JP2000500020A - 正十二面体様アデノウイルス・タンパク質複合体、それを含む組成物、及びその使用方法 - Google Patents

正十二面体様アデノウイルス・タンパク質複合体、それを含む組成物、及びその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 在来の又は組換えアデノウイルス・タンパク質複合体、前記タンパク質複合体を含む薬剤組成物、及びそれらのヒト及び動物の疾病の治療及び予防のための用途が開示されている。前記アデノウイルス・タンパク質複合体は、各々が、アデノウイルスのゲノムの少なくとも一つの繊維と一つのペントンベースを含み、その他の構成要素を含まない12個のペントンであって、その繊維及びペントンベースが、一つ又はそれ以上のアデノウイルスから由来したものであり、前記ペントンはペントンベースにより結合されて、タンパク質分解酵素に安定な正十二面体様構造を形成し、その複合体が、4.8×106〜6.6×106の分子量を有し、その複合体が正十二面体様繊維複合体として知られるものから成るか、または各々が、アデノウイルスのゲノムの少なくとも一つの繊維と一つのペントンベースを含み、その他の構成要素を含まない12個のペントンベースであって、そのペントンベースが、一つ又はそれ以上のアデノウイルスから由来したものであり、タンパク質分解酵素に安定な正十二面体構造を形成し、その複合体が、3.2×106〜4×106の分子量を有し、その複合体か正十二面体様繊維複合体として知られるものから成る。

Description

【発明の詳細な説明】 正十二面体様アデノウイルス・タンパク質複合体、それを含む組成物、及びその 使用方法 本発明は、在来の又は組換え型アデノウイルス・タンパク質複合体、該タンパ ク質複合体を含む薬剤組成物、並びに、それらをヒト及び動物の疾病の治療(医 薬品)及び予防(ワクチン)に使用する方法に関するものである。かかるタンパ ク質複合体は、特に、所望の核酸配列、タンパク質、ペプチド若しくは化学物質 を所定の目標細胞に与え得るものである。 また、本発明は、上記タンパク質複合体の発現ベクターに関する。 アデノウイルスは、異なる種に感染する、50近くの異なるヒト血清型を含む 90以上の血清型の集団を成すDNA動物ウイルスの科を形成するものである。 アデノウイルスの細胞向性の結果、呼吸器、胃腸管及び泌尿器系統及び目が感染 する。 これらのウイルスは、ヒトの全ての感染の3%、小児肺炎の10%、及び子供 の腸感染の15%の原因となっている。 アデノウイルス分子は、相対的に複雑であり、且つ幾つかの下部構造(sub-st ructure)を含んでいる。特に、その外部部分又はキャプシッド(capsid)は、 主としてヘキソン(hexon)、ペントンベース(penton base)及び繊維(fibre :図1参照)の三つのタンパク質から形成される。 三量体タンパク質、繊維、及びペントンベースである五量体タンパク質から形 成される非共有結合複合体であるペントンは、ウイルス正二十面体の頂点を形成 する。 ペントンを形成する二つのタンパク質の各々は、感染において基礎的役割を果 たす。即ち、繊維は、ヴィリオンの細胞レセプタへの結合を許容し、ペントンベ ースは、恐らく、細胞インテグリンの相互作用(ペントンベースのレベルに存在 するarg−gly−asp配列を媒介とする、インテグリン、ヴィトロネクチ ン及びフィブロネクチンレセプタへの連鎖)により、ヴィリオンのインターナリ ゼーション(internalization)を許容する(Wickham等、Cell、1993、73、309 〜319)。加えて、ペントンベースは、エンドソーム活動を有し、ウイルスと 同時インターナリゼーション化した分子の細胞質への逃避を許容することを示唆 する観察が存在する(Seth等、ウイルス結合と細胞への逃避、1986、Ed.R.L.Cr owell & K.Lonberg-Holm、191〜195)。このように、アデノウイルスの細胞へ の結合とそれらのインターナリゼーションとは、互いに異なるが、共同する二つ の現象である。 種々の静止細胞を感染する能力のため、アデノウイルスが、遺伝子治療のため の選択ベクターとなっている。 現在用いられている方法は、目標遺伝子を持つ、複製能力に欠陥を有する組換 え型アデノウイルスを繰り返し投与することに基づくものである(PCT国際出 願:WO95/02697、及びWO 95/14101、出願人:Rhone-Poul enc Rorer SA)。 しかし、そのような欠陥のあるアデノウイルスを用いた推奨されている治療に は、少なくとも、次のような欠点がある。 − 野性(wild)アデノウイルスにより治療され、また同時感染された対象中 の組換え型ウイルスの病因性が中途回復してしまう危険性、 − 外来タンパク質を取り込むウイルス分子の大量投入による、組換え型アデ ノウイルスの繰り返し投与中における免疫反応及び炎症反応、 であり、これらの欠点が、アデノウイルスをヒトの遺伝子治療ベクターとして使 用する際の制約となっている。 そのような欠点を回避するため、ペントン又はペントンベースのみを、アデノ ウイルスのゲノムのその他の部分とは独立して用い、外部遺伝子の宿主細胞への 移動を容易にすることが、提案されている(PCT国際出願:WO 94/17 832、出願人:Scripps Research Institute)。そのようなアプローチは、複 製能力に欠陥を有する組換え型アデノウイルスに対しては利点を有するが、その ような構造(ペントン又はペントンベース)は、脆弱であり、特にペントンベー スは、タンパク質分解により破壊され得る。 その結果、本出願人は、従来技術のベクターよりもより好適に実際の要求に応 え得る、遺伝子治療に使用可能で、組換え型アデノウイルスの欠点や、上記のよ うなペントン(penton)若しくはペントンベース(penton base)の脆弱性もな いベクターを提供するという目的を有する。 本発明は、アデノウイルス・タンパク質複合体であって、 − 各々が、少なくとも一つの繊維と一つのペントンベースを含み、アデノウ イルスのゲノムの他の構成要素を含まない、12個のペントンであって、それら の繊維及びペントンベースが、同一のアデノウイルス若しくは異なるアデノウイ ルスから由来したものであり、前記ペントンはペントンベースにより結合されて 、タンパク質分解酵素に安定な正十二面体構造(dodecahedral structure)を形 成し、その複合体が、4.8×106〜6.6×106の分子量を有し、かかる複 合体が、以後、正十二面体繊維複合体(dodecahedron-fibre complex)又は正十 二面体ペントン複合体(dodecahedron-penton complex)と呼ばれるもの; − または、各々が、アデノウイルスのゲノムの他の構成要素を含まない12 個のペントンベースであって、そのペントンベースが、同一のアデノウイルス若 しくは異なるアデノウイルスから由来したものであり、タンパク質分解酵素に安 定な正十二面体構造を形成し、その複合体が、3.2×106〜4×106の分子 量を有し、かかる複合体が、以後、正十二面体ベース複合体(dodecahedron-bas e complex)と呼ばれるもの、 から形成されることを特徴するアデノウイルス・タンパク質複合体に関するもの である。 このように、かかる複合体は、前記アデノウイルスのうちの一つのもののゲノ ムの何れの要素も含まない。前記在来の又は組換え型の正十二面体様タンパク質 複合体は、外部遺伝子、核酸配列、タンパク質、ペプチド、または化学物質の目 標細胞への移動を容易にする。 本発明に従えば、前記アデノウイルスは、ヒトのアデノウイルス、及び特に、 2型アデノウイルス(Ad2)、3型アデノウイルス(Ad3)、5型アデノウ イルス(Ad5)、4型アデノウイルス(Ad4)、7型アデノウイルス(Ad 7)、9型アデノウイルス(Ad9)、11型アデノウイルス(Ad11)、1 5型アデノウイルス(Ad15)、または腸内アデノウイルス(Ad40及びA d41)、及び鳥類のアデノウイルスから選択される。 前記組換え型の正十二面体様タンパク質複合体の有利な製造方法に従えば、そ の構成要素(ベース及び/又は繊維)の少なくとも一つが、特定の細胞型に対す る親和性を増加するように修飾され得る。 このように修飾された、かかるタンパク質複合体は、その目標細胞への結合の 特性及び前記細胞におけるインターナリゼーションの特性において、野性のアデ ノウイルスに比して、如何なる減少も示さない一方、また、前記構成要素が修飾 されていない本発明に従う複合体に比しても、それらの特性の如何なる減少も示 さない。 例えば、T細胞上に存在するCD4レセプタ等の他のレセプタの結合配列の繊 維への組み込みが、組換えDNA技術(リガンドと繊維の組合せ)により、可能 である。 適当なリガンドの例として、HIVのgp120のV3ループ(CD4との連 鎖)、トランスフェリン(トランスフェリン・レセプタへの結合)、LDL(L DLレセプタへの連鎖)、脱グリコシル化(deglycosylated)タンパク質及び抗 体を挙げることが出来る。 本発明に従う、好ましい正十二面体様タンパク質複合体は、Ad3、Ad4、 Ad7、Ad9、Ad11及びAd15により形成される群から選ばれるアデノ ウイルスのものに対応する12個のペントンベースにより形成されるが、若しく は、上記のヒトアデノウイルス、腸内アデノウイルス又は鳥類のアデノウイルス の何れかのものに対応する繊維配列を有し、且つAd3、Ad4、Ad7、Ad 9、Ad11及びAd15から成る群から選はれるアデノウイルス、特に3型ア デノウイルス(Ad3)のものに対応するペントンベース配列を有する12個の ペントンにより形成される。 本発明に従う別の好ましい正十二面体様タンパク質複合体は、2型アデノウイ ルス(Ad2)又は5型アデノウイルス(Ad5)のものに対応する繊維配列を 有し、且つ3型アデノウイルス(Ad3)のものに対応するペントンベース配列 を有する12個のペントンにより形成される。 アデノウイルス・ヴィリオンに代えて本発明に従うアデノウイルス・タンパク 質を使用することにより、アデノウイルスによる感染事故の危険性が回避され、 また免疫反応や炎症反応が充分に減少されることとなる。加えて、それは特に安 定的であり、12個のペントンベースの存在により、一つのペントン又は一つの ベースのみを含む構造に比して、エンドソームの分解率が相当に増加する(細胞 質がより早く通過する)。 前記組換え型アデノウイルス・タンパク質複合体の別の有利な製造方法に従え ば、それは更に少なくとも一つのヘキソン又はウイルスタンパク質を含む。 また、本発明は、薬剤組成物であって、本発明に従うアデノウイルス・タンパ ク質複合体、及び少なくとも一つの他の化学物質を必須的に含むことを特徴とす る薬剤組成物にも関するものである。 前記組成物の有利な製造方法に従えば、前記他の化学物質は、核酸配列、タン パク質、ペプチド及び薬理学的に活性な化学物質からなる群から選択される。 化学物質がタンパク質の場合、後者は、免疫保全性及び抗原性を有し、且つ特 にワクチンの製造に良く適している。 化学物質が薬理学的に活性な化学物質である場合、それは、特に、抗癌剤や特 にアントラサイクリン(anthracycline)等の細胞毒素から選ばれる。 この後者の場合、本発明に従う組成物は、抗癌剤に通常認められる耐性(resi stance)のメカニズムを回避する利点を有する。事実、抗腫瘍化学療法に対する 耐性が起き、ヒトの癌の治療に対する大きな障害となっている。この耐性は、主 として、非常に有効な細胞外ポンプの活動が惹起されて、薬理学的に活性な物質 が細胞の内部に移動することが許容されないために起こるものである。しかしな がら、驚いたことに、本発明に従う組成物は、この耐性のメカニズムに対処して 、薬理学的に活性な物質が細胞内に導入されることを許容するものである。 活性な物質が核酸配列である場合には、それは、治療効果を有するポリペプチ ドを暗号化する遺伝子、アンチセンス配列(anti-sense sequence)及びリボチ ーム(ribozyme)から選ばれる。 暗号化配列の場合、それは、更に、ポリペプチドの発現のための活性なプロモ ータを含んでいる。 本製造方法の有利な態様に従えば、プロモータは、構成性プロモータ(consti tutive promoter)及び誘導性プロモータ(inducible promoter)から成る群か ら選ばれる。 前記活性な化学物質は、本発明に従うアデノウイルス・タンパク質複合体に、 少なくとも二つの異なる方法で結合され得る: − 破壊され得て、活性な物質の核内への通過を許容するイオン結合又は疎水 結合等の仮性結合を媒介として(核レベルでの遺伝子の発現)(リガンドは、前 記活性な物質を用いてイオン結合又は疎水結合を生産し得る物質から選ばれる) 、 − または、ワクチン組成物の製造に特に有利な結合のタイプである、共有結 合等の、活性な物質を細胞質に保持している安定結合を媒介として(活性な物質 を細胞質内に維持)(リガンドは、前記活性な物質を用いて共有結合を発生し得 る物質から選ばれる)。 事実、前記化学物質、特に、核酸配列、タンパク質又はペプチドは、適当なリ ガンドと(共有結合的に若しくは非共有結合的に)組み合わせることが可能であ る。 適当なリガンドとして、N−末端部が何れかの血清型のアデノウイルス繊維の N−末端アミノ酸配列(本発明に従うタンパク質複合体への結合領域)を含み、 C−末端部が下記のものを含むペプチドを挙げることが出来る: − ポリリシン(活性な物質、特に核酸の結合を許容する配列)、 − ポリアルギニン、 − 何れかのアデノウイルスのコアタンパク質(VIIタンパク質、ヒトアデノ ウイルスのμタンパク質又は他の動物に存在するアデノウイルスにある相同タン パク質)の部分又は完全配列、 − システイン、または − 上記の核酸配列又は上記のタンパク質と組合わされて抱合体を形成するト ランスフェリン/ポリ−L−リシン複合体。 二価性ペプチド(bifunctional peptide)と呼ばれるようなペプチドは、それ らのN−末端部により、本発明に従うアデノウイルス・タンパク質複合体に結合 され、また、それらのC−末端部により、継代(transfer)されるプラスミドD NAに結合される。 例えば、C−末端にポリリシンを含むペプチドはイオン型結合を許容し、C− 末端にシステインを含むペプチドは共有型の結合を許容し、更に、トランスフェ リンが目標細胞の表面上のトランスフェリンレセプタに結合されている、核酸又 はタンパク質とトランスフェリン/ポリ−L−リシン抱合体の組合せは、エンド ソームの化学物質の細胞質方向へのより良好な移動を許容する。 アビジン−ビオチン複合化反応及び抗−繊維、抗−ペントンベース又は抗−正 十二面体様タンパク質複合体抗体を使用することにより、核酸配列又はタンパク 質を継代する別の方法が、可能である。そのような組成物は、本発明に従う正十 二面体様タンパク質複合体と、繊維又はペントンベース或いは正十二面体様タン パク質複合体と反応するが、前記タンパク質複合体の官能性(functionality) を抑制しない抗体と、少なくとも一つのヌクレオチドがビオチン化され(biotin ylated)、標識配列又はビオチン化されたタンパク質と結合可能な、所望の核酸 配列を含むベクターと、ストレプト−アビジン(SA−PA)と結合されている タンパク質Aから成るキメラタンパク質とを使用する。ヌクレオチド又はタンパ ク質がビオチン化している事実から、それらはSA−PAキメラタンパク質と結 合可能である。そのような組成物においては、ビオチン化されたDNA又はビオ チン化されたタンパク質は、SA−PAキメラタンパク質と結合されている。即 ち、SA−PAに結合されたDNA複合体は、次に、繊維又はペントンベース或 いは正十二面体様タンパク質複合体と反応する抗体とPA半体(moiety)を介し て結合されている。このように形成された、PA−固定化された抗体−正十二面 体様タンパク質複合体を含む複合体産物は、タンパク質複合体を媒介として、目 標細胞の表面上に発現された後者の特定レセプタに結合されている。 全ての場合において、本発明に従う組成物内に含まれる或いはその組成物と組 み合わされた外生核酸配列、所望のタンパク質又はその他の化学物質は、本発明 に従う正十二面体様タンパク質複合体を媒介として、細胞内に進入する(インタ ーナリゼーション)。 驚くべきことに、正十二面体−レセプタ細胞の相互作用が、本発明に従う組成 物のインターナリゼーションとエンドソームの透過性の両者を相当に増加させ、 それによって、単一のペントンのみを含む組成物を使用した場合と比べて、外生 核酸、所望のタンパク質又はその他の化学物質及びエンドソームの、細胞質方向 への移動が相当に増加する。 前記薬剤組成物の別の製造方法に従えば、その組成物は、少なくとも一つの薬 学的に使用可能なビークルを更に含んでいる。 薬学的に使用可能なビークルとして、水、塩、デキストロース、グリセロール 、エタノール、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベン ジルアルコール(非経口投与或いは液状調製)、リポソーム或いはその他のポリ マー(例えば、カチオン性ポリマー)等の、研究した投与形態に適したビークル を挙げることが可能である。 それらの組成物は、更に、湿潤剤、乳化剤、等張化剤、溶解剤、安定化剤、着 色剤、抗血清剤等を含むものであっても良い。 本発明に従えば、前記活性な化学物質は、本発明に従う上記正十二面体様タン パク質複合体に含まれるか、或いは前記複合体と組み合わされるが、何れの場合 においても、遊離状態であっても、また前記複合体に結合された状態であっても 良い。 本発明に従う組成物は、肺経由(エアロゾル)、腹膜腔経由、非経口或いは外 科的挿入法等、種々の形態及び種々の経由ルートで投与することが可能である。 本発明に従う組成物は、ヒト及び獣の医薬品として多くの用途を有する: − ヒト及び動物の遺伝子療法、特に、肺気腫や膵臓線維症等の呼吸上皮に関 係する遺伝病における療法、 − 抗ウイルス剤(アンチセンス配列又はリボチーム)として、 − 免疫産生剤又はワクチンとして、 − 抗バクテリア、抗癌剤等として。 また、本発明は、以上に定義した如き正十二面体様アデノウイルス・タンパク 質複合体と、ヌクレオチド配列、タンパク質及び薬理学的に活性な化学物質より 、医薬品或いはワクチンとして選ばれる化学物質とを、必須的に含む組成物にも 関するものである。 また、本発明は、以上に定義した如き正十二面体様アデノウイルス・タンパク 質複合体と、ヌクレオチド配列、免疫産生物質及び抗癌物質から選ばれる化学物 質とを含む組成物であって、アデノウイルス繊維の特定レセプタを発現する細胞 及び/又は、上皮細胞、内皮細胞、血小板、リンパ細胞及び癌細胞等のインテグ リン(integrin)レセプタ、特にαvβ3又はαvβ5インテグリンを発現する細胞 に関係するヒト及び動物の疾病の治療に使用され、前記活性な化学物質の有効量 を前記細胞に放出する組成物にも関するものである。 さらに、本発明は、本発明に従う前記正十二面体様アデノウイルス・タンパク 質複合体の製造方法にも関するものである。 好ましくは、その方法は、以下の工程を含む: (1)アデノウイルスの繊維を暗号化する遺伝子と、アデノウイルスのペント ンベースを暗号化する遺伝子と、場合によっては、アデノウイルスのヘキソンを 暗号化する遺伝子とを、別々に又は同時にクローニングする工程であって、前記 遺伝子が、少なくとも一つのバキュロウイルスベクターにおける同一のアデノウ イルス又は異なるアデノウイルスから由来し、一つの遺伝子又は二つの遺伝子( 一つのペントンに対して二つの繊維を含むアデノウイルスの場合、二つの繊維が 同時発現する)を含む幾つかの組換えプラスミド、或いは同時に二つの遺伝子( または、一つのペントンに対して二つの繊維を含むアデノウイルスを使用した場 合には、三つの遺伝子)を含む一つの組換えプラスミドを得るためのものであり 、後者の場合には、使用するバキュロウイルスベクターが、二重又は三重発現カ セット(double or triple expression cassette)を含み、本発明に従うタンパ ク質複合体が少なくとも一つのヘキソンを追加的に含む場合には、前記バキュロ ウイルスベクターが多重発現カセットを含み得る、こととされた工程と、 (2)組換えプラスミドと昆虫の線状バキュロウイルスDNA断片とを同時に 感染させる(co-transfection)工程と、 (3)繊維、ペントンベース、場合によっては、ヘキソンを別個に又は同時に 発現する組換えバキュウロウイルスクローンをスクリーニングし、選択する工程 と、 (4)複製可能な組換えバキュロウイルスに対応する選択されたクローンであ って、少なくとも一つのアデノウイルスからの前記遺伝子の一つ若しくはそれ以 上を含み且つ対応するタンパク質を発現するクローンを精製する工程と、 (5)前記組換えバキュロウイルスにより発現され、昆虫細胞の溶菌を必須的 に含むタンパク質を抽出し、細胞及び核の残屑物を遠心分離により除去し、更に 上澄みを回収する工程と、及び (6)本発明に従う正十二面体様タンパク質複合体を、得られた正十二面体の 分子量及び密度の関数として変化する濃度範囲のサッカロース勾配に前記上澄み (タンパク質抽出物)を適用することにより精製し、サッカロース濃度の高い領 域の画分を回収する工程;例えば、Ad2及び/又はAd3から形成される複合 体の場合には、サッカロース勾配が15〜40%の範囲で変化し、31%〜38 %の範囲のサッカロース濃度に対応する画分を回収する工程。 かかる方法の有利な態様に従えば、工程(2)の昆虫細胞は、スポドプテラ・ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)の細胞及びトリコプルシア・ニ(Trich oplusia ni)の細胞から成る群から選択される。 変形態様における工程(2)のコトランスフェクションは、スポドプテラ・フ ルギペルダ(Spodoptera frugiperda)の細胞において採用され、当該方法が、 トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)昆虫細胞において、工程(4)で得ら れた組換えバキュロウイルスの精製されたクローンの第二のトランスフェクショ ン工程(4′)を含む。 前記方法の別の有利な実施例に従えば、工程(1)に従う二重、三重又は多重 の発現カセットを含むバキュロウイルスベクターは、二つ又は三つの強い(stro ng)プロモータを含むベクターである。 例えば、(i)唯一のクローニングサイトBamHI及びポリヒドリンポリア デニル化信号を伴なうポリヒドリンプロモータと、唯一のクローニングサイトB g1II及びEcoRI並びにSV40ポリアデニル化信号を伴なうp10プロ モータ、(ii)複製開始点M13、(iii)複製開始点pUC、及び(iv)ルシ フェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ又は抗生物質に対する耐性遺伝子(例えば、 アンピシリン)等のリポーター遺伝子(reporter gene)を含む、トランスファ ーベクターpAcUW31(クロンテック Clontech:登録商標)を挙げること が出来る。 前記方法の別の有利な態様に従えば、工程(2)の前記線状バキュロウイルス DNA断片は、ポリヒドリンを暗号化する配列に代わる三つの制限サイトBsu 36Iと遺伝子lacZを含む、例えば、前記コトランスフェクション工程(2 )の前に、制限酵素Bsu36Iにより消化されるベクターである、ウイルスD NAベクターBacPAK6(クロンテック Clontech:登録商標)等のベクタ ーから得られる。 前記方法の別の有利な態様に従えば、工程(2)のスポドプテラ・フルギペル ダ(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞は、Sf21細胞及びSf9細胞から成 る群から選ばれる。 前記方法の別の有利な態様に従えば、工程(4)のクローンの精製は、少なく とも二つの連続するサブクローニング(sub-cloning)を用いることにより、実 施される。 前記方法の別の有利な態様に従えば、工程(5)のトリコプルシア・ニ(Tric hoplusia ni)昆虫細胞は、BTI−TN−5B1−4細胞(インビトロゲン・ ハイ・ファイブ Invitrogen High Five:登録商標)である。 変形態様における工程(4′)のトランスフェクションは、上記のアデノウイ ルスより由来し、場合によっては、該アデノウイルス由来の二つの遺伝子の一方 のみを含む組換えバキュロウイルスと組み合わされる、二つの遺伝子(または、 一つのペントンに対して二つの繊維を含むアデノウイルスの場合には、三つの遺 伝子)を含む組換えバキュロウイルスのコトランスフェクションを含む。 本発明に従えば、トランスフェクションは、使用されるベクターに応じて、燐 酸カルシウム法、DEAE−デキストラン法、安定移動法、エレクトロポレーシ ョン(electroporation)、リポソーム法等の、種々の方法で実施される。 前記方法の別の有利な態様に従えば、選択された組換えバキュロウイルスによ り発現されたタンパク質の全てを抽出する工程(5)は、トリコプルシア・ニ( Trichoplusia ni)の細胞の溶菌により細胞抽出物を得ること、10mMのトリ ス緩衝剤pH8における、少なくとも数回の冷凍−解凍サイクルを行なうこと、 前記細胞抽出物に存在する細胞及び核残屑を、7000〜10000gにて、数 分間の遠心分離により除去すること、及び上澄みを回収することを含む。 前記方法の更に別の有利な態様に従えば、本発明に従うタンパク質複合体を精 製する工程(6)は、管の頂部で121000g、管の底部で275000gに て、低温(4℃)下で、17〜19時間遠心分離することを含む。 前記方法の更に別の有利な態様に従えば、工程(6)において精製された正十 二面体様タンパク質複合体は、濃縮操作を受ける。 変形態様における工程(2)は、バクテリアにおいて得られた組換えDNA( 組換えプラスミド)を単離すること、及びBac−to−Bac(登録商標)バ キュロウイルス発現システムと呼ばれるGIBCO−BRL法に従って、昆虫細 胞を前記組換えDNAとトランスフェクションすることを含む。 在来の正十二面体は、アデノウイルスにより感染した細胞にて発現されるタン パク質を抽出(上記工程(5)参照)し、サッカロース勾配上において、組換え 正十二面体を準備するための上記の条件と同じ条件下で、正十二面体様複合体を 精製することにより、有利に得られる。 本発明は、上記の特徴の他に、以下に添付の図面を参照して説明する本発明に 係わる方法の実施例から明らかとなる特徴をも更に含むものである。添付図面に おいて、 図1は、アデノウイルスの概略図である。 図2A及び図2Bは、Ad3(Ad3正十二面体)由来の繊維及びペントンベ ースを発現する細胞から得られた結果を示し、またサッカロース勾配画分から得 られた二つのSDS−PAGE電気泳動ゲルを表し、図2Aは、タンパク質(ウ ェスターン法又は免疫法)のトランスファーの結果を表し、図2Bは、クーマシ ーブルー(Coomassie Blue)で染色後の結果を表す。 図3及び図4は、正十二面体の形成におけるペントンベースの役割を示す。 図5及び図6は、それぞれ、1%の珪タングステン酸ナトリウムでネガ状態に 染色された正十二面体繊維及びAd3の正十二面体ベースを示す電子顕微鏡写真 であり、31乃至38%の範囲で変化するサッカロース勾配を遠心分離し、混合 し、透析し、更に濃縮されたサンプル材料から得られたものである。 図7は、キメラ正十二面体を示す。 図8及び図9は、本発明に従う正十二面体様タンパク質複合体のHeLa細胞 へのインターナリゼーションを示す。 図10は、正十二面体ベース及び正十二面体繊維のインターナリゼーションを 示し、ヒストグラム□は、正十二面体繊維のインターナリゼーションを表し、ヒ ストグラム■は、正十二面体ベースのインターナリゼーションを表し、横軸にウ イルス/細胞分子の量(MOI又は感染度数)を取り、縦軸に蛍光単位(任意蛍 光単位)を取ったものである。 図11は、正十二面体ペントン又は正十二面体ベースの存在下のルシフェラー ゼを暗号化する遺伝子を含むプラスミドのトランスフェクションを、同じ遺伝子 を持つ組換えアデノウイルスにより行なわれるトランスフェクションと比較して 示し、横軸にウイルス/細胞分子の量(MOI又は感染度数)を取り、縦軸に相 対光量(=RLU又は相対光単位)を取ったものである。 図12A及び12Bは、それぞれ、1%の珪タングステン酸ナトリウムでネガ 状態に染色されたDNA/ペプチド/正十二面体ペントン複合体(A)及びDN A/ペプチド/正十二面体ベース複合体(B)の電子顕微鏡写真である。 図13は、本発明に従う正十二面体様タンパク質複合体を有する二価性ペプチ ドとプラスミドDNAとの相互作用を示し、電気泳動ゲルを表す。 これらの実施例は、本発明の主題の例示のためにのみ与えられるものであり、 それらが如何なる形態の限定をも形成するものではないことが、充分に理解され なければならない。 実施例1:3型アデノウイルス正十二面体のクローニング、発現及び精製 1.繊維及びペントンベースの遺伝子のPCRによる増幅 PCR法を使用することにより、適当なベクターに挿入することが出来且つ 特定細胞を形質転換するために使用出来る有用なポリペプチドを暗号化するヌク レオチド配列を合成し、それらを後者に発現させることが可能である。 本発明に従うペントンベース及びアデノウイルス正十二面体繊維を発現する遺 伝子を製造する方法は、重合鎖反応(PCR法)におけるオリゴヌクレオチドを プライマーとして事前に選択することに依存する。 Ad3のペントンベース及び繊維の遺伝子の配列は、CUZANGE 等、Gene、1994 、146、257〜259及び SIGNAS等、J.Virol.,1985、53、672〜678に、既に、そ れぞれ記載されている。 ペントンベースを暗号化する遺伝子を増幅するために使用される5′及び3′ のプライマーは、それぞれ、5′−GGATCCGATGAGGAGACGAG CC−3′(SEQ ID No.1)及び5′−GGATCCTTAGAAAG TGCGGCTTG−3′(SEQ ID No.2)である。 繊維を暗号化する遺伝子を増幅するために使用される5′及び3′のプライマ ーは、それぞれ、5′−TTTCTTGAATTCCAGATGGCCAAGC GAGCT−3′(SEQ ID No.3)及び5′−AAAAGGAATT CAATAAAAAATGTTG−3′(SEQ ID No.4)である。 クローニングサイトには下線が引かれ、それらは、それぞれ、BamHI,B amHI,EcoRI,EcoRIである。ATG開始コドンはボールド体で、 TAAストップコドン(相補的ストランドにおいては、TTA)はイタリック体 で示されている。 Ad2及びAd5の繊維及びペントンベースの配列は、特に、Chroboczek J. 等、Virology、1987、161、549〜554及びVirology、1992、186、280〜285、及 びNeumann R.等、Gene、1988、69、153〜157に記載されている。 PCR法による増幅は、HORWITZ(「アデノウイルス科とそれらの複製」、ウ イルス学、Fields 及びNipe、eds、Raven Press、ニューヨーク、1990)に記載 されているように、HeLa細胞内での増殖により得られたウイルスから単離さ れたDNA抽出物上で実施される。 PCR緩衝剤は、例えば、50mMのKClと、10mMのpH8.3のトリ ス−HClと、1.5mMのMgCl2と、0.001%のゼラチンと、200 μMのATPと、200μMのdTTPと、200μMのdCTPと、200μ MのdGTPと、2.5ユニットのThermus aquaticusのDNAポリメラーゼ/ 100μl緩衝剤とを含む。PCR法が、下記の条件で実施される:94℃にて 2分間の変性後、94℃にて1分間、55℃にて1分間、そして72℃にて1分 間、それぞれ25サイクルのPCR操作を行なう。 2.pCR−Script(登録商標)中間ベクターにおけるPCR産物の クローニング pCR−Scriptクローニングベクター(Stratagene、カタログNo.2111 90、1994)は、PCR産物のクローニングにおける高いDNA結紮効率を持って いる。 PCR増幅産物は、TAE緩衝剤における1%アガロースゲル上での、電気泳 動により分画される。即ち、所定のバンドが分離され、そしてGENECLEA N II(登録商標)法(Bio101、Inc.)に従って、DNAが抽出される。ペント ンベース及び繊維を暗号化する遺伝子を含むDNA断片が、提供者の指示に従っ て、上記pCR−Script(登録商標)ベクターにおいて、別個に、クロー ン化される。 次に、クローンが、Sambrook等(分子クローニング、実験室マニュア ル、第2版)の、プラスミドDNAのミニ調製に関する章に記載の方法に従って 処理されて、DNAを得る。かかる条件下、アデノウイルスの繊維及びペントン ベースを暗号化する遺伝子の存在が、BamHI及びEcoRIによる消化の後 に得られた断片の寸法を、アガロースゲル上の基準産物と比較することにより、 確認される。 ポジティブなクローンが増幅され、プラスミドDNAが単離され、そして繊維 及びペントンベースの遺伝子が、分子クローニング(上記 Sambrook等)におい て通常使用される遺伝子工学の方法に従って、同様な制限酵素(BamHI及び EcoRI)による消化の後に得られる。 3.発現ベクターにおける繊維及びペントンベースの遺伝子のクローニング 二重発現ベクターpAcUW31(登録商標:クロンテック Clontech)が、 正十二面体の発現のために使用される。 先ず、ペントンベースの遺伝子が、このベクターの、ポリヒドリンプロモータ の上流となるBamHIサイトのレベルに導入される。ECL(登録商標)キッ トの方法に従って、フルオレセインに結合されたdUTPを含むペントンベース に対応する非放射性プローブを用いたハイブリダイゼーションにより、クローニ ングが確認される。プロモータに対する挿入物の位置は、ポジティブなクローン において、制限分析により決定される。 第二の工程において、繊維を暗号化する遺伝子が、前記ベクターの、p10遺 伝子の下流となるEcoRIサイトのレベルに挿入される。クローニング及び挿 入物の位置は、上記のように確認される。 ベースを暗号化する遺伝子及び繊維を暗号化する遺伝子の配列が、結果として 生じたプラスミドにおいて確認される。突然変異は検出されない。同様に、繊維 を暗号化する遺伝子又はペントンベースを暗号化する遺伝子の一方のみを持つベ クターが、上記のように調製及び分析される。 上記二つの遺伝子又はそれらの一方を持つ発現プラスミドが、HANAHAN (J.Mol.Biol.、1983、166、557〜580)に記載されているように、TG−l E.coli系統に形質転換され、そしてプラスミドの大量精製が、公知の遺 伝子工学技術(上記 Sambrook等)を使用することにより行なわれる。 また、必要であれば(二つの繊維を組むアデノウイルスの使用の場合において )、A.J.Belyaev及びT.Roy(N.A.R、1993、21、1219〜1223)に記載されてい るように、三重発現ベクターを使用することも可能である。 4.昆虫細胞におけるトランスフェクション 組換えプラスミド(100ng)が、KITTS等(N.A.R、1990、18、19、5667〜 5672)に記載されている技術に従って、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodopte ra frugiperda)細胞(Sf21)及びトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni) 細胞(ハイ−ファイブ High Five:登録商標)におけるリポフェクチン(登録商 標:GIBCO)の存在下、線状バキュロウイルス(クロンテック Clontech: 登録商標;酵素Bsu36Iにより消化されたBacPAK6)ウイルスDNA )に(別個に)コトランスフェクションせしめられる。この方法により、80% 以上の形質転換効率が得られる。各々の場合において、数個のクローンを選択し 、その発現が、繊維の抗原−特異ポリクローンラビット抗体及びペントンベース により実施されるウェスタン法(Western blot technique)により、検出される 。 5.ポジティブなクローンの精製 組換えバキュロウイルスの分離株が、三回平板培養された後、KING及びP OSSEE(バキュロウイルス発現系、ラボラトリ・ガイド、L.A.KING及びR.D .POSSEE、e.d.:CHAPMAN & HALL、1992)の方法に従って滴定操作される。二つ のタンパク質の発現の後、前述のウェスタン法を実施する。 6.タンパク質の精製 正十二面体発現の様子を、二つの細胞型について、即ち、5%の胎児牛血清を 含むGIBCO TC 100培地で27℃で培養された付着細胞(Sf21又 はSf9細胞)、または10%の胎児牛血清を含むGIBCO TC100培地 で27℃で培養された付着細胞(ハイ−ファイブ High Five:登録商標)につい て、5日間観察する。ハイ−ファイブ(登録商標)細胞の方がタンパク質発現率 が相当に高いことから、大規模なタンパク質の発現は、これらの細胞についての み可能である。 発現率を増加する目的で、二つの遺伝子を持つバキュロウイルス及び一つの遺 伝子のみを持つ異なる量のバキュロウイルスに昆虫細胞をコトランスフェクショ ンさせるテストを試みたが、意味のあるものではなっかった。 組換えバキュウロウイルス(多数の感染5)による感染の3日後、ハイ−ファ イブ細胞(登録商標)が、プロテアーゼ阻害物質を含む、pH8の10mMトリ ス緩衝剤において得られる。 同じトリス緩衝剤において、冷凍−解凍を3サイクル実施することにより、細 胞の溶解が行なわれる。溶菌抽出物から、7000〜10000gで五分間遠心 分離を行なうことにより、固形要素(細胞及び核の残屑物)が除かれた後、溶菌 抽出物が、10%グリセロール、150mMのNaCl、10mMのトリス−H Cl、pH7.4及び2mMのEDTAを含む勾配緩衝剤において、15乃至4 0%の範囲で変化するサッカロース勾配(11ml)操作を受ける。 BeckmannのSW41ロータにおいて、管の頂部で121000g、そ の底部で275000gにて、4℃で18時間遠心分離された後、このように処 理されたサンプルは、800μlの画分として、管の頂部より回収される。 このような条件下、正十二面体が、31〜38%サッカロースを含む画分とし て回収される。これらの画分が、サッカロース及びグリセロールの無い勾配緩衝 剤と混合されて透析操作を受ける。 正十二面体が、Centriprep(登録商標:Amicon)により遠心分離さ れて、濃縮される。 図2A及び図2Bは、正十二面体の精製後に得られた結果を示す。即ち、それ らは、上記のサッカロース勾配により得られた各画分の部分標本(aliquot)か ら得られるもので、1%のSDSの存在下における加熱、及び二つの10%SD S−ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動により、変性せしめられる。タン パク質が、その移動及びその後の抗−繊維及び抗−ペントンベース−特異抗体と の反応(ウェスタン法)により、一方のゲル上で分析され(図2A)、他方のゲ ル上では、ブリリアント・クーマシー・ブルーによる染色により分析される。管 の頂部に位置する画分は、ペントンベース及び遊離の繊維を含み、31〜38% のサッカロース領域で回収された画分は、本発明に従う正十二面体様タンパク質 複合体を含む。 図5は、ネガ状態に染色されたAd3の正十二面体繊維の電子顕微鏡写真を示 す。上の図は、異なる配向の所定数の正十二面体を含むフィールドを示し、番号 2、3及び5が付された図は、フィルムサポート上における、異なる対称軸(そ れぞれ、オーダー2、オーダー3、オーダー3)に従う正十二面体を示す。オー ダー5の対称軸を示す図において、10本の繊維が見られ、11番目及び12番 目の繊維は、恐らく、紙面に対して垂直な面に位置しているものである。 図6は、ネガ状態に染色されたAd3の正十二面体ベースの電子顕微鏡写真を 示す。上の図は、異なる配向の所定数の正十二面体を含むフィールドを示し、番 号2、3及び5が付された図は、フィルムサポート上における、異なる対称軸( それぞれ、オーダー2、オーダー3、オーダー3)に従う正十二面体を示す。 これらの画分は、それらのベースを媒介として正十二面体において組み合わさ れたペントン(図5)から成る球状粒子を含んでいる。 図5及び図6において、オーダー2、オーダー3及びオーダー5の異なる対称 軸が容易に判別出来る。 繊維(2本の繊維の対向した頭部の間)を持つ正十二面体の直径は49nmで あり、ベース部の直径(一方のベースの上部から他方のベースの上部まで)は、 27.8nm(繊維を持たない正十二面体の直径(27.5nm)と略同じ直径 )である。見出され得る解離された正十二面体のペントンは、ベースの下部から 繊維頭部の端部までの寸法が21.4±1nm(n=24)である。 正十二面体の内部は、約350nm3の内部容積を持つキャビティで形成され ている。 7.正十二面体の形成におけるペントンベースの役割 ペントンベース及び繊維から形成される正十二面体は、二つの遺伝子を持つバ キュロウイルスからの同時発現プロセスのみでなく、各々一つの遺伝子(図3A 、3B)を持つ二つのバキュロウイルスによる同時感染(co-infection)プロセ スも経て、昆虫の細胞内で形成され得る。 正十二面体の形成におけるペントンベースの役割を研究するために、このアプ ローチを選択した。 Ad2ベースをAd2繊維又はAd3繊維と共に用いる場合、高密度サッカロ ース画分において得られるタンパク質は、ペントン(図4D)又はベース(図4 E)の非構造化集塊を含む。 キメラアデノウイルスペントンは、種々の血清型に由来する精製繊維及びペン トンベースを試験管培養することにより、形成され得る。 そのような方法を用いることにより、唯一、ベースから成る正十二面体が得ら れた。Ad2に感染した細胞から単離され、在来Ad2繊維を有するAd3ベー スのみから成る正十二面体の培養後、挿入された異種繊維を持つ正十二面体が得 られる(図4及び図7)。 これらの実験により、Ad2及びAd3アデノウイルスの研究に関する限り、 正十二面体の形成は、Ad3ベースの存在に依存するものであり、Ad2ベース の存在に依存するものではないことが判明した。 Ad3ペントンベースがバキュロウイルス系にのみ発現される場合には、それ は、略全面的に正十二面体の形態で回収される(図3C)。 Ad2繊維が前もって形成された正十二面体ベースに挿入される場合、キメラ 正十二面体の形成により、キメラペントンの形成に関する上記の結果が確認され る。 図3及び図4は、正十二面体の形成におけるペントンベースの役割を示す。実 施例1に示されるように、サッカロース密度勾配の異なる画分のウェスタン法に よる分析が行なわれる。図3Aは、バキュロウイルス由来のAd3ベース及び繊 維の同時発現を示す。図3Bは、各々遺伝子の一つを持つ二つのバキュロウイス ルを用いた同時感染により得られたAd3ベース及び繊維の同時発現を示す。図 3Cは、Ad3ベースの発現を示す。図4Dは、各々一つの遺伝子を持つ二つの バキュロウイスルを用いた同時感染により得られたAd2ベース及びAd3繊維 の発現を示す。図4Eは、Ad2ベースの発現を示す。図4Fは、前もって在来 Ad2繊維を用いてインビボで形成された正十二面体ベース(Ad3)の培養に よる正十二面体のインビトロでの形成を示す。 実施例2正十二面体の細胞間蓄積 図8及び図9は、HeLa細胞における正十二面体のインターナリゼーション を示す写真である。 これらの写真を取るために、カバーガラス(直径1.2cm)上の、10%の 胎児ウシ血清を含むDMEM培地で、5×104HeLa細胞の部分を培養する 。50μlの3%PBS−BSA中の1μgの正十二面体を用いて、各カバーガ ラスを4℃で2時間培養する。細胞を冷却PBSで二回洗浄し、そして3%のP BS−BSA中において、37℃で0〜45分間培養する。−20℃で5分間メ タノールにより処理することにより、細胞が固定され、透過性が与えられる。次 に、カバーガラスを、抗−繊維抗体(1:200、50μlの3%PBS−BS A/カバーガラス)を用いて、37℃で1分間培養し、PBSにて二回洗浄し、 続いてフルオレセイン(1:250、50μlの3%PBS−BSA/カバーガ ラス)に接合された抗体を用いて30分間培養する。PBSでの最終洗浄の後、 カバーガラスを、50%グリセロール/50%PBS中の50mg/mlの1、 4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2.]オクタン(Sigma)の一滴を用いて、顕 微鏡のスライド上に載置する。MRC600同時焦点顕微鏡(Bio−Rad) で観察する。 図8及び図9は、4℃での培養後では前記細胞に正十二面体様タンパク質複合 体が単に付着するのみであるが、37℃での培養後では前記複合体のインターナ リゼーションが見られる。 4℃では、正十二面体か細胞の表面に存在(抗−繊維抗体による染色後に目視 可能)する。図8及び図9は、HeLa細胞が37℃で転移する場合の正十二面 体のインターナリゼーションの進行を時間の関数で示す。5分迄は、像が非常に 類似している(インターナリゼーションが認められない)。10〜15分間の培 養の後(図8)、核膜の近辺での正十二面体の大量の転移が観察される。更に長 い(20〜45分間)の培養(図9)により、より多くの拡散信号が現れ、正十 二面体の細胞質の空洞化を示す。正十二面体の進行が抗−ベース血清を伴なう場 合にも、同様な結果が得られる。 同様な実験を、Ad3ベースのみから形成される正十二面体について、実施す る。前記の実験におけるものと同様なモル比を使用する場合には、同時焦点電子 顕微鏡により、何等の付着若しくはインターナリゼーションも観察されない。し かし、正十二面体−ベースの量を増やした場合には、インターナリゼーションが 観察される。正十二面体−繊維について得られるものに相当する程度のインター ナリゼーションを得るには、正十二面体−ベースの量を10乃至20倍にする必 要がある。図10は、1時間のインターナリゼーションの後に得られた結果を示 す。30分間のインターナリゼーションの後にも、同様な結果が得られる。 これらの実験の結果、正十二面体の量を増加することにより、繊維の不存在が 補償され得ることが認められるが、繊維が存在する場合には、正十二面体が細胞 に導入される際の効率が向上する。 これらの結果は、繊維の結合親和性がペントンベースのそれの30倍であるこ とから(それぞれ、KdS:1.7及び55nM)、血清型2(Ad2)のアデ ノウイルスについて、説明可能である。 ウイルスの付着及びインターナリゼーションが起こる温度では、Ad3正十二 面体がHeLa細胞に付着し、10〜20分の後、ウイルスの導入に適した温度 においては、正十二面体が細胞質、特に、核膜の細胞質表面に認められる。全体 的な動きは、付着の20分後おいて、導入されているウイルス接種原(Ad5) の約50%が核の周辺に存在する場合、ウイルス感染の第一工程のものと同様で ある。 Ad3正十二面体の細胞導入の場合には、正十二面体及びその成分は、始めの 20分間或いはその後(図8及び図9)において、それらの状態が変化すること はない。 実施例3:繊維及び二価性ペプチドを持つ或いは持たないAd3正十二面体を 利用した、ルシフェラーゼ遺伝子によるヒト細胞のトランスフェクション:本発 明に従うアデノウイルス・タンパク質複合体の、組換えアデノウイルス又はリポ ソーム(DOTAP)との、トランスフェクション効率の比較 − ペプチドの調製 合成された二価性ペプチドは、Ad3繊維のN−末端部に対応する20個のア ミノ酸と、DNAのようなポリアニオンを固定化し得るポリカチオンを与えるC −末端側の20個のリシンを有する。 ポリペプチド配列I:AKRARLSTSFNPVYPYEDES(K)20( SEQ ID No.5) 他の二価性ペプチドの調製が可能である。それらは、例えば、アデノウイルス 繊維のN−末端を有し、(1)ポリアルギニン又は(2)VIIタンパク質、ヒト のアデノウイルスのμタンパク質或いは他の動物のアデノウイルスに見られる相 同コアタンパク質等の、アデノウウルスの部分又は完全コアタンパク質配列によ り、それらのC−末端に向かって延びる。 また、次の4個のペプチドが合成された: − ポリペプチドII(50個のアミノ酸): AKRARLSTSFNPVYPYEDESSRRRRRSRPTTVSNR LVVVSTRRRSSRRRR(SEQ ID No.6) − ポリペプチドIII(42個のアミノ酸): SFNPVYPYEDESSRRRRRSRPTTVSNRLVVVSTRR RSSRRRR(SEQ ID No.7) − ポリペプチドIV: SFNPVYPYEDESMRRAHHRRRRASHR(SEQ ID N o.8) − ポリペプチドV: SFNPVYPYEDESGRRRKRTATRRRS(SEQ ID No. 9) ポリペプチドII及びIIIにおいて、30個のアミノ酸のボールド体で示すC− 末端断片は、アヴィアン(avian)アデノウイルス血清型1(FAV1又はCE LO)に対応し、下線部は、Ad3繊維の長断片又は短断片に対応する。 ポリペプチドIV及びVにおいて、ボールド体で示すC−末端部は、それぞれ、 ヒトアデノウイルスのμタンパク質とアヴィアンCELO Ad1のμタンパク 質に対応する。 これらの二価性ペプチドの全ては、DNAのトランスフェクションに、別個に 或いは混合して、使用可能である。 − 輸送されるDNA(活性な物質)を含むプラスミドの調製 ルシフェラーゼレポータ遺伝子(pGL3−制御ベクター)を暗号化するプラ スミドは、E.coli JM109において産生され、Qiagenにより精 製される。 − 方法 混合物1:繊維を持つ或いは持たない正十二面体サンプルが、5μgの二価性 ペプチドを用いて、DMEM培地において周囲温度で15分間培養され、その後 ルシフェラーゼ遺伝子を持つ1.5μgのpGL3プラスミドが添加される。 混合物2:加えて、DOTAP(Boehringer)と1.5μgのpGL3プラス ミドの混合物が、提供者の指示通りに、DOTAP/DNA比が4となるように 調製される。 24ウェル(well)を含むプレートにおいて、105HeLa細胞/ウェルの 部分が、上記混合物及びAd511uc組換えアデノウイルスを用いて、平行し て、37℃で1時間トランスフェクションされる。 48時間後、プロメガキット(Promega Kit)の助けにより、細胞溶解物中の 発光量が測定される。 実施例4:本発明に従うアデノウイルス・タンパク質複合体を持つ二価性ペプ チドと輸送されるプラスミドDNAとの相互作用の観察 DNA/ペプチド/正十二面体ペントン及びDNA/ペプチド/正十二面体ベ ース複合体が、培地を添加することなく、トランスフェクションテストにおいて 述べたように(実施例3参照)、調製される。図12A及び図12Bに示される 、これらの複合体の電子顕微鏡写真が、コンパクトな形態のDNAを、正十二面 体ペントン(A)及び正十二面体ベース(B)と共に示す。平行して、増量され た正十二面体ベースが、周囲温度で15分間、200ngのペプチドを用いて培 養される。250ngのプラスミドDNAが添加され、そして5分後に、TBE 緩衝剤で準備された1%アガロースゲル上にサンプルが堆積され、その後に、5 0ボルトで1時間、電気泳動操作を受ける。 DNAが、臭化エチジウムによる染色により確認され、UVにより視覚観察さ れる。全てのサンプルがプラスミドDNAを含む。トラック1は、プラスミドD NAのみに対応する。トラック2は、正十二面体ベース(ペプチドを含まず)と 混合されたプラスミドDNAに対応する。トラック3乃至7は、プラスミドDN A、二価性ペプチド、及びそれぞれ1ng、10ng、100ng、500ng 及び1000ngの正十二面体ベースを含む。トラック8乃至12は、二価性ペ プチド、及びそれぞれ1ng、10ng、100ng、500ng及び1000 ngの正十二面体ペントンを含む。 本図は、ペプチドが正十二面体及びプラスミドに付着し、その構造を修飾する ことを良く示している。即ち、プラスミドDNAがコンパクトとなり、その移動 が遅れている。中間帯域(矢印参照)の存在若しくは更に移動の不存在(トラッ ク6及び7)。 以上述べたことから明らかなように、本発明は、具体的に記載された実施例、 実施方法及び用途に決して限定されるものではなく、本発明の思想又は範囲を逸 脱することなく当業者が発想し得る全ての変形例を包含するものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年12月17日(1997.12.17) 【補正内容】 請求の範囲 1. アデノウイルス・タンパク質複合体であって、 − 各々が、少なくとも一つの繊維と一つのペントンベースを含み、アデノウ イルスのゲノムの他の構成要素を含まない12個のペントンであって、その繊維 及びペントンベースが、同一のアデノウイルス若しくは異なるアデノウイルスか ら由来したものであり、前記ペントンはペントンベースにより結合されて、タン パク質分解酵素に安定な正十二面体様構造を形成し、その複合体が、4.8×1 06〜6.6×106の分子量を有するもの、 − または、各々が、アデノウイルスの他の構成要素を含まない12個のペン トンベースであって、そのペントンベースが、同一のアデノウイルス若しくは異 なるアデノウイルスから由来したものであり、タンパク質分解酵素に安定な正十 二面体構造を形成し、その複合体が、3.2×106〜4×106の分子量を有す るもの。 2. 前記アデノウイルスが、ヒトのアデノウイルス、及び、特に、2型アデノ ウイルス(Ad2)、3型アデノウイルス(Ad3)、5型アデノウイルス(A d5)、4型アデノウイルス(Ad4)、7型アデノウイルス(Ad7)、9型 アデノウイルス(Ad9)、11型アデノウイルス(Ad11)、15型アデノ ウイルス(Ad15)又は腸内アデノウイルス(Ad40及びAd41)、及び 鳥類のアデノウイルスから選択されることを特徴とする請求項1に従うアデノウ イルス・タンパク質複合体。 3. 構成要素(ベース及び/又は繊維)の少なくとも一つが、特定の細胞型に 対する親和性を増加するように修飾され得ることを特徴とする請求項1又は2に 従うアデノウイルス・タンパク質複合体。 4. さらに、少なくとも一つのヘキソン又はウイルスタンパク質を含むことを 特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに従うアデノウイルス・タンパク質複 合体。 5. 請求項1乃至請求項4の何れかに従うアデノウイルス・タンパク質複合体 、及び少なくとも一つの他の化学物質を必須的に含むことを特徴とする薬剤 組成物。 6. 前記化学物質が、核酸配列、タンパク質、ペプチド、及び薬理学的に活性 な化学物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に従う組成物。 7. 前記化学物質がタンパク質の場合、それは、好ましくは、免疫保全性及び 抗原性を有していることを特徴とする請求項5又は請求項6に従う組成物。 8. 前記化学物質が核酸配列である場合、それは、治療効果を有するポリペプ チドを暗号化する遺伝子、アンチセンス配列及びリボチームから選ばれることを 特徴とする請求項5又は請求項6に従う組成物。 9. 暗号化配列を含む場合、構成性プロモータ及び誘導性プロモータからなる 群より選ばれた、ポリペプチドの発現のための活性なプロモータを、更に含むこ とを特徴とする請求項8に従う組成物。 10.前記化学物質が核酸配列又はタンパク質である場合、それは、適当なリガ ンドとの組合せが可能であることを特徴とする請求項5、6、8及び9の何れか に従う組成物。 11.前記リガンドが、前記化学物質との結合を生ずることの出来る物質から選 ばれることを特徴とする請求項10に従う組成物。 12.前記リガンドが、N−末端部が血清型を問わないアデノウイルス繊維のN −末端アミノ酸配列を含み、且つC−末端部が特にポリリシン、ポリアルギニン 、または何れかのアデノウイルスのコアタンパク質の部分又は完全配列、システ イン又はトランスフェリン/ポリ−L−リシン複合体から選ばれることを特徴と する請求項11に従う組成物。 13.さらに、少なくとも一つの薬学的に使用可能なビークルを含むことを特徴 とする請求項5乃至請求項12の何れかに従う組成物。 14.請求項1乃至請求項4の何れかに従うアデノウイルス・タンパク質複合体 、及び請求項5乃至請求項13の何れかに従うヌクレオチド配列、タンパク質及 び薬理学的に活性な化学物質から選ばれる化学物質を、医薬品として必須的に含 む組成物。 15.請求項1乃至請求項4の何れかに従うアデノウイスル・タンパク質複合体 、及び請求項6又は請求項7に従うタンパク質から選ばれる化学物質を、ワクチ ン調剤として必須的に含む組成物。 16.請求項5乃至請求項13の何れかに従う組成物であって、正十二面体様ア デノウイルス・タンパク質複合体と、ヌクレオチド配列、免疫産生物質及び、抗 癌物質から成る群から選ばれた薬理学的に活性な化学物質から選ばれる化学物質 とを含む組成物であって、上皮細胞、内皮細胞、血小板、リンパ細胞及び癌細胞 等の、アデノウイルス繊維の特定レセプタを発現する細胞及び/又はインテグリ ンレセプタ、特にαvβ3又はαvβ5インテグリンを発現する細胞に関係するヒト 及び動物の疾病の治療に使用され、前記活性な化学物質の有効量を前記細胞に放 出する組成物。 17.アデノウイルスから由来する、請求項1乃至請求項4の何れかに従う正十 二面体様アデノウイルス・タンパク質複合体の製造方法であって、 (1)アデノウイルスの繊維を暗号化する遺伝子と、アデノウイルスのペント ンベースを暗号化する遺伝子とを、別々に又は同時にクローニングする工程であ って、前記遺伝子が、少なくとも一つのバキュロウイルスベクターにおける同一 のアデノウイルス又は異なるアデノウイルスから由来し、一つの遺伝子又は二つ の遺伝子を含む幾つかの組換えプラスミド、或いは同時に二つ又は三つの遺伝子 を含む一つの組換えプラスミドを得るためのものである工程と、 (2)組換えプラスミドと昆虫細胞における線状バキュロウイルスDNA断片 とをコトランスフェクションさせる工程と、 (3)繊維及びペントンベースを別個に又は同時に発現する組換えバキュウロ ウイルスクローンをスクリーニングし、選択する工程と、 (4)複製可能な組換えバキュロウイルスに対応する選択されたクローンであ って、少なくとも一つのアデノウイルスからの前記遺伝子の一つ若しくはそれ以 上を含み、且つ対応するタンパク質を発現するクローンを精製する工程と、 (5)前記組換えバキュロウイルスにより発現されたタンパク質を抽出する工 程と、 (6)正十二面体様タンパク質複合体を、得られた正十二面体の分子量及び密 度の関数として変化する濃度範囲のサッカロース勾配に、工程(5)で得られた 抽出物を適用することにより精製し、サッカロース濃度の高い領域の画分を回収 する工程と を含むことを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。 18.使用されるバキュロウイルスが、二重、三重又は多重発現カセットを含む ことを特徴とする請求項17に従う方法。 19.工程(2)の昆虫細胞は、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera fru giperda)の細胞及びトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)の細胞から成る群 より選ばれることを特徴とする請求項17又は請求項18に従う方法。 20.工程(2)のコトランスフェクションが、スポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda)の細胞において実施され、当該方法が、工程(4)に おいてトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)昆虫細胞において得られた組換 えバキュロウイルスの精製されたクローンをトランスフェクションする第二工程 (4′)を含むことを特徴とする請求項17乃至請求項19の何れかに従う方法 。 21.工程(2)のスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆 虫細胞は、Sf21細胞及びSf9細胞から成る群より選ばれることを特徴とす る請求項19又は請求項20に従う方法。 22.工程(4′)のトランスフェクションは、上記のアデノウイルスより由来 し、場合によっては、アデノウイルス由来の二つの遺伝子の一方のみを含む組換 えバキュロウイルスと組み合わされる、二つの遺伝子を含む組換えバキュロウイ ルスのコトランスフェクションを含むことを特徴とする請求項20に従う方法。 23.アデノウイルスから由来する、請求項1乃至請求項4の何れかに従う正十 二面体様アデノウイルス・タンパク質複合体の製造方法であって、 − 請求項17に従う工程(1)、 − 組換えプラスミドの分離工程(2)及び前記組換プラスミドによる昆虫細 胞のトランスフェクション、及び − 請求項17に従う工程(3)乃至(6) を含むことを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12P 21/02 C12P 21/02 C (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 ファンデル,パスカル フランス国 38000 グルノーブル アブ ニュ・アルザス・ロレーヌ 67 アパルト マン 607

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. アデノウイルス・タンパク質複合体であって、 − 各々が、少なくとも一つの繊維と一つのペントンベースを含み、アデノ ウイルスのゲノムの他の構成要素を含まない12個のペントンであって、その繊 維及びベントンベースが、同一のアデノウイルス若しくは異なるアデノウイルス から由来したものであり、前記ペントンはペントンベースにより結合されて、タ ンパク質分解酵素に安定な正十二面体様構造を形成し、その複合体が、4.8× 106〜6.6×106の分子量を有するもの、 − または、各々が、アデノウイルスのゲノムの他の構成要素を含まない1 2個のペントンベースであって、そのペントンベースが、同一のアデノウイルス 若しくは異なるアデノウイルスから由来したものであり、そしてタンパク質分解 酵素に安定な正十二面体構造を形成し、且つその複合体が、3.2×106〜4 ×106の分子量を有するもの。 2. 前記アデノウイルスが、ヒトのアデノウイルス、及び、特に、2型アデノ ウイルス(Ad2)、3型アデノウイルス(Ad3)、5型アデノウイルス(A d5)、4型アデノウイルス(Ad4)、7型アデノウイルス(Ad7)、9型 アデノウイルス(Ad9)、11型アデノウイルス(Ad11)、15型アデノ ウイルス(Ad15)又は腸内アデノウイルス(Ad40及びAd41)、及び 鳥類のアデノウイルスから選択されることを特徴とする請求項1に従うアデノウ イルス・タンパク質複合体。 3. 構成要素(ベース及び/又は繊維)の少なくとも一つが、特定の細胞型に 対する親和性を増加するように修飾され得ることを特徴とする請求項1又は請求 項2に従うアデノウイルス・タンパク質複合体。 4. さらに、少なくとも一つのヘキソン又はウイルスタンパク質を含むことを 特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに従うアデノウイルス・タンパク質複 合体。 5. 請求項1乃至請求項4の何れかに従うアデノウイルス・タンパク質複合体 、及び少なくとも一つの他の化学物質を必須的に含むことを特徴とする薬剤 組成物。 6. 前記化学物質が、核酸配列、タンパク質、ペプチド、及び薬理学的に活性 な化学物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に従う組成物。 7. 前記化学物質がタンパク質の場合、それは、好ましくは、免疫保全性及び 抗原性を有していることを特徴とする請求項5又は請求項6に従う組成物。 8. 前記化学物質が核酸配列である場合、それは、治療効果を有するポリペプ チドを暗号化する遺伝子、アンチセンス配列及びリボチームから選ばれることを 特徴とする請求項5又は請求項6に従う組成物。 9. 暗号化配列を含む場合、構成性プロモータ及び誘導性プロモータからなる 群より選ばれた、ポリペプチドの発現のための活性なプロモータを、更に含むこ とを特徴とする請求項8に従う組成物。 10.前記活性な物質が核酸配列又はタンパク質である場合、それは、適当なリ ガンドとの組合せが可能であることを特徴とする請求項5、6、8及び9の何れ かに従う組成物。 11.前記リガンドが、前記化学物質との結合を生ずることの出来る物質から選 ばれることを特徴とする請求項10に従う組成物。 12.前記リガンドが、N−末端部が何れかの血清型のアデノウイルス繊維のN −末端アミノ酸配列を含み、且つC−末端部が特にポリリシン、ポリアルギ ニン、または何れかのアデノウイルスのコアタンパク質の部分又は完全配列、シ ステイン又はトランスフェリン/ポリ−L−リシン複合体から選ばれることを特 徴とする請求項11に従う組成物。 13.さらに、少なくとも一つの薬学的に使用可能なビークルを含むことを特徴 とする請求項5乃至請求項12の何れかに従う組成物。 14.請求項5乃至請求項13の何れかに従う組成物であって、アデノウイスル ・タンパク質複合体及びヌクレオチド配列、タンパク質及び薬理学的に活性な化 学物質から選ばれる化学物質を、医薬品として必須的に含む組成物。 15.アデノウイスル・タンパク質複合体及び請求項5乃至請求項7の何れかに 従うタンパク質から選ばれる化学物質を、ワクチン調剤として必須的に含む 組成物。 16.請求項5乃至請求項13の何れかに従う組成物であって、正十二面体様ア デノウイルス・タンパク質複合体と、ヌクレオチド配列、免疫産生物質及び、抗 癌物質から成る群から選ばれた薬理学的に活性な化学物質から選ばれる化学物質 とを含む組成物であって、上皮細胞、内皮細胞、血小板、リンパ細胞及び癌細胞 等の、アデノウイルス繊維の特定レセプタを発現する細胞及び/又はインテグリ ンレセプタ、特にαvβ3又はαvβ5インテグリンを発現する細胞に関係するヒト 及び動物の疾病の治療に使用され、前記活性な化学物質の有効量を前記細胞に放 出する組成物。 17.アデノウイルスから由来する、請求項1乃至請求項4の何れかに従うタン パク質複合体の製造方法であって、 (1)アデノウイルスの繊維を暗号化する遺伝子と、アデノウイルスのペント ンベースを暗号化する遺伝子とを、別々に又は同時にクローニングする工程であ って、前記遺伝子が、少なくとも一つのバキュロウイルスベクターにおける同一 のアデノウイルス又は異なるアデノウイルスから由来し、一つの遺伝子又は二つ の遺伝子を含む幾つかの組換えプラスミド、或いは同時に二つ又は三つの遺伝子 を含む一つの組換えプラスミドを得るためのものである工程と、 (2)組換えプラスミドと昆虫細胞における線状バキュロウイルスDNA断片 とをコトランスフェクションさせる工程と、 (3)繊維及びペントンベースを別個に又は同時に発現する組換えバキュウロ ウイルスクローンをスクリーニングし、選択する工程と、 (4)複製可能な組換えバキュロウイルスに対応する選択されたクローンであ って、少なくとも一つのアデノウイルスからの前記遺伝子の一つ若しくはそれ以 上を含み、且つ対応するタンパク質を発現するクローンを精製する工程と、 (5)前記組換えバキュロウイルスにより発現されたタンパク質を抽出する工 程と、 (6)正十二面体様タンパク質複合体を、得られた正十二面体の分子量及び密 度の関数として変化する濃度範囲のサッカロース勾配に、工程(5)で得られた 抽出物を適用することにより精製し、サッカロース濃度の高い領域の画分を回収 する工程と を含むことを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。 18.使用されるバキュロウイルスが、二重、三重又は多重発現カセットを含む ことを特徴とする請求項17に従う方法。 19.工程(2)の昆虫細胞は、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera fru giperda)の細胞及びトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)の細胞から成る群 より選ばれることを特徴とする請求項17又は18に従う方法。 20.工程(2)のコトランスフェクションが、スポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda)の細胞において実施され、当該方法が、工程(4)に おいてトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)昆虫細胞において得られた組換 えバキュロウイルスの精製されたクローンをトランスフェクションする第二工程 (4′)を含むことを特徴とする請求項17乃至請求項19の何れかに従う方法 。 21.工程(2)のスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆 虫細胞は、Sf21細胞及びSf9細胞から成る群より選ばれることを特徴とす る請求項17乃至請求項20の何れかに従う方法。 22.工程(4′)のトランスフェクションは、上記のアデノウイルスより由来 し、場合によっては、アデノウイルス由来の二つの遺伝子の一方のみを含む組換 えバキュロウイルスと組み合わされる、二つの遺伝子を含む組換えバキュロウイ ルスのコトランスフェクションを含むことを特徴とする請求項20に従う方法。 23.アデノウイルスから由来する、請求項1乃至請求項4の何れかに従うタン パク質複合体の製造方法であって、 − 請求項17に従う工程(1)、 − 組換プラスミドの分離工程(2)及び前記組換プラスミドを用いた昆虫細 胞のトランスフェクション、及び − 請求項17に従う工程(3)乃至(6) を含むことを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
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