JP2000502569A - Obタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法 - Google Patents

Obタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法

Info

Publication number
JP2000502569A
JP2000502569A JP9525312A JP52531297A JP2000502569A JP 2000502569 A JP2000502569 A JP 2000502569A JP 9525312 A JP9525312 A JP 9525312A JP 52531297 A JP52531297 A JP 52531297A JP 2000502569 A JP2000502569 A JP 2000502569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
receptor
receptor protein
amino acid
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP9525312A
Other languages
English (en)
Inventor
チヤン,ミン―シー
ウエルチヤー,アンドリユー・エイベリー
フレツチヤー,フレデリツク・アデイソン
Original Assignee
アムジエン・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アムジエン・インコーポレーテツド filed Critical アムジエン・インコーポレーテツド
Publication of JP2000502569A publication Critical patent/JP2000502569A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2799/00Uses of viruses
    • C12N2799/02Uses of viruses as vector
    • C12N2799/021Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
    • C12N2799/027Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a retrovirus

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、本明細書では「OBタンパク質受容体」又は「OB受容体」と称される、選択的にOBタンパク質に結合すると考えられる新規なタンパク質受容体群に関する。従って、該新規なOBタンパク質受容体ファミリーと共に該ファミリーの新規なメンバーも提供する。また、核酸、そのような核酸や、関連アンチセンス核酸、OBタンパク質受容体に選択的に結合する分子を含むベクター及び宿主細胞、並びに物質の関連組成物、例えば、OB受容体タンパク質/OBタンパク質複合体及び医薬組成物も提供する。本発明は、他の態様において、上記組成物の使用法、例えば、治療法及び/又は診断法、並びにOB受容体リガンドの製造法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 OBタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法 発明の分野 本発明は、OBタンパク質レセプター、関連組成物、並びにこのようなレセプ ター及び関連組成物の製造方法と使用方法に関する。背景 肥満の分子的基礎は殆ど知られていないが、“OB遺伝子”及びコードされた タンパク質(“OBタンパク質”)の同定は、体脂肪蓄積を制御するために身体 が用いる機構に幾分かの光を与えた。Zhang ら,Nature 372:425-423(1994)及び Nature374:479(1995)における訂正も参照されたい。OBタンパク質は、ob/ ob変異マウス(OB遺伝子産物の産生の欠陥による肥満マウス)及び正常の野 生型マウスの両方においてインビボで活性を有する。生物活性は、とりわけ体重 減少において現れる。一般的には、Barinaga“Obese”Protein Slims Mice,Scie nce 269:475-476(1995)を参照されたい。WO 96/05309,“Modulator s of Body Weight,Corresponding Nucleic Acids and Proteins, and Diagnostic and Therapeutic UsesThereof,”[引用 により本明細書に含まれるものとする]を参照されたい。 OBタンパク質の他の生物効果は十分に特徴付けがなされていない。例えば、 ob/ob変異マウスにおいて、OBタンパク質の投与により、血清インシュリ ンレベルと血清グルコースレベルが減少することが知られている。OBタンパク 質の投与により、体脂肪が減少することも知られている。このことは、ob/o b変異マウスと非肥満の正常マウスの両方で観察された。Pelleymounter ら,Sc ience 269:540-543(1995);Halaasら,Science 269:543-546(1995)。Campfield ら,Science269:546-549(1995)(Peripheral and central administration ofmic rogram doses of OB protein reduced food intake and bodyweight of ob/ob a nd diet-induced obese mice but not in db/dbobese mice)も参照されたい。 これらの報告のどれでも、最大の投与量でさえ、毒性は観察されなかった。 OBタンパク質の臨床への適用の期待にもかかわらず、インビボでのOBタン パク質の作用機作は、部分的にはOBレセプターに関する情報が無いことによっ て、明瞭には解明されてい ない。OBタンパク質の高アフィニティ結合が、ラット視床下部で検出され、そ れは、報告によればOBレセプターの位置を示している。Stephensら,Nature 3 77:530-532(1995)。db/dbマウスは、ob/obマウスと同一の表現型、即 ち極度の肥満とII型糖尿病を示す。この表現型は、欠陥OBレセプターによるも のと考えられている。何故ならば、特に、db/dbマウスは、OBタンパク質 投与に反応しないからである。 Stephensら,上記を参照されたい。 OBタンパク質レセプターの同定は、シグナル伝達経路の決定の鍵である。更 に、OBタンパク質レセプターの同定は、診断での使用において、例えば個々の ヒトがOBタンパク質療法が有用であるかどうかを決定するために、強力な適用 を提供しよう。更に、OBレセプターは、該レセプターに結合し、所望の生物活 性が得られる別の分子を決定するアッセイにおいて鍵となる成分でありえよう。 更に、このような可溶性レセプターは、OBタンパク質(又はそのアナログもし くは誘導体)の有効性を増加させ、又は改変しうるであろう。発明の概要 本発明は、本明細書で“OBタンパク質レセプター”又は“OB レセプター”と命名し、OBタンパク質と選択的に結合すると考えられる新規ク ラスのタンパク質レセプターに関する。新規OBレセプターファミリーそれ自体 、及びこのようなファミリーの新規メンバーを提供する。核酸、このような核酸 を含むベクターと宿主細胞、関連アンチセンス核酸、OBタンパク質レセプター に選択的に結合する分子、及びOBレセプタータンパク質/OBタンパク質複合 体のような物質の関連組成物も提供する。他の面では、本発明は、治療方法及び /又は診断方法のような、上記組成物の使用方法、並びにOBレセプターリガン ドの製造方法に関する。発明の詳細な説明 OBタンパク質の新規ファミリーを提供する。この新規ファミリーは、ヒト肝 細胞cDNAライブラリーから単離されたPCRフラグメントの同定から得られ た。プライマーが単離された元々のPCRフラグメントは、サイトカインレセプ ターに共通の“WSXWS”モチーフを含んでいた。下記の実施例で示すように 、このフラグメントを用いて、このOBタンパク質レセプターファミリーの4つ のメンバーが同定された。本明細書で“A”、“B”、“C”、及び“D”と命 名したこれらのメ ンバーは、アミノ酸位置1−891(配列番号1の番号付けを用いて)で同一で あるが、位置892からC末端まで異なる。それらは、アミノ酸891超のC末 端で長さが異なり、異なる形態は異なる組織分布を有するように考えられる。 疎水性解析を用いると、リーダー配列は、アミノ酸(配列番号1)1−21、 1−22又は1−28を含むようである。成熟タンパク質の最初のアミノ酸は2 2(F)、23(N)、又は26(T)であるようである。真核細胞発現(CH O細胞発現、実施例8(下記)参照)の解析に基づくと、成熟タンパク質の最初 のアミノ酸は22(F)であることが最もありそうである。膜貫通ドメインの開 始は位置840(A)又は842(L)に位置するようである。膜貫通ドメイン の最後は、位置862(I)、863(S)又は864(H)に位置するようで ある。即ち、疎水性解析からの予測に基づくと、OBタンパク質結合のために、 最小必要なものは、アミノ酸22、23又は29からアミノ酸839(D)又は 841(G)の、成熟タンパク質の細胞外ドメインである。それ故、OBレセプ タータンパク質の本クラスは、アミノ酸群(配列番号1による) (a)1−896; (b)22−896; (c)23−896; (d)29−896; (e)1−839; (f)22−839; (h)1−841; (i)22−841; (j)23−841; (k)29−841; (l)1−891; (m)22−891; (n)23−891; (o)29−891; (p) (i)OBレセプターB(配列番号3)位置892−904; (ii)OBレセプターC(配列番号5)位置892−958;及び (iii)OBレセプターD(配列番号7)位置892−1165; から選択されるC末端アミノ酸群を有するサブパート(l)〜(o)のアミノ酸 群; (q)N末端メチオニン残基を有する、リーダー配列を欠くサブパートb、c、 d、f、g、i、j、k、m、n、o、及び(p)のいずれかのアミノ酸群; を有するタンパク質を含む。 可溶性OBレセプターのヒトスプライス変異体と考えられるものも本明細書で 提供する。このスプライス変異体は、少なくともアミノ酸798(例えば、配列 番号1参照)までの細胞外ドメインを含み、位置799−804で独特の6個の アミノ酸C末端GKFTILを有する。 OBレセプターの機能性ドメインは、Bazan ら,PNAS-USA87:6934-6938(1990) [引用により本明細書に含まれるものとする]に含まれる情報を用いて予測でき うる。本OBレセプターの場合、2個のヘマトポイエチンドメイン、ランダムコ イル領域、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインがある。全体の地理は以下のよ うに画くことができる: Bazan,上記によって提供された情報を用いて、プラス又はマイナス約3個の 塩基対(Bazanの予測ドメインの同定のために特定した全てのアミノ酸位置 に適用される)の誤差を本質的に含むが、ドメインを予測できる。正確な位置は 、改変組換えDNAの製造と発現のような当業界公知の方法で経験的に決定でき る。構造的特徴は、該分子の構造的完全性を維持するのに重要であり、それ故、 機能的特徴の場合も、このような構造が機能のために重要であるという程度まで 重要であると考えられる。 ヘマトポイエチンドメイン(H1及びH2)は、各々2個のフィブロネクチン 3型リピート、各々一対のシステイン残基(ジスルフィドブリッジを形成すると 考えられる)、及び1個の“WSXWSボックス”(1文字アミノ酸略号を参照 、“X”は任意のアミノ酸である)を有すると考えられる。フィブロネクチン3 型ドメインは、二重プロリン(“PP”)の位置によって 同定できる。二重プロリンは、第2のフィブロネクチン3型リピートの開始を表 す。このような第2のフィブロネクチン3型リピートの実際の開始は、二重プロ リンの上流約3個のアミノ酸で始まるらしい。 第1のヘマトポイエチンドメインは、イソロイシン残基(I)であるアミノ酸 123(例えば配列番号1による番号付けを用いて)で開始するらしい。ヘマト ポイエチンドメインの最後のアミノ酸は、リシン(K)残基であるアミノ酸33 9であるらしい。2個のフィブロネクチン3型リピートは、アミノ酸(ほぼ)1 23〜235及び236〜339に位置するらしい。位置131および位置14 2に位置する、ジスルフィドブリッジを形成しそうな単一対のシステイン残基が ある。“WSXWSボックス”は位置319〜323に位置する。 第2のヘマトポイエチンドメインは、イソロイシン(I)である位置428で 始まり、グリシン(G)である位置642で終るらしい。対になったフィブロネ クチン3型リピートは、位置ほぼ428〜535及びほぼ536〜ほぼ642に 位置する。一対のシステインは位置436と位置447に位置し、第2の対は位 置473と488に位置する。“WSXWSボックス” は位置622〜626に位置する。 第1と第2のヘマトポイエチン領域の間(アミノ酸ほぼ339〜428)に、 機能的重要性が未知の領域がある。 ランダムコイルドメイン(H2と膜貫通ドメイン“TM”の間の“RC”)は 、第2ヘマトポイエチンドメインの最後の後のアミノ酸で始まり、膜貫通ドメイ ンの始まりで終るらしい。これは、アミノ酸ほぼ642〜839又は841であ るらしい(膜貫通ドメインは位置840(A)又は842(L)で始まる)。細 胞内ドメイン(“IC”)は位置861(L)、862(I)、863(S)又 は864(H)で始まるらしい。 細胞内ドメイン(“IC”)は、シグナル伝達に関与すると考えられる3つの 領域、即ち“ボックス”を含む(2個の“JAK”ボックスと1個の“STAT ”ボックス、“ボックス1”、“ボックス2”、及び“ボックス3”)。OBレ セプターの“D”型のアミノ酸位置の番号付け(配列番号7、下記)では、ボッ クス1はアミノ酸871(F)〜878(P)に位置する。ボックス2はアミノ 酸番号ほぼ921(I)〜931(K)に位置する。“D”型のボックス3は位 置ほぼ1141〜1144に位置する(アミノ酸群YMPQ、“STAT”ボッ クスは典型 的に保存領域“YXXQ”である。Xは任意のアミノ酸を示す)。細胞内ドメイ ンはシグナル伝達に関与すると考えられている。可能性のある一つの作用機作は 種々の残基のリン酸化を介してである。Ihle ら,Cell 84:331-334(1996)(総説 、引用により本明細書に含まれるものとする)を参照されたい。 可能性のある一つの作用機作は、リガンド結合が起ると(ここではOBタンパ ク質結合)、OBレセプターは別のレセプターと二量体化するというものである 。キナーゼ(“JAK”)はボックス1に結合し、リン酸化される。(JAKは 、二量体化の前に、既に結合している可能性がある。)また、“STATS”は ボックス3に結合し、特定のチロシンがリン酸化される。このリン酸化により、 恐らく間接的に、DNA結合タンパク質産生が起り、それにより、DNA転写の 変化が起り、そのために発現の変化が起る。下記の実施例6から分るように、O Bレセプターがシグナルを伝達する能力を測定する一つの方法は、JAK/ST AT分子のリン酸化の程度を測定することである。 C末端領域は細胞内である(細胞に結合したOBレセプターのC末端領域)。 本OBレセプターファミリーのメンバーのうちでのC末端の差異により、OBレ セプターの種のうちでのシ グナル伝達の差異が起りうる。本レセプターOBレセプターは、少なくとも、O Bタンパク質リガンド結合に重要な細胞外ドメインを含む。本OBレセプターを コードする核酸、ベクター、及び宿主細胞も本明細書で提供する。 細胞外ドメインは修飾されうるが、特に以下の修飾の一つ以上によってリガン ド結合の機能をなお保持しうる:(a)ランダムコイルドメイン(上記のように 、第2ヘマトポイエチンドメインの下流〜膜貫通ドメインの始まりに存在)が欠 失しうる(これは位置ほぼ642〜839又は841でありうる);(b)“W SXWS”ボックスが、(i)第1セリンの、グリシンのような、特に疎水性及 び/又は電荷に関し保存された別のアミノ酸による置換;(ii)最後のセリンが 、スレオニンのような別のアミノ酸で置換されうること;(iii)最初のトリプ トファンが、例えばチロシンのような別のアミノ酸で置換されうること;によっ て修飾されうること。 OBレセプタータンパク質をコードするヒトゲノムDNAも本明細書で提供す る。該ゲノムDNAはヒト染色体1P31(それはマウス第4染色体、マウスd b座の位置に対応すると考えられる)に局在する。 組織分布解析によると、OBレセプター核酸の存在はかなり遍在しており、特 に肝臓で注目される。それは、卵巣、心臓、より少なくは、小腸、肺、骨格筋、 腎臓、、更に少なくは、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、子宮、膵臓でも観察される (下記実施例2)。可溶性OBレセプター(これは、OBタンパク質の1種以上 の型と複合体を形成しうる)のような、血清中に存在するOBレセプターの1種 以上の型もありうる。アミノ酸配列及び組成 本発明によって、新規OBタンパク質レセプター及びこのようなOBレセプタ ーの全部又は一部をコードするDNA配列が提供される。本発明は、対立変異体 を含む天然の哺乳動物OBレセプターの、1次構造の一部又は全部(即ち、アミ ノ酸残基の連続配列)、及び一つ以上の生物学的性質(例えば、免疫学的性質及 びインビトロ生物活性)、及び物理的性質(例えば、分子量)を有する精製単離 されたポリペプチド産物を提供する。本明細書の“精製単離された”という用語 は、本ポリペプチドが意図した目的に有用であるように、所望しない物質を実質 的に含まないことを意味する。例えば、ヒトタンパク質又は病原体を実質的に含 まない組換えヒトOBレセプターを有しうる。 これらのポリペプチドはまた、哺乳動物細胞の産物、又は化学合成方法の産物、 又はゲノムもしくはcDNAクローニングか、もしくは遺伝子合成によって得ら れた外因性DNA配列の原核もしくは真核宿主発現(例えば、培養による、細菌 細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、及び哺乳動物細胞による)の産物で あることによっても特徴付けられる。典型的な酵母(例えば、Saccharomyces ce revisiae)宿主細胞、昆虫宿主細胞、又は原核(例えばE.coli)宿主細胞の産物 は、如何なる哺乳動物タンパク質を含有しない。脊椎動物(例えば、非ヒト哺乳 動物(例えばCOS又はCHO)及び鳥類)細胞での発現産物は如何なるヒトタ ンパク質も含まない。用いる宿主及び他のファクターによっては、本発明のポリ ペプチドは、哺乳動物もしくは他の真核の炭水化物によってグルコシル化されう るし、又は非グリコシル化のままでありうる。グリコシル化部位が得られるポリ ペプチドに含まれるように、核酸を修飾できる。グリコシル化ポリペプチドを部 分的に、又は完全に脱グリコシル化するように選択しうる。本発明のポリペプチ ドはまた、開始メチオニンアミノ酸残基(成熟ポリペプチドの第1アミノ酸残基 に関し位置−1)も含みうる。 天然の対立型のOBレセプターの他に、本発明は、OBレセプターのポリペプ チドアナログ及びOBレセプターのフラグメントのような他のOBレセプター産 物も包含する。上記の、Altonらの出願公開(WO 83/04053)の方法 により、1個以上の残基の同一性又は位置が(例えば、置換、末端と中間におけ る付加と欠失)、本明細書で特定したものとは異なる1次構造を有するポリペプ チドの微生物発現をコードする遺伝子の設計と製造は容易に行うことができる。 あるいは、cDNA及びゲノム遺伝子の修飾は、周知の部位特異性変異誘発技術 によって容易に行え、これらの修飾を用いてOBレセプターのアナログと誘導体 を産生できる。このような産物は、哺乳動物OBレセプターの生物学的性質の少 なくとも一つを有するが、他の点では異なりうる。例として、本発明で計画され る産物は、例えば欠失によって、短縮された産物、又は加水分解に対しより安定 な(及び、それ故、天然の産物より顕著な、又は長い持続効果を有しうる)産物 、又はグリコシル化の可能性のある1個以上の部位を欠失するように改変された 産物(それにより、酵母産生産物でより高い活性が得られうる)、又は1個以上 のシステイン残基が欠失するか、もしくは例えばアラニンもしくは セリン残基で置き換えられ、微生物系から活性型で、より容易に単離される可能 性のある産物、1個以上のチロシン残基がフェニルアラニンで置き換えられた産 物、又はリシン組成が改変された産物(誘導体化のために製造された産物など) を含む。酸性、電荷、疎水性、極性、サイズ、又は当業者公知の他の特徴に関し “保存的”であるアミノ酸置換を有するポリペプチドが含まれる。全般的には、 Creighton,Proteins,W.H.Freemanand Company,N.Y.,(1984)の 498PP.及び索 引及び各所を参照されたい。変化によって、タンパク質の全体のフォールディン グ又は活性が保存される限り、選択したアミノ酸を変化させることができる(下 記の表1参照)。アミノ末端メチオニン残基のようなアミノ末端の小さな延長、 約20〜25残基までの小リンカーペプチド、又はポリ−ヒスチジン、抗原性エ ピトープ、もしくは結合ドメインのような精製を容易にする小延長も存在しうる 。全般的には、Ford ら,Protein Expression and Purification 2:95-107,199 1[引用により本明細書に含まれるものとする]を参照されたい。 表1 同類アミノ酸置換 OBレセプター内の連続アミノ酸配列又は2次構造の一部のみが重複するポリ ペプチドフラグメントであって、哺乳動物(特にヒト)OBレセプターの一つの 活性(例えば、免疫活性)を有しうるが、他の活性(例えばOBタンパク質結合 活性)を有しえないことを特徴とする該フラグメントも包含される。 天然のタンパク質、糖タンパク質及び核タンパク質に存在するアミノ酸配列が 実質的に重複する合成ペプチドの免疫活性の報告が、本発明のOBレセプターフ ラグメント及びポリペプチドアナログへ適用できる。より詳細には、比較的低分 子量のポ リペプチドは、ウイルス抗原、ポリペプチドホルモンなどの生理的に重要なタン パク質の免疫反応に、継続性と程度において同様な免疫反応に関与することが知 見されている。このようなポリペプチドの免疫反応のうちに、免疫活性動物にお ける特異的抗体の形成の刺激が含まれる。例えば、Lerner ら,Cell 23:309-310 (1891);Rossら,Nature 294:654-656(1891);Walterら,PNAS-USA 77:5197-5200(1 980);Lerner ら,PNAS-USA 78:3403-3407(1891);Walter ら,PNAS-USA 78:488 2-4886(1891);Wongら,PNAS-USA 79:5322-5326(1982);Baron ら,Cell 28:395 -404(1982);Dressmanら,Nature 295:185-160(1982);及びLerner,Scientific Ame rican 248:66-74(1983)を参照されたい。ペプチドホルモンの2次構造をほぼ有 するが、1次構造を共有しない合成ペプチドの生物活性及び免疫活性に関する K aiser ら,Science 223:249-255(1984)も参照されたい。本発明はまた、OBレ セプターのヒトcDNA又はゲノムDNA配列のタンパク質コード鎖に相補的な DNAの一部によってコードされるポリペプチドのクラス、即ち Tramontano ら ,Nucleic Acid Res.12:5049-5059(1984)に記載の“相補的逆タンパク質”も包 含する。ポリペプチド又はそのアナログは、ペプチド擬似物のよう な1つ以上のアミノ酸アナログも含みうる。 本クラスのOBレセプタータンパク質は、アミノ酸群(配列番号1による) (a)1−896; (b)22−896; (c)23−896; (d)29−896; (e)1−839; (f)22−839; (g)29−839; (h)1−841; (i)22−841; (j)23−841; (k)29−841; (l)1−891; (m)22−891; (n)23−891; (o)29−891; (p) (i)OBレセプターB(配列番号3)又はC(配列 番号5)の位置892で始まるC末端アミノ酸配列を有するサブパート(l)〜 (o)のアミノ酸群; (q)N末端メチオニン残基を有する、リーダー配列を欠くサブパートb、c、 d、f、g、i、j、k、m、n、o、及び(p)のいずれかのアミノ酸群; を有するタンパク質を含む。 (a)アミノ酸群1−1165; (b)アミノ酸群22−1165; (c)アミノ酸群23−1165; (d)アミノ酸群29−1165; (e)N末端メチオニン残基を有するサブパート(b)、(c)もしくは(D) のアミノ酸群; から選択されるアミノ酸配列(配列番号7による)を有する、本明細書で“D” 型と命名したより長い型のOBレセプタータンパク質も提供する。 上記のように、膜貫通領域と細胞内領域の除去によって可溶性レセプターを製 造することができる。可溶性レセプターの例には、配列番号10と13に記載の ものがある。可溶性ヒトOBレセプターの天然の、分泌型であると考えられるも のも、本明 細書で提供される。この型のOBレセプタータンパク質は、 (a)アミノ酸群1−804; (b)アミノ酸群22−804; (c)アミノ酸群23−804; (d)アミノ酸群29−804;及び (e)N末端メチオニン残基を有するサブパート(b)、(c)又は(d)のア ミノ酸群; から選択されるアミノ酸配列(配列番号13による)を有する。 更に、上記ポリペプチドのC末端領域は位置892で異なるので(配列番号1 、3、5、7及び13に関して)、以下の異なるポリペプチドのみの製造を望み うる: (a)配列番号1のアミノ酸群892−896のみを有するポリペプチド; (b)配列番号3のアミノ酸群892−904のみを有するポリペプチド; (c)配列番号5のアミノ酸群892−958のみを有するポリペプチド; (d)配列番号7のアミノ酸群892−1165のみを有するポリペプチド;及 び (e)配列番号13のアミノ酸群799−804のみを有するポリペプチド。 細胞外ドメインを有する上記ポリペプチドは上記のように修飾でき、リガンド 結合という機能をなお保持する。このような修飾は、以下のものの1つ以上を含 みうる: (a)ランダムコイルドメイン(上記のように、第2ヘマトポイエチンドメイン の下流〜膜貫通ドメインの始まりに存在)は欠失させることができる(これは、 位置ほぼ642〜839又は841でありうる); (b)“WSXWS”ボックスは、(i)第1セリンの、別のアミノ酸、特に、 グリシンのような、疎水性及び/又は電荷の点で保存された別のアミノ酸による 置換;(ii)最後のセリンは、スレオニンのような別のアミノ酸で置換しうる; (iii)第1トリプトファンは、別のアミノ酸、例えばチロシンで置換されうる 。 本ポリペプチドは、配列番号7の番号付けによると、 (a)1−896; (b)22−896; (c)23−896; (d)29−896; (e)1−839; (f)22−839; (g)29−839; (h)1−841; (i)22−841; (j)23−841; (k)29−841; (l)1−891; (m)22−891; (n)23−891; (o)29−891; (p)OBレセプターB(配列番号3)、C(配列番号5)及びD(配列番号7 )のC末端アミノ酸群から選択されるC末端アミノ酸群を有するサブパート(l )〜(o)のアミノ酸群; (q)22−804、23−804及び29−804からなる群から選択される アミノ酸群(配列番号13による); (r)N末端メチオニン残基を有し、リーダー配列を欠くサブパートb、c、d 、f、g、i、j、k、m、n、o、(p) のいずれか、及び(q)のアミノ酸群;及び (s)以下の修飾の少なくとも一つを有するサブパート(a)〜(r)のアミノ 酸群: (i)サブパート(q)によるアミノ酸群ではない、サブパート(a)〜(p) のアミノ酸群及びサブパート(r)のアミノ酸群の場合に、(a)640−83 9(配列番号1による番号付けを用いて);(b)641−839;(c)64 2−839;(d)640−841;(e)641−841;及び(f)642 −841;から選択されるランダムコイルドメイン配列の欠失(又は上記ランダ ムコイルドメイン配列のアミノ酸(群)の置換もしくは上記ランダムコイルドメイ ン配列の他の修飾); (ii)サブパート(q)の配列を含むサブパート(q)のアミノ酸群とサブパー ト(r)のアミノ酸群の場合に、(a)640−804;(b)641−804 ;及び(c)642−804;から選択されるランダムコイルドメインの欠失( 又は上記ランダムコイルドメイン配列のアミノ酸(群)の置換もしくは上記ラン ダムコイルドメイン配列の他の修飾);及び (iii)(a)第1セリンの、別のアミノ酸、特にグリシンのよ うな疎水性及び/又は電荷の点で保存された別のアミノ酸による置換;(b)最 後のセリンの、スレオニンのような別のアミノ酸による置換;及び(c)第1ト リプトファンの、別のアミノ酸、例えばチロシンによる置換;である“WSXW S”配列の修飾; を含む。 他のペプチド配列による融合分子を作製するために、OBレセプターを修飾で きる。例えば、免疫原性ペプチドによってOBレセプターに“タグ(tag)” を付けることを望む場合には、このような融合タンパク質が得られるDNAを構 築できよう。タグはN末端に存在しうる。また、C末端はリガンド結合活性に必 要ではないらしいので、C末端、例えば可溶性OBレセプターのC末端を化学修 飾できる。例えば、ポリエチレングリコール分子のような1種以上のポリマー分 子が結合している産物を所望することができる。即ち、本発明の別の面は化学修 飾OBレセプタータンパク質である(更に下にも記載)。 このような“タグ”の例は、組換え可溶性OBレセプターのC末端を用いて本 明細書で提供される。配列番号12は、このような可溶性OBレセプターの“F LAG−タグ”版を提供す る(転写され、ポリペプチドを製造できる核酸配列を提供する)。このような“ FLAG−タグ”はまた、OBレセプタータンパク質のN末端又は他の領域にも 結合できる。この型の“タグ付け”は、このようなタグのために選択的である、 抗体のような試薬を用い、タンパク質と結合させるのに有用である。このような 結合は、タンパク質の位置又は量の検出のため、又は例えばアフィニティカラム を用いてタグ、及び所望のタンパク質と結合させるタンパク質捕捉方法のためで ありうる。他の型の検出可能標識、例えば放射性アイソトープ、発光(例えば、 蛍光性化合物又は燐光性化合物)、酵素的切断可能で検出可能な抗体(又はその 修飾)、又は他の物質を、本タンパク質のこのような標識のために使用できる。 標識の使用によるタンパク質の検出は、OBレセプタータンパク質又はこのよう なタンパク質を含む化合物(例えば、OBレセプターと複合体を形成したOBタ ンパク質)の存在又は量の同定に有用でありうる。更に、このような標識タンパ ク質は、外因性OBレセプタータンパク質を、内因性型から区別するのに有用で ありうる。核酸 本発明の新規核酸配列は、原核又は真核宿主細胞における、 その一次構造立体配座の少なくとも一部及び組換えヒトOB受容体の生物学的特 性の1以上を有するポリペプチド産生物の発現を確実にする上で有用な配列を含 む。これらの核酸は、所望のコーディング領域が、例えば、本発明のポリペプチ ドを生成する上で有用であり、又は診断の目的に有用であるように、以下に十分 に説明される通りに、精製及び単離することができる。 本発明のDNA配列は、特に、(a)配列番号2、4、6、8、9、11、12 、及び14に示されるDNA配列(及び相補鎖)のいずれか;(b)サブパート (a)におけるDNA配列又はそれらの断片に(下記cDNAライブラリースク リーニングの項に開示される、ヒト肝臓cDNAライブラリーにおけるOB受容 体タンパク質をコードするcDNAへの選択的なハイブリダイズに既述の300 bp PCR断片を用いるハイブリダイゼーション条件の下で、又は等価の条件 もしくはより厳密な条件の下で)ハイブリダイズするDNA配列;及び(c)遺 伝コードの縮退がない場合にサブパート(a)におけるDNA配列にハイブリダ イズするDNA配列を含む。パート(b)及び(c)に特に含まれるものは、ヒトO B受容体の対立形質変異形態をコードし、及び/又は他の哺乳類動物種に由来す るOB受容体 をコードするゲノムDNA配列、並びにOB受容体、OB受容体の断片、及びO B受容体の類似体をコードする加工DNA配列であって、そのDNA配列が微生 物宿主におけるmRNAの転写及び翻訳を容易にするコドンを組み込むことが可 能であるものである。このような加工配列は、Altonら、PCT公開出願W O83/04053号の方法に従って容易に構築することができる。 本発明のOB受容体をコードする、配列番号9のようなゲノムDNAは、追加 の非コーディング塩基、すなわちイントロンを含んでいてもよく、そのようなゲ ノムDNAは、配列番号2、4、6、8、11、及び14に示されるcDNAの 全て及び一部をヒトゲノムDNAライブラリーのようなゲノムDNA資源にハイ ブリダイズすることにより得ることができる。このようなゲノムDNAは機能的 OB受容体ポリペプチドをコードするが、cDNAを使用することがより実用的 であり、その場合、コーディング領域のみが含まれるため、組換え操作が容易で ある。ゲノムDNAのイントロン/エキソンの位置は下記配列番号9に示されて いる。 核酸配列は、選択された非哺乳類動物宿主による発現を高め るコドンの組み込み;制限エンドヌクレアーゼ酵素による開裂部位の提供;及び クローニング及び/又は発現ベクターの構築を容易にする開始、停止又は中間D NA配列の提供を含む。 また、本発明は、以下に説明される点で天然の形態とは異なる、ポリペプチド 類似体又はOB受容体の誘導体をコードするDNA配列も提供する。発現を容易 にするため、又は他の目的のために、リーダー配列DNAを別のリーダー配列に 置換することが可能である。 また、本発明のDNAに対するアンチセンス核酸を調製することも可能である 。このようなアンチセンス核酸は、イン・ビボでのOB受容体タンパク質の効果 を調節する上で有用であり得る。例えば、OB受容体を生成する細胞の能力を、 そのようなOB受容体をコードする核酸に結合させることにより効率的に無効と するアンチセンス核酸を調製することができる。 また、本発明のDNA配列は、他の哺乳類動物種のcDNA及びゲノムDNA 配列に加えて上述のOB受容体及び関連タンパク質をコードするヒトゲノムDN Aの単離において標識プローブとして用いられる物質にも適する。また、DNA 配列は、(例えば、昆虫細胞における)タンパク質合成の様々な代替法、 又は、以下に説明されるように、ヒト及び他の哺乳類動物における遺伝子治療に おいても有用であり得る。本発明のDNA配列は、OB受容体及びOB受容体産 生物を大量に生成するための真核生物“宿主”として役に立ち得る遺伝子導入哺 乳類動物種の開発において有用であるものと期待される。一般的には、Palm iter et al.,Science 222:809−814(1983 )を参照のこと。ベクター及び宿主細胞 本発明の他の側面によると、ここで説明されるOB受容体ポリペプチドをコー ドするDNA配列は、これまで利用することができなかった哺乳類動物のタンパ ク質のアミノ酸配列に関する、それらが提供する情報に対して重要である。換言 すると、本発明によって提供されるDNA配列は、新規かつ有用なウイルス及び 環状プラスミドDNAベクター、新規かつ有用な形質転換及び形質移入された原 核及び真核宿主細胞(培養物中で成長する細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、及び 哺乳類動物細胞を含む)、並びにOB受容体及びその関連産生物を発現すること が可能なこれらの宿主細胞を培養により成長させるための新規かつ有用な方法を もたらすのに有用である。 また、ここで提供されるDNA(又は対応するRNA)は、例えば、拒食症又 は悪疫質のようなOBタンパク質の過剰発現を特徴とする状態を治療するための 遺伝子治療にも有用であり得る。あるいは、OBタンパク質に結合し、又は結合 を保持する能力を欠くOBタンパク質受容体を特徴とする状態を個体が有する場 合のような、OBタンパク質に対する感受性の増加が望まれる場合において有用 であり得る。現在、例えば、遺伝子治療に適切なベクター(例えば、遺伝子治療 用に修飾され、純粋かつ薬学的に許容し得るレトロウイルス及びアデノウイルス )を送達のために肺に投与することが可能である。このようなベクターは、発現 させる本発明のポリペプチドをコードする核酸を所望の位置に取り込むことが可 能である。遺伝子治療は、所望の1タンパク質又は異なる所望の複数のタンパク 質の1種より多くの遺伝子を含んでいてもよい。 あるいは、宿主中で比較的安定に存在することを容易にするため、ベクターを 用いなくともよい。例えば、ここで提供されるDNA又は適切な転写もしくは翻 訳制御領域の相同組換えは、宿主ゲノムへの組み込み又はそのゲノムからの発現 を容易にし得る。(これは、生成の目的でも行うことができる。例えば、 米国特許5,272,071号及びWO91/09955号。)核酸は、細胞の 取込みを容易にするため、脂質溶液坦体(例えば、荷電脂質)、リポソーム、又 はポリペプチド坦体(例えば、ポリリジン)のような薬学的に許容し得る坦体に 含めることができる。遺伝子治療に関する総括論文はVerma,Scient ific Aemrican,November 1990,pages 68 −84であり、これは参照することによりここに組み込まれる。 したがって、本発明では、本発明のOB受容体群のOB受容体を発現する細胞 の集団が考慮されている。このような細胞は、治療の目的で個体に移植するのに 適している。例えば、(配列番号で同定されるもの又は他の方法でここに示され るもののような)OB受容体を過剰発現し、又は所望の形態のOB受容体、例え ば、OBタンパク質に対して特に感受性であるもの(すなわち、所望の信号伝達 能力を有する形態)を発現するように細胞の集団を調製することができる。その 後、それらの細胞を個体に移植してOBタンパク質に対するその個体の感受性を 高めることができる。このような細胞は、例えば、肝臓細胞、骨髄細胞、又は臍 帯から由来する細胞であり得る。あるいは、過剰 発現する循環細胞、例えば、血液前駆細胞、T細胞又は他の血球を用いようとす ることも可能である。ヒトに対してはヒト細胞を用いることができる。細胞は組 織の形態であってもよい。このような細胞を移植に先立って培養することができ る。このようなOB受容体の過剰発現、又はOB受容体の特に感受性の高い形態 の発現は、例えば、前述の相同組換え技術を用いるもののように、OB受容体の 発現の調節機構を変更することにより達成することができる。このようにして、 内在性OB受容体DNAの発現が高まるように修飾された宿主細胞の集団が提供 される。 適切であるならば、レシピエントに移植しようとする細胞を、これらの細胞の 成長又は増殖に影響を及ぼす1以上の因子を用いて培養することが可能である。 造血因子を造血細胞の培養において用いることができる。このような因子には、 当業者に利用可能であることから、G−CSF、EPO、MGDF、SCF、F lt−3リガンド、インターロイキン(例えば、IL1−IL13)、GM−C SF、LIF、並びにそれらの類似体及び誘導体が含まれる。 ニューロン又はグリアのような神経細胞も用いることが可能 であり、これらは、BDNF、CNTF、GDNF、NT3、その他のような神 経栄養性因子と共に培養することができる。 1種より多くの所望のタンパク質を発現する細胞の移植を含む共遺伝子治療( co−gene therapy)も考えられる。例えば、OB受容体タンパク 質を発現する細胞を、同時に、もしくは逐次、OBタンパク質を発現する細胞と 共に用いることができる。 遺伝子治療での投与に対しては、ベクター、発現系、レシピエントの年齢、体 重及び状態並びに当業者に明らかな他の因子に応じて、一般に、細胞当たり1コ ピーないし数千コピーの本発明の核酸が用いられる。このようなタンパク質の細 胞送達は選択された期間、例えば、数日間、数週間、数ヶ月間もしくは数年間持 続するように設計することができる。有効期間の最後に、このような形質転換細 胞のレシピエントは再度“投与”(例えば、細胞の移植)を受けることが可能であ る。細胞は、それらの寿命、それらが所望のタンパク質を発現する期間、又は個 体から再単離されるそれらの能力(すなわち、血球については、細胞表面に存在 するマーカーを用いて形質転換細胞を回収するのに白血球除去法を用いることが できる)について選択するこ とが可能である。例えば、そこに含まれるDNAの発現期間が知られているウイ ルスを用いて、ベクターを同様に設計することができる。 所望の細胞又はベクターは、凍結のような当業者が利用可能な技術を用いて保 存することができる。 したがって、本発明は、OB受容体タンパク質を個体に投与する方法であって 、該OB受容体タンパク質の源が(i)OB受容体タンパク質を発現する細胞の 集団及び(ii)OB受容体タンパク質を発現するベクターの集団から選択され る方法をも包含する。該OB受容体タンパク質はここに記述されるものの中から 選択することができる。前記ベクターはヒト細胞に感染することが可能なウイル スベクターであり得る。前記細胞は組織又は個別の細胞の中から選択することが できる。該個別の細胞は、脂肪細胞、線維芽細胞、骨髄細胞、末梢血前駆細胞、 赤血球、並びにT細胞及び神経細胞を含む白血球から選択することができる。前 記細胞もしくはベクターの集団は、OBタンパク質又は他の所望のタンパク質を 発現する細胞もしくはベクターの集団と同時投与することが可能である。前記細 胞又はベクターは個体において用いるために保存することができる。保 存は凍結によるものであってもよい。複合体 ここで説明されるOB受容体タンパク質に加えて、OB受容体タンパク質とO Bタンパク質、類似体もしくは誘導体との複合体を調製することができる。 このOBタンパク質は、上述の、参照することによりその全体がここに組み込 まれるPCT公開WO96/05309号に記述されるものから選択することが できる。この刊行物の図3(そこで引用される配列番号4)は、ヒトOB遺伝子 について導かれる推定全アミノ酸配列を示す。これらのアミノ酸は1から167 まで番号がふられている。シグナル配列開裂部位はアミノ酸21(Ala)の後 に位置し、そのため成熟タンパク質はアミノ酸22(Val)からアミノ酸16 7(Cys)まで広がる。本開示に対しては異なる番号付けが用いられ、アミノ 酸位置1は成熟タンパク質が始まるバリン残基である。 一般に、用いられるOBタンパク質は選択されたOBタンパク質受容体と複合 体を形成することが可能である。したがって、(上に示されるOB受容体の細胞 外ドメインの全てもしくはその一部に対する)結合能力を経験的に試験してどの 形態のOB タンパク質を用いることができるかを決定することができる。一般に、上に示さ れるようなOB受容体タンパク質に一般的に適用可能な修飾をここで適用するこ とも可能であり、その開示は参照することによりここに組み込まれる。WO 9 6 05309号に説明されるように、天然型OBタンパク質、又は断片(例え ば、酵素開裂生成物)もしくは他の切り詰められた形態、類似体、及び誘導体は 全て生物学的活性を保持する。このような形態は、本発明のOB受容体タンパク 質の細胞外ドメインの少なくとも一部と結合する限り、用いることができる。 有効量のOBタンパク質、それらの類似体又は誘導体を、成熟タンパク質の第 1アミノ酸が番号1であるように番号がふられているPCT WO96/053 09号、図3に提示されるアミノ酸配列に従い、以下のものの中から選択するこ とができる: (a)任意に28位のグルタミン残基を欠失し、かつさらに任意にN−末端に メチオニン残基を有する、アミノ酸配列1−146: (b)4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、6 7、68、71、74、77、78、89、97、 100、102、105、106、107、108、111、112、118、 136、138、142、及び145位の1以上で置換されている異なるアミノ 酸を有する、サブパート(a)のアミノ酸配列; (c) (i)アミノ酸98−146 (ii)アミノ酸1−32 (iii)アミノ酸1−35 (iv)アミノ酸40−116 (v)アミノ酸1−99及び112−146 (vi)アミノ酸100−111の1以上がアミノ酸99と112と の間に連続して配置されているアミノ酸1−99及び112−146 の中から選択される切り詰められたOBタンパク質類似体(上記サブパート(a )の番号付けを使用);及び (vii)アミノ酸100、102、105、106、107、10 8、111、112、118、136、138、142、及び145の1以上が 別のアミノ酸で置換されているサブパート(i)の切り詰められたOB類似体; (viii)アミノ酸4、8及び32の1以上が別の アミノ酸で置換されているサブパート(ii)の切り詰められた類似体; (ix)アミノ酸50、53、60、64、66、67、68、71 、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、 108、111及び112の1以上が別のアミノ酸で置換されているサブパート (iv)の切り詰められた類似体; (x)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、60 、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、112、1 18、136、138、142、及び145の1以上が別のアミノ酸で置換され ているサブパート(v)の切り詰められた類似体; (xi)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、6 0、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、 102、105、106、107、108、111、112、118、136、 138、142、及び145の1以上が別のアミノ酸で置換されているサブパー ト(vi)の切り詰められた類似体; (xii)N−末端メチオニン残基を有するサブパー ト(i)−(xi)のいずれかの切り詰められた類似体;及び (d)タンパク質成分に接続する化学的成分を含んでなる、サブパート(a) から(c)のいずれかのOBタンパク質又は類似誘導体; (e)前記化学的成分が水溶性ポリマー成分である、サブパート(d)の誘導 体; (f)前記水溶性ポリマー成分がポリエチレングリコールである、サブパート (e)の誘導体; (g)前記水溶性ポリマー成分がポリアミノ酸成分である、サブパート(f) の誘導体; (h)前記水溶性ポリマー成分が前記タンパク質成分のN−末端のみに結合す る、サブパート(g)の誘導体; (i)薬学的に許容し得る坦体中のサブパート(a)から(h)のいずれかの OBタンパク質、類似体又は誘導体。 OBタンパク質、類似体及び関連分子は以下の刊行物にも報告されているが、 報告されている組成物のいかなるものの活性に関しても提示はなされていない: 米国特許5,521,283号;5,532,336号;5,552,522 号;5,552,523号;5,552,524 号;5,554,727号;5,559,208号;5,563,243号;5 ,563,244号;5,563,245号;5,567,678号;5,56 7,803号;5,569,744号;5,569,743号(全てEli L illy and Companyに譲渡されている); PCT WO96/23517号;WO96/23515号;WO96/23 514号;WO96/24670号;WO96/23513号;WO96/23 516号;WO96/23518号;WO96/23519号;WO96/23 520号;WO96/23815号;WO96/24670号;WO96/27 385号(全てEli Lilly and Companyに譲渡されている ); PCT WO96/22308号(Zymogeneticsに譲渡されてい る); PCT WO96/29405号(Ligand Pharmaceutic als,Inc.に譲渡されている); PCT WO96/31526号(Amyin Pharm aceutic als,Inc,に譲渡されている); PCT WO96/34885号(Smithkline Beecham PLCに譲渡されている); PCT WO96/35787号(Chironに譲渡されている); EP 0 725 079号(Eli Lilly and Company に譲渡されている); EP 0 725 078号(Eli Lilly and Company に譲渡されている); EP 0 736 599号(Takedaに譲渡されている); EP 0 741 187号(F.Hoffman LaRocheに譲渡されている) 。 これらの参考文献が有用なOBタンパク質又はそれらの類似体もしくは誘導体 、あるいは関連組成物又は方法を考慮する程度にまで、そのような組成物及び/ 又は方法を、本発明のOB受容体タンパク質と共に、例えば同時投与(選択され た投与スケジュールにおいて一緒に、もしくは別々に)に用いることが可能であ り、又は組成物を本発明のOBタンパク質受容体に複合体化することにより用い ることができる。上のような条件の下で、これらの刊行物は参照することにより ここに組み込まれる。誘導体及び製剤 本発明のOBタンパク質受容体及び/又はOBタンパク質(ここでは、“タン パク質”という用語は、他に示されない限り、“ペプチド”及びOBタンパク質 もしくは受容体類似体、例えば以下に詳述されるものを含むように用いられる) は、タンパク質成分への1以上の化学的成分の結合によって誘導体化することも 可能である。本発明の医薬組成物がOBタンパク質受容体とOBタンパク質との 複合体を活性成分として含む場合、それらのタンパク質の一方又は両者を誘導体 化することができる。化学的に修飾された誘導体は、さらに、動脈内、腹腔内、 筋肉内、皮下、静脈内、口腔、鼻腔、肺、局所又は他の経路の投与のために処方 することができる。生物学的に活性なタンパク質の化学的修飾は、特定の環境下 におけるさらなる利点、例えば、治療用タンパク質の安定化及び循環時間の増加 並びに免疫原性の低下をもたらすことが見出されている。1979年12月18 日に発行された米国特許4,179,337号、Davisらを参照のこと。再 検討のためには、Abuchowskiら、Enzymes as Drugs (J.S.Holcerberg and J.Roberts,eds.pp . 367−383(1891))を参照のこと。タンパク質の修飾及び融合タンパ ク質を記述する総括論文は、Francis,Focus on Growth Factors :4−10(May 1992)(Mediscript ,Mountview Court,Friern Barnet Lane, London N20,OLD,UK発行)である。 好ましくは、最終生成物調製品を治療で使用するためには、誘導体化するため の化学的成分は薬学的に許容し得るものである。ポリマーを用いることができる 。当業者は、そのポリマー/タンパク質結合体を治療上用いることが可能である かどうかを考慮し、もし、可能であれば、所望の投与量、循環時間、タンパク質 分解に対する耐性、その他について考慮し、それらに基づいて所望のポリマーを 選択することが可能である。本発明のタンパク質及びペプチドについては、誘導 体化の有効性は、その誘導体を所望の形態(すなわち、浸透圧ポンプにより、又 は注射もしくは輸液により、又は、例えば、口腔、肺もしくは鼻腔搬送のために さらに処方して)で投与し、ここで説明される生物学的効果を観察することによ り確認することができる。 誘導体化に適切な化学的成分は様々な水溶性ポリマーの中か ら選択することができる。選択されたポリマーは、それが結合するタンパク質が 生理学的環境のような水性環境において混和性であるように水溶性であるべきで ある。この水溶性ポリマーは、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリ コール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキ ストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオ キソラン、ポリ−1,3,6−トリオキソラン、エチレン/マレイン酸無水物共 重合体、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムもしくは非ランダム共重合体 のいずれか(融合タンパク質に関する前出のものを参照))、及びデキストラン 、又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリ コールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポ リオキシエチル化ポリオール、ポリスチレンマレエート及びポリビニルアルコー ルからなる群より選択することができる。ポリエチレングリコールプロピオンア ルデヒドは、その水中での安定性のため、製造する上での利点を有し得る。 融合タンパク質は、ポリアミノ酸をOBタンパク質受容体又はOBタンパク質 (又は類似体もしくは複合体)成分に結合さ せることにより調製することができる。例えば、このポリアミノ酸は、タンパク 質の循環半減期を増大させる役目を果たす坦体タンパク質であり得る。本発明で の治療又は美容の目的のためには、これらのポリアミノ酸は中和抗原反応又は他 の有害反応を生じないものであるべきである。このようなポリアミノ酸は、血清 アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、抗体もしくはそれらの一部(例え ば、“Fc”とも呼ばれる抗体定常領域)又は他のポリアミノ酸からなる群より 選択することができる。以下に示されるように、ポリアミノ酸の結合部位はOB タンパク質成分のN−末端であっても他の場所であってもよく、また、化学的“ リンカー”成分によってOBタンパク質に接続していてもよい。 ポリマーはいかなる分子量のものであってもよく、分岐していても分岐してい なくてもよい。ポリエチレングリコールについては、好ましい分子量は、取り扱 い及び製造を容易にするため、約2kDaないし約100kDa(“約”という 用語は、ポリエチレングリコールの調製において、分子の幾つかは述べられてい る分子量よりも重く、幾つかは軽いことを示す)である。所望の治療上の概要( 例えば、所望の徐放の持続、存在す るのであれば生物学的活性に対する効果、取り扱いの容易さ、抗原性の程度もし くは喪失、及び治療用タンパク質もしくは類似体に対するポリエチレングリコー ルの他の既知の効果)に応じて、別の大きさを用いることができる。 結合するポリマー分子の数は変化させることが可能であり、当業者は機能に対 する効果を確認することが可能である。モノ−誘導体化してもよく、あるいは同 じか、もしくは異なる化学的成分(例えば、異なる重量のポリエチレングリコー ルのようなポリマー)でのジ−、トリ−、テトラ−誘導体化又は誘導体化の幾つ かの組み合わせを備えていてもよい。ポリマー分子のタンパク質(又はペプチド )分子に対する割合は、反応混合物中のそれらの濃度に応じて変化する。一般に 、(過剰の未反応タンパク質又はポリマーが存在しないという反応の効率の点で の)最適の比は、誘導体化の所望の程度(例えば、モノ、ジ−、トリ−、等)、 選択されたポリマーの分子量、そのポリマーが分岐しているのかしていないのか 、及び反応条件のような因子によって決定される。 化学的成分は、タンパク質の機能的又は抗原性ドメインに対する効果を考慮し てタンパク質に結合させるべきである。当業 者が利用可能な多くの結合方法が存在する。例えば、参照することによりここに 組み込まれるEP 0 401 384号(G−CSFへのPEGの結合)、M alik et al.,Exp.Hematol.20:1028−1035 (1992)(塩化トレシルを用いるGM−CSFのペギル化(pegylat ion)を報告)も参照のこと。例えば、ポリエチレングリコールを遊離アミノ 基もしくはカルボニル基のような反応基によりアミノ酸残基を介して共有結合さ せることができる。反応基は、活性化ポリエチレングリコール分子(又は他の化 学的成分)が結合することができるものである。遊離アミノ基を有するアミノ酸 残基にはリジン残基及びN−末端アミノ酸残基が含まれ得る。遊離カルボキシル 基を有するものにはアスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、及びC−末端アミ ノ酸残基が含まれ得る。スルフヒドリル基もポリエチレングリコール分子(1つ もしくは複数)(又は他の化学的成分)を結合させるための反応基として用いる ことができる。治療薬を製造する目的に好ましいものは、N−末端又はリジン基 での結合のようなアミノ基での結合である。受容体結合を望む場合には、受容体 結合にとって重要な残基での結合は回避するべきである。 N−末端が化学的に修飾されたタンパク質が特に望まれることがある。ポリエ チレングリコールを本発明の組成物の例として用いると、様々なポリエチレング リコール(分子量、分岐等により)、反応混合物中でのポリエチレングリコール 分子のタンパク質分子に対する割合、実施しようとするペギル化反応のタイプ、 及び選択されたN−末端ペギル化タンパク質を得る方法から選択することができ る。N−末端ペギル化調製品を得る方法(すなわち、必要であれば、この成分を 他のモノペギル化成分から分離すること)は、N−末端ペギル化物質をペギル化 タンパク質分子の集団から精製することによるものであり得る。選択的N−末端 化学修飾は、特定のタンパク質の誘導体化に利用可能な異なるタイプの一次アミ ノ基の弁別的な反応性(リジン対N−末端)を利用する還元性アルキル化によっ て達成することができる。PCT WO96/11953号を参照のこと、これ は、参照としてここに組み込まれる。適切な反応条件の下で、実質的に選択的な 、N−末端でのカルボニル基含有ポリマーを用いるタンパク質の誘導体化が達成 される。例えば、リジン残基のe−アミノ基とタンパク質のN−末端残基のa− アミノ基との間のpKaの差を利用することを可能にするpHで反 応を実施することにより、タンパク質を選択的にN−末端ペギル化することがで きる。このような選択的誘導体化により、タンパク質へのポリマーの結合が制御 される。ポリマーとの結合はタンパク質のN−末端で優先的に生じ、リジン側鎖 アミノ基のような他の反応基の重大な修飾は生じない。還元性アルキル化を用い る場合、ポリマーは上述のタイプのものであればよく、かつタンパク質に結合す るための単一の反応性アルデヒドを有するべきである。単一の反応性アルデヒド を有するポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドを用いることができる。 N−末端が化学的に修飾された誘導体は、治療薬の製造が容易であるため、( 他の形態の化学修飾を上回って)好ましい。N−末端化学修飾は、生成物の特徴 付けがジ−、トリ−又は他の多誘導体化生成物に対して単純化されるため、均質 な生成物を確実なものとする。上述の還元性アルキル化プロセスをN−末端が化 学的に修飾された生成物の調製に用いることは、商業生産を容易にするために好 ましい。 本発明のさらに別の側面において、これらのタンパク質及び誘導体の医薬組成 物を使用する方法が提供される。このような医薬組成物は、注射による投与用、 又は経口、肺、鼻腔、経皮 もしくは他の形態の投与用のものであり得る。一般に、本発明が包含するものは 、有効量の本発明のタンパク質又は誘導体生成物を薬学的に許容し得る希釈剤、 保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤及び/又は坦体と共に含む医薬組成物である 。このような組成物は、様々な緩衝成分(例えば、トリス−HCl、酢酸塩、リ ン酸塩)、pH及びイオン強度を有する希釈剤;添加剤、例えば洗浄剤、可溶化 剤(例えば、ツィーン80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例えば、アス コルビン酸、メタ亜硫酸水素ナトリウム)、保存剤(例えば、チメルソール、ベ ンジルアルコール) 及びかさばる物質(例えば、ラクトース、マンニトール);ポリ乳酸、ポリグリ コール酸等のポリマー性化合物の粒状調製品又はリポソームへの物質の組み込み を含む。例えば、1996年10月3日に公開され、参照することによりここに 組み込まれる、PCT WO96/29989号、Collinsら、“安定な タンパク質:リン脂質組成物及び方法”を参照のこと。ヒアルロン酸も用いるこ とができ、これは循環における徐放を促進する効果を有することがある。このよ うな組成物は、本発明のタンパク質及び誘導体の物理的状態、安定性、イン・ビ ボ での放出の速度、及びイン・ビボでのクリアランスの速度に影響を及ぼすことが ある。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sc iences, 18thEd.(1990,Mack Publishing Co.,Easton,PA 18042)1435−1712頁を参照のこ と。これは、参照することによりここに組み込まれる。これらの組成物は液体形 態に調製することが可能であり、又は凍結乾燥形態のような乾燥粉末であっても よい。移植可能な徐放製剤も経皮製剤と同様に意図されている。 特に意図されるものは、上記誘導体化タンパク質の経口投与形態である。タン パク質は、その誘導体の経口送達が有効であるように化学的に修飾することがで きる。一般に、意図される化学修飾は、タンパク質(又はペプチド)分子それ自 体への少なくとも一成分の結合であって、この成分が(a)タンパク分解の阻害 ;及び(b)胃又は腸からの血流への取込を可能にする結合である。タンパク質 全体の安定性の増加及び体内での循環時間の増加も望まれる。参照することによ りここに組み込まれるPCT WO95/21629号、Habberfiel d、“化学的に修飾されたタンパク質の経口送達”(1995 年8月17日公開)及び参照することによりここに組み込まれる、1996年1 1月12日発行の米国特許5,574,018号、Habberfieldら、 “ビタミンB12及びタンパク質の結合体”を参照のこと。 本発明のタンパク質又はそれらの誘導体の肺送達もここで意図されるものであ る。タンパク質(誘導体)は吸入の間に哺乳類動物の肺に送達され、肺上皮裏層 を通過し血流に到達する。参照することによりここに組み込まれる、1994年 9月15日に公開されたPCT WO94/20069号、Nivenら、“顆 粒球コロニー刺激因子の肺投与”を参照のこと。 タンパク質(又は類似体もしくは誘導体)の鼻腔送達も意図されている。鼻腔 送達は、治療用生成物を鼻に投与した後、その生成物を肺に堆積させる必要なし に、タンパク質が血流に直接通過することを可能にする。鼻腔送達用の製剤には 、デキストラン又はシクロデキストランのような吸収増強剤を含有するものが含 まれる。他の粘膜を通過する輸送による送達も意図されている。投与量 当業者は、投与及び所望の治療効果の観察により有効投与量 を確認することが可能である。好ましくは、医薬組成物中の分子又は複合体の処 方は、約0.10μg/kg/日ないし10mg/kg/日が所望の治療効果を 生じる用量である。有効投与量は診断ツールを全時間にわたって用いて決定する ことができる。例えば、血液(又は血漿もしくは血清)中のOBタンパク質又は OB受容体タンパク質の量を測定するための診断をOBタンパク質(又は受容体 )の内在レベルの決定に最初に用いることができる。このような診断ツールは、 抗体サンドイッチアッセイのような抗体検定の形態であり得る。最初に内在性O B受容体タンパク質(例えば、可溶性受容体)の量を定量し、基線を決定する。 治療の過程全体にわたって内在性及び外来性OB受容体タンパク質(すなわち、 体内に見出される、自己生成した、もしくは投与されたタンパク質、類似体又は 誘導体)の定量を継続することにより治療用投与量を決定する。したがって、投 与量は治療の過程全体にわたって変化させることが可能であり、最初に治療上の 利点が見られるまで比較的高い投与量を用い、その治療上の利点を維持するのに より低い投与量を用いる。 肥満の人の治療の初期過程の間は、体重の低下とそれに伴う 脂肪組織減少の増大が達成される投与量を投与することができる。十分な体重の 低下が達成されたら、体重の再増加を防止するのに十分であり、その上、所望の 体重又は脂肪質量を維持するのに十分な投与量を投与することができる。これら の投与量は、OBタンパク質の効果が可逆的であるため、経験的に決定すること ができる。例えば、Campfield et al.,Science 26 :546−549(1995) 547。したがって、体重の減少を望まない ときに体重の低下を生じる投与量が観察される場合には、より低くはあるが所望 の体重を維持する用量を投与する。治療用組成物及び方法 単独の、もしくはOBタンパク質と組み合わせられている本発明のOB受容体 タンパク質、及び核酸は、治療方法又は治療のための医薬の製造方法に用いるこ とができる。このような治療にはOBタンパク質の過剰産生を特徴とする状態が 含まれ、この状態においては、本発明のOB受容体、特にその可溶形態をそのよ うな過剰のOBタンパク質と複合体を形成させ、したがってそれを不活性化する のに用いることができる。又は、そのようなOB受容体タンパク質、特のその可 溶形態は、OBタ ンパク質の活性を保護するように作用し得る。理論によって結びつけることを望 むものではないが、OBタンパク質受容体のアゴニスト活性が、OBタンパク質 受容体(特に可溶性受容体)がOBタンパク質と複合体を形成するときに達成さ れる保護効果によって果たされるものと推定することができる。このような効果 はイン・ビボでのOBタンパク質の血清半減期を延長させることが可能である。 これらの治療は、可溶性受容体を調製し(例えば、前出のものに記述されるよう な細胞外ドメインの使用)、かつその組成物を、それらを必要とする個体に投与 することにより、又はそのようなOB受容体を含み、もしくは発現する細胞の集 団を調製し、かつそれらの細胞を、それらを必要とする個体に移植することによ り達成することができる。 また、本発明のOB受容体は、欠陥OB受容体を有するものの治療に用いるこ ともできる。例えば、そのような非欠陥OB受容体を有する細胞の集団を調製し 、かつそれらの細胞を個体に移植することにより、欠陥OB受容体を有する個体 を治療することができる。又は、個体が不適切な数のOB受容体を有することが あり、個体に利用可能なOB受容体の数を増加させるために、そのような受容体 を有する細胞を移植することが可能 である。 本発明のOB受容体タンパク質及び関連組成物、例えば、OB受容体タンパク 質/OBタンパク質複合体は、体重の低下、脂肪の減少、赤身質量の増加、イン シュリン感受性の増加、総合的体力の増加、赤血球(及び血中酸素添加)の増加 、骨吸収及び骨粗鬆症の減少、血清コレステロールレベルの減少もしくは維持、 トリグリセリド(LDLもしくはVLDL)レベルの減少もしくは維持、動脈プ ラーク形成の防止もしくは低減、高血圧の治療、及び胆石形成の防止もしくは低 減を考慮している。体脂肪組成は特定のタイプの癌と相関することがあるため、 本発明の組成物は特定のタイプの癌の防止又は回復に有用であり得る。また、本 発明は、少なくとも1種の本発明の組成物を含む、ここに説明される美容/治療 状態に関連して用いられる医薬の製造方法を包含する。 本発明の組成物及び方法は、他の医薬、例えば、糖尿病の治療に有用なもの( 例えば、インシュリンもしくはそれらの類似体、チアゾリジンジオン又は他の抗 高血糖薬、及び、おそらく、アミリンもしくはそれらのアンタゴニスト)、コレ ステロール及び血圧低下薬(例えば、血液脂質レベルを低下させるもの又 は他の心血管用医薬)、及び活性を増大させる医薬(例えば、アンフェタミン) と共に用いることができる。食欲抑制剤も用いることができる(例えば、セロト ニン調節剤及びニューロペプチドYアンタゴニスト)。このような投与は同時で あっても、逐次であってもよい。 加えて、本発明の方法は外科的手順、例えば、身体の外見全体を変更するよう に設計された美容手術(例えば、脂肪吸引もしくは身体の嵩を減少させるように 設計されたレーザー手術、又は身体の外見を大きくさせるように設計された移植 手術)と共に用いることができる。本発明の組成物及び方法を併用して、心臓手 術、例えば、バイパス手術又は動脈プラークのような脂肪沈積による血管の閉塞 によって引き起こされる有害な状態を軽減するように設計された他の手術の健康 上の利益を増大させることができる。胆石を除去するための方法、例えば、超音 波又はレーザー法も、本発明の治療方法の過程の前、その間、又はその後に用い ることができる。さらに、本発明の方法は、骨折、損傷を受けた筋肉の手術もし くは治療、又は除脂肪組織の質量の増加によって改善される他の治療の補助法と して用いることができる。 さらに別の側面において、本発明は、肥満症、II型糖尿病、過剰の血液脂質 もしくはコレステロールレベル、インシュリンに対する感受性の増加、除脂肪質 量の増加、及び上に説明される他の状態の治療のための医薬の製造方法を考慮し ている。また、いかなる治療上の利益がないとしても、体重の低下、より具体的 には、脂肪沈積の減少によって外見の改善を望む個体に対する美容のみの治療も 提供される。診断用組成物及び方法 上に示されるように、本発明のポリペプチド生成物を検出可能なマーカー物質 と会合させることにより“標識”し(例えば、125Iでの放射線標識、蛍光、化 学発光、酵素)、固形組織及び血液もしくは尿のような流体試料中のOB受容体 (又は複合体)の検出及び定量において有用な試薬を提供することが可能である 。また、本発明の核酸生成物も、検出可能なマーカー(例えば、放射線標識及び ビオチンのような非同位体標識)で標識し、染色体地図におけるヒトOB受容体 遺伝子の位置及び/又は関連遺伝子群の位置を決定するハイブリダイゼーション 法において用いることができる。ヒトOB受容体遺伝子に選択的に結合する核酸 配列がこの目的に有用である。また、これらは、 DNAレベルでのヒトOB受容体遺伝子の異常の同定に用いることが可能であり 、隣接遺伝子及びそれらの異常を同定するための遺伝子マーカーとして用いるこ とができる。このような核酸配列は、生物学的試料からのOB受容体mRNAレ ベルを検出又は測定するために用いることができる。このような標識物質を具備 するキットがここで意図されている。 ここで提供されるタンパク質及び/又は核酸はキットの一部又は製造物品とし て具現することもできる。包装材料及び1種以上のここに提供される組成物の調 製品を具備する製造物品が意図されている。このような包装材料は、そのタンパ ク質又は核酸調製品が生物学的試料中のOB受容体の量又は生物学的試料中のO B受容体の欠陥の検出及び/又は定量に有用であることを示すラベルを含む。キ ットは、それ自体で、このような試験を実施するための物質、例えば、血液、尿 、又は組織試料に対するDNAもしくはRNAハイブリダイゼーション分析又は PCR分析の実施に有用な試薬を任意に有していてもよい。 本発明のさらなる実施態様は、選択的結合分子、例えば、OB受容体に選択的 に結合するモノクローナル抗体である。Kohler and Milstei n Eur.J.Immu nol., 511−519(1976)に初めて記述されたハイブリドーマ 技術が、多くの特定の抗原に対するモノクローナル抗体を高水準に分泌する雑種 細胞系の生成に広く用いられている。組換え抗体(Huse et al.,S cience246:1275(1989)を参照)を調製することもできる。 このような組換え抗体は、例えば、相補性決定領域を修飾して親和性を増加もし くは変更するか、又はそのような抗体を“ヒト化”することにより、さらに修飾 することが可能である。例えば、このような抗体を診断の目的でキットに組み込 むことができる。診断キットは、個体のOB受容体の位置及び/又は量を決定す るのに用いることができる。また、診断キットは、個体がOBタンパク質を結合 する受容体、又は結合可能性又は能力が様々な程度に低下した受容体を有するか どうかを決定するのに用いることもできる。以下に述べられるように、このよう な抗体はOB受容体タンパク質の免疫原性部分を用いて調製することができる。 このような選択的結合分子はそれら自身がOBタンパク質の代替物であり得、医 薬組成物に処方することができる。 このようなタンパク質及び/又は核酸は組織分布検定(例え ば、以下の実施例に提供されるようなもの)又はOB受容体の位置を決定する他 の検定に用いることができる。 本発明のOB受容体タンパク質群は、OBタンパク質類似体、疑似体又は小分 子を得るための方法において用いることができる。所望のOB受容体タンパク質 、特に天然型OBタンパク質に結合する能力を有するものを単に調製し、検出可 能な標識物質で標識することが可能なその試験分子を、そのような受容体に結合 する能力について検定する。他のパラメーター、例えば、親和性及び結合の位置 も、当業者が利用可能な方法で確認することができる。例えば、本発明のOB受 容体の一部、特にリガンド結合に必要な細胞外ドメインの一部を、そのような結 合の位置の決定に用いることができる。細胞外ドメインの領域が様々に切り詰め られ、又は欠失しているOB受容体を調製することが可能であり、これらは試験 分子の結合の位置の決定に用いることができる。天然型OB結合に欠陥があるこ とが知られるOB受容体、例えば、潜在的に、そのような欠陥受容体を有する個 体からのものを用い、これを、所望の生物学的活性(すなわち、体重の低下、異 脂肪血症の減少もしくはコレステロール、レベルの低下、糖尿病の発生もしくは 重篤性の減少)を生じ るのに有効であるOBタンパク質を確認するための基礎として用いることができ る。他の用途には、身体の外見を変更するための美容のみの用途、特に脂肪の除 去、が含まれる。 本発明のOB受容体タンパク質又は核酸は、OBタンパク質又は受容体を“ア ップレギュレーション”する物質の同定に有用でもあり得る。例えば、イン・ビ ボでのOB受容体の一時的な発現は、投与された物質がOB受容体の増加を生じ るのか、又は減少を生じるのかを決定するのに有用であり得る。OB受容体の発 現の増加は体重又は脂質代謝の調節を生じるものと結論付けることが可能である 。 C−末端における分岐によって、異なる信号伝達能力を有するOB受容体を発 現し得る。したがって、観察される信号伝達のタイプに応じて、異なる受容体群 の一員を異なる検定に用いることができる。細胞内ドメインの少なくとも一部が 信号伝達に必要であるものと考えられる(前出のものを参照)。 以下の実施例は本発明をより十分に説明するために提示されるが、それらの範 囲を限定するものとして解釈されるものではない。実施例1 :ヒトOB受容体タンパク質の同定 ヒトOB受容体タンパク質DNAを、ヒト肝cDNAライブラリーにおいて2 ステップで同定した。第1ステップでは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で2 つのプライマーを使用して、ヒト肝cDNAライブラリーから特定の300塩基 対領域を増幅させた。第2ステップでは、PCR断片をプローブとして使用して 、ヒト肝cDNAライブラリーをスクリーニングした。13個のクローンが得ら れたが、これらのクローンは5’末端で不完全であった。5’末端を完全なもの とする手順を実施して、完全クローンを作製した。12個のクローンの配列を決 定した。これら12個のクローンを、予測されるアミノ酸配列のC−末端により 表示される“A”、“B”または“C”として同定した。ポリメラーゼ連鎖反応 オリジナルのPCRプライマーは、GenBankデーターベース登録番号T 73849を有する416塩基対配列の5’末端及び3’末端をベースとした。 この配列は、サイトカイン受容体“WSXWS”に存在する公知のモチーフに基 づいて選択された。 5’プライマーは416bp配列の配列73−96を有していた。3’プライ マーは416bp配列の配列337−360を有していた。 これらのプライマーを使用して、ヒト肝cDNAライブラリー(Strata gene)をプローブした。標準的方法を使用した。 こうして、416bp断片の配列73−360を有するPCR断片が生じた。ハイブリダイゼーション 300bpのPCR断片を使用して、標準的な方法でヒト肝cDNAライブラ リー(Stratagene)をプローブした。この第2ハイブリダイゼーショ ンにより、13個のポジティブクローンが生じた。これらのクローンは、5’末 端が不完全な部分クローンであった。5’末端の完全化 cDNA末端(“RACE”、キット、GIBCO/BRL)の迅速増幅を用 いて、完全長クローンを得た。配列決定の結果 配列決定により、OB受容体DNAには3種のタイプがある ことが明らかとなった。13個のクローンのうち、4個のクローンは“A”タイ プ(配列番号1及び2)、1個のクローンは“B”タイプ(配列番号3及び4) 、4個のクローンは“C”タイプ(配列番号5及び6)であった。 以下の配列同定から分かるように、OB受容体“A”は896アミノ酸長、“ B”は904アミノ酸長、及び“C”は958アミノ酸長であった。これらの異 なるOB受容体は、アミノ酸位置1−891においては同一であり、位置892 から殆ど完全に相違する。リーダー配列は、疎水性分析により、22(F)、2 3(N)または29(T)から始まる成熟タンパク質を有するアミノ酸1−21 (M−A)、1−22(M−F)または1−28(M−I)であると見做される 。疎水性分析に基づいて、リーダー配列は位置1−21(M−A)にある可能性 が最も高い。分泌型のOB受容体タンパク質のチャイニーズハムスター卵巣(“ CHO”)細胞産生によっても、成熟タンパク質の第1アミノ酸としてアミノ酸 番号22を有するタンパク質が産生された。貫膜領域は、位置840(A)また は842(L)から位置862(I)、863(S)または864(H)までの 範囲にありそうである。OB受容体タイプ“A”の場合、最後 のアミノ酸は位置896に存在し、リシン(L)である。OB受容体タイプ“B ”の場合、最後のアミノ酸は位置904に存在し、グルタミン(Q)である。O B受容体タイプ“C”の場合、最後のアミノ酸は位置958に存在し、グルタミ ン酸(E)である。 OB受容体タンパク質タイプ“C”の場合、C−末端領域は公知のヒト転移因 子と高い相同性を有する。本ヒトOB受容体タンパク質タイプ“C”のヌクレオ チド2737〜2947は、Onoら、Nucl.Acids Res.15: 8725−8737(1987)(塩基520〜731、SINE−R11、G ENBANK受託番号x07417)に記載されているヒトレトロ転移因子の2 11塩基部分と98.1%の相同性を有する。実施例2:組織分布 組織分布を2つの方法で確認した。第1の方法は全タイプ“A”OB受容体の 使用を含んでいた。第2の方法は該タンパク質のC−末端領域に特異的なプロー ブの使用を含んでいた。これらのC末端領域は相違しているので、第2の方法は OB受容体類の各受容体の組織分布を検出した。 第1の方法は、プローブとして全タイプ“A”OB受容体DNAを用い、ノー ザンブロットキット(Clontech)を使用した。第2の方法は、3タイプ の異なるC−末端をコードする核酸に特異的なプライマーを用いるPCRを使用 した。標準的方法を使用した。 表2は、ノーザンブロット及びPCR法の結果を示す。“+”は研究者が主観 的に決定したシグナル強度を示す。ノーザンブロット分析において、“+++” は、フィルムを一晩露光させたときに結果(X線フイルム上に暗いバンド)が認 められることを示す。“++”は、2週間露光させたときにバンドが認められた ことを示す。“+”は、3週間露光させたときにバンドが認められたことを示す 。更に、この方法を用いて、2つの分子量(4Kb及び6.2Kb)が認められ た。分布は偏在性であるが、最も強いシグナルは卵巣、心臓及び肝臓で見られた 。PCR分析において、OB受容体“A”は試験したすべての組織(前立腺、卵 巣、小腸、心臓、肺、肝臓及び骨格筋)で認められた。OB受容体“B”は肺及 び肝臓でのみ認められ、OB受容体“C”は卵巣、心臓、肺及び肝臓で認められ た。表2 新規OB受容体の組織分布 実施例3:ヒトOB受容体ゲノムDNAの同定及び染色体局在化、ヒトOB受容 体“D”の同定 完全長ヒトOB受容体ゲノムDNAも作製した。OB受容体“A”cDNAの 全部を、市販されているキット(GenomeSystems、P1ベクター中 のヒトゲノムライブラリーを用いて)の材料及び方法を用いてヒトゲノムDNA ライブラリ ーに対するプローブとして用いた。1つのポジティブクローンを検出した。イン トロンは、(OB受容体“A”DNAに対して)塩基対番号559、1059、 1350、1667、1817、1937、2060、2277、2460、2 662及び2738に位置している。 ヒトOB受容体遺伝子を、FISH分析(GenomeSystems)によ りヒト染色体1P31に局在化させた。ヒト第一番染色体は、db遺伝子座の位 置にあると推定されるマウス染色体4C7に相当すると考えられる。 別の染色体配列を単離した。この染色体DNA配列を、上記したヒトゲノムラ イブラリーから単離した。この染色体配列はヒトOB受容体“D”と呼称される ものをコードする。コードされるアミノ酸配列は配列番号7に示す通りである。 このアミノ酸配列をコードするcDNAは配列番号8に示す通りである。染色体 DNAイントロン/エキソン接合マップは配列番号9に示す通りである。 形態“A”、“B”及び“C”のように、本形態“D”OB受容体タンパク質 の場合、成熟タンパク質の第1アミノ酸は(疎水性分折を用いて)位置22(F )、23(N)または29(T) から始まると推定される。タンパク質の最後のアミノ酸は、位置1165に存在 し、バリン残基である。他の形態のように、細胞外ドメインは位置22(F)、 23(N)または29(T)から位置839(D)または841(G)の範囲に ある。貫膜ドメインは位置840(A)または842(L)から始まるようであ る。貫膜ドメインの末端は位置862(I)、863(S)または834(H) にあるようである。貫膜領域を越えるC−末端領域は、多分シグナル伝達に関与 し、位置863(S)、864(H)または865(Q)から位置1165(V )の範囲にある。 本OB受容体形態“D”は、アミノ酸位置976(位置3022で始まるヌク レオチドコドン)のアミノ酸が1つ変わっていることを除いて、Tartagl iaら、Cell 83:1263−1271(1995年12月29日)に公 表されたものと同一である。本タイプ“D”の位置976のアミノ酸はアスパラ ギン酸であり、公表されている同じ位置に相当するアミノ酸はアラニンである。 これは下記するように非同類置換である。置換の位置がシグナル伝達のために重 要と考えられる領域にあるので、この変化は分子の機能に影響を与えるであろう 。実施例4:可溶性OB受容体の調製 3種の可溶性ヒトOB受容体を調製した。1.リーダー+細胞外ドメイン(配列番号10及び11) 組換え形態の可溶性ヒトOB受容体を調製した。この形態は、未熟タンパク質 ではリーダー配列及び細胞外ドメイン(アミノ酸1−839)を含む。成熟タン パク質ではリーダー配列が欠失し、成熟組換え可溶性ヒトOB受容体の最初のア ミノ酸は22(F)、23(N)または29(T)である。このタンパク質を下 記のように発現させた。2.リーダー配列+細胞外ドメイン+C−末端FLAG(配列番号12) 第2形態の組換え可溶性ヒトOB受容体も調製した。この形態は、該タンパク 質のC末端の位置に“FLAG”標識を有していた。“FLAG”ペプチドは、 “FLAG”ペプチドを認識する抗体を使用してタンパク質を追跡することがで きるので有用な研究ツールである。前記試薬は市販されている(コネチカッテ州 ニューヘブンに所在のIBI)。このタンパク質を下記のように発現させた。3.天然のスプライス変異体(配列番号13及び14) この形態は、天然に存在する分泌型可溶性ヒトOB受容体の組換え体であると 考えられる。この形態は、細胞外ドメインに認められる多くのアミノ酸(アミノ 酸22−798)及びカルボキシル末端にユニークな6アミノ酸配列を有してい る。配列番号13のアミノ酸位置799から始まって、この天然スプライス変異 体ヒトOB受容体タンパク質のアミノ酸配列は“GK F T I L”である 。実施例5:発現ベクターの調製 哺乳動物細胞において発現させるために組換えヒトOB受容体発現ベクターを 調製した。上記したように、発現は、細菌細胞のような非哺乳動物細胞において も実施され得る。タイプ“A”cDNA(配列番号2)を、市販されているヒト 胚腎細胞系“293”を含めた哺乳細胞において発現させるために市販の哺乳動 物ベクター(pCEP4、Invitrogen)に導入した。 組換え可溶性OB受容体を発現させるために、リーダー配列及び細胞外ドメイ ン(配列番号10及び11)からなる組換えヒトOB受容体発現ベクターを、上 記と同じ系(市販されてい る哺乳動物ベクターpCEP4及び“293”細胞)を用いて調製した。この組 換え可溶性ヒトOB受容体も同様にCHO細胞で発現させた。 組換え可溶性ヒトOB受容体の“FLAG標識”形態(配列番号12)及び“ D”形態(配列番号7)を上記と同様にして“293”細胞において発現させた 。 所望タンパク質の検出をBIACORE(Pharmacia)分析を用いて 実施した。この分析は、Bartleyら、Nature 368:558−5 60(1994)に記載されている分析と類似している。 本質的に、BIACORE装置は2つのタンパク質間のアフィニテイー相互作 用を測定する。この場合、OBタンパク質を装置上に固定し、OB受容体を発現 する細胞系由来の条件培地を装置に添加した。条件培地中に存在する受容体タン パク質はOBタンパク質表面に結合した。BIACORE装置は、受容体タンパ ク質が発現されたことを示すリードアウトを与えた。“293”細胞における組 換え可溶性受容体(配列番号10)発現の場合、リードアウトはベースラインの リードアウト0に対して191.0であった。CHO細胞における組換え可溶性 受容体(配列番号10)発現の場合、リードアウトはベースラインのリードアウ ト0に対して150.9であった。C−末端FLAG標識(配列番号12)を有 する組換え可溶性受容体の場合、リードアウトはベースラインのリードアウト0 に対して172.0であった。 細菌細胞における発現のために、典型的にはリーダー配列をコードする部分( 例えば、可能性としてアミノ酸1−21、1−22または1−28)を除去する 。細菌発現のためにはN−末端に追加のメチオニンを付加する。更に、天然型リ ーダー配列を別のリーダー配列または発現を容易にするための切断用の他の配列 で置換することもできる。実施例6:シグナル伝達の立証 本実施例では、“D”形態は細胞内でシグナルを発生させる活性があり、同じ 細胞で“A”形態は活性でないことを立証する。シグナル伝達アッセイは、”A ”または“D”形態のいずれかを一過性に発現する“293”細胞を使用して実 施した(“293”発現クローンの調製については上記参照)。 細胞内でシグナル伝達に関与すると予測される分子のリン酸化を、OBタンパン 質の試験したOB受容体タンパク質への結合 時に試験した。結果は、OBタンパン質が細胞外ドメインに結合したときに“D ”形態の本OBタンパク質受容体はシグナル化分子のリン酸化を開始させるに十 分なシグナルを伝達することを示す。方法 1. OB受容体分子 上記したように、“A”形態(配列番号1)及び“D”形態(配列番号7)を 調べた。 2. 発現系 “A”形態(配列番号2)または“D”形態(配列番号8)をコードする挿入 DNAを有する(上記した)pCEP4系を使用して、“293”細胞をトラン スフェクトした。これらの細胞では、pCEP4ベクターをゲノムに組み込むこ とができず、発現は一過性であった。非組換え(偽トランスフェクトした)細胞 もコントロールとして調製した。 3. リン酸化の検出 偽トランスフェクトした細胞及び“A”形態または“D”形態を発現する細胞 を分析した。処理前16時間0.5%血清を含む培地中でインキュベートするこ とにより細胞を血清飢餓 (serum−starved)にしてから処理した。細胞をOBタンパク質( 10mg/ml)で37℃で15時間処理した後、細胞を改変NP40緩衝液( 50mMのトリス(pH8.0)、150mMの塩化ナトリウム、1%のNP4 0、10mg/mlのアプロチニン、5mMのEDTA、200mMのオルトバ ナジン酸ナトリウム)中で溶解した。ホスホチロシンを含有するタンパク質を免 疫沈降し(抗−ホスホチロシン抗体4G10、ニューヨーク州レークプラシッド に所在のUBI)、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離した。電 気泳動し、膜にエレクトロブロッティング後、免疫沈降物を各種シグナル伝達分 子に対する抗体でプローブした。STAT類、JAK類及びERK類に対する抗 体は、Santa Cruz Biotechnology Inc.から購入 した。免疫複合体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次試薬により製造業者 (ECL、Amersham)が記載のように化学発光を用いて検出した。ポジ ティブコントロールとして、32D細胞をIL−3で処理した。IL−3が分析 した分子の多くをチロシンリン酸化により活性化することは公知である。 4. 結果 結果を下表3に示す。表から明らかなように、JAK分子及びSTAT分子の リン酸化により検出されるように、“D”形態のみがマウスまたはヒトOBタン パク質のいずれかに応答し得た。“+”はシグナルが検出されたことを示し、“ −”はシグナルが観察されなかったことを示す。 キ 抗体検出標的 * 組換えヒトOBで処理した、受容体形態“D”を発現する293細胞 ** 組換えマウスOBで処理した、受容体形態“D”を発現する293細胞 # 組換えヒトOBで処理した、受容体形態“A”を発現する293細胞 ## 組換えマウスOBで処理した、受容体形態“A”を発現する293細胞 “D”形態は293細胞においてJAK/STAT経路を介してシグナル伝達 を開始し得るが、“A”形態はできない。実施例7:可溶性OB受容体の治療薬としての使用 本実施例では、可溶性OB受容体タンパク質がOBたんぱく質の活性を保護す るように作用することを立証する。可溶性OB受容体及び/またはOBタンパク 質は、「遺伝子移植片」を介して、すなわち所望のDNAを発現するように処理 した骨髄細胞を介して、哺乳動物に投与される。OBタンパク質を可溶性OB受 容体と組み合わせて投与したときには、動物の体重減少はOBタンパク質のみを 投与したときに比して多かった。このことは、OB受容体タンパク質の保護作用 を示す。 理論に束縛されるつもりはないが、可溶性OB受容体タンパク質は、血清中の OBタンパク質をその活性を低下させるおそれのある物質及び状態から保護する ように作用するという作用様式が考えられ得る。この保護作用により、タンパク 質の循環半減期が延長されるであろう。従って、本実施例から、単独でまたはO Bタンパク質(またはそのアナログもしくは誘導体)との複合体として投与され たOB受容体は治療薬として作用し得ることが立証される。材料及び方法 1. 組換えobレトロウイルスベクター充填細胞の調製マウスob cDNA の使用 完全長の野生型マウスob cDNAを、Zhangら、Nature 37 2:425−432(1994)に記載されている公知の配列から設計した合成 オリゴヌクレオチドを用いてPCRにより増幅させた。リンカー(EcoRIリ ンカー及びBglIIリンカー)を、サブクローニングを容易にするために使用し た。可溶性組換えヒトOB受容体cDNAの使用 上記と同様の方法を使用した。配列番号10の組換えヒト可溶性受容体を含む 構築物を使用し、クローニングを容易にするためにリンカーで修飾した(すなわ ち、Bgl制限エンドヌクレアーゼ認識サイトを付加した)。所望cDNAのベクターへの挿入 PCR産物をEcoRI及びBglIIで消化し、同様に消化した親ベクター( pMSCV2.1)にウイルスLTRプロモーターの転写調節下でクローン化し た。(カナダのトロント大学のR.Hawleyから供給された)親MSCVベ クター は、MESV(マウス胚幹細胞ウイルス)から誘導され、Hawleyら、J. Exp.Med.176:1149−1163(1992)に記載されている内 部マウスホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーターにより作動するネ オマイシンホスホトランスフェラーゼ耐性(neor)遺伝子を含む。親プラス ミドpMSCV2.1及びpMSCV−OBを別々に、(ニューヨーク州のコロ ンビア大学のA.Bank博士から供給された)GP+E−86充填細胞系にエ レクトロポレートした(Markowitzら、J.Virol.62:112 0−1124(1988))。エレクトロポレートした集団から収集した一過性 の上清を、ツニカマイシン処理した親GP+E−86細胞を感染させるために使 用した。ツニカマイシン処理により、親充填細胞の重感染に対するブロックが除 去される。各感染集団からG418(0.78mg/ml、67%活性、ニュー ヨーク州グランドアイランドに所在のGIBCOLaboratories,L ife Technologies,Inc.)耐性クローンを選択し、これら クローンの力価をNIH3T3細胞の感染により測定した。最高のG418耐性 力価を示したクローンを増殖し(expand)、アリコートと して凍結した。凍結したウイルス充填細胞の同じ継代由来のアリコートを各骨髄 感染及び移植実験で使用した。親及びob充填細胞系について、感受性マーカー レスキューアッセイを用いて複製コンピテントウイルスの存在を調べ、そのよう なウイルスが存在しないことが判明した(Joyner編「遺伝子ターゲッティ ング:実際的アプローチ(Gene Targetting:A Practi cal Approach)」(ニューヨーク州ニューヨークに所在のOxfo rd UniversityPress発行)中のMooreら(1993)) 。 2. レトロウイルス上清の作製 組換えウイルス産生充填細胞系を、175cm2組織培養フラスコにおいてI scove改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO)、10%(v/v) FBSで37℃で増殖させた。細胞のサブコンフルエント(約60%)単層に新 しい培地を供給してから24時間後にウイルス含有上清を収集した。ウイルス上 清を吸引により充填細胞系から除去し、滅菌濾過し(0.45μm)、骨髄培養 物に直接添加した。各実験で使用するために、凍結した充填細胞系の新しいアリ コートを融解した。 3. 骨髄感染及び移植 8〜12週齢の雌C57BL/6J (+/+)または(ob/ob)マウスを 骨髄ドナー及びレシピエントとして使用した。マウスはすべて、メイン州バーハ ーバーに所在のThe Jackson Laboratoryから購入し、政 府の条例及び学会のガイドラインに従って飼育室で特定の病原体が存在しない条 件下で飼育した。 5−フルオロウラシル(5−FU)ミズーリ州セントルイスに所在のSigm a Chemical Co.)処理(150mg/kg静注)から4日目にド ナーマウスの大腿骨及び脛骨から骨髄細胞を採取した。骨髄細胞(6×105/ ml)を、(上記した)新しいウイルス上清、15%FBS、6mg/mlのポ リブレン(Sigma)、0.1%のウシ血清アルブミン(BSA、分画V、S igma)、2.5ng/mlの組換えマウスIL−3(rmIL−3)、10 0ng/mlの組換えヒトIL−6(rhIL−3)、100ng/mlの組換 えヒトIL−11(rhIL−11)及び100ng/mlの組換えラットSC F(rrSCF)を含む150mm組織培養皿(30ml/皿)でインキュベー トした。すべての増殖因子は Amgen,Inc.(カリフォルニア州サウザンド・オークス)が製造したも のであった。培地を新しいウイルス含有上清及び成長因子と毎日、3日間取り替 えた。 感染期間の終わりに、全部の非付着及び付着細胞を洗浄し、1%BSA−食塩 液に再懸濁し、g−照射(12Gy、Cs137)マウスに移植した。各動物に2 .5×106個の同系細胞を移植した。群当たりの動物数は約10であった。 4. トランスフェクト細胞及び移植動物におけるOBタンパク質発現の分析 トランスフェクトした骨髄細胞に対してはウェスタン分析を実施した。ベクタ ー充填細胞上清をSDS−PAGE(16%アクリルアミド)で分離した後、H ybond−ECL(イリノイ州アーリントンハイツに所在のAmersham )に移した。フィルターを、T−TBS緩衝液(20mMのトリス−塩酸(pH 7.6)、137mMのNaCl、0.1%のTween20)中でアフィニテ ィー精製家兎抗−マウスOBタンパク質ポリクローナル抗体と室温で45分間イ ンキュベートした。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ロバ抗−家兎I gG(Amersham)をT−TBSで1:2500に希釈し、 フィルターと室温で45分間インキュベートした。製造業者が推奨するように増 強化学発光(ECL、Amersham)検出を実施した。 移植した動物に対しては血清分析を実施した。動物をイソフルオラン麻酔下で 眼窩後方から放血させた。移植したob/ob動物の血清を非還元及び還元条件 下でSDS−PAGE(4〜20%アクリルアミド)で分離し、次いでTran s−Blot(カリフォルニア州ヘラクレスに所在のBio−RadLabor atories)膜に移した。膜を、5%のウシ胎児血清及び1%のウシ血清ア ルブミンを含むT−TBS緩衝液中でHRP結合家兎抗−マウスOBタンパク質 抗体(0.125mg/ml)と室温で2時間イキュベートした。結合OBタン パク質を、製造業者が推奨するように実施したECL(Amersham)によ り検出した。 可溶性OBタンパク質レベルを定量するために、移植した動物の血清をELI SA分析にかけた。要するに、アフィニティー精製家兎抗−OBタンパク質ポリ クローナル抗体を96穴−プレートにコートした。標準物質(精製組換えOBタ ンパク質モノマー、Pelleymounterら、Science 269:540−543(1995))及び実験サンプルを添加し、プレートを 室温でインキュベートした。プレートを2回洗浄し、西洋ワサビペルオキシダー ゼに結合したアフィニテイー精製家兎抗−OBタンパク質抗体を添加した。室温 でインキュベート後、プレートをTNE−Tween20で4回洗浄した。TM B/ペルオキシド基質を添加し、発色反応をMolecular Device sプレートリーダーを用いて450nmで読み取った。血清中のOBタンパク質 濃度を、内部標準から作成した標準曲線と対比させて推定した。OBタンパク質 レベルは、160pg/mlより多く含有するサンプル中で確実に測定された。 5. 体重及び食物摂取 マウスにペレット状齧歯類動物用食餌(ミズーリー州セントルイスに所在のP MI Feeds,Inc.)を自由に摂取させた。各動物の体重を分析期間の 最初の2ケ月間は毎日、その後は週1回測定した。特定群の一匹飼いされている 動物について食物摂取量を毎日測定した。結果 結果を下表4及び5に示す。OBタンパク質受容体を投与するとOBタンパク 質の有効性が高まった。これは、OBタンパク質受容体の存在下でOBタンパク 質の循環時間が延長されたことによりもたらされたものであり得る。 表から明らかなように、OBタンパク質とOBタンパク質受容体とを組み合わ せて(遺伝子治療により)投与した動物の28日後の体重減少は、いずれかを単 独で投与したときに比して多かった。表には2回の実験の結果(“ ” )を示す。表から明らかなように、OBタンパク質のみを使用した場合、40日 目の動物の体重は当初の87.5%及び72.2%であった。一方、OBタンパ ク質とOB受容体とを組み合わせて使用すると、動物の体重は当初の68%及び 53.6%であった。受容体単独での使用は、影響があったとしても殆ど僅かの ようであった。 * 上記したOBタンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50%と 遺伝子改変されていない骨髄細胞50% ** 上記したOB受容体タンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞5 0%と遺伝子改変されていない骨髄細胞50% *** 上記したOBタンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50% と上記したOB受容体タンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50 % 下表5は、OBタンパク質を単独でまたはOBタンパク質受容体と組み合わせ て(本実施例の遺伝子治療により)投与した動物の血清中で観察されたOBレベ ルの結果を含む。このデータは(血清1mlあたりのナノグラムで表したOBタ ンパク質量)±(平均の標準誤差)を示す。 * 上記したOBタンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50%と 遺伝子改変されていない骨髄細胞50% ** 上記したOB受容体タンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞5 0%と遺伝子改変されていない骨髄細胞50% *** 上記したOBタンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50% と上記したOB受容体タンパク質cDNAをトランスフェクトした骨髄細胞50 % # 実験1は、上記のように実施し、38日後に測定したOBタンパク質血清レ ベルである。 ## 実験2は、上記のように実施し、24日後に測定したOBタンパク質血清レ ベルである。 上記データから、OB受容体の保護効果が立証される。表に示すように、OB タンパク質は、OB受容体を存在させると血清中により多く蓄積される。蓄積度 は、血清中のOBタンパク質レベルに反比例して増加する。実験1(基礎OBタ ンパク質レベルが約2.93ng/mlの場合)では受容体の添加によりOBタ ンパク質血清レベルが約400%増加したのに対して、 実験2(基礎OBタンパク質レベルが約9.74ng/mlの場合)におけるO Bタンパク質血清レベルの増加は約25%にすぎなかった。 単独でまたはOBタンパク質(またはそのアナログもしくは誘導体)と組み合 わせて投与されたOB受容体は、OBタンパク質の循環時間を延長させるように 作用し、よって内在性または外在性OBタンパク質の治療効果を高め得る。実施例8:選択的結合分子の調製 以下のペプチドを用いてポリクローナル抗体の調製のために、動物を免疫感作 した(配列番号1のOB受容体“A”のアミノ酸のナンバリングに基づいて54 −64、91−100、310−325、397−406、482−496、8 74−885;配列番号5のOB受容体“C”のアミノ酸のナンバリングに基づ いて910−929)。(家兎において)調製したポリクローナル抗体の幾つか について、組換えヒトOB受容体タンパク質に結合する能力をテストした。アミ ノ酸54−64に対して調製したポリクローナル抗体は、組換えヒトOB受容体 タンパク質に対して最高のアフィニティーを持つことが分かった。アミノ酸39 7−406に対して調製したポリクローナル抗体も、 組換えヒトOB受容体タンパク質に結合することが分かった。アミノ酸91−1 00に対して調製したポリクローナル抗体は、組換えヒトOB受容体タンパク質 に対して僅かにしか結合しないことが分かった。アミノ酸874−885に対し て調製したポリクローナル抗体は、組換えヒトOB受容体タンパク質に対して結 合しないことが分かった。 CHO細胞におけるOB受容体タンパク質の細胞外ドメインの発現及び精製及 び前記OBタンパク質受容体細胞外ドメインを認識する抗体を立証する別の実験 を実施した。 ヒトOB受容体タンパク質の細胞外ドメインを、上記のようにCHO細胞にお いて分泌型可溶性タンパク質として発現させた。個々の細胞系を単離し、漸増量 のメトトレキセート(培地1mlあたりメトトレキセート100μg、200μ gまたは500μg)中で増殖させて組換え受容体タンパク質の選択/発現を増 加させた。CHO細胞系由来の条件培地を集め、条件培地中のタンパク質をSD S−PAGEにより分画した。OB受容体細胞外ドメインは、見かけ上約140 kDa〜約200kDaのサイズを有する幅広いバンドとして移動した。OB受 容体タンパク質細胞外ドメインは、OB受容体タンパク質の細 胞外ドメインの一部に対して調製したポリクローナル抗体を用いるウエスタンブ ロット分析により検出された。非折りたたみの細菌発現タンパク質を家兎におい て抗血清を生成させるための抗原として使用した。同定されたOB受容体細胞外 ドメインをアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。精製したタンパ ク質の配列をアミノ末端で決定し、前記タンパク質がOB受容体であることを確 認し、CHO細胞において発現した(シグナルペプチド切断後の)成熟タンパク 質の出発点を決定した。(下記配列番号1のアミノ酸配列のナンバリングに従っ て)アミノ酸番号22がCHO細胞で発現した成熟タンパク質の最初のアミノ酸 であることが分かった。 他の免疫原性ペプチドを使用することができる。ポリクローナル、単一特異性 ポリクローナル、モノクローナル、抗体断片及び組換え抗体を、当業者が使用し 得る方法を用いて調製し得る。 更に、前記選択的結合分子の特性を変更させるために組換え体技術またはペプ チド合成法を使用することもできる。これは、改変した相補性決定領域(当業界 で“CDR”とも称される)を有する組換え体抗体を調製し、例えばヒトFc( 不変)領域 を用いることにより抗体をヒト化することにより達成され得る。他の種類の組換 え体抗体、例えばOB受容体類のうちの1つまたはそれ以上のOB受容体に対す るアティニティーまたは選択性を高めるように改変されたCDRを有する抗体を 調製し、前記抗体を当業者が使用し得る方法により使用する。Winterら、 Nature 349:293−299(1991)参照。 本OB受容体タンパク質を、所望の選択的結合分子をスクリーニングするため のアッセイとして使用することができる。前記アッセイは、結合能力、生物学的 活性またはシグナル伝達を検出するための他の手段に基づく。例えば、一連の修 飾抗体を調製するとすると、前記抗体について標的OB受容体に対するアフィニ ティー(即ち結合強度)をテストする。 選択的結合分子は、診断目的、例えば組織分布分析のために、または選択的結 合分子に対する各OB受容体の相対アフィニティーを測定して治療中の各OB受 容体の機能性を調べるために使用され得る。選択的結合分子は、OBタンパク質 に対する別の治療用または化粧用物質であり得る。実施例9:遺伝子治療 本OB受容体タンパク質を、下記の遺伝子治療により投与す ることができる。 本明細書において供与されている当業者が使用できる材料及び方法を使用し遺 伝子治療のためにOB受容体を発現するDNAを有する物質としてT−細胞を使 用することが予見される。。個体は、CD34+選択及び磁気マイクロ粒子選択 方法を用いて選択したT−細胞を移植される。前記細胞に所望のDNAをトラン スフェクトするか、または所望のコード領域の調節を相同的組換えまたは他の situ技術を用いて変更し得る。導入された細胞を、所望タンパク質を検 出する手段を用いて実験的に選択することができ、また間接的に検出し得るマー カー(すなわち、当業界で公知の選択可能なマーカー)を含めることができる。 任意に、前記細胞を例えばSCFのような1つ以上の成長因子またはインターロ イキンを用いて増殖させ、前記細胞を将来の使用に備えて保存することができる 。この場合、その後の個体への移入(transfer)のために処理は1回ま たは少数回だけ実施される。細胞を個体に再移植し、個体について所望の治療効 果、例えば体重減少/体重維持、糖尿病の再発、血中脂質レベルまたは他の条件 をモニターする。例示的核酸及びアミノ酸配列 参照したアミノ酸及びDNA配列を以下に示す。星印(“*”)は停止コドン の位置を示す。ヒトOBレセプター“A”アミノ酸配列〔配列番号1(アミノ酸,一文字略号) 〕: ヒトOBレセプター“A”DNA配列〔配列番号2(DNA)〕: ヒトOBレセプター“B”アミノ酸配列〔配列番号3(アミノ酸)〕: ヒトOBレセプター“B”DNA配列〔配列番号4(DNA)〕: ヒトOBレセプター“C”アミノ酸配列〔配列番号5(アミノ酸)〕: ヒトOBレセプター“C”DNA配列〔配列番号6(DNA)〕: ヒトOBレセプター“D”アミノ酸配列(配列番号7): ヒトOBレセプター“D”核酸配列(配列番号8): ヒトOB受容体タンパク質“D”染色体DNA(配列番号9): ヒトOB受容体タンパク質、組換え分泌型レセプターアミノ酸配列(配列番号1 0): ヒトOB受容体タンパク質、組換え分泌型レセプターDNA配列(配列番号11 ): ヒトOB受容体タンパク質、C末端FLAGを含む組換え分泌型レセプターDN A配列(配列番号12): 組換えヒトOB受容体タンパク質、天然スプライス変異体アミノ酸配列(配列番 号13): ヒトOB受容体タンパク質、天然スプライス変異体DNA(配列番号14): 本発明を好ましい実施態様に関して説明してきたが、当業者には変更及び修正 が自明であるものと理解する。従って、以下の請求の範囲は、クレームされてい る本発明の範囲内の全てのそのような同等な変異形を包含するものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/705 C12P 21/02 C C12N 5/10 C12N 5/00 B C12P 21/02 A61K 37/02 //(C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 ウエルチヤー,アンドリユー・エイベリー アメリカ合衆国、カリフオルニア・91320、 サウザンド・オークス、キヤピタン・スト リート・786 (72)発明者 フレツチヤー,フレデリツク・アデイソン アメリカ合衆国、カリフオルニア・93012、 カマリーリヨ、コロニー・ドライブ・5031

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 場合によって医薬上許容し得る組成物中の、0B受容体タンパク質を含む OB受容体タンパク質製剤であって、該OB受容体タンパク質が、配列番号1の アミノ酸配列の一部又は全部を有し且つ天然型OB受容体タンパク質の生物学的 性質を1種以上有することを特徴とするOB受容体タンパク質製剤。 2. 場合によって医薬上許容し得る組成物中の、OB受容体タンパク質を含む OB受容体タンパク質製剤であって、該OB受容体タンパク質のアミノ酸配列が 、(配列番号1として記載されている)以下のアミノ酸配列: (a) 1−896; (b) 22−896(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (c) 23−896(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (d) 29−896(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (e) 1−839; (f) 22−839(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (g) 29−839(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (h) 1−841; (i) 22−841(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (j) 23−841(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (k) 29−841(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (l) 1−891; (m) 22−891(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (n) 23−891(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (o) 29−891(場合により、N−末端メチオニン残基を含む); (p) さらに、OB受容体B(配列番号3)又はC(配列番 号5)の892位で始まるC−末端アミノ酸を有するサブパート(l)〜(o) のアミノ酸配列;及び (q) サブパート(a)〜(p)のいずれかの化学修飾誘導体; から選択されることを特徴とするOB受容体タンパク質製剤。 3. 前記OB受容体タンパク質がさらに、OB受容体タンパク質D(配列番号 7)の892位で始まるC−末端アミノ酸をさらに有するサブパート(l)〜( o)のOB受容体タンパク質から選択される、請求項2に記載のOB受容体タン パク質製剤。 4. 前記OB受容体タンパク質がさらに、799位で始まる置換C−末端アミ ノ酸、GKFTIL(配列番号13)をさらに有するサブパート(l)〜(o) のOB受容体タンパク質から選択される、請求項2に記載のOB受容体タンパク 質製剤。 5. 前記OB受容体タンパク質の細胞外ドメインが修飾されており、該修飾が : (a) ランダムコイルドメインの全て又は一部の欠失; (b) 最初のセリンを別のアミノ酸で置換することによる一方又は両方の“W SXWS”ボックスの修飾; (c) 最後のセリンを別のアミノ酸で置換することによる一方又は両方の“W SXWS”ボックスの修飾; (d) 最初のトリプトファンを別のアミノ酸で置換することによる一方又は両 方の“WSXWS”ボックスの修飾; から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のOB受容体タンパク質 製剤。 6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のOB受容体タンパク質をコードす るDNA分子であって、 (a)配列番号2、4、6、8、11、12及び14に記載のDNA配列; (b) サブパート(a)のDNAに選択的にハイブリダイズするDNA;及び (c) 遺伝暗号の縮重が無ければ、サブパート(a)又は(b)のDNAにハ イブリダイズするであろうDNA; からなる群から選択されることを特徴とする上記DNA分子。 7. 請求項6のDNAを含む生物学的に機能性のウイルス又はプラスミドベク ター。 8. 請求項7のベクターを含む原核又は真核宿主細胞。 9. 内因性OB受容体タンパク質の発現を促進するように修 飾された宿主細胞。 10. 単離されたヒト宿主細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。 11. OB受容体タンパク質を産生させる方法であって、適当な条件下に、請 求項8、9又は10のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養するステップ、産生 されたOB受容体を得るステップ、及び場合によって、該OB受容体を含む医薬 組成物を製造するステップからなる方法。 12. 肥満症、糖尿病、高脂血症、及び高コレステロール血症から選択される 治療疾患に罹患している患者を治療する方法であって、請求項1から5のいずれ か一項に記載されているか又は請求項11に記載の方法によって製造されたOB 受容体タンパク質を含むOB受容体タンパク質製剤を治療量投与することからな る方法。 13. 単に美容目的で体重を減少させるか又は体重を維持するために患者を治 療する方法であって、請求項1から5のいずれか一項に記載されているか又は請 求項11に記載の方法によって製造されたOB受容体タンパク質を含むOB受容 体製剤を有効量投与することからなる方法。 14. 肥満症、糖尿病、高脂血症、又は高コレステロール血症の治療用薬剤を 製造するための、請求項1から5のいずれか一項に記載されているか又は請求項 11の方法で製造されたOB受容体タンパク質の使用。 15. 場合によって医薬上許容し得る組成物中の、OBタンパク質部分及びO B受容体タンパク質部分を含むOBタンパク質/OB受容体タンパク質複合製剤 であって、 (a) 前記OB受容体タンパク質が請求項1及び2のいずれか一項に記載のも のから選択され; (b) 前記OBタンパク質部分が: (i) 天然型OBタンパク質;及び (ii) 非天然型OBタンパク質又はその類似体若しくは誘導体 から選択されるOBタンパク質/OB受容体タンパク質複合製剤。 16. 前記OB受容体タンパク質が、請求項3、4及び5のいずれか一項に記 載のものから選択される、請求項15のOBタンパク質/OB受容体タンパク質 複合製剤。 17. 肥満症、糖尿病、高脂血症及び高コレステロール血症 から選択される治療疾患に罹患している患者を治療する方法であって、請求項1 5又は16のOBタンパク質/OB受容体タンパク質複合製剤を治療量投与する ことからなる方法。 18. 前記OBタンパク質/OB受容体タンパク質複合製剤が、OBタンパク 質を発現する第1の細胞集団と、OB受容体タンパク質を発現する第2の細胞集 団を患者に投与することによりイン ビボで形成される、請求項17に記載の方 法。 19. 単に美容目的で体重を減少させるか又は体重を維持するために患者を治 療する方法であって、請求項1から5のいずれか一項に記載されているか又は請 求項11に記載の方法により製造されたOB受容体タンパク質部分を含むOBタ ンパク質/OB受容体タンパク質複合製剤を治療量投与することからなる方法。 20. 肥満症、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症の治療用薬剤を製造 するための、請求項15又は16に記載のOBタンパク質/OB受容体タンパク 質複合製剤の使用。
JP9525312A 1996-01-04 1997-01-02 Obタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法 Ceased JP2000502569A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US58282596A 1996-01-04 1996-01-04
US77441496A 1996-12-31 1996-12-31
US08/582,825 1996-12-31
US08/774,414 1996-12-31
PCT/US1997/000128 WO1997025424A1 (en) 1996-01-04 1997-01-02 Ob protein receptor and related compositions and methods

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000502569A true JP2000502569A (ja) 2000-03-07

Family

ID=27078678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9525312A Ceased JP2000502569A (ja) 1996-01-04 1997-01-02 Obタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法

Country Status (11)

Country Link
EP (1) EP0877803B1 (ja)
JP (1) JP2000502569A (ja)
AT (1) ATE303437T1 (ja)
AU (1) AU1526297A (ja)
DE (1) DE69734096T2 (ja)
DK (1) DK0877803T3 (ja)
ES (1) ES2244990T3 (ja)
IL (1) IL125081A (ja)
NZ (1) NZ534416A (ja)
PT (1) PT877803E (ja)
WO (1) WO1997025424A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6001968A (en) 1994-08-17 1999-12-14 The Rockefeller University OB polypeptides, modified forms and compositions
US6977240B1 (en) 1995-11-27 2005-12-20 Millenium Pharmaceuticals, Inc. Methods of using the OB receptor antibodies to treat bodyweight disorders
US6482927B1 (en) * 1995-11-27 2002-11-19 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Chimeric proteins comprising the extracellular domain of murine Ob receptor
US6541604B1 (en) 1996-01-08 2003-04-01 Genentech, Inc. Leptin receptor having a WSX motif
US7074397B1 (en) 1996-01-08 2006-07-11 Genentech, Inc. Method for enhancing proliferation or differentiation of a cell using ob protein
US20050019325A1 (en) 1996-01-08 2005-01-27 Carter Paul J. WSX receptor agonist antibodies
US7148004B1 (en) 1997-01-16 2006-12-12 The Rockefeller University Oligonucleotides of the OB-R isoforms and methods of diagnosing body weight
AU2476301A (en) * 1996-01-16 2001-05-24 Rockefeller University, The DB the receptor for leptin nucleic acids encoding the receptor, and uses thereof
US7063958B1 (en) * 1996-01-16 2006-06-20 The Rockefeller University Nucleic acids db, the receptor for leptin
US7084252B1 (en) 1996-01-16 2006-08-01 The Rockefeller University DB, the receptor for leptin
US7619079B2 (en) 1996-02-14 2009-11-17 The Rockefeller University Db, the receptor for leptin, nucleic acids encoding the receptor, and uses thereof
WO1997048419A1 (en) * 1996-06-20 1997-12-24 Merck & Co., Inc. Gene therapy for obesity
WO1998057177A1 (en) * 1997-06-09 1998-12-17 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Assay systems for leptin-enhancing agents
US7105639B2 (en) 1998-05-15 2006-09-12 Genentech, Inc. Anti-PRO 4405 antibodies
US6770444B2 (en) 1998-07-16 2004-08-03 Synaptic Pharmaceutical Corporation Methods of identifying or screening for agents that binds the Ob-Re
FR2836475B1 (fr) * 2002-02-26 2007-02-23 Aventis Pharma Sa Procede de detection de ligands du recepteur de la leptine

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5643748A (en) * 1994-09-14 1997-07-01 Progenitor, Inc. HU-B1.219, a novel human hematopoietin receptor
US6482927B1 (en) * 1995-11-27 2002-11-19 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Chimeric proteins comprising the extracellular domain of murine Ob receptor
IL125073A0 (en) * 1996-01-08 1999-01-26 Genentech Inc Wsx receptor and ligands
US7063958B1 (en) * 1996-01-16 2006-06-20 The Rockefeller University Nucleic acids db, the receptor for leptin
EP1731164A1 (en) * 1996-01-23 2006-12-13 Indevus Pharmaceuticals, Inc. Methods for using the obese gene and its gene product to stimulate hematopoietic development

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997025424A1 (en) 1997-07-17
DE69734096T2 (de) 2006-06-29
EP0877803B1 (en) 2005-08-31
IL125081A (en) 2006-08-01
DK0877803T3 (da) 2005-09-19
ATE303437T1 (de) 2005-09-15
PT877803E (pt) 2005-11-30
AU1526297A (en) 1997-08-01
DE69734096D1 (de) 2005-10-06
EP0877803A1 (en) 1998-11-18
IL125081A0 (en) 1999-01-26
NZ534416A (en) 2005-12-23
ES2244990T3 (es) 2005-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW589376B (en) Osteoprotegerin binding proteins and receptors
KR101328809B1 (ko) 오스테오프로테게린 결합 단백질 및 이를 코드하는 핵산
EP1151102B1 (en) Glycosylated leptin compositions and related methods
CZ253897A3 (cs) Osteoprotegerin
PL207501B1 (pl) Zastosowanie polipeptydu BCMA oraz przeciwciała skierowanego przeciwko BCMA
JP2000502569A (ja) Obタンパク質レセプター及び関連組成物と関連方法
HU229148B1 (en) Human cytokine as ligand of the zalpha receptor and uses thereof
JP2001517931A (ja) 新規なアグーティ関連遺伝子
CN101631559A (zh) 脑信号蛋白6a促进髓鞘形成和少突胶质细胞分化的用途
CZ88298A3 (cs) Upravený neurotrofní faktor odvozený z gliové buněčné linie
KR20000010571A (ko) 신경교세포주-유래신경영양성인자수용체및이를코드하는핵산서열과아미노산서열_
WO2000034475A9 (en) Grnf4, a gdnf-related neurotrophic factor
CA2240394C (en) Ob protein receptor and related compositions and methods
AU2004201574B2 (en) OB Protein Receptor and Related Compositions and Methods
TWI332008B (en) Human il-22/gil-19/ae289 proteins and polynucleotides encoding same
KR100399377B1 (ko) Gdnf 단백질의 분석방법 및 검정 기구
MXPA01008123A (en) Glycosylated leptin compositions and related methods
MXPA99009387A (en) Osteoprotegerin binding proteins and receptors
AU2005237128A1 (en) Compositions and Methods for the Prevention or Treatment of Cancer and Bone Loss Associated with Cancer
SK97999A3 (en) Dna sequence, a polypeptide having hematopoietic biological property, the use thereof and pharmaceutical composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070425

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080311

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20080805

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080930