JP2000503879A - 病変組織の治療法としての標的を定めたヒステリシス温熱療法 - Google Patents

病変組織の治療法としての標的を定めたヒステリシス温熱療法

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Abstract

(57)【要約】 (i)磁場条件が約7.5×107A/s以下である場合、磁気発熱効率が少なくとも約4.5×10-8J.m./A.g.である少なくとも磁性体を選択するステップと、(ii)患者の病変組織に該磁性体を送達するステップと、(iii)患者体内の該磁性体を、周波数が約10kHz以上で、磁場強度、周波数および曝露された領域の半径の積が約7.5×107A/s未満となるような磁場強度の線形交流磁場に曝露し、病変組織においてヒステリシス熱を生成するステップとを含む患者の病変組織を部位特異的に治療する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 病変組織の治療法としての標的を定めたヒステリシス温熱療法 本発明は、標的を定めたヒステリシス療法を用いる患者の治療方法に関する。 特に、部位指向性ヒステリシス熱損失を用いる患者の治療方法に関する。 悪性腫瘍の様な人体の病変は、一般に摘出、化学療法、放射線療法またはこれ らの方法の組み合わせにより治療される。これらはそれぞれ臨床利用に影響を及 ぼす制限がある。摘出は、病変が瀰性組織として存在する場合、あるいは外科的 手術が不可能な部位にある場合には不適切である。化学療法剤は、一般に非特異 的であり、従って、正常細胞と病変細胞の死滅を引き起こす。化学療法と同様に 、放射線療法も非特異的で、電離放射線に曝露された正常組織の死滅を引き起こ す。更に、腫瘍の様な病変の中には電離放射線に比較的抵抗性を持つものもある 。これは腫瘍組織の中心部に関して特に問題となっている。 癌の治療法として、温熱療法が提唱されている。温熱療法が、癌腫の様な病変 の治療に有効であることを確証する証拠が多数発表されている。温熱療法による 治療効果は、次の2つの主要機序によりもたらされる。(1)42℃以上に温度を上 げることによる組織に対する直接的殺腫瘍効果が、癌細胞に不可逆的損傷を引き 起こす。(2)温熱療法は、放射線療法の効果と特定の化学療法剤に対する癌細胞 の感受性を高めることが知られている。放射線療法や化学療法と対照的に、温熱 療法には累積毒性がないため、温熱療法の改善されたシステムの開発は、更に正 当化されることになる。 哺乳動物細胞は、時間/温度および細胞周期に依存して、温熱による損傷を受 ける。この熱に対する細胞の反応は、逆に種々の細胞内および細胞外環境因子に より変化する。温熱療法による細胞損傷に影響する細胞内因子には、異なる種、 器官、更に細胞系に固有の変動が挙げられる。細胞外因子には、細胞の酸素およ び栄養状態、細胞外環境のpH、絶対温度の上昇と温熱療法期間が挙げられる。 新生物細胞が、対応する正常組織よりも温熱効果に対する感受性がより高いこ とを示す所見もあるが、これは普遍的な所見でなく、幾つかの最近の研究では、 温熱による損傷に対する感受性には、細胞が新生物であるか、正常であるかは密 接な関係がないことが証明されている。 多くの研究により、温熱療法と放射線療法には共同作用があることが確認され ている。温度が僅かに変化しても、放射線照射傷害に抵抗できる細胞に関して、 予想が大きくずれる可能性がある。 温熱療法と放射線療法の共同作用に影響を及ぼす因子には、温熱療法期間、温 熱療法と放射線療法の順序、1回あたりの照射量と総照射量、細胞外環境のpH、 細胞の酸素および栄養状態、細胞の組織学的タイプと悪性状態が挙げられる。 腫瘍中心部の無血管部分の細胞は、常にアシドーシスの低酸素状態で、栄養欠 乏状態にある。これらの因子は、独立して、温熱療法の効果を増強する。その上 、重度の低酸素状態の細胞は、正常の酸素状態の細胞よりも電離放射線に対する 抵抗性が約3倍高い。極めて重要なことは、これらの低酸素状態の細胞は放射線 の作用に抵抗するかも知れないが、温熱療法はこの放射線に対する抵抗性を部分 的に克服し、放射線療法によりアシドーシスおよび低酸素状態の細胞を死滅させ る作用を強化することができる。 患者において、臨床的温熱作用を引き起こす現在利用可能な方法には多くの問 題が伴う。正常な人体組織および器官は、熱に対する感受性があり、42℃以上で 、多くの組織が不可逆的損傷を受ける。現在利用可能な臨床的に温熱を伝える方 法は非特異的で、腫瘍細胞と共に正常組織も加熱する。より限定された標的部位 に集中的に熱を産生するために、超音波および電磁波による集束熱産生装置が現 在開発中あるが、殆ど全ての加熱技術が広範にわたる標的部位に熱産生を引き 起こし、病変組織に対する特異性は極めて低い。 特定の器官の選択された局所部位を局所的あるいは全身的に臨床的に加熱する ために、幾つかの方法が現在利用可能である。これらの技術についていくつかを 下記に議論する。 全身的加熱は、体内あるいは体外の熱源により引き起こされるが、一般に麻酔 無しで42℃以上に耐えることはできない。局所的加熱技術には、臓器灌流、種々 の形態の電磁波または超音波がある。 単純波の電磁波または超音波加熱は、組織透過性が低く、深度が増すにつれ、 迅速にエネルギーが減少する。 周波数0.3から3MHzの超音波は、空気、骨などの組織の界面により発生する乱 れにより制限される。しかし、これを深部組織を加熱するより許容可能な形態に できるように、改善された集束装置が現在開発中である。 周波数434から2450MHzのマイクロ波加熱が使用されているが、一般に組織透過 性は低い。整相列装置により、深部組織においてマイクロ波エネルギーを集束さ せることが可能であるが、熱効果の変動が問題として残っている。 周波数434MHzまでの高周波が使用され、成功を修めている。これらの加熱技術 は、誘電および誘導法の両者が含まれ、比較的均等な組織加熱を引き起こすこと ができる。しかし、誘導電流を用いる深部臓器加熱のための集束が、なお問題と して残っている。 この様な治療法を有効にするには、2つの基本的必要条件がある。第一に、治 療を標的部位に限定する必要がある。第二に、患者に対する安全操作の限界範囲 内に温熱療法を維持しつつ、病変組織内部の加熱を最大限にする必要がある。 温熱療法を用いる表在性腫瘍の治療においては、多くの成功が認められている が、患者の病変に選択的に標的を定め、治療する方法がなお必要である。体外か ら照射されたマイクロ波または超音波光線の透過深度が不十分で、集束能が低い ことにより、医師が、周辺健常組織に許容不可能な程度の損傷を同時に引き起こ さずに、深部病変に十分な熱量を照射することが著しく制限される。本発明は、 温熱療法を用いる際、少なくとも熱の透過深度と不十分な局部限定性に伴う問題 を改善することを目的とする。発明の概要 本発明は、 (i)磁場条件が約7.5×107A/S以下である場合、磁気発熱効率が少なくとも約4. 5×10-8J.m./A.g.である少なくとも磁性体を選択するステップと、 (ii)患者の病変組織に磁性体を送達するステップと、 (iii)患者体内の磁性体を、周波数約10kHz以上、磁場強度、周波数および曝露 された領域の半径の積が約7.5×107A/S未満となるような磁場強度の線形交流磁 場に曝露し、病変組織にヒステリシス熱を生成するステップと を含む患者の病変組織を部位特異的に治療する改善された方法を提供する。 好ましくは、本発明は、方法中のステップ(i)から(iii)を、疾病を改善するた めに病変組織が十分に破壊または治療されるまで繰り返す。 本発明に使用される磁性体は、磁場条件が約7.5×107A/S以下である場合、磁 気発熱効率(magnctic hcating efficientcy; MHE)が約4.5×10-8J.m./A.g.以上 である。好ましくは、磁場条件が約7.5×107A/S以下である場合、MHEが約7×10-8 Jm/Ag以上である磁性体が選択される。最も好ましくは、磁場条件が約7.5×1 07A/S以下である場合、MHEが約1×10-″J.m./A.g.以上である磁性体が選択され る。 MHEが高い磁性体を使用することによって得られる利点は下記の通りである 。 1)より高い腫瘍温度をより迅速に達成できることにより、治療効果が改善され る(温熱療法の効果は、温度が42℃以上に上昇するにつれ、大幅に改善される) 。 2)以下の理由により毒性副作用が減少する。 i.腫瘍において治療のための加熱を達成するために使用しなくてはならないマ イクロカプセルが小さくて済む(マイクロカプセルが何らかの内因性毒性を持っ ている場合、有利である)。 ii.より低い磁場強度、Hを利用できる。 iii.より迅速に腫瘍を加熱できるので、腫瘍に隣接する周辺健常組織に及ぼす 影響が小さくなる(腫瘍を加熱するために必要な時間が長いほど、熱伝導により 隣接する周辺組織はより高温に加熱される)。 3)さもなければ、僅かな効果しか予想できなかったであろう腫瘍に対し特に、 治療が成功する可能性が高くなる。 4)本技術を、異なるタイプの癌の治療により幅広く応用できる。 5)より低い磁場強度を使用することにより、機器のデザインに伴う工学技術上 の問題点を解決できる。 6)より低い磁場強度を使用するということは、機器作動時の電力消費量と冷却 の必要が減少することを意味する。 本発明での使用に適した磁性体の選択は、磁性体の・MHEに基づく。MHEは以下 の式により、計算できる。 式中、Phystは磁気ヒステリシス損失効果(単位W/g)、Hは印加される磁場の 振幅(単位A/m)、fは作用させる磁場の周波数である。病変組織の治療を目的と して、磁気ヒステリシスによる熱産生を制限する主な要素は、経時的に変動する 磁場が生体組織に及ぼす影響から生じる。一般に、これらの影響は、fとHの積 が増大するにつれ、大きくなる。従って、fとHの積を最小限にすることを条件 として、Phystを最大にすることが不可欠である。 更に、Phystは以下の式を用いて計算できる。 Physt=f.W (W/g) (2) 式中、Wは、印加された磁場の各サイクル中に磁性体において生成されるヒス テリシス熱エネルギー(単位J/g)で、fは前記の様に周波数である。 式(1)と(2)を組み合わせ、fを消去すると、一旦HとWが求められれば、MHEを 計算できることは明らかである。Wは、Hの各値毎に実験的に測定しなくてはな らない。これは、本明細書に記載されている方法により達成できる。それから、 式(1)と(2)からMHEを計算できる。 Wは、下記の幾つかの異なる方法を用いて決定できる。 1)磁気ヒステリシスの測定に関しては、Wを測定するために、振動試料磁力計 (Vibrating Sample Magnetometcr;VSM)を使用する。既知量(典型的には、lg未 満)の磁性粉末を、非磁気性エポキシを用いた非磁性、非金属のVSM試料容器に 固定する。試料をまず消磁状態とし、Wの値をより高い連続磁場強度で測定する 。 2)50Hz交流磁場磁力計もWの測定に利用できる。VSMの場合と同様に調製され た試料を小さなコイルの内部に配置する。次に、50Hzの交流磁場を誘導する磁石 の極片の間にこの小さなコイルを配置する。このコイル内で誘導される電圧は、 N.dB/dtと等しく、この場合Nはコイルの回数である。この電圧シグナルを積分 し、空気流量に関して補正し、磁化、MとHのプロットが得られる。これがヒス テリシスループで、その面積はWと等しい。 3)これらの方法の代わりに、既知量の磁性粉末、典型的には125mgを取り、そ れを5mlの寒天ゲル(温水に溶解した3%寒天。室温に戻るまで冷却すると寒天 は固化する。)に分散する。このゲルの中に温度プローブを挿入し、全体を所望 の強度の交流磁場に曝露する。得られた温度対時間曲線から、HにおけるWを計 算することができる。 ヒステリシスを示し、磁場条件が約7.5×107A/s以下の時、MHEが4.5×10-8J. m./A.g.より大きい磁性体は全て本発明に使用できる。好ましくは、磁性体は強 磁性体である。強磁性体には、鉄、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマスなど の元素が含まれるが、これらの元素に限定されない。磁性体を選択できる一連の 材料としては、CrO2、γ-酸化第二鉄(コバルト処理されたものと未処理の両者 )、および金属鉄、コバルトまたはニッケル等がある。一般式MO.Fe23(式 中MはMg、Mn、Fc、Co、Ni、Cu、Zn、CdまたはLi等の二価金属、)、コバルト処 理されたフェライトまたは一般式MO.6Fe23(式中Mは、Ba、SrまたはPb等 の大きな二価イオン)の磁気亜鉛酸塩型酸化物(M型)から成るフェライトは全て 本出願において有用な磁性体となり得る。更に、超常磁性シングルドメイン粒子 を磁性体として使用できる。最も好ましくは、強磁性体は、γ-酸化第二鉄(γFe23)として知られる一連の強磁性体から選択される。 磁性体を選択できる適切な強磁性体の例として、Co処理γ-酸化第二鉄、幾つ かのコバルト非処理γ-酸化第二鉄、コバルト処理フェライトおよび二酸化クロ ムが挙げられる。 本発明の方法は、病変組織部位の温度を41℃以上に上げ、悪性細胞の生存可能 性を減少させる手段を提供する。悪性細胞の生存可能性の減少は、細胞死または 電離放射線または化学療法剤の効果に対する感受性の増大を引き起こす。 印加される磁場の各サイクル中に、磁性体において生成されるヒステリシス熱 量はWによって与えられる。ヒステリシス熱エネルギーを、組織を加熱できる力 に変換するには、磁場が高周波数の交流を持たなくてはならない。処理中、患者 は強さHと周波数fの磁場を発生する器械の中に入れられる。周波数が高い程、 磁性マイクロカプセルを含む組織内の加熱率は増大する。しかし、高い振幅、高 い周波数の磁場に対する生理的反応により、臨床応用に使用できる磁場の振幅と 周波数は制限される。これらの制限は、特に組織の電気伝導度に依存する神経筋 活性化と渦巻電流加熱に起因する。これらは共に、磁場により組織内に誘導され た電場の結果生じるものである。これらの心身に有害な可能性のある誘導電場の 大きさは、H、fおよび磁場の方向と垂直な曝露面積の半径rの積の二乗に比例 する。H、fおよびrの積により、磁場条件が定義される。H、fおよびrの積 は、約7.5×107A/sの値を超えてはならない。すなわち、H.f.r≦7.5×107A/sで ある。この点を説明するために、体軸に沿って印加された磁場に全身を曝露させ た場合を検討してみる。この場合、rは典型的には、0.15mng/mlで、FとHの積 は5×108A/m.sを超えてはならない。 本発明において使用される磁性体は、本技術において公知の全ての手段により 、患者の病変組織に送達できる。適切な投与経路には、腫瘍内、腫瘍周囲、血管 内投与(例えば、動脈内、腹腔内、皮下または髄膜内注入)。好ましくは、磁性体 は、動脈または静脈血液供給を介して病変組織に送達できる。 好ましくは、磁性体は、液体エマルジョンに混合されるか、あるいはマイクロ カプセルの中に結合される。後者は次に、患者の体内に送達するために適切な生 体適合媒質と混合できる。最も好ましくは、磁性体は基質材料の中に結合され、 マイクロカプセルを形成する。多くの磁性体は、そのものが典型的に非常に小さ く、非常に密度が高いため、病変組織部位に至適に送達することができない。従 って、マイクロカプセルの中にカプセル化することが望ましい。マイクロカプセ ルの重要な特性は、それらの密度とそれらの直径である。密度は、病変組織血管 網における固定部位に血流によりそれらを運搬する効率に影響し、一方大きさは 固定点の病変組織に対する近接性を決定する。 好ましくは、磁性体は、磁性粒子のヒステリシスまたは渦巻電流加熱特性に悪 影響を及ぼさない基質材料内に結合される。毒性のない結合剤または基質は、マ イクロカプセル化技術において公知の適切な非毒性材料のいずれを含んでもよい 。適切な材料には、例えば、蛋白質、スチレン−ジビニルベンゼンなどのポリマ ー樹脂、生体高分子、アルブミン、キトキサン(chitoxan)等が挙げられる。 本発明の好ましい形態において、マイクロカプセルは、マイクロカプセルの加 熱時に放出される細胞毒性物質を結合、または吸収、または含む様に改変される 。例えば、マイクロカプセルは、多孔性の熱感受性物質から成り、これは非毒性 で、好ましくは、動物組織に対して反応性を示さず、あるいは動物組織に適合し 、かつその内部に適切な磁性体が埋め込まれている。その物質の孔には、望まし くは細胞毒性化合物が充填されている。ヒステリシス加熱時に、微粒子は膨張で き、これによって細胞毒性化合物を放出することができる。しかし、この様な粒 子はヒステリシス加熱時の融解に抵抗性を持たなくてはならない。従って、本発 明の方法においてこの様な粒子を使用することにより、患者の病変組織を治療す るために、化学療法と温熱療法を組み合わせた1台の器械が提供される。 本発明の更なる実施例に従って、磁場と組み合わせて、電離放射線源を病変組 織の場所に作用させることができ、前記組織は、本明細書に説明されているよう に、その中にマイクロカプセルを含んでいる。放射線源は、イットリウム-90の 様な放射性化合物を含むマイクロカプセルであるか、あるいは体外放射線源から 照射される。発明の詳細な説明 図面において、 図1は、印加された磁場(x軸)の周期に伴い、磁性試料の磁化(y軸)がど のように変化するかを示すヒステリシスループである。1回の完全なサイクルで 、1つのヒステリシスループが生じる。このループの面積からW値が得られる。 図2は、選択された磁性体に関する印加された磁場強度の関数としてのMHE を示す。 図3は、高周波磁場に曝露されたときの選択された磁性体の加熱を示す。 図4は、臨床的に関連性のある投与量と等しいマイクロカプセル量を用いて、 十分灌流された生体組織を加熱するために使用された場合の、マイクロカプセル の加熱効率を示す。 図5は、周囲の正常な組織には影響を与えることなく、治療温度に肝腫瘍を加 熱するために使用された場合の、マイクロカプセルの加熱効率を示す。 図6は、病変組織の破壊における主要方法の治療効果を示す。 41℃以上の範囲の熱生産(温熱療法)は、病変細胞に不可逆的損傷を引き起こ す。従って、病変組織は、適切な磁性体からのヒステリシス熱損失の結果として 、病変組織の温度を上昇させることにより治療される。好ましくは、ヒステリシ ス加熱により生産される熱は、42℃から約60℃の範囲である。 本発明は、温熱療法、化学療法または放射線療法、あるいは温熱療法および化 学または放射線療法の組み合わせに感受性を有する全ての病変組織の治療に使用 できる。好ましくは、本発明は、癌の増殖または1つ以上の腫瘍を含む組織の治 療に使用される。以下に、マイクロカプセルの使用と、癌/腫瘍治療の見地から の方法が説明されているが、本方法の応用例は、癌/腫瘍治療とマイクロカプセ ルのみの使用に留まらないことは明らかである。 磁性体に、周期的に変動する強さの磁場を作用させると、ヒステリシス損失に より熱が生産される。周期あたりの生産熱量は、種々の強磁性体毎に、また種々 の磁場条件によって異なるヒステリシス損失に依存する。多領域強磁性体の場合 、ヒステリシス損失は粒子サイズと無関係である。腫瘍部位周辺に埋め込まれ、 振動磁場内に配置された磁性粒子は、その物質の磁性特性、磁場強度、振動周波 数、腫瘍部位における血流の冷却能力に依存する温度に加熱される。 強磁性体試料に交流磁場を作用させると、強磁性体試料における磁気ヒステリ シス損失の結果として熱の形態のエネルギーが生産される。磁場の各周期におい て磁性体により生産されるヒステリシスエネルギー量は、W(J/g)により求めら れる。そこで、ヒステリシス効果により産生される加熱エネルギーは、以下の式 により求められる。 の量は、磁場条件の特定組み合わせの下に磁性体試料を特徴づけるヒステリシス ループの面積と等しい(ヒステリシスループの典型的な例を図(1)に示す。) 有効な治療剤となるために磁性マイクロカプセルから生産されなくてはならな い最小熱量を決定するには、Ptumor(W/cm3)を確認する必要がある。Ptumorは 、以下の式により求められる。 Ptumour=f.Wc.ρ.v.n (W/cm3) (4) 式中、fは、Hzで示される作用させた磁場の交流周波数、 Wcは、磁場の各周期において、注入された磁性マイクロカプセルにおけるヒス テリシス効果により生産される熱エネルギ一量で、単位はJ/g、 ρは、g/cm3の単位で表される注入されたマイクロカプセルの密度、 vは、cm3の単位で表される各マイクロカプセルの容積、 nは、腫瘍組織1cm3あたりのマイクロカプセルの数である。 Ptumorは、本質的に腫瘍組織加熱率を表す。本発明に関しては、Ptumorは、 合理的な期間にわたり、腫瘍組織の温度を体温から病変細胞にとって致死的な温 度まで上昇させることができる程、十分大きな値でなくてはならない。更に、Ptumor は、血流および組織の熱伝導性の様な、組織を冷却する影響を抑制するこ とができる程、十分大きな値でなくてはならない。好ましくは、Ptumorは60mW/ cm3よりも大きい。最も好ましくは、80mW/cm3よりも大きく、望ましくは100mW/c m3よりも大きい。 好ましい範囲のPtumor値を得るには、変数f、W、ρ、v、nに関して適切 な値を選択する必要がある。 振動磁場に対するヒトの反応に関する利用可能なデータは限られている。この 様なデータは、至適運転周波数の範囲を約10kHzから100MHzとしている。これよ りも小さい周波数では、意図しない神経筋活性化の危険性があり、より高い周波 数では、電磁エネルギーの組織内への透過性が低下することによる制限が発生し 始める。従って、周波数は10kHzから100MHzの範囲内に維持すべきである。好ま しくは、周波数は10kHzから500kHzの範囲内に維持される。最も好ましくは、周 波数は10kHzから100kHzの範囲内に維持され、望ましくは50kHzを超えない。例え ば、周波数は20kHzである。 W(J/g)は、マイクロカプセルの中に組み込まれた磁性体固有の特性である。 Wは、印加される磁場の最大振幅Hが増大するにつれ増大する。しかし、本方法 を患者に適用する場合、Hを増大できる量には限界がある。この様な限界も使用 される周波数と、磁場に曝露された組織面積に依存する。マイクロカプセルに使 用するために選択される磁性体は、磁場条件が患者にとって安全運転限界内に維 持されている場合、MHE値は少なくとも約4.5×10-8J.m./A.g.でなくてはならな い。好ましくは、磁場条件が約7.5×107A/s以下の場合、MHEが約7×10-8J.m./ A.g.はりも大きい磁性体が選択される。最も好ましくは、磁場条件が約7.5×107 A/s以下の場合、MHEが約1×10-7J.m/A.g.よりも大きい磁性体が選択される。 磁場強度と周波数の必要条件も、マイクロカプセルの特性に左右される。これ らの特性は、パラメータρ(g/cm3)、v(cm3)およびcm3あたりのnによって説明さ れる。 本発明の方法において使用されるマイクロカプセルは、患者の脈管構造を通過 し、病変組織内に分散され、栓塞するのに適切な大きさでなくてはならない(血 管拡張剤を補助剤として使用しても、しなくてもよい。)。使用されるカプセル は、全身静脈循環に逆流せずに、器官、腫瘍または組織の毛細血管前および毛細 血管網に捕獲されることが可能でなくてはくてはならない。好ましくは、マイク ロカプセルは、腫瘍への血液供給血管内に留まるために直径約10μmよりも大き く、腫瘍に到達する前に血管内に栓子を形成しないように、約500μmよりも小 さくなくてはならない。最も好ましくは、マイクロカプセルは約10から100μm の大きさの範囲にあり、30から40μmが最も望ましい。 10μmよりも小さなマイクロカプセルも、エンドサイトーシスの過程により腫 瘍組織内に取り込まれるならば、本方法において使用可能である。 更に、強磁性体の密度も、患者の血流によるマイクロカプセルの運搬が可能と なるようなものでなくてはならない。好ましくは、マイクロカプセルの密度は1 から5g/cm3である。最も好ましくは、密度は1.8から3g/cm3である。望ましくは 、密度は1.8から2.2g/cm3の範囲で、例えば、2g/cm3である。 広範にわたる基質材料と製造技術を用いてマイクロカプセルを調製するために 、多種多様の方法が利用できる。本発明の好ましい一実施例において、マイクロ カプセルは、Biopol基質((R)-3-ヒドロキシブチル酸と(R)-3-ヒドロキシ吉草酸 のコポリマー)を用いて結合されたコバルト処理γFC23粒子を強磁性体とし て含む。この基質を用いて、密度1.8〜2.2g/cm3、大きさ20〜50μmの磁性マイ クロカプセルが得られる。 マイクロカプセルは、生物分解性または非生物分解性材料から形成できる。好 ましくは、本発明において使用されるマイクロカプセルは非分解性で、腫瘍血管 網に永久的に留まるものである。従って、腫瘍の局所的加熱にくり返し使用でき る。腫瘍を含む器官を磁場に曝露することにより、マイクロカプセル内に含まれ る強磁性体は高温となり、周囲の正常実質組織には影響を及ぼさず、高度に局所 的な腫瘍の加熱を引き起こす。 マイクロカプセルは、適切な公知の技術全てにより形成できる(例えば、“Enc yclopcdia of Chemical Technology”KIRC0-OTTHER,Vol.15Wilcy-Interscience を参照)。例えば、強磁性体粒子を、アルブミン溶液の様なタンパク質溶液に加 えることができる。次に、得られたタンパク質溶液を、好ましくは、油相に加え 、これを持続的に振とうし、エマルジョンを形成する。次に、このタンパク質様 物質を熱またはグルタルアルデヒドのような化学物質を用いて架橋反応させ、強 磁性体粒子がその中に捕獲されたマイクロカプセルを形成する。 代替法において、強磁性体粒子を、ジクロロメタンにBipolを含む溶液に加え てもよい。次に、この混合物をポリビニルアルコールまたはその同等物を含むビ ーカーにホモジェナイジングミキサーで混合しながら滴下する。次に、混合物を 適切な時間ゆっくりと混合した状態に置き、ジクロロメタンを蒸発させる。この 様に形成されたマイクロカプセルを、次に洗浄し、サイズ分画する。 マイクロカプセルの調製後、調整品をサイズ分画し、本発明の方法に使用する 好ましい大きさの粒子を選択する。好ましくは、調整品の密度分画も行い、好ま しい密度の粒子を選択する。 本発明の一実施例において、動物に対して毒性と、好ましくは反応性を示さず 、あるいは動物に適合性を示し、かつその内部に少なくとも磁性体が埋め込まれ ているマイクロカプセルを、患者の病変組織に標的を定めて(直接的あるいは間 接的に)、送達する。次にマイクロカプセルを7.5×107A/s未満の磁場に病変組織 を治療するのに十分な時間曝露する。この様な組織を治療するのに要する時間は 、 マイクロカプセルにおいて生産される熱に依存し、これは使用される磁場と使用 されるマイクロカプセルの特性に依存する。 ヒトまたは動物患者の治療に使用するために多様な投与経路が利用可能である 。選択される特定の投与形式は、勿論治療される特定の状態と治療効果を上げる ために必要なマイクロカプセルの数に依存する。本発明の方法は、概して、臨床 的副作用を引き起こさずに病変組織に選択的にマイクロカプセルを送達でき、マ イクロカプセルが病変組織全体に実質的に均等に分布するように、患者の病変組 織にマイクロカプセルを送達できる、一般に医学的に認められている全ての投与 方法を用いて実施できる。この様な投与方法には、非経口(例えば、皮下、筋肉 内、動脈内、静脈内)経路が含まれる。 本発明の一実施例において、好ましくは、マイクロカプセルは、病変組織の動 脈血供給血管(又は門脈)内にマイクロカプセル懸濁液の注入により送達される。 非経口投与に適した組成は、好都合にはカプセルの滅菌水性製剤を含み、これは 好ましくは、受容者の血液と等張である。滅菌製剤は、非毒性非経口可能な希釈 剤または溶媒の注入溶液または懸濁液が可能である。使用できる許容可能な賦形 剤および溶媒は、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。 本方法において使用される単位容積の組織あたりのマイクロカプセルの数は、 患者の治療すべき病変組織の量に完全に依存する。好ましくは、組織1gあたり のマイクロカプセルの数は、5,000から300,000(マイクロカプセル数/g)である。 最も好ましくは、10,000から100,000の範囲で、40,000から70,000が望ましい。 例えば、nは腫瘍組織1立法センチメートルあたりマイクロカプセル数約60,000 である。 例えば、本発明を腫瘍または癌組織の治療に使用する場合、腫瘍区画内にカプ セルが集中し、周辺正常実質組織には少なくなるように、マイクロカプセルは腫 瘍を含む組織の血管網に栓塞しなくてはならない。 正常組織と浸潤する腫瘍の間の境界領域の脈管構造は、主にアドレナリン性受 容体を含む細動脈から成り、腫瘍内部の血管はこれらの特徴を失っている。腫瘍 の血管床は血流調節が殆ど無く、正常組織に隣接して存在する腫瘍への動脈血供 給は正常の血管運動神経の調節を受けている。腫瘍におけるこの血流調節の欠失 は、熱投入量が増大する条件に置かれた時、周囲の正常組織と同じ速度で腫瘍が 熱を放散できない主な理由を強調するもので、このため腫瘍組織の加熱が有利と なるのである。 徐々に腫瘍が増殖するにつれ、腫瘍中心部は比較的無血管の低酸素状態となる 。これらの部分は、通常なお虚脱した血管を含んでおり、血管作用薬の影響下に 、血流を送ることが可能である。強磁性体を含むマイクロカプセルの腫瘍組織血 管床への配置は、血管作用薬を用いて、腫瘍および周辺組織の血流を操作するこ とにより強化できる。本発明の一実施例において、好ましくは、マイクロカプセ ルは血管作用薬の調節下に、病変組織に投与される。最も好ましくは、正常実質 組織は、マイクロカプセルが組織に入るのを防止するために、血管収縮剤を投与 する。 強磁性体と、アンギオテンシンII、ノルアドレナリンとβ遮断薬、バソプレシ ン、エピネフリンまたはその他の血管作用薬等の血管作用薬を含むマイクロカプ セルは、腫瘍中心部の虚脱した微小循環系を拡張し、これらの部分にマイクロカ プセルを送達するための経路を供給する。血管作用薬の効果が停止すると、腫瘍 中心部は血管および酸素が減少した状態に戻るかも知れないが、温熱療法による 損傷を受け易くなっているものと思われる。 腫瘍血管の生理的非反応性現象は、マイクロカプセルを腫瘍組織に選択的に標 的を定めて投与できるように、この様に操作することが可能である。血管収縮薬 を腫瘍を有する器官の動脈循環系に注入すると、正常組織に供給する血管の一過 性血管収縮を引き起こすが、腫瘍に供給する血管には引き起こさない。血管作用 薬の注入直後に動脈循環系にマイクロカプセルを導入すると、マイクロカプセル は正常組織ではなく、優先的に腫瘍の血管網に向けられ、捕獲される。血管作用 薬の効果は、数分以内に徐々に消失する。しかし、その時までにマイクロカプセ ルは腫瘍の毛細血管網にしっかりと固定される。逆に言えば、正常非腫瘍組織に 放射線防御薬または温熱防御薬を選択的に標的を定めて投与するために、血管拡 張薬を使用できる。 直接注入と比較して、血管経路を介する強磁性体マイクロカプセル送達の利点 を以下の様に要約することができる。 (i)血管作用薬投与と組み合わせてマイクロカプセルを動脈から送達すること により、正常実質組織にマイクロカプセルを送達することなく、病変組織にマイ クロカプセルを均等または殆ど均等に分布させることができる。これに反して、 マイクロカプセルを直接病変組織に注入すると、均等または殆ど均等なマイクロ カプセルの分布は得られない。この様な状況で、病変組織内に注入されると、マ イクロカプセルは注入部位周辺に最も高濃度に集中する。病変組織の単位容積あ たりのマイクロカプセルの密度は、注入の中心点から遠ざかるにつれ、徐々に低 下する。 (ii)動脈からマイクロカプセルを送達することにより、マイクロカプセルを注 入により送達する場合の様に、転移性腫瘍を見落とすリスクが減少する。 (iii)動脈からマイクロカプセルを送達することにより、全ての腫瘍に外科的 手術によりアクセスする必要が回避される。 (iv)動脈からマイクロカプセルを送達することにより、腫瘍を針穿刺する場合 に発生し得る腫瘍細胞が拡散される可能性が回避される。 本発明の更なる実施例に従って、1種類以上の血管作用薬と組み合わせて、強 磁性体粒子を含むマイクロカプセルが腫瘍内、または腫瘍を含む組織内に導入さ れる。次に、磁場を腫瘍部位に作用させ、強磁性体粒子のヒステリシス加熱また は渦巻電流加熱により加熱を引き起こす。 所望の磁場強度と周波数を供給できる全ての磁石を本発明において使用できる 。適切な磁石には、空気心のコイル、積層シリコン鉄心の電磁石またはフェライ ト心の磁石が含まれる。磁石は携帯用でよい。 適切に条件づけられた経時的に変動する磁場を生じるために、多くの異なる機 器が利用できる。 交流磁場は下記の式により数学的に説明される。 H(t)=H.Sin(2πft) (5) 式中、H(t)は時間tにおいて印加される磁場強度で、 Hは作用させる磁場の最大振幅で、fはその交流周波数である。この様な磁場を 発生することが可能全ての機器を本発明において使用できる。 交流磁場を使用する場合、磁場を発生するために使用する機器は、好ましくは 、コンデンサーに接続された誘導電極を使用し、これによって直列または並列共 鳴回路を形成する。共鳴回路は、好ましくは、適合する変換器を用いて適切な電 源により起動される。起磁力は、好ましくは、コイルまたはコイル対のような適 切な誘導電極により発生させる。場合によっては、運転能力を改善するために、 コイルは非伝導性高透磁率の心に巻き付けられる。一実施例において、コイルは 銅の様な抵抗率の低い金属から作製される。好ましくは、コイルは、例えば、循 環水または液体窒素等の適切な冷却手段により冷却される。更に、コイルはその 中を冷却剤が流れている空洞の管から作製される。あるいはリッツワイヤーの様 な小径の多くのワイヤーをよったものから作ることもでき、これは冷却剤に浸し て冷却される。 好ましくは、本方法において使用される機器は、人間の患者を収容するのに十 分な大きさのスペース部分に必要な磁場条件を生じることができる。更に、好ま しくは、機器はマイクロカプセルのMHEを最大にすることができる。 本発明の更なる特徴は、以下の具体例に更に詳細に説明されている。しかし、 この詳細な説明は本発明を具体的に説明することのみを目的としており、上記の 概説を制限するものと理解すべきではない。 例1強磁性体の選択 本例は、交流磁場を作用させる多種の強磁性体の加熱効率を比較するものであ る。 以下の強磁性体(表1参照)は、産業界の供給源から入手した。 これらの強磁性体の加熱効率を、既述の方法に従って検討した。分析は、振動 試料磁力計または50Hz交流磁場磁力計において各材料のヒステリシスループを測 定する。これらの分析結果を図2に示す。 高周波磁場(53kHz、28kA/m)に曝露された場合の、上記各磁性体の小さな試料 からの熱出力の直接的測定も行った。この測定の結果を図3に示す。これらの結 果は、この特定の磁場強度におけるγFe23の明らかに優れた加熱特性を示し ており(Co処理および未処理の両者)、これはそれらのMHE計数がより高いことを 反映している.強磁性マイクロカプセルの作製 磁場強度が47.1kA/mの時、最大MHEが1.0xl0-7J.m./A.g.のγFe23粒子をBa yer Chemicals社から入手した。lgのγFC23粒子を、ジクロロメタン中に15 %Biopol(Fluka Chemie社、スイス)を含む6mlの溶液と十分に混合した。次に、 ホモゲナイジングミキサーを用いて3900〜4000rpmで混合しながら、この混合物 を0.25%ポリビニルアルコール(1Lの水に溶解された分子量124,000〜186,000の8 7〜89%加水分解された2.5gのポリビニルアルコール)の中に滴下する。次に、こ の混合物をそのまま10分間混合し、その後60分間非常にゆっくりと混合し、全て のジクロロベンゼンを蒸発させる。 この様にして形成したマイクロカプセルを63、45、20μmの篩いを通して洗浄 した。20から45μmの分画を保存した。次に、カプセルをジヨードメタンに浮か べ、アセトンで軽く希釈し、比重2.2とした。沈んだマイクロカプセルを全て廃 棄した。次に残りを洗浄し、比重1.8希釈したジヨードメタンに浮かべた。沈ん だマイクロカプセルを回収し、いつでも使用できるように洗浄した。生体組織の加熱 本実験は、上記の方法により作製されたマイクロカプセルが、臨床的に関連す る投与量と等しい量のマイクロカプセルを用いて、十分灌流された生体組織を加 熱するために使用できることを示している。 上記の方法により作製された磁性マイクロカプセルを、腎動脈からの注入して ウサギ腎臓に投与した。50mg、25mg、12.5mg(組織1立方センチメートルあたり マイクロカプセル約125,000、62,500、31,250個の濃度に相当)の3種類の量のマ イクロカプセルを別々の試験に使用した。腎臓全体の温度を測定するために適切 な場所に温度計プローブ(蛍光光学プローブ、Luxtron Corp)を固定した。次に動 物を半径0.05mで強度28kA/m、周波数53kHzの交流磁場(MHE=61x10-8:磁場条件f. H.r.=7.4x107A/s)を発生できる装置の中に入れた。次に、磁場のスイッチを入れ 、温度を約15分間監視した。典型的なデータを図4に示す。腎臓が全身で最も高 度に灌流される器官なので、最も加熱されにくいが、このデータは、説明された 本方法が、最も厳しい条件でも組織を加熱できることを証明している。標的を定めた腫瘍の加熱 本実験は、肝腫瘍を治療温度に加熱しながら、周囲の健康な組織には影響を及 ぼさないために、どの様に上記の方法を用いることができるかを示している。 VX2癌の小さな断片を、ハーフロップウサギの肝臓表面直下に移植した。腫瘍 が約1cm3の大きさに増殖したら、上記の方法により作製した50mgのマイクロカプ セルを、ウサギの肝臓に血液を供給している肝動脈に流入する胆嚢動脈内に挿入 された外径0.8mmのカテーテルを通して約5ccの生理食塩水を使用して注入した。 温度計プローブを、腫瘍の壊死性中心部、腫瘍の成長辺縁、正常肝組織付近、肝 臓のより遠位部における温度を測定するために適切な位置に固定した。次に、ウ サギを上記の磁場装置(f.H.r=7.4×107A/s)の中に入れ、磁場のスイッチを入れ 、温度を監視した。約1時間後、磁場のスイッチを切り、温度を正常に復帰させ た。図5に、これらの手順の1つから得られたデータを示す。腫瘍組織と正常組 織の加熱が異なることは明らかである。腫瘍は、治療閾値温度の42℃まで加熱さ れ、その温度で維持されたが、正常肝臓の温度は40℃を超えなかった。治療効果の評価 本実験により、上記方法の治療効果を検討した。 上記の手順を滅菌条件で繰り返した。腫瘍の温度を42℃以上で30分間維持した 。次にウサギの意識を回復させ、7日間または14日間飼育した。これらの時点で ウサギを屠殺し、肝臓を摘出し、腫瘍の重量を記録した。処理を施さなかった対 照群の重量と共に、処理群の重量を図6に示す。結果から、処理後14日目におい て腫瘍の重量に劇的かつ明白な差が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)磁場条件が約7.5×107A/s以下である場合、磁気発熱効率が少なくとも 約4.5×10-8J.m./A.g.である少なくとも磁性体を選択するステップと、 (ii)患者の病変組織に該磁性体を送達するステップと、 (iii)患者体内の該磁性体を、周波数が約10kHz以上で、磁場強度、周波数およ び曝露された領域の半径の積が約7.5×107A/s未満となるような磁場強度の線形 交流磁場に曝露し、病変組織においてヒステリシス熱を生成するステップとを含 む患者の病変組織を部位特異的に治療する方法。 2.病変組織を治療して疾病が充分回復するまで、ステップ(i)から(iii)を繰 り返す請求項1に記載の方法。 3.病変組織が、少なくとも癌の増殖を含むか、あるいは1つ以上の腫瘍を含 む請求項2に記載の方法。 4.磁場条件が約7.5×107A/s以下である場合、選択された磁性体の磁気発熱 効率が約7×10-8J.m./A.g.以上である請求項1に記載の方法。 5.磁場条件が約7.5×107A/s以下である場合、選択された磁性体の磁気発熱 効率が約1×10-7J.m./A.g.以上である請求項1に記載の方法。 6.磁性体が、鉄、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマスから成るグループ から選択される元素を少なくとも含む強磁性体である請求項1に記載の方法。 7.磁性体が、CrO2、金属鉄、コバルト、ニッケル、γ酸化第二鉄、コバル ト処理γ酸化第二鉄、一般式MO.Fe23(式中Mは二価金属)のフェライト、コ バルト処理フェライト、または一般式MO.6Fe23(式中Mは、大きな二価 イオン)の磁気亜鉛酸塩型酸化物(M型)からなるグループに属する化合物から選 択される請求項1に記載の方法。 8.磁性体が、コバルト処理γ酸化第二鉄のグループに属する化合物である請 求項7に記載の方法。 9.磁性体が、修飾されていないγ酸化第二鉄のグループに属する化合物であ る請求項7に記載の方法。 10.磁性体が、二酸化クロム化合物のグループに属する化合物である請求項 7に記載の方法。 11.患者に投与される前に、使用される磁性体が生体適合性の液体エマルジ ョンの中に混合される請求項1に記載の方法。 12.使用される磁性体が、基質内に結合され、マイクロカプセルを形成する 請求項1に記載の方法。 13.マイクロカプセルの大きさが約10から100μmの範囲である請求項12 に記載の方法。 14.マイクロカプセルの大きさが約20から50μpmの範囲である請求項13 に記載の方法。 15.マイクロカプセルの大きさが約30から40μmの範囲である請求項14に 記載の方法。 16.マイクロカプセルが、マイクロカプセルの加熱時に放出される細胞傷害 性物質を結合し、吸収し、または含有するように改変されている請求項12に記 載の方法。 17.磁場と組み合わせて、電離放射線を病変組織の部位に印加させる請求項 12に記載の方法。 18.放射線が、放射性化合物を含むマイクロカプセルにより送達される請求 項17に記載の方法。 19.腫瘍組織加熱率が60mW/cm3より大きい請求項1に記載の方法。 20.腫瘍組織加熱率が80mW/cm3より大きい請求項19に記載の方法。 21.腫瘍組織加熱率が100mW/cm3より大きい請求項19に記載の方法。 22.線形交流磁場の運転周波数が約10kHzから100MHzである請求項1に記載 の方法。 23.線形交流磁場の運転周波数が約10kHzから500kHzである請求項1に記載 の方法。 24.線形交流磁場の運転周波数が約10kHzから100kHzである請求項1に記載 の方法。 25.磁場の運転周波数が20kHzである請求項1に記載の方法。 26.マイクロカプセルの大きさが、患者の脈管構造網を通過し、病変組織内 に分散または栓塞するのに適切である請求項12に記載の方法。 27.マイクロカプセルの密度が1から5g/cm3の範囲である請求項12に記載 の方法。 28.マイクロカプセルの密度が1.8から3g/cm3の範囲である請求項12に記 載の方法。 29.マイクロカプセルの密度が1.8から2.2g/cm3の範囲である請求項12に 記載の方法。 30.マイクロカプセルの密度が約2g/cm3である請求項12に記載の方法。 31.マイクロカプセルが(R)-3-ヒドロキシブチル酸と(R)-3-ヒドロキシ吉草 酸のコポリマーを用いて結合される請求項1に記載の方法。 32.マイクロカプセルが(R)-3-ヒドロキシブチル酸と(R)-3-ヒドロキシ吉草 酸のコポリマーを用いて結合され、密度が1.8から2.2g/cm3、大きさが20から50 μmである請求項1に記載の方法。 33.磁性体が、腫瘍内投与、腫瘍周辺投与または血管内投与から成るグルー プから選択される投与方法のいずれかにより、病変組織に送達される請求項1に 記載の方法。 34.磁性体が動脈または静脈内投与により病変組織に送達される請求項1に 記載の方法。 35.磁性体が、少なくとも血管作用薬と組み合わせて病変組織に送達される 請求項1に記載の方法。
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