JP2000347040A - 微細パターンの製造装置および製造方法 - Google Patents

微細パターンの製造装置および製造方法

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JP2000347040A
JP2000347040A JP11154091A JP15409199A JP2000347040A JP 2000347040 A JP2000347040 A JP 2000347040A JP 11154091 A JP11154091 A JP 11154091A JP 15409199 A JP15409199 A JP 15409199A JP 2000347040 A JP2000347040 A JP 2000347040A
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etching
thin film
electron beam
light
opaque thin
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Hisanori Yoshimizu
久典 吉水
Akihiro Yamazaki
哲広 山崎
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基板上の不透明薄膜のエッチングに際
し、不透明薄膜のエッチングの終点のモニタリングが正
確に出来る微細パターンの製造装置及び方法を提供す
る。 【解決手段】 ガラス基板と、ガラス基板の第1の主表
面の上の不透明薄膜と、不透明薄膜の上のマスク層とか
らなる被加工試料63を収納するエッチング槽6と、ガ
ラス基板の第2の主表面側から、単色光を入射させる単
色光入射手段(1、17)と、第1の主表面側から出射
した複数の次数の異なる回折光を同時に検出するための
第1及び第2の光検出手段2,3と、第1及び第2の光
検出手段2,3からの出力を用いて所定の演算をする演
算器4とを少なくとも具備している。演算器4により、
複数の次数の異なる回折光の強度比を算出し、強度比に
よりエッチング終点を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折格子(ホログ
ラムパターン)等の光の波長程度、若しくはこれ以下の
微細寸法を有した微細パターンの製造装置、およびこの
微細パターン製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】投射型ディスプレイには、光の波長程
度、若しくはこれ以下の微細寸法を有した微細パターン
からなるマイクロレンズアレイをカラーフィルタとして
使用するものがある。光利用率の高い投射型のディスプ
レイシステムを実現するためには、このカラーフィルタ
を構成する体積ホログラムが良好な分光特性や理想的な
集光特性を具備することが要求される。
【0003】体積ホログラムの作製法に、表面ホログラ
ムをマスタホログラムとして用いた干渉法記録法があ
る。この方法は、マスタホログラムとしての表面ホログ
ラムに、特定角度から入射した光が、回折格子により0
次回折光と1次回折光に分岐し、その0次回折光と1次
回折光の干渉により感光体に体積ホログラムパターンを
記録し、体積ホログラムを作製する方法である。この方
法は、0次回折光と1次回折光の角度や位置のアライメ
ントが不要で、また、マイクロレンズパターンをマスタ
ホログラム面内に必要な分だけ形成しておけば、一回の
干渉でマイクロレンズパターンが転写できるため、精
度、量産性ともにすぐれた体積ホログラムの作製手段で
ある。ただし、実際には、マスタホログラム作製に際し
て、光の波長程度、若しくはこれ以下の微細寸法、即
ち、サブミクロン寸法の加工を大面積に行う必要がある
ため高度な微細加工技術が必要となる。
【0004】マスタホログラムには、位相変調回折格子
と振幅変調回折格子とがある。位相変調マスタホログラ
ムは、レジストパターンをマスクとしてガラス基板の表
面をエッチングすることによりガラス基板上に凹凸を形
成し、透過する光の位相を変調することにより回折光を
発生させるものである。この位相変調型ホログラムにお
いては、ガラス基板上には凹凸しか存在しないため、入
射した光のほぼ全てが0次回折光と1次回折光となる。
また、凹凸の段差を制御することで0次回折光と1次回
折光の比をある程度制御できる。ところが、位相変調型
ホログラムパターンのグレーティングピッチが記録波長
より短くなると1次回折効率が低くなり、相対的に0次
回折効率が大きくなるので良好な記録ができなくなる。
【0005】一方、振幅変調回折格子は、ガラス基板上
に、遮光部と光透過部とからなる周期的なスリットパタ
ーンを形成することで回折光を発生させるものである。
振幅変調ホログラムでは記録波長以下のグレーティング
ピッチでも0次回折光と1次回折光の回折効率をほぼ等
しくすることができ、良好な体積ホログラムが作製でき
る。従って、グレーティングピッチが記録波長より短く
なるような微細パターンの場合は、振幅変調回折格子が
好適である。
【0006】この振幅変調型のマスタホログラムの作製
手順は、おおよそ以下の通りである。
【0007】・まず、ガラス基板上に金属膜を形成し、
この金属膜上に電子線レジスト膜を形成する。
【0008】・そして、電子ビーム描画法で電子線レジ
ストを露光・現像し、金属膜上にレジストパターンを形
成する。
【0009】・次に、このレジストパターンをマスクと
して金属膜をエッチングし、金属膜がスリット構造とな
ったマスタホログラムを得る。
【0010】その後、ガラス基板上に形成されたフォト
ポリマー等の感光体を用意する。この感光体の表面に
は、ポリビニルアルコール(PVA)などによる保護膜
が形成されている。そして、上記のマスタホログラム
(表面ホログラム)を用いて、干渉記録法により、感光
体内に体積ホログラムを作製し、ホログラムレンズアレ
イが作製される。干渉記録法においては、マスタホログ
ラムに特定角度から光を入射し、回折格子により0次回
折光と1次回折光に分岐することを利用する。つまり、
0次回折光と1次回折光の干渉により感光体の内部に体
積ホログラムを記録する。
【0011】こうして作製された体積ホログラムから構
成されたカラーフィルタ基板を、赤(R)、緑(G)、
青(B)の各色について、アクティブマトリクス基板と
組み合わせてカラーフィルタとして用いる。アクティブ
マトリクス基板とは、トランジスタ等の能動素子(アク
ティブ・エレメント)がX−Yマトリクス状に配列され
た基板をいう。カラーフィルタ基板とアクティブマトリ
クス基板の各色の画素とは、厳密な位置合わせを行う必
要がある。位置合わせが終了したら、カラーフィルタ基
板とアクティブマトリクス基板とを、内部に空洞を形成
するように設けられたシールパターンにより固定する。
そして、この空洞の内部に液晶を注入する。
【0012】一般に、このような金属膜(不透明薄膜)
がガラス基板(透明基板)上にスリット構造に配置され
た微細パターンを形成するためには、電子ビーム描画法
で形成した微細寸法を有したレジストパターンをマスク
として、金属膜をエッチングする。しかし、金属膜のエ
ッチング時の終点の検出(モニタリング)を正確に実施
しないと、オーバーエッチングにより、金属膜のサイド
エッチングが進み、エッチングによるパターン変換差が
大きくなり、所望の微細パターンが得られない。
【0013】一方、全般的な微細パターンのエッチング
の終点決定の方法として、被エッチング材のエッチング
レートからの算術的エッチング時間の設定による原始的
な方法が行われていた。また、特開平3−200149
号公報に示されるようなダミーパターンに単色光を当
て、その回折光をモニタリングし、予め求めておいた所
望のエッチング深さの時に発生する回折光強度になった
ところをエッチングの終点とする終点モニタリング技術
が提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の被エッチング材
のエッチングレートからの算術的エッチング時間の設定
による原始的なエッチングの終点決定の方法では、エッ
チングレートが何らかの原因で変動すれば、正確なエッ
チングの終点決定は不可能となる。ドライエッチング等
では、エッチング用の真空チャンバ内に反応生成物が付
着するので、一般に、常に一定のエッチングレートを維
持するのは困難で、従って、エッチングレートからの算
術的エッチング時間の設定による終点決定方法は、回折
格子等の微細パターンの終点決定方法としては適当では
ない。
【0015】また、特開平3−200149号公報に示
された終点モニタリング技術は、位相変調型回折格子に
は適用できるが、振幅変調型回折格子には、その構造上
適用不可能である。なぜならば、振幅変調型回折格子の
形成工程は、ガラス基板上の金属膜を選択的にエッチン
グし、残留した金属膜からなる遮光部と金属膜が除去さ
れた部分からなる光透過部からなるライン・アンド・ス
ペース・パターン(スリット構造)を形成するため、単
色光をパターン面側から照射しても、位相変調型回折格
子とは異なり、照射面側からの回折光は得られないから
である。即ち、特開平3−200149号公報に示され
た終点モニタリング技術においては、回折光を捕らえる
ことが出来ず、終点モニタリングは不可能である。
【0016】このように、エッチングレートからエッチ
ング時間を設定する方法や、特開平3−200149号
公報に示される終点モニタリング技術では、良好なマス
タホログラムを得ることは不可能であった。
【0017】寸法精度が正確な良好なマスタホログラム
が得られなければ、干渉記録法により、このマスタホロ
グラムを用いて、感光体(ホログラム材)内に体積ホロ
グラムを作製し、カラーフィルタ基板を構成しても、良
好なカラーフィルタ基板は得られない。ホログラム材へ
の良好な記録を行うためには、寸法精度の正確な、マス
タホログラムが要求される。体積ホログラム中に、本来
記録したい1次回折光の他に2次回折光などの高次回折
光が記録されると、この高次回折光の存在により、その
分1次回折光の回折効率が落ちる。このため、投射型デ
ィスプレイ装置に用いた場合には、投射輝度のロスに繋
がり、コントラストの低下に繋がるという不都合を呈す
る。つまり、投射輝度の高いディスプレイ装置を組み立
てるためには、1次回折光強度に対して2次回折光強度
を最小になるように制御された寸法精度の高いマスタホ
ログラムが必要となる。
【0018】上記問題点を鑑み、本発明は、透明基板上
に設けられた不透明薄膜のエッチングに際し、このエッ
チングの終点の検出(モニタリング)が正確に出来る微
細パターンの製造装置を提供することを目的とする。
【0019】本発明の他の目的は、透明基板上に一定の
ライン・アンド・スペースパターンを形成するに際し、
所望のデューティが正確に得られる微細パターンの製造
装置を提供することである。ここで、「デューティ」と
は、ライン・アンド・スペースパターンの繰り返しピッ
チに対するスペース部の寸法の比を言う。
【0020】本発明のさらに他の目的は、透明基板上に
設けられた不透明薄膜のエッチングに際し、不透明薄膜
のエッチングの終点のモニタリングが正確に出来る微細
パターンの製造方法を提供することである。
【0021】本発明のさらに他の目的は、所望のデュー
ティが正確に得られる微細パターンの製造方法を提供す
ることである。
【0022】本発明のさらに他の目的は、短い時間で、
所望のデューティを有した微細パターンが効率よく、且
つ正確に製造できる微細パターンの製造方法を提供する
ことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の特徴は、透明基板上と、この上の不透
明薄膜とからなるライン・アンド・スペース・パターン
部を少なくとも一部に有するパターンを製造するための
装置であって、透明基板と、透明基板の第1の主表面の
上に形成された不透明薄膜と、不透明薄膜の上に形成さ
れたマスク層とからなる被加工試料を収納するエッチン
グ槽と、透明基板の第1の主表面に対向した第2の主表
面側から、所定の偏光の単色光を入射させる単色光入射
手段と、第1の主表面側から出射した複数の次数の異な
る回折光を同時に検出するための複数の光検出手段と、
複数の検出手段からの出力を用いて所定の演算をする演
算器とを具備し、演算器により、複数の次数の異なる回
折光の強度比を算出し、強度比によりエッチング終点を
判定する微細パターンの製造装置であることである。
【0024】ここで、「透明基板」として、例えば、石
英ガラス基板等のガラス基板が使用できる。「不透明薄
膜」として、例えば、クロム(Cr)膜等の金属膜が使
用でき、「マスク層」としては、例えば、電子線レジス
ト等のレジスト膜等が代表的な例である。光の波長を選
択すれば、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaA
s)等の半導体基板を「透明基板」として使用可能であ
る。「不透明薄膜」としては、アルミニウム(Al)等
の低融点金属、タングステン(W)、チタン(Ti)、
モリブデン(Mo)等の高融点金属、高融点金属のシリ
サイド(WSi,TiSi,MoSi)等でも良
い。あるいは、「不透明薄膜」として、例えば、酸化ク
ロム(CrO)膜/クロム(Cr)膜の金属酸化膜と
金属膜との複合膜等を用いても良い。「マスク層」とし
ては、例えば、電子線レジスト等のレジスト膜と酸化膜
等の絶縁膜との複合膜でもかまわない。
【0025】また、本発明の第1の特徴における「エッ
チング槽」とは、ウェットエッチング用のエッチング液
を入れる、化学薬品に対して安定な容器や、ドライエッ
チングに用いる内部を真空排気可能な閉空間(真空チャ
ンバ)を含む概念である。つまり、本発明のエッチング
は、ウェットエッチングでもドライエッチングでもかま
わない。また、ドライエッチングは、プラズマ反応、イ
オンビーム反応、或いは紫外(UV)線等の光反応を用
いた光励起エッチング等が採用できる。
【0026】本発明の第1の特徴は、ライン・アンド・
スペース・パターンによる0次回折光、1次回折光、2
次回折光、・・・・・のそれぞれの回折光の強度変化が、デ
ューティに対して、それぞれ異なった変化を示すという
事実に基づいている。ここで、「デューティ」とは、ラ
イン・アンド・スペース・パターンにおけるピッチに対
するスペース部(開口部)の寸法の比である。つまり、
不透明薄膜の除去された部分(開口部)の面積がエッチ
ングの進行に伴い増加するに従い、デューティも増加
し、これに応じて0次回折光、1次回折光、2次回折
光、・・・・・のそれぞれの回折光の強度がそれぞれ独自の
傾向で変化する。従って、異なる次数の回折光間の回折
強度の比を演算器において算出することにより、正確な
エッチング終点を判定するのである。特に、デューティ
が増加した場合の1次回折光の強度に対する2次回折光
強度の比は最初は減少し、所定のデューティに対して極
小値をとり、その後増加する下に凸の変化を示す。従っ
て、マスタホログラム等の製造に際しては、この極小値
において、エッチングを終了させれば回折効率の高い回
折格子が得られる。
【0027】なお、単色光入射手段、複数の光検出手段
は、エッチング槽の外部に配置しても良く、その一部又
は全部をエッチング槽の内部に配置することも可能であ
る。ドライエッチングの場合には、エッチング用ガスに
よる腐食に注意をする必要があるが、エッチング槽とな
る真空チャンバ内に配置すれば、真空チャンバにモニタ
光や回折光透過用の窓部を設ける必要がなくなる利点を
有する。
【0028】また、本発明の第1の特徴において、「複
数の光検出手段」とは、少なくとも、第1及び第2の光
検出手段の2つの光検出手段があれば、基本的な演算は
可能である。しかし、2つの光検出手段に限定される理
由はなく、3つ以上の光検出手段から構成して、その光
検出手段の数に対応した(3種以上の)回折光を検出す
るようにしても良いことは勿論である。
【0029】本発明の第2の特徴は、透明基板上に、不
透明薄膜を選択的に残留させて形成したライン・アンド
・スペース・パターン部を少なくとも一部に有するパタ
ーンを製造するための方法であって、(イ)透明基板の
第1の主表面上に形成された不透明薄膜の上に、不透明
薄膜とは異なる材料層を形成した被加工試料を用意する
工程と、(ロ)材料層の一部を選択的に除去し、不透明
薄膜のエッチング用マスクを形成する工程と、(ハ)透
明基板の第1の主表面に対向した第2の主表面側から、
所定の偏光の単色光を入射させ、第1の主表面側から出
射した複数の次数の異なる回折光を同時に検出しなが
ら、不透明薄膜のエッチングをする工程と、(ニ)複数
の次数の異なる回折光の強度比を算出し、強度比により
エッチング終点を判定する工程、とからなる微細パター
ンの製造方法であることである。例えば、「透明基板」
はガラス基板であり、「不透明薄膜」は酸化クロム(C
rO)膜/クロム(Cr)膜の金属膜であり、「不透
明薄膜とは異なる材料層」は電子線レジスト等のレジス
トが代表的な被加工試料である。この被加工試料は、ク
ロム(Cr)マスク基板上に電子線レジスト等のレジス
ト膜を塗布した状態で、商業的に入手してもかまわな
い。また、第1の特徴で説明したように、「透明基板」
や「不透明薄膜」は他の種々の材料が選択できる。「不
透明薄膜とは異なる材料層」として、例えば、レジスト
膜と酸化膜等の絶縁膜等との複合膜も使用可能である。
【0030】本発明の第2の特徴は、第1の特徴と同様
に、ライン・アンド・スペース・パターンによる0次回
折光、1次回折光、2次回折光、・・・・・のそれぞれの回
折光の強度変化が、デューティに対して、それぞれ異な
った変化を示すという事実に基づいている。異なる次数
の回折光間の回折強度の比を演算器において、演算し、
その結果を算出することにより、正確なエッチング終点
を判定することが出来る。
【0031】特に、ガラス基板の上に酸化クロム(Cr
)膜/クロム(Cr)膜の金属膜(以下の説明にお
いては、これらの金属酸化膜と金属膜との複合膜も含め
て「金属膜」と総称することとする。)等を形成したラ
イン・アンド・スペース・パターンにおいては、デュー
ティが増加した場合の1次回折光の強度に対する2次回
折光強度の比の変化は、最初は減少し、所定のデューテ
ィに対して極小値をとり、その後増加する曲線、即ち、
下に凸の曲線で示される特性の変化を示すので、この極
小値において、エッチングを終了させれば回折効率の高
い回折格子を再現性良く得ることが出来る。
【0032】したがって、本発明の第2の特徴における
ライン・アンド・スペース・パターンは、マスタホログ
ラム用の回折格子パターンの製造に好適である。
【0033】光の波長以下の微細パターンで描画エリア
を有する微細パターンを描画するたには、電子ビーム描
画法による電子線レジストの露光が必要となる。しか
し、電子ビーム描画法による電子線レジストの露光の問
題点は、露光時間が極めて長いということである。この
ため、本発明の第2の特徴に係る微細パターンの製造方
法において、上記のエッチング用マスクを、電子ビーム
描画法で形成する場合は、このエッチング用マスクを形
成する工程は、電子線レジストに対し、電子ビームを大
電流(所定の電流値)にして描画エリア全面(全描画面
積)に、高速で全面露光する第1工程と、この第1工程
の後に、電子ビームを小電流(第1工程で規定する「所
定の電流値」よりも充分小さい電流値)にして、ビーム
径を、微細パターン描画に必要な所定の寸法に絞り、電
子線レジストを露光し、電子線レジストに対して微細パ
ターンを描画する第2工程と、この第2工程の後に、電
子線レジストの溶解速度の差を用いて、電子線レジスト
を現像及びリンスを行うことにより、電子線レジストか
らなる微細パターンを形成する第3工程とからなる多重
電子ビーム露光を行えば良い。ここで、「描画エリア」
とは、電子ビームが複数回走査(スキャン)された小さ
な矩形領域(「ショット面積」)を単位とし、このショ
ット面積が、マトリクス状に所定の個数だけ繰り返し配
置された矩形領域である。即ち、「描画エリア」は、す
べての描画されたパターンにより構成された大きな矩形
領域である。
【0034】即ち、第1工程により、大電流を用いた大
きな露光量で描画エリア全面を、短時間で、一括露光
し、全描画エリアにおいて、EB露光量に応じた溶解性
を持たせる。具体的に言うと、第1工程の(初段の)露
光で、ある程度低分子化が促進された層を形成し、現像
液に対して完全溶解性(速い溶解速度)を持たせるには
至らないが、溶解速度の遅い層を形成する。その後、第
2工程における小電流の電子ビームで、十分に低分子化
が促進された層を形成する。つまり、第1工程と第2工
程との2回の露光された部分のみが、選択的に低分子化
が完全に進行し、溶解速度が速い完全溶解性を有するよ
うになる。結果的には、第2工程における露光量は、通
常の露光に用いられる露光量より十分小さな露光量で描
画できる。そして、第3工程に於ける現像・リンス工程
で、溶解速度の差を利用して、溶解速度が速い完全溶解
性を有する部分のみを選択的に除去すれば、溶解速度が
速い電子線レジストは、膜厚の若干の減少はあるもの
の、ガラス基板上に残留するので、パターニングが可能
となる。第1工程における所定の電流値を、通常の電子
ビーム描画法に用いられる電流値の、例えば、100倍
以上の大電流とし、ビーム径を10倍以上に大きくして
露光すれば、第1工程の露光時間は、第2工程の露光時
間に比し、実質的に無視出来るほど短時間にすることが
可能である。従って、全体の描画時間(全描画面積露光
所要時間)を短縮することが可能となる。光の波長以下
の微細パターンを製造する際には、エッチング用マスク
を形成する工程の所要時間が最も長時間を要し、全体と
しての製造時間短縮のためのボトルネックとなってい
る。このため、電子ビーム描画法による電子線レジスト
の全体の描画時間(全描画面積露光所要時間)を短縮す
ることにより、微細パターンの製造方法の生産性を高め
ることが可能となる。
【0035】上記の本発明の第1の特徴及び第2の特徴
において、「透明基板」として半導体基板、「不透明薄
膜」として金属薄膜を対応させた半導体集積回路に特徴
的な構造も対象とすることが可能である。半導体基板
が、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)の場
合は、モニタリングに使用する単色光の波長は、シリコ
ン(Si)やガリウム砒素(GaAs)に対して透明な
赤外領域の波長を選べば良い。例えば、炭酸ガスレーザ
(波長10,6μm)やYAGレーザ(波長1.06μ
m)を単色光入射手段として採用すれば良い。透明基板
として石英ガラス等のガラス基板を用いる場合は、単色
光入射手段は波長514.5nmのアルゴン(Ar)ガ
スレーザや波長732.8nmのヘリウム(He)−ネ
オン(Ne)レーザ等が好適である。即ち、単色光入射
手段の波長は、「透明基板」として機能する材料に対し
て透明で、「不透明薄膜」に対しては不透明となる波長
領域の波長を選べば良い。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
第1乃至第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記
載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符
号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、
「透明基板」や「不透明薄膜」等の各層の厚みや寸法の
関係、或いはこれらの比率等は現実のものとは異なるこ
とに留意すべきである。したがって、図示された各層の
具体的な厚みや寸法等は以下の説明を参酌して判断すべ
きものである。
【0037】(第1の実施の形態:ウェットエッチン
グ)本発明の第1の実施の形態に係る微細パターンの製
造方法に用いるウェットエッチング装置を図1に示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るウ
ェットエッチング装置は、透明基板43と、透明基板4
3の第1の主表面の上に形成された不透明薄膜42と、
不透明薄膜42の上に形成されたマスク層47とからな
る被加工試料63(被加工試料63の構造は、図13及
び図7参照)を収納するエッチング槽6と、透明基板4
3の第1の主表面に対向した第2の主表面側から、所定
の偏光の単色光を入射させる単色光入射手段(1、1
7)と、第1の主表面側から出射した複数の次数の異な
る回折光を同時に検出するための複数の光検出手段(即
ち、ここでは、第1の光検出手段2及び第2の光検出手
段3)と、この複数の光検出手段(第1の光検出手段2
及び第2の光検出手段3)とからの出力を用いて所定の
演算をする演算器4とを少なくとも具備している。そし
て、演算器4により、複数の次数の異なる回折光の強度
比を算出し、強度比によりエッチング終点を判定する。
被加工試料63として、エッチング用マスク層としての
レジストパターン47が、不透明薄膜としての金属膜4
2の上に形成された透明基板(ガラス基板)43(図7
(d)参照)等が使用可能である。単色光入射手段1を
構成する単色光源1は、透明基板(ガラス基板)43を
透過する波長を考慮して、波長514.5nmのアルゴ
ン(Ar)ガスレーザ等が好適であり、偏光板17をA
rガスレーザ1の前面に置き、S波入射として、被加工
試料63に入射させれば良い。
【0038】図1に示すエッチング槽6内には、不透明
薄膜をエッチングするための所定のエッチング液7が収
納されている。エッチング液7は、透明基板に対する不
透明薄膜のエッチング選択比の大きいガスを用いれば良
い。たとえば、マスタホログラム用の表面ホログラムの
パターンを形成するために、透明基板としてガラス基板
を用いた場合であって、不透明薄膜としての酸化クロム
(CrO)膜/クロム(Cr)膜の多層膜をエッチン
グするのであれば、17重量%の硝酸セリウムアンモニ
ウム((NHCe(NO)と8重量%の過
塩素酸(HClO)及び75重量%の水とからなるエ
ッチング液7を用いれば良い。エッチング槽6はパイレ
ックスガラスや石英ガラス等の、終了点(エンドポイン
ト)モニタリング用の光が透過出来る透明材料で構成さ
れている。そして、被加工試料63が、基板ホルダー8
により吊されて、このエッチング液7内に投入されてい
る。基板ホルダー8は、ホルダー昇降機10により、上
下移動可能なように構成されている。そして、ウェット
エッチングの終了点(エンドポイント)と判断された
ら、ホルダー昇降機10を駆動して、被加工試料63
は、直ちに、エッチング液7から引き上げ、水洗を実施
し、ウェットエッチングの終了が出来るようになってい
る。このため、基板ホルダー8の被加工試料63の上方
に位置する部分には、シャワー水用穴9が設けられ、さ
らに、基板ホルダー8にはシャワー水バルブ13を介し
て、シャワー水導入口12が接続され、シャワー水が導
入できるように構成されている。エッチング槽6を介し
て、アルゴン(Ar)ガスレーザのS波は、図1に示す
ように入射角θは60度(固定)でガラス基板43(被
加工試料63)に入射する。そして、エッチング槽6の
外部で、単色光源1に対向する位置には、第1の光検出
手段(2次回折光ディテクター)2及び第2の光検出手
段(1次回折光ディテクター)3が配置されている。そ
して、エッチング槽6の底部には、エッチャント導入パ
イプ18とエッチャント排出パイプ19が設けられ、エ
ッチャント排出パイプ19には、エッチャント排水用の
バルブ14が設けられている。
【0039】第1の光検出手段(2次回折光ディテクタ
ー)2及び第2の光検出手段(1次回折光ディテクタ
ー)3と演算器4との間は、それぞれケーブル161,
162で接続され、第1の光検出手段(2次回折光ディ
テクター)2及び第2の光検出手段(1次回折光ディテ
クター)3からの演算器入力16が、演算器4に導かれ
ている。一方、演算器4とホルダー昇降機10、バルブ
14及びシャワー水バルブ13との間には、ケーブル1
51,152,153がそれぞれ接続され、演算器4か
らホルダー昇降機10、バルブ14及びシャワー水バル
ブ13へ演算器出力15を送ることができるようになっ
ている。
【0040】ライン・アンド・スペース・パターンのデ
ューティの変化に対する0次回折光、1次回折光及び2
次回折光のそれぞれの強度変化を図2に示す。このライ
ン・アンド・スペース・パターンは、透明基板として、
ガラス基板、不透明薄膜として酸化クロム(CrO
膜/クロム(Cr)膜の多層膜を用いた構造のものであ
る。既に定義したように、「デューティ」とは、ピッチ
に対するスペース部(開口部)の寸法の比であるが、デ
ューティが大きくなるに従い、つまり開口部の金属膜が
エッチングされるに従い各回折強度は、それぞれ異なっ
た傾向で増加することが分かる。
【0041】即ち、図2に示すように、0次回折光の強
度は単純増加の傾向で、且つデューティが大きい領域
で、1次回折光及び2次回折光の強度に比して、遙かに
大きな値である。1次回折光の強度はデューティ40%
程度までは、0次回折光とほぼ同じか、0次回折光より
若干大きな強度で、1次回折光の強度の増加とほぼ同様
な単純増加の傾向を示すが、デューティ40%程度から
飽和の傾向となる。2次回折光の強度は、全体的に0次
回折光、1次回折光に比して小さく、しかも2次回折光
の強度の変化は小さいため、その変化の傾向は、明確に
判断がしにくい。
【0042】図3は、2次回折光の強度の1次回折光の
強度に対する比と、対応するデューティの値との関係を
示す図である。図3に示すように、2次回折光の強度の
1次回折光の強度に対する比は、デューティ42〜43
%程度において極小値となる下に凸の曲線で示される変
化の特性を示す。従って、この関係を利用すれば、2次
回折光の強度の1次回折光の強度に対する比を測定する
ことにより、対応するデューティ値が決定でき、ライン
・アンド・スペース・パターンの終点モニタリングが可
能となる。
【0043】特に、回折格子のパターンの場合であれ
ば、2次回折光の強度の1次回折光の強度に対する比が
極小値となるエッチング時間において、エッチングを終
了すれば、1次回折光の強度に対し、相対的に2次回折
光の強度の小さい回折格子(マスタホログラム)を得る
ことが出来る。即ち、2次回折光の存在により、1次回
折光の回折効率が落ちることがないので、最も回折効率
の高い回折格子(マスタホログラム)が再現性良く得ら
れる。従って、この回折格子(マスタホログラム)を用
いて、体積ホログラムを作製し、カラーフィルタ基板を
構成し、これを用いた投射型ディスプレイ装置を組み立
てれば、投射輝度の高い良好な投射型ディスプレイ装置
を製造できる。
【0044】以下に、図1に示すウェットエッチング装
置を用いた場合の、本発明の第1の実施の形態に係る微
細パターンの製造方法の一例として、マスタホログラム
の製造方法を説明する。
【0045】(イ)まず、図13(a)に示すように、
ガラス基板(透明基板)43上に、金属膜(不透明薄
膜)42を形成する。ガラス基板43の材質としては、
平坦性が確保できる材質であれば何でもよく、石英ガラ
ス、ソーダ石灰ガラス、あるいは、低膨張係数のホウケ
イ酸ガラス等が適している。金属膜42として要求され
る条件は、完成した回折格子への入射光の波長に対して
遮光性が十分で、かつガラス基板43に密着性が高く、
かつ加工性が良いことである。このような条件を満足す
る不透明薄膜として、クロム(Cr)膜、若しくは酸化
クロム(CrO)膜/クロム(Cr)膜の多層膜等が
好適である。金属膜42の厚みは、遮光性と加工性(サ
イドエッチング量)の相反関係を考慮して決定すれば良
い。たとえば、本発明第1の実施の形態においては、酸
化クロム(CrO)膜が0.03μmで、クロム(C
r)膜が0.07μmの多層膜を金属膜42として用い
れば良い。次に、図13(a)に示すように、金属膜4
2上に電子線レジスト(不透明薄膜とは異なる材料層)
41を、厚さ0.1μm程度になるように、スピナを用
いて塗布し、所定の温度、時間ベークする。電子線レジ
スト41にはネガタイプとポジタイプの両方があるが、
振幅変調型の表面ホログラム(マスタホログラム)のよ
うなサブミクロンレベルの微細なグレーティングを多数
形成するパターンでは、パターンの裾引きがないポジタ
イプの電子線レジストが適している。例えば、ポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸メチル−イ
ソブチレン共重体、ポリスチレンスルホン等のポジタイ
プの電子線レジスト41を用いれば良い。
【0046】(ロ)一方、所望のレンズ効果を発生する
のに必要な回折格子パターンを電子計算機(CAD)を
用いて自動設計(関数計算)し、その図形データを電子
計算機(CAD)のデータ記録部に保存しておく。この
図形データを、電子計算機(CAD)のデータ記録部か
ら読み出し、図13(b)に示すように、電子線レジス
ト41の表面に、電子ビーム52を走査し、電子線レジ
スト41を露光する。この結果、所望のパターンが電子
ビーム描画法で電子線レジスト41に転写される。露光
後、電子線レジスト41を現像し、リンスすれば、図1
3(c)に示すように、電子線レジスト41のパターン
からなるレジストパターン47が形成できる。
【0047】(ハ)次に、図1に示すウェットエッチン
グ装置のエッチング槽6内に、エッチャント導入パイプ
18を介して、エッチング液7をポンプで流し込み、所
定の液面レベルまで、エッチング液7を満たす。そし
て、レジストパターン47が金属膜42の上に形成され
た被加工試料63を基板ホルダー8に吊し、ホルダ昇降
機10で被加工試料63をエッチング槽6に投入する。
このとき、単色光源1の配置された入射光源側に被加工
試料63を構成するガラス基板43の裏面がくるような
幾何学的配置にする。そして、偏光板17を用いてS波
となった、Arガスレーザ1からの入射光を、ガラス基
板43の裏面に照射し、第1の光検出手段(2次回折光
ディテクター)2で2次回折光を、第2の光検出手段
(1次回折光ディテクター)3で1次回折光をそれぞれ
モニタリングする。そして、演算器4において、1次回
折光の強度に対する2次回折光の強度の比を計算し、こ
の計算結果が所定の値となれば、エッチング終点である
と判断する。
【0048】(ニ)演算器4がエッチング終点になった
と判断すれば、演算器4からホルダー昇降機10、バル
ブ14及びシャワー水バルブ13に対して、それぞれ所
定の電気信号(演算器出力)15を出す。この結果、ホ
ルダー昇降機10及びシャワー水バルブ13が動作を開
始し、被加工試料63をエッチング槽6から引き上げな
がら、シャワー水をシャワー水用穴9からシャワーす
る。同時に、エッチャント排出パイプ19のバルブ14
が開き、エッチング槽6のエッチング液7がエッチャン
ト排出パイプ19から抜かれ、エッチングを終了する。
このように、レジストパターン47をマスクとして、金
属膜42のエッチングが実施される。
【0049】(ホ)この後、電子線レジスト41を除去
すれば、図13(d)に示すように、金属パターン48
が露出し、金属膜42がスリット構造となったマスタホ
ログラムが完成する。
【0050】本発明の第1の実施の形態に係る微細パタ
ーンの製造方法によれば、ガラス基板(透明基板)43
上に設けられた金属膜(不透明薄膜)42のエッチング
に際し、金属膜(不透明薄膜)42のエッチングの終点
のモニタリングが正確に出来る。また、ガラス基板(透
明基板)43上に一定のライン・アンド・スペースパタ
ーンを形成するに際し、所望のデューティが正確に得ら
れる。
【0051】一般に、金属膜(不透明薄膜)42の厚さ
が厚くなると、エッチング時に横方向の広がりの制御が
困難になり、所望のデューティの加工形状を得るのが困
難になる。このため、従来技術においては、金属膜42
の厚みは、薄い方が良いとされていた。本発明の第1の
実施の形態によれば、エッチングの終点のモニタリング
が正確に出来、所望のデューティが正確に得られるの
で、金属膜42の厚みを厚くすることが可能で、酸化ク
ロム(CrO)膜の膜厚を0.03μm以上、クロム
(Cr)膜の膜厚を0.07μm以上にしても、所望の
デューティが正確に得られる。従って、十分な遮光性を
有した正確な回折格子が得られる。特に、1次回折光の
強度に対する2次回折光強度の比の極小値において、エ
ッチングを終了させれば、2次回折光強度が小さく、回
折効率の高い回折格子が、簡単且つ再現性良く得られ
る。
【0052】(第2の実施の形態:ドライエッチング)
本発明の第2の実施の形態に係る微細パターンの製造に
用いるドライエッチング装置の概略構成図を図4に示
す。図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係
るドライエッチング装置は、透明基板と、透明基板の第
1の主表面の上に形成された不透明薄膜と、不透明薄膜
の上に形成されたマスク層とからなる被加工試料を収納
するエッチング槽としての真空チャンバ26と、透明基
板43の第1の主表面に対向した第2の主表面側から、
所定の偏光の単色光を入射させる単色光入射手段(1、
17)と、第1の主表面側から出射した複数の次数の異
なる回折光を同時に検出するための複数の光検出手段
2,3と、この複数の光検出手段2,3からの出力を用
いて所定の演算をする演算器4とを具備した反応性イオ
ンエッチング(RIE)装置である。単色光は、透明基
板43の第2の主表面に対して入射角θ=60°で入射
させる。「複数の光検出手段」とは、本発明の第2の実
施の形態に係るドライエッチング装置においては、第1
の光検出手段2及び第2の光検出手段3の2つの光検出
手段である。そして、演算器4により、複数の次数の異
なる回折光の強度比を算出し、強度比によりエッチング
終点を判定する。被加工試料63としては、エッチング
用マスク層としてのレジストパターン47が、不透明薄
膜としての金属膜42の上に形成された透明基板(ガラ
ス基板)43(図7(d)参照)等が用いられる。単色
光入射手段1を構成する単色光源1は、第1の実施の形
態と同様に、透明基板(ガラス基板)43の透過波長を
考慮して、波長514.5nmのArガスレーザ等が好
適であり、偏光板17をArガスレーザ1の前面に置
き、S波入射として、被加工試料63に入射させる。
【0053】図4に示すように、真空チャンバ26の上
側には、接地電位のチャンバ上部フランジ34が取り付
けられている。そして、このチャンバ上部フランジ34
と真空チャンバ26とで構成される真空排気可能な閉空
間の内部には、それぞれ、銅(Cu)やステンレス(S
US)鋼等の金属からなる上部電極25と下部電極30
とが、互いに平行平板を形成するように対向配置されて
いる。上部電極25は、被加工試料63から出射した複
数の次数の異なる回折光が通過出来るように、開口部9
1を有し、チャンバ上部フランジ34から金属の支柱で
吊されて、固定されている。
【0054】下部電極30は真空チャンバ26の内部中
央部分において絶縁体39を介して、真空チャンバ26
の一部を構成する下側フランジの中央部の上部に機械的
に取り付けられる。下部電極30の内部は空洞になり、
冷却水パイプ31を介して、基板冷却用水が導入され排
出されるように構成されている。下部電極30の上部に
は、下部電極30と密着して、石英ガラスからなる基板
ステージ29が配置され、下部電極30が真空中に露出
しないように、その上部を覆っている。なお、石英ガラ
ス(基板ステージ)29は、下部電極30の側面も覆う
ようなキャップ構造にし、下部電極30が全く真空中に
露出しないように覆うような構造の方が、下部電極30
を構成する金属によるコンタミネーションの防止やエッ
チング精度の向上に有効である。基板ステージ(石英ガ
ラス)29の上には、基板クランプ28により、被加工
試料63が固定されている。そして、下部電極30には
高周波電界を与えるための高周波電源32が電気的に接
続されている。
【0055】図4に示すように、真空チャンバ26に
は、真空チャンバ26内にエッチング用ガスを供給する
エッチング用反応ガス導入パイプ27が接続されてい
る。エッチング用ガスは、所定のエッチング選択比を有
したガスを用いれば良い。たとえば、マスタホログラム
用の表面ホログラムのパターンを形成するために、不透
明薄膜として酸化クロム(CrO)膜/クロム(C
r)膜の多層膜をエッチングするのであれば、エッチン
グマスクとして用いるレジストのエッチング速度に対
し、酸化クロム(CrO)膜/クロム(Cr)膜のエ
ッチング速度の速い(即ち、エッチング選択比の大き
い)ガスを用いれば良い。もし、オーバーエッチングに
よるサイドエッチングで、所望のパターン寸法を得よう
とするのであれば、透明基板43に対する不透明薄膜4
2のエッチング選択比が大きくなるように選ぶのが好ま
しい(後述の説明から分かるように、オーバーエッチン
グによるサイドエッチングがある場合にも、本発明の終
点モニタリングによれば、所望の寸法を有したパターン
が高精度に、再現性良く得られる)。これらのことから
判断して、エッチング用ガスとして、塩素(Cl)ガ
スが好適であり、この塩素(Cl)ガスを、真空チャ
ンバ26内に導入すれば良い。図示を省略しているが、
エッチング用反応ガス導入パイプ27は、上記の塩素
(Cl)ガス等の所定のエッチング用ガスを貯蔵する
エッチング用ガス供給源(エッチング用ガスボンベ)が
接続されている。エッチング用反応ガス導入パイプ27
の配管経路中には、図4に示すように、バルブ(制御
弁)36が配設され、エッチング用反応ガスの導入、遮
断が制御出来るように構成されている。また、詳細に図
示しないが、エッチング用反応ガス導入パイプ27の配
管経路中にはマスフロー・コントローラ等のガス流量コ
ントロール弁も配設されていることは勿論である。真空
チャンバ26の内部に配管されたエッチング用反応ガス
導入パイプ27の先端部(ノズル)は下部電極30の近
傍まで導かれている。このエッチング用反応ガス導入パ
イプ27の先端部(ノズル)は、下部電極30の上部を
周回するような構造とし、平行平板電極間に均一に、エ
ッチング用反応ガスが導入されるようにしてもかまわな
い。
【0056】本発明の第2実施の形態に係るRIE装置
の真空チャンバ26は、大気に対して密閉された空間を
形成すべく、真空フランジや真空ガスケットを用いた、
種々の構造が採用できる。矢印のみで、詳細の図示を省
略しているが、チャンバ26には油回転ポンプ、メカニ
カルブースタポンプ等の周知の真空排気手段(真空ポン
プ)35が連接されており、真空チャンバ26の内部を
所定の圧力に減圧できるように構成されている。ケミカ
ル仕様のターボ分子ポンプ等を用いて、真空チャンバ2
6の内部を真空排気しても良い。高い到達真空度を達成
し、残留ガス成分の影響を少なくするためには、真空チ
ャンバ26の内部をクライオポンプでまず真空排気し、
その後のRIE時には油回転ポンプ、メカニカルブース
タポンプ等に切り替えるような真空排気系の構成を採用
しても良い。これらの真空排気手段35をRIE時にお
ける反応性(腐食性)のガスから保護するためには、真
空排気手段35の導入部(頭)に液体窒素等の低温トラ
ップや吸着剤を用いたスクラバー等を取り付けても良
い。
【0057】図4に示すように、真空チャンバ26に
は、所定の真空計37が、真空Oリングや真空ガスケッ
トを用いて取り付けられている。真空計37としては、
圧力に応じて、イオンゲージ、ピラニゲージやダイアフ
ラム式の真空ゲージ等が使用できる。真空計37で圧力
を測定し、真空排気手段35の頭に取り付けたバリアブ
ルコンダクタンスバルブ等で排気量を調整すれば、真空
チャンバ26の内部圧力を、所望のエッチング圧力に調
節することができる。
【0058】図4に示す真空チャンバ26の上部及び下
部(底部)には、それぞれ、パイレックスガラス或いは
石英ガラス等の、終了点(エンドポイント)モニタリン
グ用の光が透過出来る透明材料からなる光学窓33,3
8が、真空Oリングを介して接続されている。なお、本
発明の終点モニタリングに用いる単色光の波長が、赤外
領域の波長であるならば、サファイアガラス、シリコン
(Si)、ゲルマニウム(Ge)、臭化ヨウ化タリウム
(KRS−5)等の窓材を選べば良い。即ち、光学窓3
3,38の材質は、終点モニタリングに用いる単色光の
波長とエッチング用ガスに対する反応性等を考慮して、
最適な材料を決めれば良い。また、光学窓33,38
は、コバールガラスのような結合ガラスでステンレス金
属に接合された光学窓(のぞき窓)付き真空フランジを
用い、銅(Cu)等のガスケットにより、真空チャンバ
26に接続してもかまわないことは勿論である。
【0059】真空チャンバ26の上部方向に配置された
第1の光検出手段(2次回折光ディテクター)2及び第
2の光検出手段(1次回折光ディテクター)3と演算器
4との間は、それぞれケーブル164,165で接続さ
れ、第1の光検出手段(2次回折光ディテクター)2及
び第2の光検出手段(1次回折光ディテクター)3から
の演算器入力16が、演算器4に導かれている。一方、
演算器4とバルブ36及び高周波電源32との間には、
それぞれ、ケーブル154,155が接続され、演算器
4からバルブ36及び高周波電源32へ演算器出力15
を送ることができるようになっている。
【0060】なお、図示を省略するが、真空チャンバ2
6にゲートバルブを介して、真空準備室を取り付け、エ
アーロックで被加工試料63を真空チャンバ26中に搬
送できるように構成してもかまわない。この場合は、ま
ず真空準備室に被加工試料63が導入され、真空準備室
が一定の圧力まで真空排気されたら、ゲートバルブを開
け、被加工試料63が真空チャンバ26中に搬送され
る。
【0061】本発明の第1の実施の形態の説明で用いた
図3に示されるように、2次回折光の強度の1次回折光
の強度に対する比と対応するデューティの値とは一定の
関係を有している。従って、この一定の関係を利用すれ
ば、2次回折光の強度の1次回折光の強度に対する比を
測定することにより、対応するデューティ値が決定で
き、ライン・アンド・スペース・パターンの終点モニタ
リングが可能となる。
【0062】特に、回折格子のパターンの場合であれ
ば、2次回折光の強度の1次回折光の強度に対する比が
極小値となるエッチング時間において、エッチングを終
了すれば、1次回折光の強度に対し、相対的に2次回折
光の強度の小さい回折格子(マスタホログラム)を得る
ことが出来る。
【0063】以下に、図4に示すRIE装置を用いた本
発明の第2の実施の形態に係る微細パターンの製造方法
の一例として、マスタホログラムの製造方法を説明す
る。
【0064】(イ)第1の実施の形態と同様に、3
(a)に示すように、ガラス基板43上に、酸化クロム
(CrO)膜/クロム(Cr)膜の多層膜を形成し、
この金属膜42上に電子線レジスト41をスピナを用い
て塗布し、所定の温度、時間ベークする。
【0065】(ロ)一方、所望の回折格子の図形データ
を電子計算機(CAD)を用いて関数計算しておく。こ
の図形データを用い、図13(b)に示すように、電子
ビーム描画法で電子線レジスト41を露光し、図13
(c)に示すように、レジストパターン47を形成す
る。この後、必要があれば、RIE時のレジストの耐性
を向上させるために、紫外線(UV光)を用いて、レジ
ストパターン47をキュアする。
【0066】(ハ)次に、図4に示すRIE装置の真空
チャンバ26内に、レジストパターン47が設けられた
被加工試料63を搬入する。例えば、被加工試料63を
レジストパターン47側を上に向けて、基板ステージ2
9に基板クランプ28を用いて、クランプし、チャンバ
上部フランジ34を閉め、真空排気手段35により真空
引きを行う。約30分乃至1時間ほど引いて、真空チャ
ンバ26内の圧力が1.3×10−4Pa台に達した
ら、反応ガス導入バルブ36を開け、反応ガスを導入す
る。そして、所定の、ガス流量及び反応圧力(プロセス
圧力)に、導入された反応ガスを制御する。例えば、ガ
ス流量は20〜100sccm、プロセス圧力は3.9
〜7.8Paとすれば良い。所定の、ガス流量及び反応
圧力(プロセス圧力)に反応ガスが制御されたら、高周
波電源32を起動し、プラズマを発生させる。例えば、
高周波電源32のRFパワーは13.56MHzにおい
て200W程度とすれば良い。高周波電源32を起動す
ると同時に、単色光源(Arガスレーザ)1からのレー
ザ光をガラス基板43の底面から入射し、真空チャンバ
26の上部方向に配置された第1の光検出手段(2次回
折光ディテクター)2及び第2の光検出手段(1次回折
光ディテクター)3とを用いて、終点モニタリングを開
始する。即ち、演算器4において、1次回折光の強度に
対する2次回折光の強度の比を計算し、この計算結果が
所定の値となれば、エッチング終点であると判断する。
【0067】(二)演算器4がエッチング終点になった
判断すれば、演算器4から電気信号(演算器出力)15
が出て、高周波電源32を切ると同時に反応ガス導入バ
ルブ36を閉じ、反応ガスの導入を止めれば、金属膜4
2のエッチングが終了する。
【0068】(ホ)この後、電子線レジスト41を除去
すれば、図13(d)に示すように、金属パターン48
が露出し、金属膜42がスリット構造となったマスタホ
ログラムが完成する。
【0069】本発明の第2の実施の形態に係る微細パタ
ーンの製造方法によれば、ガラス基板(透明基板)43
上に設けられた金属膜(不透明薄膜)42のエッチング
に際し、金属膜(不透明薄膜)42のエッチングの終点
のモニタリングが正確に出来る。一般に、金属膜(不透
明薄膜)42の厚さが厚くなると、サイドエッチングの
制御が困難になり、所望のデューティの加工形状を得る
のが困難になる。このため、従来技術においては、金属
膜42の厚みは、薄い方が良いとされていた。本発明の
第2の実施の形態によれば、エッチングの終点のモニタ
リングが正確に出来、所望のデューティが正確に得られ
るので、金属膜42の厚みを厚くすることが可能で、十
分な遮光性を有した正確な回折格子が得られる。特に、
1次回折光の強度に対する2次回折光強度の比の極小値
において、エッチングを終了させれば、2次回折光強度
の小さく、回折効率の高い回折格子が、簡単且つ再現性
良く得られる。
【0070】図5は、本発明の第2の実施の形態の変形
例に係るドライエッチング装置を説明するための概略構
成図である。図5に示すように、本発明の第2の実施の
形態の変形例に係るドライエッチング装置は、図4と同
様に、真空チャンバ26と、透明基板43の第1の主表
面に対向した第2の主表面側から、所定の偏光の単色光
を、入射角θ=60°で入射させる単色光入射手段
(1、17)と、第1の主表面側から出射した複数の次
数の異なる回折光を同時に検出するための第1の光検出
手段2及び第2の光検出手段3と、第1の光検出手段2
及び第2の光検出手段3とからの出力を用いて所定の演
算をする演算器4とを具備したRIE装置である。しか
し、真空チャンバ26の内部に配置された上部電極25
には第1の光検出手段2に導かれる第1の回折光通過用
の第1の開口部92と、第2の光検出手段3に導かれる
第2の回折光通過用の第2の開口部93との2つの開口
部92,93が形成されている点が異なる。
【0071】図5に示す本発明の第2の実施の形態の変
形例に係るドライエッチング装置の開口部92,93の
開口面積は、必要最小限の大きさに設計されている。図
4に示したRIE装置においては、上部電極25には第
1及び第2の回折光が共に通過出来るように、開口部9
2,93よりも、遙かに大きな開口面積を有する開口部
91が一つだけ設けられていた。この場合は、第1及び
第2の回折光を第1の光検出手段2及び第2の光検出手
段3に導くのは容易であるが、上部電極25と下部電極
30とで構成される平行平板構造の電界が不均一になる
ので、広い面積を有した被加工試料を均一にエッチング
するのが困難になる。
【0072】一方、図5に示すように、第1及び第2の
回折光が通るだけの最小限の開口部92,93とするこ
とにより、平行平板構造の電界の均一性を高めることが
出来る。この結果、図4に示したRIE装置よりも、面
内均一性に優れた精度の高い微細パターンの加工ができ
る。下部電極30等他の構成は、図4と同様なので、説
明を省略する。
【0073】図6は、本発明の第2の実施の形態の他の
変形例に係る化学的ドライエッチング(CDE)装置の
概略構成図である。図6に示すように、本発明の第2の
実施の形態に係るCDE装置は、透明基板と、透明基板
の第1の主表面の上に形成された不透明薄膜と、不透明
薄膜の上に形成されたマスク層とからなる被加工試料を
収納する真空チャンバ26と、透明基板43の第1の主
表面に対向した第2の主表面側から、所定の偏光の単色
光を、入射角θ=60°で入射させる単色光入射手段
(1、17)と、第1の主表面側から出射した複数の次
数の異なる回折光を同時に検出するための第1の光検出
手段2及び第2の光検出手段3と、第1の光検出手段2
及び第2の光検出手段3とからの出力を用いて所定の演
算をする演算器4とを具備しており、ほぼ図4に示した
RIE装置と同様な構造である。しかし、図4に示した
RIE装置とは異なり、真空チャンバ26の内部には、
平行平板構造は構成されていない。即ち、下部電極30
に対し垂直方向に延びる円筒構造の上部電極25と下部
電極30とで一対の電極構造を形成している。従って、
RIE装置のような指向性の高い異方性エッチングでは
なく等方的なエッチング特性となる。透明基板の第1の
主表面の上に形成された不透明薄膜の厚さが平面パター
ンの寸法に比して充分薄ければ、このようなCDE装置
によっても、充分高い精度のエッチングが可能となる。
平行平板構造に比し、電界の集中が緩和されているの
で、第1及び第2の回折光を第1の光検出手段2及び第
2の光検出手段3に導く広い範囲の光路を確保しなが
ら、面内均一性の高い、高精度微細パターンが製造でき
る利点を有する。
【0074】また、図4,図5及び図6に示す構造は一
例に過ぎない。例えば、図4,図5及び図6に示す構造
において、下部電極30と基板ステージ29となる石英
ガラス板との間を真空Oリング等を用いて、気密に接続
(若しくは接着剤等により接着)し、関連する絶縁体等
の部分も、真空リークのない所定の気密構造にすれば、
光学窓38は省略して、下部電極30の穴を介して直
接、単色光入射手段1からモニタ光を基板ステージ29
に入射させることも可能である。このように、図4,図
5及び図6に示す構造は種々の変形が可能である。
【0075】(第3の実施の形態:生産性向上)回折格
子パターンのような、光の波長以下の微細パターンを描
画するためには、光露光では原理的に無理がある。従っ
て、このような光の波長以下の微細パターンに対して
は、電子ビーム描画法(EB描画法)によるマスクパタ
ーンの作製が必要である。即ち、本発明の第1及び第2
の実施の形態で説明したウェットエッチング及びドライ
エッチングのどちらの手法においても、金属膜42のエ
ッチングを実施するためには、金属膜42の上に、光の
波長以下の微細パターンからなるマスクパターンを作製
する必要がある。このため、このマスクパターンの作製
に際しては、EB描画法により、電子ビームレジスト4
1を露光・現像し、レジストパターン(マスクパター
ン)47を形成する必要がある。しかし、光露光におけ
るレチクルを用いた一括露光と違って、EB描画法では
細く絞った電子ビームでパターンを1筆ずつ描画してゆ
くため、大面積の微細パターンを作製する場合は、非常
に露光所要時間がかかる。
【0076】EB描画法において、必要とする全描画面
積(全描画エリア)S(mm)に対して所望のパター
ンを描画するための全描画面積露光所要時間T(h
r)は、通常、次の(1)式のように表現される。
【0077】 T=Tdm・N・K・S/s(hr) …(1) ここで、Nは、1ショット(shot)当たりのスキャン回
数(回/1ショット)で、Kは、1スキャン当たりの露
光点数(個/μm)で、sは1ショット面積(mm
で、Tdmは、平均照射時間(sec)である。
【0078】現行市販品の最高感度の電子線レジスト
は、数μC/cm程度の感度である。このような最高
感度の電子線レジストを用いたとしても、電子線レジス
ト41の厚み0.1μmの場合、通常これらの標準値
は、以下のようになる。即ち、1ショット当たり165
0回スキャンするので、N=1650回/1ショット
で、また、1スキャン200μmに対して、ビーム・ド
ットは、0.0083μm間隔であるので、K=(20
0/0.0083)個/μmとなる。また、標準的に
は、1ショット面積s=0.2mm×0.228mmで
ある。そして、この1ショット面積sが、マトリクス状
に複数個繰り返し配置されて全描画面積Sが構成される
のであるが、標準的にはこの全描画面積S=20mm×
30mmである。従って、(1)式から、全描画面積露
光所要時間T=0.48(μsec)・1650・
(200/0.083)・(20×30mm)/(0.
2×0.228mm)=69.7hrとなり、約3日を
要する。
【0079】EB描画法の全描画面積露光所要時間T
を短縮する方法として電子線レジスト41を薄く形成す
る方法が考えられるが、薄くしすぎると均一性に問題が
でたり、ピンホールが多くなりパターン抜けが多く発生
し、このEB描画法で作製した電子線レジスト41を用
いて作製したマスタホログラムの性能を低下させてしま
うという問題がある。
【0080】電子線レジスト41は光露光に於けるフォ
トレジストのようなしきい値感光、つまりある露光エネ
ルギー以上に露光されないと感光されないものではな
く、露光量Qに応じて感光し、その部分の分子が主鎖開
裂し、低分子化する。従って、電子線レジスト41は、
露光量Qに応じて、現像液に対して一定の溶解性が促進
され、非感光部分が残膜として残る。
【0081】マスタホログラムのような微細パターンを
描画するには、0.1μmの厚さの電子線レジスト41
の所定の部分を現像液に対して選択的に、完全溶解性を
持たせる必要があり、上記したように多くの全描画面積
露光所要時間Tを有する。そこで、本発明の第3の実
施の形態では、図8に示すように、先ず、ある露光量Q
で全描画エリアを一括露光(全面露光)し、EB露光量
Qに応じた溶解性の層45を形成する。即ち、最初に
(初段において)、現像液に対して完全溶解性を持たせ
るには至らないが、溶解速度の遅いある程度溶解性が促
進された層45を形成しておく。その後(2段目におい
て)、図9に示すように、本来の必要な露光量Qより十
分小さな露光量Qでパターンを描画すると、この2段目
の露光でパターン部46が完全溶解性(早い溶解速度)
を有するようになるため、この状態で、現像すると、溶
解速度の差により、パターニングが出来る。つまり、初
段の全面露光により不完全に低分子化した層45は現像
液に対してある程度溶解性を有するが、2段目露光によ
る完全低分子化層46に比べて溶解性は小さく、溶解速
度が遅い。従って、ある一定の現像時間ではその溶解速
度の差により残膜が発生することでレジストパターン4
7が形成される。従って、結果的に薄い電子線レジスト
41の膜厚で、少ない露光量QでEB露光したのと同じ
効果が得られる。そのため全描画面積露光所要時間T
を短縮することが可能となる。
【0082】このように、本発明の第3の実施の形態に
係る多重露光方式のEB描画法においては、最初(初
段)の一括露光(全面露光)では、電子線レジスト41
の低分子化を有る程度起こした層45を形成し、次の
(2段目の)露光でパターン部のみを、選択的に完全に
低分子化を起こさせる。電子ビームの焦点深度は数μm
あるので2段目の露光での露光量Qが少なくても基板表
面まで十分に電子ビームは到達しており、基板表面近く
の電子線レジスト41を十分感光させる。
【0083】従って本発明の第3の実施の形態に係る微
細パターンの製造方法に用いる多重露光方式のEB描画
法においては、最初(初段)の全面露光量Qをその厚
みの電子線レジスト41を完全に感光させる露光量Q
には至らないが、その露光量Qにぎりぎりまで近づけ
て設定し、次の(2段目の)パターンの描画のための描
画の露光量Qを限りなく小さくすることにより、全体
の描画時間を果てしなく短縮する。
【0084】以下に具体的な数字を入れて、本発明の第
3の実施の形態に係る微細パターンの製造方法における
多重露光法を説明する。EB描画法における露光量Qは
次の(2)式のように表現される。
【0085】 Q=(I・Tdm)/A (クーロン/cm) …(2) ただしIはビーム電流、Tdmは平均照射時間、Aは
ビーム露光面積である。この(2)式から同一露光量Q
であれば、ビーム電流Iを大きくしてやれば平均照射
時間Tは少なくてすむことが分かる。例えばビーム電
流Iを10倍にすると平均照射時間Tdmは10分の
1ですむ。
【0086】例えば、全描画エリアSを露光するための
全描画面積露光所要時間Tを半分にするための条件は
以下のようになる。初段の露光は全面露光なので(パタ
ーンは描かない)ビーム電流Ip1は、EB露光装置の
性能範囲内で、いくらでも大きくできるので、この平均
照射時間Tdm1及び初段の全描画面積露光所要時間T
t1は、無視できる程度まで小さく出来る。そこで全描
画面積露光所要時間T を半分にするには2段目の全描
画面積露光所要時間Tt2及び平均照射時間T dm2
半分になれば良い。通常露光の平均照射時間をTdm0
とすると、2段目の平均照射時間Tdm2はTdm2
dm0/2とできる。すると2段目の露光量Qは単
純に通常の露光量Qの半分の値となる。従って初段の
全面露光時の露光量Qは、これと同じく通常の露光量
の半分の露光量Q=Q=Q/2となるよう
に、ビーム電流Ip1と平均照射時間Tdm1を設定し
てやれば良い。
【0087】図10には、ビーム電流Iとビーム径A
との関係を、3種類の対物アパアチャの径(OLA)に
ついて示した。即ち、図10において、上から、対物ア
パアチャ径(OLA)=0.05mm,0.1mm,
0.2mmの場合の、それぞれの、ビーム電流Iとビ
ーム径Aとの関係であり、ビーム電流Iを大きくする
と、これに従い、ビーム径Aは大きくなることが分か
る。初段の平均照射時間T dm1を通常露光の平均照射
時間Tdm0の100分の1と仮に決めると、初段のビ
ーム電流Ip1は通常露光のビーム電流Ip0の100
倍の値にすれば良いことになる。ビーム電流Ip1が通
常露光のビーム電流Ip0の100倍になると、ビーム
径Aは、図10に示した関係から、約10倍になる。
【0088】図11には、ビーム径Aとビーム露光点の
関係を示した。例えば、図11(b)に示すビーム径A
≒0.1μmの場合に比較し、図11(c)に示すビ
ーム径A≒10μmの場合には、ビームスキャン方向
の露光点も少なく出来ることが分かる。図11の模式図
から、容易に理解できるように、ビーム電流Ip1を通
常露光のビーム電流Ip0の100倍にして、ビーム径
Aを約10倍にすれば、ビーム送りピッチ数は10分の
1になる。そして、図11(a)に示す、1ショット面
sにおいては、ビーム数を100分の1にできることに
なる。つまり、平均照射時間Tdmと、1スキャン当た
りの露光点数Kとが共に100分の1になるので、
(1)式から、実際の全描画面積露光所要時間Tは、
通常の露光の全描画面積露光所要時間Tt0の1000
0分の1しか要しないことになる。この結果、最初の仮
定どおり、1段目露光の全描画面積露光所要時間(露光
時間)Tt1は、2段目露光の全描画面積露光所要時間
(露光時間)Tt2に比べて全く無視出来る。
【0089】以上のように初段の露光はビーム電流I
p1を大きくし、電子線レジスト41の壊裂を、完全に
は至らないが、かなりの段階まで、進めておいて、2段
目の露光時に短時間の平均照射時間Tdm2でパターニ
ングすれば、全体の露光量Qは、電子線レジスト41が
完全に低分子化を起こす露光量Qに十分で、かつ平均
照射時間Tdmが短縮される。
【0090】図7を用いて、本発明の第3の実施の形態
に係る多重露光法を併用した微細パターンの製造方法の
一例として、マスタホログラムの製造方法を説明する。
【0091】(イ)まず、図7(a)に示すように、ガ
ラス基板(透明基板)43上に、金属膜(不透明薄膜)
42として、クロム(Cr)膜、若しくは酸化クロム
(CrO)膜/クロム(Cr)膜の多層膜を形成す
る。酸化クロム(CrO)膜が0.03μmで、クロ
ム(Cr)膜が0.07μmである。次に、図7(a)
に示すように、金属膜42上にポジタイプの電子線レジ
スト(不透明薄膜とは異なる材料層)41を、厚さ0.
1μm程度になるように、スピナを用いて塗布し、所定
の温度、時間ベークする。
【0092】(ロ)次に、電子ビーム52のビーム電流
p1を通常露光のビーム電流I の100倍にし
て、図7(b)に示すように、初段の露光を行う。初段
の露光の平均照射時間Tdm1は、通常露光の平均照射
時間Tdm0の100分の1になり、ほとんど無視出来
る。この初段の露光により、電子線レジスト41の壊裂
が若干進み、図8に示すような不完全に低分子化を起こ
した電子線レジスト層45が全描画面積に出来る。
【0093】(ハ)一方、所望のレンズ効果を発生する
のに必要なマスタホログラムの図形データを、電子計算
機(CAD)を用いて、関数計算しておく。この図形デ
ータを用い、図7(c)に矢印で示すように、通常露光
のビーム電流Ip0と等しい2段目露光のビーム電流I
p2において、2段目露光用の電子ビーム52を照射す
る。この結果、図9に示すような完全に低分子化をこし
た電子線レジスト層46が形成され、所望のパターンが
EB描画法で電子線レジスト41に転写される。
【0094】(ニ)次に、図7(d)に示すように、電
子線レジスト41を現像/リンスし、溶解速度の差を利
用して、完全に低分子化をこした電子線レジスト層46
を選択的に溶解/除去すれば、不完全に低分子化をこし
た電子線レジスト層45のパターンからなるレジストパ
ターン47が形成できる。このとき、不完全に低分子化
をこした電子線レジスト層45も表面近傍部が溶解し、
電子線レジスト層45の膜厚が減少するが、その溶解速
度が遅いため、所望のレジストパターン47を獲得出来
ることになる。
【0095】(ホ)次に、このレジストパターン47を
マスクとして、本発明の特徴をなす金属膜42のエッチ
ングを実行する。金属膜42のエッチングは、第1及び
第2の実施の形態で説明したウェットエッチング及びド
ライエッチングのどちらの手法でも可能である。即ち、
第1及び第2の実施の形態で説明した演算器4におい
て、1次回折光の強度に対する2次回折光の強度の比を
計算し、演算器4がエッチング終点になった判断すれ
ば、演算器4から電気信号(演算器出力)15が出て、
金属膜42のエッチングを終了する。
【0096】(へ)この後、電子線レジスト41を除去
すれば、図7(e)に示すように、金属パターン48が
露出し、金属膜42がスリット構造となったマスタホロ
グラムが完成する。
【0097】図12には、本発明の第3の実施の形態に
係る多重露光法の各種露光条件とその効果を示した。初
段露光における電子ビーム52のビーム電流Ip1を通
常露光のビーム電流Ip0(=5×10−10A)の1
00倍の5×10−8Aとし、初段の露光の平均照射時
間Tdm1を、0.0024μs,0.0032μs,
0.0036μsとすることにより、通常露光のビーム
電流Ip0(Ip0=Ip2=5×10−10A)を用
いた2段目露光の平均照射時間Tdm2は、それぞれ、
0.24μs,0.16μs,0.12μsとなること
が分かる。この結果、初段露光の全描画面積露光所要時
間Tt1は、それぞれ、0.35時間,0.32時間,
0.36時間となり、対応する2段目露光の全描画面積
露光所要時間Tt2は、それぞれ、35時間,23時
間,17時間となることがわかる。即ち、初段露光にお
ける電子ビーム52のビーム電流Ip1を通常露光のビ
ーム電流Ip0(=5×10−10A)の100倍にし
て、初段の露光の平均照射時間Td1を、0.0024
μs,0.0032μs,0.0036μsとすること
により、初段露光の全描画面積露光所要時間Tt1と2
段目露光の全描画面積露光所要時間Tt2とを合計した
全体の全描画面積露光所要時間Tは、それぞれ、多重
露光法を用いない通常の露光条件の場合に比し、1/
2,1/3,1/4に短縮できることが分かる。このよ
うに、本発明の第3の実施の形態によれば、従来より半
分以上短い全描画面積露光所要時間Tでマスタホログ
ラムを作製出来る。従って、マスタホログラム製造の生
産性が向上し、その低コストが図れる。
【0098】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は第1乃至第3実施の形態によって記載したが、こ
の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定する
ものであると理解すべきではない。この開示から当業者
には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明ら
かとなろう。
【0099】既に述べた第1乃至第3の実施の形態の説
明においては、演算器4において、1次回折光の強度に
対する2次回折光の強度の比を計算し、この計算結果が
所定の値となれば、エッチング終点であると判断してい
た。しかし、演算器4において、1次回折光の強度に対
する2次回折光の強度の比だけでなく、この比の変化
量、即ち、1次回折光の強度に対する2次回折光の強度
の比の時間微分を計算し、この1次微分値が、正である
か負であるかの判定と同時に、1次回折光の強度に対す
る2次回折光の強度の比の値を判定すれば、図3に示し
た任意のデューティ値に於けるエッチング終点の判定が
一義的に決定でき、正確なエッチング終点の判定が可能
となる。さらに、1次回折光の強度に対する2次回折光
の強度の比の2次時間微分を計算し、この2次微分値を
エッチング終点の判定に用いれば、より正確なエッチン
グ終点の判定が可能となる。
【0100】本発明の対象とする微細パターンは、第1
乃至第3の実施の形態の説明において例示した回折格子
パターンに限られるものではない。例えば、DRAM等
の周期的構造を有したライン・アンド・スペース・パタ
ーンの作製にも適用できる。この場合、透明基板として
半導体基板、不透明薄膜として金属薄膜を対応させるこ
とが可能である。半導体基板が、シリコン(Si)やガ
リウム砒素(GaAs)の場合は、単色光の波長は、シ
リコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)に対して透
明な赤外領域の波長を選べば良い。例えば、炭酸ガスレ
ーザ(波長10,6μm)やYAGレーザ(波長1.0
6μm)を単色光入射手段として採用すれば良い。
【0101】さらに、SOS構造のように、サファイア
基板の上に、シリコン薄膜が形成されている場合、単色
光入射手段の波長を選択すれば、サファイア基板を透明
基板とみなし、シリコン薄膜を不透明薄膜とみなしたエ
ッチングも可能である。
【0102】図1、図4,図5及び図6においては、単
色光入射手段(1、17)、第1の光検出手段2及び第
2の光検出手段3は、エッチング槽6又は真空チャンバ
26の外部に配置した場合を示した。しかし、これらの
配置例は、一例であり、その一部又は全部をエッチング
槽6又は真空チャンバ26の内部に配置することも可能
である。ドライエッチングの場合には、エッチング用ガ
スによる腐食に注意をする必要があるが、真空チャンバ
26内に配置すれば、真空チャンバ26にモニタ光や回
折光透過用の光学窓38,33を設ける必要がなくなる
利点を有する。また、図4及び図5に示すようなRIE
装置においては、第1の光検出手段2及び第2の光検出
手段3を上部電極25に埋め込んでも良く、このよう
に、第1の光検出手段2及び第2の光検出手段3を上部
電極25に埋め込めば、平行平板電極間の電界の乱れを
最小限にし、エッチングの均一性を高めることが出来
る。また、第1の光検出手段2及び第2の光検出手段3
をRIE装置の上部電極25に埋め込む場合に、放電空
間に露出する部分を石英ガラス等で覆っても良い。
【0103】また、第1及び第2の実施の形態の説明に
おいては、「複数の光検出手段」として、第1の光検出
手段2及び第2の光検出手段3の2つの光検出手段を示
したが、3つ以上の光検出手段から構成して、その光検
出手段の数に対応した(3種以上の)回折光を検出する
ようにしても良いことは勿論である。
【0104】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、表面ホログラムのよう
な、透明基板上に設けられた不透明薄膜のエッチングに
際し、不透明薄膜のエッチングの終点のモニタリングが
正確に出来る微細パターンの製造装置が提供できる。
【0106】本発明によれば、透明基板上に一定のライ
ン・アンド・スペースパターンを形成するに際し、所望
のデューティが正確に得られる微細パターンの製造装置
が提供できる。
【0107】本発明によれば、透明基板上に設けられた
不透明薄膜のエッチングに際し、不透明薄膜のエッチン
グの終点のモニタリングが正確に出来る微細パターンの
製造方法が提供できる。
【0108】本発明によれば、透明基板上に一定のライ
ン・アンド・スペースパターンを形成するに際し、所望
のデューティが正確に得られる微細パターンの製造方法
が提供できる。
【0109】本発明によれば、従来より半分以上短い時
間で、マスタホログラム等の微細パターンが製造でき、
しかも低コスト化が可能な微細パターンの製造方法が提
供できる。
【0110】具体的には、本発明によれば、歩留まりが
良く回折効率の高いマスタホログラムが短時間で製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る微細パターン
の製造方法に用いるウェットエッチング装置を説明する
ための概略構成図である。
【図2】デューティの値と各回折光強度との関係を示す
図である。
【図3】デューティと2次回折光/1次回折光強度比と
の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る微細パターン
の製造方法に用いるドライエッチング装置を説明するた
めの概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る微細
パターンの製造方法に用いるドライエッチング装置を説
明するための概略構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の他の変形例に係る
微細パターンの製造方法に用いるドライエッチング装置
を説明するための概略構成図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法を
用いた微細パターンの製造方法を説明する工程図であ
る。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法を
説明する図である(その1)。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法を
説明する図である(その2)。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法
におけるビーム電流とビーム径Aとの関係を示す図であ
る。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法
におけるビーム径Aとビーム露光点の関係を示す図であ
る。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る多重露光法
の各種露光条件とその効果を示す図である。
【図13】マスタホログラムの製造方法を説明する工程
図である。
【符号の説明】
1 単色光源と偏光板 2 2次回折光ディテクター 3 1次回折光ディテクター 4 演算器 6 エッチング槽 7 エッチング液 8 基板ホルダー 9 シャワー水用穴 10 ホルダー昇降機 11 エッチャント導入排出口 12 シャワー水導入口 13 シャワー水バルブ 14 エッチャント液排水バルブ 15 演算器出力 16 演算器入力 17 偏光板 25 上部電極 26 真空チャンバ 27 反応ガス導入パイプ 28 基板クランプ 29 基板ステージ(石英ガラス) 30 下部電極(銅) 31 冷却水パイプ 32 高周波電源 33,38 光学窓 34 チャンバ上部フランジ 35 真空排気手段 36 反応ガス導入バルブ 37 真空計 39 絶縁体 41 電子線レジスト 42 不透明薄膜(金属膜) 43 透明基板(ガラス基板) 44,45 不完全に低分子化をこした電子線レジスト
層 46 完全に低分子化をこした電子線レジスト層 51,52 電子ビーム 47 レジストパターン 48 金属パターン 63 被加工試料 91,92,93 開口部 151〜155,161,162,164,165 ケ
ーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA26 AA34 CA01 CA15 CA17 CA22 CA28 2H097 CA16 FA03 JA03 LA17 5F004 BA04 BB13 BB21 BB25 BC03 CB10 CB16 DA04 DB08 DB13 5F043 AA26 AA27 BB18 DD25 EE35 EE36 GG10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、この上の不透明薄膜とから
    なるライン・アンド・スペース・パターン部を少なくと
    も一部に有するパターンを製造するための装置であっ
    て、 前記透明基板と、前記透明基板の第1の主表面の上に形
    成された前記不透明薄膜と、前記不透明薄膜の上に形成
    されたマスク層とからなる被加工試料を収納するエッチ
    ング槽と、 前記透明基板の第1の主表面に対向した第2の主表面側
    から、所定の偏光の単色光を入射させる単色光入射手段
    と、 前記第1の主表面側から出射した複数の次数の異なる回
    折光を同時に検出するための複数の光検出手段と、 前記複数の検出手段からの出力を用いて所定の演算をす
    る演算器とを具備し、 前記演算器により、前記複数の次数の異なる回折光の強
    度比を算出し、該強度比によりエッチング終点を判定す
    ることを特徴とする微細パターンの製造装置。
  2. 【請求項2】 透明基板上に、不透明薄膜を選択的に残
    留させて形成したライン・アンド・スペース・パターン
    部を少なくとも一部に有するパターンを製造するための
    方法であって、 前記透明基板の第1の主表面上に形成された前記不透明
    薄膜の上に、前記不透明薄膜とは異なる材料層を形成し
    た被加工試料を用意する工程と、 前記材料層の一部を選択的に除去し、前記不透明薄膜か
    らなるエッチング用マスクを形成する工程と、 前記透明基板の第1の主表面に対向した第2の主表面側
    から、所定の偏光の単色光を入射させ、前記第1の主表
    面側から出射した複数の次数の異なる回折光を同時に検
    出しながら、前記不透明薄膜をエッチングする工程と、 前記複数の次数の異なる回折光の強度比を算出し、該強
    度比により前記エッチングする工程の終点を判定する工
    程とからなることを特徴とする微細パターンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記透明基板、前記不透明薄膜及び前記
    不透明薄膜とは異なる材料層は、それぞれ、ガラス基
    板、金属膜及び電子線レジストであり、前記エッチング
    用マスクを形成する工程は、 前記電子線レジストに対し、所定の電流値の電子ビーム
    で、描画エリア全面に露光する第1工程と、 該第1工程の後に、前記所定の電流値よりも充分小さい
    電流値の電子ビームで、前記電子線レジストを露光し、
    前記電子線レジストに対して前記微細パターンを描画す
    る第2工程と、 該第2工程の後に、前記電子線レジストの溶解速度の差
    を用いて、前記電子線レジストを現像及びリンスを行う
    ことにより、前記電子線レジストからなる微細パターン
    を形成する第3工程ととからなることを特徴とする請求
    項2記載の微細パターンの製造方法。
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WO2017150628A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 微細立体構造形成方法、及び微細立体構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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