JP2000350927A - 複合半透膜モジュール - Google Patents

複合半透膜モジュール

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JP2000350927A JP11163862A JP16386299A JP2000350927A JP 2000350927 A JP2000350927 A JP 2000350927A JP 11163862 A JP11163862 A JP 11163862A JP 16386299 A JP16386299 A JP 16386299A JP 2000350927 A JP2000350927 A JP 2000350927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜分離プロセスの運転初期においても、膜モジ
ュ- ルからの陰イオン界面活性剤の溶出量を極めて低
く、異臭味や発泡を生じず、安全な飲用に供する水を製
造することができる複合半透膜モジュ−ルを提供する。 【解決手段】多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で被
覆した複合半透膜を構成要素とする複合半透膜モジュ−
ルであって、膜分離プロセスに装着し、運転開始初期に
おける膜モジュ−ル透過水中の陰イオン界面活性剤濃度
が0. 2m g/L 未満である複合半透膜モジュ−ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を処理するた
めの複合半透膜モジュールおよびその製造方法に関する
ものである。本発明による複合半透膜モジュールは海水
の淡水化、かん水の脱塩、上水の製造、食品プロセス、
排水の処理や濃縮、有価物の回収などに用いられる。特
に、飲用に供する水の製造に有効である。
【0002】
【従来の技術】選択分離性と水透過性に優れた複合半透
膜として、界面重合法を用い、多孔質支持体の表面に分
離活性能を有するポリアミド薄膜を形成させた複合半透
膜が考案されている。具体的には米国特許第31918
15号明細書、同第3744642号明細書、特開昭5
5−1471 06号公報、特表昭56−500062号
公報、PBレポ−ト83−191775、特開平2−78
428公報などが開示されている。これら複合半透膜の
製造においては、多孔質支持体に、多官能アミンを含む
水溶液を塗布し、ついで多官能酸ハライドを含む有機溶
液に接触させる、いわゆるin-situ 界面重合法がしばし
ば用いられる。このような界面重合法では多くの場合、
多孔質支持体の濡れ性の向上や、相間移動触媒としての
働きから、多官能アミンを含む水溶液中に陰イオン界面
活性剤を混在させることが行われている。
【0003】かかる複合半透膜はその優れた選択分離性
と水透過性から、逆浸透処理あるいはナノろ過、限外ろ
過等に用いられる。具体的には、海水の淡水化、かん水
の脱塩、河川水や地下水の浄水などの上水製造、純水製
造、家庭用もしくは業務用浄水器、食品プロセス、排水
の処理や濃縮、有価物の回収などに用いられる。
【0004】これら膜分離プロセスの目的は、不純物あ
るいは有価物を含む被処理液体をろ過し、浄化された透
過水と、濃縮された不純物あるいは有価物とに分離する
ことにある。しかるに、これら膜分離プロセスの運転初
期にはしばしば透過水中に不純物が混入することが起こ
る。複合半透膜の選択分離性は十分に高く、被処理液体
に含まれる不純物は除去するが、運転初期には複合半透
膜モジュ- ル自身から不純物が溶出し、結果として浄化
された透過水が得られない場合があった。
【0005】このような欠点を解決する方策として、複
合半透膜を酸水溶液で処理する方法(特開昭60−15
6507 公報、特開平7−80259号公報)、複合
半透膜をアルカリ水溶液で処理する方法(特開昭55−
159807公報、PBレポ−ト83−191775 、
特開平7−80259号公報)、複合半透膜を熱水で処
理する方法(特開昭63−287507公報、特開平1
−168306公報、特開平7−80260 号公
報)、塩素含有水溶液で処理する方法(特開平7−80
261号公報)などが開示されている。かかる処理によ
り、複合半透膜から出る不純物が大幅に低減できること
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記逆
浸透膜の処理方法では、界面重合反応時の未反応物であ
る多官能アミンや多官能酸ハライドは十分に洗浄・除去
できるが、陰イオン界面活性剤は複合半透膜中に残留し
十分には除去できておらず、陰イオン界面活性剤は、膜
分離プロセスの運転中に極微量ではあるが、長期間にわ
たって透過水中に徐放されるという問題点があることが
判明した。
【0007】陰イオン界面活性剤は、水道水の水質基準
により0. 2m g/L 以下と定められ、発泡や異臭味を生
じさせない濃度レベルであり、人体には無害であると考
えられているが、一方で、ガンや奇形の原因になると主
張する学者もおり、膜モジュールからの溶出は極力少な
いことが望ましい。また、浄水器試験法(JWWA S10
2) には浸漬法による陰イオン界面活性剤の溶出量とし
て0. 02mg/L以下、さらに水道用膜モジュ−ル試験法
(WPPA-001) には透過水中の陰イオン界面活性剤の溶
出量として0. 02mg/L以下がそれぞれ規制されてい
る。
【0008】かかる規制値を満たす膜モジュール透過水
が得られない場合は、規制値を満たすまで膜モジュール
の透過水を放流しなければならず、ユーザー側に多くの
労力と時間をかけさせた上、給水が遅れるという事態が
生じる可能性がある。
【0009】本発明は、前記問題を解決するため、陰イ
オン界面活性剤の溶出量が少ない、飲用に供するのに適
した浄水を膜分離プロセスの運転初期から得ることがで
きる複合半透膜モジュールを提供することを目的とす
る。
【001 0】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の発明は、多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で被覆
した複合半透膜を構成要素とする複合半透膜モジュール
であって、該複合半透膜モジュールを膜分離プロセスに
装着し、操作圧力0. 3M Pa、水温25℃、回収率3 0
%なる条件で純水を1 0分間加圧通水した後に得られる
透過水中の陰イオン界面活性剤濃度が0. 2m g/L 未
満、より好ましくは0. 02mg/L未満、さらに好ましく
は0. 01mg/L未満であることを特徴とする複合半透膜
モジュールである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
多孔質支持体の表面にin-situ 界面重合法により、陰イ
オン界面活性剤の存在下に多官能アミンと多官能酸ハラ
イドからなる架橋ポリアミド薄膜を形成させた複合半透
膜を構成要素とする複合半透膜モジュ- ルであって、該
複合半透膜モジュ−ルに残留する陰イオン界面活性剤を
充分に洗浄・除去し、膜分離プロセスに装着して操作圧
力0. 3M Pa、水温25℃、回収率30%なる条件で純
水を1 0分間加圧通水した後に得られる透過水中の陰イ
オン界面活性剤濃度が0. 2m g/L 未満、より好ましく
は0. 02mg/L未満、さらに好ましくは0. 01mg/L未
満である複合半透膜モジュ−ルを提供する。
【0012】本発明において、多孔質支持体とは実質的
に分離活性能を持たない層であり、該多孔質支持体表面
に形成された実質的に分離活性能を有する超薄膜に機械
的強度を付与するものである。多孔質支持体の形態は特
に限定されないが、平膜もしくは中空糸状膜の形態がよ
く用いられる。中空糸状膜の場合、内圧型、外圧型のい
ずれであってもよい。
【0013】多孔質支持体の素材は特に限定されない
が、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリ
アミド、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリ
イミド等を単独、もしくは複数ブレンドしたものを使用
することができる。これら素材の中では、機械的強度や
耐熱性、耐薬品性に優れたポリスルホン、あるいはポリ
エーテルスルホンなどが好適に用いられる。
【0014】多孔質支持体の製造方法は特に限定されな
いが、例えばポリマー、良溶媒、貧溶媒、界面活性剤を
混合溶解した製膜原液を、吐出ノズルを介して気体雰囲
気下に押し出し続いて凝固液中に導く乾湿式法、もしく
は吐出ノズルから直接凝固液中に導く湿式法が好適に用
いられる。一例を示すと、チューブインオリフィス型紡
糸ノズルを用いて外周部から製膜原液(ポリスルホン2
0重量部、トリエチレングリコール4重量部、N,N-ジメ
チルアセトアミド(DMAc)75. 5重量部、ラウリルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0. 5重量部)、内周部から
芯液(DMAc30重量部、水70重量部)を同時に空気中
に吐出し、続いて凝固液中(DMAc5重量部、水95重量
部)へ導くことによって、外表面に数十nmの微細孔を有
する多孔質支持体が得られる。得られた多孔質支持体
は、50℃から100℃の熱水処理を施してもよい。
【0015】本発明においては、上記多孔質支持体に、
一分子中に2個以上の反応性アミノ基を有する多官能ア
ミンおよび陰イオン界面活性剤を含有する、多官能アミ
ン水溶液を被覆・含浸する。
【0016】本発明における多官能アミンは特に限定さ
れるものではないが、例えば、脂環族多官能アミン、脂
肪族多官能アミン、芳香族多官能アミンを含み、具体的
には、ピペラジン、2, 5−ジメチルピペラジン、アミ
ノメチルピペリジン、エチレンジアミン、1, 2−ジア
ミノプロパン、1, 2 ジアミノ−2−メチルプロパ
ン、2, 2 ジメチル- 1, 3−プロパンジアミン、2
−エチル−2−メチル-1, 3−プロパンジアミン、ジ
アミノベンゼン、トリアミノベンゼン、フェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
エーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノ安息
香酸等が挙げられる。これらアミノ化合物を単独で、も
しくは複数ブレンドして用いてもよい。
【0017】また、陰イオン界面活性剤としては特に限
定されるものではないが、代表的にはLAS (直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ABS (アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム)、AS(アルキル硫酸ナト
リウム)、アルキルジフェニルエ−テルジスルフィドな
どが含まれる。
【0018】LAS およびABS は一般式:CnH2n+1-Ar-SO3
Naで表され、式中nは任意であるが、優れた界面活性能
と相間移動触媒能からn=8〜14が好ましい。特に好ま
しくは、工業的に利用可能なラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウムであるが、これはn=12化合物を主成分と
するn=8〜14混合物として安価に入手可能である。
【0019】LSは一般式:CnH2n+1-O-SO3Na で表され、
式中nは任意であるが、優れた界面活性能と相間移動触
媒能からn=8〜18が好ましい。特に好ましくは、n=1
2化合物を主成分とするラウリル硫酸ナトリウムが、工
業的に安価に利用可能である。
【0020】また、前記多官能アミンと陰イオン界面活
性剤を含む水溶液には、酸捕捉剤として、水酸化ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム等の無機アルカリ、トリエチル
アミン、トリエチレンジアミン等の3級アミンを添加し
てもよい。
【0021】前記多官能アミンと反応しうる多官能酸ハ
ライドは特に限定されるものではないが、例えば、脂環
族多官能酸ハライド、脂肪族多官能酸ハライド、芳香族
多官能酸ハライドを含み、具体的には、シクロヘキサン
トリカルボン酸ハライド、テレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライド、トリメシン酸ハライド、トリメリッ
ト酸ハライド、ピロメリット酸ハライド、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸ハライド等が挙げられる。これら酸
ハロゲン化物を単独で、もしくは複数ブレンドして用い
てもよい。
【0022】上記多官能酸ハライドを溶解する溶媒は、
水と非混和性で、多官能酸ハライドを溶解し多孔質支持
体を溶解しないものであればよい。たとえば、n-ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン等である。
【0023】分離活性能を有する架橋ポリアミド薄膜の
形成方法を以下に例示する。前記多孔質支持体を、前記
多官能アミン水溶液中に浸漬し、余分な水溶液を液切り
・乾燥する。続いて前記多官能酸ハライドを含む有機溶
液に接触させ、in-situ 界面重合法により該多孔質支持
体の表面を架橋ポリアミド薄膜で被覆する。これを乾燥
させて余分な有機溶媒を除去した後、純水中で洗浄す
る。
【0024】上記で得られた複合膜形成物は、すでに十
分な分離活性能を有しており、該複合膜形成物をケーシ
ングに収納し、被処理水の流入口と、濃縮水の排出口
と、複合半透膜透過水の取水口とを有する分離膜モジュ
ールとして組立て、膜分離プロセスに組み込み、使用す
ることは可能である。
【0025】しかしながら、このようにして得られた膜
分離モジュールでは、膜分離プロセスの運転初期におい
ては、水道水質基準である0. 2m g/L を上回る量の陰
イオン界面活性剤を含有する膜透過水が得られる。水道
水質基準に合致する膜透過水を得るためには、少なくと
も3時間以上、好ましくは10時間以上の加圧通水下に
おける膜分離モジュ- ルの洗浄が必要である。また、こ
のような洗浄を実施したとしても、依然として0. 1m
g/L を上回る量の陰イオン界面活性剤を含有する膜透過
水が長期間にわたって得られる。
【0026】本発明において、陰イオン界面活性剤を洗
浄・除去する方法としては種々の公知の方法が選択でき
る。例えばアルコ−ル、酸、アルカリ、熱水、等による
処理が挙げられ、これらを複数組み合わせてもよい。
【0027】アルコール水溶液による処理では、たとえ
ば、メタノール、エタノール、iso- プロパノール、ter
t- ブタノール等が使用できる。アルコ−ル水溶液の濃
度は、アルコールの種類や処理時間、処理方法により異
なるが10〜80重量部、より好ましくは30〜70重
量部水溶液を使用することができる。
【0028】アルコール水溶液による処理では、疎水性
相互作用により膜に吸着した陰イオン界面活性剤を除去
する効果があると推定される。かかる処理では洗浄効果
は高いが、一方で膜性能の変化や膨潤による膜寸法の変
化を生じるため1時間以内、より好ましくは30分以内
が好ましい。アルコール処理の洗浄効果は高いが、処理
時間を長くできないことから、さらに他の処理方法と組
み合わせることが望ましい。
【0029】酸水溶液による処理では、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸等の有機酸のご
とく、水に可溶で、水溶液としたときに酸性を示すもの
であれば使用することができる。酸水溶液はpH1〜4、
より好ましくはpH2〜3の水溶液が好適に用いられる。
これは、酸水溶液がpH1未満では酸加水分解により複合
半透膜自信が劣化する恐れがあり、pH4以上では十分な
洗浄効果が得られないためである。
【0030】アルカリ水溶液による処理では、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモ
ニア等のごとく、水に可溶で、水溶液としたときにアル
カリ性を示すものであれば使用することができる。アル
カリ水溶液はpH9〜13の水溶液が好適に用いられる。
分離活性能を有する架橋ポリアミド薄膜は特にアルカリ
加水分解を受けやすく、該ポリアミドを構成するモノマ
ー成分にもよるが、アルカリ水溶液がpH13以上ではア
ルカリ加水分解により複合半透膜自信が劣化する恐れが
ある。また、pH9未満では十分な洗浄効果が得られな
い。
【0031】熱水による処理では、前記複合半透膜モジ
ュール接触したときに、それらと反応しうる基質を含ま
ない水を使用し、好適には逆浸透ろ過水やイオン交換水
等が使用できる。熱水の温度は50℃以上が好ましく、
それ以下では洗浄に要する時間が長く、水による場合と
大差ない。
【0032】前記アルコール、酸、アルカリ、熱水によ
る複合半透膜モジュ−ルの処理方法では、簡便な方法と
して充填・浸漬法もしくは加圧通水法を用いることがで
きるが、洗浄効率の点からは加圧通水法がより好まし
い。
【0033】加圧通水法による場合は、濃縮水と膜透過
水を供給側へ戻す循環運転を行ってもよい。膜間圧力差
は、各種処理水溶液が透過側へ流れ出ればよく、例え
ば、ポンプにより0. 05〜5M Pa程度の加圧給水を行
う。
【0034】また本発明の複合半透膜および複合半透膜
モジュ- ルの用途は、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透があ
る。特に、飲用に供する海水淡水化、かん水の脱塩、河
川水や地下水からの上水製造、純水製造、家庭用もしく
は業務用浄水器、食品プロセスに有効である。さらに
は、排水の処理や濃縮、有価物の回収に用いてもよい。
しかしながら、本発明はこれらの膜の用途に限定される
ものではない。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例において、複合半透膜モジュール透過水中の
陰イオン界面活性剤濃度は、1993年版上水試験方法
で追加された高速液体クロマトグラフ法にしたがった。
【0036】(実施例1)ポリスルホン20重量部、ト
リエチレングリコール4重量部、N,N-ジメチルアセトア
ミド(DMAc)75. 5重量部、ラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.5重量部からなる製膜原液を、チュー
ブインオリフィス型紡糸ノズルを用いて外周部から、DM
Ac30重量部、水70重量部からなる芯液を内周部か
ら、それぞれ同時に押し出し、6cmの空気中を走行した
後、DMAc5重量部、水95重量部からなる凝固液中に1
5m/min の速度で引き取り、水洗工程を経て、中空糸型
多孔質支持体(外径350μm /内径200μm )を得
た。該多孔質支持体を、ピペラジン2重量部、トリエチ
レンジアミン1重量部、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0. 07重量部からなるアミン水溶液中に1分
間接触させ、該多孔質支持体を引き上げた後、余分なア
ミン水溶液を液切りし、トリメシン酸クロリド1重量部
を含むヘキサン溶液、フッ素系溶媒(フロリナート FC
−70、住友3M 社製)、1重量部酢酸水溶液に順次接
触させることで、該多孔質支持体の外表面にポリアミド
薄膜を形成させた、複合半透膜を得た。中空糸状の該複
合半透膜を多数本束ね、側面に液体流入口と排出口を有
する、人工透析器型の円筒状ケースに、該膜束を該ケ−
スの両端部からわずかにはみ出すように挿入し、ケース
外部と内部とを仕切るように、該ケース両端部を該膜束
と共にポッティング樹脂で封止した。封止した端部の一
方のみ、ケースからはみ出している膜束と接着樹脂とを
カッターで切断し、中空部を開口した。このようにして
得られた複合半透膜組立体を膜分離プロセスに装着し、
50重量部のエタノール水溶液を送液ポンプにより操作
圧力0. 3M Pa、液温25℃で、濃縮水と膜透過水を供
給液タンクに戻す循環運転(加圧通水)を15分間行っ
た。次いで、純水で十分にすすぎ、該膜分離プロセス
を、濃縮水と透過水を放流するワンパス回路に組み替
え、60℃の熱水を操作圧力0. 3M Paで3時間加圧通
水することで複合半透膜モジュールを得た。得られた複
合半透膜モジュールを膜分離プロセスに装着し、操作圧
力0. 3MPa、水温25℃、回収率30%なる条件で純
水を加圧通水し始め、1 0分後に該複合半透膜モジュ−
ルの透過水中の陰イオン界面活性剤濃度を測定したとこ
ろ0. 016m g/L であった。
【0037】(実施例2)実施例1において、該複合半
透膜組立体を、エタノール処理および純水によるすすぎ
に続き、pH2の塩酸水溶液を用いて操作圧力0. 3M P
a、液温25℃で、濃縮水と膜透過水を供給液タンクに
戻す循環運転(加圧通水)を1時間行った以外は全く同
様の操作を行った。複合半透膜モジュールの透過水中の
陰イオン界面活性剤濃度は0. 135m g/L であった。
【0038】(実施例3)実施例1において、該複合半
透膜組立体を、エタノール処理および純水によるすすぎ
に続き、pH10の水酸化ナトリウム水溶液を用いて操作
圧力0. 3M Pa、液温25℃で、濃縮水と膜透過水を供
給液タンクに戻す循環運転(加圧通水)を1時間行った
以外は全く同様の操作を行った。複合半透膜モジュール
の透過水中の陰イオン界面活性剤濃度は0. 005m g/
L であった。
【0039】(比較例1)実施例1において、該複合半
透膜組立体を、エタノール処理および純水によるすすぎ
を実施したのみで、熱水処理を施さなかった以外は全く
同様の操作を行った。複合半透膜モジュールの透過水中
の陰イオン界面活性剤濃度は0. 330mg/L であっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合半透
膜モジュールは、膜分離プロセスの運転初期において
も、膜モジュールからの陰イオン界面活性剤の溶出量を
極めて低く、異臭味や発泡を生じず、安全な飲用に供す
る水を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA13 HA01 JA02C JA13A JB08 KE07Q KE07R KE13Q KE13R KE16Q KE16R MA01 MA06 MC54 MC62X NA10 NA12 NA17 NA75 PA04 PB03 PC51

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質支持体の表面をポリアミド薄膜で
    被覆した複合半透膜を構成要素とする複合半透膜モジュ
    ールであって、該複合半透膜モジュールを膜分離プロセ
    スに装着し、操作圧力0. 3M Pa、水温25℃、回収率
    30%なる条件で純水を10分間加圧通水した後に得ら
    れる透過水中の陰イオン界面活性剤濃度が0. 2m g/L
    未満であることを特徴とする複合半透膜モジュール。
  2. 【請求項2】 透過水中の陰イオン界面活性剤濃度が
    0. 02mg/L未満である請求項1記載の複合半透膜モジ
    ュ−ル。
  3. 【請求項3】 透過水中の陰イオン界面活性剤濃度が
    0. 01mg/L未満である請求項1記載の複合半透膜モジ
    ュ−ル。
  4. 【請求項4】 複合半透膜が中空糸型である請求項1乃
    至3のいずれかに記載の複合半透膜モジュ−ル。
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