JP2000355698A - 固形状洗剤 - Google Patents

固形状洗剤

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JP2000355698A JP11168459A JP16845999A JP2000355698A JP 2000355698 A JP2000355698 A JP 2000355698A JP 11168459 A JP11168459 A JP 11168459A JP 16845999 A JP16845999 A JP 16845999A JP 2000355698 A JP2000355698 A JP 2000355698A
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    • C11D17/06Powder; Flakes; Free-flowing mixtures; Sheets
    • C11D17/065High-density particulate detergent compositions

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】乾燥時に機械的強度が十分で、水投入時に高速
溶解性の固形洗剤を提供する。 【解決手段】1)水溶解時に粒子径の1/10以上の径の気
泡を内部から放出する粒子を含む洗剤粒子群であって、
5℃の水に投入し条件〔1Lの硬水(71.2mg CaCO3/L、Ca
/Mg モル比7/3)に1gを投入、1Lビーカー(内径105mm)内
で攪拌子(長さ35mm、径8mm)使用、800rpm〕で60秒間攪
拌しJIS Z 8801の標準篩(目開き74μm)に供して、式
1の溶解率が90%以上である粒子群を含む固形洗剤、 〔S:粒子群重量(g)、T:上記攪拌条件で得た水溶
液の篩上溶残物の乾燥重量(g)〕、及び2)水不溶性
無機物、水溶性のポリマーと塩類を含む界面活性剤担持
用ベース顆粒群及び/又はそれに界面活性剤を担持した
粒子群で、ベース顆粒が内部よりも表面近傍に水溶性ポ
リマー及び/又は塩類が多く偏在する構造を有し、1)
と同じ粒子群を含む固形洗剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形状洗剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】固形状洗剤は、計量の必要性がなく、取
り扱いも容易で、かつコンパクトで収納スペースが小さ
くてすむといった利点を有している。その例として、通
常の粉末洗剤を圧縮又は緻密化して製造されるタブレッ
ト型の洗剤があり、欧州等で市販されている。しかしな
がら、これらの固形状洗剤は、乾燥時に十分な機械的強
度を有し、かつ水中に投下された際に速やかに分配され
溶解するという、製品として重要な2つの条件を十分に
満たすものではなかった。例えば、欧州特許出願公開0
711828号、特開平10−183199号公報に
は、洗剤粒子、少なくともその一部を結合剤で被覆した
後に圧密成形することで、低圧縮圧での成形が可能で、
溶解性が向上するタブレット型洗剤とその製法が記載さ
れている。また、国際特許出願WO9824873号に
は、圧密した洗剤組成物に対してジカルボン酸等のコー
ティング剤を用いて外殻形成を施したタブレット型洗剤
が記載されている。これらのタブレット型洗剤は、単に
構成粒子を直接打錠して得た組成物等と比較して、崩壊
性と溶解性が向上された洗剤組成物として有効である。
しかしながら、固形状洗剤の崩壊性や溶解性は、洗剤を
構成する洗剤粒子自体の崩壊性や溶解性に大きく依存
し、また、洗濯操作中においては、洗剤粒子中の洗剤成
分が洗浄液中に放出されることが最も重要であるにも関
わらず、洗剤粒子自体の物性や構造はこれまで十分に検
討されてはいなかった。例えば、前記の市販されている
固形状洗剤は、いずれも該洗剤粒子自体の崩壊性や溶解
性が十分でないため、結果的に固形状洗剤自体の崩壊性
や溶解性も満足なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥
時に十分な機械的強度を有し、かつ水に投入後素早く溶
解し得る高速溶解性の固形状洗剤を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、〔1〕
水に溶解する過程において粒子径の1/10以上の径の
気泡を粒子内部から放出し得る粒子を含有する洗剤用粒
子群であって、かつ5℃の水に該粒子群を投入し以下に
示す攪拌条件にて60秒間攪拌してJIS Z 880
1規定の標準篩(目開き74μm)に供した場合、式
(1)で算出される粒子群の溶解率が90%以上である
粒子群を含む、固形状洗剤、 攪拌条件:1Lの硬水(71.2mg CaCO3
L、Ca/Mgのモル比7/3)に該粒子群1gを投入
し、1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ
35mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供した
ときに、篩上に残存する粒子群の溶残物の乾燥重量
(g)、及び〔2〕水不溶性無機物、水溶性ポリマー及
び水溶性塩類を含有する界面活性剤担持用ベース顆粒群
及び/又はそれに界面活性剤を担持させてなる洗剤粒子
群(以下、高速溶解性洗剤粒子群という)であって、該
ベース顆粒がその構造においてその内部よりも表面近傍
に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類が多く存在する
偏在性を有する粒子群であって、かつ5℃の水に該粒子
群を投入し、以下に示す攪拌条件にて60秒間攪拌して
JIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)
に供した場合、前記式(1)で算出される粒子群の溶解
率が90%以上である粒子群を含む、固形状洗剤に関す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】1.固形状洗剤 1.1.定義 本発明において、固形状洗剤とは、高速溶解性を有する
洗剤用粒子群、例えば界面活性剤担持用ベース顆粒群
(以下、ベース顆粒群という)及び/又は高速溶解性洗
剤粒子群、並びにこれらの粒子群以外に別途添加された
成分(洗剤成分:既存の洗剤粒子、ビルダー、蛍光染
料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、結合
剤、崩壊剤等)を含有し、タブレット型、ブリケット
型、棒状等の固形形態を有する洗剤を意味する。界面活
性剤担持用ベース顆粒(以下ベース顆粒という)とは、
水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有
する粒子であって活性剤等を担持させることのできる顆
粒をいい、ベース顆粒群とはその集合体を意味する。高
速溶解性洗剤粒子とはベース顆粒に界面活性剤を担持さ
せてなる粒子をいい、洗剤粒子群とはその集合体を意味
する。また、粒子群とは洗剤を構成する各種の粒子の集
合体を意味する。
【0006】1.2.組成及び製法 本発明の固形状洗剤の特徴は、高速溶解性の洗剤用粒子
群を含有することである。該粒子群としては、例えばベ
ース顆粒群及び/又は高速溶解性洗剤粒子群等が挙げら
れる。これらの粒子群は、後述するように、粒子自体が
その化学的・物理的構造に由来する高い崩壊性/溶解性
をもつため、該粒子群を含有する固形状成形物も、既存
の洗剤粒子を成形した固形状洗剤と比べ格段に高い崩壊
性/溶解性を示す。また、本発明においては、これらの
粒子群(高速溶解性洗剤粒子群及び/又はベース顆粒
群)のみでなく、該粒子群に既存の洗剤粒子群又は洗剤
成分を同時に含有させることでも崩壊性/溶解性に優れ
た固形状洗剤を得ることができる。例えば、既存のコン
パクト洗剤粒子(例えば、「アタック」、花王(株)
製)と高速溶解性洗剤粒子群を均一に混合し成形するこ
とで、崩壊性が向上し、溶解性に優れた固形状洗剤を得
ることができる。ここで、該粒子群の配合量は、固形状
洗剤中に10重量%以上が好ましく、25重量%以上が
より好ましく、50重量%以上が最も好ましい。
【0007】本発明において、前記粒子群を含む出発組
成物を、縮圧又は緻密化(以下、縮圧という)して固形
状に成形する際には、粒子群の粒子構造を破壊しないよ
うに低圧縮圧で成形することにより、粒子の溶解特性が
発揮された優れた溶解性を有する洗剤組成物を得ること
ができる。また、低圧縮圧成形で得られた洗剤を、高い
(機械的)強度や優れた取り扱い性の観点から、結合剤
で該粒子を被覆し成形する方法、コーティング剤等を用
いた外殻形成を行う方法等で更に処理することが好まし
い。
【0008】また、固形状洗剤は、水に投入後、その内
部にまで水が十分に浸透し溶解性が高まるようにするた
め、マクロ空隙(中空性ともいう)を有することが好ま
しい。結合剤の使用は、低圧縮圧での製造及びマクロ空
隙確保を実現するために役立つ。結合剤としては、常温
(20℃程度)において固体又は粉末状で、水溶性を呈
し、融点40〜100℃を有するものが好ましい。結合
剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルピロリドン、水溶性ポリアクリレート、ポリビニル
アルコール等の水溶性ポリマーが挙げられる。特に、ポ
リエチレングリコールは好適に使用しうる。該ポリエチ
レングリコールとしては、JIS K1557 6.4
に準じてピリジン無水フタル酸法によって測定される
水酸基価から算出された重量平均分子量が1,300〜
20,000のものが、また、JIS K 8001に
記載の測定法によって融点を測定した場合、融点40℃
〜100℃を有するものが特に好ましい。結合剤の配合
量は、固形状洗剤中に好ましくは0.1〜10重量%、
更に好ましくは1〜5重量%である。これらの結合剤
は、予め加熱溶融させておくかあるいは水に溶解させて
おいた後に、噴霧法等により、前記粒子に被覆させても
よい。また結合剤が固体であるときには、該結合剤を粉
砕して粉末状としたのち、混合機内で該結合剤と前記出
発組成物(又はその一部)とを投入し、転動させながら
加熱して結合剤を溶融させ、これらの粒子の表面に該結
合剤を付着させればよい。結合剤を含有するタブレット
型洗剤の製造方法としては、特開平10−183198
号公報に記載の方法が挙げられる。
【0009】また、出発組成物を縮圧成形した後、国際
特許出願WO9824873号、19頁の実施例1に記
載される、コーティング剤で外殻形成をする製造方法
や、国際特許出願WO9425563号、15〜22頁
に記載される、水和物を含む粒状固体集合体をマイクロ
波で加熱処理する製造方法も好適である。
【0010】また、崩壊剤を添加すると、結合剤が水と
接触する際に、速やかに溶解又は崩壊して、前記固形状
洗剤がさらに優れた溶解特性を達成する。好ましい崩壊
剤は、膨潤によって作用する物理的崩壊剤である。これ
らの例として、澱粉、カルボキメチル澱粉等のような澱
粉誘導体、セルロース、カルボキシメチルセルロース等
のセルロース誘導体、微結晶セルロース、糖(特にソル
ビトール)及び層状シリケート(特に、ベントナイト又
はスメタイト型の微粒子状膨潤性層状シリケート)があ
る。また、溶解性の向上に効果のある水溶性塩類、例え
ば、酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩等、特に酢酸ナト
リウム、クエン酸ナトリウム等を配合することもでき
る。トリポリリン酸ナトリウム等の有機塩類も使用可能
である。起泡性の崩壊剤として、クエン酸又は酒石酸等
の弱酸を、アルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩と組み合わ
せて用いることもできる。
【0011】固形状洗剤には、例えば、水溶性又は水崩
壊性粒子として、酵素含有造粒物、第4級アンモニウム
塩等の柔軟成分造粒物、ジメチルシリコーン等の泡コン
トロール成分含有造粒物、香料含有造粒物、過炭酸ソー
ダ、過硼酸ソーダ等の漂白剤等を配合できる。
【0012】このような組成を有する固形状洗剤の製造
に使用される装置は、特に限定されないが、例えば、ブ
リケット機等の打錠機を用いることができる。打錠機に
は、単発打錠機、又はロータリー打錠機がある。
【0013】1.3.大きさ及び強度 固形状洗剤の形状としてはJIS K 8841に記載
の形状等が挙げられ、中でも円柱形、立方形等が好まし
い。成形圧は、好適な機械的強度を付与するために、1
kgf/cm2 以上が好ましく、また粒子の圧壊を防
ぎ、かつ所定のマクロ空隙率(中空性率)を確保するた
めには、50kgf/cm2 以下が好ましく、30kg
f/cm2 以下がより好ましい。また、その圧壊強度
は、2kgf以上が好ましく、3kgf以上がより好ま
しい。なお、該圧壊強度は、JISZ 8841によ
り、タブレット型洗剤の直径方向の圧壊強度を測定した
ものである。
【0014】1.4.崩壊性 固形状洗剤の崩壊性は、その崩壊率によって評価するこ
とができ、その値は、25%以上が好ましく、50%以
上がより好ましい。なお、崩壊率は、以下のようにして
求めることができる。即ち、固形状洗剤15gを直径1
cmの孔の篩に静置し、そのままビーカー中の1L硬水
(71.2mg CaCO3 /L、Ca/Mg(モル
比)=7/3)中に静かに沈める。1分間経過後、篩ご
と引き上げ、篩上の溶残物を105℃に加熱した電気乾
燥機にて2時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデ
シケータ(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷
却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容器の重量を測
定し、以下の式によってタブレット洗剤の崩壊率とす
る。 崩壊率(%)={1−(T/W)}×100 T:上記条件にて得られた溶残物の乾燥重量(g) W:タブレット洗剤の初期重量(g)
【0015】1.5.溶解性 固形状洗剤の溶解性は、その溶解率によって評価するこ
とができ、その値は、洗剤の溶け残り等の問題を生じな
い基準として、70%以上が好ましく、80%以上がよ
り好ましい。なお、溶解率は以下のようにして求めるこ
とができる。即ち、固形状洗剤15gを、予め20℃の
水道水30Lを入れておいた二槽式洗濯機(東芝製、商
品名:銀河3.6VH−360SI型)に投入する。撹
拌強度を「標準」にして撹拌を20分間行いながら電気
伝導度を測定する。
【0016】電気伝導度の測定は、東亜電波工業製、商
品名:TOA ConductivityMeter
CM−60Swoを用いて行う。電気伝導度の飽和値
は、撹拌を開始したのち30秒毎に電気伝導度を測定
し、前回の測定値と対比してそのときの測定値の変化率
が1%未満であるときの伝導度とする。ただし、前記電
気伝導度の測定は、少なくとも5分間行う。なお、溶解
率は特開平10−88199号公報、24頁に記載の下
記式に基づいて求める。溶解性の評価は、攪拌開始後、
3分経過後での溶解率で行う。
【0017】
【数1】
【0018】かかる構成を有する本発明の固形状洗剤
は、固形状洗剤の取り扱い性等の利点を活かしたまま、
その洗浄成分を速やかに洗濯浴中に溶出することが可能
になり、洗浄力が向上する効果及び溶け残りが発生しな
い等の品質上の大きな効果が発現される。
【0019】2.洗剤粒子及びベース顆粒 2.1.高速溶解性の機構 2.1.1 気泡放出による高速溶解性 本発明に用いられる粒子群は、水に溶解する過程におい
て粒子径の1/10以上の径の気泡を粒子内部から放出
し得る粒子(以下、気泡放出粒子という)を含有し、こ
の気泡放出粒子は、水に溶解する過程において、まず、
粒子内部に少量の水が浸入すると粒子内部から所定の大
きさの気泡が放出され、次いで、該粒子内部に大量の水
が浸入することによって粒子自体が崩壊(粒子の自己崩
壊)し、表面近傍からの溶解のみならず、粒子内部から
の溶解及び崩壊が起こる。
【0020】このような溶解挙動は、気泡放出粒子を水
に溶解した場合に、該粒子の粒子径の1/10以上、好
ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以上、さら
に好ましくは1/3以上の径の気泡(以下、所定の大き
さの気泡という)を放出する現象として、デジタルマイ
クロスコープや光学顕微鏡等で確認することができる。
また、固形状洗剤に成形した後でも、洗剤を慎重にほぐ
して気泡放出粒子を1粒ずつ分離した後、これらについ
て同様な観察をすることで確認が可能である。尚、気泡
放出粒子は、水に静置状態にて溶解させた場合、120
秒以内に所定の大きさの気泡が発生することが好まし
く、60秒以内がより好ましく、45秒以内がさらに好
ましい。
【0021】この気泡放出粒子は、例えば、第2.4項
で後述する単核性の洗剤粒子であっても良く、単核性以
外、例えば後述の単核性のベース顆粒を凝集させた洗剤
粒子(以下、多核性洗剤粒子という。第6、7項で述べ
る)であっても良いが、溶解速度を飛躍的に高める観点
から、単核性であることがより好ましい。また、気泡放
出粒子は粒子群に60重量%以上含有されることが好ま
しく、80重量%以上がより好ましい。
【0022】なお、粒子内から放出される気泡の径(気
泡径)は次のように測定する。ガラスシャーレ(内径5
0mm)の底面中心に両面テープを装着する。粒子群を
両面テープ上に付着させる。先ずデジタルマイクロスコ
ープ(例えばKEYENCE社製VH−6300)を用
いて得られる画像から個々の粒子についての円相当径
(αμm)を測定する。
【0023】続いてガラスシャーレに20℃のイオン交
換水を5mL注入し、測定対象の個々の粒子についての
溶解挙動を観察する。粒子内部から気泡が放出される場
合、気泡が粒子から離脱する瞬間の画像から気泡の円相
当径(βμm)を測定する。尚、粒子内部から複数個の
気泡が放出される場合にはそれぞれの気泡について測定
した円相当径の最大値をβμmとする。そして粒子径に
対する気泡径の比(β/α)をそれぞれの粒子について
求める。気泡放出粒子には、該粒子の内部にマクロ空
隙、具体的には粒子径の1/10〜4/5の、好ましく
は1/5〜4/5の径の気孔が存在することが好まし
い。
【0024】前記気孔の径(気孔径)は次のように測定
することができる。選択された粒子を壊さない様にメス
等で最大粒子径を含む面で切断する。切断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観察し、切断粒子の切断面の円相
当径(粒子径)(γμm)及び粒子内部で気孔の存在が
確認された場合には気孔の円相当径(気孔径)(δμ
m)を測定する。なお、複数個の気孔が確認される場合
には、その中で最も大きい気孔についての円相当径をδ
μmとする。そして粒子径に対する気孔径の比(δ/
γ)を求める。また、気泡放出粒子が後述するベース顆
粒により構成される場合、ベース顆粒はその内部に粒子
径の1/10〜4/5の、好ましくは1/5〜4/5の
径の気孔が存在する構造が好ましい。
【0025】2.1.2 ベース顆粒の偏在性による高
速溶解性 本発明に用いる粒子において、前記のような溶解機構と
は別に、あるいは前記の溶解機構と共に粒子表面からの
高速溶解性が認められる。その特徴としては、水不溶性
無機物(A)、水溶性ポリマー(B)及び水溶性塩類
(C)を含有するベース顆粒及び/又はこれに界面活性
剤を担持させてなる洗剤粒子であって、該ベース顆粒の
構造においてその内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー
及び/又は水溶性塩類が多く存在する偏在性(以下、ベ
ース顆粒の偏在性という)を有することにある。そして
表面近傍に水溶性物質が多く偏在したベース顆粒は、水
中で表面近傍の水溶性成分がより早く溶解して、該粒子
の粒子表面からの崩壊が促進される溶解挙動を示すこと
により、高速溶解性を発現することができる。
【0026】2.2. ベース顆粒の組成 水不溶性無機物としては、1次粒子の平均粒径が0.1
〜20μmのものが好ましく、例えば、結晶性又は非晶
質のアルミノ珪酸塩、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パ
ーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が挙げられ、
結晶性又は非晶質のアルミノ珪酸塩、二酸化珪素及び水
和珪酸化合物が好適であり、中でも結晶性アルミノ珪酸
塩が好ましい。
【0027】水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポ
リマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖
類等が挙げられるが、中でもカルボン酸系ポリマーが好
ましい。特にアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩と
ポリアクリル酸塩(Na、K、NH4 等)が特に優れて
いる。分子量は千〜8万が好ましい。
【0028】上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグ
リオキシル酸塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロ
ース等のセルロース誘導体並びにポリアスパラギン酸塩
等のアミノカルボン酸系のポリマーも使用することがで
きる。
【0029】水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素
塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、ハロゲ
ン化物等の水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸
塩等の低分子量の水溶性有機酸塩類を挙げることが出来
る。これらの中で、炭酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩が好ま
しい。該無機塩はベース顆粒群調製後さらに水との反応
により水和熱、溶解熱を生じることで粒子中の気泡を熱
膨張させ、粒子の自己崩壊を促進することから好まし
い。ここで、炭酸ナトリウムは洗濯液中で好適なpH緩
衝領域を示すアルカリ剤として好ましい。炭酸ナトリウ
ム以外のアルカリ剤としては、非晶質及び結晶質の珪酸
塩がある。
【0030】ベース顆粒の組成としては、水不溶性無機
物は20〜90重量%が好ましく、30〜75重量%が
より好ましく、40〜70重量%が最も好ましい。水溶
性ポリマーは2〜30重量%が好ましく、3〜20重量
%がより好ましく、5〜20重量%が最も好ましい。水
溶性塩類は5〜78重量%が好ましく、10〜70重量
%がより好ましく、10〜67重量%がさらに好まし
く、20〜60重量%が特に好ましく、20〜55重量
%が最も好ましい。これらの範囲内であれば、ベース顆
粒はその表面近傍が水溶性成分で被覆された構造をとる
上で好適であり、粒子表面の被覆層が十分に形成され、
粒子強度が十分となる。また、洗剤組成物の溶解性の点
でも好ましい。
【0031】また、ベース顆粒中に、前記3成分以外
に、界面活性剤や、洗剤組成物に好適な蛍光染料、顔
料、染料等の補助成分を含んでも構わない。中でも界面
活性剤は、所望の粒子強度、嵩密度を得るためには本質
的にはベース顆粒の必須成分として必要ではないが、後
述のスラリー中へ添加することにより乾燥効率の向上の
ために添加してもよい。添加量としてはスラリー中に1
0重量%以下が好ましく、1〜10重量%がより好まし
く、2〜8重量%が最も好ましい。なお、これらの配合
量はスラリーの固形分を基準にした値である。
【0032】多量の界面活性剤を添加しても優れた高速
溶解性が発現されるためには、ベース顆粒の界面活性剤
の担持能は高いほど好適である。ベース顆粒の担持能を
向上させる方法としては、例えば、水不溶性無機物とし
て担持能(吸油能)の大きい基剤を用いることが挙げら
れる。好適な基剤は、例えば、A型ゼオライト(例え
ば、商品名:トヨビルダー;東ソー(株)社製 JIS
K 5101法による吸油能の値は40〜50mL/
100gである)、P型ゼオライト(例えば商品名Do
ucil A24やZSE064等;Crosfiel
d社製;吸油能60〜150mL/100g)やX型ゼ
オライト(例えば商品名:WessalithXD;D
egussa社製;吸油能80〜100mL/100
g)が挙げられる。また、非晶質シリカや非晶質アルミ
ノシリケート等も用いることができる。例えば、特開平
5−5100号公報第4欄第34行〜第6欄第16行
(特に、第4欄第43〜49行の吸油担体)や特開平6
−179899号公報第12欄第12行〜第13欄第1
7行、第17欄第34行〜第19欄第17行に記載のも
のが挙げられる。
【0033】2.3. ベース顆粒の偏在性 ベース顆粒の偏在性の確認方法として、例えばフーリエ
変換赤外分光法(FT−IR)や光音響分光法(PA
S)を併用する方法(「FT−IR/PAS」と略記す
る)を用いることができる。この方法はAPPLIED
SPECTROSCOPY vol.47 1311
−1316(1993)に記載のように、試料の表面か
ら深さ方向における物質の分布状態を確認することがで
きる。
【0034】本発明に用いられるベース顆粒の構造を特
定するための測定方法を以下に例示する。2種類の状態
の異なるベース顆粒をセルに充填してFT−IR/PA
S測定を行い、それを比較することによりベース顆粒の
構造を特定することができる。つまり、1つはベース顆
粒を目的の構造を保持した状態でFT−IR/PAS測
定を行い、比較試料はメノウ乳鉢等で十分に粉砕して均
一な状態にしたベース顆粒のFT−IR/PAS測定を
行う。FT−IR/PASの測定は例えばBio−Ra
d Laboratories社製FTS−60A/8
96型赤外分光光度計を用い、PASセルとしてMTE
C社製300型光音響検出器を使用して行う。測定条件
は分解能8cm-1、スキャン速度0.63cm/s、積
算128回とする。この測定条件はベース顆粒の表面か
ら約10μmまでの情報が含まれている。ベース顆粒の
PASスペクトルにおいて、例えば、炭酸ナトリウム及
び硫酸ナトリウム、ゼオライト、ポリアクリル酸ナトリ
ウムの特性ピークをそれぞれ1434cm-1(CO3 2-
の縮重伸縮振動)、1149cm-1(SO4 2-の縮重伸
縮振動)、1009cm-1(Si−O−Siの逆対称伸
縮振動)、及び1576cm-1(CO2 - の逆対称伸縮
振動)として、そのピークの面積強度を読み取る。ベー
ス顆粒の構造を保持した状態で測定した場合と粉砕して
均一な状態で測定した場合のそれぞれについて求めたゼ
オライトの特性ピークに対する炭酸ナトリウムや硫酸ナ
トリウム等の水溶性塩類の特性ピークの相対面積強度及
びゼオライトの特性ピークに対する水溶性ポリマーの特
性ピークの相対面積強度を比較することによってベース
顆粒の構造上の特徴を特定することができる。具体的に
は、内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水
溶性塩類を多く含有すると共に表面近傍よりも内部に水
不溶性無機物を多く含有するという偏在性を証明するこ
とが可能である。
【0035】ベース顆粒に関しては、成分の偏在性構造
を保持した状態で測定した場合のゼオライトの特性ピー
クに対する相対面積強度は、粉砕して均一な状態として
測定した場合のゼオライトの特性ピークに対する相対面
積強度に対してその比を求めると、水溶性塩類に関して
は1.1以上、好ましくは1.3以上であり、水溶性ポ
リマーについては1.3以上、好ましくは1.5以上で
ある。これらの相対面積強度を有する場合、即ち、表面
近傍に炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等の水溶性塩類
及びポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性ポリマーの含
有量が相対的に多く、より内部ではゼオライト等の水不
溶性無機物の含有量が相対的に多い場合、偏在性構造を
有すると言える。
【0036】その他のベース顆粒の偏在性の確認方法と
して、エネルギー分散型X線分光法(EDS)や電子プ
ローブ微小部分析法(EPMA)を用いることができ
る。これらの解析方法は、試料面を電子線で走査するこ
とによって元素の2次元分布を解析することができる。
【0037】2.4. 物性 本発明に用いる洗剤粒子群は高速溶解性の観点より単核
性洗剤粒子を含有することが好ましい。「単核性洗剤粒
子」とは、ベース顆粒に界面活性剤が担持された粒子で
あって、1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核と
して有する粒子をいう。単核性を表現する因子として、
次式で定義される粒子成長度を用いることができ、好ま
しくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下であ
る。 粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベー
ス顆粒群の平均粒径)
【0038】最終の洗剤粒子群とは、ベース顆粒群に界
面活性剤を担持させた後の洗剤粒子群の平均粒径、又は
該粒子群に表面改質処理を施した洗剤粒子群のいずれか
をいう。
【0039】なお、単核性は下記(a)法、(b)法、
(c)法のうち少なくとも一つの方法により確認でき
る。 (a)法:洗剤粒子群の平均粒径付近から任意にサンプ
リングした洗剤粒子を切断し、洗剤粒子内におけるベー
ス顆粒の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察する方法。 (b)法:洗剤粒子内のベース顆粒中の水溶性ポリマー
を溶解しない有機溶媒(例えば、ベース顆粒中に、ポリ
アクリル酸塩、陰イオン性界面活性剤(LAS)や非イ
オン性界面活性剤が存在する場合、エタノールを好適に
用いることができる)により、洗剤粒子中の有機溶媒可
溶分を抽出し、その後の有機溶媒不溶分をSEM観察に
よって観察する方法。 (c)法:樹脂で包理した洗剤粒子の切断面の2次元の
元素分布をEDSやEPMAによって検出することによ
って確認する方法。
【0040】該ベース顆粒に担持させる界面活性剤とし
ては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、
両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等を挙げること
ができるが、好ましくは陰イオン性界面活性剤、非イオ
ン性界面活性剤である。陰イオン性界面活性剤として
は、アルコールの硫酸エステル塩、アルコールのアルコ
キシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはこのエステル又
は脂肪酸塩等が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数
が10〜14の、より好ましくは12〜14の直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸塩が望ましい。
【0041】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシ
ド、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー及び
ポリオキシアルキレンアルキロールアミド等が挙げられ
る。特に、炭素数10〜18のアルコールにアルキレン
オキシドを4〜20モル付加した〔HLB値(グリフィ
ン法で算出)が10.5〜15.0、好ましくは11.
0〜14.5であるような〕ポリオキシアルキレンアル
キルエーテルが好ましい。
【0042】該界面活性剤の量は、洗浄力を発揮させる
点から、ベース顆粒群100重量部に対して5〜80重
量部が好ましく、5〜60重量部がより好ましく、10
〜60重量部がさらに好ましく、20〜60重量部が特
に好ましい。ここで、陰イオン性界面活性剤の担持量は
1〜60重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ま
しく、3〜40重量部が特に好ましい。非イオン性界面
活性剤の担持量は1〜45重量部が好ましく、1〜35
重量部がより好ましく、4〜25重量部が好ましい。ま
た、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤を目的に合
わせ併用することも出来る。ここでいう界面活性剤の担
持量とは、後述するスラリー調製時に界面活性剤が添加
される場合、その界面活性剤の添加量を含まないもので
ある。
【0043】2.4.1.高速溶解性本発明において、
洗剤粒子群又はベース顆粒群の高速溶解性は、60秒間
溶解率で評価し、以下の方法で算出される洗剤粒子群又
はベース顆粒群の溶解率が90%以上であることをい
う。該溶解率としては94%以上が好ましく、97%以
上がより好ましい。
【0044】前述の試験攪拌条件をより具体的に説明す
る。5℃に冷却した71.2mgCaCO3 /Lに相当
する1Lの硬水(71.2mg CaCO3 /L、Ca
/Mgのモル比7/3)を1Lビーカー(内径105m
m、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1L
ガラスビーカー)の中に満たし、5℃の水温に保った状
態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型
式:ADVANTEC社製、テフロンSA(丸型細
型))にて水深に対する渦巻きの深さが約1/3となる
回転数(800rpm)で攪拌する。1.0000±
0.0010gとなるように縮分・秤量した該粒子群を
攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から
60秒後にビーカー中の該粒子群分散液を、重量既知の
JIS Z 8801に規定の目開き74μmの標準篩
(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態
の該粒子群を篩と共に重量既知の開放容器に回収する。
尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±
2秒とする。回収した粒子群の溶残物を105℃に加熱
した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲル
を入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して
冷却する。冷却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容
器の合計の重量を測定し、式(1)によって粒子群の溶
解率(%)を算出する。 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供した
ときに、篩上残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
(g)。 洗剤の溶解速度が低下する低温水を用いた上記の評価法
においても、上記粒子群は、前記のように高い溶解率を
示すものである。
【0045】2.4.2.ベース顆粒群の物性 本発明に用いられるベース顆粒群の好適な物性として
は、以下の通りである。 2.4.2.1 嵩密度:400〜1000g/L、好
ましくは500〜800g/L。嵩密度は、JIS K
3362により規定された方法で測定する。 2.4.2.2 平均粒径:好ましくは150〜500
μm、好ましくは180〜300μm。平均粒径は、J
IS Z 8801の標準篩(目開き2000〜125
μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによ
る重量分率からメジアン径を算出する。
【0046】2.4.2.3 粒子強度:好ましくは5
0〜2000kg/cm2 であり、より好ましくは10
0〜1500kg/cm2 、特に好ましくは150〜1
000kg/cm2 である。この範囲において、ベース
顆粒群が良好な崩壊性を呈し、良好な高速溶解性を有す
る洗剤粒子群が得られる。測定法は、下記の通りであ
る。内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に、試料2
0gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械
(株)、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定
器、タッピング条件;周期36回/分、60mmの高さ
から自由落下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高
さ)を測定する。その後、加圧試験機にて容器内に保持
した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧
し、荷重−変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下で
の直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積
で除した値を粒子強度とする。
【0047】2.4.2.4 担持能:好ましくは20
mL/100g以上、より好ましくは40mL/100
g以上。この範囲において、ベース顆粒同士の凝集が抑
制され、洗剤粒子群中の粒子の単核性を維持するのに好
適である。測定法は、下記の通りである。内部に攪拌翼
を備えた内径約5cm×約15cmの円筒型混合槽に試
料100gを入れ、350rpmで攪拌しながら25℃
で亜麻仁油を約10mL/minの速度で投入する。攪
拌動力が最も高くなった時の亜麻仁油の投入量を担持能
とする。
【0048】2.4.2.5 水分量:水分量は好まし
くは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、
特に好ましくは5重量%以下。この範囲において、良好
な物性のベース顆粒群が得られる。測定法は、下記の通
りである。秤量皿に試料3gを入れ、電気乾燥器で10
5℃で2時間乾燥後の試料を秤量する。乾燥前後の試料
の重量から水分量を算出し、百分率で表す。
【0049】2.4.3.洗剤粒子群の物性 本発明において得られる洗剤粒子群の好適な物性として
は、以下の通りである。
【0050】2.4.3.1 嵩密度:500g/L以
上であり、500〜1000g/Lが好ましく、600
〜1000g/Lが更に好ましく、650〜850g/
Lが特に好ましい。嵩密度は、JIS K 3362に
より規定された方法で測定する。
【0051】2.4.3.2 平均粒径:好ましくは1
50〜500μmであり、180〜300μmがより好
ましい。測定法は、ベース顆粒群の場合と同様である。
【0052】2.4.3.3 流動性:流動時間として
10秒以下が好ましく、8秒以下がより好ましい。流動
時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度
測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するの
に要する時間とする。
【0053】2.5. 製法 本発明に用いるベース顆粒群及び洗剤粒子群は、以下に
記す工程(I)〜工程(III) により製造することができ
る。 工程(I):水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶
性塩類を含有するスラリーであって、該水溶性ポリマー
及び該水溶性塩類である水溶性成分の60重量%以上が
溶解したスラリーを調製する工程。 工程(II) :上記スラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群
を調製する工程。
【0054】工程(III):上記ベース顆粒群に界面活性
剤を添加して担持させて洗剤粒子群を調製する工程。
【0055】更に、上記洗剤粒子群の物性・品質をより
向上させるために、工程(III)の後に表面改質工程を加
えることが好ましい。以下に各工程の好ましい態様につ
いて記す。
【0056】2.5.1 工程(I)(スラリーの調製
工程) 本発明に用いられるスラリーは、ポンプでの送液が可能
で非硬化性のスラリーであればよい。また、成分の添加
方法、順序についても状況に応じて適宜可変である。ス
ラリー中の水不溶性成分(A)は6〜63重量%、スラ
リー中の水溶性成分(B、C)はそれぞれ2.1〜56
重量%が好ましい。
【0057】工程(II)で得られるベース顆粒が偏在性
を有するためには、工程(II)において水溶性成分
(B、C)が、水分の蒸発に伴って粒子表面に移動する
必要がある。そのためには、該スラリー中での水溶性成
分(B、C)の溶解率が重要な因子になる。即ち、水溶
性成分(B、C)が少なくとも60重量%以上、好まし
くは70重量%以上、より好ましくは85重量%以上、
更に好ましくは90重量%以上が溶解したスラリーを調
製することが必要である。そのために必要なスラリー中
の水分量は一般に好ましくは30〜70重量%、より好
ましくは35〜60重量%、最も好ましくは40〜55
重量%である。水分が少ないと、水溶性成分(B、C)
が十分に溶解していないために、ベース顆粒の表面近傍
に存在する水溶性成分(B、C)の割合が減少する。ま
た、水分が多過ぎると工程(b)で蒸発させる水分量が
多くなるため生産性が低下する。なお、スラリー中の水
溶性成分(水溶性ポリマー及び水溶性塩類)の溶解率の
測定法は下記の通りである。スラリーを減圧濾過し、濾
液中の水分濃度(P%)を測定する。スラリー水分を
(Q%)とし、スラリー中の水溶性成分の濃度を(R
%)とする。式(2)によって水溶性成分の溶解率が算
出される。但し、算出される上記溶解率が100%を超
える場合は、溶解率は100%とする。
【0058】
【数2】
【0059】また、スラリーの温度は、好ましくは30
〜80℃であり、より好ましくは40〜70℃である。
スラリーの温度がこの範囲内であれば、水溶性成分
(B、C)の溶解性及びポンプでの送液の点で好まし
い。
【0060】2.5.2 工程(II)(ベース顆粒群の
調製工程) スラリーの乾燥方法としては、ベース顆粒が所望の気泡
を放出し得る気孔を有するため、及び成分の偏在性構造
をとるためには、スラリーを瞬間乾燥することが好まし
く、粒子形状が実質的に球状となる噴霧乾燥が特に好ま
しい。噴霧乾燥塔としては、例えば、熱効率や、ベース
顆粒群の粒子強度が向上することから向流塔がより好ま
しい。スラリーの微粒化装置としては、例えば、圧力噴
霧ノズルが特に好ましい。乾燥塔に供給される高温ガス
の温度としては、好ましくは150〜300℃、より好
ましくは170〜250℃である。
【0061】2.5.3 工程(III)(界面活性剤の担
持工程) ベース顆粒群への界面活性剤の担持方法は、例えば、本
発明を回分式で行う場合は、ベース顆粒群と界面活性剤
の混合機への仕込み方法として、例えば、(1)混合機に
先ずベース顆粒群を仕込んだ後、界面活性剤を添加す
る、(2) 混合機にベース顆粒群と界面活性剤を少量ずつ
仕込む、(3) ベース顆粒群の一部を混合機に仕込んだ
後、残りのベース顆粒群と界面活性剤とを少量ずつ仕込
む、等の種々の方法をとることができる。これらの方法
の中で、特に上記(1) が好ましい。ここで、界面活性剤
は液体状態で添加することが好ましく、さらに液体状態
の界面活性剤を噴霧して供給することも好ましい。
【0062】工程(III)で好ましく用いられる装置とし
ては、ベース顆粒に強い剪断力がかかりにくい(ベース
顆粒を崩壊させにくい)装置であって、界面活性剤の分
散効率の観点から混合効率のよい装置等が挙げられる。
特に横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸
に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサ
ー(横型混合機)、例えば、レディゲミキサー(松坂技
研製)、プロシェアミキサー(太平洋機工製)等が好ま
しい。
【0063】また、この工程において、非イオン性界面
活性剤が使用される場合、この界面活性剤の融点上昇剤
となる融点45〜100℃、分子量千〜3万の水溶性非
イオン性有機化合物(以下、融点上昇剤という)、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プルロニッ
ク型非イオン性界面活性剤等を添加することで、ケーキ
ング性、洗剤粒子群中の界面活性剤のシミ出し性を抑制
することができる。
【0064】融点上昇剤の使用量は、単核性の維持、高
速溶解性、及びシミ出し性及びケーキング性の抑制の点
からベース顆粒群100重量部に対して0.5〜5重量
部が好ましく、0.5〜3重量部が好ましい。
【0065】また、界面活性剤の水溶液や水溶性非イオ
ン性有機化合物水溶液を添加した場合には余剰の水分を
乾燥する工程を有してもよい。更に、粉末ビルダーを添
加することで、洗剤粒子群の粒子径をコントロールする
ことができ、また洗浄力の向上を図ることができる。
尚、ここで粉末ビルダーとは、界面活性剤以外の粉末の
洗浄力強化剤を意味し、例えば、ゼオライト、クエン酸
塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩
等の金属イオン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基
剤、その他硫酸ナトリウム等のイオン強度を高める基剤
等が挙げられる。
【0066】具体的には、特開平5−279013号公
報第3欄第17行〜第6欄第24行(特に、500〜1
000℃で焼成して結晶化させたものが好ましい)、特
開平7−89712号公報第2欄第45行〜第9欄第3
4行、特開昭60−227895号公報第2頁右下欄第
18行〜第4頁右上欄第3行(特に第2表の珪酸塩が好
ましい)に記載の結晶性珪酸塩を粉末ビルダーとして用
いることができる。ここで、アルカリ金属珪酸塩のSi
2 /M2 O(但しMはアルカリ金属を表す)は好まし
くは0.5〜3.2、より好ましくは1.5〜2.6が
望ましい。
【0067】粉末ビルダーの使用量は、洗剤粒子の単核
性を維持し、良好な高速溶解性を得られ、また、粒子径
の制御も好適である点から、ベース顆粒群100重量部
に対して0.5〜12重量部が好ましく、1〜6重量部
がさらに好ましい。
【0068】2.5.4 表面改質工程 本発明においては、洗剤粒子群の粒子表面を改質するた
め、特に洗剤粒子群の流動性を向上するために、以下の
(1)微粉体、(2)液状物を添加する表面改質工程を
加えても良い。
【0069】(1)微粉体 一次粒子の平均粒径は、洗剤粒子表面の被覆率が向上
し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の観点
から、10μm以下が好ましく、特に0.1〜10μm
がより好ましい。該微粉体は高いイオン交換能や高いア
ルカリ能を有していることが洗浄力の点から好ましい。
【0070】微粉体としては、アルミノ珪酸塩が望まし
く、結晶性又は非晶質の何れでも良い。これ以外では、
硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、ベント
ナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性
シリケート化合物等の珪素化合物、金属石鹸、粉末の界
面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)等を用いることも
できる。微粉体の使用量としては、洗剤粒子群100重
量部に対して0.5〜40重量部が好ましく、1〜30
重量部がより好ましく、2〜20重量部が特に好まし
い。
【0071】(2)液状物 (2−1)水溶性ポリマー カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸とマレイン酸の
コポリマー又はその塩等が挙げられる。水溶性ポリマー
の使用量は、洗剤粒子の単核性の維持、洗剤粒子群の高
速溶解性、流動性、及び耐ケーキング性の観点から、洗
剤粒子群100重量部に対して0.5〜10重量部が好
ましく、1〜8重量部がより好ましく、2〜6重量部が
特に好ましい。
【0072】(2−2)脂肪酸 炭素数10〜22の脂肪酸等が挙げられる。該脂肪酸の
使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0.
5〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部が特に好ま
しい。脂肪酸が常温で固体のものの場合は、流動性を示
す温度まで加温した後に、噴霧して洗剤粒子群に供給す
ることが好ましい。
【0073】2.6.その他の洗剤粒子群 本発明に用いる洗剤粒子群は多核性洗剤粒子を含有する
こともできる。多核性洗剤粒子は、前述の単核性洗剤粒
子を構成するベース顆粒を凝集させたものでも、又は炭
酸ナトリウム等の水溶性塩類を核として凝集させて構成
したものでも良いが、ベース顆粒の偏在性も寄与し、高
速溶解性がさらに向上される観点から、単核性洗剤粒子
を構成するベース顆粒を凝縮させたものが特に好まし
い。また、界面活性剤の量を増やすことにより、多核性
洗剤粒子を容易に形成することができる。なお、重曹や
過炭酸塩等の発泡剤を用いることにより、ベース顆粒間
の溶解促進を助長させても良い。
【0074】2.6.1.物性 本発明に用いる上記洗剤粒子群は高速溶解性を有する。
高速溶解性は、前述の方法で確認される。本発明に用い
る洗剤粒子群は、単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群
と同様の高い溶解率を示し、従来の洗剤の溶解性より高
速溶解性を有する。
【0075】また、嵩密度、平均粒径、流動性について
は、単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群の場合と同様
の物性を示すことが好ましい。
【0076】
【実施例】製造例1〔ベース顆粒群の製造〕 水490kgを攪拌翼を有した1m3 の混合槽に加え、
水温が55℃に達した後に、硫酸ナトリウム83kg、
40重量%のポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量1
0000)水溶液135kgを添加した。15分間攪拌
した後に、炭酸ナトリウム(「デンス灰」(セントラル
硝子(株)製)120kg、亜硫酸ナトリウム9kg、
蛍光染料(「チノパールCBS−X」(チバガイギー社
製))3kgを添加した。更に15分間攪拌した後に、
ゼオライト(ゼオライト4A型、平均粒径3.5μm
(東ソー(株)製))300kgを添加し、30分間攪
拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度
は59℃であった。また、このスラリー中の水分は50
重量%であった。
【0077】このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設
置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力25kg/cm2
噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部
より温度が225℃で供給され、塔頂より105℃で排
出された。得られたベース顆粒群1の嵩密度は620g
/L、平均粒径は225μm、粒子強度は250kg/
cm2 、担持能は52mL/100g、水分量は5重量
%であった。尚、ベース顆粒群1に関しては、気孔径が
粒子径の1/10〜4/5である気孔が88%の粒子に
おいて確認された(尚、上記90%の粒子における気孔
径/粒子径の平均値は2.9/5であった)
【0078】製造例2〔洗剤粒子群1の製造〕 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン10
8KM:花王(株)製)15重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム(ネオペレックスF65:花王
(株)製)15重量部とポリエチレングリコール(平均
分子量8500)1重量部を70℃になるように加熱混
合し、混合液を作成した。次に、レディデミキサー(松
坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記ベ
ース顆粒群100重量部を投入し、主軸(150rp
m)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始し
た。尚、ジャケットに60℃の温水を流した。そこに、
上記混合液を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行い
排出した。更に、この洗剤粒子群の粒子表面に20重量
部の製造例1と同じゼオライトで表面被覆を行った。得
られた洗剤粒子群1の平均粒径は240μm、嵩密度は
660g/L、60秒間溶解率は97%であった。ま
た、洗剤粒子の切断面のSEM観察により単核性粒子で
あった。
【0079】また、洗剤粒子群1の中空性を測定した結
果、86%の粒子に、粒子径に対する気孔径の比が1/
10〜4/5である気孔が存在した。更に洗剤粒子群1
の溶解挙動をデジタルマイクロスコープで観察した結
果、87%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡
が放出されたことが確認された尚、上記87%の粒子か
ら放出された気泡径/粒子径の平均値は3.0/5であ
った。
【0080】製造例3〔洗剤粒子群2の製造〕 表1に示された各組成のうち、製造例2と同じポリオキ
シエチレンアルキルエーテル配合量の50重量%、ゼオ
ライト配合量の50重量%、結晶性珪酸塩及び酵素の全
配合量を除く成分を含む含水率50重量%のスラリーを
調製し、それを噴霧乾燥することで嵩密度0.26〜
0.3g/cm3 の粉末を得た。次にこれら粉末をハイ
スピードミキサ−(深江工業(株)製)に投入し、ゼオ
ライトの配合量の20重量%、残りの上記ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル及び結晶性珪酸塩の全配合量を
加えて造粒し、更に、ゼオライトの配合量の20重量%
を加えて造粒した後、得られた粒子に残りのゼオライト
と酵素の全配合量を乾式混合することにより、洗剤粒子
群2を得た。
【0081】得られた洗剤粒子群2の平均粒径は420
μm、嵩密度は720g/L、60秒間溶解率は68%
であった。SEM観察の結果、単核性粒子ではなかっ
た。また、洗剤粒子群2の中空性を測定した結果、78
%の粒子に、粒子径に対する気孔径の比が1/10〜4
/5である気孔が存在した。更に洗剤粒子群2の溶解挙
動をデジタルマイクロスコープで観察した結果、91%
の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡が放出され
たことが確認された尚、上記91%の粒子から放出され
た気泡径/粒子径の平均値は2.9/5.1であった。
【0082】
【表1】
【0083】実施例1〜9、比較例1〔タブレット型
(固形状)洗剤の製造〕 実施例1〜9及び比較例1のタプレット型洗剤を表2に
記載の粒子群を出発物質として以下のように製造した。
表2に記載の洗剤粒子群1〜2及び/又はベース顆粒群
をそれぞれ10L容のハイスピードミキサー(深江工業
(株)製)に投入し、主軸150rpm、チョッパー6
00rpmで、ジャケットに70℃の温水を流しなが
ら、粒子群の温度が60℃を越えるまで転動させた。そ
の後、結合剤として上記ポリエチレングリコールを粒子
群100重量部に対して5.0重量部になるように投入
し、そのままの状態で2分間転動させ、次に、これと前
記ゼオライト4A型(平均粒径:3μm)を粒子群10
0重量部に対して5.0重量部となるようにハイスピー
ドミキサーに投入し、30秒間転動させ成形前の粒子群
を得た。次に、この粒子群を60℃に温度制御をしなが
ら表2に記載の圧力で縮圧成形し、ついで15分間放冷
して直径30mm、厚さ11mmのタブレット型洗剤を
得た。
【0084】実施例1〜9、比較例1で得られたタブレ
ット型洗剤についての崩壊率と溶解率を表2に示す。な
お、表中、圧壊強度、崩壊率及び溶解率は、それぞれ前
記第1.3項、第1.4項及び第1.5項に記載のよう
にして求めた。
【0085】
【表2】
【0086】実施例1〜9で得られたタブレット型洗剤
は、いずれも十分な機械的強度を有し、かつ比較例1に
比べ、崩壊性/溶解性に優れたものであることがわか
る。
【0087】
【発明の効果】本発明の固形状洗剤は、乾燥時に十分な
機械的強度を有し、かつ水に投入後素早く溶解し得る高
速溶解性に優れたものであるため、固形状洗剤の取り扱
い性等の利点を活かしたまま、その洗剤成分を速やかに
洗濯浴中に溶出することが可能となり、洗浄力が向上す
る効果及び溶け残りが発生しない等の品質上の大きな効
果が達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 修 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 高谷 仁 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 (72)発明者 山下 博之 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4H003 AB03 AB18 AB27 AC08 BA10 CA21 DA01 EA12 EA16 EA25 EA28 EB30 EB36 EC01 ED02 FA32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に溶解する過程において粒子径の1/
    10以上の径の気泡を粒子内部から放出し得る粒子を含
    有する洗剤用粒子群であって、かつ5℃の水に該粒子群
    を投入し以下に示す攪拌条件にて60秒間攪拌してJI
    S Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)に供
    した場合、式(1)で算出される粒子群の溶解率が90
    %以上である粒子群を含む、固形状洗剤。 攪拌条件:1Lの硬水(71.2mg CaCO3
    L、Ca/Mgのモル比7/3)に該粒子群1gを投入
    し、1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ
    35mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供した
    ときに、篩上に残存する粒子群の溶残物の乾燥重量
    (g)
  2. 【請求項2】 粒子群の平均粒径が150〜500μ
    m、嵩密度が500g/L以上である請求項1記載の固
    形状洗剤。
  3. 【請求項3】 粒子群が水不溶性無機物、水溶性ポリマ
    ー及び水溶性塩類を含有する界面活性剤担持用ベース顆
    粒群及び/又は該ベース顆粒群に界面活性剤を担持させ
    てなる洗剤粒子群であって、該ベース顆粒はその構造に
    おいてその内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/
    又は水溶性塩類が多く存在する偏在性を有するものであ
    る請求項1又は2記載の固形状洗剤。
  4. 【請求項4】 水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水
    溶性塩類を含有する界面活性剤担持用ベース顆粒群及び
    /又はそれに界面活性剤を担持させてなる洗剤粒子群で
    あって、該ベース顆粒がその構造においてその内部より
    も表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類が多
    く存在する偏在性を有する粒子群であって、かつ5℃の
    水に該粒子群を投入し、以下に示す攪拌条件にて60秒
    間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き
    74μm)に供した場合、式(1)で算出される粒子群
    の溶解率が90%以上である粒子群を含む、固形状洗
    剤。 攪拌条件:1Lの硬水(71.2mg CaCO3
    L、Ca/Mgのモル比7/3)に該粒子群1gを投入
    し、1Lビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ
    35mm、直径8mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供した
    ときに、篩上に残存する粒子群の溶残物の乾燥重量
    (g)
  5. 【請求項5】 粒子群の平均粒径が150〜500μ
    m、嵩密度が500g/L以上である請求項4記載の固
    形状洗剤。
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