JP2000500497A - コラーゲン様ペプトイド残基含有構造物 - Google Patents

コラーゲン様ペプトイド残基含有構造物

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Abstract

(57)【要約】 トリプルヘリックスのコンホメーションの、高密度のコラーゲン配列およびプロリンまたはヒドロキシプロリン残基がペプトイド残基と置換されている配列の反復するトリマーのアミノ酸鎖からなる、合成コラーゲン。本発明は、コラーゲンに存在しているトリプルヘリックスコンホメーションをもつ合成コラーゲン構造のコラーゲンタイプポリペプチドおよびポリ(ペプチド−ぺプトイド残基)鎖からの、ヘリックス誘導テンプレートによる製造方法をも含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】 コラーゲン様ペプトイド残基含有構造物 この研究は、国立科学財団助成金第DMR-9201133号(National Science Foundat ion Grant No.DMR-9201133)によって一部補助された。合衆国政府はこの発明に 権利を有する。 本発明は、アミノ酸の1つがペプトイド残基で置換されている、反復するトリ マーアミノ酸配列もしくはトリマー配列を含むその合成コラーゲン様ポリマーに 関する。それは、具体的には、3本のポリプロリンII様の鎖からなるコラーゲン 様トリプルヘリックスコンホメーションを有する合成コラーゲンポリマーに関す る。それはまた、らせんアレイ(helix array)の形成を誘導するテンプレート分 子の用途にも関する。 発明の背景 天然のコラーゲンは、反復するトリマーアミノ酸配列の一次構造を有する。約 95%の分子を構成するらせん領域内では、アミノ酸グリシン(Gly)は、トリマ ーペプチドの全ての第3番めの位置毎に生じる。イミノ残基(I)、すなわちプロ リン(Pro)およびヒドロキシプロリン(Hyp)のいずれも、56%のトリマーで生じ 、20%はGly-X-I:27%はGly-I-Y;および9%はGly-I-Iである。Proは、通 常、反復するトリマーの第2番目の位置に生じ;一方Hypは、通常、最後の位置 に生じる。(Bhatnagar,R.and R.Rapaka(1976)Chap.10 Biochemistry of C ollagen R.Ramachandren,ed.Plenum Press,New York,pp.481-482)。 トリペプチド配列(Gly-X-Y)は、XおよびYがプロリン(Pro)またはヒドロキシ プロリン(Hyp)以外のアミノ酸残基であり、コラーゲンアミノ酸トリマーの44 %を構成している。グルタミン酸、ロイシン、およびフエニルアラニンは、ほと んどがXの位置に、そしてスレオニン、グルタミン、メチオニン、アルギニンお よびリシンはYの位置に生じる。アラニンおよびセリンは例外であるが、Xの位 置のアミノ酸はかさばった側鎖を有する。 合成コラーゲンは、それが多様な臨床応用(薬剤送達デバイス、眼用デバイス 、および創傷治癒デバイスを含む)を有するコラーゲン様生物材料用の物質を提 供するため、興味深い。プロリンおよびヒドロキシプロリン(翻訳後に修飾され た プロリン残基)残基は、天然のコラーゲン配列では豊富なので、トリマーアミノ 酸配列Gly-Pro-XaaおよびGly-Xaa-Pro(Xaaは任意の天然のアミノ酸残基)からな る多くの連続したポリマーが、コラーゲン構造を擬態するように調製されてきた 。(Segal,D.M.,and Traub,W.(1969)J.Mol.Biol.43:487-496は、ポリ(L-アラニ ル-L-プロリル-グリシン)を開示し;Segal,D.(1969)J.Mol.Biol.43:497-517)は コラーゲン様ポリヘキサペプチド(Gly-Ala-Pro-Gly-Pro-Pro)n、(Gly-Pro-Ala-G ly-Pro-Pro)n、(Gly-Ala-Pro-Gly-Pro-Ala)nおよび(Gly-Ala-Ala-Gly-Pro-Pro)n を開示し;Sakakibara,S.(1973)Biochim.Biophys.Acta 303:198-202は(Pro-Hyp -Gly)nを開示し;Scatturin,A.(1975)Intl.J.Peptide Protein Res.7:425-435は (Pro-Leu-Gly)nおよび(Leu-Pro-Gly)nを開示し;Bansal,M.(1978)Peptide Prote in Res.11:73-81は(Gly-Pro-Leu)nおよび(Gly-Leu-Pro)nを開示し;そしてMille r,M.(1980)Macromolecules 13:910-913)は、ポリ(グリシルプロリルアラニル )を開示している。Ananthanarayanan,V.et al.(1976)はChap.15,Biopolymers ,pp.707-716(J.Wiley & Sons)で、トリプレットが同質異性のN−メチルグリシ ンサルコシンを(Gly-Pro-Sar)nおよび(Gly-Sar-Pro)nとして含有しているポリマ ーを開示している。 コラーゲンは、特徴的な三次、二次および一次構造を有する。ほとんどのポリ ペプチドは、αヘリックスすなわち右巻きのらせんまたはプリーツシートβコン ホメーションのいずれかで並んだペプチド結合しているアミノ酸の配列を含む。 これらのアレイのそれぞれにおいて、隣り合うポリペプチド鎖のアミノ酸は、分 子間水素結合によりその位置に保持される。対照的にコラーゲンは反復するアミ ノ酸トリマーを含む3本のポリペプチド鎖から構成されている。これらの鎖は1 回転当たり約3残基の3本の伸びた(extended)左巻きのらせんで並ぶ、ポリプロ リンII様の鎖である(Rich,A.et al.(1955)Nature 176:915)。コラーゲンのポリ プロリンII様の鎖は、同じ方向に配置され、互いに絡み合ってスーパーコイルし たあるいはコイルしたらせん、すなわち、右巻きのトリプルヘリックスコンホメ ーションをとるが(Bella,J.et al.(1994)Science 266:75-81)、それもまたコラ ーゲンの特徴である。コラーゲンのトリプルヘリックスを構成する鎖はホモトリ マー性、すなわち、同一の反復するアミノ酸トリマーから構成されるか、ある いは異なるアミノ酸トリマーの鎖で構成されるヘテロトリマー性のいずれかであ り得る。 ポリプロリンII様鎖のトリプルヘリックスへの会合(association)は、自然に 起こる;しかし、ヘリックス形成の速度は、鎖の会合に反発する、ポリペプチド 配列のカルボキシ末端のアミノ酸での反発するような電荷のため、遅い。この「 末端効果」は、鎖長が長くなるにつれ重要性が低くなる。ヘリックス形成の速度 はまた、各鎖のアミノ酸が、最初に整列するかあるいはお互いに正しく「整合(r egister)」されなければならず、そうするためにそれらは他方の鎖の長さに沿っ て位置を正しく調整しなければならないため、遅くなり得る。コラーゲン鎖は、 適切に整合し全てのペプチド結合のためにトランスアミドを形成するため、各鎖 の対応するアミノ酸の間で1残基のシフトを必要とすることがわかった。 天然のコラーゲン構造の擬態は、非天然の残基をそのペプチド配列に挿入する ことによりそれらの生物学的安定性を増強することを意図していた。したがって 、コラーゲン様構造の生物学的安定性の増強のために、多くの非天然プロリンア ナログおよび他の非天然イミノ酸残基が、そのペプチド配列中で頻繁に生じるプ ロリン残基を置換するために用いられてきた。しかし、そのような残基、例えば 、プロリンの低級ホモログであるアゼチジン-2-カルボン酸(Aze)の取り込みは、 コラーゲンのトリプルヘリックス構造を脱安定化させるか、あるいはその形成を 妨げることがわかった(Zagari,A.et al.(1994)Biopolymers,34:51-60)。 ペプトイド残基は、新しいクラスの非天然イミノ酸であり(Simon,R.J.et al. (1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367-9371)、窒素原子上の置換基がアミノ酸 のα位の側鎖であるN−置換グリシン残基を含む。それらは天然には生じないア ミノ酸なので、ペプトイド残基またはペプトイド残基を含むペプチドは、酵素の 攻撃により高い抵抗性を有している。近年、ペプチド残基は薬剤および他のペプ チド関連生物材料の設計および合成に広く用いられてきた。 テンプレートを用いる合成、すなわち、好ましい分子構造を誘導するための原 子の集合体(assembly)との1つの分子の相互作用が天然では公知である。例えば 、DNAの複製は、同じ三次構造を有する祖先分子からの娘ポリヌクレオチドの テンプレートによる合成を含む。テンプレートによって集合させる方法は、高分 子 量のタンパク質アナログの設計および合成に広く用いられてきた。分子テンプレ ートはペプチドループを適合させたり、ポリペプチドのαヘリックスおよびβタ ーン構造を誘導するため、化学合成において用いられてきた。Kelly,T.R.et al. (1990).Amer.Chem.Soc.112:8024-8034は、β構造を形成するための直鎖状テンプ レートの使用を報告した。Mullerは、2つの逆方向ペプチドβ鎖を架橋するかま たはβターンを誘導するアントラセン型のトリサイクリック構造を開示している 。Mullerはまた、グリシンまたはアラニンで縮合したケンプトリ酸(Kemptriacid )が、付加したポリペプチドのαヘリックス性を誘導するためのテンプレートと して作用し得ることも示した(Muller,K.et al.(1993)Chap.33 in Perspectives in Medicinal Chemistry,B.Testa et al.,eds,Verlag,Basel)。Ghadiri,M.et al.(1993)Angew,Chem.Int.Ed.Engl.32.1594-1597は、ルテニウム金属ビピリジル 複合体を含む3−αヘリックスの束のポリペプチドを調製した。 Roth,W.et al.(1980)Biopolymers 19:1909-1917は、リシンダイマーおよび1,2 ,3-プロパンカルボン酸を用いて共有結合で架橋した合成コラーゲンモデルペプ チドを調製した。このペプチドはトリプルヘリックスに集合する(assemble)こ とがわかった。Fields,C.G.et al.(1993)Biopolymers 33:1695-1707およびTanak a,T et al.(1993)FEBS 13257 334(3)272-276は、3つのペプチド鎖をC末端また はN末端で連結するために、3つのアミノ官能基を有する2つの連続して連なっ たリシン残基を用いた。Fields et al.は、温度に安定なトリプルヘリックスコ ンホメーションのコラーゲン様ポリペプチド配列の、固相法による形成を報告し ているが、ここで、3本のコラーゲン様ペプチド鎖は、C末端で隣接したアミノ 基でのオリシンから同時に合成された。ペプチド鎖の分岐は、それらが天然のコ ラーゲン中でそうであるようにトリプルヘリックスのポリペプチドにおける鎖の 適切なアラインメントもしくは整合を確実にしていることが報告されている。 天然のコラーゲンの特性を有する合成コラーゲンを調製するため、合成物質は 三次構造、ならびに一次および二次構造においてコラーゲンを擬態しなければな らない。 発明の要旨 本発明によると、反復するトリマーアミノ酸ビルディングブロックの鎖を含む 合成コラーゲン様物質が提供され、ここで30%のアミノ酸がグリシンであり、 そして少なくとも約10%がプロリンまたはヒドロキシプロリンであり、改良は 、該反復トリマービルディングブロックへのペプトイド残基の少なくとも一部の 取り込み、およびペプトイド残基を含有するトリプルヘリックスの、それらペプ トイド残基含有ビルディングブロックから集合した鎖からの形成を包含する。好 ましい実施態様において、この合成コラーゲン様物質は、反復するトリマービル ディングブロックの鎖を含み、ここで、このトリマー配列は1つのペプトイド残 基および2つのアミノ酸残基から構成される。特に好ましい実施態様においては 、このトリマー配列の残基の30%がグリシンアミノ酸残基であり、そして少な くとも約10%がプロリンもしくはヒドロキシプロリンアミノ酸残基であり、そ して少なくとも10%がペプトイド残基である。これらのトリマー配列は、その 各々が2つのアミノ酸残基と1つのペプトイド残基から構成され、ペプトイド残 基含有アミノ酸鎖に取り込まれ、この鎖は次いでペプトイド残基含有トリプルヘ リックスに形成される。 本発明のこの局面の好ましい実施態様において、合成コラーゲン物質は、反復 するビルディングブロックの鎖を含み、それらはトリペプチド配列、トリマージ ペプチド-ペプトイド残基配列またはペプチド-ペプトイド残基-ペプチド配列の いずれかであって、Gly-Xp-Pro;Gly-Pro-Yp;Gly-Pro-Hyp;およびGly-Pro-Pro; あるいはそれらの組合せ(ここで、XpおよびYpはペプトイド残基である)からな る群から選択され、この鎖はコラーゲンのそれと同様のトリプルヘリックスコン ホメーションを有している。特に好ましい実施態様において、合成コラーゲン物 質は、Gly-Xp-ProおよびGly-Pro-Ypまたはそれらの組合せからなる群から選択さ れる反復するトリマービルディングブロックから構成されるアミノ酸鎖を含む。 場合により、この鎖はGly-Pro-ProおよびGly-Pro-Hypトリマーを含むことができ る。 本発明は、末端ブロック基(terminal blocking group)を有するアミノ酸鎖を 含み、ここで、この鎖は、式 X−(Z)n−Y を有し、 (Gly-Xp-Pro)j;および (Gly-Pro-Yp)k; (式中XpおよびYpはペプトイド残基である)からなる群から選択される少なくと も1つのジペプチド−ペプトイド残基トリマー、Z;および場合により (Gly-Pro-Pro)l;および (Gly-Pro-Hyp)m; からなる群から選択される少なくとも1つのトリペプチドを含み、該アミノ酸鎖 中のj、k、l、およびmの合計がnであり、nが3であり;ここでXは直鎖 状、分岐鎖状、飽和もしくは不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸およびアラールキ ルカルボン酸からなる群から選択され、ポリペプチドのN−末端アミノ酸にアミ ド結合により結合されており;そしてYは、アンモニア、直鎖状、分岐鎖状、飽 和もしくは不飽和脂肪族アミン、芳香族アミン、およびアラールキルアミンから なる群から選択され、そしてYはポリペプチドのC−末端にアミド結合により結 合されている。 本発明のペプトイド残基含有合成コラーゲン物質において、反復するトリマー 配列のペプトイド残基は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタ ミン、リシン、フェニルアラニン、およびアスパラギン酸残基のN置換ペプトイ ド同質異性からなる群から選択される。例えば、反復するペプトイド残基含有ト リプレットは、式Gly-Pro-NleuまたはGly-Nleu-Proのそれである。 本発明はまた、反復するGly-Pro-Hypトリマー配列を含むアミノ酸鎖またはペ プトイド残基を含有する反復するトリマー配列を含むアミノ酸鎖も含み、ここで 、その鎖の末端でらせん性を妨害するような反発する電荷は、N末端でのアセチ ル化とC末端でのアミド化により除かれる。 本発明はまた、式TP-[A-(Gly-Xp-Pro)nNH2]3、TP-[A-(Gly-Pro-Yp)nNH2]3また はそれらの組合せの反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーのテンプレート に結合したアミノ酸鎖を提供し、式中TPは、ポリペプチド鎖のトリプルヘリック スの折り畳みを誘導することができるテンプレート分子で、3つの規則正しくス ペースをおく官能基を有し、官能基のそれぞれは反復するペプチド-ペプトイド 残基の鎖に共有結合し;Aは随意の多官能性スペーサー分子であり;XpおよびY pはペプトイド残基であり;そしてn3である。 本発明のこの局面の実施態様によると、式TP-[A-(Gly-Pro-Hyp)nNH2]3の反復 するペプチドトリマーであるテンプレートに結合したポリマーが提供される。テ ンプレートに付着しているアミノ酸鎖は、トリペプチドおよび1つのペプトイド 残基と2つのペプチド残基から構成されるトリマー配列の組合せを含むことがで きる。 関連する実施態様によると、テンプレートに結合したアミノ酸鎖集合体が提供 され、これは:3つの規則正しくスペースをおく官能基を有するテンプレート分 子、TP;官能性末端基を有するC1〜C6アルキル鎖を含む随意のスペーサー、 A;反復するトリマーペプチド配列またはペプトイド残基がペプチドを置換して いるトリマー配列、あるいは(Gly-Xp-Pro)j、(Gly-Pro-Yp)k;(Gly-Pro-Pro)l; および(Gly-Pro-Hyp)mからなる群から選択される記載されたトリマー配列の混合 物、ここでXpおよびYpはペプトイド残基であり;そしてj,k,lおよびmはそ れぞれ0−nであり;j+k+l+mの合計=nであり;ここでnは3である 、を含む3本のアミノ酸鎖を含み、ここでアミノ酸鎖は同じまたは異なるアミノ 酸配列を有し、該テンプレート分子の官能基に直接的にまたはスペーサーAを介 して共有結合し;そしてこのテンプレート分子はこの鎖のトリプルヘリックスの 折り畳みを誘導する。 本発明のこの局面の好ましい実施態様において、テンプレート分子はケンプト リ酸(KTA)(cis,cis-1,3,5-トリメチルシクロヘキサン-1,3,5-トリカルボン酸)ま たはトリメシン酸(TMA)(1,3,5-ベンゼントリカルボン酸);であり、AはGly(-NH -CH2-COO-)および6-アミノヘキサン酸(-NH2-(CH2)5-COO-)からなる群から選択さ れるスペーサーであり;そしてXpおよびYpはNleu(他のペプチドを付加)からな る群から選択される。 本発明のこの局面の特定の実施態様において、下式のテンプレート結合アミノ 酸鎖 KTA-(Gly-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3; KTA-(Gly-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3; KTA-(Aha-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3;または KTA-(Aha-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3; が提供され、ここで、YpおよびXpはペプトイド残基であり;KTAはケンプトリ酸( cis,cis-1,3,5-トリメチルシクロヘキサン-1,3,5-トリカルボン酸)であり;Aha は、6-アミノヘキサン酸(-NH2-(CH2)5-COO-)であり;そしてnは1である。 下式のテンプレート結合アミノ酸鎖 TMA-(Gly-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3;または TMA-(Gly-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3; もまた提供され、ここで、YpおよびXpはペプトイド残基であり;TMAはトリメシ ン酸(1,3,5-ベンゼントリカルボン酸)であり;そしてnは1である。本発明 のテンプレート結合集合体の好ましい実施態様において、XpはN−置換グリシン および他のペプトイド残基からなる群から選択される。 本発明はまた、3本のアミノ酸鎖のトリプルヘリックスの折り畳みを誘導する 方法であって、(a)1つのアミノ酸鎖のN−末端をヘリックスを誘導するテン プレート分子の3つの官能基のそれぞれに直接的にもしくは多官能性スペーサー 分子を介して共有結合させる工程;(b)テンプレートに集まった(template-as sembled)アミノ酸鎖が安定なトリプルヘリックスコンホメーションをとるのを可 能にする工程を包含する方法も提供する。 本発明のこの局面の1つの実施態様は、3本のアミノ酸鎖を、樹脂支持体上で 固相セグメント縮合法により集める(assemble)予備工程を包含する。関係する手 法には、樹脂に結合した集まったアミノ酸鎖のN末端を、テンプレートの官能基 に、場合によりテンプレートに結合したスペーサーを介して、付着させる工程が ある。あるいは、集合させた後に樹脂からアミノ酸を離して、集められた遊離の アミノ酸鎖のN末端を、次に、テンプレート分子の官能基に溶液中で付着させる 。記載されるテンプレート集合体のいかなる好ましい実施態様においても、アミ ノ酸鎖は、Gly-Xp-Pro;Gly-Pro-Yp;Gly-Pro-Hyp;およびGly-Pro-Pro;または それらの組合せ(ここで、XpおよびYpはペプトイド残基である)からなる群から 選択されるトリマー配列を含むことができる。本発明によるヘリックス状に整列 されたコラーゲン様ポリマーはまた、次式:(Gly-Xp-Pro)n;または(Gly-Pro-Yp ) n またはそれらの組合せ(ここで、XpおよびYpはペプトイド残基であり、n3 である)、の反復するトリマー配列のアミノ酸鎖を含み得る。同様に、このコラ ーゲン様ポリマーは、反復するペプチドトリマーを含み得る。特に好ましい実施 態様において、反復するペプチドトリマーは、Gly-Pro-Hyp、Gly-Pro-Proまたは それらの組合せからなる群から選択される。 本発明はさらに、開示した方法により調製したヘリックス状に整列した3本の アミノ酸鎖を含む合成コラーゲン物質を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、ケンプトリ酸テンプレート構造を示す。 図1(a)は、イス型コンホメーションのケンプトリ酸をしめし、その3つの カルボキシル官能基が3アミノ酸鎖のN末端に結合することができる。 図1(b)は、ケンプトリ酸分子の3つのカルボキシ官能基にグリシルスペー サーを介して付着した反復した配列(Gly-Pro-Hyp)3の3本のアミノ酸鎖を示す。 最終的なKTAg-3,3:(ケンプトリ酸-(Gly-(Gly-Pro-Hyp)3)3)生成物の純度を、分 析的RP-HPLC上での均質な単一ピークにより確認した。 図2は、反復したジペプチド-ペプトイド残基配列Ac-(Gly-Pro-Nleu)9-NH2の 、水中、20℃、0.2mg/mlの円二色性(CD)スペクトルである。 図3は、テンプレートに結合した反復したジペプチド-ペプトイド残基配列KTA -[Gly-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3-の円二色性(CD)スペクトルである。 図4は、以下のペプトイド残基:KTA-[Aha-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3-;TMA-[Gl y-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3-;KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3-を含む反復する トリマーのテンプレート結合鎖の融解曲線の比較を示す。 好ましい実施態様の詳細な説明 I.総論 A.用語 B.本発明の全体的な説明 II.ペプチド-ペプトイド残基のトリマーのポリマー A.反復するトリマービルディングブロック B.トリマーの一本鎖ポリマー III.コラーゲン様トリプルヘリックス IV.ヘリックス誘導テンプレート V.コンホメーション分析 VI.実施例 A.一本鎖構造 B.テンプレートに集まった構造 I−A.用語 以下の頻繁に用いられる用語および略語は、以下の意味を有することを意図す る:コラーゲン様 コラーゲンに特徴的な、ポリペプチド鎖のトリプルヘリックスに 調整されたαアミノ酸を含む構造。各ポリペプチド鎖は右巻きのらせんの二次構 造、ポリプロリンII様鎖有し;そして3つの鎖は左巻きのヘリックスアレーでコ イルしている。ケンプトリ酸(KTA) (cis,cis-1,3,5-トリメチルシクロヘキサン-1,3,5-トリカル ボン酸) ポリマーおよびバイオポリマーのモノ分散とは、同じ大きさの単一の分子、また は同じ長さで同じ分子量を有する配列からなる構造をいう。 ポリマーおよびバイオポリマーのポリ分散とは、重合したモノマーまたは適切な ビルディングブロックをいう。重合過程で、鎖の伸長は異なる鎖長を有するポリ マーを導く。このポリマー分子はポリ分散であるといわれ、大きさまたは長さお よび分子量の分布がある。ペプチドまたはペプチド残基 ペプチド結合でお互いが付着し合っているアミノ 酸のオリゴマーのメンバー。ペプトイド残基 ペプチド結合でお互いが付着し合っているアミノ酸のオリゴマ ーのメンバーとしてのN−置換グリシン同質異性であって、αアミノ酸の側鎖が その分子のα炭素の代わりにアミノ窒素に付着している。 具体的なペプトイドモノマーの例は: Sar:N-メチルグリシン Nval:N-イソプロピルグリシン Nleu:N-イソブチルグリシン Nile:N-sec-ブチルグリシン Nglu;Nlys;Nphe;Nasp:それぞれグルタミン、リシン、フェニルアラニン、およ びアスパラギン酸に関連したペプトイド残基。ペプトイド N−置換グリシンのオリゴマーまたはポリマーポリプロリンII様 左巻きの伸びたヘリックスコイルを含む一本鎖コラーゲンポ リペプチドの特徴的なヘリックスコンホメーション。ポリプロリンIIでは、ペプ チド結合はtransコンホメーションを有する。整合(register) 鎖間水素結合に好ましい隣り合うコラーゲンポリペプチド鎖の アミノ酸のアラインメント。Rpn コラーゲン様集合体の円二色性(CD)スペクトルのポジティブピークと ネガティブピークの強度の比であるトリプルヘリックスの指数。スペーサー テンプレート分子をその官能基を介して合成コラーゲン鎖に連結す る多官能性分子。例えば、Gly:グリシン(NH-CH2-COO-)およびAha:6-アミノヘキ サン酸(NH2-(CH2)5-COO-)。TASP テンプレートに集合した合成タンパク質(Template-Assembled Synthetic Protein)は、二次構造物を形成するペプチドブロックを、ペプチドをパッキング して整列させる目的にあった(tailor-made)テンプレート分子に固定するという 過程により形成されたあらかじめ決められた三次元構造を有する人工タンパク質 である。テンプレート 分子ツール、代表的には多官能性分子で、好ましい分子構造また は組織の、多くの方法で(規則正しいヘリックスアレーを含む)集合させる能力 を有する付着した鎖からの形成を行わせることができる。コラーゲンのトリマービルディングブロック 反復するトリマー配列で、トリマ ーの各モノマーがペプチド残基もしくはペプトイド残基のいずれかである。トリ マーまたはトリマー反復物ともいう。このトリマー配列は、トリペプチド、ペプ トイドに付着したジペプチド、またはペプチド-ペプトイド-ペプチド残基配列 であり得る。トリメシン酸(TMA) (1,3,5-ベンゼントリカルボン酸) I−B.本発明の全体的な説明 コラーゲン鎖の反復するアミノ酸トリマー中のペプトイド残基の置換が、改良 された特性を有するコラーゲン様物質を提供し得ることが発見された。この発明 は、ペプチド-ペプトイド残基トリマーの新規なコラーゲン様構造物を形成する ためのビルディングブロックとしての用途を含む。もちろん、それはまた、ビル ディングブロックとしてトリペプチドビルディングブロックを含むコラーゲン様 構造物中に特別に配置されたコ(ペプチド-ペプトイド残基)配列も含む。 このコラーゲン様物質のペプトイド残基含有量は最少であり得る。あるいは、 ペプトイド残基は典型的なコラーゲンアミノ酸組成の全てのプロリンおよびヒド ロキシプロリンを置き換えることができる。例えば、コラーゲン様物質は、少な くとも約30%のグリシン;およびプロリンまたはヒドロキシプロリンを置換し た少なくとも約10%のペプトイド残基を含み得る。残りのアミノ酸は、Bhatna gar,R.and R.Rapaka(上記で引用)に記載された天然のコラーゲン中に生じるも ののようであり得る。本発明の物質はまた、ペプトイド残基が全てのアミノ酸ト リプレットに生じているコラーゲン様物質を含み得る。ヘリックスを誘導するテ ンプレートは、コラーゲン様ポリトリペプチドおよびポリ(ペプチド-ペプトイ ド残基)を天然のコラーゲンに特徴的なトリプルヘリックスコンホメーションに 集合させることを助けることがさらに発見された。いかなる特定の場合において も、トリプルヘリックス形成は、実施例においてのように、実証され得る。 II.ペプチド-ペプトイド残基トリマーのポリマー A.反復するトリマービルディングブロック 以前の研究は、多くのタイプのプロリンアナログおよび他の非天然のイミノ酸 の一本鎖コラーゲン様アミノ酸配列への取り込みが、コラーゲントリプルヘリッ クス構造の形成を妨げることを示している。コラーゲン様構造をより綿密に擬態 する方法において、本発明の一つの実施態様によると、ペプチド残基をコラーゲ ン様反復アミノ酸トリマーにおいてプロリン代用物として用いた。 ペプトイド残基は、N−置換グリシンであり、アミノ酸の側鎖はα炭素からα 窒素へ移動している。これらのアミノ酸同質異性は、N−アミノ酸、すなわち例 えば、Nleu、Nval、およびNlysと名付けられている。本発明における用途のため の好ましいペプトイド残基は、N−置換基が、アミノ酸またはそれらのアナログ の疎水性非極性側鎖基であり、例えば、バリン(Nval)のイソプロピル基、ロイシ ン(Nleu)またはイソロイシン(Nile)のイソブチル基、ノルバリンのプロピル基、 ノルロイシンのブチル基である。他の有用なペプトイド残基は、N−グルタミン 酸(Nglu)、N−リシン(Nlys)である。本発明の例示において、ペプトイド残基、 N−イソブチルグリシン(Nleu)をプロリン代用物として用いた。 本発明は、天然のアミノ酸の側鎖を有するペプトイドに限定されるわけではな いが、ペプチド残基と類似の側鎖基を有するN−置換ペプトイド残基を含むコラ ーゲン様ポリマーは、天然のコラーゲン配列に匹敵し、他の非天然のイミノ酸残 基よりも天然のタンパク質とより適合性であるようである。生物物理学的および 生物化学的研究は、他のプロリンアナログおよび非天然のイミノ酸と異なり、そ のようなペプトイド残基は、コラーゲン様配列に組み込まれる場合、コラーゲン トリプルヘリックス構造と本当に適合性である。しかしながら、本発明によると 、ペプトイド残基の窒素に付着した置換基は、いかなる基、例えば、芳香族基ま たはアラールキル基、または少なくとも2つの炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖の アルキル基でもあり得る。置換基はまた、親水性もしくは疎水性であり得、そし て官能基を含んでもよい。 しかしながら、N−置換基すなわちアラニンのメチル基が、もっとも疎水性が 低くもっともかさの低いアミノ酸側鎖であるN−メチルグリシン(サルコシン) の取り込みは、トリプルヘリックスに満足のいくほど集合させられているペプト イド残基を含有する鎖を提供しない。 ペプトイド残基、例えばN−置換グリシン、の合成は、グリシンのアミノプロ トンのα位の側鎖、好ましくは天然のアミノ酸の側鎖による置換を伴う。この反 応は、いくつかの合成経路、例えば、Rogers,T.et al.(1986)Chem.Abstr.105:2 26986z;により開示されたグリオキシル酸による側鎖アミンの還元的アミ ノ化、あるいはBuckus,P.(1964)Cem.Abstr.61:5511bによって開示されたように 、側鎖のハロ酢酸によるアルキル化により溶液中で行うことができ、あるいはNg lnペプトイド残基(グルタミンに関する)のためには、グリシンのアクリルアミ ドへのMichael付加が用いられてきた。Zuckerman,R.N.et al.(1992)J.Amer.Chem .Soc.114:10646-10647またはSakakibara,S.et al.(1973)Biochim.Biophys.Acta 303:198-202によるハロ酢酸および一級アミンの固相縮合が好ましい。 本発明によるN−置換グリシン構造のペプトイド残基は、したがって、アルキ ル−またはイソアルキルアミンのエチルブロモアセテートでのアルキル化により 調製される。これらのペプトイド残基はまた、C−末端保護グリシンのアルキル アルデヒドでの還元的アミノ化によっても調製される。アルキル化および還元的 アミノ化法によるペプトイド残基の合成は、実施例4に例示する。どちらのルー トも収率は高い。 本発明の一つの局面によるコラーゲン様構造を形成できる一本鎖構造は、各々 が1ペプトイド残基を含むコラーゲン様トリペプチドのポリマーから構成される 。好ましいペプチド−ペプトイド残基トリマーは、式Gly-Xp-ProまたはGly-Pro- Yp(式中XpおよびYpはペプトイド残基である)を有する。これらのトリマービルデ ィングブロックは、末端保護アミノ酸とペプトイド残基を、溶液中でステップワ イズ法を用いてカップリングさせることにより調製される。 好ましいダイマーBoc-Gly-Pro-OH(Boc:t-ブチルオキシカルボニル)を得るた め、p-ニトロフェノール活性エステルBoc-Gly-ONpを最初に調製し、次いで、少 量の水を伴ったジメチルホルムアミド(DMF)中で触媒としてトリエチルアミン(TE A)を用いてプロリンと反応させる。N−アルキルグリシンエステル(Yp-OEt)をこ のジペプチド−遊離酸に、DMF中で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)- カルボジイミド(EDC)およびN−ヒドロベンゾトリアゾール(HOBt)をカップリン グ試薬として用いてカップリングさせ、トリ(ペプチド-ペプトイド残基)Boc-G ly-Pro-Yp-OEtを得る。末端エチル基を、加水分解により除去してビルディング ブロックトリペプトイド−遊離酸Boc-Gly-Pro-Yp-OHを得る。Gly-Xp-Proペプチ ド-ペプトイド種を同様の方法で調製する。 好ましいダイマーBoc-Gly-Xp-OEtを得るため、Boc-Gly-OHをXp-OEtに、DMF中 でベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム-ヘキサフ ルオロホスフェート(BOP)をカップリング試薬として用いてカップリングさせる 。加水分解後、得られたジペプチド遊離酸Boc-Gly-Xp-OHをEDCおよびHOBtを冷却 試薬として用いてPro-OBzにカップリングさせ、ペプトイド残基含有トリマーBoc -Gly-Xp-Pro-OBzを得る。次いで、ベンジル保護基をPd/Cを触媒として用いる水 素化により除去し、トリマービルディングブロックBoc-Gly-Xp-Pro-OHを得る。 すべての好ましいトリマー生成物(Gly-Pro-Yp-NH2、Ac-Gly-Pro-Yp-NH2、Ac-Gly -Pro-Yp-NHCH3、Gly-Xp-Pro-NH2、Ac-Gly-Xp-Pro-NHCH3)および(Gly-Pro-Yp)2-N H2を、溶液中のペプチド合成法により調製することができる。 ペプトイド残基を含有するトリマービルディングブロックの合成を実施例5お よび6で説明する。 II−B.トリマーペプトイド残基含有ビルディングブロックの一本鎖ポリマー 反復するトリマーペプトイド残基含有配列のビルディングブロックを含むコラ ーゲン様鎖を調製した。本発明のこの局面による実施態様の中では、Nlueペプト イド残基を取り込んだGly-Pro-NleuおよびGly-Nleu-Pro反復配列からなるコラー ゲンアナログを形成し得る一本鎖が好ましい。ペプトイド残基を含むトリマーの モノ分散配列を、10未満のトリプレット反復物を有するモノ分散配列でGly-Pr o-NleuまたはGly-Nleu-Pro配列からなるトリプルヘリックスの性質を試みた全て の条件下でコラーゲン様トリプルヘリックスアレーを形成することができないこ とが既に示されている(Gly-Pro-Leu)10の配列のそれ(Scatturin,A.et al.(1975) Int.J.Peptide and Protein Research 7:425-435)と比較するために調製した。 この比較は、トリプルヘリックス形成においてはペプトイド残基のほうがアミノ 酸残基よりも好都合であることを示す。 4-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂を用いるSakakibara et al.によっ て紹介された方法を基にした固相セグメント縮合法を用いて実施例の一本鎖コラ ーゲン様配列を調製した。 例えば、ペプトイド残基Nglu、Nlys,Nphe、Nval、NaspおよびSarを含有する 対応する配列を調製し、これらのペプトイド残基もまたトリマー配列Gly-Pro-Xa aまたはGly-Xaa-Proに挿入することができる。 トリマービルディングブロックBoc-Gly-Pro-Yp-OHおよびBoc-Gly-Xp-Pro-OHは 、溶液中で、標準的なペプチドステップワイズカップリングにより合成すること ができる。溶液セグメント縮合法を用いて(Gly-Pro-Yp)2-NH2を調製した。Boc-G ly-Pro-Yp-OHをDMF中でBOPをカップリング試薬として用いてGly-Pro-Yp-NH2にカ ップリングさせ、Boc-(Gly-Pro-Yp)2-NH2を得た。次いで、Boc基を除去してN− 末端遊離アミントリマー(Gly-Pro-Yp)2-NH2を得た。溶液中で調製したこれらの 小さいトリマー配列の全てもまたRP-HPLCにより精製した。 固相合成に用いたカップリング試薬には、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC )およびHOBtを含み;カップリング反応に用いた溶媒はDCM中25%DMFで あった。DCM(30%)中のTFAの溶液を用いて各カップリング後にBoc基 を除去し、DCM中10%TEAの溶液を中和のために用いた。カイザーニンヒ ドリンテストを用いて各カップリング反応をモニターした。好ましいビルディン グブロックトリマーBoc-Gly-Pro-Yp-OHの1.2から1.5当量を、約2当量の カップリング試薬DICおよびHOBtとともに各カップリング毎に用い、ペプ チド結合形成は通常4−8時間かかった。 反復するトリマービルディングブロックAla-Sar-Gly,Gly-Sar-Ala、Ala-Nphe -Gly-、Glu-Sar-Gly、Lys-Sar-GlyおよびGly-Pro-Sarを伴う他の配列の合成およ び特徴づけはGoodman,M.et al.(1994)Polymer Preprint 35(1):767-768にも報告 されている。 III.コラーゲン様トリプルヘリックス 天然のコラーゲンおよびN−末端遊離アミンおよびC−末端遊離酸中のコラー ゲン様ポリペプチド配列は、鎖が非常に長い場合、自然にトリプルヘリックスコ ンホメーションをとることができる。しかし、鎖長が限られたアナログでは、N −末端での陽イオン形成およびC−末端での陰イオン形成は、鎖間で反発力を誘 導し、ヘリックス形成を妨害する負の「最終効果(end effect)」を誘導し得る。 例えば、(Gly-Pro-Hyp)10-OHは室温で自然にトリプルヘリックスコンホメーショ ン をとる(Venugopal,M.et al.(1994)Biochemistry 33:7948-7956);しかし、(Gly -Pro-Hyp)5は、5℃より高いとヘリックスを維持しない。より短い鎖のヘリック ス形成は、N−末端のアセチル化と記載した最終効果を除去するC−末端のアミ ド化により達成することができる。 適切なN−末端アセチル化物質は、末端アミンの結合に利用できるカルボキシ ル基を有するいかなるものであってもよい分子である。好ましい物質は、直鎖、 分岐鎖、飽和もしくは不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸およびアラールキルカル ボン酸である。適切なC−アミド化物質は、鎖の末端カルボキシルの結合に利用 できるアミン基を有するいかなるものであってもよい分子である。好ましい物質 は、アンモニア、直鎖、分岐鎖、飽和もしくは不飽和脂肪族アミン、芳香族アミ ンおよびアラルキルアミンである。制限するのではない適切なC−末端基の例は 、アミド、ビピリシンおよびマレイミドである。 C−末端アミド化合物を合成するため、NH4ClおよびHCl-NH2CH3を、トリエチ ルアミンと共に用いてアミンNH3およびNH2CH3を生成し、これらを次に、Boc-Gly -Pro-Yp-OHまたはBoc-Gly-Xp-Pro-OHと同時に反応させて、N−末端Boc保護トリ マーペプトイド残基含有アミド化合物を得た。Boc基を次いで、DCM中30% TFAの溶液を用いて除去した。HCl/ジオキサン(4N)を用いて塩化水素塩と して生成物を得た。固相のC−末端アミド化合物を得るため、4-メチルベンジル アミン樹脂(MBHA、200−400メッシュ、1%DVB,0.45mmol/g )(これはHF開裂後C−末端ペプチドでアミドを生じる)を用いた。 アセチル化合物を調製するため、酢酸無水物を用いてトリマーペプトイド残基 含有アミド化合物のN末端を、塩基としてトリエチルアミンを伴うDCM中でア セチル化した。これらの生成物の調製を実施例8で説明する。 固相のアセチル化合物を調製するため、予想される鎖長に達した後、Boc基を 除去して5%TEAをともなうDCM中の酢酸無水物を用いて、ペプチド鎖のN −末端をアセチル化した。アセチル化には30−60分かかった。以下の化合物 をこの固相セグメント縮合法により調製した:(Gly-Pro-Nleu)n-NH2(n=1,2,3,4 ,5,6,7,9)、Ac-(Gly-Pro-Nleu)n-NH2(n=1,6,9)、(Gly-Nleu-Pro)9-NH2(n=1,9) 、Ac-(Gly-Nleu-Pro)n-NH2(n=3,6,10)およびAc-(Gly-Pro-Sar)10-Gly-OH。 本発明の一本鎖コラーゲンアナログの合成は、スキーム4─5に概説し、実施例 7および8に例示する。 一本鎖のN−末端アセチル化の効率は、(Gly-Pro-Hyp)5(5℃、50%エタノ ール/水中)とAc-(Gly-Pro-Hyp)5-NH2(23℃、50%エタノール/水中)の 融点を比較することにより示すことができる。したがって、本発明のこの局面の 実施態様は、一般式Ac−nのN−末端アセチル化一本鎖ポリペプチドを含み、 ここでnは反復するコラーゲン様トリマーの数を示す。この群の好ましいメンバ ーは、式Ac-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2、Ac-(Gly-Xp-Hyp)nまたはAc-(Gly-Hyp-Yp)nの コラーゲン鎖である。 IV.ヘリックス誘導テンプレート 天然のコラーゲンのトリプルヘリックス構造には絡み合ってスーパーヘリック スを形成する3本の平行なポリプロリンII様鎖が含まれるので、これら3本の鎖 を共有結合でもしくは非共有結合でペプチド鎖の同じ末端(C−末端またはN− 末端)につなぐ3つの官能基を有するテンプレートが、コラーゲントリプルヘリ ックス形成の核をなし伸長させる適切な経路であると考えられる。 したがって、本発明の第2のタイプのコラーゲン様ペプトイド残基含有構造物 は、トリプルヘリックスコンホメーションをこれらのポリ(ペプチド−ペプトイ ド残基)鎖に誘導する末端テンプレートを有するアナログに基づく。テンプレー ト法では、官能基を有するテンプレートを、特定のタンパク質(またはポリペプ チド)コンホメーションの形成を助けるために用いる。テンプレートは、テンプ レートに集合した合成タンパク質(TASP;Tuchscherer,G.and Mutter,M.(1995)Jo urn.Peptide Sci.1:3-10)と呼ばれるポリペプチドのαヘリックスおよびβター ン構造を擬態する工程の一部として用いられてきたが、コラーゲン様トリプルヘ リックスコンホメーションを擬態するためにこれまで用いられたことはない。2 つのタイプのテンプレートを、本発明による好ましい方法で用いることができる 。1つはケンプトリ酸(KTA)の誘導体、全てアクシャル(axial)の位置にある3つ のカルボキシル官能基を有するシクロヘキサンの誘導体に基づく(Kemp,D.and K .Petrakis(1981) J.Org.Chem.46:5140-5143)。2番目は、ベンゼン環の平面方 向を向いている3つのカルボキシル官能基を有するトリメシン酸(TMA)誘導体に 基づく。 2つのテンプレートは以下の構造を有する: 高度に圧迫された(constrained)三官能性分子テンプレート(例えば、ケンプ トリ酸およびトリメシン酸)は、これまでコラーゲン様トリプルヘリックスコン ホメーションをモノ分散コラーゲン様鎖に誘導するために用いられたことはない 。これらのテンプレートはコラーゲントリプルヘリックス形成を劇的に容易にし 、そのトリプルヘリックスコンホメーションを、コラーゲン様ポリトリペプチド およびポリ(ペプチド-ペプトイド残基)のどちらについても安定化する。 本発明の高度に圧迫されたテンプレートは、リシンジペプチドおよびRoth(198 9)およびFields(1993)(上で引用)の他の架橋構造を基にした高度に可撓性のテ ンプレートよりも優れていると考えられている。本発明の高度に圧迫されたテン プレートは、鎖を平行に維持するが、分子フレームを撓ませ曲げることにより、 これらの鎖の残基がパス(path)に沿った動きにより最適な整合を探すことを可能 にする。RothおよびFieldsのテンプレートは、対照的に、各鎖のアラインメント を単一残基の増加シフトを有するもう一方に合わせることにより鎖の整合を促進 する。 本発明のコラーゲン様ポリペプチドまたはペプトイド残基含有鎖にコラーゲン トリプルヘリックス形成を誘導するのに適切な、制限するのではない他の三官能 性テンプレートの例は(多少より可撓性であるが)、αシクロデキストリン、お よびアミノトリチオール化合物である。融合したシクロヘキサン、縮合した芳香 族、アダマンタンまたはステロイドの構造を有する官能化された分子は、本発明 のヘリックス誘導テンプレートとして適している。当業者は、他の適切なテンプ レート構造を同定することができる。 KTAテンプレートは、コラーゲントリプルヘリックス構造とより適合性である ので好ましい。なぜなら、トリ酸の3つの官能基は、コラーゲントリプルヘリッ クス構造内の3つのペプチド鎖にカップリングすることができるからである。ケ ンプトリ酸KTA(cis,cis-1,3,5-トリメチルシクロヘキサン-1,3,5-トリカルボン 酸)は、構造的に圧迫された有機構造物で、したがって、(Gly-Pro-Hyp)トリプレ ット反復物を含有する3つのポリペプチドのトリプルヘリックスの折り畳みの核 となるテンプレートとして用いた。 以前のNMR研究は、KTAが、その中で3つのカルボキシル官能基がアクシャ ルの位置にあるイス型コンホメーションを好むことを示した。このコンホメーシ ョンにおいて、3つのアクシャルなカルボニル炭素原子間の間隙は2.5−3. 5Å(Kemp,D.and K.Patrakis,1981)であり、一方トリプルヘリックス配列内の Gly-NHに結合したシンメトリーな関係のカルボニル炭素原子間の距離は、常に4 Åより大きい。直径および間隔のこの差を埋めるため、スペーサー、例えば、グ リシン残基を各ペプチド鎖と、テンプレート分子(この場合の例はKTA)上の各 カルボキシル基との間に挿入することができる。3つのポリペプチドまたはペプ トイド残基含有鎖は、したがって、好ましくはスペーサー分子を介してテンプレ ートに結合する;スペーサーとして働くグリシン残基が好ましい。テンプレート とヘリックス鎖との間のスペーサー接合部は、それが鎖間の立体障害を和らげる という目的に都合がよい。また、トリプルヘリックスのスーパーコイル構造にお いては、3つの鎖が1残基シフトしている。例えば、Gly-Pro-Hyp配列において 、どのような所定のレベルでも、トリプルヘリックスのパッキングは1つの鎖か らのGly、二番目の鎖からのProおよび3番目の鎖からのHypを含んでいる。スペ ーサーは異なるコンホメーションになるように捻れたり伸びたりできるので、3 本のペプチド鎖はコラーゲン様トリプルヘリックスアレイに必要な適切なシフト をとることができる。したがって、ケンプトリ酸またはトリメシン酸の各カルボ キシル基は、グリシンのような可撓性スペーサーを介してトリプルヘリックスの 鎖にカップリングし、その集合には、適当なシフトとヘリックス整合が可能であ る。 ヘリックス誘導テンプレートを調製するため、C−末端ベンジルエステル保護 スペーサー残基(Gly-OBz,Aha-OBz)を最初にKTAおよびTMAにDMF中でEDCお よびHOBtをカップリング剤として用いてカップリングさせた。C−末端ベン ジル基をメタノール中でPd/Cを触媒として用いて水素化により除去し、3つ のカルボキシル基を有する好ましいテンプレートを生成した:KTA-(Gly-OH)3、K TA-(Aha-OH)3、およびTMA-(Gly-OH)3。これらのテンプレートの純度を分析的H PLCプロファイルによりチェックし、必要ならばそれらをさらに調製的RP− HPLCを行うことにより精製した。 2つの方法を用いてカルボキシル官能基を有するテンプレートをペプチド鎖の N−末端に付着させた。好ましい方法の1つにおいて、ペプチド-ペプトイド残 基鎖を最初に樹脂上に集合させた。特定の鎖長を達成した後、このテンプレート をDICおよびHOBtをカップリング剤として用いてN−末端にカップリング させた。この生成物をHF開裂法により樹脂から除き、HPLCで精製した。こ の方法を、Gly-Pro-Hyp配列からなるテンプレートに集合したコラーゲン様ポリ ペプチド化合物の調製に用いて成功した。Gly-Pro-YpおよびGly-Xp-Pro配列から なる好ましいテンプレートに集合したコラーゲン様ポリペプチド-ペプトイド残 基トリマーのいくつかもまたこの方法により調製した。 本発明の別の好ましい方法によると、テンプレートおよびペプチド鎖は溶液中 でペプチド結合形成を介して連結された。ペプチド-ペプトイド残基鎖は、固相 合成法により集合させ、N−末端遊離アミンとして樹脂から開裂させた。これら のペプトイド残基鎖はHPLCにより精製した。テンプレートと遊離アミンペプ チド-ペプトイド残基鎖を溶液中でEDCおよびHOBtを用いてカップリング させた。この方法は、いくつかの標的テンプレート集合反復トリマービルディン グブロック(場合によりペプトイド残基を含有する)の調製に用いた。革新的なコラーゲンテンプレート設計 本発明によるコラーゲンテンプレートの革新的な設計は、分子メカニックシミ ュレーションによって示されたように、KTAテンプレートがトリプルヘリックス 軸と比べて歪んでいるという観察に基づく。この観察は、コラーゲントリプルヘ リックステンプレートの一般的な設計原理に関連する2つの重要な結果を有す る。 第1に、上記のゆがみはテンプレートがその外形を著しく歪めることなくコラ ーゲントリプルヘリックス整合シフトに適合するのを可能にし、そのことは構造 変化に敏感なKTAメチレンケミカルシフトにより示されるとおりである(Kemp,D.e t al.1981 J.Org.Chem.46:5140-5143)。したがって、テンプレートはトリプルヘ リックスアレイを著しく歪めるという危険性なしに高度に圧迫される。このこと は、コラーゲントリプルヘリックス形成における適当なスペーサーを有する高度 に圧迫されたテンプレートによって得られる自由エネルギーの獲得が、これまで に公開された高度に可撓性のテンプレート(Roth,W.et al.198Biopol.,19:1909-1 917 ; Fields,C.G.et al.1993 Biopol.,33:1695-1707 ;Tanaka,T.et a.1993 ,FEBS,334(3):272-276)によって可能なそれよりも大きいことを意味する。増大 した自由エネルギーの獲得は、テンプレートの高度に圧迫されているという性質 により可能となるエントロピー消失のよりよい最適化の結果であり、それは同時 にいかなる重大なエンタルピー変化も導かない。 第2に、トリプルヘリックスの軸と比較した場合のテンプレートの歪みは、高 度に圧迫されたテンプレートが正しいトリプルヘリックスキラリティの三重らせ ん(ternary screw)シンメトリーを有するという必要性を排除する。コラーゲン トリプルヘリックスはその代わりに、設計研究により、およびトリプルヘリック スが存在する条件で獲得されるNMRスペクトル中のKTAシグナルの分割により 示されるように、正しいシンメトリーを誘導し、キラリティーをテンプレートに 移す。高度に圧迫されたテンプレートは、したがって、アキラルであり得、三回 転したシンメトリー(ternary rotational symmetry)を有する。この設計原理は 、化学合成により、らせんシンメトリーを有するキラルテンプレートよりも容易 に接近可能な標的分子を導く。 化合物TMA-[(Gly-Pro-Nleu)9-NH2]3は、テンプレート(TMA)とペプチド鎖との 間にいかなるスペーサー残基をも有していない分子を示す。この化合物は、トリ プルヘリックス形成に関する、特にペプチド鎖が好ましくないテンプレートの構 造的効果を補償するのに十分長い場合の、スペーサーの必要性およびテンプレー トの好ましいコンホメーションを示すために調製した。この化合物を合成するた め、 TMAを酸塩化物に活性化し、ペプチド-ペプトイド残基(Gly-Pro-Nleu)9-NH2のN −末端に溶液中でカップリングした。テンプレートに結合したコラーゲン様ポリ ペプチドの調製の例を実施例9−11に示す。 上記の2つの合成系路において、用いるテンプレートの量が決定的であるとい うことに注意することが重要である。テンプレートに付着した一本鎖および/ま たは二本鎖しか持たない化合物のような副産物の形成を排除するため、用いるテ ンプレートの同等物が制御されなければならない。好ましい合成においては、テ ンプレートは一部ずつ(portionwise)添加した。添加と添加の間に、カイザー試 験を用いて反応をモニターした。この方法で、テンプレートのポリペプチド-ペ プトイド残基鎖へのカップリングは、通常2、3日かかり、用いたテンプレート の官能基当量は一般に0.9未満であった。 テンプレートに集合したポリペプチド鎖の合成概要は合成スキーム6−8で提 供する。 V.コンホメーション分析 本発明のペプトイド残基を含有するコラーゲンアナログに関する、分光旋光計 (CD)、紫外線分光(UV)、旋光測定(OR)および核磁気共鳴(NMR) を用いる生物物理学的研究は、クリティカルな鎖長に達した場合に、本発明のペ プトイド残基含有配列がトリプルヘリックスアレイを形成できることを示す。 コラーゲン様およびポリプロリンII様構造は、溶液中でユニークなCDスペク トルを示す(Sakakibara,S.et al.(1968))。これらのスペクトルは、200nm近 辺の大きなネガティブピークと217−227nm近辺の小さなポジティブピーク によって特徴付けられる。これらの特徴を基礎として用いて天然のおよび合成の ペプチドについて、溶液中のポリプロリンII様のまたはコラーゲン様のヘリック ス構造の存在を確立した(Inoue,K.et al.(1982))。しかしながら、これらのCD スペクトルの形とピークの位置は、ポリプロリンII様ペプチド鎖がトリプルヘリ ックス構造と関連しているかどうかは示さない。したがって、これらのパラメー ターは必要ではあるが、それらを、コラーゲン様トリプルヘリックスコンホメー ションの存在を確立するために終局的に使うことはできない。ヘリックス性のRpn指数 ペプチド/ペプトイド残基含有分子におけるトリプルヘリックス性の発生およ び程度の評価の基準は、これらの分子のCDスペクトルのピークの強度と最小お よび最大の波長によって規定される。ポジティブおよびネガティブピークの強度 はどちらも鎖長が増えるにつれ増加し、温度が上がるにつれ減少する。ピーク強 度とそれらの位置は多くの要因に依存するので、ポリプロリンII型構造のような 他の構造アレイからトリプルヘリックス性を区別するためにそれらを明確に使う ことはできない。しかし、本発明者らは、ピーク強度に関連する重要なパラメー ターが溶液中のトリプルヘリックスアレイの存在を確立するのに有用であり得る ことを見いだした。このパラメーターはネガティブピークに対するポジティブピ ークの強度の比である。このパラメーターをRpnと称する。絶対的なピーク強 度とは異なり、この強度比はコンホメーションに対してより敏感である。Rpn は、いくつかの要因、例えば、溶媒、配列組成、鎖長および温度に依存する。し かし、本発明者らは、関連する一連の分子内では、鎖長に対してプロットされた Rpn値が、トリプルヘリックス形成に必要な決定的な鎖長で変曲を示すことを 見いだした。溶解曲線 熱溶解測定は、コラーゲン様ヘリックスの物理的性質の変化、例えば、温度に よる特定の回転またはUV吸収の変化を説明する。これは、トリプルヘリックス 形成および安定性のもう一つの指標を提供する。ヘリックス形成は、温度による 性質変化速度の変遷により、すなわち溶解曲線の変曲により示される。変遷温度 はその温度より高いとヘリックスが変性する温度を示す。Gly-Pro-Nleu鎖のテン プレート結合鎖の溶解曲線を図4に示す。 ペプトイド残基含有配列Ac-(Gly-Pro-Nleu)9-NH2とポリペプチド配列Ac-(Gly- Pro-Pro)10との間の生物物理学的性質の比較は、Gly-Pro-Nleu配列がトリプルヘ リックス温度安定性においてGly-Pro-Pro配列に匹敵するが、ペプトイド残基含 有配列はペプチド化合物より1トリマー反復分少ないことを示す。この結果は、 他のプロリンアナログおよび非天然のイミノ酸残基とは対照的に、ペプトイド残 基Nleuがコラーゲントリプルヘリックス構造と適合性であることを明確に示す。 この知見は、本発明のコラーゲン様分子の新しいファミリーの最初の実証である 。 さらに、テンプレートは、より短い鎖をトリプルヘリックス構造に形成させそ のトリプルヘリックス構造を安定化させることによりトリプルヘリックス形成を 著しく容易にすることができる。KTA-[Gly-(Gly-Pro-Hyp)3-NH2]3系はトリプル ヘリックスを形成し、これまで報告された最も短い鎖のコラーゲン様トリプルヘ リックスを示す。結果は、[KTA-[Gly-(Gly-Pro-Hyp)5-NH]3およびKTA-[Gly-(Gly -Pro-Hyp)6-NH2]3のどちらも、わずか70℃より高い温度で水中で変性し得るト リプルヘリックス構造を形成することを示す。アセチル連続(sequential)ポリペ プチド、Ac-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2(n=6,9)は、室温より高い温度で水中で安定な トリプルヘリックス構造を形成することができるが、n=5の場合には、トリプ ルヘリックス構造は<18℃でのみ生じる。テンプレート−スペーサー効果は、 Gly-Pro-Hypトリマーからなる短い鎖に関してさらにより劇的である。[KTA-[Gly -(Gly-Pro-HyP)3-NH3]3は室温で水中でトリプルヘリックスであるが、Ac-(Gly-P ro-Hyp)3-NH2は、たとえより好ましい溶媒系(エチレングリコール:水)(v/v ,2:1)の中であっても、より低い温度であってもトリプルヘリックス構造は とらない。 この発明は、同様に、新規なコラーゲン様構造を形成するため他のペプチド- ペプトイド残基ビルディングブロックの使用を含む。もちろん、コ(ペプチド- ペプトイド残基)配列は、コラーゲン様構造中の特定のビルディングブロックの 特定の配置により含まれ得る。本発明の配列は、ホモトリマー鎖またはヘテロト リマー鎖のいずれかを含む天然のコラーゲンに類似し得る。ヘテロトリマー鎖は 例えば以下の構造: (Gly-Hyp-Pro)j(Gly-Pro-Yp)k(Gly-Pro-Pro)l(Gly-Pro-Hyp)m (式中、j,k,lおよびmはそのトリマーの反復数を示し、jからmまでの合 計はn、すなわち反復するトリマーユニットの数である)を有するトリペプチド およびジペプチド-ペプトイド残基トリマーの混合物を含み得る。好ましくは鎖 中に少なくとも3つのトリマーがある(n3)。このトリマーはいかなる順番 でも生じ得る。 本発明のトリプルヘリックスは同じ配列のトリマーまたは異なる配列の鎖を同 様に含み得る。いかなる特定の場合においても、トリプルヘリックス形成は実施 例においてのように実証することができる。 VI.実験の項材料 :用いた全てのキラルアミノ酸は、L−型であった。保護アミノ酸、EDC 、DCC、およびベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニ ウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)はBachemから購入した。ACSグレ ードおよびHPLCグレードの溶媒(DCM、DMF、H20、アセトニトリル 、クロロホルム、メタノール、酢酸エチル、ヘキサン、THF)はFisher Scien tificから購入し、さらに精製せずに使用した。TEA、Pd/Cおよびp−ニ トロフェノールはAldrichから購入した。HOBt、TFA(HPLCグレード )およびHCl/ジオキサン(4N)は、Chem-Impex Internationalから購入し た。一般情報 :溶液中の全ての反応は、あらかじめコーティングされたシリカゲル60 F-54プレート(Merck)上で溶媒系クロロホルム/メタノール/酢酸(CMA)ま たは酢酸エチル/ヘキサン(E/H)を用いて行う薄層クロマトグラフィー(T LC)によりモニターした。化合物はUV、ニンヒドリン、またはブロモクレゾ ール溶液により可視化した。シリカゲル60(Merck,0.040-0.063mm,230-400メッシ ュ ASTM)を用いてカラムクロマトグラフィーを行った。2つのタイプのHPLC 機器を用いて生成物を分析および精製した。1つはWaters(510ポンプ、484検出 器)系である。もう一つはWaters 715 Ultra WISPサンプルプロセッサー、Waters TM 996フォトダイオードアレイ検出器、2つのWaters 510ポンプおよびNECPowe rMate 486/331コンピューターからなるMILLENNIUM 2010系である。HPLCに用 いた溶媒は、溶媒A:0.1%TFAを含むか含まないH20、溶媒B:0.1 %TFAを含むか含まないアセトニトリルであった。流速は調製カラムについて は10ml/分、セミ調製カラムについては4ml/分、そして分析カラムについては 1.0−1.2ml/分であった。NMR :NMRスペクトルを用いて中間体および小さなペプチドの構造を確認し た。いくつかの化合物については、2−DNMR(COSYおよびHOHAHA)スペクトル を測定してピーク量を測定した。これらのスペクトルは、Bruker AMX 500MHz SpectrometerまたはTechmagパルスプログラマーおよびデジタル化装置と共に一 つに集合させられた360MHzスペクトロメーターのいずれか、およびOxford Instr uments Superconducting magnetで得た。円二色性(CD) :測定は、改変したCary-61 Spectropolarimeterで行った。C Dスペクトルは0.02cmのセルを用いてシグナル平均10スキャンにより得た 。波長範囲は185−300nmにセットし、走査速度は1.0nm/秒であった。 試料を0.2mg/mlの濃度で測定した。トリプルヘリックス形成の適切な平衡化 を可能にするため、溶液を冷蔵庫に(〜4℃)、各実験の少なくとも24時間前 に、およびデータを得る前に特定の温度でさらに2時間保持した。UV :紫外線(UV)溶解曲線は、Cary-1E UV Spectrometerで行った。試料濃 度は、0.04mg/mlであり、CD測定用の0.2mg/ml溶液から調製した。この 溶液を実験の少なくとも24時間前に冷蔵庫に(4℃)保持した。溶解実験を行 うため、試料を開始温度で1時間平衡化した。加熱速度は0.2度/分であった 。測定波長は223nmに設定した。MS :マススペクトルはUC RiversideおよびScripps Research Instituteで得た 。高速原子衝撃(FAB)法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法およびマトリック ス補助式レーザー脱着イオン化(MALDI)法を用いて生成物の構造を確認した。 合成スキーム1・8 スキーム1 方法1: 方法2: スキーム2 スキーム3 スキーム4 スキーム5.溶液中のAc-Gly-Pro-Nlcu-NH2の合成 スキーム6 スキーム7 スキーム8 実施例1 トリマービルディングブロックBoc-Gly-Pro-Hyp(OBz)-OHの合成 Boc-Gly-Pro-OBz Boc-Gly-OH(35g、0.2mol)、Tos-Pro-OBz(75.5g、0.2mol) およびHOBt(30g、0.22mol)をDMF600mlに溶解した。溶液を 氷水浴で冷却し、TEA(35ml、0.25mol)を徐々に添加した。5分後、 EDC(40g、0.21mol)を添加した。溶液を0℃で1時間撹拌後、氷水 浴を除去し、溶液を室温で一晩撹拌した。DMFを減圧下で除去した。残存混合 物を酢酸エチル800ml中にデカントした。酢酸エチル溶液を、2×200mlの H2O、3×100mlの飽和 NaHCO3、2×100mlの飽和NaCl(ブライン)、3× 100mlの2N NaHSO4およびブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄 した。Na2SO4を用いて乾燥し、溶媒を除去して、粗生成物を得た。カラムクロマ トグラフィー(溶離溶媒:酢酸エチル/ヘキサン,2:1)を行って、精製化合 物(白色固体、69g、95.5%)を得た。TLC Rf=0.42(酢酸エチ ル/ヘキサン3:1)。 Boc-Gly-Pro-OH Boc-Gly-Pro-OBz(19.4g、0.054mol)をH2O 100mlおよびTHF 100mlの混合物に溶解した。溶液を0℃に冷却後、H2O 50ml中のKOH(4 .8g、0.085mol)を徐々に添加した。溶液を1時間撹拌した。次に、T HFを減圧下で除去し、水性溶液を酢酸エチルで抽出して、ベンジルアルコール を除去した。得られた水性相を酢酸エチル200mlで覆い、濃塩酸を徐々に添加 して(同時に溶液を激しく撹拌する)、0℃で酸性化して、約pH2とした。生成 物を酢酸エチル3×200mlで水性相から抽出した。有機相をあわせ、ブライン 2×30mlで洗浄して、Na2SO4により乾燥した。酢酸エチルを除去して、生成物 Boc-Gly-Pro-OH(白色固体、12.3g、85%)を得た。TLC Rf=0.2 5(CMA,85:15:3) FAB−MS実測値MH+=273.1H-NMR(360MHz, DMSO-d6,20℃)δ12.55(s,1H,カルボキシル),6.79(s,NH-major),4.50(dd, 0.25H,Pro α-minor),4.20(dd,0.71H,Pro-α-major), 3.81-3.62(m,1.7H,Gly-α-major),3.47-3.33(m,2H,Pro-δおよびGly-α-mi nor),2.25-2.00(m,1.2H,Pro-β),1.96-1.60(m,2.7H,Pro-βおよびPro-γ) ,1.36(s,9H,Boc). Boc-Gly-Pro-ONpの合成 Boc-Gly-Pro-OH(2.8g、0.01mol)およびp−ニトロフェノール(1.7 g、0.012mol)をDCM(100ml)に溶解し、DCC(2.1g、0.0 1mol)を溶液を撹拌しながら一部ずつ溶液に添加した。沈殿(ジシクロヘキシル ウレア、DCU)がすぐに生じた。溶液を室温で3.5時間撹拌後、TLC分析 (展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン3:1)は、出発物質Boc-Gly-Pro-OHがすべ て消費されたことを示した。生成物Boc-Gly-Pro-ONpのRfは、この溶媒系では0 .45であった。濾過によりDCUを除去し、減圧下でDCMを除去した。酢酸 エチルを残存油状物に添加し、得られた溶液を0℃に冷却した。さらなる沈殿が 生じ、これを濾過して除去した。上記の操作を反復し、褐色がかった油状物を得 た。再度精製し、特徴付けすることなくこの生成物を直接Boc-Gly-Pro-Hyp(OBz) -OHの合成に用いた。 Boc-Hyp(OBz)-OH Boc-Hyp-OH(9.3g、0.04mol)を液体アンモニア約200mlに一部ず つ添加し、反応フラスコをドライアイス−イソプロパノール浴に入れた。溶液を 5分間撹拌した。ナトリウム(1.8g、0.08mol)を添加すると、溶液は 暗青色になった。5分後、塩化ベンジル(8ml、0.069mol)を徐々に添加 すると、青色が消えた。反応溶液を−79℃で2時間撹拌し、浴をアンモニアが ほとんど出てしまうまで(さらに3時間)撹拌し続けながら、とり去った。得ら れた反応混合物に、H2O 150mlを注意深く添加した。水性溶液を酢酸エチル2 ×100mlで抽出し、未反応塩化ベンジルを除去した。次に、水性溶液を酢酸エ チル200mlで覆い、濃塩酸を徐々に添加して(同時に溶液を激しく撹拌する) 、0℃で酸性化して、pH3とした。生成物を酢酸エチル2×200mlで水性相か ら抽出した。TLC分析(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/酢酸 (CMA)85:15:3)により有機相中に2つの化合物が見出された。NM Rにより、それらは予期された生成物Boc-Hyp(OBz)-OH(Rf.0.36)である ことが立証された。酢酸エチル溶液をNa2SO4により乾燥し、溶媒を減圧下で除去 した。カラムクロマトグラフィー(溶離溶媒:酢酸エチル/ヘキサン,3:1) を用いて混合物を分離した。Boc-Hyp-OH3.7gを回収し、7.5gの生成物Bo c-Hyp(OBz)-OH(白色固体、58.4%)を得た。FAB−MS実測値(M+H)+=32 2.1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,20℃)δ12.48(s,1H,CO2H),7.31(m,5H,フェニ ル), 4.48(q,2H,ベンジル),4.11(m,2H,Hyp-αに関しては1HおよびHyp-γ に関しては 1H),3.43(m,1H, Hyp-δ-l),3.25(m,1H,Hyp-δ-h),2.34(m,1 H,Hyp-β-l),1.98(m,1H,Hyp-β-h),1.36(d,9H,Boc). Boc-Gly-Pro-Hyp(OBz)-OH Boc-Hyp(OBz)-OH(3.2g、0.01mol)およびTFA/DCM(30%) 50mlを混合し、溶液を室温で30分間撹拌した。TLC分析は、Boc-Hyp(OBz) -OHが存在しないことを示した(CMA,85:15:3中でRf=0.52)。 溶媒を除去し、トルエンを添加し(3×50ml)、蒸留して微量TFAを除去し た。上記で得られたHyp(OBz)-OHのTFA塩をDMFに溶解した。溶液を撹拌し 、水氷浴上で0℃に冷却した。pHが約9になるまで、トリエチルアミンを徐々に 溶液に添加した。次に、Boc-Gly-Pro-ONp(0.01ml)を添加し、得られた溶 液を1時間撹拌した。浴を除去し、撹拌を一晩継続した。溶媒を減圧下で蒸留し 、残留混合物を飽和NaHCO3 50ml中に注ぎ入れた。水性溶液を酢酸エチル2× 50mlで抽出して有機不純物を除去した。残留水性溶液を酢酸エチル100mlで 覆い、濃塩酸を徐々に添加して(同時に溶液を激しく撹拌しながら)、0℃で酸 性化して、約pH2とした。生成物を酢酸エチル2×150mlで水性溶液から抽出 した。有機相をあわせ、ブライン2×15mlで洗浄して、Na2SO4により乾燥した 。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー処理( 溶離溶媒:酢酸エチル/ヘキサン,3:1)を行って、精製物質(白色固体、2 .6g、55%)を得た。TLC Rf=0.42(CMA,85:15:3)。 RP−HPLCクロマトグラム分析は、単一均質ピークを示 し、保持時間はRT=13.8分であった(溶離媒質中0.1%TFA,30〜 60%B、25分)。FAB−MS実測値(M+H)+=476.1H-NMR(500MHz,DMSO-d6 ,27℃,HOHAHAにより測定)(lおよびhは低および高磁場を表す)δ12.36(s, 1H,CO2H),7.34(m,5H,フェニル),6.74(d,1H,NH),4.92(dd,0.3H,Pro-α ,minor),4.63(dd,0.7H,Pro-α,major),4.52(q,2H,ベンジル),4.32-4. 20(m,2H,Hyp-αおよびHyp-γ),4.21(d,0.35H,Hyp-δ-minor-1),3.92(d,0 .65H, Hyp-δ-major-1),3.80(m,1H,Gly-α-l),3.70-3.60(m,1.65H,Gly- α-hに関しては1H,Hyp-δ-major-hに関しては0.65H),3.54(d,0.35H,Hyp-δ- minor-h),3.47-3.36(m,2H,Pro-δ),2.40-2.20(m,1.5H,Hyp-β-lおよびPro -β-l-minor),2.10-1.84(m,3.2H,Pro-β-l-major,Pro-β-h-minor,Hyp-β- h-minor,Hyp-β-h-majorおよびPro-δ-major),1.80-1.60(m,1.3H,Pro-γ-l- minor,Pro-β-h-major,Pro-γ-l-minorおよびPro-γ-h-minor),1.36(s,9H, Boc). 実施例2 Gly-Pro-Hypトリマーからなるコラーゲンアナログの合成 Ac-Gly-Pro-Hyp-NH2 一般情報の項に記載された一般固相セグメント縮合操作後に、Boc-Gly-Pro-Hy p-(OBz)-MBHA(0.3mmol、樹脂置換を基礎にして)を調製した。DCM中30% TFA15mlの溶液を用いて、Boc保護基を除去し、アニソール1.0mlをスカ ベンジャーとして添加した。樹脂をDCM20ml、メタノール20ml、DCM2 0ml、その後DCM中の10%TEA2×15mlで洗浄した。5%TEAを含有 するDCM15ml中に溶解した無水酢酸0.5mlを用いてN末端をアセチル化し て、Ac-Gly-Pro-Hyp(OBz)-MBHAを得た。HF開裂(一般情報の項)を行った後、 粗生成物72mgを得た。RP−HPLCを行って、精製物質Ac-Gly-Pro-Hyp-NH2 (白色固体、45mg、46%)を得た。HPLC分析は、均質単一ピーククロマ トグラムを示した。FAB−MS実測値(M+H)+=327.1678,計算値(M+H)+=327.16 68.1H-NMR(500MHz,D2O,NHシグナルを得るためにH2Oを使用。27℃,DQF-COSY 法により測定)δ8.14(s,1H,Gly-NH),7.75(s,1H,C末端NH2),7.01(s,1H,C 末端NH2),4.95(dd,0.15H,Pro-α),4.74(m,H2Oシグナル,Pro-α),4.62(m , 1H,Hyp-γ),4.53(t,1H,Hyp-α),4.15(d,1H,Gly-α-a),4.00(d,1H,Gly -α-h),3.88(d,1H,Hyp-δ-l),3.81(dd,1H,Hyp-δ-h),3.60(m,2H,Pro- δ),2.34(m,2.1H,Hyp-β-l,Pro-β-l),2.06(m,5.6H,Hyp-β-h,Pro-γお よびアセチル),1.93(m,1.3H,Pro-β-l). Ac-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2(n=3,5,6,9) これらの化合物の合成、精製および特徴付けは、Ac-Gly-Pro-Hyp-NH2の場合と 同様であった。Gly-Pro-Hyp化合物の合成の結果を、表1に要約する。 実施例3 KTAテンプレート集合(Template Assembled)コラーゲン様構造物:(Gly-Pro-H yp)nの合成 KTA-[Gly-Gly-Pro-Hyp-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成操作後に、Boc-Gly-Pro-Hyp(OBz)-MBH A(樹脂置換レベルを基礎にして0.3mmol)を調製した。DCM中30%TF Aの溶液を用いて、Boc基を除去し、アニソール1.0mlをスカベンジャーとし て添加した。樹脂をDCM、メタノール、DCM中の10%TEAおよびDCM で洗浄して、Gly-Pro-Hyp-(OBz)-MBHAを得た。KTA-(Gly-OH)3(35mg、0.08 mmol)およびHOBt(50mg)を容器に添加し、約25%DMFを添加してH OBtの溶解を助けた。次に、DCM中の1.0M DIC(0.4mmol)4mlを 添加した。カイザー試験は、3日間容器を振盪後にアミンが存在しないことを示 した。DCMおよびメタノールで樹脂を数回洗浄し、デシケーター中で一晩乾燥 させた。HF開裂法(一般情報の項に記載)を行って樹脂からペプチドを除去し 、得られた樹脂と生成物の混合物をヘキサンとエチルエーテルの混合物で洗浄し た。H2Oで抽出して樹脂から生成物を分離した。抽出H2O溶液を凍結乾燥して、粗 生成物を得た。RP−HPLCを行って、精製物質(白色固体、55mg、収率5 6%)を得た。分析的HPLCプロフィールは、単一均質ピークを示し、RTは 13分であった(TFA非含有、7−50%B、30分)。ESI-MS(M+Na)+=1251 .1H-NMR(500MHz,D2O,27℃,NHシグナルを得るために5℃でH2Oを使用。DQF-CO SY) δ8.84(m,3H,Gly-NH),8.57(m,3H,スペーサーGly-NH),7.89(m,3H,末端NH2 ),7.33(m,3H,末端NH2),4.61(m,3H,Hyp-γ),4.49(t,3H,Hyp-α),4.06 (q,6H,Gly-α),3.86-3.70(m,12H,スペーサーGly-αおよびHyp-δ),3.67-3 .54(m,6H,Pro-δ),2.65(d,3H,メチレン エクアトリアル結合),2.37-2.2 6(m,6H,Pro-βおよびHyp-β),2.10-2.00(m,9H,Pro-γおよびHyp-β),1.97 -1.90(m,3H,Pro-β),1.33(d,3H,メチレン−アキシアル結合),1.26(s,9H ,メチル). KTA-[Gly-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2]3(n=3,5,6) これらの3つの化合物に関する合成および特徴付けの方法は、KTA-[Gly-(Gly- Pro-Hyp-NH2)]3の場合と同様であった。結果を、下記の表1に要約する。 a:Vydac分析カラム。溶離溶媒:A,H2O,0.1%TFA.B,アセトニトリル0.1%TFA. b:収率は樹脂置換レベルと、RP−HPLC精製から得た物質を基にして計算 した。 c:溶離溶媒にTFAを含まない。 実施例4 Nleu-OEtのようなペプトイド残基Xpの合成 アルキル化によるNleu-OEt イソブチルアミン(50g、0.68mol)をTHF300mlに溶解し、溶液 を0℃に冷却した。エチルブロモアセテート(50g、0.3mol)を、溶液を 撹拌しながら徐々に添加した。撹拌を3時間継続した。THFを減圧下で除去し 、得られた混合物を酢酸エチル300ml中に注ぎ入れた。イソブチルアミンの臭 化水素塩の沈殿が生じ、これを濾過により除いた。酢酸エチルを減圧下でロート ベイパーで蒸留して、溶液の容量を50mlとした。カラムクロマトグラフィー( 溶離溶媒:E/H,3:1)を行って生成物を精製した。TLC Rf=0.5( 展開溶媒:E/H,3:1)。クロマトグラフィーから収集した溶出物をあわせ 、0℃に冷却した。ジオキサン中のHCl(4N)を沈殿が認められなくなるまで添 加した。生成物を塩化水素塩(白色固体、49g、83%)の形態で析出させた 。 還元的アミノ化によるNleu-OEt Gly-OEtの塩化水素塩(14g、0.1mol)、イソブチルアルデヒド(7.3 g、0.1mol)およびKOH(1g)をメタノール200mlに溶解した。溶液 を水氷浴上で0℃に冷却し、1時間撹拌した。NaCNBH3(5.7g、0.09mol )を徐々に添加した。撹拌を一晩継続した。メタノールを減圧下で除去し、得ら れた混合物を酢酸エチル300ml中に注ぎ入れた。生成物を飽和NaHSO4 5×5 0mlにより有機相から抽出した。水性相を0”℃に冷却し、溶液を激しく撹拌し ながら、NaHCO3をゆっくりと添加してpHを約9に調整した。遊離アミン形態の生 成物を酢酸エチル3×300mlにより水性溶液から抽出した。有機相をNa2SO4に より乾燥し、酢酸エチルを減圧下で除去して、粗生成物を得た。カラムクロマト グラフィー(溶離溶媒:E/H,4:1)を行って精製物質を得た(油状物、11. 5g、72%)。TLC Rf=0.55(展開溶媒:クロロホルム/メタノール 4:1).FAB−MS実測値(M+H)+=160.1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,20℃)HCl 塩に関して,δ9.16(s,2H,NH2 +),4.20(q,2H,OCH2),3.91(s,2H,α-CH2) ,2.74(d,2H,イソブチルCH2),1.94(m,1H,イソブチルCH),1.20(t,3H,エ チルCH3),0.90(d,6H,イソブチルCH3). 実施例5 トリマービルディングブロックBoc-Gly-Pro-Nleu-OHの合成 Boc-Gly-ONp Boc-Gly-OH(32.6g、0.186mol)、およびp−ニトロフェノール( 27.8g、0.20mol)をジクロロメタン(DCM)300mlに溶解し、溶 液を水氷浴上で0℃に冷却した。溶液を撹拌しながら、ジシクロヘキシルカルボ ジイミド(DCC,39g、0.19mol)を4回に分けて添加した。ジシクロ ヘキシルウレア(DCU)の沈殿が間もなく生じた。溶液を室温で一晩撹拌した 後、TLC分析は、もはや出発物質Boc-Gly-OHを示さなかった。DCUを濾過し て除去した。得られた溶液を4℃に冷却すると、さらに沈殿が生じ、これを濾過 により除去した。DCMを減圧下で除去して、黄色の油状物を得た。油状物を真 空系に一晩置いて、エーテル/ヘキサンを用いて生成物Boc-Boc-ONp(白色固体 、50g、91%)を集めた。TLC Rf=0.7(展開溶媒:CMA,85: 15:3). Boc-Gly-Pro-OH Boc-Gly-ONp(50g、0.17mol)およびプロリン(20.7g、0.175mol )をDMF300mlに溶解した。溶液を撹拌しながら、TEA20mlおよび水3 0mlを添加した。撹拌を一晩継続し、TLC分析はもはや出発物質を示さなかっ た。溶媒を減圧下で除去し、得られた混合物を飽和Na2CO3 250mlに溶解した 。水性溶液を酢酸エチル3×100mlで抽出して、p−ニトロフェノールを除去 した。次に、0℃に冷却後、濃HClをゆっくりと添加して(同時に激しく撹拌し ながら)、水性溶液を約pH=3の酸性にした。酢酸エチル3×150mlにより、 生成物を水性相から抽出した。有機相をあわせ、飽和NaCl(ブライン)3×20 mlで洗浄して、Na2SO4を用いて乾燥した。TLC分析は、p−ニトロフェノール が溶液中に依然として存在することを示した。酢酸エチルを減圧下で除去し、カ ラムクロマトグラフィー(溶離溶媒:E/H,2:1)を行って、精製物質Boc- Gly-Pro-OH(白色固体、41.2g、88%)を得た。TLC Rf=0.25( CMA、85:15:3)FAB−MS実測値(M+H)+=273.1H-NMR(360MHz,DMSO -d6,20℃)δ12.55(s,1H,カルボキシル),6.79(s,NH-major),6.44(s, NH-minor),4.50(dd,0.25H,Pro-α-minor),4.20(dd,0.71H,Pro-α-major) ,3.81-3.62(m,1.7H,Gly-α-major),3.47-3.33(m,2.5H,Pro-δおよびGly- α-minor),2.25-2.00(m,1.2H,Pro-β),1.96-1.60(m,2.7H,Pro-βおよびPr o-γ),1.36(s,9H,Boc-CH3)b. Boc-Gly-Pro-Nleu-OEt Boc-Gly-Pro-OH(3.85g、0.014mol)、Nleu-OEtのHCl塩(2.76g 、0.014mol)およびHOBt(2.8g、0.02mol)をDMF100ml に溶解し、溶液を水水浴上で0℃に冷却した。TEA(2.8ml、0.02mol) を溶液に添加した。溶液を10分間撹拌後、EDC(4.0g、0.021mol) を添加した。撹拌を一晩継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物を 酢酸エチル200ml中に注ぎ入れた。有機相をH2O 2×30ml、飽和NaHCO3 3 ×10ml、ブライン2×10ml、飽和NaHSO4 3×15mlそして再度ブラインで 、ブライン相のpH値が約7になるまで洗浄した。酢酸エチル溶液をNa2SO4を用い て乾燥し、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。カラムクロマトグラフィー(溶離 溶媒:E/H,2:1)を行って、精製物質(帯黄色の油状物、4.7g、81% )を得た。TLC Rf=0.54(展開溶媒:CMA,85:15:3)およびR f=0.34(展開溶媒:E/H,2:1) Boc-Gly-Pro-Nleu-OH Boc-Gly-Pro-Nleu-OEt(4.3g、0.0104mol)をTHF/H2O(v/v, 1:1)80ml中に溶解し、溶液を水氷浴上で0℃に冷却した。KOH(1.1 g、H2O 20ml中に溶解)を、溶液を撹拌しながら添加した。しばらくして、浴 を除去し、撹拌を再度1時間継続した。THFを減圧下で除去した。水性溶液を 酢酸エチル2×50mlで抽出した。次に、水性相を0℃に冷却し、溶液を同時に 激しく撹拌しながら濃HClを添加して酸性にし、pHを約3とした(水性相を酢酸 エチル50mlで覆った)。生成物を酢酸エチル3×50mlにより水性相から抽出 した。有機相をあわせ、Na2SO4で乾燥した。酢酸エチルを減圧下で除去した。カ ラムクロマトグラフィー(E/H,5:2)を行って精製物質(白色固体、3.6 g、 92%)を得た。TLC Rf=0.44(展開溶媒:CMA,85:15:3) .FAB−MS実測値(M+H)+=386.分析的RP−HPLCクロマトグラム、単一 ピーク、保持時間RT=13分(30分で25−60%B).1H-NMR(500MHz,D MSO-d6,25℃,TOCSYにより測定)δ12.50(s,1H,カルボキシル),6.62(m,1H, Gly-NH),4.92(d,Pro-α),4.72(d,Pro-α),4.56(d,Nleu-α),4.48(d,Pro -α),4.12(m,Nleu-α),4.00-3.90(m,Nleu-α),3.83-3.66(m,Nleu-α,Gly -α),3.64-3.50(m,Gly-α,Nleu-α),3.50-3.33(m,Pro-δ),2.34-1.60(数 セットのバンド、Pro-β,Pro-γ,Nleu-γ),1.38(s,9H,Boc-CH3),0.88(dd ,Nleu-δ),0.75(dd,Nleu-δ). 実施例6 トリマービルディングブロックBoc-Gly-Nleu-Pro-OHの合成 Boc-Gly-Nleu-OEt Boc-Gly-OH(4.4g、0.025mol)およびNleu-OEt(3.2g、0.02m ol)をDMF100mlに溶解し、溶液を水氷浴上で0℃に冷却した。BOP(1 1g、0.025mol)を溶液に添加した。トリエチルアミンを用いて溶液のpHを 約9に調整した。溶液を一晩撹拌した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合 物を酢酸エチル300ml中に注ぎ入れた。酢酸エチル溶液をH2O、飽和NaHCO3、 ブライン、飽和NaHSO4そして再度ブラインで洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し 、酢酸エチルを減圧下で除去して、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー (溶離溶媒:E/H,2:1)を行って、精製物質(5.9g、94%)を得た 。TLC Rf=0.52(展開溶媒:E/H,2:1).1H-NMR(360MHz,DMSO- d6)δ6.74(m,Gly-NH),6.68(m,Gly-NH),4.18(s,Nleu-α),4.12(q,エチル エステル-CH2),4.04(q,エチルエステル-CH2),3.94(s,Nleu-α),3.79(d,Gl y-α),3.65(d,Gly-α),3.07(m,Nleu-β),1.79(m,1H,Nleu-γ),1.34(s, 9H,Boc-CH3),1.16(m,エチルエステル-CH3),0.87(d,Nleu-δ),0.78(d,Nl eu-δ). Boc-Gly-Nleu-OH Boc-Gly-Nleu-OEt(28.8g、0.094mol)をH2O 150mlおよび THF150mlの混合物中に溶解した。H2O 50ml中に溶解したKOH(11. 9g、0.18mol)を、溶液を撹拌しながら添加した。1時間後、THFを減 圧下で除去した。水性溶液を0℃に冷却し、濃HClを添加して(同時に溶液を激 しく撹拌する)酸性にし、pH2とした。生成物を酢酸エチル3×100mlにより 水性相から抽出した。有機相をあわせ、ブラインで洗浄して、Na2SO4で乾燥した 。酢酸エチルを減圧下で除去し、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー( 溶離溶媒:E/H,1:1。この溶媒系を用いて不純物を除去し、メタノールお よび酢酸エチルの混合物により精製物質をカラムから洗い出した)を行って、精 製物質(白色油状物、20g、74%)を得た。TLC Rf=0.2(展開溶媒 :E/H,3:1).FAB−MS実測値(M+H)+=289.1H-NMR(360MHz,DMSO-d6 )δ6.72(m,Gly-NH),6.62(m,Gly-NH),4.03(s,Nleu-α),3.87(s,Nleu-α) ,3.78(d,Gly-α),3.68(d,Gly-α),3.06(m,Nleu-β),1.82(m,1H,Nleu- γ),1.32(s,9H,Boc-CH3),0.85(d,Nleu-δ),0.76(d,Nleu-δ). Boc-Gly-Nleu-Pro-OBz Boc-Gly-Nleu-OH(12.5g、0.043mol)、HCl・-Pro-OBz(11g、0 .046mol)およびHOBt(6.0g、0.045mol)をDMF300mlに 溶解し、溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(12ml)を、溶液を撹拌し ながら徐々に添加した。5分後、EDC(8.5g、0.043mol)を溶液に 添加し、撹拌を室温で一晩継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物 を酢酸エチル350ml中に注ぎ入れた。酢酸エチル溶液を、H2O、飽和NaHCO3、 ブライン、飽和NaHSO4そして再度ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで 洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、酢酸エチルを減圧下で除去して、粗生成物 を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離溶媒:E/H,3:1)を行って、精 製物質(17.5g、85%)を得た。TLC Rf=0.45(展開溶媒:E/ H,3:1)。 Boc-Gly-Nleu-Pro-OH Boc-Gly-Nleu-Pro-OBz(7.9g、0.0166mol)をH2O 50mlおよびT HF80mlの混合物中に溶解した。溶液を0℃に冷却した。H2O 30ml中に溶解 したKOH(1.9g、0.033mol)を、溶液を撹拌しながら添加した。撹 拌を室温で1時間継続した。THFを減圧下で除去した。水性溶液を0℃に冷却 し、濃HClを添加して(同時に溶液を激しく撹拌しながら)酸性にし、約pH= 3とした。生成物を酢酸エチルにより水性溶液から抽出した。あわせた有機相を Na2SO4で乾燥し、酢酸エチルを減圧下で除去して、生成物を得た(5.7g、8 9%)。TLC Rf=0.38(展開溶媒:CMA,85:15:3).FAB −MS実測値(M+H)+=386.1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,27℃,TOCSYにより測定)δ 6.69(m,Gly-NH),6.57(m,Gly-NH),4.56(m,Pro-α),4.28-4.14(m,Pro-α) ,4.14-3.97(m,Nleu-α),3.83-3.62(m,Gly-α),3.62-3.44(m,Gly-α,Pro- δ),3.44-3.28(m,Pro-δ),3.12-2.92(m,Nleu-β),2.23-1.58(m,Pro-β,P ro-γ,Nleu-γ),1.34(m,Boc-CH3),0.85(m,Nleu-δ),0.78(m,Nleu-δ). 実施例7 連続ペプトイド残基含有トリマー:(Gly-Pro-Nleu)n-NH2の鎖の合成 Boc-Gly-Pro-Nleu-NH2 Boc-Gly-Pro-Nleu-OH(4.1g、0.0106mol)、NH4Cl(1.7g、0 .032mol)およびHOBt(1.76g、0.013mol)をDMF100ml に溶解し、溶液を0℃に冷却した。TEA(4.5ml)を、溶液を撹拌しながら 溶液に徐々に添加した。しばらくして、EDC(2.6g、0.013mol)を 溶液に添加した。撹拌を一晩継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合 物をクロロホルム350ml中に注ぎ入れた。クロロホルム溶液をH2O 2×20ml 、飽和NaHCO3 2×20ml、ブライン2×20ml、飽和NaHSO4 2×20mlそして 再度ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄した。有機相をNa2SO4を 用いて乾燥し、クロロホルムを減圧下で蒸留して生成物(3.5g、84%)を 得た。TLC Rf=0.36(展開溶媒:CMA,85:15:3). Gly-Pro-Nleu-NH2 Boc-Gly-Pro-Nleu-NH2(3.5g、0.0089mol)をDCM(50ml)中 の30%TFAの溶液に溶解した。溶液を40分間撹拌した。DCMおよびTF Aを減圧下で除去し、ベンゼン3×50mlを添加して、減圧下で蒸留し、微量T FAを除去した。得られた混合物をメタノール30ml中に溶解し、溶液を0℃に 冷却した。HCl/ジオキサン(4N、10ml)を溶液に添加して、生成物をTF A塩からHCl塩に移した。エチルエーテル(200ml)を溶液に添加すると沈殿 が生じた。エーテルを濾過して除去し、白色固体生成物を得た(2.9g、87 %)。分析的RP−HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.7分( 30分で5−15%B)。FAB−MS実測値(M+H)+=285.1H-NMR(500MHz,DMS O-d6,25℃,TOCSYにより測定)δ8.03(m,3H,Gly-NH3),7.65(s,C末端NH2),7. 46(s,C末端NH2),7.34(s,C末端NH2),7.24(d,C末端NH2),7.08(s,C末端NH2) ,6.92(s,C末端NH2),4.94(d,Pro-α),4.76(m,Pro-α),4.59(m,Pro-α), 4.25-3.52(数セットのバンド,Nleu-α,Gly-α),3.52-3.44(m,Pro-α),3.42 -2.70(数セットのバンド,Gly-α,Nleu-β),2.36-1.65(数セットのバンド,Pr o-β,Pro-γ,Nleu-γ),0.90(m,Nleu-δ),0.79(m,Nleu-δ). (Gly-Pro-Nleu)2-NH2 Boc-Gly-Pro-Nleu-OH(0.3g、0.76mol)およびGly-Pro-Nleu-NH2(0 .00075mol)をDMF20mlに溶解し、溶液を0℃に冷却した。TEA( 0.3ml)を、溶液を撹拌しながら徐々に添加した。10分後、BOP(0.5 g、0.0012mol)を溶液に添加し、撹拌を一晩継続した。DMFを除去し 、得られた混合物をクロロホルム150ml中に注ぎ入れた。クロロホルム溶液を H2O 2×10ml、飽和NaHCO3 2×10ml、ブライン2×10ml、飽和NaHSO4 2 ×10mlそして再度ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄した。有 機相をNa2SO4を用いて乾燥し、クロロホルムを減圧下で蒸留してBoc-(Gly-Pro-N leu)2-NH2を得た。この物質をDCM(30ml)中の30%TFAの溶液中に溶 解し、溶液を室温で30分間撹拌した。DCMおよびTFAを減圧下で除去し、 ベンゼン3×20mlを添加して、減圧下で蒸留して微量TFAを除去した。粗生 成物を水に溶解し、HPLCを行って精製物質を得た(白 色固体、0.25g、60%)。FAB−MS実測値(M+H)+=552.分析的HPL Cクロマトグラム、単一ピーク、RT=9.3分(30分で10−30%B)。 (Gly-Pro-Nleu)3-NH2 一般情報の項に記載の一般固相合成法を用いて、(Gly-Pro-Nleu)3MBHA(樹 脂置換を基礎にして0.2mmol)を得た。スカベンジャーとしてアニソール(1ml )を用いてHF開裂法により樹脂からペプチド−ペプトイド残基を除去した。H F開裂を−5℃〜0℃で1時間進行させた。HF開裂後、生成物と樹脂の混合物 を焼結した(sintered)ガラスフィルター上で無水エチルエーテルで数回洗浄し、 H2OとCH3CNの混合物で抽出して樹脂から生成物を分離した。凍結乾燥を行って、 粗生成物を得て、HPLCを行って、精製物質を得た(90mg、55%)。FA B−MS実測値(M+H)+=819.分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT =15.8分(30分で15−60%)。 (Gly-Pro-Nleu)n-NH2(n=4,5,6,7,9) これらの化合物の合成、精製および特徴付けは、(Gly-Pro-Nleu)2-NH2の場合 と同様であった。 実施例8 連続ペプトイド残基含有トリマー鎖:Ac-(Gly-Pro-Nleu)n-NH2の合成 Ac-Gly-Pro-Nleu-NHCH3 Boc-Gly-Pro-Nleu-OH(0.77g、2mmol)、HClNH2CH3(0.27g、4mmol) およびHOBt(0.35g、2.5mmol)をDMFに溶解し、溶液を水氷浴上 で0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.7ml)を、溶液を撹拌しながら徐々 に添加した。5分後、EDC(0.46g、2.4mmol)を溶液に添加し、撹拌 を一晩継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物をクロロホルム15 0ml中に注ぎ入れた。クロロホルム溶液をH2O、飽和NaHCO3、ブライン、飽和NaH SO4そして再度ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄し た。有機相をNa2SO4を用いて乾燥し、クロロホルムを減圧下で蒸留してBoc-Gly- Pro-Nleu-NHCH3を得た。TLC Rf=0.44(展開溶媒:CMA,85:15 :3).この生成物を、再度精製および特徴付けせずに次の工程に直接用いた。 DCM中の30%TFA溶液30mlを用いてBoc基を除去した。脱保護化を30 分間進行させた。次に、DCMおよびTFAを減圧下で除去し、ベンゼン3×2 0mlを添加し、蒸留して微量TFAを除去した。 Gly-Pro-Nleu-NHCH3のTFA 塩を50mlに溶解し、溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミンを徐々に添加し てペプチドを中和した。しばらくして、無水酢酸(2ml)を添加し、アセチル化 を40分間進行させた。DCMを除去し、得られた混合物をクロロホルム100 ml中に溶解した。クロロホルム溶液をH2O、飽和NaHCO3、ブライン、飽和NaHSO4 そして再度ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄した。有機相をNa2 SO4を用いて乾燥し、クロロホルムを減圧下で蒸留して最終生成物Ac-Gly-Pro-N leu-NHCH3を得た(0.6g、88%)。分析的HPLCプロフィール、単一ピ ーク、RT=10.5分(30分で10−50%B)。FAB−MS実測値(M+H )+=341.1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,28℃,TOCSYにより測定)δ8.04(m,C末端NH) ,7.93(m,Gly-NH),7.71(m,C末端NH),7.48(m,C末端NH),4.94(d,Pro-α), 4.81(m,Pro-α),4.68(m,Pro-α),4.50(m,Pro-α),4.29-3.52(数セットの バンド,Nleu-α,Gly-α),3.52-3.42(m,Pro-δ),3.36(m,Pro-δ),3.29-2. 86(数セットのバンド,Nleu-β),2.59(m,C末端N-CH3),2.53(m,C末端N-CH3) ,2.31-2.03(数セットのバンド,Pro-β),1.96(m,Pro-β,Pro-γ),1.92-1.6 1(m,アセチル-CH3,Pro-β,Nleu-g,Pro-γ),0.86(dd,Nleu-δ),0.75(m,N leu-δ). Ac-Gly-Pro-Nleu-NH2 HCl-Gly-Pro-Nleu-NH2(0.32g、0.001mol)をDCM5mlに溶解し 、溶液を0℃に冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)0.3mlを 溶液に徐々に添加した。しばらくして、無水酢酸(0.3ml)を、溶液を撹拌し ながら添加した。撹拌を室温で1時間継続した。DCMを減圧下で除去し、得ら れた混合物をH2Oに溶解した。RP−HPLCを行って、精製物質を得た (210mg、59%)。FAB−MS実測値(M+H)+=327.分析的HPLC、単一 ピーク、RT=12.2分(30分で10−20%B)。1H-NMR(500MHz,DMSO-d6 ,TOCSYにより測定)δ7.97(m,1H,Gly-NH),7.52(m,0.5H,C末端NH2),7.22( m,0.5H,C末端NH2),7.05-6.80(m,1H,C末端NH2),4.94(d,0.11H,Pro-α), 4.78(,0.16H,Pro-α),4.69(d,0.41H,Pro-α),4.51(d,0.32H,Pro-α),4 .18(d,0.35H,Nleu-α),4.05-3.60(m,Gly-α,Nleu-α),3.56-2.90(m,Gly- α,Nleu-β,Pro-δ),2.60-1.40(m,Pro-γ,Pro-δ,Nleu-γ),0.87(dd,Nl eu-δメチル),0.76(dd,Nleu-δメチル). Ac-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2 Ac-(Gly-Pro-Nleu)6-MBHA(0.45mmol、樹脂置換を基礎にして)を、一般 情報の項に記載の固相合成法を用いて得た。HF開裂後、凍結乾燥を行って粗生 成物を得て、HPLCを行って精製物質を得た(47%)。FAB−MS実測値 (M+H)+=1663.分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=18.2分 (30分で15−80%B)。 Ac-(Gly-Pro-Nleu)9-NH2 本化合物の合成、精製および特徴付けは、Ac-(Gly-Pro-Nleu)6−NH2の場合と 同様であった。Gly-Pro-Nleu配列で構成される合成ペプチドペプトイド残基化合 物に関する物理化学的データを、下記の表2に示す。 [a]:VydacC-18カラム,0.46x25cm,流速 :1.0ml/分. [b]:固相法によって調製した化合物については、収率は樹脂置換と HPLC精製で得た物質とを基に計算した。 [c]:溶液ペプチド合成法により調製。 コラーゲン様ポリ(ペプチド−ペプトイド残基)構造物のトリプルヘリックス 傾向を確定するための参考として、Gly-Pro-HypおよびGly-Pro-Pro配列からなる ポリペプチドを調製した。 以下のポリペプチドの調製: (Ala-Sar-Gly)n(Ala-NpHe-Gly)n (Gly-Sar-Ala)n(Glu-Sar-Gly)n (Gly-Pro-Sar)n(Lys-Sar-Gly)n が、Goodman,M.et al.(1994)Polymer Preprint 35(1):767-768により報告され ている。 質量スペクトルおよびNMRを用いて構造を立証した。収率は、樹脂置換およ びHPLC精製後に得られた物質を基礎にして算出された。 実施例9 テンプレートスペーサーKTA-(Gly-OH)3の合成 KTA-(Gly-OBz)3 ケンプトリ酸(KTA)(0.1g、0.0039mol)、TOS-Gly-OBz(6.5 g、0.019mol)およびHOBt(2.6g、0.019mol)をDMF50 mlに溶解した。溶液を0℃に冷却し、TEA(5ml、0.036mol)を徐々に 添加した。溶液を5分間撹拌後、EDC(3.7g、0.019mol)を添加し た。反応は室温で4時間継続した。DMFを減圧下で蒸留し、残留混合物を酢酸 エチル300ml中に注ぎ入れた。酢酸エチル溶液を一般的手法(H2O、飽和NaHCO3 、ブライン、飽和NaHSO4そして再度ブラインで、中性になるまで)で洗浄し、N a2SO4を用いて乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得た。カラムクロマトグラ フィー(溶離溶媒:酢酸エチル/ヘキサン,E/H,3:2)を行って、KTA-(G ly-OBz)3(白色油状物、2.65g、97.8%)を得た。TLC Rf=0.5 5(E/H,3:1). KTA-(Gly-OH)3 KTA-(Gly-OBz)3(2.65g、0.0038mol)をメタノール200mlに溶 解した。溶液中に10分間N2を発泡させて溶解した空気を除去後、10%Pd /C(0.2g)を添加した。水素を溶液中に通して、水素の消費が停止するま で水素添加を継続した。濾過して触媒を除去し、溶媒メタノールを減圧下で除去 して、精製物質を得た(白色固体、1.55g、収率97%)。TLC Rf=0 .05(CMA,85:15:3)。分析的HPLCプロフィールは単一均質ピ ークを示し、RT=14分(溶離媒質中0.1%TFA、30分で10−30% B)であった。 FAB−MS実測値(M+H)+=430.1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,20 ℃)δ7.93(s,3H,NH),3.64(s,6H,Gly-α),2.54(d,3H,CH2- エクアトリアル結合),1.24-1.18(m,12H,CH3に関しては9H,CH2アキシアル結 合に関しては3H). 実施例10 テンプレートスペーサーKTA-(Aha-OH)3の合成 6−アミノヘキサン酸ベンジルエステルAha-OBz 6−アミノヘキサン酸(Aha-OH)(13.1g、0.1mol)、ベンジルアル コール(100mL)、ベンゼン(100mL)およびトリルスルホン酸(19g、 0.1mol)を混合し、混合物をディーン−スターク(Dean Stark)装置を用いて 3時間還流した。得られた混合物を室温に冷却し、エチルエーテル500mLを添 加した。濾過して沈殿物を収集し、エチルエーテルで洗浄して、真空中で一晩乾 燥し、白色生成物Tos-Aha-OBz(40.5g、98%)を得た。 KTA-(Aha-OBz)3 ケンプトリ酸(1.0g、0.00387mol)、Tos-Aha-OBz(8.0g、0 .0194mol)およびHOBt(2.6g、0.0194mol)をDMF(50mL) に溶解し、溶液を0℃に冷却した。TEA(5mL)を一部ずつ溶液に添加した。 溶液を10分間撹拌後、EDC(3.7g、0.0194mol)を添加し、溶液 を室温で一晩撹拌した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物を酢酸エチル 200mL中に注ぎ入れた。酢酸エチル溶液をH2O(2×30mL)、飽和NaHCO3( 3×15mL)、ブライン(2×10mL)、飽和NaHSO4(3×15mL)そして再度 ブラインで、ブライン相のpHが約7になるまで洗浄した。有機相を無水Na2SO4で 乾燥し、酢酸エチルを減圧下で蒸留して除去した。カラムクロマトグラフィー( 溶離溶媒:E/H,3:1)を行って、精製物質(白色固体、3.4g、89% )を得た。TLC Rf=0.56(展開溶媒:E/H,3:1).1H-NMR(360MHz, DMSO-d6,20℃)δ7.84(m,3H,NH),7.52(m,15H,フェニル),5.26(s,6H,ベ ンジルCH2),3.12(m,6H,CH2),2.77(d,3H,エクアトリアル結合KTA-CH2),2. 49(t,6H,α-CH2),1.70(m,6H,δ-CH2),1.53(m,6H,β-CH2),1.42(b,6H ,γ-CH2),1.29(m,12H,KTA-CH3およびアキシアルKTA-CH3). KTA-(Aha-OH)3 KTA-(Aha-OBz)3(3.0g、0.0035mol)をメタノール(100mL)に 溶解した。Pd/C(10%、約0.3g)を溶液に注意深く添加した。溶液を 室温で一晩H2下に置いた。濾過してPd/Cを除去し、メタノールを減圧下で除 去した。白色固体を得た(2.0g、96%)。TLC Rf=0.27(展開溶 媒:CMA,85:15:3)。FAB−MS実測値(M+H)+=599.分析的RP− HPLC、均質単一ピーク、RT=15分(30分で25−50%B)。1H-NMR (360MHz,DMSO-d6,20℃)δ12.0(s,3H,カルボキシル),7.63(m,3H,NH),2.9 3(m,6H,CH2),2.57(d,3H,エクアトリアルKTA-CH2),2.16(t,6H,α-CH2), 1.47(m,6H,δ-CH2),1.34(m,6H,β-CH2),1.24(m,6H,γ-CH2),1.10(m,1 2H,KTA-CH3およびアキシアルKTA-CH2). 実施例11 TMAテンプレートスペーサーの合成 TMA-(Gly-OBz)3 Tos-Gly-OBz(8.4g、0.025mol)をDCM(150mL)に溶解し、溶 液を0℃に冷却した。TEA(5mL)を徐々に添加した。10分後、塩化トリメ シン酸(1.4g、0.005mol)を添加し、溶液を室温で5時間撹拌した。 DCMを減圧下で除去し、得られた混合物を酢酸エチル300mL中に注ぎ入れた 。酢酸エチル溶液をH2O(2×30mL)、飽和NaHCO3(3×15mL)、ブライン (2×10mL)、飽和NaHSO4(3×15mL)そして再度ブラインで、ブライン相 のpHが約7になるまで洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、酢酸エチルを減 圧下で蒸留して除去した。白色固体を得た(2.4g、74%)。TLC Rf=0 .54(展開溶媒:E/H,3:1).1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,20℃)δ9.18( m,3H,NH),8.43(s,3H,ベンゼン),7.18(m,15H,フェニル),5.11(s,6H, ベンジル),4.05(m,6H,グリシンα-CH2). TMA-(Gly-OH)3 TMA-(Gly-OBz)3(2.4g、0.0035mol)をメタノール(150mL)中 の10%DMFの溶液に溶解した。Pd/C(10%、約0.3g)を溶液に添 加し、溶液をH2下に置いた。3時間後、濾過してPd/Cを除去し、溶媒を減圧 下で除去した。エーテル(50mL)を添加し、沈殿物を濾過により収集した。白 色固体生成物を得た(1.4g、100%)。FAB−MS実測値(M+H+NH3)+=399 .1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,20℃)δ12.57(s,3H,カルボキシル),9.00(m,3H ,NH),8.43(s,3H,ベンゼン),3.91(m,6H,グリシンα-CH2). 実施例12 KTAテンプレート集合コラーゲン様構造物の合成 KTA-[Gly-Gly-Pro-Nleu-NH2]3 KTA-(Gly-OH)3(0.11g、0.25mmol)、HCl-Gly-Pro-Nleu-NH2(0.4g 、1.25mmol)およびHOBt(0.14g、1.0mmol)をDMF(5mL) に溶解し、溶液を0℃に冷却した。TEA(0.2mL)を徐々に添加した。10 分後、EDC(0.19g、1.0mmol)を添加し、室温で一晩撹拌を継続した 。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物を水に溶解した。カットオフが1, 000ダルトンのメンブレンチューブで透析を1日行って、低分子量不純物を除 去した。凍結乾燥後に粗生成物を得て、HPLCを行って精製物質を得た(0. 25g、80%)。FAB−MS実測値(M+H)+=1229.分析的HPLCクロマト グラム、均質単一ピーク、RT=18.7分(25分で30−70%B)。1H-N MR(500MHz,DMSO,23℃,2-D TOCSYにより測定)δ8.22(m,3H,スペーサーGly- NH),7.85-7.70(m,2セット,3H,Gly-NH),7.60-6.85(4セット,6H,C末端NH2) ,4.95-4.45(4セット,3H,Pro-α),4.22(d,1H,Nleu-α),4.10-3.70(m,Gly- α,Nleu-α),3.70-3.30(m,ウォーターシグナルによる,スペーサーGly-α,G ly-α, Pro-δ,Nleu-α),3.28-2.81(数セットのバンド,Nleu-β),2.64(d, 3H,エクアトリアルKTA-CH2),2.36-1.60(数セットのバンド,Pro-β,Pro-γ, Nleu-γ),1.14(s,9H,KTA-CH3),1.07(d,3H,アキシアルKTA-CH2),0.88(dd ,Nleu-δ),0.78(dd,Nleu-δ). KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)3-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて得た(Gly-Pro-Nleu)3-MB HA(樹脂置換レベルを基礎にして0.45mmol)を固相反応器中に入れた。KT A-(Gly-OH)3(58mg、0.135mmol)を容器に添加し、カップリング試薬 としてDICおよびHOBt、そして溶媒としてDMF/DCM(v/v,1:4 )を用いてカップリング反応を開始した。1日後に再度DICを添加して、カッ プリング反応を2日間進行させ、この時点まででカイザー試験は遊離アミンをも はや示さなかった。HF開裂後、粗生成物255mgを得た。HPLCを行って、 精製物質(65mg、6%)を得た。MALDI MS実測値(M+Na)+=2852.分析 的HPLCクロマトグラム、均質単一ピーク、RT=15.25分(30分で3 0%−90%B)。 KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3 固相法:一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、(Gly-Pro-Nleu)6 -MBHA(樹脂置換レベルを基礎にして0.3mmol)を得た。KTA-(Gly-OH)3(3 0mg、0.07mmol)を、カップリング試薬としてDICおよびHOBt、そし て溶媒としてDMF/DCM(v/v,1:1)を用いて、ペプチド−ペプトイド 残基鎖のN末端とカップリングさせた。カップリングを2回行って、完全な官能 化を保証した。最初のカップリングでは、テンプレート0.035mmolを用いて 、カップリングを1日間進行させた。溶液を濾過して反応容器から取り出し、樹 脂をDCM(3×20mL)で洗浄した。別の0.035mmolのテンプレートを第 二のカップリングに用いて、2日間進行させた。第二カップリングでは1日後に 、再度DICを添加した。3日間の2回のカップリング後には、カイザー試験は 遊離アミンをもはや示さなかった。HF開裂法を用いてペプチド−ペプトイド残 基を樹脂から除去した。凍結乾燥して、粗生成物(245mg)を得、HPLCを行 って、精製物質(14%)を得た。 溶液法:一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて得られた(Gly-Pro -Nleu)6-NH2(166mg、0.1mmol)とKTA-(Gly-OH)3(14.5mg、0.03 3mmol)をDMF(2mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、TEA (0.03mL)を、溶液を撹拌しながら添加した。5分後、BOP(75mg、0 .17mmol)を溶液に添加し、カップリング反応を室温で18時間進行させた。 溶媒を減圧下で除去し、得られた混合物をH2O(25mL)に溶解した。水性溶液 をカットオフ3,500ダルトンのメンブレンチューブ中で水に対して10時間 透析して、低分子量不純物を除去した。凍結乾燥して粗生成物を得、HPLCを 行って、精製物質(35mg,21%)を得た。ESI MS実測値(M+H)+=5238 .分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=13.4分(30分で3 5%−90%B)。 KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)9-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて得られた(Gly-Pro-Nleu)9- NH2(400mg、0.164mmol)とKTA-(Gly-OH)3(23.5mg、0.055mmo l)およびHOBt(22mg、0.164mmol)をDMF(3mL)に溶解した。溶 液を−50℃に冷却し、TEA(0.02mL)を添加した。5分後、EDC(3 8mg、0.2mmol)を添加し、溶液を−50〜−20℃で2時間撹拌した。ドラ イアイス−イソプロパノール浴を除去し、溶液を室温で一晩撹拌した。溶液を0 ℃に冷却し、BOP(50mg、0.11mmol)を添加した。TEAを添加して溶 液のpHを約9に調整した。溶液を室温で再度3日間撹拌した。DMFを減圧下で 除去し、得られた混合物をアセトニトリルと水の混合物に溶解し、カットオフ3 ,500ダルトンのメンブレンチューブ中で水に対して3日間透析した。凍結乾 燥して粗生成物(330mg)を得、HPLCを行って、精製物質(43mg、10 %)を得た。ESI MS実測値(M+H)+=7645.分析的HPLCクロマトグラム 、単一ピーク、RT=14.2分(30分で50%−90%B)。 KTA-[Aha-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、(Gly-Pro-Nleu)6-MBH A(樹脂置換レベルを基礎にして0.45mmol)を得た。KTA-(Aha-OH)3(65m g、0.1086mmol)を、KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3の合成に関して記 載されたように、ペプチド−ペプトイド残基鎖のN末端にカップリング させた。HF開裂後、凍結乾燥により粗生成物(200mg)を得、HPLCを行 って、精製物質(53mg、9%)を得た。ESI MS実測値(M+H)+=5407.分 析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=13.9分(30分で35% −90%B)。 KTA-[Gly-(Gly-Nleu-Pro)3-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、(Gly-Nleu-Pro)3-MBH A(樹脂置換レベルを基礎にして0.35mmol)を得た。テンプレートKTA-(Gly -OH)3(45mg、0.105mmol)を、カップリング試薬としてDICおよびH OBt、そして溶媒としてDMF/DCM(v/v,1:4)を用いて、ペプチド −ペプトイド鎖のN末端とカップリングさせた。カップリング反応を1日間進行 させ、カイザー試験はペプチド−ペプトイド遊離アミンの完全消費を示した。一 般情報の項に記載のHF開裂法および処理操作を用いて、粗生成物を得て、HP LCを行って、精製物質(20mg、6%)を得た。分析的RP−HPLCクロマ トグラム、単一ピーク、RT=16.1分(30分で25−70%B)、MAL DI MS実測値(M+Na)+=2855. KTA-[Gly-(Gly-Nleu-PrO)6-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、(Gly-Nleu-Pro)6-MBH A(樹脂置換を基礎にして0.5mmol)を得た。テンプレートKTA-(Gly-OH)3(計 56mg、0.131mmol)を、カップリング試薬としてDICおよびHOBt、 そして溶媒としてDMF/DCM(v/v,1:4)を用いて、2回の連続カップ リングにより、ペプチド−ペプトイド鎖のN末端とカップリングさせた。最初の カップリングに関しては、KTA-(Gly-OH)336mg(0.084mmol)を用いた。カ ップリングを1日間進行させた。混合物を濾過し、さらに20mg(0.047mm ol)のKTA-(Gly-OH)3を第二カップリングに用いた(カップリング試薬DICと HOBtを用いて)。この第二カップリングも1日間進行させた。テンプレート 集合ペプチド−ペプトイド物質をHF開裂法により樹脂から除去し、カットオフ 3,500ダルトンのメンブレンチューブ中で水に対して3日間透析 した。HPLCを行って、精製物質(30mg、4.4%)を得た。テンプレート に付着した2つの鎖を有する生成物も得た。MALDI MS実測値(M+Na)+=52 59.分析的RP−HPLCクロマトグラム、RT=14.3分(30分で35− 70%B). 実施例13 TMAテンプレート集合コラーゲン様構造物の合成 TMA[Gly-Gly-Pro-Nler-NH2]3 TMA-(Gly-OH)3(0.1g、0.25mmol)、HCl(Gly-Pro-Nleu-NH2(0.26g 、0.85mmol)およびHOBt(0.14g、1.0mmol)をDMF(3mL) に溶解し、溶液を0℃に冷却した。TEA(0.2mL)を、溶液を撹拌しながら 徐々に添加した。10分後、EDC(0.19g、1.0mmol)を添加し、室温 で一晩撹拌を継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物を水に溶解し た。カットオフ1,000ダルトンのメンブレンチューブで透析を9時間行って 、低分子量不純物を除去した。凍結乾燥して粗生成物(0.29g)を得て、H PLCを行って精製物質を得た(113mg、38%)。FAB−MS実測値(M+N a)+=1203.分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.9分(3 0分で30−70%B)。1HNMR(500MHz,DMSO,23℃,2-D TOCSYにより測定) δ8.94(m,3H,テンプレートスペーサーGly-NH),8.48(s,3H,ベンゼン),8.05 (m,3H,Gly-NH),7.60-6.80(4セットのシグナル,6H,C末端NH2),4.95-4.50(4 セットのシグナル,3H,Pro-α),4.20(d,1H,Nleu-α),4.10-3.70(m,16H, スペーサーGly-α,Gly-α,Nleu-α),3.63(d,2H,Nleu-α),3.55-2.85(m,G ly-α,Pro-δ,Nleu-β),2.40-1.60(m,Pro-δ,Pro-γ,Nleu-γ),0.88(dd ,Nleu-δ),0.76(dd,Nleu-δ). TMA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、(Gly-Pro-Nleu)6-MBH A(樹脂置換を基礎にして0.3mmol)を得た。テンプレート TMA-(Gly-OH)3を 、カップリング試薬としてDICおよびHOBt、そして溶媒として DMF/DCM(v/v,1:1)を用いて、N末端とカップリングさせた。標的 3本鎖物質の高収率を保証するため、カップリングを2回行った(一般情報の項 参照)。最初のカップリングでは、TMA-(Gly-OH)30.035mmolを用いた。1 日後、溶液を濾過し、樹脂をDCM(3×20mL)で洗浄した。陽性カイザー試 験結果が観察され、別の0.035mmolのTMA-(Gly-OH)3を第二のカップリング に用いた。カップリングを24時間継続し、この時点でカイザー試験は遊離アミ ンがそれ以上存在しないことを示した。したがって、計0.07mmolのテンプレ ートを用いて、0.3mmolの(Gly-Pro-Nleu)6-MBHAとカップリングさせた。 ペプチド−ペプトイドをHF開裂法により樹脂から除去し、HPLCを行って、 精製物質(35mg、10%)を得た。ESI MS実測値(M+H)+=5190.分析的 HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.9分(30分で40%−9 5%B)。 TMA-[(Gly-Pro-Nleu)9-NH2]3 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて得られた(Gly-Pro-Nleu)9- NH2(74mg、0.03mmol)をDCM(2mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した 。塩化トリメシン酸(2.7mg、0.01mmol)を添加し、5分後、トリエチル アミン(0.1mL)を溶液に添加し、反応液を室温で一晩撹拌した。DCMを減 圧下で除去し、得られた混合物をH2OとCH3CNの混合物中に溶解した。この溶液を カットオフ3,500ダルトンのメンブレンチューブ中で水に対して3日間透析 した。浴水を4〜8時間毎に取り換えた。凍結乾燥して粗生成物(65mg)を得 、HPLCを行って、精製物質(15mg、20%)を得た。ESI MS実測値 (M+H)+=7424.分析的HPLCクロマトグラフィー、RT=18分(30分で3 5%−90%B)。 生成物をHPLCで精製後、それらの純度を分析的HPLCプロフィールによ り確認した。質量スペクトルを用いて構造を確認した。収率は、樹脂置換レベル およびHPLC精製後に得られた精製物質を基礎にして算出した。 上記の2つの合成経路の一方または両方を用いて、以下の化合物を合成した: KTA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)n-NH2]3(n=1,3,6,9) KTA-[Gly-(Gly-Nleu-Pro)n-NH2]3(n=1,3,6,9) KTA-[Aha-(Gly-Pro-Nleu)6-NH2]3(Ahaは6-アミノヘキサン酸残基を表す) KTA-[Gly-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2]3(n=1,3,5,6) TMA-[Gly-(Gly-Pro-Nleu)n-NH2]3(n=1,6) (ここで、テンプレートと結合したGlyおよびAha残基は、ペプチド−ペプトイド ビルディングブロックが結合するスペーサーを示す)。 合成テンプレート集合化合物に関する物理化学的データを、以下の表3に示す 。 *:VydacC-18カラム,0.46x25cm,流速 :1.0mL/分 [a]:溶液法により調製。 [b]:固相法により調製。 実施例14 Gly-Nleu-Pro配列からなるペプチド−ペプトイド残基鎖の合成 Gly-Nleu-Pro-NH2 Boc-Gly-Nleu-Pro-OH(1.1g、2.85mmol)、NH4Cl(0.5g、8.6mmo l)およびHOBt(0.5g、3.7mmol)をDMFに溶解し、溶液を水氷浴上 で 0℃に冷却した。トリエチルアミン(1.4ml)を、溶液を撹拌しながら溶液に 徐々に添加した。10分後、EDC(0.73g、3.7mmol)を溶液に添加し 、撹拌を一晩継続した。DMFを減圧下で除去し、得られた混合物を酢酸エチル 300ml中に注ぎ入れた。酢酸エチル溶液をH2O 2×10ml、飽和NaHCO3 2× 10ml、ブライン2×10ml、飽和NaHSO4 2×10mlそして再度ブラインで、 ブライン相のpHが約7になるまで洗浄した。有機相をNa2SO4を用いて乾燥し、酢 酸エチルを減圧下で蒸留して生成物Boc-Gly-Nleu-Pro-NH2を得た。この生成物の Boc基をDCM中の30%TFAの溶液30ml中に取り出した。脱保護反応を4 0分間進行させた。DCMおよびTFAを減圧下で除去し、ベンゼン3×20ml を添加して、蒸留して、微量TFAを除去した。生成物であるGly-Nleu-Pro-NH2 のTFA塩をエチルエーテル100ml中に溶解し、溶液を0℃に冷却した。HCl /ジオキサン(4N)を、沈殿が認められなくなるまで溶液に添加した。エーテ ルを濾過により除去して、本生成物を得た(白色固体、0.65g、69%)。 分析的HPLCプロフィール、単一ピーク、RT=10.5分(30分で8−4 0%B).FAB−MS実測値(M+H)+=285.1H-NMR(500MHz,DMSO-d6,27℃,TO CSYにより測定)δ8.15(s,3H,NH3+),7.70(s,C末端NH2),7.58(s,C末端NH2) ,7.38(s,C末端NH2),7.26(s,C末端NH2),7.23(s,C末端NH2),6.92(m,C末端 NH2),4.38(m,Pro-α),4.30(s,Nleu-α),4.26(s,Nleu-α),4.22-4.13(m, Nleu-α,Pro-α),4.10(s,Nleu-α),4.07(s,Nleu-α),3.81(m,Gly-α),3 .73-3.63(m,Nleu-α,Gly-α),3.61-3.55(m,Gly-α,Pro-δ),3.43(m,Pro- δ),3.17-2.97(m,2H,Nleu-β),2.23-1.62(m,5H,Nleu-γ,Pro-β,Pro-γ ),0.83(m,6H,Nleu-δのメチル). (Gly-Nleu-Pro)9-NH2 一般情報の項に記載の一般固相合成法を用いて、(Gly-Nleu-Pro)9-MBHA( 樹脂置換を基礎にして0.2mmol)を得た。スカベンジャーとしてアニソールを 用いてHF開裂法により樹脂からペプチド−ペプトイドを除去した。HF開裂を −5℃〜0℃で1時間進行させた。HF開裂後、本生成物と樹脂の混合物を焼結 したガラスフィルターで無水エチルエーテルで数回洗浄し、H2OとCH3CNの混合 物で抽出して樹脂から生成物を分離した。凍結乾燥により、粗生成物を得て、H PLCを行って、精製物質を得た(90mg、55%)。FAB−MS実測値(M+H )+=2422.分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.8分(3 0分で15−60%B)。 Ac-(Gly-Nleu-Pro)3-NH2 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、Boc-(Gly-Pro-Nleu)3-M BHA(0.35mmol、樹脂置換を基礎にして)を得た。DCM中30%TFA の溶液を用いて、Boc基を除去した。脱保護を30分間進行させた。5%TEA を含有するDCM中の無水酢酸(2ml)を用いて、N末端をアセチル化した。ア セチル化反応は30分間を要した。HF開裂後、凍結乾燥して粗生成物を得て、 HPLCを行って精製物質を得た(47%)。FAB−MS実測値(M+H)+=861. 分析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.1分(30分で15 −60%B). Ac-Gly-Nleu-Pro-NHCH3 本化合物の調製のために、 Ac-Gly-Pro-Nleu-NHCH3の場合と同様の合成経路を 用いた。Boc-Gly-Nleu-Pro-OH(1.2g、0.31mmol)を出発物質として用 いた。最終生成物Ac-Gly-Nleu-Pro-NHCH3(1.1g、91%)は、C末端アミ ド化、N末端脱保護化およびアセチル化後に得られた。分析的HPLCプロフィ ール、単一ピーク、RT=12.2分(30分で7−70%B).FAB−MS 実測値(M+H)+=341.1H-NMR(360MHz,DMSO-d6,27℃)δ8.05(d,C末端NH),7.98( d,C末端NH),7.90(m,Gly-NH),7.70(d,C末端NH),7.61(d,C末端NH),4.35(m ,Pro-α),4.22-4.15(m,Pro-α,Nle-α),4.13(s,Nleu-α),4.12(s,Nleu- α),4.10(s,Nleu-α),4.08(s,Nleu-α),4.01-3.86(m,Gly-α,Nleu-α), 3.83(d,Gly-α),3.80(d,Gly-α),3.74(m,Gly-α),3.69(d,Gly-α),3.66 (m,Gly-α),3.62(s,Nleu-α),3.60-3.30(m,ウォーターシグナルによる、Pr o-α),3.15-2.83(m,Nleu-β),2.61-2.50(m,C末端NCH3),2.20-1.65(m,Nleu -γ,Pro-β,Pro-γ),1.82(s,アセチルCH3),0.85(m,Nleu-δ),0.77(m,Nl eu-δ). 一般情報の項に記載された一般固相合成法を用いて、Boc-(Gly-Pro-Nleu)3-MB HA(0.35mmol、樹脂置換を基礎にして)を得た。DCM中30%TFAの 溶液を用いて、Boc基を除去した。脱保護を30分間進行させた。5%TEAを 含有するDCM中の無水酢酸(2ml)を用いて、N末端をアセチル化した。アセ チル化反応は30分間を要した。HF開裂後、凍結乾燥して粗生成物を得て、H PLCを行って精製物質を得た(47%)。FAB−MS実測値(M+H)+=861.分 析的HPLCクロマトグラム、単一ピーク、RT=15.1分(30分で15− 60%B). Ac-(Gly-Nleu-Pro)6NH2およびAc-(Gly-Nleu-Pro)10NH2 これら2つの化合物の合成、精製および特徴付けは、Ac-(Gly-Nleu-Pro)3NH2 の場合と同様であった。 [a]:VydacC-18カラム,0.46x25cm,流速 :1.0ml/分 [b]:固相法によって調製した化合物については、収率は樹脂置換と HPLC精製で得た物質とを基に計算した。 [c]:溶液ペプチド合成法により調製。 ペプトイド含有コラーゲン様構造物に関する明らかな利点は、これらのアナロ グがこれらの化合物の生物学的安定性を増強する非天然残基(ペプトイド残基) を含有することである。ペプチド−ペプトイドコラーゲン様構造物は、新しいク ラスの新規なコラーゲン様生体物質を意味する。 開示された本発明には種々の修正、改良および用途があり、それらは当業者に は明らかであって、本出願はこのような実施態様を網羅する。本発明をある好ま しい実施態様で説明してきたが、開示の全範囲は、以下の請求の範囲を参照する ことによってのみ判断し得るものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 トゥレーン,ヨセフ・ピー アメリカ合衆国、カリフォルニア 92129、 サン・ディエゴ、スティムソン・コート 8939 (72)発明者 フェン,ヤンボー アメリカ合衆国、カリフォルニア 92037、 ラ・ホヤ、ミラマー・ストリート 4099− ビー (72)発明者 メラシーニ,ジュセッペ アメリカ合衆国、カリフォルニア 92037、 ラ・ホヤ、ヴィア・アリカンテ 3131−ジ ェー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミノ酸残基の少なくとも約30%がグリシンであり、アミノ酸残基の少な くとも約10%がプロリンまたはヒドロキシプロリンである、反復するアミノ酸 トリマーの鎖を含む合成コラーゲン様物質において、該アミノ酸鎖における、少 なくとも1部での、ペプトイド残基の取り込みおよび該鎖からのペプトイド残基 含有トリプルヘリックスの形成を含む改良。 2.該アミノ酸鎖において少なくとも10%のペプトイド残基を含む、請求項1 記載の合成コラーゲン様物質。 3. Gly-Xp-Pro; Gly-Pro-Yp; Gly-Pro-Hyp;および Gly-Pro-Pro; またはこれらの組合わせ、 からなる群から選択される少なくとも3つのトリペプチドまたはジペプチド−ペ プトイド残基トリマーの少なくとも1つのポリペプチド鎖を含んでいる合成コラ ーゲン物質であって、ここで、XpおよびYpは、ペプトイド残基であり、該コラー ゲンがらせん二次構造およびトリプルヘリックスコンホメーションを含む三次構 造を有している3つのポリペプチド鎖で並んでいる、物質。 4.Gly-Xp-ProおよびGly-Pro-Yp;またはそれらの組合わせからなる群から選択 される反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーの少なくとも1つの鎖を含ん でいる請求項3記載の合成コラーゲン物質。 5.反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーのペプトイド残基がN−置換グ リシンである請求項4記載の合成コラーゲン物質。 6.該ペプトイド残基が、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタ ミン、リシン、フェニルアラニンおよびアスパラギン酸のN−置換ペプトイド同 質異性からなる群から選択される、請求項5記載の合成コラーゲン物質。 7.該ペプトイドが、N−イソブチルグリシン(Nleu)、N−メチルグリシン(Sar );N−イソプロピルグリシン(Nval);およびN−sec−ブチルグリシン(Nile )からなる群から選択される請求項6記載の合成コラーゲン物質。 8.反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーが、式Gly-Pro-NleuまたはGly- Nleu-Proのものである請求項7記載の合成コラーゲン物質。 9.式 (Z)n [式中、Zは、 (Gly-Xp-Pro)j; (Gly-Pro-Yp)k; (式中、XpおよびYpは、ペプトイド残基である) からなる群から選択されるジペプチド−ペプトイドトリマーである] で示される合成コラーゲンアミノ酸鎖であって、場合により該鎖は、 (Gly-Pro-Pro)l;および (Gly-Pro-HyP)m からなる群から選択される少なくとも1つのトリペプチドを含み、そして該アミ ノ酸鎖におけるj、k、l、およびmの合計はnであり、nは3である、合成コラー ゲンアミノ酸鎖。 10.式 X-(Z)n-Y で示される合成コラーゲンアミノ酸鎖であって、 (Gly-Xp-Pro)j; (Gly-Pro-Yp)k; (式中、XpおよびYpは、ペプトイド残基である)、 からなる群から選択される、少なくとも1つのジペプチド−ペプトイド残基トリ マーZ、および場合により、 (Gly-Pro-Pro)l;および (Gly-Pro-Hyp)m; からなる群より選択される少なくとも1つのトリペプチドを含み、そして該アミ ノ酸鎖において、j、k、l、およびmの合計はnであり、nは3である;合成コラ ーゲンアミノ酸鎖。 (式中、Xは、直鎖、分岐鎖、飽和または不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸、お よびアラールキルカルボン酸からなる群から選択され、アミド結合によりポリペ プチドのN−末端アミノ酸に結合しており、かつ Yは、アンモニア、直鎖、分岐鎖、飽和または不飽和脂肪族アミン、芳香族アミ ン、およびアラールキルアミンからなる群から選択され、Yは、アミド結合によ りポリペプチドのC−末端に結合している) 11.Xが、アセチル基であり、Yが、アミド、ビピリシンおよびマレイミドから なる群から選択される、請求項10記載の合成コラーゲンアミノ酸鎖。 12.式 TP-[A-(Gly-Xp-Pro)n-NH2]3またはTP-[A-(Gly-Pro-Yp)n-NH2]3 (式中TPは、3つの規則正しくスペースをおく官能性基を有するテンプレート分 子であって、各該基は反復するペプチド−ペプトイド残基鎖に共有結合しており 、該テンプレート分子は該鎖のトリプルヘリックス折りたたみを誘導することが でき; Aは、随意の2官能性スペーサー分子であり; XpおよびYpは、ペプトイド残基であり; nは、3である) またはこれらの組合せ; で示される反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーのテンプレート結合アミ ノ酸鎖集合体。 13.式 TP-[A-(Gly-Pro-Hyp)n-NH2]3 (式中、TPは、3つの規則正しくスペースをおく官能性基を有するテンプレート 分子であって、各該基は、反復するトリペプチドの鎖に共有結合されており、該 テンプレート分子は該鎖のトリプルヘリックス折りたたみを誘導することができ 、 Aは、随意の2官能性のスペーサー分子であり、 nは、3である) で示される反復するトリペプチドのテンプレート結合ポリマー。 14.テンプレート結合アミノ酸鎖集合体であって、 3つの規則正しくスペースをおいた官能性基を有しているテンプレート分子、TP ;官能性末端基を有するC1〜C6アルキル鎖を含む随意のスペーサー、A; (Gly-Xp-Pro)j; (Gly-Pro-Yp)k; (Gly-Pro-Pro)l;および (Gly-Pro-HyP)m (式中、XpおよびYpは、ペプトイド残基である); からなる群から選択されるトリペプチドおよびペプチド−ペプトイド残基トリマ ーを含み、そして、j、k、l、およびmの合計=nであり、ここで、nは3である 、3アミノ酸鎖; を含み、該鎖は同じかまたは異なるアミノ酸配列を有し、直接的にまたは該スペ ーサー、Aを介して間接的に該テンプレート分子の官能性基に共有結合し、それ によって該テンプレート分子は該鎖のトリプルヘリックス折りたたみを誘導する 、テンプレート結合アミノ酸鎖集合体。 15.TPがケンプトリ酸(KTA)(cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキ サン−1,3,5−トリカルボン酸)、またはトリメシン酸(TMA)(1,3,5 −ベンゼントリカルボン酸)である、請求項12記載のテンプレート結合集合体 。 16.「A」が、Gly-(NH-CH2-COO-)および6−アミノヘキサン酸(NH2-(CH2)5- COO-)からなる群から選択されるスペーサーである、請求項12記載のテンプレ ート結合集合体。 17.XpおよびYpが、各々、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グル タミン、リシン、フェニルアラニンおよびアスパラギン酸に関連するN−置換ペ プトイドからなる群から選択されるペプトイド残基である、請求項12記載のテ ンプレート結合集合体。 18.該ペプトイド残基が、N−イソブチルグリシン(Nleu)、N−メチルグリシ ン(Sar);N−イソプロピルグリシン(Nval);およびN-sec-ブチルグリシン( Nile)からなる群から選択される請求項17記載のテンプレート結合集合体。 19.式 KTA-(Gly-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3; KTA-(Gly-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3; KTA-(Aha-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3;または KTA-(Aha-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3 (式中、YpおよびXpはペプトイド残基であり; KTAは、ケンプトリ酸(cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1, 3,5−トリカルボン酸)であり; Ahaは、6−アミノヘキサン酸(-NH2-(CH2)5-COO-)であり;そして、 nは、>1である) で示されるテンプレート結合アミノ酸鎖集合体。 20.式 TMA-(Gly-(Gly-Pro-Yp)n-NH2)3;または TMA-(Gly-(Gly-Xp-Hyp)n-NH2)3; (式中、XpおよびYpはペプトイド残基であり; TMAは、トリメシン酸(1,3,5−ベンゼントリカルボン酸)であり;そして 、 nは、>1である) で示されるテンプレート結合アミノ酸鎖集合体。 21.Xpがグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、リシン、 フェニルアラニンおよびアスパラギン酸に関連するN−置換ペプトイドからなる 群から選択されるペプトイド残基である、請求項12記載のテンプレート結合ア ミノ酸鎖集合体。 22.該ペプトイド残基が、N−イソブチルグリシン(Nleu)、N−メチルグリシ ン(Sar);N−イソプロピルグリシン(Nval);およびN−sec−ブチルグリシン (Nile)からなる群から選択される、請求項21記載のテンプレート結合集合体 。 23.XpがNleuである、請求項22記載のテンプレート結合集合体。 24.3アミノ酸鎖のトリプルヘリックス折りたたみを誘導するための方法であ って、 (a)1つの該アミノ酸鎖のN−末端を、ヘリックス誘導テンプレート分子の3 つの官能性基の各々に、直接的にかまたは2官能性スペーサー分子を介してかの い ずれかで、共有的に付着させる工程;および (b)テンプレートに集合しているアミノ酸鎖が安定なトリプルヘリックスコン ホメーションをとることを可能にする工程、 を含む方法。 25.該アミノ酸鎖を樹脂支持体上の固相セグメント縮合法により集合させる予 備的工程を含んでいる、請求項24記載の方法。 26.工程(a)が、樹脂に結合した集合させられたアミノ酸鎖のN末端を該テ ンプレートの官能性基に付着させることを含んでいる、請求項25記載の方法。 27.工程(a)が、集合した遊離のアミノ酸鎖のN末端を溶液中の該テンプレ ートの官能性基に付着させることを含んでいる、請求項24記載の方法。 28.各該アミノ酸鎖が Gly-Xp-Pro; Gly-Pro-Yp; Gly-Pro-Hyp;および Gly-Pro-Pro またはこれらの組合せ (式中、XpおよびYpは、ペプトイド残基である) からなる群から選択される反復するトリマー配列を含んでいる、請求項24記載 の方法。 29.該アミノ酸鎖が、式 (Gly-Xp-Pro)n;または (Gly-Pro-Yp)n またはこれらの組合せ (式中、XpおよびYpはペプトイド残基であり、nは>1である) で示される反復するペプチド−ペプトイド残基トリマーを含んでいる、請求項2 4記載の方法。 30.ポリペプチド鎖が反復するトリペプチドを含む、請求項24記載の方法。 31.該ポリペプチド鎖が、Gly-Pro-HypおよびGly-Hyp-Proまたはこれらの組合 せからなる群から選択される反復するトリペプチドを含んでいる、請求項 30記載の方法。 32.請求項24記載の方法により調製されるヘリックスにコンホメーションを 形成しているトリプレックスアミノ酸鎖を含んでいる合成コラーゲン材料。 33. Gly-Xp-Pro; Gly-Pro-Yp; Gly-Pro-Hyp;および Gly-Pro-Pro; (式中、XpおよびYpは、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミ ン、リシン、フェニルアラニンおよびアスパラギン酸のN−置換ペプトイド同質 異性からなる群から選択される) からなる群から選択される少なくとも1つのトリペプチドを含んでいる、単離さ れ、精製されている化合物。 34.XpおよびYpがN−イソブチルグリシン(Nleu)、N−メチルグリシン(Sar) ;N−イソプロピルグリシン(Nval);およびN−sec−ブチルグリシン(Nile )からなる群から選択される請求項33の化合物。
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