JP2000357547A - 低抵抗コネクタ - Google Patents
低抵抗コネクタInfo
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Abstract
性があり、長期保存も可能な銀粉末を含む導電性部材を
使用することにより、大量に安価に製造することができ
る低抵抗コネクタを提供する。 【解決手段】 ゼブラタイプの低抵抗コネクタであっ
て、導電性エラストマ層としてのシリコーンゴム組成物
が下記(A)〜(C)からなる。 (A)平均組成式(1)で示され、脂肪族不飽和基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサン・・・・・・10
0重量部、 RnSiO(4-n)/2・・・・・・(1) (式中Rは同一または異種の非置換または置換の1価炭
化水素基、nは1.98〜2.02の正数。) (B)予め銀粉末中に無機質充填剤および球状有機樹脂
から選ばれる粉体を少なくとも0.2重量%混合してな
る導電性粉末・・・・・・100〜800重量部、 (C)硬化剤 ・・・・・・上記(A)成分を硬化させ得る
量。
Description
(COG、TABタイプ)と回路基板との接続、あるい
は電子回路基板間の接続に用いられる低抵抗コネクタに
関する。
に、U字型金属線コネクタに替えて、銀粉末を含有する
コネクタを使用することが検討されてきた。このコネク
タは、導電性エラストマ層と絶縁性エラストマ層とをゼ
ブラ状に積層されているため、接触が安定しており点接
触になり難く、表示不良になりにくい。しかし、導電性
部材としての銀粉末は凝集しやすく、長期間保存してお
くとエラストマへの添加が困難になる問題があった。ま
た、凝集したものを配合すると分散性不良となり、抵抗
値の不安定、不均一性の原因となってしまう。また、多
重積層してゼブラコネクタとするときに、前述の銀粉末
の分散性が悪いと、ブロック状態での加硫プレスの時
に、導電層内もしくは導電層と絶縁層との界面で裂ける
現象(パンク)が起こることがある。このため、大量に
安定して製造することが非常に困難であった。
ディスプレイと回路基板、回路基板間の接続において安
定した導通抵抗を得ることが可能となり、銀粉末として
の長期保存も可能で、シリコーンゴムへ添加した場合も
銀粉末との親和性に優れ良好な分散性があり、安定した
抵抗値を有する導電性部材を使用することにより、大量
に安価に製造することができる低抵抗コネクタを提供す
ることにある。
めに、本発明の低抵抗コネクタは、少なくとも一方が可
撓性を有する導電性エラストマ層と絶縁性エラストマ層
とを、その接合面が互いに平行となるように交互に、か
つ多重に積層したものであって、前記導電性エラストマ
層の導電性部材としてのシリコーンゴム組成物が下記
(A)〜(C)からなるシリコーンゴム組成物の硬化物
からなる。 (A)下記平均組成式(1)で示され、脂肪族不飽和基
を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン・・・・・・
100重量部、 RnSiO(4-n)/2・・・・・・(1) (ただし、式中Rは同一または異種の非置換または置換
の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正
数である。) (B)予め銀粉末中に無機質充填剤および球状有機樹脂
から選ばれる粉体を少なくとも0.2重量%混合してな
る導電性粉末・・・・・・100〜800重量部、 (C)硬化剤 ・・・・・・上記(A)成分を硬化させ得る
量。 (B)成分の粉末は、微粉末シリカであることが好まし
い。銀粉末に混合される微粉末シリカの比表面積は、5
0m2/g以上であることがさらに好ましい。銀粉末に
混合された(B)成分の粉体量は、0.5〜5重量%で
あるとさらに好ましい。
るため鋭意検討を行った結果、予め銀粉末に少なくとも
0.2重量%の無機質充填剤および球状有機樹脂から選
ばれる粉体を混合した導電性粉末を用いることにより、
分散性の優れた銀粉末(導電性粉末)となることで、単
なる銀粉末を用いる場合の上述した問題点を解決し得る
ことを見出した。
ルガノポリシロキサン100重量部に、予め銀粉末中に
少なくとも0.2重量%の無機質充填剤および球状有機
樹脂から選ばれる粉体を混合してなる導電性粉末を10
0〜800重量部配合することにより、銀粉末の経時で
の凝集が少なく、シリコーンゴム組成物に配合した場合
の分散性に優れるため、安定した体積抵抗率を得ること
ができ、得られたシリコーンゴム組成物は、有機過酸化
物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン/白金系触
媒単独でも、また有機過酸化物とオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン/白金系触媒の併用系でも硬化し得、
その成形物は、結果的に安定的な電気的に抵抗の低い
(高導電性)部材となり、長期の使用に耐え得ることか
ら、コネクタに最適であることを知見し、本発明をなす
に至った。 RnSiO(4-n)/2・・・・・・(1) (式中、Rは同一または異種の非置換または置換1価炭
化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。)
る。本発明に係るシリコーンゴム組成物の第1必須成分
のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で
示されるものである。 RnSiO(4-n)/2・・・・・・(1) (式中、Rは同一または異種の非置換または置換1価炭
化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数であ
る。)
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等
のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、
ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基
等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のア
ラルキル基などや、これらの基の炭素原子に結合した水
素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基など
で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、
シアノエチル基などから選択される同一または異種の好
ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8
の非置換または置換1価炭化水素基である。この場合、
Rは脂肪族不飽和基(アルケニル基)を少なくとも2個
有していることが必要であるが、R中の脂肪族不飽和基
の含有量は0.001〜20モル%、特に0.025〜
5モル%であることが好ましい。また、nは1.98〜
2.02の正数である。上記式(1)のオルガノポリシ
ロキサンは、基本的には直鎖状であることが好ましい
が、分子構造の異なる1種または2種以上の混合物であ
ってもよい。
均重合度が100〜10,000であることが好まし
い。次に、銀粉末について説明すると、本発明で使用す
る銀粉末は、特に限定されるものではなく、例えば電解
法、粉砕法、熱処理法、アトマイズ法、化学的製法など
で製造された、粒状、樹枝状、フレーク状などの粉末が
挙げられる。更には、ガラスビーズやフェノール樹脂に
銀をメッキした材料でもよい。また、本発明に使用され
る銀粉末の粒径は特に限定されないが、好ましくは平均
粒径が0.05〜100μm、特に0.1〜10μmの
範囲がよい。なお、本発明の銀粉末の形状は特に限定さ
れず、例えば、粒状、樹枝状、フレーク状、不定形状で
あり、またこれらの形状を有する銀粉末の混合物であっ
てもよいが、低抵抗コネクタの導電性部材のシリコーン
ゴムを形成するためには完全に独立した分散ではなく、
銀の粉末が部分的に連結していることが望ましい。
例えば、スタンプミル、ボールミル、振動ミル、ハンマ
ーミル、圧延ローラ、乳鉢等の公知の装置が挙げられ
る。また、還元銀、アトマイズ銀、電解銀またはこれら
2種以上の混合物からなる銀粉末を圧延する条件は特に
限定されず、使用する銀粉末の粒径や形状により選択す
る必要がある。粉砕法による銀粉末の場合、粉砕する装
置は特に限定されず、例えば、スタンプミル、ボールミ
ル、振動ミル、ハンマーミル、圧延ローラ、乳鉢等の公
知の装置が挙げられる。また、還元銀、アトマイズ銀、
電解銀またはこれら2種以上の混合物からなる銀粉末を
圧延する条件は特に限定されず、使用する銀粉末の粒径
や形状により選択する。銀粉末は、ガラスビーズやフェ
ノール樹脂に銀をメッキした材料でもよい。また、銀粉
末と併用して、従来から知られている導電性カーボンブ
ラック、導電性亜鉛華、導電性酸化チタン等の他の導電
性無機物などの導電材や、増量剤としてシリコーンゴム
パウダ、ベンガラ、粉砕石英、炭酸カルシウムなどの充
填剤を添加してもよい。
やすく、これらは絶縁物質であるため製造した銀粒子含
有のコネクタを空気中に放置しておくと、酸化や硫化さ
れて抵抗値の上昇を招くおそれがある。低抵抗コネクタ
の導電性部材のシリコーンゴムを形成するために利用さ
れるフレーク状の銀粉末は、粉砕法で得られたものが用
いられ得る。一般的に銀粉末を粉砕する際に、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸等の飽和または不飽和の高級脂肪酸、金属石鹸、
高級脂肪族アミン、ポリエチレンワックスなどで処理す
る方法があるが、これらの処理方法に使用される化合物
は、シリコーンゴムに添加した際、加硫阻害を引き起こ
す可能性がある。そこで、前記処理に用いられた化合物
を洗浄・除去した後に導電性エラストマと混練して低抵
抗コネクタとし、その低抵抗コネクタのコンタクト部分
にメルカプト系化合物を溶剤、もしくは水に溶解させ、
これを塗布、コーティングすることによって銀粉末の酸
化、硫化を防ぐことが可能となり、安定した抵抗値を得
ることができる。
填剤および球状有機樹脂から選ばれる粉体の1種または
2種以上を予め混合してなる導電性充填剤をシリコーン
ゴム組成物に配合する。この場合、無機質充填剤として
は、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、マイカ、硫酸バ
リウム、カーボンブラック等が挙げられる。これらの中
では、シリカ、アルミナ、カーボンブラックが好まし
く、特にシリカが好ましい。また、球状有機樹脂として
は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
ポリスチレン等のポリオレフィン、スチレン・アクリロ
ニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート等のアク
リル系樹脂、アミノ樹脂、含フッ素樹脂、ニトリル系樹
脂等が挙げられ、特にポリメチルメタクリレートが好ま
しく用いられる。
径は0.005〜50μmが好ましく、更に好ましくは
0.01〜30μmである。上記無機質充填剤として
は、シリカ、特に微粉末シリカが好ましいが、上記銀粉
末に混合される微粉末シリカは、銀粉末の凝集防止が目
的であり、比表面積(BET法)が50m2/g以上、
特に100〜300m2/gであることが好ましい。比
表面積が50m2/gに満たないと十分な凝集防止効果
を得ることができないおそれがある。微粉末シリカとし
ては、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げられ、
またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラ
ザン、オルガノポリシロキサン、アルコキシシランなど
で疎水化したものも好適に用いられる。
選ばれる粉体は、銀粉末に対して0.2重量%以上、好
ましくは0.5〜5重量%をターブラ撹拌機等を用いて
5分〜5時間程度混合することが推奨される。該粉体の
添加量が0.2重量%未満では凝集効果が減少する。な
お、5重量%を超えると電気抵抗値が高くなってしまう
ことがある。なお、上記のように銀粉末に上記粉体を予
め混合した導電性粉末を用いるのではなく、組成物調製
時に銀粉末と上記粉末を上記オルガノポリシロキサンに
混合しても、本発明の効果は得られない。上記導電性粉
末の配合量は、上記オルガノポリシロキサン100重量
部に対し100〜800重量部であり、特に200〜6
00重量部が好ましい。配合量が少ないと十分な導電性
を付与し得ないことがあり、多すぎると配合性に問題が
生じる場合がある。100重量部に満たない場合には、
十分な導電性を付与し得ないことがあり、また800重
量部を超えると、配合性および導電性エラストマ層の薄
膜に成膜する際の加工が困難になる。
しては、既知のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
/白金系触媒(付加反応用硬化剤)または有機過酸化物
触媒を使用し得る。白金系触媒としては公知のものが使
用でき、具体的には白金元素単体、白金化合物、白金複
合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、ア
ルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィン類と
のコンプレックスなどが例示される。白金系触媒の添加
量は、第1成分のオルガノポリシロキサンに対し白金原
子として1〜2,000ppmの範囲とすることが望ま
しい。一方、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
は、ケイ素原子に直結した水素原子を少なくとも2個以
上有するものであれば特に制限されず、直鎖状、分岐鎖
状、環状のいずれであってもよいが、R1 aHbSiO
(4-a-b)/2(R1はRと同様の非置換または置換1価炭化
水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないもの
である。a、bは、0≦a<3、0<b<3、0<a+
b<3の数である。)で表されるものが好ましく、特に
重合度が300以下のものが好ましい。
ル基で末端が封鎖されたジオルガノポリシロキサン、ジ
メチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサ
ン単位および末端トリメチルシロキシ単位との共重合
体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(C
H3)2SiO0.5単位)とSiO2単位とからなる低粘度
流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1
−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、
1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなど
が例示される。
ンポリシロキサンの添加量は、第1成分のオルガノポリ
シロキサンの脂肪族不飽和基(アルケニル基)に対し
て、ケイ素原子に直結した水素原子が50〜500モル
%となる割合で用いることが望ましい。また、有機過酸
化物触媒としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチ
ルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエートなどが挙げられる。有
機過酸化物触媒の添加量は、第1成分のオルガノポリシ
ロキサン100重量部に対して0.1〜5重量部とすれ
ばよい。
上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨
げない範囲で、必要に応じ、補強性シリカ粉末を添加し
てもよい。補強性シリカ粉末は、機械的強度の優れたシ
リコーンゴムを得るために添加されるものであるが、こ
の目的のためには、比表面積が50m2/g以上、好ま
しくは100〜300m2/gである必要がある。比表
面積が50m2/gに満たないと硬化物の機械強度が低
くなってしまう。このような補強性シリカとしては、例
えば煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げられ、またこれ
らの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザンなど
で疎水化したものも好適に用いられる。補強性シリカ粉
末の添加量は、第1成分のオルガノポリシロキサン10
0重量部に対して3〜70重量部、特に10〜50重量
部とすることが好ましく、3重量部未満では添加量が少
なすぎて補強効果が得られず、70重量部を超えると加
工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまうおそ
れが生じる。
有機の発泡剤を添加してもよい。この発泡剤としては、
アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロペンタメチレン
テトラミン、ベンゼンスルフォンヒドラジドアゾジカル
ボンアミドなどが例示され、その添加量は(A)成分の
オルガノポリシロキサン100重量部に対し1〜10重
量部の範囲が好適である。このように、本発明に用いら
れる組成物に発泡剤を添加すると、スポンジ状の導電性
シリコーンゴムを得ることができる。また、本発明に用
いられる組成物には、必要に応じて着色剤、耐熱性向上
剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填
剤用分散剤などを添加することは任意とされるが、この
充填剤用分散剤として使用されるジフェニルシランジオ
ール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナ
ルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンなどは
本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止め
ることが好ましい。
ンゴム組成物を難燃性、耐火性にするために、白金含有
材料、白金化合物と二酸化チタン、白金と炭酸マンガ
ン、白金とγ−Fe2O3、フェライト、マイカ、ガラス
繊維、ガラスフレークなどの公知の添加剤を添加しても
よい。本発明に係る導電性部材のシリコーンゴム組成物
は、上記した成分を2本ロール、バンバリーミキサー、
ドウミキサー(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて
均一に混合して、必要に応じ加熱処理を施すことにより
得ることができる。このようにして得られた導電性シリ
コーンゴム組成物は、金型加圧成形、押出成形、カレン
ダ成形などの種々の成形法によって必要とされる用途に
成形することができる。なお、硬化は硬化方法、成形物
の肉厚により適宜選択することができるが、通常80〜
400℃で10秒〜30日の条件にて行うことができ
る。
絶縁性エラストマ層を形成するエラストマは、形状的に
安定し、自重で甚だしく変形したり、硬化後、塑性変形
しない弾性材料であればよく、これには天然ゴム、ブタ
ジエン・スチレン、アクリロニトリル・ブタジエン、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン、スチレン・エ
チレン、エチレン・プロピレン、エチレン・プロピレン
・ジエン等の各共重合体ゴム、クロロプレンゴム、シリ
コーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレンゴム、ポリサルファイドゴム、
ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチ
レンゴム等の合成ゴム類のほか、ポリエステルエラスト
マ等の熱可塑性エラストマ、塑性化塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
などが挙げられるが、これらの内では時効特性、電気絶
縁性、耐熱性、圧縮永久歪、加工性等に優れ、価格的に
も安定しているシリコーンゴムが好ましい。
ル−、メチルフェニル−、メチルビニル−等の各ポリシ
ロキサン類、シリカのような充填剤を配合して適当なレ
オロジー特性が付与されたハロゲン化ポリシロキサン
類、または金属塩類でバルカナイズされ、もしくは硬化
されたハロゲン化ポリシロキサン類等が挙げられる。こ
の低抵抗コネクタの製造方法は、上記導電性部材を用い
て形成した低抵抗の導電性エラストマ層と絶縁性エラス
トマ層とを交互に積層し硬化してなる低抵抗コネクタの
硬度を、好ましくは50〜80°H、特に好ましくは6
0〜80°Hとすることによって、電子回路基板間等の
接続の際、圧縮率が2〜10%と極めて小さな値でも均
一な接続が可能になり、圧縮による座屈をほとんどなく
すことができ、確実で安定した接続状態が得られ、機器
に与える付加が小さくなり、IC検査機器等の小型軽量
化が達成される。
マ層および絶縁性エラストマ層は、印刷法やカレンダ法
等を用いて製造されるが、安定した生産性を考慮する
と、カレンダ法により積層するのが好ましい。例えば、
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に絶縁性エラス
トマ層をカレンダで薄膜に製膜して設け、加熱硬化した
後、この絶縁性エラストマ層上に導電性エラストマ層を
カレンダで薄膜に製膜し、得られた積層薄膜をポリエチ
レンテレフタレートフィルムから剥離して、これを同順
に多数枚積層して積層ブロック体とし、スライス後、裁
断してコネクタとする。なお、本発明の低抵抗コネクタ
は、このような製法に限定されるものではなく、さまざ
まな製法で製造することが可能である。また、本発明に
出てくる硬度の測定は、JIS K−6253(ISO
7619)に規定されている試験方法で行われてい
る。
ルムとしての厚さ0.5mmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、絶縁性シリコーンゴムコンパウンド
[商品名:KE971U、信越化学工業(株)製][硬
化剤としてC−19A/B(信越化学工業(株)製を使
用]を厚さ0.03mmとなるようにカレンダで分出し
し、200℃の加熱炉中で硬化して絶縁性エラストマ層
を形成した。別に、平均粒径1.5〜1.7μmの銀粉
末に微粉末疎水性シリカ(商品名:R−972、日本ア
エロジル(株)製、比表面積130m2/g)を0.5
重量%、1.0重量%、3.0重量%添加し、ターブラ
撹拌機を用いて30分間、銀粉末とシリカを撹拌混合し
た。
にシリカ(商品名:R−972)を0.1重量%添加し
た混合粉末を比較用導電性粒子とした。そして、表1に
示すように、導電性粉末A〜Eとした。次に、得られた
導電性粒子A〜Eを、ジメチルシロキサン単位99.8
5モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%
とからなる平均重合度が約8000のメチルビニルポリ
シロキサン(シロキサンポリマー)に、表2に示すとお
り添加し、ジクミルパーオキサイドを得られたコンパウ
ンド100重量部に対して0.5重量部添加し、混練し
て導電性エラストマコンパウンドを調製した。この導電
性エラストマコンパウンドを先に形成した絶縁性エラス
トマ層上に、厚さ0.03mmとなるようにカレンダで
分出しして導電層を形成して硬化した。これをベースフ
ィルムから剥離して、同順に多数枚積層して積層ブロッ
ク体とし、加硫処理後、スライスし、さらに二次加硫し
て硬度を60°H(JIS K−6253に基づき測
定)とし、規定のサイズに裁断して低抵抗コネクタを製
造した。そして、その低抵抗コネクタの性能を調べた。
その結果を表2に併せて示す。
値が10-3Ω・cm以下ならば○、これ以上ならば×。 ☆ブロックのパンク:200mm高さ、200mm角の
大きさのブロックに加圧力9.807MPa(100k
g/cm2)、加圧時間15時間で加硫プレスを実施
し、これをスライスし1スライス原反毎に裂け(パン
ク)が見られなければ○、裂けがあると×。
いた疎水性シリカのかわりに、比表面積200m2/g
の煙霧質シリカ(商品名:アエロジル200、日本アエ
ロジル(株)製)および比表面積180m2/gの湿式
シリカ(商品名:ニプシルLP、日本シリカ(株)製)
を用いる以外は同様な方法で、表3に示す導電性粉末を
得て、表4に示すように、実施例6〜9と、比較例3を
実施し、上記と同様、評価した。評価結果を表4に併せ
て示す。
で用いた平均粒径1.5〜1.7μmの銀粉末に1次粒
子の平均粒径20nmの酸化アルミニウム(商品名:O
xide C、日本アエロジル(株)製)を1.0重量
%添加しターブラ撹拌機を用いて30分間銀粉末とアル
ミナを撹拌混合し、導電性粉末Kを得た。また、酸化ア
ルミニウムのかわりに平均粒径1μmの球状ポリメチル
メタクリレート樹脂を添加し、導電性粉末Lを得た以外
は同様の方法で評価を行った。結果を表5に示す。比較
のため、シロキサンポリマー100重量部に導電性粉末
Dを450重量部、アエロジル200(前出)を3重量
部、ジクミルパーオキサイドを0.5重量部混合した導
電性シリコーンゴム組成物について、上記と同様の評価
を行った。
タは、体積抵抗率が小さく安定した抵抗値を示し、多く
の電流を流すことができ、この導電性部材を用いてなる
本発明の低抵抗コネクタは、抵抗値のばらつきが小さ
く、安定した接続状態が得られ、微小電流を流せること
から、カラー液晶用モジュールやプラズマディスプレイ
用モジュール等との接続に好適に用いることができ、高
い電流値を必要とする回路にも十分安定した状態で使用
することができた。また、ICチップ等の検査の接続に
用いると、低い圧縮率で接続することができるため、機
器に与える負荷が小さく、ICチップの端子の変形や内
部破壊を起こすことなく、より精密な検査を行うことが
でき、これらの検査機器等の小型軽量化を図ることがで
きた。さらに、本発明のコネクタは既存の設備で製造す
ることができ、またブロック作製時に不良の発生も減少
し、生産性が高く、製造コストを低減することができ
た。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも一方が可撓性を有する導電性
エラストマ層と絶縁性エラストマ層とを、その接合面が
互いに平行となるように交互に、かつ多重に積層した低
抵抗コネクタであって、前記導電性エラストマ層の導電
性部材としてのシリコーンゴム組成物が下記(A)〜
(C)からなるシリコーンゴム組成物の硬化物からなる
ことを特徴とする低抵抗コネクタ。 (A)下記平均組成式(1)で示され、脂肪族不飽和基
を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン・・・・・・
100重量部、 RnSiO(4-n)/2・・・・・・(1) (ただし、式中Rは同一または異種の非置換または置換
の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正
数である。) (B)予め銀粉末中に無機質充填剤および球状有機樹脂
から選ばれる粉体を少なくとも0.2重量%混合してな
る導電性粉末・・・・・・100〜800重量部、 (C)硬化剤 ・・・・・・上記(A)成分を硬化させ得る
量。 - 【請求項2】 (B)成分の粉末が微粉末シリカである
ことを特徴とする請求項1に記載の低抵抗コネクタ。 - 【請求項3】 銀粉末に混合された微粉末シリカの比表
面積が50m2/g以上であることを特徴とする請求項
2に記載の低抵抗コネクタ。 - 【請求項4】 銀粉末に混合された(B)成分の粉体量
が0.5〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の低抵抗コネクタ。
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