JP2000348852A - ヒーター及びその製造方法 - Google Patents

ヒーター及びその製造方法

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JP2000348852A
JP2000348852A JP15433699A JP15433699A JP2000348852A JP 2000348852 A JP2000348852 A JP 2000348852A JP 15433699 A JP15433699 A JP 15433699A JP 15433699 A JP15433699 A JP 15433699A JP 2000348852 A JP2000348852 A JP 2000348852A
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heater
heater element
electrode member
silicon
point metal
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JP15433699A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Watanabe
剛志 渡辺
Katsuro Inoue
克郎 井上
Kazunori Endo
和則 遠藤
Yoshihiko Murakami
嘉彦 村上
Masayuki Hashimoto
昌幸 橋本
Yukio Ikuhara
幸雄 生原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒーターエレメントと該ヒーターエレメント
に電力を供給するための電極部材との接続部分の耐酸化
性、耐腐食性が大幅に改善され、しかもメンテナンスが
容易なヒーター及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 炭化珪素焼結体からなるヒーターエレメ
ントと、このヒーターエレメントに電力を供給するため
の炭化珪素焼結体からなる電極部材とを、高融点金属を
0〜50重量%、珪素を100〜50重量%含有する接
合層により接合してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェハ等
の半導体基板を熱処理する装置等に用いて好適なヒータ
ー及びその製造方法に関し、特に、ヒーターエレメント
と該ヒーターエレメントに電力を供給するための電極部
材との接合部の耐酸化性及び耐腐食性が大幅に向上し、
しかもメンテナンスが容易なヒーター及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、IC、LSI、VLSI等の半導
体装置の製造ラインにおいては、シリコンウエハ等の半
導体基板を熱処理する工程は、フッ素系、塩素系の腐食
性ガス雰囲気や、酸素雰囲気、さらにはプラズマなどの
活性なガス雰囲気など、非常に過酷な条件下で行われ
る。この熱処理工程においては、半導体基板等を熱処理
するための処理室と、この処理室の外側に配置され該処
理室を所定の温度に保つためのヒーターとを備えた処理
装置が用いられるが、ヒーターは上述した雰囲気に侵さ
れて劣化してしまう虞があるために、熱処理室から隔離
したヒーター室内に該ヒーターを収容し、このヒーター
室内をN2ガス等の不活性ガスでパージすることによ
り、ヒーターを上述した雰囲気から保護している。
【0003】ところで、ヒーター室内にヒーターを収容
する構成では、処理室を間接に加熱する構成となるため
に、直接加熱する構成の装置と比べて熱効率が悪く、し
かも、別途パージ用の不活性ガスを流し続けるために余
分なランニングコストが加わるという問題点があり、そ
こで、近年、上述した雰囲気に侵され難い材料として、
耐酸化性、耐腐食性、高温特性に優れた炭化珪素焼結体
が注目され、この炭化珪素焼結体をヒーターエレメント
としたものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、炭化珪素焼
結体をヒーターエレメントとしたものがいかに優れたも
のといえども、ヒーターエレメントに電力を供給するた
めには、ヒーターエレメントと給電用電極部材とを導電
性の接合材で接合したり、あるいはクランプ等の固定具
を用いてヒーターエレメントと給電用電極部材とを接触
・固定させたり等の方法により、ヒーターエレメントに
給電用電極部材を電気的に接続する必要がある。
【0005】しかしながら、例えば、熱処理工程等にお
いては、このヒーターエレメントと給電用電極部材との
接続部分が酸素や腐食性ガスなどに曝された場合、接触
抵抗が増加するために該接続部分が異常加熱され、断線
等のトラブルの原因となる。そこで、この様なトラブル
を防止するために、給電用電極部材をフランジ等を用い
てシールし、このシール部分にパージガスを流すことに
より、給電用電極部材及び接続部分を保護している。こ
のため、処理室及びその周囲を給電用電極部材を保護す
るための構造とする必要があるとともに、パージガスの
導入及びその排気などの付帯設備をも必要とし、かつメ
ンテナンスも複雑になる等の問題点があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、ヒーターエレメントと該ヒーターエレメン
トに電力を供給するための電極部材との接続部分の耐酸
化性、耐腐食性が大幅に改善され、しかもメンテナンス
が容易なヒーター及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、炭化珪素焼結体か
らなるヒーターエレメントと、該ヒーターエレメントに
電力を供給するための炭化珪素焼結体からなる電極部材
とを、珪素単体、高融点金属を含有する珪素のいずれか
からなる接合層により接合することで、ヒーターエレメ
ントと電極部材との接合界面における耐酸化性、耐腐食
性が大幅に改善されることが明かとなった。本発明者等
は、以上の知見に基づき本発明に至ったのである。
【0008】すなわち、本発明の請求項1記載のヒータ
ーは、炭化珪素焼結体からなるヒーターエレメントと、
該ヒーターエレメントに電力を供給するための炭化珪素
焼結体からなる電極部材とを、高融点金属を0〜50重
量%、珪素を100〜50重量%含有する接合層により
接合してなることを特徴としている。
【0009】請求項2記載のヒーターは、請求項1記載
のヒーターにおいて、前記高融点金属は、Mo、W、T
a、Nb、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Tc、Re、
Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Hf、Ptまたはこれ
らの合金からなる群から選択された1種または2種以上
であることを特徴としている。
【0010】請求項3記載のヒーターは、請求項1また
は2記載のヒーターにおいて、前記接合層の厚みは0.
01〜500μmであることを特徴としている。
【0011】請求項4記載のヒーターの製造方法は、炭
化珪素焼結体からなるヒーターエレメントと、該ヒータ
ーエレメントに電力を供給するための炭化珪素焼結体か
らなる電極部材との間に、高融点金属を0〜50重量
%、珪素を100〜50重量%含有する接合剤を介在さ
せ、1350〜1600℃の温度下で熱処理し、前記ヒ
ーターエレメントと前記電極部材とを接合することを特
徴としている。
【0012】請求項5記載のヒーターの製造方法は、請
求項4記載のヒーターの製造方法において、前記接合剤
は、高融点金属粉末を0〜50重量%、珪素粉末を10
0〜50重量%含有する混合粉末を主成分とすることを
特徴としている。
【0013】請求項6記載のヒーターの製造方法は、請
求項5記載のヒーターの製造方法において、前記高融点
金属粉末および/または珪素粉末の平均粒子径は0.5
〜500μmであることを特徴としている。
【0014】請求項7記載のヒーターの製造方法は、請
求項4、5または6記載のヒーターの製造方法におい
て、前記熱処理は、大気圧下または加圧下で行うことを
特徴としている。
【0015】本発明のヒーターでは、炭化珪素焼結体か
らなるヒーターエレメントと、該ヒーターエレメントに
電力を供給するための炭化珪素焼結体からなる電極部材
とを、高融点金属を0〜50重量%、珪素を100〜5
0重量%含有する接合層により接合したことで、ヒータ
ーエレメントと電極部材との接合部における耐酸化性、
耐腐食性が大幅に向上し、断線等の不具合が生じる虞が
無くなる。これにより、ヒーターの信頼性が大幅に向上
するとともに、そのメンテナンスに要する時間及び手間
も大幅に減少することとなり、このヒーターを用いた場
合に製品の製造コストを大幅に削減することが可能にな
る。
【0016】また、この接合部を酸化性雰囲気や腐食性
雰囲気から保護する必要が無くなるので、この接合部を
保護するための部材やパージガスを流すためのガス制御
系及び排気系、及びこれらの制御設備が不要になり、周
辺機器を含めたヒーターの構成が簡単化され、周辺設備
を含めたヒーターのコストが大幅に削減される。
【0017】本発明のヒーターの製造方法では、炭化珪
素焼結体からなるヒーターエレメントと、該ヒーターエ
レメントに電力を供給するための炭化珪素焼結体からな
る電極部材との間に、高融点金属を0〜50重量%、珪
素を100〜50重量%含有する接合剤を介在させ、そ
の後1350〜1600℃の温度下で熱処理するという
簡単な方法で、耐酸化性、耐腐食性に優れた接合層を介
してヒーターエレメントと電極部材とを接合することが
可能になる。これにより、耐酸化性、耐腐食性に優れ、
しかも製造コストの低いヒーターが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のヒーター及びその製造方
法の一実施形態について説明する。ただし、この実施の
形態は、特に指定のない限り、発明内容を限定するもの
ではない。
【0019】本発明のヒーターは、炭化珪素(SiC)
焼結体からなるヒーターエレメントと、このヒーターエ
レメントに電力を供給するためのSiC焼結体からなる
電極部材とを、高融点金属を0〜50重量%、珪素(S
i)を100〜50重量%含有する接合層により接合す
ることで、この接合部の耐酸化性、耐腐食性の向上が図
られているものである。
【0020】ここで、前記Siは、半導体製造工程にお
けるSi基板と組成が一致することから、この製造工程
においては汚染源とはならず、しかも、ヒーターエレメ
ント及び電極部材を構成するSiC焼結体との濡れ性も
良いため、接合層の主成分としては最適である。このS
iの含有量は、高融点金属を除く残部、すなわち100
〜50重量%であり、Siの含有量を100重量%(S
i単体)とした接合層を用いても充分接合することがで
きる。
【0021】前記高融点金属は、融点が1200℃以上
の金属であり、例えば、Mo、W、Ta、Nb、Ti、
Zr、V、Cr、Mn、Tc、Re、Ru、Rh、P
d、Os、Ir、Hf、Ptまたはこれらの合金からな
る群から選択された1種または2種以上からなるもので
ある。これらの高融点金属は、高温でも蒸気圧が低く、
半導体製造工程においては汚染源とはならない。したが
って、この高融点金属を前記Siに混ぜて接合層として
も不具合が生じる虞は無い。
【0022】また、前記Siの熱膨張率はSiCの熱膨
張率より少し大きいが、熱膨張率がSiCより低い高融
点金属を混ぜることにより、接合層の熱膨張率を母材の
SiCに近づけることができる。ここで、高融点金属の
含有量を0〜50重量%とした理由は、含有量が50重
量%を越えると、接合層の表面に形成されるSi-O結
合を有する保護膜が表面全体を緻密に覆うことができな
くなり、耐酸化性や耐腐食性が大幅に低下するからであ
る。
【0023】この接合層は、高融点金属を0〜50重量
%含有するSiとしたことにより、耐酸化性、耐腐食性
に優れたものとなる。したがって、フッ素系、塩素系の
腐食性ガス雰囲気中、酸素雰囲気中、さらにはプラズマ
などの活性なガス雰囲気中等、非常に過酷な雰囲気下に
おいても、ヒーターエレメントに電力を供給するための
電極部材を熱処理室から隔離してヒーター室に配置した
り、このヒーター室をN2ガス等の不活性ガスでパージ
して前記電極部材を保護したり等を行う必要がない。
【0024】この接合層の厚みは特に制限されるもので
はないが、0.01〜500μmの範囲が好ましい。そ
の理由は、厚みが0.01μm未満では、接合層が非常
に薄いものとなってしまうために充分な接合強度が得ら
れず、また、厚みが500μmを越えると、接合層が厚
くなり過ぎるために電気抵抗が大きくなり、通電した際
に該接合層の部分が発熱し、この熱により接合層の材質
が劣化したり、あるいは接合層に亀裂や割れが生じたり
等の不具合が生じるようになり、ヒーターとしての信頼
性が低下するからである。
【0025】本発明のヒーターは、SiC焼結体からな
るヒーターエレメントと、このヒーターエレメントに電
力を供給するためのSiC焼結体からなる電極部材との
間に、高融点金属を0〜50重量%、珪素を100〜5
0重量%含有する接合剤を介在させ、その後1350〜
1600℃の温度下で熱処理することにより得ることが
できる。
【0026】前記接合剤は、高融点金属粉末を0〜50
重量%、Si粉末を100〜50重量%含有する混合粉
末を、エチルセルローズ等の有機バインダーをブチルカ
ルビトールアセテート、テレピオネール、スクリーンオ
イル等の有機溶媒に溶解したビヒクル中にめのう乳鉢等
を用いて分散・混練することにより、所定の粘度を有す
るペースト状の接合剤とされる。
【0027】前記高融点金属粉末としては、例えば、M
o、W、Ta、Nb、Ti、Zr、V、Cr、Mn、T
c、Re、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Hf、Pt
またはこれらの合金からなる群から選択された1種また
は2種以上を含有する高融点金属粉末が好適に用いられ
る。特に、Mo、W、Ta、Nbまたはこれらの合金か
らなる群から選択された1種または2種以上を含有する
高融点金属粉末を用いると、接合層の耐酸化性、耐久性
がより一層向上するので好適である。
【0028】前記高融点金属粉末および/またはSi粉
末の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、接
合層としての緻密さ、ビヒクル中での分散性や混練の仕
易さ等を勘案すると、0.5〜500μmの範囲のもの
が好ましい。平均粒子径が0.5μmより小さい場合、
これらの粒子の表面が非常に活性化されるために、雰囲
気ガスと反応して表面に窒化物や酸化物等の異物が形成
されるという不都合が生じる虞がある。また、平均粒子
径が500μmより大きい場合、得られた接合層が緻密
にならず、この接合層中に隙間が生じ、接合強度及び電
気伝導性が低下してしまうので好ましくない。
【0029】この様にして得られた接合剤を、SiC焼
結体製のヒーターエレメントの接合面、及びSiC焼結
体製の電極部材の接合面に塗布し、その後、乾燥機等を
用いて、例えば120℃にて20分間乾燥する。次い
で、ヒーターエレメント上に塗布された接合剤と、電極
部材の接合面上に塗布された接合剤とが密着するよう
に、これらヒーターエレメント及び電極部材を組み立
て、ヒーターユニットとする。次いで、このヒーターユ
ニットを電気炉内にセットし、500℃程度の温度下に
おいて20分間脱脂を行う。
【0030】次いで、この脱脂されたヒーターユニット
を電気炉内にセットし、この電気炉内を大気圧下または
加圧下の不活性ガス雰囲気とした後、1350℃〜16
00℃の温度下で5〜60分、熱処理する。この熱処理
により接合剤が固化し、ヒーターエレメントと電極部材
との接合部に緻密な接合層が形成される。これにより、
SiC焼結体製のヒーターエレメントとSiC焼結体製
の電極部材が強固に接合される。
【0031】ここで、脱脂時及び熱処理時の雰囲気は特
に限定されないが、前記ヒーターエレメント、前記電極
部材及び前記接合剤は、酸化性雰囲気等の反応性の高い
雰囲気では表面が反応して酸化物等の異物が生成してし
まうため好ましくなく、反応性の低い雰囲気、例えばN
2ガス等の不活性ガス雰囲気が好ましい。また、熱処理
においては、接合剤の主成分であるSiの蒸気圧が非常
に高いので、接合箇所以外のヒーターエレメントや電極
部材へのSiの蒸着を防止するために、減圧下よりも大
気圧下若しくは加圧下で行うのが好ましい。
【0032】熱処理における温度は、1350℃〜16
00℃の範囲が好適であり、特に、接合層の強度は、1
500℃程度の温度で熱処理した場合に優れたものとな
る。ここで、温度が1350℃未満では、前記接合剤中
のSiが接合界面において充分反応することができず、
接合剤としての働きを十分に発揮することができない。
また、温度が1600℃以上では、Siの蒸気圧が高く
なり過ぎるために、Siが前記ヒーターエレメントと前
記電極部材の接合部の周辺に付着してしまう虞がある。
このヒーターエレメント及び電極部材にSiが付着した
まま通電すると、Siが付着した部分に集中して電流が
流れて過熱し、ショートや放電などのトラブルの原因と
なるため好ましくない。
【0033】このようなヒーターにあっては、SiC焼
結体からなるヒーターエレメントと、該ヒーターエレメ
ントに電力を供給するためのSiC焼結体からなる電極
部材とを、高融点金属を0〜50重量%、Siを100
〜50重量%含有する接合層により接合したので、ヒー
ターエレメントと電極部材との接合部における耐酸化
性、耐腐食性が大幅に向上し、断線等の不具合が生じる
虞が無い。したがって、ヒーターの信頼性が大幅に向上
し、そのメンテナンスに要する時間及び手間も大幅に減
少する。その結果、このヒーターを用いた場合に製品の
製造コストを大幅に削減することが可能になる。
【0034】また、このヒーターにおいては、従来の様
な接合部を保護するための部材やパージガスを流すため
のガス制御系及び排気系、及びこれらの制御設備が不要
になるので、周辺機器を含めたヒーターの構成を簡単化
することが可能であり、周辺設備を含めたヒーターのコ
ストを大幅に削減することが可能になる。
【0035】このようなヒーターの製造方法にあって
は、SiC焼結体からなるヒーターエレメントと、該ヒ
ーターエレメントに電力を供給するためのSiC焼結体
からなる電極部材との間に、高融点金属を0〜50重量
%、珪素を100〜50重量%含有する接合剤を介在さ
せ、次いで、前記ヒーターエレメント、前記電極部材及
び該接合剤を1350〜1600℃の温度下で熱処理
し、前記ヒーターエレメントと前記電極部材とを接合す
る。これにより、耐酸化性、耐腐食性に優れた接合層を
介して前記ヒーターエレメントと前記電極部材とを接合
することが可能になり、耐酸化性、耐腐食性に優れ、し
かも製造コストの低いヒーターを得ることができる。
【0036】以下、本発明の実施例及び比較例について
説明する。(実施例1〜5)まず、表1に示す各種組成
の接合剤をそれぞれ作製し、これらの接合剤を用いて、
8インチシリコンウェハー加熱用のSiC焼結体製のヒ
ーターエレメントの接合面、及びSiC焼結体製の電極
部材の接合面に塗布し、その後、乾燥機等を用いて、例
えば120℃にて20分間乾燥した。
【0037】次いで、これらヒーターエレメント及び電
極部材を所定の形状に組み立て、ヒーターユニットと
し、次いで、例えば、500℃にて20分間脱脂を行っ
た。次いで、これらのヒーターユニットを大気圧下かつ
1500℃の温度下で熱処理することにより、ヒーター
エレメントと電極部材とを接合し、実施例1〜5各々の
ヒーターを得た。
【0038】(比較例1)実施例1において接合剤の組
成を表1に示すように変更した点の他は、実施例1と同
様に行い、比較例1としてのヒーターを得た。
【0039】(1)耐酸化性試験 実施例1〜5及び比較例1各々のヒーターに対し、ヒー
ターエレメントと電極部材との接合界面における耐酸化
性試験を実施した。ここでは、大気中かつ1200℃の
温度下にて、該ヒーターエレメント及び電極部材に通電
して加熱した。この1200℃における1回の保持時間
を23時間とし、1200℃から30分で室温まで冷却
した後、このヒーターエレメントと電極部材との間の抵
抗値を測定した。その後、前記加熱及び前記抵抗値測定
を繰り返し行い(最高600回)、耐酸化性の評価を行
った。耐酸化性の評価は、抵抗値が初期値から20%以
上増加した場合に、使用限界、すなわち「耐酸化性の劣
化」と判定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(2)耐腐食性試験(その1) 実施例1〜5及び比較例1各々のヒーターに対し、ヒー
ターエレメントと電極部材との接合界面における耐腐食
性試験(その1)を実施した。ここでは、加熱雰囲気を
大気中から100TorrのClF3雰囲気中に変更し
た点の他は、(1)耐酸化性試験と全く同様とした。耐
腐食性の評価は、抵抗値が初期値から20%以上増加し
た場合に、使用限界、すなわち「耐腐食性の劣化」と判
定した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】(3)耐腐食性試験(その2) 実施例1〜5及び比較例1各々のヒーターに対し、ヒー
ターエレメントと電極部材との接合界面における耐腐食
性試験(その2)を実施した。ここでは、加熱雰囲気を
大気中から100TorrのHF雰囲気中に変更した点
の他は、(1)耐酸化性試験と全く同様とした。耐腐食
性の評価は、(2)耐腐食性試験(その1)と全く同様
とした。その結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】実施例1〜5のヒーターでは、(1)耐酸
化性試験、(2)耐腐食性試験(その1)、(3)耐腐
食性試験(その2)共に、接合界面の抵抗値の初期値が
6Ω程度であり、加熱を繰り返し行うことにより抵抗値
が初期値から僅かに増加し、600回加熱した後におい
ても6Ω台の抵抗値を保持している。これにより、
(1)耐酸化性試験、(2)耐腐食性試験(その1)、
(3)耐腐食性試験(その2)共に良好であることがわ
かる。
【0046】一方、比較例1のヒーターでは、(1)耐
酸化性試験、(2)耐腐食性試験(その1)、(3)耐
腐食性試験(その2)共に、接合界面の抵抗値の初期値
が6.0Ωと実施例1〜5のヒーターと変わらなかった
ものの、加熱を繰り返し行うことにより抵抗値が漸次増
加し、100回加熱した後においては8Ω台の抵抗値と
なり、初期値から20%以上増加し、使用限界を越えて
いることがわかる。その後、加熱を繰り返すことによ
り、抵抗値はさらに大きく変化し、(1)耐酸化性試
験、(2)耐腐食性試験(その1)、(3)耐腐食性試
験(その2)共に劣化しているのは明かであった。
【0047】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のヒーターに
よれば、炭化珪素焼結体からなるヒーターエレメント
と、該ヒーターエレメントに電力を供給するための炭化
珪素焼結体からなる電極部材とを、高融点金属を0〜5
0重量%、珪素を100〜50重量%含有する接合層に
より接合したので、ヒーターエレメントと電極部材との
接合部における耐酸化性、耐腐食性を大幅に向上させる
ことができ、断線等の不具合が生じる虞が無い。したが
って、ヒーターの信頼性を大幅に向上させることがで
き、そのメンテナンスに要する時間及び手間も大幅に削
減することができ、さらに、このヒーターを用いた場合
においては製品の製造コストを大幅に削減することがで
きる。
【0048】また、この接合部を酸化性雰囲気や腐食性
雰囲気から保護する必要が無くなるので、この接合部を
保護するための部材やパージガスを流すためのガス制御
系及び排気系、及びこれらの制御設備が必要無くなり、
周辺機器を含めたヒーターの構成を簡単化することがで
きる。したがって、周辺設備を含めたヒーターのコスト
を大幅に削減することができる。
【0049】本発明のヒーターの製造方法によれば、炭
化珪素焼結体からなるヒーターエレメントと、該ヒータ
ーエレメントに電力を供給するための炭化珪素焼結体か
らなる電極部材との間に、高融点金属を0〜50重量
%、珪素を100〜50重量%含有する接合剤を介在さ
せ、1350〜1600℃の温度下で熱処理するので、
耐酸化性、耐腐食性に優れた接合層を介してヒーターエ
レメントと電極部材とを接合することができ、その結
果、耐酸化性、耐腐食性に優れ、しかも製造コストの低
いヒーターを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 和則 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 村上 嘉彦 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 橋本 昌幸 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 (72)発明者 生原 幸雄 千葉県市川市二俣新町22−1 住友大阪セ メント株式会社新材料事業部内 Fターム(参考) 3K092 PP09 QB09 QB71 QC13 UB01 4G026 BA14 BB14 BF31 BF35 BF36 BF43 BG02 BG22 BG30 BH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素焼結体からなるヒーターエレメ
    ントと、該ヒーターエレメントに電力を供給するための
    炭化珪素焼結体からなる電極部材とを、高融点金属を0
    〜50重量%、珪素を100〜50重量%含有する接合
    層により接合してなることを特徴とするヒーター。
  2. 【請求項2】 前記高融点金属は、Mo、W、Ta、N
    b、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Tc、Re、Ru、
    Rh、Pd、Os、Ir、Hf、Ptまたはこれらの合
    金からなる群から選択された1種または2種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のヒーター。
  3. 【請求項3】 前記接合層の厚みは0.01〜500μ
    mであることを特徴とする請求項1または2記載のヒー
    ター。
  4. 【請求項4】 炭化珪素焼結体からなるヒーターエレメ
    ントと、該ヒーターエレメントに電力を供給するための
    炭化珪素焼結体からなる電極部材との間に、高融点金属
    を0〜50重量%、珪素を100〜50重量%含有する
    接合剤を介在させ、1350〜1600℃の温度下で熱
    処理し、前記ヒーターエレメントと前記電極部材とを接
    合することを特徴とするヒーターの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接合剤は、高融点金属粉末を0〜5
    0重量%、珪素粉末を100〜50重量%含有する混合
    粉末を主成分とすることを特徴とする請求項4記載のヒ
    ーターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高融点金属粉末および/または珪素
    粉末の平均粒子径は0.5〜500μmであることを特
    徴とする請求項5記載のヒーターの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱処理は、大気圧下または加圧下で
    行うことを特徴とする請求項4、5または6記載のヒー
    ターの製造方法。
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