JP2000503364A - 自動車用のタンク排気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料タンクから燃料を供給される内燃機関を備えた自動車用のタンク排気装置は、燃料タンク１０の排気管片１３に接続可能な、吸着フィルタ１８と空気流入部１９と空気流出部２０とを備えたフィルタケーシング１７、並びにエラー診断のための空気ポンプ装置２７を有している。この空気ポンプ装置２７は、ポンプ吸込口２９とポンプ吐出口２８とを備えたポンプケーシング２6に組み込まれている。タンク排気装置のコンパクトで組込みスペース節約型の構成を得るためには、ポンプケーシング２６が、空気流入部１９に対して同軸的に整合されたポンプ吐出口２８を以てフィルタケーシング１７に取付けられて、ばね弾性的な固定エレメント（４３）によりフィルタケーシング１７に固定されている。ポンプ吐出口２８と空気流入部１９との間の移行部は、気密にシールされている。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車用のタンク排気装置 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念で規定された形式の、燃料タンクから燃料を供 給される内燃機関を備えた自動車用のタンク排気装置から出発する。 燃料蒸発ガス抑止装置と呼ばれている、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９ ５２３９３５号明細書から公知の上記形式のタンク排気装置では、エラー診断の 目的でシステム内に過剰圧力を形成するために使用される空気ポンプ装置のポン プ吐出口が、フレキシブルな圧力空気管路を介してフィルタケーシングの空気流 入部に接続されている。空気ポンプ装置のポンプケーシングには遮断弁が組み込 まれており、この遮断弁は、エアフィルタによって覆われたポンプケーシングの ポンプ吸込口からポンプ吐出口に至る直接的な流れ通路を制御する。フィルタケ ーシングの空気流出部は、再生弁を介して内燃機関の吸気管に接続されている。 いわゆる「フィルタ運転」又は「再生運転」では、活性炭フィルタとして形成 された吸着フィルタを再生するために遮断弁開放状態で、フィルタケーシング内 に内燃機関の吸気管内で形成された負圧によって空気が吸い込まれる。この空気 は、ポンプケーシング内の 開放された遮断弁と、圧力空気管路と、空気流入部とを介してフィルタケーシン グに流入し、ここで吸着フィルタを貫流する。その際、吸着フィルタに付着した 燃料蒸気が連行され、再生弁によって調量されて吸気管に流入する。エラー診断 のためには、遮断弁と再生弁とが閉鎖されて、空気ポンプ装置がタンク排気装置 と燃料タンクとから成るシステム内に高められた圧力を形成する。増圧終了後に は、場合によって生ずるタンク排気装置内の漏れに基づき圧力が再び減圧される までに、かなりの時間がかかる。この場合、減圧に要した時間が、生じた漏れ開 口の大きさの尺度となる。 発明の利点 請求項１の特徴部に記載の構成を有する本発明によるタンク排気装置は、自動 車における所要の組込みスペースが著しく減少されるという利点を有している。 しかも従来慣用の、ポンプケーシングのポンプ吐出口とエアフィルタの空気流入 部との間のホース接続部が省略されている。自動車へのタンク排気装置の組込み は著しく簡便化されている。それというのも、吸着フィルタと空気ポンプ装置と を、モジュールとして予め組み立てることができるからである。これにより生ぜ しめられる材料費の節約と組付け時間の減少とは、製作費の著しい低下をもたら す。フィルタケーシングに大面積の吸着フィルタを設けることにより、タンク排 気装置の機能は長い耐用寿命に亘って保証されている 。エアフィルタがフィルタケーシングに組み込まれる場合は、ポンプケーシング のポンプ吐出口にエアフィルタを別個に設けることは不要となる。これによって 組込みスペースが一層節減される。フィルタケーシングに対するポンプケーシン グのばね弾性的な固定部によって、両ケーシング間の音響的且つ機械的な減結合 が得られる。 その他の請求項に記載した構成手段により、請求項１に記載したタンク排気装 置の有利な改良が可能である。 図面 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。 図１は、内燃機関に組み込まれたタンク排気装置の概略断面図である。図２は 、図１に示したタンク排気装置に設けられたポンプケーシングの斜視図である。 図３は、図１に示したタンク排気装置に設けられたフィルタケーシングの平面図 である。図４は、ポンプケーシングを取付けられたフィルタケーシングの図３Ｉ ＶーＩＶ線に沿った縦断面図である。 実施例の説明 図１に概略的に示した、内燃機関を備えた自動車用のタンク排気装置は、燃料 タンク１０と内燃機関のスロットルバルブ１２を備えた吸気管１１との間に配置 されている。この場合、吸気管１１への接続はスロッ トルバルブ１２の下流側で行われており、燃料タンク１０への接続は、この燃料 タンクの排気管片１３において行われている。燃料タンク１０は、注入管片１４ を介して燃料１５を充填される。注入管片１４はタンクカバー１６により、気密 且つ圧力密に閉鎖可能である。 このタンク排気装置は、フィルタケーシング１７を有している。このフィルタ ケーシング１７に、有利には活性炭フィルタとして形成された吸着フィルタ１８ が交換可能に収容されている。フィルタケーシング１７は、空気流入部１９と空 気流出部２０とを有していて、接続管路２１を介して燃料タンク１０の排気管片 １３に接続されている。空気流出部２０は、接続管路２２を介して吸気管１１に 設けられた接続管片２３に接続されている。接続管路２２には調量弁又は再生弁 ２４が配置されている。この再生弁２４は、制御装置２５により、内燃機関の運 転パラメータに関連して制御される。 フィルタケーシング１７の空気流入部１９には、空気ポンプ装置２７のポンプ ケーシング２６のポンプ吐出口２８が接続されている。ポンプケーシング２６の ポンプ吸込口には符号２９を付して図示した。図１に示した断面図から判るよう に、ポンプケーシング２６には更に遮断弁３０が収納されている。空気ポンプ装 置２７は、ポンプダイヤフラム３２を有しており、こ のポンプダイヤフラム３２は、往復運動のために電磁石３３と戻しばね３４とに よって作動される。電磁石３３は、制御装置２５によって制御される。ポンプダ イヤフラム３２は、圧送室又はポンプ室３５を仕切っている。このポンプ室３５ は、吸気弁３６を介してポンプ吸込口２９と接続状態にあり、且つ排気弁３７を 介してポンプ吐出口２８と接続状態にある。ポンプ室３５に対して平行にバイパ ス３８が設けられており、このバイパス３８は、ポンプ吸込口２９とポンプ吐出 口２８との間に延びている。バイパス３８には、電磁弁として形成された遮断弁 ３０が配置されている。この遮断弁３０は、制御装置２５により制御され、空気 ポンプ装置２７が作動しない再生運転においてはこの遮断弁３０が開かれ、エラ ー診断のためには閉鎖されるようになっている。 自動車において僅かな組込みスペースしか必要としない、タンク排気装置のコ ンパクトな構造を得るためには、ポンプケーシング２６が、フィルタケーシング １７の空気流入部１９に対して同軸的に整合されたポンプ吐出口２８を以てフィ ルタケーシング１７に取付けられて、このフィルタケーシング１７に固定されて おり、しかもポンプ吐出口２８と空気流入部１９との間の移行部が気密にシール されている。このためには、図２〜４に示した実施例の構造から判るように、ポ ンプケーシング２６にポンプ吐出口２８を取り囲む排 気管片３９が形成されている。この排気管片３９は、ポンプケーシング２６から 直角に突出している。フィルタケーシング１７には、空気流入部１９を形成する ケーシング開口４０が切り欠かれている。このケーシング開口４０は、環状溝４ １によって包囲されている。排気管片３９とケーシング開口４０とは、互いに同 軸的且つ合致するように形成されている。ポンプ吐出口２８と空気流入部１９と を気密にシールするためには、排気管片３９に弾性的なシールスリーブ４２が被 せ嵌められている。この場合、シールスリーブ４２の、排気管片３９とは反対側 の端部は、環状溝４１に嵌め込まれている。 ポンプケーシング２６のフィルタケーシング１７への固定部は、図２に示した 斜視図と図４に示した断面図とから判るように、複数のゴムエレメント４３によ って音響的且つ機械的に減結合されている。各ゴムエレメント４３は、Ｔ字対形 の縦断面を有するリール状のスリーブ４4として形成されている。各スリーブ４ ４の中央部分は、ポンプケーシング２６に一体成形されたフォーク状の保持部材 ４５に形状接続的に受容されている。各保持部材４５の高さは、Ｔ字対形のスリ ーブ４４の中央部分の長さに対応しているので、このスリーブ４４は、軸方向に 移動不能に該スリーブ４４の両フランジの間で保持部材４５内に締付け固定され ている。フィルタケーシング１７の表面からは、スリ ーブ４４のための取付けピン４６が直角に突出している。この取付けピン４６内 にはそれぞれ１つのねじ山付き孔４７が旋削加工されている。スリーブ４４は、 取付けピン４６に被せ嵌められて、ねじ山付き孔４７に螺入されるヘッド付きね じ４８によって座金４９を介してフィルタケーシング１７に不動に締めつけられ る。その場合スリーブ４４は、取付けピン４６の自由端部を僅かに越えて突出し ている。 ポンプ吸込口２９を介して吸い込まれた空気のフィルタリングのためには、更 にフィルタケーシング１７にダストフィルタを設けることができる（図示せず） 。その場合このダストフィルタは、空気の流れ方向で見て、吸着フイルタ１８の 上流側に配置されている。 フィルタ運転時及びエラー診断のためのタンク排気装置の作用形式は公知であ り、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第１９５２３９３５号明細書において 説明されているので、ここで詳細に説明することは省略する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴォルフガング シュルツ ドイツ連邦共和国 Ｄ―74321 ビーティ ヒハイム―ビッシンゲン シューバルトシ ュトラーセ 129 (72)発明者 マンフレート ツィンマーマン ドイツ連邦共和国 Ｄ―74906 バート ラッペナウ ザリーネンシュトラーセ ３ (72)発明者 アンドレアス ブルーメンシュトック ドイツ連邦共和国 Ｄ―71638 ルートヴ ィヒスブルク イェーガーホフアレー 79

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．燃料タンクから燃料を供給される内燃機関を備えた自動車用のタンク排気 装置であって、燃料タンク（１０）の排気管片（１３）に接続可能な、吸着フィ ルタ（１８）、特に活性炭フィルタを有するフィルタケーシング（１７）を備え ており、該フィルタケーシング（１７）が空気流入部（１９）と空気流出部（２ ０）とを有しており、更に当該タンク排気装置が、エラー診断のための空気ポン プ装置（２７）を備えており、該空気ポンプ装置（２７）が、ポンプ吸込口（２ ９）と前記フィルタケーシング（１７）の空気流入部（１９）に接続されたポン プ吐出口（２８）とを有している形式のものにおいて、 ポンプケーシング（２６）が、ポンプ吐出口（２８）を以て前記フィルタケー シング（１７）に取付けられて、ばね弾性的な固定エレメント（４３）によって フィルタケーシング（１７）に固定されており、ポンプ吐出口（２８）と空気流 入部（１９）との間の移行部が気密にシールされていることを特徴とする、自動 車用のタンク排気装置。 ２．空気流入部（１９）が、ポンプ吐出口（２８）に対して同軸的に整合され ている、請求項１記載の装置。 ３．ばね弾性的な固定エレメントがゴムエレメント （４３）である、請求項１又は２記載の装置。 ４．ゴムエレメント（４３）が、Ｔ字対形の縦断面を有するリール状のスリー ブ（４４）として形成されており、このスリーブ（４４）の中央部分がそれぞれ 、ポンプケーシング（２６）に一体成形されたフォーク状の保持部材（４５）に 形状接続的に受容されていて、貫通案内されたヘッド付きねじ（４８）によって フィルタケーシング（１７）に不動に締めつけられている、請求項３記載の装置 。 ５．ポンプ吐出口（２８）が、ポンプケーシング（２６）から突出した排気管 片（３９）として形成され、且つ空気流入部（１９）が、フィルタケーシング（ １７）内に切り欠かれたケーシング開口（４０）として形成されており、ポンプ 吐出口（２８）と空気流入部（１９）との間の移行部をシールするために弾性的 なシールスリーブ（４２）が前記排気管片（３９）に被せ嵌められており、シー ルスリーブ（４２）の、排気管片（３９）とは反対側の端部が、前記ケーシング 開口（４０）を同心的に包囲している、フィルタケーシング（１７）の環状溝（ ４１）に嵌め込まれている、請求項１から４までのいずれか１項記載の装置。 ６．フィルタケーシング（１７）にダストフィルタが配置されており、該ダス トフィルタが、空気流入部（１９）から空気流出部（２０）に至る空気流れ方向 でみて、吸着フィルタ（１８）の上流側に配置されて いる、請求項１から５までのいずれか１項記載の装置。