JP2000352353A - 船外機の燃料供給装置 - Google Patents

船外機の燃料供給装置

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JP2000352353A
JP2000352353A JP11162813A JP16281399A JP2000352353A JP 2000352353 A JP2000352353 A JP 2000352353A JP 11162813 A JP11162813 A JP 11162813A JP 16281399 A JP16281399 A JP 16281399A JP 2000352353 A JP2000352353 A JP 2000352353A
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Jiro Saiga
治郎 雑賀
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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Abstract

(57)【要約】 【課題】始動補助装置をスペース的にも機構的にも防水
面でも無理なく設置可能にして船外機のコンパクト化を
図り、しかも始動補助装置自体の小形化を可能にし、か
つ複数の混合気供給手段が連装される場合において、始
動補助装置の設置により複数の混合気供給手段に種別が
生じることを防いで共通化を図り、船外機の製造を容易
にする。 【解決手段】縦置きに搭載された4サイクルエンジンの
側面に混合気供給手段が設置され、上記混合気供給手段
に始動補助装置が備えられた船外機の燃料供給装置にお
いて、上記始動補助装置52を上記混合気供給手段(2
5a)の上部かつ幅方向中央付近に設置し、この始動補
助装置52の操作機構58を、側面視で混合気供給手段
(25a)の上部および周囲に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船外機の燃料供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、船外機のエンジンとしては、環境
保全の観点から2サイクルエンジンに代わり4サイクル
エンジンが主流になりつつある。4サイクルエンジンを
搭載する船外機では、エンジンのシリンダーヘッドから
延出する吸気マニフォールドがシリンダーブロック側に
湾曲し、シリンダーブロックの側部に配置された燃料供
給装置に繋がる。燃料供給装置は、気筒数分のキャブレ
ターや空気量調整器(スロットルボディー)等の混合気
供給手段が連装部材により連装され、その前部に吸気消
音器が接続されたものである。
【0003】このような燃料供給装置には、エンジン始
動時に各混合気供給手段の混合気濃度を高めて始動を容
易にする始動補助装置(オートチョーク装置)が併設さ
れる。従来、始動補助装置は、各混合気供給手段の間や
側方、または混合気供給手段と吸気消音器の間、あるい
は吸気消音器の下方等に設置されていた(例えば特開平
8−326606号公報に記載の船外機)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような場所に始動補助装置を配置すると、始動補助装置
の配置スペースを広く確保できず、他部品のレイアウト
に悪影響を与えたり、防水面で不安が残るといった不具
合がある。また、燃料供給装置(混合気供給手段)の側
方に始動補助装置を配置した場合には、エンジンを覆う
エンジンカバーの横方向への張り出しを大きくする必要
が生じるため、船外機をコンパクトにできないという問
題が出る。
【0005】さらに、始動補助装置と混合気供給手段と
の間をリンケージする操作機構を直線的に配設しにく
く、そのロッドやリンク類をクランク状に屈曲させて用
いなければならないため、ロッドやリンク類が撓みやす
く、始動補助装置の力が損われる懸念があることから、
始動補助装置の大出力化、即ち大形化を余儀無くされて
いた。
【0006】本発明に係る船外機の燃料供給装置は、上
記問題点を解決するために発明されたものであり、その
目的は、始動補助装置をスペース的にも機構的にも防水
面でも無理なく設置可能にして船外機のコンパクト化を
図り、しかも始動補助装置自体の小形化を可能にし、か
つ複数の混合気供給手段が連装される場合において、始
動補助装置の設置により複数の混合気供給手段に種別が
生じることを防いで共通化を図り、船外機の製造を容易
にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る船外機の燃料供給装置は、特許請求の
範囲の請求項1に記載したように、縦置きに搭載された
4サイクルエンジンの側面に混合気供給手段が設置さ
れ、上記混合気供給手段に始動補助装置が備えられた船
外機の燃料供給装置において、上記始動補助装置を上記
混合気供給手段の上部に設置し、この始動補助装置の操
作機構を、側面視で混合気供給手段の上部および周囲に
配置したことを特徴とする。
【0008】このように構成した場合、本来デッドスペ
ースである混合気供給手段の上部のスペースに始動補助
装置が設置されるため、始動補助装置をスペース的に無
理なく設置できる。しかも、始動補助装置や操作機構が
エンジンの側方に張り出さないため、エンジンカバーを
横方向へ張り出す必要もなく、よって船外機をコンパク
トに構成でき、さらに、始動補助装置がエンジンの上位
に位置するので防水面でも不安がない。
【0009】また、本発明に係る船外機の燃料供給装置
は、請求項2に記載したように、請求項1の構成におい
て、前記始動補助装置の左右位置を、平面視で前記混合
気供給手段の幅方向中央付近とした。これにより、始動
補助装置の側方への張り出しを一段と抑制して船外機を
コンパクト化することができる。
【0010】さらに、本発明に係る船外機の燃料供給装
置は、請求項3に記載したように、請求項1の構成にお
いて、前記始動補助装置の操作機構を、始動補助装置か
ら延出して伸縮する操作ロッドと、船外機の幅方向に沿
って軸支されたカム軸と、上記カム軸に回転一体に設け
られた入力レバーおよびチョークカムと、前記混合気供
給手段のチョーク機構を作動させるチョークレバーとを
備えて構成し、上記操作ロッドを上記入力レバーの自由
端に連結して上記カム軸と上記チョークカムを回動させ
る一方、チョークカムの回動先に上記チョークレバーを
配置し、チョークカムの回動によりチョークレバーを連
動させるように構成した。
【0011】上記構成により、始動補助装置の操作ロッ
ドを直線状に形成し、その撓みを防いで始動補助装置の
力をスムーズに伝達できるため、始動補助装置の低出力
化、即ちを小形化を図ることができる。しかも、チョー
クカムを回動させてチョークレバーを動かす構造なの
で、エンジン始動時以外はチョークカムとチョークレバ
ーとが接触せず、したがってエンジン振動等により両者
が摩耗することを効果的に防止できる。
【0012】また、本発明に係る船外機の燃料供給装置
は、請求項4に記載したように、請求項3の構成におい
て、前記カム軸の軸受部を前記混合気供給手段に隣接す
る部品に設けた。こうすれば、混合気供給手段自体には
軸受部を設けなくてもよいので、複数の混合気供給手段
が連装される場合には、全ての混合気供給手段を共通化
して船外機の製造を容易にすることができる。
【0013】さらに、本発明に係る船外機の燃料供給装
置は、請求項5に記載したように、請求項3の構成にお
いて、前記混合気供給手段が複数である場合に、各混合
気供給手段のチョーク機構を連動させるチョーク連動機
構を、前記チョークカムおよびチョークレバーの反対側
に設けた。この構成により、チョークカムおよびチョー
クレバーと、チョーク連動機構とが混合気供給手段の内
外両側に分散され、各々に充分な作動スペースが付与さ
れるので、機構的に無理のない構成を実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
船外機の一例を示すエンジン付近の右側面図であり、向
かって右側が前方(船体側)、左側が後方となってい
る。また、図2は図1のII矢視による平面図である。
【0015】この船外機1の最上部に搭載されているエ
ンジン2は、例えば直列3気筒の4サイクルエンジンで
あり、そのクランク軸3(図1中には中心線で位置のみ
を示す)が直立するように縦置きに、略平板状のエンジ
ンホルダー4の上に固定されている。また、エンジンホ
ルダー4の下面にはオイルパン5が固定され、オイルパ
ン5の下部に図示しないドライブハウジングとギヤハウ
ジングが順に固定され、ギヤハウジングにスクリュープ
ロペラが軸支される。
【0016】エンジン2は、クランクケース7とシリン
ダーブロック8とシリンダーヘッド9とヘッドカバー1
0が前方から順に配列されて形作られ、このエンジン2
全体とエンジンホルダー4とオイルパン5の部分が合成
樹脂製のエンジンカバー11に覆われて防水保護され
る。エンジンカバー11はシーリング材12の部分を境
に上下に分割でき、エンジンカバー11の上半分を着脱
してエンジン2の点検、整備等を行う。
【0017】例えばエンジン2のシリンダーブロック8
の右側部には燃料ポンプ14と共に燃料供給装置15が
設置され、シリンダーブロック8の左側部には排気装置
16や点火装置17、電装部品箱18等が配置されてい
る。また、エンジン2の上部には発電装置19(図2参
照)やリコイル・スターター20(図1参照)等が設置
され、エンジン2の前部にはスターターモーター21が
設置されている。
【0018】シリンダーヘッド9の右側面からは3本の
吸気マニフォールド23が延出し、これらの吸気マニフ
ォールド23は前方に90゜湾曲して略平板状の接続フ
ランジ24に繋がる。なお、この吸気マニフォールド2
3と接続フランジ24はシリンダーヘッド9と一体であ
る。
【0019】一方、燃料供給装置15は、図3に右側面
図を、図4に左側面図を、図5に平面図を示すように、
3基のキャブレター25a,25b,25cが、略平板
状の連装部材26(図6も参照)に連装されて縦1列に
並び、各キャブレター25a〜25cの前部にインテー
クパイプ27を介して吸気消音器28が接続された構成
となっている。また、吸気消音器28のエンジン2側の
面には吸気口29が設けられ、ここにフレームアレスタ
ー(防炎網)30が取り付けられる。
【0020】エンジン2の作動時には、エンジン2の吸
気負圧により吸気消音器28の吸気口29から外気が導
入され、この空気がインテークパイプ27を経て各キャ
ブレター25a〜25cに流れ、ここで燃料を混合され
て混合気となり、吸気マニフォールド23を経てエンジ
ン2に供給される。なお、各キャブレター25a〜25
cは、特許請求の範囲の請求項1に記載した『混合気供
給手段』の一例であるが、例えばエンジン2が燃料噴射
式である場合には、空気量調整器(スロットルボディ
ー)等であってもよい。
【0021】図6に示すように、連装部材26には、吸
気マニフォールド23の接続フランジ24に整合する形
状の接続フランジ32が設けられ、その回りに3基のキ
ャブレター25a〜25cをボルト締結するためのネジ
穴33が合計6箇所形成されている。また、接続フラン
ジ32には各吸気マニフォールド23に整合する3つの
ポート34が開設され、各ポート34を挟むように1対
ずつ、合計6箇所のネジ穴35が形成されている。さら
に、連装部材26の上部には、締結台座36と締結台座
37が一体に形成されている。
【0022】キャブレター25a〜25cは、予め連装
部材26に部組みされ、連装部材26がエンジン2(吸
気マニフォールド23)に取り付けられる。その際に
は、連装部材26の接続フランジ32が吸気マニフォー
ルド23の接続フランジ24に合わせられ、6本のボル
ト39(図1参照)が接続フランジ24を貫通して連装
部材26のネジ穴35に締結される。なお、接続フラン
ジ24と接続フランジ32の間には板状のガスケット
(非図示)が介装されて気密性が保たれる。
【0023】ところで、3基のキャブレター25a〜2
5cには、各々に内蔵された図示しないスロットルバル
ブを開閉させるスロットル軸40a〜40cが軸支さ
れ、その右端にそれぞれスロットルレバー41a,41
b,41cが固定されている(図2、図3参照)。これ
ら3つのスロットルレバー41a〜41cの自由端はリ
ンケージリンク42(図3参照)に連接され、最下部の
スロットルレバー41cに設けられたカムローラー43
がスロットルカム44(図1も参照)のカム面に接して
いる。なお、スロットルカム44は連装部材26に軸支
される。
【0024】一方、図1に示すように、最下部のキャブ
レター25cの下方には中間レバー46が軸支され、こ
の中間レバー46とスロットルカム44の間がスロット
ルリンク47で連結されている。また、中間レバー46
には2本のケーブル48,49が繋がり、その他端が図
示しないスロットル装置に接続される。
【0025】スロットル装置が操作されると、2本のケ
ーブル48,49が中間レバー46を回動させ、中間レ
バー46の回動がスロットルリンク47によりスロット
ルカム44に伝えられ、スロットルカム44を回動させ
る。スロットルカム44は、最下部のキャブレター25
cのスロットルレバー41c(カムローラー43)を押
圧し、このスロットルレバー41cの動きがリンケージ
リンク42により他のスロットルレバー41a,41b
を連動させるので、3基のキャブレター25a〜25c
のスロットル軸40a〜40cが同時に回動し、スロッ
トルバルブが同調開閉してエンジン2の出力が制御され
る。なお、3つのスロットルレバー41a〜41cは、
スプリング50(図2、図5参照)により常にスロット
ルバルブを閉ざす方向に付勢される。
【0026】また、連装部材26の締結台座36には始
動補助装置52が2本のボルト53で締結固定され、締
結台座37には2本のビス54(図4参照)で固定され
るブラケット55を介して減速制御装置56が取り付け
られている。始動補助装置52は、例えば従来から周知
のソレノイドバルブを用いた電磁式のものであり、側面
視で最上部のキャブレター25aの上部斜め後方に配置
され、かつその左右位置が平面視でキャブレター25a
の幅方向中央付近とされている。一方、減速制御装置5
6は始動補助装置52の左方に併設されている。
【0027】図3〜図5に示すように、始動補助装置5
2の操作機構58は、側面視で最上部のキャブレター2
5aの上部および周囲に配置されている。この操作機構
58は、次のように構成されている。
【0028】まず、始動補助装置52の前部からは操作
ロッド59が延出し、キャブレター25aの上方を通っ
て前方に延びている。一方、インテークパイプ27の上
部に設けられた軸受部60に、船外機1の幅方向に平行
するカム軸61が軸支されている。カム軸61の内端と
外端には、それぞれ入力レバー62とチョークカム63
が回転一体に設けられ、軸受部60とチョークカム63
との間にはスプリング64が弾装されている。
【0029】操作ロッド59の先端は、入力レバー62
の自由端に連結される。また、チョークカム63は、そ
の回動先に最上部のキャブレター25aのチョークレバ
ー65が位置するように配置され、チョークカム63の
回動によりチョークレバー65が押圧されて連動するよ
うになっている。チョークレバー65は、キャブレター
25aに内蔵されたチョーク機構(非図示)を作動させ
るチョークレバー軸66aの外端(右端)に回転一体に
設けられている。なお、他の2基のキャブレター25
a,25bにもそれぞれチョーク機構が内蔵され、これ
を作動させるチョークレバー軸66b,66cが軸支さ
れている。
【0030】操作機構58は以上のように構成されてい
る。また、図4に示すように、各キャブレター25a〜
25cのチョークレバー軸66a〜66cの内端側(エ
ンジン2側)に設けられたチョーク連動レバー68a〜
68cが、連動リンク69により互いに連結され、チョ
ーク連動機構70が構成されている。このチョーク連動
機構70は、チョークカム63およびチョークレバー6
5がキャブレター25aの右側に設けられているのに対
し、その反対側の左側に設けられている。
【0031】始動補助装置52が起動すると、操作ロッ
ド59が始動補助装置52側に縮んで入力レバー62が
引かれ、これによりチョークカム63がチョークレバー
65を押圧し、チョークレバー軸66aを回動させる。
このチョークレバー軸66aの回動は、チョーク連動機
構70(チョーク連動レバー68a〜68cと連動リン
ク69)によって残る2基のキャブレター25b,25
cのチョークレバー軸66b,66cに伝達され、全て
のキャブレター25a〜25cのチョーク機構が同時に
作動して混合気濃度が高められ、エンジン2の始動性が
向上する。
【0032】他方、減速制御装置56は、例えば空圧
(液圧)ダンパーを利用したやはり周知のものであり、
図4に示すように、減速制御装置56から延びるダンパ
ーロッド73が、最上部のキャブレター25aのスロッ
トル軸40a左端に回動一体に設けられたダンパーレバ
ー74先端のタペット75に当接している。各キャブレ
ター25a〜25cは、図3に示すように、そのスロッ
トルレバー41a〜41cが最も上方に回動した状態で
スロットル開度が最小になるが、この時にはダンパーレ
バー74も上方に回動して減速制御装置56のダンパー
ロッド73を押し縮めている。
【0033】そして、各キャブレター25a〜25cの
スロットルレバー41a〜41cが下方に回動してスロ
ットル開度が大きくなるに連れ、ダンパーレバー74も
下方に回動し、減速制御装置56のダンパーロッド73
が延びて行く。ここで、急激なスロットル閉じ操作が行
われると、各キャブレター25a〜25cのスプリング
50の付勢力を受けてダンパーレバー74が急激に上方
に回動しようとするが、減速制御装置56のもたらす減
衰作用により、ダンパーロッド73の収縮に抵抗が生
じ、ダンパーレバー74の上方への回動にブレーキが掛
かる。このため、スロットルバルブが閉じて行く速度が
遅められ、エンジンストールが防止される。
【0034】この燃料供給装置15では、本来デッドス
ペースとされていたキャブレター25aの上部のスペー
スに始動補助装置52が設置され、しかもその左右位置
が平面視でキャブレター25aの幅方向中央付近とさ
れ、かつ始動補助装置52の操作機構58が側面視でキ
ャブレター25aの上部および周囲に配置されているた
め、始動補助装置52や操作機構58の配置スペースを
広く確保し、他部品(減速制御装置56等)のレイアウ
トに悪影響を与えることなく、始動補助装置52と操作
機構58を設置することができる。
【0035】しかも、始動補助装置52と操作機構58
がエンジン2の側方に張り出さないので、エンジンカバ
ー11を横方向へ張り出す必要もなく、よって船外機1
をスリムかつコンパクトに構成でき、外観性も良くな
る。その上、始動補助装置52がエンジン2の比較的上
位に位置するため、防水面でも不安が残らない。
【0036】一方、始動補助装置52の操作機構58
は、始動補助装置52から延出して伸縮する操作ロッド
59でチョークカム63を回動させてキャブレター25
aのチョークレバー65を連動させるように構成されて
いるため、操作ロッド59の形状を直線化することがで
き、操作ロッド59の撓みを防いで始動補助装置52の
力をスムーズに伝達できる。したがって、始動補助装置
52の小形化(低出力化)が可能になる。なお、チョー
クカム63は、エンジン始動時以外はチョークレバー6
5に接触しないため、運転時においてエンジン振動によ
りチョークカム63とチョークレバー65が摩耗した
り、異音を発すること等が効果的に防止される。
【0037】さらに、カム軸61の軸受部60が、キャ
ブレター25aに隣接する部品であるインテークパイプ
27に設けられているので、キャブレター25a自体に
は軸受部60を設ける必要がなく、3基のキャブレター
25a〜25cの形状を共通化して船外機1の製造を容
易にすることができる。なお、インテークパイプ27に
限らず、キャブレター25aに隣接する他の部品に軸受
部60を形成してもよい。
【0038】また、各キャブレター25a〜25cのチ
ョーク機構を連動させるチョーク連動機構70が、操作
機構58のチョークカム63およびチョークレバー65
の反対側に設けられているため、チョーク連動機構70
と、チョークカム63およびチョークレバー65とがキ
ャブレター25a〜25cの内外両側に分散され、各々
に充分な作動スペースが付与されるので、機構的に無理
のない構成を実現することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る船外
機の燃料供給装置によれば、始動補助装置をスペース的
にも機構的にも防水面でも無理なく設置可能にして船外
機のコンパクト化を図り、しかも始動補助装置自体の小
形化を可能にし、かつ複数の混合気供給手段が連装され
る場合において、始動補助装置の設置により複数の混合
気供給手段に種別が生じることを防いで共通化を図り、
船外機の製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機の一例を示すエンジン付近
の右側面図。
【図2】図1のII矢視による平面図。
【図3】本発明の一実施形態を示す燃料供給装置の右側
面図。
【図4】燃料供給装置の左側面図。
【図5】燃料供給装置の平面図。
【図6】図4のVI矢視図。
【符号の説明】
1 船外機 2 エンジン 15 燃料供給装置 25a〜25c 混合気供給手段の一例であるキャブレ
ター 27 混合気供給手段に隣接する部品の一例であるイン
テークパイプ 52 始動補助装置 58 操作機構 59 操作ロッド 60 軸受部 61 カム軸 62 入力レバー 63 チョークカム 65 チョークレバー 70 チョーク連動機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦置きに搭載された4サイクルエンジン
    の側面に混合気供給手段が設置され、上記混合気供給手
    段に始動補助装置が備えられた船外機の燃料供給装置に
    おいて、上記始動補助装置52を上記混合気供給手段
    (25a)の上部に設置し、この始動補助装置52の操
    作機構58を、側面視で混合気供給手段(25a)の上
    部および周囲に配置したことを特徴とする船外機の燃料
    供給装置。
  2. 【請求項2】 前記始動補助装置52の左右位置を、平
    面視で前記混合気供給手段(25a)の幅方向中央付近
    とした請求項1に記載の船外機の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 前記始動補助装置52の操作機構58
    を、始動補助装置52から延出して伸縮する操作ロッド
    59と、船外機1の幅方向に沿って軸支されたカム軸6
    1と、上記カム軸61に回転一体に設けられた入力レバ
    ー62およびチョークカム63と、前記混合気供給手段
    (25a)のチョーク機構を作動させるチョークレバー
    65とを備えて構成し、上記操作ロッド59を上記入力
    レバー62の自由端に連結して上記カム軸61と上記チ
    ョークカム63を回動させる一方、チョークカム63の
    回動先に上記チョークレバー65を配置し、チョークカ
    ム63の回動によりチョークレバー65を連動させるよ
    うに構成した請求項1に記載の船外機の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記カム軸61の軸受部60を前記混合
    気供給手段(25a)に隣接する部品(27)に設けた
    請求項3に記載の船外機の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記混合気供給手段が複数である場合
    に、各混合気供給手段(25a〜25c)のチョーク機
    構を連動させるチョーク連動機構70を、前記チョーク
    カム63およびチョークレバー65の反対側に設けた請
    求項3に記載の船外機の燃料供給装置。
JP11162813A 1999-06-09 1999-06-09 船外機の燃料供給装置 Pending JP2000352353A (ja)

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