JP2000355699A - オゾン含有浄化液、その製造方法及び浄化方法 - Google Patents
オゾン含有浄化液、その製造方法及び浄化方法Info
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Abstract
れているが、オゾンの水に対する溶解度が低いため、高
濃度オゾンによる洗浄は実施できず、高速化及び高密度
化が要請される電子機器産業に十分応えることができな
かった。 【解決手段】 電解槽1で生成するオゾン含有ガスをハ
ロゲンを含有する有機溶媒10に溶解して生成するオゾン
含有浄化液。オゾンの有機溶媒に対する溶解度が高いた
め、又ハロゲンを含有する有機溶媒自体が浄化能力を有
するため、本発明の浄化液は従来のオゾン水と比較して
格段の浄化能を有する。更にオゾンが水中よりも有機溶
媒中で安定であるため、より長寿命の浄化液が得られ
る。
Description
子の洗浄等に使用できる電子機器の洗浄液、注射器等の
医療機器の殺菌液、廃水の脱色又は脱臭用の水処理用等
として利用可能なオゾン含有浄化液、その製造方法及び
該浄化液を使用する浄化方法に関する。
目されつつあり、特に分解生成物が酸素であり従来から
使用されている塩素系のものと比較して残留物が被処理
水中に残留しないこと、分解速度が速くオゾンがそれ自
身残留せず二次公害の問題も全くないこと等の理由から
水処理用としての使用が増加している。このように酸化
剤として有用なオゾンを発生させるために従来から主と
して放電法及び電解法が採用され、酸素とオゾンの混合
ガスであるオゾン含有ガスとして得られている。前者の
放電法は放電用電極物質の混入や空気中の窒素の放電酸
化物であるNOxの混入があり、特に高純度を要求され
る電子機器洗浄用としては不適切で、他の用途としても
不純物が多いため望ましくなく、現在では高純度オゾン
含有ガスの製法としては実質上使用されていない。
ン含有ガスを製造する方法で、この電解生成オゾン含有
ガスは、水を原料とし、二酸化鉛、金、白金等を電極と
して使用しあるいはこれら電極物質を固体電解質(SP
E)の隔膜に付着させた構造体いわゆるSPE型電極構
造体を使用して電解を行い、陽極側から水電解生成物で
あるオゾンを酸素との混合物として得ることができる。
該電解オゾンは液体系で製造されるため完全な湿潤ガス
であり、15%以上の高濃度で得られる等の特徴を有して
いる。このオゾン含有ガスを使用して対象物の洗浄を行
う場合、洗浄対象が廃水やプール水であるとオゾン含有
ガスを直接洗浄対象物に吹き込んで有害不純物の分解や
殺菌を行うことができる。又洗浄対象が半導体素子等の
電子機器であると、電解で生成したオゾン含有ガスを純
水等の高純度水に溶解してオゾン水として洗浄用に使用
される(特公平8−13356 号公報)。
コン基板上の微細金属配線やパターン形成工程、あるい
はLCDガラス基板上のパターン形成工程では、頻繁に
リソグラフィー技術が用いられる。このリソグラフィー
が使用される工程は、有機高分子系の感光性樹脂から成
るレジストの塗布→ベイキング→マスク露光→エッチン
グ→レジスト除去の順に行われる。前記オゾン水は、個
々の半導体素子の洗浄やレジスト除去に使用され、その
酸化剤としての優秀性から電子機器の素子洗浄用及びレ
ジスト除去用として幅広く使用されている。現在では、
多層配線化や線幅の狭小化等の配線の高密度化が急速に
進み、製品完成までの間のリソグラフィーを使用する工
程の数が増加している。現在リソグラフィーを使用する
工程で使用されるレジストの除去方法としては、レジス
ト種専用の有機系剥離液によりレジストを溶解させる方
法、酸素等のプラズマアッシングによりエッチングで除
去する方法、120 ℃程度の高温高濃度硫酸と過酸化水素
から成る無機系の剥離液を併用する酸化的除去方法等が
ある。
リクロロエチレン、1、1、1−トリクロロエタン、テ
トラクロロエチレン、塩化メチレン等の塩素系溶剤、フ
ロン112 、フロン113 等のフロン系溶剤、及び芳香族系
溶剤が使用されている。更にこれらの溶剤で洗浄後に、
ケトン系又はアルコール性溶剤を組み合わせて洗浄を行
うこともあり、例えば剥離液でレジストを剥離した後、
前記塩素系溶剤又はフロン系溶剤で洗浄し、次いでメチ
ルエチルケトン、アセトン等で洗浄し、更にイソプロパ
ノール等で洗浄するレジスト除去方法が用いられてい
る。
洗浄の殆どの工程には、前述のオゾン水が使用されてい
る。該オゾン水は電解法により生成させた高純度オゾン
含有ガスを使用して生成させたものであるため、電子機
器洗浄に要求される純度要求に応じられる純度を有し、
純度面では問題は生じていない。しかしながら洗浄対象
となる電子機器の数の増加から、単なる洗浄効果の維持
及び向上だけでなく、より高速度で洗浄することが望ま
れているが、現在のオゾン水を使用する洗浄方法では、
この要望には十分に応じているとは言えない。
洗浄力は優れているが、それぞれに取扱い上の問題点が
ありレジスト種に応じて使い分ける必要がある。つまり
それぞれレジスト残渣の発生、有機系廃液の発生、濃厚
硫酸の発生等の問題点があり、特に近年のリソグラフィ
ーを使用する工程の増加に伴って、廃液量が増大し、処
理系統への負担増や生活環境への悪影響が危惧されてい
る。又オゾン水によるレジスト除去あるいは洗浄方法に
は、高濃度オゾン水が得られにくく、レジストのよう
な強固な有機物の除去にはエッチングレートが小さく適
切でない、オゾンは水中では分解速度が比較的速く溶
存オゾンが効果的に利用されない、オゾン水中では温
度を60℃以上に上げるとオゾンの分解速度が上昇し水蒸
気圧の上昇によりオゾン濃度が下がり効果的でない、と
いった問題点が指摘されている。この他にも、オゾン水
等をはじめとする各種浄化液による洗浄等の浄化が行わ
れているが、より一層の浄化効果の向上が望まれてい
る。本発明は、このような電子機器の洗浄、レジスト除
去、医療機器殺菌等の各種浄化操作をより効果的にかつ
不純物や廃液を発生させることなく行い得るオゾン含有
浄化液、その製造方法及び該浄化液を使用する浄化方法
を提供することを目的とする。
スをハロゲン、特にフッ素を含有する有機溶媒に溶解さ
せたことを特徴とするオゾン含有浄化液であり、該浄化
液は電子機器洗浄及び/又はレジスト除去用として好適
である。この浄化液は、オゾン含有ガスを、散気ボール
を使用してハロゲンを含有する有機溶媒中に吹き込み溶
解させることにより、又はハロゲンを含有する有機溶媒
を陽極液として使用するオゾンの電解生成により製造で
きる。又該浄化液を使用するスピン洗浄法又は超音波照
射を伴う浸漬法により効率良く製造できる。
る、オゾン含有ガスをハロゲンを含有する有機溶媒に溶
解させて成るオゾン含有浄化液は次のような特徴を有し
ている。 オゾンの有機溶媒に対する溶解度が水に対する溶解
度より格段に高いため、浄化液特に洗浄液として洗浄能
力が高くなる。 ハロゲンを含有する有機溶媒自体にも浄化能力があ
るため、更に一層の浄化能力の向上が達成できる。 有機溶媒の選択、特に沸点を好適に選択すると、オ
ゾン水では行い得ない100 ℃を越える温度での洗浄や殺
菌等が可能になり、従来はオゾン洗浄の対象となりえな
かった洗浄を含む幅広い種類の洗浄に対応でき、更に洗
浄や殺菌以外の多様な種類の浄化に応じられる。 有機溶媒中でのオゾン分解が水中でのオゾン分解よ
り進行しにくいため、浄化液としての寿命が長くなる。
機溶媒のハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素及び沃素
があり、中でもフッ素及び塩素の使用が望ましく、フッ
素の使用が最適である。本発明のハロゲンを含有する有
機溶媒としてフッ素を含む有機溶媒、特にパーフルオロ
カーボン化合物の溶媒が好ましいのは、フッ素を含む有
機溶媒は殆どオゾンと反応せず、対象浄化物の処理工程
中に安定に維持され、再生等を行うことなく繰り返し使
用できるからであり、パーフルオロカーボン化合物を使
用すると一層の耐性向上が達成できる。塩素、臭素ある
いは沃素を含有する有機溶媒の中にはオゾンと反応して
分解したり劣化したりする溶媒があり、分解物による汚
染も考えられるため、フッ素以外のハロゲンを含有する
有機溶媒を使用する場合にはオゾンとの反応性を考慮し
て選択する必要がある。
であることが望ましく、例えば沸点が30℃以上、融点が
20℃以下の有機溶媒であることが好ましい。沸点が100
℃を越える有機溶媒を選択すると前述の通りオゾン水で
は不可能な温度での洗浄等が可能になり、従来のオゾン
処理では成し得なかった高度の洗浄を必要とする部材の
洗浄等の浄化操作が可能になる。該有機溶媒は単独の化
合物でも混合物でも良く、2種以上のハロゲンを含んで
いても良い。所望の沸点の有機溶媒が見出せない場合に
は2以上の有機溶媒を混合して見掛け上の沸点を調節す
ることができる。
有機溶媒としては、パーフルオロカーボン(PFC、炭
化水素の全ての水素をフッ素で置換した化合物)、パー
フルオロエーテル(PFE、炭化水素系エーテルの全て
の水素をフッ素で置換した化合物)、ハイドロクロロフ
ルオロカーボン(HCFC、炭化水素の水素の一部を塩
素及びフッ素で置換した化合物)、ハイドロフルオロカ
ーボン(HFC、炭化水素の水素の一部をフッ素で置換
した化合物)、ハイドロフルオロエーテル(HFE、炭
化水素系エーテルの全ての水素の一部をフッ素で置換し
た化合物)及び水素の一部をフッ素で置換したフッ素化
アルコール等がある。パーフルオロ化合物のうち、具体
的に化学式が特定されている化合物としてアウジモント
社が「GALDEN」という商品名で市販しているパー
フルオロエーテルがあり、この化合物は、CF3 −
〔(O−(CF3 −)CF−CF2 )n−(O−C
F2 )m〕O−CF3 の化学構造式で表される。
ロゲンを含有する有機溶媒としてパーフルオロカーボン
やパーフルオロエーテルの使用が望ましい。本発明に使
用するハロゲンを含有する有機溶媒に対するオゾンの溶
解度は、純水や水道水に対するオゾンの溶解度の数倍か
ら数十倍に達し、溶解度の上昇に伴って浄化能力も上昇
する。これらの有機溶媒は通常モノマーが重合した高分
子化合物で、低分子量の場合ほど同一重量の有機溶媒に
対するオゾンの溶解度は高く、高分子量の場合ほど同一
重量の有機溶媒に対するオゾンの溶解度は低くなる。該
有機溶媒にオゾン含有ガスを溶解させるには、通常のオ
ゾン水製造の場合のように散気板や散気ボールを使用し
て行うことが望ましく、つまりオゾン含有ガスを散気板
や散気ボールを通して有機溶媒中にバブリングすること
により容易にオゾン含有浄化液が得られる。
を一回の操作で行うこともできる。つまり隔膜を使用し
て陽極室及び陰極室に区画された電解槽の陽極室にオゾ
ン発生用陽極を設置し、かつ陽極液としてハロゲンを含
有する有機溶媒を使用して電解を行うと陽極室で生成す
るオゾン含有ガスがそのまま陽極液である前記有機溶媒
に溶解して本発明のオゾン含有浄化液が得られる。本発
明の浄化液のオゾン濃度は、使用する有機溶媒や温度に
も依存するが通常室温で300 〜500 mg/lであり、前述の
通り通常のオゾン水のオゾン濃度の数倍〜数十倍に達す
る。本発明のハロゲンを含有する有機溶媒にオゾン含有
ガスが溶解させて成る浄化液は、前述した通り、半導体
等の電子機器の洗浄、該電子機器製造時のリソグラフィ
ーを使用する工程におけるレジスト除去、注射器等の医
療機器の殺菌、時計等の精密機器の洗浄、食品の洗浄等
の浄化操作に使用できる。
単に該ウェハを本発明のオゾン含有浄化液に浸漬するだ
けでも良いが、単なる浸漬だけではオゾン含有浄化液に
よりウェハ表面から剥離されたレジストがウェハ表面に
残って未剥離のレジストとオゾン含有浄化液の接触を阻
害しやすくなるため、浸漬と同時に超音波照射して剥離
レジストの表面からの脱離を促進することが好ましい。
更に回転(スピン)しているウェハ表面にオゾン含有浄
化液を噴射してレジスト除去を試みても、超音波照射と
同様に剥離したレジストがウェハ表面から脱離するた
め、処理効率が上昇する。
き、親油性の該浄化液を廃水と混合震盪して本浄化液中
のオゾン含有ガスを廃水中の不純物と接触させて殺菌あ
るいは不純物除去を行える。処理後は親水性の廃水と親
油性の本発明の浄化液は二層になって分離する。又本発
明の浄化液は比較的高価であるため使用後に回収し再生
使用することが望ましく、前述の通り廃水処理等を行っ
た後はデカンテーション等で分離し、必要に応じて濾過
やイオン交換樹脂処理を行う。
較にならないほどの高濃度を有するため従来のオゾン水
では想起し得ない幅広い用途を有し、前述以外にも例え
ば電子機器部品、金属部品、精密部品の表面に酸化被膜
を形成して不動態化して、耐久性を向上させたり、有機
化学反応における酸化剤として使用したり、無機化学反
応の酸化処理やアニーリングに使用することも可能であ
る。例えば従来は有機溶媒中にオゾンを吹き込みながら
行っていた有機酸化反応を、本発明のオゾン含有浄化液
を使用すると単に該浄化液を溶媒として使用して反応を
行うことができ、反応を行いながらオゾンを発生させる
手間やオゾン取扱いの危険を回避できる。
と称し、これらの操作に使用可能な液を浄化液という。
又本発明の浄化液を使用する浄化操作はこの浄化液のみ
による操作に限定されず、例えば紫外線照射や前述した
超音波照射を併用し、あるいはオゾン以外のガスや液体
を同時に使用しても良い。又溶剤についても前述のハロ
ゲンを含有する有機溶媒以外に特定の成分の除去に効果
のあるハロゲンを含有しない溶媒を前記有機溶媒と混合
して使用しても良い。
オゾン含有浄化液によるレジスト除去の実施形態を説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1
は本発明に係るオゾン含有浄化液によるレジスト除去の
一実施形態(浸漬法)を示す概略正面図である。オゾン
含有ガス製造用電解槽本体1は、固体電解質である陽イ
オン交換膜2により陽極室3と陰極室4に区画され、前
記イオン交換膜2の陽極室3側にはオゾン含有ガス発生
に対する触媒能を有する陽極物質粉末5が、又陰極室4
側には陰極物質粉末6がそれぞれ付着してSPE型電解
槽1となっている。
水を満たし両極間に通電すると、陽極室3側でオゾンと
酸素の混合ガスであるオゾン含有ガスが発生する。一方
この電解槽1の近傍には、超音波洗浄槽7が設置され、
該洗浄槽7内には純水8が満たされている。この洗浄槽
7内に、底面が丸く成形された石英製るつぼ9が設置さ
れ、該るつぼ9中にはフッ素含有有機溶媒10が満たされ
かつ該有機溶媒10に浸漬するようにレジスト付ウェハ11
が配置されてる。前記電解槽1の陽極室3側で発生した
オゾン含有ガスは供給ライン12を通って前記有機溶媒10
中に導入され、該有機溶媒10中の散気ボール13表面から
有機溶媒10中に溶解し、オゾン含有浄化液が作製され
る。作製されたオゾン含有浄化液は該浄化液中のウェハ
11に接触し溶解しているオゾン及び有機溶媒自身の酸化
力によりウェハ11上のレジストを除去するとともにウェ
ハ11表面を浄化する。この際に超音波が印加され、更に
レジスト除去及び表面浄化効果が顕著になる。
るレジスト除去の他の実施形態(スピン洗浄法)を示す
概略正面図であり、電解槽本体1及びその部材は図1と
同様であるため同一符号を付して説明を省略する。オゾ
ン含有ガス製造用電解槽本体1で発生したオゾン含有ガ
スは供給ライン12aから混合ポンプ14に供給され、フッ
素を含有する有機溶媒の貯留槽15に貯留された有機溶媒
10aと混合され、混合ポンプ14中でオゾン含有浄化液が
生成する。このオゾン含有浄化液は気液分離槽16に供給
され、未溶解オゾンが分離除去された後、スピン洗浄器
17に供給される。このスピン洗浄器17は、受皿18の中心
に回転自在に設置された軸19に固定されたレジスト付ウ
ェハ11aを有している。
せながらオゾン含有浄化液を該ウェハ11aの中心に供給
もくしは噴射すると、ウェハ11a上のレジストがオゾン
含有浄化液の流束により剥離し、その後剥離したレジス
トはウェハ11a表面から除去される。その後オゾン含有
浄化液の供給を停止しかつ回転数を維持したままそのま
ま又は回転数を増加しながら回転軸19の回転を継続する
と、ウェハ11a表面の前記洗浄液が飛散してウェハ11a
の乾燥が行われる。使用後のオゾン含有浄化液はPTF
Eフィルター20を通して混入したレジスト等の不純物を
除去した後、前記貯留槽15に循環される。
化液を使用するレジスト浄化等の浄化操作の実施例を記
載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。実施例1 まずオゾン含有ガスのフッ素含有有機溶媒への溶解度を
測定した。電解有効面積90cm2 の電解槽に、陽極面に二
酸化鉛粉末を、陰極面に白金粉末をそれぞれ付着させた
固定電解質であるナフィオン(商品名)製隔膜を装着し
てSPE型電解槽とし、前記隔膜により該電解槽を陽極
室と陰極室に区画し、該電解槽内には純水1リットルを
満たした。この電解槽に100 A/dm2 となるように通電す
ることにより、オゾンを12重量%含有するオゾンと酸素
の混合ガス(オゾン含有ガス)が10g/時の割合で得ら
れた。
式会社製のフッ素含有有機溶媒であるフロリナートFC
−77(沸点97℃)100 mlを満たしたパイレックスガラス
製の円筒形ガス洗浄瓶に0.7 リットル/分の割合で導入
し、多孔質石英製の散気ボールを通して前記有機溶媒中
に溶解させた。このオゾン含有有機溶媒5mlを採取し、
20重量%の沃化カリウム水溶液5mlと混合しかつ激しく
震盪して十分に接触させて、沃素イオンをオゾンにより
酸化させて黄色く発色させた。次に1/10N硫酸水溶液5
mlを添加して沃素を遊離させた後、1/50Nチオ硫酸ナト
リウム溶液を用いて発色が消えるまで滴定を行った。同
様にして有機溶媒の液温を変えてそれぞれオゾン溶解度
を測定してオゾン溶解度の温度依存性を調べた。その結
果を表1に示す。
満たし、実施例1と同一条件でオゾンを溶解させ、同様
にして純水中へのオゾン溶解度の温度依存性を測定し
た。その結果を表1中に示した。表1から、フロリナー
トは純水と比較して極めて高いオゾン溶解性を示し、50
℃以下の温度では供給したオゾン含有ガスより高濃度の
オゾン含有フロリナートが得られたことが分かる。
除去装置を組み立てた。この装置の超音波洗浄槽に純水
を満たし、更にこの中に上面が開口する石英るつぼを設
置した。このるつぼ中に実施例1と同じフロリナートF
C−77を入れ、更にこのフロリナートに浸漬するように
多孔質石英製の散気ボールを配置した。実施例1で得た
オゾンを12重量%含むオゾン含有ガスを散気ボールを通
してフロリナート中に0.7 リットル/分の割合で供給
し、供給開始20分後にオゾン濃度を測定したところ460
mg/lであった。このオゾン含有フロリナートにポジ型レ
ジストTSMRV90(東京応化工業株式会社製)を厚さ
1.2 μmで塗布した6インチシリコンウェハをフロリナ
ート中に浸漬させた。3分後に取り出して120 ℃で乾燥
させ、SEMによる断面観察により、レジストの残留膜
厚からエッチング速度を算出した。その結果を表2に示
した。同じ条件でウェハ浸漬時に超音波照射を併用し
て、同様にしてエッチング速度を算出した。その結果も
表2に示した。
例2と同様にしてオゾン水を作製したところオゾン濃度
は60mg/lであった。実施例2と同様にして(超音波照射
なし)エッチング速度を算出した。その結果を表2に示
した。実施例2及び比較例2の結果を示す表2から、オ
ゾン溶解の溶媒としてフッ素を含有する有機溶媒を使用
すると、純水が溶媒の場合と比較して溶解オゾン濃度が
7倍以上になることが分かる。オゾン含有浄化液とオゾ
ン水(超音波照射なし)によるレジスト除去のエッチン
グ速度を比較すると前者を使用すると約2.5 倍のエッチ
ング速度が得られ、ウェハの製造、ひいては該ウェハを
有する半導体製造の迅速化が達成でき、電子機器製造の
高速化及び高密度化に対応できる。更に超音波を照射し
ながらレジスト除去を行うと、同じオゾン含有浄化液を
使用した場合でもレジスト除去速度は4倍に達する。こ
れはオゾン含有浄化液によりウェハから剥離したレジス
トが超音波によりウェハ表面から浄化液とともに流れ去
り、未剥離レジストと浄化液との接触を好適に行い得る
からであると推測できる。
ト付ウェハからのレジスト除去を行った。実施例1と同
様にしてオゾンを12重量%含むオゾン含有ガスを生成さ
せ、混合ポンプにより実施例1と同じフロリナートFC
−77と混合し、気液分離器で未溶解オゾンを分離してオ
ゾン含有浄化液とした。このオゾン含有浄化液中のオゾ
ン濃度を測定したところ、460 mg/lであり、液温は20℃
であった。
ェハを回転自在に設置し、300rpmで回転させた。この回
転しているウェハ中心に前記オゾン含有浄化液を0.1 リ
ットル/分の割合で3分間噴射して洗浄を行った。オゾ
ン含有浄化液の供給を停止した後、回転数を1000rpm に
上昇して1分間スピン乾燥を行った。その後、SEMに
よるウェハの断面観察により、残留膜厚を測定しエッチ
ング速度を算出した。その結果を表3に示した。
濃度は60mg/lのオゾン水(オゾン水1)を使用したこと
以外は実施例3と同じ操作を行い、SEMによるウェハ
の断面観察により、残留膜厚を測定しエッチング速度を
算出した。その結果を表3に示した。更にオゾン濃度を
30mg/lに調整したオゾン水(オゾン水2)を作製し、同
様にウェハの洗浄を行い、エッチング速度を算出した。
その結果を表3に示した。表3から実施例3のスピン洗
浄法によると実施例2の超音波照射のない浸漬法と比較
して4倍のエッチング速度が得られ、この値は超音波照
射を伴う浸漬法と同じ速度があることが分かる。これも
超音波照射の場合と同じように、ウェハから剥離したレ
ジストがウェハの回転とウェハ表面に噴射されるオゾン
含有浄化液の流束によりウェハ表面から浄化液とともに
流れ去り、未剥離レジストと浄化液との接触を好適に行
い得るからであると推測できる。
に溶解し、室温下でオゾンを440 mg/l溶解した10mlのフ
ロリナートFC−43(住友スリーエム株式会社製、沸点
174 ℃)と混合し、前記染料の褪色を観察し色度を測定
した。表4に示す通り、色度は0.5 であった。なおキノ
リンイエローS40mgを純水100 mlに溶解した原液の色度
は大き過ぎて測定できなかったため、5000倍に希釈し測
定し、色度20が得られた。
たオゾン水を使用して同様に褪色処理を行い、処理後の
色度を測定した。その結果は表4に示す通り、200 倍希
釈で20であった。
極、表面に白金めっきを施したステンレス繊維焼結体を
陰極、塩酸中で煮沸したナフィオン117 (デュポン社
製)膜を電解質として、それぞれ用いてオゾン発生用電
解槽を構成した。陽極及び陰極の電解面積は共に5cm2
とした。この電解槽の陽極室にフロリナートFC−70
(住友スリーエム株式会社製、沸点215 ℃)を満たし、
陰極室には超純水を加え、電流密度0.5 A/dm2 で3時間
電解を行った。3時間経過後の陽極発生ガス中のオゾン
濃度は10容量%、陽極室のフロリナートに含有されるオ
ゾンの濃度は450 mg/lであった。
含有する有機溶媒に溶解させたことを特徴とするオゾン
含有浄化液である。ハロゲンを含有する有機溶媒は純水
と比較してオゾン溶解度が格段に高く、本発明のオゾン
含有浄化液は高濃度オゾン含有溶液として、電子機器の
素子の洗浄やレジスト除去等に効果的に使用できる。更
にハロゲンを含有する有機溶媒はそれ自身が浄化作用を
有するため、オゾンの浄化作用と溶媒の浄化作用を合わ
せ持つ浄化液が提供できる。又オゾン水は沸点が100 ℃
であるため、従来のオゾン水洗浄では100 ℃を越える温
度での浄化操作は行い得なかったが、本発明では有機溶
媒の沸点を好適に選択すると、100 ℃を越える温度での
洗浄や殺菌等が可能になり、従来はオゾン洗浄の対象と
なりえなかった洗浄を含む幅広い種類の洗浄に対応で
き、更に洗浄や殺菌以外の多様な種類の浄化に応じられ
る。
と、一般的にフッ素の有する浄化能力は他のハロゲンよ
り高いだけでなく、フッ素を含有する有機溶媒は殆どオ
ゾンと反応しないため劣化することがなく、長期間に亘
って交換や再生を行うこと使用を継続できる。更にハロ
ゲンを含有する有機溶媒がパーフルオロカーボン溶媒で
あると更に浄化能力が高まるとともに、劣化がほぼ完全
に防止できる。又本発明のオゾン含有浄化液は、電子機
器の洗浄やウェハからレジストを除去する際に使用する
と効果的で、前述の飛躍的洗浄力及び洗浄温度の調節に
より予期できない浄化効果が得られる。
ン含有ガスを、散気ボールを使用してハロゲンを含有す
る有機溶媒中に吹き込み溶解させることにより製造でき
るが、特殊な製造手段として、SPE型オゾン製造用電
解槽の陽極液としてハロゲンを含有する有機溶媒を使用
すると、該電解槽の陽極室で本発明のオゾン含有浄化液
が得られる。これにより別個の溶解手段が不要になり、
作業性が向上する。前述のレジスト除去は、レジストを
被覆したウェハを回転させながらオゾン含有浄化液を供
給し、あるいは超音波照射しながらウェハをオゾン含有
浄化液に浸漬して行うことができ、いずれの方法でも除
去効率が向上する。これはオゾン含有浄化液が流束とし
てウェハ表面と衝突してウェハ表面から剥離したレジス
トを浄化液とともにウェハ表面から流し去り、あるいは
超音波がウェハ表面から剥離したレジストを浄化液とと
もにウェハ表面から流し去るため、未剥離レジストの浄
化液との接触が好適に行い得るからであると推測でき
る。
除去の一実施形態を示す概略正面図。
Claims (8)
- 【請求項1】 オゾン含有ガスをハロゲンを含有する有
機溶媒に溶解させたことを特徴とするオゾン含有浄化
液。 - 【請求項2】 ハロゲンがフッ素である請求項1に記載
のオゾン含有浄化液。 - 【請求項3】 ハロゲンを含有する有機溶媒がパーフル
オロカーボン溶媒である請求項1に記載のオゾン含有浄
化液。 - 【請求項4】 電子機器洗浄及び/又はレジスト除去用
である請求項1に記載のオゾン含有浄化液。 - 【請求項5】 オゾン含有ガスを、散気ボールを使用し
てハロゲンを含有する有機溶媒中に吹き込み溶解させる
ことを特徴とするオゾン含有浄化液の製造方法。 - 【請求項6】 隔膜を使用して陽極室及び陰極室に区画
された電解槽の陽極室にオゾン発生用陽極を設置し陽極
液としてハロゲンを含有する有機溶媒を使用して電解を
行い、陽極室でオゾン含有ガスを溶解したハロゲンを含
有する有機溶媒を得ることを特徴とするオゾン含有浄化
液の製造方法。 - 【請求項7】 オゾン含有ガスをハロゲンを含有する有
機溶媒に溶解させたオゾン含有浄化液を、レジストが被
覆された回転するウェハ表面に供給してレジストを除去
することを特徴とするレジスト除去方法。 - 【請求項8】 オゾン含有ガスをハロゲンを含有する有
機溶媒に溶解させたオゾン含有浄化液中に、超音波照射
を行いながら、レジストが被覆されたウェハを浸漬して
レジストを除去することを特徴とするレジスト除去方
法。
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