JP2005021807A - 液体分離膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液を分離膜と接触させる接触工程を含むことを特徴とする液体分離膜の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状混合物の成分を選択的に分離するための液体分離膜及びその製造方法に関する。かかる液体分離膜(例えば、逆浸透膜)は、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮などにも用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
上記の如き用途に使用される液体分離膜としては、相分離法等により非対称構造が同一素材で形成された非対称膜と、多孔性支持体上に選択分離性を有する薄膜を異なる素材で形成してなる複合半透膜とが知られている。
【0003】
現在、後者の半透膜として、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミドからなる薄膜が多孔性支持体上に形成されたものが多く提案されている(特許文献1〜4)。また、多官能芳香族アミンと多官能脂環式酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミドからなる薄膜が多孔性支持体上に形成されたものも提案されている(特許文献5)。
【0004】
また、上記複合半透膜の水透過性をさらに向上させるための添加剤が提案されており、水酸化ナトリウムやリン酸三ナトリウムなど、界面反応にて生成するハロゲン化水素を除去しうる物質や、公知のアシル化触媒、また界面反応時の反応場の界面張力を減少させる化合物などが知られている(特許文献6〜8)。
【0005】
しかし、これら従来の分離膜を使用し、実際に透過液あるいは非透過液として濃縮あるいは精製された目的物質を得ようとすると、膜あるいは膜モジュールを構成する部材から溶出、流出する不純物により目的物質の純度の低下を招くという問題があった。そのためこれら分離膜および膜モジュールは使用に先立ち充分な洗浄が行われているが、この洗浄操作は一般に長時間あるいは高エネルギーを要したり、膜の透過流束の低下を生ずるなど膜性能の低下をひきおこすことがある。
【0006】
これまで、分離膜から未反応残存物を除去することを目的として、膜を0.01〜5重量%の亜硫酸水素ナトリウム溶液により、約20〜100℃の温度で、約1〜60分の期間処理する方法(特許文献9)、液体分離膜に対して有機物水溶液を接触させ未反応残存物を除去する方法(特許文献10)、及び基材に残る過剰成分をクエン酸、漂白剤等の後続浴で抽出する方法(特許文献11)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−147106号公報
【特許文献2】
特開昭62−121603号公報
【特許文献3】
特開昭63−218208号公報
【特許文献4】
特開平2−187135号公報
【特許文献5】
特開昭61−42308号公報
【特許文献6】
特開昭63−12310号公報
【特許文献7】
特開平6−47260号公報
【特許文献8】
特開平8−224452号公報
【特許文献9】
特許第2947291号明細書
【特許文献10】
特開2000−24470号公報
【特許文献11】
特表2002−516743号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記方法であっても未反応残存物を十分に除去することができず、目的とする高純度の透過液等を得ることができない。
【0008】
本発明の目的は、分離膜中の未反応残存物が極めて少ない液体分離膜の製造方法を提供することにある。また、該方法によって製造される液体分離膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を含有する水溶液を液体分離膜に接触させることにより効率的に未反応残存物を除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の液体分離膜の製造方法は、酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液を分離膜と接触させる接触工程を含むことを特徴とする。
【0011】
前記液体分離膜の製造方法によると、分離膜の性能に与える影響を低減することができ、かつ分離膜から効率的に未反応残存物(原料、低分子量化合物など)を除去することができる。このような顕著な効果が発現する理由は明らかではないが、前記水溶液を接触させることにより、分離膜が溶解することなく膨潤し、この膨潤によってポリマー鎖から未反応残存物が容易に除去されたと考えられる。
【0012】
本発明においては、水溶性有機物質が1価及び/又は多価アルコールであることが好ましく、特に1価アルコールであることが好ましい。
【0013】
本発明においては、分離膜が薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とからなる複合半透膜であることが好ましい。
【0014】
また、前記薄膜が、アミン成分と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮合反応によって得られる構成単位を有するポリアミドを主成分とするものであることが好ましい。
【0015】
また本発明は、前記製造方法によって製造される液体分離膜に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の液体分離膜の製造方法は、酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液を分離膜と接触させる接触工程を含むことを特徴とする。まず、該分離膜について説明する。
【0017】
本発明における分離膜は、相分離法等により非対称構造が同一素材で形成された非対称膜であってもよく、多孔性支持体上に選択分離性を有する薄膜を異なる素材で形成してなる複合半透膜であってもよい。
【0018】
非対称膜の形成材料としては、酢酸セルロース、ポリエーテル、架橋アラミド、シリコン、合成高分子などが挙げられる。
【0019】
本発明においては、分離膜が薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とからなる複合半透膜であることが好ましく、前記薄膜が、アミン成分と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮合反応によって得られる構成単位を有するポリアミドを主成分とするものであることがさらに好ましい。
【0020】
アミン成分とは、2つ以上の反応性のアミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族、又は脂環式の多官能アミンが挙げられる。芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
【0021】
2価以上の多官能性酸ハロゲン化物としては、芳香族、脂肪族、又は脂環式の多官能性酸ハロゲン化物が挙げられる。芳香族多官能性酸ハロゲン化物としては、例えば、トリメシン酸クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、ビフェニルジカルボン酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸クロライド、ベンゼンジスルホン酸クロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸クロライド等が挙げられる。脂肪族多官能性酸ハロゲン化物としては、例えば、プロパンジカルボン酸クロライド、ブタンジカルボン酸クロライド、ペンタンジカルボン酸クロライド、プロパントリカルボン酸クロライド、ブタントリカルボン酸クロライド、ペンタントリカルボン酸クロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。脂環式多官能性酸ハロゲン化物としては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸クロライド、シクロブタンテトラカルボン酸クロライド、シクロペンタントリカルボン酸クロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸クロライド、シクロヘキサントリカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸クロライド、シクロブタンジカルボン酸クロライド、シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸クロライド等が挙げられる。これら多官能性酸ハロゲン化物は1種で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
【0022】
また、ポリアミドを含む薄膜の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
【0023】
薄膜(分離活性層)の厚みは、薄膜の製法等にもよるが、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。当該厚みが薄い方が透過流束の面で優れるが、薄くなりすぎると薄膜の機械的強度が低下して欠陥が生じ易く、塩阻止性能に悪影響を及ぼす傾向があるからである。
【0024】
本発明において、上記薄膜を支持する多孔性支持膜は、薄膜を支持しうるものであれば特に限定されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンからなる多孔性支持膜が好ましく用いられる。かかる多孔性支持膜は、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmの厚みを有するが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0025】
また、多孔性支持膜は、対称構造でも非対称構造でもよいが、薄膜の支持機能と通液性を両立させる上で、非対称構造が好ましい。なお、多孔性支持膜の薄膜形成側面の平均孔径は、1〜1000nmが好ましい。
【0026】
本発明における薄膜を多孔質支持膜上に形成させる際に、その方法については何ら制限なく、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。中でも、多孔質支持膜上にアミン成分を含有した水溶液を塗布した後に、かかる多孔質支持膜を多官能酸ハロゲン化物を含有した非水溶性溶液に接触させることにより多孔質支持膜上に薄膜を形成させる界面縮合法が好ましい。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
【0027】
また、その反応場に、製膜を容易にし、あるいは得られる複合半透膜の性能を向上させるための目的で、各種の試薬を存在させることが可能である。これらの試薬として、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などの重合体、ソルビトール、グリセリンなどのような多価アルコール、特開平2−187135号公報に記載のテトラアルキルアンモニウムハライドやトリアルキルアンモニウムと有機酸の塩などのアミン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、縮重合反応にて生成するハロゲン化水素を除去しうる水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリエチルアミン、カンファースルホン酸、あるいは公知のアシル化触媒、また、特開平8−224452号公報に記載の溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm3 )1/2 の化合物などがあげられる。
【0028】
本発明の液体分離膜の製造方法は、前記複合半透膜などの分離膜を酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液に接触させる接触工程を含む。
【0029】
酸性物質は水溶性のものであれば特に制限されず、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。
【0030】
無機塩はアミド基と錯体を形成するものであれば特に制限されず、例えば、塩化リチウム(LiCl)、塩化カルシウム(CaCl2 )、ロダンカルシウム〔Ca(SCN)2 〕、ロダンカリウム(KSCN)などが挙げられる。
【0031】
水溶液中の酸性物質及び/又は無機塩の濃度は10ppm〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは50ppm〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。酸性物質及び/又は無機塩の濃度が10ppm未満の場合には、分離膜から効率的に未反応残存物を除去することが困難となる傾向にある。一方、50重量%を超える場合には分離膜の性能に与える影響が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
【0032】
水溶性有機物質は膜性能に悪影響を与えないものであれば特に制限されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの1価アルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンなどの極性溶媒が挙げられる。
【0033】
水溶液中の水溶性有機物質の濃度は、未反応残存物の除去性能や膜性能低下抑制効果を考慮して、用いる材料ごとに適宜調整することができるが、通常1〜90重量%程度であり、さらに好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。水溶性有機物質の濃度が1重量%未満の場合には、分離膜から効率的に未反応残存物を除去することが困難となる傾向にある。一方、90重量%を超える場合には分離膜の性能に与える影響が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
【0034】
本発明において、分離膜に前記水溶液を接触させる方法としては浸漬、加圧通水、噴霧、塗布、シャワーなどあらゆる方法が例示されるが、接触による十分な効果を付与せしめるためには浸漬や加圧通水が好ましい。
【0035】
接触時間は求める効果を得、かつ製造上の制約が許容する範囲であれば何ら制限を受けるものではなく、任意の時間を設定することができるが、数秒〜2時間であることが好ましく、さらに好ましくは10秒〜1時間である。接触時間が短すぎると未反応残存物の除去効果が十分に得られない傾向にある。一方、接触時間を長くしても未反応残存物の除去量が平衡に達するため除去効果がさらに向上するわけではなく、接触時間を長くしすぎると製造効率が低下する傾向にある。
接触温度は前記水溶液が液体として存在する温度範囲であれば特に制限されないが、未反応残存物の除去効果及び取り扱いの容易さから10〜90℃であることが好ましい。
【0036】
加圧通水法で前記水溶液の接触をおこなう際、かかる水溶液を分離膜に供する圧力については分離膜及び圧力付与のための部材や設備の物理的強度の許容する範囲においては何ら制限はないが、0.1〜10MPaでおこなうことが好ましく、さらに好ましくは1.5〜7.5MPaである。0.1MPa未満の場合には、求める効果を得ようとすると接触時間が長くなる傾向にあり、10MPaを超える場合には、圧密化により透過水量が低下する傾向にある。
【0037】
接触工程をおこなう際に分離膜はその形状になんら制限を受けるものではない。すなわち平膜状、あるいはスパイラルエレメント状など、考えられるあらゆる膜形状において処理を施すことが可能である。
【0038】
このような製造方法により作製された液体分離膜は、分離膜中の未反応残存物等が極めて少なく、該液体分離膜を用いて分離精製された透過液あるいは濃縮された目的物質は不純物が少なく高純度である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0040】
製造例
m−フェニレンジアミン2.5重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミン2.5重量%、及びカンファスルホン酸5.0重量%を含有する水溶液を多孔性ポリスルホン支持膜(薄膜形成側平均孔径20nm、非対称膜、厚さ50μm)に接触させた後、余分の水溶液を除去した。ついでかかる支持膜の表面にトリメシン酸クロライド0.2重量%を含有するイソオクタン溶液を接触させて界面縮重合反応を行った。その後120℃の熱風乾燥機中で3分間保持させ、多孔性支持膜上に重合体薄膜(厚み0.2μm)を形成して複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を平膜評価セルにセットし、1500ppmのNaClを含むpH7.0の水溶液を用い、15kgf/cm2 の圧力で評価したところNaCl阻止率は99.7%、透過流束は1.2m3 /(m2 /日)であった。
【0041】
実施例1
塩酸1重量%及びエタノール20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.8m3 /(m2 /日)であった。
【0042】
実施例2
ギ酸1重量%及びエタノール20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.5%、透過流束は0.9m3 /(m2 /日)であった。
【0043】
実施例3
クエン酸1重量%及びエタノール20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0044】
実施例4
塩化カルシウム1重量%及びエタノール20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.6%、透過流束は0.9m3 /(m2 /日)であった。
【0045】
実施例5
塩酸1重量%及びエチレングリコールモノメチルエーテル(EGMM)20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.6%、透過流束は0.8m3 /(m2 /日)であった。
【0046】
実施例6
塩酸1重量%及びプロピレングリコール(PG)20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.6%、透過流束は0.8m3 /(m2 /日)であった。
【0047】
比較例1
純水(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.8m3 /(m2 /日)であった。
【0048】
比較例2
エタノール20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.75m3 /(m2 /日)であった。
【0049】
比較例3
エタノール50重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.6%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0050】
比較例4
エチレングリコールモノメチルエーテル(EGMM)20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.6%、透過流束は0.8m3 /(m2 /日)であった。
【0051】
比較例5
プロピレングリコール(PG)20重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.5%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0052】
比較例6
塩酸1重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0053】
比較例7
ギ酸1重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0054】
比較例8
塩化カルシウム1重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0055】
比較例9
クエン酸1重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0056】
比較例10
亜硫酸水素ナトリウム1重量%を含有する水溶液(25℃)に上記複合半透膜を1分間常圧で浸漬した。その後、前記と同様の方法で評価したところ、NaCl阻止率は99.7%、透過流束は0.7m3 /(m2 /日)であった。
【0057】
〔未反応残存物量の評価〕
エタノール50重量%を含有する水溶液(25℃)50ml中に製造例で作製した複合半透膜(φ25mm)を浸漬し、18時間静置して複合半透膜中の未反応残存物を抽出し、抽出液中の未反応残存物の濃度を210nmの吸光度で測定した。また、実施例及び比較例の水溶液に接触させた後の複合半透膜(φ25mm)を用い、上記と同様の方法で未反応残存物の濃度を測定した。その結果を表1に示す。ただし、製造例における複合半透膜中の未反応残存物濃度を1とし、実施例及び比較例における複合半透膜中の未反応残存物濃度をその相対比で示す。
【0058】
【表1】
表1から明らかなように、酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液を分離膜と接触させることにより、塩阻止性及び透水性などの膜性能を大きく低下させることなく分離膜中の未反応残存物を効率的に除去することができる。
Claims (5)
- 酸性物質及び/又は無機塩と、水溶性有機物質とを含有する水溶液を分離膜と接触させる接触工程を含むことを特徴とする液体分離膜の製造方法。
- 水溶性有機物質が1価及び/又は多価アルコールである請求項1記載の液体分離膜の製造方法。
- 分離膜が、薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とからなる複合半透膜である請求項1又は2記載の液体分離膜の製造方法。
- 前記薄膜が、アミン成分と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮合反応によって得られる構成単位を有するポリアミドを主成分とするものである請求項3記載の液体分離膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造される液体分離膜。
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