JP2000356641A - リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム - Google Patents

リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム

Info

Publication number
JP2000356641A
JP2000356641A JP2000107103A JP2000107103A JP2000356641A JP 2000356641 A JP2000356641 A JP 2000356641A JP 2000107103 A JP2000107103 A JP 2000107103A JP 2000107103 A JP2000107103 A JP 2000107103A JP 2000356641 A JP2000356641 A JP 2000356641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
predetermined component
denaturation
lipoprotein
degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000107103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4588835B2 (ja
Inventor
Tokitsugu Nakazato
時亜 中里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HERENA KENKYUSHO KK
Original Assignee
HERENA KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HERENA KENKYUSHO KK filed Critical HERENA KENKYUSHO KK
Priority to JP2000107103A priority Critical patent/JP4588835B2/ja
Priority to EP00108157A priority patent/EP1045247B1/en
Priority to DE60008159T priority patent/DE60008159T2/de
Priority to ES00108157T priority patent/ES2214185T3/es
Priority to US09/549,925 priority patent/US6576106B1/en
Publication of JP2000356641A publication Critical patent/JP2000356641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4588835B2 publication Critical patent/JP4588835B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44717Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones
    • G01N27/44721Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones by optical means
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 血清または血漿中に含まれる所定成分の変性
の度合いを容易に判断することが可能なリポ蛋白分離分
析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析
システムの提供。 【解決手段】 検体試料中の所定成分の変性の度合いを
判断するリポ蛋白分離分析法であって、所定成分を有す
るリポ蛋白を含む標準試料を電気泳動することによって
得られる泳動図から所定成分に対応する分画の中心位置
と該標準試料の塗布点との距離(a)を求める工程と;
所定成分と同種の成分を有するリポ蛋白を含む検体試料
を電気泳動することによって得られる泳動図から所定成
分に対応する分画の中心位置と検体試料の塗布点との距
離(b)を求める工程と;距離(a)と距離(b)とを
比較し、標準試料に対する検体試料の相対移動率{z
(=b/a)}を求める工程とを有し、得られた相対移
動率(z)にもとづいて所定成分の変性の度合いを判断
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医学、生物学など
の分野で用いられる血清、血漿などの試料中に含まれる
リポ蛋白の分離分析に関する。特に、本発明は、電気泳
動法を用いてリポ蛋白中のアポ蛋白の量的および質的異
常からリポ蛋白の変性を推定するリポ蛋白分離分析法、
リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】血清または血漿中のリポ蛋白は脂質と蛋
白質とが複合体を形成したものであって、リポ蛋白中に
はコレステロール、リン脂質および中性脂肪が含まれて
いる。したがって、リポ蛋白の異常は脂質代謝異常を反
映しており、血清または血漿中に含まれるリポ蛋白を分
画し、それをもとにしてリポ蛋白の量的および質的異常
を検討することで脂質代謝異常を推定することができ
る。そのため、リポ蛋白分離分析法は、高脂血症、冠動
脈硬化症、甲状腺機能低下症、閉塞性肝疾患、糖尿病、
腎不全などの脂質代謝に影響を及ぼす疾患の診断や治療
にとって大切な臨床検査の一つとなっている。
【0003】リポ蛋白分画法としては、超遠心法や、ア
ガロース膜、セルロース・アセテート膜またはポリアク
リルアミドゲル(PAG)を支持体として用いた電気泳
動法によるものが従来から知られている。
【0004】超遠心法では、血清中のリポ蛋白は、該リ
ポ蛋白の比重にもとづいて、HDL(高比重リポ蛋
白)、LDL(低比重リポ蛋白)、VLDL(超低比重
リポ蛋白)、およびCM(カイロミクロン)に分離され
る。しかし、超遠心法は、超遠心機にかける試料の調製
などに手間がかかると共に分離に長時間要し、また分離
状況を把握する際に試料をさらに細分画化させる必要が
ある。そのため、臨床検査の現場において、各分画の増
減や特定の疾患に特有の分画の検出を目的とするルーチ
ン検査として超遠心法によるリポ蛋白の分離分析を行う
ことは困難である。
【0005】一方、溶液中のリポ蛋白を移動度の違いか
ら分画する電気泳動法は、リポ蛋白の分離状況を視覚的
に捕えることができる。そのため、日常の検査では多く
の場合、電気泳動法を用いてリポ蛋白の分離分析を行っ
ている。このような電気泳動法によるリポ蛋白の分離分
析の結果と、上述の超遠心法による結果とは良い相関を
示す。電気泳動法を用いてリポ蛋白を分画すると、α
(HDL)、preβ(VLDL)、β(LDL)、およ
び原点(カイロミクロン)に分離される。さらに、それ
らをファットレッド7Bなどの脂質染色剤で各分画に含
まれる脂質を染色することにより、各分画の有無や濃度
を測定することができる。なお、当業者の便宜を図るた
め、従来の超遠心法によって得られるリポ蛋白分画の各
々の名称を、上記電気泳動の各分画名に添えた括弧内に
記載した。
【0006】リポ蛋白の基本構造は、中性脂肪(トリグ
リセライド)およびコレステロールエステルから形成さ
れた芯の部分と、リン脂質および遊離コレステロールか
ら形成され、かつ前記芯の部分を覆う単層膜と、その膜
の表面に付着した一種類以上のアポ蛋白とから構成され
る。アポ蛋白の種類は、リポ蛋白の各分画ごとに異な
る。すなわち、主に、HDL中のアポ蛋白は、アポ蛋白
A-I、A-II、A-IV、C-I、C-II、C-IIIおよびEで
ある。VLDL中のアポ蛋白は、アポ蛋白C-I、C-I
I、C-III、E、B-100である。LDL中のアポ蛋白
は、アポ蛋白B-100である。カイロミクロン中のア
ポ蛋白は、アポ蛋白A-I、A-II、A-IV、C-I、C-I
I、C-III、E、B-48である。電気泳動法では、リポ
蛋白中に含まれる各アポ蛋白の等電点の違いが各分画の
移動度の違いとして反映される。
【0007】ところで、動脈硬化は冠動脈疾患などの成
人病の原因となるため、動脈硬化を予防または治療する
ことが基礎および臨床医学において大きな課題となって
いる。特に、若年者の動脈硬化の患者数が近年増大して
いること、および糖尿病患者も動脈硬化を起こし易いこ
と、などから血清中の脂質の管理がより厳密化されてき
た。例えば、フラミンガム研究所などの疫学調査によっ
て、冠動脈疾患の原因となる粥状動脈硬化症の最大の危
険因子として、血清コレステロール値、特に低比重リポ
蛋白(LDL)中のコレステロール値の関与が明らかに
されている。LDL中のコレステロールが動脈硬化を引
き起こす素因は、マクロファージが特異的なレセプター
を介して変性LDLを取り込むことにより泡沫化し、そ
の残骸が血管壁に付着することにある。それ故、変性L
DLのスクリーニング検査が必要となる。
【0008】ここで「変性LDL」とは、酸化LDL、
アセチルLDL、糖化LDL、MDA−LDL(マロン
ジアルデヒドLDL)等、種々の修飾を受けたLDLの
総称である。さらに、本明細書で使用される「変性」と
いう用語は、当業者が脂質や蛋白質の変性について通常
用いる広義の意味における「変性」である。例えば、血
液試料に含まれるリポ蛋白質成分の場合、体内の脂質代
謝異常等、in vivo系における物理的または化学的環境
の変化に起因する変性のみならず、血液を採取した後の
in vitro系における物理的または化学的環境の変化に起
因する変性をも含むことは、具体例を挙げるまでもなく
当業者に容易に理解されよう。
【0009】一般に、小粒子化したLDLは酸化されや
すいと言われている。そのため、変性LDLのスクリー
ニング検査として、リポ蛋白中の小粒子化したLDLの
割合を検出する試みがなされている。その一例として、
所定のポアサイズを有し、分子篩効果が高いポリアクリ
ルアミドゲル(PAG)を用いた電気泳動法により、リ
ポ蛋白分画を行う方法がある。この方法によれば、PA
Gの分子篩効果により、リポ蛋白は、粒子の最も小さい
(最も移動度が大きくなる)HDLが先に分離され、次
にLDL、VLDL、カイロミクロンの順で分離され
る。すなわち、PAG電気泳動法によるリポ蛋白分画で
は、リポ蛋白中の各粒子の等電点の違いというよりも、
むしろリポ蛋白中の各粒子の大きさの違いにもとづいて
リポ蛋白が分画されることになる。
【0010】PAG電気泳動法を利用して小粒子化した
LDLの割合を検出する具体的な方法として、VLDL
分画の位置を基準にして各分画間の相対移動距離を用い
るものが挙げられる。この方法は、PAGを用いて電気
泳動を行い、VLDL分画の中心位置からLDL分画の
中心位置までの泳動距離を(x)、VLDL分画の中心
位置からHDL分画の中心位置までの泳動距離を(y)
として、これらの比(x/y)から相対移動距離(Rf
値またはRm値)を求める。そして、得られた値と、正
常値とを比較することによって小粒子化したLDLの割
合を求めるものである。なお、正常値とは、LDLが小
粒子化していないリポ蛋白について、同様にして求めた
相対移動距離の値を意味する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のPAG電気泳動法によるリポ蛋白の分離分析では、小
粒子化したLDLの割合を求めることを目的としてお
り、電気泳動後のVLDL分画およびHDL分画を基準
にしてLDL分画の相対移動距離を求める。したがっ
て、得られた相対移動距離はリポ蛋白中の各粒子の大き
さの違いを反映したものとなるが、リポ蛋白中の各粒子
が異なる種類や異なる数のアポ蛋白を持つことによる特
定のアポ蛋白の質的異常または量的異常を反映したもの
とはならない。特に、アポ蛋白B−100が何らかの修
飾を受けて変性したLDLの分画と、LDLが変性して
いない正常なLDLの分画との比較を行う上では、好ま
しい方法とはいえない。その一方で、リポ蛋白中のアポ
蛋白は体内における脂質代謝に直接関与しているため、
アポ蛋白の異常を捕らえることは臨床的に非常に有効で
あると考えられている。
【0012】したがって、本発明の目的は上述の課題を
解決し、リポ蛋白中のアポ蛋白の量的または質的異常お
よび何らかの化学的修飾に起因する等電点の変化にもと
づいてリポ蛋白の変性、特にLDLの変性の度合いを簡
易に求めるためのリポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分
析装置、およびリポ蛋白分離分析システムを提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にもとづく第1の態様は、所定成分を有す
るリポ蛋白を含む標準試料の電気泳動図と、前記所定成
分と同種の成分を有するリポ蛋白を含む検体試料の電気
泳動図とを用いて、前記検体試料中の所定成分の変性の
度合いを判断するリポ蛋白分離分析装置であって、前記
標準試料および前記検体試料の電気泳動を行い各試料の
リポ蛋白を分画し、次いで前記各リポ蛋白中の各所定成
分をそれぞれ染色により検出する試薬を用いて前記各所
定成分を染色し、それにより前記各所定成分の可視化さ
れた各電気泳動図を作製する電気泳動図作製手段と、前
記各所定成分の可視化された各電気泳動図を光学的にス
キャンして、該各電気泳動図を光学密度の波形に変換し
て前記各所定成分の各波形図を作製する波形図作製手段
と、前記各波形図を数学的に処理して前記検体試料中の
所定成分の変性の度合いを判断する手段とを備えてな
り、前記所定成分の変性の度合いを判断する手段が、前
記標準試料の所定成分の波形図から、該標準試料の塗布
点と該標準試料中の所定成分に対応する分画の中心位置
との距離(a)を求める第1の手段と、前記検体試料の
所定成分の波形図から、該検体試料の塗布点と該検体試
料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距離
(b)を求める第2の手段と、前記距離(a)と前記距
離(b)とを比較し、前記標準試料に対する前記検体試
料の相対移動率{z(=b/a)}を求める第3の手段
とを備え、前記相対移動率(z)にもとづいて前記検体
試料中の所定成分の変性の度合いを判断することを特徴
とするリポ蛋白分離分析装置に関する。
【0014】ここで、リポ蛋白分離分析装置は、前記所
定成分の変性の度合いを判断する手段において、前記第
3の手段によって求められた前記相対移動率{z(=b
/a)}を式: M= b/a − 1=(b−a)/a ・・・・・(1) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることが
好ましい。
【0015】ここで、リポ蛋白分離分析装置は、前記所
定成分の変性の度合いを判断する手段において、前記第
3の手段によって求められた前記相対移動率{z(=b
/a)}を式: M’= k(b/a − 1)=k(b−a)/a ・・・・・(2) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
度数(M’)として求めることが好ましい。
【0016】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であることが好ましい。
【0017】ここで、前記所定成分は、低比重リポ蛋白
であることが好ましい。
【0018】ここで、前記所定成分は、脂質であること
が好ましい。
【0019】ここで、前記電気泳動は、アガロースゲル
を主成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実
施されることが好ましい。
【0020】本発明にもとづく第2の態様は、所定成分
を有するリポ蛋白を含む標準試料の電気泳動図と、前記
所定成分と同種の成分を有するリポ蛋白を含む検体試料
の電気泳動図と、前記所定成分の指標と成り得るマーカ
ー成分を含む指標試料の電気泳動図とを用いて、前記検
体試料中の所定成分の変性の度合いを判断するリポ蛋白
分離分析装置であって、前記標準試料と前記検体試料と
前記指標試料との電気泳動をそれぞれ行って各試料を分
画し、次いで前記標準および検体試料の各分画中の所定
成分と前記指標試料の分画中のマーカー成分とをそれぞ
れ染色により検出する試薬を用いて各成分を染色し、そ
れにより前記各成分の可視化された各電気泳動図を作製
する電気泳動図作製手段と、前記可視化された各電気泳
動図を光学的にスキャンして各電気泳動図を光学密度の
波形に変換して前記各所定成分および前記マーカー成分
の各波形図を作製する波形図作製手段と、前記各波形図
を数学的に処理して前記検体試料中の所定成分の変性の
度合いを判断する手段とを備えてなり、前記所定成分の
変性の度合いを判断する手段は、第1の測定手段と第2
の測定手段とを有し、これら2つの測定手段によって求
めた前記検体試料の相対移動率にもとづいて前記検体試
料中の所定成分の変性の度合いを判断する手段であり、
前記第1の測定手段は、前記標準試料の波形図から、前
記標準試料の塗布点と該標準試料中の所定成分に対応す
る分画の中心位置との距離(a)を求める第1の手段
と、前記指標試料の波形図から、前記指標試料の塗布点
と該指標試料中のマーカー成分に対応する分画の中心位
置との距離(c)を求める第2の手段と、前記距離
(a)と前記距離(c)とを比較し、前記標準試料に対
する前記指標試料の相対移動率{z1(=c/a)}を
求める第3の手段とを備え、および前記第2の測定手段
は、前記検体試料の波形図から、前記検体試料の塗布点
と該検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位置と
の距離(b)を求め、前記指標試料の波形図から、前記
指標試料の塗布点と該指標試料中のマーカー成分に対応
する分画の中心位置との距離(c)を求める第4の手段
と、前記第1の測定手段によって求められた相対移動率
(z1)と、前記第2の測定手段によって求められた前
記距離(b)と前記距離(c)とから、前記検体試料の
前記標準試料に対する相対移動率{z2(=b/a=b
・z1/c)}を求める第5の手段とを備えることを特
徴とするリポ蛋白分離分析装置に関する。
【0021】ここで、リポ蛋白分離分析装置は、前記所
定成分の変性の度合いを判断する手段において、前記第
5の手段によって求められた前記相対移動率{z2(=
b/a=b・z1/c)}を式: M= b・z1/c − 1 ・・・(3) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることが
好ましい。
【0022】ここで、リポ蛋白分離分析装置は、前記所
定成分の変性の度合いを判断する手段において、前記第
5の手段によって求められた前記相対移動率{z2(=
b/a=b・z1/c)}を式: M’= k(b・z1/c − 1) ・・・・・(4) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
度数(M’)として求めることが好ましい。
【0023】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であり、前記指標試料は安定化剤を
加えて保存されていた血清であることが好ましい。
【0024】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であり、前記指標試料はマーカーと
成り得るアルコール脱水素酵素を含むことが好ましい。
【0025】ここで、前記第2の測定手段において、前
記第4の手段が前記指標試料と前記検体試料とを混合し
てなる試料を電気泳動することにより前記距離(b)と
前記距離(c)とを同時に求める手段であることが好ま
しい。
【0026】ここで、前記第1の所定成分は、低比重リ
ポ蛋白であることが好ましい。
【0027】ここで、前記第1の所定成分は、脂質であ
ることが好ましい。
【0028】ここで、前記電気泳動は、アガロースゲル
を主成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実
施されることが好ましい。
【0029】本発明にもとづく第3の態様は、所定成分
を有するリポ蛋白を含む標準試料の電気泳動図と、前記
所定成分と同種の成分を有するリポ蛋白を含む検体試料
の電気泳動図とを用いて、前記検体試料中の所定成分の
変性の度合いを判断するリポ蛋白分離分析法であって、
前記標準試料および前記検体試料の電気泳動を行い各試
料のリポ蛋白を分画し、次いで前記各リポ蛋白中の各所
定成分をそれぞれ染色により検出する試薬を用いて前記
各所定成分を染色し、それにより前記各所定成分の可視
化された各電気泳動図を作製する電気泳動図作製工程
と、前記各所定成分の可視化された各電気泳動図を光学
的にスキャンして、該各電気泳動図を光学密度の波形に
変換して前記各所定成分の各波形図を作製する波形図作
製工程と、前記各波形図を数学的に処理して前記検体試
料中の所定成分の変性の度合いを判断する工程とを有し
てなり、前記所定成分の変性の度合いを判断する工程
が、前記標準試料の所定成分の波形図から、該標準試料
の塗布点と該標準試料中の所定成分に対応する分画の中
心位置との距離(a)を求める第1の工程と、前記検体
試料の所定成分の波形図から、該検体試料の塗布点と該
検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距
離(b)を求める第2の工程と、前記距離(a)と前記
距離(b)とを比較し、前記標準試料に対する前記検体
試料の相対移動率{z(=b/a)}を求める第3の工
程とを有し、前記相対移動率(z)にもとづいて前記検
体試料中の所定成分の変性の度合いを判断することを特
徴とするリポ蛋白分離分析法に関する。
【0030】ここで、リポ蛋白分離分析法は、前記所定
成分の変性の度合いを判断する工程において、前記第3
の工程によって求められた前記相対移動率{z(=b/
a)}を式: M= b/a − 1=(b−a)/a ・・・・・(1) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることが
好ましい。
【0031】ここで、リポ蛋白分離分析法は、前記所定
成分の変性の度合いを判断する工程において、前記第3
の工程によって求められた前記相対移動率{z(=b/
a)}を式: M’= k(b/a − 1)=k(b−a)/a ・・・・・(2) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
度数(M’)として求めることが好ましい。
【0032】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であることが好ましい。
【0033】ここで、前記所定成分は、低比重リポ蛋白
であることが好ましい。
【0034】ここで、前記所定成分は、脂質であること
が好ましい。
【0035】ここで、前記電気泳動は、アガロースゲル
を主成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実
施されることが好ましい。
【0036】本発明にもとづく第4の態様は、上述のリ
ポ蛋白分離分析法を実行するためのプログラミングが格
納されていることを特徴とする記録媒体に関する。
【0037】本発明にもとづく第5の態様は、上述の記
録媒体に格納されたプログラミングを実行するコンピュ
ータと、該コンピュータからの前記プログラミングにも
とづいた命令に従って動作するリポ蛋白分離分析装置と
を有することを特徴とするリポ蛋白分離分析システムに
関する。
【0038】本発明にもとづく第6の態様は、所定成分
を有するリポ蛋白を含む標準試料の電気泳動図と、前記
所定成分と同種の成分を有するリポ蛋白を含む検体試料
の電気泳動図と、前記所定成分の指標と成り得るマーカ
ー成分を含む指標試料の電気泳動図とを用いて、前記検
体試料中の所定成分の変性の度合いを判断するリポ蛋白
分離分析法であって、前記標準試料と前記検体試料と前
記指標試料との電気泳動をそれぞれ行って各試料を分画
し、次いで前記標準および検体試料の各分画中の所定成
分と前記指標試料の分画中のマーカー成分とをそれぞれ
染色により検出する試薬を用いて各成分を染色し、それ
により前記各成分の可視化された各電気泳動図を作製す
る電気泳動図作製工程と、前記可視化された各電気泳動
図を光学的にスキャンして各電気泳動図を光学密度の波
形に変換して前記各所定成分および前記マーカー成分の
各波形図を作製する波形図作製工程と、前記各波形図を
数学的に処理して前記検体試料中の所定成分の変性の度
合いを判断する工程とを有してなり、前記所定成分の変
性の度合いを判断する工程は、第1の測定工程と第2の
測定工程とを有し、これら2つの測定工程によって求め
た前記検体試料の相対移動率にもとづいて前記検体試料
中の所定成分の変性の度合いを判断する工程であり、前
記第1の測定工程は、前記標準試料の波形図から、前記
標準試料の塗布点と該標準試料中の所定成分に対応する
分画の中心位置との距離(a)を求める第1の工程と、
前記指標試料の波形図から、前記指標試料の塗布点と該
指標試料中のマーカー成分に対応する分画の中心位置と
の距離(c)を求める第2の工程と、前記距離(a)と
前記距離(c)とを比較し、前記標準試料に対する前記
指標試料の相対移動率{z1(=c/a)}を求める第
3の工程とを有し、および前記第2の測定工程は、前記
検体試料の波形図から、前記検体試料の塗布点と該検体
試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距離
(b)を求める第4の工程と、前記指標試料の波形図か
ら、前記指標試料の塗布点と該指標試料中のマーカー成
分に対応する分画の中心位置との距離(c)を求める第
5の工程と、前記第1の測定工程によって求められた相
対移動率(z1)と、前記第2の測定工程によって求め
られた前記距離(b)と前記距離(c)とから、前記検
体試料の前記標準試料に対する相対移動率{z2(=b
/a=b・z1/c)}を求める第6の工程とを有する
ことを特徴とするリポ蛋白分離分析法に関する。
【0039】ここで、リポ蛋白分離分析法は、前記所定
成分の変性の度合いを判断する工程において、前記第6
の工程によって求められた前記相対移動率{z2(=b
/a=b・z1/c)}を式: M= b・z1/c − 1 ・・・・・(3) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることが
好ましい。
【0040】ここで、リポ蛋白分離分析法は、前記所定
成分の変性の度合いを判断する工程において、前記第6
の工程によって求められた前記相対移動率{z2(=b
/a=b・z1/c)}を式: M’= k(b・z1/c − 1) ・・・・・(4) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
度数(M’)として求めることが好ましい。
【0041】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であり、前記指標試料は安定化剤を
加えて保存されていた血清であることが好ましい。
【0042】ここで、前記標準試料は標準血清であり、
前記検体試料は血清であり、前記指標試料はマーカーと
成り得るアルコール脱水素酵素を含むことが好ましい。
【0043】ここで、前記第2の測定工程において、前
記指標試料と前記検体試料とを混合した状態で電気泳動
することにより、前記第4の工程と前記第5の工程とを
同時に行うことが好ましい。
【0044】ここで、前記第1の所定成分は、低比重リ
ポ蛋白であることが好ましい。
【0045】ここで、前記第1の所定成分は、脂質であ
ることが好ましい。
【0046】ここで、前記電気泳動は、アガロースゲル
を主成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実
施されることが好ましい。
【0047】本発明にもとづく第7の態様は、上述のリ
ポ蛋白分離分析法を実行するためのプログラミングが格
納されていることを特徴とする記録媒体に関する。
【0048】本発明にもとづく第8の態様は、上述の記
録媒体に格納されたプログラミングを実行するコンピュ
ータと、該コンピュータからの前記プログラミングにも
とづいた命令に従って動作するリポ蛋白分離分析装置と
を備えることを特徴とするリポ蛋白分離分析システムに
関する。
【0049】なお、上記リポ蛋白分離分析法および上記
リポ蛋白分離分析装置において、アガロース支持体の電
気泳動装置を利用する場合、支持体にはアガロース薄膜
を使用する。また、支持体としてアガロースと寒天との
混合物からなる薄膜を使用することもできる(このよう
な支持体を以下、アガロースゲル薄膜ともいう。)。
【0050】これらのアガロース支持体は、緩衝液に対
してアガロースまたはアガロースゲルを0.4%(W/
W)〜1.2%(W/W)、より好ましくは0.5%
(W/W)〜0.8%(W/W)の濃度範囲で用いた溶
液から作製することが好ましい。また、電気泳動の際の
印加電圧は、長さ120mm、幅130mm、膜厚50
0μmのアガロース薄膜を使用した場合、200〜50
0Vとすることが好ましい。さらに、アガロース支持体
には、0.01〜0.5%(W/W)程度の牛血清アル
ブミン(BSA)が含まれていることが好ましい。
【0051】アガロース支持体のかわりに、セルロース
・アセテート、寒天などを支持体とする電気泳動装置、
あるいはキャピラリ電気泳動装置を用いることもでき
る。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明のリポ蛋白分離分析法は、
電気泳動法を用い、リポ蛋白に含まれるアポ蛋白の量的
および質的異常に起因する等電点の変化にもとづいてリ
ポ蛋白の変性を検討する。ここでは、主に肝臓で合成さ
れるコレステロールを他の組織に運ぶLDLを例に挙げ
て説明する。
【0053】LDLは、動脈硬化性疾患(心筋梗塞、狭
心症、脳梗塞など)の危険因子であり、LDLの量的お
よび質的異常を検討することは動脈硬化性疾患の診断お
よび治療にとって重要である。すでに説明したように、
LDLは、アポ蛋白がB-100のみであり、LDLを
構成する脂質成分が変性を起こすとアポ蛋白B-100
の陰性荷電の量が変化する。そのため、変性脂質を持つ
LDL(以下、変性LDLともいう)を含む試料を等電
点で電気泳動し分離させると、変性LDLは標準試料
(変性脂質を含まないと仮定する試料)のLDLと異な
る移動度を示す。本発明者は、正常LDLと変性LDL
との移動度の違いに着目して、以下に説明するような電
気泳動法を用いたリポ蛋白分離分析法を発明した。
【0054】<電気泳動法を用いたリポ蛋白の分離およ
び分析>本発明にもとづくリポ蛋白分離分析法に適用さ
れる電気泳動法は、例えばアガロースまたはセルロース
・アセテートを主成分とする支持体を用いることが可能
である。ここでは、アガロースを支持体として用いる電
気泳動法について説明する。アガロースは、分子が互い
に水素結合して網目構造を持ち、溶液の調製が容易であ
ること、無毒であること、泳動後の抽出操作が容易であ
ること、などの理由から、核酸およびタンパク質の電気
泳動における支持体として用いられている。
【0055】本発明では、リポ蛋白の脂質分離を可能に
する支持体のアガロース濃度を検討した結果として、ト
リス・バルビタール、バルビタールソーダ・トリシンな
どの緩衝液にアガロースを0.5%(W/W)〜1.2
%(W/W)までの濃度範囲で溶解させて作製した支持
体を使用した。
【0056】また、長さ120mm、幅130mm、膜
厚500μmのアガロース薄膜を支持体として使用した
場合、電気泳動の際の印加電圧は300〜500V、3
0〜70mA程度とする。ただし、電気泳動中のアガロ
ース支持体の温度は、一般に10℃〜25℃の範囲にお
いて一定でなければならない。また、その支持体上の温
度分布は、好ましくは±1℃以内、より好ましくは±
0.5℃以内である。なぜなら、温度によって移動度が
変化するためである。
【0057】本発明で使用するアガロース支持体には、
0.01%〜0.5%、好ましくは0.04%〜0.2
%の牛血清アルブミン(BSA)が含まれる。なぜな
ら、血清中の遊離脂肪酸が一定量以上になると、HD
L,VLDL,LDLなどの分離速度に影響を与える
が、BSAを支持体に含ませておくことにより、分離速
度の変化を防ぐことができるからである。
【0058】電気泳動装置の方式としては水平型と垂直
型とが知られているが、どちらを使用してもよい。しか
し、本発明では、水平型の電気泳動装置を用いた場合に
ついて説明する。なお、本発明では電気泳動装置とし
て、HELENA LABORATORIES COP
ORATION(米国)のREPを使用したが、これに
限定されるものではない。
【0059】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析法の原
理について、図1を参照しながら説明する。図中、参照
符号100はアガロース支持体上に形成された電気泳動
図(以下、単に泳動図ともいう)、参照符号101は支
持体に形成された試料孔(塗布点ともいう)、さらに参
照符号102および103はデンシトメータ(これにつ
いては後述する)と支持体との位置合わせに利用される
セットピン穴である。この図では、5つの試料孔101
に塗布されたそれぞれ異なる5種類の試料を電気泳動す
ることによって得られた5通りの泳動パターンが示され
ている。
【0060】まず、第1の試料と第2の試料とにもとづ
いたリポ蛋白分離分析の一例を説明する。第1の試料
(以下、標準試料(1)ともいう)は、標準血清であ
る。すなわち、心臓、血管疾患などの血清リポタンパク
に影響を及ぼす病気を罹患していない健康な若年層から
採取した平均的な血清であり、LDLの変性がないもの
と仮定する。図1では、この標準試料(1)を電気泳動
して得られるLDL(低比重リポタンパク質)、VLD
L(超低比重リポタンパク質)、およびHDL(高比重
リポタンパク質)の各分画が示されている。なお、塗布
点101からLDL分画の中心位置までの距離を(a)
とする。
【0061】第2の試料(以下、検体試料(2)ともい
う)は、心臓、血管疾患などの血清リポ蛋白に影響を及
ぼす病気に罹患している、またはその疑いがある患者か
ら採取した血清である。この血清は、LDLが変性して
いる可能性が高い。この検体試料(2)を電気泳動した
場合も第1の試料と同様に、LDL、VLDL、および
HDLの各分画が得られる。しかし、図に示すように、
検体試料(2)の各分画の移動度は標準試料(1)のも
のと異なる。ここでは、検体試料(2)の塗布点101
からLDLに相当する分画(以下、単にLDL分画とも
いう)104の中心位置までの距離を(b)とする。
【0062】検体試料(2)のLDL分画104は、L
DLが変性している場合、該変性LDLを構成するアポ
蛋白B−100の陰性荷電が、標準試料(1)の正常L
DLのものに比べて増加していると思われる。よって、
変性LDLの分離速度は正常LDLの分離速度よりも速
いため、距離(b)>距離(a)となる。したがって、
例えば、距離(b)の距離(a)に対する相対移動率
{z(=b/a)}を求め、距離(a)と距離(b)と
を比較することにより、検体試料(2)に含まれるLD
Lの変性の度合いまたはLDL中に含まれる所定成分の
変性の度合いを推定することができる。ここで、前記所
定成分とは、リポ蛋白中に含まれるコレステロールなど
の特定な脂質類、またはアポ蛋白などの蛋白質を意味す
る。
【0063】LDLまたは該LDL中に含まれる所定成
分の「変性の度合い」とは、LDLまたは脂質など所定
成分の変性を後述する変性の割合、変数度数、分類記
号、百分率などで示したものを含む。また、相対移動率
そのもので表示したものも含まれる。
【0064】変性の度合いの表示形式の一例を説明す
る。検体試料(2)に含まれるLDLが変性していない
場合、(b)=(a)となり、相対移動率{z(=b/
a)}は1である。したがって、相対移動率(z)から
1を減ずることにより、検体試料の変性の割合(M)を
求めることが可能である。すなわち、式: M = b/a − 1=(b−a)/a ・・・・・(1) に相対移動率(z)を代入することにより検体試料の変
性の度合いを変性の割合(M)として表示することが可
能となる。上式(1)によると、検体試料(2)が変性
していない場合の相対移動率(z)は1であるため、検
体試料の変性の割合(M)は0となる。(M)>0の場
合、LDLは変性LDLと判断され、また(M)<0の
場合も同様にLDLに何らかの異常が生じた変性LDL
と判断される。一般に、Mの値が負になる場合は、肝・
胆道疾患などの疑いがある。
【0065】変性の度合いは、上記(1)に所定の定数
(k)を適宜選択的に使用して、式: M’= k(b/a − 1)=k(b−a)/a ・・・・(2) [式中、kは定数(k>0)]にしたがって、整数表示
の変数度数(M’)で表示することもできる。
【0066】その他、データを何段階に分類するかなど
の適宜選択される処理方法に応じて、変性の度合いを
大、中、小などの分類表示記号で表示することもでき
る。さらに別の表示形式として、百分率{(a)/(a
+b)}によって表示する場合は、標準試料(1)の塗
布点からLDLの距離(a)の割合からLDLの変性の
度合いを見ることもできる。
【0067】また、 肝・胆道疾患の疾患分別に、各疾
患に対応した変性LDLを含む試料と標準試料(1)と
の相対移動度および変性の度合いに関するデータを、例
えば後述するコンピュータの記憶装置に蓄積しておけ
ば、検体試料(2)の距離(b)の値と標準試料(1)
の距離(a)の値とをコンピュータに入力し、蓄積され
たデータと比較することにより、検体試料(2)に対応
する疾患の判断することが可能となる。
【0068】次に、標準試料(1)の代わりに指標試料
として第3の試料(以下、コントロール(3))を用い
た場合について説明する。このコントロール(3)は、
ヒト血清からなるもので、例えば、以下のようにして調
製する。すなわち、総コレステロールと総トリグリセラ
イド値とが正常範囲にある新鮮な血清を集め、安定化剤
として100mgのEDTA・2Na・2H2Oと25
gのサッカロースとの混合物を血清10ccに対して
2.5gの割合で加える。次いで、これらを小分けして
凍結乾燥して保存するか、−20℃で冷凍保存する。凍
結乾燥して保存したコントロール(3)は、コントロー
ル(3)と同体積の蒸留水または精製水などで溶かして
使用する。また、冷凍保存したコントロール(3)は、
室温で溶かして使用する。
【0069】このようにして調製されたコントロール
(3)を電気泳動すると図1に示すような泳動図が得ら
れる。そこで、標準試料(1)が入手できなくても事前
にコントロール(3)のLDLに相当する分画(以下、
単にLDL分画ともいう)105の移動距離と試料
(1)のLDL分画の移動距離との相対移動率を求めて
おくことにより、換算して変性の度合いを求めることも
できる。
【0070】例えば、塗布点からLDL分画の中心位置
までの距離を標準試料(1)では(a)、検体試料
(2)では(b)、さらにコントロール(3)では
(c)とすれば、標準試料(1)に対するコントロール
(3)の相対移動率(z1)は{z1(=c/a)}(す
なわち、a=c/z1)で表される。一方、標準試料
(1)に対する検体試料(2)の相対移動率(z2)は
{z2(=b/a)}で表される。したがって、{z
2(=b・z1/c)}となり、標準試料(1)の距離
(a)が測定できなくても、コントロール(3)との相
対移動率(z1)が予め分かっていれば、コントロール
(3)の距離(c)と検体試料(2)の距離(b)とを
測定することにより、相対移動率(z2)を求めること
ができる。また、得られた相対移動率(z2)を先に示
したように任意に処理して、変性の度合いを求めること
ができる。
【0071】次に、標準試料(1)またはコントロール
(3)の代わりに、指標試料としてマーカーとなるアル
コール脱水素酵素を用いた場合について説明する。
【0072】図1において、第4の試料(以下、試料
(4)ともいう)は、検体に馬由来のアルコール脱水素
酵素からなるマーカー(指標試料)を添加し調製した試
料である。また第5の試料(以下、試料(5)ともい
う)は、検体に細菌由来のアルコール脱水素酵素からな
るマーカーを添加し調製した試料である。
【0073】馬または細菌由来のアルコール脱水素酵素
からなるそれぞれのマーカーは、アルコール脱水素酵素
を硫酸アンモニウム懸濁溶液として、試料50μLに対
して1μLのアルコール脱水素酵素を加えた時にコレス
テロール濃度で80mg/dL程度の発色量となるよう
に、それぞれの酵素と硫酸アンモニウムとの混合量を調
整しておく。また、リポ蛋白中に含まれるコレステロー
ルの変性の度合いを検討する場合において、アルコール
脱水素酵素からなるマーカーを発色させるために、コレ
ステロール測定試薬(例えば、K.K.HELENA
KENKYUJYO(日本)から市販されているTIT
AN GEL S CHOLESTEROL.)1mL
に、1μLのエタノールをアルコール脱水素酵素の基質
として加えて使用する。その結果、コレステロール測定
試薬中のエタノールおよびNADと、試料中のアルコー
ル脱水素酵素とが反応することによって、NADがNA
DH+Hとなり、さらにコレステロール測定試薬中のジ
アホラーゼとテトラゾリウム塩とによって、コレステロ
ール測定試薬とコレステロールとが反応した場合と同様
にホルマザンを形成して発色する。なお、生成されるN
ADHは、蛍光測定試薬(例えば、Helena La
boratories Corporation(U.
S.A.)のREP Flur Cholestero
l Profile−Kit)を用いて蛍光測定するこ
とも可能である。
【0074】このように調製された馬由来のアルコール
脱水素酵素または細菌由来のアルコール脱水素酵素から
なるマーカーと、検体とを混合して電気泳動すると、図
1のような泳動図が得られる。マーカーと検体とからな
る試料(4)を用いた場合、マーカーが検体から分離し
て、塗布点に対して検体に含まれるLDL分画104と
は反対側に位置するマーカーに相当する分画106が得
られる。この分画106を、すでに説明した標準試料
(1)のLDL分画に相当する分画とみなす。試料
(5)を用いた場合も同様に、VLDL分画とHDL分
画との間に生じたマーカーに相当する分画107を標準
試料(1)のLDL分画に相当する分画とみなす。
【0075】どちらの場合も、事前に標準試料(1)の
距離(a)と、試料(4)または(5)の塗布点からの
マーカー分画の中心位置までの距離(c)との相対移動
率を求めておくことによって、上記コントロール(3)
を用いた場合と同様にして検体における変性LDLの変
性の度合いを検討することができる。なお、試料(4)
の場合は、マーカーに相当する分画を加算せずに、他の
各分画の定量を容易に行うことができるといった長所が
ある。また、試料(5)の場合には、電気泳動中の温度
管理を厳しく行わなくとも良いといった長所がある。
【0076】なお、馬または細菌由来のアルコール脱水
素酵素からなるマーカーを、コントロール(3)に加え
て使用することもできる。
【0077】以上、本発明にもとづくリポ蛋白分離分析
法の原理について図1参照しながら説明した。しかし、
変性の度合いは、標準試料または指標試料と検体試料と
の比較に限らず、同一試料間の変性の度合いについて検
討することもできる。例えば、in vitroにおける検体試
料の変性を元の同一検体試料に対する変性度として求め
る場合には、元の同一検体試料を標準試料として使用
し、相対移動率の項に「1」を入力して測定すればよ
い。
【0078】以上説明したアガロース支持体を用いた電
気泳動法によるリポ蛋白分離分析法は、以下のように構
成されるシステムによって実施することができる。
【0079】<リポ蛋白分離分析システムの構成および
動作>図2は、本発明によるリポ蛋白分離分析システム
の一構成例を示す図である。リポ蛋白分離分析システム
は、リポ蛋白の分離を行う自動電気泳動装置201と、
該自動電気泳動装置201によって得られた泳動図を読
み取るデンシトメータ206と、自動電気泳動装置20
1およびデンシトメータ206の動作を制御し、かつデ
ンシトメータ206からのデーターを本発明のリポ蛋白
分離分析法にもとづいて処理し、その処理結果を表示画
面、記憶媒体、記憶装置、プリンタなどに出力または格
納するコンピュータ本体204とから概略構成される。
【0080】自動電気泳動装置201は、一般に使用さ
れる電気泳動装置と同様の構成からなるもので、試料台
214、アプリケータ212、試薬瓶立て218、およ
び電気泳動槽216を有する。
【0081】デンシトメータ206は、電気泳動によっ
て分画された各成分の濃度を光の吸収と反射とを利用し
て測定する機器であり、コンピュータ本体204に接続
されており、その動作はコンピュータによって制御され
ている。
【0082】コンピュータは、コンピュータ本体20
4、入力装置(キーボード203、マウス208)、表
示装置(CRT)202、および出力装置(プリンタ)
205を備える。なお、図中の参照符号207は電気泳
動装置201に電力を供給するための電源である。
【0083】次に、上記のように構成されるリポ蛋白分
離分析装置の動作について説明する。
【0084】まず、はじめに自動電気泳動装置201を
使用したリポ蛋白の分画化と該リポ蛋白の泳動図の作製
を行う。なお、本発明に特徴的な点を除いて電気泳動法
の一般的な操作は当業者によく知られたものであること
から、説明を簡潔に行うことにする。
【0085】試料の展開は、図1に示すように、標準試
料(1)と検体試料(2)との組み合わせ、検体試料
(2)とコントロール(3)との組み合わせで行うこと
ができる。また、マーカを含む試料(4)あるいは試料
(5)の場合は、それぞれ検体試料(2)と混合して単
独で行うことができる。
【0086】以下、図2に示すリポ蛋白分離分析装置シ
ステムを用いたリポ蛋白分離分析の一例を説明する。
【0087】まず、所定量のアガロース溶液を固化させ
ることで、電気泳動装置の支持体に用いるアガロース薄
膜を作製する。この際、アガロース薄膜を所望の形状に
作製するために、セットピン穴102および103(図
1)に対応する穴が開けられたプラスチック薄膜と、こ
れらの穴に対応し、かつ位置合わせを可能にするピンが
設けられた金型とを使用する。この電気泳動装置では、
アガロースの支持体が電気泳動用の緩衝液を保持できる
ような形状になっている。そのため、金型は、緩衝液を
保持する電極部分は厚く、また試料塗布部に試料孔10
1が出来るようにパターン化されている。このような金
型のピンに、上記プラスチック薄膜のセットピン穴10
2および103に対応する穴を合わせて、平板で上から
押さえ、次いで金型にアガロース溶液を流し込み、固化
させることによってアガロース薄膜が作製される。な
お、アガロース薄膜は、予め作製して保存しておいたも
の、またはK.K.HELENA KENKYUJYO
(日本)から市販されているREP LIPO 30
PLATEなどの既製品を使用してもよい。
【0088】次に、図2の電気泳動槽216において、
分析に用いるアガロース薄膜の2カ所のセットピン穴1
02および103(図1)を、電気泳動槽216のセッ
トピン(不図示)に差し込み、該電気泳動槽216の床
に密着させる。両端が磁性体の試薬展開棒と電極棒とを
アガロース薄膜(電気泳動用の支持体)に触れるように
して、磁石である電極に吸着させておき、電気泳動槽の
ドアを閉める。 試薬瓶立て218にコレステロール試
薬瓶を準備して、試料台214に試料を採る。
【0089】上述のように電気泳動の準備が終了した
後、電気泳動が開始されて泳動図の作製が行われる。以
下に泳動図の作製手順を、図3を参照しながら説明す
る。
【0090】先ず、はじめにキーボード203から泳動
開始の指示を入力する。そのことにより、コンピュータ
から電気泳動装置に泳動開始の指示が送られる。
【0091】コンピュータ本体204から泳動開始の指
示を自動電気泳動装置201が受けると、試料台214
の試料が試料溝101に注入される(S301)。
【0092】次に、アガロース薄膜に電圧が印加されて
電気泳動が開始する(S302)。
【0093】所定の時間が経過して、電気泳動が終了し
た後、コレステロール測定試薬などの発色試薬の展開を
行い(S303)、アガロース薄膜に発色試薬を含ま
せ、所定の時間および所定の温度(例えば30℃)で反
応させることにより、アガロース薄膜を染色する(S3
04)。なお、コレステロール成分を検出する発色試薬
としては、K.K.HELENA KENKYUJYO
(日本)から市販されているTITAN GEL S
CHOLESTEROLなどのコレステロール測定試薬
を使用することができる。
【0094】次いで、染色されたアガロース薄膜を5パ
ーセント酢酸で固定して(S305)、乾燥を行う(S
306)。このような作業の結果、例えば図1に示すよ
うな泳動図が得られる。
【0095】上述のような手順により泳動図を得た後、
アガロース薄膜上に現れた泳動図を構成する各分画の濃
度および位置をデンシトメータ206で読み取る。
【0096】泳動図が描かれたアガロース薄膜をデンシ
トメータ206(図2)にセットする。すなわち、泳動
図送り522(図5)のピンと、アガロース薄膜のセッ
トピン穴102および103(図1)とを位置合わせす
る。泳動図の走査(スキャン)条件の設定は、コンピュ
ータ本体204に接続されたCRT202に表示される
画面上で行うことができる。そのような画面の一例を図
4に示す。コンピュータ本体204に格納されたプログ
ラミング(所定のアプリケーション)を読み出し、図4
に示すような走査条件設定画面(すなわち、スキャンパ
ラメータ設定画面401)をCRT202(図2)に表
示させる。スキャンパラメータ設定画面401におい
て、項目名402から検査しようとする項目の名称を選
択し、次いで、スキャン403を指示することにより測
定が開始される。この画面上では、検査項目名402で
「コレステロール」が選択されている。さらに詳しいス
キャン条件の設定は、画面下部のパラメータ設定部40
4で行い、各パラメータ(条件)の入力には、マウス2
08およびキーボード203(図2)を利用する。予め
設定されたデフォルトを用いてもよい。このデフォルト
を変更する必要がない場合は、スキャンシークエンス
(スキャンSeq.)405(図4)を入力するだけで
よく、スキャン・ボタン403をマウス208(図2)
でクリックするか、事前に定めたキーボード203上の
ショートカットキーを押す。
【0097】デンシントメータ206(図2)による泳
動図のスキャンを開始すると、泳動図がデンシトメータ
内を搬送される速度のデータと、デンシトメータ206
で検出される泳動図を透過する光量の変化のデータとが
コンピュータ本体204に入力される。そして、それら
のデータをもとにコンピュータ本体204によって泳動
図を構成する各分画の相対位置および濃度が計算され
る。これらの過程について、図5を参照しながら以下に
詳細に説明する。
【0098】図5は、デンシトメータおよびコンピュー
タの構成を説明するためのブロック図である。以下、説
明を容易にするために、検体試料(2)とコントロール
(3)とを組み合わせて電気泳動した場合について説明
する。
【0099】まず、はじめに、上記のように測定の準備
が完了してスキャン・ボタン403が押されると測定が
開始される。光学系524(図5)から発せられたビー
ム測定光(図中矢印B)はスリット(不図示)を通って
泳動図100を通過する。ビーム測定光Bが泳動図10
0を通過することにより光量の一部が泳動図100に吸
収され測定光Bが変化し、この変化量が起電力の変化と
して受光素子526で捕らえられる。受光素子526で
捕らえた変化量を対数増幅器528で対数増幅して、A
/D変換器530でデジタル値に変換し、コンピュータ
204に内蔵された記録媒体(例えば、ハードディス
ク)に格納する。検査結果の出力を指示することによ
り、スキャン方向の横軸に対して積分値を縦軸としたグ
ラフ532をCRT202上に表示したり、プリンタ2
05に出力することができる。また、コンピュータ20
4は、波形の積分値にもとづいて、各分画を百分率に変
換して、すでに求められている総濃度から各分画の濃度
を求めることもできる。なお、泳動図送り522のピン
と泳動図のセットピン穴102,103(図1)とは一
致しており、かつ試料の塗布位置はセットピン穴10
2,103で規定されるので、試料の塗布点は常に同じ
位置に設定される。
【0100】コレステロール測定試薬によって染色され
た、コレステロールを含むリポ蛋白の各分画は、発色試
薬に依存する特定の吸光スペクトルを示すようになる。
例えば、K.K.HELENA KENKYUJYO
(日本)から市販されているTITAN GEL S
CHOLESTEROLなどのコレステロール測定試薬
を用いてコレステロールを検出すると、リポ蛋白中のコ
レステロール成分とコレステロール測定試薬中の成分と
が反応してホルマザンが形成される。したがって、ホル
マザンの吸収スペクトルに相当する570nmの波長で
泳動図をスキャンすることができる。得られたリポ蛋白
分画(コレステロール)に関するグラフは、ハードディ
スクなどの記録媒体に格納される。このようにして記録
媒体に格納されたリポ蛋白分画に関するグラフの一例
を、図10から図12に示す(これらについては後述す
る)。
【0101】コンピュータ本体204は、泳動図送り5
22と同期がとれており、泳動図送りの位置情報を得て
いる。 キーボード203はコンピュータ本体204へ
の指示またはデータの入力を行う際に使用される。プリ
ンター205は、検査結果の報告書作成時に使用され
る。I/O変換器534は、外部コンピュータの端末機
器とのデータのやりとりなどの交信のために使用され
る。
【0102】図6および図7は、コンピュータに接続さ
れたCRT202上に表示される画面であり、塗布位
置、コントロール値(データ)などの入力や登録を行う
画面である。
【0103】塗布位置604(図6)をマウス208
(図2)でクリックして電気泳動用の支持体における試
料の塗布点を設定する。 例えば、リポ蛋白分画として
コレステロールの分画測定を行う場合には、項目名60
1で「コレステロール」を指示する。次いで、スキャン
開始(begin)602、スキャン終了(end)603にデ
ータを入力する。光学系のスリット状ビーム光を泳動図
100の塗布点101(図1)と一致させ、塗布位置6
04をマウス208(図2)でクリックすると、塗布位
置607(図6)に塗布位置のデータ、例えば数字「1
590」が表示される。ただし、塗布位置607に表示
される数字(ここでは「1590」)は、スキャン開始
602に表示される数字「2003」とスキャン終了6
03に表示される数字「1535」との間に入る数字で
なければならない。
【0104】同一項目について同一の設定位置を採用す
る場合には、ステップコピー606をマウス208(図
2)でクリックして全ステップ番号を指示し、登録60
8(図6)をクリックして登録を指示する。かかる操作
によりコンピュータの記録媒体にデータが記録されるの
で、その後、同一項目、ここでは「コレステロール」の
分画測定を行う場合には、再度の入力は不要である。確
認ボタン605をマウス208(図2)でクリックする
と、スリット状ビーム光が塗布点位置に移動して、正確
に塗布位置を捕らえているか否かが確認できる。
【0105】コントロール登録609(図6)をマウス
208(図2)でクリックすると、図7のコントロール
値入力メニューが開く。
【0106】次に、図7で示される画面に相対移動率7
01(図7)のデータ(ここでは「1.125」)、お
よびLDLの距離702(ここでは「64」)を入力す
る。ここで、相対移動率701は、予め求められた、標
準試料(1)における値(a)に対するコントロール
(3)における値(c)の比を示す。また、LDLの距
離702は、コントロール(3)の塗布点からLDL分
画の中心位置までの距離(c)を示すものである。この
LDLの距離702は電気泳動用の支持体として使用可
能な各種薄膜間の微妙な違いを補正する目的のためにも
使用される。それぞれの値を入力した後に、登録703
をマウス208(図2)でクリックすれば、コンピュー
ター本体204にデータが登録され、変性度数が求めら
れる。
【0107】次に、LDLの変性度数を求める2つの方
法について具体的に説明する。
【0108】第1の方法を図8に示したフローチャート
にしたがって説明する。例えば、標準試料(1)の塗布
点からのLDL分画の中心位置までの移動距離(a)が
(a)=55ドッド(S801)、検体の塗布点からの
LDL分画の中心位置までの移動距離(b)が(b)=
70ドッド(S802)であるとする。この場合、検体
の相対移動率(z)は{z(=b/a)}=1.273
となる(S803)。なお、本明細書中で使用する「ド
ット」という用語は、例えば、測定範囲(走査範囲)が
256ドットと定められていれば、測定範囲を256分
割することを意味する。
【0109】LDLが変性されていない検体の相対移動
率は「1」であるから、変性の割合は「1.273−1
=0.273」となる。この値「0.273」を所定の
数値で割り算することにより、変性度数を求めることが
できる(S804)。ただし、この変性の割合「0.2
73」を変性度数で表すのために何段階に分割するのが
適当であるかを予め定めておき、1分割当たりの範囲を
所定の数値としてプログラムに組み込んでおく必要があ
る。例えば、1分割当たりの範囲を「0.1」とすれ
ば、変性の割合「0.273」は変性度数「2.73」
と表される(S805)。
【0110】また、例えば大、中、小などの適当な分類
表示記号を用い、これらの記号に対応する数値範囲をそ
れぞれ適宜定めておくことによって、先に得られた数値
(ここでは「0.273」)をその数値が該当する、
大、中、または小の記号で表示することもできる。ま
た、得られた数値を百分率として表示することもでき
る。
【0111】次に、第2の方法を図9に示したフローチ
ャートにしたがって説明する。例えば、検体の塗布点か
らのLDL分画の中心位置までの距離(b)が(b)=
70ドット(S901)、コントロール(3)の塗布点
からのLDL分画の中心位置までの距離(c)が(c)
=60ドット(S902)、コントロール(3)の相対
移動率(z1)が{z1(=c/a)}=1.125(S
903)である場合について、検体のLDLの変性度数
を求める。
【0112】標準試料の塗布点からのLDL分画の中心
位置までの距離(a)は、{a(=c/1.125)}
=53ドット、検体試料と標準試料の相対移動率
(z2)は{z2(=b/a=b・z1/c)}=70/
53=1.32となる。したがって、変性LDLを含ま
ない検体試料の相対移動率は1であるから、変性の割合
は「1.32−1=0.32」となる(S904)。こ
の後、上記第1の方法と同様にして検体試料の変性の割
合を変性度数に変換する(図中、S905に対応)。1
分割当たりの範囲を「0.08」とすれば、変性度数
「4」と表される(S906)。
【0113】なお、上述した例示は一例であり、適当な
条件を定めることにより、いかなる表示をすることも可
能である。
【0114】図10から図12は、デンシトメータで得
られた情報をコンピュータによって分析した結果を示す
グラフ(コレステロールの濃度および位置分布)が表示
されたCRT画面を示す図である。図中のグラフでは、
横軸は分画展開位置を表し、縦軸は光学密度または吸光
度を表す。また、画面上のグラフに隣接する部分には、
コレステロールを含むHDL、VLDL、LDLなどの
割合と濃度の分析結果が表示されており、その下部に
は、HDLとLDLとの比が示されている。
【0115】まず、図10について説明する。この図
は、検体試料(2)に変性LDLが含まれない(標準試
料(1)に相当する)場合を示す。図中、グラフ100
4中の直線1001は塗布点の位置を示し、直線100
2は変性のない標準試料(1)のLDL分画の中心位置
(波形のピーク位置)、および検体試料(2)のLDL
分画の中心位置(波形のピーク位置)を示す。1003
には変性度数が表示されるが、図10においては標準試
料(1)LDL分画の中心位置と検体試料のLDL分画
の中心位置とが重なっているので、変性度数はゼロを示
している。
【0116】次に、図11は検体試料(2)に変性LD
Lが含まれる場合を示す。図中、グラフ1105中の直
線1101は塗布点の位置を示し、直線1102は標準
試料(1)のLDL分画の中心位置(波形のピーク位
置)を示し、直線1103は検体試料(2)のLDL分
画の中心位置(波形のピーク位置)を示す。変性度数1
104は、「+86」と表示されているため、LDLは
変性されていることが分かる。
【0117】さらに、図12は検体試料に変性LDLが
含まれ、さらにその変性度数が負の値となる場合を示
す。図中、グラフ1205中の直線1201は塗布点の
位置を示し、直線1202は標準試料(1)のLDL分
画の中心位置(波形のピーク位置)を示し、直線120
3は検体試料(2)のLDL分画の中心位置(波形のピ
ーク位置)を示す。検体試料(2)のLDL分画の中心
位置よりも標準試料(1)におけるLDL分画の中心位
置の方が左側にある。すなわち、塗布点からその中心位
置までの距離が長いので、変性度数1204は、「−4
2」と負の値になっている。変数度数の負の値は、検体
試料(2)のLDLの泳動速度が、標準試料(1)のL
DLの泳動速度よりも遅い事を示しており、肝・胆道疾
患などで出現する異常LDLの検出に役立つ。
【0118】このように電気泳動によるリポ蛋白の分離
分析結果を用いて自動的にLDLの変性度数が求められ
ると、診断やそれに応じた食事療法や薬物療法の方針が
たてやすい。
【0119】なお、上記の画面に表示されたグラフは、
オペレータの指示によりプリンタ205(図2)から出
力することができる。上述の説明では、血清中のリポ蛋
白分離分析法を、該リポ蛋白に含まれるコレステロール
の分画位置および濃度に着目して説明した。しかし、本
発明はコレステロールに限定されるものではなく、他の
脂質成分あるいはタンパク質成分に着目することが可能
であることはいうまでもない。
【0120】また、本明細書では、アガロース電気泳動
法による血清試料の分離分析に関する事例により、本発
明のリポ蛋白分離分析法について説明した。しかし、本
発明のリポ蛋白分離分析法を、セルロース・アセテー
ト、寒天などの、支持体となり得る種々の薄膜を用いた
電気泳動装置により分離された試料などに対しても適用
できる。
【0121】また本発明のリポ蛋白分離分析法は、各種
薄膜を用いた電気泳動のみならず、キャピラリ電気泳動
装置を使用した場合についても適用することができる。
キャピラリ電気泳動装置を使用する場合は、標準試料ま
たは指標試料の分離を検体試料の分離の前または後に行
い、各試料の塗布位置からLDL分画の中心位置までの
距離または分離時間から相対移動度を求め、次いで、先
に説明したような手順にしたがってリポ蛋白の分離分析
を実施することが可能である。また、通常、キャピラリ
電気泳動法で用いられる標準物質をマーカーとして使用
し、該標準物質と検体試料とを混合して電気泳動を行
い、先に説明したような手順にしたがってリポ蛋白の分
離分析を実施することも可能である。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリ
ポ蛋白分離分析システムによれば、アポ蛋白の等電点の
違いに着目したリポ蛋白の電気泳動の結果から、リポ蛋
白中の所定成分、特に動脈硬化に関与する変性LDLの
変性の度合いを求めることができ、リポ蛋白中の所定成
分の量的または質的異常を容易かつ効果的に検討するこ
とができる。すなわち、再現性、定量性に優れ、操作法
が簡便で大量の検体を効率よく測定できる、臨床的に非
常に有効なリポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装
置、およびリポ蛋白分離分析システムを提供することが
可能となる。さらに、本発明の分析結果を抗酸化剤の薬
効の経過観察に役立て治療効果を観察できるので治療方
針が立て易くなると共に医療費の削減に貢献することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図であって、電気泳動
法により得られた血清中のリポ蛋白の模式的泳動図であ
る。
【図2】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析法に適用さ
れる電気泳動装置、デンシトメータ、およびコンピュー
タから構成されるリポ蛋白分離分析システムを説明する
ための模式図である。
【図3】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析法に適用さ
れる電気泳動法による泳動図の作製過程を説明するため
のフローチャートである。
【図4】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システムに
具備されたCRTに表示される測定条件設定画面の模式
図である。
【図5】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システムに
具備されたデンシトメータおよびコンピュータの構成を
説明するブロック図である。
【図6】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システムに
具備されたCRTに表示される画面の一例として、塗布
位置を表示設定するのに必要な条件を入力するCRT画
面を示す模式図である。
【図7】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システムに
具備されたCRTに表示される画面の一例として、マー
カーのデータを入力するCRT画面を示す模式図であ
る。
【図8】本発明にもとづく第1のリポ蛋白分離分析法を
説明するフローチャートである。
【図9】本発明にもとづく第2のリポ蛋白分離分析法を
説明するフローチャートである。
【図10】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システム
に具備されたデンシトメータにより得られた結果を、コ
ンピュータを介してグラフ化および数値化して表示した
CRT画面を示す模式図である。
【図11】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システム
に具備されたデンシトメータにより得られた結果を、コ
ンピュータを介してグラフ化および数値化して表示した
CRT画面を示す模式図である。
【図12】本発明にもとづくリポ蛋白分離分析システム
に具備されたデンシトメータにより得られた結果を、コ
ンピュータを介してグラフ化および数値化して表示した
CRT画面を示す模式図である。
【符号の説明】
100 電気泳動図 101 塗布点、試料溝 102 セットピン穴 103 セットピン穴 104 LDLに相当する分画 105 LDLに相当する分画 106 マーカーに相当する分画 107 マーカーに相当する分画 201 自動電気泳動装置 202 表示装置(CRT) 203 キーボード 204 コンピュータ 205 プリンタ 206 デンシトメータ 207 電源 208 マウス 212 アプリケータ 214 試料台 216 電気泳動槽 218 試薬瓶立て 522 泳動図送り 524 光学系 526 受光素子 528 対数増幅器 530 A/D変換器 532 グラフ 534 I/O変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 301B 315F 325A

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定成分を有するリポ蛋白を含む標準試
    料の電気泳動図と、前記所定成分と同種の成分を有する
    リポ蛋白を含む検体試料の電気泳動図とを用いて、前記
    検体試料中の所定成分の変性の度合いを判断するリポ蛋
    白分離分析装置であって、 前記標準試料および前記検体試料の電気泳動を行い各試
    料のリポ蛋白を分画し、次いで前記各リポ蛋白中の各所
    定成分をそれぞれ染色により検出する試薬を用いて前記
    各所定成分を染色し、それにより前記各所定成分の可視
    化された各電気泳動図を作製する電気泳動図作製手段
    と、 前記各所定成分の可視化された各電気泳動図を光学的に
    スキャンして、該各電気泳動図を光学密度の波形に変換
    して前記各所定成分の各波形図を作製する波形図作製手
    段と、 前記各波形図を数学的に処理して前記検体試料中の所定
    成分の変性の度合いを判断する手段とを備えてなり、 前記所定成分の変性の度合いを判断する手段が、 前記標準試料の所定成分の波形図から、該標準試料の塗
    布点と該標準試料中の所定成分に対応する分画の中心位
    置との距離(a)を求める第1の手段と、 前記検体試料の所定成分の波形図から、該検体試料の塗
    布点と該検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位
    置との距離(b)を求める第2の手段と、 前記距離(a)と前記距離(b)とを比較し、前記標準
    試料に対する前記検体試料の相対移動率{z(=b/
    a)}を求める第3の手段とを備え、前記相対移動率
    (z)にもとづいて前記検体試料中の所定成分の変性の
    度合いを判断することを特徴とするリポ蛋白分離分析装
    置。
  2. 【請求項2】 前記所定成分の変性の度合いを判断する
    手段において、前記第3の手段によって求められた前記
    相対移動率{z(=b/a)}を式: M = b/a − 1=(b−a)/a ・・・・・(1) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
    を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることを
    特徴とする請求項1に記載のリポ蛋白分離分析装置。
  3. 【請求項3】 前記所定成分の変性の度合いを判断する
    手段において、前記第3の手段によって求められた前記
    相対移動率{z(=b/a)}を式: M’= k(b/a − 1)=k(b−a)/a ・・・・・(2) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
    て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
    度数(M’)として求めることを特徴とする請求項1に
    記載のリポ蛋白分離分析装置。
  4. 【請求項4】 前記所定成分は、低比重リポ蛋白である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリ
    ポ蛋白分離分析装置。
  5. 【請求項5】 前記電気泳動は、アガロースゲルを主成
    分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実施され
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の
    リポ蛋白分離分析装置。
  6. 【請求項6】 所定成分を有するリポ蛋白を含む標準試
    料の電気泳動図と、前記所定成分と同種の成分を有する
    リポ蛋白を含む検体試料の電気泳動図と、前記所定成分
    の指標と成り得るマーカー成分を含む指標試料の電気泳
    動図とを用いて、前記検体試料中の所定成分の変性の度
    合いを判断するリポ蛋白分離分析装置であって、 前記標準試料と前記検体試料と前記指標試料との電気泳
    動をそれぞれ行って各試料を分画し、次いで前記標準お
    よび検体試料の各分画中の所定成分と前記指標試料の分
    画中のマーカー成分とをそれぞれ染色により検出する試
    薬を用いて各成分を染色し、それにより前記各成分の可
    視化された各電気泳動図を作製する電気泳動図作製手段
    と、 前記可視化された各電気泳動図を光学的にスキャンして
    各電気泳動図を光学密度の波形に変換して前記各所定成
    分および前記マーカー成分の各波形図を作製する波形図
    作製手段と、 前記各波形図を数学的に処理して前記検体試料中の所定
    成分の変性の度合いを判断する手段とを備えてなり、 前記所定成分の変性の度合いを判断する手段は、第1の
    測定手段と第2の測定手段とを有し、これら2つの測定
    手段によって求めた前記検体試料の相対移動率にもとづ
    いて前記検体試料中の所定成分の変性の度合いを判断す
    る手段であり、 前記第1の測定手段は、 前記標準試料の波形図から、前記標準試料の塗布点と該
    標準試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距
    離(a)を求める第1の手段と、 前記指標試料の波形図から、前記指標試料の塗布点と該
    指標試料中のマーカー成分に対応する分画の中心位置と
    の距離(c)を求める第2の手段と、 前記距離(a)と前記距離(c)とを比較し、前記標準
    試料に対する前記指標試料の相対移動率{(z1(=c
    /a)}を求める第3の手段とを備え、および前記第2
    の測定手段は、 前記検体試料の波形図から、前記検体試料の塗布点と該
    検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距
    離(b)を求め、前記指標試料の波形図から、前記指標
    試料の塗布点と該指標試料中のマーカー成分に対応する
    分画の中心位置との距離(c)を求める第4の手段と、 前記第1の測定手段によって求められた相対移動率(z
    1)と、前記第2の測定手段によって求められた前記距
    離(b)と前記距離(c)とから、前記検体試料の前記
    標準試料に対する相対移動率{z2(=b/a=b・z1
    /c)}を求める第5の手段とを備えることを特徴とす
    るリポ蛋白分離分析装置。
  7. 【請求項7】 前記所定成分の変性の度合いを判断する
    手段において、前記第5の手段によって求められた前記
    相対移動率{z2(=b/a=b・z1/c)}を式: M= b・z1/c − 1 ・・・・・(3) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
    を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることを
    特徴とする請求項6に記載のリポ蛋白分離分析装置。
  8. 【請求項8】 前記所定成分の変性の度合いを判断する
    手段において、前記第5の手段によって求められた前記
    相対移動率{z2(=b/a=b・z1/c)}を式: M’= k(b・z1/c − 1) ・・・・・(4) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
    て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
    度数(M’)として求めることを特徴とする請求項6に
    記載のリポ蛋白分離分析装置。
  9. 【請求項9】 前記指標試料はマーカーと成り得るアル
    コール脱水素酵素を含むことを特徴とする請求項6から
    8のいずれかに記載のリポ蛋白分離分析装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の測定手段において、前記第
    4の手段が前記指標試料と前記検体試料とを混合してな
    る試料を電気泳動することにより前記距離(b)と前記
    距離(c)とを同時に求める手段であることを特徴とす
    る請求項9に記載のリポ蛋白分離分析装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の所定成分は、低比重リポ蛋
    白であることを特徴とする請求項6から10のいずれか
    に記載のリポ蛋白分離分析装置。
  12. 【請求項12】 前記電気泳動は、アガロースゲルを主
    成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実施さ
    れることを特徴とする請求項6から11のいずれかに記
    載のリポ蛋白分離分析装置。
  13. 【請求項13】 所定成分を有するリポ蛋白を含む標準
    試料の電気泳動図と、前記所定成分と同種の成分を有す
    るリポ蛋白を含む検体試料の電気泳動図とを用いて、前
    記検体試料中の所定成分の変性の度合いを判断するリポ
    蛋白分離分析法であって、 前記標準試料および前記検体試料の電気泳動を行い各試
    料のリポ蛋白を分画し、次いで前記各リポ蛋白中の各所
    定成分をそれぞれ染色により検出する試薬を用いて前記
    各所定成分を染色し、それにより前記各所定成分の可視
    化された各電気泳動図を作製する電気泳動図作製工程
    と、 前記各所定成分の可視化された各電気泳動図を光学的に
    スキャンして、該各電気泳動図を光学密度の波形に変換
    して前記各所定成分の各波形図を作製する波形図作製工
    程と、 前記各波形図を数学的に処理して前記検体試料中の所定
    成分の変性の度合いを判断する工程とを有してなり、 前記所定成分の変性の度合いを判断する工程が、 前記標準試料の所定成分の波形図から、該標準試料の塗
    布点と該標準試料中の所定成分に対応する分画の中心位
    置との距離(a)を求める第1の工程と、 前記検体試料の所定成分の波形図から、該検体試料の塗
    布点と該検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位
    置との距離(b)を求める第2の工程と、 前記距離(a)と前記距離(b)とを比較し、前記標準
    試料に対する前記検体試料の相対移動率{z(=b/
    a)}を求める第3の工程とを有し、前記相対移動率
    (z)にもとづいて前記検体試料中の所定成分の変性の
    度合いを判断することを特徴とするリポ蛋白分離分析
    法。
  14. 【請求項14】 前記所定成分の変性の度合いを判断す
    る工程において、前記第3の工程によって求められた前
    記相対移動率{z(=b/a)}を式: M= b/a − 1=(b−a)/a ・・・・・(1) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
    を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることを
    特徴とする請求項13に記載のリポ蛋白分離分析法。
  15. 【請求項15】 前記所定成分の変性の度合いを判断す
    る工程において、前記第3の工程によって求められた前
    記相対移動率{z(=b/a)}を式: M’= k(b/a − 1)=k(b−a)/a ・・・・・(2) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
    て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
    度数(M’)として求めることを特徴とする請求項13
    に記載のリポ蛋白分離分析法。
  16. 【請求項16】 前記所定成分は、低比重リポ蛋白であ
    ることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記
    載のリポ蛋白分離分析法。
  17. 【請求項17】 前記電気泳動は、アガロースゲルを主
    成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実施さ
    れることを特徴とする請求項13から16のいずれかに
    記載のリポ蛋白分離分析法。
  18. 【請求項18】 請求項13から17のいずれかに記載
    のリポ蛋白分離分析法を実行するためのプログラミング
    が格納されていることを特徴とする記録媒体。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の記録媒体に格納さ
    れたプログラミングを実行するコンピュータと、該コン
    ピュータからの前記プログラミングにもとづいた命令に
    従って動作するリポ蛋白分離分析装置とを備えることを
    特徴とするリポ蛋白分離分析システム。
  20. 【請求項20】 所定成分を有するリポ蛋白を含む標準
    試料の電気泳動図と、前記所定成分と同種の成分を有す
    るリポ蛋白を含む検体試料の電気泳動図と、前記所定成
    分の指標と成り得るマーカー成分を含む指標試料の電気
    泳動図とを用いて、前記検体試料中の所定成分の変性の
    度合いを判断するリポ蛋白分離分析法であって、 前記標準試料と前記検体試料と前記指標試料との電気泳
    動をそれぞれ行って各試料を分画し、次いで前記標準お
    よび検体試料の各分画中の所定成分と前記指標試料の分
    画中のマーカー成分とをそれぞれ染色により検出する試
    薬を用いて各成分を染色し、それにより前記各成分の可
    視化された各電気泳動図を作製する電気泳動図作製工程
    と、 前記可視化された各電気泳動図を光学的にスキャンして
    各電気泳動図を光学密度の波形に変換して前記各所定成
    分および前記マーカー成分の各波形図を作製する波形図
    作製工程と、 前記各波形図を数学的に処理して前記検体試料中の所定
    成分の変性の度合いを判断する工程とを有してなり、 前記所定成分の変性の度合いを判断する工程は、第1の
    測定工程と第2の測定工程とを有し、これら2つの測定
    工程によって求めた前記検体試料の相対移動率にもとづ
    いて前記検体試料中の所定成分の変性の度合いを判断す
    る工程であり、 前記第1の測定工程は、 前記標準試料の波形図から、前記標準試料の塗布点と該
    標準試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距
    離(a)を求める第1の工程と、 前記指標試料の波形図から、前記指標試料の塗布点と該
    指標試料中のマーカー成分に対応する分画の中心位置と
    の距離(c)を求める第2の工程と、 前記距離(a)と前記距離(c)とを比較し、前記標準
    試料に対する前記指標試料の相対移動率{z1(=c/
    a)}を求める第3の工程とを有し、および前記第2の
    測定工程は、 前記検体試料の波形図から、前記検体試料の塗布点と該
    検体試料中の所定成分に対応する分画の中心位置との距
    離(b)を求める第4の工程と、 前記指標試料の波形図から、前記指標試料の塗布点と該
    指標試料中のマーカー成分に対応する分画の中心位置と
    の距離(c)を求める第5の工程と、 前記第1の測定工程によって求められた相対移動率(z
    1)と、前記第2の測定工程によって求められた前記距
    離(b)と前記距離(c)とから、前記検体試料の前記
    標準試料に対する相対移動率{z2(=b/a=b・z1
    /c)}を求める第6の工程とを有することを特徴とす
    るリポ蛋白分離分析法。
  21. 【請求項21】 前記所定成分の変性の度合いを判断す
    る工程において、前記第6の工程によって求められた前
    記相対移動率{z2(=b/a=b・z1/c)}を式: M= b・z1/c − 1 ・・・・・(3) に代入することによって、前記所定成分の変性の度合い
    を前記所定成分の変性の割合(M)として求めることを
    特徴とする請求項20に記載のリポ蛋白分離分析法。
  22. 【請求項22】 前記所定成分の変性の度合いを判断す
    る工程において、前記第6の工程によって求められた前
    記相対移動率{z2(=b/a=b・z1/c)}を式: M’= k(b・z1/c − 1) ・・・・・(4) [式中、kは定数(k>0)]に代入することによっ
    て、前記所定成分の変性の度合いを前記所定成分の変性
    度数(M’)として求めることを特徴とする請求項20
    に記載のリポ蛋白分離分析法。
  23. 【請求項23】 前記指標試料はマーカーと成り得るア
    ルコール脱水素酵素を含むことを特徴とする請求項20
    から22のいずれかに記載のリポ蛋白分離分析法。
  24. 【請求項24】 前記第2の測定工程において、前記指
    標試料と前記検体試料とを混合した状態で電気泳動する
    ことにより、前記第4の工程と前記第5の工程とを同時
    に行うことを特徴とする請求項23に記載のリポ蛋白分
    離分析法。
  25. 【請求項25】 前記第1の所定成分は、低比重リポ蛋
    白であることを特徴とする請求項20から24のいずれ
    かに記載のリポ蛋白分離分析法。
  26. 【請求項26】 前記電気泳動は、アガロースゲルを主
    成分とする支持体を用いる電気泳動装置によって実施さ
    れることを特徴とする請求項20から25のいずれかに
    記載のリポ蛋白分離分析法。
  27. 【請求項27】 請求項20から26のいずれかに記載
    のリポ蛋白分離分析法を実行するためのプログラミング
    が格納されていることを特徴とする記録媒体。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の記録媒体に格納さ
    れたプログラミングを実行するコンピュータと、該コン
    ピュータからの前記プログラミングにもとづいた命令に
    従って動作するリポ蛋白分離分析装置とを備えることを
    特徴とするリポ蛋白分離分析システム。
JP2000107103A 1999-04-14 2000-04-07 リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム Expired - Fee Related JP4588835B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000107103A JP4588835B2 (ja) 1999-04-14 2000-04-07 リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム
EP00108157A EP1045247B1 (en) 1999-04-14 2000-04-13 A method for separating and assaying lipoprotein, an assembly for performing such a method, and a system including such an assembly
DE60008159T DE60008159T2 (de) 1999-04-14 2000-04-13 Trenn- und Analyseverfahren für Lipoproteine, Vorrichtung zur Durchführung desselben, sowie ein die Vorrichtung enthaltendes System
ES00108157T ES2214185T3 (es) 1999-04-14 2000-04-13 Procedimiento para separar y ensayar lipoproteinas, un conjunto para ensayar dicho procedimiento y un sistema que incluye dicho conjunto.
US09/549,925 US6576106B1 (en) 1999-04-14 2000-04-14 Method for separating and assaying lipoprotein, an assembly for performing such a method, and a system including such an assembly

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10725899 1999-04-14
JP11-107258 1999-04-14
JP2000107103A JP4588835B2 (ja) 1999-04-14 2000-04-07 リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000356641A true JP2000356641A (ja) 2000-12-26
JP4588835B2 JP4588835B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=26447298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000107103A Expired - Fee Related JP4588835B2 (ja) 1999-04-14 2000-04-07 リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6576106B1 (ja)
EP (1) EP1045247B1 (ja)
JP (1) JP4588835B2 (ja)
DE (1) DE60008159T2 (ja)
ES (1) ES2214185T3 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004053500A1 (ja) * 2002-12-06 2004-06-24 Denka Seiken Co., Ltd. 小粒子低比重リポ蛋白の定量法
JP2006214955A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd Hdl−コレステロール分析用ディスク、及びhdl−コレステロール分析用装置
WO2007126099A1 (ja) 2006-05-01 2007-11-08 Denka Seiken Co., Ltd. 家族性複合型高脂血症の検出方法
JP2010169696A (ja) * 2010-05-10 2010-08-05 Denka Seiken Co Ltd 動脈硬化の診断方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1444526B1 (en) * 2001-11-13 2011-09-21 The Regents of The University of California Ion mobility analysis of biological particles
US8247235B2 (en) 2007-06-08 2012-08-21 Quest Diagnostics Investments Incorporated Lipoprotein analysis by differential charged-particle mobility
US9354200B1 (en) 2008-08-07 2016-05-31 Quest Diagnostics Investments Incorporated Detection apparatus for differential-charged particle mobility analyzer
US9250211B2 (en) 2010-12-30 2016-02-02 Quest Diagnostics Investments Incorporated Magnetic separation of lipoproteins using dextran sulfate

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60102546A (ja) * 1983-11-09 1985-06-06 Omron Tateisi Electronics Co リポタンパク自動泳動装置
JPH0656899A (ja) * 1991-12-11 1994-03-01 Sebia 電気泳動によるLp(a)の分離方法、この方法を実施するためのゲル、及びLp(a)の存在に結び付けられる粥腫形成の危険のin vitro決定のための適用
JPH11230937A (ja) * 1998-02-18 1999-08-27 Herena Kenkyusho:Kk 分離分析検査データ処理装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5625041A (en) * 1990-09-12 1997-04-29 Delta Biotechnology Limited Purification of proteins
US4420383A (en) * 1980-07-10 1983-12-13 Olympus Optical Co., Ltd. Fractionating method in electrophoreses
US4920498A (en) * 1985-08-17 1990-04-24 Olympus Optical Co., Ltd. Method of processing and analyzing electrophoretic image, and method of displaying electrophoregram and a medium for recording electrophoregram
US4909920A (en) * 1987-03-16 1990-03-20 Helena Laboratories Automatic electrophoresis apparatus and method
US5068019A (en) * 1989-05-19 1991-11-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Electrophoresis film support
US5316908A (en) * 1990-07-13 1994-05-31 Life Technologies, Inc. Size markers for electrophoretic analysis of DNA
FR2693209B1 (fr) * 1992-07-03 1994-09-30 Inst Nat Sante Rech Med Procédé de détermination de la taille en nucléotides de fragments d'ADN.
US6068753A (en) * 1996-05-06 2000-05-30 Helena Laboratories Corporation Automatic electrophoresis apparatus with fluorescent and visible scanning

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60102546A (ja) * 1983-11-09 1985-06-06 Omron Tateisi Electronics Co リポタンパク自動泳動装置
JPH0656899A (ja) * 1991-12-11 1994-03-01 Sebia 電気泳動によるLp(a)の分離方法、この方法を実施するためのゲル、及びLp(a)の存在に結び付けられる粥腫形成の危険のin vitro決定のための適用
JPH11230937A (ja) * 1998-02-18 1999-08-27 Herena Kenkyusho:Kk 分離分析検査データ処理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004053500A1 (ja) * 2002-12-06 2004-06-24 Denka Seiken Co., Ltd. 小粒子低比重リポ蛋白の定量法
US7544515B2 (en) 2002-12-06 2009-06-09 Denka Seiken Co., Ltd. Method of quantifying small-sized low density lipoprotein
US7811826B2 (en) 2002-12-06 2010-10-12 Denka Seiken Co., Ltd. Method of quantitatively measuring small particle low density lipoproteins
JP2006214955A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd Hdl−コレステロール分析用ディスク、及びhdl−コレステロール分析用装置
JP4645211B2 (ja) * 2005-02-07 2011-03-09 パナソニック株式会社 Hdl−コレステロール分析用ディスク、及びhdl−コレステロール分析用装置
WO2007126099A1 (ja) 2006-05-01 2007-11-08 Denka Seiken Co., Ltd. 家族性複合型高脂血症の検出方法
JP2010169696A (ja) * 2010-05-10 2010-08-05 Denka Seiken Co Ltd 動脈硬化の診断方法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2214185T3 (es) 2004-09-16
EP1045247A3 (en) 2001-10-17
DE60008159T2 (de) 2004-12-23
JP4588835B2 (ja) 2010-12-01
EP1045247A2 (en) 2000-10-18
DE60008159D1 (de) 2004-03-18
US6576106B1 (en) 2003-06-10
EP1045247B1 (en) 2004-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bronzert et al. New micromethod for measuring cholesterol in plasma lipoprotein fractions.
JP6615831B2 (ja) 差異荷電粒子移動度によるリポ蛋白質の分析
JP5981433B2 (ja) 体液内のリポ蛋白粒子レベルを決定する分析
US5078853A (en) Segmented electrophoretic separation system useful for lipid profiling
Henskens et al. Detection and identification of monoclonal gammopathies by capillary electrophoresis
Papadopoulos et al. Determination of human serum lipoprotein patterns by agarose gel electrophoresis
JP4588835B2 (ja) リポ蛋白分離分析法、リポ蛋白分離分析装置、およびリポ蛋白分離分析システム
Grönwall On paper electrophoresis in the clinical laboratory
Sakurai et al. Measurement of single low-density lipoprotein particles by atomic force microscopy
US20160109471A1 (en) Lipoprotein particle number from measurements of lipoprotein particle phospholipid concentration in lipoprotein particle membrane bilayer
US6963822B1 (en) Method and apparatus for separation, analysis and evaluation of data
JP2007248131A (ja) セルロースアセテート膜を用いたリポ蛋白質の分離方法
Zhang et al. Association between fast-migrating low-density lipoprotein subfraction as characterized by capillary isotachophoresis and intima-media thickness of carotid artery
McGregor et al. Laser-based fluorescence microscopy of living cells
Walmsley et al. Effect of plasma triglyceride concentrations on the accuracy of immunoturbidimetric assays of apolipoprotein B
JPH0580056A (ja) 高比重リポ蛋白コレステロール分析用分画液及び分析方法
Camejo et al. Agarose isoelectric focusing of plasma low and very low density lipoproteins using the PhastSystem
Papadopoulos Abrnomal lipoprotein patterns in human serum as determined by agarose gel electrophoresis.
JPWO2009048081A1 (ja) 脂肪性肝疾患の診断方法、診断装置、診断プログラム及び脂肪性肝疾患用治療薬のスクリーニング方法
US20110178718A1 (en) Characterization of biological samples
McNamara et al. Dynamic analytical chemistry: a kinetic study of the labeling of normal and age fractionated human erythrocytes with monobromobimane
Mazurkiewicz et al. Measurement of apolipoproteins in the diabetic clinic.
Stuart Should we ban the mercury thermometer?
WO2007001011A1 (ja) 食後高脂血症診断のための測定試薬
JP2009115773A (ja) 低密度リポタンパクコレステロールの精度管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070307

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100518

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20100712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100712

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100827

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees