JP2000345634A - 防蟻構造および防蟻方法 - Google Patents

防蟻構造および防蟻方法

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JP2000345634A
JP2000345634A JP11226770A JP22677099A JP2000345634A JP 2000345634 A JP2000345634 A JP 2000345634A JP 11226770 A JP11226770 A JP 11226770A JP 22677099 A JP22677099 A JP 22677099A JP 2000345634 A JP2000345634 A JP 2000345634A
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Mitsuaki Takagi
光明 高木
Nobuo Okano
信夫 岡野
Kiyoshi Akita
清 秋田
Motonori Hasegawa
意法 長谷川
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
National House Industrial Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
National House Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床下空間における防蟻構造として、防蟻剤が
床下空間に放出されるのを阻止して、経時的な防蟻機能
の低下を防ぐとともに床下空間の環境維持を図る。 【解決手段】 布基礎12と地盤10と床構造16とで
囲まれた床下空間Sの防蟻構造であって、布基礎12の
内側の地盤10表面に配置される防蟻剤層36と、防蟻
剤層36の上に配置される防蟻剤遮断層34とを備え
る。防蟻剤層36と防蟻剤遮断層34とが積層された積
層防蟻シートが使用できる。積層防蟻シート30と布基
礎12との隣接個所に配置され、防蟻剤の通過を遮断す
る遮断シート42等からなる防蟻剤遮断部とを備えるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防蟻構造および防
蟻方法に関し、建築物の床下空間に白蟻が侵入してきて
建築物に食害が及ぶことを防止する防蟻構造および防蟻
方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】住宅などの建築物の床下空間における防
蟻構造として、床下空間の地盤に防蟻シートを敷設して
おく技術が知られている。防蟻シートとしては、防蟻剤
が配合された合成樹脂をシート成形したものや、防蟻剤
を含浸させた不織布などが用いられる。防蟻剤として
は、クロルデンなどの有機塩素系薬剤、フェニトロチオ
ンなどの有機リン系薬剤等が用いられる。
【0003】また、従来、白蟻の侵入経路として、地盤
から布基礎の側面を伝って床上構造へと白蟻が侵入する
場合が多いことから、布基礎の根元部分に溝を掘って、
この溝に防蟻剤を注入することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】地盤表面などに施工さ
れた防蟻剤が、経時的に揮発して床下空間から床上構造
あるいは居住空間に侵入することがある。防蟻剤には、
臭気のもとになる成分や、生物にとって有害な成分も含
まれている。したがって、防蟻剤が居住空間に侵入する
ことは出来るだけ避けなければならない。
【0005】また、防蟻剤の一部が揮発してしまえば、
当然、防蟻機能は弱くなったり無くなってしまったりす
る。床下空間に防蟻剤が滞留していると、点検や補修作
業などのために床下空間に入った作業者に有害な影響を
与える心配がある。本発明の課題は、前記した床下空間
における防蟻構造として、防蟻剤が床下空間に放出され
るのを阻止して、経時的な防蟻機能の低下を防ぎ、床下
空間の環境維持を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる防蟻構造
は、布基礎と地盤と床構造とで囲まれた床下空間の防蟻
構造であって、布基礎の内側の地盤表面に配置される防
蟻剤層と、防蟻剤層の上に配置される防蟻剤遮断層とを
備える。 〔床下空間〕通常の住宅その他の建築物における各種床
下空間の構造に適用できる。
【0007】布基礎は、一部を地盤に埋設した状態で、
壁状あるいは枠状をなすように構築されたコンクリート
構造体である。布基礎の上部に床材や柱材その他の上部
構造が構築される。 〔防蟻剤層〕白蟻の侵入阻止を図る。防蟻剤層の材料
は、通常の防蟻施工と同様の防蟻剤が使用できる。
【0008】ストレートアスファルト,ブローンアスフ
ァルト,プロパン脱瀝アスファルト,コールタール,オ
イルタール,ガスタール等の瀝青物に、アニオン系,ノ
ニオン系,カチオン系,クレータイプ系乳化剤及び安定
剤を加えた瀝青乳剤に、アレスリン、ペルメトリン、ピ
フェントリン、シラフルオフェン、エトフェンプロック
ス、イミダクロプリド等の防蟻剤を加え混合した防蟻瀝
青乳化剤を、防蟻剤の有効成分が0.05〜3%になる
ように水で希釈して、床下空間の地盤に直接散布した
り、土砂と混練したものを地盤に10〜30mmの厚さで
堆積させたりして防蟻剤層を形成することができる。
【0009】防蟻剤を予め合成樹脂シートや不織布、編
織布に含浸させておいたり塗工しておいたりしたもの
を、地盤の表面に敷設することで防蟻剤層を形成するこ
ともできる。 〔防蟻剤遮断層〕防蟻剤層の表面を覆って床下空間側に
配置されて防蟻剤成分が床下空間側に侵入するのを阻止
する。防蟻剤の通過を遮断する機能があれば、各種の合
成樹脂シートなどが使用できる。例えば、50〜300
μm厚のポリエステル,塩化ビニル,ポリエチレン,ポ
リプロピレン等からなる合成樹脂シートが使用できる。
防蟻剤遮断層は、防蟻剤層の全面を覆って配置される。
【0010】防蟻剤層の上にアスファルトを塗工した
り、アクリル樹脂やウレタン樹脂からなる塗料を塗工し
たりして防蟻剤遮断層を形成することもできる。 〔積層防蟻シート〕防蟻剤層と防蟻剤遮断層とが予め積
層されたものである。積層防蟻シートに用いる防蟻剤層
も、基本的には前記した地盤に直接に施工する防蟻剤層
と同様の材料が使用できる。また、不織布や編織布に防
蟻剤を含浸あるいは塗工したものや、防蟻剤を配合した
合成樹脂の成形シートなどで構成できる。防蟻剤遮断層
になるシートの表面に防蟻剤をコーティングすることで
防蟻剤層を構成することもできる。
【0011】防蟻剤として、クロルピリホス(ダウケル
カル社製)、スミチオン(住友化学社製)、ホキシム
(日本農薬社製)などの有機リン系、プロボクスル(住
友化学社製)などのカーバメイト系、エレスリン、ペル
メトリン(住友化学社製)、ピフェントリン(日本農薬
社製)、シラフルオフェン(大日本除虫菊社製)、エト
フェンプロックス(三井化学社製)などのピレスロイド
系、その他の薬剤が使用できる。これらの防蟻成分に、
防蟻成分を担持する機能のある材料や、成形性や成膜性
を向上させる成分その他の各種材料を組み合わせて構成
することができる。
【0012】防蟻剤層として、パラフィン系ワックス、
蜜ロウ、木ロウに防蟻効果のある薬剤を添加溶融して、
不織布層に塗布して形成することができる。防蟻剤をマ
イクロカプセル化したものを用いることもできる。防蟻
剤を支持する不織布としてスパンボンドが使用できる。
不織布を複数枚重ねたものも使用できる。不織布を複数
枚重ね合わせて、スパンボンドにて繊維を絡ませて貼合
したスパンボンド不織布は、施工時の強度、耐水圧など
に優れている。不織布層の厚さを、50〜100g/m2
度に設定すれば、施工時の強度、耐水圧、経済性の点で
有利である。ポリエチレン系、ポリエステル系、ポリプ
ロピレン系、ナイロン系のスパンボンド不織布が使用で
きる。例えば、ポリプロピレン系では「SMS(商品
名:三井石油化学社製)」が使用できる。
【0013】防蟻剤遮断層としては、防蟻剤層の構成材
料によっても異なるが、防蟻成分を構成する薬剤(固
体、液体および気体を含む)を通過させずに遮断できる
機能があれば、各種の合成樹脂材料が使用できる。具体
的には、ポリエステル、塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、EVA、フッ素系、ポリ塩
化ビニリデン、シリコン系、テトロン、PETなどの重
合体、共重合体、誘導体からなる樹脂が使用できる。ナ
イロン等のポリアミド樹脂は、樹脂自体に白蟻の食害を
受け難いという防蟻機能があり、好ましい。
【0014】防蟻剤遮断層の厚みは、0.01〜0.2
mm程度の範囲で設定でき、0.07〜0.1mmが好まし
い。防蟻剤遮断層と防蟻剤層は別々に作製されたものを
接着、熱融着などの手段で積層してもよいし、各層を成
形したり塗工したりする際に順次積層して製造してもよ
い。防蟻剤層が不織布などの片面に防蟻剤を配置したも
のの場合、防蟻剤が配置されていない側の表面と防蟻剤
遮断層とを積層するほうが容易である。
【0015】積層防蟻シートには、防蟻剤遮断層および
防蟻剤層のほかに、別の材料からなる層を積層しておく
こともできる。具体的には、防蟻剤層と防蟻剤遮断層と
の間に互いに接合性を向上させる接着剤層を介在させた
り、積層防蟻シートに防湿機能や防水機能を持たせるた
めの層を積層しておいたり、防蟻剤層の表面に輸送保管
時の保護用に剥離シートを貼り付けておいたりすること
ができる。
【0016】床下空間の地盤に積層防蟻シートを施工す
るには、布基礎の内部で地盤上に積層防蟻シートを敷き
詰めておくだけでよい。積層防蟻シート同士の間に継目
が生じる場合、粘着テープなどでシールしておくことが
できる。積層防蟻シートの上に砂や石などの錘を載せて
固定することもできる。金具を用いて地盤に固定するこ
ともできる。 〔防蟻剤施工部〕積層防蟻シートあるいは防蟻剤層、防
蟻剤遮断層と布基礎との間に生じる隙間あるいは布基礎
の側面に沿って白蟻が床下空間側あるいは床上構造側に
侵入するのを阻止できる場所および構造で施工される。
【0017】積層防蟻シート等と布基礎との隣接個所と
は、積層防蟻シート等の端面と布基礎の側面との対向面
や、積層防蟻シート等の上面端部と布基礎の側面とで構
成する角部、積層防蟻シート等の底面端部と布基礎の側
面とで構成する角部の地盤内、などが含まれる。したが
って、防蟻剤施工部は、積層防蟻シート等の施工前およ
び施工後の何れに施工される場合もある。
【0018】防蟻剤は、前記同様の材料からなり、液
状、練状、粉体状などの形態をなすものが用いられる。
防蟻剤は、そのままで施工することもできるし、防蟻剤
が配合された合成樹脂シートや合成樹脂成形体の形態で
施工することもできる。 〔防蟻剤遮断部〕積層防蟻シートや防蟻剤層あるいは防
蟻剤施工部に施工された防蟻剤が、床下空間側へ侵入す
るのを遮断する。防蟻剤遮断部は、積層防蟻シート等と
布基礎との隣接個所のうち、床下空間側に配置される。
したがって、防蟻剤遮断部の施工は、防蟻剤施工部の施
工の後で行われる。
【0019】防蟻剤遮断部の具体的な配置構造は、防蟻
剤施工部の配置構造に合わせて設定される。防蟻剤を遮
断するには、合成樹脂、金属、セラミックその他の材料
からなり、通液遮断性や通気遮断性、止水性のある材料
で、防蟻剤が通過する可能性のある個所を封鎖しておけ
ばよい。弾力的な変形性のある材料であれば、積層防蟻
シートや布基礎などの変形や凹凸に容易に対応すること
ができる。建築用の止水材料やコーキング材料等が使用
できる。防蟻剤の遮断材料は、シート状であったり、塗
膜状であったりすることができる。
【0020】防蟻剤の遮断材料として、ナイロン6やナ
イロン66、ナイロン11などのポリアミド樹脂を用い
ると、このポリアミド樹脂自体に白蟻に対する防蟻機能
があるので、防蟻性をより高めることができる。防蟻剤
遮断部は、予め成形などの手段で作製された部材を設置
してもよいし、防蟻剤遮断材料を塗工、充填、注入、貼
着などの手段で所定の場所に施工することで、防蟻剤遮
断部を構成することもできる。
【0021】防蟻剤遮断部が予め作製された部材の場
合、この防蟻剤遮断部材を設置したときに、積層防蟻シ
ート等と布基礎との間に隙間が生じないように、接着
剤、粘着剤、コーキング剤、シール剤などで隙間を塞い
だり、防蟻剤遮断部材と積層防蟻シートや布基礎との固
着性を高めたりすることが有効である。防蟻剤遮断部材
として、熱接着性のある材料を用いると、防蟻剤遮断部
材を所定の場所に配置したあとで加熱して、積層防蟻シ
ートや布基礎との接合を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】〔遮断シート〕図1に示す実施形
態は、防蟻遮断部として遮断シートを用いる。床下構造
は、地盤10に一部が埋め込まれて構築され建築物を支
える枠状の布基礎12や、布基礎12の上に、土台や大
引き、根太などを介して施工される床面16あるいは柱
や壁からなる壁面18などの上部構造を有する。
【0023】布基礎12の内側の床下空間Sにおいて、
布基礎12の根元部分の地盤10に断面三角形の溝11
が掘られ、この溝11に防蟻剤32が注入されている。
床下空間Sの地盤10の表面全体には、前記溝11の防
蟻剤32を覆って、積層防蟻シート30が敷設されてい
る。積層防蟻シート30は、合成樹脂シートからなる防
蟻剤遮断層34に防蟻剤層36が積層されたものであ
る。
【0024】積層防蟻シート30の端部と布基礎12の
側面との隣接個所には、積層防蟻シート30の上面から
布基礎12の側面にかけてL字形を構成するように遮断
シート42が貼着されている。遮断シート42は、厚み
0.03mmのポリエチレンからなり、布基礎12および
防蟻剤遮断層34の材料に対して接着性のある接着剤を
用いて貼着されている。
【0025】上記実施形態では、積層防蟻シート30の
防蟻剤層36が、地盤10から床下空間Sへの白蟻の侵
入を阻止する。また、防蟻剤遮断層34が、防蟻剤層3
6に含まれる揮発性の防蟻剤成分などが床下空間Sに放
出されるのを防止する。但し、積層防蟻シート30だけ
では、積層防蟻シート30の端部と布基礎12との間に
隙間があく可能性がある。施工時には隙間がなくても、
経時的に、あるいは、湿気などの環境変化で積層防蟻シ
ート30あるいは布基礎12が変形すると、隙間があい
たり拡がったりする。この隙間から、積層防蟻シート3
0の防蟻剤層36あるいは溝11に注入された防蟻剤3
2が揮発して床下空間Sに放出される可能性がある。
【0026】しかし、積層防蟻シート30と布基礎12
の側面に遮断シート42が貼着されていれば、防蟻剤層
36あるいは防蟻剤32の防蟻剤成分が床下空間Sに侵
入することを確実に阻止できる。布基礎12の根元に
は、白蟻の侵入を確実に防止するために大量の防蟻剤3
2が注入されているが、この防蟻剤32が揮発したりし
ても遮断シート42によって床下空間Sへの侵入は確実
に遮断される。
【0027】その結果、地盤10から床下空間Sへの白
蟻の侵入を効果的に阻止するとともに、防蟻剤成分が床
下空間Sに侵入することも確実に防止できる。 〔積層防蟻シート30の延長〕図2に示す実施形態は、
積層防蟻シート30の端部を延長して防蟻剤遮断部を構
成している。
【0028】基本的な床下構造は前記実施形態と同様で
あり、重複する説明は省略する。以下の実施形態におい
ても同様である。布基礎12の根元に溝11を掘って防
蟻剤32を充填していること、地盤10の表面に積層防
蟻シート30を敷設していることも、前記同様である。
しかし、積層防蟻シート30の端部30aが、布基礎1
2の根元から側面に沿って上部まで延びている。積層防
蟻シート30の端部30aは、熱風吹き付けあるいは熱
コテを当てることで、熱接着によって布基礎12の側面
に貼着されている。積層防蟻シート30の端部が加熱溶
融されることで、防蟻剤層36に含まれる防蟻剤成分が
積層防蟻シート30の端部から漏れだすことが阻止され
る。
【0029】この実施形態では、積層防蟻シート30の
材料の一部に熱接着性を有する合成樹脂など用いること
だけで、それ以外の部材が必要ないので、使用材料およ
び作業工程が簡略になる。なお、積層防蟻シート30の
端部30aを布基礎12に接合する手段としては、前記
した熱接着のほか、接着剤や粘着剤を塗布したり、積層
防蟻シート30の表面に予め接着剤層や粘着剤層を積層
しておくこともできる。接着剤や粘着剤は、積層防蟻シ
ート30の端面を覆うように塗工することが好ましい。
また、積層防蟻シート30の端部30aと布基礎12の
境界に沿って粘着テープを貼り付けることもできる。 〔吹き付け遮断層〕図3に示す実施形態は、吹き付けに
よって防蟻剤遮断部を構成する。
【0030】積層防蟻シート30は、布基礎12の根元
から少し上まで延ばされ、防蟻剤入り接着剤43で布基
礎12に接着されている。この防蟻剤入り接着剤43
は、布基礎12の側面に沿ってはい上がる白蟻の阻止に
有効である。そして、積層防蟻シート30の、布基礎1
2側への折り返し部分から布基礎12の上方部分の側面
にかけて、、吹き付けノズル50から防蟻剤の遮断性を
有する合成樹脂液が吹きつけられて、吹き付け遮断層4
4を構成している。
【0031】吹き付け遮断層44は、布基礎12の側面
から積層防蟻シート30の表面へと段差のついた個所を
確実に覆うことができる。防蟻剤入り接着剤43で積層
防蟻シート30を布基礎12に接着すると、接着剤43
の端面から防蟻剤成分が床下空間Sに放出される可能性
があるが、吹き付け遮断層44で覆っていれば、全く問
題が生じない。 〔粘着テープ状遮断材〕図4に示す実施形態は、防蟻剤
遮断部として、粘着テープ状の材料を用いている。
【0032】積層防蟻シート30の端部が、布基礎12
の根元部分の地盤10に掘られた溝11の底部全体まで
敷設されており、その上に、防蟻剤32が注入されてい
る。溝11の底を積層防蟻シート30の防蟻剤遮断層3
4で覆っていることで、防蟻剤32が地盤10に吸い込
まれてしまったり、地盤10から溝11に地下水などが
侵入して防蟻剤32を流してしまうことが防げる。
【0033】粘着遮断テープ45は、前記遮断シート4
2などと同様の材料からテープ状に形成されているとと
もに、表面には粘着剤層が形成されている。溝11の外
に露出している部分の積層防蟻シート30から、溝11
の防蟻剤32を覆って、布基礎12の側面にかけて、L
字形をなすように粘着遮断テープ45が貼着されている
ことで、防蟻剤成分が床下空間S側に放出されるのを遮
断している。 〔遮断液の塗布〕図5に示す実施形態は、防蟻剤遮断部
として、液状の材料を塗布する。
【0034】積層防蟻シート30の端部が溝11の底ま
で敷設されていて、その上に防蟻剤32が注入されてい
る点は、前記実施形態と同様である。硬化した時に防蟻
剤を遮断する機能が発揮できる合成樹脂などの溶液を、
注入防蟻剤32の上を覆って塗工し、塗工遮断層46を
形成している。塗工遮断層46は、溝11の外の積層防
蟻シート30の表面から布基礎12の側面にかけて形成
されている。
【0035】上記実施形態では、布基礎12や積層防蟻
シート30の表面の細かな凹凸にも対応して隙間なく、
塗工遮断層46を形成することができ、防蟻剤成分が床
下空間Sに侵入することを確実に防止することができ
る。 〔防蟻剤注入のない場合〕図6に示す実施形態は、防蟻
剤の注入を行わない。
【0036】布基礎12の根元部分に溝は形成されてお
らず、地盤10の表面には、布基礎12の根元部分まで
積層防蟻シート30が敷設されている。積層防蟻シート
30の端部から布基礎12の側面上方にかけて、前記同
様の吹き付けノズル50を用いて、アクリル樹脂やウレ
タン樹脂塗料からなる吹き付け遮断層44を形成してい
る。吹き付け遮断層44によって、積層防蟻シート30
に含まれる防蟻剤成分が床下空間Sに放出されるのを防
止することができる。
【0037】上記実施形態は、比較的に簡単な構造で、
確実な防蟻機能および防蟻剤遮断機能とを果たすことが
できる。 〔積層防蟻シートの折り返し〕図7に示す実施形態は、
積層防蟻シートの端部を折り返して防蟻剤遮断部を構成
する。
【0038】地盤10の上に敷設された積層防蟻シート
30を布基礎12の側面に沿って延ばし、布基礎12の
途中で積層防蟻シート30の端部を布基礎12側に折り
返して折り返し部30bを設けている。折り返し部30
bは、折り返しの内側に防蟻剤層36が配置されること
になるので、折り返し部30bの上端に防蟻剤層36が
露出することがない。布基礎12の表面には防蟻剤遮断
層34が隣接するので、防蟻剤遮断層34を布基礎12
に接着剤などで接合してしまえば、防蟻剤層36は外部
と遮断されてしまい、防蟻剤成分が床下空間Sに放出さ
れない。
【0039】上記実施形態は、積層防蟻シート30の端
部を折り返すという極めて簡単な構造および作業だけ
で、床下空間Sへの防蟻剤成分の放出を確実に阻止する
ことができる。 〔防蟻剤層の施工〕図8および図9に示す実施形態は、
床下空間Sの地盤10に直接に防蟻剤層を施工する。
【0040】ストレートアスファルトを130℃〜15
0℃に保っておく。水100重量部にポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル6.0重量部、塩化カルシウ
ム2.0重量部を添加溶解して、50℃〜70℃に保っ
た乳化液を調製し、前記ストレートアスファルトと乳化
液とを60:40の重量割合で混合し、さらにハレル型
ホモジナイザーを通して乳化したノニオン系瀝青乳剤を
得る。このノニオン系瀝青乳剤100重量部と、シラフ
ルオフェン20%を含有する可乳油剤型の防蟻剤100
重量部とを混合して、固着性防蟻土壌処理用瀝青乳剤を
得た。
【0041】得られた固着性防蟻土壌処理用瀝青乳剤
を、防蟻剤の有効成分が1%になるように水で10倍に
希釈したものを、よく水洗した川砂に1m2当たり40リ
ットルの割合で良く混練し、この混練物を地盤10に厚
み20mmで均一に堆積させて、防蟻剤層62を施工する
(図8参照)。次に、図9に示すように、厚み100μ
mのポリプロピレン製合成樹脂シートを、防蟻剤層62
の上面全体に被覆して防蟻剤遮断層64を施工した。
【0042】防蟻剤遮断層64の縁部を粘着テープ65
でシールして、防蟻剤層62が床下空間Sに露呈しない
ようにした。 〔積層防蟻シートの製造〕図10に示す実施形態は、積
層防蟻シートの詳細構造を示している。パラフィン系ワ
ックス100重量部に、防蟻剤であるクロルピリホス
(住友化学社製)10重量部の割合で添加溶融した。溶
融液を、厚さ0.02mmのポリプロピレン系スパンボン
ド不織布66の下面に、塗布量20g/m2となるように塗
布して防蟻剤層67を形成した。
【0043】スパンボンド不織布65の上面に、ポリプ
ロピレン樹脂を積層成膜して厚さ150μmの防蟻剤遮
断層68を形成して、積層防蟻シート30とした。積層
防蟻シート30は前記した各実施形態で使用することが
できる。図11に示すように、防蟻剤層67を地盤10
側に向けて、積層防蟻シート30を、地盤10の表面に
敷設した。積層防蟻シート30の端部は、防蟻剤を含有
したブチルテープ69で固定及びシールを行った。積層
防蟻シート30同士の継目も同様のブチルテープ69で
シールした。
【0044】
【発明の効果】本発明の防蟻構造および防蟻方法は、床
下空間の地盤に施工される防蟻剤層の上面を防蟻剤遮断
層で塞いでおくことで、防蟻剤層に含まれる防蟻剤成分
が床下空間に放出されるのを防止することができる。さ
らに、防蟻剤遮断部を備えておくことで、白蟻が地盤か
ら床下空間に侵入したり布基礎の側面を登って床上構造
に侵入したりすることを確実に防止できるとともに、布
基礎の側面に生じる隙間や積層防蟻シートの端部などか
ら防蟻剤成分が床下空間に放出されることを確実に遮断
することができる。
【0045】その結果、優れた防蟻機能を発揮すること
ができるとともに、床下空間が防蟻剤成分で汚染される
ことを防いで、床下空間の環境を良好に維持できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図2】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図3】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図4】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図5】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図6】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図7】 別の実施形態を表す防蟻構造の断面図
【図8】 別の実施形態を表す防蟻構造の施工の第1段
階の断面図
【図9】 施工後の防蟻構造の断面図
【図10】 別の実施形態を表す積層防蟻シートの断面
【図11】 積層防蟻シートを施工した防蟻構造の断面
【符号の説明】
10 地盤 11 溝 12 布基礎 30 積層防蟻シート 32 防蟻剤 34 防蟻剤遮断層 36 防蟻剤層 42 遮断シート 44 吹き付け遮断層 45 粘着遮断テープ 46 塗工遮断層 S 床下空間
フロントページの続き (72)発明者 岡野 信夫 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 秋田 清 福井県福井市三十八社町33字66番地 フク ビ化学工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 意法 東京都品川区大井1丁目23番3号 フクビ 化学工業株式会社東京支店内 Fターム(参考) 2E001 DH14 FA21 FA22 GA06 GA07 GA24 GA28 GA42 GA47 HA14 HB01 HD11 HD13 JD02 JD09 JD10 LA04 LA05 LA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】布基礎と地盤と床構造とで囲まれた床下空
    間の防蟻構造であって、 前記布基礎の内側の前記地盤表面に配置される防蟻剤層
    と、 前記防蟻剤層の表面を覆って配置される防蟻剤遮断層と
    を備える防蟻構造。
  2. 【請求項2】前記防蟻剤層および防蟻剤遮断層が、防蟻
    剤層と防蟻剤遮断層とが積層された積層防蟻シートであ
    り、 前記積層防蟻シートと前記布基礎との隣接個所に配置さ
    れ、防蟻剤の通過を遮断する防蟻剤遮断部をさらに備え
    る請求項1に記載の防蟻構造。
  3. 【請求項3】前記防蟻剤遮断部が、前記積層防蟻シート
    の表面から前記布基礎の側面にかけて貼着された遮断シ
    ートである請求項2に記載の防蟻構造。
  4. 【請求項4】前記防蟻剤遮断部が、前記積層防蟻シート
    の表面から前記布基礎の側面にかけて塗工された遮断塗
    剤層である請求項2に記載の防蟻構造。
  5. 【請求項5】前記布基礎の側面に沿って地盤に配置され
    た溝と、この溝に充填された防蟻剤とからなる防蟻剤充
    填部をさらに備え、 前記防蟻剤遮断部が、前記積層防蟻シートおよび防蟻剤
    充填部に含まれる防蟻剤の通過を遮断する請求項2〜4
    の何れかに記載の防蟻構造。
  6. 【請求項6】布基礎と地盤と床構造とで囲まれた床下空
    間の防蟻方法であって、 前記布基礎の内側の前記地盤表面に、地盤側に配置され
    る防蟻剤層と防蟻剤層の表面を覆って床下空間側に配置
    される防蟻剤遮断層とを有する積層防蟻シートを敷設す
    る工程(a) と、 前記積層防蟻シートと前記布基礎との隣接個所に、防蟻
    剤が床下空間側に侵入するのを遮断する防蟻剤遮断部を
    施工する工程(b) とを含む防蟻方法。
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