JP2000501720A - グアニジン又はアミジン基をもつポリスチレン―ジビニルベンゼン(ps―dvb)樹脂の存在下における有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドの製造法 - Google Patents

グアニジン又はアミジン基をもつポリスチレン―ジビニルベンゼン(ps―dvb)樹脂の存在下における有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドの製造法

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Abstract

(57)【要約】 特に反応(a)において、従来技術の樹脂により達成可能な変換率および/または反応速度に比較して、向上した変換率および/または速い反応速度を達成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】グアニジン又はアミジン基をもつポリスチレン−ジビニルベンゼン(PS−DV B)樹脂の存在下における有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドの製造法 本発明は、以下の反応: に従い、触媒として作用する塩基性樹脂の存在下でメルカプタンをイオウと反応 させることにより有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドR−Sn−R(n ≧2)を製造することに関する。 これらの塩基性樹脂の存在下では、イオウとの反応によって有機ジスルフィド およびイオウ鎖長の短い有機ポリスルフィド(organic polysulfides of low sul fur order)をイオウ鎖長の長い有機ポリスルフィド(organic polysulfides of h igh sulfurorder)に変換できる。同様に、これらの塩基性樹脂の存在下では、メ ルカプタンとの反応によってイオウ鎖長の長いおよび有機ポリスルフィドをイオ ウ鎖長の短い有機ポリスルフィドに変 換できる。 例えば、特許出願EP−A−337837号は、第3級アミン又は第4級アン モニウム官能基を含む有機陰イオン交換樹脂(OH-型で活性である)の存在下 での有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドの製造について開示する。該樹 脂は、一般に液体状態の反応媒体中では不溶であるため反応終了時に分離が容易 である粒状又はビーズ状の形状を有し、単体のイオウとメルカプタンとの反応に よりポリスルフィドおよび有機ジスルフィドを得ること可能にし、また単体のイ オウとイオウ鎖長の短い有機ポリスルフィドとの反応によってイオウ鎖長の長い 有機ポリスルフィドを得ることを可能にする。 S.V.Luis, M.I.Burguete,and B. Altava,Reactive & Functiona1 P olymers,26,1995,75−83は、ポリスチレン樹脂のクロロメチル化が容易であ り、得られたベンジル部分の反応性が高いために多数の官能基の導入が可能であ ることを示し、これらの樹脂の幅広い用途について説明する。 他方、これらの著者らはメチレンスペーサーアームの長さを短くすると、導入 した官能基の可動性が減少し、ある場合には反応物、基質及び溶媒が官能基に接 近しにくくなると述べてい る。この状況から、可溶な対照化合物と比較して官能基の活性が低下し得る。あ る場合には、活性部位が好適なスペーサーアームによりポリマー骨格から隔てら れているとき、樹脂に結合したこれらの官能基の活性に顕著な向上がみられた。 S.V.Luis らは6又は9個のメチレン基を含み、鎖の末端にヒドロキシル基 −OHを有する直鎖脂肪族の形のスペーサーアームをもつポリスチレン樹脂を合 成する。このヒドロキシル基をトシレート脱離基に変換し、トシレート基を第3 級アミン基によって置き換える。 この合成ではS.V.Luis らはアルカン二酸のモノアルキルエステルから誘導 される酸塩化物を使用したフリーデル−クラフツ反応によるポリスチレン樹脂の 官能化を利用する。 この合成にはテトラヒドロフラン(THF)中でトシルヒドラゾン基とエステ ル基の双方が複水素化物LiAlH4で還元されるという大きな欠点がある。こ の還元反応のせいで、この合成経路はこれらのC6又はC9のスペーサーアームを 含む樹脂の大規模な工業的展開の観点から好ましくない。 他の著者らはメチレン鎖の形態のスペーサーアームを合成することに興味を示 している。例えば、M.Tomoiらはトリフル オロメタンスルホン酸の存在下でω−ブロモアルカンとのアルキル化反応によっ てポリスチレン樹脂に長い脂肪族鎖を導入する(M.Tomoi,N.Kori and H.Kaki uchi,Reactive Polymers,3,1985,341-349)。 しかし、この合成反応は架橋度の低い(0−4%)スペーサーアームを有する ポリマーの製造に限定される。 Macromol.Chem 185,1984,2117-2124の論文の中で、M.Tomoi,Y.Kato及び H.Kakiuchiは二環式アミジン:(式中、nは1、4又は7の整数である。) を含む基で官能化した樹脂の合成を行った。 これらのアミジン樹脂(nが4又は7の場合)はω−ブロモアルキルミクロポ ーラス樹脂から製造し、該樹脂自体はω−ブロモアルキルスチレンとジビニルベ ンゼンから製造した。 同様に、K.Iijima,W.Fukuda,and M.Tomoi,J.M.S.PureAppl.Chem., A29(3),pp 249-261 (1992)の論文中、K.Iijima らは二環式グアニジン: を含む基で官能化したミクロポーラス樹脂の合成を行った。 これらの著者らはトルエン又はアセトニトリル中での安息香酸の1−ブロモブ タンとのエステル化反応における上記二環式アミジン樹脂(n=1)および上記 グアニジン樹脂の活性について研究した。 これらの2種の樹脂は、1−ブロモブテンとを用いた活性メチレンを含む化合 物のアルキル化反応に有効であることが判明した。 クロロメチルポリスチレン樹脂を出発原料とするとき、G.D.DarlingとM.J.F rechetは、J.0rg.Chem.,51,1986,2270−2276 の中で、樹脂と鎖の末端の ヒドロキシル基−OHとを隔てるスペーサーアーム−(CH22−を得ている。 このヒドロキシルをトシレートに変換した後、フタルイミドカリウムを用いたガ ブリエル反応を経由し、最後にヒドラジンを用いて第 一級アミンに変換する。しかし、この合成にはn−ブチルリチウム又は水素化ア ルミニウムリチウムを使用しなければならないという欠点がある。 本発明の主題は、従来技術よりも良好な結果を得るため、特別に選択又は合成 した官能化PS−DVB樹脂の存在下で、概略を示した上記反応によって有機ジ スルフィドおよび有機ポリスルフィドを製造する方法を提案することである。こ れらのより良好な結果には、例えば、より良好な反応物の変換度および/若しく はより速い反応速度があり得る。 グアニジン基又はアミジン基で官能化した樹脂を利用することによって、この 目的を達成する。 より正確には、本発明は、塩基性官能基をもつ樹脂形態の触媒の存在下、イオ ウとメルカプタンを反応させるか、又はイオウ鎖長の短いポリスルフィドを鎖長 の長いポリスルフィドに変換するためにイオウとイオウ鎖長の短いポリスルフィ ドとを反応させるか、あるいはイオウ鎖長の長い有機ポリスルフィドをイオウ鎖 長の短いポリスルフィドに変換するためにメルカプタンとイオウ鎖長の長い有機 ポリスルフィドとを反応させることによって、有機ジスルフィド又は有機ポリス ルフィドを製造す る方法を提案するものであり、該方法は、前記樹脂が、塩基性基で官能化され、 且つ、以下の一般式(I): [式中、Bは以下の1〜4: 1. 一般式(C):(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、メチル、エチル、 プロピル、ブチル、シタロヘキシルおよびフェニル基から選択し、この場合にL はメチレン基(−CH2−)以上の鎖長をもつ直鎖有機基である) を有する、イミン窒素にLを置換したグアニジン基、 2.式(D): (この場合にLは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9の整数である) を有する、7位にLを置換した環状グアニジン基、 3.式(E): (この場合、Lは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9の整数である) を有する、6位にLを置換した環状アミジン、 4.式(F): (この場合、Lは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9の整数である) を有する、7位にLを置換した環状アミジン、 から選択される基を表し、 はPS−DVB樹脂の支持体である。] を有するポリスチレン−ジビニルベンゼン(PS−DVB)を基体とすることを 特徴とする。 一般式(I)を有する樹脂の製造における出発原料として利用される樹脂には 、PS−DVBコポリマー又はクロロメチルPS−DVBコポリマーがあり得る 。 ゲルタイプのコポリマーは架橋剤としてジビニルベンゼンを少量(0.5〜7 重量%)含んで得られる一方、マクロポーラス構造のマクロ架橋された樹脂(mac rocrosslinked resins)はDVBをより多く含んで得られる。 DVBの含有率はPS−DVBコポリマーの全重量に対して0.5〜60重量 %であり得る。 出発原料である一般式(I)を有する樹脂はゲルタイプである得る;しかし、 一般式(I)の樹脂はマクロ架橋され且つマクロポーラス構造を有することが好 ましい。なぜなら、一般に これらの特性が該製造方法においてより良好な触媒活性を与えるからである。 これらのPS−DVB樹脂は文献に記載された公知技術によってクロロメチル エーテルを用いてクロロメチル化し、クロロメチル樹脂の重量に対して塩素(C l)含有率は一般に1〜20重量%であり得る。 L基はメチレンを表すことが好ましい。これは、これらの樹脂は合成が容易だ からである。 L基は以下の一般式(II): −CH2−(X−CH2−CH2m- (II) (式中、Xは酸素又はイオウを表わし、mは1又は2である。) を有することが好ましい。 式(II)中、Xは酸素であり、mは1であり、別の場合にはXはイオウであ り、mは1であることが好ましい。 メルカプタン並びに有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドはアルキル、 シクロアルキル、アリール、アラルキルおよびアルキルアリール基から選択した 炭化水素基Rをもつことが好ましい。 本発明は、特に合計で2〜40の炭素原子を含むジアルキル ジスルフィドおよびジアルキルポリスルフィド、例えばジメチル、ジエチル、ジ プロピル、ジブチル、ジペンチル、ジヘキシル、ジヘプチル、ジオクチル、ジデ シルおよびジドデシルジスルフィド並びにそれらのポリスルフィドの製造に適用 される。本発明はまた、シクロアルキルジスルフィドおよびシクロアルキルポリ スルフィド、例えばジシクロヘキシルジスルフィド若しくはジシクロヘキシルポ リスルフィド又はジフェニルジスルフィド若しくはジフェニルポリスルフィドの 製造にも適用される。 炭化水素基Rは1個以上の官能基をもつのが好ましい。これらの官能基は、例 えばハロゲン原子、−OH、−OR’、−SR’、NR’R”、CN,−CHO 、−COR’および−COOR’であり、R’およびR”はC1〜C12の脂肪族 基又は環状脂肪族基、芳香族基若しくはアルキル芳香族基を示す。 本発明で用いられる樹脂は混合物中にごくわずかな量しか含まれない場合でも 触媒活性を示す。 該樹脂は、樹脂を含む反応混合物100重量部当り、0.01〜20重量部の 範囲内の量であることが好ましい。 本発明の製造法は、−10℃〜150℃の温度で実施し得る 反応を利用する。温度は+10℃〜120℃であることが好ましい。 反応は大気圧下又は50barまでのより高い圧力下で実施し得る。一般にこ の圧力は28bar(絶対圧力)である。蒸気圧が低い比較的非揮発性の反応物 の場合には、反応は大気圧未満の圧力下、場合によっては窒素のような不活性の 気体の存在下で実施し得る。 メルカプタン/イオウのモル比は使用するメルカプタンの種類および製造すべ き生成物(ジスルフィド又はポリスルフィド)による。この比は0.3〜10で あることが好ましく、0.4〜6であることがより好ましい。 イオウ鎖長の長い有機ポリスルフィドを開始時に使用し、対応するメルカプタ ンの作用によってイオウの鎖長の短い有機ポリスルフィド、例えばトリスルフィ ド R−S3−R又はジスルフィド R−S2−Rに変換することを望む場合には 、メルカプタン/ポリスルフィドのモル比は2〜10として使用することが好ま しい。 グアニジン基又はアミジン基をもつPS−DVB樹脂の存在下での有機ジスル フィド又は有機ポリスルフィドの製造は、攪 拌下の、又は筒状の反応容器の中でバッチごとの製造法によって、あるいは反応 前に反応物を充填して、あるいは反応物の一つを徐々に加えて、あるいは反応物 を反応容器に同時に加え、あるいは別法として反応物を制御しつつ加えるなどの 連続的な製造法によって実施し得る。 イオウが反応物の一つである場合(もう一方はメルカプタン又は鎖長の短いポ リスルフィドである)には、イオウは液体又は固体の形で加えてもよい。 以下の方法によって式(I)を有するPS−DVBを得る: 1. B基が一般式(C)を有する基である場合 クロロメチルポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂の塩素を置換又は非置換の グアニジンで置換する方法は米国特許第5340380号により公知であり、該 方法によって一般式(I.C): スチレン−ジビニルベンゼン樹脂の基体を表わし、R1、R2、R3又はR4はそれ ぞれ水素、アルキル基又は芳香族基とすることが可能である) を有する樹脂を得ることが可能となる。 例えば、米国特許第3346516号には、テトラヒドラフラン、ジオキサン 若しくはジグリムなどのコポリマーを膨潤させる溶媒および低級アルコールの存 在下でクロロメチルポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂をグアニジン又はテト ラメチルグアニジンと反応させて官能基を導入する方法が記載されている。 米国特許第5028259号では、トルエンとテトラヒドロフランの混合溶媒 中でテトラメチルグアニジンとクロロメチルポリスチレンジビニルベンゼン樹脂 を接触させている。 米国特許第5340380号では、エタノール又は水からなる溶媒中で水酸化 ナトリウムの存在下、グアニジンを同タイプのクロロメチル樹脂と反応させてい る。 しかし、現在グアニジンおよび1,1,3,3−テトラメチルグアニジンしか 市販されていない以上、グアニジン基に4個 のメチル又は4個の水素以外のR1〜R4の置換基をもつ式(I.C)の樹脂の製 造を実施する場合、クロロメチルPS−DVB樹脂をグアニジンと反応させて官 能基を導入するこの方法には制約がある。 R1からR4の基がすべて水素以外である樹脂(I.C)は、しばしば市販され ている四置換尿素を以下の製造条件下で使用することによって得ることができる : a) まず、第1級アミン基で官能化した一般式(A)を有するPS−DVB樹 脂を製造する これらは様々な方法により得ることができる: 1. 例えば一般式(J): (式中、Xは脱離基、特にハロゲンであるか又はヒドロキシル基−OHから得ら れるトシレートであり、Lは上記と同義であ り、特に、−(CH2p−基であって、pは2を含む1〜9までの整数である) を有する樹脂を出発原料とすることが可能である。 Lが1個のメチレンを表すときにXは塩素原子であることが好ましい。この場 合に、D.H.Rich and S.K.Gurwara,J.Am.Chem.Soc.,1975,97,1575-1 579に記載された方法はクロロメチルPS−DVB樹脂を過剰のアンモニアと反 応させる方法である。別のルートではフタルイミドメチルPS−DVB樹脂の製 造を基盤として、該樹脂をヒドラジン分解により第1級アミン基を有する樹脂に 変換する。該フタルイミドメチル樹脂の2種の入手方法はA.R.Mitchell,S.B .H.Kent,B.W.Erickson and r.B.Merrifield,Tetrahedron Letters No. 42,1976,3795-3798の刊行物に記載されている。一方の方法は、PS−DVB 樹脂を出発原料としてN−(クロロメチル)フタルイミドとの反応により直接的 にフタルイミドメチル樹脂に変換する方法である。もう一方の方法は、クロロメ チルPS−DVB樹脂を出発原料とし、それをフタルイミドカリウムで処理して 対応するフタルイミドメチル樹脂を得る方法である。 式中のLがメチレンを表わし、第1級アミン基をもつ式(A) の数種のPS−DVB樹脂は市販されている。 かくして、Purolite社は2種のマクロポーラス樹脂A−107および A−109を提案し、一方、Fluka社は1995−1996年の同社の商品 カタログに2種のゲル樹脂:2%DVBで架橋され樹脂1g当たり1.1mmo lの−NH2を含む08564PS樹脂並びに1%DVBで架橋され樹脂1g当 たり0.6mmolの−NH2を含む08566PS樹脂を掲載している。 フタルイミドカリウムの使用する方法は、Lがメチレン基より長い直鎖有機基 、特に−(CH2)n−(ここで、nは1より大きい数)である式(J)を有す る樹脂にも適用可能である。 2. Lがメチレンであり、Xが上記と同義であって、好ましくは塩素原子で ある、式(J)を有するPS−DVB樹脂を出発原料とすることも可能である。 本出願人はこのクロロメチル樹脂をウィリアムソン反応の条件下、アルカリアル コキシドの形で、アルカノールアミン又はメルカプトアルキルアミンと反応させ 得ることを見出した。 エタノールアミンを使用する場合、PS−DVB樹脂支持体に結合した−CH2 −O−C2−CH2−NH2官能基の形で 第1級アミン官能基を有するPS−DVB樹脂が得られる。 同様に、2−アミノエタンチオール塩酸塩を出発原料とする場合、−CH2− S−CH2−CH2−NH2官能基が得られる。 2−(2−アミノエトキシ)エタノールを使用する場合、第1級アミンを−C H2(O−CH2−CH22−NH2官能基してもつPS−DVB樹脂が得られる 。 最後に、2−[(2−アミノエチル)チオ]エタンチオールを使用した場合、 −CH2−(S−CH2−CH22−NH2官能基が得られる。 この出発原料であるメルカプトアルキルアミンはIwakura et al.,J.Poly.S ci.Part A,2,1964,881-883又はI.Voronkov,M.G.et al.,Chem.Heteroc ycl.Compd.(Engl.Transl.) 15,1979,1183-1185に記載の方法により製造 し得る。 ウィリアムソン反応の一般的な条件は以下の通りである: 無水テトラヒドロフラン(THF)中で希釈したアルカノールアミン又はメル カプトアルキルアミンを無水THF中に懸濁した水素化ナトリウムと反応させる 。ナトリウムアルコキシド又はナトリウムメルカプチドの生成の後、クロロメチ ル樹脂を液体状態の反応媒体中に加える。 b) 一般式(A)を有する、第1級アミン基を有する樹脂を得た後、これらの 基を一般式(H): (式中、R1、R2、R3及びR4は独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル 、シクロヘキシルおよびフェニル基から選択する) を有する塩化クロロホルムアミジニウム(フィルスマイヤー塩)と反応させてグ アニジン基を官能化した、一般式(I.C): じ意味を有する) を有するPS−DVB樹脂を得る。 文献に記載された方法、特に: COCl2 H.Eilingsfeld,M.Seefelder, Angew.Chem.,72,1960,836. SOCl2 H.Ulrich,A.A.R.Sayigh,Angew. Chem.Intern.Ed.Engl.,5,1966, 704. (COCl)2 T.Fujisawa et al.,Chem.Lett., 1982,1891. POCl3 H.Bredereck,K,Bredereck,Chem. Ber.,94,1961,2278. に従い、ホスケン、塩化チオニル、塩化オキサリル又は塩化ホスホリルなどの求 電子化合物との反応によって、一般に四置換尿素から塩化クロロホルムアミジニ ウム(H)を得る。 一般に、化学量論量の四置換尿素および求電子塩化物を開始時に使用し、通常 0〜40℃の温度で、加水分解を防止するために無水雰囲気下で、塩化オキサリ ルの場合には四塩化炭素などの溶媒の存在下で、又はホスケン若しくは塩化チオ ニルの場合には溶媒を使用せずに反応を行なわせる。 四置換尿素は、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラ−n−プロピル 尿素およびテトラ−n−ブチル尿素から選択 することが好ましい。 通常塩化クロロホルムアミジニウム(H)をトルエン又はアセトニトリルなど の溶媒に入れる。第一級アミン官能基を含む樹脂(A)とそれらとの反応は、塩 基の存在下、好ましくは過剰の塩基の存在下で実施する。 塩基がトリエチルアミン(TEA)である場合、通常塩化クロロホルムアミジ ニウム(H)に対してTEAを10〜50%モル過剰に使用する。塩化クロロホ ルムアミジニウム(H)をすべてグアニジン基に変換するためには、通常第一級 アミン官能基のモル数に対して塩化クロロホルムアミジニウム(H)を10〜1 00%モル過剰に使用する。 2. B基が一般式(D)を有する基である場合 a)まず、前述の1.a)の場合と同様に、一般式(J)を有する樹脂を製造す る。ここで、Lは−(CH2n−基を表わし、nは1又は3〜9の整数であり、 mは塩素又は臭素である。 b) ハロゲン化した上記樹脂を、M.Tomoi et al,J.M.S.PureAppl.Chem. A29(3),1992,249-261,特に251貢(“Preparationof Po1ystyrene-Supported T BD”)に記載の方法と同様の方法で1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0 ]デカ−5−エ ン(TBD)と反応させる。このようにして、一般式(I.D): (式中、Lは−(CH2n−基であり、nは1又は3〜9の整数値である) を有する、ビシクログアニジン基で官能化したPS−DVB樹脂を得る。 3. B基が一般式(E)を有する基である場合 a) 先ず、上記の2.a)の場合と同様に一般式(J)を有する樹脂を製造す る。 b) 上記の通り得られたハロゲン化樹脂を、M.Tomoi et al.,Makromol.Che m,185,1984,2117-2124、特に2118頁の “Preparation of Polystyrene-Suppo rted DB”に記載の方法と同様の方法により1,8−ジアザビシクロ[5.4. 0]ウンデカ−7−エン(DBU)と反応させる。 このようにして、一般式(I.E): (式中、Lは−(CH2n−基であり、nは1又は3〜9の整数である) を有する、ビシクロアミジン基で官能化したPS−DVB樹脂を得る。 4. B基が一般式(F)を有する基である場合 DBUの代わりに1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(D BN)を使用すること以外は2.a)および2.b)と同様の方法を実施する。 このようにして、一般式(I.F): (式中、Lは−(CH2n−基であり、nは1又は3〜9の整数である) を有する、ビシクロアミジン基で官能化したPS−DVB樹脂を得る。 本発明で使用する樹脂の触媒活性は、該樹脂を乾燥状態で使用することによっ て向上する。 製法に関する請求項1の直前で述べるように、反応混合物中のメタノールの存 在によって、本発明で使用するゲルタイプの樹脂の触媒活性は著しく向上する。 メタノールによるこの活性向上の効果(エタノールによっても観察されるが、 効果の程度は小さい)は反応混合物に対してわずかな含有量の場合でも検出され 、メタノールの量は樹脂、イオウ、メルカプタンおよびメタノールを含む反応混 合物、又はイオウ樹脂、ポリスルフィドおよびメタノールを含む反応混合物、又 は樹脂、メルカプタン、ポリスルフィドおよびメタノールを含む反応混合物の1 00gに対し0.01g〜2gの範囲である。従って、反応媒体にはメタノール を加えることが好ましい。 上記の記載に加え、例示を目的とした以下の実験の部を助けとすれば本発明を よりよく理解できるであろう。実験の部 樹脂は約4×103パスカル(Pa)の真空下で脱水する。 1. 1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)官能基を含む式(I .C)を有するPS−DVB樹脂(L=−CH2−,R1=R2=R3=R4=CH3 −)の製造。 利用する方法は、米国特許第3346516号および第5028259号に記 載された方法によってTMGを直接クロロメチルPS−DVB樹脂に組み込む方 法である。 2種のクロロメチルPS−DVB樹脂を使用する: DVBによって1%架橋されたPSを基体とし、全重量に対する塩素含有率が1 1.52重量%となる量の塩素でクロロメチル化されている。この樹脂は従って 樹脂1g当たり4.09mmolのClを含有する。 b)以下の特徴を有するマクロポーラスタイプの樹脂: 比表面積: 樹脂1g当たり22.5m2 細孔の直径の平均値: 20Å 細孔容積: 69% 全重量に対し19.32重量%の塩素含有率となる量の塩素で クロロメチル化されている。 この樹脂は従って樹脂1g当たり5.44ミリ当量のClを含有する。操作手順: 0.0544molのClを含む所定の量の乾燥クロロメチル樹脂(すなわち 樹脂1.a)の場合は13.3g、樹脂1.b)の場合は10g)を計量し、窒 素雰囲気下、モレキュラーシーブにより予め脱水した130m1のテトラヒドロ フラン(THF)中に希釈した12.5g(0.108mol)のTMGと接触 させる。このようにして得られた反応媒体をメカニカルスターラーで48時間6 0℃の温度で攪拌する。20℃に冷却した後、樹脂を濾別し、THF、次いで1 0%の水酸化ナトリウム水溶液(200ml)、最後に中性になるまで水で洗浄 する。樹脂をアセトンで洗浄した後、恒量になるまで真空下、60℃で脱水する 。 得られた2種の樹脂に対して元素分析を行う。 ゲルタイプの樹脂a)(以下、No.1(TMG)という)に対して、N=7 .85重量%、すなわち樹脂1g当たり1.87mmolのTMGである。 マクロポーラスタイプの樹脂b)(以下、No.2(TMG)という)に対し て、N=8.74重量%、すなわち樹脂1g当たり2.08mmolのTMGで ある。 2. TMG官能基を含む式(I.C)を有するPS−DV樹脂(L=−CH2 −O−CH2−CH2−,R1=R2=R3=R4=−CH3)の製造。 2種の上記樹脂a)およびb)を使用した。 a)ナトリウムアミノエトキシド(NaO−(CH22−NH2)の製造。 2.5mlのエタノールアミンを含む25mlの無水THF(ナトリウム上で 新たに蒸留したもの)の溶液を窒素雰囲気下で、40mlの無水THFに溶解し た1.5gの水素化ナトリウムの溶液にゆっくり加える。反応媒体を20℃の温 度で1時間攪拌した後、2時間還流する。ナトリウムアミノエトキシド溶液を2 0℃に冷却し、窒素雰囲気下に維持する。 b)第一級アミン官能基を含み、Lが−CH2−O−CH2−CH2−を表す一般 式(A)を有する樹脂の製造。 0.0272molの塩素を含有する、所定量(6.65g)の上記乾燥クロ ロメチル樹脂1.a)を選択する。 0.0272molの塩素を含有する、乾燥クロロメチル樹脂1.b)(5g )を同様に選択する。 これらの樹脂を別々に以下のように処理する: 選択した樹脂(6.65g又は5g)を2.a)によって製造したアミノエト キシド溶液に加える。媒体を70℃で48時間攪拌する。約20℃に冷却した後 、樹脂を回収する。樹脂を水、次いで5重量%水酸化カリウム水溶液で洗浄した 後、中性になるまで水で洗浄する。水分を含む樹脂をメタノールで洗浄し、最後 に真空下、60℃で脱水する。 c)塩化テトラメチルクロロホルムアミジニウムの製造。 2.5ml(0.027mol)の塩化オキサリルを含む15mlの無水四塩 化炭素の溶液を、窒素雰囲気下攪拌しながら、3.4ml(0.027mol) のテトラメチル尿素を含む10mlの無水四塩化炭素の溶液に滴下する。攪拌を 継続しながら、二酸化炭素および一酸化炭素の発生が止まるまで、反応媒体を還 流し続ける。白色固体として得られた塩化クロロホルムアミジニウムを0℃で3 0mlの無水アセトニトリルに溶解する。 d)第一級アミン官能基を含む上記樹脂(L=CH2−O−CH2−CH2−)と の反応。 2種の上記樹脂のそれぞれについて、5gの樹脂を0℃の温度で攪拌しながら 5.2ml(0.0374mol)のトリエチルアミンおよび20mlの無水ア セトニトリルの混合物中に懸濁する。 塩化ホルムアミジニウムを含む30mlの無水アセトニトリルの上記溶液を、 0℃に保ったこの懸濁液にゆっくりと加える。混合物を20℃の温度で72時間 攪拌した後、1時間還流する。20℃に冷却した後、樹脂を濾別し、水、次いで 10重量%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、中性になるまで再び水で洗浄す る。水分を含む樹脂をメタノール、次いでアセトンで洗浄し、最後に真空下60 ℃で脱水する。 得られた2種の樹脂のそれぞれについて元素分析を行い、グラフトしたグアニ ジン官能基のmol数を計算する: 1.a)で得たゲルタイプの樹脂について: N=9.03%、すなわち樹脂1g当たり2.15mmolのテトラメチルグア ニジン(−TMG)、これを以下、No.3(−TMG)という。 1.b)で得たマクロポーラスタイプの樹脂について: N=6.98%、すなわち樹脂1g当たり1.66mmolの テトラメチルグアニジン(−TMG)、これを以下、No.4(−TMG)とい う。 3. 1,1,3,3−テトラ−n−ブチルグアニジン(TBG)官能基を含む 式(I.C)を有するPS−DVB樹脂(L=−CH2−、R1=R2=R3=R4 =n−ブチル)の製造。 使用する製造方法は官能基を導入していないPS−DVB樹脂を出発原料とす る方法である。Tetrahedron Letters No.42,1976,3795-3798に記載の方法によ り、第一の工程でこのコポリマーに官能基を導入し、アミノメチル樹脂(−CH2 −NH2官能基)とする。次に、塩化テトラ−n−ブチルクロロホルムアミジニ ウムを用いて、得られた樹脂に官能基を導入して1,1,3,3−テトラ−n− ブチルグアニジン官能基を含む樹脂とする。 使用するPS−DVB樹脂はRohm&Haas社製の多孔性の合成コポリマ ー Amberlite XAD−4である。 この架橋度の高い樹脂の特徴は、Rohm&Haas社によれば: 比表面積: 樹脂1g当たり750m2 細孔の直径の平均値: 50Å 細孔容積:51% である。 a)Amberlite XAD−4への官能基の導入によるフタルイミドメチ ル樹脂の製造。 予め乾燥した10gのAmberlite XAD−4樹脂を0.5ml(0 .0043 mol)の四塩化スズを含む30mlの1,2−ジクロロエタンの 溶液に懸濁させ、6.7g(0.0342mol)のN−クロロメチルフタルイ ミドを20mlの1,2−ジクロロエタンに溶解させた溶液を60℃の温度で攪 拌しながらこの懸濁液に加える。反応媒体を5時間攪拌しながら還流(82〜8 4℃)する。室温(20℃)まで冷却した後、樹脂を濾別し、ジクロロメタンで 洗浄し、最後にメタノールで洗浄する。真空下60℃で脱水した後、13.1g の樹脂を得る。 IRスペクトル:1770cm-1および1710cm-1にν(CO−N−CO) およびδ(CO−N−CO)バンド。 b)ヒドラジン分解による第1級アミン官能基の導入。 3.a)で得られた樹脂の12gを含む40m1の無水エタノールの懸濁液に 4.5ml(0.092mol)のヒドラジ ン水和物と0.9g(0.022mol)の水酸化ナトリウムペレットを攪拌し ながら加える。 その後、反応媒体を48時間還流する。20℃まで冷却した後、樹脂を濾別し 、エタノール、次いで5重量%の水酸化カリウム水溶液で洗浄する。その後、中 性になるまで樹脂を水で洗浄し、エタノール、アセトン、最後にメタノールで洗 浄する。その後、樹脂を真空下60℃で脱水して11gの樹脂を得る。この樹脂 は、もはやIRにおいてフタルイミドに特有のバンドを示さない。 元素分析を行う:3.53%の窒素、すなわち樹脂1g当たり2.52mmo lの−NH2。 c)このアミノメチル樹脂へのテトラ−n−ブチルグアニジン官能基の導入。 5.5gのホスケンを10.4g(0.037mmol)のテトラ−n−ブチ ル尿素に2時間以上吹き込み、塩化テトラ−n−ブチルクロロホルムアミジニウ ムを製造し、80℃の温度で5時間攪拌する。その後、過剰のホスゲンを真空下 留去して除く。12.45gの塩化テトラ−n−ブチルクロロホルムアミジウム を白色固体として得る。 この塩化物を40lの無水アセトニトリルに溶解する。 10gのアミノメチル樹脂と8.7ml(0.0625mol)のトリエチル アミンを窒素雰囲気下0℃で攪拌中のこの溶液に加える。反応混合物を20℃で 96時間攪拌した後、1時間還流する。20℃に冷却した後、樹脂を濾別し、ア セトトリルで洗浄し、次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。中 性になるまで樹脂を水で洗浄し、アセトン、メタノール、そして再びアセトンで 洗浄する。樹脂を真空下60℃で脱水して11.3gの樹脂を得る。 元素分析を行う:N=4.62%、すなわち樹脂1g当たり1.1mmolの グアニジン(−TBG)。 この樹脂を以下、No.1(−TBG)という。 4. 1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD) 官能基を含む式(I.D)を有するPS−DVB樹脂(L=−CH2−)の製造 。 使用する方法はJ.Macromol.Sci.Pure.Appl.Chem A29(3)1992,249-263 に記載されている。 該方法は1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンのリチ ウム塩をクロロメチルPS−DVB樹脂と反 応させる方法である。 a)TBDのリチウム塩の製造。 0.052molのn−ブチルリチウムを含む25mlのヘキサンを窒素雰囲 気下−78℃での温度で7.9g(0.057mol)のTBDと250mlの 無水THFの混合物に加える。その後、反応媒体を−78℃で2時間攪拌する。 b)TBD官能基を含む(I.D)樹脂の製造。 0.0544molの塩素を含有する所定量のクロロメチル樹脂(すなわち1 3.3gのゲルタイプ樹脂1.a)又は10gのマクロポーラス樹脂1.b)) を計量する。アルゴン雰囲気下、この量の樹脂を−78℃の温度に保ったTBD のリチウム塩の溶液にゆっくりと加える。 その後、反応混合物を攪拌しながら、20℃まで徐々に加温し、70時間この 条件下に保った後、30mlのメタノールを加え、樹脂をシンター漏斗(sinter funnel)で濾別する。樹脂を体積比1/1のTHF/メタノール混合物、次いで メタノール、体積比1/1のメタノール/水混合物、アセトン、THFおよびジ クロロメタンで順次洗浄する。樹脂を真空下60℃で脱水する。 こうして得られた2種の樹脂について元素分析を行う。 ゲルタイプ樹脂:N=11.88%、即ち樹脂1g当たり2.83mmolのT BD官能基。 この樹脂を以下、No.1(−TBD)という。 マクロポーラスタイプ樹脂:N=11.29%、即ち樹脂1g当たり2.69 mmolのTBD官能基。 この樹脂を以下、No.2(−TBD)という。実施例 1 n−ブチルメルカプタンのイオウとの反応によるジ−n−ブチルジ スルフィドの製造。 ジ−n−ブチルジスルフィドの製造に関して以下の試験を、グアニジン官能基 (TMG)を含む樹脂又は二環式グアニジン官能基(TBD)を含む樹脂を用い て、同一の実験条件で実施する。 TBD官能基を含み、L=−CH2−である市販のFluka社製樹脂:No .90603もまた使用する。 (1995/96年Fluka社商品カタログ: 2%DVBで架橋されたPS TBD:乾燥樹脂1g当たり2.8mmolのTBD) Rohm&Haas社製の、第3級アミン官能基を含み、 L=−CH2−であるマクロポーラスタイプのPS−DVB樹脂:Amberl yst A−21樹脂を使用して比較試験も行う。 Amberlyst A−21樹脂の特徴: 比表面積: −CH2−N(CH32官能基を導入した樹脂1g当たり39.8 m2:乾燥樹脂1g当たり4.4mmolの第3級アミン官能基。 水冷式還流冷却器と反応媒体温度の測定用の温度計鞘を装着した50mlのガ ラス製2首コニカルフラスコからなる反応容器内で試験を実施する。マグネチッ クホットプレートスターラーのプレート上にのせた油浴でこの反応容器を加熱す る。攪拌は反応容器中テフロンで被覆した磁気攪拌子で行う。操作手順: 26.58g(0.295mol)のn−ブチルメルカプタン、4.5g(0 .147mol)の微粉砕固体イオウおよび0.1gの乾燥樹脂を反応容器に入 れた後、反応媒体を攪拌しながら60℃まで加温する。固体状態のイオウが完全 に消失したら(通常15分後)、液体状態の反応媒体の試料を所定の時間に採取 する。ジ−n−ブチルジスルフィドの重量含有率 (S2%)を「分」で表す時間の関数として決定するために、採取した試料につ いて長さ50mのヒューレットパッカードウルトラ−1キャピラリーカラムによ りガスクロマトグラフィー分析を行う。 メタノールの存在下で実施した試験では、反応混合物に加えたメタノールの量 は0.4g(0.0125mol)である。結果を以下の表Iおよび表IIに示 す。 これらの表は、本発明による製造方法が従来技術より良好な結果を与えること を表す。実施例 2 tert−ブチルメルカプタンとイオウの反応によるジ−tert −ブチルポリスルフィドの製造 tert−ブチルメルカプタンおよびイオウを出発原料とするポリスルフィド の製造の試験を樹脂および、場合によっては、メタノールの存在下で行う。Am berlyst A−21樹脂を使用して比較試験を実施する。操作手順: これらの試験は実施例1と同様の器具を使用して、以下ような同一条件下で行 う。 26.5g(0.294mol)のtert−ブチルメルカプタンを18g( 0.56mol)の微粉砕イオウとともに攪拌しながら反応容器に加え、反応媒 体を60℃まで加温する。 イオウが完全に消失するまでに要する時間を記録する。90分間の反応の後、 液体状態の反応媒体の1回目の試料を採取し、反応時間を通じて引き続き採取を 繰り返す。このメルカプタンを対応するポリスルフィドに変換する速度を表す、 残存するtert−ブチルメルカプタンの含有率を決定するために、採 取した試料について長さ50mのヒューレットパッカード ウルトラ−1キャピ ラリーカラムによりガスクロマトグラフィー分析を行う。 以下の表IIIはこれらの試験の結果を表わし、各被験樹脂について、固体イ オウがすべて消失するまでに要する時間および反応媒体中に残存するtert− ブチルメルカプタンの含有率(TMBの重量%)を与える。 メタノールの存在下で実施した試験では、反応媒体に加えたこのアルコールの 量は0.4g(0.0125mo1)である。 本発明の方法の結果は従来技術の方法よる結果よりも良好であることが理解で きる。実施例 3 tert−ブチルメルカプタンを用いた、イオウ鎖長の長いジ−t ert−ブチルポリスルフィドの脱イオウ反応によるジ−tert−ブチルトリ スルフィドの製造 使用するジ−tert−ブチルポリスルフィドは平均分子量250であり、含 有率54.4%のイオウ、含有率29.5%のジ−tert−ブチルトリスルフ ィド(長さ50mのヒューレットパッカード ウルトラ−1キャピラリーカラム によりガスクロマトグラフィー分析による)およびイオウ鎖長のより長いポリス ルフィドからなる100重量%までの残量を含む。 ポリスルフィド(Sx;x>3)のtert−ブチルメルカプタンによる脱イ オウ化反応を、異なるグアニジン樹脂の存在下、場合によってはメタノールの存 在下で実施する。 比較試験はAmberlyst A−21を使用して行う。 試験はすべて上記の装置と同様の装置により実施する。操作手順: 10g(0.0365mol)のジ−tert−ブチルポリスルフィド、19 .71g(0.219mol)のtert− ブチルメルカプタンおよび0.5gの選択した樹脂を反応容器に加える。反応媒 体を攪拌しながら急速に60℃まで加温する。試料を所定の時間間隔で採取し、 長さ50mのヒューレットパッカードウルトラ−1キャピラリーカラムによりガ スクロマトグラフィー分析を行う。 クロマトグラフィーを用いた追跡により測定時間を通じて生成したジ−ter t−ブチルトリスルフィドの含有率を決定することが可能である。 メタノールの存在下で行う試験の場合、反応媒体に加えたこのメタノールの量 は0.4g(0.0125mol)である。 以下の表IV、表Vおよび表VIは異なる被験樹脂を使用した試験の結果を表 わし、各被験樹脂について生成するジ−tert−ブチルトリスルフィドの重量 比(S3%)を「分」で表す時間の関数として与える。 これらの結果から、メタノールはAmberlyst A−21樹脂の存在下 (比較試験)において反応に全くプラスの効果を与えないことが理解できる。 ジ−tert−ブチルポリスルフィドからジ−tert−ブチルトリスルフィ ドへのこの脱イオウ化反応では、グアニジン官能基をもつゲルタイプの樹脂はメ タノールが存在しない場合極めて反応性が低い。他方、意外にも、メタノールが たとえわずかな比率でも存在すると、実質的に反応性向上の効果がある。メタノ ールの効果はグアニジン官能基を含むマクロポーラス樹脂の場合は、はるかに低 下したものになる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 塩基性官能基を有する樹脂の形態の触媒の存在下で、イオウをメルカプタ ンと反応させることによって、又はイオウ鎖長の短い有機ポリスルフィドをイオ ウ鎖長の長い有機ポリスルフィドに変換するためにイオウをイオウ鎖長の短い有 機ポリスルフィドと反応させることによって、又はイオウ鎖長の長い有機ポリス ルフィドをイオウ鎖長の短い有機ポリスルフィドに変換するためにメルカプタン をイオウ鎖長の長い有機ポリスルフィドと反応させることによって、有機ジスル フィド及び有機ポリスルフィドを製造する方法であって、前記樹脂が、塩基性基 で官能化され且つ以下の一般式(I): [式中、Bは以下の(1)〜(4): (1)イミンの窒素にLが置換した、一般式(C): (ここで、R1、R2、R3およびR4は水素並びにメチル、エチル、プロピル、ブ チル、シクロヘキシルおよびフェニル基からそれぞれ独立に選択され、この場合 、Lはメチレン基−CH2−以上の鎖長をもつ直鎖有機基を表す) を有するグアニジン基; (2)7位にLが置換した、式(D):(この場合、Lは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9である)を有する 環状グアニジン基; (3)6位にLが置換した、式(E): (この場合、Lは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9である)を有する 環状アミジン; (4)7位にLが置換した、式(F): (この場合、Lは−(CH2n−基を表し、nは1又は3〜9である)を有する 環状アミジン基; から選択され、 を有するポリスチレン−ジビニルベンゼン(PS−DVB)を 基体とすることを特徴とする方法。 2. 一般式(I)を有する樹脂がゲルタイプであることを特徴とする、請求項 1に記載の方法。 3. 一般式(I)を有する樹脂がマクロ架橋され、マクロポーラス構造を有す ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 4. Lがメチレン(−CH2−)を表すことを特徴とする、請求項1から3の いずれか一項に記載の方法。 5. Lが式(C)を有するグアニジン基に結合するとき、Lが式(II): −CH2−(X−CH2−CH2m- (II) (式中、Xは酸素(−O−)又はイオウ(−S−)であり、mは1又は2である ) を有する基を表すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方 法。 6. Xは酸素を表し、mは1であることを特徴とする、請求項5に記載の方法 。 7. Xはイオウを表し、mは1であることを特徴とする、請求項5に記載の方 法。 8. メルカプタン並びに有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドがアルキ ル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキル基から選択される炭化水素基R を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 9. R基が1以上の官能基を有することを特徴とする、請求項8に記載の方法 。 10. 樹脂が、樹脂を含む反応混合物の100重量部に対して0.01〜20 重量部の範囲内の量として存在することを特 徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。 11. 反応を−10℃〜150℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1か ら10のいずれか一項に記載の方法。 12. 温度が+10℃〜120℃であることを特徴とする、請求項11に記載 の方法。 12. メタノールを反応媒体に加えることを特徴とする、請求項1から12の いずれか一項に記載の方法。
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