JP2000345441A - 電磁波シ―ルド材 - Google Patents

電磁波シ―ルド材

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JP2000345441A
JP2000345441A JP11154069A JP15406999A JP2000345441A JP 2000345441 A JP2000345441 A JP 2000345441A JP 11154069 A JP11154069 A JP 11154069A JP 15406999 A JP15406999 A JP 15406999A JP 2000345441 A JP2000345441 A JP 2000345441A
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yarn
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electromagnetic wave
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弘明 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性を付与した糸からなる電磁波シールド
材において、導電性金属の剥離なく、長期間シールド性
を維持可能な電磁波シールド材を提供する。 【解決手段】 幅太の帯状とした合成樹脂からなるフィ
ルムの一側面に導電性金属を被着して導電性金属被着面
(5)を形成し、同フィルムを所用の幅に切離して帯状糸
(4)とし、導電性金属被着面(5)を内側にして帯状糸(4)
を芯糸(7)にらせん状に巻き付けた電磁波シールド材。
特に、帯状糸(4)に通気孔(8)を穿設していることにも特
徴を有する。または、一側面に導電性金属を被着して導
電性金属被着面(5)を形成するとともに、通気孔(8)を穿
設した合成樹脂からなる帯状糸(4)を、同導電性金属被
着面(5)を内側にして芯糸(7)にらせん状に巻き付けた電
磁波シールド材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波をシールド
する電磁波シールド材に関するものである。特に電磁波
に対するシールド性を有する布体への加工が容易な電磁
波シールド材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、布体に電磁波に対するシールド性
を付与すべく、布体を構成するたて糸及び/またはよこ
糸に細い金属繊維からなる金属糸を用いたり、あるい
は、セルロース系導電性繊維からなる糸を用いることに
よって、シールド可能とした様々な布体が提案されてい
る。
【0003】しかし、これらの布体は、電磁波に対する
シールド性はあるものの衣服用の生地としては適さない
ため、最近では衣服に使用でき、かつ、シールド性を有
する布体の開発がなされており、たとえば、次のように
構成された電磁波シールド材Bを用いて布体としたもの
が提案されている。
【0004】図4に示すように、同電磁波シールド材B
は、ポリエステルからなる繊維の表面に銀や銅などの導
電性金属をめっきあるいは蒸着することによって、同繊
維に導電性を生じさせて導電性繊維10とし、同導電性
繊維10を複数本束ねて形成した導電性糸と、導電性処
理を施していない非導電性繊維20を複数本束ねて形成
した非導電性糸とを撚り合わせて電磁波シールド材Bと
したものである。非導電性繊維20からなる非導電性糸
に肌触りや吸湿性に優れたものを用い、導電性糸に撚り
合わせることによって電磁波シールド材B自体の肌触り
や吸湿性を向上させることができる。
【0005】そして、同電磁波シールド材Bをたて糸及
び/またはよこ糸として、図4に示すように、製織して
布体とすることにより、電磁波に対してシールド性を有
した衣服用の生地とすることができる。
【0006】図4において、Cは非導電性繊維20のみ
を撚り合わせて形成した従来型非導電性糸であり、製織
時に交織されたものである。同従来型非導電性糸Cを交
織することによって、より目的に適した衣服用の生地と
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した導電
性繊維10からなる導電性糸と非導電性繊維20からな
る非導電性糸とを撚り合わせて電磁波シールド材Bと
し、製織して布体とした場合には、図3に示すように、
表面に露出状態となっている導電性繊維10の導電性金
属が製織時に剥離しやすく、電磁波のシールド性を低下
させる原因となっていた。図4のDは剥離部分を示して
いる。
【0008】また、剥離して微粉末状となった導電性金
属を吸引したり、目に入れたりするおそれがあり、安全
性にも問題があった。
【0009】そこで、本発明者は、導電性繊維10に被
着させた導電性金属の剥離を防止すべく研究・開発を行
った結果、剥離を生じないことによって長期間シールド
性を維持可能な電磁波シールド材を発明するに至ったも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、合成樹脂系
繊維の表面に導電性金属を被着した導電性繊維と、非導
電性繊維とを撚り合わせ、合成樹脂系糊からなる糊液に
よって糊付けし、表面に合成樹脂系糊からなる皮膜を形
成したことを特徴とする電磁波シールド材を提供せんと
するものである。また、合成樹脂系繊維の表面に導電性
金属を被着した導電性繊維からなる導電性糸に、非導電
性繊維からなる非導電性糸を重ね合せて、あるいは、巻
回して、あるいは、撚り合わせて、合成樹脂系糊からな
る糊液によって糊付けしたことを特徴とする電磁波シー
ルド材を提供せんとするものである。
【0011】特に、ポリエステル系樹脂からなる繊維の
表面に導電性金属を被着して導電性繊維とし、同導電性
繊維を複数本束ねて形成した導電性糸に、非導電性繊維
を複数本束ねて形成した2本の非導電性糸を、1本は右
撚りに、もう1本は左撚りに撚り合わせてたすき状撚糸
とし、合成樹脂系糊からなる糊液中を通過させ、たすき
状撚糸の導電性繊維の露出面に合成樹脂系糊を被着させ
たことを特徴とする電磁波シールド材を提供せんとする
ものである。また、同電磁波シールド材は、糊液中に、
非導電性繊維と同色の顔料または染料を添加することに
よって着色を施したことにも特徴を有するものである。
【0012】また、一側面に導電性金属を被着して導電
性金属被着面を形成し、かつ、通気孔を穿設した合成樹
脂からなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側にして
らせん状に心糸に巻き付けたことを特徴とする電磁波シ
ールド材を提供せんとするものである。特に、合成樹脂
に着色を施したこと、及び、合成樹脂をポリエステル系
樹脂またはナイロン系樹脂としたことにも特徴を有する
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波シールド材は、合
成樹脂系繊維の表面に蒸着やめっきなどによって導電性
金属を被着させた導電性繊維を形成し、同導電性繊維
と、導電処理を施していない非導電性繊維とを撚り合わ
せて糸とし、さらに、合成樹脂系糊からなる糊液に通し
て糊付けし、表面に合成樹脂系糊からなる皮膜を形成し
た電磁波シールド材である。
【0014】特に導電性繊維を非導電性繊維よりも少な
い状態として撚り合わせることにより、導電性繊維の導
電性金属の露出面積を小さくすることができ、さらに、
露出部分を合成樹脂系糊による皮膜によって被覆するこ
とができるので、製織時に導電性金属が剥離することを
防止することができる。
【0015】さらに、導電性繊維を取り巻く非導電性繊
維の間隔が狭いことによって、合成樹脂系糊による皮膜
を形成しやすくすることができる。
【0016】また、本発明の電磁波シールド材は、合成
樹脂系繊維の表面に蒸着やめっきなどによって導電性金
属を被着させた導電性繊維を束ねた導電性糸に、非導電
性繊維を束ねた非導電性糸を重ね合せることによって、
導電性糸を非導電性糸で被覆したものであり、さらに、
それを合成樹脂系糊からなる糊液に通して糊付けしたも
のである。
【0017】導電性糸に非導電性糸を重ね合せることに
よって、導電性繊維の表面に被着させた導電性金属が外
部に露出することがなく、さらに、糊付けによって非導
電性糸による導電性糸への重ね合せ状態を強固にするこ
とができるので、導電性金属を確実に保護することがで
き、製織時に生じる導電性金属の剥離を防止することが
できる。
【0018】また、本発明の電磁波シールド材は、上述
の導電性糸に、非導電性糸を巻回することによって被覆
し、さらに、それを合成樹脂系糊からなる糊液に通すこ
とによって糊付けしたものである。
【0019】導電性糸に非導電性糸を巻回することによ
って導電性糸を確実に被覆することができ、導電性繊維
の表面に被着させた導電性金属が外部に露出することが
なく、さらに、糊付けによって非導電性糸による被覆状
態を強固にすることができるので、導電性金属を確実に
保護することができ、製織時に生じる導電性金属の剥離
を防止することができる。
【0020】また、本発明の電磁波シールド材は、上述
の導電性糸に、非導電性糸を撚り合わせることによって
被覆し、それを合成樹脂系糊からなる糊液に通して糊付
けし、表面に合成樹脂系糊による被膜を形成したもので
ある。
【0021】導電性糸と非導電性糸とを撚り合わせるこ
とによって導電性糸の1部分は確実に被覆し、残りの部
分においては導電性繊維の表面に被着させた導電性金属
を露出させた状態となっている。
【0022】しかし、導電性糸と非導電性糸との撚り合
わせにより所定間隔ごとに非導電性糸が存在することに
よって、その後、糊付けの際に合成樹脂系糊を均一に付
着させやすく、同合成樹脂系糊による被膜を形成しやす
くすることができるので、同被膜によって導電性金属を
確実に保護することができ、製織作業中に生じる導電性
金属の剥離を防止することができる。
【0023】また、本発明の電磁波シールド材は、あら
かじめポリエステル系樹脂の合成樹脂からなる繊維の表
面にめっきや蒸着などによって導電性金属を被着させて
導電性繊維を形成し、同導電性繊維を複数本束ねて導電
性糸とし、また、非導電性繊維を複数本束ねて非導電性
糸として、1本の導電性糸に2本の非導電性糸を、1本
は右撚りに、もう1本は左撚りに撚り合わせてたすき状
撚糸を形成したものである。
【0024】そして、さらに、同たすき状撚糸を合成樹
脂系糊からなる糊液に通し、余分な糊液を擦り落とすこ
とによって糊付けを行い、電磁波シールド材としてい
る。
【0025】電磁波シールド材となっているたすき状撚
糸は、導電性糸を心糸として2本の非導電性糸をたすき
状に撚り合わせているので、同非導電性糸部分が盛り上
がり、相対的に非導電性糸によって被覆されていない導
電性糸の部分が窪むこととなるので、その窪み部分に糊
付けによる糊液が残留し、乾燥させることによって窪み
部分に合成樹脂系糊を被着させることができる。
【0026】また、同窪み部分は非導電性糸によって被
覆されていないことによって導電性繊維に被着させた導
電性金属が露出した状態となっており、その部分を合成
樹脂系糊による皮膜によってコーティングすることがで
きるので、製織時の導電性金属の剥離を防止することが
できる。
【0027】特に、窪み部分に残留し、乾燥させること
によって被着された合成樹脂系糊は、窪み部分に存在し
ていることによって外力が作用しにくいので剥離が生じ
にくく、また、窪みの形状がいわゆるアンカー効果を生
起していることによって、強固な被着状態とすることが
できる。
【0028】さらに、通常、導電性繊維は被着された導
電性金属の色に着色された状態となるので色のバリエー
ションが少なく、また、使用する導電性金属によって
は、酸化などの経時的な変化にともなって変色が生じる
ため、衣服生地としての使用可能な用途が限定されてい
たが、非導電性繊維に有色のものを使用し、糊液に非導
電性繊維と同色の顔料または染料を添加することによっ
て、電磁波シールド材に適宜の着色を施すことができる
ので、同電磁波シールド材の用途範囲を広げることがで
きる。そのうえ、合成樹脂系糊による皮膜によって導電
性金属の経時変化を防止することができるので、電磁波
に対するシールド性の劣化を防止することができる。
【0029】もう一つの本発明の電磁波シールド材は、
一側面に蒸着などによって導電性金属を被着して導電性
金属被着面を形成し、かつ、通気孔を穿設した合成樹脂
からなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側にしてら
せん状に心糸に巻き付けた電磁波シールド材である。
【0030】同電磁波シールド材の外周面には導電性金
属が露出しないので、製織時に導電性金属が剥離するこ
とを防止することができるとともに、合成樹脂自体に経
時的な劣化が生じても、導電性金属被着面の導電性金属
が剥離するおそれがないので、同電磁波シールド材を製
織した布体は長期間にわたって電磁波に対するシールド
性を維持することができる。
【0031】特に、帯状糸に通気孔を穿設したことによ
って同帯状糸を通気性及び吸湿性を有する電磁波シール
ド材とすることができるとともに、通気孔を形成したこ
とによって電磁波シールド材を柔軟にすることができ
る。
【0032】さらに、帯状糸となる合成樹脂自体に着色
を施しておく、必要であれば心糸も同色の糸を使用する
ことによって、簡単に適宜の有色の電磁波シールド材と
することができ、様々な色彩のバリエーションを有する
電磁波シールド材とすることできるので、衣服の生地と
しての適用範囲を広げることができる。さらには、電気
カーペットや電気毛布、あるいは、シーツ、カーテンや
壁貼り布等にも使用することができる。
【0033】また、合成樹脂をポリエステル系樹脂また
はナイロン系樹脂としたことによって、電磁波シールド
材が十分な柔軟性を有し、製織性を損なうことがなく、
製織により布体とした際にも同布体に充分な柔軟性を与
えることができ、衣服用の生地として使用可能とするこ
とができる。
【0034】
【実施例】<第1実施例>図1は本発明の第1実施例の
電磁波シールド材A1であって、糊付け前の状態を示し
たものであり、同電磁波シールド材A1は、ポリエステ
ルからなる繊維の表面に無電解めっきによって銅被膜を
形成して導電性繊維1としており、同導電性繊維1を複
数本束ねて形成した導電性糸と、同じくポリエステルか
らなる繊維であって、めっきや蒸着などの導電処理を施
していない非導電性繊維2を複数本束ねて形成した非導
電性糸とを撚り合わせたものである。
【0035】特に、撚り合わせる際には、導電性繊維1
からなる1本の導電性糸を心糸として、非導電性繊維2
からなる2本の非導電性糸を、1本は右撚りに、もう1
本は左撚りに撚り合わせることによってたすき状として
おり、そのように撚り合わせた糸をたすき状撚糸と呼ぶ
ことにする。
【0036】導電性糸に非導電性糸をたすき状に撚り合
わせることによって、図1に示すように、導電性繊維1
に形成した銅からなる導電性金属被膜の露出面積を小さ
くすることができるとともに、その露出部分を窪み状態
とすることができるので、後述する糊付けにおいて、合
成樹脂系糊3が同窪み部分に溜まるように糊付けするこ
とができ、銅からなる導電性金属皮膜を合成樹脂系糊3
による皮膜によって確実にコーティングすることができ
る。
【0037】糊付けは導電性糸と非導電性糸とをたすき
状に撚り合わせた後に行われ、合成樹脂系糊3を糊液中
に通し、余分な糊液を擦り落として乾燥させることによ
り行われる。
【0038】余分な糊液を擦り落とす際に、上述した窪
み部分に入り込んだ糊液は擦り落とすことができないの
でそのまま残ることとなり、同窪み部分に糊液を残留さ
せたまま乾燥させることによって、図2に示すように、
合成樹脂系糊3の硬化した被膜を形成することができ
る。
【0039】糊液は、合成樹脂系糊3を1〜4wt%
と、水を主成分とする溶媒96〜99wt%とを混合し
て作成している。ここでいう合成樹脂系糊3とはポリビ
ニールアルコールやアクリル系糊などの糊剤であり、こ
れらを乾燥後の被膜において所要の物性が得られるよう
に適宜選択、配合して用いているものである。数種類の
糊剤を配合して使用する場合には、それらの和が1〜4
wt%となるように配合している。また、溶媒には水以
外にも、製織作業を容易とするための配合剤または助剤
などを適宜選択、配合することによって溶媒としてい
る。
【0040】合成樹脂系糊3が1wtより少ない場合に
は、糊付けによる糊の付着量が不十分となって十分な皮
膜の形成が困難となるとともに、製織に必要な可織性も
低下し、布体への製織が困難となる。逆に、4wt%を
越える場合には、糊付け後に電磁波シールド材A1が固
くなりすぎ、可織性を低下させるので望ましくない。た
だし、可織性の低下が問題とならない場合には4wt%
以上としてもよく、電磁波シールド材A1全面を合成樹
脂系糊3の被膜で被覆すべく構成してもよい。
【0041】合成樹脂系糊3が1〜4wt%の範囲であ
る配合であれば、糊付け後に合成樹脂系糊3によって電
磁波シールド材が固くなり過ぎることがなく、十分な製
織性を有するとともに、製織により布体とした際にも同
布体に十分な柔軟性を付与することができるので、衣服
用の生地やシーツ、電気カーペットや電気毛布用の生
地、あるいは、カーテンなどとしても使用することがで
きる。
【0042】図2に示すように、合成樹脂系糊3は非導
電性繊維2の表面の一部にも被着するが、電磁波シール
ド材A1全体を被着してコーティングしているわけでは
ないので柔軟性、肌触り、及び、適度な吸湿性を維持す
ることができ、布体への適用を可能とすることができ
る。
【0043】さらに、糊液に非導電性繊維2と同色の顔
料または染料を配合し、有色の糊液として糊付けするこ
とによって、非導電性繊維2と同色の合成樹脂系糊3に
よる皮膜を形成することができ、電磁波シールド材A1
を有色とすることができる。従って、電磁波シールド材
A1を製織して布体とした際には、衣服だけでなく様々
な用途に、電磁波に対するシールドが可能な布体として
使用可能な生地とすることができる。
【0044】他の実施例として、導電性糸と非導電性糸
とをたすき状に撚り合わせてたすき状撚糸とするのでは
なく、導電性繊維1と非導電性繊維2とをそれぞれ適量
づつ混ぜ合わせて撚り合わせ、糊付けすることによって
電磁波シールド材とすることもできる。ここでの糊付け
は、上述した合成樹脂系糊3を上述したのと同様の糊液
としたもので行われるものであり、以下で言う「糊付
け」でも同じである。
【0045】また、導電性糸を心糸として、非導電性糸
を同導電性糸の周りに重ね合せることにより、導電性金
属被膜の露出部分を被覆し、さらに糊付けすることによ
って重ね合せ状態を強固に維持することができるように
構成し、製織時の導電性金属の剥離を防止することもで
きる。
【0046】また、導電性糸を心糸として、非導電性糸
を同導電性糸の周りに重ね合せるのではなく、巻回させ
ることによって導電性金属被膜の露出部分を被覆し、さ
らに糊付けすることによって巻回した非導電性糸同士を
糊付けし、導電性金属被膜が露出することを防止すべく
構成することもできる。
【0047】さらには、導電性糸と非導電性糸とをたす
き状に撚り合わせるのではなく、単に撚り合わせ、その
後に糊付けを行うことによって、導電性金属被膜の露出
部分を合成樹脂系糊3による被覆によって被覆すべく構
成し、製織時の導電性金属の剥離を防止することもでき
る。
【0048】<第2実施例>図3は本発明の第2実施例
の電磁波シールド材A2を示したものであり、ポリエス
テル系樹脂からなる帯状糸4の一側面に導電性金属であ
る銀を蒸着して導電性金属被着面5を形成し、さらに、
多数の通気孔8を穿設し、導電性金属被着面5を内側に
して、複数本のポリエステル系樹脂からなる繊維で、め
っきや蒸着などの導電処理を施していない非導電性繊維
6を束ねた非導電性糸からなる心糸7に、らせん状に巻
き付けてらせん糸としたものである。
【0049】帯状糸4の素材はポリエステル系樹脂に限
定するものではなくナイロン系樹脂またはそれ以外の合
成樹脂であればよいが、特にポリエステル系樹脂または
ナイロン系樹脂を使用することによって、柔軟性を有す
る電磁波シールド材A2とすることができ、製織性を高
めることができるとともに、製織された布体を柔軟に仕
上げることができる。
【0050】ただし、電磁波シールド材A2の柔軟性
は、帯状糸4の幅や巻き付け状態にも依存するものであ
り、帯状糸4の幅や巻き付け状態は、所要の柔軟性が得
られるように適宜選択して使用されるものである。
【0051】また、帯状糸4には多数の通気孔8を穿設
しており、同通気孔8を設けたことによって電磁波シー
ルド材A2をさらに柔軟とすることができるとともに、
通気孔8を介して空気及び湿気を流通させることができ
るので、通気性及び吸湿性を向上させることができる。
【0052】同通気孔8は導電性金属被着面5の形成後
に穿設してもよいし、導電性金属被着面5の形成前に穿
設してもよい。通気孔8の大きさは10μm程度が望ま
しいが、10μmより大きくてもよい。特に、通気孔8
の穿設を導電性金属被着面5の形成前に行う場合には、
大きめの通気孔8を形成しておき、導電性金属の被着に
よって孔径が縮小することによって所要の孔径となるべ
く構成してもよい。
【0053】本実施例では、幅太の帯状となったポリエ
ステル系樹脂からなるフィルムに銀蒸着を行い、次いで
通気孔8を穿設し、その後、所要の幅を有する帯状糸4
に切離することによって帯状糸4を形成している。蒸着
する導電性金属は銀に限定するものではなく、導電性を
有していればどのような金属を用いてもよく、さらに、
蒸着以外にもめっきによって導電性金属被着面5を形成
してもよい。
【0054】心糸7は、ポリエステルからなる繊維に限
定するものではなく、所要の物性が得られる心糸7を適
宜選択して使用してよい。特に絹糸や木綿糸などを用い
ることによって、通気性及び吸湿性をより向上させるこ
とができる。
【0055】導電性金属被着面5を内側にした帯状糸4
を心糸7にらせん状に巻き付けることによって、電磁波
シールド材A2の外周面には導電性金属が露出しないの
で、製織時に導電性金属が剥離することを防止すること
ができる。
【0056】特に、ポリエステル系樹脂またはナイロン
系樹脂などの合成樹脂からなる帯状糸4自体に着色を施
し、有色の帯状糸4としておくことにより、電磁波シー
ルド材A2を有色とすることができるので、電磁波シー
ルド材A2を製織して布体とした際には、衣服だけでな
く様々な用途に、電磁波に対するシールドが可能な布体
として使用可能な生地とすることができる。このとき、
必要であれば心糸7にも同色の糸を使用する。
【0057】特に、帯状糸4に無数の通気孔8を形成し
ていることによって、電磁波シールド材A2に通気性及
び吸湿性を付与することができるとともに、柔軟とする
ことができるので、製織することにより衣服用の生地や
シーツ、電気カーペットや電気毛布用の生地、あるい
は、カーテンなどとしても使用することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得る
ことができる。
【0059】 合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を
被着した導電性繊維と、非導電性繊維とを撚り合わせた
後に、または、合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を被
着した導電性繊維からなる導電性糸に、非導電性繊維か
らなる非導電性糸を重ね合せ、あるいは、巻回し、ある
いは、撚り合わせた後に、合成樹脂系糊からなる糊液を
通して糊付けすることによって、導電性繊維に被着させ
た導電性金属の剥離を防止することができ、電磁波に対
するシールド性を長期間にわたって維持することができ
る電磁波シールド材とすることができる。
【0060】 ポリエステル系樹脂からなる繊維の表
面に導電性金属を被着して導電性繊維とし、同導電性繊
維を複数本束ねて形成した導電性糸に、非導電性繊維を
複数本束ねて形成した2本の非導電性糸を、1本は右撚
りに、もう1本は左撚りに撚り合わせてたすき状撚糸と
し、合成樹脂系糊からなる糊液中を通過させ、たすき状
撚糸の導電性繊維の露出面に合成樹脂系糊を被着させて
電磁波シールド材としたことによって、合成樹脂系糊に
よって導電性繊維に被着させた導電性金属をコーティン
グすることができ、同電磁波シールド材を製織して布体
とする際に導電性金属の剥離を防止することができる。
【0061】特に、糊液中に非導電性繊維と同色の顔料
または染料を添加して糊付けすることによって、電磁波
シールド材に適宜の着色を施すことができるので、様々
な色彩を有する電磁波シールド材を提供することがで
き、同電磁波シールド材を製織して布体とした際に、衣
服だけでなく様々な用途、例えば電気毛布や電気カーペ
ット、さらには、カーテンや壁貼り布などにも、電磁波
に対するシールドが可能な布体として使用可能な生地と
することができる。
【0062】 一側面に導電性金属を被着して導電性
金属被着面を形成し、かつ、通気孔を穿設した合成樹脂
からなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側にしてら
せん状に心糸に巻き付けて電磁波シールド材としたこと
によって、外周面には導電性金属が露出しないので、製
織して布体とする際に導電性金属が剥離することを防止
することができ、さらに、導電性金属を被着した帯状糸
の合成樹脂自体に経時的な劣化が生じても、導電性金属
被着面の導電性金属が剥離するおそれがないので、長期
間にわたって電磁波に対するシールド性を維持すること
ができる。
【0063】また、通気孔を穿設したことによって、電
磁波シールド材の通気性及び吸湿性を向上させることが
できるとともに、同電磁波シールド材に柔軟性を付与す
ることができる。さらに、合成樹脂をポリエステル系樹
脂またはナイロン系樹脂とすることによって、電磁波シ
ールド材をより柔軟に構成することができ、布体への製
織性を高めることができ、また、製織された布体自体を
柔軟なものとすることができる。
【0064】また、帯状糸となる合成樹脂自体に着色を
施しておくことにより、電磁波シールド材に適宜の着色
を施すことができるので、様々な色彩を有する電磁波シ
ールド材を提供することができ、同電磁波シールド材を
製織して布体とした際には、衣服だけでなく様々な用途
に使用可能な電磁波に対するシールド性を有する布体と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の電磁波シールド材の糊付け前状態
の説明図である。
【図2】第1実施例の電磁波シールド材の説明図であ
る。
【図3】第2実施例の電磁波シールド材の説明図であ
る。
【図4】従来の電磁波に対してシールド性を有している
布体の説明図である。
【符号の説明】
A1,A2 電磁波シールド材 1 導電性繊維 2,6 非導電性繊維 3 合成樹脂系糊 4 帯状糸 5 導電性金属被着面 7 心糸 8 通気孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月10日(2000.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波をシールド
する電磁波シールド材に関するものである。特に電磁波
に対するシールド性を有する布体への加工が容易な電磁
波シールド材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、布体に電磁波に対するシールド性
を付与すべく、布体を構成するたて糸及び/またはよこ
糸に細い金属繊維からなる金属糸を用いたり、あるい
は、セルロース系導電性繊維からなる糸を用いることに
よって、シールド可能とした様々な布体が提案されてい
る。
【0003】しかし、これらの布体は、電磁波に対する
シールド性はあるものの衣服用の生地としては適さない
ため、最近では衣服に使用でき、かつ、シールド性を有
する布体の開発がなされており、たとえば、次のように
構成された電磁波シールド材Bを用いて布体としたもの
が提案されている。
【0004】図2に示すように、同電磁波シールド材B
は、ポリエステルからなる繊維の表面に銀や銅などの導
電性金属をめっきあるいは蒸着することによって、同繊
維に導電性を生じさせて導電性繊維10とし、同導電性
繊維10を複数本束ねて形成した導電性糸と、導電性処
理を施していない非導電性繊維20を複数本束ねて形成
した非導電性糸とを撚り合わせて電磁波シールド材Bと
したものである。非導電性繊維20からなる非導電性糸
に肌触りや吸湿性に優れたものを用い、導電性糸に撚り
合わせることによって電磁波シールド材B自体の肌触り
や吸湿性を向上させることができる。
【0005】そして、同電磁波シールド材Bをたて糸及
び/またはよこ糸として、図2に示すように、製織して
布体とすることにより、電磁波に対してシールド性を有
した衣服用の生地とすることができる。
【0006】図2において、Cは非導電性繊維20のみ
を撚り合わせて形成した従来型非導電性糸であり、製織
時に交織されたものである。同従来型非導電性糸Cを交
織することによって、より目的に適した衣服用の生地と
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した導電
性繊維10からなる導電性糸と非導電性繊維20からな
る非導電性糸とを撚り合わせて電磁波シールド材Bと
し、製織して布体とした場合には、図2に示すように、
表面に露出状態となっている導電性繊維10の導電性金
属が製織時に剥離しやすく、電磁波のシールド性を低下
させる原因となっていた。図2のDは剥離部分を示して
いる。
【0008】また、剥離して微粉末状となった導電性金
属を吸引したり、目に入れたりするおそれがあり、安全
性にも問題があった。
【0009】そこで、本発明者は、導電性繊維10に被
着させた導電性金属の剥離を防止すべく研究・開発を行
った結果、剥離を生じないことによって長期間シールド
性を維持可能な電磁波シールド材を発明するに至ったも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、幅太の帯状
とした合成樹脂からなるフィルムの一側面に導電性金属
を被着して導電性金属被着面を形成し、同フィルムを所
用の幅に切離して帯状糸とし、導電性金属被着面を内側
にして帯状糸を芯糸にらせん状に巻き付けた電磁波シー
ルド材を提供せんとするものである。特に、帯状糸に通
気孔を穿設していることにも特徴を有するものである。
【0011】また、一側面に導電性金属を被着して導電
性金属被着面を形成するとともに、通気孔を穿設した合
成樹脂からなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側に
して芯糸にらせん状に巻き付けた電磁波シールド材を提
供せんとするものである。
【0012】さらに、帯状糸となる合成樹脂を、ポリエ
ステル系樹脂またはナイロン系樹脂としていること、芯
糸を木綿糸としていること、合成樹脂に着色を施してい
ることにも特徴を有するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波シールド材は、一
側面に蒸着などによって導電性金属を被着して導電性金
属被着面を形成し、かつ、通気孔を穿設した合成樹脂か
らなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側にしてらせ
ん状に芯糸に巻き付けた電磁波シールド材である。
【0014】同電磁波シールド材の外周面には導電性金
属が露出しないので、製織時に導電性金属が剥離するこ
とを防止することができるとともに、合成樹脂自体に経
時的な劣化が生じても、導電性金属被着面の導電性金属
が剥離するおそれがないので、同電磁波シールド材を製
織した布体は長期間にわたって電磁波に対するシールド
性を維持することができる。
【0015】特に、帯状糸に通気孔を穿設したことによ
って同帯状糸を通気性及び吸湿性を有する電磁波シール
ド材とすることができるとともに、通気孔を形成したこ
とによって電磁波シールド材を柔軟にすることができ
る。
【0016】さらに、帯状糸となる合成樹脂自体に着色
を施しておく、必要であれば芯糸も同色の糸を使用する
ことによって、簡単に適宜の有色の電磁波シールド材と
することができ、様々な色彩のバリエーションを有する
電磁波シールド材とすることができるので、衣服の生地
としての適用範囲を広げることができる。さらには、電
気カーペットや電気毛布、あるいは、シーツ、カーテン
や壁貼り布等にも使用することができる。
【0017】また、合成樹脂をポリエステル系樹脂また
はナイロン系樹脂としたことによって、電磁波シールド
材が十分な柔軟性を有し、製織性を損なうことがなく、
製織により布体とした際にも同布体に充分な柔軟性を与
えることができ、衣服用の生地として使用可能とするこ
とができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第2実施例の電磁波シールド
材A2を示したものであり、ポリエステル系樹脂からな
る帯状糸4の一側面に導電性金属である銀を蒸着して導
電性金属被着面5を形成し、さらに、多数の通気孔8を
穿設し、導電性金属被着面5を内側にして、複数本のポ
リエステル系樹脂からなる繊維で、めっきや蒸着などの
導電処理を施していない非導電性繊維6を束ねた非導電
性糸からなる芯糸7に、らせん状に巻き付けてらせん糸
としたものである。
【0019】帯状糸4の素材はポリエステル系樹脂に限
定するものではなくナイロン系樹脂またはそれ以外の合
成樹脂であればよいが、特にポリエステル系樹脂または
ナイロン系樹脂を使用することによって、柔軟性を有す
る電磁波シールド材A2とすることができ、製織性を高
めることができるとともに、製織された布体を柔軟に仕
上げることができる。
【0020】ただし、電磁波シールド材A2の柔軟性
は、帯状糸4の幅や巻き付け状態にも依存するものであ
り、帯状糸4の幅や巻き付け状態は、所要の柔軟性が得
られるように適宜選択して使用されるものである。
【0021】また、帯状糸4には多数の通気孔8を穿設
しており、同通気孔8を設けたことによって電磁波シー
ルド材A2をさらに柔軟とすることができるとともに、
通気孔8を介して空気及び湿気を流通させることができ
るので、通気性及び吸湿性を向上させることができる。
【0022】同通気孔8は導電性金属被着面5の形成後
に穿設してもよいし、導電性金属被着面5の形成前に穿
設してもよい。通気孔8の大きさは10μm程度が望ま
しいが、10μmより大きくてもよい。特に、通気孔8
の穿設を導電性金属被着面5の形成前に行う場合には、
大きめの通気孔8を形成しておき、導電性金属の被着に
よって孔径が縮小することによって所要の孔径となるべ
く構成してもよい。
【0023】本実施例では、幅太の帯状となったポリエ
ステル系樹脂からなるフィルムに銀蒸着を行い、次いで
通気孔8を穿設し、その後、所要の幅を有する帯状糸4
に切離することによって帯状糸4を形成している。蒸着
する導電性金属は銀に限定するものではなく、導電性を
有していればどのような金属を用いてもよく、さらに、
蒸着以外にもめっきによって導電性金属被着面5を形成
してもよい。
【0024】芯糸7は、ポリエステルからなる繊維に限
定するものではなく、所要の物性が得られる芯糸7を適
宜選択して使用してよい。特に絹糸や木綿糸などを用い
ることによって、通気性及び吸湿性をより向上させるこ
とができる。
【0025】導電性金属被着面5を内側にした帯状糸4
を芯糸7にらせん状に巻き付けることによって、電磁波
シールド材A2の外周面には導電性金属が露出しないの
で、製織時に導電性金属が剥離することを防止すること
ができる。
【0026】特に、ポリエステル系樹脂またはナイロン
系樹脂などの合成樹脂からなる帯状糸4自体に着色を施
し、有色の帯状糸4としておくことにより、電磁波シー
ルド材A2を有色とすることができるので、電磁波シー
ルド材A2を製織して布体とした際には、衣服だけでな
く様々な用途に、電磁波に対するシールドが可能な布体
として使用可能な生地とすることができる。このとき、
必要であれば芯糸7にも同色の糸を使用する。
【0027】特に、帯状糸4に無数の通気孔8を形成し
ていることによって、電磁波シールド材A2に通気性及
び吸湿性を付与することができるとともに、柔軟とする
ことができるので、製織することにより衣服用の生地や
シーツ、電気カーペットや電気毛布用の生地、あるい
は、カーテンなどとしても使用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得る
ことができる。
【0029】請求項1に記載の発明によれば、幅太の帯
状とした合成樹脂からなるフィルムの一側面に導電性金
属を被着して導電性金属被着面を形成し、同フィルムを
所用の幅に切離して帯状糸とし、導電性金属被着面を内
側にして帯状糸を芯糸にらせん状に巻き付けることによ
って、外周面には導電性金属が露出しないので、製織し
て布体とする際に導電性金属が剥離することを防止する
ことができ、さらに、導電性金属を被着した帯状糸の合
成樹脂自体に経時的な劣化が生じても、導電性金属被着
面の導電性金属が剥離するおそれがないので、長期間に
わたって電磁波に対するシールド性を維持することがで
きる。
【0030】請求項2に記載の発明によれば、帯状糸に
通気孔を穿設していることによって、電磁波シールド材
の通気性及び吸湿性を向上させることができるととも
に、同電磁波シールド材に柔軟性を付与することができ
る。
【0031】請求項3に記載の発明によれば、一側面に
導電性金属を被着して導電性金属被着面を形成するとと
もに、通気孔を穿設した合成樹脂からなる帯状糸を、同
導電性金属被着面を内側にして芯糸にらせん状に巻き付
けたことによって、外周面には導電性金属が露出しない
ので、製織して布体とする際に導電性金属が剥離するこ
とを防止することができ、また、導電性金属を被着した
帯状糸の合成樹脂自体に経時的な劣化が生じても、導電
性金属被着面の導電性金属が剥離するおそれがないの
で、長期間にわたって電磁波に対するシールド性を維持
することができ、さらに、通気孔によって通気性及び吸
湿性を向上させることができるとともに、同電磁波シー
ルド材に柔軟性を付与することができる。
【0032】請求項4に記載の発明によれば、帯状糸と
なる合成樹脂を、ポリエステル系樹脂またはナイロン系
樹脂としていることによって、電磁波シールド材をより
柔軟に構成することができるので、布体への製織性を高
めることができ、また、製織された布体自体を柔軟なも
のとすることができる。
【0033】請求項5に記載の発明によれば、芯糸を木
綿糸としていることによって、通気性及び吸湿性をより
向上させることができる。
【0034】請求項6に記載の発明によれば、合成樹脂
に着色を施していることによって、電磁波シールド材に
適宜の着色を施すことができるので、様々な色彩を有す
る電磁波シールド材を提供することができ、同電磁波シ
ールド材を製織して布体とした際には、衣服だけでなく
様々な用途に、電磁波に対するシールドが可能な布体と
して使用可能な生地とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールド材の説明図であ
る。
【図2】電磁波に対してシールド性を有している従来の
布体の説明図である。
【符号の説明】 A2 電磁波シールド材 4 帯状糸 5 導電性金属被着面 6 非導電性繊維 7 芯糸 8 通気孔
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 純一 福岡県福岡市博多区比恵町18番1号 森博 多織株式会社内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA06 MA39 PA21 PA26 PA46 RA24 UA25 5E321 AA23 BB23 BB41 BB44 CC16 GG01 GG05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を被
    着した導電性繊維と、非導電性繊維とを撚り合わせ、合
    成樹脂系糊からなる糊液によって糊付けし、表面に合成
    樹脂系糊からなる皮膜を形成したことを特徴とする電磁
    波シールド材。
  2. 【請求項2】 合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を被
    着した導電性繊維からなる導電性糸に、非導電性繊維か
    らなる非導電性糸を重ね合せ、合成樹脂系糊からなる糊
    液によって糊付けしたことを特徴とする電磁波シールド
    材。
  3. 【請求項3】 合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を被
    着した導電性繊維からなる導電性糸に、非導電性繊維か
    らなる非導電性糸を巻回し、合成樹脂系糊からなる糊液
    によって糊付けしたことを特徴とする電磁波シールド
    材。
  4. 【請求項4】 合成樹脂系繊維の表面に導電性金属を被
    着した導電性繊維からなる導電性糸に、非導電性繊維か
    らなる非導電性糸を撚り合わせ、合成樹脂系糊からなる
    糊液によって糊付けし、表面に合成樹脂系糊からなる皮
    膜を形成したことを特徴とする電磁波シールド材。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系樹脂からなる繊維の表面
    に導電性金属を被着して導電性繊維とし、同導電性繊維
    を複数本束ねて形成した導電性糸に、非導電性繊維を複
    数本束ねて形成した2本の非導電性糸を、1本は右撚り
    に、もう1本は左撚りに撚り合わせてたすき状撚糸と
    し、合成樹脂系糊からなる糊液中を通過させ、たすき状
    撚糸の導電性繊維の露出面に合成樹脂系糊を被着させた
    ことを特徴とする電磁波シールド材。
  6. 【請求項6】 前記糊液中に、非導電性繊維と同色の顔
    料または染料を添加することによって着色を施したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁
    波シールド材。
  7. 【請求項7】 一側面に導電性金属を被着して導電性金
    属被着面を形成し、かつ、通気孔を穿設した合成樹脂か
    らなる帯状糸を、同導電性金属被着面を内側にしてらせ
    ん状に心糸に巻き付けたことを特徴とする電磁波シール
    ド材。
  8. 【請求項8】 前記合成樹脂に着色を施していることを
    特徴とする請求項6記載の電磁波シールド材。
  9. 【請求項9】 前記合成樹脂がポリエステル系樹脂また
    はナイロン系樹脂であることを特徴とする請求項7また
    は請求項8記載の電磁波シールド材。
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