JP2000349636A - アナログ−デジタル変換回路 - Google Patents

アナログ−デジタル変換回路

Info

Publication number
JP2000349636A
JP2000349636A JP2000151772A JP2000151772A JP2000349636A JP 2000349636 A JP2000349636 A JP 2000349636A JP 2000151772 A JP2000151772 A JP 2000151772A JP 2000151772 A JP2000151772 A JP 2000151772A JP 2000349636 A JP2000349636 A JP 2000349636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
converter
analog
reference voltage
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000151772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3138262B2 (ja
Inventor
Atsushi Wada
淳 和田
Kuniyuki Tani
邦之 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2000151772A priority Critical patent/JP3138262B2/ja
Publication of JP2000349636A publication Critical patent/JP2000349636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3138262B2 publication Critical patent/JP3138262B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段構成のアナログ−デジタル変換回路にお
いて差分アンプに要求されるスルーレート特性を緩和す
ること。 【解決手段】A/Dコンバータ1は、サンプルホールド
回路2、1段目〜4段目の回路3〜6、ラッチ回路7、
出力回路8から構成されている。1段目〜3段目の回路
3〜5は、サブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ
10、差分アンプ11を備える。4段目の回路6はサブ
A/Dコンバータ9だけを備える。1段目〜3段目の回
路3〜5では差分アンプ11のサンプリング時点を、同
じ段の回路3〜5のサブA/Dコンバータ9のサンプリ
ング時点よりも後に設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ−デジタ
ル変換回路(A/Dコンバータ)に係り、詳しくは、多
段パイプライン(ステップフラッシュ)構成をとるA/
Dコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ信号のデジタル処理技術の
進歩に伴い、ビデオ信号処理用のA/Dコンバータの需
要が大きくなっている。ビデオ信号処理用のA/Dコン
バータには高速変換動作が要求されるため、従来、2ス
テップフラッシュ(2ステップパラレル)方式が広く用
いられていた。
【0003】しかし、変換ビット数の増大に伴い、2ス
テップフラッシュ方式では十分な変換精度が得られなく
なってきた。分解能を表すLSB(Least Significant
Bit)は、式(1)に示すように、アナログ入力信号の
入力電圧範囲(FSR;FullScale Range)とビット数
Nとを用いて表される。 1LSB=FSR/2N ………(1) 例えば、ビット数が10ビットでFSRが2Vの場合、
式(1)からLSBは2mVとなる。このようにLSB
が小さくなると、2ステップフラッシュ方式A/Dコン
バータを構成する各コンパレータの分解能が限界とな
り、十分な変換精度を得ることが難しくなる。実際問題
として、2ステップフラッシュ方式で9ビット以上を得
ることは現実的でない。
【0004】そこで、各段がA/Dコンバータとデジタ
ル−アナログ変換回路(D/Aコンバータ)と差分アン
プとから成る多段パイプライン構成をとるA/Dコンバ
ータが開発された。その動作は、まず、アナログ入力信
号に対して、1段目のA/Dコンバータを用いてA/D
変換を行う。次に、1段目のA/DコンバータのA/D
変換結果を1段目のD/Aコンバータに加え、D/A変
換を行う。続いて、1段目のD/AコンバータのD/A
変換結果とアナログ入力信号とを1段目の差分アンプに
加え、差分を増幅する。その1段目の差分アンプの出力
に対して、2段目のA/Dコンバータを用いてA/D変
換を行う。次に、2段目のA/DコンバータのA/D変
換結果を2段目のD/Aコンバータに加え、D/A変換
を行う。
【0005】続いて、2段目のD/AコンバータのD/
A変換結果と1段目の差分アンプの出力とを2段目の差
分アンプに加え、差分を増幅する。この後は、同様の動
作を各段で順次行う。但し、最後段はA/Dコンバータ
だけから構成され、前段の差分アンプの出力をA/D変
換する。例えば、3段パイプライン構成で、1〜3段目
のA/Dコンバータのビット数(ビット構成)がそれぞ
れa,b,cの場合には、1段目のA/Dコンバータか
ら上位aビット、2段目のA/Dコンバータから中位b
ビット、3段目のA/Dコンバータから下位cビットの
デジタル出力が得られる。
【0006】ところで、パイプライン動作では、m段目
のA/DコンバータがA/D変換のサンプリングを行っ
ている時、m+1段目のD/AコンバータはD/A変換
を行う。つまり、パイプライン動作では、隣合う各段の
動作が異なり、奇数段と偶数段が別の動作を行う。尚、
各段において、A/DコンバータとD/Aコンバータの
ビット数(ビット構成)nは同じに設定されている。ま
た、各段のA/Dコンバータは、A/Dコンバータ全体
と区別するため、サブA/Dコンバータと呼ばれる。そ
して、サブA/Dコンバータには、高速変換動作が可能
な全並列比較(フラッシュ)方式が用いられる。
【0007】また、差分アンプは、アナログ入力信号ま
たは前段の差分アンプの出力と、同じ段のD/Aコンバ
ータのD/A変換結果との差分を増幅する。D/A変換
結果は、アナログ入力信号または前段の差分アンプの出
力が、その段に入力された後に生成される。そのため、
差分アンプは、D/A変換結果が得られるまでの間、ア
ナログ入力信号または前段の差分アンプの出力をサンプ
リングして保持する。その差分アンプのサンプリング時
点は、同じ段のサブA/Dコンバータのサンプリング時
点と同じである。
【0008】このように、多段パイプライン構成をとれ
ば、各段において、アナログ入力信号または前段の差分
アンプの出力と、その段のデジタル出力のD/A変換結
果との差分が、その段の差分アンプによって増幅され
る。そのため、変換ビット数が増大してLSBが小さく
なっても、A/Dコンバータを構成する各コンパレータ
の分解能を実質的に向上させることが可能になり、十分
な変換精度が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】多段パイプライン構成
をとるA/Dコンバータには以下の問題点がある。 差分アンプの特性がA/D変換に大きな影響を及ぼ
す。従って、ゲインが一定で安定度が高く高精度で高速
動作が可能な差分アンプが必要である。 上記のような差分アンプをCMOSロジックで構成
するには、カスケード方式のオペアンプを用いる必要が
ある。しかし、カスケード方式では電源電圧を高くしな
ければならず、低消費電力化が難しくなる。
【0010】高精度な差分アンプを具体化するには、
オペアンプを用いて、その負帰還容量のバラツキを小さ
くする必要がある。A/Dコンバータをオンチップ化す
る場合、負帰還容量のバラツキを小さくするには、十分
な膜厚の層間絶縁膜を備えた2層ポリシリコン構造を採
用し、ポリシリコン層間に負帰還容量を形成しなければ
ならない。なぜなら、1層ポリシリコン構造を採用した
場合、負帰還容量はポリシリコン層とメタル層の間に形
成しなければならず、ポリシリコン層とメタル層の間の
層間絶縁膜の膜厚は薄いため、負帰還容量のバラツキを
小さくするのが難しいためである。2層ポリシリコン構
造を採用するとなると、製造工程が複雑化してコストが
増大する。
【0011】差分アンプのサンプリング時点が、同じ
段のサブA/Dコンバータのサンプリング時点と同じで
ある。そのため、差分アンプには大きなスルーレートが
要求される。 パイプライン動作では奇数段と偶数段が別の動作を行
うため、レファレンス電圧線にノイズが生じやすく、レ
ファレンス電圧が不安定になりやすい。レファレンス電
圧が不安定になると、A/D変換精度が低下する。すな
わち、各段のサブA/DコンバータおよびD/Aコンバ
ータには、共通のレファレンス電圧線からレファレンス
電圧が供給されている。従って、奇数段(または偶数
段)のD/AコンバータのD/A変換動作によってレフ
ァレンス電圧線に生じるノイズが、偶数段(または奇数
段)のサブA/DコンバータのA/D変換動作に悪影響
を及ぼすことがある。また、奇数段(または偶数段)の
サブA/DコンバータのA/D変換動作によってレファ
レンス電圧線に生じるノイズが、偶数段(または奇数
段)のD/AコンバータのD/A変換動作に悪影響を及
ぼすこともある。
【0012】この問題は、サブA/Dコンバータのフラ
ッシュ方式を用いた場合に特に顕著に表れる。すなわ
ち、ビット数nのフラッシュ方式A/Dコンバータは
(2n−1)個のコンパレータを備えるが、この多数の
コンパレータが同時に動作するため、レファレンス電圧
線にノイズが生じやすい。加えて、コンパレータにチョ
ッパ方式や差動チョッパ方式を用いた場合には、コンパ
レータが備えるチョッパ容量の充放電電流がレファレン
ス電圧線に流れるため、非常に大きなノイズが生じる恐
れがある。このノイズを低減するには、フラッシュ方式
A/Dコンバータの内部でレファレンス電圧線間に直列
に接続されるレファレンス抵抗を小さくすればよい。し
かし、レファレンス抵抗を小さくするとレファレンス電
圧線間に流れる貫通電流が大きくなり、消費電力が増大
する。
【0013】本発明は、多段構成のアナログ−デジタル
変換回路において、上記の問題点を解決することをそ
の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のアナログ−デ
ジタル変換回路は、最終段を除く各段がアナログ−デジ
タル変換回路とデジタル−アナログ変換回路と差分アン
プとからなると共に最終段が少なくともアナログ−デジ
タル変換回路からなる多段パイプライン構成をとり、任
意の段の差分アンプのサンプリング時点が、同じ段のア
ナログ−デジタル変換回路のサンプリング時点よりも後
に設定されていることをその要旨とする。
【0015】請求項2のアナログ−デジタル変換回路
は、前記任意の段の差分アンプのサンプリング時点が、
同じ段のアナログ−デジタル変換回路からデジタル−ア
ナログ変換回路にデータが転送された時点以降に設定さ
れていることをその要旨とする。請求項3のアナログ−
デジタル変換回路は、請求項1又は2の発明において、
初段のビット構成が2段以降のそれより、2ビット以上
大きく設定されたことをその要旨とする。
【0016】請求項4のアナログ−デジタル変換回路
は、請求項1又は2の発明において、初段のビット構成
が2段以降のそれより2ビット以上大きく設定され、2
段から最終段のビット構成が等しく均等分割されたこと
をその要旨とする。請求項5のアナログ−デジタル変換
回路は、請求項1乃至4のいずれか1項の発明におい
て、前記各段のアナログ−デジタル変換回路とデジタル
−アナログ変換回路とに印加されるリファレンス電圧
が、リファレンス電圧線から直接供給されることをその
要旨とする。
【0017】請求項6のアナログ−デジタル変換回路
は、請求項1乃至4のいずれか1項の発明において、前
記初段にリファレンス電圧を印加するリファレンス電圧
線と、2段目にリファレンス電圧を印加するリファレン
ス電圧線とを分離したことをその要旨とする。請求項7
のアナログ−デジタル変換回路は、請求項5又は6の発
明において、前記リファレンス電圧線がデカップリング
されたことをその要旨とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に従って説明する。図1に、本実施形態の1
0ビット4段パイプライン構成をとるA/Dコンバータ
1のブロック回路を示す。A/Dコンバータ1は、サン
プルホールド回路2、1段目〜4段目の回路3〜6、ラ
ッチ回路7、出力回路8から構成されている。1段目〜
3段目の回路3〜5は、サブA/Dコンバータ9、D/
Aコンバータ10、差分アンプ11を備える。4段目
(最終段)の回路6はサブA/Dコンバータ9だけを備
える。
【0019】1段目(初段)の回路3は4ビット構成、
2〜4段目の回路4〜6はそれぞれ2ビット構成であ
る。1〜3段目の回路3〜5において、サブA/Dコン
バータ9およびD/Aコンバータ10のビット数(ビッ
ト構成)nは同じに設定されている。次に、A/Dコン
バータ1の動作を説明する。
【0020】サンプルホールド回路2は、アナログ入力
信号Vinをサンプリングして一定時間保持する。サンプ
ルホールド回路2から出力されたアナログ入力信号Vin
は、1段目の回路3へ転送される。1段目の回路3にお
いて、サブA/Dコンバータ9はアナログ入力信号Vin
に対してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ9の
A/D変換結果である上位4ビットのデジタル出力(2
9,28,27,26)は、D/Aコンバータ10へ転送され
ると共に、4つのラッチ回路7を介して出力回路8へ転
送される。差分アンプ11は、D/Aコンバータ10の
D/A変換結果とアナログ入力信号Vinとの差分を増幅
する。その差分アンプ11の出力は、2段目の回路4へ
転送される。
【0021】2段目の回路4においては、1段目の回路
3の差分アンプ11の出力に対して、1段目の回路3と
同様の動作が行われる。また、3段目の回路5において
は、2段目の回路4の差分アンプ11の出力に対して、
1段目の回路3と同様の動作が行われる。そして、2段
目の回路4から中上位2ビットのデジタル出力(25,2
4)が得られ、3段目の回路5から中下位2ビットのデ
ジタル出力(23,22)が得られる。
【0022】4段目の回路6においては、3段目の回路
5の差分アンプ11の出力に対して、サブA/Dコンバ
ータ9がA/D変換を行い、下位2ビットのデジタル出
力(21,20)が得られる。1〜4段目の回路3〜6の
デジタル出力は、各ラッチ回路7を経て同時に出力回路
8に到達する。すなわち、各ラッチ回路7は各回路3〜
6のデジタル出力の同期をとるために設けられている。
【0023】出力回路8は、アナログ入力信号Vinの1
0ビットのデジタル出力Dout をパラレル出力する。と
ころで、差分アンプ11はオペアンプによって構成され
るが、その精度パラメータはゲインエラーGEとオフセッ
トOFから規定される。従って、i段目の回路3〜6のオ
ーバーレンジ量Xは、式(2)に示すように、ゲインエ
ラーGEおよびオフセットOFと、その回路2〜6の差分ア
ンプ11のゲイン(閉ループゲイン)Ai と、その回路
2〜6のLSBi とから表される。また、直線性誤差Y
は、式(3)に示すように、ゲインエラーGEとゲインA
i とLSBi とから表される。
【0024】 X=Ai ×OF+LSBi ×Ai ×GE ………(2) Y=〔LSB1 +LSB2 /A1 +LSB3 /(A2 ×A1 )+LSB4 / (A3 ×A2 )〕×GE ………(3) オーバーレンジ量Xは小さい方が良いため、式(2)か
ら、ゲインAi およびLSBi は小さい方が良いことが
わかる。ところで、ミスコード耐性を向上させるには、
LSBi を大きくした方が良い。従って、ゲインAi を
できるだけ小さくする必要がある。各段の回路3〜6の
ゲインAi を小さくすることは、多段パイプライン構成
の段数を多くした上で、各段の回路3〜6のビット数を
大きくすることに他ならない。
【0025】従って、2段や3段で構成した場合に比べ
て、本実施形態のように4段で構成した場合の方がオー
バーレンジ量Xを小さくすることができる。ところで、
5段以上で構成した場合には、A/Dコンバータ全体の
回路規模が大きくなり過ぎる恐れがある。また、式
(3)から、1段目の回路3のLSB1 を小さくした場
合には、2〜4段目の回路4〜6のLSB2 〜LSB4
を小さくした場合よりも、直線性誤差Yの低減効果が大
きくなることがわかる。1段目の回路3のLSB1 を小
さくすることは、1段目の回路3のビット数(ビット構
成)を大きくすることに他ならない。従って、1段目の
回路3を1〜3ビットにした場合に比べて、本実施形態
のように4ビットにした場合の方が直線性誤差Yを小さ
くすることができる。
【0026】ところで、1段目の回路3を5ビット以上
にすると、LSB1 が小さくなり過ぎて十分な変換精度
を得ることが難しくなり、多段パイプライン構成にした
意味が薄れる。実際問題として、1段目の回路3を9ビ
ット以上にするのは現実的でない。尚、各段の回路3〜
6のビット数(ビット構成)を等しくすれば、各回路3
〜6が同一構成となるため、CMOSロジックによるオ
ンチップ化が容易になる。
【0027】以上の結果をまとめると、10ビットA/
Dコンバータを具体化するには、本実施形態のように、
4段パイプラインで、1段目の回路3を4ビット構成、
2〜4段目の回路4〜6を2ビット構成とする(以下、
4−2−2−2構成という)のが望ましいことがわか
る。例えば、4段パイプラインで3−3−3−2構成を
とった場合には、オーバーレンジ量Xは小さくなるもの
の、直線性誤差Yが大きくなる。また、3段パイプライ
ンで4−3−3構成をとった場合には、直線性誤差Yは
小さくなるものの、オーバーレンジ量Xが大きくなる。
そして、4段パイプラインで4−3−2−1構成をとっ
た場合には、各段の内部回路構成が全て異なるため、設
計効率が悪くなる。
【0028】図2に、サブA/Dコンバータ9の内部回
路を示す。サブA/Dコンバータ9はフラッシュ方式を
とり、レファレンス抵抗R、コンパレータ21、エンコ
ーダ22から構成される。レファレンス抵抗Rは全て同
じ抵抗値であり、高電位側レファレンス電圧線Vrb1 お
よび低電位側レファレンス電圧線Vrt1 (または、高電
位側レファレンス電圧線Vrb2 および低電位側レファレ
ンス電圧線Vrt2 )間に直列に接続されている。ビット
数(ビット構成)nのサブA/Dコンバータ9は(2n
−1)個のコンパレータ21を備える。
【0029】各コンパレータ21は、レファレンス抵抗
Rによって生成されたレファレンス電圧の分圧電圧と入
力信号(アナログ入力信号Vinまたは前段の回路3〜5
の差分アンプ11の出力)とを比較する。エンコーダ2
2は、各コンパレータ21の比較結果に基づいて、入力
信号のA/D変換結果であるデジタル出力を生成する。
【0030】尚、2〜4段目の回路4〜6のサブA/D
コンバータ9は、1ビット以上の冗長ビットを備えるた
め、その冗長ビット分だけのレファレンス抵抗Rおよび
コンパレータ21を余分に有している。図3に、1〜4
段目の回路3〜6とレファレンス電圧線Vrb1,Vrt1,V
rb2,Vrt2 の接続関係を示す。
【0031】1段目および3段目の回路3,5はレファ
レンス電圧線Vrb1,Vrt1 に接続され、2段目および4
段目の回路4,6はレファレンス電圧線Vrb2,Vrt2 に
接続されている。すなわち、奇数段の回路3,5と偶数
段の回路4,6では、レファレンス電圧線が分離されて
いる。各段の回路3〜6のサブA/Dコンバータ9およ
びD/Aコンバータ10には、各回路3〜6に接続され
たレファレンス電圧線からレファレンス電圧が供給され
ている。
【0032】1〜4段目の回路3〜6は1つの半導体チ
ップ31上に形成されてオンチップ化されている。2本
の高電位側レファレンス電圧線Vrb1,Vrb2 は電源パッ
ド32の近傍で接続され、その接続点はコンデンサ33
でデカップリングされている。また、2本の低電位側レ
ファレンス電圧線Vrt1,Vrt2 は電源パッド34の近傍
で接続され、その接続点はコンデンサ35でデカップリ
ングされている。
【0033】パイプライン動作では、奇数段の回路3,
5のサブA/Dコンバータ9がA/D変換を行っている
時、偶数段の回路4,6のD/Aコンバータ10はD/
A変換を行う。また、奇数段の回路3,5のD/Aコン
バータ10がD/A変換を行っている時、偶数段の回路
4,6のサブA/Dコンバータ9はA/D変換を行う。
【0034】サブA/Dコンバータ9は多数のコンパレ
ータ21を備え、その多数のコンパレータが同時に動作
するため、レファレンス電圧線にノイズが生じやすい。
特に、コンパレータ21にチョッパ方式や差動チョッパ
方式を用いた場合には、コンパレータ21が備えるチョ
ッパ容量の充放電電流がレファレンス電圧線に流れるた
め、非常に大きなノイズが生じる恐れがある。
【0035】しかし、本実施形態においては、奇数段の
回路3,5と偶数段の回路4,6でレファレンス電圧線
が分離されている。従って、奇数段(または偶数段)の
サブA/Dコンバータ9のA/D変換動作によってレフ
ァレンス電圧線に生じるノイズが、偶数段(または奇数
段)のD/Aコンバータ10のD/A変換動作に悪影響
を及ぼす恐れはない。その結果、レファレンス電圧を安
定化することができる。
【0036】また、レファレンス電圧線は各コンデンサ
33,35でデカップリングされているため、レファレ
ンス電圧は各コンデンサ33,35の容量によって固定
化される。従って、コンパレータ21にチョッパ方式や
差動チョッパ方式を用いた場合でも、コンパレータ21
が備えるチョッパ容量の充放電電流は各コンデンサ3
3,35によって吸収される。逆に言えば、コンパレー
タ21に差動方式を用いた場合には、レファレンス電圧
線に生じるノイズが少ないため、各コンデンサ33,3
5の容量を小さくしてもよく、ノイズが非常に少なけれ
ば各コンデンサ33,35を省くことも可能である。
【0037】ところで、差分アンプ11は、アナログ入
力信号Vinまたは前段の回路3,4の差分アンプ11の
出力と、同じ段の回路3〜5のD/Aコンバータ10の
D/A変換結果との差分を増幅する。D/A変換結果
は、アナログ入力信号Vinまたは前段の回路3,4の差
分アンプ11の出力が、その段の回路3〜5に入力され
た後に生成される。そのため、差分アンプ11は、D/
A変換結果が得られるまでの間、アナログ入力信号Vin
または前段の回路3,4の差分アンプ11の出力をサン
プリングして保持する。
【0038】従来は、図4に示すように、差分アンプ1
1のサンプリング時点(図示A)と、同じ段の回路3〜
5のサブA/Dコンバータ9のサンプリング時点(図示
B)とを同じに設定していた。これは、同じ段の回路3
〜5において、差分アンプ11のサンプル電圧とサブA
/Dコンバータ9のサンプル電圧とを等しくするためで
ある。両者のサンプル電圧に差が生じると、A/D変換
精度が低下する。
【0039】本実施形態では、図5に示すように、差分
アンプ11のサンプリング時点(図示A)を、同じ段の
回路3〜5のサブA/Dコンバータ9のサンプリング時
点(図示B)よりも後に設定している。その結果、同じ
段の回路3〜5において、差分アンプ11のサンプル電
圧とサブA/Dコンバータ9のサンプル電圧とに若干の
差が生じる。しかし、2段目および3段目の回路4,5
のビット構成は2ビットと小さいため、そのサンプル電
圧に生じる差はLSBi に対してごく僅かである。従っ
て、そのサンプル電圧に生じる差によってA/D変換精
度が低下することはほとんどない。
【0040】また、前記したように、2〜4段目の各回
路4〜6のサブA/Dコンバータ9は1ビット以上の冗
長ビットを備える。その冗長ビットによってサンプル電
圧に生じる差が吸収されるため、A/D変換精度の低下
を防止することができる。尚、サンプル電圧に生じる差
を吸収するのに要する冗長ビット数は1ビットもあれば
十分である。
【0041】このように、本実施形態によれば、以下の
作用および効果を得ることができる。 (1) 多段パイプライン構成をとることで、各段の回路3
〜5において、アナログ入力信号Vinまたは前段の回路
3,4の差分アンプ11の出力と、その段の回路3〜5
のデジタル出力のD/A変換結果との差分が、差分アン
プ11によって増幅される。そのため、変換ビット数が
増大してLSBが小さくなっても、サブA/Dコンバー
タ9を構成する各コンパレータ21の分解能を実質的に
向上させることが可能になり、十分な変換精度が得られ
る。
【0042】(2) 差分アンプ11の特性が劣っている場
合でも、十分な変換精度が得られる。従って、前記した
およびの問題を回避することができる。すなわち、
差分アンプ11をカスケード方式のオペアンプで構成す
る必要がない。また、差分アンプ11の負帰還容量のバ
ラツキについてはそれほど留意しなくてもよいため、半
導体チップ31に1層ポリシリコン構造を採用すること
ができる。その結果、A/Dコンバータ1の消費電力お
よびコストを共に低減することができる。
【0043】(3) 差分アンプ11のサンプリング時点
を、同じ段の回路3〜5のサブA/Dコンバータ9のサ
ンプリング時点よりも後に設定しているため、差分アン
プ11のスルーレートを大きくする必要がない。つま
り、差分アンプ11に要求されるスルーレート特性が緩
和される。従って、前記したの問題を回避することが
できる。
【0044】(4) レファレンス電圧が安定化されるた
め、A/Dコンバータ1の変換精度が向上する。従っ
て、前記したの問題を回避することができる。すなわ
ち、レファレンス抵抗Rを小さくする必要がないため、
レファレンス電圧線間に流れる貫通電流を小さくするこ
とが可能になり、消費電力を低減することができる。 (5) A/Dコンバータ1をCMOSロジックで構成して
オンチップ化することができる。
【0045】尚、上記実施形態は、以下のように変更し
てもよく、その場合でも同様の作用および効果を得るこ
とができる。 (1)4本のレファレンス電圧線Vrb1,Vrt1,Vrb2,V
rt2 をそれぞれ別個のコンデンサでデカップリングす
る。このようにすれば、レファレンス電圧がさらに安定
化する。
【0046】(2)1〜4段目の各回路3〜6毎に別個
のレファレンス電圧線を設ける。このようにすれば、レ
ファレンス電圧がさらに安定化する。 (3)サブA/Dコンバータ9をフラッシュ方式以外の
方法で具体化する。以上、各実施形態について説明した
が、各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果と共に記載する。
【0047】(イ)請求項1〜7のいずれか1項に記載
のアナログ−デジタル変換回路において、各段のビット
構成が8ビット以下であるアナログ−デジタル変換回
路。このようにすれば、A/D変換精度が向上する。 (ロ)各段がアナログ−デジタル変換回路とデジタル−
アナログ変換回路と差分アンプとから成る多段パイプラ
イン構成をとり、奇数段と偶数段で別個のレファレンス
電圧線を備え、各レファレンス電圧線は高電位側配線と
低電位側配線から構成され、各レファレンス電圧線がそ
れぞれ別個にデカップリングされたアナログ−デジタル
変換回路。
【0048】このようにすれば、レファレンス電圧がさ
らに安定化する。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、多
段構成のアナログ−デジタル変換回路において差分アン
プに要求されるスルーレート特性を緩和することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のブロック回路図。
【図2】一実施形態を構成するコンパレータの回路図。
【図3】一実施形態のレファレンス電圧線の接続関係を
示す回路図。
【図4】従来のタイミングチャート。
【図5】一実施形態のタイミングチャート。
【符号の説明】
3…1段目の回路 4…2段目の回路 5…3段目の回路 6…4段目の回路 9…サブA/Dコンバータ 10…D/Aコンバータ 11…差分アンプ Vrb1,Vrb2 …高電位側レファレンス電圧線 Vrt1,Vrt2 …低電位側レファレンス電圧線 33,35…コンデンサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終段を除く各段がアナログ−デジタル
    変換回路とデジタル−アナログ変換回路と差分アンプと
    からなると共に最終段が少なくともアナログ−デジタル
    変換回路からなる多段パイプライン構成をとり、任意の
    段の差分アンプのサンプリング時点が、同じ段のアナロ
    グ−デジタル変換回路のサンプリング時点よりも後に設
    定されていることを特徴としたアナログ−デジタル変換
    回路。
  2. 【請求項2】 前記任意の段の差分アンプのサンプリン
    グ時点が、同じ段のアナログ−デジタル変換回路からデ
    ジタル−アナログ変換回路にデータが転送された時点以
    降に設定されていることを特徴とした請求項1に記載の
    アナログ−デジタル変換回路。
  3. 【請求項3】 初段のビット構成が2段以降のそれよ
    り、2ビット以上大きく設定されたことを特徴とした請
    求項1又は2に記載のアナログ−デジタル変換回路。
  4. 【請求項4】 初段のビット構成が2段以降のそれより
    2ビット以上大きく設定され、2段から最終段のビット
    構成が等しく均等分割されたことを特徴とした請求項1
    又は2に記載のアナログ−デジタル変換回路。
  5. 【請求項5】 前記各段のアナログ−デジタル変換回路
    とデジタル−アナログ変換回路とに印加されるリファレ
    ンス電圧が、リファレンス電圧線から直接供給されるこ
    とを特徴とした請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    アナログ−デジタル変換回路。
  6. 【請求項6】 前記初段にリファレンス電圧を印加する
    リファレンス電圧線と、2段目にリファレンス電圧を印
    加するリファレンス電圧線とを分離したことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアナログ−デ
    ジタル変換回路。
  7. 【請求項7】 前記リファレンス電圧線がデカップリン
    グされたことを特徴とする請求項5又は6に記載のアナ
    ログ−デジタル変換回路。
JP2000151772A 2000-05-23 2000-05-23 アナログ−デジタル変換回路 Expired - Fee Related JP3138262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151772A JP3138262B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 アナログ−デジタル変換回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151772A JP3138262B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 アナログ−デジタル変換回路

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07224257A Division JP3086636B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 アナログ−デジタル変換回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000349636A true JP2000349636A (ja) 2000-12-15
JP3138262B2 JP3138262B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=18657272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000151772A Expired - Fee Related JP3138262B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 アナログ−デジタル変換回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3138262B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010068444A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Asahi Kasei Electronics Co Ltd パイプライン型a/dコンバータ及びパイプライン型a/dコンバータの制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010068444A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Asahi Kasei Electronics Co Ltd パイプライン型a/dコンバータ及びパイプライン型a/dコンバータの制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3138262B2 (ja) 2001-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7397409B2 (en) Multi-bit pipeline analog-to-digital converter having shared amplifier structure
US7978117B2 (en) Multi-stage dual successive approximation register analog-to-digital convertor and method of performing analog-to-digital conversion using the same
US7030804B2 (en) Switched-capacitor circuit and pipelined A/D converter
US6683554B2 (en) Analog-to-digital conversion circuit having increased conversion speed and high conversion accuracy
JPH02223227A (ja) 自己較正式パイプライン化範囲分割型アナログ・ディジタル変換器
EP2401814B1 (en) Capacitive voltage divider
US6229472B1 (en) A/D converter
CN111446964B (zh) 一种新型十四比特流水线-逐次逼近型模数转换器
JP3086636B2 (ja) アナログ−デジタル変換回路
US6295016B1 (en) Pipeline analog to digital (A/D) converter with relaxed accuracy requirement for sample and hold stage
US5739781A (en) Sub-ranging analog-to-digital converter with open-loop differential amplifiers
JP2004096636A (ja) アナログ−デジタル変換回路
JP3138261B2 (ja) アナログ−デジタル変換回路
JP3138262B2 (ja) アナログ−デジタル変換回路
JP6160444B2 (ja) アナログデジタル変換回路、アナログデジタル変換回路の制御方法
JP2000349635A (ja) アナログ−デジタル変換回路
CN114978182A (zh) 模数转换器、芯片及模数转换控制方法
JP3560433B2 (ja) A/d変換器
JP2004104810A (ja) アナログ−デジタル変換回路
JP3086638B2 (ja) デジタル−アナログ変換回路およびアナログ−デジタル変換回路
JP4858962B2 (ja) 半導体集積回路装置
JP3851305B2 (ja) アナログ−デジタル変換回路
JP2007049760A (ja) アナログ−デジタル変換回路
Malik et al. Simultaneous capacitor sharing and scaling for reduced power in pipeline ADCs
Vaz et al. Design of low-voltage CMOS pipelined ADCs using 1 pico-Joule of energy per conversion

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees