JP2000351754A - ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置 - Google Patents

ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置

Info

Publication number
JP2000351754A
JP2000351754A JP11159888A JP15988899A JP2000351754A JP 2000351754 A JP2000351754 A JP 2000351754A JP 11159888 A JP11159888 A JP 11159888A JP 15988899 A JP15988899 A JP 15988899A JP 2000351754 A JP2000351754 A JP 2000351754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
ammonia
alkylene oxide
monoalkanolamine
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11159888A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP11159888A priority Critical patent/JP2000351754A/ja
Publication of JP2000351754A publication Critical patent/JP2000351754A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリアルカノールアミンの副生を抑えながら
ジアルカノールアミンを選択的に、効率よく且つ安価に
製造する。 【解決手段】 断熱多段式反応器の2段目以降にアンモ
ニアを分離した反応液や反応液から分離したモノアルカ
ノールアミンを供給して反応させることによって、選択
的、効率的にジアルカノールアミンを製造できる。2段
目以降は低圧の反応器を用いることができ設備コストも
低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体触媒を用いて
アンモニアおよびモノアルカノールアミンとアルキレン
オキシドを反応させてジアルカノールアミンを選択的に
製造する方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドをアンモニアでアミ
ノ化してアルカノールアミン類を製造する方法として
は、工業的にはエチレンオキシドとアンモニア水(20
〜40重量%のアンモニア濃度)とを反応させてエタノ
ールアミン類を製造する方法が行われている。この方法
では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミンの3種のアルカノールアミンが得ら
れるが、これらの中でトリエタノールアミンの需要が減
退していることから、トリエタノールアミンの生成を抑
えることが求められている。そのため、通常、アンモニ
アとエチレンオキシドとのモル比を3〜5:1程度とア
ンモニア大過剰にして反応を行うが、それでもトリエタ
ノールアミンの選択率は10〜20重量%ないしそれ以
上と高く、他方、ジエタノールアミンの選択率も40重
量%以下と相対的に低い。
【0003】一方、水が存在しない系ではアルキレンオ
キシドとアンモニアとは、ほとんど反応しない。従っ
て、このような反応には、触媒の存在が不可欠であり、
イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、シリカアルミ
ナ、酸活性化粘土、希土類元素を耐熱性担体に担持した
触媒などが提案されている。
【0004】本発明はジアルカノールアミンを選択的に
製造することが目的なので、高活性で且つジアルカノー
ルアミンを選択性良く製造できる触媒が好ましい。例え
ば、有効細孔径が0.45nmないし0.8nmであるマイ
クロポーラスマテリアルあるいは、これらのマイクロポ
ーラスマテリアルを希土類でイオン交換および/または
表面処理した触媒を用いるがよい。マイクロポーラスマ
テリアルとしてはMFI型アルミノシリケート(いわゆ
るZSM−5)、MFI型フェリシリケート、BEAな
どが適当である。イオン交換する希土類元素としては、
イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネ
オジム、サマリウム、テルビウム、イッテルビウムなど
が用いられる。中でも、入手の容易なイットリウム、ラ
ンタン、セリウムなどが好適である。外表面処理として
は、高温でのスチーミング処理、四塩化珪素処理、アル
コキシシラン処理などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アンモニアとアルキレ
ンオキシドとの反応において、ジアルカノールアミン選
択率を高めようとしても、反応するアンモニアに対し
て、かなり多くのアルキレンオキシドを反応させない
と、モノアルカノールアミンが主として生成し、ジアル
カノールアミンの選択性は十分ではない。そこで、アル
キレンオキシドを多く反応させるために、アンモニアに
対するアルキレンオキシドの量を多くすると、単位反応
液重量当たりの反応熱が大きくなり、断熱反応では温度
が上がりすぎて反応を実施できないこととなる。この問
題を解決するために、反応器を複数用いてアルキレンオ
キシドの供給を分割する、断熱多段反応が行われる。し
かし、液体アンモニアを高温で用いるため、非常に高圧
の反応器が必要となり、設備コストが高くつくという問
題があるうえ、ジアルカノールアミンの選択性も十分と
はいえない。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、1段目の反応器で得られた反応液
からアンモニアを分離した後のアルカノールアミン類に
2段目以降でアルキレンオキシドを更に反応させること
により、高圧でない安価な設備を用いて高いジエタノー
ルアミン選択率が得られることを見いだし、本発明を完
成した。
【0007】ジエタノールアミン選択率を更に高めたい
場合には、1段目の反応器で得られた反応液からアンモ
ニアを分離した後のアルカノールアミン類からモノアル
カノールアミンを選択的に分離し、該モノアルカノール
アミンにさらにアルキレンオキシドを反応させることが
できる。また、アルカノールアミンを回収した後の未反
応のモノアルカノールアミンは第2の反応器へリサイク
ルして有効に利用でき、さらに、ジアルカノールアミン
をリサイクルしないので、ジアルカノールアミンとアル
キレンオキシドとの反応を防止でき、トリアルカノール
アミンの生成も低減させることができる。
【0008】1段目の反応液からアンモニアを分離する
際には、2段目以降の反応器の圧力を低くする観点か
ら、できるだけアンモニアの濃度を小さくしておくこと
が好ましい。具体的には10重量%以下、好ましくは5
重量%以下、更に好ましくは1〜0.001重量%の範
囲の濃度にする。
【0009】本発明の目的は、複数の反応器を用いて、
アンモニアとアルキレンオキシドとを固体触媒の存在下
に反応させてジアルカノールアミンを製造するに際し、
第1の反応器においてアンモニアとアルキレンオキシド
とを固体触媒の存在下で反応させる第一反応工程と、第
一反応工程で得られた反応混合液からアンモニアを分離
除去するアンモニア分離工程と、アンモニア分離工程で
得られたアルカノールアミン類含有液およびアルキレン
オキシドを第2の反応器に導入し、第2の反応器におい
て該アルカノールアミン類含有液中のモノアルカノール
アミンとアルキレンオキシドとを反応させる第二反応工
程とを含むことを特徴とするジアルカノールアミンの製
造方法によって達成される。
【0010】本発明の他の目的は、複数の反応器を用い
て、アンモニアとアルキレンオキシドとを固体触媒の存
在下に反応させてジアルカノールアミンを製造するに際
し、第1の反応器においてアンモニアとアルキレンオキ
シドとを固体触媒の存在下で反応させる第一反応工程
と、第一反応工程で得られた反応混合液からアンモニア
を分離除去するアンモニア分離工程と、アンモニア分離
工程で得られるアルカノールアミン類含有液からモノア
ルカノールアミンを分離するモノアルカノールアミン分
離工程と、モノアルカノールアミン分離工程で得られた
モノアルカノールアミンおよびアルキレンオキシドを第
2の反応器に導入し、第2の反応器において該モノアル
カノールアミンとアルキレンオキシドとを反応させる第
二反応工程とを含むことを特徴とするジアルカノールア
ミンの製造方法によって達成される。
【0011】また、本発明の目的は、アンモニアとアル
キレンオキシドとを固体触媒の存在下に反応させてジア
ルカノールアミンを製造するために用いる製造装置であ
って、固体触媒を有し、アンモニアとアルキレンオキシ
ドとを該触媒と接触させて反応させるための第1反応器
と、第1反応器と接続されてなり、第1反応器で得られ
た反応混合液からアンモニアを分離除去するアンモニア
分離装置と、アンモニア分離装置で得られたアルカノー
ルアミン類含有液を第2反応器に導入するための導入管
を有し、アルカノールアミン類含有液中のモノアルカノ
ールアミンとアルキレンオキシドとを反応させる第2反
応器とを有することを特徴とするジアルカノールアミン
の製造用装置によって達成される。
【0012】さらに、本発明の目的は、アンモニアとア
ルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に反応させてジ
アルカノールアミンを製造するために用いる製造装置で
あって、固体触媒を有し、アンモニアとアルキレンオキ
シドとを該触媒と接触させて反応させるための第1反応
器と、第1反応器と接続されてなり、第1反応器で得ら
れた反応混合液からアンモニアを分離除去するアンモニ
ア分離装置と、アンモニア分離装置から得られたアルカ
ノールアミン類含有液からモノアルカノールを分離する
モノアルカノールアミン分離装置と、モノアルカノール
アミン分離装置で得られたモノアルカノールアミン類含
有液を第2反応器に導入するための導入管を有し、該モ
ノアルカノールアミンとアルキレンオキシドとを反応さ
せる第2反応器とを有することを特徴とするジアルカノ
ールアミンの製造用装置によって達成される。
【0013】本発明の目的は、さらに、モノアルカノー
ルアミンとアルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に
おいて液相で反応させることを特徴とするジアルカノー
ルアミンの製造方法によって達成される。また、この方
法は、実質的にアンモニア不存在下において実施するこ
とが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法及びその
製造装置について、詳細に説明する。
【0015】本発明は、モノアルカノールアミンとアル
キレンオキシドとを固体触媒の存在下において液相で反
応させることを特徴とするジアルカノールアミンの製造
方法に関する。
【0016】本発明に関わる原料のアルキレンオキシド
は、炭素数2〜4の下記構造式1で表される化合物:
【0017】
【化1】
【0018】(ただし、式中、R1,R2,R3およびR4
は各々独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表
す。)であることが好ましく、エチレンオキシド、プロ
ピレンオキシドなどが例示される。
【0019】また、本発明に関わる原料のモノアルカノ
ールアミンは、下記構造式2で表される化合物:
【0020】
【化2】
【0021】(ただし、式中、R1,R2,R3およびR4
は構造式1と同じである)であることが好ましく、モノ
エタノールアミンなどが例示される。
【0022】モノアルカノールアミンは、従来のアルカ
ノールアミンの製造の際などで生成したモノアルカノー
ルアミンを蒸留などの従来公知の方法で分離した後、そ
の一部を原料として使用することが可能である。
【0023】これらの原料に対応してジアルカノールア
ミンが得られるが、下記構造式3で表されるジアルカノ
ールアミン:
【0024】
【化3】
【0025】(ただし、式中、R1,R2,R3およびR4
は構造式1と同じである)が好ましく、ジエタノールア
ミンなどが例示される。
【0026】原料であるアルキレンオキシドとモノアル
カノールアミンとのモル比は、通常、1:0.01〜
1:20、好ましくは1:0.05〜1:10、さらに
好ましくは1:0.1〜1:8の範囲である。アルキレ
ンオキシドが0.01未満の場合にはジエタノールアミ
ンが増加せず、一方、20を越える場合にはモノアルカ
ノールアミンのリサイクルが過大であり好ましくない。
【0027】本発明に用いられる固体触媒としては、ア
ルカノールアミン製造用の触媒であれば特に限定される
ことなく、使用することができる。このような触媒の例
として、例えば、従来公知のアルカノールアミン製造用
のイオン交換樹脂単体;ゼオライト単体;ランタン、セ
リウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユ
ーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテリウム、スカンジウムまたはイットリウムなど
の希土類元素を含む化合物を比表面積が1〜500m2
/gの無機質の耐熱性担体、例えば、天然物(珪藻土、
軽石、粘土など)、単独酸化物、(シリカ、アルミナ、
チタニア、ジルコニアなど)、複合酸化物(シリカアル
ミナ、チタニアシリカ、ジルコニアシリカ、ペロブスカ
イトなど)、無機耐火物(炭化珪素、窒化珪素、グラフ
ァイトなど)または無機のイオン交換体(SAPO,M
eAPO、メタロシリケート、層状粘土化合物、イオン
交換樹脂、ゼオライトなど)に担持した触媒、または前
記希土類元素を含む化合物と前記耐熱性担体を成型した
ものなどを挙げることができる。これらの触媒のなかで
も、ジエタノールアミンの選択性の観点から希土類元素
でイオン交換されたゼオライトの成型物が好ましい。こ
こで、触媒費用の観点から希土類元素としては、ランタ
ン、イットリウム、セリウムなどが好ましい。
【0028】ジアルカノールアミン類の製造は、通常、
5〜300℃、好ましくは20〜200℃の温度範囲で
実施することが好ましい。操作圧力は、通常、5〜20
MPa、好ましくは7〜15MPaである。また、上述
の反応条件下、毎時空間速度(LHSV)が0.1〜5
0の範囲が、生産性の観点から好ましい。
【0029】また、本発明の2段目以降の反応は、実質
的にアンモニア不存在下において実施することが好まし
い。ここで、実質的にアンモニア不存在下とは、アンモ
ニアが原料アルカノールアミン類に対して、通常、10
重量%以下、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは
1〜0.001重量%の範囲の濃度を意味する。アンモ
ニア濃度が10重量%を越える場合には、アンモニアの
蒸気圧が大きく、反応圧力が大になることがある。
【0030】反応は、触媒に対し、ダウンフロー(下向
流)、アッパーフロー(上向流)またはホリゾンタルフ
ロー(水平流)の方式でもよいが、通常、触媒の充填の
観点からアッパーフロー方式が好ましい。
【0031】アルキレンオキシドとモノアルカノールア
ミンとを混合するための混合器の例として、アンモニア
とモノアルカノールアミンが混合できれば特に限定され
ることはなく、例えばアンモニアの配管に対しモノアル
カノールアミンの配管を、T字またはY字型などに結合
する方法が好ましい。
【0032】また、モノアルカノールアミンは所定温
度、例えば30〜100℃に予熱してからアルキレンオ
キシドと混合して、反応器に導入することが好ましい。
所定温度に予熱するための予熱器の例としては、モノア
ルカノールアミンを予熱できれば特に限定されることは
なく、例えば、熱交換器、特に予熱器が挙げられる。熱
交換器としては、多管式熱交換器、二重管式熱交換器、
単管式熱交換器、プレート式熱交換器などを挙げること
ができるが、なかでも熱交換効率の観点から多管式また
はプレート式が好ましい。
【0033】本発明に使用される反応器としては、固体
触媒が充填された触媒層を有する反応器であり、反応が
断熱反応であることから、断熱反応を行える反応器であ
れば特に限定されることはなく、固定床式反応器、多段
式固定床反応器などが好ましい。特に、これらの反応器
のなかでも設備費の観点から固定床式反応器が好まし
い。
【0034】また、上記の反応装置において、さらに、
予熱器と反応器との間にスタティックミキサー(無撹拌
型混合器)が設けられてなることが好ましい。かかるス
タティックミキサーを設けることにより、モノアルカノ
ールアミンとアルキレンオキシドを含む流体の混合効率
が向上するからである。
【0035】さらに、上記の反応装置において、反応器
内において流体の上流側に通液性不活性材が充填されて
なることが好ましい。ここで、通液性不活性材の例とし
て、反応原料と相互作用を起こさなければ特に限定はさ
れることなく、例えば、石英、α−アルミナ、ステンレ
ススチール、炭化珪素、シリカ製などの粒状物などの成
型物、破砕片、ウールを挙げることができる。かかる通
液性不活性材を設けることにより、効果的に流体を予熱
することができ、反応効率を容易に向上させることがで
きる。
【0036】上記の内容は、特にことわりがない限り、
以下のアンモニアとアルキレンオキシドとの反応および
モノアルカノールアミン(類)とアルキレンオキシドと
の反応においても適用できる。
【0037】以下、本発明の形態をアルキレンオキシド
としてエチレンオキシドを用いた場合について模式図に
よって説明する。
【0038】図1は本発明の実施の一態様を表す模式図
であって、1段目の反応器で得られた反応液からアンモ
ニアを分離した後のエタノールアミン類と、2段目の反
応器以降でエチレンオキシドを更に反応させるフローを
示す。
【0039】(a)ライン121からの液体アンモニア
を必要により予熱器111で予熱した後、ライン123
からのエチレンオキシドと混同して第1の反応器101
に供給して反応させる。
【0040】アンモニアとエチレンオキシドとの反応
は、反応器101中に充填された固体触媒の存在下にお
いて行う。アンモニアとエチレンオキシドとの反応は公
知の方法を利用でき特に制限されることはないが、例え
ばアンモニアとエチレンオキシドとのモル比は3〜5
0:1、反応温度は5〜300℃、好ましくは20〜2
00℃、操作圧力は5〜20MPa、好ましくは7〜1
5MPaであり、毎時空間速度(LHSV)が0.1〜
50の範囲である。アンモニアとエチレンオキシドとの
反応により、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンおよび原料の未反応物の液状
反応混合物として得られる。
【0041】本発明で使用される固体触媒としては、上
記のアルカノールアミン製造用の触媒を用いることがで
きる。
【0042】本発明に使用される反応器101として
は、固体触媒が充填された触媒層を有する反応器であ
り、反応が断熱反応であることから、断熱反応を行える
反応器であれば特に限定されることはなく、固定床式反
応器、多段式固定床反応器などが好ましい。特に、これ
らの反応器のなかでも設備費の観点から固定床式反応器
が好ましい。
【0043】また、アンモニアは所定温度、例えば20
〜100℃に予熱してからアルキレンオキシドと混合し
て、反応器に導入することが好ましい。所定温度に予熱
するための予熱器111の例としては、アンモニアを予
熱できれば特に限定されることはなく、例えば、熱交換
器、特に予熱器が挙げられる。熱交換器としては、多管
式熱交換器、二重管式熱交換器、単管式熱交換器、プレ
ート式熱交換器などを挙げることができるが、なかでも
熱交換効率の観点から多管式またはプレート式が好まし
い。
【0044】さらに、上記の反応装置において、さら
に、予熱器111と反応器101との間にスタティック
ミキサー(無撹拌型混合器)が設けられてなることが好
ましい(図示せず)。かかるスタティックミキサーを設
けることにより、アンモニアとアルキレンオキシドを含
む流体の混合効率が向上するからである。
【0045】(b)その後、(a)で得られた反応混合
物からアンモニア分離装置105を用いてアンモニアを
分離除去する。
【0046】上記のようにして得られた反応混合物から
アンモニアを分離除去する。分離されたアンモニアは、
ライン131を介して放出または原料として再使用する
こともできる。アンモニア分離装置105としては、ア
ンモニアとエチレンオキシドとの反応混合物から、アン
モニアを分離除去できれば特に制限されることなく、公
知の方法を用いることができるが、例えばフラッシュ
塔、充填塔などを例示できる。なかでも、装置コストの
観点からフラッシュ塔が好ましい。アンモニアの分離方
法は、連続的に行ってもよいし、またはバッチ方式で行
ってもよい。
【0047】このような方法により、反応混合液からア
ンモニアを除去することができるが、実質的にアンモニ
ア不存在にすることが好ましい。ここで、実質的にアン
モニア不存在とは、アンモニアが原料エタノールアミン
類に対して、通常、10重量%以下、好ましくは5重量
%以下、更に好ましくは1〜0.001重量%の範囲の
濃度を意味する。アンモニアの量が10重量%を越える
と、1段目の反応器以降の反応器などの装置の耐圧性を
増加させる必要が強くなり、また、使用する装置も大型
となり、設備費が大きくなって好ましくない。
【0048】(c)分離されたエタノールアミン類をラ
イン122から、エチレンオキシドをライン124から
供給して混合後、2段目の反応器102に供給して反応
させる。
【0049】アンモニアを分離した後のモノエタノール
アミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミ
ンを含むエタノールアミン類含有液およびエチレンオキ
シドを第2の反応器102に導入して反応させる。
【0050】ここで、エタノールアミン類含有液とエチ
レンオキシドとの割合は、エタノールアミン類含有液の
組成によって変化するが、通常、50:1〜3:1、好
ましくは20:1〜5:1(重量比)の範囲が望まし
く、3未満の場合には、温度上昇が大きすぎ、一方、5
0を越える場合には、反応効率が悪く、好ましくない。
【0051】反応は、上記のアルカノールアミン製造用
の固体触媒を用いることが好ましい。通常、反応温度は
5〜300℃、好ましくは20〜200℃、操作圧力は
5〜20MPa、好ましくは7〜15MPaであり、毎
時空間速度(LHSV)が0.1〜50の範囲である。
【0052】第1の反応器101および第1の反応器用
の予熱器111では、過剰量のアンモニアを用いること
から、比較的大きな装置であることが必要であり、さら
に反応が高圧であるため使用される容器、配管などは耐
圧性が要求されるが、第1の反応器の反応混合液からア
ンモニアを除去するため、それ以降の装置においては、
第1の反応器と比較して、相対的に、小さくでき、さら
に耐圧性をさほど要求されない。例えば、第2の反応器
102の大きさは第1の反応器101と比較して約数分
の1ほどに、反応時の圧力は第1の反応器に反応と比較
して約10分の1ほどに低減できる。
【0053】また、エタノールアミン類は、必要によ
り、予熱器112を用いて予熱したのち、エチレンオキ
シドと混合することが好ましい。予熱器112による予
熱温度は、通常、20〜100℃の範囲が好ましい。
【0054】アンモニアの分離をバッチ方式で行う場合
には、第2の反応器を特別に用いることなく、第1の反
応器を用いて反応を行うこともできる。
【0055】目的とするジアルカノールアミンを得た
後、残液中に含まれるモノアルカノールアミンを蒸留な
どの公知の方法で分離し、原料として再使用することが
コスト低減の点から好ましい。
【0056】上記した(a)〜(c)工程を含むジアル
カノールアミンの製造方法は、例えば、下記のジアルカ
ノールアミンの製造用装置によって実施できる:アンモ
ニアとアルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に反応
させてジアルカノールアミンを製造するために用いる製
造装置であって、固体触媒を有し、アンモニアとアルキ
レンオキシドとを該触媒と接触させて反応させるための
第1反応器と、第1反応器と接続されてなり、第1反応
器で得られた反応混合液からアンモニアを分離除去する
アンモニア分離装置と、アンモニア分離装置で得られた
アルカノールアミン類含有液を第2反応器に導入するた
めの導入管を有し、アルカノールアミン類含有液中のモ
ノアルカノールアミンとアルキレンオキシドとを反応さ
せる第2反応器とを有することを特徴とするジアルカノ
ールアミンの製造用装置。
【0057】以下、発明の別の形態をアルキレンオキシ
ドとしてエチレンオキシドを用いた場合について模式図
によって説明する。
【0058】図2には、得られたエタノールアミンから
モノエタノールアミンを分離し、分離されたモノエタノ
ールアミンを2段目の反応器で更にエチレンオキシドと
反応させるフローを示す。図2において、符号から10
0を引いたものは、特にことわりがない限り、図1の符
号と同じ意味を表す。
【0059】(i)第一反応工程およびアンモニア分離
工程は図1の場合と同様である。
【0060】(ii)得られたエタノールアミン類は、
2段目以降の反応器の生成物と一緒にモノエタノールア
ミン(モノアルカノールアミン)分離装置206でモノ
エタノールアミンの一部または全てを分離する。
【0061】エノールアミン類含有液からモノエタノー
ルアミンを分離する方法としては、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを
含むエタノールアミン類含有液からモノエタノールアミ
ンだけを選択的に分離できれば、特に制限されずに公知
の方法を採用できるが、例えば、蒸留塔、吸着法、抽出
法などを例示できる。なかでも、操作の容易さの観点か
ら蒸留塔が好ましい。
【0062】モノエタノールアミン分離装置206の底
部からは高沸点物のジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミンなどがライン233を介して排出され、他方、
その頂部からはモノエタノールアミンがライン222を
介して次の反応器へ供給され、また一部はライン232
を介して、必要時まで、外部タンク(図示せず)で貯蔵
される。
【0063】このように、エタノールアミン類含有液か
らモノエタノールアミンだけを選択的に除去するので、
エタノールアミン類含有液をそのまま原料とした場合と
比較して、モノエタノールアミンを原料とした場合にト
リエタノールアミンの生成を抑制できる。よって、目的
とするジエタノールアミンを高収率で、かつ、低コスト
で製造することができる。
【0064】(iii)ライン222からモノエタノー
ルアミンを供給し、ライン224から供給するエチレン
オキシドと混合して反応器202で反応させる。
【0065】モノエタノールアミンとエチレンオキシド
との反応において、モノエタノールアミンとエチレンオ
キシドとの割合は、ジアルカノールアミンが高収率で得
られれば特に限定されないが、通常、50:1〜3:
1、好ましくは20:1〜5:1(モル比)の範囲が望
ましい。反応は、通常、上記のアルカノールアミン製造
用の固体触媒を用いることが好ましい。
【0066】通常、反応温度は5〜300℃、好ましく
は20〜200℃、操作圧力は5〜20MPa、好まし
くは7〜15MPaであり、毎時空間速度(LHSV)
が0.1〜50の範囲である。
【0067】モノエタノールアミンは、必要により、予
熱器212で予熱することが好ましい。予熱温度は、通
常、20〜100℃の範囲である。反応は、通常、上記
のアルカノールアミン製造用の固体触媒を用いることが
好ましい。
【0068】反応器202で生じた反応物は、必要によ
り予熱器213を用いて予熱した後、ライン225から
のエチレンオキシドと混合して、反応器203で反応さ
せる。得られた反応生成物をライン242を介してモノ
エタノールアミン分離工程へ供給する。反応器202で
生じた反応物とライン225から供給されるエチレンオ
キシドとの比率(モル比)は、通常、50:1〜3:
1、好ましくは20:1〜5:1の範囲である。
【0069】反応器202で生じた反応物は、必要によ
り、予熱器213で予熱することが好ましい。予熱温度
は、通常、20〜100℃の範囲である。予熱後、ライ
ン225からのエチレンオキシドと混合し、反応器20
3で反応させる。
【0070】その他の反応条件については、反応器20
2の反応条件と同じである。
【0071】反応器203で得られたモノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
を含む生成物をライン242を介してモノエタノールア
ミン分離装置206に供給し、目的とするジエタノール
アミンを得、さらにモノエタノールアミンを反応原料と
して一部及び全部を再使用することがコスト低減などの
観点から好ましい。すなわち、第2反応器及びそれ以降
の反応器で生成したモノアルカノールアミンを第2の反
応器にリサイクルすることが、コスト低減の点から好ま
しい。
【0072】アンモニアの分離およびモノエタノールア
ミンの分離をバッチ方式で行う場合には、第2・3の反
応器を特別に用いることなく、第1の反応器を用いて反
応を行うこともできる。
【0073】上記した(i)〜(iii)の工程を含む
ジアルカノールアミンの製造方法は、例えば、下記のジ
アルカノールアミン製造用装置によって実施できる:ア
ンモニアとアルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に
反応させてジアルカノールアミンを製造するために用い
る製造装置であって、固体触媒を有し、アンモニアとア
ルキレンオキシドとを該触媒と接触させて反応させるた
めの第1反応器と、第1反応器と接続されてなり、第1
反応器で得られた反応混合液からアンモニアを分離除去
するアンモニア分離装置と、アンモニア分離装置から得
られたアルカノールアミン類含有液からモノアルカノー
ルを分離するモノアルカノールアミン分離装置と、モノ
アルカノールアミン分離装置で得られたモノアルカノー
ルアミン類含有液を第2反応器に導入するための導入管
を有し、該モノアルカノールアミンとアルキレンオキシ
ドとを反応させる第2反応器とを有することを特徴とす
るジアルカノールアミンの製造用装置。
【0074】図1および図2に記載のアンモニアフラッ
シュ塔などのアンモニア分離装置は、実際のプロセスで
はアンモニアを十分分離するためには通常2塔設けるこ
とが好ましい。1塔目は加圧条件で運転され、2塔目は
常圧〜減圧で運転される。
【0075】フラッシュしたアンモニアは、通常、第1
の反応器へリサイクルされる。
【0076】図3に典型的な、ジエタノールアミン選択
性の高い触媒を用い、原料アンモニアとエチレンオキシ
ドのモル比を変化させた場合の生成物分布を示す。ジエ
タノールアミンを50重量%以上得たい場合には、アン
モニア/エチレンオキシドモル比を4以下にする必要が
ある。
【0077】断熱反応の場合、1段で反応可能なのはお
およそアンモニア/エチレンオキシドモル比が8以上程
度であるので、モル比を4以下にしたい場合は2つ以上
の反応器に分割する必要がある。この時の模式図を図4
に示した。反応器301、302、303、熱交換器3
11、312、313は10MPa程度の非常な高圧仕
様である必要がある。反応器、熱交換器などの装置は、
図1で用いられている装置と同じものを意味する。
【0078】本発明によれば、図1および2に示される
反応器102、202、203および熱交換器112、
212、213は、それほど高圧の必要はなく1MPa
程度の圧に耐えられればよい。また、大量のアンモニア
が2段目以降に供給されないので、反応器も非常に小さ
いものでよく、工業的に実施する際に非常に有利であ
る。
【0079】上記のように、本発明をアルキレンオキシ
ドとしてエチレンオキシドを用いた場合について説明し
たが、エチレンオキシドは説明のためだけであって、本
発明を限定するものではなく、その他のアルキレンオキ
シドにも本発明を十分に適用可能である。
【0080】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0081】実施例1 図1に示された模式図で表される装置を用いて液相反応
を行った。具体的には、反応器101は外部に保温用の
ヒータ(図示せず)を巻き、保温材で保温した内径20
mm、長さ200mmのステンレス製管を用いた。予熱
器111には外部に加熱用ヒータ(図示せず)を巻い
た、内径10mm長さ100mmのステンレス製管を用
いた。反応器101に設置される触媒層には、ランタン
でイオン交換されたZSM−5ゼオライトを圧縮成型
し、50〜100メッシュに破砕したものを40cm3
充填した。
【0082】液状アンモニア 51.8g/hr、液状
エチレンオキシドを 16.76g/hrの速度で高圧
ポンプを用いて反応器へ送り込りこんだ。入口温度は4
5℃、アンモニア/エチレンオキシドモル比は8であっ
た。反応圧は反応器出口の制御弁で10MPaに一定に
制御した。反応器出口で触媒層の温度は150℃になっ
ていた。反応器出口にはアンモニアフラッシュ塔を設
け、大部分のアンモニアを分離し(処理条件:操作圧2
MPa、操作温度90℃)、塔底液を抜き出し容器へ蓄
えた。
【0083】反応を10日行い、得られた反応液からア
ンモニアを分離し、そのアンモニア濃度を1重量%以下
に調整して、一部を次の2段目の原料とした。
【0084】この反応液の組成は、モノエタノールアミ
ン/ジエタノールアミン/トリエタノールアミンの重量
比で47.6/45.9/6.5であった。反応液は1
時間当たり21.3g得られた。
【0085】この反応液を224g/hr、エチレンオ
キシドを14.3g/hrの速度で反応器102へ、予
熱器112で加熱して反応器入口で80℃で送り込ん
だ。反応圧は1MPaに制御した。圧力は1段目の1/
10程度と低圧である。2段目の生成物はモノエタノー
ルアミン/ジエタノールアミン/トリエタノールアミン
の重量比で22.0/60.4/17.6であり、トリ
エタノールアミン/ジエタノールアミン重量比は0.2
91、反応液は1時間当たり238.3g得られた。
【0086】1段目の反応器体積を1とすると2段目は
0.095とほぼ1/10で良い。1段目と2段目を合
計した生産性(エタノールアミン生産量)は、触媒1c
3、1時間当たり0.517gであった。そのうちジ
エタノールアミンは0.312gであった。
【0087】比較例1 反応器が2段である以外は、図4に示されたと同様の反
応装置を用いて反応を行った。反応器は実施例1と同様
のものを用い、反応器の間に冷却器とエチレンオキシド
供給口を設置して2つ直列に連結して行った。
【0088】1段目の反応条件は実施例1と同じであっ
た。2段目のエチレンオキシド供給量は1段目と同じ1
6.76g/hrであり、反応器入口温度も45℃と1
段目と同じである。2段目の反応器には触媒を45cm
3充填した。
【0089】2段目出口のエタノールアミン類の組成
は、モノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリ
エタノールアミンの重量比で、30.9/53.0/1
6.1であり、トリエタノールアミン/ジエタノールア
ミン重量比は0.304であった。エタノールアミン類
の生成量は1時間当たり41.6gで、触媒1cm3
1時間当たり0.489gであった。そのうちジエタノ
ールアミンは0.259gであった。
【0090】これ以上のジアルカノールアミンを得たい
場合には、反応器を3段にする必要がある上、トリアル
カノールアミンが著しく増大するので好ましくない。
【0091】実施例2 図2で示される、一部モノエタノールアミンをリサイク
ルする方法を示す実施例である。
【0092】1段目の反応自体と反応生成液からアンモ
ニアを分離してエタノールアミン類を得るまでは、実施
例1と同じ操作を行った。
【0093】蒸留塔206を用いて得られたエタノール
アミン類からモノエタノールアミンを分離し(処理条
件:操作圧5mmHg、塔頂温度57℃、段数20
段)、次の2・3段目の反応を行った。蒸留塔206は
精製プロセス上必要な装置で、特にこの実施例で追加さ
れるものではない。2,3段目の反応器には、触媒をそ
れぞれ、40cm3、50cm3充填した。
【0094】2段目の反応器にはモノエタノールアミン
を305.5g/hr、エチレンオキシドを44.1g
/hrで供給し、反応器入口温度は50℃に制御した。
3段目の反応器には2段目の反応器で得られた反応液を
冷却後、エチレンオキシドを66.1g/hrで加え、
反応器入口温度を70℃に制御して反応させた。反応生
成液は415.7g/hrで得られ、反応液の組成は、
モノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリエタ
ノールアミンの重量比で、39.81/52.77/
7.42であった。
【0095】この結果を基に、モノエタノールアミンの
リサイクル量を変化させた場合のプロセス全体の生産性
・反応生成物分布を求めて表1に示す。MEA(モノエ
タノールアミン)リサイクル率は3段目反応器出口24
2中のモノエタノールアミンを基にして、2段目の反応
器供給ライン222のモノエタノールアミン中の1段目
出口241生成モノエタノールアミンを除いた量の割合
と定義した。従って、リサイクル率100%では製品中
にモノエタンールアミンは全く含まれない。また、リサ
イクル率0%では1段目で生成したモノエタノールアミ
ン中、2、3段目での未反応分がすべて製品となる。
【0096】
【表1】
【0097】MEA:モノエタノールアミン、DEA:ジエタ
ノールアミン、TEA:トリエタノールアミン実施例3 実施例2において3段目の反応器を設けない他は、実施
例2と同様に反応を行った。
【0098】反応生成液は305.5g/hrで得ら
れ、反応液の組成は、モノエタノールアミン/ジエタノ
ールアミン/トリエタノールアミンの重量比で、70.
44/28.27/1.28であった。
【0099】この結果を基に、モノエタノールアミンの
リサイクル量を変化させた場合のプロセス全体の生産性
・反応生成物分布を求めて表2に示す。MEAリサイク
ル率は、実施例2と同様に2段目反応器出口中のモノエ
タノールアミンを基に、2段目の反応器への供給ライン
222のモノエタノールアミンから1段目出口241生
成モノエタノールアミンを除いた量の割合と定義した。
【0100】実施例2と3からリサイクルモノエタノー
ルアミン量を増やすと、ジエタノールアミンの選択性は
向上することがわかる。但し、リサイクル量が多くなる
と精製系での用役費が増大する問題がある。
【0101】
【表2】
【0102】MEA:モノエタノールアミン、DEA:ジエタ
ノールアミン、TEA:トリエタノールアミン
【0103】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アンモニアとア
ルキレンオキシドとの反応混合物からアンモニアを除去
するので、それ以後に使用する装置を小型化でき、さら
に装置の耐圧性も相対的に強く要求されることがないの
で、簡便な方法により目的とするジアルカノールアミン
を高収率で得ることができる。
【0104】本発明において、アンモニアとアルキレン
オキシドとの反応混合物からアンモニアを除去し、さら
に選択的にモノアルカノールアミンを分離して原料とで
きるので、副反応を抑制でき、目的とするジアルカノー
ルアミンの高収率で得ることができる。
【0105】本発明の装置によれば、実質的にアンモニ
アの不存在下でモノアルカノールアミンとアルキレンオ
キシドの反応を実施できるので、装置を小型化でき、さ
らに耐圧性も相対的に強く要求されることがないので、
装置費用を低くすることができると共に、高収率で目的
とするジアルカノールアミンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一態様を表す模式図である。
【図2】本発明のその他の実施の一態様を表す模式図で
ある。
【図3】アンモニアとエチレンオキシドのモル比を変え
たときの生成物分布の変化を示す模式図である。
【図4】多段断熱反応器の模式図である。
【符号の説明】
101、102、201、203,301、303…反
応器 105、205、206…アンモニア分離装置 111、112、211〜213、311〜313…予
熱器 121、221、321…アンモニア用ライン 123、124、223〜225、323〜325…ア
ルキレンオキシド用ライン 131、231…回収アンモニアライン 122、222…エタノールアミン類用ライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反応器を用いて、アンモニアとア
    ルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に反応させてジ
    アルカノールアミンを製造するに際し、 第1の反応器においてアンモニアとアルキレンオキシド
    とを固体触媒の存在下で反応させる第一反応工程と、 第一反応工程で得られた反応混合液からアンモニアを分
    離除去するアンモニア分離工程と、 アンモニア分離工程で得られたアルカノールアミン類含
    有液およびアルキレンオキシドを第2の反応器に導入
    し、第2の反応器において該アルカノールアミン類含有
    液中のモノアルカノールアミンとアルキレンオキシドと
    を反応させる第二反応工程とを含むことを特徴とするジ
    アルカノールアミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の反応器を用いて、アンモニアとア
    ルキレンオキシドとを固体触媒の存在下に反応させてジ
    アルカノールアミンを製造するに際し、 第1の反応器においてアンモニアとアルキレンオキシド
    とを固体触媒の存在下で反応させる第一反応工程と、 第一反応工程で得られた反応混合液からアンモニアを分
    離除去するアンモニア分離工程と、 アンモニア分離工程で得られるアルカノールアミン類含
    有液からモノアルカノールアミンを分離するモノアルカ
    ノールアミン分離工程と、 モノアルカノールアミン分離工程で得られたモノアルカ
    ノールアミンおよびアルキレンオキシドを第2の反応器
    に導入し、第2の反応器において該モノアルカノールア
    ミンとアルキレンオキシドとを反応させる第二反応工程
    とを含むことを特徴とするジアルカノールアミンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 第2反応器及びそれ以降の反応器で生成
    したモノアルカノールアミンの一部または全てを、第2
    反応器にリサイクルすることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載のジアルカノールアミンの製造方法。
  4. 【請求項4】 アンモニアとアルキレンオキシドとを固
    体触媒の存在下に反応させてジアルカノールアミンを製
    造するために用いる製造装置であって、 固体触媒を有し、アンモニアとアルキレンオキシドとを
    該触媒と接触させて反応させるための第1反応器と、 第1反応器と接続されてなり、第1反応器で得られた反
    応混合液からアンモニアを分離除去するアンモニア分離
    装置と、 アンモニア分離装置で得られたアルカノールアミン類含
    有液を第2反応器に導入するための導入管を有し、アル
    カノールアミン類含有液中のモノアルカノールアミン
    と、アルキレンオキシドとを反応させる第2反応器とを
    有することを特徴とするジアルカノールアミンの製造用
    装置。
  5. 【請求項5】 アンモニアとアルキレンオキシドとを固
    体触媒の存在下に反応させてジアルカノールアミンを製
    造するために用いる製造装置であって、 固体触媒を有し、アンモニアとアルキレンオキシドとを
    該触媒と接触させて反応させるための第1反応器と、 第1反応器と接続されてなり、第1反応器で得られた反
    応混合液からアンモニアを分離除去するアンモニア分離
    装置と、 アンモニア分離装置から得られたアルカノールアミン類
    含有液からモノアルカノールを分離するモノアルカノー
    ルアミン分離装置と、 モノアルカノールアミン分離装置で得られたモノアルカ
    ノールアミン類含有液を第2反応器に導入するための導
    入管を有し、該モノアルカノールアミンとアルキレンオ
    キシドとを反応させる第2反応器とを有することを特徴
    とするジアルカノールアミンの製造用装置。
JP11159888A 1999-06-07 1999-06-07 ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置 Pending JP2000351754A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11159888A JP2000351754A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11159888A JP2000351754A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000351754A true JP2000351754A (ja) 2000-12-19

Family

ID=15703380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11159888A Pending JP2000351754A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000351754A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217344A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置
JP2007277159A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217344A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置
JP2007277159A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102239134B (zh) 由环氧乙烷和氨制造乙醇胺类和1,2-亚乙基胺类的方法及相关方法
EP0075940B1 (en) Process for the manufacture of ethylenediamine
US6455016B1 (en) Reaction apparatus for production of alkanolamine
JP4121154B2 (ja) エネルギー回収をともなったエポキシ化のための方法および反応器
JP3805152B2 (ja) アルカノールアミンの製造方法およびその製造装置
US6566556B2 (en) Method for production of alkanolamine and apparatus therefor
JP2003119168A (ja) ジメチルカーボネートの製造方法
JP2000351754A (ja) ジアルカノールアミンの製造方法及び製造用装置
TW572873B (en) Method of producing alkanolamines and method of regenerating a catalyst used therein
JP4163405B2 (ja) アルカノールアミンの製造方法
JP3421272B2 (ja) ジアルカノールアミン製造用反応装置および製造方法
CN107055550A (zh) 一种制备电子级二氯二氢硅的方法
EP1219592A1 (en) Method for production of alkanolamine and apparatus therefor
JPS5984848A (ja) アニリンとジフエニルアミンとを同時製造する方法
JP2002249470A (ja) アルカノールアミンの製造方法及びその製造装置
EP4122908B1 (en) Method for preparing isopropyl alcohol
EP4119532B1 (en) Method for preraring isopropyl alcohol
JP3601744B2 (ja) メチルアミンの製造法
KR100566450B1 (ko) 방향족 아민의 연속 제조 방법
JP2001314771A (ja) アルカノールアミン製造用触媒の再生方法
JP3655776B2 (ja) アルカノールアミン製造におけるスタートアップ方法
CN116375552A (zh) 一种co2氧化二乙苯脱氢制备二乙烯基苯的工艺
JP2003231681A (ja) プロピレンオキサイドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040701

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050426