腫瘍を悪性度分類するために使用される:1)GX悪性度
は、評価され得ない;2)G1 十分に分化される;G2 中程度に十分に分化
される;3)G3 不十分に分化される;4)G4 未分化。本発明のポリヌク
レオチドは、これが腫瘍の細胞の分化の状態を決定するにおいて補助し得るのみ
でなく、これらはまた腫瘍の攻撃性(例えば、転移可能性)を決定するにおいて
価値がある、分化以外の因子を同定し得るので、腫瘍の悪性度を決定するにおい
て特に価値があり得る。
【0134】 (肺癌の検出)本発明のポリヌクレオチドは、被験体において肺癌を検出する
ために使用され得る。1ダースよりも多くの異なる種類の肺癌があるが、肺癌の
2つの主な型は、小細胞および非小細胞であり、これは全ての肺癌症例のうちの
約90%を包含する。小細胞癌腫(また燕麦細胞癌腫と呼ばれる)は通常、より
大きな気管支の1つにおいて開始し、非常に迅速に増殖し、そして診断の時まで
には大きくなる傾向がある。非小細胞肺癌(NSCLC)は、肺癌の3つの一般
的なサブタイプから構成される。類表皮癌腫(また偏平上皮細胞癌腫と呼ばれる
)は通常、より大きな気管支の1つにおいて開始し、そして比較的ゆっくりと増
殖する。これらの腫瘍の大きさは、非常に小さいサイズから非常に大きいサイズ
までの範囲であり得る。腺癌腫は、肺の外側の表面近くで増殖を開始し、そして
大きさおよび増殖速度の両方において変化し得る。いくつかのゆっくりと増殖す
る腺癌腫は、肺胞細胞癌として記載される。大きな細胞癌腫は、肺の表面近くで
開始し、迅速に増殖し、そして診断されるときには、増殖は通常、非常に大きい
。肺癌の他のあまり一般的でない形態は、カルチノイド、円柱腫、粘膜表皮性中
皮腫および悪性中皮腫である。
【0135】 本発明のポリヌクレオチド、例えば、正常細胞対癌性肺細胞(例えば、高いま
たは低い転移可能性の腫瘍細胞)において、もしくは癌性肺細胞の型の間(例え
ば、高い転移性対低い転移性)で、差示的に発現されるポリヌクレオチドは、肺
癌の型を区別するために、ならびにある患者の癌に特異的な特徴を同定するため
に、および適切な治療を選択するために、使用され得る。例えば、患者のバイオ
プシーが、低い転移可能性と関連するポリヌクレオチドを発現する場合、これは
病変を除去するための外科手術において患者の肺のより大きな部分を残すことを
正当化し得る。あるいは、高い転移可能性と関連するポリヌクレオチドの発現を
伴うより小さな病変は、転移が病理学的試験を介して同定され得ない場合であっ
ても、肺組織および/またはその周囲のリンパ節のより根治的な除去を正当化し
得る。
【0136】 (乳癌の検出)大多数の乳癌は、腺癌腫のサブタイプであり、これは以下のよ
うにまとめられ得る:1)腺管癌インサイチュ(DCIS)、面皰癌を含む;2
)浸潤性(または侵襲性)腺管癌(IDC);3)小葉癌インサイチュ(LCI
S);4)浸潤性(または侵襲性)小葉癌(ILC);5)炎症性乳癌;6)髄
様癌;7)粘液性癌;8)乳頭のパジェット病;9)葉状腫瘍、および10)管
状腫癌。
【0137】 本発明のポリヌクレオチドの発現は、乳癌の診断および管理において、ならび
に乳癌の型の間を区別するために使用され得る。乳癌の検出は、本発明の任意の
適切なポリヌクレオチドの発現レベルを、単独でまたは組合わせてのいずれかで
使用して決定され得る。乳癌の攻撃性の性質および/または転移可能性の決定は
また、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドのレベルを比較し、そして癌性組織
において変化することが知られる別の配列のレベル(例えば、ER発現)を比較
することによって決定され得る。さらに、乳癌の発生は、ステロイドホルモン(
例えば、テストステロンもしくはエストロゲン)のレベルに対する、または他の
ホルモン(例えば、成長ホルモン、インスリン)に対する、差示的に発現される
ポリヌクレオチドの発現の比率を試験することによって、検出され得る。従って
、特異的マーカーポリヌクレオチドの発現は、正常な乳組織と癌性の乳組織との
間を区別するため、起源の異なる細胞を伴う乳癌の間を区別するため、異なる潜
在的な転移速度を伴う乳癌の間を区別するなどのために、使用され得る。
【0138】 (結腸癌の検出)適切な発現パターンを示す本発明のポリヌクレオチドは、被
験体において結腸癌を検出するために使用され得る。結腸直腸癌は、ヒトにおけ
る最も共通の新生物の1つであり、そしておそらく遺伝性の新生物の最も頻繁な
形態である。予防および初期の検出は、結腸直腸癌を制御および治癒する際に重
要な因子である。結腸直腸癌は、結腸の内層において形成する、細胞の良性の増
殖物である小さなポリープとして開始する。数年間の期間にわたって、これらの
ポリープのいくつかはさらなる変異を蓄積し、そして癌性になる。複数の家族性
結腸直腸癌障害が同定されており、これは以下のようにまとめられる:1)家族
性腺腫様ポリポシス(FAP);2)ガードナー症候群;3)遺伝性非ポリポシ
ス結腸癌(HNPCC);および4)Ashkenazi Jewsにおける家
族性結腸直腸癌。本発明の適切なポリヌクレオチドの発現は、結腸直腸癌の診断
、予後、および管理において使用され得る。結腸癌の検出は、任意のこれらの配
列の発現レベルを単独で、または発現のレベルと組合わせて使用して決定され得
る。結腸癌の攻撃性の性質および/または転移可能性の決定は、本発明の1つ以
上のポリヌクレオチドのレベルを比較し、そして癌組織において変化することが
知られる別の配列(例えば、p53、DCC ras、lor FAPの発現)
の総レベルを比較することによって決定され得る(例えば、Fearon ER
ら、Cell(1990)61(5):759;Hamilton SRら、C
ancer(1993)72:957;Bodmer Wら、Nat Gene
t.(1994)4(3):217;Fearon ER、Ann NY Ac
ad Sci.(1995)768:101を参照のこと)。例えば、結腸癌の
発生は、癌遺伝子(例えば、ras)または腫瘍抑制遺伝子(例えば、FAPま
たはp53)のレベルに対する本発明の任意のポリヌクレオチドの比率を試験す
ることによって検出され得る。従って、特異的マーカーポリヌクレオチドの発現
は、正常な結腸組織と癌性の結腸組織との間を区別するため、起源の異なる細胞
を伴う結腸癌の間を区別するため、異なる潜在的な転移速度を伴う結腸癌の間を
区別するなどのために、使用され得る。
【0139】 (前立腺癌の検出)適切な差示的発現パターンを示すポリヌクレオチドおよび
それらの対応する遺伝子および遺伝子産物は、被験体における前立腺癌を検出す
るために使用され得る。95%を超える原発性前立腺癌は、腺癌である。徴候お
よび症状には、以下が挙げられる:頻尿(特に夜間)、排尿不能、排尿の開始ま
たは自制の困難性、弱いかまたは中断された排尿の流れ、ならびに下半身の背部
、股関節部または大腿上方における頻繁な痛みまたは凝り。
【0140】 前立腺癌の多くの徴候および症状が、種々の他の非癌性状態によって引き起こ
され得る。例えば、多くのこれらの徴候および症状のうちの1つの一般的な原因
は、良性の前立腺肥大、すなわちBPHと呼ばれる状態である。BPHにおいて
、前立腺はより大きくなり、そして流れまたは尿をブロックし得るか、あるいは
性的機能を妨げ得る。本発明の方法および組成物は、前立腺癌とこのような非癌
性状態との間を区別するために使用され得る。本発明の方法は、診断の従来の方
法(例えば、デジタル直腸試験(digital rectal exam)お
よび/または前立腺特異的抗原(PSA)(前立腺により産生されかつ分泌され
る物質)のレベルの検出)と組み合わされて使用され得る。
【0141】 (ペプチドアナログおよびアンタゴニストについてスクリーニングするための
ポリヌクレオチドの使用) 本発明のポリヌクレオチドおよび対応する全長遺伝子によってコードされるポ
リペプチドは、コードされるポリペプチドの中からレセプターのような結合パー
トナーを同定するために、ペプチドライブラリーをスクリーニングするために使
用され得る。ペプチドライブラリーは、当該分野において公知の方法に従って合
成され得る(例えば、米国特許第5,010,175号およびWO91/178
23を参照のこと)。本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニスト
は、シグナル伝達、抗体結合、レセプター結合、分裂促進アッセイ、走化性アッ
セイなどのような当該分野において公知の任意の利用可能な方法を使用してスク
リーニングされ得る。アッセイ条件は理想的には、ネイティブな活性がインビボ
で示される条件、すなわち、生理学的pH、温度、およびイオン強度下の条件に
類似するべきである。適切なアゴニストまたはアンタゴニストは、被験体におい
て毒性の副作用を引き起こさない濃度で、ネイティブな活性の強力な阻害または
増強を示す。ネイティブなポリペプチドへの結合と競合するアゴニストまたはア
ンタゴニストは、ネイティブな濃度に等しいかまたはこれよりも大きい濃度を必
要とし得るが、ポリペプチドに不可逆的に結合し得るインヒビターは、ネイティ
ブな濃度に類似する濃度において添加され得る。
【0142】 このようなスクリーニングおよび実験は、本発明のポリヌクレオチドに対応す
る遺伝子またはcDNAによってコードされる、レセプターのような新規なポリ
ペプチド結合パートナー、および新規な結合パートナーの少なくとも1つのペプ
チドアゴニストまたはアンタゴニストの同定を導き得る。このようなアゴニスト
およびアンタゴニストは、レセプターがネイティブである細胞において、または
遺伝子操作の結果としてレセプターを保持する細胞において、レセプター機能を
調節、増強、または阻害するために使用され得る。さらに、新規なレセプターは
公知のレセプターと生物学的に重要な特徴を共有する場合、アゴニスト/アンタ
ゴニスト結合についての情報は、公知のレセプターの改善されたアゴニスト/ア
ンタゴニストの開発を容易にし得る。
【0143】 (薬学的組成物および治療学的使用) 本発明の薬学的組成物は、治療学的に有効な量において、特許請求の範囲に記
載されている発明のポリペプチド、抗体、またはポリヌクレオチド(アンチセン
スヌクレオチドおよびリボザイムを含む)を含み得る。本明細書中で使用される
ように用語「治療学的に有効な量」は、所望の疾患もしくは状態を処置、軽減、
または予防するための、または検出可能な治療学的または予防的効果を示すため
の、治療学的薬剤の量をいう。効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベル
によって検出され得る。治療学的効果はまた、体温の低下のような身体的症状に
おける減少を含む。被験体についての正確な有効量は、被験体の大きさおよび健
常度、状態の性質および程度、ならびに投与のために選択される治療薬または治
療薬の組合せに依存する。従って、正確な有効量を予め特定することは有用でな
い。しかし、所定の状態についての有効量は、日常的な実験によって決定され、
そして臨床医の判断の範囲内である。本発明の目的のために、有効用量は、一般
に、これが投与される個体において、約0.01mg/kg〜50mg/kg、
または0.05mg/kg〜約10mg/kgのDNA構築物である。
【0144】 薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的
に受容可能なキャリア」は、抗体またはポリペプチドのような治療学的薬剤、遺
伝子、および他の治療学的薬剤の投与のためのキャリアをいう。この用語は、組
成物を受ける個体に有害な抗体の生成をそれ自身誘導せず、および過度の毒性を
伴わずに投与され得る任意の薬学的キャリアをいう。適切なキャリアは、タンパ
ク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリ
マー、および不活性なウイルス粒子のような大きな、ゆっくりと代謝される高分
子であり得る。このようなキャリアは当業者に周知である。治療学的組成物にお
ける薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリセロール、およびエ
タノールのような液体を含み得る。湿潤化剤または乳化剤、pH緩衝化剤などの
ような補助物質もまた、このようなビヒクルに存在し得る。代表的に、治療学的
組成物は、注射可能な、液体溶液または懸濁液のいずれかとして調製され;注射
の前に液体ビヒクル中に入れて溶液または懸濁液とするのに適切な固体形態もま
た、調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの規定内に含ま
れる。薬学的に受容可能な塩もまた、薬学的組成物中に存在し得る(例えば、塩
化水素塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩などのような無機酸塩;および酢酸塩
、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩)。薬学的
に受容される腑形剤の徹底的な考察は、Remington’s Pharma
ceutical Sciences(Mack Pub. Co.、N.J.
1991)において利用可能である。
【0145】 (送達方法)一旦処方されると、本発明の組成物は、(1)被験体に直接的に
投与され得る(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとして)か;また
は(2)被験体に由来する細胞にエクスビボで送達され得る(例えば、エクスビ
ボ遺伝子治療におけるように)。組成物の直接的な送達は一般に、非経口注射(
例えば、皮下、腹腔内、静脈内もしくは筋肉内、腫瘍内、または組織の間質腔へ
の)によって達成される。投与の他の態様としては、経口投与および肺投与、坐
薬、および経皮適用、針、および遺伝子銃またはハイポスプレイが挙げられる。
投薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数用量スケジュールであり得る。
【0146】 エクスビボ送達および被験体への形質転換された細胞の再移植のための方法は
、当該分野において公知であり、そして例えば、国際公開第WO93/1477
8号において記載される。イクスビボ適用において有用な細胞の例としては、例
えば、幹細胞、特に造血幹細胞、リンパ細胞、マクロファージ、樹状細胞、また
は腫瘍細胞が挙げられる。一般に、エクスビボおよびインビトロ適用のための核
酸の送達は、例えば、デキストラン媒介性のトランスフェクション、リン酸カル
シウム沈澱、ポリブレン媒介性のトランスフェクション、プロトプラスト融合、
電気泳動、リポソーム中のポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDNA
の直接的なマイクロインジェクションによって達成され得、全て当該分野におい
て周知である。
【0147】 一旦、本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子が、新生物、形成異常、お
よび過形成のような、増殖障害と相関することが見出されると、障害は、提供さ
れるポリヌクレオチド、対応するポリペプチド、または他の対応する分子(例え
ば、アンチセンス、リボザイムなど)に基づく治療学的薬剤の投与による処置に
影響を受け得る。
【0148】 本発明の薬学的組成物の投与の用量および手段は、治療学的組成物の特異的な
質、患者の状態、年齢、および体重、疾患の進行、ならびに他の関連の因子に基
づいて決定される。例えば、本発明のポリヌクレオチド治療学的組成物薬剤の投
与は、局所投与または全身投与を含み、注射、経口投与、パーティクルガン、ま
たはカテーテル法による投与、および局所的な投与が挙げられる。好ましくは、
治療学的ポリヌクレオチド組成物は、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド
の少なくとも12、22、25、30、または35の連続したntのポリヌクレ
オチドに作動可能に連結されるプロモーターを含有する発現構築物を含む。種々
の方法が、治療学的組成物を身体の特定の部位に直接的に投与するために使用さ
れ得る。例えば、小さな転移性病変が位置づけられ、そして治療学的組成物は、
腫瘍の体内のいくつかの異なる位置において数回注射される。あるいは、腫瘍に
作用する動脈が同定され、そして治療学的組成物は、組成物を腫瘍に直接的に送
達するために、このような動脈に注射される。壊死癌を有する腫瘍は吸引され、
そして組成物は、腫瘍のいまや空の中心に直接的に注射される。アンチセンス組
成物は、例えば、組成物の局所的な適用によって腫瘍の表面に直接的に投与され
る。X線画像化は、特定の上述の送達法を補助するために使用される。
【0149】 アンチセンスポリヌクレオチド、サブゲノムポリヌクレオチド、または特定の
組織に対する抗体を含有する治療学的組成物のレセプター媒介性の標的化送達が
また、使用され得る。レセプター媒介性のDNA送達技術は、例えば、Find
eisら、Trends Biotechnol.(1993)11:202;
Chiouら、Gene Therapeutics:Methods And
Applications Of Direct Gene Transfe
r(J.A.Wolff編)(1994);Wuら、J. Biol. Che
m.(1988)263:621;Wuら、J. Biol. Chem.(1
994)269:542;Zenkeら、Proc. Natl. Acad.
Sci.(USA)(1990)87:3655;Wuら、J. Biol.
Chem.(1991)266:338において記載される。ポリヌクレオチ
ドを含有する治療学的組成物は、遺伝子治療プロトコルにおける局所投与につい
て、約100ng〜約200mgのDNAの範囲において投与される。約500
ngから約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約
20μg〜約100μgのDNAの濃度範囲はまた、遺伝子治療プロトコルの間
に使用され得る。作用の(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルを増強する
または阻害するための)方法、形質転換および発現の効力のような因子は、アン
チセンスサブゲノムポリヌクレオチドの最大の効力のために必要とされる投薬量
を影響する考慮すべき事柄である。組織のより大きな領域にわたってより優れた
発現が所望される場合、アンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドのより多くの
量、もしくは投与の継続的なプロトコルにおいて再投与される同じ量、または例
えば、腫瘍部位の異なる近接のまたは近い組織部分への数回の投与が、ポジティ
ブな治療学的結果を達成するために必要とされ得る。全ての場合において、臨床
試験における日常的な実験は、至適な治療学的効果についての特定の範囲を決定
する。抗炎症活性を有するポリぺプチドまたはタンパク質をコードするポリヌク
レオチド関連性の遺伝子についての、適切な使用、用量、および投与は、米国特
許第5,654,173号において記載される。
【0150】 本発明の治療学的ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、遺伝子送達ビヒク
ルを使用して送達され得る。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス起源または非ウイ
ルス起源であり得る(概して、Jolly、Cancer Gene Ther
apy(1994)1:51;Kimura、Human Gene Ther
apy(1994)5:845;Connelly、Human Gene T
herapy(1995)1:185;およびKaplitt、Nature
Genetics(1994)6:148を参照のこと)。このようなコード配
列の発現は、内因性の哺乳動物または異種プロモーターを使用して誘導され得る
。コード配列の発現は、構成的または調節性のいずれかであり得る。
【0151】 所望のポリヌクレオチドの送達のためのウイルスベースのベクター、および所
望の細胞における発現は、当該分野において周知である。例示的なウイルスベー
スのビヒクルとしては、組換えレトロウイルス(例えば、WO90/07936
;WO94/03622;WO93/25698;WO93/25234;米国
特許第5,219,740号;WO93/11230;WO93/10218;
米国特許第4,777,127号;英国特許第2,200,651号;EP 0
345 242;およびWO91/02805を参照のこと)、αウイルスベ
ースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス
(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(
ATCC VR−373;ATCC VR−1246)、およびベネズエラウマ
脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC
VR 1249;ATCC VR−532)、およびアデノ随伴ウイルス(A
AV)ベクター(例えば、WO94/12649、WO93/03769;WO
93/19191;WO94/28938;WO95/11984、およびWO
95/00655を参照のこと)が挙げられるが、これらに制限されない。Cu
riel. Hum. Gene Ther.(1992)3:147において
記載されるような殺傷されたアデノウイルスに連結されるDNAの投与もまた、
用いられ得る。
【0152】 非ウイルス送達ビヒクルおよび方法がまた、用いられ得、殺傷されたアデノウ
イルス単独に連結されるかまたは連結されないポリカチオン性の濃縮されたDN
A(例えば、Curiel,Hum. Gene Ther.(1992)3:
147を参照のこと);リガンド連結化DNA(例えば、Wu、J. Biol
. Chem.(1989)264:16985を参照のこと);真核生物細胞
送達ビヒクル細胞(例えば、米国特許第5,814,482号;WO95/07
994;WO96/17072;WO95/30763;およびWO97/42
338を参照のこと)、ならびに核電荷中和化、または細胞膜との融合が挙げら
れるがこれらに制限されない。裸のDNAもまた、用いられ得る。例示的な裸の
DNAの導入方法は、WO90/11092および米国特許第5,580,85
9号において記載される。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、
米国特許第5,422,120号;WO95/13796号;WO94/236
97;WO91/14445;およびEP 0524968において記載される
。さらなるアプローチは、Philip、Mol. Cell. Biol.(
1994)14:2411、およびWoffendin、Proc. Natl
. Acad. Sci.(1994)91:1581において記載される。
【0153】 使用のために適切なさらなる非ウイルス送達は、Woffendinら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA(1994)91(24)
:11581において記載されるアプローチのような機械的送達系を含む。さら
に、コード配列およびこのような配列の発現の産物は、光重合化ヒドロゲル材料
の沈着または電離放射線の使用を介して送達され得る(例えば、米国特許第5,
206,152号およびWO92/11033を参照のこと)。コード配列の送
達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来の方法としては、例えば、
手持ちの遺伝子移入パーティクルガン(例えば、米国特許第5,149,655
号を参照のこと)の使用;移入された遺伝子の活性化のための電離放射線の使用
(例えば、米国特許第5,206,152号およびWO92/11033を参照
のこと)が挙げられる。
【0154】 本発明は、特に有利な実施態様を記載する以下の実施例を参照することによっ
て、今や説明される。しかし、これらの実施態様は説明であって、本発明を制限
するとしてはいかようにも解釈されないことに、留意されるべきである。
【0155】 (実施例) 以下の実施例は、例証の目的のために主に提供される。本発明の処方物、投与
量、投与の方法および他のパラメーターが、本発明の精神および範囲より逸脱せ
ずに、種々の方法においてさらに改変され得るか、もしくは置換され得るという
ことが当業者に対して容易に明らかである。
【0156】 (実施例1:生物学的材料の供給源および生物学的材料によって発現される新
規なポリヌクレオチドの概要) cDNAライブラリーを、GRRpz細胞および/またはWOca細胞(これ
らの細胞は、Dr.Donna M.Peehl,Department of
Medicine,Stanford University School
of Medicineによって提供された)から単離されたmRNAから構
築した。GRRpz細胞は、正常な前立腺上皮細胞由来であった。WOca細胞
は、前立腺癌Gleason Grade4+4由来の前立腺上皮細胞であった
。これらの細胞株によって発現されるポリヌクレオチドを単離し、そして分析し
;これらのポリヌクレオチドの配列は、約275−300ヌクレオチド長であっ
た。
【0157】 単離されたポリヌクレオチドの配列を、XBLASTマスキングプログラム(
Claverie「Effective Large−Scale Seque
nce Similarity Searches」Computer Met
hods for Macromolecular Sequence Ana
lysis、Doolitte編、Meth. Enzymol. 266:2
12−227 Academic Press、NY、NY(1996);特に
、Claverie、「Automated DNA Sequencing
and Analysis Techniques」Adamsら編、第36章
、267頁 Academic Press、San Diego、1994、
およびClaverieら、Comput. Chem.(1993)17:1
91を参照のこと)を使用して、先ずマスクし、低い複雑性の配列を排除した。
一般に、マスキングは、配列の低い複雑性に起因して比較的小さい目的の配列を
排除すること、および複数の配列に共通の反復領域(例えば、Alu反復)に対
する類似性に基づいて複数の「ヒット」を排除すること以外は、最終的な検索結
果に影響しない。次いで、残りの配列をBLASTN対GenBank検索にお
いて使用し;70%よりも大きい重複、99%の同一性、および1×10−40 未満のp値を示す配列を排除した。この検索からの配列はまた、包括的なパラメ
ーターが適合した場合に排除されたが、この配列はリボソーム由来またはベクタ
ー由来であった。 以前の検索から得られた配列を3つの群(以下の1、2、および3)に分類し、
そしてBLASTX対NRP(非重複性のタンパク質)データベース検索におい
て検索した:(1)未知(GenBank検索におけるヒットなし)、(2)弱
い類似性(45%を超える同一性および1×10−5未満のp値)、ならびに(
3)高い類似性(60%を超える重複、80%を超える同一性、および1×10−5 未満のp値)。70%を超える重複、99%を超える同一性、および1×1
−40未満のp値を有する配列を排除した。
【0158】 残りの配列を、未知(ヒットなし)、弱い類似性、および高い類似性(上述の
ようなパラメーター)として分類した。2つの検索を、これらの配列に対して行
った。先ず、BLAST対ESTデータベース検索を行い、そして99%を超え
る重複、99%を超える類似性、および1×10−40未満のp値を有する配列
を排除した。ヒト起源のデータベース配列に比較される場合、1×10−65
満のp値を有する配列もまた排除された。第2に、BLASTN対Patent
GeneSeqデータベースを行い、そして99%を超える同一性、1×10−40 未満のp値、および99%を超える重複を有する配列を排除した。
【0159】 残りの配列を、データセットにおける他の規則および重複性を使用するスクリ
ーニングに供した。ヒト起源のデータベース配列に関して1×10−111未満
のp値を有する配列を特異的に排除した。最終的な結果は、添付の配列表におい
て配列番号1〜316として列挙され、および表1(特許請求の範囲の前に挿入
される)においてまとめられる、316個の配列を提供した。各同定されたポリ
ヌクレオチドは、少なくとも部分的なmRNA転写物からの配列を示す。多くの
配列が、配列ggcacgagを5’未満で含み;この配列は、配列人工産物で
あり、そして本発明のポリヌクレオチドの一部ではない。
【0160】 表1は以下を提供する:1)本明細書における使用のために各配列に割り当て
られる配列番号(「SEQ ID」);2)クラスター識別子番号(「CLUS
TER」);3)配列の内部識別子として使用される配列名(「SEQ NAM
E」);4)配列の配位(「ORIENT」);5)配列が単離されたクローン
に割り当てられた名前(「CLONE ID」);および配列が単離されたライ
ブラリーの名前(「LIBRARY」)。CH22PRCは、配列がライブラリ
ー22から単離されたことを示し;CH21PRNは、配列がライブラリー21
から単離されたことを示す。ライブラリーの記載は、以下の表3に提供されてい
る。提供されたポリヌクレオチドは、一部のmRNA転写物を示すので、本発明
の2以上のポリヌクレオチドは、同一のmRNA転写物および同一の遺伝子の異
なる領域を示し得る。従って、2以上の配列番号は、同一のクローンに帰属する
ように同定される場合、いずれかの配列が、全長mRNAまたは遺伝子を得るた
めに使用され得る。
【0161】 (実施例2:遺伝子産物の機能を同定するための公的なデータベース検索の結
果) 配列番号1〜316を、全ての3つのリーディングフレームにおいて翻訳し、
そしてヌクレオチド配列および翻訳されたアミノ酸配列を、GenBank(ヌ
クレオチド配列)またはNon−Redundant Protein(アミノ
酸配列)データベースのいずれかにおいて、相同な配列について検索するための
問合せ配列として使用した。問合せ配列および個々の配列を、National
Center for Biotechnology Informatio
n(これは、National Library of Medicine a
nd the National Institutes of Health
によって支援されている)がスポンサーであるworld wide webサ
イトで利用可能なBLAST 2.0プログラムを使用して、整列した(Alt
schulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:33
89−3402をまた参照のこと)。配列を、実施例1において上記されるよう
に、低い複雑性をマスクするためのXBLASTプログラムを使用して、反復配
列またはポリA配列の検索を防ぐために種々の程度にマスクした。
【0162】 表2(図面の簡単な説明の前に挿入される)は、1×10−2以下のp値を有
する整列の要約を提供し、本発明の配列と示された公的なデータベースの配列と
の間の実質的な相同性を示す。具体的には、表2は、問合せ配列の配列番号、相
同配列のGenBankデータベース登録の登録(アクセッション)番号、およ
び整列のp値を提供する。表2はまた、問合せ配列の配列番号、相同配列のNo
n−Redundant Proteinデータベース登録の登録番号、および
整列のp値を提供する。表2において提供される整列は、本明細書の出願の直前
の時点で、DNA配列またはアミノ酸配列に対して最も良好に利用可能な整列で
ある。表2において列挙される配列番号によってコードされるポリぺプチドの活
性は、報告される最近接配列または密接に関連する配列の活性に実質的に同じで
あるかまたは実質的に類似であることが、推定され得る。最も近い配列の登録番
号が報告され、最近接配列によって示される活性および機能に対する公的に利用
可能な参照を提供する。それぞれの最近接配列の活性および機能に関する公的な
情報は、本出願において参考として援用される。また参考として援用されるのは
、配列、ならびに表2において列挙される最近接配列およびそれらの関連する配
列の推定の活性および実際の活性ならびに推定の機能および実際の機能に関する
全ての公的に利用可能な情報である。整列のために使用される検索プログラムお
よびデータベース、ならびにp値の算定もまた示される。
【0163】 最近接配列のポリヌクレオチド配列の全長配列またはフラグメントは、対応す
るポリヌクレオチドの全長の配列を同定しかつ単離するために、プローブおよび
プライマーとして使用され得る。最近接配列は、対応するポリヌクレオチドの全
長の配列についてのライブラリーを構築するために使用されるべき組織または細
胞型を示し得る。
【0164】 (実施例3:本発明のポリヌクレオチドの示差的発現:ライブラリーの説明お
よび示差的発現の検出) 本発明のポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを、初代細胞、細胞株および
患者組織サンプルを含む種々の供給源から調製されたいくつかのライブラリーに
おいて評価した。表3は、これらのライブラリーの概要を提供する。これには、
省略したライブラリー名(本明細書において以後使用)、cDNAライブラリー
を調製するのに用いたmRNA供給源、以下の表で用いられるライブラリーの「
ニックネーム」(引用符で囲んで)、およびライブラリーにおけるおよそのクロ
ーン数が挙げられる。
【0165】
【表3】
【0166】 KM12L4細胞株は、KM12C細胞株に由来する(Morikawaら,
Cancer Research(1988)48:6863)。このKM12
C細胞株は、転移性が良くなく(低い転移性)であり、Dukes段階B手術
試料由来の培養物から樹立された(Morikawaら,Cancer Res
.(1988)48:6863)。KML4−Aは、KM12C由来の高い転移
性の亜株である(Yeatmanら、Nucl.Acids.Res.(199
5)23:4007;Bao−Lingら、Proc.Annu.Meet.A
m.Assoc.Cancer.Res.(1995)21:3269)。この
KM12CおよびKM12C由来細胞株(例えば、KM12L4、KM12L4
−Aなど)は、結腸癌の研究のためのモデル細胞株として当該分野で十分に認識
されている(例えば、Moriakawaら、前出;Radinskyら、Cl
in.Cancer Res.(1995)1:19;Yeatmanら(19
95)前出;Yeatmanら、Clin.Exp.Metastasis(1
996)14:246を参照のこと)。このMDA−MB−231細胞株(Br
inkleyら、Cancer Res.(1980)40:3118−312
9)は、胸水から元々単離され(Cailleau,J.Natl.Cance
r.Inst.(1974)53:661)、高い転移の可能性を示し、そして
乳房癌腫が両立するヌードマウスにおいて不十分にしか分化してない腺癌II度
を形成する。
【0167】 MCF7細胞株は、乳腺癌の胸水に由来した。そしてこれは、非転移性である
。MV−522細胞株は、ヒト肺癌腫に由来し、そして高転移能力である。UC
P−3細胞株は、低い転移性のヒト肺癌腫細胞株であり;MV−522は、UC
P−3の高い転移性の改変体である。これらの細胞株は、ヒト乳癌および肺癌の
研究のためのモデルとして当該分野において十分に認識されている(例えば、C
handrasekaranら、Cancer Res.(1979)39:8
70(MDA−MB−231およびMCF−7);Gastparら、J Me
d Chem(1998)41:4965(MDA−MB−231およびMCF
−7);Ransonら、Br J Cancer(1998)77:1586
(MDA−MB−231およびMCF−7);Kuangら、Nucleic
Acids Res(1998)26:1116(MDA−MB−231および
MCF−7);Varkiら、Int J Cancer(1987)40:4
6(UCP−3);Varkiら、Tumour Biol.(1990)11
:327;(MV−522およびUCP−3);Varkiら、Antican
cer Res.(1990)10:637;(MV−522);Kelner
ら、Anticancer Res(1995)15:867(MV−522)
;およびZhangら、Anticancer Drugs(1997)8:6
96(MV522)を参照のこと)。ライブラリー15〜20のサンプルは、2
名の異なる患者(UC#2およびUC#3)に由来する。bFGF処理されたH
MEVCを、10ng/ml bFGFとの2時間のインキュベーションによっ
て調製し;VEGF処理されたHMEVCを、20ng/ml VEGFとの2
時間のインキュベーションによって調製した。それぞれの増殖因子とのインキュ
ベーション後、細胞を洗浄し、そして溶解緩衝液をRNA調製のために添加した
。GRRpzおよびWOca細胞は、Donna M.Peehl博士、Dep
artment of Medicine、Stanford Univers
ity School of Medicineによって提供された。GRRp
z細胞は、正常な前立腺上皮に由来した。WOca細胞は、Gleasonグレ
ード4細胞株である。
【0168】 それぞれのライブラリーは、示されるmRNA供給源において発現されるmR
NAを順に表すcDNAクローンのコレクションから構成される。各ライブラリ
ーにおける数百万の配列の分析を容易にするために、配列をクラスターに割当て
た。「クローンのクラスター」の概念は、約300個の7bpオリゴヌクレオチ
ドプローブのパネルへのそれらのハイブリダイゼーションパターンに基づくcD
NAクローンの選別/グループ化に由来する(Drmanacら、Genomi
cs(1996)37(1):29を参照のこと)。組織ライブラリーからのラ
ンダムなcDNAクローンを、300個の7bpオリゴヌクレオチドに中程度の
ストリンジェンシーでハイブリダイズさせる。各オリゴヌクレオチドは、その特
定のクローンへの特異的なハイブリダイゼーションのいくつかの尺度を有する。
300個のプローブについてのハイブリダイゼーションのこれらの尺度の300
個の組合わせは、特定のクローンについての「ハイブリダイゼーション特徴」に
等しい。類似の配列を有するクローンは、類似のハイブリダイゼーション特徴を
有する。これらの特徴を分析するための選別/グループ化アルゴリズムを開発す
ることによって、ライブラリーにおけるクローンの群が同定され得、そしてコン
ピューターで集められる。クローンのこれらの群は「クラスター」と呼ばれる。
アルゴリズムにおける選択のストリンジェンシー(古典的なライブラリーcDN
Aスクリーニングプロトコルにおけるハイブリダイゼーションのストリンジェン
シーに類似する)に依存して、各クラスターの「純度」が制御され得る。例えば
、ちょうど人為的結果が、最も高いストリンジェンシーにおいてでも、400b
p cDNAフラグメントを有するcDNAライブラリーの「web−lab」
スクリーニングにおいて生じ得るように、クラスター形成の人為的結果は、コン
ピューターによるクラスター形成において生じ得る。本明細書中のクラスターの
実行において使用されるストリンジェンシーは、一般に同じcDNAまたは密接
に関連するcDNA由来であるクローンの群を提供する。密接に関連するクロー
ンは、同じcDNAの異なる長さのクローン、高度に関連した遺伝子ファミリー
からの密接に関連したクローン、または同じcDNAのスプライス改変体の結果
であり得る。
【0169】 選択したクラスターについての示差的な発現を、先ず第1のライブラリーにお
いて選択したクラスターに対応するcDNAクローン(1回目におけるクローン
)の数を決定し、そして第2のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応
するcDNAクローン(2回目におけるクローン)の数を決定することによって
、評価した。第2のライブラリーに比較して第1のライブラリーにおいて選択し
たクラスターの示差的な発現は、2つのライブラリー間の発現パーセントの「比
率」として表される。一般に、「比率」は:1)第1のライブラリーにおいて選
択したクラスターに対応するクローンの数を、第1のライブラリーからの分析し
たクローンの総数で除算することによって、第1のライブラリーにおいて選択し
たクラスターの発現パーセントを算定し;2)第2のライブラリーにおいて選択
したクラスターに対応するクローンの数を、第2のライブラリーからの分析した
クローンの総数で除算することによって、第2のライブラリーにおいて選択した
クラスターの発現パーセントを算定し;3)第1のライブラリーからの算定した
発現パーセントを、第2のライブラリーからの算定した発現パーセントで除算す
ることによって、算定される。ライブラリーにおける選択されるクラスターに対
応する「クローンの数」が、ゼロである場合、算定を補助するために値は1に設
定される。比率を算定する際に使用される式は、比較されるそれぞれのライブラ
リーの「深さ」、すなわち、各ライブラリーにおいて分析したクローンの総数を
考慮する。
【0170】 一般に、ポリヌクレオチドは、比率の値が少なくとも約2よりも多く、好まし
くは少なくとも約3よりも多く、より好ましくは少なくとも約5よりも多い場合
、2つのサンプル間で有意に差次的に発現されると言われ、ここでは比率の値は
、上記の方法を使用して算定される。差次的発現の有意性は、zスコア検定(Z
ar、Biostatistical Analysis、Prentice
Hall,Inc.,USA、「Differences between P
roportions」,296−298頁(1974))を使用して決定され
る。
【0171】 このアプローチを使用して、多くのポリヌクレオチド配列が、例えば、転移の
可能性が高い癌組織由来の細胞と転移の可能性が低い癌細胞由来の細胞との間、
および転移性癌組織由来の細胞と正常な組織由来の細胞との間で差次的に発現さ
れると同定された。これらの配列に対応する遺伝子の発現レベルの評価は、診断
、予後、および/または処置(例えば、治療の理論的設計、治療の間および治療
後のモニタリングなどを容易にするため)において有益であり得る。さらに、本
明細書中に記載される差次的に発現される配列に対応する遺伝子は、例えば、転
移性表現型の発達の調節(例えば、阻害または促進)におけるその関与に起因し
て、治療標的であり得る。例えば、転移の可能性が高い細胞において、正常細胞
または非転移性の腫瘍細胞と比較して発現が増加した遺伝子に対応する配列は、
新脈管形成、分化、細胞の複製、および転移のようなプロセスに関与する遺伝子
または調節配列をコードし得る。
【0172】 本明細書中に記載される差次的に発現されるポリヌクレオチドの相対的発現レ
ベルの検出は、治療の選択において臨床家をガイドするための有益な情報を提供
し得る。例えば、転移性または転移の可能性が高い細胞において発現が増加した
遺伝子に対応するこれらのポリヌクレオチドの1つ以上の発現レベルを示す患者
サンプルは、この患者のためのより積極的な治療を保証(warrant)し得
る。対照的に、転移の可能性が低い細胞の発現レベルと関連する発現レベルに対
応するポリヌクレオチド配列の発現レベルの検出は、提案される全体の病理より
もよりポジティブな予後を保証し得る。
【0173】 本明細書中に記載されるポリヌクレオチドの差次的発現は、従って、例えば、
診断マーカーとして、予後マーカーとして、危険性の評価のために、患者の処置
のためなどに使用され得る。これらのポリヌクレオチド配列はまた、他の公知の
分子的マーカーおよび/または生化学的マーカーと組合せて使用され得る。
【0174】 上記のライブラリーの種々の組み合せを超えて差次的に発現されると同定され
る本発明のポリヌクレオチドについての差次的発現データを、表4に要約する
(図面の簡単な説明の前に挿入される)。表4は、以下を提供する:1)このポ
リヌクレオチドに割当てられた配列識別番号(「配列番号(SEQ ID)」)
;2)上記のようにこのポリヌクレオチドが割当てられたクラスター(「CLU
ST」);3)差次的に発現されるポリヌクレオチドの同定を生じるライブラリ
ーの比較(「ペアAB−text」)、およびライブラリー番号の括弧の次に提
供される比較ライブラリーの短縮名;4)列挙される第1のライブラリー(「A
」)中のポリヌクレオチドに対応するクローンの数;5)列挙される第2のライ
ブラリー(「B」)中のポリヌクレオチドに対応するクローンの数;6)「比プ
ラス(RATIO PLUS)」(ここで、この比較は、ライブラリーAにおけ
るクローンの数がライブラリーBにおけるクローンの数よりも大きいという知見
を生じた);ならびに7)「比マイナス(RATIO MINUS)」(ここで
、この比較は、ライブラリーBにおけるクローンの数がライブラリーAのクロー
ンの数よりも大きいという知見を生じた)。
【0175】 (実施例4:乳癌における転移の可能性と関連するポリヌクレオチドの差次的
発現) 高い転移可能性または低い転移可能性のいずれかを有する乳癌細胞において、
差次的発現を試験した。単一のクラスター(Cluster Identifi
cation No.10154)は、転移の可能性が高い乳癌細胞(ライブラ
リー3)において低い発現を示し、そして転移の可能性が低い細胞(ライブラリ
ー4)において有意に増加した発現(約100倍高い)を示すと同定された。詳
細には、3つのクローンは、ライブラリー3(転移の可能性が高い乳癌ライブラ
リー)において発現されるが、317クローンは、ライブラリー4(転移の可能
性が低い乳癌ライブラリー)において発現されることが同定された。この特定の
クラスターに対して割当てられた2つの配列(配列番号315および配列番号3
16)の両方は、この差次的発現を示し、これはこれらの2つの配列が、おそら
く単一の転写物と関連していることを示唆する。
【0176】 次いで、配列番号315および配列番号316を、実施例1および2に記載さ
れるGenBankにおける相同配列について検索するための問い合わせ(qu
ery)配列として使用した。配列番号315は、GenBankエントリーH
72034(配列番号317)に対する同一性を示し、そして配列番号316は
、GenBankエントリーAA707002(配列番号318)に対する同一
性を示した。配列番号315は、配列番号317の3’末端に対して著しい同一
性を示した(図1Aおよび1Bを参照のこと)が、配列番号316は、配列番号
318の5’末端に対して著しい同一性を示す(図2を参照のこと)。H720
34およびAA707002のクローンを、さらなる研究のために、Lawre
nce Livermore National Laboratories(
Livermore,California)のI.M.A.G.E.Cons
ortiumから購入した。
【0177】 (クローンH72034およびAA707002の制限マッピング) 新しく同定した配列を、多くの異なる制限エンドヌクレアーゼで消化して、各
クローンの制限マップを構築した。各クローン(配列番号317または配列番号
318)の適切な量を、種々の酵素で消化し、そしてこの制限フラグメントを、
以下のように同定した:
【0178】
【表3A】
【0179】 同定した部位に基づく制限マップを、ゲノム配列に対する各クローンの位置を
決定するため、およびこのクローンの5’−3’配向を確認するために、使用し
得る。
【0180】 (転写物の増幅および精製) 低転移癌(これは、配列番号315〜318の配列を含む)において上方制御
されるこの領域における転写物を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅のよう
な技術を使用して同定する。同定された配列およびこのクラスターの本来の配列
に基づいて、プライマーを、転移の低い可能性を有する乳癌細胞株から構築され
たライブラリー由来の全長cDNAを単離するように設計し得る。
【0181】 増幅反応において使用するためのcDNAテンプレートを、高転移乳癌細胞株
から単離された総RNAから産生する。RNAを、第1鎖のcDNAを生成する
ためにオリゴ−dTプライマーを使用して、逆転写する。3μlの総RNA、2
μlのオリゴ−dTプライマー(20μM)、および5μlのDEPC水を、6
5℃で8分間変性させ、続いて変性したRNA/プライマーならびに4μlの1
5×cDNA緩衝液(GibcoBRL)、1μlの0.1Mジチオトレイトー
ル、1μlの40U/l RNAseOUT(GibcoBRL)、1μlのD
EPC水、2μlの10mM dNTP(GibdoBRL)、および1μlの
15U/l Thermoscript逆転写酵素(GibcoBRL)を含む
反応物中、52℃で1時間逆転写することによって、cDNAを合成した。この
反応を、5分間85℃でインキュベートすることによって終結させ、そしてこの
RNAを、37℃で30分間、1μlの2U/l RNAse Hによって取り
出した。
【0182】 このクローンの決定した配向に基づいて、プライマーを、この領域において差
次的に発現された転写物に対応する全長クローンを増幅するように設計する。こ
の全長クローンを増幅するために使用される順方向プライマーを、配列番号17
の5’末端から取り、これは以下のようであった: F1 5’−TGGGATATAGTCTCGTGGTGCG−3’(配列番号
319) F2 5’−TGATTCGATGTCATCAGTCCCG−3’(配列番号
320) プライマーF1を、配列番号317の残基51〜62から取り、そしてプライマ
ーF2を、配列番号17の残基212〜233から取る。両方の順方向プライマ
ーは、この配列の5’末端付近にある。
【0183】 逆方向プライマーを、クローン10154−3の3’末端に相補的な配列を使
用して、以下のように設計する: R1 5’−TGTGTCACAGCCAGACATGAGC(配列番号 32
1) R2 5’−TGCAAACATACACAGGGACCG(配列番号 322
) プライマーR1は、配列番号318の残基573〜552に基づき、そしてR2
は、配列番号318の残基399〜379に基づく。
【0184】 PCRを、第1鎖のcDNA合成反応の5μlのアリコートならびにプライマ
ー対(例えば、F1およびR1、F1およびR2、F2およびR1、またはF2
およR2)を使用して実施する。5μlの10×PCR緩衝液(GibcoBR
L)、1μlの50mM MgSO、1μlの10mM dNTP、1μl
のF1またはF2プライマー、1μlのR1プライマー、2.5UのHigh
Fidelty Platinum Taq DNAポリメラーゼ(Gibco
BRL)、および50μlまでの水を含むPCR反応物中で、2μlのこの逆転
写産物をテンプレートとして使用して、オープンリーディングフレームを増幅す
る。この分子を、以下の温度の熱サイクラー中で30ラウンドの増幅を使用して
増幅する:95℃で1分間;55℃で1分間および72℃で2分間。この30サ
イクルに続いて、72℃で10分間伸長した。
【0185】 配列の増幅後、PCR産物を、1% TEAゲルにロードし、そしてゲル精製
に供した。1つ以上のバンドを、このゲルから単離し得、そしてDNAを、QI
Aquick(登録商標)ゲル抽出キット(Qiagen,Valencia,
CA)を用いて精製した。精製したフラグメントを、細菌ベクターにクローン化
し、そして細菌株DH5αに形質転換した。精製フラグメントのクローニング後
、このDNAを単離し、そして配列決定して、バンドがこの遺伝子領域由来の転
写物に対応することを確認し得る。
【0186】 反応を、2つの異なる5’プライマーおよび3’プライマーを用いて実行し、
この反応が増幅産物を生じる可能性を増加させる。他のプライマーをまた、この
配列の推定5’および/または3’末端から設計し得(そしてまたこれは、本開
示を読むことによって当業者に明らかである)、そしてこのようにして、他のプ
ライマーを、配列番号317および318の一般的な領域から設計し得る(これ
は、開示されたプライマーよりも良好な結果を生じ得る)。
【0187】 部分cDNAの末端に対して5’のさらなる配列を得るために、cDNA末端
の5’迅速増幅方法(5’ rapid amplification of
cDNA end)(RACE)を実行して、全転写物が同定されたことを確実
にし得る。PCR Protocols:A Guide to Method
s and Applications(1990)Academic Pre
ss,Inc.を参照のこと。F1−R1またはF2−R1プライマー対を用い
たcDNAの単離後、さらなるプライマーを設計して、RACEを実行し得る。
これらのプライマーは、以下のように10154−1の配列から設計し得る。 5’−TTTAGCAGCACTAATGACTGTGGC−3’(配列番号3
23) 5’−CGCCGTGAATTACTGTGGATGG−3’(配列番号324
) 2つのRACEプライマーを、それぞれ、配列番号317の残基286〜263
および396〜375に基づいて設計する。 これらの配列を、上記のPCRプロトコールを用いて得た増幅産物に対して5’
の任意の転写配列を得るために使用し得る。
【0188】 (ノーザン分析) 他の技術を、全長転写物の異なる発現を確認するために使用し得た。例えば、
ノーザンブロットを使用して、高い転移可能性を有する乳癌細胞と比較して低い
転移可能性を有する乳癌細胞において、配列番号317および318の異なる発
現を実証し得た。ノーザン分析を、当該分野で周知の方法によって達成し得た。
簡単に言うと、RNAを、高い転移可能性を有する乳癌細胞および低い転移可能
性を有する乳癌細胞から個々に単離する(例えば、RNeasy Mini K
its(Qiagen,CA)またはNucleoSpin(登録商標)RNA
II Kit(Clontech,Palo Alto,CA)からのような
産物)。単離したRNAサンプルは、ノーザン分析用であり、これらの細胞から
単離したRNAを、変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で電気泳動し、そし
て膜(例えば、支持されたニトロセルロース膜(Schleicher & S
chuell))に移した。
【0189】 5mg/ml変性一本鎖精子DNAを含むRapid−Hyb緩衝液(Ame
rsham Life Science,Little Chalfont,E
ngland)を、65℃に予め温め、そしてRNAブロットを、この緩衝液中
で振盪しながら65℃で30分間プレハイブリダイズさせた。[α−32P]d
CTP(3000Ci/mmol,Amersham Pharmacia B
iotech Inc.,Piscataway,NJ)(Prime−It
RmT Kit,Stratagene,La Jolla,CA)を用いて標
識し、そしてProbeQuantTM G−50 Micro Column
s(Amersham Pharmacia Biotech Inc.)を用
いて精製した遺伝子特異的DNAプローブ(1反応当たり50ng)を、このブ
ロットに添加し、そして65℃で一晩浸透しながらハイブリダイズさせた。この
ブロットを、2×SSC、0.1%(w/v)SDS中、室温で20分間洗浄し
、1×SSC、0.1%(w/v)SDS中、65℃で15分間2回洗浄し、次
いで、Hyperfilm(Amersham Life Science)に
曝露した。
【0190】 (実施例6:患者の組織サンプルを用いたアレイ分析による、差次的に発現さ
れる遺伝子の同定) 本明細書中に記載されるポリヌクレオチドに対応する差次的に発現される遺伝
子をまた、患者の組織サンプルから得た材料を用いたマイクロアレイハイブリダ
イゼーション分析によって同定した。これらの実験に使用した生物学的材料を以
下に記載する。
【0191】 (患者の組織サンプルの供給源) 正常組織および癌性組織を、レーザー捕獲顕微解剖(LCM)技術を用いて患
者から収集した。これらの技術は、当該分野で周知である(例えば、Ohyam
aら(2000)Biotechniques 29:530−6;Curra
nら(2000)Mol.Pathol.53:64−8;Suarez−Qu
ianら(1999)Biotechniques 26:328−35;Si
moneら(1998)Trends Genet 14:272−6;Con
iaら(1997)J.Clin.Lab.Anal.11:28−38;Em
mert−Buckら(1996)Science 274:998−1001
を参照のこと)。表8(実施例の最終頁の後ろに挿入されている)は、サンプル
を単離した各患者に関する情報を提供し、この情報には以下が挙げられる:患者
ID(Patient ID)および症状報告ID(Path ReportI
D)(同定の目的のために患者および症状報告を割当てた番号);腫瘍の解剖学
的な位置(AnatomicalLoc);原発性腫瘍サイズ(Primary
Tumor Size);原発性腫瘍のグレード(Primary Tumo
r Grade);組織学的グレード(Histophathologic G
rade);腫瘍が浸潤された局部の説明(Local Invasion);
リンパ節転移の存在(Lymph Node Metastasis);リンパ
節転移の発生率(試験されたリンパ節の数に対する、転移が陽性のリンパ節の数
として提供される)(Incidence Lymphonode Metas
tasis);限局性リンパ節のグレード(Regional Lymphno
de Grade);腫瘍から遠隔の部位への転移の同定および検出ならびに転
移の位置(Distant Met & Loc);遠隔の転移の説明(Des
cription Distant Met);遠隔の転移のグレード(Dis
tant Met Grade);および患者または腫瘍についての一般所見(
Comment)。腺腫は、いずれの患者においても記載されなかった;腺腫形
成異常(病理学者によって過形成として記載される)が、患者ID695におい
て記載された。結節外拡大が、2人の患者(患者ID784および同791)に
おいて記載された。リンパ管侵襲が、7人の患者(患者ID128、同278、
同517、同534、同784、同786および同791)において記載された
。クローン様浸潤が、7人の患者において記載された(患者ID52、同264
、同268、同392、同393、同784および同791)において記載され
た。
【0192】 (アレイ上のポリヌクレオチドの供給源) (アレイ上のポリヌクレオチド) アレイ上にスポットされるポリヌクレオチドを、cDNAライブラリーに由来
するクローンのPCR増幅によって産生した。増幅のために使用したこのクロー
ンは、本明細書中に記載される配列(配列番号1〜316)が由来するクローン
か、またはBLAST2相同性検索によって決定されるような、本明細書中に記
載される配列(配列番号1〜316)との有意なポリヌクレオチド配列重複を有
する挿入を有するクローンのいずれかである。
【0193】 (マイクロアレイ設計) 以下の実施例において使用される各アレイは、同一の空間的な配置およびコン
トロールスポットの設定を有した。それぞれのマイクロアレイを2つの領域に分
離し、それぞれの領域は、それぞれの半分に32×12のスポットの12の群を
有するアレイを有し、各アレイ上に約9,216の総スポットを有する。この2
つの領域を、アレイごとにそれぞれのクローンの少なくとも2つの複製を提供し
て同じようにスポットする。スポッティングを、0.5kb〜2.0kbのPC
R増幅産物を使用して達成し、そして製造者推薦に従ってMolecular
Dynamics Gen IIIスポッターを使用してスポットした。アレイ
の24領域それぞれの第1の行は、約32のコントロールスポットを有し、これ
は4つのネガティブコントロールスポットおよび8つの試験ポリヌクレオチドを
含む。
【0194】 この試験ポリヌクレオチドを、2〜600pg/スライドの濃度範囲および1
:1の比で標識反応をする前に、それぞれのサンプルにスパイクした。それぞれ
のアレイ設計のために、2つのスライドガラスを、標識反応において逆標識した
試験サンプルでハイブリダイズした。これは、各サンプルの各クローンについて
、約4連の測定(一方の色で2回、そして他方の色で2回)を提供した。
【0195】 (マイクロアレイ分析) cDNAプローブを、上記(表8)の患者の細胞から単離した総RNAから調
製した。LCMが、実質的に相同の細胞サンプルを提供するために特異的な細胞
型の単離を提供するので、これは、実質的に純粋なRNAサンプルを提供する。
【0196】 総RNAを、T7 RNAポリメラーゼプロモーターを含むプライマーを使用
して、最初にcDNAに逆転写し、続いて第2鎖DNA合成を行った。次いで、
cDNAをインビトロで転写し、T7プロモーター媒介発現を使用してアンチセ
ンスRNAを産生し(例えば、Luoら、(1999)Nature Med
5:117〜122を参照のこと)、次いでこのアンチセンスRNAをcDNA
に変換した。このcDNAの第2のセットを、T7プロモーターを使用して、再
びインビトロで転写し、アンチセンスRNAを産生した。必要に応じて、このR
NAを再びcDNAに変換し、T7媒介増幅の第3ラウンドまでを許容して、さ
らにアンチセンスRNAを産生した。従って、この手順は、インビトロ転写の2
つまたは3つのラウンドを提供し、蛍光標識に使用される最終RNAを産生した
。蛍光プローブを、コントロールRNAをアンチセンスRNA混合物へまず添加
することによって、およびRNA出発材料から蛍光的に標識されたcDNAを産
生することによって、作製した。腫瘍RNAサンプルから調製した蛍光標識され
たcDNAを、正常細胞RNAサンプルから調製した蛍光標識されたcDNAと
比較した。例えば、この正常細胞由来のcDNAプローブを、Cy3蛍光色素(
緑)で標識し、そして腫瘍細胞から調製したcDNAプローブをCy5蛍光色素
(赤)で標識した。
【0197】 示差発現アッセイを、同じ患者の腫瘍細胞および正常細胞由来の等量のプロー
ブを混合することにより実施した。このアレイを、5×SSC/0.2% SD
S/1mM EDTA中で60℃にて約2時間のインキュベーションによりプレ
ハイブリダイズし、次いで水で3回、イソプロパノールで2回洗浄した。アレイ
のプレハイブリダイゼーションの後、次いでプローブ混合物を高ストリンジェン
シーの条件(50%ホルムアミド、5×SSC、および0.2% SDS中で4
2℃にて一晩)下でこのアレイにハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーショ
ン後、アレイを以下のように55℃にて3回洗浄した:1)1×SSC/0.2
% SDS中で最初の洗浄;2)0.1×SSC/0.2% SDS中で二回目
の洗浄;そして3)0.1×SSC中で三回目の洗浄。
【0198】 次いでこのアレイを、Molecular Dynamics Genera
tion III二色レーザー−スキャナー/ディテクターを用いて緑色および
赤色蛍光についてスキャンした。この画像を、BioDiscovery Au
togeneソフトウェアを用いて処理し、そして各スキャンセットからのデー
タを正常と比較しての発現比率を提供するために正規化した。マイクロアレイ実
験からのデータを、E.J.Moler、M.A.BoyleおよびF.M.R
andazzoによる米国出願番号第60/252,358号(2000年11
月20日出願、表題「cDNAマイクロアレイデータにおける精度および正確度
(Precision and accuracy in cDNA micr
oarray data)」、この出願は本明細書中で参考として詳細に援用さ
れる)に記載されるアルゴリズムに従って分析した。
【0199】 今回は、両方の「色の方向(color direction)」についてア
ッセイを実施するために、2つのプローブを反対の色で標識して、この実験を繰
り返した。時々、2つのさらなるスライド(各色の方向において1つ)を用いて
、各実験を繰り返した。アレイにおける各配列についての蛍光レベルは、4つの
アレイ由来の8つの複製スポット/遺伝子または2つのアレイ由来の4つの複製
スポット/遺伝子の幾何学的平均の比率またはいくつかの他の順列として表わし
た。各複製領域に存在するスパイクしたポジティブコントロールを用いてデータ
を正規化し、そしてこの正規化の正確さを、各差違の有意さの最終的な決定に含
めた。また、各スポットの蛍光強度を、各複製領域におけるネガティブコントロ
ールと比較して、各サンプルにおいて、どのスポットが有意な発現レベルを検出
したかを決定した。
【0200】 蛍光強度の統計的な分析を、複製スポットの各セットに適用して、示差的な各
測定の正確さおよび有意さを評価し、各患者の腫瘍サンプルと正常サンプルとの
間の発現レベルに差がないという統計的仮説を試験するp値を得た。マイクロア
レイの最初の分析について、この仮説は、p>10−3の場合に受け入れられ、
そして異なる比率を、それらのスポットについて1,000に設定した。全ての
他のスポットは、発現において腫瘍サンプルと正常サンプルとの間に有意な相違
を有する。腫瘍サンプルが検出可能な発現を有し、正常細胞がそうでない場合、
この比率は、1000に短縮される。なぜなら、腫瘍サンプルにおける発現につ
いての値がゼロであり、そしてその比率は数学的に有用な値ではないからである
。この比率は、数学的に有用な値ではない(例えば、無限大)。正常サンプルが
検出可能な発現を有し、腫瘍細胞がそうではない場合、この比率は、0.001
に短縮される。なぜなら、腫瘍サンプルにおける発現についての値がゼロであり
、そしてその比率は数学的に有用な値ではないからである。これらの後者の2つ
の状態を、本明細書中で「オン/オフ」と呼ぶ。データベーステーブルを、95
%信頼レベル(p>0.05)を用いて集合させた(populated)。
【0201】 以下の表9は、示差発現分析の結果を要約する。各テーブルは、以下のものを
提供する:アレイ上のスポットのポリヌクレオチドに対応するポリヌクレオチド
の配列番号;スポットID(同一のアレイおよび異なるアレイ上のスポットと区
別するようにスポットに割り当てられた識別子)、アレイから獲得された情報を
有する患者の数(Num比率)、およびマッチした正常なコントロール組織と比
較して、発現が2倍以上増加、5倍以上増加、または1/2倍以下減少して検出
された患者の百分率。
【0202】 一般的に、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのサンプルにおいて検出可能
レベルの発現が存在し、そして比率の値が少なくとも約1.2倍、好ましくは少
なくとも約1.5倍、より好ましくは少なくとも約2倍よりも大きい場合に、2
つのサンプル間で有意に示差的に発現される遺伝子を表わすと言われる(比率の
値は、上述の方法を用いて算出される)。
【0203】 示差的な発現の比率の1は、腫瘍細胞におけるこの遺伝子の発現レベルが、同
一の患者の正常な結腸細胞における遺伝子の発現と統計的に異ならないことを示
す。正常な結腸細胞と比較して癌性結腸細胞において1より有意に大きい示差的
な発現比率は、この遺伝子が正常細胞と比較して癌細胞における発現で増加され
ことを示し、この遺伝子が、癌の表現型の発生において役割を果たし、この細胞
の転移を促進することに関与し得ることを示す。このような遺伝子由来の遺伝子
産物の検出は、細胞が癌性であるという指標を提供し得、そして治療および/ま
たは診断標的を提供し得る。
【0204】 同様に、正常な結腸細胞と比較して癌性結腸細胞において1よりも有意に小さ
い示差的な発現比率は、例えば、この遺伝子が、癌の表現型の抑制に関与するこ
とを示す。このような遺伝子によりコードされる遺伝子産物の活性を増加させる
こと、またはこのような活性を置き換えることは、化学療法の基礎を提供し得る
。このような遺伝子はまた、癌細胞のマーカーとして役立ち得る(例えば、正常
な細胞と比較して結腸細胞におけるこの遺伝子産物の非存在または減少した存在
は、この細胞が癌性であり得ることを示す)。
【0205】
【表9】
【0206】 (寄託情報) 以下の材料は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(CMCC=Chi
ron Master Culture Collection)に寄託された
【0207】
【表5】
【0208】 さらに、選択されたクローンのプール、ならびに特定のクローンを含むライブ
ラリーは、「ES」番号(内部参照)を割り当てられ、そしてATCCに受託さ
れた。以下の表6は、ES寄託物のATCC受託番号を提供する。これらの全て
は、1999年5月13日に、またはそれ以前に寄託された。これらの寄託物の
各々を含むクローンの名前は、表7において提供される(特許請求の範囲の後に
挿入される)。
【0209】
【表6】
【0210】 本明細書中に記載される寄託物は、当業者への便宜としてのみ提供され、そし
て寄託物が米国特許法35条112において要求されるという承認ではない。寄
託された材料に含まれるポリヌクレオチドの配列、ならびにそれによってコード
されるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用され、そし
て本明細書中の配列の記載とのいかなる矛盾の事象をも制御する。寄託された材
料を作製、使用、または販売するためには、許可が必要であり得、そしてこのよ
うな許可は、本明細書によって付与される。
【0211】 (プールされたクローンの寄託物からの個々のクローンの回収) ATCC寄託物がcDNAクローンのプールまたはcDNAクローンのライブ
ラリーから構成される場合、この寄託物は、各々のクローンを別々の細菌細胞に
まずトランスフェクトすることによって調製した。次いで、プールまたはライブ
ラリー中のクローンを、複合性(composite)の寄託物中の等価な混合
物のプールとして寄託した。特定のクローンを、当該分野で周知の方法を使用し
て複合性の寄託物から獲得し得る。例えば、特定のクローンを含む細菌細胞を、
単一のコロニーを単離すること、およびそのクローンのインサートの配列に特異
的にハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドプローブ(単数ま
たは複数)(例えば、示されたSEQ ID NO.を有するコードされたポリ
ヌクレオチドのマスクされていない配列に基づくプローブ)を使用して、標準的
なコロニーハイブリダイゼーション技術によって特定のクローンを含むコロニー
を同定することにより、同定し得る。このプローブは、約80℃(AまたはTの
各々について2℃、およびGまたはCの各々について4℃を仮定する)のT
有するように設計されるべきである。次いで、陽性コロニーを採取し得、培養し
て増殖させ、そして組換えクローンを単離し得る。あるいは、この様式において
設計されたプローブをPCRに使用して、当該分野で周知の方法に従って、(例
えば、寄託された培養プールからcDNAを精製すること、および対応する所望
のポリヌクレオチド配列を有する増幅産物を生成するためにPCR反応において
このプローブを使用することによって)プールされたクローンから核酸分子を単
離し得る。
【0212】 当業者らは、慣用的な実験以上のことを使用せずして、本明細書に記載される
本発明の特定の実施態様に対する多くの等価物を認識し、または確認し得る。そ
のような特定の実施態様および等価物は上記の請求の範囲により含まれることが
意図される。
【0213】 本明細書中で引用される全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物また
は特許出願が、参照により特異的および個々に組み込まれることが示されるよう
に、本明細書中で参考として援用される。任意の刊行物の引用は、出願日以前の
開示についてであり、そして本発明が先願の効力によりそのような刊行物の日付
を早めるために権利を付与されないという認可として構築されるべきではない。
【0214】 前述の本発明は、理解の明確化の目的のため、例証および実施例として幾分詳
細に記載されているが、本発明の教示を考慮すれば、添付された請求項の意図ま
たは範囲から逸脱することなく、それに対する特定の変化および改変がなされ得
ることは、当業者に容易に明らかである。
【0215】
【表1】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【表2】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
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【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
【0259】
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【表4】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【表7】
【0288】
【0289】
【0290】
【0291】
【表8】
【0292】
【0293】
【0294】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、配列番号315およびクローンH72034(配列番号317)の
比較である。
【図1B】 図1Bは、配列番号315とクローンH72034(配列番号317)の比較
である。
【図2】 図2は、配列番号316とクローンAA707002(配列番号318)の比
較である。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/04 C07K 16/18 4H045 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 エスコベド, ジャイメ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94507, アラモ, ラボーナ ロード 1470 (72)発明者 イニス, マイケル エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94556, モラガ, コンスタンス プレイス 315 (72)発明者 ガルシア, パブロ ドミンゲス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94131, サン フランシスコ, チェネリー ス トリート 882 (72)発明者 サダス−クリンガー, ジュリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94707, ケンジントン, レキシントン ロード 280 (72)発明者 ラインハルト, クリストフ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94501, アラメダ, クリントン アベニュー 1633 (72)発明者 ヒー, ジジュン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95117, サン ノゼ, サン トーマス アキノ ロード 1299, アパートメント 208 (72)発明者 ランダッゾ, フィリッポ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94611, オークランド, カプリコーン アベニ ュー 104 (72)発明者 ケネディー, ギウリア シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94116, サン フランシスコ, キャステナダ アベニュー 360 (72)発明者 ポット, デイビッド エイ. アメリカ合衆国 バージニア 22204, アーリントン, コロンビア パイク 5550, ナンバー915 (72)発明者 カッサム, アルタフ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94602, オークランド, ミッドベイル アベニ ュー 3810 (72)発明者 ラムソン, ジョージ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94556, モラガ, サンドリンガム ドライブ 232 (72)発明者 ジャマナック, ラドーエ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, イースト グリニッジ プレイス 850 (72)発明者 クベンジャコフ, ラドミール アメリカ合衆国 カリフォルニア 94068, サニーベイル, ヘイバーヒル ドライ ブ 762 (72)発明者 ディクソン, マーク アメリカ合衆国 カリフォルニア 95025, ホリスター, ガビラン ドライブ 1411 ナンバービー (72)発明者 ジャマナック, スネザナ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, イースト グリニッジ プレイス 850 (72)発明者 ラバット, イヴァン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94043, マウンテン ビュー, アスベリー ウ ェイ 1006 (72)発明者 レシュコウィッツ, デナ イスラエル国 56452, イェフド, メ ボ ブロッシュ 1 (72)発明者 キタ, デイビッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティ, バウンティ ド ライブ 899 (72)発明者 ガルシア, ベロニカ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベイル, アノ ヌーボ 396, アパートメント 412 (72)発明者 ジョーンズ, リー ウィリアム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベイル, アノ ヌーボ 396 ナンバー412 (72)発明者 シュタッヒェ−クライン, ビルギット アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベイル, サウス メアリー ア ベニュー 345 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 CA04 CA09 HA01 HA14 4B063 QA19 QQ08 QQ44 QR55 QS34 4B064 AG01 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AB01 BA01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA02 BA08 BA17 BA20 BA21 CA18 CA27 CA30 CA56 DC50 NA14 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA75 EA29 EA51 FA74

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌ
    クレオチドは、ストリンジェントな条件下で配列番号1〜316からなる群から
    選択される配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリ
    ヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 単離されたポリヌクレオチドであって、該単離されたポリヌ
    クレオチドは、配列番号1〜316、配列番号1〜316の縮重改変体、配列番
    号1〜316のアンチセンス、および配列番号1〜316の相補鎖からなる群か
    ら選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列の
    少なくとも15個連続するヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、ATC
    C受託番号xxのクローン番号xxとして寄託されたクローンに含まれるインサ
    ートのヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 単離されたcDNAであって、該単離されたcDNAは、配
    列番号1〜316からなる群から選択される配列のヌクレオチド配列の少なくと
    も15個連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを使用する増幅プロセス
    によって得られる、単離されたcDNA。
  5. 【請求項5】 前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅による増
    幅である、請求項4に記載の単離されたcDNA。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドを含む
    、単離された組換え宿主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドを含む
    、単離されたベクター。
  8. 【請求項8】 ポリペプチドを産生するための方法であって、該方法は、以
    下の工程: 請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞を
    培養する工程であって、該培養する工程は、コードされるポリペプチドの発現に
    適した条件下で行なわれる、工程; 該宿主細胞培養物から該ポリペプチドを回収する工程、 を包含する、方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドによっ
    てコードされる、単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項9のポリペプチドに特異的に結合する、抗体。
  11. 【請求項11】 哺乳動物細胞の癌性状態に関連する差次的に発現される遺
    伝子を検出する方法であって、該方法は、以下の工程: 癌であることが疑われる細胞由来の試験サンプルにおいて少なくとも1つの差
    次的に発現される遺伝子産物を検出する工程であって、ここで、該遺伝子産物は
    、配列番号1〜316の少なくとも1つの同定配列を含む遺伝子によってコード
    される、工程、 を包含し、 ここで、該差次的に発現される遺伝子産物の検出は、該試験サンプルが由来し
    た該細胞の癌性状態に関連する、方法。
  12. 【請求項12】 ポリヌクレオチドのライブラリーであって、ここで、少な
    くとも1つのポリヌクレオチドが、請求項1、2、3または4に記載のポリヌク
    レオチドの配列情報を含む、ポリヌクレオチドのライブラリー。
  13. 【請求項13】 前記ライブラリーが、核酸アレイ上に提供される、請求項
    12に記載のライブラリー。
  14. 【請求項14】 前記ライブラリーが、コンピューター読み取り可能なフォ
    ーマットで提供される、請求項12に記載のライブラリー。
  15. 【請求項15】 遺伝子産物の発現を調節することによって腫瘍増殖を阻害
    する方法であって、該遺伝子産物が、配列番号1〜316からなる群から選択さ
    れる配列によって同定される遺伝子によってコードされる、方法。
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