JP2000501162A - 壁と軸との間の貫通間隙を密封するための装置 - Google Patents

壁と軸との間の貫通間隙を密封するための装置

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JP2000501162A JP9521601A JP52160197A JP2000501162A JP 2000501162 A JP2000501162 A JP 2000501162A JP 9521601 A JP9521601 A JP 9521601A JP 52160197 A JP52160197 A JP 52160197A JP 2000501162 A JP2000501162 A JP 2000501162A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、壁(2)とこの壁を貫通しこの壁に対して相対回転する軸(3)との間の貫通間隙(1)を密封するための装置に関する。この装置は軸(3)で貫通されているシールリング(4)と壁(2)に固く結合されている保持体(5)とを備え、この保持体(5)が円筒状切欠(6)およびこの切欠(6)に開口する溝(7)を有し、この溝(7)は第1の溝側面(8)と第2の溝側面(9)とを有し、これらの両溝側面(8、9)間にシールリング(4)がそれぞれラジアル間隙(10、11)を開けた状態で且つシールリング(4)を取り巻き油で充填される室(12)を開けた状態で保持されている。第1の溝側面(8)におけるラジアル間隙(10)は室(12)からの油の貫流を阻止されている。この装置は水素封入形電気機械、特にタービン発電機に対するシール装置に適用される。

Description

【発明の詳細な説明】 壁と軸との間の貫通間隙を密封するための装置 本発明は、壁とこの壁を貫通しこの壁に対して相対回転する軸との間の貫通間 隙を密封するための装置であって、軸で貫通されているシールリングと壁に固く 結合されている保持体とを備え、この保持体が円筒状切欠およびこの切欠に開口 する溝を有し、この溝が第1の溝側面と第2の溝側面とを有し、これらの両溝側 面間にシールリングが保持され、溝の中にシールリングを取り巻き油で充填され る室が残存する装置に関する。 この種の装置は例えば水素が特に冷却目的で使用される水素封入形電気機械に 適用される。その際装置は、回転軸が電気機械の固定ハウジングを貫通する貫通 部を密封するためおよび水素が電気機械の周囲に漏洩することを阻止するために 、シール装置の一部として使用される。特に重要なのはこの装置が特に水素だけ であるいは水素と水とで冷却される大形タービン発電機に使用されることである 。かかるタービン発電機は通常500MVA以上の出力を有し、水素が105〜 106Paの圧力で内部に封入されている密閉ハウジングを有している。 冒頭に述べた形式の装置はドイツ特許出願公開第3723729A1号明細書 および英国特許出願公開第0760781A1号明細書に記載されている。これ らの明細書にはこの種の装置の改良方式も説明されている。上述のドイツ特許出 願公開明細書はハウジング壁へのシールリングの配置構造に関するもので、その シールリングはハウジング壁に対して回転できないが、これは心合わせする目的 で容易に変位できるものでなければならない。そのためにシールリングは室の中 に配置されておらず、ハウジング壁と取付け板との間で取付けボルトによって保 持されている。壁を貫通して油供給配管が設けられ、この配管にそれぞれシール リングにある流路が対応させられている。これらの各流路はシールリングにある 密封すべき軸に対応した環状溝に開口している。更にシールリングと壁との間並 びにシールリングと取付け板との間に油の漏洩量少なくとも制限された量で存在 する。シール材料即ち舌片形シールによって、多量の油が発電機の壁とシールリ ングとの間の間隙を通って流出することが阻止される。発電機の内部における圧 力並びに油圧はシールリングを荷重し、これを取付け板に押しつける。圧力をバ ランスしてシールリングと取付け板との間の摩擦を減少するために、取付け板に 油が導入される圧力平衡用の油環状溝が設けられている。上述の英国特許出願公 開明細書には特に、密封および/又は潤滑の目的のためにシールリングと壁およ び軸との間の間隙に油あるいは別の液体を導入する方式が提示されている。 ドイツ特許出願公開第3712943A1号明細書には、水素冷却形タービン 発電機に対する軸封装置が記載されている。この装置は室内に半径方向に移動可 能に配置され軸を包囲する二つのシールリングを備えた密封装置を有し、その少 なくとも一つのシールリングが軸方向に移動可能である。密封油は室から一つの シールリングを通って導かれているか両シールリング間を延びているラジアル流 路を通して密封すべき軸に導かれる。少なくとも第2のシールリングは流体技術 的に室の側面に配置された集合室あるいは盲孔に連通しているラジアル流路を有 している。これによって密封油流の一部は発電機の内部ハウジングの方向に分岐 されて戻される。 スイス特許第626694号明細書に特に大形圧縮機軸に対する軸封装置が記 載されている。そこでは密封すべき軸と密封ピストンとの間に環状間隙が残存し ている。この環状間隙を貫流して流れる媒体の流れは、密封ピストンの内壁にス パイラル状の溝が加工されていることにより、絞れられてできるだけ少なくなる ようにされている。その溝はラビリンスパッキンを形成し、これは軸が回転する 際にこの軸と共にポンプ作用をし、これによって密封油が圧縮機内部に入り込む ことを阻止している。 新しいタービン発電機を建造する際にその軸直径がますます大きくなっている ことを考慮に入れると、水素が軸に沿ってタービン発電機のハウジングから漏洩 する間隙の寸法も軸の直径とともに増大するという問題が生ずる。タービン発電 機の密封についての要求が厳しくなるにつれて、冒頭に述べた形式の装置の密封 作用を改良するために幾倍もの要求が生ずる。従ってその装置は往々にしてこれ が軸に沿って連続して位置する二つの密封循環路を有するように形成される。ハ ウジングの内部側の循環路は万一の漏洩水素を受け止める働きをし、ハウジング の外部側の循環路は空気がハウジング内部に入り込むことを阻止する働きをする ようにされている。このように形成された装置は運転上必要な経費が非常に高く 、従って冒頭に述べた形式の装置を唯一の密封油循環路で運転できるように形成 することが望まれる。 米国特許第5233862号明細書に対応したヨーロッパ特許第054275 1B1号明細書には、ハウジング壁とこの壁を貫通しこの壁に対して相対回転す る軸との間の貫通間隙を密封するための装置が記載されている。この装置におい ては、シールリングは回転軸上で一緒に回転せずに滑り、その機能について監視 できる。そのために回転軸がシールリングに与えるトルクが測定される。このト ルクが或る限界値を超えたとき、それにより軸上で滑るシールリングがもはや十 分には潤滑が保証されておらず、問題が生じていることを前提としなければなら ない。 将来においては、市場価格への圧力の増大が大形発電機の単純化およびコスト ダウンを要求する必要があることが予期される。その場合、運転上甘受すべきる 水素封入形発電機からの水素の漏洩は、環境保護上および安全上の観点からます ます僅かしか許されない。そのために冒頭に述べた形式のシール装置において、 油が水素に接触したときに必然的に生ずる水素を含む油の量を最少に減少するこ とが望まれる。油の中に侵入した水素は全く回収できないか大きな洗浄費用をか けなければ回収できず、また電気機械に戻せず、水素の少なくとも一部損失はど うしても避けられない。 この関係において、上述したように二つの密封循環路を有するシール装置にお いて、常に少なくとも一方の循環路に水素が多量に入り込むことを考慮に入れな ければならない。このために直ぐ前の段落で述べた考察により、将来においては そのようなシール装置を止めて、唯一の循環路しか備えていないシール装置で済 ませることが望まれる。 上述のすべての点を考慮に入れて、本発明の課題は、壁とこの壁を貫通しこの 壁に対して相対回転する軸との間の貫通間隙を密封するための装置を、この装置 を貫流して流れる油の中に水素密封ハウジングからの水素が入り込むことができ るだけ防止されるように形成することにある。 本発明によればこの課題は、壁とこの壁を貫通しこの壁に対して相対回転する 軸との間の貫通間隙を密封するための装置であって、軸で貫通されているシール リングと壁に固く結合されている保持体とを備え、この保持体が円筒状切欠およ びこの切欠に開口する溝を有し、この溝が第1の溝側面と第2の溝側面とを有し 、これらの両溝側面間にシールリングが保持され、溝の中にシールリングを取り 巻き油が充填される室が残存し、シールリングが油を室から軸側のシール面に導 くことのできる少なくとも一つの流路を有している装置において、溝の第1の溝 側面に設けられた環状溝の中に環状パッキンが保持され、この環状溝が連絡路を 介して室に連通していることによって解決される。環状パッキンは好適には小さ な摩擦係数の材料、特にテフロン(商品名)から成っている。 この本発明に基づく装置は、電気機械のシール装置において、第1の溝側面が ハウジングの内部側に置かれて、第1の溝側面にハウジングの外部に対して密封 すべき水素が接するように設置される。室は密封のために使用される油で充填さ れている。油は保持体とシールリングとの間に存在するラジアル間隙に入り込む 。このラジアル間隙が環状パッキンによって第1の溝側面に沿って油が貫流する ことを阻止されていることによって、油はラジアル間隙からハウジングの内部に 入り込むことができず、これによって従来技術における装置において常のように 水素で飽和されることはなくなる。環状パッキンは油室から連絡路および環状溝 を通って環状パッキンに作用する油によってシールリングに押しつけられる。こ れによって発電機の中に流入する油の量は著しく減少され、その設備費用は正に 安価に止まり、特にシールリングの直ぐ近くの周囲における構造的処置だけしか 必要とされない。 本発明によれば請求項3の上位概念部分における装置において、シールリング は流路と第1の溝側面に直接接するシールリング側面との間に排油路と集合室と を有し、集合室は更に第2の環状室から油を供給される。集合室は更に好適には その中に入り込んだ油に対する搬出路に接続できるようにされる。この実施形態 の枠内において、シールリングと回転軸との間の摩擦で加熱されている油は集合 室の中に入り込み、ここでシールリングを加熱する。従ってシールリングはこの ような形態を持たない場合より一層一様に加熱される。これによってまずシール リングに熱応力が発生することが避けられる。特にこのようにしてシールリング はシールリング自体も膨張することにより、同様に加熱により生ずる軸の熱膨張 に追従できる。従ってシールリングと軸との間の間隙は冷状態並びに運転加温状 態において比較的小さく維持され、シールリングをそれが常温状態においても運 転温度の軸に対する間隔を有するように寸法づける必要はない。そのように寸法 づけることは、シールリングと軸との間隙が冷状態において非常に大きくなくて はならず、従って密封のために非常に多量の油流量が必要であることを意味する 。従って本発明によれば発電機に流入する密封油量を著しく減少できる。 油が流路を通して貫流される際、軸とシールリングとの間の間隙(この間隙は シールリング側において上述のシール面で境界づけられている)は完全に油で充 填され、これによって水素の貫流が確実に阻止される。好適には流路はシールリ ングのシール面にある環状溝に開口し、これによって油の一様な分配が保証され る。特に軸とシールリングとの間を通る油は搬出路に接続されている第2の環状 溝を通して搬出される。 装置の上述した実施形態の枠内において、シールリングのシール面に沿って第 1の溝側面の方向に流れる油の流出を制限するために、シール面は環状溝と第1 の溝側面に直接接するシールリングの側面との間に好適にはシール面をスパイラ ル状にめぐらす条溝を有している。この条溝は、条溝内に存在する油が回転軸に よって環状溝に向けて搬送されるように方向づけられていると好適である。この 場合、回転軸は条溝内における油に環状溝に向けられた衝撃を与え、この衝撃が その環状溝から第1の溝側面の方向への過剰な流出を防止する。 同様に、シールリングが第1の溝側面に直接接するシールリング側面に、シー ル面を延長する環状延長突起を有していることが有利である。シール面が延長さ れることによって、環状溝と上述のシールリング側面との間の間隙も延長される 。これは間隙を貫流する油に対抗する抵抗を高め、シール面に沿った油の流出を 制限する。 更に、水素封入形電気機械にこの装置を使用する際に、そのハウジングの外部 に面する溝側面、即ち第2の溝側面に油が供給される環状溝が設けられているこ とが有利である。装置の運転中にこの環状溝には、ハウジングの内部における通 常は高圧下にある水素がシールリングに与える力を相殺するような圧力がかかっ ている油が供給される。これによってシールリングはほぼバランスされた状態で 保持され、これはシールリングの運転および機能にとって好都合である。 特に有利な実施態様は、第1の溝側面にラジアル間隙からの油を排出するため の油搬出路が接続され環状溝が設けられていることによって特徴づけられる。こ の場合、第1の溝側面におけるラジアル間隙を通って油が貫流しても、その貫流 する油は軸にまで従ってハウジングの内部にまでは到達せず、その手前で排出さ れる。この油は従ってほとんど水素を含まず、このようにして上述の課題が解決 される。場合によってこれによって設備費用が増大するが、それ以上に大きな利 点が得られ、即ちシールリングの運転を調整し、第1の溝側面におけるラジアル 間隙からの油の搬出を制御することができる。 上述のすべての形態の装置は好適には電気機械、特に水素封入形タービン発電 機におけるシール装置に挿入される。この装置は、少なくとも密封機械の内部へ の油の流入が必ずしも必要とされない少なくとも一つの個所で油の貫流を阻止す るので、水素が油の中に侵入することを制限する。これによって水素の漏洩損失 は十分に回避され、これにより当該運転基準を容易に満足させることができる。 シール装置は好適には唯一の油循路だけを有する。 以下図面を参照して本発明の実施例および従来技術との相違点について詳細に 説明する。なお図面は一定の実施例を寸法尺度に従って示さすものではない。こ の実施例を実現するために当該従来技術も補助的に参照されたい。図面の各図は 、ハウジングを貫通している軸の貫通部を密封する装置の実施例をその軸の中心 軸線に沿った縦断面図で示している。 図1は装置の第1の実施形態、 図2は従来技術による実施形態、 図3は本発明の第2の実施形態、 図4、図5、図6はそれぞれ本発明に基づく第1の実施形態に関連した改良形 態を示す。 各図において互いに相応する部分および特徴には同一符号が付されている。す べての図に対して多少共通する特徴について図1を参照して以下に説明する。 図1には、壁2とこの壁2を貫通して延びこの壁2に対して相対回転できる軸 3との間における貫通間隙1を密封するための装置が示されている。この装置は 軸3で貫通されているシールリング4と壁2に固く結合されている保持体5とを 有している。保持体5は軸3で貫通されている円筒状切欠6とこの切欠6に開口 している溝7とを有している。この溝7は軸3に沿った方向において第1の溝側 面8と第2の溝側面9で境界づけられ、これらの両溝側面8、9間にシールリン グ4がそれぞれラジアル間隙10、11を開けた状態で保持されている。ラジア ル間隙10、11は実寸尺度ではなく特に拡大して示されている。溝7の中にシ ールリング4を取り巻く室12が開けられている。室12は分かり易くするため に矢印だけで示されている供給路13を通して油が充填され、この油は貫通間隙 1を密封するためにそこまで侵入する。壁2は水素封入形タービン発電機のハウ ジングに属し、その装置は貫通間隙1を通って水素が流出することを阻止しよう としている。これはシールリング4並びに装置内に残存するすべての間隙を塞ぐ 油の助けを借りて行われる。その際油は既に述べたように一部が水素で豊富化さ れ、この水素は再び油から取り除かなければならない。これは高い設備費用をか けて行われなければならないことを意味し、これはまた水素のある程度の損失を よきすべきことを意味する。この問題を解決するために、油が水素で豊富化され てしまう場所にある壁2の方向に油が流れることを制限することが重要であり、 これはシールリング4の機能を維持することを意味する。 油は室12から特にラジアル間隙10、11の中に入り込み、その油はラジア ル間隙10を通って第1の溝側面8に沿って壁2の方向に流れ、水素と接触して しまう。これを防止するためにラジアル間隙10は油が油室12からそこを通っ て流れることを阻止している。これは上述の実施形態において、ラジアル間隙1 0の中に軸3を取り巻く環状パッキン14が設けられていることによって実現さ れている。この環状パッキン14は例えばテフロン(商品名)あるいは耐油性の 公知の種類のゴム弾性材料から成っている。環状パッキン14は室12に連絡路 16を介して連通している保持体5の軸方向に延びる環状溝15の中に置かれて いる。従って油室12内における加圧状態にある油は環状パッキン14に圧力を 及ぼし、このパッキン14がシールリング4に押されてラジアル間隙10を確実 に密封するようにする。 ハウジングの外に即ち大気側に向けられた第2の溝側面9にも軸方向に延びる 環状溝17が設けられている。ここにも分かり易くするために矢印だけで示され ている供給路18を介して油が供給される。この油は加圧状態にある水素によっ て軸3の軸方向にシールリング4に与えられる力をバランスし、シールリング4 を保持体5の中に圧力がバランスした状態で保持するための作用をする。このよ うにして溝側面8、9におけるシールリング4の摩擦は最小にされ、シールリン グ4の機能が保証される。 シールリング4は油を室12から軸3側のシール面20に導く流路19を有し ている。このようにしてシール面20と軸3との間において(矢印で示されてい る)逆向きに流れる二つの油流が形成され、これらの油流はそれぞれシールリン グ4と軸3との間を通って水素あるいは空気が侵入することを確実に防止する。 油流を一様に分布するためにシール面に流路19に開口している環状溝21が設 けられている。 図2には貫通間隙1を密封するための従来技術から公知の装置が示されている 。この装置の場合明らかに理解できるように、油は室12から妨げられずにラジ アル間隙10を貫流し、従ってこれは軸3と保持体5との間をシール面20に沿 って流れる油と一緒に、密閉ハウジングの内部に従って水素に曝される側に到達 する。これによって水素で豊富化された油の量が増大する。この装置は唯一の循 環路しか有していないので、水素で豊富化された油は最終端で、保持体5の反対 側に流れて空気で豊富化された油と合流せざるを得ない。油を脱気することによ って空気と水素から成る混合気が生じ、この混合気は水素を回収しようとすると きには非常に高い経費をかけて分解しなければならない。あるいはまた混合気は 廃ガスとして廃棄しなければならず、これは明らかに事情によっては関連規制を 考慮に入れた場合に困難を生ずる。勿論、この循環路において水素で豊富化され た油を別個に案内して脱気することもできるが、これは循環路を複雑にし、特別 な経費をかけずに水素を油から妥当な純度で抽出することができないので、上述 の問題は一部しか解決できない。 図3には本発明の異なった実施例が示されている。この実施例において第1の 溝側面8におけるラジアル間隙10は、第1の溝側面8に軸方向に延びラジアル 間隙10に開口している環状溝15aが設けられ、この環状溝15aが油搬出路 22に接続されていることによって、油が室12からラジアル間隙10を通って 流れることを阻止されている。追加的に図1で既に述べたように、環状パッキン 14が環状溝15の中に設けられている。また油搬出路22は分かり易くするた めに矢印だけで示されている。油搬出路22に環状溝15aに接続された配管2 3が通じており、この配管23に制御弁24が設けられている。この制御弁24 は、環状溝15内の圧力を密閉ハウジングの内部で測定される圧力に関係して制 御する制御装置25を有している。このようにしてラジアル間隙10内に侵入し た油は確実に排出される。 図4には、第1の溝側面8の環状溝15内に環状パッキン14を備えている図 1を参照して説明した実施形態の変形例が示されている。ここでも連絡路16が 油室12から環状溝15に通じている。この連絡路16が保持体5にどのように 設けられるかが示されている。即ちそのために三つの孔が必要とされ、そのうち の二つの孔は保持体5に開けられ、ねじ(図示せず)で閉鎖しなければならない 。保持体5は2分割構造に形成されるが、これはその製造上において有利である 。 図4における実施例の特徴は、シールリング4が第1の溝側面8に直接接する 側面26に、シールリング4と軸3との間のシール面20を延長する環状延長突 起27を有していることにある。このようにしてシール面20に沿った油の流れ は制限され、これは水素を含む油の発生量を一層減少する。 この実施例の別の特徴として、シール面20に環状溝21とシールリング側面 26との間にスパイラル状にシール面を延びる条溝28が設けられている。この 条溝28内に存在する油は軸3が回転することによって軸3に沿った方向の衝撃 を受け、この衝撃は条溝28の方向に応じて環状溝21に向けられて、シール面 20に沿った油の流出を制限する。 図5には、第1の溝側面8とシールリング4との間に環状パッキン14が存在 し、この環状パッキンが環状溝15の中に挿入され、連絡路16を通して油室1 2から圧力がかけられている実施例が示されている。更にシールリング4はその 軸3側のシール面20に、流路19を通して油室12から油を供給される環状溝 21を有している。シール面20に追加的に第1の環状溝21と第1の溝側面8 側のシールリング側面26との間に位置する第2の環状溝29が設けられている 。環状溝21からシール面20に沿って流れる油は第2の環状溝29に入り込み 、この第2の環状溝29からシールリング4内にある特に環状の集合室31の中 に導かれる。更にこの集合室31から油室12を貫通して配管32が導出され、 制御弁33を介して搬出路34に通じている。この搬出路は集合室31に或る負 圧を与え、これによってシール面20から集合室31に油を所望通りに搬出する 働きをする。集合室31内に搬送された油はシール面20で強く加熱されており 、その熱は集合室31からシールリング4に放出される。これによってシールリ ング4は熱膨張し、これによって熱応力で変化した軸3の直径に合わせられる。 これはシールリング4を従来はできなかった精度で熱応力により広がる軸3に適 合させることを可能にし、その大きな利点は、シールリング4が軸3と同時に膨 張するので、シールリング4が従来よりも小さな間隙をもって軸3に合わせられ ることにある。図5における装置の別の利点は、シールリング4が従来よりも一 層一様に加熱できる点にあり、従ってシールリング4は異なった熱膨張に基づく 機械的応力を形成する傾向が従来より小さくなり、これにより長寿命の達成が得 られる。軸3とシールリング4との間の間隙が非常に狭く形成されることによっ て、壁2の方向への油流が非常に僅かにされるので、要件に応じてはラジアル間 隙10の遮断を省略することもできる。 図6には図5における実施例の全体関係が示されている。この場合、貫通間隙 1、保持体5並びに壁2によって前室35が形成されている。シールリング4か ら流出し場合によって水素を含んでいる油は前室35の中に排出される。この油 は集合室31に流入する油と共に脱気装置36に導かれる。そこで浄化された油 は戻り管37を介して油槽(図示せず)に戻され、そこから油はあらためて供給 路13を介してシールリング4に導かれる。洗浄装置36と集合室31との間に 配置された制御弁33によって、前室35の方向に流れる油の部分量の分割が調 整される。 上述したすべての装置は、唯一の循環路13、18、19、22、23、24 、30、33、34しか設けられていないシール装置2、3、4、5、13、1 7、22、34に使用するために規定されている。しかしこの循環路は、例えば 供給 路13、18に分岐することもできるが、この場合も油は一括して処理される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.壁(2)とこの壁を貫通しこの壁に対して相対回転する軸(3)との間の貫 通間隙(1)を密封するための装置であって、軸(3)で貫通されているシール リング(4)と壁(2)に固く結合されている保持体(5)とを備え、この保持 体(5)が円筒状切欠(6)およびこの切欠(6)に開口する溝(7)を有し、 この溝(7)が第1の溝側面(8)と第2の溝側面(9)とを有し、これらの両 溝側面(8、9)間にシールリング(4)が保持され、溝(7)の中にシールリ ング(4)を取り巻き油で充填される室(12)が残存し、シールリング(4) が油を室(12)から軸(3)側のシール面(20)に導くことのできる少なく とも一つの流路(19)を有している装置において、溝(7)の第1の溝側面( 8)に設けられた環状溝(15)の中に環状パッキン(14)が保持され、この 環状溝(15)が連絡路(16)を介して室(12)に連通していることを特徴 とする装置。 2.環状パッキン(14)が小さな摩擦係数の材料、特にテフロン(商品名)か ら成っていることを特徴とする請求項1記載の装置。 3.壁(2)とこの壁(2)を貫通しこの壁(2)に対して相対回転する軸(3 )との間の貫通間隙(1)を密封するための装置であって、軸(3)で貫通され ているシールリング(4)と壁(2)に固く結合されている保持体(5)とを備 え、この保持体(5)が円筒状切欠(6)およびこの切欠(6)に開口する環状 の溝(7)を有し、この溝(7)が第1の溝側面(8)と第2の溝側面(9)と を有し、これらの両溝側面(8、9)間にシールリング(4)が保持され、溝( 7)の中にシールリング(4)を取り巻き油で充填される油室(12)が残存し 、シールリング(4)が油を室(12)から軸(3)側のシール面(20)に導 くことのできる少なくとも一つの流路(19)を有している装置において、シー ルリング(4)が流路(19)と第1の溝側面(8)直接向いているシールリン グ側面(26)との間にシール面(20)に接続された排油路(30)と集合室 (31)とを有し、この集合室が排油路(30)から油を供給されるこ とを特徴とする装置。 4.シールリング(4)がシール面(20)に、排油路(30)に開口する第2 の環状溝(29)を有していることを特徴とする請求項3記載の装置。 5.集合室(31)に接続される油搬出路(34)を有していることを特徴とす る請求項3又は4記載の装置。 6.シールリング(4)がシール面(20)に、通路(19)が開口しているる 第1の環状溝(21)を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ か1つに記載の装置。 7.シール面(20)が第1の環状溝(21)と第1の溝側面(8)に直接接す るシールリングの側面(26)との間に、スパイラル状にシール面(20)をめ ぐっている条溝(28)を有していることを特徴とする請求項6記載の装置。 8.シールリング(4)が第11の溝側面(8)に直接接する側面(26)に、 シール面(20)を延長する環状延長突起(27)を有していることを特徴とす る請求項1ないし7のいずれか1つに記載の装置。 9.第2の溝側面(9)に油が供給される環状溝(17)が設けられていること を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の装置。 10.第1の溝側面(8)にラジアル間隙(10)から油を排出するための搬出 路(22)が接続される環状溝(15)が設けられていることを特徴とする請求 項11ないし9のいずれか1つに記載の装置。 11.電気機械、特に水素封入形タービン発電機(2)におけるシール装置(2 、3、4、5、13、17、22、34)に挿入されることを特徴とする請求項 1 ないし10のいずれか1つに記載の装置。 12.唯一の循環路(13、18、19、22、23、24、30、32、33 、34)を有していることを特徴とする請求項13記載の装置。
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