JP2000350012A - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造追跡機能により最後に偽造物の画像を出
力した複写機を特定することはできるが、その複写に利
用された原稿を出力した複写機や、紙幣や有価証券の画
像を読み取るのに利用されたスキャナを特定することは
できない。 【解決手段】 入力される画像データに埋め込まれた履
歴情報を抽出し(S601)、装置に固有の情報を読み出し(S
602-S603)、履歴情報が抽出された場合はその履歴情報
に前記装置に固有の情報を追加し(S605-608)、履歴情報
が抽出されなかった場合は装置に固有の情報を含む履歴
情報を作成し(S606-S608)、作成または更新された履歴
情報を画像データに埋め込む(S609)。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置および
その方法に関し、例えば、画像データに画像処理の履歴
情報を埋め込む画像処理装置およびその方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】プリンタ、複写機などのディジタルカラ
ー画像形成装置の画質向上は著しく、容易に高画質のフ
ルカラー印刷物を手にすることができる。つまり、誰も
が高性能スキャナ、プリンタ、複写機そしてコンピュー
タによる画像処理により、所望する印刷物を得ることが
できる。一方、そのために紙幣、有価証券などの偽造の
問題が発生し、偽造防止機能を搭載したカラー画像形成
装置がある。

【０００３】偽造防止機能は、偽造追跡機能と紙幣認識
機能とを併せもつのが一般的である。偽造追跡機能と
は、予め登録された装置固有の認識番号をすべての記録
媒体上に不可視に記録し、万が一、紙幣や有価証券など
が偽造された場合に、偽造に使用されたカラー画像形成
装置を特定可能にするものである。

【０００４】また、紙幣認識機能とは、印刷しようとす
るディジタル画像が、予め装置に登録された紙幣画像な
どに一致または類似すると判別された場合、そのディジ
タル画像の出力を中止したり、出力画像を変形したりし
て、そのディジタル画像を忠実に出力しないようにする
ものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】図1は複数の装置を介
した偽造物から偽造追跡機能により持定できる装置を示
す図である。最後に偽造物の画像を出力した認識番号CB
の複写機を特定することはできる。しかし、認識番号CB
の複写機による複写に利用された原稿を出力した認識番
号CAの複写機や、紙幣や有価証券の画像を読み取るのに
利用された認識番号SAのスキャナを特定することはでき
ない。また、複写機以外のプリンタなどは偽造追跡機能
を有しない場合もあるので、プリンタによって出力され
た偽造物の場合、そのプリンタさえ特定できないことが
ある。

【０００６】本発明は、上述の問題を解決するためのも
のであり、画像に関する画像処理の履歴を時系列に知る
ことができるようにすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成する一手段として、以下の構成を備える。

【０００８】本発明にかかる画像処理装置は、画像デー
タを入力する入力手段と、前記入力手段により入力され
る画像データに埋め込まれた履歴情報を抽出する抽出手
段と、記憶手段に格納された装置に固有の情報を読み出
し、履歴情報を作成または更新する処理手段と、前記処
理手段により作成または更新された履歴情報を前記画像
データに埋め込む埋込手段とを備え、前記処理手段は、
前記抽出手段により履歴情報が抽出された場合はその履
歴情報に前記装置に固有の情報を追加し、前記履歴情報
が抽出されなかった場合は前記装置に固有の情報を含む
履歴情報を作成することを特徴とする。

【０００９】本発明にかかる画像処理方法は、画像デー
タを入力し、入力される画像データに埋め込まれた履歴
情報を抽出し、記憶手段に格納された装置に固有の情報
を読み出し、前記履歴情報が抽出された場合はその履歴
情報に前記装置に固有の情報を追加し、前記履歴情報が
抽出されなかった場合は前記装置に固有の情報を含む履
歴情報を作成し、作成または更新された履歴情報を前記
画像データに埋め込むことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施形態
の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。

【００１１】［概要］本実施形態は、USP 5,636,292に
記載されているような電子透かし技術の追記機能を用
い、まず、スキャナなどの画像入力装置そしてプリン
タ、複写機などの画像出力装置それぞれに、予め登録さ
れた装置に固有の認識番号情報を、入出力時にすべての
画像に対して、不可視で時系列に追加記録する。従っ
て、画像に不可視に記録された情報（埋め込まれた）を
読み取ることにより、画像処理の履歴、すなわち偽造に
利用された複数の装置を時系列に知ることができる。

【００１２】［システム構成］図2は本発明にかかる一
実施形態のシステム構成例を示す図である。図2におい
て、101は装置固有の認識番号を示す情報（以下「認識
番号情報」とする）を読み取った画像に埋め込むことが
できるスキャナなどの画像入力装置、102は認識番号情
報を表示することができるパソコンなどの画像編集処理
装置、103および104は認識番号情報を出力画像に埋め込
むことができる複写機、105は認識番号情報を出力画像
に埋め込むことができるプリンタである。

【００１３】106は複写機103から出力される認識番号情
報が埋め込まれた画像、107は複写機104から出力される
認識番号情報が埋め込まれた画像、108はプリンタ105か
ら出力される認識番号情報が埋め込まれた画像、109は
画像から認識番号情報を抽出するソフトウェアである。

【００１４】［認識番号情報］図3は認識番号情報の構
成例を示す図である。認識番号情報は、8ビットの機種
番号、4ビットの予備番号、19ビットの機体番号および1
ビットの書込位置フラグの合計4バイトを1レコードと
し、Nレコードからなる。

【００１５】認識番号情報のレコード1から情報が書き
込まれ、最後に書き込まれたレコードの書込位置フラグ
はオンになり、その他のレコードの書き込み位置フラグ
はオフの状態になる。また、認識番号情報はサイクリッ
クに情報が記録される。つまり、レコードNまで情報が
書き込まれると、次はレコード1の情報が上書きされ
る。

【００１６】［認識番号情報の埋込処理］次に、スキャ
ナ、プリンタおよび複写機における認識番号情報の埋込
処理を説明する。

【００１７】図4から図6はそれぞれスキャナ101、プリ
ンタ105並びに複写機103および104における埋込処理例
を示すフローチャートである。

【００１８】図4において、スキャナ101は、原稿画像を
読み取り、A/D変換したディジタル画像データを得て(S3
01)、得られた画像データに埋め込まれている認識番号
情報を抽出し、図3に示される1レコード分の認識番号情
報、つまり機種番号、予備番号、機体番号および書込位
置フラグを追加する(S302)。新たな認識番号情報が追加
された画像データはパソコンなどに送信される(S303)。
勿論、認識番号情報が存在しない画像の場合は、ステッ
プS302で新たに認識番号情報が埋め込まれることにな
る。

【００１９】図5において、プリンタ105は、ディジタル
画像データを受信し(S401)、受信した画像データに埋め
込まれている認識番号情報を抽出し、図3に示される1レ
コード分の認識番号情報を追加する(S402)。新たな認識
番号情報が追加された画像データは画像形成部に送信さ
れ、画像108が形成される(S403)。

【００２０】図6において、複写機103または104は、原
稿画像を読み取り、A/D変換したディジタル画像データ
を得て(S501)、得られた画像データに埋め込まれている
認識番号情報を抽出し、図3に示される1レコード分の認
識番号情報を追加する(S502)。新たな認識番号情報が追
加された画像データは画像形成部に送信され、画像106
または107が形成される(S503)。勿論、認識番号情報が
存在しない画像の場合は、ステップS502で新たに認識番
号情報が埋め込まれることになる。

【００２１】図7は図4から図6に示した認識番号情報の
追加処理の詳細例を示すフローチャートである。

【００２２】図7において、ステップS601で画像データ
に既に埋め込まれている認識番号情報を抽出し、ステッ
プS602およびS603で装置のROMなどから装置固有の認識
番号の一つである機種番号および機体番号を読み出す。
そして、ステップS604で抽出された認識番号情報の書込
位置フラグがオンのレコード番号に1を加算した値XがN
以下か否かを判定し、X≦NであればステップS605でXを
書込位置フラグがオンのレコード番号にし、X＞Nであれ
ばステップS606で書込位置フラグがオンのレコード番号
を「1」にする。

【００２３】次に、ステップS607で抽出された認識番号
情報の書込位置フラグをオフにし、ステップS608で書込
位置フラグがオンのレコード番号に相当するレコードを
セットする。つまり、機種番号8ビット分を書き込み、
予備番号4ビットにNULL値をセットし、機体番号19ビッ
ト分を書き込み、そして書込位置フラグをオンにセット
する。そして、ステップS609で、得られた認識番号情報
を画像データへ埋め込む。

【００２４】［偽造履歴の把握］図8は偽造履歴を把握
する処理を示すフローチャートで、ソフトウェア109に
より実行される処理である。

【００２５】図8において、ステップS701で画像108に埋
め込まれている認識番号情報が読み取られ、ステップS7
02で、読み取られた識別番号情報の各レコードが書込位
置フラグの状態から時系列にソートされ、ステップS703
で、得られた結果つまりソートされた識別番号情報が表
示される。

【００２６】このように、本実施形態によれば、紙幣や
有価証券などの偽造履歴を時系列に把握することができ
るため、偽造行為に関わった複数の装置や人間を可能な
限り追跡することができる。

【００２７】

【他の実施形態】なお、本発明は、複数の機器（例えば
ホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プ
リンタなど）から構成されるシステムに適用しても、一
つの機器からなる装置（例えば、複写機、ファクシミリ
装置など）に適用してもよい。

【００２８】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体（または記録媒体）を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ（またはCPUやMPU）が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることはいうまでもない。

【００２９】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることはいうまでもない。

【００３０】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードが格納されることになる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像に関する画像処理の履歴を時系列に知ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】複数の装置を介した偽造物から偽造追跡機能に
より持定できる装置を示す図、

【図２】本発明にかかる一実施形態のシステム構成例を
示す図、

【図３】認識番号情報の構成例を示す図、

【図４】埋込処理例を示すフローチャート、

【図５】埋込処理例を示すフローチャート、

【図６】埋込処理例を示すフローチャート、

【図７】認識番号情報の追加処理の詳細例を示すフロー
チャート、

【図８】偽造履歴を把握する処理を示すフローチャート
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C087 AA03 AA09 BB10 BD07 DA13 2H027 DB01 EE08 EE10 EJ04 EJ08 FD01 FD08 FD10 ZA09 2H034 FA01 5B057 CA12 CA16 CB12 CB16 CC03 CE08 DA08 DB02 DC30 5C076 AA14 BA04 BA06

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像データを入力する入力手段と、 前記入力手段により入力される画像データに埋め込まれ
   た履歴情報を抽出する抽出手段と、 記憶手段に格納された装置に固有の情報を読み出し、履
   歴情報を作成または更新する処理手段と、 前記処理手段により作成または更新された履歴情報を前
   記画像データに埋め込む埋込手段とを備え、 前記処理手段は、前記抽出手段により履歴情報が抽出さ
   れた場合はその履歴情報に前記装置に固有の情報を追加
   し、前記履歴情報が抽出されなかった場合は前記装置に
   固有の情報を含む履歴情報を作成することを特徴とする
   画像処理装置。
2. 【請求項２】 前記入力手段は、原稿画像を読み取る読
   取手段であることを特徴とする請求項1に記載された画
   像処理装置。
3. 【請求項３】 前記入力手段は、外部装置から画像デー
   タを受信する受信手段であることを特徴とする請求項1
   に記載された画像処理装置。
4. 【請求項４】 前記履歴情報には、画像データを処理し
   た装置を特定する情報が時系列に記録されることを特徴
   とする請求項1から請求項3の何れかに記載された画像処
   理装置。
5. 【請求項５】 前記装置に固有の情報には少なくとも装
   置の機種番号および機体番号が含まれることを特徴とす
   る請求項1から請求項4の何れかに記載された画像処理装
   置。
6. 【請求項６】 さらに、画像に埋め込まれた履歴情報を
   抽出し、抽出された履歴情報に記録された情報を時系列
   に出力する検出手段を有することを特徴とする請求項1
   から請求項5の何れかに記載された画像処理装置。
7. 【請求項７】 画像データを入力し、 入力される画像データに埋め込まれた履歴情報を抽出
   し、 記憶手段に格納された装置に固有の情報を読み出し、 前記履歴情報が抽出された場合はその履歴情報に前記装
   置に固有の情報を追加し、 前記履歴情報が抽出されなかった場合は前記装置に固有
   の情報を含む履歴情報を作成し、 作成または更新された履歴情報を前記画像データに埋め
   込むことを特徴とする画像処理方法。
8. 【請求項８】 画像処理のプログラムコードが記録され
   た記録媒体であって、前記プログラムコードは少なくと
   も、 画像データを入力するステップのコードと、 入力される画像データに埋め込まれた履歴情報を抽出す
   るステップのコードと、 記憶手段に格納された装置に固有の情報を読み出すステ
   ップのコードと、 前記履歴情報が抽出された場合はその履歴情報に前記装
   置に固有の情報を追加するステップのコードと、 前記履歴情報が抽出されなかった場合は前記装置に固有
   の情報を含む履歴情報を作成するステップのコードと、 作成または更新された履歴情報を前記画像データに埋め
   込むステップのコードとを有することを特徴とする記録
   媒体。