JP2000503216A - 高効率の水中翼および水泳用足ヒレのデザイン - Google Patents

高効率の水中翼および水泳用足ヒレのデザイン

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Abstract

(57)【要約】 水中翼および水泳用足ヒレの揚力を増大し、抵抗を連接しさせる方法が開示される。この方法は、水中翼(104)に大きく後退した前縁(108)を備えること、および水中翼(104)をかなり減少された迎え角に配向することを含んでおり、この減少された迎え角は周囲の流体媒体中を移動する水中翼の方向に対して実質的に横方向の角度で生じる。水中翼の中心軸線に沿って実質的に配置される実質的に長手方向の凹部すなわち通水機構を水中翼に備える方法が開示される。この水中翼の迎え角は下反角を与えられ、この下反角が実質的に長手方向の通路にその長手方向の通路の中心軸線に沿って配置される凹部すなわち通水機構を形成する。この中央凹部すなわち通水機構は、水中翼の風下面に沿って取り付いた状態で水が流れて、凹部すなわち通水機構を通って迎え面から流れる水と合流するのを可能にするので、揚力が効果的に発生される。

Description

【発明の詳細な説明】 高効率の水中翼および水泳用足ヒレのデザイン 発明の背景 本発明は水中翼に、特に流体媒体に対して方向性のある動きを生み出すのに使 用されるそのような装置に関し、また本発明は水泳補助具、特に泳者の足に取付 けてキック動作によって推進力を生み出すそのような装置に関する。 従来技術の背景説明 従来の足ヒレ(fin)のデザインで悩ませる主な欠点の一つは抵抗が過大なこ とである。これは痛みの伴う筋肉疲労を引き起こし、また泳者の足、踝および脚 に痙攣を引き起こす。シュノーケルを着けて潜水するシュノーケリング(snorke ling)、および潜水用水中呼吸器を着けて潜水するスキューバダイビング(SCUB A diving)といった一般的なスポーツにおいて、この問題はスタミナ、潜在的な 水泳距離、および強い潮流に対する水泳能力を激しく低減する。脚の痙攣はしば しば突然に起こり、泳者がキックできないほどの痛みを生じ、これにより泳者は 水中で動けなくなる。たとえ脚の痙攣が起きなくても、大きな抵抗との奮闘にエ ネルギーが使われて空気の消費が速まり、スキューバダイビングの全体的な潜水 時間が短縮される。さらに、大きな労力を要する運動によってスキューバダイバ ーが潜函病(decompression sickness)にかかるリスクの増大されることが示さ れている。過大な抵抗は、危険な状況からの脱出を速めるように素早く水泳用足 ヒレをキックする動作の難しさをも増大させる。そうしようとする試みは、踝お よび脚に過大な緊張を与えるが、速度の僅かな増大を得るに過ぎない。この労力 レベルは短距離以外では維持するのが困難である。これらの理由から、スキュー バダイバーは従来の潜水用足ヒレを使用中には、ゆっくりした長いストロークを 用いている。このゆっくりしたキック運動は小さな推進力と組合わされてかなり 遅い前進速度を生み出す。 発生する抵抗のほとんどは、足ヒレにおけるブレード部分のまわりに乱流を発 生させることによる。この乱流は、従来の足ヒレ設計が揚力を発生させようとす る揚力獲得時における流れの剥離および誘導抵抗の問題に適正に取り組んでいな いために生じている。このことは効率を損ない、揚力を著しく減少させる。例え ば航空機の翼において、ベルヌーイの定理は、凸状に湾曲した上面の上側を流れ る空気は翼下面の下側を流れる空気よりも長い距離を移動しなければならないこ とを示している。この結果として、上面の上側を流れる空気はこの距離の増大を 埋め合わせるために翼下側を流れる空気よりも高速移動しなければならない。こ のために、翼上面に沿って流れる空気は圧力が低下し、一方、翼下面の下側の空 気圧は相対的に高い圧力を維持する。翼上面と下面との間のこの差圧が下面から 上面へ向かう方向に「揚力」を発生させる。この圧力の違いのために、翼形の下 面は高圧面と呼ばれる一方、上面は低圧面と呼ばれる。 揚力を発生させる他の方法は迎え角を変化させることである。これは流入する 流れの実際の基準線(alignment)と翼形の長さ方向の基準線(翼弦線)との間 に存在する相対角度である。この角度が小さいと、翼形は小迎え角にある。この 角度が大きいと、翼形は大迎え角にある。迎え角が増大すると、流れは翼形の高 圧面(迎え面とも呼ばれる)に大きな角度で衝突する。これがその面に対する流 体圧力を増大させる。これが生じると、流体は反対側の面のまわりを湾曲して流 れ、それ故に長い距離を流れねばならない。この結果、迎え面を横断する流体の 流れに遅れを取らないように、流体は速められた速度でその反対面の上側を流れ る。これがその反対面上の流体圧力を低下させ、一方、迎え面に沿う流体圧力は 相対的に高くなる。この圧力差によって、迎え面は高圧面となり、反対面は低圧 面すなわち風下面(lee surface)と呼ばれる。 高圧面に沿う圧力の上昇は低圧面に沿う圧力の低下と組合って翼形に揚力を発 生させる。この揚力は実質的に高圧面から低圧面へ向かう。このように翼形の迎 え角を変化させることが足ヒレ設計において重要となる。何故なら、キックサイ クルの上方へ向かうストロークおよび下方へ向かうストロークの両方において揚 力が発生するのを可能にするからである。 揚力を発生させるこの方法は従来の足ヒレ設計において一般に用いられてはい るが、多くの問題を生じ、それらの問題が性能を大きく低下させている。一つの 問題は、従来の設計が推進翼形に過大な迎え角を与えていることである。この状 態では、翼形の低圧面から流れが剥離を始める、すなわち流れ自体が低圧面から 引き剥がれることが生じる。これが発生すると、翼形は失速を引き起こす。剥離 した流れは、低圧面の上方で実質的に横方向の軸線のまわりに回転する渦を形成 する。この渦は、低圧面の直ぐ上方の流体に後縁から前縁へ向かう逆方向の流れ を発生させる。この剥離は揚力を減少させる。何故なら剥離によって低圧面上に 形成される滑らかな流れが減少されるからである。これは重大な問題である。何 故なら、滑らかな流れは揚力を効率的に発生させるためになくてはならないから である。 迎え角が大きすぎるときは、翼形は完全に失速し、低圧面に沿う流れは剥離し て無秩序な乱流となる。これは低圧面すなわち風下面に沿って強力な低圧領域が 形成されるのを妨げて、揚力を失わせる。この結果、翼形の反対両面の間にほん の小さな圧力差しか存在しなくなる。従来の足ヒレの多くはこの問題の影響を受 けている。何故ならそれらの足ヒレは、水平方向に配向されて水中で垂直方向に キックされるブレードを使用しているからである。この状態では、迎え角は実質 的に90゜に近くなり、それ故にブレードは完全に失速してしまう。これはブレ ードを翼というよりも船のオール(oar blade)またはパドルブレードのように 働かせることになる。 揚力を失うと同様に、失速状態は大きな抵抗も生じる。層流(乱れのない連続 した層として物体面上を流体が移動する流れの状態)の領域が突然に無秩序な乱 流に変化されると、遷移流れとして知られた抵抗の大きな状態が生じる。従来の 足ヒレ設計は低圧面に沿って失速状態および無秩序な乱流を発生させるので、そ れらは遷移流れによる大きな抵抗を発生する。 大きな迎え角で生じる他の問題は、誘導抵抗を発生する渦をブレードの外側縁 に沿って形成することである。迎え面と低圧面との間に存在する圧力差は、ブレ ードの迎え面に沿う流体をブレードの側縁に向かって外方へ流れるようにさせた 後、外側縁をまわって低圧面へ向けてまわり込ませる。これが生じると、水泳動 作はブレードの各々の側縁に沿ってブレードの低圧面の直ぐ上方に流れ方向の竜 巻状の渦を発生させる。水がブレードの側縁をまわり込むと、これらの渦は水を 低圧面に沿って内方へ運ぶ。これが生じると、渦はブレードの低圧面に向けて水 流を下方へ曲げる。この水は低圧面に向かって下方へ推し進められるので、望ま れる揚力の方向とは逆方向へ移動して揚力を一層減少させる。この下方へ向かっ て移動する流れは、後縁を離れた流体を望まれる揚力方向と反対の望ましくない 角度方向へ偏向させる。揚力方向は流れの方向に直角であるから、この下方へ偏 向された流れ(吹き下ろしと称される)は揚力方向を後方へ傾ける。この結果、 その揚力の大きな成分が水中におけるブレードの移動方向と反対の方向へ、ブレ ード上で後方へ引張られる。この引張り力は誘導抵抗と呼ばれる。誘導抵抗はブ レードの迎え角が大きくなるにつれて大きくなる。従来設計は典型的に極めて大 きい迎え角を使用しているので、それらは大きな誘導抵抗を受けることになる。 抵抗の増大に加えて、後縁の後方で下方へ偏向された流れ(吹き下ろし)はブレ ードの有効迎え角をかなり減少させ、これがさらに揚力を減少させる。後縁より 後方の流れが下方(揚力の方向と反対の方向)へ偏向されると、ブレードとこの 下方へ偏向された流れとの間に形成される迎え角(誘導迎え角と呼ばれる)は、 ブレードと流入する流れとの間に形成される迎え角(実迎え角と呼ばれる)より も小さくなる。これが与えられた迎え角に対して反対両面間に大きな圧力差を発 生させるブレードの能力を低下させる。これはブレードにおける揚力をかなり減 少させる。 誘導抵抗渦はまたブレードの反対両面間の圧力差をさらに減少させることで性 能も低下させる。水がブレードの側縁をまわって側方へ逃げるとき、水はブレー ドの迎え面に沿って幅方向に膨張する。これはその面に沿う圧力を低下させ、こ れにより揚力を減少させる。また、迎え面に沿って流れる水のかなりの部分は横 方向へ一層大きく移動し、長手方向へは少ししか移動しないので、この水は前進 方向の推進力の発生を補助することがほとんどできない。 さらに、高速度の渦回転は遠心力を発生し、この遠心力は各々の渦の中心(渦 コアー)から離れる方向へ流体を排出する。これが渦コアー内部の圧力を大きく 低下させる。この渦コアー内部の低下された圧力は、翼形の迎え角により低圧面 に沿って本来的に発生される低圧領域の圧力よりも低い。この結果、この新しい 低圧領域は、側縁をまわって高圧面から低圧面へ流れる水の流量を増大させる。 これは迎え面に沿って存在する高圧領域内の圧力をさらに低下させる。これがブ レードを横断して生じる全体的な圧力差を減少させるので、揚力が大幅に減少さ れる。 渦はこの外方へ逃げる流体をブレードの低圧面に向けて下方へと推し進めるの で、この面に沿う流体圧力は上昇する。これはブレードの反対両面間に生じる圧 力差を減少させて、揚力を減少させる。各々の渦のスワール運動もまた、ブレー ドの低圧面のかなりの部分において水が滑らかに流れるのを阻害する。これはブ レードが低圧面のかなりの部分に沿って強力な低圧中心を形成されるのを阻害し て、揚力を減少させる。さらに、低圧面上の流れにおけるこの乱れ(誘導抵抗渦 によって生じる)は、ブレードを早期に失速させることになる。 誘導抵抗渦の形成に関連した問題は、ブレードのアスペクト比(縦横比)が小 さくなるにつれて増大する。アスペクト比は全体的なブレードの長手方向の寸法 に対するブレード幅方向の寸法の比率として説明できる。長手方向の全体寸法に 比較して比較的小さい幅方向の全体寸法を有するブレードは、小さいアスペクト 比を有するとみなされる。小さいアスペクト比の翼形は強い誘導抵抗渦を発生す る傾向があり、それ故に効率は大いに悪い。 小さいアスペクト比のブレードは、ハサミの動きに似たキック動作において各 各の足に別々に使用される従来の水泳用足ヒレに共通して見られる。これらの設 計において幅方向の寸法は、片足に着けたブレードが使用中に他側の足に付けた ブレードと接触するのを防止するために制限される。この状態では、ブレード表 面積を増大させる唯一の方法はブレードの長手方向の寸法をさらに増大させるこ とである。これがブレードのアスペクト比をさらに小さくし、誘導抵抗を増大さ せる。 従来の足ヒレ設計は、誘導抵抗により発生される渦を減少させるための有効な 方法を備えていない。多くの設計は、足ヒレの長手方向の中心軸線に実質的に平 行に延在し、またブレードの少なくとも片側の表面から直角に突出している垂直 方向の隆起状部材を使用している。この目的は、後方へ向かう流れを促進し、幅 方向の流れを減少させ、しかもブレードを補強することである。しかしながら、 これらの装置は幅方向の流れ、または誘導抵抗により発生される渦を適正に減少 させることができない。そのうえ、これらの装置はそれ自体による付加抵抗を発 生する。 従来の足ヒレ設計による他の問題は、それらの足ヒレが泳ぐために水面を横断 して使用されるときに重大な性能上の問題を与えるということである。この足ヒ レを水面でキックすると、上方へ向かうストロークにより水面を通過し、その後 の下方へ向かうストロークによって水中へ再度進入するときに水面を「キャッチ 」する。足ヒレが水中に再進入する前は、空中を自由移動してかなりの速度を得 る。足ヒレが水中に再度進入するとき、ブレードの迎え面の大部分は水面に平行 に配向される。この結果、ブレードは水面を叩き、下方へ向かう動きが急に止ま る。この瞬間的な減速が使用者の踝および下肢筋肉に大きな緊張を引き起こす。 下方へ向かう動きは水との衝突によって終わるので、水泳用足ヒレが空中(水面 上方)を移動している間に発生された強力な下方向の運動量は浪費され、水中に 再進入した後に前進推進力に変換されることはない。 水面に対するこの衝突が生じた後、足ヒレは厳しい抵抗のために水中での動き の回復はゆっくりとなる。下方へ向かうストロークに生じるこの時間的遅れは、 使用者が完全なキックストロークを得るのを阻害する。下方へ移動する足ヒレが 推進力を有効に補助し始めるのに十分な速度を回復するより前に、足ヒレは再び 水面から上方へ持ち上げられねばならない。何故なら、他方の足ヒレ(上方へ向 かうストロークにある)が既に水面を通過されて、下方へ向かうストロークを開 始しようとしているからである。何故なら、両足を同期させないでキックするこ とは困難で、これは具合の悪い、骨の折れる、腹立たしい、非常に効率の悪い状 態だからである。長い距離では、この問題はかなりの疲労を生む。これは、大半 の時間を水面に沿って足ヒレでキックする素潜りダイバー、サーフボードなしで 波乗りするサーファー、そしてボディーボードサーファーにとって特に問題であ る。また、圧縮空気の供給を節約するために潜水現場までの往復を水面に沿って 泳ぐスキューバダイバーにとっても問題である。水面に沿って泳ぐ間にスキュー バダイバーに生じる疲労および筋肉の緊張は特に激しい。何故なら、従来のスキ ューバダイビング用足ヒレはかなり長大な長手方向の寸法を有しているからであ る。これは、ブレードが水面を叩くときにダイバーの踝および下肢に大きな回転 力を与える。このように長い足ヒレはアスペクト比が小さいために大きな抵抗を 生じるので、従来のスキューバダイビング用の足ヒレは水面をキャッチした後、 下方向への動きの回復がかなり遅くなる。水中にあっても、このような従来の足 ヒレは小さな推進力および大きな抵抗を示し、これは全体的なダイビングの喜び を大幅に減じる。 アールストローム氏(Ahlstrom)に付与された米国特許第169396号(1 875)、およびバイデルマン氏(Beidermann)およびホワルド氏(Hoeald)に 付与された米国特許第783012号(1906)は、いずれも2つの平行な推 進ブレードを使用しており、これらのブレードは足裏の下側に取付けられる。こ の設計は、水平面に沿う前後方向のキックストロークで使用されることを意図し ている。このストロークは難しく、極めて効率が悪い。平行なブレードの各々は 、泳者の足裏と平行に延在する長手方向の軸線に沿って枢動する。ブレードは前 進ストロークでは0゜の迎え角まで閉じて揺動され、また後進ストロークすなわ ち推進ストロークでは約90゜の迎え角まで開いて揺動される。この足ヒレ設計 はキック動作よりも押圧動作によって推進力を得ることを意図している。いずれ の設計も推進ストロークにおいて大きな抵抗を発生し、また同時に垂直方向のキ ックストロークで使用するのは適当でない。 ウッズ氏(Woods)に付与された米国特許第2950487号(1954)は 、足上面に取付けられた水平方向のブレードを使用するもので、このブレードは 上方へ向かうストロークおよび下方へ向かうストロークの両方において小さな迎 え角を得るように横方向の軸線のまわりに回転する。このブレードはその中央に 深いV形の切除部を有し、この切除部がブレードを左側半体と右側半体とに分け ている。これらの2つの部分は、V形切除部の頂点位置でそれらのブレード部分 の間を延在しているブレード部分で形成された1つの狭い幅のストリップによっ て連結されている。左側および右側のブレード半体はともに同一平面内で互いに 固定されており、またそれらの両半体のいずれの部分も誘導抵抗を大きく減少さ せるために撓み、捩れ、または回転を促進させる装置は全く使用されていない。 後方へ向かう流れを促進させるために使用された垂直方向の隆起部は、外方へ向 かう幅方向の流れを十分に減少させることができず、かなりの抵抗を付加する。 シコッテリ氏(Ciccotelli)に付与された米国特許第3084355号(19 63)は、横方向の軸線に沿って回転すると共に、泳ぎの方向に直角な方向にて 互いに平行に取付けられた幾つかの幅の狭い水中翼を使用している。各々の水中 翼は実質的に大きなアスペクト比を有しているが、誘導抵抗を適切に減少させる ための装置は全く使用されていない。 マルドック氏(Murdoch)に付与された米国特許第3411165号(196 6)は、ブレードの各側に沿って配置された幅の狭い補強部材と、ブレードの中 心軸線に沿って配置された第3の補強部材とを備えた足ヒレを示している。これ らの補強部材の間は緩んだ薄い可撓性ウェブとされ、ブレードが水中を移動する ときにウェブが水をはらんでブレードの長さ方向に沿う2つの胴体形状のポケッ トを形成する。これらのポケットは後縁へ向かって深さ(厚さ)が増大している 。他の変形例(ramification)は、単独のポケットならびに複数のそのようなポ ケットの使用を含む。 これらの設計による主な問題は、迎え角が大きく、各ポケット内に大きな背圧 が発生することである。水を後縁へ向けて導くことを意図しているが、これは効 率的に行われない。水は実質的に大きな迎え角(90゜に近い)でブレードのウ ェブに衝突するので、急激な方向転換に逆らって、後縁へ向けて効果的に加速さ れない。この結果、ポケットに流入しようとする比較的多量の水が直ぐにせき止 め状態となり、カップに過剰に注水した場合と同様にポケットの側縁をまわって 溢れることになる。この外方へ向かう幅方向の流れは誘導抵抗により発生される 渦を増強し、ポケットから水をさらに強く導き出す。後方へ向かって排出される 水は僅かな量でしかなく、推進力は小さい。風下面における流れの剥離および誘 導抵抗を大幅に減少させるための方法は何も採用されていない。 バーノイン氏(Barnoin)に付与された仏国特許第1501208号(196 7)は、水平面内に配向されて足室の爪先部分から延在している2つの並んだブ レードを使用している。この2つのブレードは両者間に形成された間隙によって 分離されている。垂直方向に配向された1つのブレードが足室の前部に取付けら れ、2つのブレード間に存在する間隙内に配置される。この垂直ブレードは比較 的薄く、水平ブレードの平面の上下に延在し、同様に爪先部分の前方へかなりの 距離を延在する。 この垂直ブレードは推進力に大きな寄与を果たさない。また抵抗を付加し、水 が水平ブレード間を流れるのを妨害する。両ブレードおよび足室の下方へ向かう 延在部分は地上での歩行を困難にし、水中での立ち上がりを困難にする。 この設計による最も重大な問題は、各々の水平方向に並んだブレード構造がそ の長さに実質的に平行な軸線のまわりの大きな捩れの発生を阻害することである 。このような捩れが効果的に生じるのを促進させる構造は全く提供されていない 。さらに、そのような捩れの必要性を示唆する言及も全く与えられていない。こ の結果、使用時にブレードは水中で失速する。 各々のブレードは可撓性材料で作られているが、その構造は、キックストロー ク時にブレードがその長さに沿って実質的に捩られた形状となるのを阻止する応 力をブレード材料内部に発生させる。使用時に少しでも捩り力がブレードに加わ ると、大きな捩り応力がブレード材料内部に捩れおよび圧縮の形で発生する。こ れらの応力は各々のブレードの全長を対角方向に横断して発生する。この結果と して、捩れを生じる前に各々のブレード材料の大部分がそれらの力に屈服しなけ ればならない。各々の可撓ブレードの横断方向の単純曲げの動きは、捩れ運動の 場合に生じるよりも格段に小さい各々のブレード材料の部分に対して引張り力お よび圧縮力の影響を与える。この結果、使用時に発生する水圧の作用でブレード が実質的に長手方向の軸線のまわりで捩れた形状になろうとする前に、水圧の作 用はブレードを実質的に横方向の軸線のまわりで後方へ曲げることになる。 バーノイン氏の端面図はブレードが外側縁から内側縁へ向かって横方向にテー パーを付形されていることを示しているが、このブレードは長手方向の軸線のま わりの捩れに対しては大きな抵抗力を保持している。バーノイン氏は各々のブレ ードの内側縁が外側縁よりも大きな可撓性を有さねばならないとは言及していな い。しかしながら、テーパーを付形された内側縁の方が大きな可撓性を有してい ると仮定しても、僅かばかりの撓みが生じるに過ぎない。何故なら、各々のブレ ードは外側縁から内側縁へ向かって一様にテーパーを付形されているからである 。このような一様なテーパーの付形は、引張りおよび圧縮の抵抗力が各々のブレ ード材料のより一層大きな部分に作用させるようにする。これはブレードの横断 面の厚さがその幅の大部分にわたってかなり厚いからである。これは、長手方向 の 軸線のまわりの曲げに対する各々のブレードの抵抗力を実質的に増大させる。ま た、各々のブレードが水圧の作用のもとで横方向の軸線のまわりだけ後方へ曲が るとき、各々のブレードは長さの全域で弓形となる。これは各々のブレードに長 手方向の軸線のまわりの曲げに対する一層大きな抵抗力を与える。 捩りを抑止するような各々のブレードに生じたこれらの捩り応力は各々のブレ ード材料のかなり大きな部分に及び、単数の長手方向の軸線のまわりでブレード が捩れるのを可能にするような方法でそれらの応力を制御する適当な機構(syst em)または構造は使用されていない。バーノイン氏の設計においては、これらの 応力は、各々のブレードの足入れ空間(フットポケット)に近い内側縁の根元部 分を実質的に起点として各々のブレードの外側縁の根元と後縁とのほぼ中間の位 置まで延在する仮想線の後方(足入れ空間へ向かう方向)に位置する各々のブレ ード部分において最大となる。この仮想線は、足入れ空間と後縁との間の約3分 の1である内側縁に沿う位置を実際に起点とする。これは、各々のブレードのテ ーパーを付形された幅方向の横断面形状が曲げに対抗する応力を厚い外側縁から 薄い内側縁へ伝え、これにより各々のブレードの内側縁を巧みに強化するためで ある。この仮想線はさらに各々のブレードの中間部分の近くまで延在する。何故 なら、各々のブレードの外側半分は、その長さに沿って大きくテーパーを付形さ れて、根元と後縁先端との間のほぼ中間で可撓性が大きくなように図示され、説 明されているからである。この横方向の仮想線と足入れ空間との間において、各 々のブレードはキック時にこの部分が捩れるのを阻止する大きな応力を受ける。 これは、それらのブレード部分の低圧面に沿って流れの剥離および失速状態を引 き起こす。 この仮想線の前方(後縁に向かう足入れ空間から離れる方向)における各々の ブレードの部分は、それらの応力による効果がほとんどない。各々のブレードが 可撓性の大きな材料で作られるならば、各々のブレードはこの横方向の仮想線の まわりに曲がる。これは、この仮想線と後縁との間の各々のブレード部分を変形 させ、仮想線と実質的に平行な実質的に横方向の軸線のまわりの曲がりによって 迎え角を減少させる。この軸線は僅かに後退されているので、各々のブレードの 外側部分は僅かながら下反角を形成するように曲がる。しかしながらこの下反角 は、風下面における流れの剥離、誘導抵抗、または外方へ向かう幅方向の横断流 れの生じた状態を十分に低減させるほどに満足できる下反角ではない。これは、 ブレードが十分に横方向に向いた軸線のまわりに曲がるからである。さらに、可 撓性の大きい材料がこの設計で使用されると、各々のブレードの外側半分は迎え 角が0゜またはほぼ0゜となるように圧潰される。これはストローク間で大きな 空運動を生みだし、十分な大きさの揚力を発生させることができない。 バーノイン氏が予想しなかった他の問題は、2つの分離されたブレードが僅か に下反角を形成するような変形を許されるならば、僅かな量の水がブレード間の 空間へ向けて偏向できるということである。この内方へ偏向された流れは各々の ブレードに対して等しく且つ反対方向の力を発生し、この力は各々のブレードを その幅方向に外方へ向けて押圧する。この結果、仮想線と後縁との間に存在する 各々のブレード部分は互いに十分に大きい距離を離隔され、迎え角が過小となる ように圧潰される。バーノイン氏はブレードのこのような外方へ向かう幅方向の 変形に気付いているとは言及しておらず、この望ましくない事象の発生を効果的 に制御できる方法および構造を記載していない。 対を成す各々のブレードが使用者の足に装着された状態で互いに離隔されると 、各々の足ヒレの全幅は実質的に大きくなる。これは、ハサミの動きに似たキッ クストロークで使用されて足ヒレが互いに行き交うときに、片方の足の足ヒレが 他方の足の足ヒレに衝突することを引き起こしかねない。さらに、キック動作で 発生されるエネルギーの大半は浪費される。何故なら、そのエネルギーは泳者を 前進方向へ推し進めるのではなく、ブレードを離隔させるのに使われるからであ る。ブレードが毎回のストロークの開始時に離隔されるとき、またブレードが毎 回のストロークの終端でもとの状態に戻るときにも、かなり大きな空運動が発生 する。これは、各々のブレードが横方向の軸線のまわりで後方へ曲がるときに生 じる空運動と組合うことになる。この離隔動作によって各々のブレードに発生さ れる応力は、十分に大きな揚力を発生することのできないほど過小な迎え角を生 じるように各々のブレードを変形させる。 これらの問題の構造的な解決策は言及されていないので、この離隔動作をバー ノイン氏による設計の制限内で制御することのできる唯一の方法は、ブレードを 一層堅固な材料で作ることである。これは長手方向の軸線のまわりの捩れまたは 撓みに対する各々のブレードの抵抗力をさらに大きくするだけである。この結果 、一層堅固なブレードの使用は各々のブレード表面積の大部分に失速状態、誘導 抵抗渦の形成、および不適当な揚力発生の影響を与えることになり、これは可撓 性が一層大きな材料で作られたブレードが各々のブレードの大部分に横方向の軸 線のまわりで後方へ向かう曲がりを発生させて十分な大きさの揚力を発生するこ とができないほど過小な迎え角を生じるのと似ている。いずれにしても、性能を 損なうという重大な問題が生じる。 バーノイン氏の設計は過大な空運動および幅方向の離隔をブレードが回避でき るほど十分に大きな剛性を有して作られるならば、ブレードにその幅方向のテー パーを付形することでブレードの外側縁における曲げに抵抗する応力はブレード の内側縁へ伝えられる。これは各々のブレードの内側縁を強化し、水圧のもとで 大きく変形するのを阻止する。この結果、ブレードの外側縁と内側縁との間に大 きな剛性の差がなくなる。これはブレードが長手方向の軸線のまわりで曲がるの を阻止する。 使用時にこのような堅固なブレードに撓みが生じるとしても、各々のブレード の内側縁のかなり小さな部分に発生するだけである。この設計の横断面形状は曲 がりに対抗する応力を各々のブレードの外側縁から内側縁へ伝えるので、各々の ブレードの幅方向の基準線の大部分は過大な迎え角に保たれる。これは、各々の ブレードの外側縁をまわって水が流れるときに重大な流れの剥離を発生させる。 これはブレードを失速させ、誘導抵抗渦および遷移流れによる大きな抵抗を発生 させる。さらに、各々のブレードの内側縁にこの強化作用を伝えることは、各々 のブレードの内側縁を過大な迎え角にする。これはその箇所に重大な流れの剥離 を発生させる。この結果、十分に強力な誘導抵抗渦が各々のブレードの風下面の 内側縁および外側縁に沿って形成される。 ブラウンコーレン氏(Braunkohlen)に付与された独国特許第259353号 (1987)は、上述したバーノイン氏の足ヒレと同じ多くの問題および構造上 の欠点を有する。ブラウンコーレン氏は、足ヒレの中心軸線に沿って足ヒレの後 縁から足入れ空間の爪先部分に近い小さな円形凹部まで導かれた楔形の切込みを 使用している。各々のブレード半体はその外側縁から内側縁(各々のブレード半 体の切込み側)まで厚さが減少されており、切込みに向かってブレードが連続的 に弱くなるようにされている。このテーパー形状はブレードの切込み側に沿う一 様な厚さに至る。 図面の濃淡付け(gradation markings)は、各々のブレードがその基部(足入 れ空間)から、足入れ空間の前方に位置する各々のブレードの限界端部である後 縁へ向かって肉厚および強度を減少していることを示している。これらの濃淡付 けは、各々のブレードの後縁におけるかなり大きな部分が切込みに接した各々の ブレードの内側縁と同様に薄く且つ構造的に弱いことを示している。これは、ブ レード表面積のかなり広い部分が横方向に配向された軸線のまわりで過大な変形 を生じ易くしている。この種の曲がりはこの横方向の軸線のまわりで弓形形状を 形成し、これは長手方向の軸線のまわりの捩れに対する各々のブレードの抵抗力 を大きく増大させる。これが生じるのを補償する適当な構造はブラウンコーレン 氏によって提案されていない。 ブラウンコーレン氏のブレードは横方向の軸線のまわりの曲げを非常に受け易 いので、使用時に迎え角が0゜または0゜に近い角度となるように各々のブレー ド表面積のかなり大きな部分が曲がることができる。このように小さな迎え角で は、ブレードは十分に大きな揚力を発生させるには有効でない。各々の交互のス トロークの逆転位置においてブレードが前後に奔放に「揺動(flop)」されると きに、大きな空運動が発生する。この結果、水中でブレードをキックするのに使 われたエネルギーの大半は、推進力に変換されるのではなく、効率の悪い配向と なるようにブレードを変形させるのに使われる。 この問題を大幅に低減させるための適当な構造は示されていないので、空運動 を減少させる唯一の方法は、ブレードを一層堅固な材料で作って、ストローク中 に横方向の軸線のまわりで過大な曲がりが発生するのを防止することである。ブ レードを堅固な材料で作ることにより、大きな応力が各々のブレードの材料内部 に発生することを許される。ブレードが外側縁から内側縁まで一様にテーパーを 付形されているので、これらの応力は切込みに接するブレードの弱い部分へ伝え られる。これは各々のブレードの内側縁を大いに強化し、ストローク中に水圧が 作用したときに、各々のブレードの切込み付近のかなりの部分で撓みの生じるこ とを阻止する。これは各々のブレードがその長手方向の軸線に実質的に平行な軸 線のまわりで曲がる、または捩れるのを阻止する。この強化作用は、ブレードの 外側縁のかなり大きな部分が使用時に過大な迎え角に保持されるようにする。こ れは、各々のブレードの外側縁のまわりを水が流れるときに重大な剥離を発生さ せる。さらに、切込みに接する各々のブレードの内縁に対してこの強化作用が伝 えられることで各々のブレードの内側縁は過大な迎え角とされる。これはその箇 所において重大な流れの剥離を引き起こす。この結果として、かなり強力な誘導 抵抗渦が各々のブレードの風下面の内側縁および外側縁に沿って形成される。こ れは大きな抵抗および不適当な揚力を発生させる。 またブラウンコーレン氏は、各々のブレード半体の内側縁に沿ういずれの大き な変形も水を切込みへ向けて偏向させ、こうして外方へ向かう幅方向の力が各々 のブレード半体に発生されるということは予想していない。ブレードが切込みの 近くで大きな変形を生じ得るように可撓性が十分に大きいならば、使用時にこの 外方へ向かう力はブレード半体を互いに離隔させる。ブラウンコーレン氏はこの 外方へ向かう力に効果的に対抗する方法に言及しておらず、このような幅方向の 離隔を制御または減少させる適当な構造装置は全く準備されていない。この結果 として、この設計は毎回のストロークの開始時にブレード半体が互いに離隔され るとき、および毎回のストロークの終端時にブレード半体がもとに戻されるとき に、大きな空運動の影響を受け易い。また、幅方向にブレードを変形させるのに 費やされたエネルギーは、推進力に変換されないために浪費される。 この設計の他の問題は、ブレードが互いに離隔されるときに、各々のブレード が応力によって座屈し、また実質的に横方向の軸線のまわりで曲がりを生じるこ とである。これは主として各々のブレードの後縁部分が最も弱く、各々のブレー ドの前縁部分よりも可撓性であることによる。これは、揚力を発生するには不十 分なほど過小な迎え角となるように各々のブレードのかなり大きな部分を曲げる 。 これらの問題を効果的に解決するための、また各々のブレード形状を制御する ための構造的な特徴を備えていないので、各々のブレードの可撓性を変化させる いかなる試みも性能を十分に向上させることができない。剛性の増大は足ヒレ表 面積の一層広い面積部分を過大な迎え角の状態に保持し、可撓性の増大は各々の ブレードが横方向の軸線のまわりで後方へ曲がると共に幅方向において互いに離 隔される傾向を増大させるだけである。いずれの場合も流れの剥離は大きく、揚 力は小さくなる。 切込みの基部に位置した円形凹部は、比較的小さく、狭い切込みよりも僅かに 大きいだけであるとして示されている。ブラウンコーレン氏は、その目的は切込 みの基部が使用中に引き裂かれるのを防止するためであると説明している。また 円形凹部の幅は性能に対する他の利点を得るには比較的小さすぎる。凹部の後方 の立ち上がった部分はまた中心軸線に沿って引き裂かれないように切込みの基部 を補強するのに使用されるだけである。 バーノイン氏に付与された仏国特許第1501208号(1967)はまた、 1つの足室に取付けられた4つのブレードを使用した異なる構造の代替実施例も 示している。ブレードの先端から見た端面図は、これらの4つのブレードが実質 的にX状の交差断面形状に配置されることを示している。この配向は、4つのブ レードを互いに足ヒレの中心軸線で交差する2つの傾斜した平面内に配置する。 ブレードは互いに離隔されて、X形状の中央に空隙を形成する。図面は、各ブレ ードがその厚さに関してこの空隙へ向かってテーパーを付形されており、鋭い内 側縁と厚い外側縁とが形成されていることを表している。 X形状のブレードはキック時の効率が非常に悪く、過大な抵抗を発生させる。 何故なら、毎回のストロークで後側ブレードは前側ブレードが効率的に揚力を発 生することを阻害するからである。足ヒレが上方へ向かってキックされるとき、 上側の対を成すブレードが前側のブレードとなり、下側の対を成すブレードが後 側のブレードとなる。下方へ向かって足ヒレがキックされるときは、この逆とな る。いずれの場合も前側ブレードは下反角を形成するように角度を与えられて小 さな迎え角を示すが、後側ブレードは上反角を形成するように常に角度を付され て、前側ブレードが揚力を発生するのを阻害する。後側ブレードは、前側ブレー ドの外縁のまわりで曲げられる水流に対して極めて大きな迎え角となるように位 置されるので、前側ブレードの低圧面に沿って流れる水の流路は後側ブレードが 配向されることによって遮られることになる。これは前側ブレードの風下面のま わりを曲がって流れる水が後側ブレードの内側縁にて前側ブレードの迎え面を離 れる水流と効果的に合流するのを妨げる。これは前側ブレードの風下面に沿って 低圧領域が十分強力に形成されるのを阻害し、それ故に十分に大きい揚力が発生 されることを妨げる。 後側ブレードの大きな迎え角は、足ヒレの各側において前側および後側ブレー ドの間にポケットが形成されることにより、前側ブレードの外側縁のまわりの誘 導抵抗渦の形成を強める。この誘導抵抗による渦はこのポケット内に捕捉され、 保護され、そして増強される。この渦によって形成される剥離は前側ブレードの 各々を完全に失速させる。これは大きな抵抗を発生し、揚力を失う。さらに、こ の捕捉された誘導抵抗渦のスワール渦流に似た動きは、迎え角を有するブレード の風下面に沿って流れる水を内側縁から外側縁へ向けて逆流させる。この渦流の ようなスワール運動によって発生された方向性のある逆流は極めて望ましくない 。何故なら、この逆流は前側ブレードに揚力を発生させるのに必要な方向と反対 方向に生じるからである。 この望ましくない渦流は後側ブレードの迎え面に沿う予想された流れの方向も 逆転させ、これらの迎え面に沿って水は各々のブレードの外側縁から内側縁へ向 かって流れるようになる。これはさらにまた後側ブレードで揚力が発生されるの を妨げる。 この設計による他の問題は、可撓性のブレードがキックストローク時に不均等 に変形したときに生じる。水圧が前側の対を成すブレードに作用するとき、これ らのブレードが可撓性であることによってブレードは横方向の軸線のまわりで後 方へ向かって曲げられて、後側ブレードに押し付けられる。後側の対を成すブレ ードは流入する流れに対して露出されないので、前側のブレードが押し付けられ るときに比較的真直な状態を保持している。前側ブレードの内側縁が後側ブレー ドの内側縁に接触すると、前側ブレードの低圧面に沿って流れる水の流路は完全 に遮られることになって、前側ブレードの内側縁の位置でその前側ブレードの迎 え面を離れる水と合流できなくなる。これは、前側ブレードの低圧面に沿って低 圧領域が形成されるのを妨げ、それ故に揚力の発生を妨げる。 対を成す前側ブレードはその2つの前側ブレード間に存在する空間へ向かって 水が流れるのを促進できるように下反角を有して配向されるが、このような内方 へ向かって流れる水によって各々のブレードに作用される幅方向の外方へ向かう 力に対抗する方法や構造は全く検討されていない。ブレードは可撓性であるため この外方へ向かう力の影響を受け易いので、それらのブレードは横方向へ互いに 引離される。これはエネルギーを浪費し、空運動を発生し、性能を抑制するよう な不都合なブレード配向をもたらす。 劣った性能をもたらすのに加えて、4つのブレードを有するこの構造は、材料 、部品および組立て段階を増加することで製造費用を増大させる。また、ブレー ド重量および体積もまたパッケージング、出荷、および保管のための費用を増大 させる。このような付加重量および体積はさらにまた使用者にとって不都合であ る。 リー・ヴァセウア氏(Lee Vasseur)に付与された米国特許第3934290 号(1976)は、使用者の両足を受入れてイルカに似たキックストロークで使 用される単体足ヒレを使用している。ブレードの先端近くにおける迎え面に沿っ て外方へ向かう幅方向の流れを減少させる装置は全く使用されていないので、こ の設計は大きな誘導抵抗の影響を受け易い。 リー・ヴァセウア氏は幅方向に整列した一連の通水穴を使用している。これら 通水穴の通路は足入れ空間の爪先部分の上方位置からブレードを対角線状にブレ ード下面の後縁付近の線まで延在している。この配向は下方へ向かうストローク のときだけ通水穴が使用されるようにする。これらの通水穴は誘導抵抗の発生を 大幅に減少させることはできない。 ラスムッセン氏(Rasmussen)に付与された米国特許第4007506号(1 977)は、水泳用足ヒレのブレードに沿って長手方向に配列された一連のリブ 状補強材を使用している。リブは、ブレードの後方部分がキックストロークの方 向に湾曲するように横方向の軸線のまわりでブレードを変形させることを意図し ている。このブレードは誘導抵抗を適切に減少させるための方法を全く使用して いない。ブレードの大きな迎え角はブレードを失速させ、低圧面に沿って滑らか な流れが形成されるのを妨害する。 このリブは、ブレードの低圧面に沿う剥離を減少させるようにブレードの捩れ または曲がりを促進させることを意図するものではない。その代わりに、このリ ブはブレードが小さな迎え角となるように曲がるのを防止する。ラスムッセン氏 の特許はブレードの外側部分に形成される迎え角を増大させるためにリブを使用 している。 クロニン氏(Cronin)に付与された米国特許第4025977号(1977) は、ブレードが泳者の下肢に整列される足ヒレを示している。誘導抵抗の発生を 減少させるための機構は全く使用されていない。 スクーフ氏(Schoofs)に付与された米国特許第4521220号(1985 )は、カエル足ストロークの泳者が使用するように設計された足ヒレを使用する 。これは横方向に非対称な水中翼形状をした水平ブレードを使用する。この設計 は泳ぐ時にその形状を保持するのに十分なほど堅固とされるべきであると記載さ れている。これは、足ヒレが通常の上下方向のハサミの動きに似たキックストロ ークで使用されるときに有効性を損う。これは水中翼形状がそのようなストロー クの方向に対して直角だからである。これはブレードを失速させる。カエル足ス トロークのキックのやり方の場合であっても、誘導抵抗を大きく減少させる機構 は全く使用されていない。 ウェンゼル氏(Wenzel)に付与された米国特許第4541810号(1985 )は、イルカに似たキックス動作において両足で使用するように設計された単体 足ヒレを使用している。この設計は堅固な、荷重を支持するY形状のフレーム部 材と、このフレームのフォーク間に固定された弾性の大きなウェブとを使用する 。このウェブは、ストローク時にウェブに作用する水圧に応じてフォークが内方 へ向かって撓むときに、その表面を弓形にすることで水の流れを受止める(cup )ように意図されている。 足ヒレの中心へ向けて水を導き、また後縁から流出させるために凹部を形成す る方法は効率が非常に悪い。何故なら、ウェブのそのポケット内に過大な背圧が たちまちのうちに蓄えられてしまうからである。この背圧は、過剰に注水されカ ップに似て足ヒレの外側縁を超えて流れを逆流させる。これはその側縁に沿う低 圧面に沿って誘導抵抗渦の形成を増大させる。これらの渦は抵抗を生じ、揚力を 減少させ、そして弓形ポケット内に生じた高圧中心部をすぐに流し出してしまう 。迎え面に沿って流れる水のかなりの部分が水中翼の外側縁をまわって側方へ溢 れ るので、前進方向の推進力は小さく、抵抗は大きくなる。 他の問題は、水圧によりウェブが湾曲するとパラボラ形状となり、ウェブの外 側縁は非常に小さい湾曲状態となり、ウェブの中央部分は大きな湾曲状態となる ことである。このようなパラボラ形状は、周囲を取囲むフレームを横断して支持 された材料に対して均等に分布された荷重が作用するときに生じる。このパラボ ラ形状はフレーム部材の近くのウェブの外縁を流入する水流に対して過大な迎え 角の状態に維持する。ブレードの前縁および側縁が示す大きな迎え角は、ブレー ドの低圧面に沿って剥離および失速状態も発生させ、これはさらに揚力を減少し 、抵抗を増大させる。 ウェンゼル氏の実施例の幾つかは後縁に沿って深いV形の切除部を示している が、それらの後縁部分が変形するときにその形状を制御するための機構は全く使 用されていない。後縁に沿う切除部は、先端付近に存在している2つの凹状に湾 曲された外側部分、ならびに2つの凸状に湾曲された内側部分によって形成され 、これらの部分はウェブの中央で出合って小さな狭い幅のV形切除部を形成して おり、このV形切除部は鋭い尖端にて終端している。各々の凹状の外側部分に対 する接点から後縁の中心におけるV形切除部の鋭い尖端まで延在される仮想線は 、弾性ウェブを横断して発生する幅方向の引張り力の後方限界(後縁へ向かう) である。この仮想線とフォークフレームとの間に存在するウェブの領域は長手方 向の軸線のまわりの捩れに対して強く抵抗する。これは、この領域が圧縮または 膨張の捩り阻止応力を受けるからである。他方、この仮想線と後縁との間に位置 するウェブの部分は、ウェブの残りの部分よりも構造的に弱い。何故なら、この 部分は水圧で湾曲されるときに発生されるような弾性ウェブを横断して生じる引 張り力の影響をほとんど受けないからである。この結果、使用時に後縁領域の凸 状部分はこの仮想線に沿って実質的に折曲げられて、ウェブの残りの部分よりも かなり小さい迎え角となる傾向を示す。これはウェブの形状に急激な変化を引き 起こし、大きな抵抗を発生し、また揚力を失う。ウェンゼル氏はこの領域を支え る機構は全く使用していない。彼のウェブは弾性が大きく、容易に変形できるの で、この問題の影響を特に受け易い。一層剛性の大きい材料をウェブとして使用 することは、水圧の作用のもとでのウェブの湾曲能力をさらに抑制するだけであ る。 彼の設計による他の問題は、強固な荷重支持フレーム部材のフォーク端部が重 要な結果を生じるほどには内方へ向かって適切に撓まないということである。フ レーム部材のフォーク部分がストローク時にその長手方向の基準線を実質的に保 持して、水圧の作用のもとで横方向の軸線のまわりで後方へ過大な曲がりを生じ ないほど十分強力に作られるならば、内方へ向かって幅方向に大きな撓みを生じ 得るほど可撓性は大きくならない。これは一次的には、フレームのフォーク端部 を内方へ撓ませる原因となるウェブを横断する幅方向の引張り力が、水中で足ヒ レのキックされる方向と反対の方向においてフォークを後方へ押圧するような抵 抗によって発生される力に比べてかなり小さいという理由による。この問題はさ らに大きな問題となる。何故なら、フォークが幅方向の水中翼形状を有しており 、これが各々のフォークに垂直方向の撓み(横方向の軸線のまわりの後方への曲 がり)よりも水平方向の撓み(幅方向の撓み)に対して一層大きく抵抗する横向 きのI形ビームに似た作用を行わせるからである。内方へ大きく曲がってウェブ にポケットを形成させるほどフォークが大きな可撓性を有しているならば、使用 時に過小な迎え角となるように横方向の軸線のまわりで後方(足ヒレのストロー ク方向と反対方向)へ向かう過大な曲がりが生じるのを防止できるほど、フォー は大きな剛性を有することにならない。 フォークの構造はまたそれらのフォークが使用時に大きな捩れを受けることを 防止する。捩り力がフォークに作用すると、大きな捩り応力がフォーク材料の内 部に蓄えられる。捩れが生じるためには、この材料はそれらの応力に屈服して、 その材料の長さおよび体積の大部分を横断して大きな膨張および圧縮を受けねば ならない。フォーク材料のかなり大きな部分が比較的大きな圧縮および膨張を受 けるように強制されることになるので、このような捩りに対する抵抗は非常に大 きい。圧縮においては、横方向の軸線のまわりの単純曲げの動きによって、かな り小さな圧縮および膨張がフォーク材料のかなり小さい部分に生じるようになさ れる。この結果、中実物体はその長さのまわりの捩れに対するよりもその長さに 沿った曲がりに対する方が、抵抗は数段小さくなる。この理由で、フォークは使 用時に失速状態および水中翼の縁部に沿う流れの剥離を大きく減少させるのに適 当な捩れを生じることができない。これは水中翼形状のフォークをその使用の間 に過大な迎え角の状態に保持し、したがってさらなる抵抗を生じ、また揚力を失 う。 フォークが弾性の大きい材料で作られて大きな捩れを生じ得るようにされるな らば、フォークは横方向の軸線のまわりで後方へ曲げられて圧潰される。何故な ら、このような変形に対する抵抗は捩り運動時に生じる抵抗よりも数段小さいか らである。さらに、フォークをその長さに沿って捩る力(ウェブを横断する引張 りで生じる)は、ブレードの水中での動きと反対方向にフォークを後方へ曲げよ うとする水中翼に作用する抵抗によって発生された力に比べて、かなり弱い。 フォークが過大な変形を起こさずに足ヒレに作用する抵抗力に十分に耐えるほ ど堅固であるならば、フォークはそれらの長さに沿って大きく捩れるほど柔軟で はない。この理由により、各々のフォークの幅方向の水中翼形状は使用時に大き な迎え角を保持する。これは使用時にフォークの風下面に沿う流れの大きな剥離 を引き起こす。これは誘導抵抗渦の形成、失速状態、および遷移流れを増大させ る。フォークの前縁部分もまた過大な迎え角を保持するので、さらに水中翼の前 縁も失速する。この結果として抵抗は大きく、揚力は小さくなる。 ガロファロ氏(Garofalo)に付与された米国特許第4738645号(198 8)は、水圧の作用のもとで水を後縁へ向けて導くための凹状流路を形成するよ うに変形される単体ブレードを使用している。このブレードは2つの幅が狭く長 手方向に向けられた可撓膜のストリップを使用しており、このストリップはブレ ードの各々の側縁の補強レールの近くに配置されている。この2つの幅の狭い可 撓膜のストリップの間は、それらの2つの可撓膜ストリップの内側縁に取付けら れた堅固な中央に配置されたブレード部分である。この足ヒレがキックされると き、水圧がこの堅固な中央ブレード部分を押圧し、これにより可撓ストリップに 引張り力が作用される。この状態が生じると、各々の可撓ストリップの弛み襞( loose fold)が引延ばされ、これによって足ヒレがスコップ形状の流路を形成す るように中央ブレード部分が窪むことができる。 この形状は、ブレードの側縁をまわる流れを減少させて後方へ向かう流れを増 大させることを意図しているが、それほど効率的に行えず、大きな抵抗の影響を 受ける。ブレードの中央部分はかなり大きい迎え角とされるので、水がブレード の中央部分に衝突するときに水の慣性がその流れ方向の速やかな転向に逆らう。 これはかなり大きな背圧をその流路内に発生させる。この設計はこのような背圧 を減少させる方法を備えていないので、水は流路内でせき止められた状態となり 、カップを溢水するのと同様にブレードの側縁をまわって横方向へ溢れる。これ が起こると、流れはブレードの低圧面から剥離する。これは誘導抵抗を増大し、 揚力を消失する。ブレードの側縁に沿う垂直方向の隆起はこの問題を効果的に減 少させることができず、それら自体の余計な抵抗を付加するだけである。 他の問題は、側方レールと可撓ストリップとの間に位置するブレード部分が比 較的幅広で、使用時にその長さに沿って大きく捩られるのを防止する大きな捩り 応力を内部に有していることである。この結果、この部分は常に大きな迎え角に 保持され、これは誘導抵抗渦の強さを増大させる。ブレードの中央および側方部 分は大きな迎え角を保持し、これは足ヒレを失速させる。これが揚力を消失させ 、抵抗をさらに増大させる。 カイレス氏(Caires)に付与された米国特許第4781637号(1988) は、イルカに似たキック運動にて両足で使用するように設計された単体の足ヒレ を示している。これは横方向に配向された水中翼を使用しており、この水中翼は 中央に位置する足入れ空間(足ポケット)の両側から延在している。この水中翼 は可撓材料で作られ、その水中翼の前縁と平行に材料内部に配置された補強ロッ ドを有する。この可撓材料は回転できるように補強ロッドのまわりに緩く配置さ れている。プレート状部材が水中翼の中央部分の内部に配置されて、ブレードが その位置で補強ロッドのまわりを回転するのを防止している。 中央部分は大きな迎え角を維持した状態において先端がロッドのまわりで捩ら れて迎え角を減少させるように意図されているが、中央に配置されたプレート状 部材が水中翼の可撓材料の内部に応力を発生させ、これがそのような捩れに強力 に逆らう。水圧が捩り力を水中翼に作用させると、圧縮および引張りの捩り応力 が回転軸線に対して斜めの方向で可撓材料の内部に蓄えられる。圧縮力が1つの 斜め方向すなわち対角方向に沿って発生される一方、引張り力は圧縮の方向に実 質的に直角な他の対角方向に沿って発生される。これはプレート状部材と補強ロ ッドの外端部との間にて可撓材料の内部に複雑な応力網を形成する。捩りに対す る抵抗は大きい。何故なら、これらの力はかなりの距離を横断して作用し、それ 故に可撓材料の大きな部分が捩れの生じる前に大きな膨張および圧縮を受けねば ならないからである。ブレード材料内部のこれらの応力を減少させるために適当 な方法が全く使用されていないので、ブレードは水圧によって発生されるいずれ の捩りに対しても大きな抵抗力を示す。 これは大きな問題である。何故なら、ストローク時に水圧で発生される捩り力 はかなり小さいからである。水中翼が素早く捩れることができず、実質的に非常 に軽い圧力状態のもとにあるならば、ブレードは過大な迎え角を保持し、これが 風下面に沿って流れの剥離を引き起こし、これにより水中翼を失速させる。この ようにして風下面から流れが速やかに剥離されると、水圧によって発生された捩 り力は劇的に低下する。捩れに対する抵抗力は大きく、水圧によって与えられる 捩り力はかなり小さいので、ブレードは大きな迎え角を保持する。これは揚力を 消失し、大きな抵抗を発生させる。カイレス氏は捩り応力によって生じるこれら の問題の認識について言及しておらず、それを制御する解決策は全く提案してい ない。 この設計による他の問題は、水中翼の可撓材料の大部分が補強機構によって十 分に支持されていないことである。これは翼形を曲げ力に影響され易くしており 、曲げ力は使用時に翼形を不利な状態に変形させる。このような曲げ力の影響を 最も受け易い部分は、補強ロッドの各々の外側先端から中央に位置する補強プレ ートの後部まで延在する仮想線の後方(後縁に向かう)の位置である。この仮想 線と後縁との間の部分は、迎え角を減少させるように急激に曲がる。この曲げは この仮想線に実質的に平行な軸線に沿って生じる。 この急激な形状変化は、低圧面が凹状に湾曲され、迎え面が凸状に湾曲される ようになされる望ましくない水中翼断面形状を形成する。べルヌーイの定理によ れば、この形状は揚力を減少させる。何故なら、低圧面に沿って水が移動しなけ ればならない距離を短くする一方、これと同時に高圧面(迎え面)に沿って水が 移動しなければならない距離を長くするからである。これは低圧面と迎え面との 間の全体的な圧力差を減少させる。さらに、ストローク時に形成されることにな る凹状に湾曲された低圧面は、その面からの流れの剥離を促進させる。これはさ らに揚力を減少させ、抵抗を増大する。翼形の後部が使用時にこのように曲がる 一方、仮想線と前縁との間に位置する翼形前部はその領域に生じた捩りに抵抗す る応力によって大きな迎え角の状態に保持される。これはブレードの前部を失速 させるので、非常に効率が悪い。 この設計の構造上の欠点のために、ブレードの弾性を変化させるだけのいずれ の試みも性能を十分に向上させることができない。可撓性の大きな材料が水中翼 を作るのに使用されたならば、仮想線の後方に位置するブレード部分は迎え角が 完全に0゜、またはほぼ0゜となるように圧潰される。これは水中翼上での梃子 作用を劇的に減少させ、それ故に水圧によって発生される捩り力を減少させる。 したがって、たとえ可撓性の大きな材料によっても、前縁全体はストローク時に 失速状態に保持される。 剛性材料の使用はこの曲がる傾向の急激さおよび強さを減少させることはでき ても、ブレードの大部分を過大な迎え角の状態に保持する。これは、可撓性の小 さい材料によって捩りに抵抗する応力(翼形の前部に生じる)の強化作用が後縁 へ向かって影響を及ぼすようになされるためである。したがってこのようにして 主なるジレンマが生じる。すなわち、水中翼の可撓材料が極めて軽い圧力のもと で捩れを生じることができるほど弾性が大きければ、使用時にその後部は過小の 迎え角となるように圧潰される。しかしながら、この可撓材料が不適当に支持さ れた後部に過大な曲げが生じるのを十分防止できるほど頑丈であるならば、その 材料は非常に軽い圧力のもとで十分に捩れを生じることができるほど十分な弾性 であるとはもはや言えない。この結果として、この設計は非常に効率が悪い。 図面で示された他の問題は、水中翼の前縁内部の補強機構がその水中翼の外端 部へ向かって十分に延在していないことである。これは、足ヒレが水中でキック されるときに、弾性の大きい材料が先端において制御されない好ましくない方法 で撓みを生じることである。不適当に支持された弾性材料の非常に大きな部分で 、大きな乱れおよび抵抗を発生させる配向状態となるように曲げられることが起 こり得る。これは外側縁において特に問題である。何故なら、誘導抵抗渦によっ て発生される外方へ向かう流れ状態が、支持されていない先端部を翼弦軸線に沿 って上反角を形成するように曲げるからである。誘導抵抗渦の形成を適当に減少 さ せる方法は全く使用されていない。 ブレードが僅かに後退角形状とされた設計においても同じ問題が見られる。先 端部の外縁に沿って適当な支持のないことは、補強ロッドの端部の後方へ延在す る可撓材料を横方向の軸線に沿って曲げる。同時に、上反角の曲げが可撓材料の 外端部に生じる。何故なら、補強ロッドの幅は水中翼の幅よりもかなり小さいか らである。 彼の設計の後退角に関する変形例において、ブレード半体は、内方へ向いた大 きな流れが各々のブレード半体の迎え面に沿って生じるのを十分に促進させるほ どには後退角を形成されていない。ブレードの最外縁は大きい後退角を形成され るが、これらの大きく後退されたブレード部分は適切に支持されておらず、それ 故に各々のブレード半体の先端近くの迎え面に沿って外方へ向かう幅方向の流れ が発生するのを促進する。 この設計による他の問題は、カイレス氏が使用しているかなり大きなアスペク ト比が幅方向の寸法をかなり広いものとすることである。これは泳者が限られた 場所、例えば狭い水路、湾曲路、渓谷、洞窟、海草密集域、難破船の場所でこの 設計の足ヒレを使用する可能性を著しく減少させる。このような幅の広い幅寸法 は、その設計をハサミの動きに似たキック動作において使用するように、各々の 足に別々な足ヒレを使用することの妨げとなる。何故なら、使用において片方の 足に装着された足ヒレが他方の足に衝突しかねないからである。 代替実施例は、弾性プラスチック製薄膜で作られた中空水中翼の内部に支持さ れた翼弦方向のリンケージ部材を有する水中翼の横断面を図示している。この部 材の前部は、水中翼の前縁内部に位置された横方向の補強部材に枢動連結されて いる。このリンケージ部材の後部は中空水中翼の後縁の内部へ向かって後方へ延 在し、その内部に取付けられている。リンケージ部材と中空薄膜との間の唯一の 連結が後縁において行われる。薄膜の他の全ての部分はリンケージ部材から自由 状態にある。 このリンケージ部材の唯一の目的は、使用時に中空水中翼の上面および下面の 間で薄膜の張力に差を生じさせて、非対称形状を形成することである。翼弦方向 のリンケージ部材は使用されないか、または使用時にブレード材料の内部に発生 される捩りに対抗する応力を解放または制御することのできる方法でリンケージ 部材が使用されることを意図される。これは、捩り力がブレードに作用したとき に水中翼が滑らかで効率的な形状となるのを阻害する。 この設計の構造の理由によって、緩く配置された薄膜は、使用時に捩りに抵抗 する圧縮および引張り応力が薄膜に蓄えられると座屈して皺が生じる傾向を示す 。これらの応力は薄膜の幅を斜めに横断して発生されるので、斜めに方向付けさ れた皺が水中翼の上下の面を横断して形成される。これらの皺は、水ボトル(水 または空気を半分充填されている)のような中空物体がその一端を固定して他端 が捩られるときに形成されるのを見ることができる。上下の面で薄膜は水中翼内 部の各々のリンケージ部材の上下方向に緩く配置されているので、この座屈傾向 はリンケージ部材によって制御することができない。幅方向の捩れ度合いが大き くなるほど、薄膜の座屈および皺寄りの度合いが大きくなる。形成される皺は、 乱れおよび剥離を引き起こす。これは揚力を消失させ、大きな抵抗を発生させる 。また、2つの別々な薄膜(上面および下面)が使用されるので、1つの単一部 材が使用されたときよりも2倍の捩りに対する抵抗(引張り力による)が生じる 。 エヴァンス(Evans)に付与された米国特許第4857024号(1989) は、後縁に沿ってV字形の切除部を備えた可撓ブレードを有する足ヒレを示して いる。このブレードは、ストローク時にブレードの迎え面に沿って下反角を形成 するように配向された水路は形成しない。後縁に沿ったこのV字形の切除部は後 部先端から比較的小さな距離において延在するだけで、ブレードのかなりの長さ に及んではいない。この理由で、このV字形の切除部はブレードの中央部分に沿 って存在する流体内の過大な背圧を大いに防止できるという位置にあるのではな い。 ブレードはその中心軸線に沿って最も厚く、最も堅固である。ブレードはこの 中心軸線の両側でそれぞれの側縁に向かって厚さが減少され、それらの縁部の近 くで可撓性を大きくされている。ブレードの中心軸線は足入れ空間と同じ水平面 内に位置する一方、中心軸線の各側の部分は外側縁に向かって上方へ角度を付さ れている。これらの角度を付された部分は凸状に持ち上がったV字形の谷を形成 する。この上面が前方へ向かってキックされると、外側部分は移動方向に対して 下反角の配向となり始める。しかしながらこれらの上方へ角度を付された外側部 分に水圧が作用されるや否や、これらの部分は中心軸線の水平面との整合状態に 戻るように撓み、さらにこの状態を超えて撓み続けて上反角の配向となる。この 点で、ブレードの堅固な中央部分は横方向の軸線のまわりで後方へ湾曲して過小 な迎え角となり、その後ブレードはストロークの終端において泳者を前進させる ためのスナッピング運動で打ち返す(slash back)。 このスナッピング運動は翼というよりもパドルに似た作用を果たす。翼のよう に揚力を発生するというよりも、この設計はこのように大きな迎え角でスナップ 式に後方へ打ち戻り、ブレードの風下面に沿って滑らかな流れを形成することは できない。この結果、このスナップ運動は、水中でブレードが発生する抵抗に抗 して後方へ曲げられたブレードに蓄えられたエネルギーを与えて泳者を前方へ推 し進めるようにする。この設計は使用時にかなり大きな抵抗を発生し、踝に大き な疲労が生じる。また、後方へ向かうブレードの過大な変形がストローク時に大 きな空運動を発生させる。 ブレードの下面が迎え面となる反対方向のストロークにおいては、角度を付さ れた外縁が移動方向に対して上反角の状態で配向される。このストローク時に発 生される水圧はこの上反角を大きくするだけである。この配向は水をブレードの 中心から外側縁へ向かって導く。これは誘導抵抗を増大し、揚力を減少させる。 ブレードの低圧面に沿って滑らかな流れの状態を形成するための機構は全く使用 されていない。 この設計は水面に沿って泳ぐときに特に使用するのが困難である。泳者は水中 で通常は顔を下に向けているので、下反角を形成するように配向された上面も水 中では表面を下に向ける。ブレードの迎え面に沿う背圧を減少させるための機構 は使用されていないので、下反角の翼は水中に再進入するときにパラシュートの ように作用する。これはブレードが水面を叩いたときに足ヒレを直ちに停止させ る。これはかなりの大きさの応力を使用者の踝及び下肢に伝える。下方へ向かう ストロークで最初に蓄えられたエネルギーは浪費され、動きを得るために新しい エネルギーを許容しなければならない。 ピッケン氏(Picken)に付与された米国特許第4934971号(1990) は、毎回のストロークで小さな迎え角を得るために横方向の軸線のまわりで枢動 するブレードを使用した足ヒレを示している。枢動軸線と後縁との間隔距離がか なり大きいので、ストロークの間で新しい態勢に切換えられるまで、後縁はかな りの距離を上下になびくように傾斜される(sweep)。この動きの間は、泳者の このキック動作は推進力を補助するものでないから、空運動が発生する。毎回の ストロークで生じる迎え角の減少が大きければ大きいほどこの問題も大きくなる 。ブレードが失速するのを防止するために小さな迎え角となるように枢動できる ようになされるならば、大きな空運動によってブレードは非常に効率の悪いもの となる。 ピッケン氏は誘導抵抗を減少させるために楕円形のブレード設計を使用してい る。このアスペクト比は小さいので、またストローク時にかなり大きな迎え角が 使用されるので、この設計は誘導抵抗を効果的に減少させることができない。さ らに、ブレードの側縁に沿って外方へ向かう流れを効果的に消勢させる適当な方 法が全く与えられていない。 ピアット氏(Piatt)に付与された米国特許第4940437号(1990) は、ブレード内部の中心軸線に沿って延在する補強ロッドを有する水泳用足ヒレ ブレードを使用している。この補強ロッドは、誘導抵抗を効果的に減少させるよ うに使用されない。長手方向の軸線に沿ってブレード内部で捩り運動は全く促進 されない。 従来の水泳用足ヒレ設計で生じる同じ問題の多くが、推進力を発生させるため に前後に振られる従来の可撓性の推進ブレード設計においても生じている。この ような設計の全ては予め抵抗および失速状態を減少させるのに有効な方法を備え ていない。撓むように意図された設計は、ブレードを望ましくない状態に変形さ せる望ましくない応力を制御または減少させるための効果的な方法を含んでいな い。 ハーセン氏(Harsen)に付与された米国特許第144537号(1873)は 、くねった動きすなわち蠕虫に似た動きを生じるように回転するウォームシャフ トによって駆動される一連の揺動アームを使用している。この機構は回転するウ ォームシャフトによって形状が与えられる。ブレード機構の水没される下縁に沿 う 誘導抵抗渦の形成を減少させる機構は全く使用されていない。 米国特許および商標庁のクラス115/サブクラス28の「1880の330 2」とのラベルを付された項目照合では、水平に配列された往復式の推進ブレー ドを示している。平坦なブレードはその中心軸線に沿う幅の狭い空間を有してお り、この空間はブレードを2つの並んだブレード半体に分けている。この空間は ブレード野後縁を起点とし、ブレードの基部の近くで終端している。ブレードが 実質的な長手方向の軸線に沿って捩れるのを阻止する機構は全くしようされてお らず、また各々のブレード半体の外側縁から離れる方向へ水が流れるように促進 する機構は全く備えられていない。ブレードは水圧に応じて横方向の軸線のまわ りで後方へ撓むだけである。したがって、ブレードは水中で失速し、大きな抵抗 と僅かな推進力とを発生する。 ギベルト氏(Gibert)に付与されたスペイン国特許第17033号(1890 )は、垂直方向に配列された可撓性の揺動される推進ブレードを示しており、こ のブレードはその中心軸線に沿って三角形の空間を有し、この空間がブレードを 2つのブレード半体に分けている。この空間は後縁で最も広くされ、ブレードの 基部で一点に集まっている。ブレードを長手方向の軸線のまわりで捩るまたは曲 げるように促進する機構は全く備えられていない。これらのブレード半体は水中 で失速し、大きな抵抗と僅かな揚力とを発生する。 ミッシェルス氏(Michiels)に付与された米国特許第787291号は、中央 に空間が形成された2つのブレードを有する垂直方向に配列された揺動する推進 機構を示している。両ブレードは同一平面内に位置している。ブレードが長手方 向(翼弦方向)の軸線に沿って捩れるのを可能にする機構は全く備えられておら ず、また失速および誘導抵抗を減少させる機構も全く備えられていない。 ドウス氏(Douse)に付与された米国特許第871059号(1907)は、 中間に可撓膜が張り渡された尾形状のフレームを有する垂直方向に配列された揺 動する推進装置を示している。可撓膜の背圧を減少させる機構は全く与えられて いない。この結果、外方へ向かう幅方向の横断流の状態が発生され、これが推進 力を減少させ、誘導抵抗を増大させる。水圧が作用したときに膜がパラボラ形状 のポケットを形成する傾向を減少させる機構波全く使用されていない。このパラ ボラ形状は膜の前縁および側縁を大きな迎え角に保持する一方、ポケットの中央 部分は湾曲される。したがって、ブレードは失速し、大きな誘導抵抗を発生する 。さらに、剛性フレーム部材による構造は付加的な流れの剥離および抵抗を引き 起こす。 バージン氏(Bergin)に付与された米国特許第1324722号は、ブレード を2つのブレード半体に分ける幅の狭い空間が中心軸線に沿って形成された可撓 性の揺動する推進装置を示している。この空間は後縁を起点とし、ブレードの底 部付近で終端する。ブレードは弾性材料で作られ、一連の翼弦方向の補強部材に よって補強されており、これらの補強部材はブレードの基部から大きな距離を隔 てられている横方向に配列された補強部材に連結されている。可撓ブレード材料 のかなり大きな部分がそのブレードの外側縁に沿って支持されていないので、こ れらの側部は水圧の作用によって上反角を形成するように変形する。これはブレ ードの迎え面に沿って外方へ向かう幅方向の流れ状態を増大させる。補強部材は このような失速状態および誘導抵抗を減少するようにブレードが変形するのを促 進するような方法で配列されていない。 ボヴェイ氏(Bovey)に付与された英国特許第234305号(1924)は 、固定された前部およびヒンジ連結されて実質的に横方向の軸線に沿って自由に 揺動する後部を有する推進ブレードを使用している。後部は自由に揺動するため 、その傾きは制御不能である。これはブレードのこの部分が水圧の作用で迎え角 が過小になるまで後方へ曲がるのとを可能にする。この結果、形状の急激な変化 が効率を圧化させ、抵抗を発生させる。誘導抵抗を効果的に減少させる機構は全 く使用されていない。 ヒル氏(Hill)に付与された米国特許第2241305号(1941)は、尾 計足ヒレの下半体に似た形状の剛性フレームを使用した垂直方向に配列された推 進ブレードを示している。弾性膜がフレーム部材の間に張り渡されている。膜が パラボラ形状に湾曲される傾向を減少させる機構は全く使用されていない。この 結果、フレーム部材に接する膜の縁部が使用時に過大な迎え角に保持される。こ れはブレードを失速させ、大きな誘導抵抗を発生させる。 ホーリー氏(Holly)に付与された米国特許第3086492号は、可撓材料 で作られた可撓補に配列された揺動する推進ブレードを示している。このブレー ドの中心軸線はV字形の凹部を有し、これがブレードの後部を上下の半体に分け ている。対を成す補強リブが3箇所において垂直ブレードの両側から延在してい る。これらの対を成すブレードは後縁からブレードの基部へ完全に延在していな い。その代わりに、ブレードの可撓材料のかなり大きな部分がリブの前端とブレ ードの基部との間に存在している。この支持されていないことが、ブレードを幅 方向の軸線のまわりで圧潰され易くしている。 対を成すリブの位置決めも組織化されていない。対を成す2つのリブがブレー ドの外側縁に平行に延在しているが、それらのリブとブレードの外側縁との間隔 距離が大きい。この結果、ブレードの側縁のかなりおおきい部分が支持されない ことになる。これは使用時にそれらの縁部を上反角を形成するように変形させる 。これは失速状態ならびに誘導抵抗を増大させる。ブレードの中心軸線に沿った 対を成すリブは曲げ力に対してる余計なてこ作用を加え、これがブレードを幅方 向の軸線のまわりで曲がるようにする。この幅方向の軸線は各々の対を成すリブ の前端部を結んだ仮想線に実質的に沿って存在される。リブはブレードが実質的 に長手方向の軸線のまわりで曲がりまたは捩れるのを促進するように配置されて いるのではない。この結果、ブレードは水中で失速し、僅かな推進力しか導き出 さない。 ガウス氏(Gause)に付与された米国特許第3453981号(1969)は 、波のエネルギーをボートの前進力に変換するように意図された一連の水平方向 に配列された推進ブレードを使用している。各々のブレードはその中心軸線に沿 って空間を有しており、この空間がブレードを左右のブレード半体に分けている 。このブレード設計による最大の問題は、使用時にブレードの可撓材料内部に生 じる望ましくない応力を制御する機構が全くないことである。この結果、これら の応力は望ましくないことにブレードが変形するのを阻止し、性能が劣化するこ とである。 各々のブレードは剛性の前縁部分を有しており、この前縁部分は丸められ、比 較的堅固な後部に向かって漸進的にテーパーを付されている。図中の鎖線はこれ らの2つのブレード部分の間の連結部分の最初の状態を示しており、この説明は これらの2つの部分が「特性に急激な変化を生じないで互いに滑らかに合わされ る」と記載されている。このような滑らかな遷移および漸進的なテーパー形は、 可撓性に対抗する応力をブレード上で後方へ(前縁に向けて)伝える。したがっ て、前縁部分の剛性はブレード上のそれより弾性な部分へ向かってかなりの距離 にわたり広がる。これは弾性な部分がブレードの前縁および側縁の近くで大きく 撓むのを阻害する。この結果、これらの前縁および側縁は使用時に過大な迎え角 の状態に保持され、ブレードを詳細装置電池。強力な誘導抵抗が外側縁に沿って 形成されるようになされ、性能を劣化させる。 この設計の構造による他の問題は、使用時に圧縮および引張りの応力がブレー ド材料内部に蓄えられることである。これは各々のブレード半体がその長さに沿 って適切に捩られることを妨げる。これらの応力は、ブレード半体の最端部の外 側縁からブレードの中心軸線上に位置する後縁の最前位置まで延在される各々の ブレード半体上の仮想線の前方(後縁に向かう)において最大となる。この捩れ に抵抗する応力の強さは、ブレードのその部分が長さに沿って捩れるのを妨げる 。これは、それらの応力が使用時に作用する水圧に比較してかなり強力だからで ある。この結果、ブレードの前部は過大迎え角の状態に保持され、これがブレー ドを失速させて誘導抵抗を増大させる。 この仮想線と後縁との間の各々のブレード半体の部分はそれらの応力の影響を それほど受けない。この結果、各々のブレード半体のこの部分はその仮想線に実 質的に平行な軸線のまわりで曲がる。しかしながら、ブレードが堅固な前部から より可撓性な後部へ向かって漸進的にテーパーを付形されているので、その仮想 線の前方に存在する応力は仮想線の後方へ拡げられる。この結果、ブレードはそ の仮想線のかなり後方(後縁に向かう)の軸線のまわりで変形する。したがって 、水圧の作用でブレードの小さい部分しか曲がりを生じない。ブレードの後部が 可撓性の大きい材料で作られるならば、その仮想線の後方部分は水圧によって鋭 角状に圧潰される。いずれの場合もこの線の前方は失速状態に保持され、これが 揚力を著しく減少させる。 他の問題は、使用時に仮想線の後方部分が水圧で後方へ曲がるときに発生する 。これが起きると、各々のブレードのなびくように傾斜された(swept)状態は 迎 え面に沿ってこの仮想線の後方を移動する水の幾分かをブレードの中心軸線へ向 けて偏向させる。水のこの内方へ向かう平行は各々のブレード半体に対して外方 へ向かう幅方向の力を発生させる。これは毎回のストローク時にすわの方向にブ レード半体を互いに離隔させる。これは大きな空運動および無駄なエネルギーを 発生させて効率を劣化させる。 ガウス氏はこの幅方向の離隔の問題を予想しておらず、それを避けるための解 決策を全く与えていない。彼は翼形の前部は十分に堅固とされるべきである述べ ているが、この問題を防止するほど剛性を大きくするべきであるとは言及してい ない。彼の設計がこの問題を回避できるほど大きな剛性に作られると、ブレード 断面における漸進的なテーパー付形がこの剛性をブレードのかなり後部までひろ げてしまう。これはブレード全体が十分に撓まされるには過大な剛性にしてしま う。この問題を制御する方法は全く使用されていないので、この設計は非常に効 率が悪くなる。 グロニエル氏(Gronier)に付与された米国特許第3773011号(197 3)は、フォークフレームとそれらのフォーク缶に張り渡された可撓膜とを有す る水平方向に整列された推進ブレードを示している。この設計による最も重大な 問題は、膜の迎え面に背圧が発生されるのを減少させる機構が全く使用されてい ないことである。この結果、背圧は水を迎え面に沿って外方へ向かう幅方向に、 水中翼の側縁をまわって溢れさせる。これは誘導抵抗を増大し、推進力を著しく 抑制する。 膜が水圧の作用で外方へ湾曲されるときにパラボラ形状となる自然な傾向を制 御する方法は全く使用されていない。この結果、著しく大きい湾曲が後縁の近く の膜の中央に形成される一方、フォーク付近の膜の前部および側部は水平面から 最小限の撓みしか生じない。これは水中翼の前縁および側縁をまわって流れる水 を膜の低圧面から剥離させる。これはブレードを失速させ、抵抗を発生し、揚力 を失わせる。 グロニエル氏は、彼の膜が実質的に楕円形となるように湾曲できるとして幅方 向の断面図を示しているが、これは実際には起こらない。フレームを横断して支 持されている可撓膜に均等分布荷重が加えられた場合、パラボラ形状が材料を横 断して形成されることは周知である。使用時にこの膜が非常に大きい度合いで外 方へ湾曲できる場合であっても、パラボラ形状は最大量の膨らみを膜の中心軸線 に沿って生じさせる。これは膜の前部および外部から湾曲を取り去って、それら の部分を失速状態にする。湾曲が増大すればするほど、空運動は大きくなる。何 故なら、各々のストロークの大部分は膜を変形させるだけのために使用されるか らである。 バウラード氏−コーガン氏(Baulard-Caugan)に付与された米国特許第419 3371号(1980)は、垂直方向に整列された尾形状の推進ブレードを使用 時の横揺れ(drift)を減少させるための尾形状の水中翼と共に使用した水泳装 置を示している。推進ブレードおよび「横揺れ防止部材」の両方とも剛性であり 、失速状態および誘導抵抗を減少させる機構は備えられていない。 フジタ氏に付与された日本国特許出願第61−6097号および同第62−1 34395号は、薄い可撓膜がフォークフレームに張り渡された尾形状の推進ブ レードを示している。この膜の迎え面に形成される背圧を解放させる機構は全く 使用されておらず、また使用時に外方へ湾曲されるときに膜がパラボラ形状とな る傾向を減少させる機構は全く使用されていない。 1994年7月18日付けでマッカーシー氏(McCarthy)に付与された出願人 自身の米国特許出願第08276407号は翼形形式の装置における誘導抵抗を 減少させる幾つかの方法を記載している。しかしながら、往復運動の状況(迎え 角自体が逆転される)で使用できることを示されたこの設計は、翼形状を逆転さ せるために複雑な制御装置を必要としている。この逆転段階が自動的且つ反復的 に弾性の水泳用足ヒレ応用例および弾性推進ブレード応用例に生じることを可能 にする機構は全く示されていない。 目的および利点 したがって本発明の幾つかの目的および利点は、 (a) 使用時に低圧面(すなわち風下面)で流れの剥離が発生するのを十分 に減少させる水中翼設計を提供すること、 (b) 踝および下肢に疲労が生じることを十分に減少させる水泳用足ヒレ設 計を提供すること、 (c) 泳者にとっての使用中の不都合または脚、踝または足の痙彎によって 一時的に動けなくなる状態を減少させることで、高い安全性と大きな楽しみを与 える水泳用足ヒレ設計を提供すること、 (d) ビギナーにとっても熟練した泳者のように容易に使用できる水泳用足 ヒレ設計を提供すること、 (e) 使用するのにかなりの体力およびアスレチック能力を必要としない水 泳用足ヒレ設計を提供すること、 (f) 水面上方に持ち上げられた後に水中に再進入するとき、水面をキャッ チする、すなわち急激に停止することなく水面を横断してキックすることのでき る水泳用足ヒレ設計を提供すること、 (g) 水面ならびに水面下で使用されるときに大きな推進力および小さな抵 抗を与える水泳用足ヒレ設計を提供すること、 (h) かなり短く緩やかなキックストロークが使用される場合でも大きな推 進力および小さな抵抗を与える水泳用足ヒレ設計を提供すること、 (i) 長さを横断して曲がるのに対するよりも、長さのまわりで捩れること に対して十分小さい抵抗を与える弾性水中翼設計を提供すること、 (j) 水中翼の側縁に沿っての誘導抵抗渦の形成を実質的に減少させる方法 を提供すること、 (k) 迎え面に沿っての外方へ向かう幅方向の流れ状態を大いに減少させる 水中翼設計を提供すること、 (l) 迎え面に沿う流体媒体を外側縁から中心軸線へ向かって流れるように 効率的に促進させ、迎え面に沿う流体圧力を高める水中翼設計を提供すること、 (m) 水中翼の外側縁部分の近くで外方へ向かう幅方向の横断流れが発生す るのを大いに減少させるようにして、水中翼の迎え面に沿う背圧を大いに減少さ せるための方法を提供すること、 (n) かなり大きい迎え角で使用される往復運動式の翼形の風下面に沿う剥 離を大いに減少させる方法を提供すること、および (o) 材料が長さに沿っての捩れに対する抵抗力を大いに減少されたことを 示すように可撓水中翼の材料内部の引張りおよび圧縮の捩り応力を制御する方法 を提供すること、 である。 さらに他の目的および目標は、以下の説明および図面を考慮することで明白と なろう。 図面 図1は改良された水泳用足ヒレの簡単な実施例のの斜視図を示す。 図2は水泳用足ヒレのまわりを水が流れている状態の図1の線2−2に沿う横 断面図を示す。 図3は水泳用足ヒレのまわりを水が流れている状態の図1の線3−3に沿う横 断面図を示す。 図4は水泳用足ヒレのまわりを水が反対方向に流れていることを除いて図3と 同じ横断面図を示す。 図5は互いに離隔され且つ角度を有して配向された2つの大きくなびくように 変形されたブレードを有する足ヒレの斜視図を示す。 図6は使用時にブレードによって流線が流動されるときの図5の線6−6に沿 う横断面図を示す。 図7はブレードが反対方向へキックされることを除いて図6と同じ横断面図を 示す。 図8は形成された望ましくない流れ状態を示す流線が示されている従来技術の 水泳用足ヒレの端面図を示す。 図9は2つの並んだ可撓ブレード半体を有する改良された水泳用足ヒレの斜視 図を示す。 図10は図9の線9−9に沿う横断面図を示す。 図11は互いに向かって等しくテーパーを付形された並んだブレードを有する 従来技術の水泳用足ヒレの対照横断面図を示す。 図12は図11に示された横断面形状を有する従来技術の足ヒレ設計に現れる 使用時の離隔作用の斜視図を示す。 図13は実質的な横方向の軸線のまわりで圧潰されるときの図12に示された 従来技術の水泳用足ヒレの側面斜視図を示す。 図14は図9に示されたのと同じ水泳用足ヒレの右側半体を示す一部断面とし た斜視図を示す。 図15は図14の線15−15に沿う横断面図を示す。 図16は図14の線16−16に沿う横断面図を示す。 図17は、この図において横方向の凹部が足入れ空間の近くで右側ブレード半 体に追加されていることを除いて図14に示されたのと同じ水泳用足ヒレの一部 断面とした斜視図を示す。 図18は、この図において全部で3つの横方向の凹部が追加され、これらが右 側ブレード半体を前部パネル、中央パネルおよび後部パネルに分けていることを 除いて、図14に示されたのと同じ水泳用足ヒレの同じ一部断面とした斜視図を 示す。 図19は水中でキックされたときの図18に示された完全な水泳用足ヒレの斜 視図を示す。 図20は、この図において横方向の凹部がさらに水泳用足ヒレの外側縁へ向か って延在し、一連の可撓膜が横方向の凹部によって形成された空間を差し渡され るように追加されていることを除いて、図18および図19に示されたのと同じ 水泳用足ヒレの右側半体を示す一部断面とした斜視図を示す。 図21は水中でキックされたときの図20に示された実施例の斜視図を示す。 図22は、この図において右側ブレード半体の外縁に長手方向の凹部が追加さ れて前部パネル、中央パネルおよび後部パネルを補強部材から分けており、また 可撓材料の幅の狭いストリップが長手方向の凹部を満たすように追加されて前部 パネル、中央パネルおよび後部パネルを補強部材に連結していることを除いて、 図20および図21に示されたのと同じ水泳用足ヒレの右側半体を示す一部断面 とした斜視図を示す。 図23は図22の線23−23に沿う横断面図を示す。 図24は予め形成されている長手方向の通路を有し、凹部が水泳用足ヒレの中 心軸線に沿って延在している他の実施例の足ヒレの前面斜視図を示す。 図25は上方へキックされたときの同じ水泳用足ヒレの側面斜視図を示す。 図26は下方へ向かうキック運動時に通路状のブレード部分が逆転された状態 の同じ水泳用足ヒレの側面斜視図を示す。 図27は中央の凹部を横断して張り渡された通水される中央膜を有すること除 いて同じ水泳用足ヒレを示す。 図28は外側の補強部材および2つの離隔されて配置された対を成すリブで構 造的に支持された可撓膜を有する対称的な水泳用足ヒレの右側半体を示す一部断 面とした斜視図を示す。 図29は使用時に水泳用足ヒレが変形するときの図28の線29−29に沿う 横断面図を示す。 図30は使用時に水泳用足ヒレが変形するときの図28の線30−30に沿う 横断面図を示す。 図面の符号 70 足入れ空間(足ポケット) 72 ブレード 74 ブレード先端 76 右側縁 78 左側縁 80 上面 82 流入する流れ 84 下面 85 流入する流れ 86 揚力ベクトル 88 垂直成分 90 水平成分 92 流入する流れ 94 揚力ベクトル 96 垂直成分 98 水平成分 100 足入れ空間 102 プラットホーム部材 104 右ブレード 106 左ブレード 108 外縁 110 内縁 112 上面 114 後部先端 116 外縁 118 内縁 120 上面 122 後部先端 124 根元 126 根元 128 補強部材 130 流入する流れ 132 下面 134 下面 136 揚力ベクトル 138 垂直成分 140 水平成分 142 揚力ベクトル 144 垂直成分 146 水平成分 148 流入する流れ 150 揚力ベクトル 152 垂直成分 154 水平成分 156 揚力ベクトル 158 垂直成分 160 水平成分 162 足入れ空間 164 流入する流れ 168 右上ブレード 170 左上ブレード 172 左下ブレード 174 垂直ブレード 180 足入れ空間 182 右ブレード半体 184 左ブレード半体 186 可撓ブレード部分 188 右補強部材 190 外縁 192 内縁 194 外縁 195 後部先端 196 後縁 196’ 後縁 198 内縁 199 上面 200 可撓ブレード部分 202 左補強部材 204 外縁 206 内縁 208 外縁 210 後縁 212 内縁 214 上面 216 後部先端 218 下面 220 下面 222 流入する流れ 224 揚力ベクトル 226 揚力ベクトル 228 垂直成分 230 水平成分 232 垂直成分 234 水平成分 236 流入する流れ 238 曲がり領域 240 流入する流れ 242 中立位置 244 半撓み位置 246 大撓み位置 248 剥離領域 249 流入する流れ 250 剥離領域 251 揚力ベクトル 252 横方向の凹部 254 曲がり領域 256 前部横方向の凹部 258 中間横方向の凹部 260 後部横方向の凹部 262 外側曲がり領域 264 中間曲がり領域 266 内側曲がり領域 267 根元部分 268 前部パネル 270 中間パネル 272 後部パネル 274 前部横方向の凹部 276 中間横方向の凹部 278 後部横方向の凹部 280 前部パネル 282 中間パネル 284 後部パネル 286 前部横方向の凹部 288 中間横方向の凹部 290 後部横方向の凹部 291 根元部分 292 前部パネル 294 中間パネル 296 後部パネル 298 前部横方向の可撓膜 300 中間横方向の可撓膜 302 後部横方向の可撓膜 304 曲がり領域 306 前部パネル 308 中間パネル 310 後部パネル 312 前部横方向の可撓膜 314 中間横方向の可撓膜 316 後部横方向の可撓膜 318 長手方向の可撓膜 319 根元部分 320 前部パネル 322 中間パネル 324 後部パネル 326 流入する流れ 328 揚力ベクトル 348 足入れ空間 350 足プラットホーム 352 右補強部材 354 左補強部材 356 通路ブレード部分 358 右可撓膜 360 右ブレード部材 362 中間可撓膜 364 左可撓膜 366 左ブレード部材 368 中央凹部 370 通水中央膜 372 通水機構 374 足入れ空間 376 足プラットホーム 378 右補強部材 380 可撓ブレード部分 382 可撓膜 384 前方リブ対 386 後部リブ対 388 初期曲がり領域 390 後部先端 392 内縁 394 変化された曲がり領域 396 流入する流れ 398 揚力ベクトル 400 流入する流れ 402 揚力ベクトル 図1〜図4の説明 図1において、斜視図は簡単化した水泳用足ヒレを示している。水泳用足ヒレ の前部は使用者の足を保持するための足入れ空間70である。足入れ空間70は 実質的に弾性の熱可塑性材料からモールド成形されて、使用者の足の特徴に快適 に適合されることが好ましい。しかしながら足入れ空間70は1本のストラップ (肉厚、肉薄、幅広、幅狭、調整可能、またはパッド付き)、網または一連のス トラップ、ハーネス、部分ブーツ、完全ブーツ、シューズ部材、片足用の足入れ 空間、使用者の両足を包み込んでイルカのストロークに似た遊泳ストロークでキ ックするようにさせる両足用の足入れ空間、または使用者の片足または両足に取 付けるための他の適当な方法のような足固定機構のいずれかの望まれる形態とさ れることができる。足入れ空間70からブレード72が延在しており、ブレード 72はブレード先端74へ向かって延在している。ブレード72は十分剛性な熱 可塑性材料で作られるのが好ましく、またブレード72は適当に強力な連結を形 成することができるようないずれかの適当な方法で足入れ空間70に取付けられ るのが好ましい。ブレード72の右側縁76は使用者の右側に位置される。ブレ ード72の左側縁78は使用者の左側に位置される。上面80は右側縁76と左 側縁78との間に見られる。ブレード72は足入れ空間70の近くの実質的に水 平な幅方向の基準線からブレード先端74の近くの角度を付された基準線まで、 その長さに沿って捩られる。この基準線に関しての捩れは滑らかに形成されるの が好ましいが、連続して段階的に、または急激に形成されることもできる。 図2は図1の線2−2に沿う横断面図を示している。流入する流れ82は、上 面80が迎え面となるように足ヒレが前方へキックされたときに形成される。流 入する流れ82は一連の流線で示されており、これらの流線はブレード72が上 方へ向かってキックされたときのブレード72のその部分をまわって流れる方向 を示している。下面84はこの視点から見ることができる。 図3は図1の線3−3に沿う横断面図を示す。この図はブレード先端74の付 近のブレード72の角度を付された配向を示している。流入する流れ85は角度 を有してブレード72に接近し、そのまわりを流れることが見られる。流入する 流れ85は図2に示された流入する流れ82を発生させるのと同じキックストロ ークによって発生される。図3において、流入する流れ85の流線で示される流 れの状態は揚力ベクトル86を発生し、この揚力ベクトル86は下面84から離 れる方向へ向かう矢印で示されている。揚力ベクトル86は下面84に沿って流 れる流線の方向に直角である。揚力ベクトル86の垂直成分88は下方へ向かう 垂直矢印によって示されている。揚力ベクトル86の水平成分90は、横方向へ 且つ下面84から離れる方向へ向かう水平矢印によって示されている。 図4は図3で見たのと同じ横断面を示しているが、ここでは足ヒレは反対方向 へキックされており、下面84が迎え面となっている。流入する流れ92はブレ ード72のまわりを滑らかに流れる2つの流線で示されている。流入する流れ9 2は上面80から離れる方向へ向いた矢印で示されている。揚力ベクトル94は 上面80に沿って流れる流線に直角である。揚力ベクトル94の垂直成分96は 上面80から離れる方向へ向いた垂直矢印で示されている。揚力ベクトル94の 水平成分98は横方向へ且つ上面80から離れる方向へ向いた水平矢印で示され ている。 図1〜図4の作動 図1は改良された水泳用足ヒレの簡単化された実施例を示している。ブレード 72は長さに沿って捩れて、ブレード72の大部分が使用時に減少された迎え角 に傾けられる。ブレード72にこの捩れ形状を与えることで、与えられたストロ ークにおける低圧面に沿っての剥離が著しく減少される。これは抵抗を減少しブ レード72の揚力を増大させる。 図2において、ブレード72は前方へキックされ、このストロークでは上面8 0が迎え面となり、下面84は低圧面となる。ブレード72のこの部分が流入す る流れ82に対して大きい迎え角にあるので、流線は右側縁76および左側縁7 8をまわって流れた後、下面84から剥離する。多くの従来技術の設計は、その 作動面積部分の全長に沿ってこのような流れ状態を有している。 図2に示されたのと反対のストロークでは、逆転されることを除いて同じ流れ 模様が生じる。この状態では、ブレード72の他側から水が接近し、下面84は 迎え面となり、上面80は低圧面となる。 図3は図1の線3−3に沿う角度を有したブレード72の配向を示している。 流入する流れ85の方向に対して、右側縁76はこの図面から前縁となることが 見られ、左側縁78は後縁となることが見られる。この実施例の横断面形状は右 側縁76および左側縁78において対称的にテーパーを付形されて示されている 。これは、流れ方向が往復ストロークによってブレード72のまわりで逆転され たときに、この実施例が大きな揚力を発生できるようにする。しかしながらこの 実施例は、一方の特定ストローク時により一層効率的に働くように、非対称の水 中翼形状を使用することもできる。例えば、対称または非対称の流線形(落滴形 )の横断面形状とすることができる。 図3に示された図面から、ブレード72のこの部分は流入する流れ85に対し てかなり減少された迎え角にあることが見られる。下面84の近くの流線は取り 付くようにして滑らかに流れる。この取り付いた流れの状態はブレード72の低 圧面に沿っての剥離が著しく減少されることを示す。これは抵抗を大きく減少し 、揚力を増大させる。ブレード72は、そのかなりの部分が十分に減少された迎 え角に配向されるように、そのブレード72の長さのかなりの部分に沿って捩ら れることが好ましい。 この減少された迎え角は低圧面に沿う取り付いた流れを増大させるので、水が この面をまわって湾曲されるとき、強力な低圧領域が下面84に沿って形成され る。下面84(低圧面すなわち風下面)をまわる水の流れは遮られる、すなわち 抑制されることがないので、効率が高くなる。この低圧領域が形成されると、水 が上面80を押圧して高圧領域が上面80に沿って形成される。これらの2つの 圧力領域の間の圧力差が揚力ベクトル86を発生させるのであり、揚力ベクトル 86は下面84に沿って流れる流線方向に直角である。流入する流れ85の流線 は左側縁78において構造的に互いに合流できるので、揚力が効率的に発生され る。 揚力ベクトル86は或る角度で配向されるので、垂直成分88および水平成分 90で合成される。揚力ベクトル86の垂直成分88は水中での水泳用足ヒレの 移動方向と反対の方向にブレード72を押圧する。この力はしばしば使用者のた めの前進力を与える。揚力ベクトル86の水平成分90はブレード72を横方向 に使用者の右側(右側縁76に向かう)へ押圧する。ブレード72は、使用に際 して揚力ベクトル86の水平成分90が横方向にブレードを押圧する間、形状を 実施的に保持できるほど大きな剛性を有する材料で作られるのが好ましい。剛性 材料の例には繊維強化された熱可塑性材料が含まれる。 代替実施例において横方向の変形に対するこのような抵抗力を増大させるため に、補強部材、ビーム、ストラットまたはそれらの部材のネットワークがブレー ド72を補強して剛性を増大させるために使用できる。このような補強部材は内 部または外部においていずれかの適当な方法でブレード72に連結できる。代替 実施例は、横方向の力に抵抗する一方で、ブレード72が水平に整列された横方 向の軸線のまわりで曲がることができるようにするために、ブレード72の内部 に水平に整列される平坦状の補強部材も使用できる。ブレード72は剛性を高め るために十分な厚さに作ることもできる。より一層丸められた上面80および下 面84の使用は、取り付いた流れの状態と、ブレード72の風下面に沿って発生 される揚力とをさらに改善させることもできる。 図4は、ブレード72が図3に示された方向と半体の方向にキックされること を除いて図3に見られるのと同じ図面を示す。図4において、流入する流れ92 は下面84に接近し、それ故に下面84が迎え面となる一方、上面80は低圧面 となる。流入する流れ92に関連して、左側縁78は前縁となり、右側縁76は 後縁となることが見られる。上面80に近い流線は滑らかに流れるので、低圧面 に沿って流れる水が迎え面に沿って流れる水よりも長い距離を移動するように強 制されるときに、強力な低圧領域が形成される。これは下面84に沿った高圧領 域の形成と組合って、上面80の近くを流れる流線に直角な揚力ベクトル94を 発生する。揚力ベクトル94は垂直成分96と水平成分98とで構成される。垂 直成分96はストローク時に押圧する力を形成することで推進力を与える。水平 成分98はブレード72を使用者の左側へ向けて横方向に押圧する。再び述べる が、ブレード72は使用時に実質的に横方向の変形を防止できるほど剛性の大き いことが好ましい。 この設計は従来設計に比べて水面近くで改良された性能を与える。ブレード7 2がストローク中に水面を通過した後水中に再進入しようとするならば、ブレー ドは水面を叩かず、衝突により急激に止まることもしない。ブレード72のかな りの部分が迎え角の減少された状態に配向されるので、ブレードはナイフのよう に容易に水面に切り入り、それ故に下方へ向かう運動量を保持する。この結果と して、この運動量は前進力に容易に変換される。ブレード72の大部分は剥離お よび誘導抵抗の形成を大幅に減少されているので、ブレード72は実質的に減少 された抵抗を有して引き続き水中に切り入る。これは水泳用足ヒレを容易に使用 できるように成し、またスタミナを著しく改善させる。 この設計の他の利点は、ブレード72の捩られた形状が水を後方へ流れるよう に促進することである。ブレード72はその長さに沿って捩られるので、ブレー ド72の迎え角は長さに沿って減少される。これは特に迎え面の長さに沿う高圧 領域の強さをブレード72の前部からブレード先端74へ向かって減少させる。 これは前進力を増大させる。 他の実施例はブレード72の後部を図3および図4に示した迎え角よりも大き いか、または小さい迎え角にすることができる。またブレード72はその全長に 沿って角度を付されることができる。この状態では、比較的大きい迎え角から比 較的小さい迎え角までの一定した角度すなわち捩りを保持することができる。ブ レード72はまた足入れ空間70の近くで一方向の角度を付された配向から始ま って、さらにブレード先端74へ向かって迎え角を逆転することもできる。これ はブレード72に2つの反対方向の横方向成分を発生させ、これらは互いに打ち 消し合って正味ゼロの水平方向の力を生じる。これらの横方向の力は部分的に作 用されるか、互いに完全に打ち消し合わされることができる。 図5〜図8の説明 図5は改良された水泳用足ヒレの斜視図を示す。足入れ空間100は使用者の 足を受入れるのであり、使用者に快適さを与えるために実質的に弾性の熱可塑性 材料から作られるのが好ましい。足入れ空間100はいずれかの適当な方法でプ ラットホーム部材102に取付けられる。プラットホーム部材102は繊維で強 化された熱可塑性材料のような剛性の大きい材料で作られるのが好ましい。プラ ットホーム部材102はいずれかの適当な方法で、使用者の右側に位置される右 ブレード104と、使用者の左側に位置される左ブレード106とに取付けられ る。右ブレード104は外縁108および内縁110を有する。上面112は外 縁108および内縁110の間に位置されるのが見られる。外縁108および内 縁110は後部先端114で収斂する。左ブレード106は外縁116および内 縁118を有する。上面120は外縁116および内縁118の間に位置される のが見られる。外縁116および内縁118は後部先端122で収斂する。右ブ レード104の前部は根元124である。左ブレード106の前部は根元126 である。根元124、根元126およびプラットホーム部材102の間は補強部 材128であり、この補強部材128はいずれかの適当な方法で根元124、根 元126およびプラットホーム部材102に取付けられる。補強部材128は各 各のブレードの選定された傾きを保持するために使用される。この実施例では、 使用時の根元124および根元126のまわりの乱流を減少させるために補強部 材128はパネルに似た形状である。この設計は補強部材128がなくても使用 できる。 プラットホーム部材102、補強部材128、右ブレード104および左ブレ ード106は全てが剛性の大きい材料、例えば繊維で強化された熱可塑性材料か らモールド成形される。しかしながらいずれの適当な剛性材料も使用できる。 図6は図5の線6−6に沿う横断面図を示す。流入する流れ130は右ブレー ド104および左ブレード106の上を流れる一連の流線で示されている。右ブ レード104の下面132および左ブレード106の下面134はいずれもこの 視点から見ることができる。これらの流れの状態は、右ブレード104および左 ブレード106が上方へ向かってキックされて上面112および上面120が共 に迎え面となるときに生じる。右ブレード104の近くには揚力ベクトル136 が下面132から離れる方向へ延在する矢印で示されている。この揚力ベクトル 136は垂直成分138および水平成分140で作られる。左ブレード106の 近くには揚力ベクトル142が下面134から離れる方向へ延在する矢印で示さ れている。揚力ベクトル142は垂直成分144および水平成分146で作られ る。 図7は、水泳用足ヒレが反対方向にキックされていることを除いて、図6に示 されたのと同じ横断面図を示している。これは、流人する流れ148が図6に示 された流入する流れ130とは反対方向から右ブレード104および左ブレード 106へ接近するようにさせる。図7において、流入する流れ148は右ブレー ド104および左ブレード106のまわりを流れる一連の流線によって示されて いる。下面132および下面134はこのストロークでは迎え面となることが見 られる。右ブレード104の付近で、揚力ベクトル150が上面112から離れ る方向へ延在している。揚力ベクトル150は垂直成分152と水平成分154 とで作られる。左ブレード106の付近で、揚力ベクトル156が上面120か ら離れる方向へ延在している。揚力ベクトル156は垂直成分158と水平成分 160とで作られる。 図8は図5〜図7に示された実施例に対比するための従来技術を示している。 図8は4枚のブレードを有した水泳用足ヒレ設計の端面図を示しており、これは バーノイン氏に付与された仏国特許第1501208号(1967)に示された ものである。この従来技術の引用例の多くの問題は本明細書の従来技術の項にお いて既に説明したが、図8に示された図解は、使用時にそれが発生する非常に望 ましくない流れの状態が見られるようにしている。 図8において、水泳用足ヒレの後部(足入れ空間の爪先部分の前方に位置する )が図面を見る者に向けられている。水泳用足ヒレの頂部は足入れ空間162の 上部である。流入する流れ164は水泳用足ヒレの頂部へ向かって流れる一連の 流線によって示されている。これらの流線はさらに水泳用足ヒレのまわりを流れ て、流れの剥離および誘導抵抗渦の形成が引き起こされる箇所を示している。こ の水泳用足ヒレは右上ブレード166および右下ブレード168を水泳用足ヒレ の右側に有する。左上ブレード170および左下ブレード172は水泳用足ヒレ の左側に位置する。各々のブレードは足ヒレの中心軸線へ向かって厚さにテーパ ーを付されている。この中心軸線には垂直ブレード174が配置されている。水 泳用足ヒレの右側へ向かって流れる流線は符号a,b,c,dを付されている。 水泳用足ヒレは対称的であるので、水泳用足ヒレの左側へ向かって流れる流線は 同様に振る舞うので、符号を付しておらず説明もされない。これらの流線は、水 泳用足ヒレが水中で上方へ向かってキックされたときに発生する流れの状態を示 している。ブレード形状は対称的であるので、足ヒレが逆補へキックされたとき には、 流れの状態が逆転することを除いて同じような流れの状態が形成される。 図5〜図8の作動 図5において、上面112および上面120は右ブレード104と左ブレード 106との間の空間へ向かって下方へ傾いているのが見られる。水泳用足ヒレが 上方へキックされて上面112および上面120が迎え面となるときには、上面 112および上面120の傾けられた配向は水泳用足ヒレの長さに沿って谷形状 の通路を形成し、右ブレード104においては外縁108から内縁110へ、同 様に左ブレード106においては外縁106から内縁118へ向かって水が流れ るのを促進する。これは迎え面に沿って外方へ向かう幅方向の横断流れの状態を 大いに減少させると共に、外縁108および左ブレード106の外側のまわりに おいての誘導抵抗の形成を減少させることにより、ストローク時の性能をかなり 高める。内縁110および内縁118の間に空間が形成されているので、上面1 12および上面120が迎え面であるときに過大な圧力は通路底部のこの空間を 通って逃げることができる。このようなストロークの間にこの通路内の背圧を大 きく減少させることによって、この設計は水がせき止められた状態となって上面 112および上面120に沿ってそれぞれ外縁108および外縁116へ向かっ て流れるのを防止する。 図6において、流入する流れ130からの流線は、水泳用足ヒレが上方へ向か ってキックされたときに水が内縁110および内縁118の間の空間を通って流 れることのできることを示している。水がこの空間へ向かって収斂するとき、強 力な高圧領域が上面112と上面120との間の水に形成される。同時に、右ブ レード104の下面132および左ブレード106の下面134に沿って流れる 流線は取り付いたようにして滑らかに流れるのが見られる。これは強力な低圧領 域が右ブレード104の下面132、ならびに左ブレード106の下面134に 沿って形成できるようにする。 上面112および上面120に沿う強力な高圧領域の形成は下面132および 下面134に沿う強力な低圧領域の形成と組合って、水泳用足ヒレに大きい揚力 を効果的に発生させることができる。右ブレード104の近くには下面132に 沿って流れる流線に直角な揚力ベクトル136が発生される。揚力ベクトル13 6の垂直成分138は泳者の前進力を与え、揚力ベクトル136の水平成分14 0は右ブレード104に対する横方向の力を与える。左ブレード106の近くに は下面134に沿って流れる流線に直角な揚力ベクトル142が発生される。揚 力ベクトル142の垂直成分144は前進力を与え、揚力ベクトル142の水平 成分146は左ブレード106に対する横方向の力を与える。この実施例では、 右ブレード104および左ブレード106はいずれも、使用時に長手方向の基準 線を実質的に保持し、またそれぞれ水平成分140および水平成分146による 過大な横方向の変形を防止するのに十分剛性の高い材料で作られる。水平成分1 40および水平成分146は方向が反対であるから、互いに相互作用して実際に は使用者の足に水平方向の力は作用しない。 剥離、および誘導抵抗渦の形成は共に大きく減少されるので、水泳用足ヒレは 僅かな抵抗しか発生せず、従来の設計のものよりも使用が容易となる。低圧面に 沿って形成される取り付いたような流れの状態は使用時に大きな揚力の発生を可 能にするのであり、この揚力は効果的に前進力に変換される。水泳用足ヒレを使 用するほとんどの泳者は水中で顔を下に向ける傾向があるので、図6に示されて いる前方へ向かうキックストロークの利点は、泳者にとっての下方へ向かうスト ロークすなわちダウンストローク(上面112および上面120が迎え面であり 、水中で下方に向く)で有利となる。これは2つの可能ストロークのうちの強力 な方のストロークである。 この足ヒレが水面に沿って泳ぐときに使用されるならば、この足ヒレはキック 時に水面を通過するときに特に良好に作用する。足ヒレが水中に再進入して水面 を叩くとき、右ブレード104および左ブレード106の角度を付された配向は 2つのナイフのように水面を簡単に切り進めるようになし、また水泳用足ヒレは 従来の水泳用足ヒレのように「キャッチ」することはない。水泳用足ヒレが再進 入すると、直ちに水が下面132および下面124のまわりを滑らかに流れ始め て、速やかに揚力を発生する低圧領域を形成し、この低圧領域が泳者を効果的に 推進させる。剥離および誘導抵抗渦は減少されるので、水泳用足ヒレは大きな抵 抗によって突然に減速される。そのかわりに、ダウンストロークの運動量は水中 に再進入する際に保存される。この結果、この運動量の有するエネルギーは効果 的に前進力に変換される。 図7は、この図が図5に示した配向に関速して水泳用足ヒレが水中で下方へキ ックされたときの流れ状態を図示していることを除いて、図6に示されたのと同 じ横断面図を示している。図7において、流入する流れ148は下面132およ び下面134へ向かって流れる。流入する流れ148が下面132および下面1 34に衝突すると、高圧領域がこれらの2つの面に沿って形成される。内縁11 0および内縁118の間の空間を通って流れるように示された流線は引離され、 上面112および上面120のまわりを取り付いたように滑らかに流れる。この 状態が生じると、低圧領域が上面112および上面120に沿って形成される。 高圧領域および低圧領域の両方が形成されるので、これらの圧力領域は組合っ てかなり強力な揚力を右ブレード104および左ブレード106に発生させる。 垂直成分152および垂直成分158は使用者に推進力を与える。水平成分15 4および水平成分160はそれぞれ右ブレード104および左ブレード106に 横方向の力を作用させる。右ブレード104および左ブレード106は水平成分 154および水平成分160の力の作用によって互いに向けて荷重焦点に撓むの を防止できるほど十分な剛性とされるのが好ましい。水平成分154および水平 成分160は反対方向へ向いているので、これらは互いに打ち消し合って使用者 の足には水平方向の力は全く作用しない。 図7において、内縁110および内縁118の間の空間は水が各々のブレード の「風下面」のまわりを取り付いたように流れることを可能にする。各々のブレ ードの前縁で引離された流線は各々のブレードの後縁で再び合流できるようにな されるので、各々の風下面のまわりを流れる水は長い距離を移動しなければなら ないので、各々のブレードの迎え面のまわりを流れる水よりも速い。この設計は 各々のブレードの風下面に沿っての剥離を大いに減少させるので、抵抗は減少さ れ、揚力は増大される。 この設計は多くの変形例が可能である。例えば、各々のブレードの角度のある 傾きは、水泳用足ヒレが上方(図5の図面に関して)へ向かってキックされたと きに上面112および上面120が互いに上反角を形成するように配向され、ま た水泳用足ヒレが下方へ向かってキックされたときは下反角を形成するように配 向されるように、逆転されることができる。 他の実施例には、イルカのようなキックストロークで使用される両足一体型の 足ヒレが含まれる。この場合、幅方向の寸法(ならびに全体寸法)はかなり大き くなる。このような多くの実施例のうちの1つにおいて、右ブレード104およ び左ブレード106は互いにさらに引離され、横方向に取付けられた翼に似た水 中翼の各端部に取付けられる。右ブレード104および左ブレード106の角度 を付された傾きは、横方向の水中翼の外端部において誘導抵抗渦を大いに減少さ せることができる。さらに、右ブレード104および左ブレード106によって 発生される揚力は、水泳用足ヒレによって発生される全揚力をかなり増大させる ことができる。望まれるならば、右ブレード104および左ブレード106は滑 らかな流れの流線形状を得るように横方向の水中翼に対してモールド成形される ことができる。望まれるならば右ブレード104および左ブレード106の長手 方向の寸法を減少することもできる。 図5〜図7に示された設計の他の実施例には、足入れ空間100に枢動可能に 取付けられた右ブレード104および左ブレード106を有するものも含まれる 。この実施例では、右ブレード104および左ブレード106は迎え角を変化さ せるために実施的に長手方向の軸線のまわりで枢動できるように枢動連結される 。右ブレード104および左ブレード106を足入れ空間100に枢動可能に取 付けるいずれの適当な方法も使用できる。この状態では、補強部材128は全く 必要とされないか、または右ブレード104および左ブレード106が回転して 往復ストロークにおける配向を逆転できるように弾性の大きい材料で作られるこ とができる。この場合、補強部材128は、各々のストロークにおいて予め定め た減少された迎え角に達したならば、回転を停止させるように作用することがで きる。 右ブレード104および左ブレード106を足入れ空間100に対して枢動可 能に取付けるこのような1つの方法は、足入れ空間100および(または)プラ ットホーム部材102の各側から外縁108および外縁116に実質的に平行な 方向に延在した2つのロッド状部材を有することである。これらのロッド状部材 は、その後に各々のブレードの外側縁に実質的に配置された対応する長手方向の 空所に挿入されることができる。これにより各々のブレードは外側縁の近くに位 置された長手方向の軸線のまわりで枢動できるようにされる。したがって、外縁 108および外縁116は往復ストロークの両方において前縁となる。この結果 、外縁108および外縁116が丸められ、これに対して内縁110および内縁 118は比較的鋭角にされて各々のブレードが内方へ向かってテーパーを付形さ れて流線形の横断面を形成するようになされることができる。これは、さらに揚 力を増大し、抵抗を減少させるような改良された水中翼形状を形成することにな る。 このような各々のブレードの長手方向の空所は各々のロッド状部材に対して、 固定的な取付けおよび回転の両方を可能にするいずれかの適当な方法で固定され ることができる。例えば、各々のロッド状部材に形成されたフランジまたは突起 が各々の長手方向の空所内に延在されること、またこの逆、が可能である。この ようなフランジと溝との間の組合せ構造は、望まれる枢動方向に相対移動できる ようにする一方で、ブレードがロッド状部材から長手方向に滑落するのを防止す るように設計されることができる。 いずれの形式の補強部材128も使用しない実施例に関しては、各々のブレー ドにおける枢動の範囲はいずれかの適当な方法で制限されることができる。例え ば、フランジ状構造物が各々のロッド状部材の一部から各々のブレードの対応す る空所内に配置された凹部の中へ延在されることができる。この凹部はフランジ 寸法よりも大きく作られて、フランジが凹部内で前後方向に予め定めた範囲にわ たって枢動できるようにする。フランジが枢動してこの凹部の境界に接触すると 、枢動は停止され、ブレードは最大限に減少された迎え角となる。 枢動範囲は、可撓性または半可撓性のストリップ、コード、フランジまたは部 材を内縁110と内縁118との間に、予め定めた緩みすなわち弛みを有する状 態で固定することによっても制限されることができる。この部材は、ブレードが 減少された迎え角となるように回転されるにつれて引伸される。この部材が完全 に引伸ばされたときに、枢動は停止状態となる。このような部材に備えられる緩 みは、使用者の感触に適当となるように調整されることもできる。他の方法は、 各々のブレードの根元の内縁部分の間のこのような部材を足入れ空間100およ び(または)プラットホーム部材102に固定することを含む。固定的または可 変的な方法でこの動作範囲を制限するいずれかの適当な方法が使用できる。 ブレードを足入れ空間100に枢動可能に連結する他の方法は、ロッド状部材 を各々のブレードの根元から延在させ、このロッド状部材を足入れ空間100お よび(または)プラットホーム部材102の対応する空所内に挿入させることで ある。このロッド状部材は、回転を可能にすると共に使用時に対応する空所から 滑落するのを防止する適当ないずれかの方法で固定されることができる。このよ うなロッド状部材および対応するブレードは、繊維強化された熱可塑性材料また は複合材料のような堅固で耐久性のあるいずれかの適当な材料から一体にモール ド成形することができる。取外しのできる特徴は損傷したブレードを交換可能に し、同様に異なる形状のブレードを互いに置換できるようにする。 さらに他の実施例は、所望される個数のこのような回転するブレードを所望さ れるいずれかの方法で配置して使用することができる。例えば、複数の狭い幅の 湾曲の大きい回転ブレードが、2つの広い幅の湾曲した回転ブレードに代えて使 用されることができる。複数の固定ブレードも同様に使用できる。 図8はバーノイン氏に付与された仏国特許第1501208号(1967)に 示された従来技術の水泳用足ヒレの端面図を示している。この図面は、従来技術 の望ましくない流れの状態が図1〜図7に示した本発明の効率的な流れの状態と 対比できるようにする。図8に示された図解において、従来技術の水泳用足ヒレ は流入する流れ164が水泳用足ヒレの上部に近づくように前方へキックされる 。流入する流れ164の流線a,b,c,dはこの設計で生じる望ましくない流 れ状態を示す。 外側の流線aが右下ブレード168の外縁のまわりで湾曲されるとき、右下ブ レード168の下面から剥離される。これは右下ブレード168が流入する流れ 164に対して望ましくない迎え角で配向されているからである。結果的に生じ た剥離は右下ブレード168を失速させ、低圧領域が右下ブレード168の下面 (このストロークにおいては低圧面)に沿って形成されるのを阻害する。これは 揚力が発生されるのを阻害し、遷移流れによる大きな抵抗を発生させる。流線が 右下ブレード168の下面から剥離した後、これは右下ブレード168の下面に 誘導抵抗による大きな渦を形成する。これはさらに揚力を失わせ、かなり大きな 誘導抵抗を発生させる。 流線bが右上ブレード166の外端部をまわるように湾曲されると、右下ブレ ード168の上面(迎え面)によって遮られる。これは、流線bを右上ブレード 166の下面(風下面)へ向かって後方へ丸く湾曲させ、右上ブレード166と 右下ブレード168との間の空間に向かって渦を形成させる。右下ブレード16 8の上反角を形成するような配向が右上ブレード166の外端部をまわる流れを 遮るために、この水は右上ブレード166の迎え面から流出する水とその内側縁 (垂直ブレード174の近く)の位置で構造的に合流することができない。さら に、右上ブレード166と右下ブレード168との間に形成された渦流は水を右 上ブレード166の下面(風下面)に沿って逆流させる。この流れは揚力を発生 させるために必要な方向と反対の方向に配向される。この結果、右下ブレード1 68の上反角を形成するような配向は右上ブレード166の下面に沿って取り付 くような流れ状態が形成されるのを妨げる。さらに、右下ブレード168の上反 角の配向は非常に望ましくない乱流状態を発生させ、これは右上ブレード166 を失速させて揚力の発生を阻害する。 航空機の失速した翼は航空機が離陸するのに必要とされる揚力の発生を阻害さ れるのとまさに同じように、この水泳用足ヒレの大きく失速したブレードは適当 な揚力の発生を阻害される。この結果、推力は僅かになり、抵抗は非常に大きく なる。他の従来技術の水泳用足ヒレにおいて1つまたは2つの失速したブレード が存在すると非常に痛い大腿筋肉の痙彎をしばしば引き起こすほどの過大な抵抗 が生じることを考えると、バーノイン氏の水泳用足ヒレで完全に失速した4つの ブレードが発生する抵抗には耐えられない。全4つのブレードにおける大きな誘 導抵抗渦を発生させるこの水泳用足ヒレの傾向および遷移流れが組合されて、抵 抗の発生が使用不能なレベルにさせてしまう。 右上ブレード166および右下ブレード168の間に形成される渦流は強力な 誘導抵抗渦になり、さらに揚力を失い、対抗を高める。この誘導抵抗渦は右上ブ レード166の外縁近くで右上ブレード166の上面に沿って外方へ向かう流れ 状態を形成する。この結果、流線cは外方へ向かって変更され、右上ブレード1 66と右下ブレード168との間の渦流の方向へ引き寄せられる。流線dは右上 ブレード166の上面に沿って内方へ流れることができるが、右上ブレード16 6の下面は完全に失速される。これは右上ブレード166が反対両側の面の間に 大きな圧力差を発生するのを阻害される。 図9〜図13の説明 図9は水泳用足ヒレの中心軸線に沿って凹部を有する改良された水泳用足ヒレ の斜視図を示している。この凹部は水泳用足ヒレの後部から、足入れ空間180 の爪先部分から予め定めた距離の位置(この場合はかなり短い距離)まで延在し ている。しかしながらいずれの望ましい距離も使用できる。この凹部は水泳用足 ヒレを右ブレード半体182と左ブレード半体184とに分けている。右ブレー ド半体182は可撓ブレード部分186および右補強部材188で作られている 。可撓ブレード部分186の外縁190は、いずれかの適当な方法で右補強部材 188の内縁192に連結されている。例えば、可撓ブレード部分186および 補強部材は同じ材料で一体としてモールド成形されることができる。右補強部材 188の外縁194は内縁192と反対側に位置されている。右補強部材188 はその厚さが後部先端195へ向かって肉厚にテーパーを付形されている。可撓 ブレード部分186は後縁196、内縁198、および上面199を有している のが見られる。 左ブレード半体184は右ブレード半体182と同じように構成されている。 左ブレード半体184は可撓ブレード部分200および左補強部材202を有す る。可撓ブレード部分200の外縁204はいずれかの適当な方法で左補強部材 202の内縁206に取付けられている。内縁206の反対側は左補強部材20 2の外縁208である。可撓ブレード部分200は後縁210、内縁212、お よび上面214を有しているのが見られる。左補強部材202は後部先端216 へ向かって肉厚にテーパーを付形されている。 凹部の前部と足入れ空間180との間で可撓ブレード部分186および可撓ブ レード部分200が互いに結合されている。足入れ空間180は可撓ブレード部 分186および可撓ブレード部分200のこの部分に対していずれかの適当な方 法で連結される。可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分200のこの 部分は足入れ空間180の下側を延在して、地上を歩行することで過大な磨滅が 生じるのを防止するのに十分な厚さの足裏を形成するのが好ましい。これを達成 するために、可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分200のこの部分 の肉厚は、足入れ空間180の下側で実質的に厚くされるのが好ましい。足入れ 空間180の足裏は右補強部材188および左補強部材202の堅固な支持を行 うために十分大きい剛性に作られるのが好ましい。他の実施例は、望まれるなら ば足入れ空間180の下側に別の一層剛性的な材料を使用することができる。 図10は図9の線10−10に沿う横断面図を示している。図10において、 右補強部材188および左補強部材202はいずれも水中翼を有しているのが見 られる。外縁194および左補強部材202は共に丸められているが、内縁19 2および内縁206は共にテーパー形で、比較的幅が狭い。可撓ブレード部分1 86および可撓ブレード部分200は全体的に平面形状で、右補強部材188ま たは左補強部材202よりもかなり薄い。内縁198および内縁212は比較的 鋭い形状とされている。右ブレード半体182および左ブレード半体184を横 断するテーパー形の大部分はそれぞれ右補強部材188および左補強部材202 に沿って形成されていることが見られる。可撓ブレード部分186において下面 218は上面199の反対側であるのが見られる。可撓ブレード部分200にお いて下面220は上面214の反対側である。 この図面は右ブレード半体182および左ブレード半体184が使用時に変形 することを示している。流入する流れ222は右ブレード半体182および左ブ レード半体184のまわりを流れる一連の流線で示されている。可撓ブレード部 分186および可撓ブレード部分200は下方へ向かって湾曲される。何故なら 、水泳用足ヒレは上方へ向かってキックされて上面199および上面214が迎 え面となされるからである。水平方向の破線は休止状態にあるときの可撓ブレー ド部分186および可撓ブレード部分200の位置を示している。上方へ湾曲さ れた破線は、ストロークが逆転されて、下面218および下面220が迎え面と なるように水泳用足ヒレが下方へ向かってキックされたときの可撓ブレード部分 186および可撓ブレード部分200の位置を示している。 下面218および下面220の近くを流れる流線は、滑らかに且つ取り付いた 状態で流れる。これは左ブレード半体184に揚力ベクトル224を発生し、ま た右ブレード半体182に揚力ベクトル226を発生させる。揚力ベクトル22 4は垂直成分228および水平成分230を有する。揚力ベクトル226は垂直 成分232および水平成分234を有する。 図11はブラウンコーレン氏付与された独国特許第259353号(1987 )およびバーノイン氏に付与された仏国特許第1501208号(1967)の 両方に使用されている従来技術のテーパーを付形されたブレード半体の対照横断 面図である。これらの設計の多くの問題を本明細書の従来技術の項の背景説明に おいて既に説明したが、図11はそれらが発生する望ましくない流れの状態を見 ることができるようにしている。これらの従来技術の設計のブレードは同じよう な横断面形状を有しているが、図11は両設計に固有の問題を示すことができる 。対照する目的で、図11の従来技術の断面図は図9の線10−10に沿う図1 0に示された断面図と同じ配向とされている。 図11において、従来技術のブレードは図10に示されたブレードとは異なる ように撓むのが見られる。図11において、流入する流れ236は従来技術のブ レード半体のまわりの望ましくない流れの状態と認識される一連の流線で示され ている。 図12および図13は、ブレード半体の可撓性が大きいときの図11に示され た従来技術のブレード半体における構造的な欠点のある水泳用足ヒレによって強 調される変形問題の斜視図を示す。ブラウンコーレン氏の従来技術は、一体型の 足ヒレに両足を入れてイルカのようなキックストロークで使用されるように意図 されているが、彼の設計による主な問題は、彼のブレード設計における構造的な 欠点にあり、足の取付け装置によるものではない。ブレード設計におけるこのよ うな構造的な欠点は、ブラウンコーレン氏およびバーノイン氏のブレード設計の 両方に共通している。このために、両方の設計に共通の同じ厳しい構造的な欠点 は、1つの単純化した実施例として図12および図13に示されている。図12 は使用時に幅方向に離隔される従来技術の水泳用足ヒレの頂部斜視図を示してい る。図13は、使用時にブレードが実質的に横方向の軸線のまわりで後方へ曲げ らているのが見られることを除いて、図12に示した同じ水泳用足ヒレの側面斜 視図を示している。従来技術のブレードが剛性の大きい材料で作られているとき に発生する問題を図11が示すように、図12および図13はブレードが可撓性 の大きい材料から作られているときにその同じ従来技術の設計が生じる問題を示 している。 図9〜図13の作動 図9および図10に示された実施例は、右ブレード半体182および左ブレー ド半体184が実質的に長手方向の軸線に沿って捩れることができるように設計 されている。この実施例は、図9および図10においてブレードが各々の往復ス トローク時に下反角を形成するような配向となれるように捩れを生じ得ることを 除いては、図5〜図7に記載された揚力を発生させるための同じ基本的な方法を 使用している。 この実施例の構造は、右ブレード半体182および左ブレード半体184が使 用時に捩れ形を得られるように実質的に長手方向の軸線のまわりで効率的に曲が ることができるようにする。右ブレード半体182および左ブレード半体184 は、実質的に厚いときは比較的剛性で、実質的に薄いときは比較的可撓性である 材料から作られるのが好ましい。これは、右補強部材188および左補強部材2 02が実質的に剛性とされる一方、可撓ブレード部分186および可撓ブレード 部分200は実質的に可撓性とされることを可能にする。例として、厚さが適当 に変化されている繊維強化された熱可塑性材料が使用できる。このような望まし い結果を生み出すために、いずれかの適当な材料または複数材料の組合わせを、 さらにまたいずれかの適当な構造において、使用できる。各々のブレード半体の 外側縁の近くの肉厚の急激な減少は、可撓ブレード部分186および可撓ブレー ド部分200をそれらの外側縁の近くで大きく変形できるようにする。これは、 このような急激なテーパー付形が可撓ブレード部分186の外縁190に沿う、 ならびに可撓ブレード部分200の外縁204に沿う曲げ抵抗応力を実質的に減 少させるからである。変形は各々のブレード半体の外側縁の実質的に近くで生じ るので、各々のブレードの低圧面に沿う離隔はかなり減少される。これは揚力を 大きく増大し、抵抗を減少させる。可撓ブレード部分186および可撓ブレード 部分200は可撓性が大きくなるように作られて、比較的穏やかなキックストロ ーク時に十分に小さな迎え角となるように曲がることが好ましい。実験によれば 、失速状態を減少し、揚力を発生させるためにこのような大きな可撓性が必要な ことが示されている。 各々のブレード半体の外側縁の近くにおける厚さの急激な変化は、右補強部材 188および左補強部材202が実質的に厚く剛性とされる一方、可撓ブレード 部分186および可撓ブレード部分200は十分に薄く、可撓性が大きくなるよ うに作られることを可能にする。代替実施例において、外縁190および外縁2 04はそれぞれ可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分200の残りの 部分よりも薄くできる。これは、右補強部材188および左補強部材202の近 くで曲げ応力に服従しなければならない材料の体積をさらに減少することで、さ らに可撓性を増大できる。 図9において、右補強部材188および左補強部材202はそれぞれ後部先端 195および後部先端216に向かってその長さに沿って厚さにテーパーを付形 されていることが見られる。これは、使用時に鞭打ちに似た作用が発生されるよ うに各々のブレード半体の後部が大きな可撓性を得られるようにする。各々のブ レード後部が後方へ湾曲するとき、揚力ベクトル224および揚力ベクトル22 6は泳者の意図する移動方向へ向かって僅かに前方へ傾斜されることができる。 これらの後部の可撓性は、各々のブレードにおける長手方向の捩りモーメントを 大きく減少させるように大きくてはならず、望ましくない大きさの空運動または 幅方向の離隔を生じてもならない。大きな剛性が右補強部材188および左補強 部材202の全長に沿って保持されて、過大な変形が生じるのを防止しなければ ならない。右補強部材188および左補強部材202のテーパー形状は、後部の 近くに一層流線形の水中翼形状を与えることによって各々のブレード半体の後部 の近くの剥離を減少させている。 この実施例の多くの変形例が可能である。右補強部材188および左補強部材 202は長さに沿って一定の厚さまたは剛性を保持できる。いずれかのテーパー の付形、すなわち剛性の変化が使用される場合、各々のブレードの長さに沿って それらは一連の高として生じる。厚さを減少された小さな区域が足入れ空間18 0の近くに形成されて、右補強部材188および左補強部材202の基部はその 足入れ空間180の近くの横方向の軸線のまわりで後方へ曲がる或る程度の能力 を得ることができる。 他の代替実施例には、各々のブレード半体における多数の材料の使用が含まれ る。可撓ブレード部分186および右補強部材188は、2つの異種材料が機械 的または化学接着剤で互いに結合されて作られることができる。同じことが可撓 ブレード部分200および左補強部材202について適用できる。右補強部材1 88および左補強部材202として一層剛性の大きい材料を使用することで、水 中翼形状の効率を向上させるためにそれらの肉厚は減少できる。これは、右補強 部材188および可撓ブレード部分186の間の、ならびに左補強部材202お よび可撓ブレード部分200の間の可撓性の変化を減少することなく、各々のブ レードの横断面形状の変化を減少できるようにさせる。同様に右補強部材188 および左補強部材202は一群の材料から作ることができる。これは補強部材、 ビーム、ストラット、ワイヤー、ロッド、チューブ、リブおよび繊維を含むこと ができる。 図9において、右補強部材188および左補強部材202はその長さに沿って 大きく傾斜(sweep)され、また互いに引離されることが見られる。右補強部材 188および左補強部材202の基準線に関して使用される傾斜の度合いは、希 望に応じて変化されることができる。小さな傾斜が望まれるならば、右補強部材 188および左補強部材202は速い速度のときに互いに引離される。各々の足 ヒレが使用者の各々の足に個別に使用されるように意図され、また右補強部材1 88および左補強部材202が大きく引離されるように意図されるならば、各々 のブレード半体の長さは、使用時に足ヒレが互いに接触しないように各々の水泳 用足ヒレの幅を減少させるために短縮されることができる。この状態では、右補 強部材188および左補強部材202の外側部分は大きく傾斜されることが好ま しい(しかし要求されることはない)。右補強部材188および左補強部材20 2の少なくとも外側部分は、ブレード半体の迎え面に沿って外方へ向かう幅方向 の横断流れ状態が発生するのを大いに減少させるうえで有効となる大きさにブレ ード半体が下反角を形成するように捩られるのに十分なだけ、後方へ傾斜される ことも好ましい。 他の代替実施例には、イルカに似たキック運動で使用されるように1つの水泳 用足ヒレに使用者の両足を入れて使用することが含まれ得る。この形式の使用は 、望まれるならば幅(および全体寸法)をかなり増大できるようにする。これは 、単一足ヒレを使用することで他方の足ヒレとの接触が回避できるためである。 この状態においては、右ブレード半体182および左ブレード半体184は実質 的に横方向に整列された翼に似た水中翼の外端部に配置できる。これは、横方向 の水中翼の各端部に2つの大きく傾斜した後部先端を形成する。ブレード半体の 流れ方向の長さは、さまざまな実施例における要望にしたがって変化できる。右 ブレード半体182および左ブレード半体184が使用時に長手方向の軸線のま わりで捩れるときにその右ブレード半体182および左ブレード半体184が得 る下反角を形成するような配向は、そのような横方向の水中翼の各側における誘 導抵抗渦の形成を大いに減少させることができる。右ブレード半体182および 左ブレード半体184が得た減少された迎え角によって発生される揚力ベクトル は、この横方向の水中翼によって発生される揚力を大いに増大させる。この横方 向の水中翼はいずれかの望まれるた度合いで後方へ傾斜されることができる。い ずれの望まれた幅方向の寸法またはアスペクト比も使用できる。 図10は図9の線10−10に沿う断面図を示す。図10に示される図面は、 大いに迎え角を減少させるが、右補強部材188および左補強部材202の位置 はキックストロークの間を通じて十分に安定した状態に保持されるようにするた めに、ブレードが実質的に長手方向の軸線のまわりで捩れることができることを 示している。このような捩れは、右ブレード半体182および左ブレード半体1 84の外側縁にかなり近い所で発生するのが見られる。これは、右ブレード半体 182および左ブレード半体184の厚さのかなり大きな変化が外縁194およ び外縁208に非常に近い位置で引き起こされる理由によって、可能である。こ の急激な厚さの変化は、可撓性の急激な変化もこれらの位置の近くで引き起こさ れることができるようにする。この結果、なかり大きい可撓性が可撓ブレード部 分186と右補強部材188との連結部、ならびに可撓ブレード部分200と左 補強部材202との連結部に生じる。可撓ブレード部分186および可撓ブレー ド部分200の幅方向の寸法はそれぞれ右ブレード半体182および左ブレード 半体184の幅方向の寸法に比べてかなり大きいので、可撓ブレード部分186 および可撓ブレード部分200はかなり大きな梃子作用をそれぞれ右補強部材1 88および左補強部材202に対するそれらの連結部に作用させることができる 。 同様に、右補強部材188の内縁192と外縁194との間、ならびに左補強 部材202の内縁206と外縁208との間に生じる厚さの急激な変化は、剛性 の大きな増大が右補強部材188および左補強部材202の内部に生じることを 可能にする。或る程度の可撓性は、その可撓性が実質的に大きな空運動を生じて 性能を大きく低下させることがない限りにおいて、右補強部材188および左補 強部材292に存在することは許される。右補強部材188および左補強部材2 02は右ブレード半体182および左ブレード半体188が使用時に過度に変形 するのを十分に防止できるほどに剛性であるのが好ましい。使用時に右補強部材 188および左補強部材202の長さに沿って現れるどのような変形も可撓ブレ ード部分186および可撓ブレード部分200が下反角を形成するように効果的 に変形するのを強く抑制するほどに、または抑制するように、生じないことも意 図される。 剛性の度合いは、右ブレード半体182および左ブレード半体184が使用時 にそれぞれ揚力ベクトル226の垂直成分232および揚力ベクトル224の垂 直成分228の作用を受けて実質的に横方向の軸線のまわりで後方へ湾曲する傾 向を十分に減少させるように選定されるべきことが好ましい。剛性の度合いは右 ブレード半体182および左ブレード半体184が使用時にそれぞれ揚力ベクト ル226の水平成分234および揚力ベクトル224の水平成分230の作用を 受けて実質的に横方向に互いに引離されるのを十分に減少させるように選定され るべきことも好ましい。これはストローク間に発生される空運動を程度を大いに 減少させる。これまはた、各々のブレード半体が大きな揚力を効率的に発生する 配向を実質的に保持する。さらに、このような剛性は右ブレード半体182およ び左ブレード半体184で発生される揚力が効率的に足入れ空間180へ伝え、 この足入れ空間180はさらに推進のために泳者の足を前方へ押圧することを可 能にする。 図10において、流人する流れ222は右ブレード半体182および左ブレー ド半体184をまわって流れる一連の流線で示されている。右補強部材188お よび左補強部材202をまわって下面218および下面220へ向かって湾曲す る流線は滑らか且つ取り付いたように流れる。これは大きな揚力が右ブレード半 体182および左ブレード半体184に懲りてに発生されるようにする。また、 上面199および上面214に沿って流れる流線はブレード間の凹部へ向かって 内方へ流れる。これは、外方へ向かう幅方向の横断流れ状態が大いに減少された ことを示す。右ブレード半体182および左ブレード半体184の上下の流線は 構造的に合流できるので、揚力が効果的に発生される。これは、そのような合流 が各々のブレード半体の風下面をまわって長い距離を流れる水がブレードの迎え 面を横断して短い距離を流れる水に遅れを取らないようにより一層速い速度で流 れるためである。この風下面に沿う流速の増大は、それらの面を横断して流れる 水の圧力を低下させる。ブレードに揚力を発生させるのはこの圧力の低下である 。 上面199および上面214の上方で内方へ流れる流線の存在は、 流体有り がそれらの面の上で増大されることを示す。これは下面218および下面220 の下方の低圧領域と組合って、ブレードの迎え面と風下面との間に生じる全体的 な圧力差を増大させることで揚力をさらに増大させる。流線の幾つかは、内縁1 98および内縁212のの間に存在する凹部を通過するのが見られる。この凹部 を通る動きは流れが迎え面から出て風下面を出る流れと合流するのを許し、これ によりベルヌーイの定理により揚力の発生を可能にする。さらに、凹部を通るこ の水の流れは迎え面に沿う過大な背圧をこの凹部を通して排出するのを可能にす る。これはそのような背圧が、迎え面に沿う流れをせき止めて外方へ向かって幅 方向に広がるほどに蓄えられるのを防止する。 外方へ向かう幅方向の横断流れ状態は大いに減少されるので、すなわち迎え面 に沿ってすら横断流れ状態は排除されるので、これらの面を横断して流れる水は ブレードの後縁へ向かって集中するように効率的に流がされる。これはブレード の風下面に沿って取り付いて流れる揚力を発生させる流れと組合うと、前進力を 大きく増大させる。図10に示された上面199および上面214に沿って内方 へ向かって流れる流線は、ブレードの後縁へ向かって(紙面から図面を見る者へ 向かって)速い速度で流れる。後方へ向かう流れに対する内方へ向かう幅方向の 流れの比率は望まれるままに変化することができる。 本発明による流れの制御方法を使用したブレード設計のまわりの流れを煙を用 いて行った風洞試験によれば、ブレードの迎え面に沿う外方へ向かう幅方向の横 断流れの状態は十分に減少されたことが示された。さらに、これらの試験は、か なり強く取り付いた流れの状態がブレードの風下面に沿って形成されるのを示し た。多くの従来技術のブレード設計についての煙を用いた対照試験は、迎え面に 沿ってかなり強い外方へ向かう幅方向の流れ状態が発生することを示した。この 従来技術の設計における対照試験は、かなり大きな流れの剥離および誘導抵抗渦 が風下面に沿って形成されるのを示した。 本発明の制御方法を使用したモデルの風洞試験では、ブレードの迎え面に沿っ て形成される幅方向の横断流れ状態および後方へ向かう流れ状態の両方に多くの 変化が生じることが示された。さまざまな変数を操作することで、これらの各々 の流れ状態および互いに対する比率を変化させることができた。例えば、使用時 に形成される凹部の寸法を制御して減少することで、迎え面に沿って流れる流線 が、凹部へ向かう内方への横断流れ状態またはブレードの外側縁へ向かう外方へ の横断流れ状態を生じることなく、ブレードの後縁へ向かって後方へ真っ直ぐ流 れるようにさせることができる。この状態で、ブレードの配向および凹部の寸法 は著しい横断方向の流れ状態を生じることなく迎え面を横断して大きな後方へ向 かう流れが形成されるように調整される。凹部の寸法は、外方へ向かう幅方向の 横断流れ状態が発生するのを効率的に防止できる程度にブレード間の中央領域か ら背圧を流し出すように調整される。使用時に形成される凹部の寸法を増大させ ることで(これはブレードがより一層下反角となる配向へ捩れるようにさせるこ とで達成できる)、流線は内方へ向かう幅方向の横断流れ状態によって凹部へ向 かって収斂される。これはブレードが水中を移動できる潜在速度を高める。何故 なら、凹部の流れ容量を増大することは、処理できる凹部の最大背圧も高めるか らである。これは流速の増大がブレードの低圧面に発生される揚力を相応に増大 させるので、有利である。 多くの変数が後方へ向かう流れ状態に対する幅方向の横断流れ状態の特定な比 率に関与する。これには、ブレードの長手方向の迎え角(右補強部材188およ び左補強部材202の長手方向の基準線によって制御される)、ブレードの横方 向の迎え角(横方向の軸線のまわりの枢動の容易さによって、ならびに使用時に 得られる全運動範囲によって実質的に制御される)、休止時および使用時の両方 において形成される凹部の全体形状、輪郭、幅、および長さ、水中を移動するブ レードの速度および方向(水中でのブレードの強度および方向によって実質的に 制御される)、およびブレードによって発生される揚力の強さ(ブレードの風下 面に沿う取り付いた流れ状態の質および配向、ならびにブレードの形状、輪郭、 表面状態、撓みの度合い、および寸法によって実質的に制御される)が含まれる 。 代替実施例において、多くのこれらの変数およびそれらの制御因子は望まれる ように操作されて変化され、またさまざまな方法で組合わされることができる。 ブレードが示す長手方向の迎え角は右補強部材188および左補強部材202の 長手方向の基準線によって実質的に制御される。代替実施例は、足入れ空間18 0に枢動可能に取付けられた右補強部材188および左補強部材202を有して 、右補強部材188および左補強部材202が足入れ空間180に対して予め定 めた運動範囲内で横方向の軸線のまわりで枢動できるようにすることができる。 これは、右補強部材188および左補強部材202がその長さに沿って枢動して 、使用時に長手方向の減少された迎え角を形成できるようにする。この枢動運動 はしばしば海洋哺乳動物や魚において観察される。この枢動時の空運動を最小限 にするために、運動範囲はかなり狭く制限される。例えば、各々のストローク時 に長手方向の迎え角を変化させるために使用される時間は、長手方向の軸線のま わりの減少された横方向の迎え角となるように枢動する(下反角を形成するよう な枢動)を行う時間と一致するように成される。右補強部材188および左補強 部材202が所望範囲の限界まで枢動したならば、適当な停止装置があらゆる他 の動きを(徐々に、または急激に)停止させるために使用できる。このような停 止装置はブレードが揚力の発生に有効な配向を保持し、またその揚力をブレード から足入れ空間180へ効率的に伝えて推進力が最大となるようにすることがで きるように十分な強度および剛性を有することを意図している。また、右補強部 材188および左補強部材202が長手方向の枢動を行うときに、或る程度の抵 抗すなわちばね作用に似た張力が所定の運動範囲無いにおいて発生できる。 これは右補強部材188および左補強部材202が限られた運動範囲内で枢動す るときに有利な流れ状態が発生することを可能にする。このようなばね作用に似 た張力は右補強部材188および左補強部材202をストロークの終端で中立配 向状態に戻すようにスナップさせることにも作用する。 外方へ向かう幅方向の流れ状態が大きく減少されることを示した本発明の方法 を使用したブレード設計に関する風洞試験はまた、足ヒレの後縁を過ぎた流れ状 態も従来技術より大きく改善されることを示している。従来技術の設計に関する 試験では、後縁を超えて流れることのできる流線はいずれも周囲の流れ方向によ って直ぐに再び方向を変えられる。 しかしながら、本発明の制御方法を使用した設計に関する試験では、迎え面上 のほとんど全ての煙の流れがブレードの長手方向の基準線と実質的に平行な方向 へ偏向された。これらの煙の流れはその後、周囲の流れの下流側の動きによって 再び方向を変えられる前に、従来技術の設計で得られるよりもかなり長い距離に つき自由な流れとして流出される。これは、従来技術に比較して本発明のブレー ド設計による後縁から流出される流体の流速および運動量を実質的に増大させる ことを示している。 本発明の方法はブレードの迎え面に沿って発生される有利な横断流れ状態を許 すと共に、取り付いた流れ状態がブレードの風下面に沿って形成されるようにす るので、かなり大きな推進力を得ることができる。迎え面に沿う有利な流れ状態 は性能を向上させることができるので、実際の水泳用足ヒレの試験モデルは推進 力全体に影響する主な因子が風下面目に沿う流れの剥離の程度であることを示し ている。風下面の剥離および誘導抵抗渦の形成が取り付いた流れ状態に置き換え られると、推進力は大きく増大される。ブレードが失速状態を示す水泳用足ヒレ の試験モデルはほとんどまたは全く推進力を与えないのに対して、風下面に沿っ て取り付いた流れ状態となるブレードを有する本発明の試験モデルはかなり大き な推進力を与える。本発明の方法は、従来技術で失敗した風下面における流れの 剥離および誘導抵抗の形成を大いに減少させることに成功した。 図11〜図13は、本発明で解決された従来技術の2ブレード設計における幾 つかの問題を示している。図11は、均等なテーパーを付形されたブレードによ り示される実質的に限られた上反角の曲げ能力を示している。1種類の材料で作 られた均等にテーパーを付形されたこのブレードは、可撓性が徐々に変化するこ としか許さない。この可撓性の変化がかなり大きな距離にわたって生じるので、 曲げは各々のブレード半体の外側縁からかなり長い距離にわたって生じる傾向を 見せる。前進的なテーパー形の横断面形状に使用された材料のかなり大きな部分 が曲げに対する抵抗力を実質的に増大する。これは、いずれかのこのような曲げ が生じる前に圧縮および引張りの応力に服従しなければならない材料の量が増大 されるからである。 これらの欠点のために、図11に示された均等にテーパーを付形された各々の ブレード半体の横断面形状は、重要な長手方向の軸線のまわりの曲がりにおいて それほど有効でない。ブレード半体が使用時に流入する流れ236の圧力に作用 されて横方向の軸線のまわりで後方へ過度に曲がるのを防止するのに十分なほど 堅固に作られるならば、フレームは長手方向の軸線のまわりで十分に曲がるには 堅固過ぎることになる。この結果、各々のブレード半体のほんの少しの部分だけ が使用時に発生される水圧の影響を受けて長手方向の軸線のまわりで下反角を形 成するように変形されるのが見られる。破線は各々のブレード半体の休止位置を 示している。各々のブレード半体の大部分は流入する流れ236に対して過大な 迎え角の状態に保持されるので、ブレードは使用時に失速する。これは揚力が発 生されるのを阻害する。 図11に示された流入する流れ236の流線は従来技術のブレード半体のまわ りに生じる望ましくない流れ状態を示している。僅かな量の水がブレード半体の 間の空間へ向かって導かれるが、各々のブレードの幅方向の大部分を横断して形 成されている大きな迎え角は、水が各々のブレード半体の外側縁から離れる方向 へ効果的に集中されるのを阻害する。これは、迎え面(この図では上面)に沿っ て水圧が直ぐに蓄えられて、ブレードの外側縁をまわって水を溢れさせる。これ らの外側縁をまわって流線が湾曲されると、流れはブレードの風下面(この図で は下面)から剥離するのが見られる。これは各々のブレード半体の風下面の下方 にかなり大きい誘導抵抗渦を形成する。これらの誘導抵抗渦は水を迎え面から離 れる方向へ大量に引き寄せる。この剥離は揚力を失わせ、大きな抵抗を発生させ る。さらに、誘導抵抗渦は水を曲げ、水が各々のブレード半体の風下面へ向かっ て逆流するのが見られる。この曲げられた水流はブレード半体の風下面を望まれ る揚力方向とは反対の方向へ押圧する。試験モデルによる実験では、図11に示 した構造上の欠点を有する実質的に堅固なブレードが大きな抵抗の影響を受けて 、十分な推進力を発生できないことを示した。 図12は、この図に示されたブレードが図11に示したブレードよりも一層可 撓性の材料から作られていることを除いて、使用時に図11で説明した従来技術 の構造上の問題と同じ問題の影響を与える水泳用足ヒレを示している。図11に 示されたブレード半体が長手方向の軸線のまわりで下反角を形成するように一層 変形できるように一層可撓性に作られると、このブレード半体は図12に示され た形式の変形を一層受け易くなる。 図12において、破線は休止状態における従来技術の形式のブレードの位置を 示している。実線は、使用時に幅方向にブレードが大きく変形するのを示してい る。この頂面図では、水泳用足ヒレは図面を見ている者へ向かってキックされて いる。湾曲した矢印は水泳用足ヒレが休止後にキックされたときの各々のブレー ドの移動方向を示している。 図12に示された離隔された配向は、各々のブレード半体の可撓性の増大が、 ブレード間の空間の近くで内方へ向かって流れる水によって発生される外方へ向 かう力に対して抵抗する各々のブレードの能力を減少させることが原因して、引 き起こされる。また、このような可撓性の増大は、使用時にブレードに一層大き な下反角を形成する変形が生じるのを可能にするので、一層多量の水がブレード 間の空間へ向かって内方へ偏向される。これは、この内方へ向かって流れる水が ブレード半体を外方へ向かって幅方向に押圧する力をかなり増大させる。この結 果、下反角の変形度合いが大きくなればなるほど、使用時にブレード半体が互い に離隔される度合いが大きくなる。各々のブレードが長手方向の軸線のまわりで 下反角を形成するような大きな曲がりを生じることができるように十分な可撓性 を有して作られるならば、構造的にすわの変形を防止するほど十分な剛性になら らない。本明細書の従来技術の項の背景説明で検討したように、このように幅方 向の離隔は水泳用足ヒレの効率を劣化させる。 図13は使用時に上方へ向かってキックされるときの図12に示されたのと同 じ水泳用足ヒレの斜視図を示している。図12は外方へ向かって離隔されたブレ ードを示しているが、図13はそのブレードが使用時に横方向の軸線のまわりで それと同時に後方へ曲がる傾向のあることを示す。使用者の足の上方の矢印はキ ックストロークの方向を示している。湾曲した矢印は水泳用足ヒレが休止の後に 前方へ向かってキックされたときの各々のブレードの移動方向を示す。このよう な後方へ向かう曲がりは、各々のブレードが長さに沿って大きく下反角を形成す るように変形できるほどに十分な可撓性を有して作られたとき、そのブレードの 構造が横方向の軸線のまわりの曲げの影響をかなり受け易いという理由によって 、生じる。 図12および図13に示された構造上の欠点を有する試験モデルに関する実験 は、弾性の大きい材料が使用された場合に、このような劇的な大きさの望ましく ない変形が共通して生じることを示している。このような実験は、これらの変形 問題のあるブレードに関しては推進力が小さいことを示している。実験によれば 、各々のブレードとして使用される材料の剛性をただ増大させることだけで、各 々のブレードの大部分は過大な迎え角の状態に保持され、これにより失速状態が 引き起こされ、揚力が失われると共に大きな抵抗の発生されることを示している 。これらの問題はそのような従来技術の設計を使用できないものにしている。 図9および図10に示された本発明の実施例を振り返ると、かなり剛性の右補 強部材188および左補強部材202と非常に弾性の可撓ブレード部分186お よび可撓ブレード部分200との組合わせが、従来技術に固有の性能を劣化させ る構造上の問題を有効に解決することが見られる。従来技術とは違って本発明の 方法は、重要な長手方向の軸線のまわりで下反角を形成するような捩れに対して 十分な可撓性を有する一方、使用時にブレードにそれらの配向を実質的に保持で きるような十分な剛性を与えるブレードを提供する。これは、失速状態を引き起 こす抵抗を、各々のブレードに揚力を発生させる取り付くような流れ状態で置換 するようにすることができる。さらに、ブレードは新たに誘起された揚力を足入 れ空間180に対して効果的に伝えて泳者を前進させるのに十分な構造性(stru ctual integrity)を有する。使用時の幅方向の離隔および後方への曲が りの発生を大きく減少させることで、本発明のこの方法はさらに空運動が十分に 減少されるようにする。 バーノイン氏およびブラウンコーレン氏は彼らのブレード設計における風下面 に沿って揚力を発生する取り付いたような流れ状態を確立する方法を提供しなか っただけでなく、彼らがこの必要性に気付いているとの言及がないばかりか、彼 らのブレードがかなり大きい失速状態および誘導抵抗渦の形成によって非常に大 きな抵抗を発生することに気付いているとの言及もない。バーノイン氏およびブ ラウンコーレン氏は彼らのブレードが幅方向に離隔されるのを防止する方法を全 く提供していないだけでなく、彼らのどちらも彼らの設計にそのような問題が存 在することに気付いていない。彼らは、弾性が大きく変形可能な材料の使用で彼 らのブレードが横方向の軸線のまわりで後方へ曲がるために過大な空運動の影響 を大いに受け易くなっていることに気付いているとは言及していない。 図14〜図23の説明 図14は図9に示されたのと同じ水泳用足ヒレの右半体を示す一部断面とした 斜視図を示している。この実施例の両方のブレード半体は同じように機能するの で、図14は右半体だけについて説明する。また、図14の断面図は可撓ブレー ド部分186のかなり肉厚の部分を見られるようにしており、この部分は足入れ 空間180の下側を延在して足入れ空間180の足底を形成している(図9にて 既に説明した)。右ブレード半体だけを示す他の理由は、この設計が唯一のブレ ード半体を有して他の連結されるブレードまたはブレード半体が全くない状態で 使用できるからである。このような実施例は、可撓ブレードが下側に備えられて 迎え角が毎回の往復ストロークにおいて変化できるようになされたことを除いて 、図1〜図4に示されたのと似ている。代替例はいずれかの望まれる枚数の付加 的ブレードをいずれかの望ましい構造または形状で使用することができる。しか しながら好ましい実施例は2つの実質的に対称形のブレード半体を使用すること になる。 図14において、破線は可撓ブレード部分186に沿った曲がり領域238の 存在を示しており、これは足入れ空間180に近い中央の凹部の基部から後部先 端195に近い後縁196まで延在する。 図15は図14の線15−15に沿う横断面図を示している。図15において 、曲がり領域238は右下ブレード168の平面の上下を延在する垂直に配向さ れた破線によって示されている。曲がり領域238は、可撓ブレード部分186 上のその位置がこの横断面図で見られるように示されている。流入する流れ24 0は右ブレード半体182へ向かい、そのまわりを流れる一連の流線で示されて いる。右補強部材188の中立位置242は水平方向に整列された破線で示され ている。可撓ブレード部分186の半撓み位置244は下方へ向かって角度を付 された実線で示されている。可撓ブレード部分186の大撓み位置246は下方 へ角度を付された破線で示されている。中立位置242および大撓み位置246 への右ブレード半体182の変形は、上面199が迎え面となるように水泳用足 ヒレが水中を上方へ向かってキックされたときに生じる。中立位置242から中 立位置242または大撓み位置246への可撓ブレード部分186の変形は、曲 がり領域238および内縁198の間で生じるのが見られる。曲がり領域238 および右補強部材188の間の可撓ブレード部分186の部分は流入する流れ2 40の作用のもとで右補強部材188の配向に対して実質的に制止されて保持さ れる。流入する流れ240の流線が右補強部材188の外側をまわって流れると き、可撓ブレード部分186が半撓み位置244へ変形されると剥離領域248 は右ブレード半体182圧力面に沿って形成される。 図16は図14の線16−16に沿う横断面図を示している。図14の線16 −16に沿うこの横断面図は、図14の線15−15に沿う横断面図よりも後縁 196の近くに位置するのでまた図9の線10−10に沿う横断面図よりも足入 れ空間180の近くに位置するので、水泳用足ヒレが垂直を図15で行われたの と同様に上方へ向かうストロークでキックされたときに、流入する流れ249は 右ブレード半体182に向かってそのまわりを流れる2つの流線で示される。し たがって、図16の流入する流れ249は図15に示された流入する流れ240 を形成するのに使用されたのと同じキック運動で発生される。図16において、 可撓ブレード部分186の中立位置242、半撓み位置244および大撓み位置 246は、この図面でこれらの位置が図14の線16−16に沿う位置であるこ とを除いて、図15に示されたのと同じである。図16において、可撓ブレード 部分186の中立位置242は水平方向の破線で示されている。可撓ブレード部 分186の半撓み位置244は下方へ角度を付された実線で示されている。可撓 ブレード部分186の大撓み位置246は下方へ角度を付された破線で示されて いる。再び述べるが、可撓ブレード部分186上の曲がり領域238の位置がこ の図面で見られるように、垂直方向に整列された破線によってその曲がり領域2 38が示されている。曲がり領域238は右補強部材188に実質的に近いので 、可撓ブレード部分186の一層大きな部分が使用時に半撓み位置244または 大撓み位置246へ変形することができる。 流入する流れ249が右補強部材188の外側をまわって流れるとき、剥離領 域250は右ブレード半体182の低圧面に沿って形成され、剥離領域250は 図15に示された剥離領域248よりもかなり小さい。この結果、図16の右補 強部材188の外側をまわって流れる流線は可撓ブレード部分186の半撓み位 置244における基準線に実質的に平行に流れることができる。揚力ベクトル2 51が右ブレード半体182に発生される。 図17は、この図面において横方向の凹部252が足入れ空間180の近くで 可撓ブレード部分186に切込まれており、また後縁196’が図14に示され た後縁196よりも大きく傾斜しているのが見られることを除いて、図14に示 されたのと同じ水泳用足ヒレの一部断面とした斜視図を示している。図17にお いて、横方向の凹部252は内縁198から右補強部材188に向かって実質的 に翼弦方向に延在し、右補強部材188に達する前に終端している。曲がり領域 254は横方向の凹部252の外端部から後部先端195の近くの後縁196’ まで延在する可撓ブレード部分186に沿う破線で示されている。 図18は、この図面に示される実施例が内縁198に沿うさまざまな間隔位置 で可撓ブレード部分186を切込んで形成された前部横方向の凹部256と、中 間横方向の凹部258と、後部横方向の凹部260とを有していることを除いて 、図14に示されたのと同じ水泳用足ヒレの一部断面とした斜視図を示している 。外側曲がり領域262は、前部横方向の凹部256の外端部から後部先端19 5の近くの後縁196’まで延在する可撓ブレード部分186に沿う破線で示さ れている。中間曲がり領域264は、中間横方向の凹部258の外端部から後部 先 端195に近い後縁196’まで延在する可撓ブレード部分186に沿う破線で 示されている。内側曲がり領域266は、後部横方向の凹部260の外端部から 後部先端195の近くの後縁196’まで延在する可撓ブレード部分186に沿 う破線で示されている。前部横方向の凹部256、中間横方向の凹部258およ び後部横方向の凹部260は可撓ブレード部分186を根元部分267と、前部 パネル268と、中間パネル270と、後部パネル272とに分けている。 図19は、この図面で水泳用足ヒレの両方のブレードが使用時の変形を示され ていることを除いて、図18に示されたのと同じ水泳用足ヒレの斜視図を示して いる。左ブレード半体184はこの図面で見ることができるが、前部横方向の凹 部274、中間横方向の凹部276および後部横方向の凹部278は可撓ブレー ド部分200に沿って位置されているのが見られる。前部横方向の凹部274、 中間横方向の凹部276および後部横方向の凹部278は、可撓ブレード部分2 00を根元部分267と、前部パネル280と、中間パネル282と、後部パネ ル284とに分けている。 足入れ空間180の上方の上方へ向かって傾いた矢印は、各々のブレード半体 の上面が迎え面となるように水泳用足ヒレが水中を上方へ向かってキックされる ことを示している。使用時に、前部パネル268および前部パネル280は互い に対して下反角を形成するように配向されるように変形されることが見られる。 中間パネル270および中間パネル282は大きな下反角の配向となるように変 形される。後部パネル272および後部パネル284は最も下反角の大きい状態 に変形される。これが生じると、各々の横方向の凹部は実質的に三角形の空間を 形成するように離隔されて拡げられる。この図面から、後部パネル284の大き な下反角を成す配向は可撓ブレード部分200の下面220を左ブレード半体2 84に沿って見ることができるようにする。右補強部材188および左補強部材 202はそれぞれ後部先端195および後部先端216の近くで水圧の作用によ り後方へ撓むのが見られる。 図20は、この図面において前部横方向の凹部286、中間横方向の凹部28 8および後部横方向の凹部290が図18および図19に示された前部横方向の 凹部256、中間横方向の凹部258および後部横方向の凹部260に置換され ていることを除いて、図18および図19に示されたのと同じ水泳用足ヒレの側 面斜視図を示している。図20を図18および図19と比べた場合、図20の前 部横方向の凹部286、中間横方向の凹部288および後部横方向の凹部290 は図18および図19に示された前部横方向の凹部256、中間横方向の凹部2 58および後部横方向の凹部260よりも右補強部材188に接近して延在して いるのが見られる。図20において、前部横方向の凹部286、中間横方向の凹 部288および後部横方向の凹部290は可撓ブレード部分186を根元部分2 91と、前部パネル292と、中間パネル294と、後部パネル296とに分け ている。前部パネル292、中間パネル294および後部パネル296は図18 および図19に示された前部パネル268、中間パネル270および後部パネル 272よりもかなり大きいことが見られる。 図20と、図18および図19との間の他の相違は、可撓性の大きい翼弦方向 の膜が前部横方向の凹部286、中間横方向の凹部288および後部横方向の凹 部290によって形成される可撓ブレード部分186の翼弦方向の空間を充足す るように付加されていることである。図20において、前部横方向の可撓膜29 8、中間横方向の可撓膜300および後部横方向の可撓膜302はそれぞれ前部 横方向の凹部286、中間横方向の凹部288および後部横方向の凹部290を 弛んだ状態で横断して支持されている。各々の可撓膜の外縁はそれぞれの凹部の 内縁に対していずれかの適当な方法で取付けられている。機械的な結合装置およ び化学的な接着剤がそれらの縁を固定するのに使用できる。機械的な固定装置の 例には、結合縁に配置される小さな組合う突起と開口とで構成される機構が含ま れる。このような組合い構造には、穴、溝、隆起部、歯、ウェッジ、および他の 同様なグリップ形状部が含まれる。適当な接着剤、および(または)溶接が、機 械的な結合装置に代えて、またはそれに付加して、化学的な結合を形成するのに 使用できる。 この実施例において、前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300 および後部横方向の可撓膜302は可撓ブレード部分186よりも可撓性がかな り大きいことが好ましい。前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜30 0および後部横方向の可撓膜302は、弾性の大きい熱可塑性材料で作ることが できるが、さらにいずれの可撓性材料も使用できる。このような可撓材料の例に は、織物、シリコーンゴム、シリコーン熱可塑材、ネオプレン、ゴムまたはプラ スチック含浸織物、繊維強化熱可塑性材料、および織物強化熱可塑性材料が含ま れる。 図20に示される図面は、この実施例の休止状態における位置を示す。各々の 膜は余剰材料を弛んだ状態に折畳まれているのが見られる。各々の膜の外端部か ら内縁198へ延在する横方向に整列された点線は、各々の膜に使用された余剰 材料の量が内縁198へ向かって増大していることを示している。曲がり領域3 04は、前部横方向の凹部286の外端部から後部先端195の近くの後縁19 6’へ延在する可撓ブレード部分186に沿った破線で示されている。この実施 例において、中間横方向の凹部288および後部横方向の凹部290の両方の外 端部は、曲がり領域304と整列された可撓ブレード部分186に沿う位置で終 端している。 図21は、使用時に水中をキックされたときの図20に示された完全な実施例 の側面斜視図を示している。足入れ空間180の下側で下方へ向かう矢印は、水 泳用足ヒレが下方へキックされることを示している。左ブレード半体184は右 ブレード半体182よりも図面を見ている者の近くに位置している。 右ブレード半体182において、可撓ブレード部分186の下面218は後部 パネル296において最もよく見られるが、中間パネル294においては少しし か見えず、前部パネル292ではほんの僅かしか見えない。中間横方向の可撓膜 300は前部パネル292と中間パネル294との間で実質的に三角形の形状を 形成するように引伸ばされた状態で見られる。後部横方向の可撓膜302もまた 中間パネル294と後部パネル296との間で三角形の形状となるように引伸ば されている。 左ブレード半体184は水圧の作用のもとで右ブレード半体182と同様に変 形する。可撓ブレード部分200の上面214は後部パネル310に沿って最も よく見ることができ、中間パネル308に沿って少ししか見えず、前部パネル3 06に沿ってはほんの僅かしか見えない。足入れ空間180と前部パネル306 との間は前部横方向の可撓膜312であり、この図面でかろうじて見られる。中 間横方向の可撓膜314は前部パネル306と中間パネル308との間で引伸ば された状態で見られる。同様に、後部横方向の可撓膜316は中間パネル308 と後部パネル310との間にて三角形の形状となるように引伸ばされている。 図22は、この図面において長手方向の可撓膜318が追加されていることを 除いて、図20および図21に示されたのと同じ水泳用足ヒレの一部断面とした 斜視図である。図22は長手方向の可撓膜318が右補強部材188を可撓ブレ ード部分186から分けている弾性材料で作られた幅の狭いストリップであるこ とを示している。長手方向の可撓膜318は前部横方向の可撓膜298、中間横 方向の可撓膜300および後部横方向の可撓膜302と結合されることが見られ る。この結果、可撓ブレード部分186は根元部分319と、前部パネル320 と、中間パネル322と、後部パネル324とに完全に分けられる。長手方向の 可撓膜318の外縁(右補強部材188に最も近い)は機械的結合部および(ま たは)化学的接着剤によって右補強部材188の内縁192に取付けられるのが 好ましい。長手方向の可撓膜318の内側縁は(右補強部材188から最も遠い )は前部パネル320、中間パネル322および後部パネル324の外側縁に対 して同様に取付けられるのが好ましい。 この実施例は製造時間を最も短くするために射出モールド成形されることがで きる。例えば、右補強部材188、根元部分319、前部パネル320、中間パ ネル322および後部パネル324が1つの材料でまずモールド成形された後、 最終組立て段階において足入れ空間180、前部横方向の可撓膜298、中間横 方向の可撓膜300、後部横方向の可撓膜302および長手方向の可撓膜318 が一層弾性である材料でそれぞれの部品の内面(または外面)にモールド成形さ れることができる。 代替実施例では、長手方向の可撓膜318は1つ以上の横方向の可撓膜と分離 されることができる。さらに、いずれかの数の横方向に整列された可撓膜を使用 していずれかの数のセグメントとされるパネルを形成することができる。 図23は図22の線23−23に沿う横断面図を示す。図23において、水平 方向に整列された破線は水泳用足ヒレが休止されているときの後部パネル324 の位置を示す。流入する流れ326は図22に示された水泳用足ヒレが上方へ向 かってキックされたときに形成される。図23において、流入する流れ326は 右ブレード半体182に向かってそのまわりを流れる流れる2つの流線で示され ている。流入する流れ326によって作用される圧力は、後部パネル324が傾 いて流入する流れ326に対する迎え角を減少させるように、長手方向の可撓膜 318を変形させる。2つの流線が右ブレード半体182のまわりを流れるとき に揚力ベクトル328が発生される。 この横断面図は、長手方向の可撓膜318の外縁(右補強部材188に最も近 い)が右補強部材188の内縁192の内部に差込まれていることを示している 。また、長手方向の可撓膜318の内縁(右補強部材188から最も遠い)は後 部パネル324の外側縁の内部に差込まれているのが見られる。これはこれらの 縁部の結合方法の単なる一例である。結合を強化するために、穴または穿孔の適 当な配列が右補強部材188および後部パネル324の1以上の結合縁に対して 追加されて、長手方向の可撓膜318が射出モールド成形されるときにその長手 方向の可撓膜318を形成するために使用される材料がそれらの穴の内部に充填 されるかそれらの穿孔のまわりに充填されて固定グリップを形成するようにでき る。さらに化学的接着剤を使用することができる。 図14〜図23の作動 図14は図9に示されたのと同じ水泳用足ヒレの右半体の一部断面とした斜視 図を示している。図14の一部断面とした図面は可撓ブレード部分186が足入 れ空間180の下側で肉厚を増大されていることを示している。既に述べたよう に、可撓ブレード部分186のこの部分は右補強部材188に対して堅固に取付 けられるのが好ましい。可撓ブレード部分186の厚肉とされた部分は足入れ空 間180の下側で水泳用足ヒレの剛性を増大しており、右補強部材188の構造 的な支持部を形成している。この結果、泳者の足に加えられるキック動作は効率 的に右補強部材188に伝えられる。代替実施例では、足入れ空間180は一層 堅固に作られる一方、足入れ空間180の下側部分は一層弾性的に作られること ができる。さらに他の実施例では、足入れ空間180の下側の可撓ブレード部分 186は可撓性とされる一方、キック動作を効率的に右補強部材188に伝える ことができるようにするのに有効な程度で足入れ空間180に差込まれた使用者 の足が足入れ空間180を補強するようになされることができる。この場合には 、足入れ空間180の材料は形状の引伸しに十分に抵抗できるように強固に作ら れ、それ故に足入れ空間180は使用時に右補強部材188の位置を安定化させ ることができる。しかしながら可撓ブレード部分186は図14に示されるよう に足入れ空間180の下側で実質的に一層堅固にされて右補強部材188から使 用者の足へエネルギーが高い効率で伝えられるようにすることがさらに好ましい 。 右補強部材188は右ブレード半体182の外側縁を十分に堅固にする一方、 足入れ空間180の下側の可撓ブレード部分186の厚肉部分はその右ブレード 半体182の基部を十分に堅固にするので、曲がり領域238、右補強部材18 8および足入れ空間180の間の可撓ブレード部分186の一層可撓性の部分は 使用時に変形に対して一層大きい抵抗力を有する。これは、可撓ブレード部分1 86における三角形の部分が2つの異なる寸法を与える2つの剛性構造部によっ て支持されるからである。曲がり領域238、後縁196および内縁198の間 の可撓ブレード部分186の部分は水泳用足ヒレの一層堅固な構造部でほとんど 支持されていないので、可撓ブレード部分186のそれらの部分は水圧の作用を 受けてより大きく変形することができる。それ故に曲がり領域238は可撓ブレ ード部分186の一層大きく変形可能なその部分を可撓ブレード部分186のそ れほど変形できない部分から仕切る境界線を示す仮想線となる。 右補強部材188は使用時に実質的に変形するのを防止するほどに十分な剛性 とされるので、可撓ブレード部分186の曲がり領域238は後部先端195の 近くの後縁196までずっと延在する。これは曲がり領域238が右ブレード半 体182を横断する実質的に長手方向の基準線を有することができるようにする 。したがって使用時に右補強部材188の剛性は可撓ブレード部分186を実質 的に長手方向の軸線のまわりに曲げて、迎え面に沿って水を右補強部材188か ら内縁198へ向かって導くようにする。 右補強部材188の剛性は曲がり領域238を後部先端195まで延在させる のことができるで、右ブレード半体182は使用時に幅方向すなわち横方向へ向 いた曲がりに対する大きな抵抗力を有する。これは、曲がり領域238が可撓ブ レード部分186の内部に発生される引張り領域を示すからである。使用時に迎 え角を減少させる方向へ可撓ブレード部分186が捩れて外方へ向かう力が右ブ レード半体182に作用すると、この外方へ向かう力は曲がり領域238、足入 れ空間180および右補強部材188の間の可撓ブレード部分186の部分を引 伸ばすようにする。この部分は実質的に多量の材料を含むので、そのような引伸 ばしに対する抵抗力は比較的大きく、外方へ向かう曲げは大きく減少される。ま た、曲がり領域238の基準線は右補強部材188の基準線に対して或る角度を 付されているので、曲がり領域238に沿う可撓ブレード部分186の引張りは 右補強部材188に対して角度を有して与えられる。これは右補強部材188の 幅方向の曲げに対する抵抗力をさらに増大させるモーメントアームを与える。ま た、曲がり領域238は後部先端195までずっと延在するので、右ブレード半 体182の全長(先端領域を含む)は横方向の曲げに対して大きな抵抗力を有す る。この結果、右補強部材188は望まれるならばその長さに沿ってかなり大き い可撓性を有する一方、過大な横方向の曲げが生じるのを防止できるような十分 大きな剛性は保持しているように作られることができる。 図15は図14の線15−15に沿う横断面図を示す。図15において、可撓 ブレード部分186は、曲がり領域238と右補強部材188との間におけるよ りも曲がり領域238と内縁198との間でより大きく変形できるようになされ ることが見られる。中立位置242は水泳用足ヒレが休止状態のときの可撓ブレ ード部分186の配向を示している。中立位置242はまた、可撓ブレード部分 186を作るのに使用された材料が使用時に発生される水圧の作用を受けて十分 大きく変形するには弾性が不十分であると、使用時に位置することがあり得る。 半撓み位置244は、可撓ブレード部分186を作る端面に使用された材料が十 分に可撓性であるときの使用時の可撓ブレード部分186の配向を示している。 大撓み位置246は可撓ブレード部分186を作るのに使用された材料が可撓性 であり過ぎる場合の使用時の可撓ブレード部分186の配向を示す。 この実施例において、半撓み位置244は中立位置242または大撓み位置2 46のいずれよりも使用時の一層好ましい撓みの配向状態である。これは、半撓 み位置244が可撓ブレード部分186を横断する形状に急激な変化を形成せず に迎え角の減少を行えるからである。したがって可撓ブレード部分186は、水 泳用足ヒレが水中でキックされたときに中立位置242と大撓み位置246との 範囲内の配向状態となるように変形することができる十分な可撓性を与える適当 な材料および肉厚に作られるのが好ましい。このような配向の迎え角は実質的に 半撓み位置244と同じであるのが好ましい。しかしながら、使用時に得られる 迎え角は性能を向上させることのできるいずれの角度とされることもできる。 大撓み位置246は、この例では、たとえ可撓ブレード部分186が弾性の大 きい材料で作られていても、水泳用足ヒレの構造上の特徴が曲がり領域238お よび右補強部材188の間での可撓ブレード部分186の撓みを防止することを 示すために図示されている。これは、本明細書で既に説明した他の改良点をより 一層完全に理解し、認識させるようにする。 図16は図14の線16−16に沿う横断面図を示している。図16において 、図15に示されたのと同じ中立位置242、半撓み位置244および大撓み位 置246を可撓ブレード部分186の他の領域から見られている。図16を図1 5と比べると、図16では図15におけるよりも曲がり領域238が右補強部材 188にかなり接近していることが見られる。したがって、図16に示された剥 離領域250は図15に示された剥離領域248よりもかなり小さい。これは、 図16においては、曲がり領域238と右補強部材188との間の可撓ブレード 部分186の領域が図15におけるその領域よりもかなり小さいからである。こ の結果、図16において右補強部材188の外側をまわって流れる流入する流れ 249の流線は可撓ブレード部分186の低圧面(すなわち風下面)に再び取り 付いたように流れることができる。これは右ブレード半体182のこの領域が使 用時に揚力ベクトル251を発生できるようにする。したがって、右ブレード半 体182の後部は揚力の発生において効率が高い。 代替実施例は、かなり大きい迎え角のブレード部分に沿って再び取り付いた流 れの状態を発生させる方法のように、図16に剥離領域250で示されたような 限られた流れの剥離しか発生させないようにすることができる。これは、三角翼 のジェット戦闘機の前縁渦フラップによって前縁渦を意図的に形成させるのに似 ている。隆起とされた渦発生装置が、流れを翼形の低圧面上のさらに下流側で再 び取り付くようにさせることができるように前縁渦を発生させるのに使用できる 。 実質的に取り付いた流れ状態が翼形の下流側に形成される限りにおいて、大きく 推進力を増大させるのに十分なほど効率的に揚力を発生させることができる。右 ブレード半体182の低圧面に沿って発生したいずれの剥離も、使用時にブレー ドの発生する推進力を大きく増大させると共にブレードの失速を防止するために 有効な取り付いた流れ状態を形成することができるような範囲に保たれるのが好 ましい。 他の代替実施例において、右補強部材188は凹部の基部の近くの、足入れ空 間180の爪先領域の付近を起点とし、爪先部分から曲がり領域238に実質的 に平行な傾斜した方向へと前方へ延在することができる。これは、右補強部材1 88の基準線を曲がり領域238の基準線に一層近づけて、右補強部材188と 曲がり領域238との間の可撓ブレード部分186の表面を大いに減少させるこ とを可能にする。これは、使用時に大きな迎え角に保持される可撓ブレード部分 186の表面積を減少させることで、右ブレード半体182の低圧面に沿って生 じる流れの剥離を大いに減少させることができる。これは抵抗を減少し、揚力を 増大させる。この形式の代替実施例においては、右補強部材188は可撓性の大 きい材料で作られることが好ましい。何故なら、このような右補強部材188と 曲がり領域238との間の配向は、捩れの間に可撓ブレード部分186の内部に 発生される引張りを大いに減少させるからである。 図17は、この図面において足入れ空間180の近くで横方向の凹部252が 可撓ブレード部分186に切込まれていることを除いて、図14に示されたのと 同じ水泳用足ヒレの一部断面とした斜視図である。横方向の凹部252は右補強 部材188へ向かってかなりの距離を延在し、曲がり領域254はその全長に沿 って右補強部材188に実質的に接近されている。したがって、可撓ブレード部 分186の大きな面積が使用時に迎え角を減少させるために曲がるようにされる 。これは可撓ブレード部分186の大きな領域を揚力の発生に寄与させる。曲が り領域254と右補強部材188との間の可撓ブレード部分186の面積寸法は 減少されるので、右ブレード半体182のテーパーを付形されている面に沿う剥 離は使用時にかなり減少される。これらの状態は、この実施例が図14に示され た実施例を超える大きな推進力および小さな抵抗を与えることができるようにす る。 図17において、可撓ブレード部分186のために使用される材料は、使用時に 小さい抵抗で効率的に揚力を発生する減少された迎え角となるために変形できる ように可撓性が十分大きいことが好ましい。 図17に示された後縁196’は、抵抗をさらに減少させるために図14に示 された後縁196よりもさらに大きく傾斜されている。図17に示されたこの大 きく傾斜された後縁196’は、この後縁196’と内縁198との間が一層滑 らかな遷移領域となるのを可能にする。このコーナーを鈍角に形成することで、 このコーナーで乱流が生じるのを減らし、効率を高める。代替実施例において、 この凸状に湾曲したコーナーの曲率半径は大きく形成でき、後縁196’と内縁 198との間に滑らかな遷移領域を形成できるようにする。後縁196’と内縁 198との間のこの遷移領域における大きな曲率半径は、抵抗を一層減少し、効 率を高めるために使用できる。他の実施例において、後縁196’は後部先端1 95の付近で凹状に、また内縁198の付近で凸状に湾曲されることができる。 図18は、この図面に示される実施例が内縁198に沿ったさまざまな間隔位 置で可撓ブレード部分186に前部横方向の凹部256、中間横方向の凹部25 8および後部横方向の凹部260が切込マイクロレンズ対抗とを除いて、図17 に示されたのと同じ水泳用足ヒレの一部断面とした斜視図を示している。図18 において前部横方向の凹部256は図17に示された横方向の凹部252よりも 僅かに右補強部材188に接近しているように見られる。これは、図18の外側 曲がり領域262を図17のに示された曲がり領域254よりも右補強部材18 8に接近させる。図18において、中間横方向の凹部258は中間曲がり領域2 64を形成し、後部横方向の凹部260は内側曲がり領域266を形成する。し たがって、前部パネル268、中間パネル270および後部パネル272は使用 時に全てが外側曲がり領域262のまわりで曲がる。同様に、中間パネル270 および後部パネル272は共に中間曲がり領域264のまわりで曲がり、後部パ ネル272は内側曲がり領域266のまわりで曲がる。これは迎え角を減少させ るように前部パネル268を変形させる一方、さらに迎え角を減少させるように 中間パネル270を変形させ、迎え角を最も減少させるように後部パネル272 を変形させることができる。 代替実施例において、これらの1つ以上の横方向の凹部は外端部に位置する実 質的に長手方向の凹部を有することができる。このような長手方向の凹部は横方 向の凹部の基部から前方および(または)後方へ延在することができる。これは 横方向の凹部を実質的にL形または実質的にT形にする。横方向の凹部を形成す るのにこれらの形状を使用することで、実質的に長手方向の軸線のまわりでの曲 げに対する隣接したパネルによる抵抗力をさらに減じることができる。横方向の 凹部の基部に位置した長手方向の凹部が後方へ向かって(足入れ空間180に向 かって)パネル内部へ延在するならば、その横方向の凹部によって形成される長 手方向の曲がり領域のまわりで同時に捩りを生じると、横方向の凹部の上側のパ ネルは横方向の軸線のまわりで前方へ枢動して迎え角を減少させることができる 。これはそのパルスの低圧面に沿う取り付いた流れの状態を改善して効率を向上 させることができる。 図19は、この図面において水泳用足ヒレの両方のブレード半体が使用時に変 形して示されていることを除いて、図18に示されたのと同じ水泳用足ヒレの斜 視図を示す。右ブレード半体182および左ブレード半体184の両方共が迎え 角を減少させるように長さに沿って捩られて示されている。水圧が捩り力を右ブ レード半体182および左ブレード半体184に作用させたときに、横方向の凹 部によって形成される空間は可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分2 00に生じる捩りに対抗する応力の発生をかなり減少させる。各々の横方向の凹 部は使用時に広げられることができるので、可撓ブレード部分186および可撓 ブレード部分200は水圧の作用のもとで拡張され、また膨張および圧縮の捩り 応力に屈服されねばならない可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分2 00の材料の全体量がかなり減少される。その結果として、前部横方向の凹部2 56、中間横方向の凹部258、後部横方向の凹部260、前部横方向の凹部2 74、中間横方向の凹部276および後部横方向の凹部278は、可撓ブレード 部分186および可撓ブレード部分200のための膨張領域を形成する。このこ とにより、可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分200は実質的な長 手方向の軸線のまわりの捩れに対抗するかなり減少された抵抗力を示すようにさ れる。 このような膨張領域がないと、可撓ブレード部分186および200の材料は 図19に示した膨張された横方向の凹部によって示されるのと同じ大きさの引伸 ばしを受けなければならなくなる。しかしながら、このような横方向の凹部が無 く、実質的に軽いキックストロークのもとでもこのようにかなり大きな引伸ばし を受けることになる材料は構造的に弱く、図14に示された曲がり領域238の ような曲がり領域のまわりで0゜またはほぼ0゜の状態にまで圧潰されるような 影響を非常に受け易くなる。図19においては、前部横方向の凹部256、中間 横方向の凹部258、後部横方向の凹部260、前部横方向の凹部274および 後部横方向の凹部278の使用により、かなり大きな膨張が可撓ブレード部分1 86および可撓ブレード部分200を横断して発生して、比較的軽いキックスト ロークのもとでも実質的に捩れが生じることになることが見られる。これは、そ のようなストローク時に過小な迎え角の状態に圧潰されることのない構造性(str uctual integrity)を十分に有する弾性の小さい材料で可撓ブレード部分186 および可撓ブレード部分200が作られることを可能にする。したがって可撓ブ レード部分186および可撓ブレード部分200に膨張領域を巧みに配置するこ とで、構造的に一層頑丈な材料で作られても、比較的軽い圧力の作用する状態の もとでかなり大きな捩れを発生させることができる。 右ブレード半体182および左ブレード半体184が減少された迎え角となる ように捩られると、右補強部材188および左補強部材202の剛性は、使用時 に各々のブレード半体が横方向の軸線のまわりで後方へ曲がる、または互いに離 隔される傾向を減少させる。この結果、各々のブレード半体は使用時に実質的に 長手方向の軸線のまわりで効果的に捩れることができるようになり、実質的に横 方向の軸線のまわりで過度に変形することはなく、また幅方向に過度に拡張され ることも生じない。 図19に示された実施例において、右補強部材188および左補強部材202 はそれぞれ後部先端195および後部先端216の近くで可撓性を増大するのが 見られる。これは、右補強部材188および左補強部材202が使用時に水圧の 作用のもとで、制御される方法で後方へ湾曲されるように見られる。これは、後 部パネル272および後部パネル284の揚力方向を泳者の移動方向に一層整列 させることができる。このような増大された可撓性は、ストロークの間のキック 方向の逆転時に鞭のようなスナップ動作を各々のブレード半体の先端近くに発生 させる。このような増大された可撓性は、各々のブレード半体の先端領域が過大 な空運動や横方向への離隔を防止されるように十分に制限されることが好ましい 。右補強部材188および左補強部材202が全長を横断して十分な剛性を保持 して、使用時にそれぞれ可撓ブレード部分186および可撓ブレード部分200 にかなり強力な捩りモーメントを発生させるようにすることもまた好ましい。右 補強部材188および左補強部材202は、右ブレード半体182および左ブレ ード半体184が使用時にかなり大きい揚力を発生するうえで有効とされる配向 を実質的に保持でき、このような揚力が右補強部材188および左補強部材20 2から使用時に足入れ空間180へ伝えられるようにするために十分な大きさの 剛性とされることも意図される。 捩りに対する各々のブレード半体の抵抗力は、各々の横方向の凹部の横方向の 寸法を増大または減少させることで変化させることができる。例えば右ブレード 半体182では、各々の凹部の横方向の寸法が減少されると、可撓ブレード部分 186は使用時に捩れ形状となり難くなる。これは、各々の横方向の凹部と右補 強部材188との間の可撓ブレード部分186の部分が可撓ブレード部分186 を実質的に長手方向の軸線のまわりで捩れるようにするほど十分に拡張できない からである。しかしながら横方向の凹部の外端部が右補強部材188へ向かって さらに延在されるならば、可撓ブレード部分186は使用時に捩れ形状となるこ とに対抗する抵抗が小さくなる。何故なら、これは各々の凹部の外端部と右補強 部材188との間の可撓ブレード部分186の体積量を減少させ、捩りに対抗す る応力に屈服されねばならない可撓ブレード部分186の材料の体積も減少する からである。この結果、各々の横方向の凹部の横方向の寸法が大きくなればなる ほど、使用時に捩れ形状となることに対抗する可撓ブレード部分186の抵抗は 小さくなる。使用時に望まれる大きさの捩れを与えるために、各々のブレード半 体の各々の横方向の凹部の配向、位置、横方向寸法が選定されることが好ましい 。代替実施例において各種さまざまな捩れ形状、形態および輪郭を与えるために 、異なる横方向寸法を有する多くの横方向の凹部を使用できる。 各々のブレード半体の1以上の横方向の凹部が対応する補強部材(右補強部材 188または左補強部材202)に一層近くへ延在されるとき、右補強部材18 8および左補強部材202の剛性は増大されねばならない。これは、各々の凹部 の横方向寸法が増大すると各々のブレード半体が幅方向の離隔を一層受け易くな るからである。これは横方向の凹部によって形成される曲がり領域が対応する補 強部材へ一層近づくように移動されるからである。これは、可撓ブレード部分1 86に生じる引張りのモーメントアームを減少し、また各々のブレード半体の各 各の凹部の外端部および対応する補強部材の間の材料の体積量を減少させるから である。これは右ブレード半体182の可撓ブレード部分186、および左ブレ ード半体184の可撓ブレード部分200の幅方向の張力を減少させる。このよ うな幅方向の張力を減少させることで、各々のブレード半体は使用時に幅方向の 離隔を一層受け易くなる。これは、各々のブレード半体が一層減少された迎え角 となるように捩れることが可能になると、発生された揚力の幅方向成分が大きく なるからである。このような状態では、右補強部材188および左補強部材20 2の剛性は、使用時の幅方向の離隔の発生を十分に減少させるのに有効となる程 度に増大されねばならない。これは空運動を減少し、各々のブレード半体から足 入れ空間180へ伝えられる揚力の大きさを増大させる。右補強部材188およ び左補強部材202はその肉厚の増大、横断面形状の変化、一層剛性の大きい材 料との交換、または繊維、ビード、ビーム、ワイヤー、ロッド、チューブ、フィ ラメント、織物材料およびメッシュまたは他の同様な補強部材を追加すること、 によって一層大きな剛性に作ることができる。 図20は、この図面において前部横方向の凹部286、中間横方向の凹部28 8および後部横方向の凹部290が図18および図19に示された前部横方向の 凹部256、中間横方向の凹部258および後部横方向の凹部260と置き換え られたことを除いて、図18および図19に示されたのと同じ数を示している。 図20において、前部横方向の凹部286、中間横方向の凹部288および29 0はその全てが右補強部材188のかなり近くまで延在し、曲がり領域304で 終端していることが見られる。代替実施例においては、l以上の横方向の凹部が 右補強部材188までずっと延在して、可撓ブレード部分186の少なくとも2 つの隣接したパネルが互いに完全に分けられるようにすることができる。図20 において、前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後部横 方向の可撓膜302はそれぞれ前部横方向の凹部286、中間横方向の凹部28 8および後部横方向の凹部290により形成される間隙を差し渡されて見られる 。前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜200および後部横方向の可 撓膜302の各々は水泳用足ヒレが休止状態の状態で弛んだ折り畳み部分を有し ており、前部パネル292、中間パネル294および後部パネル296は使用時 に可撓ブレード部分186を横断した捩り形状を形成するように変形できる。こ れは、水圧が可撓ブレード部分186の各々のパネルを変形させたときに、前部 横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後部横方向の可撓膜3 02の緩んだ折畳み部分が各々の横方向の凹部を拡張できるようにしているから である。前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後部横方 向の可撓膜302は可撓ブレード部分186に膨張領域を形成しており、これら の領域はそれらを横断する連続した材料を有して、水が前部横方向の凹部286 、中間横方向の凹部288および後部横方向の凹部290を通過できないように している。 代替実施例において、滑らかな連続ストリップを内縁198に固定できる。内 縁198には溝が形成され、その溝内に穴、凹部、開口などを有しており、この 滑らかなストリップが内縁198に対してモールド成形されるときにその溝およ び対応する凹部を充填して強力な機械的結合部を形成するようになされる。前部 横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後部横方向の可撓膜3 02はこの滑らかなストリップに取付けられ、その滑らかなストリップと一体的 にモールド成形されることができる。このストリップは一層確実な結合を得るた めに、ならびに前部横方向の可撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後 部横方向の可撓膜302と、可撓ブレード部分186との間に存在する収縮性の 差を調整するために使用できる。このような滑らかなストリップは望まれるなら ば後縁196’および後縁196の全長のまわりに延在することもできる。 図21は使用時の図20の実施例の両方のブレード半体を示す側面斜視図であ る。図21において、この水泳用足ヒレは足入れ空間180の下側の矢印によっ て示される下方へキックされる。使用時にブレード半体が変形すると、各々の横 方向の凹部は拡張して、その対応する横方向の可撓膜が実質的に三角形となるよ うに拡張するのが見られる。各々の横方向の可撓膜は使用時に完全に拡張される と、その材料内部に張力が発生される。与えられた横方向の可撓膜に生じたこの 張力はその対応する横方向の凹部の拡張を止める。したがって、水泳用足ヒレが 休止状態のときに各々の横方向の可撓膜に設計された弛みの度合いは、使用時の 各々のブレード半体に沿って生じることのできる変形程度を実質的に定める。可 撓膜が完全に拡張されると、隣接するパネル間の凹部はさらに離隔するのを阻止 される。この利点は、可撓ブレード部分186を所望の最大捩れ状態となるよう にだけ捩れさせるために使用できる。このような抑制機構は、ブレード半体が激 しいキックストローク時に、または水泳用足ヒレが大きな波や強力な流れのよう な激しく乱れた水中で使用されるときに、過大な変形が生じるのを防止すること ができる。 各々の横方向の凹部を横断する横方向の可撓膜を使用する他の利点は、その可 撓膜がより一層連続的なブレード形状を形成し、また各々の個別化されたすなわ ちセグメントとされたパネルの間において乱流を減少させることである。代替実 施例においては、いずれかの個数の横方向の凹部がそれらの内部に横方向の可撓 膜を備えて使用されることができる。使用されるこれらの機構の個数が増えれば 増えるほど、捩れ形状に形成されたときに得られる結果的な輪郭形状が滑らかに なる。より多数の可撓膜が使用されると、各々の横方向の可撓膜に設計された弛 み量は減少されて、使用時の捩れたときの形状を滑らかに、より一層漸次的な形 状にする。望まれるならば、各々の横方向の可撓膜は水泳用足ヒレが休止状態に あるときにいかなる弛みも可撓膜に蓄えられないように設計することができる。 各々の横方向の可撓膜の弛み量は隣接するパネル間で変化されて、変形したブレ ード半体に各種さまざまな形状が得られるようにすることができる。 可撓膜の一般的な目的は、使用時に各々のブレード半体を小さな抵抗しか生じ ない状態で捩れるようにすることのできる撓み領域を形成することである。この ような捩れ領域の方向基準線、形状、配向、および配置は、使用時の捩りに対す る各々のブレード半体の抵抗を大きく減少できるいずれかの望まれる方法で変化 させることができる。 図22は、この図面で長手方向の可撓膜318が追加されていることを除いて 、図20および図21に示されたのと同じ水泳用足ヒレの一部断面とした斜視図 を示している。長手方向の可撓膜318は、新たに形成された前部パネル320 、中間パネル322および後部パネル324を可撓性の大きい材料部分を有する 右補強部材188から分離している。これにより、使用時に水圧が作用したとき に前部パネル320、中間パネル322および後部パネル324の右補強部材1 88に対する枢動能力を大きく増大されている。長手方向の可撓膜318を作る のに使用される材料は、前部パネル320、中間パネル322および後部パネル 324を作るのに使用される材料よりも可撓性の大きいことが好ましい。この結 果、長手方向の可撓膜318は変形に対する僅かな抵抗を与えるが、使用時の減 少された迎え角になるまでの前部パネル320、中間パネル322および後部パ ネル324の効果的な移動を増大させる。これは前部横方向の可撓膜298の大 きな弛み状態と組合って、使用時に前部パネル320が根元部分319の下方へ 大きな距離を枢動できるようにする。これは前部パネル320がかなり減少され た迎え角となるように枢動可能にするので、かなり良好な取り付いた流れ状態が 右ブレード半体182の低圧面の広い領域に沿って形成されることができる。 図23は図22の線23−23に沿う横断面図を示している。図23において 、後部パネル324は使用時に大きく減少された迎え角の状態となるように変形 される。長手方向の可撓膜318は右補強部材188の内縁192の中に、なら びに後部パネル324の中に差込まれて示されている。長手方向の可撓膜318 の大きな弾性が十分に小さな曲がり領域のまわりでの湾曲を可能にしている。こ れは右ブレード半体182の流線形を強める。 この実施例においては後部パネル324によって大きく減少された迎え角が右 ブレード半体182の低圧面に沿う剥離を大きく減少し、取り付いた流れを増大 させる。右補強部材188の外側をまわって流れる流入する流れ326の流線は 十分良好な取り付いた流れとして流れることができるので、揚力ベクトル328 が効率的に発生される。後部パネル324の迎え角は図23にかなり減少されて 示されているが、後部パネル324は使用時にいずれの望まれる迎え角および輪 郭形状となるように変形できるように設計することができる。 代替実施例において、各々の横方向の凹部および対応する横方向の可撓膜は、 長手方向の可撓膜318に連結される必要はない。その代わりに1以上の横方向 の凹部およびそれぞれの対応する可撓膜は長手方向の可撓膜318と別個に配置 されて、横方向の凹部および可撓膜に隣接する2つのパネルが長手方向の可撓膜 318の近くで連結される。長手方向の可撓膜、および横方向の凹部と長手方向 の可撓膜318との間の連結のいずれの組合わせも使用できる。多数のこのよう な横方向の可撓膜が使用できる。また、いずれの個数の追加される長手方向の可 撓膜も相応に使用できる。さらに他の実施例においては、全てまたは幾つかの可 撓膜はパネルおよび(または)右補強部材188と同じ材料で作ることができる 。そのような状態では、これらの可撓膜はブレードの残部として同時にモールド 成形できるが、ブレードの残部よりは格段に薄く作られる。さらに他の実施例に おいて、前部パネル320、中間パネル322および後部パネル324がかなり 堅固な材料で作られて、全ての変形が長手方向の可撓膜318、前部横方向の可 撓膜298、中間横方向の可撓膜300および後部横方向の可撓膜302によっ て形成されるようにできる。 図14〜図23に示したさまざまな設計上の特徴を有する可撓性の試験モデル の水泳用足ヒレによる実験は、従来技術の構造上の欠点を有す試験モデルの水泳 用足ヒレを上回る劇的に向上された性能を示した。本発明の改良された水泳用足 ヒレ設計は、使用時に効率的な揚力を発生する配向を保持するために補強部材が 十分大きな剛性を与える状態のもとで実質的に流れ幅方向の軸線のまわりで大き な捩れが形成できるように設計されるときに、脚、踝および足の緊張を劇的に減 少させる一方で水泳速度は広い範囲で増大できる。従来技術の足ヒレ設計(現在 入手できる最も一般的な足ヒレ設計の幾つかを含む)は時速約1.2km(0. 75マイル/時)の遊泳速度を与えるのに対し、本発明の適当に設計された水泳 用足ヒレは同様な、あるいは一層穏やかなキックストロークによってさえも実質 的に時速3.2km(2マイル/時)を超える速度を与えた。本発明の水泳用足 ヒレ設計の多くは、泳者の足首だけでキックされ、脚の動きは全くない状態にお いてすら、容易に時速3.2km(2マイル/時)を超える遊泳速度を得ること ができる。従来技術の足ヒレによる同様なキックストロークは踝の大きな緊張を 引き起こし、ほとんど前進速度を得られない。 推進力を増大させることに加えて、本発明の水泳用足ヒレ設計は従来技術に勝 る抵抗力とキック抵抗との劇的な減少も与える。従来技術の試験モデルは、穏や かなキックストロークによって1〜20分間の時間内にかなり大きい脚、踝およ び(または)足の疲労を生じるのに対して、本発明の適当に設計された水泳用足 ヒレは泳者の脚または踝に大きな疲労を招くことなく数時間に及ぶ連続使用を可 能にする。使用時に実質的な長手方向の軸線のまわりでかなり大きい捩れが許さ れるとき、抵抗の大きさは、裸足でいるのと同様な容易さで水泳用足ヒレが水中 を移動すると感じるほど小さくなる。これは使用者の脚、踝および足の筋肉を穏 やかなキックストローク時に完全に弛緩でき、疲労や痙攣の起きる可能性がほと んど完全になくなるようにできる。数時間の遊泳後でも、泳者は脚、踝または足 は突っ張らずに、一般的な水泳行動が行える。これは、ブレードの抵抗が泳者の 脚、踝または足に早期の疲労を引き起こすような従来技術の設計に勝る重要な改 良である。 これらの結果は、水中を移動する水泳用足ヒレの運動抵抗が増えるほど大きな 推進力が与えられるとの考えに捕らわれた従来の水泳用足ヒレ設計の基本を否定 する。この考えは、堅固で服従変形を生じない足ヒレが最も効率的であるとする スキューバ用の水泳用足ヒレ設計の分野で特に根強い。 図24〜図27の説明 図24はブレード部分に予め形成された通路を有する代替実施例の水泳用足ヒ レの前面斜視図を示している。足入れ空間348は泳者の足を受入れ、足プラッ トホーム350は足入れ空間348の下側に配置されている。足入れ空間348 は機械的な結合装置および(または)化学的な接着剤によって足プラットホーム 350に取付けられるのが好ましい。足プラットホーム350の右側に右補強部 材352が配置され、足プラットホーム350の左側に左補強部材354が配置 されている。右補強部材352および左補強部材354は共に適当な方法で足プ ラットホーム350に取付けられている。例えば、足プラットホーム350、右 補強部材352および左補強部材354は実質的に剛性の材料で一体部品として モールド成形されることができる。材料の例には、耐侵食金属、金属繊維で強化 された熱可塑性材料、および他の繊維で強化された熱可塑性材料が含まれる。所 望の大きさの剛性を与えるために材料の組合わせも使用できる。 足プラットホーム350、右補強部材352および左補強部材354の間に通 路の形成されたブレード部分356が配置され、これらのブレード部分は足プラ ットホーム350、右補強部材352および左補強部材354によって形成され る平面よりも下方へ緩んだ状態で垂れ下がっている。この実施例では、通路ブレ ード部分356は右可撓膜358、右ブレード部材360、中間可撓膜362、 左可撓膜364、および左ブレード部材366を有する。右可撓膜358は右補 強部材352と右ブレード部材360との間に張り渡されている。右可撓膜35 8は弾性が大きい材料で作られるのが好ましいが、右ブレード部材360は右可 撓膜358を作るのに使用された材料よりも実質的に一層剛性の大きい材料で作 られるのが好ましい。右可撓膜358はいずれかの適当な方法で右補強部材35 2および右ブレード部材360に連結される。左可撓膜364は同様な方法で左 補強部材354および左ブレード部材366に連結される。左ブレード部材36 6および右ブレード部材360の間に中央凹部368が形成される。中間可撓膜 362は足プラットホーム350、右可撓膜358、右ブレード部材360、左 可撓膜364および左ブレード部材366に対して、相対運動を可能にするいず れかの適当な方法で連結される。中間可撓膜362は右可撓膜358および左可 撓膜364に使用されたような弾性の大きい材料で作られるのが好ましい。 この実施例は少なくとも2段階および2種の材料で作られる。まず第1に、足 プラットホーム350、右補強部材352、左補強部材354、および左ブレー ド部材366が実質的に剛性の熱可塑性材料でモールド成形される。第2に、足 入れ空間348、中間可撓膜362、右可撓膜358および左可撓膜364が、 足プラットホーム350、右補強部材352、左補強部材354、右ブレード部 材360および左ブレード部材366に適当に配置されている開口、溝または凹 部を充填するようにして弾性の大きい熱可塑性材料でモールド成形される。代替 実施例では、中間可撓膜362は剛性または半剛性の材料で作られることができ 、いずれかの適当な方法によって足プラットホーム350、右可撓膜358、右 ブ レード部材360、左可撓膜364および左ブレード部材366に枢動可能に連 結される。 この実施例においては、右可撓膜358、右ブレード部材360、中間可撓膜 362、左可撓膜364および左ブレード部材366は、水泳用足ヒレが休止状 態にあるときに予め定めた長手方向の通路が形成されるように、連結され、配置 される。この通路の深さ、幅、長さ、形状、基準線、および輪郭は望まれるまま に変化させることができる。 図25は使用時の同じ水泳用足ヒレの側面斜視図を示している。足入れ空間3 48の上方の矢印は水泳用足ヒレがキックされる方向を示す。 図26は反対方向へキックされた同じ水泳用足ヒレの側面斜視図を示す。足入 れ空間348の下方の矢印はキック動作の方向を示している。通路ブレード部分 356の形状はこのストロークで逆転されて見られる。 図27は、中央凹部368によって形成された間隙を満たすために通水中央膜 370が追加されたことを除いて、同じ水泳用足ヒレの前面斜視図を示している 。通水中央膜370は右ブレード部材360、中間可撓膜362、および左ブレ ード部材366に対して機械的な結合装置および(または)化学的な接着剤のよ うないずれかの適当な方法によって連結される。この実施例では、通水機構37 2は4つの実質的に長方形の通水穴を使用しているが、この通水穴はいずれの形 状、寸法、個数および配置とすることができる。例えば、通水機構372は一層 大きい通水穴または唯一の大きい通水穴を有して、通水中央膜370が実質的に ほんの僅かな量の材料で作られるようにすることができる。この状態では、通水 中央膜370は実際には右ブレード部材360を左ブレード部材366に連結す るための中央凹部368を横方向に横断して張り渡された幅の狭い可撓ストリッ プ、ストリング、ケーブルまたはコードとなる。 通水中央膜370は可撓性の大きい材料で作られるのが好ましい。望まれるな らば、通水中央膜370は右可撓膜358、中間可撓膜362および左可撓膜3 64を作るのに使用されたのと同じ材料で作ることができる。代替実施例におい て、通水中央膜370は、右ブレード部材360、中間可撓膜362および左ブ レード部材366に対して動きを可能にするいずれかの適当な方法で枢動可能に 取付けられるならば、一層剛性の大きい材料で作ることができる。 図24〜図27の作動 図24において、通路ブレード部分356は水泳用足ヒレが休止状態にあると きの予め形成された長手方向の通路を形作るように見られる。右可撓膜358、 中間可撓膜362および左可撓膜364は、部分358が十分に大きな水圧を付 与される必要なくこの形状を形作れるようにするために十分な可撓性とされるの が好ましい。このような可撓性はまたキックの方向が逆転されたときに通路ブレ ード部分356が素早く且つ効果的に逆転できるようにする。 通路ブレード部分356は、右可撓膜358および左可撓膜364がそれぞれ 右ブレード部材360および左ブレード部材366よりも流入する流れに対して 減少された迎え角で自然に配向されるように、予め付形されるのが好ましい。こ の結果、通路ブレード部分356の湾曲における最大の変化は、その外側縁の実 質的に近くに形成される。したがって、通路の幅方向を横断してパラボラ形状と なることは回避される。これは、右可撓膜358および右ブレード部材360の 間、ならびに左可撓膜364および左ブレード部材366の間に凹状の迎え面お よび凸状の低圧面を形成することで改良された水中翼形状を与える。 このような予め形成された水中翼形状は中間可撓膜362を使用することで可 能とされる。中間可撓膜362の側縁は、この図面では各々のブレード半体に改 良された水中翼形状を形成するように角度を付して配向されているのが見られる 。代替実施例においては、これらと同じ方法を使用して、より多数のブレードセ グメント、可撓膜および枢動連結を使用することで、より大きな湾曲を有する一 層高性能な水中翼形状を形成することができる。いずれの場合においても、中央 凹部368は使用時に通路内に生じる背圧を減少させるために使用される。 図25は使用時の同じ水泳用足ヒレの側面斜視図を示す。中間可撓膜362は 通路内へ向かっての、また水泳用足ヒレの後部へ向かっての水の移動を促進する ように形成されているのが見られる。 図26はキックの方向が逆転されたときに通路ブレード部分356が逆転され ることを示している。これは、右可撓膜358、右ブレード部材360、中間可 撓膜362、左可撓膜364および左ブレード部材366の結合縁が互いに、ま た足プラットホーム350、右補強部材352、および左補強部材354の結合 部に対して、撓み、曲げまたは枢動を可能にする方法で取付けられているために 可能とされ。足プラットホーム350、右補強部材352および左補強部材35 4だけはそのような動きに抵抗するような方法で互いに堅固に取付けられている 。足プラットホーム350、右補強部材352および左補強部材354の剛性は 、通路ブレード部分356の形状を望まれる方法で制御できるようにする。通路 は予め形成されているので、変形抵抗は減少される。これは水泳用足ヒレを各々 のストロークの大半の部分にわたって最適な配向に位置させる。これは、このよ うな配向を形成するのに必要とされる最低水圧がかなり減少されるからである。 これは最適な変形を生じるために通常使われるエネルギーおよび時間の大部分を 推進力に効率的に変換させる。 図27において、通水中央膜370は中央凹部368で形成される間隙を埋め 合わせるように追加される。通水中央膜370は可撓材料で作られているので、 毎回のストロークの逆転位置において右ブレード部材360および左ブレード部 材366が互いに向かって揺動されるときに容易に折重なることができる。これ は、通路が右補強部材352および左補強部材354の間で反転移動するときに ブレードの詰まりを生じることなく通路の形状を素早く反転できるようになす。 通水中央膜370の一つの利点は、右ブレード部材360および左ブレード部 材366の角度の付いた配向に関して大いに制御できるようにしたことである。 通水中央膜370は中央凹部368が使用時に望ましくない程にまで離隔される のを防止するために使用できた。これは右ブレード部材360および左ブレード 部材366の後部に近い位置の減少された迎え角が、望まれる最大レベルを超え ないように制限されることを可能にする。これは右ブレード部材360および左 ブレード部材366の後部が激しいキックストローク時に過小迎え角となるよう に捩れるのを防止できる。 通水機構372は使用時の通路の迎え面側に生じる背圧を減少させるのに使用 される。通路の側面は通路ブレード部分356の迎え面側に沿って通路内へ水を 導くように内方へ傾いているので、内方へ向かって移動する水が発生する過大な 背圧を通水機構372が通路底部から流出させるようにする。これは、内方へ向 かって流れる水が遮られることなく通路の中央へ向かって流れ続けられるように する。この結果、通路は水が逆流して水泳用足ヒレの側縁をまわって外方へ流れ るようになる「溢水状態」に陥ることはほとんどなくなる。この問題が解決され たので、破壊的な誘導抵抗渦の形成はそれらの外縁に沿って大いに減少される。 通水機構372は通路ブレード部分356の各側から内方へ向かって水が連続 的に流れるのを促進させるので、この内方へ向かって流れる水が水泳用足ヒレの 中心軸線に沿って衝突するときに迎え面に沿って水圧が発生する。また、通路ブ レード部分356の迎え面に沿って流れる水の幾分かが通水機構372を通過す るとき、通路ブレード部分356の低圧面(風下面)をまわって流れる水と再合 流することができる。これにより、低圧面に沿う水が一層速い速度で流れて、ベ ルヌーイの定理により揚力を発生する。これらの要素は劇的に抵抗を減少し、推 進力を増大させる。これらの利点は、長手方向の通路を使用することで推進力を 得るような従来技術の足ヒレを超える主要な改良を与える。 代替実施例において、通水機構372はいずれかの望まれる形状をアピールす ることができる。通水穴の寸法は通水流量を増大させるように大きくすることが できる。通水穴のまわりの通水中央膜370の前部および後部は、水中翼の形状 にして効率を向上し、さらに抵抗を減少させることができる。通水機構372は また寸法の大きい少数の通水穴を有して、効率を向上させることができる。通水 機構372はまた、図示した一連の長方形の通水穴に代えて、互いに平行で間隔 を隔てて横方向に並んだ一連の長手方向に延在する通水穴を有することができる 。このような長手方向の通水穴は望まれるならば水泳用足ヒレの全幅にわたって 拡張されることができる。そのような通水穴の間のブレード部分は、実質的に幅 方向に流線形をした水中翼形状とされて揚力を増大させることができる。 他の実施例は、撓まないが、枢動可能にするいずれかの適当な方法で右ブレー ド部材360、左ブレード部材366および中間可撓膜362に連結される剛性 材料で作られた通水中央膜370を有することができる。また通水中央膜370 を完全に省略することもできる。この場合、右ブレード部材360および左ブレ ード部材366は中央ブレード部分を形成するように一体部品としてモールド成 形することができ、またブレードの迎え面に沿う背圧を減少させるために一連の 通水穴がこの中央ブレード部分に切込まれて形成されることができる。反対方向 のストロークにおいても同じ性能を得るために、中央ブレード部分は実質的に平 坦な形状に作ることができる。凹状の通路は右可撓膜358および左可撓膜36 4によって形成されるだけであり、これらの可撓膜は中央ブレード部分が往復す る両ストロークにおいて凹状通路となるように変形させるのに十分な弛みを有し て作ることができる。これはさらに従来技術を超えた性能の大きな向上を可能に する。何故なら、通路内で背圧が減少される一方、通路の外縁部分は大きな下反 角を形成するような変形を示すからである。中央に位置した通水穴はまた水中で の足ヒレの動きを安定させる助けをなし、垂直方向にキックしたときに落ち葉の ように横方向に揺れる傾向を大きく減少させる。背圧の減少はまた水中でキック された足ヒレによって発生される抵抗を減少し、使用による疲労の少ない足ヒレ となす。通路内の背圧の減少はまた足ヒレを水面で使用し易くする。何故なら、 これはキックストローク時に水中へ足ヒレが再進入するときに水面をキャッチす る傾向を減少させるからである。 図28〜図30の説明 図38は実質的に対称的な水泳用足ヒレの右半体の一部断面とした斜視図であ る。足入れ空間374は泳者の足を受入れ、またいずれかの適当な方法、例えば 機械的結合装置または化学的接着剤によって足プラットホーム376に取付けら れる。足プラットホーム376の外縁はいずれかの適当な方法で右補強部材37 8に取付けられる。例えば、足プラットホーム376および右補強部材378は 一体部品として同じ材料でモールド成形されることができる。足プラットホーム 376および右補強部材378は十分に剛性の大きい材料で作られて、使用時に 過大な変形を生じないようになされる。 足プラットホーム376(右補強部材378の爪先の近く)の前方と右補強部 材378の内縁との間に可撓ブレード部分380が垂下されており、この可撓ブ レード部分380は可撓膜382と、前方リブ対384と、後部リブ対386と で構成されている。可撓膜382はかなり小さい水圧の作用で容易に変形するデ ィスプレースメント洗浄の大きい材料で作られるのが好ましい。可撓膜382は 機械的な結合装置または化学的な接着剤よって足プラットホーム376および右 補強部材378に取付けられる。可撓膜382は右補強部材378の内縁に沿っ て、また足プラットホーム376の前部に沿って形成されている溝に入り込むの が好ましい。溝は一連の穴、凹部または開口を有しており、モールド成形時にそ れらの中を可撓膜382が充填する。この図面から右補強部材378は足プラッ トホーム376の前縁に沿って形成されている溝内に入り込んでいるのが見られ る。 この実施例において、前方リブ対384は剛性のかなり大きい材料で作られた 幅の狭いストリップで形成されるのが好ましい。それらのストリップの一方は可 撓膜382の上面に取付けられ、他方のストリップは可撓膜382の下面に取付 けられる。これらのストリップはいずれかの適当な方法で可撓膜382に取付け られる。例えば、前方リブ対384の2つのストリップは可撓膜382を「挟持 」する一方、可撓膜382に形成されている開口、凹部または穴を挿通される適 当な機械的な突起によって互いに取付けられる。機械的な結合装置および(また は)化学的な接着剤が前方リブ対384の2つのストリップを互いに、また可撓 膜382に対して固定するのに使用できる。同様に、後部リブ対386はいずれ かの適当な方法で可撓膜382に取付けられる。 代替実施例において、可撓膜382の片側から単一リブが突出されるが、可撓 膜382の他側は滑らかな状態を保持するようにできる。前方リブ対384はモ ールド成形時に形成されるような、可撓膜382の平面の上方または下方に延在 する可撓膜382の肉厚部分とされて、僅かな部品や組立て段階を浮揚とするこ ともできる。可撓膜382の上面および下面を実質的に滑らかな状態に保持する ように、可撓膜382の内部に剛性部材を使用することもできる。この場合、可 撓膜382はそのような部材の上からかつその回りにモールド成形される。 初期曲がり領域388は可撓膜382に沿う破線で示されており、これは後部 先端390に近い可撓膜382の位置を起点として、足プラットホーム376に 近い可撓膜382の内縁392の基部まで延在している。変化された曲がり領域 394は可撓膜382に沿う破線で示されており、これは後部先端390に近い 可撓膜382の位置を起点として後部リブ対386のが左端へ延在し、次ぎに前 方リブ対384の外端部へ延在し、最終的に足プラットホーム376に近い内縁 392の基部へ延在している。前方リブ対384および後部リブ対386の外端 部は右補強部材378の内縁から比較的僅かな距離を隔てられているので、変化 された曲がり領域394もまた同じ比較的僅かな距離を右補強部材378の内縁 から隔てられる。変化された曲がり領域394は初期曲がり領域388よりも右 補強部材378に十分接近しているのが見られる。 図29は、使用時に可撓膜382が変化したときの図28の線29−29に沿 う横断面図を示している。図29において、流入する流れ396は右補強部材3 78、可撓膜382および前方リブ対384に向かい、そのまわりを流れる2つ の流線によって示されている。水平方向の破線は、休止位置にあるときの前方リ ブ対384および可撓膜382の位置を示しているのに対し、実線は可撓膜38 2が使用時に流入する流れ396の圧力作用のもとで変形したときの前方リブ対 384および可撓膜382の位置を示している。流入する流れ396の流線は滑 らかに流れて揚力ベクトル398を発生する。 図30は使用時に可撓膜382が変形したときの図28の線30−30に沿う 横断面図を示している。図30において、水平方向の破線は水泳用足ヒレが休止 位置にあるときの後部リブ対386および可撓膜382の位置を示している。実 線は使用時に流入する流れ400が可撓膜382を変形させたときの後部リブ対 386および可撓膜382の位置を示している。実線を有する横断面図は可撓膜 382の両側から延在する後部リブ対386を示す。流入する流れ400は右補 強部材378、可撓膜382および後部リブ対386に向かってそのまわりを滑 らかに流れる2つの流線によって示されている。流入する流れ400は図29に 示された流入する流れ396を発生するのと同じキックストローク時に発生され る。 図28〜図30の作動 図28の可撓膜382は弾性が大きいので、かなり小さい水圧の作用のもとで も容易に変形される。したがって、前方リブ対384および後部リブ対386が この設計において構造的な支持を行うように使用されなければ、初期曲がり領域 388と内縁392との間の可撓膜382の部分は圧潰され易く、初期曲がり領 域388のまわりで0゜またはほぼ0゜の迎え角となるように曲げられ易い。こ のような過大な変形は図15または図16を振り返り、大撓み位置246を参照 すればれば分かる。したがって、このような望ましくない変形された形状が図2 8で生じるのを防止するために、可撓膜382が初期曲がり領域388のまわり で急激に曲がるのを防止するように前方リブ対384および後部リブ対386が 使用される。前方リブ対384および後部リブ対386は実質的に剛性であるの で、可撓膜382は初期曲がり領域388のまわりで曲がることができず、変化 された曲がり領域394が可撓膜382に沿って形成される。 初期曲がり領域388と右補強部材378との間の可撓膜382の部分は、初 期曲がり領域388と内縁392との間の可撓膜382の部分よりも、実質的に 長手方向の軸線のまわりの捩れに対して大きな抵抗力を示すが、前方リブ対38 4および後部リブ対386の存在が可撓膜382の大きな部分を所望されるよう に変形できるようにしている。 初期曲がり領域388と内縁392との間の可撓膜382の部分は水圧作用の もとで容易に変形できるので、実質的に回転軸線として機能する初期曲がり領域 388によって前方リブ対384および後部リブ対386に捩りモーメントが作 用する。これは初期曲がり領域388と内縁392との間の前方リブ対384お よび後部リブ対386の部分を、加えられた水圧から離れる方向へ枢動させる。 同時に、初期曲がり領域388と右補強部材378との間の前方リブ対384お よび後部リブ対386の部分は作用する水圧へ向かう方向へ枢動しようとする。 しかしながら、前方リブ対384および後部リブ対386の外縁は、可撓膜38 2上の、右補強部材378に十分に接近した位置にて終端しているので、右補強 部材378と、前方リブ対384および後部リブ対386の外側縁との間の可撓 膜382の材料内部に張力が発生される。この張力は、可撓膜382および後部 リブ対386の外端部が右補強部材378の位置する水平面よりもかなり上方へ 回転するのを防止する。右補強部材378の剛性は、使用時に前方リブ対384 および後部リブ対386の外側端部の動きを抑制するこの張力がさらに最大化す るのを防止する。この結果、使用時に前方リブ対384および後部リブ対386 に生じた捩りモーメントは初期曲がり領域388と394との間の可撓膜382 の部分に梃子作用を与え、それらの部分を減少された迎え角となるように枢動さ せる。可撓膜382は弾性の大きい材料で作られるので、かなり小さい水圧が作 用する状態のもとでも適当な大きさの変形が得られる。この結果、変化された曲 がり領域394と内縁392との間の可撓膜382の部分は、たとえ泳者が比較 的軽いキックストロークを用いた場合であっても、実質的に均等且つ効率的に変 化された曲がり領域394のまわりで素早く枢動して、減少された迎え角となる 。 初期曲がり領域388と変化された曲がり領域394との間の可撓膜382の 部分はこのような変形に対抗する抵抗を与えるので、枢動の大きさはこの抵抗に よって制御される。これは、可撓膜382の大部分が0゜またはほぼ0゜の迎え 角にまで圧潰されることなく、使用時に所望される減少された迎え角となるよう に変形することを可能にする。したがって、可撓膜382のこれらの抵抗部分に よって与えられる抵抗力は、使用時に示される実際の迎え角に関して所望の制御 状態を達成できるようにさせることで、ここにおいて利点となる。変形の大きさ に影響を与える変数の幾つかは、可撓膜382の実抵抗力、水泳用足ヒレが休止 状態にあるときに足プラットホーム376と右補強部材378との間の可撓膜3 82に発生した張力(または無張力)、右補強部材378に蓄えられた剛性/可 撓性の大きさ、および前方リブ対384および後部リブ対386に蓄えられた剛 性/可撓性の大きさを含む。これらの変数の1つあるいはそれ以上は、使用中に 所望の変形量を生じるべく変更されることができる。 この実施例の他の利点は、使用時に大きな迎え角に保持される可撓膜382の 全体部分が実質的に減少されることである。大きな迎え角に保持される可撓膜3 82の部分だけが変化された曲がり領域394と右補強部材378との間に存在 する。これは初期曲がり領域388と右補強部材378との間の部分よりもかな り小さい。変化された曲がり領域394は右補強部材378に近いので、滑らか な流れが可撓膜382の低圧面に沿って形成される。また、より多量の水が右補 強部材378から離れて内縁392へ向けて導かれる。これは効率をかなり高め て推進力を増大させる。 図29および図30に示された横断面図を比較すれば、図30の可撓膜382 および後部リブ対386は図29に示された可撓膜382および前方リブ対38 4よりも小さな迎え角で傾けられる。これは可撓膜382が使用時に長さに沿っ て捩れた配向となることを示す。 図30の後部リブ対386は図29の前方リブ対384よりも減少された迎え 角となるように枢動できる。何故なら、図30の後部リブ対386は可撓膜38 2の捩りを防止する応力の影響を僅かしか受けないからである。図28に戻って 見れば、後部リブ対386の長さの大部分は初期曲がり領域388と392との 間にあり、これに対して後部リブ対386の実質的に小さい部分だけが初期曲が り領域388と変化された曲がり領域394との間にあるのが見られる。この結 果、後部リブ対386の実質的に小さい部分だけが捩れに抵抗する可撓膜382 の部分(初期曲がり領域388と変化された曲がり領域394との間)に存在す る。図28の前方リブ対384を見ると、その長さの実質的に大部分は初期曲が り領域388と変化された曲がり領域394との間(可撓膜382の内部張力が かなり大きい)にあるのが見られる。この抵抗力の差は後部リブ対386を前方 リブ対348よりかなり小さい迎え角となるように枢動させる。何故なら、後部 リブ対386は前方リブ対384よりも小さい捩りに対抗する抵抗力を受けるか らである。可撓膜382の迎え角はブレードの後部へ向かって減少するので、水 は加速された速度でそれらの後部へ向かって流れるのを促進される。このことは 、推進力を顕著に増大する。 図29および図30に示された横断面図で、前方リブ対384および後部リブ 対386は可撓膜382を右補強部材378に実質的に接近した位置で変形させ る機能を示している。効率的に揚力を発生させる流れ状態は、流れの剥離および 抵抗が大きく減少されたときに発生される。可撓膜382はキックの方向が反対 のストローク時に逆転されるときに同様に変形できることを意図されている。 概要、結果および範囲 したがって、読者は本発明の水泳用足ヒレ設計、流れの制御方法、および応力 の制御方法がブレードの反対両面の間に生じる圧力差を増大させて改良した揚力 レベルを効果的に発生させるのに使用できることが分かるであろう。読者はまた 本発明が水泳用のストローク時に発生するブレードの上の抵抗を大きく減少させ るのに使用できることが分かるであろう。さらに、本発明の設計および方法は下 記の点で付加的な利点を与える。すなわち、 (a) 使用時に低圧面のまわりの流れの剥離を十分に減少させる可撓性の水 中翼設計を提供し、 (b) 踝および脚に疲労が生じるを十分に減少させる水泳用足ヒレ設計を提 供し、 (c) 泳者にとっての使用中の不都合または脚、踝または足の痙攣によって 一時的に動けなくなる状態を十分に減少させることで、高い安全性と大きな楽し みとを与える水泳用足ヒレを提供し、 (d) ビギナーにとっても熟練した泳者のように容易に使用できる水泳用足 ヒレ設計を提供し、 (e) 使用するのにかなりの体力およびアスレチック能力を必要としない水 泳用足ヒレ設計を提供し、 (f) 下方へ向かうストロークで水面上方から水中に再進入するとき、水面 をキャッチする、すなわち急激に停止することなく水面を横断してキックするこ とのできる水泳用足ヒレ設計を提供し、 (g) 水面ならびに水面下で使用されるときに大きな推進力および小さな抵 抗を与える水泳用足ヒレ設計を提供し、 (h) かなり短く穏やかなキックストロークが使用される場合でも大きな推 進力および小さな抵抗を与える水泳用足ヒレ設計を提供し、 (i) 水中翼の側縁に沿って誘導抵抗渦が形成されるのを実質的に減少させ る方法を提供し、 (j) 迎え面に沿う外方へ向かう幅方向の流れ状態を大いに減少させる水中 翼設計を提供し、 (k) 迎え面に沿う流体媒体を外側縁から中心軸線へ向かって流れるように 効率的に集中させて、迎え面に沿う流体圧力を高める水中翼設計を提供し、 (l) 水中翼の外側部分が、水中翼の外側縁に沿って誘導抵抗渦が発生する のを大いに減少させるのに十分な大きさの内方へ向かう幅方向成分を、後方へ向 かう流れのかなりの部分に与えるように促進するのに十分な下反角となる水中翼 設計を提供し、 (m) 低圧面に沿う失速状態を大きく減少させることで向上された揚力を与 える足ヒレ設計を提供し、 (n) かなり大きい迎え角で使用される往復運動式の翼形の風下面に沿う剥 離を大いに減少させる方法を提供し、 (o) 可撓性の水中翼が実質的に幅方向に向かう小さな迎え角の状態に配向 されて、使用時にかなり強力な揚力を発生するのに有効とされる配向を保持でき るようにするのに十分な剛性を有する補強部材を備えた、大きく傾斜された水中 翼の前縁部分および(または)外側縁部分を提供し、 (p) 誘導抵抗を大いに減少させる低アスペクト比の水中翼設計を提供し、 (q) 剛性の推進用水中翼に往復運動サイクルの相反する両方向のストロー クで効率的に揚力を発生させる方法を提供し、 (r) 往復運動式の推進用水中翼に大きな揚力および小さな抵抗を往復サイ クルにおける少なくとも1回のストロークで発生できるようにする方法を提供し 、 (s) 可撓ブレードの材料がその長さに沿っての曲がりよりも、小さな迎え 角となるような長さのまわりでの捩れに対してかなり小さい抵抗を示すようにさ せるのに有効な大きさに、引張りおよび圧縮の捩り応力が可撓ブレードの材料内 部に蓄えられるのを制御し減少させる方法を提供し、 (t) 可撓ブレードの材料が十分に大きな揚力を発生できる予め定めた減少 された迎え角となるように効果的に変形でき、このような変形がかなり穏やかな キックストローク時の水圧の作用でも発生するようにさせるのに有効な大きさに 、引張りおよび圧縮の捩り応力が可撓ブレードの材料内部に蓄えられるのを制御 し減少させる方法を提供し、 (u) 前縁部分および(または)外側縁部分がそれらの風下面に沿ってかな り大きな揚力を効果的に発生できる予め定めた減少された迎え角となるように効 果的且つ容易に変形でき、このような変形がかなり穏やかなキックストローク時 の水圧の作用でも発生するようにさせるのに有効な大きさに、引張りおよび圧縮 の捩り応力が可撓ブレードの前縁部分および(または)外側縁部分の内部に蓄え られるのを制御し減少させる方法を提供し、また (v) 可撓材料を使用時に作用する水圧のもとで幅方向の基準線に対して十 分に減少された迎え角となるように変形できるようにするために、実質的に幅方 向の軸線のまわりでかなり強力な捩りモーメントを可撓材料内部に発生させるよ うに配置された補強部材を有する大きく傾斜した前縁部分を提供する一方、同時 にまた、このような変形を、大きく傾斜された前縁に十分近い位置で発生させて 、揚力を大きく増大させると共に抵抗を大きく減少させるのに有効となる程度に ブレードの風下面のまわりの剥離を減少させる方法を提供する。 上述の説明は多くの仕様を含んでいるが、これらは本発明の範囲を制限するよ うに構成されたのではなく、本発明の現在好ましいとされる幾つかを説明するた めだけのものである。例えば、対称的な2つのブレード半体を有する代わりに、 この2つのブレード半体を水泳用足ヒレの中心軸線に関して非対称とすることが できる。このような実施例では、各々のブレード半体は他方のブレード半体と比 べて長さ、幅、肉厚、傾斜角度、可撓性の度合い、可撓性の変化、剛性の度合い 、捩れの度合い、全体形状、形態的な形状、アスペクト比、輪郭、および断面形 状を相違させることができる。 他の変形例は、一方の可撓ブレード半体だけが使用されて、他側のブレード半 体反対のないものを含むことができる。この場合、そのブレードの寸法は、他方 のブレード半体がそれまで占めていた空間を埋めるように実質的に大きくするこ とができる。このブレードは各々の往復ストロークにおいてテンジクザメやオナ ガザメの細長い1つのブレードのように前後に捩れることができる。 また、たった1つまたは2つのブレードに代えて多数のブレードを使用できる 。2つのブレードを超える数のブレードが使用される場合は、いずれの配向、配 置、基準線、およびブレード形状が使用できる。例えば、ブレードはさまざまな パターンで他のブレードから分岐されることができる。また、一連の幅の狭い大 きく傾斜されたブレードが足入れ空間から実質的に平行かまたは実質的に放射状 に延在されることができる。 2つの並んだ大きく傾斜された可撓ブレード半体が使用される場合は、それら のブレード半体は各々のストロークにおいて水泳用足ヒレの迎え面側に沿って下 反角を付された通路を形成するように捩れる必要はない。この場合、補強部材が 各々のブレード半体の内縁に沿って配置される。これらの2つの補強部材はブレ ード間のの凹部である。したがって、ブレード半体の迎え面に沿って流れる水は 中央の凹部から各々のブレード半体の外側縁へ向かって集中される。水はこの凹 部を通って流れることができるので、取り付いた流れが各々のブレード半体の低 圧面に沿って形成される。各々のブレード半体の補強部材はブレード半体がスト ローク時に互いへ向かって大きく曲がるのを防止するのに十分な剛性であること を意図される。これは、中央の凹部が開いた状態でブレード間に保持されて、取 り付いた流れが各々のブレード半体の低圧面に沿って保持されるようにする。望 まれるならば、1以上の横方向に整列されたビームが2つの補強部材の間に固定 されて、凹部を差し渡されると共に、補強部材が使用時に互いに向かって曲がる のを防止するようにさせることができる。 他の代替実施例は、使用者の足以外の身体部分に取付けられる1つの捩りを生 じる可撓翼の使用を含むことができる。この翼の根元部分は、いずれかの適当な 方法で泳者の身体部分のいずれかの望ましい箇所に取付けられて、泳者が付加的 な推進力および(または)方向の安定を得られるようにして、身体から外方へ延 在される。このようなフィンは使用者の下肢、上肢、お尻、腰、背中、胸、ダイ ビング用機具、肩、腕、手首、または手に取付けるのに適した機構を有すること ができる。このような翼は少なくとも外側部分が大きく傾斜されること、またそ のような外側部分が実質的に流線方向の軸線のまわりで捩れることができるよう に構成されることが好ましい。しかしながら、可撓水中翼が容易に捩れ形状とな れるように変形性を大きく増大させる本発明で使用された方法は、小さな後退角 を有するだけの、または全く傾斜を有していない、または前進角を有する(一部 分または全体に)水中翼にも使用できる。 補強部材に取付けられたブレード部分を有する代替実施例は、枢動する形式の 取付け部を形成するいずれの適当な方法も使用できる。例えば、ブレード部材は 外側縁部分および(または)前縁部分に取付けられたフープ形状の一連の構造部 を有し、補強部材はそれらのフープ形状の構造部に挿入されて、補強部材のまわ りでブレード部材の枢動を可能にする連結を形成することができる。ループ形と された材料部品も同様に使用できる。 捩りに対抗する抵抗を制御する機構を備えた可撓翼は水泳目的以外の目的にも 使用できる。このような改良された可撓翼は、改良された水中翼、水上機、方向 舵、スケグ(キール船尾骨材)、方向安定装置、キール、可撓プロペラブレード 、可撓インペラブレード、ナセル、船のオール、パドル、推進翼、振動推進翼、 および同様な他の翼形装置として使用できる。これらは動力船、帆船、水中船、 半水中船、娯楽用ウォータークラフト、人力ウォータークラフト、セイルボード 、水上スキー、空力および水力玩具、および個人的な推進装置に使用できる。 さらに、上述で説明した実施例および個々の変形例は、望まれる順序、量、配 置および形状において互いに交換および組合わせることができる。 したがって本発明の範囲は図示した実施例によって定められるべきでなく、添 付した請求の範囲およびその法的な等価範囲によって定められるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月5日(1997.8.5) 【補正内容】 【図18】 【図19】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 水泳用足ヒレの性能を改善する方法であって、 (a) 靴部材を形成する段階、 (b) 前記靴部材の近くに配置される根元部分と、前記靴部材および前記根 元部分から間隔を隔てられた前縁とを有して、前記靴部材の実質的に前方に延在 する延在部分を形成しているブレード部材を形成する段階であって、前記ブレー ド部材は前記靴部材に固定するために前記靴部材が前記根元部分の近くで前記ブ レード部材に対してモールド成形される前記段階、 (c) 前記前縁に近い前記ブレード部材の少なくとも前部における幅方向の 基準線を前記靴部材の横方向の基準線に対して或る角度で配向する段階であって 、前記角度は、水泳用のストロークの間に前記水泳用足ヒレが水中でキックされ るとき、前記前部の風下面のまわりを流れる水に流れの剥離が生じるのを大きく 減少させるために前記前部の幅方向の前記基準線が十分に減少された迎え角とさ れるのに十分な大きさである前記段階、 (d) 前記減少された迎え角に関して前側縁および後側縁を前記前部に備え る段階、 (e) 前記水泳用のストロークの間に前記ブレード部材の抵抗を大きく減少 させるのに有効な程度で前記流れの剥離の減少が行われるように、前記減少され た迎え角を有する前記前部に前記ブレード部材の表面積のかなり大きい領域を与 える段階、 (f) 前記ブレード部材の揚力の発生を大きく増大させるために、前記水が 十分に取り付いた流れの状態で前記風下面のまわりを前記前側縁から前記後側縁 へ流れることができるようにするために、前記前部の前記風下面のまわりに実質 的に遮られることのない流路を形成する段階、 (g) 前記前部の前記揚力を大きく増大させるのに有効な程度で前記風下面 に沿って前記取り付いた流れの状態が発生するのを促進することのできる形状を 前記前部の前記風下面に与える段階、および (h) 前記水泳用のストロークの間に前記揚力が前記前部から前記靴部材へ 伝えられるときに前記ブレードが前記揚力の発生に有効な配向を実質的に保持で きるようにするためにかなり大きい剛性を前記ブレード部材に与える段階、 を含んで成る方法。 2. 請求項1に記載された方法であって、前記キックストローク時に前記前部 の風下面が失速するのを防止するのに有効な程度で、取り付いた流れの状態が前 記前部の前記風下面に沿って形成されることを可能にするように構成された予め 定めた形状を前記前部の前記風下面に与える段階をさらに含んで成る方法。 3. 水泳用足ヒレの性能を改善する方法であって、 (a) 水泳活動中の泳者の足に取付けるための足受入れ手段を前記水泳用足 ヒレに備える段階であって、 前記水泳活動には、流体媒体中の前記泳者に与えられた前傾姿勢(proneorien tatuon)における前記足による実質的に垂直面内での実質的に前後のキックスト ロークが含まれる前記段階、 (b) 前記足受入れ部分の爪先部分の実質的に前方へ向かって延在するブレ ード部材を前記水泳用足ヒレに備える段階、 (c) 水泳活動時に発生される水圧の作用で迎え角を減少させるように前記 ブレード部材が実質的に後方へ傾斜した軸線のまわりで枢動できるように、前記 ブレード部材を前記足受入れ手段に枢動可能に連結する段階であって、 迎え角の前記減少は前記ブレードにかなり強力な揚力を発生させるのに有効な 程度とされ、また 前記後方へ傾斜した軸線は、前記揚力の十分強力な横方向成分が前記泳者の前 記前傾姿勢に対して実質的に横方向である方向において前記ブレード部材に与え られるようにするのに十分な角度で後方へ傾斜されている前記段階、 (d) 前記風下面が前記キックストローク時に失速するのを防止するのに有 効な程度で風下面に沿って取り付いた流れの状態を形成できるように構成された 予め定めた形状を前記ブレード部材の前記風下面に与える段階、および (e) 前記揚力の前記横方向成分が前記ブレード部材に与えられ、前記ブレ ード部材から前記足受入れ手段へ伝えられたときに、前記足受入れ手段に関して 前記ブレード部材の横方向の変形をかなり減少させるのに有効な方法で前記水泳 用足ヒレを補強する段階であって、 前記横方向の変形における前記減少が、前記水泳活動時に前記ブレード部材か ら前記泳者の前記足に伝えられる前記揚力の全量をかなり増大させるのに有効な 程度で行われる前記段階、 を含んで成る方法。 4. 請求項3に記載された方法であって、前記揚力の垂直方向成分が前記ブレ ード部材に与えられ、前記ブレード部材から前記足入れ手段へ伝えられたときに 、前記足受入れ手段に関して前記ブレード部材の垂直方向の変形をかなり減少さ せるのに有効な方法で前記水泳用足ヒレを補強する段階をさらに含み、 前記揚力の前記垂直方向成分は前記流体媒体中の前記足の移動方向と反対方向 で、前記泳者の前記与えられた前傾姿勢に対して前記垂直平面内にて前記ブレー ド部材に作用され、また 前記ブレード部材の垂直方向における前記変形の減少は、前記水泳活動時に前 記ブレード部材から前記泳者の前記足へ伝えられる前記揚力の全量を十分に増大 させるのに有効な程度で行われる方法。 5. 請求項3に記載された方法であって、さらに (e) 前記足入れ手段の実質的に前方に延在する第2ブレード部材を備える 段階、および (f) 前記第2ブレード部材が前記水泳活動時に発生される前記水圧の作用 によって減少された第2迎え角となるように第2の大きく後方に傾斜された軸線 のまわりで枢動されるように、前記第2ブレード部材を前記足入れ手段に枢動可 能に連結する段階であって、 前記第2の減少された迎え角は前記第2ブレード部材に第2のかなり強力な揚 力を発生させるのに有効な程度とされ、また 前記第2の後方へ傾斜した軸線は、前記第2の揚力のかなり強力な第2の横方 向成分が前記泳者の前記前傾姿勢に対して実質的に横方向である方向において前 記第2ブレード部材に作用させるのに十分なほど後方へ傾斜されている前記段階 、および (g) 前記第2の揚力の前記第2の横方向成分が前記ブレード部材に与えら れ、前記ブレード部材から前記足受入れ手段へ伝えられたときに、前記足受入れ 手段に関して前記第2のブレード部材の第2の横方向の変形をかなり減少させる のに有効な方法で前記水泳用足ヒレを補強する段階であって、 前記第2の横方向の変形における前記減少が、前記水泳活動時に前記第2のブ レード部材から前記泳者の前記足に伝えられる前記第2の揚力の全量をかなり増 大させるのに有効な程度で行われる前記段階、および (h) 前記第2の揚力の前記第2の横方向成分が前記ブレード部材で発生さ れた揚力の前記横方向成分と反対方向に実質的に配向されるように、前記第2の 傾斜軸線のまわりの前記第2のブレード部材の前記枢動方向を前記第2の減少さ れた迎え角となるように配向する段階であって、 前記足入れ手段に対する前記揚力の前記横方向成分の作用が、前記足入れ手段 に対する前記第2の揚力の前記第2の横方向成分の作用と対抗されて、この対抗 は前記水泳活動時に前記泳者の前記足に実際に横方向の不釣り合い力が作用する のを大いに減少させるのに有効な程度とされる前記段階、 を含んで成る方法。 6. 請求項5に記載された方法であって、前記ブレード部材および前記第2の ブレード部材に比較的丸められた前縁部分および比較的鋭角形状の後縁部分を備 える段階をさらに含んで成る方法。 7. 水中翼の性能を改善する方法であって、 (a) 前記水中翼に根元部分、前縁部分、後縁部分および外側先端部分を有 する弾性ブレードを備える段階、 (b) 前記前縁部分に実質的に剛性の補強部材を備える段階であって、前記 補強部材は前記ブレード部分に対して相対運動できるように前記ブレード部分の 前記前縁部分に取付けられ、前記水中翼が周囲の水に対する相対移動したときに 発生する水圧の作用のもとで前記弾性ブレード部分が減少された迎え角となるよ うに変形できるようにさせる前記段階、 (c) 前記弾性ブレード部分が前記減少された迎え角となるように変形する とき、前記根元部分の近くで発生する前記相対運動の程度を、前記根元部分と前 記外側端部との間の前記弾性ブレード部分に捩れを誘起させるのに有効となる程 度で抑制するための抑制手段を備える段階であって、 前記水圧の作用するときに、前記捩りが、前記外側端部を前記根元部分よりも 小さい迎え角となるようにさせる前記段階、 (d) 前記捩れの間、前記弾性ブレード部分に前記捩れを誘起させるのに必 要な前記水圧の最小圧力で大きな減少ができるようにするのに有効な程度で、前 記弾性ブレード部分に生じる捩り応力を減少させる段階、 を含んで成る方法。 8. 請求項7に記載された方法であって、前記捩り応力が、前記捩りに関与で きる前記弾性ブレード部分の表面積をかなり増大させるのに有効な程度で減少さ れる方法。 9. 請求項7に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分の前記減少さ れた迎え角が、前記弾性ブレード部分の風下面のまわりの取り付いた流れの状態 を大いに増大させるのに有効な程度で生じる方法。 10. 請求項7に記載された方法であって、前記ブレード部分が前記前縁部分 の十分に近くで変形して前記水中翼の風下面に沿う流れの剥離を大きく減少でき るように、前記捩れの間に前記ブレード部分に発生した前記捩り応力の位置を分 散させる段階であって、 前記弾性ブレード部分の揚力の発生を大きく増大させるのに有効な程度で前記 流れの剥離の減少が生じる前記段階を含んで成る方法。 11. 請求項7に記載された方法であって、前記捩れの間に発生する前記捩 り応力の作用のもとで前記弾性ブレード部分が座屈する傾向を大いに減少させる のに有効な程度で前記弾性ブレード部分を補強する段階であって、 前記弾性ブレード部分が前記捩れの間に実質的に改善された流線形となること ができるようになされる前記段階をさらに含んで成る方法。 12. 請求項7に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分の予め定 めた形状および予め定めた位置を有する少なくとも1つの拡張手段を前記弾性ブ レード部分に備える段階であって、 前記拡張手段の前記予め定めた形状および前記予め定めた位置は、前記弾性ブ レード部分が前記水圧の作用のもとで、前記捩れの間に発生される前記捩り応力 を大いに減少させるのに有効な程度で、拡張できるように配置されており、また 前記拡張手段の前記予め定めた形状および前記予め定めた位置は、前記弾性ブレ ード部分の前記捩れが前記剛性の補強部材に十分に近くで生じて、前記弾性ブレ ード部分の風下面に沿って流れの剥離が生じるのを大いに減少させることができ るように配置されており、これにより 前記流れの剥離の減少が前記相対運動時に前記弾性ブレード部分の揚力の発生 を大いに増大させる前記段階をさらに含んで成る方法。 13. 請求項12に記載された方法であって、前記拡張手段が前記弾性ブレ ード部分の少なくとも1つの翼弦方向の凹部を含み、前記凹部は前記弾性ブレー ド部分の前記後縁を起点として前記補強部材へ向かって延在し、前記補強部材か ら予め定めた距離で終端しており、また 前記翼弦方向の凹部の寸法および位置は、前記水圧の作用のもとで前記弾性ブ レード部分が前記捩れを生じるときに前記翼弦方向の凹部が寸法を拡大されるよ うにされており、 前記寸法の拡大は、前記捩れの間に前記弾性ブレード部分に生じる前記捩り応 力を大いに減少できる程度で生じるようになされた方法。 14. 請求項13に記載された方法であって、前記翼弦方向の凹部内に配置 されて前記弾性ブレード部分に固定された弾性膜を備える段階をさらに含む方法 。 15. 請求項14に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分が休止 位置にある時に、前記翼弦方向の凹部内に位置された前記弾性膜が予め定めた程 度の弛みを有しており、 前記弾性膜は、前記捩れの間に前記翼弦方向の凹部が前記寸法を拡大されると きに、比較的弛んだ状態から比較的緊張した状態へ拡張できるように十分な弾性 とされている方法。 16. 請求項15に記載された方法において、前記所定の量の緩みは、前記 弾性ブレード部分が前記捩れ中に所定の減少された迎え角度に変形したあと、前 記翼弦方向の凹部の前記寸法の拡大を概ね制御すべく配置され、これにより 前記所定の量の緩みは、前記所定の量の迎え角の減少された角度が前記水圧の 作用のもとで、一担達成されると、前記弾性ブレード部分の実質的な変形を停止 することになる方法。 17. 請求項7に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分の前記後 縁が、前記補強部材と、前記抑制手段の後部を実質的に起点として、前記補強部 材が前記後縁と出合う前記弾性ブレード部分の前記そがせた部分に向かって延在 する実質的に直線である仮想線との両方から間隔を隔てられており、 前記弾性ブレード部分の曲がる部分は前記後縁と前記仮想線との間に位置され ている方法。 18. 請求項17に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分に固定 された少なくとも1つの実質的に翼弦方向の補強部材を備える段階をさらに含み 、 前記翼弦方向の補強部材は前記弾性ブレード部分の前記後縁に沿う予め定めた 位置を起点として、前記仮想線を横断して実質的に翼弦方向に前記補強部材に向 かって延在し、前記補強部材から予め定めた距離に配置された前記翼弦方向の補 強部材の前端部にて終端し、 前記翼弦方向の補強部材は、前記曲がり部分が揚力を発生するには効率的でな い過度に減少された迎え角となるように前記仮想線の近くで圧潰されるのを防止 するのに有効となる程度で、前記弾性ブレード部分を補強するのに十分な剛性で あり、また 前記翼弦方向の補強部材は、水圧の作用によって前記曲がり部分に生じた曲げ 力が、前記弾性ブレード部分を変形させて第2の仮想線のまわりで前記減少され た迎え角となるようにするために有効となる程度で、前記翼弦方向の補強部材の 長さに沿って前記予め定めた距離に配置された前記前端部へ伝達できるようにす るのに十分な剛性であり、前記第2の仮想線は前記翼弦方向の補強部材の前記前 端部を実質的に起点として、前記補強部材が前記後縁と出合う前記弾性ブレード 部分の前記外側先端部分へ向かって延在しており、これにより 前記翼弦方向の補強部材は、前記翼弦方向の補強部材の前記前端部を起点とし て記補強部材が前記後縁と出合う弾性ブレード部分の前記外側端部へ向かって延 在する第2の仮想線のまわりで前記弾性ブレード部分を前記減少された迎え角と なるように変形できるようにするのに有効な程度で、前記水圧の作用により前記 曲がり部分に生じた曲げ力を前記翼弦方向の補強部材の長さに沿って前記予め定 めた距離に配置された前記前端部へ伝えるのに十分な剛性であり、これにより 前記翼弦方向の補強部材は前記仮想線と前記補強部材との間に実質的に位置する 場所において前記弾性ブレード部分を変形させて前記減少された迎え角となすこ とができる方法。 19. 請求項18に記載された方法であって、前記予め定めた距離が前記第 2の仮想線を前記補強部材に十分に接近させて位置させることができるように配 置されて、これにより前記捩れの間に前記弾性ブレード部分が前記第2の仮想線 のまわりで前記減少された迎え角となるように変形するときに、前記弾性ブレー ド部分の風下面に沿って取り付いた流れの状態の発生を大いに改善するようにな されている方法。 20. 水中翼の性能を改善する方法であって、 (a) 前記水中翼と流体媒体との相対運動によって発生する流体圧力の作用 により前記水中翼に変動荷重状態を発生させるように前記相対運動を与える段階 、 (b) 前記水中翼に前縁部分、後縁部分、外側端部部分および根元部分を有 する実質的に弾性のブレード部分を備える段階、 (c) 前記可撓性のブレード部分の前記前縁部分に相対運動を可能にするよ うに補強部材を取付ける段階であって、 前記水中翼における揚力の発生を大いに増大させるために前記変動荷重状態の もとで前記相対運動が前記可撓性のブレード部分のかなりの部分を十分に減少し た迎え角にするのに有効な程度で発生する前記段階、 (d) 前記揚力が前記補強部材から予め定めた本体に十分に伝わるように、 前記補強部材の基部を前記本体に取付ける段階、 (e) 前記揚力が前記水中翼から前記予め定めた本体に伝えられるときに、 前記水中翼が前記変動荷重状態のもとで前記揚力を発生できる配向に実質的に保 持できるように前記補強部材に大きな剛性を与える段階、 (f) 前記前縁と前記水中翼の前記根元部分に近い前記後縁との間に実質的 に位置する抑制手段を備える段階であって、前記抑制手段は、前記変動荷重状態 のもとで前記根元部分と前記外側端部部分との間の前記弾性ブレード部分に捩れ を誘起できるようにするのに有効な程度に前記根元部分の近くの前記相対運動の 範囲を制限するために配置されている前記段階、 (g) 前記補強部材の外側先端部分から前記抑制手段の後部まで実質的に延 在する前記弾性ブレード部分に曲がり領域を形成する段階、 (h) 前記曲がり領域と前記弾性ブレード部分の前記後縁部分との間を実質 的に延在する前記弾性ブレード部分の枢動部分を備える段階、 (i) 前記曲がり領域と前記補強部材との間に実質的に存在する前記弾性ブ レード部分の垂下部分を備える段階、 (j) 前記捩れの間に、前記垂下部分の風下面に沿って流れる前記流体媒体 に流れの剥離の大きな減少を生じるために前記垂下部分が前記荷重状態のもとで 大いに減少された迎え角となるように変形できるようにして、前記垂下部分によ る捩り応力の発生を減少させる段階であって、 前記流れの剥離の減少が前記水中翼における揚力の発生を大きく増大させるの に有効な程度で生じるようになされる前記段階、 を含んで成る方法。 21. 請求項20に記載された方法であって、前記垂下部分の前記捩り応力 が前記弾性ブレード部分に新たな曲がり領域を形成させるのに有効な程度に減少 され、 前記弾性ブレード部分は前記変動荷重状態のもとで前記減少された迎え角とな るように前記新しい曲がり領域のまわりで変形し、 前記新しい曲がり領域は前記水中翼の揚力の発生を大いに増大させるために前 記水中翼の前記前縁部分に十分接近されて配置されている方法。 22. 請求項21に記載された方法であって、前記補強部材が前記揚力を前 記水中翼から前記予め定めた本体へ効果的に伝える一方、前記弾性ブレード部分 が前記揚力の発生において有効な配向を実質的に保持できるようにするために十 分な剛性とされている方法。 23. 請求項20に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分の変形 を制御するために形状制御手段を備える段階をさらに含み、前記捩れ部分が揚力 の発生に実質的に有効でない配向へ変形するのを防止するのに有効な程度で前記 形状制御手段が前記捩れ部分の変形を制御するように配置されている方法。 24. 請求項23に記載された方法であって、前記形状制御手段が前記弾性 ブレード部分に固定された少なくとも1つの補強部材を含み、 前記補強部材は前記垂下部分から前記捩れ部分まで実質的に前記曲がり領域を 横断して延在しており、また 前記補強部材は前記弾性ブレード部分が前記変動荷重状態のもとで座屈するの を防止するために十分に剛性の材料で作られている方法。 25. 請求項24に記載された方法であって、前記弾性ブレード部分が複数の 前記補強部材を有する方法。 26. 水中翼の性能を改善する方法であって、 (a) 前記水中翼を予め定めた本体に取付ける段階、 (b) 前記水中翼が流体媒体との相対運動の方向に関して迎え面および風下 面を有するように、前記水中翼に流体媒体との相対運動を与える段階、 (c) 前記水中翼の前記迎え面に実質的に長手方向の通路形状を与える段階 、 (d) 前記水中翼の前記風下面に実質的に下反角の形状を与える段階、 (e) 前記水中翼の中心軸線の近くに実質的に配置され、前記相対運動に関 係して迎え面開口および風下面開口を有する通水手段を前記水中翼に備える段階 であって、 前記水中翼の前記迎え面の前記外側縁の近くで外方へ向かう幅方向の横断流れ 状態を大いに減少させるのに有効な程度に、前記通水手段は前記迎え面に沿う流 体媒体のかなりの部分を前記通水手段の前記迎え面開口に流入させ、前記通水手 段の風下面開口から流出させるように配置されている前記段階、 (f) 前記水中翼の外側縁および前記通水手段の前記風下面開口の間で前記 風下面に沿って前記流体媒体の圧力を大きく低下させるように十分に取り付いた 流れとして前記流体媒体が前記風下面をまわって前記外側縁から前記風下面開口 へ流れるように、実質的に遮られない通路を前記水中翼の前記風下面のまわりに 形成する段階であって、 前記圧力の減少は前記水中翼にかなり強力な揚力を発生させるのに有効な程度 で発生される前記段階、 (g) 前記揚力が前記水中翼から前記本体に伝えられたときに、前記水中翼 が前記揚力の発生に有効な配向を実質的に保持できるようにするのに有効な程度 で前記揚力の作用のもとで前記水中翼の変形を制限する段階、 を含んで成る方法。 27. 水中翼の性能を改善する方法であって、 (a) 前記水中翼を予め定めた本体に取付ける段階、 (b) 前記水中翼に迎え面および風下面を形成するように前記水中翼と流体 媒体との間に相対運動を与える段階、 (c) 前記水中翼の前記迎え面に、前記水中翼の外側縁の間で実質的な下反 角形状を与える段階、 (d) 前記水中翼の前記外側縁の間に実質的に位置され、前記相対運動の間 に前記迎え面から前記風下面へ実質的に向けて前記流体媒体を流すことができる 通路であって、前記流体媒体が前記通路の迎え面部分から前記通路に進入し、前 記流体媒体は前記通路の風下面部分を通って前記通路から流出されるようにする 前記通路を備える段階、 (e) 前記迎え面に沿う前記流体媒体のかなりの部分を実質的に前記外側縁 部分から前記通路の前記迎え面部分に向かう方向である迎え面の内方へ向かう流 体の流れとなるように促進するように、前記迎え面の前記下反角形状を構成する 段階、 (f) 前記迎え面に沿って外方へ向かう幅方向の流れ状態の形成を大いに減 少させるのに有効な程度に、前記迎え面の内方へ向かう流体の流れを形成させる のに十分な大きの流量能力を前記通路に与える段階、 (g) 前記風下面に沿う前記流体媒体を前記水中翼の前記外側縁を実質的に 起点として前記通路の風下面へ向かって集中するような風下面の内方へ向かう流 体の流れとなるように促進するのに有効な程度に、前記外側縁の間の前記風下面 に下反角形状を与える段階、 (h) 前記水中翼にかなり強力な揚力を発生させるために前記風下面の内方 へ向かう流体の流れが前記水中翼の前記風下面のまわりに十分に取り付いた方法 で形成されるように前記下反角形状を配置する段階、 (i) 前記水中翼の前記揚力にかなり増大させるのに有効な程度で、前記風 下面の内方へ向かう流体の流れが前記通路の前記風下面部分を通って流出する前 記流体と合流できるようにするために、前記風下面に沿って十分に遮られること のない流れの通路を備える段階、および (j) 前記水中翼から前記本体へ前記揚力が伝えられるときに、前記揚力の 発生において有効である配向を前記水中翼が実質的に保持できるように十分な剛 性を前記翼に与える段階、 を含んで成る方法。 28. 請求項27に記載された方法であって、前記揚力をかなり増大するた めにかなり構造的な方法で前記風下面の流体の流れが前記通路の前記風下面部分 を通って流出する前記流体媒体と合流される方法。 29. 請求項27に記載された方法であって、前記迎え面の内方へ向かう流 体の流れが前記水中翼の前記外側縁から前記通路の前記迎え面の近くに集中する ように流れるとき、前記迎え面の内方へ向かう流体の流れが前記迎え面に沿って 流体の圧力にかなりの増大を発生するのに有効な程度で形成される方法。 30. 請求項27に記載された方法であって、前記通路が前記水中翼の中心 軸線の近くに実質的に位置される方法。 31. 請求項27に記載された方法であって、通路が前記翼を実質的に2つ の半体翼部分に分ける方法。 32. 請求項27に記載された方法であって、前記通路は前記水中翼を2つ の半体翼部分に実質的に分ける前記水中翼の空間を含んでいる方法。 33. 請求項32に記載された方法であって、前記空間が実質的に長手方向 の凹部を含み、前記凹部は前記水中翼の後縁に沿う位置を起点として、前記予め 定めた本体に取付けられた前記水中翼の部分に実質的に向かって延在している方 法。 34. 推進翼の性能を改善する方法であって、 (a) 予め定めた本体に前記翼を取付ける段階、 (b) 前記翼と流体媒体との間に、前記翼に迎え面および風下面を形成する ように相対運動を与える段階、 (c) 前記翼の外側縁の間で前記翼の前記迎え面に実質的に上反角形状を与 える段階、 (d) 前記翼を通る通路を備える段階であって、前記通路は前記翼の前記外 側縁の間に実質的に配置され、前記相対運動時に前記迎え面から前記風下面へ向 かうように前記流体が前記通路を流れることができるようにされており、これに より前記流体媒体は前記通路の迎え面部分から前記通路に流入し、前記通路の風 下面部分を通って前記通路から流出するようになされる段階、 (e) 前記迎え面に沿う前記流体媒体の大部分を、前記通路の前記迎え面部 分から前記翼の前記外側縁に向かって実質的に広がる方向である迎え面の外方へ 向かう流体の流れとなるように促進するように前記上反角形状を前記迎え面に配 置する段階、 (f) 前記風下面に沿う前記流体媒体を、前記通路の前記風下面部分を実質 的に起点として前記翼の前記外側縁へ向かって広がる方向である風下面の外方へ 向かう流体の流れとなるように促進するのに有効な程度で、前記風下面の前記外 側縁の間に風下面の上反角形状を与える段階、 (g) 前記風下面の外方へ向かう流体の流れが前記翼にかなり強力な揚力を 発生させるために十分に取り付く状態で前記風下面のまわりに形成されるように 前記風下面の上反角形状を配置する段階、 (h) 前記風下面に沿って流れの剥離が生じるのを大いに減少するために有 効な程度で、前記風下面の外方へ向かう流れを前記翼の前記外側縁に存在する前 記迎え面の外方へ向かう流体の流れと合流させるように、前記風下面に沿って実 質的に遮られることのない流路を形成する段階、 (i) 前記風下面に沿う流れの剥離の発生を大きく減少させるのに有効な程 度に、前記風下面の外方へ向かう流体の流れを形成させることのできる十分に大 きな流量能力を前記通路に与える段階、 (j) 前記翼から前記本体へ前記揚力が伝えられたときに、前記揚力の発生 において有効である配向を前記翼が実質的に保持できるように十分な剛性を前記 翼に与える段階、 を含んで成る方法。 35. 請求項34に記載された方法であって、前記通路が前記翼を2つの翼 半体部分に実質的に分ける前記翼に含まれた空間を含んでいる方法。 36. 請求項35に記載された方法であって、前記空間が実質的に長手方向 の凹部を含み、前記凹部は前記翼の後縁に沿う位置を起点として、前記予め定め た本体に取付けられた前記翼の部分に向かって延在している方法。 37. 水泳用足ヒレであって、 (a) 靴部材、 (b) 前記靴部材の前方に延在された延在部分を形成するブレード部材であ って、前記ブレード部材は前記靴部材の近くに配置される根元部分と、前記靴部 材および前記根元部分から間隔を隔てられた前縁とを有しており、前記ブレード 部材を前記靴部材に固定するために前記ブレード部分の根元部分の付近に前記靴 部材が前記ブレード部材に対してモールド成形されている前記ブレード部材、 (c) 前記ブレード部材を実質的に横方向において制限する2つの長手方向 にかなり剛性の補強部材、 (d) 前記ブレード部材に形成された実質的に長手方向の開口であって、前 記前縁に沿う予め定めた位置を起点とし、前記ブレード部材の前記靴部材へ向か って実質的に延在され、前記靴部材から予め定めた距離に位置する長手方向の開 口の基部で終端している実質的に長手方向の開口、 を含み、 前記長手方向の開口は前記ブレード部材のかなりの部分を2つのブレード半体 に実質的に分けるために十分な大きさであり、 (e) 前記ブレード部材は、水泳活動時に流体媒体中で前記水泳用足ヒレが キックされるときに生じる変動荷重状態のもとで、かなり減少された迎え角とな るように各々の前記ブレード半体に位置する前記ブレード部材のかなりの部分を 実質的に長手方向の軸線のまわりで捩れさせるのに十分大きな弾性を有しており 、 前記減少された迎え角は、各々のブレード半体にかなり強力な揚力を発生させ るのに有効な程度に形成され、 (f) 各々の前記長手方向の補強部材は、前記靴部材に各々の前記ブレード 半体から前記揚力のかなりの部分が伝えられるようにするために大きな剛性のも とに前記靴部材に固定されており、 (g) 各々の前記長手方向の補強部材は、前記靴部材に各々の前記ブレード 半体から前記揚力が伝えられるときに、前記揚力を発生するうえで効率的な配向 を各々の前記ブレード半体が実質的に保持できるようにするために大きな剛性を 有している、 水泳用足ヒレ。 38. 請求項37に記載された水泳用足ヒレであって、前記ブレード部材の 前記根元部分の近くで前記長手方向の補強部材に取付けられてそれらの間を延在 する横方向の補強部材をさらに含み、また前記横方向の補強部材は前記靴部材に 固定されており、 前記横方向の補強部材は前記靴部材に対する前記長手方向の補強部材からの前 記揚力の伝達を大きく向上させるために十分な剛性とされている水泳用足ヒレ。 39. 請求項37に記載された水泳用足ヒレであって、前記長手方向の補強 部材が各々のブレード半体の横方向寸法に比べてかなり幅が狭い水泳用足ヒレ。 40. 請求項37に記載された水泳用足ヒレであって、前記実質的に長手方 向の軸線が前記根元部分に近い前記長手方向の開口の前記基部から、各々の前記 長手方向の補強部材の外側先端部へ実質的に向けられている水泳用足ヒレ。 41. 請求項37の水泳用足ヒレであって、各々のブレード半体における前 記弾性のブレード部分の前記長手方向の開口に接した内側縁を起点として、各々 のブレード半体の各々の前記長手方向の補強部材へ向かって実質的に横方向に延 在し、各々のブレード半体の各々の前記補強部材から予め定めた距離で終端して いる少なくとも1つの実質的に横方向の開口をさらに含む水泳用足ヒレ。 42. 請求項41に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記横方向の 開口に配置され、前記ブレード部分に固定された膜状部材をさらに含む水泳用足 ヒレ。 43. 請求項42に記載された水泳用足ヒレであって、水泳用足ヒレが休止 状態のときに各々の前記膜状部材は各々の横方向開口に配置されて予め定めた量 の実質的に拡張可能な材料を含み、これにより各々の前記ブレード半体が前記荷 重状態の間に前記実質的に長手方向の軸線のまわりで前記捩れを生じたときに、 前記拡張可能な材料は比較的弛んだ状態から比較的緊張状態に拡張できる水泳用 足ヒレ。 44. 請求項41に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記ブレード 半体の少なくともlつの前記横方向の開口が前記長手方向の開口の前記基部の近 くの前記長手方向の開口に沿う位置の各々のブレード半体の前記内側縁を起点と している水泳用足ヒレ。 45. 請求項44に記載された水泳用足ヒレであって、前記横方向の開口に 配置され、前記ブレード部分に固定された膜状部材をさらに含む水泳用足ヒレ。 46. 請求項45に記載された水泳用足ヒレであって、水泳用足ヒレが休止 状態のときに各々の横方向開口に配置された各々の前記膜状部材は予め定めた量 の実質的に拡張可能な材料を含み、これにより各々の前記ブレード半体が前記荷 重状態の間に前記実質的に長手方向の軸線のまわりで前記捩れを生じたときに、 前記拡張可能な材料は比較的弛んだ状態から比較的緊張状態に拡張される水泳用 足ヒレ。 47. 請求項37に記載された水泳用足ヒレであって、前記揚力が各々の前 記ブレード半体に発生したときに、各々の前記ブレード半体の前記外側縁部分が 互いに実質的に横方向に離隔される傾向を大いに減少させるのに有効な程度で、 各各の前記ブレード半体の外側縁を補強するために十分な剛性を前記長手方向の 補強部材が有している水泳用足ヒレ。 48. 請求項37に記載された水泳用足ヒレであって、前記水圧の作用のも とで各々の前記ブレード半体の前記ブレード部材が前記減少された迎え角となる ように変形されるとき、前記水泳用のストローク時に各々の前記ブレード半体の 前記外側縁部分が実質的に横方向の軸線のまわりで曲がる傾向を大いに減少させ るのに有効な程度で、各々の前記ブレード半体の外側縁を補強するために十分な 剛性を前記長手方向の補強部材が有しており、これにより前記水泳用のストロー ク時に前記細長い補強部材が空運動の発生を大いに減少させる水泳用足ヒレ。 49. 水泳用足ヒレであって、 (a) 靴部材、 (b) 固定手段によって前記靴部材に固定された2つの細長い補強部材であ って、 実質的に横方向に間隔を隔てられ、 前記靴部材の前方にかなりの距離を延在し、そして 各々が前記靴部材の近くを起点とする部分と、前記靴部材および前記起点部分 から間隔を隔てた外端部分とを有している前記2つの細長い補強部材、 (c) 前記細長い補強部材の間に実質的に配置され、連結手段によって各々 の前記補強部材に固定されているブレード部材であって、 前記細長い補強部材の前記起点部分の近くに配置された根元部分、および前記 補強部材の前記外端部分の近くに配置された前端部分とを有する前記ブレード部 材、 を含み、 (d) 前記ブレード部材は凹部を有し、前記凹部は前記前端部分を起点とし て前記根元部分に向かって延在し、前記ブレード部材に形成された前記凹部の基 部にて終端しており、また前記凹部は前記根元部分から予め定めた長手方向の距 離に配置されており、 前記凹部は前記ブレード部材のかなりの部分を2つの半体ブレード部分に実質 的にわけており、 (e) 前記凹部は、その凹部の前記基部の外側領域の実質的に近くを起点と して各々の前記細長い補強部材の前記外端部分の実質的に近くに位置された各々 の半体ブレード部分の外側先端部分へ向かって延在している各々の半体ブレード 部分に沿って実質的に直線的な曲がり領域を形成するように配置されており、 (f) 前記曲がり領域、前記ブレード部材の前端部分、および前記凹部と接 する前記半体ブレード部分の内側縁の間に配置された捩れ部分を各々の前記半体 ブレード部分が有しており、 (g) 水泳用のストローク時に水中で泳者が前記水泳用足ヒレをキックする ことで発生される水圧の作用のもとで、各々の前記捩れ部分のかなり大きな領域 が前記曲がり領域の近くでかなり減少された迎え角となるように捩れるようにす るために、前記ブレード部材が十分な弾性を有しており、 前記減少された迎え角となる前記捩れは、各々の前記ブレード半体の揚力の発 生を実質的に増大させるのに有効な程度で発生され、 (h) 各々の前記半体ブレードの外側縁部分の近くの各々の前記半体ブレー ド部分の迎え面に沿って流れる前記水の中に外方へ向かう幅方向の横断流れが発 生するのを大いに減少させるために、前記捩れ部分が前記減少された迎え角にな るように捩れることが可能となるように、前記曲がり領域の基準線が大きな下反 角を形成するように後方へ傾斜されて、前記細長い補強部材および前記凹部が配 置されており、 (i) 前記捩れ部分から前記補強部材へ、また前記補強部材から前記靴部材 へ前記揚力が伝達されるとき、前記水圧の作用のもとで前記揚力を発生できる配 向を各々の前記半体ブレード部分が保持できるようするために、前記細長い補強 部材が十分な剛性を有している水泳用足ヒレ。 50. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の各々の前記捩れ部分が水泳用のストローク時に前記減少された迎え角 となるように変形されたとき、各々の前記半体ブレード部分の外側縁の十分近く に存在する前記曲がり領域が各々の前記半体ブレード部分の風下面をまわる流れ の剥離を大いに減少できるように前記凹部および前記細長い補強部材が配置され ており、これにより前記流れの剥離の減少が前記揚力をかなり増大させる水泳用 足ヒレ。 51. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分をまわって前記水が流れるときの流れの剥離を大きく減少させるために 、捩れの間、各々の前記半体ブレード部分の前記曲がり領域を前記半体ブレード 部分の前記外側縁部分にかなり接近させて位置させる変形手段をさらに含む水泳 用足ヒレ。 52. 請求項51に記載された水泳用足ヒレであって、前記変形手段が部材 取付け手段によって各々の前記半体ブレード部分に取付けられた少なくとも1つ の実質的に横方向の補強部材を含み、 各々の前記横方向の補強部材は各々の前記半体ブレード部分の前記内側縁を実 質的な起点とし、前記曲がり領域に対して十字に交差するようにかなり横方向へ 前記細長い補強部材へ向かってさらに延在し、各々の前記半体ブレード部分の前 記細長い補強部材から予め定めた横方向の距離に配置された外側部材にて終端し ており、 各々の前記横方向の補強部材は前記曲がり領域のまわりに各々の前記半体ブレ ード部分が曲がるのを防止するために十分な剛性を有しており、 各々の前記横方向の補強部材は前記水泳用のストローク時に前記捩れ部分に発 生された荷重状態を各々の前記半体ブレード部分における前記曲がり領域と前記 細長い補強部材との間の部分に伝えるために、前記外側部材を実質的に起点とし て、各々の前記細長い補強部材の前記外端部の実質的に近くに配置されている各 各の前記半体ブレード部分の前端部分へ向かって実質的に延在する新しい曲がり 領域を形成するのに有効となる程度に十分な剛性を有しており、 前記横方向の補強部材は新しい曲げ部分と前記凹部に接した前記内側縁との間 の前記半体ブレード部分に新しい捩れ部分を形成し、 各々の前記半体ブレード部分の新しい捩れ部分は前記水泳用のストローク時に 発生した水圧の作用のもとで前記減少された迎え角になるように変形でき、 これにより前記横方向補強部材は前記水泳用のストローク時に前記減少された 迎え角となるように変形できる各々の前記半体ブレード部分の量をかなり増大さ せるようになされた水泳用足ヒレ。 53. 請求項52に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の風下面に沿って流れる前記水における取り付いた流れ状態を大いに向 上させるために、前記予め定めた横方向の距離が前記新しい曲がり領域を各々の 前記半体ブレード部分の前記細長い補強部材に十分に接近させるように構成され ており、 取り付いた流れ状態の前記向上は各々の前記半体ブレード部分の前記揚力を大 いに増大させるのに有効な程度で行われる水泳用足ヒレ。 54. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、前記各々の半体ブレ ード部分の前記捩れ部分が前記減少された迎え角になるように捩れるとき、前記 凹部は各々の前記半体ブレード部分の前記捩れ部分が各々の前記半体ブレード部 分のかなり大きな面積部分を占めることができるようして、取り付いた流れ状態 の前記増大が前記各々の半体ブレード部分の前記揚力を増大させる水泳用足ヒレ 。 55. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、前記細長い補強部材 が各々の前記半体ブレード部分の横方向寸法に比べてかなり狭い水泳用足ヒレ。 56. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって前記細長い補強部材が 比較的狭い内縁部分へ向かってテーパー形の効果的丸められた外縁部分によって 定められる実質的に流線形の横断面形状を有する水泳用足ヒレ。 57. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の前記ブレード部分に配置された少なくとも1つの実質的に横方向の開 口をさらに含み、 前記横方向の開口は前記凹部と接する前記各々の前記半体ブレード部分の内側 縁の予め定めた位置を起点として、実質的に横方向へ各々の前記半体ブレード部 分の各々の前記細長い補強部材へ向かって延在し、各々の前記半体ブレード部分 の各々の前記補強部材から予め定めた距離に配置された横方向の開口にて終端し ている水泳用足ヒレ。 58. 請求項57に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の前記横方向の開口の前記予め定めた位置は前記凹部の前記基部に位置 されており、 前記横方向の開口は、前記予め定めた距離に配置された前記横方向の開口端部 を実質的な起点として各々の前記細長い補強部材の前記外端部分の実質的な近く に配置された各々の前記半体ブレード部分の前記ブレード部材の前記前端部分へ 向かって延在する直線に沿って、各々の前記半体ブレード部分に新しい曲がり領 域を形成するようになし、 前記新しい曲がり領域は、その新しい曲がり領域と各々の前記半体ブレード部 分の前記内側縁との間の各々のブレード部分に新しい捩れ部分を形成するように なし、 各々の前記半体ブレード部分の前記新しい捩れ部分は、前記水泳用のストロー ク時に前記減少された迎え角となるように変形できるようになされた水泳用足ヒ レ。 59. 請求項58に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の前記揚力の前記発生を大いに増大させるために有効な程度で、各々の 前記半体ブレード部分の風下面に沿って取り付いた流れ状態の形成を増大させる ために、前記予め定めた距離は各々の前記半体ブレード部分の前記新しい曲がり 領 域が前記細長い補強部材にかなり接近されるように構成されている水泳用足ヒレ 。 60. 請求項59に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の少なくとも1つの前記横方向の開口に配置された膜状部材を含み、前 記膜状部材は取付け手段によって前記ブレード部材に固定されている水泳用足ヒ レ。 61. 請求項60に記載された水泳用足ヒレであって、水泳用足ヒレが休止 状態のときに各々の横方向開口に配置された各々の前記膜状部材は予め定めた量 の余剰な材料を含み、これにより前記水泳用のストローク時に前記減少された迎 え角となるように各々の前記捩れ部分が捩れたときに前記膜状部材は比較的弛ん だ状態から比較的緊張状態に拡張できる水泳用足ヒレ。 62. 請求項61に記載された水泳用足ヒレであって、前記水泳用ストロー ク時に、前記膜状部材が前記比較的緊張状態に拡張され、前記新しい捩れ部分が 予め定めた減少された迎え角に達した後、各々の前記半体ブレード部分の前記新 しい捩れ部分が捩れを停止するように前記予め定めた量の弛みが配置された水泳 用足ヒレ。 63. 請求項57に記載された水泳用足ヒレであって、前記予め定めた距離 に配置された前記横方向の開口を実質的に起点として、各々の前記細長い補強部 材の前記外端部分に実質的に接近して配置された各々の前記半体ブレード部分の 前記ブレード部材の前記前端部分に向かって延在する直線に沿って、前記横方向 の開口が新しい曲がり領域を各々の前記半体ブレード部分に形成するようになし 、 前記新しい曲がり領域は、その新しい曲がり領域と各々の前記半体ブレード部 分の前記内側縁との間の各々ブレード部分に新しい捩れ部分を形成するようにな し、 各々の前記半体ブレード部分の前記新しい捩れ部分は、前記水泳用のストロー ク時に前記減少された迎え角となるように変形できるようになされた水泳用足ヒ レ。 64. 請求項63に記載された水泳用足ヒレであって、各々の前記半体ブレ ード部分の少なくとも1つの前記横方向の開口に配置された膜状部材を含み、前 記膜状部材は取付け手段によって前記ブレード部材に固定されている水泳用足ヒ レ。 65. 請求項64に記載された水泳用足ヒレであって、水泳用足ヒレが休止 状 態のときに各々の横方向開口に配置された各々の前記膜状部材は予め定めた量の 余剰な材料を含み、これにより前記水泳用のストローク時に前記減少された迎え 角となるように各々の前記捩れ部分が捩れたときに前記膜状部材は比較的弛んだ 状態から比較的緊張状態に拡張できる水泳用足ヒレ。 66. 請求項65に記載された水泳用足ヒレであって、前記水泳用のストロ ーク時に、前記膜状部材が前記比較的緊張状態に拡張され、前記各々の新しい捩 れ部分が予め定めた減少された迎え角に達した後、各々の前記半体ブレード部分 の前記新しい捩れ部分が捩れを停止するように前記予め定めた量の弛みが配置さ れた水泳用足ヒレ。 67. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、前記揚力が各々の前 記ブレード半体に発生したときに、各々の前記ブレード半体の前記外側縁部分が 互いに実質的に横方向に離隔される傾向を大いに減少させるのに有効な程度で、 各各の前記ブレード半体の外側縁を補強するために十分な剛性を前記長手方向の 補強部材が有している水泳用足ヒレ。 68. 請求項49に記載された水泳用足ヒレであって、前記水泳用のストロ ーク時に発生された前記水圧の作用のもとで各々の前記ブレード半体の前記外側 縁部分が実質的に横方向の軸線のまわりで曲がる傾向を大いに減少させるのに有 効な程度で各々の前記半体ブレード部分の外側縁部分を補強するために十分な剛 性を前記長手方向の補強部材が有しており、これにより前記水泳用のストローク 時に前記細長い補強部材が空運動の発生を大いに減少させる水泳用足ヒレ。 69. 水泳用足ヒレであって、 (a) 靴部材、 (b) 互いに実質的に横方向に離隔された大きく傾斜された右補強部材およ び大きく傾斜された左補強部材であって、 前記右固定部材および左固定部材は固定手段によって前記靴部材に各々固定さ れ、また 前記右固定部材および左固定部材は前記靴部材から実質的に前方へ延在されて おり、 (c) 右取付け手段によって前記右補強部材に取付けられた右ブレード部材 であって、前記右取付け手段は泳者が行う水泳用のストロークによって作用され る水圧の影響のもとで、前記右ブレード部材のかなり大きな部分が大きく減少さ れた迎え角となるように移動させるのに有効な程度で右側の相対運動を可能とし ており、 前記右ブレード部材、前記右取付け手段、および前記右補強部材は一緒になっ て右ブレード半体を形成しており、 (d) 前記右ブレード部材は前記靴部材の実質的に近くに配置された右根元 部分と、 前記右根元部分および前記靴部材から間隔を隔てられた右前部ブレード部分と 、 前記右補強部材および前記右取付け手段の近間句に配置された右外端部と、 前記右外端部および前記右補強部材から間隔を隔てられ、前記右補強部材およ び右補強部材の間に実質的に配置された右内縁とを有しており、 (e) 左付け手段によって前記左補強部材に取付けられた左ブレード部材で あって、前記左取付け手段は前記水泳用のストローク時に作用される前記水圧の 影響のもとで、前記左ブレード部材のかなり大きな部分が大きく減少された迎え 角となるように移動させるのに有効な程度で左側の相対運動を可能としており、 前記左ブレード部材、前記左取付け手段、および前記左補強部材は一緒になっ て左ブレード半体を形成しており、 (f) 前記左ブレード部材は前記靴部材の実質的に近くに配置された左根元 部分と、 前記左根元部分および前記靴部材から間隔を隔てられた左前部ブレード部分と 、 前記左補強部材および前記左取付け手段の近間句に配置された左外端部と、 前記左外端部および前記左補強部材から間隔を隔てられ、前記左補強部材およ び左補強部材の間に実質的に配置された左内縁とを有しており、 (g) 前記右内縁および前記左内縁は互いに実質的に間隔を隔てられて前記 右内縁および前記左内縁の間に実質的に存在する空間を形成しており、 (h) 前記右補強部材および前記左補強部材は、各々の前記ブレード半体の 迎え面に沿って幅方向の横断流れ状態を大きく減少させるために、前記水泳用の ストローク時に前記右側相対運動および前記左側相対運動が大きな上反角を形成 して行えるように、実質的に十分に後方へ傾斜されており、 (i) 前記右取付け手段は、前記水泳用のストローク時に前記右ブレード半 体の風下面のまわりを流れる水における右側の取り付いた流れ状態を大いに改善 するために、前記右側相対運動が前記右ブレード半体の前記右補強部材に十分接 近して生じるように配置されており、また (j) 前記左取付け手段は、前記水泳用のストローク時に前記左ブレード半 体の風下面のまわりを流れる水における左側の取り付いた流れ状態を大いに改善 するために、前記左側相対運動が前記左ブレード半体の前記左補強部材に十分接 近して生じるように配置されていること包含し、これにより 前記改善された取り付いた流れ状態が各々の前記ブレード半体によって発生さ れる揚力を大きく増大させるようになされた水泳用足ヒレ。 70. 請求項69に記載された水泳用足ヒレであって、前記右側相対運動お よび前記左側相対運動の範囲を制限する抑制手段をさらに含んでいる水泳用足ヒ レ。 71. 請求項69に記載された水泳用足ヒレであって、前記空間が前記水泳 用足ヒレの中心軸線の実質的に近くに配置されている水泳用足ヒレ。 72. 請求項69に記載された水泳用足ヒレであって、前記右補強部材およ び前記左補強部材は、前記右補強部材および前記左補強部材の傾斜した基準線が 水泳用のストローク時に発生する前記水圧の影響のもとでも実質的に保持できる ように十分な大きな剛性とされている水泳用足ヒレ。 73. 請求項69に記載された水泳用足ヒレであって、比較的狭い幅の長手 方向の右間隙をさらに含み、前記右間隙は前記右ブレード部材の前記右外縁と右 補強部材との間に配置されていて、 前記右取付け手段は、前記右間隙に配置されて前記右ブレード部材と前記右補 強部材とに対して固定された細長い比較的狭い幅の弾性の右膜状部材を含んでお り、また 前記左ブレード部材の前記左外縁と前記左補強部材との間に存在する比較的幅 の狭い長手方向の左間隙をさらに含み、 前記左取付け手段は前記左間隙に配置されて前記左ブレード部材と前記左補強 部材とに対して固定された細長い比較的狭い幅の弾性の左膜状部材を含んでいる 水泳用足ヒレ。 74. 水泳用足ヒレであって、 (a) 靴部材、 (b) 部材取付け手段によって前記靴部材に固定された2つの細長い補強部 材であって、 実質的に横方向に間隔を隔てられ、前記靴部材の前方に予め定めた距離を延在 されている細長い補強部材、 (c) 前記靴部材の近くを起点とする部分と、前記靴部材および前記起点と する部分から隔てられた外端部分とを各々の前記補強部材が有していること、 (d) 前記細長い補強部材の間に実質的に配置され、各々の前記補強部材に 対してブレード固定手段によって固定されているブレード部材、 (e) 前記細長い補強部材の前記起点の部分に接近して配置された根元部分 と、前記補強部材の前記外端部分とに接近して配置された前端部分を前記ブレー ド部材が有していること、 (f) 前記ブレード部材が前記前端部分を起点とし、前記根元部分に向かっ て延在し、前記根元部分から予め定めた距離にて前記ブレード部材に配置された 前記凹部の基部で終端しており、前記凹部は前記ブレード部材のかなりの部分を 2つのブレード半体部分に分けていること、 (g) 前記水泳用足ヒレが比較的穏やかに水中を移動するときに水圧の作用 のもとで、各々の前記半体ブレード部分が大きく減少された迎え角となるように 後方へ傾斜した軸線のまわりで捩れるようにする変形手段、 (h) 前記変形手段が各々の前記半体ブレード部分の迎え面に沿って外方へ 向かう幅方向の横断流れ状態が発生するのを大いに減少させるのに十分な大きさ の下反角を形成するために、前記減少された迎え角まで前記捩れを可能にするの に十分な大きさで前記後退軸線が後方へ傾斜できるように構成されていること、 (i) 各々の前記半体ブレード部分が前記水圧の作用のもとで前記減少され た迎え角となるように前記捩れを生じるとき、各々の半体ブレード部分の風下面 のまわりの流れの剥離を大いに減少させるために、前記変形手段が前記後退軸線 を各々の前記半体ブレード部分の外側縁に十分に接近させて位置させるように構 成されていること、 を含んで成る水泳用足ヒレ。 75. 請求項74に記載された水泳用足ヒレであって、前記細長い補強部材 が各々の往復式の水泳用のストロークの逆転時に空運動の発生を大いに減少させ るのに十分なほどの剛性を有している水泳用足ヒレ。
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