JP2000357589A - 有機el素子およびその製造方法 - Google Patents

有機el素子およびその製造方法

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JP2000357589A
JP2000357589A JP16715399A JP16715399A JP2000357589A JP 2000357589 A JP2000357589 A JP 2000357589A JP 16715399 A JP16715399 A JP 16715399A JP 16715399 A JP16715399 A JP 16715399A JP 2000357589 A JP2000357589 A JP 2000357589A
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Taku Kamimura
卓 上村
Nobuyuki Okuda
伸之 奥田
Kozo Kimura
康三 木村
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Junichi Ono
純一 小野
Nobuyuki Minami
信行 南
Yozo Nishiura
洋三 西浦
Norio Isshiki
功雄 一色
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness System Technologies Research Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の有機EL素子において、セグメント表示
は絶縁膜でなされているが、厚い透明導電膜を必要とす
るので、抵抗値の増大、不均一化などの不良品発生の要
因となっている。 【解決手段】透明な基板上に、透明電極、少なくとも1
層の有機層および陰極層が積層された有機EL素子にお
いて、透明電極膜上の配線部は仕事関数4.8eV以下
の金属から成る膜で被覆されているが、発光パタ―ン部
は該金属膜の被覆が除去されていることからなる有機E
L素子を提供する。本発明は、従来の絶縁膜に代えて前
記の金属膜でパターン化するものであって、透明導電膜
を0.1μm以下に小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面光源やディス
プレイ等に使用される有機EL素子およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機系の蛍光性物質の薄膜を電界
発光(EL)に利用した発光素子が広く開発されてい
る。有機EL素子は、基材上に少なくとも1層の有機層
が少なくとも一方が透明である陽極、陰極に挟まれた構
造を有し、様々の有機低分子や高分子の蛍光体の中から
適当なものを選択することにより、赤から青までの発光
色が得られるので、各種表示への応用が可能とされてい
る。
【0003】通常、有機EL素子は少なくとも1層以上
の有機層(発光層)が電極薄膜で挟まれた薄膜素子であ
り、下部電極としてガラスなど透明基板上にITO(イ
ンジウムスズ酸化物)膜などの透明導電膜をパターニン
グして用いている。従来、有機EL素子において、セグ
メント表示をする場合、図1のようにITO上に絶縁膜
を設け発光パタ―ン部分のみ絶縁膜を窓開き状に除去し
て、発光エリアをデザインする手法が一般的である(特
開平3−274694号公報、特開平4−51494号
公報、特開平4−87187号公報)。
【0004】上記のように、有機EL素子は、基材上に
有機薄膜を積層させた素子であるが、その素子厚みは一
般に0.5μm以下である。従って、基材上の透明導電
膜の表面平滑性が悪く表面凹凸が大きいと素子寿命の低
下や素子の短絡不良が起こりやすいことが判っている。
このために、透明導電膜表面を酸処理や研磨加工によっ
て平滑にすることがなされている(特開平4−8718
7号公報、特開平9ー7770号公報、特開平9ー12
0890号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記において、絶縁膜
の材料としては有機材料や無機材料が使用されており、
通常、有機材料としては感光牲高分子材料や非感光性高
分子材料が、また無機材料としては二酸化シリコン(S
i02)や窒素化シリコン等が用いられる例が多い。
【0006】ところが、これらの絶縁膜をピンホール発
生などの欠陥をなくするように作製しようとすると膜厚
が大きくなり絶縁膜エッジ部分で段差を生じ、素子に応
力が掛かったり、段差部で素子膜中に欠陥が生じたり、
また甚だしい場合は段差切れが生ずるなど、素子のリー
ク電流不良の主な原因の―つになっている。また有機絶
縁膜の場合、スピンコートなどの手法で製膜することが
多いが、0.5μm以下の膜厚に制御することは困難で
ある。さらに有機物を絶縁膜として素子中に残すことか
ら耐熱性など、素子の耐久性にも問題がある。
【0007】酸化シリコンや窒化シリコンなど無機絶縁
膜の場合もその材料の特性上金属膜に比ペるとピンホ―
ルができやすく、少なくとも0.1μm以上の膜厚にす
る必要があり段差部での素子不艮が大きな問題となって
いる。一方、陽極である透明導電膜としてはITOなど
一酸化物導電体か用いられているが、このITOの抵抗
率は10-4Ωcmとアルミや銅など一般の金属に比べて一
桁程度、抵抗値が大きい。このためにそれ自体の抵抗に
よる電圧降下が引き起こす発光ムラ、発熱が問題とな
る。そこで抵抗を下げるためITO膜厚を0.1μm以
上に厚くする必要があり、このためにITO段差部での
不良も間題となる。
【0008】さらに、従来の有機EL素子において、透
明導電膜の平坦化は、表面研磨や酸処理といった工程が
必要なために、生産コストが高くなりしかも表面を研磨
剤や中和剤などで汚染されやすいという問題がある。そ
こで、本発明の目的は、上記のような絶縁膜を使用する
ことに伴う問題や、積層体を平坦化することに伴う問題
が解消された有機EL素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々検討した結果、本発明を完成した
ものである。すなわち、本願発明は次の発明を包含す
る。 1)透明な基板上に、透明電極、少なくとも1層の有機
層および陰極層が積層された有機EL素子において、透
明電極膜上の配線部は仕事関数4.8eV以下の金属か
ら成る膜で被覆されているが、発光パタ―ン部は該金属
膜の被覆が除去されていることを特徴とする有機EL素
子。
【0010】2)透明電極がインジウム、スズおよび亜
鉛からなる群から選択されたいずれかを含有する酸化物
導電体であってその膜厚が100nm以下である上記
1)項記載のセグメント型有機EL素子。 3)透明電極がインジウム、スズおよび亜鉛からなる群
のいずれかを含有する酸化物導電体でありその膜厚とそ
の上に設けられた仕事関数4.8eV以下の金属膜の膜
厚との合計が500nm以下である上記1)または2)
項に記載の有機EL素子。
【0011】4)仕事関数4.8eV以下の金属が、ク
ロム、アルミニウム、銅およびチタンの群から選択され
たいずれかである上記1)〜3)項のいずれかに記載の
有機EL素子。 5)透明電極膜上の仕事関数4.8eV以下の金属膜を
表面から一定の深さまで酸化処理させた上記1)〜4)
項のいずれかに記載の有機EL素子。
【0012】6)有機EL素子の製造において、(1)
基板上の透明電極膜上に所望の配線パターンを作製する
工程、(2)配線部およびパターン部の全体を仕事関数
4.8eV以下の金属膜で被覆する工程、(3)配線部
の前記金属膜を保持し、発光パターン部の前記金属膜を
除去する工程、および(4)少なくとも1層の有機層お
よび陰極層を積層する工程、に付することを特徴とする
有機EL素子の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、透明な
基板上に、透明電極、正孔輸送層、有機蛍光体よりなる
発光層および陰極層が積層されたものであって、透明電
極膜上の配線部は仕事関数4.8eV以下の金属から成
る膜で被覆されているが、発光パタ―ン部は該金属膜の
被覆が除去されていることを特徴とするものである。
【0014】[作用]本発明の有機EL素子におけるセ
グメント表示は、仕事関数4.8eV以下の金属よりな
る膜で発光パタ―ンを規定することによりなされる。該
金属膜としては可視光を反射する不透明な金属が望まし
く、金属膜で覆われたエリアは素子内部で発光が生じた
としても透明電極上の金属膜に反射されて外部からは発
光が観測されない。
【0015】該金属膜は仕事関数4.8eV以下の金属
を使用することにより、その金属膜で覆われている部分
には電流が流されず、金属膜が窓開状に除去された発光
すペきエリアにのみ電流が流れるように注入電流にエリ
ア選択性を持たせることができる。その機構を次に説明
する。
【0016】有機EL素子は,発光取り出しのため透明
電極上にITO(インジウムスズ複合酸化物)やIZO
(インジウム亜鉛複合酸化物)などの透明導電膜を設け
て陽極とするのが一般的である。そこで陽極の仕事関数
を紫外光電子分光分析などの手法を用いて調べると4.
8eV〜5.2eVであることが判明した。―般的に陽
極の仕事関数が大きくなるほど陽極上有機層との界面で
のエネルギー障壁が小さくなる。電流はエネルギ―障壁
の小さいところを選択的に流れる性質を持っていること
から、陽極上に仕事関数4.8eV以下の金属膜を設け
ることにより金属膜のあるエリアでは有機層界面でのエ
ネルギー障壁が、金属膜を除去した発光エリアより大き
くなり金属膜を除去した発光エリアに選択的に電流が流
れることとなる。また金属膜の表面から―定深さだけ酸
化処理を施し、金属膜から有機層への電流流入を防止す
ることも可能となる。
【0017】このように、仕事関数4.8eV以下の金
属膜を設けることによって、従来、絶縁材料の膜により
発光エリアを規定するために用いたと同様のセグメント
表示の目的が達せられる。本発明の有機EL素子は、上
記のような作用機構に基づく構成を採るほかは、他の構
成要件は従来と同様である。 [陽極材料]ITOあるいはIZOなど透明導電膜を用
いることができる。その膜厚は表面平滑性を良くするた
め、また透明導電膜エッジ部での段差による不良を低減
するため0.01μm以上0.1μm以下であることが
好ましい。製膜方法はスパッタ、電子ビ―ム蒸着、レ―
ザ―アブレ―ション、イオンプレ―ティングなどの手法
で製膜される。
【0018】[金属膜]金属膜の形成には、仕事関数
4.8eV以下の金属を用いればよいが、仕事関数の下
限は通常2.0eV以上であることが望ましい。その具
体的な金属としてはクロム、アルミニウム、銅、チタン
などが挙げられる。金属膜厚としては透明導電膜エッジ
部での段差による不良を低減するため0.2μm以下で
あることが好ましい。金属膜は抵抗加熱蒸着、スパッ
タ、電子ビ―ム蒸着などの方法で製膜できる。
【0019】また、金属膜に酸化処理を行う場合、その
方法としては酸素雰囲気中で加熱処理を行う方法や酸素
プラズマ処理を行う方法がある。酸素雰囲気中加熱では
70〜400℃で酸素中で加熱することで表面酸化が可
能である。表面から酸化の深さは、加熱温度、加熱処理
時間を適宜選択することで調節できる。酸化層の厚さは
特に限定されないが、金属膜の導電性を維持しようとす
ると金属膜厚の50%以下であることが好ましい。この
酸化処理は、酸素と不活性ガス例えば窒素やアルゴンな
どとの混合ガスとすることができる。酸素プラスマを使
用する場含にはECR(電子サイクロトロン)を用いた
プラズマ発生装置やRF(ラジオ波)を用いたプラズマ
発生装置を用いることができる。[有機層および陰極]
有機EL素子の有機低分子あるいは高分子材料、陰極材
料、積層構造、膜厚、製膜方法については従来のいかな
るものも用いることができる。例えば、特開平9−77
70号公報に記載されているものを適宜使用できる。
【0020】有機の層は、単層、複層のいずれの構成で
もよいが、複層構造の場合、有機の層の層数や層構成な
どは特に限定されず、たとえば陽極側から陰極側へ順
に、下記の各層の中から2層以上を適宜、選択して組み
合わせることによって構成される。
【0021】(a) 陽極からホール輸送層にホールが注
入されるのを助ける〈ホール注入層〉。 (b) 陽極から注入されたホールを陰極側へ輸送する
〈ホール輸送層〉。 (c) 陰極から注入された電子を陽極側へ輸送する〈電
子輸送層〉。 (d) 陰極から電子輸送層に電子が注入されるのを助け
る〈電子注入層〉。 かかる各層はそれぞれ、特定の機能を有する有機化合物
のみで形成してもよいし、上記有機化合物を、たとえば
バインダーとしての、それ自体がキャリヤ輸送性を有す
るまたは有しない高分子中に分散させて形成してもよ
い。
【0022】また、ポリフェニレンビニレン誘導体など
の高分子材料単独で有機膜を構成してもよい。上記各層
を備えた複層構造を有する有機の層の具体例としては、
これに限定されないが、例えば(A) ホール輸送層と電
子輸送層の2層を備え、このうちのいずれか一方または
両方が発光するもの、(B) ホール注入層とホール輸送
層と電子輸送層の3層を備え、このうちホール輸送層お
よび/または電子輸送層が発光するもの、(C) ホール
輸送層と電子輸送層と電子注入層の3層を備え、このう
ちホール輸送層および/または電子輸送層が発光するも
の、(D) ホール注入層とホール輸送層と電子輸送層と
電子注入層の4層を備え、このうちホール輸送層および
/または電子輸送層が発光するもの、などがあげられ
る。
【0023】上記各層構成の素子において、ホール輸送
層および/または電子輸送層のいずれが発光するかは、
両層に含まれる有機化合物の機能(たとえばホール輸送
材料であればホール輸送性、電子輸送材料であれば電子
輸送性など)の強弱とその組み合わせ、およびそれぞれ
の層の厚みなどを調整することによって適宜、変更する
ことができる。
【0024】また上記各層のうち発光する層には、その
発光波長を調整するために、1種または2種以上の蛍光
色素を含有させてもよい。次に、前記の各層に含有させ
る有機化合物の例について説明する。前記各層のうちホ
ール注入層を構成する、ホールの注入性にすぐれた有機
化合物としては、たとえば、式(1):
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
6は同一または異なって水素原子、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基お
よびシアノ基を示し、φ1およびφ2は同一または異なっ
て、置換基を有していてもよい芳香族環を示す。)で表
されるトリフェニルアミン誘導体(特願平11−139
174)や、式(2):
【0027】
【化2】
【0028】で表される銅フタロシアニンや、あるいは
ポリアニリン、ポリチオフェン、カーボンなどがあげら
れる。ホール輸送層を構成するホール輸送材料として
は、上記のトリフェニルアミン誘導体(1)や、公知の
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン
(トリフェニルアミンの二量体であり、(「TPD」と
略称される)、トリフェニルアミンの三量体[「HTM
1」と略称、Appl.Phys.Lett.66(20)、2679(199
5)]、トリフェニルアミンの四量体[「TPTE」と
略称、Macromol.Symp.125,181-188(1997)]、メタ
位連結のトリフェニルアミンの四量体[「m−TPT
E」と略称、第45回応用物理学関係連合講演会 講演予
稿集(1998.3.東京工科大学)や、あるいは式(3):
【0029】
【化3】
【0030】で表されるN,N′−ジフェニル−N,
N′−ジ(2−ナフチル)−1,1′-ビフェニル−
4,4′−ジアミン(「NPD」と略称)などの、従来
公知のホール輸送材料を、素子の耐熱性に影響しない範
囲で併用することもできる。電子輸送層を構成する電子
輸送材料としては、たとえば式(4):
【0031】
【化4】
【0032】で表される1,2,4−トリアゾール誘導
体(「DPTAZ2」と略称)や、あるいはトリス(8
−キノリノラート)アルミニウム(III)錯体(「Al
q」と略称)などがあげられる。また電子注入層は、電
子輸送材料の中でも電子の注入性にすぐれた材料にて構
成される。かかる電子注入性にすぐれた電子輸送材料と
しては、たとえば上記Alqの他、式(5):
【0033】
【化5】
【0034】で表されるシアノ基置換トリアゾール2量
体(「CNTAZ2」と略称)などの1,2,4−トリ
アゾール誘導体があげられる。さらに、ホール輸送層お
よび/または電子輸送層のうち発光する層に添加しても
よい蛍光色素としては、たとえばレーザー用の色素など
の、励起子によって励起されて蛍光を発することのでき
る種々の色素が、目的とする発光波長にあわせて1種単
独で、あるいは2種以上、使用される。
【0035】蛍光色素の具体例としては、たとえばシア
ニン染料、キサンテン系染料、オキサジン染料、クマリ
ン誘導体、キナクリドン誘導体、ナフタセン誘導体、ペ
リレン誘導体、アクリジン染料、アクリドン染料、キノ
リン染料などがあげられる。より具体的には、式
(6):
【0036】
【化6】
【0037】で表されるクマリン6(緑色発光)、式
(7):
【0038】
【化7】
【0039】で表されるクマリン7、式(8)や
(9):
【0040】
【化8】
【0041】[式中、R12、R13、R14およびR15は、
同一または異なって、水素原子、アルキル基またはアリ
ール基を示す。]などで表されるキナクリドン色素(緑
色発光)、式(10):
【0042】
【化9】
【0043】で表されるルブレン(5,6,11,12
−テトラフェニルナフタセン、黄色発光)などが、蛍光
色素として好適に使用される。またその他にも、たとえ
ばテトラフェニルブタジエン、4−ジシアノメチレン−
2−メチル−6−p−ジメチルアミノスチリル−4H−
ピランなどのジシアノメチレンスチリルピラン系色素、
ペリレン、ナイルレッドなども、蛍光色素として使用で
きる。
【0044】複層構造の有機の層を構成する前記各層の
厚みはとくに限定されないが、各層それぞれ5〜100
nm程度、とくに10〜80nm程度であるのが好まし
い。また、上記各層を2層以上、積層した複層構造にお
ける有機の層のトータルの厚みは、積層した層数などに
よっても異なるが、80〜200nm程度、とくに10
0〜150nm程度であるのが好ましい。
【0045】上記の、単層または複層構造の有機の層
は、前述したように種々の形成方法にて形成することが
できる。すなわち層を構成する有機化合物を、真空中
で、抵抗加熱などの方法で加熱、昇華させて下地上に堆
積させるいわゆる真空蒸着法などの気相成長法や、ある
いは層を構成する有機化合物を適当な溶剤中に溶解また
は分散した塗布液を、スピンコート法、ディップコート
法などによって下地上に塗布したのち乾燥させて溶剤を
除去する溶液塗布法などによって形成することができ
る。
【0046】かかる有機の層を挟む陰陽両極は、発光層
からの発光を素子外に取り出すために、少なくとも一方
が透明である必要がある。電子およびホールの注入効率
に係わる仕事関数などを考慮すると、陽極を、ITO
(インジウムチンオキサイド)、IXO[In23(Z
nO)m六方晶層状化合物]などの透明導電材料にて形
成し、つまり透明とし、陰極は、Mg/Ag、Al/L
iなどの、アルカリ金属、アルカリ土類金属を含む合金
にて形成するか、あるいはフッ化リチウム、酸化リチウ
ムなどのリチウム化合物の層とAl層などの金属層との
積層構造とするとともに、製造工程上、陽極を基材の直
上に、陰極を、当該陽極上に積層された有機の層の最上
層に、それぞれ配置して、陽極と基材を通して光を素子
外に取り出すのが一般的であり、本発明においても、か
かる構成を採用するのが好ましい。
【0047】また陰極を、たとえば上記合金製の、厚み
100nm以下、より好ましくは50nm以下の層(電
子注入電極)と、その上に積層された透明導電材料の層
の2層構造などとすると、当該陰極も透明となるため、
基材や、上記の各層を保護する保護層、各層を封止する
封止材などとして透明な材質のものを使用することによ
り、素子の非発光時にその全体が透明な有機エレクトロ
ルミネッセンス素子がえられる。
【0048】上記の各層を支持する基材としては、たと
えばガラス板、プラスチック板、プラスチックフィル
ム、金属板、金属箔などの種々の材質のものがあげられ
る。前記のように陰陽両極のうち陽極が透明で、基材を
通して光を取り出す構成の素子や、あるいは上記のよう
に陰陽両極が透明で、その全体が透明な素子の場合に
は、上記のうちガラス板や、透明性の高いプラスチック
からなる板やフィルムなどが基材として好適に使用され
る。
【0049】[封止]有機EL素子は水分、酸素に弱い
ため、ハーメチックシール、乾燥剤と共に窒素中での封
止や保護膜によるパシベーションなどが一般的に行われ
るが、本発明による有機EL素子において、従来のいか
なる封止法も適用できる。
【0050】
【実施例】以下に、実施例および比較例をあげて本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1〜6 有機EL素子を作製するために、基板として所定の膜厚
のITO透明電極摸(陽極)付きガラス基板(10mm
角)を用意した。このITO膜をフォトリソグラフィー
でエッチングして配線パターン作製した。次いで、金属
膜をマグネトロンスパッタ法で所定の膜厚に製膜し、フ
ォトリソグラフィーにてエッチングし発光パターン(5
mm角正方形)を形成した。また金属膜の酸化処理の影
響をみるために、酸素雰囲気中300℃で10分間処理
した基板も作製した。
【0051】上記の加工基板を界面活性剤(セミコクリ
ーン56、フルウチ化学株式会社製)、イソプロパノー
ル煮沸洗浄により清浄化処理した後、素子成膜を行っ
た。順にホール注入層として銅フタロシアニンを400
Å、ホ―ル輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,
N′−ジ(2−ナフチル)−1,1′−ビフェニル−
4,4′−ジアミン(「α−NPD」と略称)を400
Å、電子輸送性発光層としてジメチルキナクリドンを
0.4%添加したアルミキノリン錯体(Alq3)を6
00Å、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を
10Å、陰極としてAlを1000Å、抵抗加熱による
真空蒸着法(真空度10-6〜10-7torr)で成膜し
た。
【0052】作製した素子はグローブボックス中で乾燥
窒素雰囲気下で乾燥剤(醸北バリウム)と共にUV硬化
性のエポキシ樹脂を塗布した封止用ガラス板または金属
缶を貼り付け、UV照射および熱硬化により封止を行つ
てサンプルとした。作製条件を表1のように種々変えて
6種の素子を得て、それぞれ実施例1〜6とした。
【0053】上記にようにして得られた素子について、
原子間力顕微鏡で測定したITO膜の表面粗さの2乗和
平均値(R.M.S.値)を測定し、さらにそれぞれの
実施例の条件で50個の有機EL素子を作製し40mA
/cm2の一定電流密度で1000時間駆動させたとき
に短絡により、消灯不良を起こした素子の割合(消灯不
良率)、80℃で1000時間高温放置した際の発光効
率の変化を測定した。それらの結果を表1にまとめて示
す。
【0054】
【表1】
【0055】比較例1〜3 1)ポリイミド膜(東レ製フォトニース)をパターニン
グ用絶縁膜として使用した以外は実施例と同様にして素
子を作製した(比較例1)。 2)Si02膜をスパッタリング製膜してパターニング
用絶緑膜として使用した以外は前記実施例と同様にして
素子を作製した(比較例2)。
【0056】3)仕事関数5.0eVのAu(金)膜を
スパッタリング製膜してパターニング用絶縁膜として使
用した以外は実施例と同様にして素子を作製した(比較
例3)。 上記の比較例1〜3の加工条件と、評価結果を表2にま
とめて示す。
【0057】
【表2】
【0058】表1および表2の結果から、次の知見が得
られる。実施例1〜6の場合、消灯不良率が12%以下
と低いのに対し、従来の絶縁膜を用いた比較例1および
2の場合では不良率が40%台と高い。また実施例1と
3ではITO膜厚とCr膜厚が異なるだけであるが、消
灯不良率を比較すると膜厚の大きな実施例3の方がやや
高くなっている。膜厚が大きいと段差が大きくなると共
にITO表面凹凸も増加する傾向を示し、このことが不
良率増大につながっている。なお、実施例3の場合であ
っても従来のものより消灯不良率は低い。
【0059】さらに80℃、1000時間の高温放置試
験の結果では従来の有機絶縁膜を用いた比較例1だけが
発光効率の劣化が大きい。実施例のようにして、金属膜
をパターニング膜とすることにより耐熱安定性が向上す
る。また金属表面に酸化処理を施すことにより、消灯不
良率が最も低くなっており、酸化処理が不良率低減に有
効であることを示している。
【0060】次に、実施例1〜6の素子において、金属
膜窓開け部のみ発光が観測され、金属膜被覆部では発光
は観測されなかったので、発光エリアと金属膜被覆部と
の発光コントラスト比は暗所においては無限大であっ
た。これに対し、仕事関数5.0eVであるAu(金)
膜をパターニング膜に用いた比較例3では、金膜被覆部
から発光が観測され発光エリアと金属膜被覆部との発光
コントラスト比は暗所においても10:1と低下した。
このことは,金の仕事関数がIT0よりも大きいため電
流が金膜被覆部にも流れ発光したためである。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、透明導電膜の抵抗は問
題とならないために、ITOなど透明導電膜の厚みを
0.1μm以下まで導くことができ、ITO段差部によ
る不良を低減することができる。さらに膜厚の厚い絶縁
膜の代わりに、表面平坦性の良い金属膜であることから
0.1μmの膜厚でピンホールのない膜を作製できる。
このように本発明では不良要因の1つである段差を従来
のものよりも格段に小さくすることができる。
【0062】透明導電膜の表面は、ITOなど酸化物導
電体膜は多結晶膜であることから、膜厚が厚いと1結晶
粒のサイズが大きくなり表面凹凸が大きくなって、平滑
性を欠く原因になる。本発明では、従来に比ペ透明導電
膜の膜厚を薄くでき、たとえばITO膜厚を0.1μm
以下にすることも可能であるから、表面研磨や酸処理な
しにITO表面凹凸を充分に低減することができる。
【0063】また有機絶縁膜を素子中に残さないことか
ら、アウトガス、基板ガラスとの熱膨張係数の差による
ストレスの発生などがなく、素子の耐熱性、耐久性も従
来法によって有機繊維膜を用いた場合よりも向上する。
本発明においては、発光エリア規定のために金属膜を用
いており、発光エリア以外は透明導電膜上に抵抗の小さ
な金属膜を設けることから、配線部での電圧降下の問題
が解消できる。つまり、従来の絶縁法では、端子接続部
から陽極の透明導電膜を通って発光エリアまで電流が広
がるのに対し、本発明では透明導電膜上の抵抗がより小
さな金属膜を通って発光エリアまで電流が広がるため透
明導電膜の抵抗は問題とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の絶縁膜を用いてパターニングした有機E
L素子の一例を示す。図1(a)は断面図で表した例
を、図1(b)は平面図で表した例をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 ITO透明陽極 3 絶縁膜 4 有機層 5 Al陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 卓 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 奥田 伸之 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 木村 康三 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 上羽 良信 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小野 純一 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 南 信行 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 西浦 洋三 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 一色 功雄 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB05 AB11 CA01 CB01 CC00 DA01 DB03 EB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な基板上に、透明電極、少なくとも1
    層の有機層および陰極層が積層された有機EL素子にお
    いて、透明電極膜上の配線部は仕事関数4.8eV以下
    の金属から成る膜で被覆されているが、発光パタ―ン部
    は該金属膜の被覆が除去されていることを特徴とする有
    機EL素子。
  2. 【請求項2】透明電極がインジウム、スズおよび亜鉛か
    らなる群から選択されたいずれかを含有する酸化物導電
    体であって、その膜厚が100nm以下である請求項1
    記載の有機EL素子。
  3. 【請求項3】透明電極がインジウム、スズおよび亜鉛か
    らなる群のいずれかを含有する酸化物導電体でありその
    膜厚とその上に設けられた仕事関数4.8eV以下の金
    属膜の膜厚との合計が500nm以下である請求項1ま
    たは2に記載の有機EL素子。
  4. 【請求項4】仕事関数4.8eV以下の金属が、クロ
    ム、アルミニウム、銅およびチタンの群から選択された
    いずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の有機E
    L素子。
  5. 【請求項5】透明電極膜上の仕事関数4.8eV以下の
    金属膜を表面から一定の深さまで酸化処理させた請求項
    1〜4のいずれかに記載の有機EL素子。
  6. 【請求項6】有機EL素子の製造において、(1)基板
    上の透明電極膜上に所望の配線パターンを作製する工
    程、(2)配線部およびパターン部の全体を仕事関数
    4.8eV以下の金属膜で被覆する工程、(3)配線部
    の前記金属膜を保持し、発光パターン部の前記金属膜を
    除去する工程、および(4)少なくとも1層の有機層お
    よび陰極層を積層する工程、に付することを特徴とする
    有機EL素子の製造方法。
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